男「実は俺……肩に爆弾抱えてるんだ」女「え……?」 (139)

女「ほ、ほんとうなの……?」

男「あぁ……黙っててごめん。まだお前と監督にしか話してないけど……今日の部活が終わったら、みんなにも話そうと思う」

女「そんな……じゃ、じゃあ地区予選は!?」

男「……今年の夏はもう、投げられないかもしれない」

女「そんなのってないよ……!」

男「おいおい、大袈裟だな。泣かないでくれよ」

女「大袈裟なんかじゃないよ……このバカ!
爆発したら……爆発したら、死んじゃうんだよ!」

男「いや、死にはしないけど……悪い、もう先行くな。
ピッチングは出来なくても一応、部活に出ねぇと。お前も急げよ、マネージャー」


女「あ、男……」

女「それにしても……まさか男も……」

女「まさか男もサイボーグだったなんて」プシュー

女「男もあの組織から逃げてきたのかな……だとしたらパパが爆弾を外せるかも……!」

女「今日家に帰ったら聞いてみよう!いや、今すぐにでも!」

女「飛んで帰りたいけど……比喩じゃなく本当に飛んで帰りたいけど……でも、男が部活行くんだもん。
あたしもしっかりそれを手伝わないと……マネージャーとして」

女「男……」

女「いけない、アイセンサーからオイルが」トロトロ

僕「なっ、なんだって!?」

僕「至急爆弾処理班を呼べえええ!!!もたもたするなモブ上等兵!!!」

僕「爆発規模は大きいと想定される!!装備は必要ない!!!」

僕「暴発すればそれすなわち……」







僕「死だ。」

僕「よし処理に取り掛かれええええ!!!!」

友「おっとこー!野球しようぜ!」

女「あ、友くん」

友「マネージャー!男は?」

女「男なら先にグラウンド行ったよ」

友「あの野郎!つれないぜ!……ん?女、もしかして泣いてたか?」

女「あ、いや!泣いてないよ!泣いてないから!」フキフキ

友「女の子の涙って薄茶色なんだな。血が青いのは知ってたけど」

女「ナプキンのCMのアレは本物の血じゃないよ……」

友「マジで!初めて知ったぜ!」

女「もう」クスッ

女「ほら、あたし達も部活行こう。強打者がいないと始まらないよ?」

友「おっとそうだな!さて、野球だ野球!」

オエーイ!
イチネン!コエダセー!

友「早くフリーバッティングしたいぜ!」

女「そうだね……」

ショート「よぉ、お二人さん。うちのピッチャー知らねぇか」

友「男か?監督と部室で話してたぞ」

キャプテン「ずいぶん暗い顔してたが……心配だな」

セカンド「……大方、そこのマネージャーとケンカだろう。
エースだって自覚あんのかね、あの男。マウンドに立つ男があれじゃ、士気に関わるよ」

女「ち、違うよ!」プシュー!

サード「そうさ。あいつはそんな無責任な男じゃない」

キャプテン「最近調子を崩してたようだし、故障かもしれないな。あの様子だと」

女「(さすがキャプテン、うちの4番打者ね……なんて選球眼。
男がサイボーグっていうのに気付いてる。当たらずとも遠からずだよ)」

サード「彼は責任感が強いからな。みんなに余計な心配かけまいと隠していたのかもしれない」

ショート「あー確かになぁ。あの野郎、明るく振る舞ってるようで……なんかよぉ」

サード「暗かったよな」

ライト「同意見だ」

女「……誰にでも人に話せない隠し事の一つや二つはあるよ」ガシャン…

ショート「……ハッ、そりゃ言えてるぜ」

ショート「(まさか俺がとある悪のテロ組織が生んだ人造人間で、組織から逃亡したサイボーグを始末するためにこの街に来たけど……今は甲子園に行くのが夢ですだなんて誰も思わんわなぁ)」

セカンド「(まさか私が実はとある非公開機関の凄腕エージェントで、この街に潜伏中との情報がある人造人間を追って入学したけど……今は野球に夢中ですだなんて誰も思わないよなぁ)」

サード「(ガチで勇者の末裔なんだけど言ったら引かれかなぁ)」

友「しれっと公式戦出てるけど、実はダブってるなんて言えないぜ」

ライト「(実はエスパーで心の声が聞けますなんて言えない)」

>>12
クソワロタ

監督「おい、集合しろ!球児共!」

オェェェエエイ!

監督「男から大事な話があるそうだ」

男「……実は、俺……!俺……!」

監督「肩に爆弾を抱えてるそうだ。
懸命に間に合わそうとしてるが、地区予選は絶望的らしい」

えぇ!マジかよ!

うちのエースピッチャーなのに!

ショート「!?」

セカンド「!?」

ショート「(爆弾だとぉ!?あいつもテロリストだったのかよ!気付かなかった!
いや、そんなことより事件起こすなよ!出場停止なんだろ馬鹿!)」

セカンド「(爆弾だって……!まさか男が機関の探していたテロリストだったのか!?気付かなかった!
任務を遂行……いや、表沙汰に事を起こしたらチームが出場停止になりかねないし、エースピッチャーを失うのはマズイ!)」

女「(大丈夫だよ、男……!
男に内蔵された爆弾、絶対外してあげるからね!)」

ライト「(こいつらバカだww)」

サード「(俺のベホイミで治らないかなぁ)」

ライト「クッ、クク……(笑かすなサードwwここで笑ったら俺最悪なやつだろ!)」

女「……」ギロリ

ライト「(あ、これ殺意だ終わった)」

サードwwwwwwwwwwww

男「みんな……すまない!本当にすまない!
みんなに迷惑かけて……!!」

監督「ホントホント」

ざわ……ざわ……

キャプテン「男」

男「キャプテン……」

キャプテン「誰もお前を責めやしないよ。大丈夫だ。ゆっくり休め」

男「でも俺、せっかく背番号もポジションも頂いたのに……足引っ張って……!予選にも出られないで……」

キャプテン「予選は確かに間に合わないかもしれない。
だが、甲子園にはどうだ?」

男「あ……」

キャプテン「考えてもなかったって顔だな。
男、我が泥濘校野球部は負けん。絶対にな。エースピッチャーが戻ってくるまで勝ち進むさ。
だから、今は仲間を信じてリハビリに励め。そしてマウンドに帰ってこい」ニカッ

男「キャプテン……!!」

ライト「(かっけぇ)」


キャプテン最高!

男ばっかに負担掛けれないもんな!

絶対勝つぞー!

男の復帰まで勝ち進もうぜ!

男「みんな……!」

男「みんな、本当にありがとう!!」

ライト「(本当に人格者だよなぁ、キャプテン。滅茶苦茶な面々をまとめてるし……頭が下がるわ。
今まで畏れ多くて覗こうとしなかったけど、ちょっと心読んでみるか。
多分、野球のこと大好きなんだろうな)」

キャプテン「(男可愛い。ペロペロしたい)」

ライト「」バタン

右翼が倒れたぞ!

熱射病か!?

キャプテンェ

>>10
それなムリゲー過ぎて積んだ思い出

下校中――

レフト「いやぁ、さすがキャプテンって感じだったね」

女「男涙ぐんでましたよねー!ちょっと可愛かったかも」

男「う、うるせー!」

センター「グルル……ガウ」

男「おいおい、センターまで俺をからかうのかよ!」

>>25
ドリルを使うのだッ!

女「あ、そうだ男。今日さ、うちで食べてかない?」

レフト「お、妬けるねぇ」

女「もう、そんなんじゃありませんってば!なんなら、レフト先輩とセンターくんもどう?」

レフト「嬉しいお誘いですが、野暮用がありまして」

男「あー、すまん。今日さ、親父が早く帰ってくるらしくて、家族で外食するんだ」

女「そうなんだ……」

セカンドはでてるか?


センター「グルル……!」

女「えと、センターくんは?」

センター「ガルル……!」

女「迷惑じゃないよー!センターくんがうちくるのって中学以来だね!
うちのお父さん喜ぶよ!」

センター「ギシャァァア!」パッ

男「センター、嬉しいと肌が七色になる癖まだ治ってないのかよ」

レフト「いやぁ、初めて見た時は驚いたよ」

センター「グルァ……」シュン

女「大丈夫だよ。中学の頃の野球部みたいに、そんなちっちゃなことでセンターくんをいじめる人いないから」

レフト「そうだよ、センター君。試合中グラウンドの土と同化するのは困るけど、七色は綺麗じゃないか」

センター「キシャァァア!!」ズバァァア!ブブブブブ!ウネウネ

女「あはは、シャツから羽と触手が出てるよセンターくん。
あ、じゃああたし達こっちだから。また明日ね、男、レフト先輩」

レフト「えぇ、ではまた」

男「またな」

レフト「それにしても、いいんですか?男君」

男「先輩って真面目な顔してそういう話好きですよね……みんなにも言ってるけど、女とはただの幼なじみで何ともないんですって!」

レフト「まだ何も言ってないけどね」

男「う……だいたい、センターだってあいつと昔からの付き合いだし、そんなんじゃないっすよ!」

レフト「どうだろうねぇ。人は誰しも、誰にも言えないことや気持ちがあるもんだよ」

男「そんなもんですかね」

レフト「そんなもんさ」

男「例えば先輩は……実は宇宙人だとか?」

レフト「ハハハ、宇宙人じゃないけど……実は僕はね、一世を風靡した元売れっ子子役なんだよね」

男「まっさかー!」ハハハ

レフト「これが本当でねー」ハハハ

男「あ!俺、こっちなんで!先輩さよなら!」

レフト「はいさよなら、気を付けて」

スタスタ

レフト「……」

ライト「(あ、レフト先輩だ。声かけるか)」

ライト「せんぱ――」

レフト「いつまでつけてるんです?」

ライト「(え!別につけてないよ!というか、まさか先輩も能力者!?)」ビク!

?「やれやれ、気付いていたか」

ライト「(暗がりからなんかスーツのオッサン出てきた!)」

レフト「お久しぶりですね、プロデューサー」

プロデューサー「お前が出てってもう三年になるな……前も言ったが、考えなおしてくれないか」

レフト「僕は事務所に戻る気はありませんよ。プロデューサーには本当に悪いと思ってますが……」

プロデューサー「……目を醒ませ!レフト!お前には演技の才能がある!十年に一人の逸材といってもいい!
なぜ、なぜだ!俺なら成功を約束してやれる!戻ってこい、あんな事件忘れて!
このままじゃお前は『あの人はいま』だ!」

レフト「分かってます!あぁ分かってるさ!
自分はスポーツ選手としては体格に恵まれていないし、特別運動神経が良いわけでもない!
分かってるんだ……捨て子だった俺を拾ってくれたあんたには……プロデューサーには申し訳ないと思う……でも……」

レフト「自分を偽って生きるのは、もうたくさんだ……!」

ライト「(出づれえええぇぇぇぇえええッ!!リライトしてぇぇぇぇえええッ!)」

プロデューサー「本気……なんだな」

レフト「えぇ。ふふ、笑えますね。最初、野球は逃げの口実だった。
野球好きの球児を演じてたんだ。でもね、プロデューサー。
俺は今、人生で初めて演技を止めて、本気になってるんですよ、今のチームでする……野球ってスポーツに」

ライト「(先輩)」ウル…

プロデューサー「ふん、私は諦めないぞ……」スタスタ

ライト「(なんだよなんだよ!あのオッサン!
心読まんでも分かる!金になるからって左翼手先輩に付きまとってるに決まってるぜ!
今度会ったら脳の隅々まで覗き込んで暴露してやるからな!)」

カランカラン

ライト「(あ、いけね)」

レフト「ん?そこに誰かいるのかい?」

ライト「へへっ、どーも……盗み聞きする気はなかったんですが……」オズオズ

レフト「ライト君か。ははは、いや参ったなぁ」

ライト「……マジですみません」

レフト「いやいやいいですよ。
チームメイトに隠し事もなんだし、せっかくだから話そうか」

レフト「実は今まで隠してたけど僕は……元売れっ子の子役なんだ」

ライト「(すんません最初から知ってましたぁああ!!)」

地下研究施設――

博士「お帰り、女」

女「ただいま、パパ!」

センター「グルル……」

博士「おぉ、センター君。またでかくなったなぁ」

女「もう二メートル軽く越えてるよね」


博士「たんとお食べ」

センター「マルマルモリモリ!」

博士「ははは、相変わらずいい食いっぷりだなぁ。
男君や友君は元気にしてるかね?」

センター「ガウ!」バキバキ

博士「そりゃ良かった。だがテーブルごと食わんでくれ」ハハハ

女「それより、パパ」ヒソヒソ

博士「なんじゃ娘よ」ヒソヒソ

女「あとで大事な話があるんだけど」

博士「ま、まさか見つかったのか……?例の究極生物が……?」

女「いや、ごめん。そっちじゃなくて、男のこと」

博士「あぁ、色恋沙汰の相談か。胸部もサイボーグ化すれば悩殺出来るかもしれんぞい」

女「もう、そうじゃなくて!男もサイボーグかもしれないの!
それで、やっぱり時限爆弾が付けられてるみたいでさ。パパ、どうにか外せない?」

博士「お、男君がサイボーグぅ?男君は昔から知ってるが……ううむ。世界広しといえど、サイボーグを作る技術と資金がある組織はそう多くない。
それらによって作られたサイボーグは全て把握しているんだが、男君はワシの記憶にないな。
ということは、ワシの知らない全く別の組織……全く未知の技術系統から作られているかもしれない。
……だとすれば、ワシの手には負えんな」

女「そんな……」

博士「ワシの方でも全力を尽くして調べてやる。そんな顔をするな」

女「うん……ありがとう」

博士「……例の件でもお前には苦労を掛けているからな。当然じゃ」

女「苦労だなんて、そんな。あの地獄からあたしを連れて逃げてくれたのは、パパだもん。
手伝うのは当たり前だよ。でも、数年前から探してるけどいないよね。
人型で羽と触手があって体色を自在に変えれて何でも食べる化け物なんて。そんなの本当にいるの?」

博士「あぁ……確かにいる。何せ、南極に墜落した隕石の中にいたアレを太古の眠りから復活させたのは……他でもないワシじゃからな。予想が正しければ、この街にいるはずなんじゃ……しかも、成長してな」

女「ゴクリ……!」

センター「マルマルモリモリ!」

博士「あれを世に放ってしまったのは、ワシが組織で犯した最後にして最大の悪事じゃ。
自分でケジメをつけたいんじゃ……この命に換えても。
本当は無関係のお前を巻き込みたくないんじゃが」

女「そんなこと言わないで!血が繋がってなくたってあたし達は家族でしょ……!」

博士「おぉ……娘よ、お前は最高傑作じゃー!!」

女「パパー!」

ガシッ

センター「ギシャァァァアア!!」

センター「(この惑星に堕ちて早五万年……破壊の本能しかもたない私は、眠りから覚める度に、育ちすぎた文明を滅ぼしていた。
だが、野球と会ってから私は変わってしまった。
…………最近はそれも悪くないとさえ思っている)」バクバク

センター「(それに、この惑星の住人のカゾクアイというものは――)」

センター「(あたたかい)」ジーン

レフト「……というわけで、その番組でそれを批判してから圧力がかかってきてさ。
ふふ、笑えるよね。ポジションは左翼なのに右翼ってやかましいわ。
……あの頃の僕は自分の信念まで騙して演技が出来るほど、器用じゃなかったんだ」

ライト「うう……先輩、マジで苦労してきたんすね……(ほとんど事情知ってたけど泣ける……)」ポロポロ

レフト「な、泣かないでよライト君。それに誰だって人に言えない悩みや苦労はあるさ。だろ?」

ライト「確かに……俺も実は、人に言えない秘密があって」

レフト「……そうか。僕でよければ聞こうか?」

ライト「はい……自分、その……えーと、むちゃくちゃ勘が良くて。
それで、中学野球時代いじめられてたんす……」

レフト「そうなのかい……勘が良くて……?」

ライト「はい……リアルパワプロ糞野郎とか球種表示ONロックオンチート野郎とか言われてまして……」

レフト「君も大変だったんだね……」

プルルルル

ライト「あれ?キャプテンからメールだ」

レフト「僕もだ。お、初戦の相手が決まったみたいだね。
オリエント工業高校だってさ」

ライト「……!」

レフト「去年から急激に力を増してるチームだ。注意が必要だね。
ん?どうしたんだいライト手君」

ライト「(うわぁぁぁあああ!俺いじめてた連中いるとこだぁぁああ!)」


ブン!…ブン!…ブン!

セカンド「……!誰だ」

ガサガサ

ショート「よぉ、意外に努力家なんだな。人気のない神社で素振りの音がすると思えばよ」

セカンド「……ふん、ボクはお前みたいに遊び歩くのが好きじゃないだけだ」

ショート「へっ、そうか。これでもランニングしてたんだがなぁ(遊んでますってイメージ持たれてるけど、実は童貞なんだよなぁ)」

セカンド「(派手な見た目の割りにこいつ童貞臭い。
みんな気付いてるけど気遣って触れないの知らないよなコイツ)」

ショート「ところで、聞いたか。初戦の相手が決まったらしい」

セカンド「え!?聞いてない!なんで!なんでだよ!メール私にだけきてないぞ!」

ピリリリ

セカンド「……」

ショート「いまきたな(取り乱し過ぎだろ。
つうか私って、……隠せてるつもりなんだろうけど、どこからどう見ても女だよなぁ。
みんな気付いてるけど気遣って触れないの知らないだろうなこいつ)」

セカンド「(マズイ。私って言っちゃった。
でもまぁ今まで誰にも気付かれなかったし心配いらないだろう)」

ショート「さて、切り上げて帰らないか。
あんま無理して試合前に体調崩してもしょうがねぇだろ?(実は夜道怖い。暴漢襲ってきても余裕だけど)」

セカンド「そうだな(助かった。夜道怖い。暴漢襲ってきても余裕だけど)」


試合当日――

監督「集合」

キャプテン「みんな集まってくれ!」

オェーイ!

監督「いよいよ今から試合に挑む。
勝つにせよ負けるにせよ、俺としては早めに終わらせてもらいたい」

「「「はい!!」」」

キャプテン「よし、乗り込むぞ!」

1番 左翼手 レフト
2番 二塁手 セカンド
3番 一塁手 友
4番 捕手 キャプテン
5番 中堅手 センター
6番 遊撃手 ショート
7番 投手 サード
8番 右翼手 ライト
9番 三塁手 補欠

監督「オーダーはこれな。男壊れてるからサード投げてくれ」

サード「え!?コンバートすか!自分そんな話聞いてないし投手経験ないっすけど!!」

監督「え?いま言っただろ」

サード「(マジかよ)」

ライト「(さすが勇者。いつの時代も無茶ぶりされるんだな)」

補欠「サードが守ってたポジに入れますぞ!」

監督「あ、試合開始だ。挨拶してこい」

敵ファースト「へへ……よう、チート野郎」

ライト「お、おう久しぶりぃ」

敵ファースト「相変わらず敵チームに賄賂渡して、活躍させてもらってるんだろ?
そうじゃなきゃ体力のないお前がレギュラーなれるはずないもんなぁ」

ライト「……」

レフト「君、そこまでにしないか。僕らは球児だ。
ごちゃごちゃ言うより、分かりやすい決着の付け方があるだろう?」

敵ファースト「へっ……!違ぇねえ。八百長じゃなきゃ、こいつが俺に勝てるはずないしな!」

スタスタ

ライト「先輩、ありがとうございます……」

レフト「いやなに……ライト君」

ライト「?」

レフト「絶対、勝ってやろうぜ!」

ライト「!……はいッ!」

球審「プレイボール!!」

キャプテン「サード、落ち着いていこう。大丈夫、バックを信じて投げてくれ」

サード「……ッス。全力を尽くします!」

ライト「(まぁ大丈夫だろ)」

敵センター「オェーイ!」

敵センター「(まさか俺が伝説の学生メタルバンド、レッドヘル堕仙のベースだとは誰も気付かないだろうなぁ。メイクしてないし)」

ライト「(マジかよ!ファンだったぞ俺)」

サード「ふっ!」ビシュ!ズドン!

ボール!

ボール!

キャプテン「大丈夫、大丈夫。力抜いて……」

敵センター「(はえぇぇえええ!!!なんだよこいつの球!人間じゃねえだろ!)」

ストライク!

キャプテン「んんっ……!入ったよ……」

サード「は、入った!」

バッターアウッ!

敵センター「くそ……試合のリズム作れなかったぜ」

敵ライト「まぁ、速いだけならなんとかなるさ。……行ってくる」

敵ライト「(まさか俺らが音楽やめて野球してるなんてファンは誰も思わんだろな)」

ライト「こいつもかよ」

男「?」


トラァイクツー!

敵ライト「く!」

トライク!バッターアウッ!

敵ライト「すまん……あの球32ビートは出てるな」

敵レフト「いいさ。敵も中々ロックってことだ」

敵レフト「(レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ!!)」

ライト「(ボーカルだな)」

バッターアウッ!

敵レフト「(レイプ……)」ショボン

男「よし、三者凡退だ!」

監督「パルコうまい」

レフト「じゃあ、行ってきます」


ブサメン「……」ビシュ!ズバン!

監督「敵のピッチャーいい球放るな。ブサメンだけど」

ブサメン「(実はこの顔が精巧なマスクで、本当は超絶イケメンだとは誰も思わないよなぁ)」

ライト「え!?そうなの!」

男「?……どうしたライト」

ライト「い、いや、なんでもない」

ブサメン「……」ビシュ!ズバン!

レフト「(速い……!制球力もいいし、一回戦目で当たっていい相手じゃないな)」

ブサメン「……」ビシュ!ククッ!ズバン!

トライック!バッターアウッ!

レフト「……ごめん、みんな」

セカンド「ははは、まだ試合は始まったばかりじゃないすか。
じゃボク、行ってきますね」

ブサメン「……」ビシュ!

セカンド「(うわ。速いな。うちと当たらなきゃいいとこまでいけただろ、このチーム)」

カキーン!

ブサメン「!?」

男「さすがセカンド!綺麗なセンター返しだ!」

監督「あそこのポジション、センターっていうのか」

友「よっしゃ!俺も続くぜ!」ブン!ブン!

ブサメン「……」ビシュ!

友「せい!」

ストライク!

監督「おい、今の明らかにボールだろ。抗議してくる」

男「いや、振ったらストライクになるんですよ」

ショート「あの野郎なんでも手ェ出すよな。俺みてぇだ」フッ

ライト「……ブフッww」

ファーボール!

敵キャッチャー「(よし、追い込んだ。外角高めに釣り球を。こいつなら振るだろ)」

ブサメン「……」コクッ

友「うおおおお!!」

スカッ!ストライク!バッターアウッ!

ライト「あちゃー」

敵キャッチャー「(フッ、まさかリードギターだった俺が今は投球をリードしてるなんて誰も気付くまい)」

ライト「(誰うま)」

キャプテン「お願いします」

ブサメン「……!(こいつ……何者だ。どこに投げても打たれるイメージしか湧かない。
超絶イケメンのこの俺が……投げる前から圧されてるだと。
敬遠……否!一度も勝負せず逃げられるか!)」

ビシュ!ククッ!

キャプテン「……」

キンッ!!!

男「さすがキャプテン!でかい!」

監督「ホームランだろこれ」

敵レフト「おおおぉぉお!!」

ダン――パス!

アウトー!

セカンド「!……うっそだろ」

男「と、捕った……ホームラン性の当たりだったのに」

ブサメン「……助かった。恩に着る、敵レフト」

敵レフト「へへ、いいっすよ……キャプテン。
それより、次キャプテンでしょ?一発お願いしますね」

ブサメン「あぁ……」

サード「四番でピッチャーかよ。ちぇ、かっこいいなぁ」

ブサメン「……」

サード「ふ!」ビシュ!ズバン!ストライク!

ブサメン「(すまない……すまない……みんな。俺はこの試合、最後までいることができないんだ。
この回が終わったら抜けないと……)」

ライト「(ん?)」

サード「ソイヤ!」ズバン!トライーク!

サード「しゃ!追い込んだ!」

キャプテン「……子供たちのことが気にかかってるようだね」

ブサメン「!?」

キャプテン「大丈夫だよ。さっき奴らのアジトを割り出した。
今頃、警察が乗り込んでるだろう」

ブサメン「お前は……一体……なぜそれを……?」

キャプテン「なに……今は試合に集中しようぜ」

ブサメン「……感謝する」

ライト「(何があったんだよ)」

悔しいなあ…悔しいなあ…泣けないなんて…悔しいよお

サード「トドメだ!」ビシュ!

ブサメン「ありがとう。これで――」

カキーン!

サード「え?」

ブサメン「――思い切りやれる」

キャプテン「望むところさ」ニコ

監督「主砲ブサメンの本塁打により、サードはコントロールを乱し、続く五番バッターに四球を許してしまう。
更に甘いところに入った直球を打たれ、ライト前ヒット。
ノーアウト一二塁のピンチになったが、鉄壁の二遊間に救われ、色々あって無失点でチェンジ」

サード「監督……すみません」

監督「え?ごめん聞いてなかった」

キャプテン「気にしなくていい、サード。まだ二回だぞ?ガンガン攻めてイこう」

男「そうだぞ、サード。一人で気負うな。こっから取り返していこうぜ!」

サード「あぁ!」

>>75
カンタくん?オネエサンだよ? おこるよ?

ブサメン「……」

センター「グオオ……!」

ブサメン「(人間じゃないな。さっきのキャプテンという男ほど圧力はないが……この形態で相手できる小物でもないか)」スッ…

男「顔に手を……?」

ブサメン「……」ビリビリ!パアアァァァアアアアア!

センター「!?」

イケメン「……」キラキラ

ショート「あいつ……なんてイケメンなんだ……!///」キュンキュン

レフト「怖いくらい整ってる!///」キュンキュン

セカンド「くぅ!///」キュンキュン

イケメン「……」ポイッ!ドオオオォォォオオオオオン!

男「投げ捨てたマスクが地面に亀裂を……!
あいつ、あんな重いマスクをして今まで投げてたのか!」

イケメン「さぁ、しまっていこうぜ!」

敵チーム「オェーイ!」

ブサメン「……」

センター「グオオ……!」

ブサメン「(人間じゃないな。さっきのキャプテンという男ほど圧力はないが……この形態で相手できる小物でもないか)」スッ…

男「顔に手を……?」

ブサメン「……」ビリビリ!パアアァァァアアアアア!

センター「!?」

イケメン「……」キラキラ

ショート「あいつ……なんてイケメンなんだ……!///」キュンキュン

レフト「怖いくらい整ってる!///」キュンキュン

セカンド「くぅ!///」キュンキュン

イケメン「……」ポイッ!ドオオオォォォオオオオオン!

男「投げ捨てたマスクが地面に亀裂を……!
あいつ、あんな重いマスクをして今まで投げてたのか!」

イケメン「さぁ、しまっていこうぜ!」

敵チーム「オェーイ!」

ブサメン「……」

センター「グオオ……!」

ブサメン「(人間じゃないな。さっきのキャプテンという男ほど圧力はないが……この形態で相手できる小物でもないか)」スッ…

男「顔に手を……?」

ブサメン「……」ビリビリ!パアアァァァアアアアア!

センター「!?」

イケメン「……」キラキラ

ショート「あいつ……なんてイケメンなんだ……!///」キュンキュン

レフト「怖いくらい整ってる!///」キュンキュン

セカンド「くぅ!///」キュンキュン

イケメン「……」ポイッ!ドオオオォォォオオオオオン!

男「投げ捨てたマスクが地面に亀裂を……!
あいつ、あんな重いマスクをして今まで投げてたのか!」

イケメン「さぁ、しまっていこうぜ!」

敵チーム「オェーイ!」

ブサメン「……」

センター「グオオ……!」

ブサメン「(人間じゃないな。さっきのキャプテンという男ほど圧力はないが……この形態で相手できる小物でもないか)」スッ…

男「顔に手を……?」

ブサメン「……」ビリビリ!パアアァァァアアアアア!

センター「!?」

イケメン「……」キラキラ

ショート「あいつ……なんてイケメンなんだ……!///」キュンキュン

レフト「怖いくらい整ってる!///」キュンキュン

セカンド「くぅ!///」キュンキュン

イケメン「……」ポイッ!ドオオオォォォオオオオオン!

男「投げ捨てたマスクが地面に亀裂を……!
あいつ、あんな重いマスクをして今まで投げてたのか!」

イケメン「さぁ、しまっていこうぜ!」

敵チーム「オェーイ!」

ブサメン「……」

センター「グオオ……!」

ブサメン「(人間じゃないな。さっきのキャプテンという男ほど圧力はないが……この形態で相手できる小物でもないか)」スッ…

男「顔に手を……?」

ブサメン「……」ビリビリ!パアアァァァアアアアア!

センター「!?」

イケメン「……」キラキラ

ショート「あいつ……なんてイケメンなんだ……!///」キュンキュン

レフト「怖いくらい整ってる!///」キュンキュン

セカンド「くぅ!///」キュンキュン

イケメン「……」ポイッ!ドオオオォォォオオオオオン!

男「投げ捨てたマスクが地面に亀裂を……!
あいつ、あんな重いマスクをして今まで投げてたのか!」

イケメン「さぁ、しまっていこうぜ!」

敵チーム「オェーイ!」

ブサメン「……」

センター「グオオ……!」

ブサメン「(人間じゃないな。さっきのキャプテンという男ほど圧力はないが……この形態で相手できる小物でもないか)」スッ…

男「顔に手を……?」

ブサメン「……」ビリビリ!パアアァァァアアアアア!

センター「!?」

イケメン「……」キラキラ

ショート「あいつ……なんてイケメンなんだ……!///」キュンキュン

レフト「怖いくらい整ってる!///」キュンキュン

セカンド「くぅ!///」キュンキュン

イケメン「……」ポイッ!ドオオオォォォオオオオオン!

男「投げ捨てたマスクが地面に亀裂を……!
あいつ、あんな重いマスクをして今まで投げてたのか!」

イケメン「さぁ、しまっていこうぜ!」

敵チーム「オェーイ!」

ブサメン「……」

センター「グオオ……!」

ブサメン「(人間じゃないな。さっきのキャプテンという男ほど圧力はないが……この形態で相手できる小物でもないか)」スッ…

男「顔に手を……?」

ブサメン「……」ビリビリ!パアアァァァアアアアア!

センター「!?」

イケメン「……」キラキラ

ショート「あいつ……なんてイケメンなんだ……!///」キュンキュン

レフト「怖いくらい整ってる!///」キュンキュン

セカンド「くぅ!///」キュンキュン

イケメン「……」ポイッ!ドオオオォォォオオオオオン!

男「投げ捨てたマスクが地面に亀裂を……!
あいつ、あんな重いマスクをして今まで投げてたのか!」

イケメン「さぁ、しまっていこうぜ!」

敵チーム「オェーイ!」

なにこれ…すみません、ミスりました

イケメン「全力で勝ちにいく……!」ビシュ!ズドン!

センター「……!」

トライク!

男「センターが振り遅れたぞ!?」

センター「(だが……所詮、人間!)」

キン!

センター「(お、重い……!)」

ボテボテ

敵ショート「ファースト!」ピシュ!アウトー!

男「あ、あのセンターが……」

友「あいつの内野ゴロ初めてみたぜ」

イケメン「ワンナウトー!」

敵チーム「ヤンヤヤンヤ」

ショート「チッ……任せな。一発で流れを変えてやる」

イケメン「(また人外か。多いな)」ビシュ!ククッ!

トライク!トライク!トライク!バッターアウッ!

ショート「」

サード「どんまい。打たれたんだ、打ち返してやる」

トライク!トライク!トライク!バッターアウッ!

サード「(俺、身体能力人類の限界越えてんだけどな)」ズーン

ショート「(球筋もイケメンとか……)」ズーン

監督「その後、試合は投手戦へともつれ込んだ。
本領を発揮したイケメンは人外をバッタバッタと打ち取り、うちのサードも調子を取り戻し、それぞれ四番以外ほとんど凡退に終わらせた。
だが、八回……ここでゲームは動いた」

イケメン「……」

キャプテン「敵のピッチャー、だいぶ疲れてるね」

セカンド「そうなんすか?全くそんな風に見えませんが……」

キャプテン「あぁ、間違いない。全くたいした奴だよ」

男「取り返すならこの回……ってことですね」

レフト「確かにあれは……『演技』だ。チャンスだよ、ショート君!」

ショート「うし!」

イケメン「……」ビシュ!ズドン!トライク!

ショート「かぁー……はえぇえな」

ショート「(けど、ノーヒットなんて死んでもごめんだ)」

キン!

男「おお!三遊間抜けた!」

監督「ヒットだな」

サード「おいおい……ショートのやつあの球打ちやがった……ここで打たなきゃかっこわりぃじゃんか」

キン!

イケメン「……!」

男「上手く引っ張った!打球は際どい!……フェアだ!」

監督「お、チャンスだろこれ。って、次ライトかよムリムリ」

ライト「(落ち着け……落ち着け……)」

敵キャッチャー「(インハイに直球しよ)」

ライト「(うんわかった)」

ブン!トライク!

ライト「(あぁぁぁあ!コースは分かってるのに、速すぎる!
凡人の俺が打てるわけねぇよ!)」

敵キャッチャー「(こいつ、なんかバットに全く迷いがないというか……くるとこを完璧に狙ってるというか……まさかエスパーか?)」

ライト「うん!」

敵キャッチャー「!?」

ライト「あ」

敵キャッチャー「(き、気のせい気のせい。アウトコースにフォークしよ)」

ビシュ!ククッ!トライク!

男「お、追い込まれた……」

監督「大丈夫」

男「監督……!」

監督「まだノーアウトだし余裕ある」

ライト「くそ……俺だって……俺だって好きでこんな能力持ったんじゃない……それにずっと練習してきたんだ」

『こいつチート使ってる!』

『サイン盗み見てるだろ!この花巻東野郎!』

『君、人の考えが読めるんだって?ちょっとうちの研究所で働かない?』

『気味が悪いよ、なんであたしの投げるコースが分かるのよ?別れましょ』

監督「(あ、やっと尻尾切れた)」ピコピコ

ライト「(やっぱり俺は敵ファーストの言う通り、コースが読めなければ補欠にも入れない落ちこぼれなのか。
いや、読めてもこのザマだ。
そうさ。こんな能力で得したことなんて……今まで一度も……!)」

男「(頑張れ、ライト!お前なら打てる)」

ライト「(……!)」

レフト「(ライト君……君なら打てる。努力してきた日々を信じるんだ!)」

友「(お前なら出来る!出し切れ!)」

キャプテン「(エスパーも実力の内だと俺は思うよ)」

ライト「(みんな……!)」

イケメン「!」ビシュ!

ライト「俺は――」

ライト「まだこのチームで野球がしたいんだ!」

キン!

イケメン「くっ!」コロ

男「ピッチャー返し!グラブ弾いた!」

ライト「うおおおぉぉおお!!」

イケメン「!」ピシュ!

男「脇目もせず一塁へ送球!微妙なタイミングだ!判定は……」

塁審「セーフ!」

味方「ウォー!」

ライト「は、はは……信じらんねぇ」

監督「彼の口から我知らずといった形で、そんな科白が漏れた。
だが、いつも打席から見てきたそれとは違う、新鮮な光景に実感が上ってくる。
未だ手のひらに残る痺れが、酷く心地よかった」

敵ファースト「お前がキャプテンからヒットを打つなんて……」

ライト「これでも毎日素振りしてきたからな」

敵ファースト「……」

イケメン「もう……打たせない」ゼヒッゼヒッ

補欠「(夏アニメさ、あんま観るのない)」

バッターアウッ!

レフト「よし!サッコォーイ(ライト君が打ったんだ。
先輩として恥ずかしい姿を見せるわけにはいかないな……それに)」チラッ

プロデューサー「……!」プイッ

オーオーオオオーオオオーオオオー♪
ウテウテレフト!オセオセレフト!

レフト「(これだ!)」

キン!

男「や、やった!一点返した!追い付いたぞ!」

監督「レフトの奴が打つとか珍しいな」

セカンド「しゃあ!」

キン!!

友「おら!」

バッターアウッ!

敵キャッチャー「キャ、キャプテン……」

イケメン「すまん……最初から飛ばしすぎた」

敵キャッチャー「そんな……そもそもキャプテンが今まで抑えててくれたのに、俺らが相手を打ち崩せなかったのが悪いっす!」

イケメン「……すっかり球児の目だな」

敵キャッチャー「ハハハ、キャプテンのせいですよ。
音楽を純粋にやれなくなった、濁りきった俺たちに……この道を教えてくれたのはあなたですよ。責任とって、まだまだ野球教えてくださいよ!」

イケメン「……最後まで全力でやる。力を貸してくれ」

敵キャッチャー「喜んで!」

ザッ…!

キャプテン「……」

イケメン「(ここが勝負だ。行くぞ、キャプテン!決着をつけてやる!)」ビシュッ!!

男「!……ここにきてまだあんな球威が出せるのか!」

キャプテン「いいゲームだったよ、イケメン」

キィン――

「「ありがとうございました!」」

男「どうにか勝ったな」

友「いやぁ、八回まで追い付けなかったからヒヤヒヤしたぜ!」

レフト「勝ち越したあとも最後まで粘られたね。手強いチームだったよ」

敵ファースト「……おい、ライト」

ライト「……敵ファースト」

敵ファースト「これで認めたわけじゃねぇからな。来年は俺たちが勝つ!……それまで負けるなよ」

ライト「!……おう!」

キャプテン「やぁ」

イケメン「……」

キャプテン「これが決着だなんて思わないよ」

イケメン「あぁ。……次は大学野球でな」

キャプテン「望むところさ」

監督「おい、初戦突破おめでとう。これからも各自励んで、野球太郎で取り上げられるよう頑張ってほしい」

「「はい!!」」

監督「あと忘れたけど帰りのバス手配するの忘れたから、もうここで解散な」

「「はい!!」」

女「男っ!」ガシャンガシャン

男「女……キャプテン凄かったな」

女「うんっ!あと全打席明らかなボール球振ってた友くんもね!」

男「チームが勝って喜ばないといけないのに……俺、ダメだな。試合に出たかったよ」

女「男……男の解説キャラもかっこよかったよ!」

男「はは、ありがとな」ナデナデ

女「水漏れしちゃう///」プシューッ

その後、野球部は快進撃を続け、久保のクイックばりの早さで準決勝へコマを進めました。

監督「あーやっぱつぼみは抜けるな」シコシコ

監督「騎乗位でのグラインドがいいんだよ、グラインドが」シコシコ

監督「この腰使い、三割打者のソレだよ」シコシコ…

監督「う」ブリューワ!

ガチャッ

男「監督!」

監督「ばっ……ノックぐらいしろよ!!」

男「監督……俺、どうしてもチームの役に立ちたいんです!」

監督「ふむ」フキフキ

監督「しかし、肩の具合はどうなんだ」

男「……二回か、三回なら投げられると思います」

監督「そうか。使えん」

男「……!」

監督「だがな、男。何もスタメンだけが勝負をするんじゃない。
父兄の方々やマネージャーの協力、俺の采配とかもあるんだ。
あるいは……情報が勝利に繋がることもある。特に次の対戦高、竜ヶ丘中央は全くの無名でデータが少ないからな。
キャプテンが留学生らしいが……」

男「……?」

監督「なぁ、お前役に立ちたいなら……マネージャーと潜り込んでみないか」

男「俺と女が……」

監督「こんなこともあろうかと、この地区の制服は全部揃えてある。
あいにくと男モノはないが……」

監督「なぁに、竜央校の体育服は男女共通だ」ニカッ

男「監督……!」

竜央校――

男「ここが次の対戦校か」

女「ね、ね!男!制服似合う?」

男「野球部は、と……」

野球部「オェーイ!」

カキーン!セカンドー!ファストー!

男「なるほど……準決勝ともなると個々のレベルが高いな……あ、女、レフ板持って」

女「うん」

マネージャー「我が君」

投手「なんだ、騒々しい」

マネージャー「その、何やら……撮影してる者がおりますが」

投手「ふん、案ずるな。どこの球団にスカウトされても、俺はプロに行く気はないわ」

マネージャー「いえ、あれは恐らくスカウトでは……」

投手「――」ゴゴゴ

男「あのマネージャーと話してるやつ結構でかいな……顔も濃いし、例の留学生か」

マネージャー「――」バイン

女「でかい」ギリギリ…!

捕手「おい、なんなんだあいつら。気が散るな」

一塁手「堂々と撮影してるよ……」

三塁手「ちょっとキャプテーン!いいんですかあれ」

投手「むぅ……分かった」

男「お、なんか留学生来た」

投手「そこの者、何故撮影してる?」

男「いやぁ、実はね、私たちこういうものでして……」サッ

投手「む?……熱闘……甲子園……?」

女「取材に来たんだよ!」

投手「ほぅ」

男「去年まで無名のチームがここまで破竹の勢いで勝ち進んできたとあっちゃ、注目しないわけにはいかないでしょ?」

女「今年大注目の強いチームなんだってね!」

投手「ほう」ニコニコ

男「でですね、選ばれしレギュラー一人一人にチョイとお話を伺いたいなと」

投手「着いてこい。我がチームが誇る最強の9人を紹介してやる」ニヘラ

男「(ちょろい)」

一塁手「キャプテンがなんか不審者つれてグラウンド入ってきた……」

二塁手「懐柔されたか。あの人バカだからな」

捕手「お前それマネージャーに聞かれたら……」

マネージャー「二塁手さん。あとで体育館裏に来てください」

二塁手「(オワタ)」

捕手「バカだな」

投手「まずは四つあるベースを守護する四天王を紹介しよう」フフ

女「四天王www」

投手「1番ファースト、一塁手!」

一塁手「……見ないで」

投手「我が軍最高の根暗だ!内向的なくせに内角が打てない!」

男「なるほど」カキカキ

投手「2番セカンド、二塁手!俊足巧打だが、低めのボール球に手が出やすい」

二塁手「ちょ……!」

投手「――こんなところだな」

男「ふむふむ、大変面白いお話でしたよ」

女「放送は一週間後の午前八時からだよ!見てね!」

投手「ふっ、そうか。……ん?待て、その日の時間帯は泥濘校との試合じゃ……」

投手「消えた……?」

ワイワイガヤガヤ…

男「――というわけだ」

セカンド「すげぇでかい収穫だな。チームのピッチャーがバカとかいう情報」

監督「今から撮ったモノをみんなでチェックしようと思う。
何か気付いた点があったら、バシバシ意見を言ってくれ」ポチッ

つぼみ『んああん!あっあっあっあっああ!』

監督「間違えた」ポチッ

投手『炎殺黒龍波!』ビシュッ!ズバァン!!

男「これが例のピッチャーだ」

ライト「(炎殺www黒ww龍ww波www)」

キャプテン「炎殺黒龍波か。手強そうだね」

ライト「ブフォッwwwww」

サード「――!」

センター「キシャァァア?」

サード「い、いや、なんでもない(なんだこの胸騒ぎ……)」

三塁手『!』パシッ

二塁手『おりゃ!』カキーン!

捕手『セカン!』ピシュッ!ギュウウゥウン!ズバァン!

キャプテン「全体的にレベルが高い。強いな、これは」

レフト「!……監督、一つ気付いた点があるのですが、よろしいでしょうか」

監督「おいレフト、私語は慎め」

レフト「え?いやさっき意見を

監督「私語は慎め」

レフト「はい…」

レフト「一回戦より苦しい試合になるでしょうね、次の相手」

ライト「楽にいかないんだなぁ、中々」

レフト「はは、そりゃ向こうも勝ち上がってきた高校だからね……ん?」

プロデューサー「……レフト」

レフト「プロデューサー……」

プロデューサー「前の試合、ツーベース打ったな」

レフト「……あぁ!見ててくれてたんですね」

ライト「(なんだよなんだよまた出やがったかこのオッサン!
予告エスパー通り、脳の奥底まで覗きまくって暴露してやるぜ!)」

ライト「(……)」

ライト「(あ……)」

ライト「(このオッサン……)」

プロデューサー「次の試合もスタメンで出るのか」

レフト「えぇ。見に来てくださるんですよね」

プロデューサー「そのつもりだ」

レフト「ははは、仕事は忙しいんじゃないんですか。
もう芸能界に戻る気がない、凡才の試合ですよ」

プロデューサー「完全に諦めたわけじゃないが……」

プロデューサー「今の俺は、ただの一高校野球ファンだ」フッ

レフト「……ふ」

ライト「(……これ以上は頭読むのやめよ)」

ライト「先輩。んじゃ、俺、先帰っときますんで!」タッタッタ

レフト「あ、ライト君。あぁ、すまないね」

プロデューサー「いい仲間を持ったな」

レフト「うん、まぁね」

プロデューサー「飯でも行くか」

レフト「あぁ、だったらリクエストいいですか?
久しぶりに――さんのご飯が食べたい」

プロデューサー「あぁ、妻の作る料理か。よし、あいつも喜ぶ」

ライト「超能力なんてなくたって、先輩は本当に自分が心配されてたって分かってたんだよな。
へへ……家族っていいもんだな……」シミジミ

ガサガサ…ドサッ

ライト「!?」

セカンド「はぁ……はぁ……お、お前はライトか……?」

ライト「(肩を押さえてる!映画みたい!手のすき間から血がどくどく流れてる!)」

セカンド「く……そ……試合前だってのに……考えてみれば……組織を知りすぎた私を生かすはずもないか……」

ライト「そういやこういう奴だったぁぁぁああ!!」

セカンド「うぅ……」

ライト「お、おい!セカンド大丈夫か!肩貸してやるぞ!
立て、追われてるんだろ!」

セカンド「バカ、逃げろ……私に関わると……!」

ライト「本当だよ!逃げたいよ!でもチームメイトだろ!(本当だよ!逃げたいよ!でもチームメイトだろ!)」

ライト「あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙逃げてぇぇぇええ!!(ほら、立てるか)」

ガシ…ヨタヨタ

セカンド「……本当バカばっかりだな」

ライト「ほら早く早く!逃げようぜほら早くな!」

セカンド「撃たれてるんだぞ私……ちょ、引っ張るな」

ムニュッ

ライト「(あ、幸せ)」

セカンド「巻き込んで本当に悪い。……信じてもらえないだろうけど、話さないわけにもいかないよな。
私はとある機関に所属していてな。
この街にいるらしい、テロ組織の強化人間を追ってたんだ……」

ライト「(すんません知ってましたぁぁぁああ!!)」

セカンド「でまぁ、最初は秘密裏に奴の痕跡を追って、任務を進めてたんだが、その、えと、野球……楽しくてな。
組織から何度も通告を受けても止められなかった。
定期報告さえサボってたら、いつの間にか、組織に削除対象にされていたらしい。
まぁ、見逃してくれるはずもない。分かってたんだ、本当は……けど、気付かないふりをしてた……」

セカンド「あたしって、ホント(野球)バカ」

ライト「ゼェゼェ!」

セカンド「もういいよ、ライト。……早く逃げな。
たかだか同じ部活の繋がりってだけの奴に命を捨てるな。
そもそも私は日の当たる場所にいちゃいけない人間なんだ。
そんな奴が高校野球なんて……」

ライト「……諦めるな!お前の守りと巧打がなければ、どうやって竜央に勝つんだよ!」

セカンド「!……バ、バカじゃないのお前」ピリリ

ライト「例の機関か?」

セカンド「いや……ショートだ。
そういや神社で練習する約束だったな」

ライト「……!」

ライト「(そうだぁぁぁああ!)」

ライト「貸せ!」

セカンド「お、おい!」

ショート『おう、セカンドか遅いぞ!なにやってんだよ!』

ライト「右翼手だよ!」

ショート『え……な、なんでセカンドといるんだよ!』

ライト「それより神社だよな!な!」

ショート『お、おう』

ライト「よっしゃ!そこを動くな!いいか動くなよ!
前ふりじゃないからな!ホント動くな!
動いたら小野の牽制球くると思え!」

ライト「神社か、近いな。よし、行くぞセカンド」

ダキッ

セカンド「ちょ、こら!」

ライト「(フラグが立った!)」

ダダダダダ!

神社――

セカンド「どういうことだよっ……!私はこれ以上誰かを巻き込むつもりは……」

ライト「ま、待って、息整えさせて……」

ショート「…………それよりよぉ、どういうことだ」

ライト「見りゃ分かるだろ……」

ショート「全然わかんねぇよ!なんでお前とセカンドが一緒にいるんだよ!!!」

ライト「(こいつ頼って大丈夫だったかな)」

セカンド「いや、チームメイトだし下校一緒だったりするもんだろ」

ショート「なんだそんなもんか。……お前!怪我してるじゃねえか!」

セカンド「……遅い」

ライト「(他の奴も呼ぼう)」ピポパ

宛先 ホモ
宛先 究極生物
宛先 勇者
宛先 忍者
宛先 元傭兵
宛先 サイボーグ
宛先 花火職人
宛先 霊媒師

本文 神社に至急きてくれ!

キャプテン「練習のやり過ぎは良くないよ、と」ピポパ

センター「(ん?ライトからか。いまドラマ見てるから無理と)」ピポパ

サード「行けたらいく」ピポパ

補欠「録画したアニメ見たいから無理にござると」ピポパ

代打「あんだ?……練習の誘いか。有り難いが、青春ごっこ出来るほど俺は綺麗じゃねぇしな……」ピポパ

男「女、どうした?」

女「(ライトからだ。無視無視)ううん!なんでもない!」

後輩ピッチャー「親父、この玉の火薬の配分はこれでいいんだよな」

親父「あぁ」

後輩ピッチャー「……よし、投げ込みしてくるか」タッタッタ

親父「なんか携帯光ってるぞ……もう行ったか」

伝令「さぁて瞑想瞑想。ん?メールか?まぁ、どうせAmazonだろ」

ライト「(俺、嫌われてんのかな)」ズーン

ショート「どうやらヤバい状況みてぇだな」

ライト「うん。なんか悪い奴に追われてるんだって」

ショート「そいつらにやられたのか……」

ショート「……おい、社殿の裏に隠れてろ」

セカンド「は!?バカじゃないのお前!ただの六番打者の癖に訓練された兵士相手に何を……」

ショート「黙ってな」

ショート「(ショート以外に守るものが出来た……お前だ)」タッタッタ

ライト「(笑かすなwww)」

兵士たち「イー!」

ショート「さぁ、お前の罪を数えろ」

パララララララ!

ショート「こんなもの……キャプテンの打球に比べたら遅い!」

兵士9「あ、当たらねぇ」

兵士37「普通の人間じゃねえぞ!」

兵士15「もしかして上が追ってる人造人間じゃ……?」

ショート「!……お前ら、なにもんだ」

兵士17「へへ……図星みた――ぎゃああああああ!!」

ショート「まぁいいや、何者だろうと。これで全滅だ」

ショート「さて、帰って早くあいつを病院連れてかねぇと」

?「……」

神社――

ショート「ホームイン、と」

セカンド「お前……!?」

ショート「平気だ、ほとんど返り血だからよ」

ライト「(今更ながらこの野球部おかしいよな)」

ショート「さ、歩けるか!何なら俺が……」

ザッ…

隊長「そこまでだ」

ショート「チッ……」

セカンド「(隊長……!)」

ライト「(まぁ大丈夫だろ)」

ショート「テメェが親玉か……来い!」

隊長「嘗めるなよ……若造が!!」

隊長「(うわぁぁぁあああぁぁあああ!!
娘みたいに可愛がってきたセカンドがこんがり焼けてる可愛ええええぇぇええ!
写メとってかみさんに見せたい!野球やってるって聞いたけど大丈夫かよ女の子だろおおおおお!!
組織みんなで心配して上層部会議は毎回『どうやってお前に野球を止めさせるか』だよおおおぉぉぉおお!)」

ライト「(え)」





ライト「(え)」

隊長「(つうか怪我させてでも止めさせるって判断下したの俺だったけどもうパパいや!!!
娘が痛がってるの見たくない……ッ!!
肩撃った奴減給だオラ!)」

ライト「(は?)」


ガサガサ…

兵士52「(イテテ……あいつ強ぇな。あいつにならセカンドちゃんを任してもいいかもしれん)」

兵士12「(隊長が認めるわけないよ)」

兵士37「(俺のセカンドちゃんがぁぁああ……!許すまじ強化人間!!)」

ライト「(え?)」

ズバババババ!

ショート「……ッ!」

隊長「(俺はなぁ……!俺はなぁ……!あいつのオシメだって代えたことあるんだ)」

ショート「ぐっ……!」

隊長「(こんなちっちぇ時から暗殺術や火器の取り扱いを教えてきたんだ……!)」

ショート「げほっ……!」

隊長「(それをどこの馬の骨とも知れねぇテロリストにくれてやれるわけねぇだろが!!)」

ライト「(あぁ、娘が不良を家に連れてきたみたいな)」

バキィ!

ショート「つ、つえぇ……」

セカンド「ショ、ショート……!」

隊長「その男に近付くな!」

セカンド「何言ってんだよ……!」

隊長「なんだその男みたいな言葉遣いは!直しなさい!」

セカンド「ご、ごめんなさい」

ライト「(まぁ、死ぬことはないだろ。良かった)」

隊長「(セカンドに近付く男二人ぶっ××す)」

ライト「(そうでもなかった)」

隊長「(最悪、その野球の試合とやらをぶっ潰すしかないな)」

ライト「(なんだこの歪みきった愛情。すげぇ、意味が分からない)」

隊長「トドメだ!」

ガシィ!!!

友「その辺にしときな」

ショート「友!!」

セカンド「友ッ!!」

ライト「友!?」

隊長「!……誰だ貴様はァァァアア!!!」

友「泥濘高校野球部――」

友「――三番ファースト、友だ!!」

バキィ!――クルクル……バタン!

兵士5「十メートルぐらい飛んだぞ!」

兵士12「隊長完全に気ぃ失ってる!」

兵士37「ば、化け物だ!隊長担いで逃げるぞ!」

スタコラサッサ

友「怪我はないか、みんな」

ショート「あ、あぁ……」

セカンド「なんでここに……」


友「いや、サードの奴とゲーセン行ってたんだが……後で神社で練習すると聞いてな。
いてもたってもいられなくてダッシュで来たぜ!」

ライト「(え?友って普通のバカだろ)」

友「サードの奴来てないな」

ライト「(……よくよく考えてみりゃ化け物揃いの野球部でクリーンナップ任せられてるんだよな、こいつ)」

ショート「まぁなんだ、助かったよ」

セカンド「……ありがとな」

友「ん?いいってことよ!」

ショート「(絶対こいつ人間じゃない。俺が追ってたサイボーグってこいつだろ。
勝てるわけねぇ……勝てるわけねぇよ……)」ガクガク

セカンド「(絶対こいつ人間じゃないな。私が追ってた強化人間ってこいつだろ。
勝てるわけない……任務放棄してよかった……)」ガクガク

友「(バッティングセンター行きたい)バッティングセンター行きたいぜ」

ライト「(こいつらおもれーwww)」

友「ムムッ!セカンド!怪我してるぜ!大丈夫か!」

セカンド「あぁ……これか。次の試合は無理そうだ。
幸い、弾は貫通してるけどな」グスン

友「?……キャッチボールでもしたのか?あ、そうだ。サード呼ぼうぜ」

ライト「あ、なるほど」

セカンド「へ?」

友「どうしても困った時以外内緒って言われてるけど、サードは魔法が使えるんだ。
俺もキャプテンとキャッチボールしてセカンドと同じぐらい酷い怪我した時、治してもらったんだぜ」

セカンド「はぁ……ははは、はいはい、サードに治してもらおっかな」

翌日、部室――

セカンド「完璧に塞がってる……」

ショート「サードお前何者だよ……」

サード「……」

サード「……今まで黙っててすまん。実は俺……」

サード「勇者の末裔なんだ。それも直系」

セカンド「……w……wwwwww」バンバン!

ショート「勇者wwwwwねーよwwwww」バンバン!

サード「え?……いや、ガチなんだって!回復呪文使えるだろ!」

セカンド「www……わ、笑ってすまなかった。
まぁ、そうだよな。誰にだって人に言えない事情ってあるよな……ボクだってそうさ」

ショート「……あぁ、俺も実は身の上は言えない」

サード「は?いや、だから……!」

セカンド「だけど、それでも俺たちは仲間だ!」

ショート「あぁ、お前が何であろうと、我がチームの一員には違いないさ」

サード「だ、だから本当に……」

ライト「ドンマイ、選ばれし人の子」

サード「ライト……なぁ!勘の鋭いお前なら分かってくれるよな!俺が本物だって!」

ライト「うん、信じる信じる(てか、すんません知ってました)」

サード「よ、良かった……!信じてくれるなら話そう。
最近、闇の眷属の力が増してる……恐らく、奴が……『魔王』が復活したんだ……!」

ライト「………………………………………………………………ブハッ!wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

途中二刀流とか調子こいた…
頭と指がおかしいんで明日の8時から10時くらいから書きます

見てくれたッレスくれた方ッありがとうッッ!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom