【Zガンダム×艦これ】クワトロ「私のケーキは?」雷「はい、大尉!」【その4】 (956)

このスレは
【Zガンダム×艦これ】雷「頑張ったわ、大尉!」クワトロ「すごいな」【その3】
の続きです。

応援、感想、考察いただいている皆さんに感謝。


その1
【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、もっと私に頼っていいのよ!」クワトロ「……ああ」
【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、もっと私に頼っていいのよ!」クワトロ「……ああ」 - SSまとめ速報
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その2
【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、元気出して!」クワトロ「……うむ」【その2】
【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、元気出して!」クワトロ「……うむ」【その2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435853250/)

その3
【Zガンダム×艦これ】雷「頑張ったわ、大尉!」クワトロ「すごいな」【その3】
【Zガンダム×艦これ】雷「頑張ったわ、大尉!」クワトロ「すごいな」【その3】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1438082983

前スレのあらすじ

※「深海棲艦の出現により、アナハイム・エレクトロニクスは封印していたMS、タイラント・ソードの建造に着手した。だが、それはバスク・オム子飼いのテロリスト、タウ・リンにより強奪され、30億人の怨念から生まれたコロニー棲鬼と共にクワトロたちに襲いかかる。クワトロと雷は新型MS、ゾーリン・ソールを駆り、これを退けるが、タウ・リンの策略により全世界に深海棲艦の存在が知られることになったのだった……」
キャーコスギサーン


いきます。

※※※※※※


>アウドムラ MSデッキ

ガトー「エンジンチェック、よし……夕立、フレキシブルカノンは?」

夕立「ん、問題ないっぽい!」

ガトー「うむ。ならば一休みするか」

夕立「わーい!」

カミーユ「ガトー大尉、夕立、お疲れ様です」

夕立「ぽい!」

ガトー「カミーユ少尉か」
カミーユ「カミーユでいいですよ。俺なんか、ガトー大尉たちに比べたらまだまだ……そう言えば、サイコガンダムMKIIでしたっけ? あれの首を切り落とした武器と言うか技……凄かったですね」

ガトー「ああ……あれはこちらに来る前の戦場で体得したものだ」

カミーユ「俺たちがジャブローを攻めていた間ですね……どこで戦っていたんです?」






ガトー「我らの因縁の場所…………ソロモンだ」


【ジャブロー降下作戦中 ソロモン宙域】


>エゥーゴ所属 サラミス級艦艇艦内


ガヤガヤ


指揮官「では作戦を説明する。本部隊は主力部隊のジャブロー降下を支援すべく、コンペイ島駐留艦隊の押さえにまわる。何か質問は? ……無いようだな。では、本作戦の同行する特務部隊を紹介する。入って来てくれ」

ガトー「はっ」ザッ

夕立「ぽい」トコトコ


「……ジオン系のパイロットスーツ?」
「女の子? まだ子供じやないか」
「どっかで見たような……確か、士官学校の教科書で……」


ガトー「……特務部隊『ナイトメア』所属、アナベル・ガトーだ」

夕立「同じく『ナイトメア』の夕立っぽい! よろしくっぽい!」


「「「っ!?」」」

「アナベル・ガトーだって!? 本物かよ!?」
「ソ、ソロモンの悪夢……マジか」
「あいつが……あいつが、デラーズフリートの……!」


指揮官「静粛に! ……諸君も聞いたと思うが、現在地球圏は『深海棲艦』なる存在が出現する状況下にある。ナイトメアの二人はそれに正面から対抗できる『提督と艦娘』だ。その存在が確認され次第、彼らを主力とし、我々はその援護にまわる」


ザワザワ

「あの子が艦娘ってやつか」
「いや逆はないだろ。オッサンで艦『娘』って無理がある」
「あんなかわいい子と一緒に……グギギギ妬ましい羨ましい」


指揮官「説明にあったように、深海棲艦相手に通常の人間が戦うのは困難だ。くれぐれも己を過信せず、用心して戦うように! 解散!」




ガトー「夕立、ノーマルスーツはどうした」

夕立「あれ暑いっぽい! 出撃になったらちゃんと着るから安心するっぽい!」

ガトー「お前は……やれやれ」


「おい!」


ガトー「む……? っ!」


バキィッ!


ガトー「ぐっ……!」

夕立「少佐さん! あなた! 何するの!」

「うるせえ! そいつの……そいつのせいで俺の親父は……観艦式にいた親父は……っ!」
「俺もだ! 死んだ両親が残してくれた北米の実家の畑は星の屑で全部焼けちまった! 事故だと? そんなごまかし誰が信じるか!」
「母さんと妹はティターンズの奴らにズタズタに犯されて殺された! てめえが反乱なんか起こさなけりゃ!」


夕立「だからって……だからって!」

ガトー「止せ夕立! 彼らの……彼らの怒りは当然だ…………手を、出すな」

夕立「少佐さん……」


「いい度胸だ!」
「その澄ましたツラ、カエルみてえに潰してやる!」
「何がソロモンの悪夢だ!」



ドガッ
バキッ
ガスッ


夕立「止めて……止めてぇ!」



ドガァッ


ガトー「が……ぐふ……」

「はあ、はあ……思い知ったかクソ野郎め」
「おい、こっちの女は?」
「艦娘らしいが……関係ねえ。こいつの女、目の前でズタズタに犯してやる」

夕立「嫌っ! 止め……!」


ガシリ


「ああ? まだ動け……ひいっ!」


ガトー「止め……ろ……っ! 夕立は関係ない……殴りたければ、私を殴れっ……!」


「な……何だよこいつ……」
「わ、悪いのはお前だろ! 何で俺たちがお前に睨まれなきゃ……」
「……関係ねえ! 俺たちの苦しみを思い知らせてやらなきゃ、気がすまねえ!」


指揮官「何をしている!」

「ヤベっ……」
「ちっ……覚えてやがれ!」
「戦場では後ろに気をつけな!」


ガトー「ぐ……うっ……」

夕立「少佐さん……大丈夫? 大丈夫?」

ガトー「ああ……見た目ほど酷くは無い」

指揮官「…………災難だったようだな。だが、予測できた事態ではないかね?」

夕立「そんな言い方!」

ガトー「止せ。お手数を、お掛けしました」

指揮官「……私も君に怨み持つ人間だとわかっているらしいな。君が愚鈍でなくて幸いなのか、不幸なのか……素知らぬふりをしていたなら、私が撃ち殺していたよ」

夕立「そんな……」

指揮官「……病気の娘がいた。その子と同じくらいのな……星の屑の影響で、手術中に電気が止まって…………成功率は90%以上だった…………貴様が……貴様が……っ」ブルブル

ガトー「……っ」

指揮官「……働きには期待している。ではな」



>MSデッキ


ガトー「エンジンチェックよし……夕立、もう一度ブースターの調整を」

夕立「ぽい……何でこんなに入念にやるっぽい?」

ガトー「……目を離した隙に、設定を弄られいて自爆でもしたらかなわんからな……念には念、だ」

夕立「そんな……そんなの酷いっぽい!」

ガトー「怨まれながら生きるというのはな、そういうことなのだ……すまない、夕立。こんな馬鹿な男の、道連れになぞ……いっそお前だけでも、アーガマに戻って……」

夕立「少佐さん! それ以上言ったら夕立だって怒るっぽい! 夕立は……少佐さんの力に、なりたいよ……殴られたりしてるの、見たく、ないよ…………ひっく、ぽいぃ……っく……」

ガトー「……夕立……すまん……私は、不甲斐ないな……」



「あ、あの……ガトー少佐、ですよね?」


ガトー「……君は?」

夕立「ぽい?」

「あの、俺、アースノイドなんですけど……ウチの家族を苦しめてた、いけすかない連邦の軍人があの観艦式で死んで……だからガトー少佐には、一家みんなが感謝してるんです。そりゃ、テロ行為だったのかもしれないけど……俺みたいな奴らもいるって、知ってて下さい。あ、あとサイン貰えます?」

ガトー「……私ので、いいのか」

「はい!」

夕立「夕立も書いてあげるっぽい!」

「はは、そりゃいいや。是非!」

ガトー「……くれぐれも、他人に見せぬようにな。世間から見れば、大悪党のサインだ。君が酷い目に会うのは明白だ」

「わかってますって」




夕立「……ぽい。世の中色々あるっぽい?」

ガトー「そう、だな……だが、私の罪が消える訳では無い……」


『敵機接近! MS部隊出撃せよ!』


ガトー「来たか……往くぞ、夕立!」

夕立「ぽい! パーティー始めるっぽい!」




>戦闘宙域


ピシュピシュン ピシュピシュン

バシューッ バシューッ


ガトー(リックディアス)(ソロモンはまだ遠い、か……因果なものだ)

夕立「少佐さん、上から!」

ガトー「むっ! 落ちろ!」バシュバシュウン!


ドガァァァン


ガトー「よし」

夕立「大丈夫っぽい?」

ガトー「ああ。ただ、支援役は慣れんがな……私は、がむしゃらに突貫する事が多かったからな」

夕立「あ、私も! 敵陣に突っ込んで、ぽいぽいぽいぽい~って!」

ガトー「なるほどな」



「おい! 後ろでサボってるんじゃねえ!」
「ホントにこいつ、あのソロモンの悪夢か?」
「は、ビビってんだろ。俺らに撃たれそうだからよ」


夕立「う~…っ! ムカムカムカムカ……っ!」

ガトー「我慢しろ、夕立」

夕立「ぐぬぬぬ…………っ!? 少佐さん!」

ガトー「この、感覚……来たか!」



ズォォォォォォォォォ…ッ!



・機動ザ級×無数
・機動ド級航宙×無数






「ひ……ひいぃぃぃぃっ!?」ガガガガガ
「来るな! 来るな! 来るなぁぁぁっ!?」ブォンッ ブォンッ
「こ……こんな、もの……こんなものぉぉぉっ!」ピシュピシュン


ザ級「」ヴォン


「「「ひっ……!」」」



ガトー「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」ゴォォォォォッ!

夕立「ぽいぽいぽいぽいぽいぃぃぃ――っ!」


ズバ! ザシュ! バシュバシュウン!

ズドンズドンズドンッ!


ドガガガガガァァ----ンッ!


ガトー(通信)『各機に通達! 侵海MS出現を確認! これより『ナイトメア』が前線を受け持つ! 支援されたし! 以上!』


ガトー「夕立! 往くぞ!」

夕立「ぽい! 今日の私達は、阿修羅をも凌駕する勢いっぽい!」



リックディアス「」フィィィ……ゴォッ!



ガトー/夕立「「退けええぇぇぇぇぇぇ――――――っっ!!」」



ズドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァァ----ンッ!!




「す、すげえ……」
「あ……あれが本物のソロモンの悪夢……」

「認め、ねえ……認めねえぞ! ちくしょう……ちくしょう!」


なんか病院の話題で大変なことに……停電(物理)でお願いします。とにかく執刀不可能になったってことで……

※※※※※※


ゴォォォォォォォォォォ


夕立「侵海MS部隊、抜けたっぽい!」

ガトー「ティターンズは? ソロモンに撤退したのか?」

夕立「そうっぽい……っ! 大型の反応! 戦艦型来るっぽい!」


ズズズズズズ……!



・軽巡ム級(ムサイ)×3
・搭載MS×多数


ガトー「ムサイ型か……」

ガトー(先程からジオン系の深海棲艦ばかり……何故だ? ソロモンでの連邦の被害もかなりのもののはず…………)

夕立「っ! まだ、来る…………!」



シュゴォォォォォォォォ…!



ガトー「っ!? あれは……っ!」




・グワデン棲機(グワジン級グワデン)




ガトー「デラーズフリート旗艦……グワデン……」

夕立「え……?」








デラーズ「久しいな……ガトーよ」

ガトー「デラーズ……閣下……っ!」

今回はここまで。

ガトーの苦悩と決断を上手く書けるよう頑張りたいです。
それを支える夕立も。

では。

いきます。

※※※※※※


>戦闘宙域


ガトー(通信)『……何故、戻ってこられたのです』

デラーズ「ふ……地獄の入り口が騒がしくてな、おちおち死んではおれなんだ……我らジオンの栄光を汚す者共を、討ち果たすまではな」

ガトー『……星の屑は終わったのです。もう、お眠り下さい』

デラーズ「終わりではない! あれこそが始まりなのだ! 顧みよ! ティターンズなる愚昧の輩が専横する現状こそ、連邦が弱体化した証! 今こそジオンの名の元に立ち、その正義を示す時だ! 見よ、ガトー!」


ザッ…!


デラーズ「冥府より甦りし、深海棲艦の軍勢である! かつてレビルがほざいた『ジオンに兵無し』なる発言を覆す、不死にして無限の兵(つわもの)達! もはや何人も我らを止めることは出来ぬ! さあ、儂と共に来い、ガトー! 連邦の支配を破り、ジオンの世を確立せんがために!」




ガトー『…………ふ……ふふふ……くっくっく……!』

夕立「少佐、さん……?」

ガトー『ふざけるな……死者の軍勢を引き連れて、命ある民草の世を乱すことの、何が大義か。何が正義か! ティターンズの専横、そのきっかけとなったは我らが星の屑……それでもまだ! 争いにて世を正すと申されるかデラーズ閣下!』

デラーズ「無論! 連邦の圧政に苦しみしスペースノイドの怒り、これを鉄槌と為し降り下ろすが先の戦争の理由であり、大義であったこと忘れたかガトー! 我らが戦いにて再び知らしめるのだ、正義はジオンに有りと! 民草よ今こそ立てと……」




ガトー『黙れぇぇぇぇっ!』




ガトー『ジオンの正義、ジオンの大義……二言目にはジオン、ジオンと! まことそれがジオン・ダイクンの意思か! まことそれがジオンの民の為か! 徒に戦を繰り返し……屍の山の上にて旗を振るそれの何が栄光か! 真に民の為を思うならば、我らは余さず残さず、ア・バオア・クーにて果てるべきだった……さもなくば、偽りの平和の汚泥に濡れたまま、腐り行くべきだったのだ……このような……血に餓えた戦人の群なぞ!』

デラーズ「ガトー! 貴様、戦場に散った英霊たちを愚弄するか! 生き伸びた安堵が、その魂腐らせたか!」

ガトー『私はただ……今を生きる、命の重みに気づいただけだ……それ故の……我が罪の重さにも! それは決して! 覚悟しただけで、決意しただけで、購われるようなものではない!』

デラーズ「腑抜けたかアナベル・ガトー! 我が軍勢に臆病者は要らぬ! せめて、死して我らの力となれ! 往けい、新たなる我が軍勢よ!」




ビシューッビシューッビシューッビシューッ!

ガガガガガガガガガガガガッ!


ゴォッ! ゴォッ! ゴォッ!



夕立「少佐さん! いっぱい来たっぽい!」

ガトー「……臣下の身であるならば、真っ先にお諌めすべきだった……この命を懸けて……それもまた大義と言う甘美な毒に酔った、私の罪、か……」

夕立「少佐さん……」

ガトー「せめて……せめて、この身に代えて黄泉路への案内つかまつる! それが私に出来る、最後の忠義! 夕立! 往くぞ!」

夕立「ぽいぃぃっ!」



リックディアス「」ゴォッ!



デラーズ「来るか! ガトォォォォォォッ!」


ガトー『裏切り、御免ぇぇぇぇぇぇんっ!!』



ザ級「」ゴォッ!

ド級「」ドゴォン! ドゴォン!


ム級「」バシューッバシューッ!


リックディアス「」ゴォッ! ゴォッ!


ズバ! ザシュ! バシュバシュウン!

ズドンズドンズドンズドン!


ガトー「うおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」

夕立「ぽいぽいぽいぽいぽいぽいぃ――――っ!」


ズガァァァァン! ズガァァァァン!

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァ----ンッ!!


デラーズ「おのれ小賢しい……! 囲め囲め! 深海棲艦の軍勢に死は無いのだ! もろともに消えよ! 主砲、一斉射! 撃ぇ――――いっ!」


ビシューッ! ビシューッ! ビシューッ!


夕立「少佐さん!」

ガトー「死して外道に堕ちたか! デラーズゥゥゥゥッ!!」



リックディアス「」ヴォンッ!


ドヒュウッ!

ドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウッ!


デラーズ「なっ!? 馬鹿な、あんな速さで、パイロットが無事な訳が!」


ガトー「おお……おおおおおおぉぉぉっ!」ヴォン……フィィィン


ザシュ! ズバババババババババッ!


グワダン棲機「!?」ドゴォン! ドゴォンッ!


デラーズ「ほ、砲頭が全て潰されただと!? いかにガトーが凄腕とは言え、こんな……っ!?」


リックディアス「」ゴォッ……ジャキン


ガトー「デラーズ、閣下……引導、お渡し致します……っ!」

デラーズ「わ、儂を……儂を撃つのかガトー! 死地に向かう貴様を止め、星の屑までの3年間……その恩義を、仇で返すか! ガトォォォォォォォォォッ!」

ガトー「恩義、ある故に……介錯、つかまつる!」



ビシュ--ッ!!


グワダン棲機「!?!?」バヂバヂバヂバヂ…






ドッ……ゴォォォォォォォォォォン……!

グワダン→グワデン
に修正。
宇宙世紀の艦艇は紛らわしい艦名ばかりだ……orz




ォォォ……ン………ォォォン……



ガトー「はぁっ、はぁっ、はぁっ…………っく…………ぐううぅぅぅっ……!」ギリッ

夕立「少佐さん……泣い、て……?」


ガトー「あの日……ア・バオア・クーが落ちた日に……死地に向かう私を止めてくれたのは閣下だった……未来のジオンに必要だと……戦うことしか出来ぬ私に、そう言ってくれたのは間違いなく閣下だったのだ……! 連邦の目から逃れ、平穏の中、緩やかに朽ちて行く心が、戦士のままで居られたのは、閣下のお陰だったのだ……!」

ガツンッ!

ガトー「間違った手段だった! 偽りの大義だった! 汚された理想だった! それでも……それでも……『思い』だけは……あの、星の屑に集った仲間たちの『志』だけは……紛れもない真実だったのだ……!」

夕立「……少佐、さん」

ガトー「理想も……大義も……正義も……全て否定されても……せめて……せめて、あの仲間たちの、思いだけは……それ、だけは……っ」


ギュッ


ガトー「夕立……?」

夕立「大丈夫……大丈夫だよ、少佐さん。夕立は、少佐さんと一緒だから……」
ガトー「何……?」







夕立「地獄に落ちるなら……夕立も一緒に、落ちるから。少佐さんと、一緒に」
 

グワデンが……ダンボールに変わっていきます!!!



ガトー「夕、立? 何を言って……」

夕立「だから、元気出して? あ、ドーナツ食べるっぽい?」

ガトー「コクピットが汚れる! よさんか!」

夕立「ぽい~……」



ガトー「……すまんな、ありがとう」

夕立「ぽい♪」



ザ…ザザ…



『……よ……『ナイトメア』応答せよ! 深海棲艦が消滅した! そちらで撃破したのか!?』

ガトー『……こちら『ナイトメア』だ。敵、グワジンタイプを撃破。これより帰投する』

『り……了解』


ガトー「……推進剤も限界だな。戻るとしよう」

夕立「ぽい! お腹も空いたっぽい!」

シーマの裏切りから日々日々重いされてしまったの憎しみは

自分の理想まで歪んで行く

……そんな感じだけと

やはり最後の時は……
--------------------
デラーズ「……これが君の選ぶか? ガトーよ」

ガトー「私はかつて貴方尊敬していた! そして閣下と共に戦ってきた」

ガトー「だが……私は気ついた,人の命は犠牲する物ではない……のことを気ついた」

ガトー「私達大義のために失ったの命は必要な犠牲だと思っていた,でもこれは違う!!」

ガトー「命は必要な犠牲ではない!! 私達の大義は当然のように罪のない命を巻き込む物ではない!!」

デラーズ「そうか……それは貴方の選ぶか」

デラーズ「儂は間違っていると思わない……だが」

デラーズ「……行けえ! 自分の思いを守っておけ!」

デラーズ「儂の友として……自分のやり方で人を守っておけ」

デラーズ「さらばた! ガトー! 戦友(友)よ」

ガトー「うおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ビシュ--ッ!!
------------------------------------
……IFIF~

先書き込むた? すみません



>サラミス級 艦内


ザワザワザワ


「か、帰ってきた……ほとんど無傷で……」
「大雑把に見ても五十機は居たんだぜ? それに戦艦型だって……」
「あれがソロモンの悪夢……いや、悪夢なんてのは生ぬるい。ソロモンの魔人だ……!」
「なんかあと71人居そうな名前だな」


指揮官「……ご苦労だった。次はコンペイ島への進行作戦になるだろう……十分、休息を取ってくれ」

ガトー「はっ」

夕立「ぽい」


指揮官「……ガトー大尉」
ガトー「何か?」

指揮官「……貴官の迅速な行動のお陰で、部隊に犠牲者を出さずに済んだ……それについては、礼を言う。だが……貴官を許した訳では無い。未だ、私は君を怨んだままだ……っ!」

ガトー「……承知、しています」

指揮官「ふん……せいぜい生きて、苦しみたまえ……」ザッ…



ガトー「……ありがとう、ございます……っ」

夕立「ぽい? なんであんな事言われたのに、お礼言うっぽい?」

ガトー「さあ……なぜかな」

夕立「むー! 意地悪しないで教えて欲しいっぽい! ねえ少佐さーん!」パタパタ




「あっ! ガ、ガトー……大尉」
「う、その……」
「……っ」ギリッ

夕立「あっ! さっき少佐さんを殴った人たち!」

「ひえっ」
「ま、待ってくれよ! 俺たちは……」
「……だから、何だよ」
「「おいお前なあ!」」

ガトー「夕立、よせ」

夕立「嫌っぽい! それに、夕立にも手出そうとしてたし……また同じことするなら!」


ガシッ


「「「え?」」」

自販機「!?」


【地上にて】

アムロ「ジーグブリーカー! 死ねぇ!」

クワトロ「いきなり何を言い出すのだ、アムロ!?」

アムロ「……はっ!? いや、何か、こう言わなければならないような……?」

【また宇宙】


自販機「」□→呂


夕立「こうなるっぽい!」フンス

「「あわわわわわ……」」「う……」


ガトー「夕立……誰がその自販機を弁償すると思ってる」ピキピキ

夕立「はっ! え、え~っと……」

ガトー「仕置きの時間だ」ガッシ

夕立「ぽいいっ!? ごめんなさいごめんなさい! もうお尻ペンペンは嫌っぽいぃ~!」ジタバタ

「「え、え~っと……」」「」アゼン

ガトー「騒がせてすまない。では」ズーンズーン




ポイィィ~~~ッ……


「……あの人には逆らわないようにしよう。よくわからんが、そうしないとマズイ」
「異議なし」
「……ちっ」


感動した! 本当に「[ピーーー]ぇ!」に言った!!!!



>MSデッキ


ガトー(間もなく、ソロモンか……かつて逃げ落ち、舞い戻り……そして今、また……)

夕立「ぽい……少佐さん、これから行く所、ソロモンって言うっぽい?」

ガトー「ん? ああ、そうだ」

夕立「ぽい……そっかあ……因縁、なのかなぁ……」

ガトー「夕立もか?」

夕立「少佐さんも?」


ガトー/夕立「「ぷっ……あはははははっ!」」

ガトー「くくっ……お前が私の元に来たこと、運命なのかも知れんな」

夕立「ぽい! 夕立は初めからそう思ってるっぽい!」


ビーッビーッ


『コンペイ島にて深海棲艦の出現を確認! 現在、駐留艦隊と交戦中!』


ガトー「っ! 夕立!」

夕立「っ! 了解っぽい!」


ガトー「管制! こちら『ナイトメア』! これより深海棲艦の撃退に出撃する!」

指揮官(通信)『待て! 駐留艦隊が壊滅してからでも……』

ガトー「私に三度、ソロモンを墓場に変えろと言うか!」

指揮官『っ!』

ガトー「准将直属の特権を使わせて貰う……邪魔をするな!」

夕立「ぽい! 助けた人の受け入れ、お願いするっぽい!」

指揮官『……了解した。ハッチ、開けろ!』



リックディアス(プロペラントタンク増設型)「」ガシュン


ガトー「特務部隊ナイトメア、アナベル・ガトー!」
夕立「駆逐艦、夕立!」


ガトー/夕立「「出撃する!」っぽい!」




ドシュウ! ゴォォォォォ




>コンペイ島(旧ソロモン)


シュゴォォォォォォォ…!


ザ級「」ヴォン

ド級「」ヴォン


ガガガガガガガガガガ!

ドゴォン! ドゴォン!


「うわああぁぁぁぁっ!?」
「な、何なんだこのMSどもは……っ!」


ジ級「」ヴォン

ボ級「」ウィーン


ピシュピシュン! ピシュピシュン!

メキメキメキメキ…ッ!


「な、なんで連邦の機体が……!」
「やめろ……やめ……ギャアアアァァァァァァッ!」


バシューッ!

バシューッバシューッバシューッバシューッ!

ドガァァァンッ!

ドガガガガガガァァァァンッ!


「え……助かっ、た?」
「あの、MSが……?」


ガトー(通信)『駐留艦隊、及び内部の全員に告げる! こいつらに殺されたくなければ急いで逃げろ! 支援はするが、永くは保たんぞ!』


夕立「ちゃんと逃げてくれるかな?」

ガトー「さてな……さすがに、無視する者まで助ける余裕は無い」

ガトー(一度目も、二度目も、私はこのソロモンを屍の山にした……だが、此度だけは……この、戦いだけは!)




ガトー「……新たなる世代を救うために」


ガトー「我が過ちを償うために」


ガトー「そして……この地にさ迷う、連邦の、ジオンの……全ての英霊の安らぎの為に!」






ガトー「ソロモンよ! 私は三度! ここに帰ってきたぁぁぁっ!」


ゴォォォォォォォォォォォォォォッ!!






※BGMイメージ『Men of Destiny』(0083第二期OP)

今回はここまで。
次回ソロモン戦。
『あの人』出ます。



では。

夜戦夜戦……じゃない!!!!

コウの出番ですか!?

いきます。

※※※※※※


>艦艇出入口


「早く艦を出せ!」
「まだ、中に……!」
「待ってられるか!」


ザ級「」ヴォン

ゲ級「」ガシュン


「ひっ……!」


ザシュ! ドスッ!


ガトー「ふんっ!」ドガッ!
夕立「ヤクザキックっぽい!」


ドガァァァンッ


「す、すげえ……」
「た、助かった……のか?」

ガトー(通信)『生存者は!? まだ居るのか!?』

「中に、まだ……!」
「俺たちも危険なんだぞ!」


ガトー『……40秒だ! 40秒、保たせる! それまでになんとかしろ!』


「マジか……」
「ありがたい! おい、急げ!」
「「おう!」」


夕立「少佐さん! また別の場所に反応っぽい!」

ガトー「くっ……派手に撃ちまくれ! こちらに何としても引き付けろ!」

夕立「了解っぽい! ド派手に、ファイヤーッ!!」


ズドンズドンズドンズドンズドンッ!



シュゴォォォォォォォォォォ…!


・機動ジ級×無数
・重鎧ビ級×無数


夕立「わわわわ! 大物来たっぽい!」

ガトー「陽動には好都合! 駆け抜ける!」

夕立「ぽい!」



リックディアス「」ヴォン


ゴォォォォォッ!





>ソロモン外縁宙域


指揮官「撤退した艦やMSはこちらで保護しろ! MS部隊は深海棲艦どもをコンペイ島に釘付けにしておけ!」

「しかし、撤退した部隊は連邦とティターンズの混成部隊で……」

指揮官「これは戦争では無い! 人命救助だ! それとも、今更敵として、深海棲艦から撤退した彼らを撃つつもりか!」

「い、いえ……」

指揮官「ならば下らんことを言うな! 砲座! 弾幕薄い! 手柄を全てガトー大尉に奪われる気か! 真面目にやれ!」

『り、了解!』





指揮官「ふん……三度目は深海棲艦を塵に変えに来た、か……コンペイ島の兵士たち、救えると言うなら見せてもらおう……アナベル・ガトー」




>物資搬入口


「こんなシャトルじゃすぐ落とされるに決まってる!」
「じゃあ他に脱出の方法があるか!」
「MSも無し……ちくしょう、死にたくねえよぅ……」


ドガァァァンッ!


「「「!?」」」


ド級「」ヴォン


「「「うわぁぁぁぁっ!!」」」


ズバシュ!


ド級「!?」バヂバヂバヂ……ドガァァァンッ!


ガトー『何をしている! 早く逃げろ!』

「で、でも、こんなシャトルじゃ……」

ガトー『……こちらで加速させる! 早く乗れ!』

「ええっ!?」
「の、乗れってよ!」


ガトー「よし……夕立、テスラ・ドライブを!」

夕立「了解っぽい! 慣性制御、最高速度まで0.03秒で到達するっぽい! いっくよ~……カタパルト・キ~~~ック!!」


バリバリバリ!

ドゲシィッ!


「「「どわあぁぁぁぁぁぁっ!?」」」



ドカーン

サラミスニシャトルツッコンデキタゾー



夕立「うん、ナイスシュートっぽい!」

ガトー「……非常事態だ、勘弁しろ。さあ……次だ! まだまだ敵も、要救助者も多いぞ!」

夕立「ぽい! 張り切って行くっぽい!」




>外縁宙域


「すっげえ……なんなんだよ、あれ……コンペイ島を縦横無尽に飛び回って……」
「推進剤の節約のために、深海棲艦を足場にしつつ……撃破の爆発で加速して戦ってやがる……赤い彗星以上だろ、あれ……」
「あれが……アナベル・ガトー……っ!」


「おい、戦闘始まって、どのくらいだ?」
「え……? 確か、さっき交代したから、そろそろ……12、時、間……え?」「まさか……12時間、ぶっ通しで……?」




「「「に……人間じゃねえ……! あの人の方がバケモンだ……!」」」



 



>戦闘宙域


バシュバシュウン!


ザ級「!?」ドガァァァンッ


ガトー「……くはっ! はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ……ゆ、夕立……状況は……?」

夕立「半数以上は撤退したっぽい。でも、まだ中にいるみたいっぽい……すぐに深海棲艦に襲われるって場所じゃなさそうだけど……」

ガトー「ふぅ……ふぅ……敵の……数は……?」

夕立「……増援が来たから、あんまり……少佐さん、操縦、代わって? 少佐さん、体力、限界っぽい」

ガトー「これしき……まだまだ……」

夕立「ん~……じゃあ、夕立にも活躍させて欲しいっぽい! 少佐さんだけずるいっぽい!」

ガトー「……やれるのか?」

夕立「ノイエ・ジールで大気圏突破したのは夕立っぽい! 心配無用っぽい!」

ガトー「ふ……ならば、暫し任せる。頃合いを見て、一度サラミスに戻るとしよう」

夕立「ぽい!」




夕立「………ふふ」ニヤ

ガトー「……夕立?」








リックディアス「」ギィン




夕立(赤目)「さあ……素敵なパーティー、始めましょ?」

すいませんが今回はここまでで……『あの人』は後日に

では

いきます

※※※※※※


>戦闘宙域


ズォォォォォォォ…!


・機動ザ級×無数
・機動ジ級×無数
・宙巡サ級(サラミス)
・戦艦マ級(マゼラン)
・軽巡ム級


夕立「来た来た……まず、何から狙おうかしら?」

ガトー「夕立、あまり無理は……」



ズドンズドンズドンズドンズドンズドンッ!


ドガガガガガガガァァ----ン!!

夕立「あはっ、もっともっと! 全然足りないっぽい!」

ガトー「夕立! 一体どうした!」

夕立「うふふ……見ててね少佐さん。夕立、いっぱい頑張るから、ね? さあ、往きましょ、リックディアス!」




リックディアス「」ヴォンッ…!



ゴォッ!



>サラミス級 艦内


【sideティターンズ】

「た、助かったのか……」
「荒っぽい方法だったけど、感謝だな」
「あの人は、まだ戦っているのか……」
「他の連中は脱出出来ただろうか?」
「……さあな……祈るぐらいしか、ないさ」



【sideエゥーゴ】

「ティターンズ……っ!」ギリッ

「おい、変なこと考えるなよ」
「そうだぜ、こんな状況じゃ、敵も味方も……」
「うるさいっ! あいつが……アナベル・ガトーが居たから、ティターンズなんか助けることに……ふざけるなっ!」ダッ!

「っ!? どこ行くんだ……まさかあいつ本当に!?」
「おい、そいつ止めろ! 出撃させるな!」



ネモ「」ゴォッ!




指揮官「どうした!?」

「あいつが、一人で出撃を……!」
「目がヤバかった! ガトー大尉を撃つ気だ!」

指揮官「何だと……!」


『深海棲艦、増援を確認!』

指揮官「くっ……次から次へと! 今は戦力は割けん、か……どちらも、戻ってこいよ……大尉には嫌みを、奴には修正をくれてやる」




>ソロモン内部


「この状況じゃ脱出なんて……無理だよ」
「俺たちは、ここで死ぬんだ……」



ガガガガガガガガッ!


「な、何だ!?」
「ついにここまで襲って……?」


ジムクゥエル「」ヴォン


『いつまでグチグチ言ってやがる! 外でお前らを助けようと命削ってる奴がいるんだ! とっとと脱出準備しやがれ! やらないやつらは俺がハチの巣にするぞ!』


「わ、わかった! わかったから銃口向けるな!」
「誰だよ、あれに乗ってるの……メチャクチャだ」



???「……ふう、なんとかなったか。やっぱハッタリって重要だよな……」




>戦闘宙域


ズドンズドンズドン!
バシュバシュウン!


サラミス棲機「!?」ドゴォォォォン


夕立「あはっ、大物落としたっぽい!」

ガトー「……本当に大丈夫なのか?」

夕立「もう、少佐さんったらさっきから変。夕立をもっと誉めてくれていいのに……(ピピピピ)ふふ、また来た……そぉーれ!」


ズドンズドンズドンズドン!


ガトー(夕立……確かに戦えているが、様子がおかしい……)








>どっか

金剛「何か同士が酷い扱いを受けた気がしマース!?」

比叡「ひえっ!?」

>>166
サラミス棲機→バーミンガム棲機
に変更。
失礼しました……orz



【シャトル&ジムクゥエル内】

「もうすぐ、安全圏だ……」
「い、意外となんとかなるもんだな……」

???「ったく、シャトルの中の奴ら、現金なこった……ん? あのMSは……」



【リックディアス内】

夕立「ふふっ、また落とした……もう、一発!」ガシュン

ガトー「!? 止せ夕立! あれは脱出したシャトル……っ!」


【ネモ内】

「アナベル・ガトー……お前さえ……お前さえいなけりゃ……っ!」ジャキン










ガトー/???「「止めろぉぉぉぉっ!!」」





バシューッ!


ザシュ! ドガァァァンッ!


ゴォッ! ガシャァァァンッ!



???(通信)『おいっ! 何やってるお前! 味方を撃とうなんざ……』

「放せティターンズ! あいつが……全部あいつが悪いんだ! あの、アナベル・ガトーがいなければ……っ!」

???『アナベル・ガトー!? そうか、あのMSが……』

「ティターンズ……お前も俺が殺してやる!」ジャキン
???『……あいにくと、MSは借り物、制服も偽物だ!』ガシャァァァンッ!

「があぁぁぁぁっ!? あ、ぐ……」ガクリ

???『……止まったか。とりあえず、エゥーゴの艦まで引っ張ってやるか』

「おーい! 護衛役が離れちゃ困る!」

???『ああ、今戻る!』






???『……アナベル・ガトー、か……奴さん、大変な時代に生き残っちまったな…………それでも、命あっての物種だ……頑張りなよ』



リックディアス「」バチバチバチ


《砲頭を自らのビームサーベルで切り裂かれたリックディアス》


ガトー「ま、間に合ったか……夕立! 何をしている!」

夕立「邪魔しないで! せっかく、また一隻、落とせる、とこ、ろ…………」



夕立(赤目→翠目)「あ……れ…………?」

ガトー「正気に戻ったようだな」

夕立「あ……ああ……っ! また……私、また……! 違う、違うの! 夕立はただ、少佐さんに、誉めて、欲しくて……頑張れるって、証明したくて…………」カタカタ


ガトー「夕立」

夕立「ひっ! ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……! 捨てないで……嫌わないで……!」ブルブル

サラッ…ナデナデ


夕立「…………ぽい?」

ガトー「……お前が私と同じだと言っていたことの意味が、ようやくわかった……辛かったのだな、お前も」

夕立「ぽい……」

ガトー「責めはせんよ、私にそんな資格は無い……もう、お前にそんな思いをさせもしない。私が止めるからな…………共に堕ちよう、地獄の底まで」

夕立「…………っ! 少佐……さん……っ! 少佐さん! 少佐さん! 少佐さん! 少佐さぁんっ!」ギュッ

ガトー「うおっ!? ええいはしゃぐな! かろうじて敵は見当たらんとは言え、まだ戦闘中だぞ!」

夕立「えへへ……ごめんなさいっぽい! 砲台壊れちゃったからサポートに集中するっぽい!」

ガトー「ああ。私も多少だが疲れを取れた……あのシャトルで要救助者が最後なら……(ビーッビーッ)むっ!」

夕立「また増援……だけど、増援じゃないっぽい! とんでもない大物の気配っぽい!」


ズ……ズズズズズズズズ……!


夕立「あわわわわ!?」

ガトー「ソロモンが……震えている……っ!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ……




コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛……!!




ガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンッ!!

《ソロモン全面に現れるメガ粒子砲口》




バキバキバキバキバキバキバキバキバキィッ!

《鋭利な刺を形成していく人工構造部》



グパンッ! ヴォン……ッ!!

《岩盤の奥から現れるモノアイ》









ソロモン棲鬼「雄雄雄雄雄雄OOOオオオオオオ雄雄雄…………ッッ!!」ギカァンッ!








ガトー「こ、これは……っ! なんたる……っ!」

夕立「あわわわわわ! ち、チビりそうっぽいぃ~~っ!」






『よくぞここまで戦い抜いた……ガトーよ』


ガトー「っ!? この……声は……っ!」

夕立「ぽい!? 少佐さん! あそこに!」




ビグザム棲機「」ヴォンッ


《ソロモン上部に埋まるビグザム棲機》


夕立「誰か、立ってる……」

ガトー「……この声……そして威風堂々たるあの姿……間違えようも無い……」






ガトー「ドズル・ザビ中将閣下……!」





ドズル「…………だが、終わりではないぞ! このソロモンに散った、ジオンの、連邦の……全ての夢、理想、大義、欲望、怨み、嘆き、怒り、正義、情熱、希望、絶望…………貴様に越えられるか! ガトォォォォォォォォォッ!!」





バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!!



夕立は第三次ソロモン海戦で暁を沈めてるかもしれないんだよな


あと、御大の雄叫びで龍神丸を思い出した俺は劇場版派



ガトー「くうっ! 回避、してみせろ!」

夕立「フルパワーっぽい!」


ドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウッ!



ドズル「避けるだけでは俺は……ソロモンは墜とせんぞ!」


ガトー(通信)『ぐ……何故です閣下! それほどの自我を保っていながら……こんな戦いは無意味です!』

ドズル「戯け者め! 深海棲艦の真の脅威……この程度であると思うか! 俺すら倒せぬ生き延びただけの腑抜けならば、ガトー! 貴様はここで散れぃ!」


ドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュ--ッ!

《ミサイルの如く発射される刺の大群》


ガトー「っ! 夕立! サーベル、出力上げろ!」

夕立「ぽいぃぃっ!」


リックディアス「」ヴォン…フィィィンッ


ガトー「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」


ザシュザシュザシュザシュザシュッ!

ズドドドドドドドド----ンッ!



ガトー『ふぅっ、ふぅっ……確かに、私は腑抜けたのかも知れません。ジオンの未来のためと……己の所業を肯定する事は、もう出来ない……自身が戦うことで、新たな悲劇を生み出すことが恐ろしい…………それでも!』


リックディアス「」ジャキン

ガトー『私は今、生きてここに居る……なればこそ! 未来を築く、築かねばならぬ義務がある! この命、新たな世代のために使わねばならぬ!』

ドズル「ならば何とする!」

ガトー『ドズル閣下……私は過去を……ソロモンを、その全てを…………越えて往く! 邪魔だては、無用!』

ドズル「来るか……ならば見事討って見せよ! ガトー! この俺の屍を越えて往けぇぇぇぇっ!」


バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!!

ズドドドドドドドドドドド----ッ!


ガトー『推して……参るっ! うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』


ゴォォッ!


一旦ここまで……また後程続きを


ワイアット氏好きな方はごめんなさい……上手い出し方思いつかんかった……orz


>>183
ガトーにとって『三度目』であることにも掛けています。


では。

いきます

※※※※※※


>ソロモン外縁宙域


「か、身体の震えが止まらねえ……」
「何なんだよ……小惑星一つ丸ごとが敵って……」

指揮官「く……この『恐怖』が、深海棲艦の真の脅威……! 我々がかろうじて動けるのも艦娘の、あのMSに乗った少女一人の力だと言うのか……」


「……戦ってるんだよな、ガトー大尉は……たった一機のMSで」
「勝てるのかよ、あんなバケモノに」
「さあな……」


???「放せ! 俺は援護に出るぞ!」

「無理だっての! ただのMSじゃ邪魔になるだけだ!」

???「ちっきしょう!」



「……あんなもの、艦娘がいるからじゃないか……それが無きゃ、とっくに……そうさ、ジオン同士で、殺し合ってりゃいいんだ」

???「……まだんなこと言ってんのか……なら、よく見てるんだな。あいつが、何で戦ってるのか、わかるかも……な」

「ふん……」



>ソロモン宙域


ガトー(狙うは一つ……『核』である、ドズル閣下の乗るビグ・ザムのみ!)

ガトー「夕立! リックディアスのリミッター、全て解除しろ! エンジン、ブースター、テスラ・ドライブ……焼け付かせるつもりで力を引き出せ!」

夕立「お任せっぽい! ぽいぽいぽいぽいぃぃぃっ!!」


ゴォォォォッ!

ドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウッ!


ドズル「スピードだけでソロモンの弾幕を抜けられると思うな!」


ドシュウ……ドガァァァァンッ!

バシューッバシューッバシューッ!


ガトー「ビームが曲がる!? くぬぅっ!」ドヒュウ!


ドガァン!
ズガァン!


ガトー「ぐうっ!」

夕立「きゃあぁぁっ!」

ドズル「偏光チャフを内蔵したミサイル……ビームの乱反射は予測など出来ん! さあどうする!」

ガトー「……ならば、押し通る! 往くぞぉぉぉぉっ!」


ゴォォォォォォォォッ!!


ズガァン! ズガァン! ドガァンッ!

ガトー「まだ……まだぁっ!」


リックディアス「」バシュバシュウン!



ビグザム棲機「」バシィィィン

ガトー「Iフィールド……! だが、それなら!」

夕立「バズーカ! 行っけぇぇぇぇっ!」ドパァンッ!


バシィィィン
ドガァァァァンッ!


ガトー「っ! バリア出力のみで実体弾を!?」

ドズル「温いわ!」バシューッバシューッ!


ズガァンズガァンズガァァァン!


ガトー「があぁぁぁっ! ならば……力付くあるのみ! 夕立ぃ!!」

夕立「ハイパービームサーベル! ぶった切るっぽいぃぃっ!」


リックディアス「」ヴォンッ…フィィィィィ!



ガトー「ぬおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


バシャァァァンッ! バヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂィ!!


ガトー「ぐううぅぅぅぅぅぅっ!」

夕立「くぬぅぅぅぅぅぅぅっ!」


ドズル「良い気迫だ! しかし……愚かぁっ!」




ソロモン棲機「」ギカァンッ


バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!!


ドガガガガガガガガァァン!!

ガトー「ぐわあぁぁぁっ!」

夕立「きゃあぁぁぁぁっ!」



ビグザム棲機「」ヴォンッ


フィィィィィ……!


ガトー「が、ぐ……っ!?」

夕立「っ! テスラ・ドライブ、フィールド形成全開!」



ドズル「至近距離からのビグ・ザムの主砲……受けろぉぉぉぉ!!」





ズゴォォォォォォォォォォォッ!






リックディアス「」バチバチ…バチィ


ガトー「が……は……っ」

夕立「うくっ……うう……」



ドズル「……それが限界か、ガトー……所詮、その程度だったか…………だが、最後まで油断も容赦もせん! それが戦士としての礼儀だ!」



ソロモン棲鬼「」ギカァンッ

ビグザム棲機「」ヴォンッ



ガトー「ぐ……っ!(く……来る……! まだだ、まだ、終わる訳には……!)」



夕立「…………やらせ、ない…………少佐さんを……夕立の、大切な少佐さんを……っ!」


リックディアス「」ヴォンッ!

夕立(赤目)「やらせる、もんかぁぁぁぁぁぁ――――っっ!!」


ドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウドヒュウッ!


夕立「うわぁぁぁぁぁぁ――――っ!!」バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!


バシィィィン!
バシィンバシィンバシィンバシィィィン!


ドズル「ぬうっ! だが、その程度ではなぁっ!」


ビグザム棲機「」ガシュン


ビシューッビシューッビシューッビシューッビシューッビシューッ!!


ズガァンズガァンズガァァァン!


夕立「くううっ!」

ガトー「夕立!」



>サラミス級 艦内


「あ、ああ……」
「やっぱり、無理なんだよ……あんなもの相手に……」
「は、はは……あれが、いずれ世界中に現れるんだろ……? 人類に、未来なんて無いじゃないか……」

「……どうでもいいさ……死んだら……みんなの所に行けるんだ……」

指揮官「……万事休す、か…………」


『いい加減にしろお前らぁっ!!』


???「今戦ってるあいつは! 一体誰のために戦ってると思ってんだ!? 俺達だろ……俺達に生きていて欲しいって! そう思ってるから! ソロモンを飛び回って! ああして、とんでもない怪物と戦ってんだろうが!」

「お、俺達が……そんなこと、頼んだ訳じゃない……」

???「じゃあ、お前は死んだ方がよかったってのか!? このままあいつが負けて、あの化物に殺されたいって言うのか!?」

「そんなわけ……そんなわけないだろうが!」
「俺達だって死にたくねえ! 生きてえよ……生きて、帰りてえよ!」
「でも無理なんだよ……無事に帰れるなんて、どうやったって想像出来ねえんだよ!」

???「なら……信じてやるしかねえだろうが、あいつの勝利をよ」

「そ、そう言われてもよ……」
「でも……俺達が生きて帰るには、勝ってもらうしか無いんだよな……」
「……そうだな……そうしたら……帰れる、かなぁ……」



指揮官「……すまない。本来なら私が士気を高めねばならんかったのにな」

???「いいってことよ……なあ、本当にMSは出せないのか?」

指揮官「無理だ。あの特注のリックディアスであの戦果……メガ粒子の塵になるのがオチだ」

???「ちぇっ」

指揮官「命知らずな奴だ……名を、聞いておこうか」
???「ああ、俺は……」




ウモン「『ウモン・サモン』ってんだ」



>ソロモン宙域


夕立(足りない……このままじゃ、少佐さんが……もっと、もっと……もっと、強い力を! 私の、身が、どうなっても……!)

夕立「う……ううう……っ!!」

ガトー「夕立! もういい!」

夕立「でも……でも!」

ガトー「先ほどのお前の言葉ではないがな……一人で頑張ることはないだろう」

夕立「あ……」


バシューッバシューッバシューッ!

ドヒュウドヒュウドヒュウ!


ガトー「……ドズル閣下は、強い。だが……我らはここで、終わる訳にはいかん。いずれ地獄に落ちる身とて……今はまだ、生きて、成さねばならん事がある。」


ズゴォォォォォォォォ!

バシィン! ドヒュウ!


ガトー「夕立……共に、生きるぞ。地獄に落ちるのは……生きて、生きて、生きて……生き抜いてからでも、遅くはない!」

夕立「少佐、さん……っ!」


キィン……!


ガトー「む、これは……!」

夕立「……っ! 『ケッコンカッコカリ』の指輪……!」

ガトー「ふ……これで私とお前は一心同体と言う訳か」

夕立「……ぽい! 夕立は、夕立は……ずっと、少佐さんと一緒っぽい!」キィィィィン……


リックディアス「」キュイィィィィ…!!


ジャキンッ!!



リックディアス(改二装備)「」キュインッ


ガトー「っ! 夕立、その姿は……!」


夕立改二「あ……! わかる……力が、私と、リックディアスに、溢れてくる! ……少佐さん!」ギュッ

ガトー「……ああ。共に、往こう!」ギュッ

夕立改二「ぽいっ!」




キュイィィィィ……ズドォンッ!


【インフォメーション】


『アナベル・ガトー』と
『夕立』に
『ケッコンカッコカリの指輪』が装備されました。

『ガトー専用リックディアス』に
『夕立改二型攻撃ユニット』が装備されました。

【インフォメーション】


『夕立』は
『夕立改二』への一時的改造が可能になりました。



ドズル「む! 気迫が変わった……何か掴んだらしいな……だが! だからとて、そうやすやすと落ちるこのドズル・ザビではないぞ!」


バシューッバシューッバシューッバシューッ!


ガトー「戦法を変える! この攻撃の元……ソロモンを削る!」

夕立改二「ぽい!」


ゴォッ!



ドズル「死角に回り込んだつもりか!? 甘いわ!」

ズドドドドドドドドシュウ----ッ!


ガトー「チャフ・ミサイルが来た……今だ!」

夕立改二「ぽいぃぃっ! 連装砲、宙間魚雷、セット! バズーカもオマケっぽい!」

ガトー「バルカンファランクス、オート射撃セット……ビームガン出力最大……! フルバーストだ、まとめて持って行け!」


ズドォンズドォンズドォンズドォン!
ドシュウンドシュウンドシュウン!

ドパァン! ドパァンッ!

ガガガガガガガッ!

バシューッバシューッ! バシューッ!!




……ゥゥ…………ゥン……




ドガァァァァァァァァァァァァァンッ!!



ドズル「おおおぉぉぉぉぉぉっ!?」


ソロモン棲鬼「!?!?!?」ゴゴゴゴゴゴ……



夕立改二「ソロモンが止まったっぽい!」

ガトー「よし……勝負を懸ける!」




ゴォォォォッ!




ドズル「来たか……だが、先ほどと同じならば、俺は越えられんぞ!」


ガトー「……夕立、ハイパービームサーベル起動。同時に背部ユニットで全力砲撃!」

夕立改二「ぽい!」


ヴォン…フィィィンッ

リックディアス「」ゴォッ!

ドパァンドパァンドパァン!

ドシュウンドシュウンドシュウン!



バシィィィン!
バシィィィンバシィィィンバシィィィン!


ドズル「……馬鹿の一つ覚えで、ビグ・ザムが墜ちるか戯けがぁぁぁっ!」


ビシューッビシューッビシューッビシューッ!


ガトー「…………ぬううぅぅぅぅぅぅ……おおおぉぉぉぉぉぉっ!!」


バキィンッ!

バキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンッ!


ドズル「ビームを……切り払いながら進んで来るだとぉっ!?」

ガトー「うおおおぉぉぉぉぉぉっ!」


ヴォンッ……バヂバヂバヂィッ!バキィンッ!
バヂバヂバヂバヂバヂィッ!

ガトー「まだ、破れんっ……!」

夕立改二「ビーム、来るっぽい!」

ガトー「くうっ!」ゴォッ!

バシューッバシューッ!




ガトー(どうする……? このままでは、結局先ほどの二の舞に……!)

夕立改二「うう、やっぱり硬いっぽい……こうなったら、戦艦持って来てもらってぶっつけるしかないっぽい!?」

ガトー「馬鹿者。悪戯に威力を大きくすればいい訳では……っ!? そうか……そういう事だったのだ!」

夕立改二「ぽ、ぽい?」

ガトー(強大な力に、同じく強大な力で対抗するは愚の骨頂……それはまさに、このソロモンを核弾頭で焼いた私の所業そのもの…………必要なのは、必要だったのは、斬るべきを斬り、斬らぬべきを斬らぬ……ただ一振りの刃!)

夕立改二「ぽいっ!? なんだか、少佐さんの考えたイメージが頭に入って……これ、刀?」

ガトー「わかるか……やれるか、夕立?」

夕立改二「ぽい! 夕立に任せるっぽい!」



ヴォンッ……キィィィン…!



ドズル「ぬう!? あれは、ビームサーベル……いや、もっと細く、鋭い……」



ガトー「……そう……我らが抵抗勢力を、デラーズフリートを結成していたこと事態は、間違いなどではなかった……その意志を押し通さんと、核弾頭やコロニー落とし……『力』に頼ったことこそ間違いだったのだ。政治で、報道で……武力にしても、最低限で……地球と宇宙の民の、賛同と協力が得られる道はあったはずなのだ……大義という言葉に酔わず、心を研ぎ澄ましていたならば……」


チャキン…ッ!


ガトー「英霊たちよ……見ていてくれ……私は、二度と悲劇を振り撒く存在にはならぬ……これはその、決意の刃だ!」


ドズル「来るか……ガトー……やってみせろ……俺を討ち、英霊たちの屍、越えてみせろ!」



ガトー『断る!』

ドズル「何!?」

ガトー『私は貴方を殺さぬ……英霊たちも殺さぬ……! 魂を汚す、その怨念を殺す!』


ドズル「戯れるか! ガトォォォォォォッ!!」



バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!!



ガトー「……南無三っ!」

夕立改二「いっ……けぇぇぇぇ――――っっ!!」


フィィィ…ゴォォォォッ!!




バキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンッ!


ドズル「ビームをいかに弾いたとて、バリアを破れねばなぁっ!」

ガトー「はああぁぁぁぁぁぁっ!」



ザリュッ! バヂバヂィッ!


ドズル「削られた!? だがその程度ならば!」



ガトー「もっと、細く……!」


ザシュウッ! バヂバヂバヂ!


夕立改二「もっと、鋭く……!」


ザグゥッ! バヂバキィンッ!


ガトー/夕立改二「「もっと……強く!」」



キィィィィィィィン……!!



ドズル「っ! こ、この輝きは……っ!」



ガトー「……いざ、参る!」ゴォッ!



ドズル「おおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!



ガトー「一刀っ!!」

夕立改二「両断っ!!」




シュパンッ……!!



ピシッ……!


ビグザム棲機「っ!?」ズルッ…!


ドズル「っ! 何と……!」



ズシィィィィィィィン!!



>ソロモン表面


ドズル「……見事だ、ガトー。俺を……ビグザムを倒すのみならず、機関部に触れず、爆発せぬただ一本の『線』を見切り、両断するとは……さらに、このソロモンに集まった無数の魂……その混濁し、呪詛と化した思念を宣言通り『殺して』みせるとはな……感服だ! もはやぐうの音も出ぬわ! はっはっはっは!」
ガトー(パイロットスーツ)『いえ……私一人の力では、閣下と相対することすら叶わなかったでしょう。全ては、この艦娘……夕立の力あってのことです』

夕立改二(ノーマルスーツ)『ぽい? それは違うっぽい! 夕立は少佐さんと一緒じゃなきゃ、ダメダメな艦娘のままだったっぽい!』

ガトー『いや、しかし』

夕立改二『これだけは譲らないっぽい!』


ドズル「くははははは! 良い相手を見つけたな、ガトー」

ガトー『は、その……恐縮です』

夕立改二『ぽい?』


ドズル「……これで、俺も安心して逝けると言うものだ」

ガトー『っ! 閣下! それは……』

ドズル「言うな。なんの因果か、こうして深海棲艦として迷い出たが……所詮、俺は死者よ。いつまでも現世で、生者に関わり続けるのは間違いだ。こうして貴様に未来を託せた以上……あとは逝くだけだ。このソロモンで散った、無数の英霊たちと共にな……」

ガトー『……承知、いたしました』

ドズル「心残りがなくはないがな……妻と娘……ゼナとミネバだが……何か知っているか? 無事アクシズにたどり着いたのか?」

ガトー『は……お二人は無事アクシズに。ですが……ゼナ様は到着よりすぐ、病で亡くなられたと……ミネバ様はマハラジャ・カーン殿の次女、ハマーン殿の教育の下、健やかに成長なされているとのことです』

ドズル「っ! そう、か……ゼナが……それに、ハマーン嬢が…………ガトー、それは誰からの?」

ガトー『シャア・アズナブル大佐……誠の名を、キャスバル・レム・ダイクン殿からの情報です』

ドズル「シャアが!? そう、か……そう、だったのか……ふ、ふふ……かねてよりの疑問が解けたわ……ならば仕方ない……仕方ない、な……ガルマよ……」



ドズル「ガトー……頼みがある。聞いてくれるか?」

ガトー『は。私に出来る事ならば何なりと』

ドズル「娘に……ミネバに会うことがあれば、伝えてくれ。ザビ家の名など継がずとも良いと……血や名が邪魔ならば、捨ててしまえと……ただ……ただ、幸せになってくれれば、それで良いと……」

ガトー『必ずや』

ドズル「それから、ハマーン嬢含む、カーン家に……政略の為、長女マレーネを妾に迎えたが……あまり気をかけてやれず、申し訳なかった、と……」

ガトー『伝言、しかと』

ドズル「うむ……ならば、もう行くがいい。このビグ・ザムと共に……我らは冥府へ赴くとしよう…………ゼナには、会えそうにないがな……」

ガトー『閣下……』

ドズル「馬鹿者、貴様は勝者なのだ……胸を張らんか!」

ガトー『はっ! 申し訳ありません!』

ドズル「うむ。艦娘の……夕立と言ったか。このガトーは見ての通り、融通の効かん石頭だ。しっかり、支えてやってくれ」

夕立改二『ぽい! 任せるっぽい!』

ガトー『か、閣下……それは、あんまりかと……』

ドズル「はははははっ! 貴様はその娘にもう少し頭を柔らかくしてもらえ! ではな、ガトー……地獄の席は我らでしばらく満席だ。せいぜい、遅れて来るがいい……さあ、往けぃ! この世界を……未来を、任せたぞ!」

ガトー『はっ……さらばです、ドズル閣下!』

夕立改二『……さよならっぽい!』



リックディアス「」ゴォッ!



ドズル「……行ったか……さあ、我々も旅立つとするか、ビグ・ザムよ」


ビグザム棲機「」ヴォン


ドズル「…………ミネバ……俺とゼナの分まで、どうか幸せになってくれ………………さらば、名残惜しき現世(うつしよ)よ!」



カッ…………!








ドッ…………ゴォォォォォォォ…………!!





>ソロモン外縁宙域


夕立改二「ソロモンが……燃えてるっぽい……」

ガトー(敬礼)「……ドズル、閣下……っ!」



ガクンッ


ガトー「っ!? なんだ!?」

夕立改二「あ、あれ? リックディアスが、パワーダウンして……っ!?」



リックディアス(改二装備→破損装備)「」シュウン


夕立(改二→通常)「装備が消えちゃったっぽい!? あ、あれ? 夕立も元に戻っちゃったっぽい!」

ガトー「どうやら、一時的な変化だった……らしい……な……」

夕立「少佐さん!? どうし……顔色真っ青っぽい!」

ガトー「フィルターの……色じゃないのか……? さすがに……疲れた……眠ら、せ…………」

夕立「しょ……少佐さん! 脈が、弱って……嫌! 嫌! 夕立を一人にしないで! 少佐さん……少佐さぁぁぁぁぁぁんっ!!」





数日後……


>月面 フォン・ブラウン

ガトー「…………う……ここ、は……?」

夕立「少佐さんっ! やっと起きてくれた……! ふえぇぇぇ~~ん!」ギュー

ガトー「うおっ…………心配、かけたようだな。すまない」

夕立「少佐さぁん……少佐さぁん……っ!」スリスリ

ガトー「……よしよし。もう泣くな」ナデナデ



ウモン「お邪魔しま…………っとお!? すんませんマジでお邪魔しましたぁ!」

ガトー「っ!? ま、待て! 妙な誤解を抱えたまま行くな!」

夕立「ぽいぃ……?」


数分後……


ガトー「……そうか。ソロモンは問題なく……駐留艦隊も、被害は軽微で……」

ウモン「ああ、あんたらの活躍のお蔭さ。あの艦の奴らも……あんたに礼を言っといてくれってさ。一部は詫びも、な」

夕立「当然っぽい!」フンス
ガトー「そうか……」

ウモン「あと、あんたのMS……激戦でボロボロだから機体は廃棄になっちまうけど、戦闘記録は新型に移せるってさ」

ガトー「リックディアス……そうか……伝えてくれてありがとう」

夕立「ぽい……」

 



ウモン「ところでさ、俺の名前……聞き覚えあったりしない?」

ガトー「ウモン・サモンだったか……? いや……特には……」

ウモン「ソロモンでガンダムの破壊報告を聞いて、防衛場所を移動した覚えは?」

ガトー「その報告なら二つあったが……一つは偽装ボールだったはずで、もう一つは無人機だったため、報告後に奇襲されたと聞いた。防衛場所を変えた記憶はないな」

ウモン「あ……ああ、そう」ガックリ

夕立「ぽい?」



ウモン「じゃあ、俺はこれで失礼するよ。なんかエゥーゴの人に気に入られて、連絡員みたいなのやることになったからさ、忙しいんだ」

ガトー「ああ、気をつけてくれ」

夕立「バイバイっぽい!」
ウモン「おう、あんたも頑張りなよ!」



数日後……


>フォン・ブラウン MS工場


アストナージ「どうだい? こいつがあんたらの新型だ」



Zプルトニウス「」



ガトー「Zガンダムとやらのデータを見たが……比べると、かなりの重量級だな」

夕立「マッシブ?な感じっぽい」

アストナージ「ガトー大尉の戦闘データから、こいつが一番だろうって結論になってね。リックディアスのデータも移植してあるからかなり使いやすいはずさ。クワトロ大尉の機体に試験的に搭載されていたSEジェネレーターも積んであるから、出力も余裕があるしな」

ガトー「……かたじけない」

夕立「ぽい! また一緒に戦えるっぽい!」

アストナージ「クワトロ大尉の機体も完成したし、あとはシャトルに載せて……」



『MSがここシドニーに……キャァァァァッ!』


ガトー「っ!? なん……だ、この放送は……っ!」

夕立「あれ、深海棲艦!? 雷やクワトロ大尉たちが危ないっぽい!」

アストナージ「なんてこった……! ガトー大尉、クワトロ大尉の新型、運んでもらえるか!? Zプルトニウスなら、シドニーまですぐだ!」

ガトー「承知! 行くぞ夕立!」

夕立「ぽい!」


アストナージ「カタパルト出せ! プルトニウス・ウェイブライダー出るぞ!」



ガトー「Zプルトニウス、アナベル・ガトー!」

夕立「艦娘、夕立!」

ガトー/夕立「「発進する!」っぽい!」





ヒィィィン……ゴォォッ!




【Now 太平洋上 アウドムラ機内】


ガトー「……色々と背負うものは増えたが……それもまた、私達の強さになっていると思いたいものだ」

カミーユ「そう、ですか……はあ、俺なんてまだまだだなあ……」

ガトー「そう焦ることも無い。ゆっくり成長すればいいさ……私やクワトロ大尉は、焦り過ぎた例だからな」

カミーユ「うーん……そんなもんですかねぇ」



夕立「む~……北方は赤い目……夕立だって赤い目になれば、パワーアップするっぽい!」

北方「デモ、今ハチガウ。ナラ、ホッポノ勝チ」フンス
夕立「むきー! 少佐さん! 夕立は今日からしばらくニンジンメニューだけ食べるっぽい! そしたらまた赤目になれるっぽい!」ジタバタ

ガトー「止めんか。それにそれは迷信だ」

北方「カミーユ、ホッポ、勝ッタ。ホメテー」

カミーユ「え? こう、か?」ナデナデ

北方「ン」ムフー

夕立「ずるいっぽいずるいっぽいずるいっぽい! 少佐さん! 夕立も撫で撫でして欲しいっぽいー! うえーん!」ワーン

ガトー「わかったわかった……これでいいか?」ナデナデ

夕立「ふにゃあ……幸せっぽいぃ~……」トローン


カミーユ「『提督』って……大変な役目なんですね……」アハハー

ガトー「言うな……アイデンティティーが崩壊しそうになる……っ」ヒクヒク

今回はここまで。
ようやく通常の流れに……

では。

シリアス続いたので日常編で。
いきます。

※※※※※※


>アウドムラ 休憩室


パチリ
パチリ

クワトロ「王手」

アムロ「……待った」

クワトロ「待った無し、と先に言ったのは誰だったかな?」

アムロ「くっ……シャアめ」

クワトロ「投了かね?」

アムロ「ぐぐっ……!」


ガトー「……4七銀」

アムロ「っ! そうか!(パチリ)これで王手だ、シャア」

クワトロ「くっ……ガトー大尉、口出しは無用だぞ」

ガトー「これは失礼。ですが、分かりやすかったもので……」

アムロ「さあ、どうする?」

クワトロ「ふう……なら、これで詰み、だ(パチリ)」

アムロ「あっ……罠、だったのか……」

ガトー「だから、分かりやすいと言ったでしょう?」

クワトロ「ニュータイプも将棋は別問題らしいな」

アムロ「くっ……もう一戦だ」



雷「大尉ー」


三人「「「ん?」」」


雷「あっ、ごめんなさい、クワトロ大尉なの」

クワトロ「私か。何か?」

雷「服、ほつれてたでしょ? 裁縫用具持ってきたから、繕うわ!」

クワトロ「すまんな……今、脱げばいいか?」

雷「うん、すぐ終わるから」



ガトー「……さすがに同階級が集まると紛らわしいですな」

アムロ「ああ……しかし……」


雷「ふんふんふん~♪」

クワトロ「上手いものだ」

アムロ「……あの光景に違和感を感じない自分が恐い」

ガトー「…………私からは、何も」メソラシ



夕立「少佐さーん♪」トテテテ



>医務室


夕立「失礼しま~すっぽい」ガチャ


ロザミア「すぅ……すぅ……」


夕立「まだ、眠ってるっぽい?」

ガトー「らしいな。静かにしていろ……シーツを替えてやらねばな」

夕立「ぽい」


ガチャ


北方「アレ? 夕立ト……ロン毛?」

ガトー「ロ、ロン毛……っ」

夕立改二「よしお前ケンカ売ってるっぽい。表出ろっぽい」ジャキン

ガトー「よさんか。彼女の見舞いなら、静かにな」

北方「ン、ワカッタ」

夕立改二「む~……少佐さん~!」

ガトー「いいから元に戻らんか。艤装が花瓶でも倒したらどうする」

夕立「ぽ~い」ポフンッ


ロザミア「ん……んんっ……? ここ、は……?」


北方「ッ! オネーチャン、起キタ!」

ガトー「おお……これは朗報だな」

夕立「良かったっぽい!」

ロザミア「お姉、ちゃん……? えっと……あなた、は……」

北方「ホッポダヨ! オネーチャン、ワカル?」

ロザミア「ホッポ……ちゃん。そう、あなたはホッポちゃん……大丈夫、覚えてるわ」

北方「オネーチャン!」ギュー

ロザミア「うん、心配かけてゴメンね……もう、大丈夫だからね」

夕立「みんなにも知らせてあげるっぽい!」

ガトー「そうだな、ブラン少佐も心配していた……無事起きたと知れば喜ぶだろう。とは言え、まだ体調も不十分のはずだ。何か、消化にいいものでももらってくるから、安静にしているといい」

ロザミア「うん……ありがとう、お兄ちゃん」

ガトー「ああ。夕立、しばらく話し相手にでもなってやれ」

夕立「ぽい」





ガトー「ん?」

夕立「ぽい?」



※2スレ目>>589参照。



ブラン「……記憶の混乱の影響、か」

クワトロ「ああ、何せ、30億の怨霊の思念に当てられていたのだ……強化処置で脆弱になった精神なら、マシな後遺症だろう」


ロザミア「あの……私、何かおかしなこと言ったかしら……?」

カミーユ「い、いえ……そんなことは……ププ……ガトー大尉が……おに、お兄ちゃんって……」


ガトー(鬼ぃちゃん)「……カミーユ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

夕立改二(狂犬)「アハハハハ、イッペン死ンデミルッポイ?」ジャキン


カミーユ「ひいぃっ!? すいませんすいませんすいません!」

北方「変ナカミーユ……オネーチャン、ゴハン、食ベテ?」

ロザミア「ありがとう……ん、美味しい。お兄ちゃんも、食べる?」

ガトー「いや……私はもう食べたからいい」

ロザミア「そっか……あの、その女の子は……?」

夕立「ぽいぃ~……」シガミツキ

ガトー「夕立……さっきから何故私にしがみついている」

夕立「がるるる」ガッシリ

ロザミア「……もしかして、お兄ちゃんの恋人?」

ガトー「いやそれは……」

夕立「ケッコン相手っぽい!」←ケッコンカッコカリの指輪

ロザミア「わあ素敵! お兄ちゃん、結婚してたなら連絡してくれればいいのに……おめでとう!」

ガトー「う、あ、いや……」

夕立「少佐さんがお兄ちゃんなら、夕立もお姉ちゃんって呼んでいいっぽい!」フンス

北方「ム、ホッポハ夕立ヲオネーチャンッテ呼ビタクナイ、ハンターイ」

ロザミア「ええっと……どうしようかな……」




ガトー「…………クワトロ大尉、なんとかして下さい」

クワトロ「すまん、無理だ」


>どっか

呂500「? 誰か、ろーちゃん呼びましたですって?」←『がるるー』ネタ元

伊19「どーしたのねー?」



>アウドムラ 甲板


クワトロ「……辛そうだな、ガトー大尉」

ガトー「クワトロ大尉…………彼女は……ロザミア少尉は、しきりに『空が落ちる』と……コロニー落としのトラウマに苦しめられ続けていると聞きました……私は、ブリティッシュ作戦でも、星の屑でも、コロニーを落とした張本人です……そんな私を兄などと……」

クワトロ「……記憶の混乱があったとは言え、彼女がニュータイプ的な本能でガトー大尉を『兄』と認識したのだ……慮ってやるべきだと思うがね」

ガトー「……それは、勿論……しかし、私の正体を知って、彼女が傷付くと思うと…………いや、これは逃げ口上ですな。私は……私に出来る最善を尽くすまで。見苦しい姿をお見せして、申し訳ない」

クワトロ「構わんさ。それに、見苦しさなら私もいい勝負さ……」


ガトー「ふ……お互い、無様を晒さず生きられるようになりたいものです」

クワトロ「はは、全く……難しいものだ」


短いですがここまで

では

いきます。

※※※※※※


>日本近海 ガルダ機内


「間もなくムラサメ研からの便との合流地点です」

ブラン「うむ……見えてきたな、あれか」


《複数の小型輸送機に牽引されるサイコガンダム(MA形態)》


ブラン「……あれがオリジナルのサイコガンダムか……くっ、ニュータイプでもなかろうに、嫌な予感しかしない」


>アウドムラ 機内


ロザミア「うっ……何? この、感覚……私?がいる……?」

北方「オネーチャン? 大丈夫……?」

ロザミア「ん……平気よ。ありがとう、ホッポちゃん」ナデナデ

北方「ン」



カミーユ「強化人間、ですか……ロザミア少尉と同じ?」

クワトロ「ああ、ブラン少佐が保護の名目でこちら預かりにしてくれたが……研究所の人間が一緒だ。あんな機体を持ってくるぐらいだ……気をつけておくべきだろうな」

カミーユ「……北方とか、艦娘のみんなとは会わせないようにした方がいいですね」

クワトロ「ああ、そう思ったから伝えてある……ロザミア少尉もだ。艦娘共々、ガトー大尉に匿っていて貰う……出迎えに、我々もガルダに移るぞ」

カミーユ「はい」




>ガルダ 機内


ブラン「ベン! ご苦労だったな」

ベン「いえこれしき。ブラン少佐もご無事で何よりです」

ブラン「ああ、全く、冷や汗ものだったよ……それで、そちらが?」


ナミカー「ムラサメ研究所のナミカー・コーネルです。主任研究員をしておりますわ」

フォウ「……フォウ・ムラサメ少尉、です」


ブラン「……ご苦労。では、アウドムラから迎えがくるはずだ。彼らとそっちに移って……」

フォウ「少佐、エゥーゴはどこです? 敵は、落とさないと……」

ナミカー「フォウ! すいません、調整がまだ……」

ブラン「……っ。これが、『研究』か。相変わらず胸糞の悪い」

ベン「同感です……おや、来たようですな」


クワトロ「遅れてしまったかな? エゥーゴのクワトロ・バジーナだ」

カミーユ「カミーユ・ビダンです」


フォウ「っ! エゥーゴ……エゥーゴは、敵!」ダッ

クワトロ「(ピキィィィン)っ! させんよ!」ガッ←アームロック

フォウ「ぐうっ! は……放せ!」

クワトロ「……手荒なことはしたくなかったが……許せ(タンッ)」←意識刈り

フォウ「うっ……」ガクリ


ブラン「すまんな……迷惑をかけた」

クワトロ「仕方ないさ。あとはアウドムラの面々で何とかしてみよう」

ナミカー「フォウが移るなら私も……!」

ベン「貴様はこちらだ。サイコガンダムの解析を手伝ってもらうぞ」

ナミカー「サイコはムラサメ研の機密で……!」

ベン「あのシドニーの惨劇の核となったMKIIのオリジナルを開発しておいて、そんな詭弁が通用するか! 来い!」



ブラン「……あの機体は彼女やロザミア少尉と引き離した方が無難だろう。こちらで出来るだけのことはやってみる」

クワトロ「感謝する。では戻るとしよう……カミーユ、フォウ少尉を持つのを手伝え」

カミーユ「あ、はい……(あ、柔らかい……)」

クワトロ「どさくさ紛れにどこを持っている。ちゃんと支えろ」

カミーユ「わ、わざとじゃないですよ!」



>アウドムラ 医務室


フォウ「う……ん?」

ロザミア「あ、起きた? クワトロ大尉は手加減したって言ってたけど……もう平気?」

フォウ「こ、こは……お前、は……?」

ロザミア「私はロザミア・バダム。ここはアウドムラの中よ」

フォウ「アウドムラ……エゥーゴの、輸送機……ならお前は……敵!」

ロザミア「きゃあっ!?」

ガチャンッ!


ガトー「っ! どうした!」

フォウ「敵は、殺さ、ないと……!」グググ

ロザミア「ぐっ! く、う……っ!」

ガトー「ロザミア!」

ロザミア「お兄、ちゃ……かふ……っ!」

フォウ「こいつの兄か? 私をサイコガンダムのところまで案内しろ。さもないと……」


ボフンッ


フォウ「っ!?」



ロザミア「けほっ。あ、ホッポちゃんの……」


タコヤキ機「ヴォー」モフモフ

ボフンボフンボフンボフンボフンッ


フォウ「っ!?!?!?」

タコヤキ機A「ヴォー」モフモフ
タコヤキ機B「ヴォー」モフモフ
タコヤキ機C「ヴォー」モフモフ

《以下略》




フォウ「」モフモフ←埋もれ


ロザミア「……埋まっちゃった」

ガトー「そのようだ……ロザミアしょ……ロザミア、大丈夫か?」

ロザミア「うん。ありがとうお兄ちゃん……ちゃんと名前で呼んでくれたね」

ガトー「まあ、な……」


夕立「少佐さんごめんなさい! 北方と遊んでたらタコヤキそっちに飛んでったっぽい!」ワタワタ

北方「バレーボール代ワリニスル、夕立ガ悪イ」ムスー

ガトー「いや……今回は、いいタイミングだった」

夕立「ぽい?」

北方「アレ? 誰カ埋マッテル」

ロザミア「ええ……」



フォウ「……ぷはっ…………あ、れ? 私、何を……?」キョトン

ロザミア「大丈夫?」

フォウ「え、ええ……これは、何? 柔らかいけど……」


タコヤキ機「ヴォー」


夕立「タコヤキっぽい!」

フォウ「タコヤキ?」

北方「ホッポノ機体、タコヤキ言ウナ!」

ガトー「正気に戻ったか……お手柄だな、お前たち」
夕立「ぽい?」

北方「ン?」




クワトロ「……そうか。彼女はもう大丈夫と見ても?」

ガトー「まだ気は抜けませんが……夕立や北方、ロザミアと楽しげに遊んでいます。そう不安になる必要はないかと」

クワトロ「そうか……ロザミア少尉は呼び捨てで呼ぶことに?」

ガトー「…………一応、紛い物とは言え『兄』ですので……安心させてやらねば、と」

クワトロ「ふむ。悪くないと思う」

ガトー「では、私は戻ります。プルトニウスの整備もせねば……」




ガッ



クワトロ(グラサンoff)「…………待ちたまえガトー大尉。『兄』をやるならば色々と学んでおかねばならんことがある……先達として、指導させてもらおう」ギラリ


ガトー(いかん。目が真剣(マジ)だ!?)


クワトロ「いいかね、まず妹というものはだな……」

ガトー(……おかしい。私はニュータイプではないのに刻が見えるぞ……? シーマ中佐、助けてくれ……)



>刻の彼方

シーマ「いや、無理だから」

ララァ「大佐……私が生きてた頃から『アレ』ですから……」


>現世



クワトロ「つまりだな、兄たるものは……」



ガトー(真っ白)「」




>休憩室


《ジェンガプレイ中》

夕立「ぽいぃ!? なんてとこに置くっぽい!」

北方「コレデ落トセバ、ホッポトオネーチャンノ勝チ」フンス

フォウ「大丈夫よ、こうして……ほら、乗った」←ミリ単位の調整

北方「嘘!?」

夕立「フォウ、凄いっぽい!」

ロザミア「さすがね、でも私だって……はい」←コンマ1ミリ単位の調整

北方「オネーチャン、スゴイ!」パチパチ

フォウ「……やるわね」ニヤリ

ロザミア「あなたも」ニヤリ


雷「は~い、おやつよ~!」

夕立「この匂い……ドーナツっぽい!」

北方「オイシソウ!」

フォウ「甘い、匂い……?」

ロザミア「甘いもの、嫌いだった?」

フォウ「ううん。好きよ、ただ、何か、思い出しそうで…………」



カミーユ「なんか、楽しそうだね」

北方「ア、カミーユ」

カミーユ「よ。そうだ、雷をクワトロ大尉が呼んでたぞ。ゾーリンソールを調整したいんだってさ」

雷「っ! すぐ行くわ!」ピュー



カミーユ「速っ…………クワトロ大尉、雷に好かれ過ぎだろ……」

フォウ「カミー、ユ……?」

カミーユ「あ、起きたんだ……俺はカミーユ、カミーユ・ビダン。えっと、君は……」

フォウ「フォウ、よ……フォウ・ムラサメ…………よろしく、カミーユ」ニコッ

今回はここまで

よし、これでホンコンで『なかなか12時にならないシンデレラ・フォウ』が展開できる……!

では

いきます。

※※※※※※


>アウドムラ MSデッキ

クワトロ「……よし、異常ないな。雷、わざわざすまなかったな」

雷「ううん、わたしもゾーリンソールが気になってたし」

クワトロ「……あのサイコフレームの解放……『デストロイモード』と表示されていたが、あれが発動した時、魂が引っ張られるような感覚があった。あれがゾーリンソールが恐れていた『只の機械ではなくなる』ということなのだろう……あまり、乱用はしない方がいいのだろうな」

雷「そうね……でも、だからって使わないまま無理しちゃダメなんだからね?」

クワトロ「はは、わかっているさ……また雷に格好つけていると怒られたくないからな」

雷「もう! 大尉ったら!」ムー

クワトロ「すまんすまん……(ピーッピーッ)ん、そろそろ到着らしいな」




『本機は間もなくニューホンコンに到着します!』



>ニューホンコン 港


ガヤガヤガヤガヤ


ハヤト「避難民の方々はこちらにー!」


ガシュンガシュン


ハヤト「おい、その物資はアウドムラじゃなくてガルダだ!」


アムロ(ディジェ)「ハヤトも大変だな」ガシュンガシュン

クワトロ(ゾーリンソール)「いいから早く積み込んでくれアムロ。後がつかえてる」ガシュンガシュン

雷「オーライ、オーライ……はいストップ! そのまま下ろしてー!」


夕立「少佐さーん、物資のリストもらったきたっぽい!」

ガトー「ああ、すまんな。弾薬、部品……衣類に、医薬品もよし、と……」


カミーユ「あの、俺たちが先に半舷休息もらっていいんですか?」

ガトー「うむ、パイロットの割り振りのこともあるが……彼女たちの世話も頼みたいからな」


北方「オネーチャン! 行コ行コ!」グイグイ

ロザミア「ま、待って待って……私はお兄ちゃんの手伝いをしたいから、フォウと一緒に行ってきて、ね?」

フォウ「私?」

ロザミア「ホッポちゃんのこと、任せていい?」

フォウ「……わかったわ。ホッポは、私と一緒でもいい?」

北方「ンー、ワカッタ」

フォウ「ありがと。カミーユ! 行きましょ!」

カミーユ「あ、ああ……それじゃ、お先に」

ガトー「何かあったら連絡を忘れずにな」

カミーユ「はい。うわっと……! 二人とも引っ張るな!」


フォウ/北方「「早く早くー」」グイグイ



ガシュン


クワトロ「ふう、一段落ついたか」


ガトー(プルトニウス)「お疲れ様です。残りは我々が」ガシュンガシュン

ロザミア(ネモ)「お兄ちゃん、このコンテナどっち?」ガシュンガシュン

ガトー「ああ、それは……」


アムロ「……彼女、安定しているようだな」

クワトロ「ああ、精神的支柱がいる、というのが大きいのだろう……さて、あとは……シャトルの手配か。さすがにこれはルオ商会まで直接行く必要があるか」

アムロ「宇宙に戻るのか」

クワトロ「そろそろ、戻る必要がある時期が来るのでな……何なら、君も来るかね?」

アムロ「……すまない、まだ、俺は……」

クワトロ「無理に、とは言わんさ」


雷「大尉! お出かけなの?」

クワトロ「ああ、ルオ商会にな……雷も来るか? 帰りに少し観光しよう」

雷「いいの!? ありがとう、大尉!」

クワトロ「アムロ、君も来るといい。少し気晴らしは必要だろう?」

アムロ「ああ、すまない……だが、夫婦水入らずを邪魔していいのかな?」ニヤニヤ

クワトロ「…………否定はせんが、人は苛立ちを感じる生き物だと知っておきたまえ」ヒクヒク

アムロ「ああ」ニヤニヤ

雷「ふ、夫婦なんて……やだもうアムロさんってば!」バシーン!


アムロ「フブォッ!?」ドンガラガッシャーン


雷「ああごめんなさい! つい……」


アムロ「」ピクピク←犬神家状態


クワトロ(ざまぁ)

今回はここまで
少なくてすいません……


では

すいません今日はUPする余裕が……
また明日に書きます。申し訳ない。

いきます

※※※※※※


>ニューホンコン 市街


タコヤキ機「ヴォー」フヨフヨ
ハロ「ハロ、ハロ」ポヨンポヨン


北方「人間ノ町、来ノ初メテ。人、イッパイ!」

カミーユ「このホンコンは特に賑やかだからな……って、勝手にどっか行くなって! 迷子になるぞ!」

北方「カミーユ、アレハ? ソレニコレハ?」ワキャワキャ

カミーユ「ああもう、はしゃぐなって……ほら、肩車してやるから」

北方「高イ! 凄イ!」キャッキャッ

カミーユ「わあ! 目を塞ぐな! 危ない!」


フォウ「……ふふっ。優しいんだ、カミーユ」

カミーユ「なんか懐かれちゃったんだよ……」

フォウ「子供は、自分に優しい人が分かるのよ。だからかな……私もカミーユが優しいって分かったのは、子供だからなのかも」

カミーユ「子供、かあ……俺も何度か、自分がまだ子供だって思ったこと、あるよ。なら、大人ってなんなんだろうな」

フォウ「素直じゃない人」

カミーユ「……ぷっ! なんか、言えてるよ、それ」

北方「天パ、ロン毛、グラサン?」

カミーユ「……ぶふぅっ! 笑わせるなよホッポ!」

フォウ「ぷぷっ! て、天……ロン毛……グラサ……あは、あははははっ!」






アムロ「ハクショイ!」←天パ

ガトー「ヘクショイ!」←ロン毛

クワトロ「ヒックシ!」←グラサン



カミーユ「それじゃ二人とも、どっか行きたいとこあるか?」

フォウ「私はどこでも。ホッポちゃんは?」

北方「ン、ホッポ、ココ行キタイ!」

カミーユ「これ、漫画……って、ジョジョかよ! しかも3部!」

北方「コレ! コノカエル、食ベタイ!」←ジョセフが注文間違えたシーン

フォウ「カ、カエルはちょっと……」タラリ

カミーユ「それに、こんな高級店はちょっとなあ……」

北方「ンー……ナラ、タコヤキ!」


タコヤキ機「ヴォッ!?」ビクゥッ


北方「夕立、イツモコノ子ノコト『タコヤキ』ッテ言ウ。ダカラ気ニナル」

カミーユ「タコヤキかあ……日本やサイド3ならどこでもあるけど、ホンコンにあるかな?」

フォウ「あ。あれじゃないの?」


タコヤキ屋「買うてかへんか? 美味いで!」


カミーユ「さすが大阪文化……ワールドワイドだなあ」

北方「買ッテ買ッテ!」グイグイ

カミーユ「はいはい……おじさん、三人前ね」

タコヤキ屋「まいど! お嬢ちゃんたちにはオマケしといたさかいな! 色男のあんちゃんは我慢せえ! このリア充!」ガー

カミーユ「あはは……どーも」

北方「オイシソウ……早ク食べヨ!」ゴクリ

フォウ「公園があるわ。そこで食べましょ」





カミーユ「ところで、北方はいつジョジョなんて読んだんだ?」

北方「あうどむらニ置イテアッタヨ?」



>アウドムラ 機内


ブラン「ん? おーい、俺が置いてたジョジョが一冊足りんのだが、誰か知らんか?」

「俺は返しましたよ?」
「あー、さっきホッポちゃんが持って行ったかも」



>公園


フォウ「いい匂いね。ソースと……海藻?」

カミーユ「青のりな、それとカツオブシ。マヨネーズはお好みで、だってさ」

北方「イタダキマス!」パクリ

カミーユ「あ、馬鹿! いきなり食べると……!」


北方「~~~ッッ!?!? アフアヒアフアヒアフアヒアフアヒ!」ジタバタ


カミーユ「ほら水! タコヤキは中に熱籠ってんだから冷ましてから食べないと」

北方「ンク、ンクッ……モグモグ……熱カッタ。ケドオイシイ!」

フォウ「それじゃ私も……フー、フー……(モグモグ)……ん、美味しい」

カミーユ「そりゃよかった(モグモグ)うん、タコが大きいし、中もトロっとして……もう二パックぐらい買ってもよかったかな」

北方「ホラ、オマエモ食ベル」

タコヤキ機「ヴォ」モグモグ

カミーユ「北方、ほら、口にマヨネーズ付いてるぞ」ゴシゴシ

北方「ン、アリガト」


フォウ「……ふふっ。なんかいいな、こういうの」

カミーユ「よし、綺麗になった……なんだよ、笑ったりして」

フォウ「何でもなーい。カミーユ、もう全部食べちゃったの?」

カミーユ「ああ、美味いだけに、少し物足りないかな」

フォウ「じゃあ、私の分けてあげる。はい、アーンして」

カミーユ「!? い、いいよ! クワトロ大尉と雷じゃあるまいし!」

フォウ「ほら、早く口開けて。落ちちゃう」

カミーユ「…………アーン(パクリ)」

フォウ「美味しかった?」

カミーユ「…………なんか、別の味がする……美味いけどさ」


北方「マダ欲シイ? モウナイ」

タコヤキ機「ヴォ……」シュン



バサバサバサバサ
クルッポー


北方「鳥! 待テ待テー」トテテテ

タコヤキ機「ヴォー」フヨフヨ


カミーユ「公園からは出るなよー」

フォウ「ホッポちゃん、楽しそうね」

カミーユ「深海棲艦だからって普通の子供と代わりないよ……無邪気なもんさ」


《街頭放送で流れるシドニー戦の映像》

『今回流された映像では……』
『深海棲艦という呼称がすでに広まっており……』
『異星からの侵略者との説も……』


フォウ「……あれ、カミーユたちの戦いの映像よね」

カミーユ「ああ……みんな好き勝手言ってさ……俺たちがどんな苦労してるかも知らないで。元をただせば、世界をこんなにしちまった大人や老人たちのせいだってのに……死んで後始末を押し付けるなんてさ」

フォウ「振り回されてるのよね、私たち」

カミーユ「振り回されっぱなしは癪だから、がむしゃらに色々やってるけどな」

フォウ「凄いんだ」

カミーユ「俺一人じゃないからさ。ずっと一人だって思ってたら、俺なんかとっくに潰れてる」

フォウ「……私には、いなかったよ……そんなのは…………その、はずよ」

カミーユ「これからは違うさ。そうだろ?」

フォウ「そうかな」

カミーユ「そうさ」



フォウ「そっか…………ねえ、キス、してくれる?」

カミーユ「いいの?」

フォウ「うん」


チュッ……


フォウ「…………ふふ。タコヤキの、味だ」

カミーユ「ムードもへったくれもないな、はは」

フォウ「カミーユ」

カミーユ「何?」

フォウ「また、こうやって……一緒に遊びたいな」

カミーユ「できるさ、いつだって」



北方「カミーユ、鳥、逃ゲタ……」シュン

カミーユ「残念だったな。それじゃ……そろそろ戻ろうか」

フォウ「ええ」

北方「手、繋グ! ミンナイッショ!」



>ルオ商会


ガヤガヤガヤガヤ


「シャトルがいっぱいってどういう事だ!」
「まだ余裕があるのは知ってるんだぞ!」
「貨物室でもいいから乗せてくれ!」


雷「……凄い騒ぎね」

クワトロ「……あの映像の影響だな。いつ深海棲艦が現れるか分からない、故に宇宙に逃げたくなる……どこにも逃げ場など無いと言うのに」

アムロ「ベルトーチカが商会の人間を呼んで来てくれるはずだが……まだなのか?」


コツン


雷「? おもちゃのグライダー?」

ハサウェイ「それ、僕の!」

雷「あなたの? はい。でも、こんなに場所で遊んでると誰かに壊されちゃうわよ」

ハサウェイ「やだー」

雷「ちゃんと大事に持ってないと。ね?」

ハサウェイ「うん! ありがとうお姉ちゃん!」

ミライ「ハサウェイ! 勝手に動いちゃダメじゃないの……ありがとう、うちの子が迷惑かけてごめんなさいね」

雷「いいえー」

アムロ「っ! ミライさん!?」

ミライ「あなた……アムロ!? アムロなのね! 元気そうで……シャイアンでのお仕事はどうしたの?」

アムロ「色々ありまして。ミライさんは?」

ミライ「こんな情勢でしょ。ブライトに迷惑はかけたくないけど、子供たちのためにも宇宙へ上がろうかと……そちらの方々は、アムロの同僚かしら?」

アムロ「ええ、まあ……」

雷「私は雷よ、お名前は?」

チェーミン「ちぇーみん!」

ハサウェイ「僕ハサウェイ!」

雷「はーい、お名前よく言えました!」ナデナデ

ハサウェイ/チェーミン「「えへへー」」


ミライ「まあまあ、ありがとう。それで、あなたは……」


クワトロ(グラサンoff)「……久しぶり、と言うべきなのかな……ミライ・ヤシマ嬢。いや、今はノア夫人か」

ミライ「……っ! エドワウ・マス、さん?」

アムロ「っ!?」



>ルオ商会ビル 外の広場

雷/チェーミン「「むーすんーでーひーらいーてー♪」」

ハサウェイ「お姉ちゃん、僕もー」


ミライ「あらあら、あの子たち、すっかり雷ちゃんに懐いちゃって」

クワトロ「彼女は世話好きですから。子供たちも安心するのでしょう」

アムロ「……シャア、聞かせてくれ。なぜミライさんと面識がある?」

ミライ「シャア!? あなたが……?」

クワトロ「……簡単なことだ。私がシャア・アズナブルを名乗る前、エドワウ・マスだった頃に会ったことがある……遠目で、視線を交わした程度だがね」

ミライ「……マス家は私のヤシマ家と同じで、有力な家系だから、お互い繋がりがあったのよ……でもまさか、あの時見たあなたがシャアだなんて……セイラさんは、知っているの?」

クワトロ「ああ……別れを告げているよ。ア・バオア・クーでな……」

アムロ「シャア! お前はよくもぬけぬけと!」

クワトロ「ならば、彼女にも言うかね? 人身御供になれ、と」

アムロ「っ! それは……」

クワトロ「……ブライト艦長から聞いたよ。妹は……アルテイシアは私を『鬼子』と呼んでいたと…………それでいい、ジオン・ダイクンの呪われた血の宿命など背負わずに、生きていてくれれば……そのためなら、私は一生アルテイシアに怨まれたままで構わない。アルテイシア・ソム・ダイクンは死んだ……ただ、私を……キャスバル・レム・ダイクンであり、シャア・アズナブルである私を憎むセイラ・マスでいてくれればいい」

ミライ「……エドワウさん」

アムロ「……シャア、俺は……」


プルルル……


ハサウェイ「あー! ぶつかっちゃう!」

クワトロ「む……よっ、と」

雷「大尉! ナイスキャッチ!」

チェーミン「すごーい!」

クワトロ「君が作ったのか? いい出来だな」

ハサウェイ「えへへー」

クワトロ「……さて、そろそろ商会に戻ってみよう。ベルトーチカが待っているはずだ……ノア夫人も、ご一緒にどうぞ」

ミライ「ええ……ありがとう」

 



>ルオ商会 ビル内


ベルトーチカ「遅い! どこに行ってたのよ!」

クワトロ「すまんね。あの人込みの中で待たされるのは、ちょっとな……それで、そちらが?」

ステファニー「父の名代として来ています、ステファニー・ルオです……カラバへの援助は十分だと思っていましたが?」

クワトロ「宇宙に上げたい者が何名かいる。シャトルを用立てて欲しい」

ステファニー「簡単に言いますがね……」

クワトロ「わかっている。片落ちのシャトルや不良品で構わない……ある程度飛べれば、私の機体であとは補う」

ステファニー「っ!? 何を馬鹿な……MS一機で大気圏離脱でもする気?」

クワトロ「言っておくが……私の機体は、あの映像の『金色のMS』だ」

ステファニー「っ! そう……なら、それこそ私たちの援助など、必要ないのではなくて?」

クワトロ「一人で戦争は出来んよ。どれほど強大な力を得たとて……一人では、限界がある」

ステファニー「……エゥーゴを勝たせられるの?」

クワトロ「その結果世界が救われるなら、そうしよう」

ステファニー「…………さすがに不良品を渡したらルオ商会の名に傷がつきます。旧式のシャトルを一機……それでいいですね?」

クワトロ「助かる。ありがとう」





ベルトーチカ「……驚いたわ、あんなスムーズに交渉が進むなんて」

クワトロ「彼女たちは商人だ……確かな利益を示せば、納得してくれる。タウ・リンの策で世界は揺らいでいるが……こういう利点もあった、ということさ」

アムロ「……『英雄』になる気か、シャア」

クワトロ「さてな……だが、躊躇して事態が悪化するぐらいなら……私は手段を選ぶつもりは無い」


アムロ(……っ。何故だ……今のシャアは世界の為に戦おうとしているのに……何故俺はこんなに不安になる?)


雷「……大尉! また眉間にシワ寄ってる! ダーメ!」グニー

クワトロ「……ひゃにをふる、ひかふち(何をする、雷)」ビローン

雷「一人で抱え込んじゃダメでしょ! みんなを頼らなきゃ!」

クワトロ「……そうだったな」

雷「うん! 良くできました! 撫で撫でー」ナデナデ

ハサウェイ「撫で撫でー」ナデナデ
チェーミン「なでなでー」ナデナデ

ミライ「あらあら」

クワトロ「……やめてくれ」



ベルトーチカ「……変な人ね。そう思わない、アムロ?」

アムロ(……俺の考え過ぎか)

ベルトーチカ「アムロ?」

アムロ「ん? ああ……何か?」

ベルトーチカ「もう!」

 

一休みします。
また後程。


宇宙世紀になっても普通に荒木先生は生きてそうな気がする

遅くなって申し訳ない。
いきます。

※※※※※※


>ニューホンコン市街


ガヤガヤガヤ

雷「ルオ商会もすごい人込みだったけど……街はもっとね」

クワトロ「観光地であると同時に商業都市だ。さらに例の放送で、シャトル目当てで来る人間と、避難の為に出ていく人間が混ざりあっている……」

ミライ「大人でも迷子になることがあるわ。みんなで手を繋いでいましょうね」

ハサウェイ/チェーミン「「はーい!」」

雷「はい! 大尉も!」ギュッ

クワトロ「ん……そうだな」ギュッ


ベルトーチカ「アムロ、私達も」

アムロ「いや、俺は……」


クワトロ「一人ではぐれても知らんぞ?」

ミライ「アムロ、せっかく言ってくれてるんだから……それとも、私かエドワウさんと繋ぐ?」


アムロ「……ベルトーチカ、頼む」

ベルトーチカ「最初からそう言えばいいのに」


雷「大尉! 留守番のみんなにお土産買っていきたいわ!」

クワトロ「向こうにショッピングモールが見える。そこに行くとしよう」



クワトロ「ところでノア夫人、私のことはクワトロで頼む……エドワウは死亡したことになっているし、キャスバルやシャアでは、さすがに、な」

ミライ「そうね、なら改めてよろしく、クワトロさん」

>>339
ウッソ「ジョジョは最新作(189部)も面白いなぁ~ こんな面白い漫画を旧世紀から描き続けてる荒木先生ってどんなひとなんだろう?」



北方「ゼロ! レップウ! アッタ!」キャッキャッ

カミーユ「はしゃいで壊すなよー」

フォウ「買い物してたら遅くなっちゃったね」

カミーユ「だな。まあ、北方も喜んでるし」

フォウ「おもちゃ屋に零戦と烈風のおもちゃがあってよかったわ」


北方「ギューン、バババー」

タコヤキ機「……ヴォー」ポテン


フォウ「ふふっ…………ねえ、カミーユは何を買ったの?」

カミーユ「ん? ああ、とりあえず、知り合いのお土産に色々とね」

フォウ「工具セットと……鍋? それから……ペンダント。雪の結晶の形が綺麗ね」

カミーユ「母さんとファ……幼なじみにね。ペンダントは……大切なことを教えてくれた子に。いつまた会えるかわからないんだけどさ……」

フォウ「……カミーユは、いいね。大切な人がたくさんいて…………私はね、昔の記憶が無いの……だから、大切な人がいたかどうかも、わからない……」

カミーユ「思い出せるさ」

フォウ「っ! 他人事だと思って気軽に言わないで! 何の根拠があって……!」

カミーユ「『ここ』さ。頭で忘れたって、心でわからなくたって……怪物になっちまったって、『ここ』が覚えてる、知ってる……だからさ」

フォウ「『ここ』……って……心臓? それとも、心?」

カミーユ「『命』だよ。『魂』って言ってもいいかな……何もわからない、冷たい宇宙の孤独の中で……命は呼び合うんだ、求めるんだ、大切な人を……呼び合う命を。フォウの命も、きっと覚えてるから、大切な人を」

フォウ「…………カミーユは、凄いね。その言葉が、本当だって解る……今まで、そんなこと信じられなかったのに」

カミーユ「色々な人たちが教えてくれたからさ。人間が、宇宙で生きる……それがどんなに凄い奇跡なのかってね」


北方「カミーユ! フォウ! アイス買ッテキタ!」テテテ

カミーユ「ああ、ありがとな。ほらフォウ、一緒に食べよう」

フォウ「え……ええ……(パクッ)あ…………!」


ツウッ……


カミーユ「フォウ? 君、泣いて……」

北方「ダ、大丈夫? ヘンナ味ダッタ?」オロオロ

フォウ「違うの…………覚えてる、覚えてるのよ……誰かが、私にアイスクリームを作って、食べさせてくれてたこと…………私は、その人が大好きだったってことを……! 顔も名前も思い出せないけど……カミーユ、私、ちゃんと覚えてたよ……!」ポロポロ

カミーユ「フォウ……よかったじゃないか! きっと他の記憶だって……な?」

フォウ「うん……うんっ……!」




クワトロ「ずいぶん買ったが……大丈夫か、雷?」

雷「へーきへーき! もっと持ってもいいのよ!」ドッサリ

チェーミン「おねーちゃんすごーい」

ハサウェイ「力持ちー」

ベルトーチカ「アムロは何を買ったの?」

アムロ「ああ、ドリル工具のいいのがあってね……こいつは極細なのに、かなり固い合金にも使えるんだ。前もこんなのがあったらなあ……」

ベルトーチカ「そ、そうなの……」

アムロ「あっ……悪い、こんなの話してもつまらないよな」

ミライ「ふふ。そういうとこ、変わらないわねアムロ」

アムロ「やめてくださいよ……恥ずかしいなあ」

ミライ「いいじゃないの。私は安心したわ、ホワイトベースで一緒だった、私の知ってるアムロだってね」

クワトロ「興味深いな、是非当時の話を聞いてみたい。ブライト艦長は余り話してくれなくてね」

アムロ「止せよ」

ミライ「そうねえ……」

アムロ「ミライさん!」

ミライ「あらあら」



カミーユ「あれ? クワトロ大尉ー!」

クワトロ「カミーユか。合流してしまったらしいな」

フォウ「凄い荷物ね」

雷「まだまだ余裕があるわよ!」

ハサウェイ「丸いぞー?」
チェーミン「もふもふー」

タコヤキ機「ヴォー!?」

北方「コラー! ソレ、ホッポノー!」!カスンプ



>アウドムラ 搬入口


ブラン「……サイコガンダムの解析は進んでいない。あの研究員、何かを隠している……強化人間の二人を宇宙に送り出すまで油断せん方がいい」

ガトー「そうか……わざわざ感謝する」

ブラン「なに、俺もニュータイプ研究所のやり方にはかねてからさ疑問があったからな……いい機会だったよ」


ロザミア「お兄ちゃーん! 夕立ちゃんとドーナツ作ったんだけど……あっ! ブラン少佐! し、失礼しました!」

ブラン「い、いや構わんよ……しかし、いい匂いだな」

ロザミア「あの、よかったらどうぞ。たくさん作りましたし……お兄ちゃんも」

ガトー「ああ、頂こう」

ブラン「どれ……(パクリ)ふむ、これはなかなか……」

ガトー「うむ、上出来だな。もう少し塩を増やしても食べやすくなっていいと思うぞ」

ロザミア「うん、わかった!」

夕立「ぽい! 少佐さん、夕立の一番弟子の腕前はどうだったっぽい?」フンス

ガトー/ブラン「「ああ、悪くないと……」」


ガトー/ブラン「「ん?」」

夕立「あ、ごめんなさい! ブランさんも少佐だったっぽい! 夕立の『少佐さん』はガトー少佐さんっぽい!」

ブラン「……貴殿は今大尉ではなかったか?」

ガトー「何度言っても修正されんのだ……」




ブラン「しかし、なにやら味にうるさそうだな?」

ガトー「……しばしパン屋で働いていたもので。いつしか店主と同等の腕前になってしまってな……」

夕立「夕立は少佐さんの作るドーナツも大好きっぽい!」

ロザミア「いいなー、私も食べたい!」

ガトー「また今度な……」

ブラン「くく……いやいや、ロザミア少尉もすっかり憑き物が取れたようでよかったよ。頑張ってな『お兄ちゃん』?」

ガトー「…………」ギロリ

ブラン「す、すまん。冗談だ(まさにソロモンの悪夢……夢に視そうな眼力だ)」



>アウドムラ 機内


ハヤト「積み込みはこれでよし。あとは……ん? カツ、ボーっとしてどうした?」

カツ「あ……父さん。いや……なんか、状況があんまり目まぐるしく変わるから、ちょっと……」

ハヤト「はは、確かにな……だが、ホワイトベースに居たころだって、似たようなもんだったろう? むしろ、味方の補給や支援が頼れない事がほとんどで、今より厳しいくらいだったじゃないか」

カツ「そうだったかな……僕はレツやキッカと一緒に、走り回ってたことくらいしか」

ハヤト「俺たちはそんな姿にずいぶん励まされたよ。チビたちが頑張ってるのに、負けてられないってな……普通いないぞ? 離れたくないからって、ア・バオア・クーまでついてくるような未就学児は」

カツ「だよね……」

ハヤト「……恐くなったか?」

カツ「それは…………そう、だね……うん、凄く、恐いよ…………でも……」

ハヤト「母さんやみんなの所に帰りたくない、だろ? わかるよ、男だもんな」

カツ「父さん……」

ハヤト「大人を頼っていいんだよ、まだ子供なんだから……子供や半人前ばかりだったあのホワイトベースに居て、感覚が麻痺しちまってるかも知れないが、それが普通なんだ」

カツ「うん……僕、頑張ってみるよ」

ハヤト「頑張れ、男の子!」バンッ

カツ「うわっ! スキンシップ激しいってば……ありがとう父さん、整備手伝ってくるよ」

ハヤト「ああ」




ハヤト「…………少しは、親父らしくなれたかな。さて、俺もカツにああ言った手前、頼れる大人をやってみせなくちゃな」

 



>ガルダ 機内


ベン「どうだ、サイコガンダムは」

整備兵「ダメです……プロテクトとブラックボックスだらけで、まともに解析できません。解体しようにも、特殊規格の部品を使ってて……こうなりゃ、溶断して無理やり分解するしか」

ベン「……やるか。ビームサーベルを!」


ガシュンガシュン


連邦兵(アッシマー)『いきますよー』ブォォォン


バヂバヂバヂバヂッ!


ベン「どうだ?」

連邦兵『……硬った! 全然切れませんよコレ! なんて材質使ってんですか!』

ベン「装甲材の解析は!?」

整備兵「アンチビーム装甲だとか……動力と連動してビームを弾くそうで。ですが、エンジンを止めようにも……」

ベン「外部アクセスすら不可能と来たか……クソッ! ムラサメ研はこんな機密保持の塊を作って何をする気なんだ! あのナミカーとかいう女はサイコに手出しするなの一点張りで話にならんし!」







>ガルダ 機内個室(施錠済)

ナミカー「……閉じ込めたつもりでしょうけど、甘いわ。この端末からなら……ふふふ、サイコはオーガスタのMKIIなんかと違うって証明して見せるのよ……フォウ、あなたがね……」



>アウドムラ 搬入口


夕立「あ、みんな帰って来たっぽい!」

雷「ただいまー!」ドッサリ
夕立「凄い大荷物っぽい!」


北方「オネーチャン! ゼロトレップウ、カミーユニ買ッテモラッタ! フォウト、タコヤキモ食べタ!」

ロザミア「まあ、よかったわね……フォウ、ホッポちゃんを見ててくれてありがとう」

フォウ「ううん、私も楽しかったし」





クワトロ「シャトルの都合がついた。後日搬入されるはずだ……それで、宇宙に戻る。ガトー大尉も一緒に来て欲しい」

ガトー「おお、ではついに……」

クワトロ「ああ……ブレックス准将の手筈も整っている……アクシズに接触する。もう……過去から逃げては、いられんからな」

ガトー「……私も、伝えねばなりません。ドズル閣下の言葉を」

クワトロ「因果だな」

ガトー「全くです」



>MSデッキ


ブラン「……そうか、やはり難しいか」

ベン「ええ、こうなったら、危険を覚悟でフォウ少尉にアクセスしてもらうしか……?」



チェーン「ここを、こう……っと。はい、Zの整備はこれでOKですよ」

整備兵s「「おおーっ」」

チェーン(艦娘だってわかってから、MSの声がよく聞こえるようになって……整備もずいぶん楽になっちゃった。ズルいかなあ、コレ……?)


ブラン「……凄いな。Zガンダムの整備は難しいと聞いたが」

チェーン「あはは……一応、マニュアルは貰ってますし」

「見てもわからないからアンタが凄いんじゃないか!」
「ディジェにプルトニウスにゾーリンソール……パイロットと合同とは言え、全部整備してるの君だけじゃないか!」

チェーン「えと、恐縮です……」

ブラン「……ベン、もしや彼女なら」

ベン「ええ……チェーン・アギさんでしたか? サイコガンダムの解析に、是非貴女の力をお借りしたい」

チェーン「私が、ですか? はあ、構いませんけど……」

ベン「助かります」


チェーン(サイコガンダムって、あの大きなMS?、MA?よね……うう、怖い性格じゃないといいけど……)




>ヌーベルエゥーゴ 施設

眼鏡「タウ・リン、タイラントソードの改装、終わったぞ。三基のSEジェネレータのシンクロも完璧……二基のサブジェネレータもダウンデッド機関に交換済みだ」

タウ・リン「そうか。これでようやくタイラントは本調子で戦えるわけだな」

眼鏡「まさかそれを実現させる日が来るとは思わなかったがな……ゾーリン・ソール、ずいぶんなバケモノMSらしいが……真のタイラントの相手にはふさわしい……!」

タウ・リン「お前はタイラントの開発局にいたんだったか」

眼鏡「『ネオファリア』さ……俺はずっと夢見ていた……このタイラントがアースノイドもスペースノイドも、全てのクソッタレどもを焼き尽くす日を……! だからこそ、企画段階で凍結されたソードを、ずっと研究し続けていたんだ……!」

タウ・リン「……安心しな。お前の望みは俺の望みでもある……俺たちが、人類の歴史にピリオドを打つんだ」

眼鏡「ああ……そうだな」

タウ・リン「『草』からの報告は?」

眼鏡「連邦、ティターンズ、コロニー、エゥーゴ、アクシズ、アナハイム……ひとまずは順調とのことだ。元より綱渡りだから、油断は出来んがな」

タウ・リン「木星は?」

眼鏡「思想は似たようなものだったが、あれは狂信者の集まりだよ……こっちから切った。それから、アクシズがいよいよ戻って来るらしい」

タウ・リン「ジオン再興か……ヘドが出るぜ。要はザビ家の遺児、ミネバ・ザビか……こいつとシャアが組んだら、ちとマズイか?」

眼鏡「くくく、それだがな……アクシズの摂政をしているハマーン・カーンって女。こいつとシャアは痴情の縺れでゴタゴタしてるらしい。簡単には、同盟できんだろう」

タウ・リン「はっ。大言壮語をほざく奴に限って、人間としては三流だっていい見本さ……丁度いい、そのハマーンには、シャアともども舞台で踊ってもらうさ」





タウ・リン「せいぜい、無様に、醜く、な」



>アウドムラ 機内


ハヤト「ミライさん! お久しぶりです!」

ミライ「ハヤト、あなたも立派になって……フラウと結婚したそうね、おめでとう」

ハヤト「ありがとうございます。けど、まだまだ未熟者ですよ」

ミライ「まあ、ふふっ……」


ハサウェイ「待て待てー」
チェーミン「まてー」

タコヤキ機「ヴォー」フヨフヨ
ハロ「ハロ、ハロ」ポヨンポヨン

北方(肩車)「カミーユ、タコヤキイジメラレテル!」

カミーユ「結局北方もタコヤキって呼ぶことにしたのか? おーい! あんまり走り回るなー!」



ミライ「あらあら……ごめんなさい、ウチの子たちが」

ハヤト「いえいえ……ははっ、思い出すなあ。ホワイトベースもこんな感じだった」

ミライ「そうね。それで、こうして騒いでいるとブライトが……」



雷「コラー! 艦の中で騒いじゃダーメ!」


「「「「ごめんなさい!」」」」


カミーユ「……はっ! なんで俺まで?」


ミライ「……カミナリ落とす人は違うみたいね」

ハヤト「うーむ、名は体を表すか……俺もブライトさんみたいにしっかりしないと、艦長として嘗められそうだ」

ひとまずここまで。
また後程。


【質問及び確認のお願い】
ジャミトフのティターンズ結成目的ですが。

・表向き通りの不穏分子の摘発
・連邦の強権による宇宙移民
・同じく強権による腐敗議員・軍人の追放
・強権行使による戦争の誘導。及び経済崩壊による人口削減
・上記による地球環境の保全

で、間違いなかったでしょうか?
できるだけ調べたのですが抜けが無いようにしたいので、詳しい方の協力、お願いします。

乙。いろいろ動きがざわついてきたな。もしかしたら、アクジスも技術開発が進んで、ドーベンウルフ・バウ・ドライセン・RFシリーズが当たり前になっているのかな。

>>356
そんな感じだったと思いますね

ただ、この人の面白いトコはティターンズは地球至上主義を謳ってるんだけど
どちらかといえばスペースノイドより腐敗した連邦政府高官とか、アースノイドの方が嫌いなんだよね
確か本編Zの何話か忘れたけど

シロッコ「戦争で地球の経済壊滅させりゃ人は住めなくなるから、そしたら宇宙に上がるか餓死するしかない」

マウアー「それなら根底はエゥーゴと変わらないような…」

シロッコ「その後が問題だ、誰がその後の人類や地球圏を支配するか… 指導者がアホや老人じゃまた同じ事の繰り返しよ」

こんな事を言ってたような…  ただ、ジャミトフ自身の口から直接明確な思想や未来ビジョンが出てないんだよね

>>357
アスシズは0083でノイエ・ジールをデラーズ・フリートに譲渡したりしてるけど、
それまでは地球圏から遠く離れて独立独歩のロンリー主義だったからどうだろう?
シロッコみたいに木星と接点あった訳でも無いし、本編より多少早くガ・ゾウムの主力化に成功してドヤ顔しようとしたら、
既にエゥーゴもティターンズもザクⅢ改より高性能な量産型MSばっかでハマーン様がひぇぇぇぇぇぇぇ…ってなったりして

回答を頂いた皆さんありがとうございます。
また考察も参考にさせてもらいます。
ではいきます。

※※※※※※


翌日……


>アウドムラ 機内


ハロ「ハロ、ナカミ、ミセル」カパッ

《ハロの収納スペースに入ったケース入りの雪だるま》

北方「カミーユ、コレガゆきだるま? キレイ」

カミーユ「そうだよ、サイド1のヲ級が俺にくれた……大切な、約束の雪だるまさ」

フォウ「約束?」

カミーユ「……平和な世界を、必ず見せてあげるって……戦争が、争いがある限り、あの子は30バンチを出る訳にはいかないから……戦いを知らない……戦っちゃいけない深海棲艦なんだ、あの子は」

北方「ホッポモ会イタイ」

カミーユ「会えるさ、会わせてやるよ……絶対に」

フォウ「……強い思いが、雪だるまに籠められてるのがわかる……カミーユとその子は思い合ってるんだ……少し、妬けちゃうな」

カミーユ「え? いや、その、俺とあの子はそんな関係とかじゃ」

フォウ「わかってる。でも、もっと……強く繋がってる。まるで……うっ」ガクリ

カミーユ「フォウ!」

北方「ダ、大丈夫!?」

フォウ「うん、平気……ああ、そうよ……私にも、あの人が……大切な人がいたのに……思い出せない……あの人の、顔が、声が、名前が……思い出せないの!」

カミーユ「フォウ、落ち着くんだ! 焦って思い出すことはないだろう!」

フォウ「わかってる。わかってるけど、でも…………」

カミーユ「フォウは、今までずっと研究所で辛い思いをしてたんだろ? なら、少し休まないと……心が、癒えるようにさ」

北方「タコヤキ、フォウ、モフモフスル」

タコヤキ機「ヴォー」モフモフ

フォウ「くすっ……ありがとう、ホッポちゃん。タコヤキくんも」

カミーユ「なにか、落ち着く飲み物でも持ってくるよ。北方は一緒にいてやってくれ」

北方「ン。フォウ、ハゲマス!」

フォウ「二人とも、ありがとう……少し、横になってるわ」



>ニューホンコン市街


夕立「わー! 色んなお店があって面白そうっぽい! 少佐さんも早く来るっぽい!」

ロザミア「お兄ちゃん、あのお店に行ってみよ!」

ガトー「ええい、勝手に動き回るなと言うに!(大型犬でも連れ回しているようだ……)」




夕立犬「わんわん!」

ロザミア犬「わふわふ!」


ガトー「っ!? いや…………幻覚か」

夕立「少佐さん、どうかしたっぽい?」

ロザミア「疲れちゃったならひと休みする?」

ガトー「……そうだな。日射しも強い、どこか適当な店に入るか」

ロザミア「それじゃ、さっき言ったお店に」

ガトー「ん……骨董品店か」

夕立「むむむ、何だか不思議な感じがするっぽい……でも面白そうっぽい!」

ロザミア「早く早く!」

夕立「ぽい!」

ガトー「わかったわかった……引っ張るなと言うに」




「妖艶系美女と清楚系美少女に引っ張られるロン毛のオッサン! なんであんなオッサンがモテモテなんだあぁぁぁぁっ!!」
「ギギギギギギギギリア充パルいリア充パルいリア充パルい」
「よし、このジャパニーズワラ・ドールで呪いを……」


チュドーン
ギャー



夕立改二「ふんっ、ぽい」シュウゥゥ←砲口から煙

ガトー「夕立、何をしている」

夕立「あ、何でも無いっぽい!」



>骨董品店


ロザミア「色んなものがあるのね……これは、壷?」

マクベ北宋壷「」ドモー


ガトー「それは観光用のレプリカだ。価値は無い」

ロザミア「なーんだ……あれ? 夕立ちゃんは……」


夕立(σзσ)プー

ガネーシャ像「」ヌーン


ガトー「……何をしている」

夕立「にらめっこっぽい!」

ロザミア「あはは。ねえ、お兄ちゃんは何か気になる物は無いの?」

ガトー「そうだな……ん? あれは……日本刀か?」

夕立「あ、本当っぽい! いっぱいあるっぽい!」

ガトー「無造作に篭に入って……まあ、これなら数打ち品ぐらいしかなかろうが……(ガチャガチャ)……ん、これは……どれ」


スラリ

ギランッ

ガトー「おお……なかなかの業物」

夕立「『菊一文字』って書いてあるっぽい」

ガトー「菊一文字……本物なら国宝級だな。まあ、出来のいいレプリカだろうが……しかし、菊一文字……ガーベラ・ストレートか…………よし、店主。これを貰う」


店主「まいどあり」


>店外


夕立「意外と安かったっぽい」

ロザミア「やっぱりレプリカなのね……でも、どうして刀なんて買ったの?」

ガトー「……この刀……ガーベラの名を持つ刀で斬らねばならぬ相手を思い出してな……私の過ちを正すためにも」

夕立「ぽい?」

ロザミア「なんのこと?」

ガトー「まあ、深く考えずともいい。護身用と思っておけ……小腹も空いただろう、何か食べるか」

夕立「ドーナツがいいっぽい!」

ロザミア「えー。せっかくのホンコンだし、飲茶にしない?」

ガトー「わかったわかった……両方食べられる店を探そう」

夕立/ロザミア「「わーい!」」



>ニューギニア ティターンズ基地


基地司令「では、我々でホンコンのエゥーゴ及びカラバと、裏切った連邦の部隊を、と」

バスク(通信)『そうだ。そのための戦力も届いたな?』

基地司令「バイアラン、でしたか……了解です。しかし、ホンコンで暴れるとなると、連邦本部からの突き上げが厳しいのでは?」

バスク『なに、エゥーゴの反抗の激しさにしておけばいい……それに、よく言うではないか……『死人に口なし』とな。要は、ティターンズの仕業と証言する者がいなければいい』

基地司令「まあ、いつものことですな……では、出撃しますので、見返りを期待しておりますよ」

バスク『ふん、うまく働いたら、だ』



>アレキサンドリア 艦内


バスク「ふん、金の亡者め……だが、タウ・リンから届いたシステムを仕込んだバイアラン……あれで、目障りな部下共々、スペースノイドどもを殲滅できる。あとは、高見の見物と言うわけだ……ふふふ」

ミスドしかないな

>>398
俺も書いててそう思った「あれ? これ完全にミスドだよなあ……」って。

※※※※※※



>キリマンジャロ基地


ジェリド「ようやく到着したな」

マウアー「ジャミトフ閣下が待ってるはずだけど……」


士官「ジェリド中尉、マウアー少尉、お待ちしておりました。ジャミトフ閣下のもとまでご案内します」


ジェリド「……ああ。頼むぜ」


「ジェリド中尉、お気をつけて!」
「なんかあったらすぐ駆けつけますからー!」
「マウアー少尉もしっかりなー!」


ジェリド「おう、ありがとよお前ら」

マウアー「行ってくるわ」




>執務室


コンコン


士官『ジャミトフ閣下、ジェリド中尉とマウアー少尉をお連れしました』


ジャミトフ「来たか……入りたまえ」


ガチャリ


ジェリド「……あんたの口車に乗せられて、来てやったぜ」

マウアー「ジ、ジェリド……」

ジャミトフ「ふ……威勢がいいな。若者はそうでなくてはいかん。君、ご苦労だった」

士官「は、失礼します」


バタン


ジェリド「隠し事は無しだ。話してもらおうか……ティターンズ結成の本当の目的を。納得出来なきゃ……」

チャキッ


ジェリド「……宣言通り、あんたをブッ殺してティターンズを終わらせる」

ジャミトフ「……構わん。儂はただ事実を伝えるだけ……その後どう判断するかは君次第だ。資料を用意してある、それを見ながら話すとしよう」



ジャミトフ「バスクの演説により発足したティターンズ……宣言された、旧ジオン及びそれに連なるスペースノイドの不穏分子を摘発する、治安維持部隊……それはあくまでも表向きの理由だ。必要だったのは、二度のコロニー落としで地球圏に蔓延する悪感情を背景とした、治安維持を強行することで得られる支持と、それに付随する強大な権威、即応性、実行力……地球連邦という組織の中で、何者にも縛られず行動を実行できる組織力……ティターンズとは、それを得るための手段に過ぎん」

ジェリド「……エゥーゴの人間からな、ブレックス准将があんたを『第二のギレン・ザビ』を目指す男だって言ってる、と聞いた……その通りだったってことかよ」

ジャミトフ「ギレン・ザビか……ふふふ、確かに、儂のやってることは奴と変わりあるまいな……だがな、儂は自身が権力の椅子が欲しくてティターンズを結成したわけではない。考えても見るがいい。強大な権力と実行力、さらに財力を持った組織……金と権威の虫や、日和見主義の風見鶏……権力を盾に横暴を振るう人の皮を被ったケダモノどもが我先に集まる甘い餌だとは思わんか?」

マウアー「まさか、ティターンズとは、それらを最終的に摘発するための……?」

ジャミトフ「資料を開いてみろ」

ジェリド「これは……! 裏取引で味方を売った連邦高官に、私腹を肥やすために横流しをしたアナハイムの重役……一年戦争の時期にまで遡って調べて……!」

マウアー「こっちは……私刑で住民を皆殺しにした部隊!? ジオンのも、連邦のものも……ティターンズ自体が、やったことまで……」

ジャミトフ「……それは『ほんの一部』だ。編纂する人間は次から次に引き抜いても足りん……ティターンズの権威を持ってしても、ティターンズの悪事をまとめきれぬとは、なかなか皮肉だろう? その外道どもは権力の、財力の影に隠れ、白日に曝すのは難しい……ならば、それを行うに易い、さらに強大な権力が必要だった……それだけの話だ」

ジェリド「……だ、だが……それならバスクの横暴を許しているのは何故だ! 奴の存在が被害を広めているのは明白……だったら!」

ジャミトフ「バスク、か……奴はな『生け贄』よ……元よりティターンズとはな、『滅びる為』に生まれた組織なのだ」

ジェリド/マウアー「「っ!?」」

ジャミトフ「それを説明するには、儂の思想そのものを語らねばならんな…………老人の戯言だが、まあ我慢して聞いてくれ」


※かなりの独自解釈が入ります……イメージと違う、という方には申し訳ない。

※※※※※※


ジャミトフ「ジェリド中尉、君は『地球の自然』についてどう考える」

ジェリド「自然……それは、まあ……守らねばならない物とは」

ジャミトフ「何故だね?」

ジェリド「えっ?」

ジャミトフ「すでに人類は宇宙での生活を可能としており、その手は木星圏にまで伸びている。総力を挙げて移民船を建造すれば、他星系への進出も夢ではなかろう……すでに地球に拘る必要など無く、むしろ人類の発展の為なら、その資源を使い尽くしてでも、自然を破壊し尽くしてでも進出すべき……にも関わらず、我々が地球に拘り、自然を守るべきと考えるのは何故か?」


マウアー「それは……」

ジャミトフ「……そも、『地球の自然』とは何だ? 『地球環境』とは何だ? 簡単だ……『人間が暮らしていける環境』こそが我々の言う自然、地球環境なのだよ…………『地球』とはな、マグマ渦巻く岩石の塊に過ぎん。我々が自然・環境と呼ぶものは、地球という卵の表面に付いた薄皮一枚の上に生きる、幾兆、幾京……いやもっと無数の動植物の命のサイクルによって、ギリギリのバランスで保たれた奇跡の産物なのだ」

ジャミトフ「地球が宇宙に存在するようになって46億年。地球上に生命が誕生してから38億年……我々は、その命の連鎖の果てに、今こうして立っている。我々が地球を離れようとしないのは、我々が自然を守ろうとするのは……自身が地球上の無数の命と繋がる存在であると、連面と続いて来た命の連鎖を継ぐ存在であると、本能的に知っているからだ。これはなにもスピリチュアルな話ではない。我々は肉を食い、野菜を食い、空気を吸い、水を飲み、日光を浴び、夜に眠る……この全てが、地球に生きる無数の動植物の存在無しに成立しないものだ。あらゆる生命が38億年かけて築き上げた自然環境があってこその代物だからだ」



ジャミトフ「……若かりし日、宇宙から地球を見下ろして……自然とは、なんと美しく、儚いものかと思ったよ。だからこそ儂は地球連邦に入り、奮戦してきた……この美しい星を、未来に遺したいとな…………だが」ギリッ

ジャミトフ「連邦の高官たちは地球をまるでリゾート地のようにしか考えていない。自然の宝庫であったジャブローまでも軍事基地に変え……宇宙移民政策も中途半端に地球への帰還を行い、ようやく戻り始めた自然を再び破壊する……!」

ジャミトフ「さらに! ジオンの連中どもは我らこそ正義とばかりにコロニーを落とし、地球環境を悪化させる。ジオン以外のコロニー市民も、支持こそしないがその態度は対岸の火事そのもの!」

ジャミトフ「許せなかったのだよ……誰も彼も地球環境を蔑ろにしていることがな。今もそうだ、バスクの無差別なやり方で失わたジャブローの自然……この手でくびり殺してやろうかと、何度思ったことか。だが……奴には、最後まで生きていてもらわねばならんのだ」

ジェリド「それは、何故……?」

ジャミトフ「……『ティターンズ』、その名の由来はギリシャ神話の巨人族……タイタンにある。彼らは栄華を誇っていたが、次代の神々によってその権威を簒奪され、滅ぼされる……ティターンズもまた同じく、その横暴を憎むものたちにより滅ぼされねばならない……」

ジャミトフ「ティターンズの真の目的。それは地球連邦内最大の権力を持って、強制的な宇宙移民と、腐敗した連邦政府の浄化を行うことにある。そしてこれらを強行することにより発生する紛争・戦争……これによって地球の経済・社会は崩壊するだろう。だが、地球圏の人口が減少したことで、人類全体としては余裕が生まれ、地球に居住する意義がなくなったことで、地球環境は保全されるのだ」

ジャミトフ「儂とバスクは、その結果生まれる憎しみの受け皿よ。横暴の限りを尽くしたティターンズは、安定を取り戻した地球圏全ての勢力により滅ぼされる……最も、バスクはそんなことなど知らんがね」

ジェリド「……っ! あんたは……神にでもなったつもりか! あんたが地球環境のことを考えてるのはわかった……連邦政府の腐敗に、権力が必要だってのも理解できる……だが! その結果起きる戦争で失われる命はどうなる! 人口調整などと……そんなこと許されるか! それに、ティターンズに入って、懸命に連邦市民のために動いてる奴だっている! あんたはそんな奴らまで見殺しにしようって言うのか!」




ジャミトフ「…………儂とて大量虐殺者の汚名を着たい訳ではない。前線の兵士たちを見殺しにするのもな……だが、な……『アレ』を知ってしまっては……儂がやるより他は無かった。次に関わりを持つ人間が、果たして良識と節度を持つ者かどうか不明な以上……儂の手で進め、ピリオドを打つ以外にな」

ジェリド「っ? 何を、言って……」

ジャミトフ「第二の資料を見てみるがいい……それが、地獄の門だ」

ジェリド「ちっ、大袈裟な……なんだこりゃ、宇宙世紀憲章じゃないか。全文覚えるなんて糞真面目じゃないが、こんなもの、士官学校で穴が空くほど見て……」

マウアー「……待って。何これ……第七章? 15条一項『地球圏外の生物学的な緊急事態に備え、連邦政府は研究と準備を拡充するものとする』……? 二項『将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者達を優先的に参画させるものとする』……っ!?」

ジェリド「何、だ……これは……」

ジャミトフ「それこそが連邦政府に秘匿された闇……希望の形を持って記され、絶望をもたらすパンドラの函……」




ジャミトフ「真の宇宙世紀憲章……『ラプラス憲章』だ」

※修正と補足……orz


一項 ~に備え、地球連邦は研究と~

二項 ~優先的に政府運営に参画させ~

に置き換えです。

>>410
宇宙世紀の舞台に深海棲艦が現れた(しかも宇宙世紀独自の)事で、
大きく歴史が変わったしサイアムもこのままでは人類の滅亡必至と考えて箱を託したのかなあ

まだ全裸はいない(つか、オリジナルのシャアが存命)から、
本当はシャアに託したかったが一年戦争後にアクシズに流れた以降の足取りが掴めず、
仕方無しにジャミトフに渡したのか、ジャミトフが箱の存在に気付いて迫ったのか…
後はジャミトフが宇宙世紀独自のではないオリジナルの深海棲艦(ヲ級、ほっぽ、港湾)や、
別世界ではそれに対抗し戦う存在である艦娘の雷や夕立をどこまで知っているのか



ジェリド「……は、はは。なんてことはない……ニュータイプが現れたら政治に参加してくれってだけだ。そりゃ、連邦政府にしてみりゃスペースノイドに……ジオンに正統性が与えられるのは癪だろうが、一方的に搾取されてる現状がおかしいんだ。こいつが公表されりゃ多少の混乱はあっても、少しはまともな世界に……」

ジャミトフ「……本当に、そう思うか?」

ジェリド「……ジオン系の過激派の格好の攻撃材料に……」

ジャミトフ「それだけか?」

ジェリド「スペースノイドのテロが活発に……」

ジャミトフ「それだけか?」


ジェリド「……っ。他に何があるってんだ!」

ジャミトフ「ニュータイプありきで見ることで、この憲章の真実が見えなくなる……それがジオン・ダイクン、ギレン・ザビ……さらにはアムロ・レイがこの憲章にかけた呪いだ」

ジャミトフ「この憲章は宇宙世紀元年にラプラスコロニーで発布予定だった……ニュータイプという言葉などない時代のものだ。ジオン、ギレンの思想とは関係ない次元にあり、アムロ・レイをサンプルとする意味を持たない」

ジャミトフ「そして、この憲章の秘匿された第七章は公表されてないとは言え、『実行』されてはいる……こうして写しがある以上、連邦上層部は知った上で、憲章に従う形で行動している、ということだ」

マウアー「それは、どういう……」

ジャミトフ「十五条二項……新人類の発生が『認められた場合』、とある。想像してみるがいい。ジオン・ダイクンの演説より前に、何を持って新人類とするか、基準があるかね? ありはせんよ……つまり十五条二項は、連邦政府が頃合いを見て自分たちに都合のいい『認められた新人類』を担ぎ出すためのもの……例えば、連邦の勢力が弱まった時などにな……少なくとも、今日までの実行者にとっては。原案を出した者は未来への希望のつもりだったろうが……」

ジェリド「だ、だが、ジオン・ダイクンのニュータイプ論があるなら、そいつはスペースノイドの参画を保証するものに……」

ジャミトフ「……そうだ。サイド3の独立宣言とジオンのニュータイプ論……『宇宙移民こそ開拓者であり、新たな人類の先駆けである』という思想により、それまで棄民でしかなかった宇宙移民にとって、ラプラス憲章は福音に変わった。変わったはずだった……」

ジャミトフ「……しかし、現実には逆だ。この憲章を隠蔽したという事実が、宇宙移民の反感を加速させ、地球連邦を瓦解させる……そう考えた者たちにより、ラプラス憲章はなおも秘匿されることになった……この時に公表されていれば、面倒がなかったものを」

ジャミトフ「ジオンが死に、ザビ家によるジオン公国が設立され……ギレン・ザビの優性人類生存説の発表、さらに一年戦争と、『力ある』ニュータイプたるアムロ・レイの出現……これらにより、再びラプラス憲章は呪いに変わった。人々にニュータイプというミュータントが新人類であるという認識を植え付けたのだ。そのままラプラス憲章が公表されればどうなる? ニュータイプの能力が政治的才覚に直結するとは限らん……だのに、スペースノイドは彼らニュータイプを参画させろと喚き立てるだろう」

ジャミトフ「連邦政府はニュータイプを参画するに足る新人類だと『認めない』……これが憲章に従って判断した連邦の結論であり、公表を控える理由だ」



ジャミトフ「宇宙世紀元年、ラプラス憲章が連邦上層部の独占を妨げると考えた者たち……そして実際にそうだと考えた阿呆な連邦の人間……彼らによりラプラスコロニーは破壊され、憲章のオリジナルは失われた…………はずだった。しかし、憲章のオリジナルをラプラスコロニー跡から回収し、連邦を脅迫した者がいた」

ジャミトフ「サイアム・ビスト。アナハイムの支援組織である、ビスト財団を築いた男……奴が財団を築けたのも、ラプラス憲章を盾にとった為だ…………連邦の手のひらの内と知らずに」

ジャミトフ「普通に憲章が発表されていたならば、我こそは新人類であると主張する者、それに従う者……それらで溢れかえり、宇宙世紀はさながら戦国時代の様相で始まっていただろう……それを考えれば、秘匿に協力するサイアムの存在はむしろ渡りに船だったのだよ」

ジャミトフ「認識と実情が逆なのだ……地球圏を真実混乱から守ろうとした人々は、ラプラスのテロを黙認し、憲章を秘匿した。憲章を公表することこそ、既得権益にすがる連中を後押しするはずが……その認識の間違いによって、それが防がれたのだ。ニュータイプ論が席巻する今となっては、その懸念はもはや存在しない」

ジャミトフ「だがそれも二項に限った話……ラプラス憲章のおぞましさは、一項の存在にある」

ジェリド「地球圏外の生物学的緊急事態……どういう意味だ?」


ジャミトフ「くくく……訳が解らぬだろう? 地球圏外から『いつ』『どんな』『どれだけの』『どこから』生物学的な緊急事態が発生するのか、まるで見当がつかない……それに研究と準備を拡充せよ、というのはな」





ジャミトフ「いかなる事態を想定し、いかなる研究・準備をしようが、自由であるということだ。それこそ、人道に反する研究であろうとな」

teamRーtype「なんだって!?」
Aperturescience「それは」
Black mesa「本当かい!?」
ショッカー「なんて酷い事を…」



ジャミトフ「第三の資料を見るがいい……それが十五条一項に従い、連邦が成してきた……そして、これから成される予定のものだ」

ジェリド「……っ!? 木星圏に置ける人体の変化と重力の影響……ジオン公国でのニュータイプ研究機関、フラナガン機関への援助と戦後の受け入れ計画……クローン人間と冷凍保存による人類種の保存……」

マウアー「地球からの強制退去実行部隊、マンハンタープラン……自動機械での人類抹殺による人口調整……精神感応による全人類規模の思考制御!?」

ジェリド「人口調整の協力者たるギレン・ザビの戦後処分の予定……デラーズ艦隊の意図的な放置と試作二号機の情報漏洩……こんな……こんな! これじゃ、一年戦争も、デラーズ紛争も、全部、全部……」


ジャミトフ「ギレン・ザビの侵攻作戦が穴だらけと思ったことはなかったかね? IQ240と言われた彼らしくもない……当然だ。あの戦争はジオンの敗北を予定して行われた……連邦に都合の悪い『ジオン・ダイクンの思想的ニュータイプ』ではなく、利用しやすい『ミュータントとしてのニュータイプ』を見せつけるための戦争だった。予定では、ジオンが用意したシャリア・ブルがそうなるはずだったが……アムロ・レイの活躍により、そちらが有名になってしまった」

ジャミトフ「当時、儂はア・バオア・クー陥落後にサイド3の占領を進言した……後の世に、紛争の種を残さぬ為に……だが、却下された……先の読めぬ日和見主義と歯噛みしたが……却下されて当然だ。火種を残し、デラーズフリートを結成させ……ティターンズのような組織を結成させることが目的だったのだからな」

ジャミトフ「これが二項を隠蔽する為に行われたならまだ救いはあった……だが、実情は二項を求める思いを強くさせ、一項を受け入れ易くするためにあったと知った時……儂はもう、未来に希望など持てなくなった。全てはラプラス憲章が希望の形で公表され……絶望を地球圏にもたらす日の為の、下準備だったのだ」

ジャミトフ「……く、くくくく……物理学者、ピエール・シモン・ド・ラプラス……彼が提唱したのが、全宇宙のあらゆる粒子の動きを完全に把握することが出来、結果、未来予測を可能とする『ラプラスの悪魔』の存在だ。その名を冠したコロニーで産まれた憲章は、希望を絶望に変えて人類の未来に呪われた遺産をばら蒔いた……未来は決まっていると、人類は争いを逃れられんと……ラプラスの悪魔のように」

ジャミトフ「……ティターンズは儂の最後の抵抗だ。上層部の思惑に乗って虐殺に加担しようとも、連邦内部を浄化し、ラプラス憲章の真意を公表し……全てにピリオドを打つ。その結果この老いぼれの命が失われるならば、望むところよ」



ジャミトフ「深海棲艦……ラプラス憲章がこの先履行されるならば、それは未来永劫現れ続ける……人間の怨念から生まれる存在ならば、人間の手で終止符を打たねばならんのだ」

一旦ここまで……発言に矛盾がないか不安。

>>411
ジャミトフは『箱』は持ってません。
連邦内に残された草案と決定稿の写しです。
連邦に記録がなかったらサイアムが脅しても「何それ?」「知らん」で終わりですし……

遅れて申し訳ない。
いきます。

※※※※※※


>ガルダ 搬入口


アムロ(ディジェ)「アウドムラからの引っ越し品はこれで全部か?」ガシュンガシュン

「はい、ありがとうございます!」

アムロ「よし、ならそろそろ戻って……ん? チェーンか?」


チェーン「あ。アムロ大尉、お疲れ様です」

アムロ「ガルダに用事が?」

チェーン「はい、サイコガンダムの解析に協力を……ちょっと不安ですけど」

アムロ「……危険かもしれない、か……よし、俺もディジェで見張りにつこう。何かの事態にはすぐ対応できる」

チェーン「いいんですか? ありがとうございます!」


>同MSデッキ


ベン「……まさかアムロ大尉にまで協力していただけるとは、光栄です」

アムロ「見張りだけさ」

整備兵「どうぞ、こちらへ」

チェーン「失礼します……っ」

アムロ「大丈夫か?」

チェーン「はい……でも、おかしいんです。この子……サイコガンダムは、ずっと心を閉ざしてる……意志があるのは確かなのに、全然反応が無いんです」

アムロ「……動くことを、拒絶している?」

チェーン「かも、知れません……とにかく、何かわからないか調べてみます」ピッピッ



>アウドムラ 機内


クワトロ「カミーユが来てたのか」

雷「うん、フォウさんの体調があんまり良くないって……落ち着くように、ジャスミン茶煎れてあげたけど」

クワトロ「ロザミア少尉もだが、早めに療養施設で治療してもらう必要があるな……問題は強化人間の資料か…………ある程度はオークランド研のものを回してもらったが……これも、アクシズから手に入れる必要があるな」

雷「アクシズって、大尉が前にいた所だっけ?」

クワトロ「ああ……当時の私が、地球圏に居たくなくて、逃げこんだ場所……そして……」





クワトロ「私が傷つけたままの……一人の女の子が泣いている場所だ……」



>ニューホンコン市街


夕立「けぷっ。お腹いっぱいっぽい!」ポンポコ

ロザミア「ずいぶん食べたわね……」

ガトー「後で腹を壊さんか心配だ……まったく」


――――ウゥゥーッ ウゥゥーッ


ガトー「っ! 警報だと! まさか、このホンコンに仕掛けて来る気か、ティターンズは!」

ロザミア「……っ!? この、感覚……深海棲艦? いや、違う……? お兄ちゃん、近づいてくる気配に、何か変な感じがする!」

ガトー「何……? ともかく、急ぎ戻るぞ!」


夕立「ま、待って……お腹苦しくて、走れないっぽい~」ゲップ

ガトー「ええい、世話の焼ける!(ヒョイ)」←担ぎ上げ

夕立「ひゃあっ!?」


ガトー「急ぐぞ!」ダダダ

ロザミア「うん!」タタタ





夕立「ぽい~~~っ!?」



>アウドムラ 医務室


フォウ「ん……美味しいわね、このお茶」

カミーユ「雷の特別製さ。少し、落ち着いた?」

フォウ「ええ、ありがとう」

北方「フォウ、元気、良カッタ!」

タコヤキ機「ヴォー」


――――ビーッ ビーッ


『敵機接近! 各員、戦闘体勢!』

カミーユ「っ!? 市街地だってのに仕掛けてくるのか! ブラン少佐の部隊だって表立ってティターンズに敵対したわけじゃないってのに……!」


フォウ「う…………ああ…………?」

北方「フォウ? ドウシタノ?」

フォウ「呼んでる……? サイコガンダムが……?」




>ガルダ 隔離室


ナミカー「警報……丁度いいわ。サイコガンダムとフォウの力を見せる絶好の機会……(ピッピッ)さあ……やりなさい!」



>ガルダ MSデッキ


ベン「敵襲だと! こんな時に……ブラン少佐に連絡を!」

アムロ「チェーン! そこは危ない、一旦こっちへ!」

チェーン「待って下さい! もう少しで何か掴め…………えっ? そん……な……これは……っ!」




サイコガンダム「」ヴォンッ


アムロ「(ピキィィィン)っ! ダメだ! チェーン!」

チェーン「え?(グラリ)キャアァァァァッ!」

アムロ「くっ!(ガシリ)」

チェーン「あ……! ありがとうございます、大尉……」

アムロ「いいさ。チェーンはそのままコクピットに……サイコガンダムが……勝手に、動いてるのか……?」


サイコガンダム「」ズシィン ズシィン


ベン「いかん! アウドムラに向かっている、止めろ!」

チェーン「あ……ダメ! サイコガンダムを傷つけないで!」

アムロ「チェーン? どういうことだ!」

チェーン「サイコガンダムには、あるシステムが搭載されているんです! 冷凍保存された『生体ユニット』を核に、コンピュータに精神を移して、パイロットと機体の能力を引き上げるシステムが……サイコガンダムが壊れたら、ユニットなった人も死んでしまう!」

アムロ「何だと……!」



チェーン「ニュータイプの精神を使った対ニュータイプ戦闘システム、『EXAMシステム』……そしてその核に使われているのは……!」




チェーン「私と同じ……『艦娘』なんです…………!」



>アウドムラ 医務室


ドガァァァァン!



カミーユ「うわぁっ! な、何だ……?」



サイコガンダム「」ヴォンッ

カミーユ「サイコガンダム……? 何で……」

フォウ「あ、ああ……」フラフラ

カミーユ「っ! ダメだ、フォウ! それに乗っちゃいけない!」


フォウ「カミー、ユ…………わかってる、わかってるの……サイコガンダムに乗ったら、私はまたおかしくなる……けど、わかるのよ……サイコガンダムが……サイコガンダムだけが、私の大切な人との、たった一つの絆なんだって…………」

北方「フォウ! 乗ッチャダメ!」

フォウ「カミーユ……ホッポちゃん……ありがとう……あなたたちと過ごせて、本当に楽しかった、嬉しかった…………でも、私は……この絆だけは捨てられないの……忘れたくないの……ごめんなさい……」

カミーユ「フォウ! 待つんだ! 行くな!」

フォウ「好きよ、カミーユ……愛って何か、よくわからないけど……あなたに会えて嬉しかった気持ちは、きっと愛って呼んでいいと思えるから…………さよなら、カミーユ……」タッ……
カミーユ「フォウッ!」


ガシュウン


サイコガンダム「」ギィンッ




カミーユ「フォウ! フォウッ! 行くな……行かないでくれ! フォウ――――ッ!!」



>ニューホンコン 港


アムロ(ディジェ)「まずい! サイコガンダムが動き始めた!」

チェーン「このままじゃ、ホンコンの街が……!」



サイコガンダム「」ギィンッ


バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!



「「ソードブレイカー・シールドッ!」」


バキキキキキキキキキィィン!


アムロ「シャア……それに雷か!」

チェーン「ゾーリンソール……!」



クワトロ(ゾーリンソール)「フォウ少尉が乗っているのだろう? 足止めは私がやる!」

雷(膝の上)「アムロさんは敵機に対応して! 嫌な感覚がするの!」


アムロ「やれるのか、シャア?」

クワトロ「やれんと思ったか、アムロ?」

アムロ「……わかった、任せたぞ! チェーン、このまま戦闘に入る。身体をベルトで固定しておくんだ」
チェーン「はい! あ、クワトロ大尉! サイコガンダムにはフォウ少尉以外にも、艦娘が生体ユニットで組み込まれています! 彼女も助けてあげて下さい!」
クワトロ「何!? 了解した……やるぞ、雷!」

雷「ええ! 必ず助けて見せるわ!」






クワトロ「往くぞ、ゾーリンソール!」

アムロ「やるぞ、ディジェ!」


中には誰が入ってるんだろうな。
アイスクリーム作ってくれたみたいだし間宮さんか?



>ニューホンコン 領空


「よし、間もなくホンコンだ。各機戦闘体勢に……」

バイアラン「」ヴォンッ


「っ? 何だ、コントロールが……?」

モニター『艦娘反応、感知。深海棲艦システム起動』

ビキビキビキビキッ!


「な、何だこれは!? お、俺の身体がMSに取り込まれて……俺の、身体、がぁぁぁぁァァァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!」

「ギャアァァァァッ!」
「ひ、ひいぃぃぃィィィイ゛キ゛キ゛キ゛ィ゛ッ!」
「ン゛キ゛モ゛チ゛イ゛イ゛ィ゛ィ゛ィ゛ッ!?」






バイアラン棲機「」ヴォンッ







>ヌーベルエゥーゴ施設


バスク(通信)『MSをパイロットもろとも強制的に深海棲艦化するシステム……気に入った、今後も使わせてもらおう』

タウ・リン「それはどうも……くっくっく」



>アウドムラ MSデッキ

「急げ! ホンコン上空に入られる前に防御ラインを形成するんだ!」
「サイコガンダムは!?」
「クワトロ大尉が押さえてる!」

「ネモ、出ます!」
「アッシマー隊出撃確認! フライングアーマー調整まだか!」


カミーユ「遅くなりました! Zは!?」

整備兵「ああ、チェーンちゃんがマニュアル作ってくれたから完璧だ!」

カミーユ「ありがとうございます! フォウ……これでさよならなんて、認めないぞ!」

北方「カミーユ! ホッポモ行ク! フォウ、助ケル!」

カミーユ「北方……わかった、乗れ!」

北方「ン!」



「Z、出るぞ!」



カミーユ(Zガンダム)「カミーユ、Zガンダム、いきます!」

北方(膝の上)「行ケーッ!」




Zガンダム「」ゴォッ!



>港


サイコガンダム「」ヴォンッ


バシューッバシューッバシューッバシューッ!


クワトロ「シールド!」


バキキキキキキキキキィンッ!


クワトロ「くうっ……中の人間のことを考えると手出し出来ん上に、『提督と艦娘』の効果でサイコガンダムが桁外れの出力上昇をしている……ゾーリンソールでなければ、一瞬でスクラップだ!」

雷「何か、方法は……」

クワトロ「まずは艦娘がサイコガンダムのどこにいるか……そして、機体の強制戦闘システムを停止させることか……さて……」


カミーユ(通信)『クワトロ大尉!』

クワトロ(通信)『カミーユか』

カミーユ『フォウが……あの機体には、フォウが!』

クワトロ『ああ、わかっている。何とか助けられんかと思案していた所だが……(ピキィィィン)っ! いかん!』



サイコガンダム「」ギィンッ


クワトロ「ちぃっ……!(バシュバシュン)狙いはこっちだ! よく狙え!」


サイコガンダム「(バシィンバシィン)っ!」ギギギ……


フィィィン……


ズゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ!




カミーユ「っ! クワトロ大尉っ!」


ゾーリンソール(多面体バリア)「」ブィィィン


クワトロ「……ふう……危うく街が消し飛ぶ所だ」

雷「でもこのままじゃ…………カミーユくんっ!?」

ガシィィン


サイコガンダム「っ!?」

カミーユ『フォウ! フォウ! 聞こえてるんだろ!? もう止めるんだ! こんなの……こんなこと、君はしちゃいけない!』

北方『フォウ! 返事シテヨ! フォウ!』


フォウ『う……うう……』

カミーユ『フォウ!』

フォウ『敵がいる……ニュータイプ……敵……倒さ、ないと……守れない…………守らなきゃ……戦わなきゃ……あああああっ!』


ガシャァァァン!


カミーユ『ぐわっ! フォウ……フォウ――ッ!』

 



>ガルダ 隔離室


ベン「ええい、何故開けられんのだ!」

「中から電子ロックがかけられて……ああもう、何だこの異様に難しいプロテクトは!」

ベン「腐ってもニュータイプ研究所職員と言うわけか……どけ! 扉ごと吹っ飛ばす!」ガチャリ

「えええっ!? 携行型ロケットランチャーッ!? あわわわわっ!」ダダダダッ



シュポンッ……

ドッガァァァァァァァァァンッ!



ナミカー「っ!? な、何が…………ぐうっ!」ダンッ

ベン「ナミカー・コーネル! 貴様、サイコガンダムに何をした! 艦娘がサイコガンダムの中にいるとはどういうことだ! 言わねばこの場で鉛玉を食らうことになるぞ!」

ナミカー「ぐ、うっ……戦闘プログラムのレベルを上げただけよ……フォウはあの中の生体ユニット……艦娘と言うのだったかしら? それとシンクロすることで、既存のニュータイプとも強化人間とも、比較にならない戦闘能力を発揮した……そして艦娘をEXAMに取り込むことで、それはさらに顕著になった…………そんなサイコガンダムこそムラサメ研の最高傑作! オーガスタ研のMKIIなど、ただの下位互換よ!」

ベン「……マッドサイエンティストめ! 捕縛しておけ!」

「はっ!」

ナミカー「何を……放しなさい!」


ドガァァァァンッ!


ベン「ぐっ!? サイコガンダムか? それとも……」

ナミカー「っ!」ダダダダッ

「しまった!」

ベン「……捨ておけ! 敵機の迎撃が先だ!」


>港


ナミカー「はあっ、はあっ…………ふふふ……御覧くださいムラサメ博士。サイコガンダムの勇姿を……ああ、フォウ。あなたはやはり素晴らしいわ……」



サイコガンダム「」フィィィ……


ナミカー「そう! もっとあなたの力を見せつけるのよ! あなたこそムラサメ研の最高傑作…………え?」




ズゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ!



>戦闘空域


バイアラン棲機「」バシューッバシューッ


アムロ「くうっ……! こいつら……ただの侵海MSじゃない! 棲機タイプと言うやつか!」バシュバシュン
チェーン「アムロ大尉! フィンファングを使って下さい!」

アムロ「この乱戦で、そんな余裕は……(ドガァァァン)くうっ!」


バイアラン棲機「」ヴォォン……ブンッ


アムロ「サーベル!? こっちも!」ブィィィン


バキィィィン! バキィィィン!



バイアラン棲機B「」バシュバシュン

バイアラン棲機C「」バシュバシュン


ドガァァァァァァァンッ!


アムロ「ぐわっ!」

チェーン「きゃあああっ!」


バイアラン棲機A「」ヴォォン!


アムロ(やられるっ……!)



シュパンッ……!


バイアラン棲機A(真っ二つ)「っ!?」ドガァァァンッ


ガトー(Zプルトニウス)「ご無事か、アムロ大尉!?」フィィィン

アムロ「ガトー大尉……すまない、助かった」

ガトー「いえ。敵陣に切り込みます、援護を」

アムロ「ああ、了解した」


ガトー「往くぞ、夕立!」
夕立「ぽい!」



Zプルトニウス「」ドヒュウ!


ドガガガガガガガァァァァ--ンッ!



アムロ「……凄いな……くそっ、情けない……俺だって、シャアやガトー大尉くらいやれるはずなのに……!」

チェーン(……夕立ちゃんは、ガトー大尉と……私も、アムロ大尉を提督に出来れば……)

 



>港


クワトロ『カミーユ! 無事か?』

カミーユ『はい、何とか……』

クワトロ『……彼女はサイコガンダムのシステムで戦闘を強制されている。手荒な方法になるが、中枢部を避けてダメージを与え、機能を停止させるしか今は考えつかん』

カミーユ『そう……ですね』

クワトロ『狙うのは手や足……あとはメガ粒子砲、ブースターなどか』

カミーユ『やりましょう!』

クワトロ『うむ!』



ゴォッ!



フォウ『来る……敵が、来る……!』

カミーユ『フォウ……少し、待っていてくれよ!』



サイコガンダム「」バシューッバシューッバシューッ!


クワトロ「シールド!」


バキィィィン!


クワトロ『今だ!』

カミーユ『はい!』バシュバシュン!


ドガァァァン!


フォウ『っ!? ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?』バリバリバリバリ!

カミーユ『っ!? フォウ!』

クワトロ『これは……っ!』


サイコガンダム「」バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!


ドガガガガガガガガガガァァァァ----ンッ!


カミーユ『く、うっ……何が……』

クワトロ『しまった……! 彼女と艦娘、そしてサイコガンダムのシンクロが強すぎるのだ! 機体のダメージが、艦娘とパイロットにまでフィードバックされる……これでは、サイコガンダムの停止はパイロットと艦娘の死と同義ではないか!』

カミーユ『何、ですって……?』

北方『フォウ! フォウ!』




フォウ『ア゛ア゛ア゛ア゛……ウ゛ア゛ア゛ア゛ァァァ――――ッ!!』






バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!




>戦闘空域


アムロ「(ピキィィィン)っ!? 来る! 後ろ!」ゴォッ

バシューッバシューッバシューッバシューッ!

……ゥゥゥウウウゥゥゥ……ゥゥゥン……


アムロ「サイコガンダム……こちらを狙って? どういうことだ?」



>港


ズシィン ズシィン


クワトロ「……? ホンコンの外に向かっている……先程の砲撃といい、何故……?」

雷「……わかったわ! 大尉、フォウさんと中の艦娘は深海棲艦を狙ってるのよ! シンクロが強くなったから『艦娘』の性質も強くなったんだわ!」

クワトロ「そういうことか……だが、味方と考えるには難しいか……」



カミーユ「深海棲艦を、狙って……?」

カミーユ(何だ……何が引っ掛かってる? 何かが……考えろカミーユ、フォウを救えるかも知れないことなんだ……!)


北方「フォウ……カミーユ、オネーチャンノ時ミタイニ、助ケラレナイノ……?」

カミーユ「それは……ガトー大尉は向こうで戦ってるし、居たとしても、攻撃が全部フォウのダメージになるんじゃ……」


カミーユ(ロザミア少尉の時……ロザミア少尉はサイコMKIIの中に……MKIIはコロニーと融合して……融合…………融合!?)


カミーユ「そう、か……その、方法なら!」

北方「カミーユ?」

カミーユ『クワトロ大尉! フォウを助ける方法、見つけました!』

クワトロ『何!?』





カミーユ『俺がZと深海棲艦になって……サイコガンダムと融合し、フォウと艦娘を引き剥がします!』

ひとまずここまで
続きは後程

EXAMで議論になっちゃったみたいなんで少し……
EXAMとNT-Dを見て「EXAMってNT-Dのプロトタイプじゃね?」と言うのが発想元です。
何らかのデータがUC0096まで残りNT-Dになったのでは、と。核にニュータイプを取り込んで使うのも同じですし。

ユニコーンはパク……オマージュが非常に多いので、元ネタかなと思ったのもあります。
とりあえず本作では何とか再現したということで……説明不足申し訳ないorz

あと、大筋は決めてますがかなり行き当たりばったりなので、感想考察余談はありがたいです。
でも喧嘩はしないでね……?


本編はもうちょいお待ちを。

いきます。

※※※※※※


>キリマンジャロ基地


ジェリド「……シドニーの惨劇をあんたは捨ておけと言った……それも、あんたの最終目的のためか」

ジャミトフ「……そうなるな。事態そのものはイレギュラーだったが……地球から人間を叩き出すには都合がいい。現に、連邦高官どもは我先に宇宙へ逃げ出している…………奴らはな、そこまで危機的な事態にならねば地球を離れようとせんのだよ…………やはり、儂が許せぬか?」

ジェリド「…………あんたの考えはわかった……確かに、ヘドが出そうな真実だった…………だが! そのために犠牲を強いていいなんて道理はないんだ! まして、今を懸命に生きているだけの人々に!」

ジャミトフ「……ならば、儂を撃つか。構わん…………もとより老骨の身、惜しむ命ではない。儂がラプラス憲章の真実を公表し、連邦を浄化したとて……未来は変わらぬやもしれん…………人はまたいがみ合い、憎み合い、戦争を起こし、非道を重ねる…………儂のやることは、そのサイクルをわずかに遅らせるに過ぎん……」


ジャミトフ「未来を築くのは我ら老人ではない……君のような若者だ…………さあ……決断したまえ」


ジェリド「…………っ」チャキッ

マウアー「ジェリド!」







>ニューホンコン 港


クワトロ『深海棲艦に、だと……!? 正気がカミーユ! また、以前のように暴走を……!』

カミーユ『……俺だって、正直恐いですよ……最初に深海棲艦になったときは、何もかも滅茶苦茶にしたくなった……月で、力が欲しくて、怒りに任せて深海棲艦になろうとした時はジェリド中尉が止めてくれた…………けど、今は……フォウを助けられないことが、フォウを失ってしまうことの方が恐い!』

クワトロ『カミーユ……』

カミーユ『……大丈夫ですよ。俺たちは、深海棲艦でも、心優しい存在がいるって知ってるじゃないですか……ここにいる北方や、30バンチのヲ級のように』

クワトロ『……っ』

雷「大尉……どうするの……?」

クワトロ『……この場に君の母はいない……失敗しても、元に戻れる保証はないぞ?』

カミーユ『っ! 平気ですよ、失敗する気は毛頭ありませんから!』

クワトロ『ふっ…………いいだろう、やってみろ!』
カミーユ『はい! よし……行くぞ! 北方、手伝ってくれ!』

北方「ン! フォウ、助ケル!」


ゴォッ!



クワトロ「ふ……ふふふ……」

雷「大尉? 笑ってるの?」

クワトロ「ああ……そうさ。カミーユは、私とアムロとは違う……新たな可能性を、見せようとしている……それが『提督』としてか『ニュータイプ』としてかは分からんが……争うためじゃない、救う為の力として……!」







クワトロ「見せてくれ、カミーユ……君が見出だした、新たな可能性を……!」



>戦闘空域

アムロ「フィンファング……行けっ!」シュパパパ


カシュキュイン カシュキュイン
ズガガガガガッ!

バイアラン棲機「っ!?」ドガァァァァンッ


アムロ「くっ……サイコミュが重い……」

チェーン「そんな! ちゃんとアムロ大尉のデータに合わせて……」

アムロ「チェーンは悪くないさ……俺のメンタルの問題だ」

アムロ(シャアは覚悟を決めた……それは強さに繋がる。なのに俺は……)

バイアラン棲機「」バシューッバシューッ!

アムロ「っ!(バチィッ!)くぅ……っ!」


・バイアラン棲機×無数


アムロ「まだ、来る……! このままでは、押し切られる……!」

チェーン「……っ!」ゴソゴソ

アムロ「チェーン? 戦闘中に何をやって……」

チェーン「……私、本当は恐かったんです。自分が艦娘って……普通の人間じゃないって認めることが」ギュッ


《鉢巻きを締め、髪型をポニーテールに変えるチェーン》


チェーン「アムロ大尉のそばに居たい……でも、嫌われたくない……だから、艦娘の力が役に立つってわかっても、艦娘になりたくないって、どこかで思ってたんです……艦娘ならそばにいれるけど、艦娘だからって理由で好きになって欲しくないって……ベルトーチカさんの言う通り、ズルいこと考えてたんです」

アムロ「チェーン……」

チェーン「……もう止めるんです。自分を偽るのは…………」


瑞鳳「私は艦娘・瑞鳳! ディジェ……お願い! アムロ大尉に、力を!」


ディジェ(サイコフレーム励起)「」フィィィィ


アムロ「っ! これは……サイコフレームが、ディジェを強化しているのか……!」

瑞鳳「提督になってくれなくてもいい……心が繋がらなくてもいい……だけど、だけど……アムロ大尉の役には立ちたいから、だから……!」


アムロ「……大丈夫さ、チェーン……いや、瑞鳳」

瑞鳳「アムロ、大尉……」
アムロ「ニュータイプだからとかじゃない……こんなにも思われて……何も感じないほど鈍感じゃないさ…………ありがとう。瑞鳳」
瑞鳳「あ……!」

アムロ「さあ……悪かったな、今までロクに動かしてやれなくて……暴れさせてやるよ。行け、ディジェ!」


ディジェ「っ!」ギィンッ


ゴォッ!

ズバ! バシュバシュウン!

カシュキュインカシュキュイン
ズガガガガガガガガガガッ!


バイアラン棲機群「「っ!?」」バヂバヂバヂ


ズドドドドドドドドォォ----ンッ!



>港


サイコガンダム「」ズシィン ズシィン


カミーユ「ふうー……ふうー……(落ち着け……落ち着け……チャンスは一度……失敗はフォウと艦娘の死なんだ……落ち着け……落ち着け……)」

北方「カミーユ……」

カミーユ「……はは……大見得切ったけど、やっぱり恐いな……それに、無茶するなって、母さんとファとの約束も破っちまう……」

北方「大丈夫ダヨ」

カミーユ「北方?」

北方「カミーユニハ、イッパイ、ミンナノ思イガ集マッテル。ホッポモイッショニ、フォウ助ケル! ダカラ大丈夫!」

カミーユ「っ! ああ……そうだな!」


カミーユ(母さん、ファ……ゴメン、俺、無茶するよ……でも、人殺しの為じゃない……心を交わした人を助けるためだから……)


カミーユ(ヲ級……君は俺を感じてくれているだろうか? もしそうなら、力を貸してくれ……君との約束を守りたいから……)


カミーユ「Z……無茶させて悪い……けど、お前は母さんが俺の為に作ってくれた……俺の思いに、力に応えてくれるって信じてる……頼む……フォウを救う為に、力を貸してくれ!」


Zガンダム「」ギィンッ


Zガンダム(サイコフレーム励起)「」フィィィィ


カミーユ「Z……ありがとう! さあ、行くぞ北方……!」

北方「ン!」


フィィィィィィィィ……!!


カミーユ「うおおおおOOO雄雄雄オオオぉぉぉぉぉぉォォォッ!!」ビキビキビキビキビキビキビキビキビキビキッ!







Z棲機「オオオオオオオオオォォォォォォ―――――ッ!!」




フォウ『ニュー、タイプ……深海、棲艦…………敵は、破壊する!』


サイコガンダム「」バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!


Z棲機「フォウ……待ッテロ、今行ク!」ゴォッ!


フォウ『っ!? 来るなぁ!』


バシィィィィィンッ! バヂバヂバヂバヂ!


Z棲機「バリアー……クッ!」

北方「負ケナイ! タコヤキ、行ケ!」


メキメキメキ……ボコォッ!


空中要塞「VOOOOッ!」ゴォッ!


バヂバヂバヂバヂ……バシィィンッ!


北方「バリア消エタ! 今!」

Z棲機「オウ! ウオリャァァァァッ!!」ドヒュウッ!

ガシャァァァァンッ!


フォウ『くうっ……離れろ!』ブォンッ ブォンッ

Z棲機「グウウゥゥゥッ!」

北方「離スモンカァァァ!」




クワトロ「雷、弾種選択……バンカーバスターだ!」
雷「了解! ケミカルガンモード、荷電バンカーバスター弾、セット!」

クワトロ「狙うは……その巨体の足元だ! ファイア!」バシュゥゥゥンッ!


ズゴッ…………ゴバァァァァァァッ!


サイコガンダム「っ!?」ズシィィィンッ!


Z棲機「クワトロ大尉!」

クワトロ『どうやら成功しているようだな……さあ、あとは助けるだけだ!』

雷『カミーユくん、頑張って!』


Z棲機「ハイ! ヨシ……融合、開始!」


ビキビキビキビキビキビキッ!


フォウ『っ!? や、止めろ……気持ちが、悪い…………私の中に、入って来るな……! 嫌ぁぁぁぁぁぁっ!』

Z棲機「フォウ……大丈夫ダ! 恐ク無イ……助ケニ、来タカラ……!」


フォウ『あ…………カミー、ユ……? カミーユ、なの……? あ、ああ……入って、入って、来る……!』

Z棲機「フォウ……クウッ……!」

フォウ『カミー、ユ……あ……ああああああっ!』



【蛇足シーン】


※オープンチャンネルです


雷「……~っ」←真っ赤

クワトロ「……もう少し、なんとかならんかったのか……カミーユめ」


夕立「ぽ、ぽい~……」←真っ赤

ガトー「……せめて接触回線を使って欲しかったな」


瑞鳳「だ、大胆ですね、カミーユくん……」←真っ赤
アムロ「……カミーユめ、戦場で戯れるな」




カミーユ「……っ!? ここは……」

北方「? ナンデ、ホッポ、浮イテル?」


《光輝く、宇宙に酷似した空間》


カミーユ「こいつは……俺が母さんの声を聞いた空間と同じだ……なら、フォウがどこかに…………(ピキィィィン)っ! フォウ!」

北方「フォウ、イタ!」



フォウ「う……」



カミーユ「フォウ! フォウ! 起きてくれ、フォウ!」

フォウ「あ……カミー、ユ……なの?」

カミーユ「そうだよ、フォウ。迎えに来たんだ」

フォウ「迎えに……でも、わたしは……」

カミーユ「聞いたよ。サイコガンダムの中に艦娘がいる……それがフォウの大切な人なんだろ? 探せばいいさ。この空間はきっと、それが出来る場所だから」

フォウ「探す……どうすれば……」

カミーユ「……俺の手を取って。北方のも」

北方「ン!」

フォウ「……こう?」

カミーユ「そう。命は、呼び合うんだ……宇宙の孤独に、それでも生きていたいって……フォウの思いを、俺と北方がこの空間全てに届けるから……フォウは呼びかけて、『会いたい』って」

フォウ「命が……呼び合う……」

カミーユ「さあ」

北方「フォウ、頑張レ!」

フォウ「…………うん」




フォウ(顔も思い出せない……名前も覚えていない……声もわからない…………だけど、確かに覚えてる……わたしの、命が……あなたを…………)



フォウ(会いたい……あなたに会いたいよ…………応えてよ……わたしの名前を呼んでよ……あなたの作った、アイスクリームがまた食べたいよ……!)



フォウ(応えて…………! ■■…………っ!)







――――フォ、ウ





フォウ「……っ!? カミーユ? ホッポちゃん? どこに…………っ! これ、は……!」


『……また、実験? よく飽きないわね』

『私をナンバーフォウと呼ぶな……っ!』


フォウ「私の……記憶……? あれは!」


《雪山で倒れるフォウ》


『う……く……ここ、までか……』


フォウ「そうだ……山中サバイバルで、わたしは遭難して、そこで……!」


――――大丈夫?

『っ!? お前は、誰だ……!?』


フォウ「あなたに、会ったんだ……!」



――――お腹空いてるでしょ? はい

『こんな食材、どこに……』

――――給糧艦ですもの、当然でしょう?


フォウ「そう……あなたは、出会った時から優しくて」


『怪我の処理ぐらい一人で出来る!』

――――駄目よ、フォウは女の子なんだから、傷が残ったら大変よ?


フォウ「お節介焼きで……」


『……わたしは、フォウと言う名前が嫌いだ』

――――そう……でも、私は綺麗な名前だと思うわ。そう思うのは、いけないこと?


フォウ「わたしの名前を……初めて綺麗と言ってくれて」


――――はい、アイスクリーム。これにはちょっと自信があるのよ?

『……っ! おい、しい……!』


フォウ「アイスクリームの美味しさを教えてくれて……」








――――私が実験に協力すれば……フォウにひどいことはしないんですね?

『やめて! そいつらの言うことなんて信じないで! ■■! やめて■■!』

――――大丈夫よ、フォウ

――――私の思いは……ずっとあなたと一緒だから

『■■! ■■! 行かないで……■■――――っ!!』



フォウ「あ……あああ……っ!」

フォウ「思い出した……思い出したよ……!」

フォウ「あなたの、名前を……! だから……だから、帰って来て!!」






フォウ「――――『間宮』ぁぁぁぁっ!!」




――――パキィィィィィン!


カミーユ「っ! 空間が、割れて……おっと!」ドサッ
北方「女ノ人落チテキタ」


間宮「…………」


フォウ「間宮っ……!」

カミーユ「彼女が、そうなのか?」

フォウ「ええ……でも、どうして起きないの……? さっきは、確かに声が聞こえたのに!」

カミーユ「……多分、サイコガンダムの機能で、精神も眠らされているんだ。本能で深海棲艦に向かっていたし……Zを使って、システムごとサイコから引き剥がせば起きるはずだ」

フォウ「それじゃあ……!」

カミーユ「ああ……ここを出よう。みんなで、帰るんだ!」

フォウ「うんっ……!」





>港


クワトロ「……サイコガンダムが動きを止めて数分……カミーユは上手くやったのか?」

雷「大丈夫、きっと……あっ! Zが!」



メキメキメキメキメキメキ……バキィィッ!


Z棲機「……クワトロ大尉! オ待タセシマシタ、フォウモ、中ノ艦娘モ無事デス!」

クワトロ「っ! そうか……そうか! よくやったぞ、カミーユ!」



ビキビキビキビキ……


カミーユ「……っふう、何とか、なった」

北方「カミーユ、凄イ!」

カミーユ「はは、北方も手伝ってくれたからさ」

フォウ「ん……」

カミーユ「フォウ!」

フォウ「カミーユ……ホッポちゃん…………間宮は……?」

カミーユ「大丈夫、Zがユニットごと捕まえてるよ」

フォウ「よかった……」

カミーユ「ああ、あとは……サイコガンダムを破壊するだけだ」

フォウ「サイコガンダム…………思えば、ずっと間宮を守っていてくれていたのね……ムラサメ研の奴らからも、誰にも傷つけさせないように……」

カミーユ「そう、か……そう、なんだな」



クワトロ(通信)『カミーユ、サイコガンダムはもう動かん……が、悪用される恐れがある……破壊するぞ』

カミーユ「……フォウ、いいかい?」

フォウ「……ええ。サイコも、わたしのようなパイロットを生み出し続けるのは辛いだろうから……送って、あげて」

カミーユ「わかった」


クワトロ「バスターモード……チャージ完了」

カミーユ「ハイパー・メガ・ランチャー……セット」


――――フォウ……君を苦しめることしか、出来なかった……すまない

――――どうか、幸せに



フォウ「っ! ありがとう……さよなら……サイコガンダム……」



バシュゥゥゥゥゥゥゥン

バシュゥゥゥゥゥゥゥン




ドッ……ゴォォォォォオオオォォォォォォ……ン……

サイコは巨女っていうのかね?別作品で例えると正確が生真面目になった諸星きらりというか、そんなイメージしてる



>戦闘空域


ガトー「夕立! ビームセイバーを!」

夕立「お任せっぽい! プルトニウス!」


Zプルトニウス「」ヴォン……キィィィン!


アムロ「瑞鳳、マルチロックを頼む! フィンファングで一気に落とす!」

瑞鳳「はい! ディジェ、お願い!」


ディジェ「」ピピピピピピ……!



ガトー「駆け抜ける! でやぁぁぁぁぁぁっ!」ゴォッ!

アムロ「フィンファング! 行けぇぇぇぇっ!」シュパパパパ


ズバババババババババッ!

ズガガガガガガガガガッ!


バイアラン棲機群「「「っ!?!?」」」バヂバヂバヂ


ドドドドドドドドォォォ----ンッ!




アムロ「…………終わった、ようだな」

ガトー(通信)『お見事……連邦の白い悪魔……いや、白き流星の完全復活ですか』

アムロ(通信)『止して下さいよ、シャアに対抗した異名なんて……ソロモンの悪夢さん』

ガトー『はは……これは一本取られましたか』

アムロ「シャアとカミーユも、何とかなったみたいだな……」

瑞鳳「あ……! 中にいた艦娘も無事みたい! よかった……!」

>>587
サイコガンダム「にょわー☆」
或いは
きらり(サイコガンダム娘)「メガ粒子砲(物理)だにぃ☆」
と申すか

※※※※※※


戦闘後……


>港


《カプセルに入った間宮》
フォウ「間宮……」

アムロ「コールドスリープ装置……開くか?」

瑞鳳「大丈夫ですよ、電子ロック式ですから……開いた!」

プシュー……


フォウ「間宮……起きて、間宮っ!」



間宮「ん……んん……」




間宮「ふぁ~あ…………あら? フォウ、今朝は早いのね。朝ごはん、何がいいかしら?」

フォウ「……っ! 間宮ぁっ!」ギュッ

間宮「あらあら……どうしたの? 急に甘えん坊になったみたい。よしよし……」ナデナデ

フォウ「馬鹿ぁ……心配、したんだからね……馬鹿、馬鹿、馬鹿間宮ぁ……!」

カミーユ「フォウ……よかったな……」

北方「間宮、ゴハンノニオイスル。ホッポモ作ッテホシイ」

カミーユ「後でな、今はフォウとゆっくりさせてあげなきゃ」

北方「ン」






クワトロ「アムロ……見たか、カミーユの成した事を」

アムロ「ああ……俺たちとは違う……新たな地平を切り開いたんだ……」

クワトロ「未来を託すべき者は生まれた……ならば、私に憂いは無い……!」

アムロ「そうだな……俺も、やれるだけやってみるさ……ララァに、いつまでも情けない姿は見せられないからな……!」



>キリマンジャロ基地


ダァンッ! ダァンッ! ダァンッ!


ジャミトフ「…………ふむ、射撃が下手、という訳ではあるまいに……何故外す?」

ジェリド「……あんたを殺ったらバスクが増長するだけだ。撃ったのは……八つ当たりだよ、シドニーに動けなかった事のな。なのにピクリとも動じやしない……クソジジイめ」

ジャミトフ「ふふふ、連邦を裏で牛耳り、上層部も欺こうとする人間が悪辣なのは当然だろう……それで、どうするのかね?」

ジェリド「……あんたはあんたの計画を続けりゃいいさ。俺は……最初と同じだよ。ティターンズの犠牲になる人間を減らすように動くだけだ。あんたは犠牲ありきで考える……俺はそれを減らすように動く……それでトントンだろ」

ジャミトフ「ほう……最も苦難な道を選ぶか……いいのか? 儂が君を邪魔に思えば、遠慮なく潰すぞ?」

ジェリド「せいぜいそうならんように立ち回るさ」

ジャミトフ「ティターンズ崩壊後はどうする? 元ティターンズとなれば、外道の謗りは免れんぞ?」

ジェリド「……そんときゃ、まともな連中連れて逃げるよ。どっか遠くに……いっそ、外宇宙までな」


ジャミトフ「……あくまでも、人命を守ると言うか…………何故だ? 人間は増えたと言えどせいぜい百数十億……地球上の生命体の総数に比べればほんの一部だ。さんざん他の生命体を食い荒らしておいて、今さら自分たちだけが特別扱いとは、虫がいいと思わんか? 人間とは、そんなに上等な存在か? 地球を滅ぼす力を持った……ただそれだけの猿に……他を押し退けて生存を主張するだけの価値があるのか?」


ジェリド「……俺はそんな難しいことは考えちゃいない。ただ、俺は……」

グイッ


マウアー「っ。ジェリド……?」





ジェリド「俺の大切な人が……『犠牲』になったら嫌だなって……そう思っただけさ……」

クワトロ「バスターモード……チャージ完了」

やっぱこれバスターランチャー?
まぁイレーザーエンジン積んでるゾーリン・ソールだから問題無く使えるんだろうけど


>>594
あのままジャミトフを弾いたのは絶対に無いだろうけど、ジャミトフとは決別するかもしんないね

>>596
ucのミネバも全裸のコロニー共栄圏を反対しておいて結局対案無しだったしなあ
『神の目』である我々視聴者からするとその後の宇宙世紀の行き末を知ってるから、
バナージやミネバの言ってたのが所詮は空虚な理想論だって断ぜれるけど、
何千万何億の人間を粛清処分して云々なんて狂人の発想としか思えないもんな普通は




ジェリド「じゃあな……どうすりゃいいかなんてさっぱりだが……足掻けるだけ、足掻いてみるさ」

ジャミトフ「……待ちたまえ」

ジェリド「何だ……(ヒュッ……パシッ)っと! なんだ、これ……階級章?」


ジャミトフ「儂の権限を自由に使える特務部隊『キプロス』の階級章だ……ジェリド・メサ『特務大尉』」

ジェリド「なっ……!?」

ジャミトフ「それからな、第四の資料も持っていけ……ティターンズ内でも、腐らずに活動している、君と同じ大馬鹿者たちのリストだ……バスクの横暴に対抗するも善し、クーデターの準備をするも善し……好きに使え」

マウアー「ジャミトフ閣下……では……!」

ジャミトフ「くくく……この老いぼれの予測などな、若者の勢いというものは容易く越えて行ける物なのだ……やってみろジェリド・メサ。連邦の腐った奴らなど、潰してみせろ。ギリシャ神話のタイタンを滅ぼしたのは主神ゼウスの雷……その雷を鍛え上げたのが単眼の巨人サイクロプス、あるいはキプロス……ティターンズを、そして連邦を食い破る雷、鍛え上げてみせるがいい」

ジェリド「ジャミトフ……閣、下……」

ジャミトフ「さあ、早く行け……深海棲艦の脅威が拡大しつつある今、時間はないぞ。マウアー少尉、その馬鹿をせいぜい支えてやれ」

ジェリド「……はっ! ありがとう、ございました!」ザッ

マウアー「はい、必ず……! ありがとうございました!」


バタン……



ジャミトフ「…………ふ、ふふふ……先を託せる者が現れるとは、なんと清々しいことか……残る懸念はエゥーゴだが……ブレックス……ついにシャア・アズナブルを表に出すか。そしてシャアも覚悟を決めた……ならば、もはや後顧の憂いは無い…………が、愚か者の処分はしなければ、な」


ピッ……


ムラサメ博士(通信)『これはジャミトフ閣下、何のご用で……』

ジャミトフ「しらを切っても無駄だ。特殊機械感応能力者……『艦娘』の研究だけは厳重に禁じていたはずだ。貴様はそれを破った……直に特殊部隊が到着する。最後の晩餐でも楽しむがいい」

ムラサメ博士『っ!? ま、待ってくれ! あんな興味深い素材を研究できないなど……!』

ジャミトフ「死ね。貴様とこれ以上話すことなど無い」

ムラサメ博士『待っ……!』


ブツン


ジャミトフ「……ふっ……儂も結局、人の情が捨てられんらしいな……」カチャ


《写真立てに入った、ジャミトフと瑞鳳の写真》


ジャミトフ「ふふ、機械弄りが好きで、チェーンとギアに埋もれていたからと、適当に着けた名前を、やけに気に入って……今は、エゥーゴか……因果なものだ…………だが、アムロ・レイが側にいる…………生きていてくれればいい……それだけで……」



>アウドムラ 機内


アムロ「……それじゃ、そのおじいさんが瑞鳳の援助を?」

瑞鳳「はい、私を見つけてくれたのもその方で…………なにか、連邦の重役で、テロでご家族を亡くされたって……『もう少し早く、家族と離れていれば』って、辛そうでした」

アムロ「連絡は、取っていないのか?」

瑞鳳「危険だからって、教えてもらってないんです……本当の名前のこととか、アナハイム高専の学費のお礼とか、色々話したかったんですけど……」

アムロ「名前は? それもわからないのか?」

瑞鳳「名字だけなら……ハイマンさんって言うんです」

アムロ「調べてみるか……何かわかったら教えるよ」

瑞鳳「ありがとうございます!」

今回はここまで。
日常回挟んで宇宙に向かいたいです。
瑞鳳は自分でもかなり無茶したと思います……が、設定した以上はそれを活かす展開を書きたいので……頑張ります。


>>480
お見事でした。
名前が名前だけに村雨と迷いましたが、戦闘力低くないとフォウ連れて逃げ出すよなぁ……と考えて、伊良湖と迷いましたが間宮になりました。

>>626
髪の色は青いだろ この宇宙世紀世界の「瑞鳳」だから

>>627
チェーン状態→髪下ろした青髪の瑞鳳
瑞鳳状態→青髪の瑞鳳
です。
逆シャアのチェーンとは名前同じだけの別人です。逆シャアのチェーンが瑞鳳のコスプレしてる訳ではありません(立ち位置、メカニック能力は同じですが)
ややこしくて申し訳ない……orz

いきます。

※※※※※※


>アウドムラ 機内


ブラン「先程はほとんど任せっきりなってしまったな……すまん」

クワトロ「いや、アウドムラやガルダは動けなかったからな……防衛に回ってくれて、ありがたかったよ」

フォウ「間宮! さっきまであんな状態だったんだから安静に……」

間宮「大丈夫よ。なんだか、前より調子がいいみたいで……フォウが素直に甘えてくれたからかしら? ふふ、張り切っちゃう」

フォウ「も、もう! 知らないっ!」プクー

間宮「あらあら」


夕立「間宮ー!」

雷「間宮さーん!」


間宮「夕立ちゃん、雷ちゃん……あなたたちも元気そうね。夕立ちゃんはずいぶん前から行方不明だったし……雷ちゃんも、提督が見つからなくてしょげてたから心配してたけど、元気そうで……会えて良かったわ」

夕立「ぽい! 色々頑張ったっぽい!」

雷「聞いて聞いて! 私、提督が見つかったのよ! ほら、あそこにいるクワトロ大尉!」

間宮「まあまあ、それは……」ペコリ

クワトロ「む」ペコリ


アノネアノネ
ポイポイ!
マミヤッテバー
アラアラ


ブラン「……なんとも、包容力のあると言うか」

クワトロ「そうだな……向こうの世界でも、艦娘たちの拠り所だったのだろう」



>港


カミーユ「野外パーティー、ですか」

クワトロ「ああ、アウドムラとガルダのクルー、合同でな。敵対していた頃から数えて、何だかんだと長い付き合いだが、この後はそれぞれ別行動になる……別れを惜しんで、と言うか、親睦も兼ねてだな」

カミーユ「色々、ありましたしね……」

クワトロ「そうだな……うむ、始まっているな」

ガヤガヤガヤ

アムロ「シャア、カミーユ、遅かったな。先に楽しんでるぞ」

カミーユ「アムロ大尉」

クワトロ「ああ、野暮用を片付けていたからな……」
カミーユ「俺も、さすがに疲れたんで仮眠してたら……」


雷「大尉ー! こっちこっちー!」パタパタ


アムロ「呼んでるぞ」

クワトロ「うむ」


フォウ「カミーユー!」

北方「コッチダヨー!」


カミーユ「ああ、今行くよー!」



アムロ「はは、平和だな……(ピキィィィン)んっ!」ササッ


ベルトーチカ「アムロ、どこに行ったのかしら?」

瑞鳳「卵焼き、頑張って作ったのに……ベルトーチカさん、食べりゅ?」

ベルトーチカ「なんで私があなたの卵焼き食べなきゃいけないの! あと『りゅ』って何よ『りゅ』って!」

瑞鳳「あうう……治らないんですよう……」



アムロ(さすがにあの二人に挟まれるのは神経がすり減る)コソコソ





クワトロ「雷もパーティーの料理を担当していたのだったか?」

雷「そうよ、自信作なんだから! 持ってくるわね!」

タタタ……トテテテ


雷「じゃーん! 特性のシーフード・レッドカレーよ! 港だけに、魚介類が豊富だったから色々使ってみたわ!」

クワトロ「おお……しかし、この色合い……辛そうだな」

雷「トマトの赤だから、見た目ほど辛くないわ。はい、あ~ん♪」ニコニコ

クワトロ「うむ、あ~……っ!?」



アムロ「ほほう」ニヤニヤ

クワトロ「」←硬直



雷「大尉、早く食べて?」

クワトロ「あ……ああ(パクリ)……うむ、美味い」

アムロ「可愛い奥さんで幸せ者だな、シャア」ニヤニヤ

クワトロ「(ピキピキ)……ベルトーチカ! 瑞鳳! アムロはここにいるぞ!」

アムロ「なあっ!? 謀ったなシャア!」



ベルトーチカ「アムロー!」

瑞鳳「アムロ大尉ー!」


アムロ「くっ……覚えてろ、シャア!」スタタ



クワトロ「ええい、アムロめ。地味な嫌がらせを覚えおって……そんなに将棋で負けたのが悔しかったか」

雷「そうなの?」

クワトロ「私の15勝6敗だった」

雷「あらら……」


クワトロ「しかし、このカレーは今までにも増して美味い……何かコツが?」

雷「えへへ、実は間宮さんとミライさんに、色々と教えてもらったの」

クワトロ「なるほど……見た目は店の料理だが、味は家庭料理を思わせるな。また食べたくなる」

雷「いつでも作ってあげるからね、大尉!」



カミーユ「ん? いい匂いがするな……」

フォウ「あっちからするみたい」

北方「何ダロ?」


夕立(エプロンドレス)「はーい、どんどん食べていってっぽいー!」


カミーユ「夕立? なんで売り子みたいな……」

夕立「みたいじゃなくて売り子っぽい! フォン・ブラウンではちょっと有名だったっぽい!」フンス

ガトー(ゲルググエプロン)「夕立、ピザパン焼き上がったぞ。空皿と交換だ」
夕立「ぽい!」

カミーユ「ガ、ガトー大尉!? その格好は……?」

ガトー「何、ほんの手習いだ……焼き立てだから美味いぞ。存分に食べて行け」

カミーユ「は、はい」

ロザミア(夕立っぽい生き物エプロン)「お兄ちゃん、ドーナツ出来たよ……コラ、夕立ちゃん! つまみ食いしちゃダメ!」

夕立「ぽいっ!?」モキュモキュ


フォウ「カミーユ、色々お皿に取ったから早く食べましょ」

北方「オネーチャンノ作ッタドーナツ、オイシソウ!」

カミーユ「あ、ああ……なんか、意外だなあ」



夕立「少佐さんのドーナツ、早く食べたいっぽい!」ジタバタ

ガトー「まったく……ロザミア、代わってくれ。私がドーナツを揚げる」

ロザミア「はーい、くすくす……お兄ちゃんは夕立ちゃんに甘いんだから」



フォウ「あっ、間宮!」

間宮「あら」

フォウ「間宮は、やっぱりアイスクリームを?」

間宮「ええ、ここの皆さんにも好評みたいで嬉しいわ。さ、あなた方もどうぞ?」

カミーユ「あ、いただきます」

北方「イタダキマース! ……冷タイ! オイシイ!」

フォウ「うん……この味、いつも作ってくれた、間宮のアイスクリームだ…………っ! あうっ、頭がキーンと……」

間宮「ふふ、あわてて食べるからよ」

カミーユ「……ぷっ。フォウ、間宮さんの前だとまるで子供なんだな」

フォウ「もう、カミーユ!」

間宮「あらあら……なら、普段のフォウの事、ぜひ聞いてみたいわね」

フォウ「っ!? 言っちゃダメよカミーユ! 言おうとしたら無理やり口塞いじゃうから!」アタフタ

カミーユ「わかったわかった……やれやれ、これじゃ北方が二人になったみたいだよ」

北方「アレ、タコヤキモアイス食べタイノ? モウナイ」

タコヤキ機「ヴォ……」シュン

間宮「大丈夫、おかわりはたくさんあるわ。はい」

タコヤキ機「ヴォ!」キラキラ


カミーユ「…………よく考えたら、深海棲艦の北方とタコヤキ相手に平然としてる間宮さんって……大物だよな」

フォウ「でしょ?」フンス

カミーユ「なんでフォウが自慢気なんだ?」



ミライ「あら、アムロ。どうしたの慌てて」

アムロ「あっ、ミライさん……いえ、ちょっと。ミライさんは、子供たちと一緒に?」

ミライ「ええ、皆さんの好意で、参加させてもらったわ」


ハサウェイ「タコヤキ型たこ焼きだぞー」

チェーミン「ハロのリンゴあめー」


アムロ「はは、楽しんでるみたいだ」

ミライ「そうね、ふふ……」


間宮「あら、ミライさん」

ミライ「まあ、間宮さん」

間宮「先程は色々とレシピを教えてもらって……ありがとうございます」

ミライ「いいのよ、私も勉強になったし……ああ、それから聞きたかったのだけど……」


アレナラコーシテ
マアソンナホウホウガ


アムロ(……なんだこの溢れる井戸端会議オーラは……)


雷「あっ。間宮さーん! ミライさーん!」


間宮「あら、雷ちゃん」←お艦

ミライ「カレー、食べたわ。美味しく出来たわね」←おかん

雷「えへへ、頑張ったわ。あ、そういえば気づいたんだけど……」←ロリお艦


アラアラ
マアマア
ウフフ


アムロ(圧倒的……! 圧倒的……主婦の会話感っ……!)

アムロ「ん……? そういえば、雷が居るならシャアはどこに……?」



クワトロ「」←あらゆる憑き物が落ちた顔



アムロ「なんか浄化されてるーっ!?」ガビーン

クワトロ「アムロ……私は答えを得た。大丈夫だ、私はこれからも、頑張っていくから」←爽やかな笑み

アムロ「それ赤い人違いだからな!? 英霊の座とかに行かなくて……むしろ逝かなくていいからな!?」

今回はここまで。
上手く宇宙編に繋ぎたい……

では。

いきます

※※※※※※


>フランス とある政党ビル


カイ「アフリカ基地に関連した組織……それを追ってたら、まさかフランスの左翼過激派(セクト)に繋がるたあな」

ジャック「連中はアースノイドとは言え反連邦の気質が強い……エゥーゴへの援助は不思議じゃないが、同時に主導権を握っているのが連邦所属のブレックス准将であることは気に食わんだろうな」

カイ「で、どうする? まさか直接訪ねて『アナハイムの横流しに関係してますか?』なんて聞く訳にいかんだろ」

ジャック「ああ、こういう時にはな、うってつけの方法があるんだ」


数時間後……



ジャック「よし、足音に気を付けろよ」

カイ「……って、単なる泥棒じゃねーか!」

ジャック「人聞きの悪い。スニーキングミッションと言え」

カイ「あんたがどんな人生歩んで来たか、なんとなく理解出来たぜ……」

ジャック「一流のジャーナリストってのは自分の勘に正直でなくっちゃな。それこそニュータイプ並に……ここだ」ガチャ

カイ「……ふう、監視カメラとかセンサーは無いみてえだな」

ジャック「まあ、軍事施設じゃないしな。通信記録とか金の出入り記録の当たりを探すぞ」

カイ「えー、国民党との八百長の談合に、教育機関への賄賂……何だこりゃ、ノーパンしゃぶしゃぶの接待費ってのは……どこの日本マニアが作ったんだそんな店」

ジャック「ジオン系組織との内通記録……も気になるが、後回しだな。こっちには……ん? 私設組織『ヌーベル・エゥーゴ』……あの放送の元か、こいつは臭いな」

カイ「こっちは……っ! 『タイラントソード受け渡しに関して』、『次世代機の実戦を利用したマーケティングプラン』……あったぞ!」

ジャック「上出来だ……ずらかるぞ」


バタバタバタ!
バン!


「貴様ら! 何をしている! 国民党のスパイか!」
カイ「うへぁ……さっきの資料見ると哀れで仕方ねえ……」

ジャック「下っぱはそんなもんさ、どの組織でも……なっ!」バシュンッ! プシュー←閃光煙幕弾


「ぐわっ! 何を……!」

ジャック「よし今だ!」タタタ

カイ「どっからそんなもんを!」タタタ

ジャック「蛇の道は蛇ってな。あばよ!」

カイ「せいぜい給料稼げよー」



>カフェテラス


カイ「……で、どうする? このネタでアナハイムの糾弾をするか? ヌーベルエゥーゴを吊し上げるか?」

ジャック「いや……まだ弱い。アナハイムはトカゲの尻尾切りで終わりだし、ヌーベルエゥーゴが艦娘と深海棲艦の情報を何故掴めたか……それが不明なままだ」

カイ「……あの戦闘映像を見るからに、深海棲艦化した人間でもいるんじゃねえか? 怨念から生まれるってんならあり得るだろ」

ジャック「だとしても、あれだけの出来事を起こすにはそれなりの研究開発をする必要がある。任意の発生手段、深海棲艦のコントロール、触媒となるMSの開発……それに、ヌーベルエゥーゴが深海棲艦から情報を得たなら、艦娘の情報まで得ているのは不自然だ。」

カイ「そりゃ、深海棲艦から聞き出して……」

ジャック「深海棲艦化した人間がいるとして、何故知っている? 初めからその存在を知っていなければ無理だ。それに……あの時エゥーゴ及びカラバを追っていたのは連邦とティターンズの部隊だ。タイラントもそうだが、反連邦の組織の情報が、連邦に既に流れている……つまり」

カイ「……アナハイムのソード・シリーズのアピールも含めて……連邦の計画の内ってことか!? 深海棲艦まで利用して!」

ジャック「少なくとも、そういうプランを描いた人間がいる……恐らく、連邦、アナハイム……そしてジオン系組織の中にも。コロニーの落ちた地に発生した亡者の群……戦乱の種にはうってつけだろうさ」

カイ「俺たちゃお偉いさんの遊び道具じゃねえんだぞ! くそっ……!」

ジャック「…………『プラン』があるはずだ。この状況を計画した大元が……この資料を見てくれ」

カイ「……連邦系財閥、ビスト財団の援助者リスト……バン・ヒューゴット? こいつはジオン系軍事企業の元締めじゃないか。ジオニックやツィマッドにも出資して……今はアナハイムの重役だったか」

ジャック「俺はかねてからジオンの急過ぎる軍事配備は怪しいと睨んでいた……明らかに、ジオンの総資産を越えた金が動かなければ、あの急速なMS開発や宇宙軍編成は説明できん」

カイ「連邦→ビスト財団→ジオン系企業のラインがあると?」

ジャック「恐らく。そして、深海棲艦は先の事件で表沙汰になったが、それ以前から研究されていたとすれば……」

カイ「……それも含めて連邦の『プラン』ってことか……だが、どうする? そんなもん、連邦が厳重に情報保護を……」

ジャック「……さっきビスト財団の資料を出したのは適当じゃない。ビスト財団は現在アナハイムの最大支援組織……それ以前から、反連邦組織の活動の裏には、決まって財団の影があると俺は気づいた……そして、反政府活動が鎮圧される毎に、連邦は勢力を増していっている……」


ジャック「ビスト財団初代当主、サイアム・ビスト……こいつの足取りを追うことが『プラン』の解明に……ひいては、現状の解決に繋がると、俺の勘は言ってるのさ」

カイ「勘かよ……また曖昧な」

ジャック「おや、ニュータイプ部隊にいた人間のセリフじゃないな、カイ・シデン」ニヤリ

カイ「ちっ……勘でどうにか出来たのはアムロくらいだっての…………しゃーない、一つ付き合いますか!」

短いですがここまでで……
ばら蒔いたフラグを収束させるべく頭ひねってます……申し訳ない。


では。

カイはわかるけど、ジャックってだれ?もしかしてハロウィン隊の人?

>>657-658
松浦まさふみ氏が書いた「アウターガンダム」の準主人公。
ジャーナリストで、MS-05が「軍事用」であることに気づき、一年戦争の勃発を予見した人物。

ちなみに、フルネームは「ジャック・ウッドワード」。

そういえば、バン・ヒューゴットもアウターガンダムだったわ。

これだけアウター系から出てくると、そのうちゼファーも来るかな?
対深海棲艦用MSとしては、最適だろうし。


これが信者です

アウターなら結構前にも一回出てなかったか?
ウモン「ソロモン戦の時にガンダム出現の報を聞いて持ち場を離れたりしたか?」
ガトー「してない」
とかそんな話した時にガトーの発言がアウター絡みだったってレスがあったなぁとふと思い出した

強化人間物語が一切触れられない不思議

攻殻機動隊の義体並みにガチ人体改造な
『強化人間』ネタは映えると思ってたけどニッチ過ぎたか・・・

ちょっと今日は休憩します……すいません。
クワ雷成分が……イチャイチャが足りない……

>>680
強化人間物語もガンダムカテゴリーだったんですね……
ナノマシンが万能過ぎるからあれから∀が開発されるのだろうか。

>>681
こんなツールがありますぜ、旦那……(グッヘッヘ

【ニコニコ動画】【第15回MMD杯本選】雷に励ましてもらいたいだけの人生だった【MMD_RMG】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26939286

>>683
見た。ちょっと元気出た。
とりあえず1レスだけいきます。

※※※※※※


【時期不定】



クワトロ「(カタカタ)……よし、次」←書類作成中

雷「大尉ー、お茶ですよー」コト

クワトロ「ああ、ありがとう」

雷「書類、大変ね。何か手伝える?」

クワトロ「大丈夫だ。もうすぐ終わる」

雷「そっか……じゃあ、お部屋片付けておくわね」シュン

クワトロ「…………ああ、そうだ。ついでに保存ディスクを探してくれないか? どこに仕舞ったか忘れてしまってね」

雷「(パァァ)っ! も、もう! 大尉ったらしょーがないわね。私にお任せよ!」

クワトロ(……携帯用メモリは持っているが……まあ、な)

雷「はい! あったわ!」

クワトロ「ありがとう、雷は頼りになるな」

雷「えへへ……もーっと頼っていいんだからね!」


今日も投下はありません、ごめんなさい……

書き込みを怠るとエタりそうなので報告まで。

時間が取れない……明日はなんとか書けるかと。
ご勘弁を……

皆さんのお気遣いが暖かい……ありがとうございます。
いきますぞー

※※※※※※


>ニューホンコン 港


アムロ「……では、ミライさんは宇宙には上がらないと?」

ミライ「ええ……クワトロさんも言っていたように、今は宇宙の方が危険ですもの。今ホテル代わりに使っている客船……コーラルオリエンタル号がインドへ向かうから、私たちもそこへ行くわ」

アムロ「確かに、それがいいかもしれませんね」

ミライ「アムロは、どうするの? クワトロ大尉たちと宇宙へ?」

アムロ「そうも考えましたが……もう少し、地上で動こうと思います。フォウ少尉やロザミア少尉……彼女たちのような強化人間が連邦で生み出されているなら……連邦がニュータイプを研究するようになったきっかけは、俺にあるかも知れない……だから、それを止めたい、助けてやりたいと思うんです」

ミライ「そう……でも、無茶はダメよ。ベルトーチカさんや瑞鳳さん……あなたを思い、心配する人たちがいることを忘れないで。もちろん、私やハヤト……ホワイトベースにいたみんなも」

アムロ「はい」





ハヤト「アウドムラは赤道付近シャトルを打ち上げた後、西回りで各地を転戦することになります」

ブラン「うむ、では我々ガルダはオークランドへ戻りつつ、東回りで各地の勢力を集めよう」

ハヤト「合流はおそらく……アフリカ」

ブラン「エゥーゴの工作が成功すればダカール、武力行使ならキリマンジャロか……ダカールであって欲しいものだ」

ハヤト「ええ……」



>アウドムラ 機内


クワトロ「……シャトルが搬入されたな。これで宇宙に戻れる」

ハヤト「クワトロ大尉……よろしいですか?」

クワトロ「ああ、何か?」

ハヤト「……何故、表舞台に立とうと? あなたは、自分を利用する人間たちに嫌気がさしていたと……」

クワトロ「……今もそうさ。だが、それでは何も変わらぬことも事実……しかし、私が立ったところで、後に続く者がいなければ、結局は同じ…………だった」

ハヤト「だった?」

クワトロ「新たな世代の萌芽は芽吹いている……そう確信した。ならば、私がその露払いをするのも悪くない。それに……私もいい加減、過去の清算をせねばならんと思ってな。私は……私という人間は、本来臆病者だ。だが、そんな私に多くの人が勇気を与えてくれた……その思いに、優しさに応えたい……そう思えたのさ…………情けない男と笑うかね?」

ハヤト「いえ……なかなか、出来ることではないと思います。応援、させてもらいますよ」

クワトロ「ありがとう」



雷「大尉ー! ゾーリンソールの調整終わったわ! 確認お願ーい!」

クワトロ「ああ、今行く!」




フォウ「これから、宇宙に上がるのね?」

カミーユ「ああ、地上はティターンズの勢力が強いからフォウやロザミア少尉を延々追って来るだろうけど……宇宙なら色々隠れようもある。いざとなれば30バンチに隠れ住むって手もね」

フォウ「ホッポちゃんと同じ、深海棲艦のヲ級がいる場所だったわね……むう、ちょっとジェラシー」ギュー

カミーユ「いてて……つねるなって」

ロザミア「ふふ、カミーユくんはプレイボーイね」

北方「カミーユ、ソウナノ?」

カミーユ「そんなんじゃないですよ……北方に変なこと教えないでください」


ガトー「ロザミア、そろそろアウドムラが出発する。ブラン少佐に挨拶して来なくていいのか?」

ロザミア「あっ、そうだった……ありがとうお兄ちゃん! ちょっと行ってくる!」タタタ


夕立「ぽい! 少佐さん、スッゴク『お兄ちゃん』してるっぽい! 夕立はそんな少佐さんにもキュンキュンしちゃうっぽい~」クネクネ

ガトー「妙な動きは止めんか…………しかし、家族、か……仮初めとは言え、そのようなものを、この私が得ることになるとはな」

夕立「ん~……少佐さんは難しく考え過ぎっぽい? ロザミアちゃんは少佐さんがいて安心するんだから、それでいいと思うっぽい」

ガトー「……そうか。そうだな……すまんな夕立、気を使わせる」ナデナデ

夕立「ぽい~♪」フニャー



雷「大尉! ガルダに挨拶してきたわ! 宇宙でも頑張ってって言ってくれたの!」

クワトロ「そうか……ホンコンはどうだった? 楽しめたか?」

雷「うん! 色々あったけど、フォウさんも間宮さんも助かったし……来て良かったわ」

クワトロ「うむ、そうだな……私も、様々なことを感じた……思い出深い、街になったよ」

雷「あっ、あれがミライさんたちの居る船ね……手を振ってる! 行ってきまーす!」パタパタ

クワトロ「見送りに来てくれたのか……ありがたいな」スッ








ハヤト「アーガマとの連絡は?」

通信兵「問題ありません。予定通り、ランデブー地点に到着とのことです」

ハヤト「よし……各員に告ぐ。本機は赤道に向かい、シャトル打ち上げを行う! アウドムラ、発進!」

今回はここまで。あまり盛り上がりがないかな……すいません。
次回はシャトル打ち上げのはず……頑張ります。

では。

>>599
ビジュアルはゾーリンソールのケミカルガンそのままで、ビームと実弾の撃ち分けが出来るイメージ。バスターモードはビームのフルパワー射撃です。

スパロボのヴァイスリッターが持つハウリングランチャーをイメージしてもらえればいいかと。

遅くなって申し訳ない。いきます。

※※※※※※


※「宇宙へ戻るべく、シャトルを手に入れたクワトロたちは、大気圏を安定して離脱すべく、地球の自転による加速が最も得られる場所……赤道へと向かっていた」
キャーコスギサーン


>アウドムラ 機内


雷「ねえ大尉、用意してもらったシャトル、旧式って言ってたけど、何か問題があるの?」

クワトロ「最大積載量が少ないのさ。人間だけならともかく、MSをいくつも運ぶとなると推力が足りん……そこをゾーリンソールのテスラ・ドライブによる慣性制御とイレーザーエンジンの出力で補うわけだ」

雷「ZガンダムとZプルトニウス、あとネモを何機か……確かに重そう。ゾーリンソール、頑張ってね」


ゾーリンソール「」ヴォン


クワトロ「さて……準備は終わったから、発射予定位置到着まで余裕があるな」
雷「間宮さんが暑いからって、アイスクリームとかき氷作ってくれたの! 一緒に食べましょ!」

クワトロ「うむ、そうするか」



>ヌーベルエゥーゴ 施設

『……確かに我々はソードの力を証明しろと言ったが、やり過ぎではないか?』
『深海棲艦についても、今しばらく隠蔽していた方が有利だったのでは?』

タウ・リン「……ご不満なら余所の組織に頼んではどうです? 最も、我々ほど上手くやれるとは思えませんがね…………それに、バスク・オムに深海化MSを売り込む絶好の機会……逃す手はないでしょう?」

『……わかった、君のやり方を尊重しよう。結果は出していることだしな』
『だが、増長はしないでもらおう……計画を進めるのは我々であって、君ではない』

タウ・リン「……連絡は以上で? 長話は通信傍受の怖れがあるので、これで」

『待っ……』プツン


――――ガンッ!


タウ・リン「権威と金に群がるクソ虫どもめ! 『予定』の時期さえ来ればすぐに駆逐してやるものを!」ギリッ


ガチャ


港湾「……アノ、ナニガ……?」オドオド

タウ・リン「お前か……ふん、胸糞の悪くなる相手と話してイライラしただけだ……いちいち俺の挙動に怯えるんじゃない、人間など一瞬で捻り潰せるバケモノのくせに」

港湾「ソレハ、ソウ、ダケド……アッ」グイッ

タウ・リン「タイミングが悪かったな……『使わせて』もらうぞ?」

港湾「…………ハイ」

タウ・リン「……ちっ、少しは抵抗しやがれ…………クソが」

港湾「ンムッ…………アッ……アアッ……!」



数刻後……



眼鏡(通信)『タウ・リン……おっと、お楽しみだったか?』

タウ・リン「何が楽しめるものかよ……ただの憂さ晴らしだ。なんだ?」

眼鏡『アウドムラの行動が掴めた……シャトルを手に入れ、宇宙へ戻るらしい』

タウ・リン「シャア……アクシズと接触する気だな。それ自体は構わんが……好きにさせるのも癪だな」

眼鏡『仕掛ける気か? 必要はないと思うが……』

タウ・リン「まあな。だが……『見極め』はしておかなくてはな。いざという時のために……それに、前回の借りも、返せるなら返してやりたいしな……くくく」

眼鏡『……無理はするなよ。お前の考えはわかるが……俺はお前だから付いて来たんだ。まだ死ぬなよ……タウ・リン』

タウ・リン「ああ……わかっているさ」


プツン


港湾「ン……?」

タウ・リン「起きたか……来い。出撃するぞ」

港湾「出、撃……」

タウ・リン「そうだ……今回はお前にも全力を出してもらう。俺の強制ではなく、自主的にな。さもなくば……お前も俺も死ぬだけだ」

港湾「…………ハイ」



>赤道直下 アウドムラ機内


アムロ「……行くんだな、シャア」

クワトロ「ああ、地上をよろしく頼む」

アムロ「やってみるさ……そっちもな」

クワトロ「全力を尽くすまでさ……ハヤト艦長、カツくんのこと、確かにお預かりした。必ず無事に返そう」

ハヤト「よろしくお願いします……クワトロ大尉もお気をつけて」


「シャトル、発進準備出来ました!」


雷「大尉! ゾーリンソール、いつでも行けるわ!」
クワトロ「よし、シャトル発射と同時に、ゾーリンソールで加速を掛ける!」


>シャトル 機内


フォウ「シートベルト、これでいいかな?」

ロザミア「テスラ・ドライブの効果でGは軽減されるみたいだから、緩くても大丈夫よ」

夕立「降りた経験はあるけど、上がるのは初めてっぽい!」

間宮「そうなの? 夕立ちゃん、色々経験してるのねぇ」

北方「ドキドキスル。タコヤキモソウ?」ギュ

タコヤキ機(北方に抱えられ)「ヴォ」

カツ「Zやプルトニウスのテスラ・ドライブは使わないんですか?」

ガトー「出力差でバランスが悪くなる。それに打ち上げと降下は最も無防備な状況だ。予備戦力は温存しなければならん」

カミーユ「アーガマが迎えに来てるはずなんですよね……(おかしいな……胸騒ぎがする……)」



『シャトル発射まで5、4、3……』

『2』

『1』



『シャトル、発射!』



アムロ「行ったか……」

ハヤト「さあ、俺たちはクワトロ大尉たちが次に降りてきた時のために、地上を静かにしないとな」

アムロ「ああ……(ピキィィィン)っ! この、悪寒……奴か!」

ハヤト「アムロ!?」

アムロ「タイラントソード……! ディジェを出す! ハヤトは急いで離脱してくれ! アウドムラは守りきれない!」

ハヤト「わ、わかった!」


>電離層付近


クワトロ(ゾーリンソール)「重力圏を離脱するまで、このままだとあと数分か……」

雷(膝の上)「地球がだんだん離れていく……なんだか、寂しく感じるわ」

クワトロ「その感覚こそ、地球が母なる星だという証明なのだろうな…………(ピキィィィン)っ!? この感覚は!」

カミーユ(接触回線)『クワトロ大尉! 奴が! タイラントが来ます!』

クワトロ「ああ、こちらも感知した……(ピキィィィン)いかんっ!」ゴォッ!


バシューッ!
バシューッ!



ゴォォォ…………ンッ


クワトロ「タイラントソードの炸裂弾……回避が間に合わねば消し炭だ……タウ・リンめ! よくやる!」

カミーユ『大尉! 俺もZで迎撃に……!』

クワトロ「駄目だ! この高度ではZやプルトニウスは摩擦に阻まれてタイラントの相手は出来ん! 幸い、後はシャトル単体の推力でもアーガマまで届く……奴は、私が相手をする! 雷!」

雷「ええ! 往くわよ、ゾーリンソール!」


ゾーリンソール「」ヴォン


ゴォッ!


>シャトル機内


カミーユ「……ちくしょう! 大尉の手助けも出来ないなんて!」ダンッ

フォウ「カミーユ……」

北方「姉サマ、来テル……金目ノヤツ! 姉サマヲ!」

ロザミア「ホッポちゃん……大丈夫、きっとクワトロ大尉がなんとかしてくれるわ」

ガトー「……歯がゆいが、今は堪えるしかない」

夕立「ぽい……」

ガトー「カミーユ、MSに移るぞ。もしもの事態に動けるのはテスラ・ドライブかSEジェネレータを積んだ我々の機体だ」

カミーユ「っ! はい!」

ガトー「だが、重力圏を抜けなければ戦いは圧倒的にこちらの不利……クワトロ大尉……頼みます」


 



>高高度空域


クワトロ「相当な距離から攻撃を仕掛けて来たが……(ピキィィィン)そこか!」バシュバシュウン!


バシィィィン!


タウ・リン(タイラントソード)「ちっ……効かぬとは言え、当てて来るか……機体性能か、貴様の腕か……まあ、どちらでも構わんさ。準備はいいな、港湾」

港湾「ハイ……」

タウ・リン(金眼)「出し惜しみは無しだ……全力で戦って貰うぞ、シャア・アズナブル!」ズォォォ……!


タイラントソード(赤色発光)「」ゴゴゴゴゴゴ……!


ゾーリンソール「っ!」


ガシュンガシュンガシュン!

ヒュィィィィ……!


ゾーリンソール(デストロイモード)「」ギカァン!


クワトロ「っ! ゾーリンソールが、勝手にデストロイモードに……そこまでの力が奴に!?」

雷「……っ! わかる……タイラントに乗ってる深海棲艦と人間が、完全にリンクした……!」

クワトロ「……機体性能、パイロット、艦娘と深海棲艦……条件は同じ、と言いたい訳か……タウ・リン!」




タウ・リン「観客はいない……だが、これもまた俺の求めるショーの演目だ。狂ったワルツを踊るのは俺か貴様か……どっちだろうな?」

 

今回はここまで。
次回は派手に書きたいです。ヒャッハー!

では。

調子が戻らない……
すいません、今日は休憩で……

いきます。

※※※※※※


>アウドムラ MSデッキ

アムロ(ディジェ)「瑞鳳、増設プロペラントタンクは!?」

瑞鳳「調整できました! 大尉、タイラントと戦うなら私もディジェに……!」

アムロ「……いや、君にはアウドムラにいて欲しい、タイラントの流れ弾が来る恐れがある。その時、瑞鳳ならアウドムラとリンクしてバリアが張れるはずだ……俺の帰る場所を、守っていてくれ」

瑞鳳「……わかり、ました。無事なお帰りを」

アムロ「ああ……アムロ、ディジェDD―S、出るぞ!」


ギュゴォォォォォォォォォ!


アムロ(上空での戦闘光……シャアが食い止めているのか。機体性能は劣るかも知れんが、援護くらい、やってみせる!)



瑞鳳「アムロ大尉……」

ベルトーチカ「ほら、いつまでも見上げてないであなたはブリッジに! アウドムラを守れって言われたんでしょ!?」

瑞鳳「そ、そうでした! 今行きます!」

ベルトーチカ「まったく……何で私が恋敵の世話までしなきゃいけないんだか」



>戦闘空域


バキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンッ!


《8の字、あるいは∞の字を描いて何度も交錯する二機》


タウ・リン「完全体のタイラントソードに、港湾のブーストを持ってしてようやく互角……くくく、しかも深海棲艦を喰らい、人間から化け物になりかけの俺でもやっとのパイロット殺しのMS……それを凌駕する貴様は何者なんだろうな、シャア? ピッチ上げるぞ、港湾」

港湾「ハイ……タイラントソード、ヤリナサイ」


タイラントソード「……っ」ギィンッ!


ギュバッ!


クワトロ「くっ……さらに加速するか! 雷、頼む!」

雷「ええ、ゾーリンソール、頑張って!」


ゾーリンソール「っ!」ギカァン!


シュオンッ!


ギャリガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!


タウ・リン(通信)『はははははっ! 楽しませてくれるよなぁ、シャア・アズナブル!』

クワトロ(通信)『タウ・リン! ホンコンで襲ってきた深海化するMS……あれも貴様の仕業か!』

タウ・リン『ほう、気付いたか。確かにバスクにあれを渡したのは俺たちだ…………だがな、あれを用意したのは死の商人どもだ』

クワトロ『死の商人……アナハイムだと言うのか!?』

タウ・リン『くく……それだけならマシだったがな……正解は『アナハイムを含む複数の企業』だ。連邦系、ジオン系を問わず……奴らはこのタイラントを含め、あらゆる兵器の戦闘実証を得ようとしている……人類の敵たる深海棲艦すら組み込んだ兵器まで持ち出してな。もうわかっているんだろう? 深海棲艦も艦娘も……『向こうの世界』での名称や、別世界の存在は別としても、すでに兵器転用が可能なほど研究されて来たと。人類とは、人類の敵の力すら食い物にし、同族を実験台に使う畜生以下の存在だとな』

クワトロ『貴様……貴様はいったい何者だタウ・リン! 戦いを憂いながら、何故戦禍を広げようとする!』

タウ・リン『フン……どこにでもある話さ。戦争で己を支える全てを失い、全てに裏切られ、全てを憎む人間が生まれた……よくある、テロリストの誕生の背景だ』

タウ・リン『違うのは……そいつには手段と、力と、知識が与えられたことだ。人類を滅ぼし、世界を覆すに十分なものがなぁっ!』

バキィンッッ!!


タウ・リン『ふふ……羨ましいか、シャア。いや……キャスバル・ダイクン』

クワトロ『何だと……っ!』

タウ・リン『知っているぞ……貴様も俺と同じ穴のムジナだ。一年戦争前……ガルマ・ザビによる『暁の蜂起』事件。あれを煽動し、連邦とジオンが戦争をするよう望んだのは貴様だろう? 互いに潰しあえばいいと、ジオンも連邦も皆滅びてしまえ、とな』

クワトロ『ぐ……』ギリッ

タウ・リン『貴様の機体……ゾーリンソールと言ったか? 今からでもそれで暴れたらどうだ? 自分たちは何もせず、見返りだけを求める『善良な市民』とやらを皆殺しにしたら……くくく、スッキリするんじゃないか?』

クワトロ『……乗れん、相談だな!』


バキィンッ!


クワトロ『過去の過ちは認めよう……だが、私とていつまでも若さ故の過ちと甘えているわけにいかん! 過去の精算の為にも……私は、未来を築く! 貴様は消えろ、タウ・リン!』

タウ・リン『…………未来、未来と……そうやって貴様ら思想家は甘言で人を惑わし、争いに駆り立てる! その陰に消えた声無き声を、まつろわぬ命を考えもせずに! その怨忌の声を思い知らせてやるぞ、シャア!』



ズガガガガガガガガガガガガガガガッッ!!



バキバヂィンッ!


《ビームサーベルの反発で距離を空ける二機》


タウ・リン「埒が空かんか……『霧』展開! 出ろ! スレイブ・ソードども!」シュゴォォォォォォォォォ


深海ソード群「「」」ズズズズズズ……!


クワトロ「っ! ソードブレイカー射出!」シュパパパパ


カシュキュイン カシュキュイン


クワトロ「雷! 連携だ……コントロール、任せる!」

雷「了解! ソードブレイカー、アイハブ! 往くわよ!」


タウ・リン「港湾! 押さえてみせろ!」

港湾「ハイ……! スレイブ、リンクスタート……!」



クワトロ「ソードブレイカーッ!」
タウ・リン「スレイブ・ソードッ!」


キュパパパパパパ!


ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!


タウ・リン『フン……上手く艦娘をしつけたものだな! アクシズの女は失敗したくせに!』

クワトロ『……っ! どこまで調べたのか知らんが、その減らず口、後悔させてやる!』




タウ・リン(くく……そうだ、乗って来いシャア……貴様の『怒り』を見せてみろ……! その怒りが、憎しみが俺を凌駕するなら……貴様に与えてやる……)


タウ・リン(人類の歴史、その最後の1ページを記す権利をな……!)




ズガァァァンッ!


港湾「クウウッ!?」

タウ・リン「っ!? 意識外からの攻撃……アムロ・レイか!」


アムロ(通信)『シャア、待たせた! 援護に入る!』

クワトロ『アムロ……無茶だ! 機体性能が違い過ぎる!』

アムロ『わかっているさ……それでも、やりようはある! フィンファング!』シュパパパパ


カシュキュイン カシュキュイン


タウ・リン「く……潰せ、スレイブ・ソード!」


深海ソード「」ゴォッ


アムロ「(ピキィィィン)そこだ! 撃ち抜け!」


ズガッ! ズガガガッ!


《バリアに阻まれたファングを釘打ちのように押し込む複数のファング》


深海ソード「っ!?」ドガァァァンッ


タウ・リン「何だと……だが本体は遅い!」チャキ

クワトロ「させぬ!」ヴォン……バキィィィィン!


バヂバヂバヂバヂ!


タウ・リン『ちっ……赤い彗星と白い悪魔……揃うと厄介だと実感出来るな』

アムロ『……その異名は好きじゃないんでね。無理やりにでも口を閉じさせてもらう』

クワトロ『思わぬ援軍だったが……終わりだな、タウ・リン』




タウ・リン『く、くくく……何を勘違いしている? まだ……『これからが本番』だろう?』ザワザワザワザワ

クワトロ/アムロ『『っ!?』』



タウ・リン「待たせたなタイラント……その力を解放させてやる……」ビキビキビキビキ

港湾「ッ! ダメ……! ソレヲ使ッタラ、アナタハ……!」

タウ・リン「黙れ……! 使うか使わぬか決めるのは俺だ……!」ビキビキビキ

港湾「……ウウ」

タウ・リン「ふん……不安ならせいぜい祈っていろ……神ではない何者かにな…………オオオOOO雄雄雄っ!!」





タイラントソード「……っ!」メキメキメキメキメキメキ……ッ!











タイラント棲鬼「Gオオオ雄雄雄ォォォ餓ァァァァァァ――――――――ッッ!!」





今回はここまで……

ではまた。

うあ……見せ場なのに時間が取れない……orz
その分中身練るのでご勘弁を……

いきます

※※※※※※


>アーガマ ブリッジ


トーレス「シャトル、収容しました!」

ブライト「よし……敵機の動きは? クワトロ大尉は無事か?」

サエグサ「侵海MS多数出現を確認! クワトロ大尉はまだ、電離層内にて戦闘を……っ!?」



ズンッ……ッ!


ブライト「っ!? こ、この感覚は……敵機が、棲鬼級になったのか……!」

トーレス「ぐあ……対深海棲艦の、精神保護システムを取り付けたはずなのに……おい、サエグサ!?」

サエグサ(気絶)「」ブクブク

ブライト「く……これではアーガマもMSも只の的だ……弾幕を張りつつ後退する! クワトロ大尉に任せるしかない……っ!?」


《モニターに映るディジェ》


ブライト「あの動きは……アムロ、お前なのか……? 死ぬなよ、アムロ……」

>MSデッキ


カミーユ「ぐあっ……! こ、これは……タイラントの……!」

フォウ「うああっ……! あ、頭が痛い……恐い……!」

間宮「フォウ! しっかり!」

ロザミア「い、いや……! お兄ちゃん、助けて……恐いよ……!」

ガトー「ロザミア! くっ……なんたるプレッシャーだ……!」

夕立「お、おっかないっぽい~!」

北方「金目! 許サナイ! ブットバス!」

カミーユ「ダメだ北方! 危険だ!」

北方「ケド、姉サマガ!」

ガトー「……私が往こう。プルトニウスのSEジェネレータなら大気圏に降りても戻ってこれる」

カミーユ「ガトー大尉……」

アストナージ「ちょっと……待ちな……」

カミーユ「アストナージさん!? 無理をしちゃダメだ!」

アストナージ「このくらいで……弱音吐いてらんないさ……プルトニウスの……テスラ・ドライブの封印を解除するだけだ……」

ガトー「っ! 積んであったのか!?」

アストナージ「ああ……だが、覚悟してくれ……2つの慣性制御機構でプルトニウスの動きはゾーリンソール以上になるが……加速し過ぎでパイロット保護は無いも同然になる……操作を間違えたら中でミンチになるぞ……?」

ガトー「……構わん、どの道そこまでやらねば、オールドタイプの私にクワトロ大尉の援護は出来ん……!」

夕立「少佐さんは夕立が守るっぽい! 問題ないっぽい!」

アストナージ「……今、解除する……(ピピッ)……よし……あと……頼むぜ……」バタリ

カミーユ「アストナージさん!」

ガトー「感謝する……往くぞ夕立!」

夕立「ぽい! プルトニウス、パーティー始めるっぽい!」


Zプルトニウス「」ギィン!


【インフォメーション】


『ZプルトニウスSE―R』の
『SEジェネレータ対応型テスラ・ドライブ』が解放されました。



>戦闘空域


ドシューッ! ドシューッ!

ギャリガガガガガガガガガガガガッ!!


タイラント棲鬼「ハハハ覇覇覇ッ! 動キガ止マッテナイカ!? モット頑張レヨ!」


クワトロ『くうっ……調子に乗りおって!』

アムロ『くそっ……サイコミュにまで干渉が……!』
クワトロ『アムロ! システム響をディジェに使う!』

アムロ『何……(ピキィィィン)っ! そういう事か! わかった、やれ!』

クワトロ『雷、頼む!』

雷『まっかせて! ライドギグ・ジャック!』


ズガッ

ディジェ「…………っ!」ギカァン!


アムロ「ゾーリンソールからのエネルギー供給……来た! よし、フィンファング広域展開!」カシュキュイン カシュキュイン


クワトロ「雷、一時コントロール貰うぞ……ソードブレイカー、セット!」キキキュイン キキキュイン


タイラント棲鬼「ム……? サイコミュ兵器ヲ下ゲタ……?」


クワトロ『暴れろ、ソードブレイカー!』
アムロ『行け、フィンファング!』


シュパパパパパパパパパ


雷『攻撃範囲……反応予測……機体、シンクロ! フルコネクト=ライドギグ! 行っけえぇぇぇ――――っ!!』


ゾーリンソール「っ!」ドヒュウ!
ディジェ「っ!」ドヒュウ!


深海ソード群「「っ!?」」


ズガガガガガガガガガガガガガァァ----ンッ!!


タイラント棲鬼「クハハ……ッ! ヤルジャナイカ……ダガ、マダマダァッ!!」ヴォン……ドヒュウッ!


バキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィン!!


深海ソード群「「」」ズズズズズズ……!


クワトロ(くっ……奴の力は底無しか……? 負けはしない、が……勝てもしない……そしてこのままでは、磨り潰されるのはこちらだ……!)



クワトロ(何か、何か一手があれば……!)



タイラント棲鬼「ククク……今度ハコイツダ!」ガシュン! ヴォォォォン……ッ!


ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォンヴォン……ッ!


アムロ「なっ……!?」

クワトロ「っ!? 全方位を埋め尽くす……重力弾だと……!」


タイラント「『グラビトロン・プレッシャー』ト言ウ所カ……サア、切リ抜テミナ」


ゴォォォォォッ!


クワトロ(システム電は今使えん……! システム雷も……ならば!)

クワトロ「シールド、バリア展開! 雷! システム暁最大出力だ!」

雷「アクティブ・リフレクター! フルパワーッ!」

バシィィィィィンッ!!
バヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂ!!


タイラント棲鬼「俺ヲ忘レルナヨ!」ドヒュウ!


クワトロ「っ!」

アムロ「させるか!」ヴォン……ッ!


バキィィィィィィィン!!
バヂバヂバヂバヂッ!


タイラント棲鬼「ククク……バリアガ削ラレルノト、俺ニ落トサレルノト、ドッチガ先ダロウナ?」バヂバヂバヂ!

アムロ『くうっ……! フィンファン……!』カシュ

ドガァァァァン!


深海ソード「」キュイン


タイラント「ワンパターンハ飽キラレルゼ?」バヂバヂ

アムロ『……ちいっ、フィンファングが……!』バヂバヂ



クワトロ「ぐうう……っ! 雷、弾き返せんのか……?」

雷「今、計算してるけど……(ズシィンッ!)キャアッ! ま、また重くなった……! これじゃ、弾き返せない……!」

クワトロ「手詰まりだと……!? くそっ……!」


タイラント棲鬼『苦シソウダナ、シャア』

クワトロ『接触回線で秘匿通信だと……何のつもりだタウ・リン!』

タイラント棲鬼『アムロ・レイヲ見捨テレバイイノサ……貴様ノ機体ダケナラ助カル……ソウダロウ? 楽ニナレヨ……ガルマ・ザビヲ嵌メタ時ノヨウニ……ククク……』

クワトロ『……とことん悪趣味な奴だな、貴様は!』ギリッ

タイラント『サア、ドウスル? コノママデハ貴様モ……(ドガァァァァン!)ッ!?』



夕立「タイラントにブチ当てたっぽい!」

ガトー(プルトニウス)「上出来だ……さあ、今度はあの重力弾を片付ける……セイバー、展開だ!」

夕立「ぽい! プルトニウス!」


Zプルトニウス「」ヴォン……キィィィンッ!


夕立「SEグラビトンコントロール……テスラ・イナーシャルコントロール……リンク完了! Zプルトニウス、MAXブーストモード!」

ガトー「推して……参る! うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


ドギュウゥゥゥゥンッ!!


タイラント「ッ!? ナンダアノ加速ハ!?」


ズバババババババババッ!

ドゴォォォォン!
ドゴォンドゴォォォォン!




タイラント棲鬼「チッ……潰セ、スレイブ!」


深海ソード群「「」」ドヒュウドヒュウ!


夕立「来たっぽい!」

ガトー「全て……切り捨てる! はぁぁぁぁぁぁっ!」ドギュウンッ!!


シュカカカカカカッ!!


深海ソード群「「……?」」

ガトー「……斬!」


深海ソード群「「っ!?」」ドガドガドガァァァァン!


タイラント「ナンダト……アノ機体……アナベル・ガトーカ! 賢シイ真似ヲ!」ドヒュウ!

夕立「少佐さん!」

ガトー「ああ……制御は任せる! いざ!」ドギュウ!

バキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィン!


タイラント棲鬼「死ニ損ナイガ……! 亡霊ハ地獄デ蠢イテイロ!」バヂバヂバヂ!

ガトー『ならば貴様と共に墜ちるまで! もらったぁぁぁぁぁぁっ!!』キィィィンッ……!!

タイラント棲鬼「ッ!?」

港湾「……タウ・リンッ!」


ザシュッ……!


《切り飛ばされたタイラントソードの右腕》


タイラント棲鬼「ク……!」バヂバヂ……

ガトー『……浅い! 不覚……!』

夕立「今の声……北方のお姉ちゃん……?」



ガトー「…………ぐふっ!? ゲハッ!」

夕立「少佐さん!?」

ガトー「大、丈夫だ……初めてのシステムだからな……無理が来たまでだ、いずれ慣れる」

夕立「ぽい……」

クワトロ『ガトー大尉、無事か!?』

ガトー『クワトロ大尉……ええ、救援が遅れて申し訳ない』

アムロ『とんでもない……助かりましたよ』

クワトロ『ああ……だが、奴はまだ健在だ』

ガトー『あの中に、港湾棲姫……北方の姉が居るようです。助けねば』

アムロ『…………なんて無茶なミッションだ……』

クワトロ『言っても始まらん、やるしかあるまい』



タイラント棲鬼「…………ナカナカ楽シマセテクレル……ガ、ソロソロ邪魔ダ……『獲物』ニ集中サセテモラオウカ」ビキビキビキビキ……!

メキメキメキ……ガシュンッ!


《再生される右腕》


雷「う、腕が生えちゃった……」

夕立「気持ち悪いっぽい!」

クワトロ「まだ来るぞ……構えろ……!」



タイラント棲鬼「ククク……駄目押シッテヤツヲ見セテヤル……」ビキビキビキビキ!!

港湾「……ッ! モウ、止メテ……! ソレ以上ハ、アナタガ……!」

タイラント棲鬼「黙レ……! 俺ヲ縛レルノハ、俺ニ命令デキルノハ、俺自身ダケダ……! 余計ナコトハ考エルナ……!」

港湾「……タウ・リン……」


タイラント棲鬼「…………圧倒的ナ『力』……ソレヲ証明シテヤロウ……!」


シュゴォォォォォォォォ……!!


バヂ……バヂバヂバヂ……!!


アムロ「……霧が、集まって…………なっ!?」





タイラントコピーA「」ズォォォォォ……!

タイラントコピーB「」ズォォォォォ……!



タイラント棲鬼「3対3ダ……卑怯トハ、言ウマイ? ククク……」

今回はここまで……
ええ、そうです。イメージは思いっきりネオグランゾンです。さすがに本家には劣りますが。
これだけトンデモ出してまだ足りないのかと言われれば……足りないんですorz
シャアを幸せにするのって……大変なんですねえ……(遠い目)

しかし俺はクワ雷のラブイチャな日々を目覚し頑張る!


ではまた。

>>767
これで攻略しろよってメンバーが決まっててそれ以外を余計に資金使って改造したり経験値振りすぎるとそれでストーリー自体詰むのがウィンキー時代よね攻略本に散々に酷評される味方ユニットとかほんと笑った

そういう点で誰でも育てれば運次第で攻略できる艦これよりエグいんよ今回のイベの甲難度も相当エグいけどね
最近のスパロボは艦これ的になって誰育てても詰むってことが無いのは良いよね難易度はヌルヌルだけど…艦これは本質的には資材を貯めるゲームだからベクトルが違うのは間違いないけどね

いきます

※※※※※※


>アウドムラ 機内


ドォォォォォォォンッ!

ドォォォォォォォンッ!


ハヤト「ぐうぅぅぅっ! 被害状況は!?」

「左翼に被弾! 損傷は軽微! 航行に支障なし!」

ハヤト「よし……瑞鳳、バリアはまだ大丈夫か?」

瑞鳳「な、なんとか……慣れないから、手探りですけど……」

ハヤト「せめてタイラントの射角から逃れるまで保たせくれ……頼む」

瑞鳳「は、はい! アウドムラ、もう少し頑張って……!」

ハヤト「流れ弾だけでこの有り様か……アムロたちは大丈夫だろうか……」


>戦闘空域


ドヒュウ!

ドヒュウ!


ガトー「ぬうっ!」バキィィィンッ!

アムロ「くっ!」ガシィィィンッ!

クワトロ「アムロ! ガトー大尉!」

雷「引き離された!?」


タイラント棲鬼「……コレデ邪魔ハ入ラン……サア、楽シモウカ」


深海ソード群「「」」ズズズズ……!


クワトロ「……次から次へと……!」

雷「しつこーい! いい加減にしてよ、もう!」

クワトロ(引き離された二人が心配だが……気を回している余裕もない、か……くそっ!)


タイラント棲鬼「サテ……以前ノ意趣返シヲサセテモラオウカ? ソラッ!」ドギュゥンッ!


クワトロ「っ! システム電、起動!」ドギュゥンッ!


バキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンッ!

バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!

ズガガガガガガガガガガッ!

クワトロ「くっ……パラレル・ミラージュまで再現するか……! しかもソード共まで追い付いてくる!」ギュォォォォォォォッ!

雷「こっちは転送の触媒にするからソードブレイカーが使えないのに……!」


タイラント棲鬼「ククク……サア、イツマデ保ツカナ? オラッ!」バキィィィンッ!

クワトロ「ぬうっ……!」バキィィィンッ!

>>777
酉とsaga忘れた……失礼

※※※※※※


タイラントコピーA「」ドヒュウ!

タイラントコピーB「」ドヒュウ!


バキィンバキィンバキィンッ!


ガトー『くっ……アムロ大尉! 私が抑えている間に!』

アムロ『ああ! フィンファング!』シュパパパ カシュキュイン カシュキュイン


ガガガガガガガガガガガガッ!

ズガァンズガァンズガァン!


タイラントコピーA「……っ」メキメキメキ……!

タイラントコピーB「っ」ズズズズ……!


夕立「こいつらも再生するっぽい!? え……?」


タイラントコピー白兵「」ギギギ……!

タイラントコピー射撃「」ガシュン!


アムロ「進化した……だと!?」

ガトー「なんたる……! だが、退く訳にはいかん……夕立! 正念場だぞ!」

夕立「ぽい! 根性見せるっぽい!」



アムロ(ゾーリンソールからの供給も減ってきている……燃料も限界近い……ディジェが戦闘不能になる前に決着をつけなければ……!)



ガガガガガガガガガガガガッ!

バシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッバシューッ!


深海ソード群「「っ!」」ドガァァァァン! ドガァァァァン!


クワトロ「おおおおおおおおっ!」

タイラント棲鬼「グオオ雄雄雄雄オオオッ!」


バキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィンバキィィィンッ!

深海ソード群「「」」ズズズズ……!


クワトロ「千日手だ……埒が開かん!」

雷「このままじゃ……!」

タイラント棲鬼「流石、ト言ッテヤル……ダガ、他ノ奴ラハ限界ノヨウダナ?」

クワトロ『何っ……!?』


ガトー「……がはっ!? ゲボッ!」

夕立「少佐さんっ!」


タイラントソード白兵「っ!」ヴォン……ッ!


バキィィィンッ!


ガトー「ぐああっ!」

夕立「キャアアアアッ!」

アムロ「ガトー大尉!(ガクンッ)っ! 推進剤が!」

タイラントソード射撃「っ!」バシューッバシューッバシューッ!

ドガドガドガァァァァンッ!


アムロ「うわぁぁぁぁっ!」


クワトロ『アムロ! ガトー大尉!』

タイラント棲鬼「ククク……所詮ガラクタデハ、タイラントニ追イ付ケルハズモナカッタノサ……サア、始末シロ、コピー共」

クワトロ『させん……っ!』ドギュンッ!

タイラント棲鬼「行カセルト思ウカ?」ドギュンッ!


バキィィィンッ!

バヂバヂバヂバヂッ!




夕立「改ニに……! 改ニの力……! 何で!? 何で出せないの! ホンコンじゃ、あんなに簡単になれたのに……! このままじゃ少佐さんが……!」

ガトー(吐血)「……無理は、するな……この程度……!」

夕立「でも!」

ガトー「死中に活……死地に立ってこそ……!」


タイラントコピー白兵「」ゴォッ!


ガトー「……見える道も……ある!」


――――シュパンッ!


タイラントコピー白兵(左腕切断)「っ!?」バヂバヂバヂ


ガトー「ふう……ふう……まだだ……まだまだ……! うおぉぉぉぉぉぉっ!」ドギュンッ!


バキィンバキィンバキィンバキィン!


タイラントコピー白兵「……っ!」

ガトー「がふっ! ぐ……ぐぐ……があぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」ドギュンッ!


ズガガガガガガガガガガガガガッ!

タイラントコピー白兵「……っ」ギィン

ギャリガガガガガガガガガガガガッ!


ガトー「ゴボッ! お……雄雄雄ぉぉぉぉぉぉっ!」

夕立「嫌……ダメ……少佐さんが……少佐さんが死んじゃうよ……! ヤダよ……そんなのヤダ! プルトニウス……少佐さんを死なせないで! お願い……夕立の中の力……出てきて……!」


夕立「出てきてよぉ――――っ!!」


Zプルトニウス「っ!」ギカァン!


キュイィィィィン……ッ!


ガトー/Zプルトニウス(サイコフレーム励起)「「……っ!」」シュオンッ……!


――――ズバシュッ!!


タイラントコピー白兵(両断)「っ!?」バヂバヂバヂバヂ……!


ドガァァァァン!


ガトー「……っ!? やった、のか……今の、感覚は……?」

夕立改ニ「少佐さん! 大丈夫っぽい!?」

ガトー「その姿は……そうか……お前が、そしてプルトニウスが……私に力をくれたんだな……夕、立……」ガクリ

夕立改ニ「少佐さんっ! しっかり!」



Zプルトニウス(機能停止)「」シュウゥゥゥ……ン




タイラントコピー射撃「っ!」バシューッバシューッバシューッ!

深海ソード群「「」」バシューッバシューッバシューッ!

ドガドガドガァァァァン!


アムロ「ぐうぅぅぅっ!」

アムロ(推進剤は限界……ゾーリンソールからの供給も途絶えた……戦力も、機体性能もこちらが圧倒的に不利……)


アムロ「それでも……」


タイラントコピー射撃「」キュィィィィン……!


アムロ「それでも……!」


深海ソード群「「」」ゴォッ


アムロ「それでもっ!」



ハヤト『アムロ……』
ベルトーチカ『アムロッ』瑞鳳『アムロ大尉……!』


アムロ「俺には! 帰るべき場所がある! 待ってくれてる人たちがいる! ここで死ぬわけには……!」


ディジェ(サイコフレーム解放)「っ!」ヒュイイイ……!

アムロ「いかないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


バシューッバシューッバシューッバシューッ!

《ソード群のバリアを突き破るビーム》

深海ソード群「「っ!」」ドガドガドガァァァァン!


カシュキュイン カシュキュイン

《緑色の光を放ち、舞い踊るフィンファング》


ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!


タイラントコピー射撃「……っ!?」バヂバヂバヂ


ドガァァァァン!




アムロ「はあ……はあ……はあ…………やれ、た……あとは、任せたぞ……シャア…………」



ディジェ(自由落下)「」ガクンッ……

今回はここまでで……

では


>>769
艦これは兵站(戦略?)ゲー、スパロボは戦術ゲーの違い、ということですかね。
両方合わせた無茶振りに上層部のワガママによる縛りプレイを合わせると銀英伝のヤン・ウェンリー状態に……そらラインハルト何度やっても勝てんわ。

>>782
何か変な事書いてます自分……orz
出来ればスルーして下さい……本文はまともに書きますんで……


遅くなって申し訳ない。いきます。

※※※※※※


>重力圏外


タイラント棲鬼「ホウ……退ケタカ。マア、所詮ハコピー、高性能ナガラクタダ……アンナモノダロウ。ソレトモ、ガラクタ相手ニ手コズッタ奴ラガ情ケナイノカ? ククク」

クワトロ『アムロ!? 応答しろ! ガトー大尉、聞こえているか!?』

雷「返事して、夕立! なんとか通信を繋いで……っ!?」


ザ……ザザ……


《メットのバイザーを血に染めて倒れたガトーにすがり付く夕立》


夕立『……さん! 少佐さん! 起きて……死なないで! プルトニウス! 動いてよぉ!』


ザザ……


《蒼白な顔で意識を失ったアムロ》


雷「あ、ああ……そんな……!」

クワトロ「くっ……なんてことだ……!」


タイラント棲鬼「フン……抜ケ殻ガ漂ッテイテモ邪魔ダ……掃除シテヤルヨ」ガシャン! ヴォアッ……!


ドシュドシュウッ!


クワトロ「(ピキィィィン!)っ! 重力弾! させるかっ!」バシューッバシューッ!


ズガァンズガァァァァン! ゴォォォォォォォ……!


タイラント棲鬼「ハハハハ! ヨク間ニ合ッタナア!」

クワトロ『貴様……貴様は! どこまで人を弄ぶ気だ! それだけの力を手にしながら……ただ破壊を撒き散らす事しか考えていないのか!』

タイラント棲鬼「フン……ソノ程度ダト思ウカ?」

クワトロ『何だと……?』

タイラント棲鬼「俺ノ望ミハ歴史ノ終演……人類ソノモノノ終ワリダ。コンナ戦イナド、前座ニ過ギン」

クワトロ『っ!? 馬鹿なことを……!』

タイラント棲鬼「ククク……クククククク! ソウ思ウナラ見セテヤルサ! 大言壮語デハナイ証明ヲナ!」ギュオンッ!


クワトロ「……っ? 今さら距離を取った…………(ゾワッ)っ!?」

雷「な……何、この感じ…………! タイラントに、悪意が集まって……!」




タイラント棲鬼「SEジェネレータ、全基フルドライブ……! ククク……サア、食イ尽クセタイラント……! ミノフスキー粒子ヲ……『意思ト命ノ光』ヲ喰ライ、『虚無ト死ノ闇』ヲ撒キ散ラセ!」


ギュオオオオオオオォォォォォォ……ッ!!


港湾「ウ……ウウ……ッ! タウ・リン……!」


――――争いを……!

――――人の世に更なる戦乱を……!

――――憎悪に満ちた世界を……!



タイラント棲鬼「…………黙レ亡霊ドモ! 貴様ラハ死者ダ……力ダケ寄越セバイイ! 世界ヲドウスルカ決メルノハ、生者タル俺ダ! オトナシク…………!」


――――っ!?!?


タイラント棲鬼「喰ワレロォォォォォォォォッ!」


ギュオオオオオオオォォォォォォ……ッ!!




クワトロ「ぐ、うう……っ! 奴め、あんなものを地上に向けて撃つつもりか! コロニー落とし以上の被害が出るぞ!」

雷「と、止めなきゃ……! でも……」

クワトロ「…………雷、ゾーリンソールの最終リミッターを外してくれ」

雷「っ! それは……」

クワトロ「最初にデストロイモードを発動させた時の、魂を引っ張られる感覚がなかった……雷が、リミッターを付けてくれたのだろう?」

雷「……うん。だって……あれは強力過ぎるのもあるけど……大尉が、居なくなっちゃう気がしたから……ごめんなさい」

クワトロ「いいさ。私の為を思っての事なのだから……だが、今はそれを外す時だ…………大丈夫、私は雷を置いて行きはしないよ。雷がいなければ決心がつかなかった、情けない男だからな……側に居てくれなくては、困る」

雷「大尉……! うん! ゾーリンソール……やるわよ!」


雷「最終リミッター……解除!」

クワトロ「目覚めろ! ゾーリンソール!」



フィィィイイイイイイィィィィィィィィ……!

ゾーリンソール(フェイスオープン)「っ!」ガキャァァンッ!!



【UC????? 正歴世界】


ザザッ……!


ロラン「また、黒歴史の画像が変わって……!」

ギンガナム「緑に輝く、黄金の機械人形と……赤く輝く、漆黒の機械人ぎ……いや、あれは……生命体か!?」


∀ガンダム「」ヒュイィィィィ……!

ターンX「」ヒュイィィィィ……!

ロラン「っ!? ∀が反応して……? 新しい、データ?」

ギンガナム「深海棲艦……? 艦娘……? ええい、何だこれは!」


ザザッ……ザザザッ……!


ロラン「また、画像が……っ! 赤い、巨人!?」

ギンガナム「コンパネが文字で埋まるだと!? Ι、Δ……」




ロラン「Ι・Δ・Ε・Ο・Ν……イデ、オン……?」



【UC0087】

>ジュピトリス 艦内


シロッコ(もう少しだ……もう少しで、完成する……これなら、相手がいかなるMSだろうと……)


――――ザワリ


シロッコ「っ!? この、プレッシャーは……シャアか! 違う……? なんだ……何だこの悪意に満ちた意思は!?」


ヴォン……ヴォン……


シロッコ「機体が反応している……? このプレッシャーが貴様の相手だと言いたいのか? いいだろう、完成を急ぎ……すぐに戦わせてやろう」


《THE・Oを中心に建造されている巨大MA》


シロッコ「待っていろ……『ネオ・THE・O』よ」


《クリスタルゲージの表示『|||』》

100メガショックなのか



>戦闘空域


タイラント棲鬼「ククク……感ジルゾ、貴様ノ機体ノ力ヲ……ソウダ! 俺ハソレヲ待ッテイタ! サア見セテミロ、貴様ノ全力ヲ……コノ俺ヲ超エル存在カ否カヲ!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!


クワトロ「……マルチライフル、ロング・バスターモード!」ガキャァン!


《バレルを伸ばしたランチャーを両手で構えるゾーリンソール》


クワトロ「ロング・バスターモードは威力を重視したあまり他の性能が全く考慮されていない……照準は私がつける。雷はエネルギーフィードバックに気をつけてくれ!」

雷「了解! イレーザーエンジン、ダイレクトコネクト……ソードブレイカー展開、システム雷、『トールハンマー・ストライク』セット! タイミングを私に、トリガーを大尉に!」


キュイィィィィィィィィィィィィ……!!


タイラント棲鬼「SEジェネレーターニヨリ、ミノフスキー粒子ヲ対消滅サセタエネルギーハ、アラユル物質ト反応シ、無限ニエネルギー化サセル……耐エラレナクバ、地球モロトモ宇宙ノ塵トナルマデ!」


クワトロ「『トールハンマー・ストライク』!」
タイラント棲鬼「『SEリアクターカノン』!」



「「シュートォォォォォォォォォ――――ッッ!!」」




ドゴォォォォォォォォォォォォォッ!!

ズゴォォォォォォォォォォォォォッ!!



 




ギュオォォォォォォォォォォォォォォォ……ッ!!


《中間地点で拮抗するエネルギーの奔流》


クワトロ「ぐ……ぐぐ……!」

タイラント棲鬼「ヌウウ……!」


雷「くうう……っ! もっと、大尉に力を……っ!」

港湾「……タウ・リン……ッ!」


――――ガクンッ


クワトロ「っ! 圧される……っ!?」

タイラント棲鬼「ククク……機体ノ差ガ出タラシイナ……再生可能ナタイラントト、不可能ナソノ機体……サッキマデノダメージガ、響イテ来タワケダ」

クワトロ「くっ……!」

雷「そんな……っ!」




ゾーリンソール「……っ!?」キィィィィィィ……!


――――裁きを


クワトロ「っ!?」

雷「何!? この声……?」


――――円環を絶つ者に、報いを

――――終焉は、我らの手によりてのみ

――――審判を逃れることなかれ


クワトロ「ゾーリンソールの出力が上がって……?」

雷「この声が、そうしてるの……?」


タイラント棲鬼「チッ……俺ノ力ヲ嗅ギ付ケテ現レタカ『無限力』メ! ダガ丁度イイ……シャアヲ『器』ニスルナラ、マトメテ消シ飛バシテクレル!」


――――愚か。

――――人は我らの管理より外れるを許さず

――――さあ……我らの力にて、奴に裁きを……!





クワトロ「……断る!」


――――っ!?



クワトロ「何者かは知らんが……我々人間を下に見るその態度……気に食わん! そのような助力、必要ない!」

雷「そうよ! 確かにタウ・リンは敵だけど……管理とか裁きとか、何様よあんたたち!」


――――愚か

――――ならば、汝の意思など関係ない

――――『器』となるべし

ズズ……ズズズズ……ッ!


クワトロ「っ!! ぐ……がぁぁぁぁぁぁっ!」

雷「大尉っ!!」


ゾーリンソール「っ!」ギカァンッ!


ヒュイイイイィィィィィィィィ……!

バシィィィィンッ!!


――――っ!?!?

――――馬鹿、な……お前は、我らと同等だと言うのか……っ!?





クワトロ「――っ! 声が、消えた……」

雷「大尉! 大丈夫なの!?」

クワトロ「ああ……ゾーリンソール、お前が助けてくれたのか……ありがとう」

ゾーリンソール「」ヴォン


雷「出力が、更に上がってる……これなら!」

クワトロ「ああ……このまま、二発目だ!」


ゾーリンソール「」ギカァンッ!!


タイラント棲鬼「ッ! 『無限力』ヲ、退ケタ……ッ! ハハ……ハハハハハハッ! ソウカ! 貴様モ俺ト同ジ領域ニ立ッタカ、シャア! ソレモ『人』ノママニ! ハハハハハハハハッ! ナラバソノ『力』……見セテミロォォォォォォッ!!」


ドッ……ゴォォォォォォォォォォッッ!!


雷「っ! 大尉!」

クワトロ「行くぞ雷! トールハンマー・ストライク……」


クワトロ/雷「「ダブル・ファイアァァァァァァ――――ッッ!!」」





ズオッ……ドゴォォォォォォォォォォッッ!!



>アーガマ 艦内


カミーユ「ぐっ……さっきから、何なんだ……深海棲艦と、それ以外のプレッシャーが滅茶苦茶に襲って来る…………こうなったら、無理してでもクワトロ大尉の援護に……」



――――ズズゥ………ンッ!



カミーユ「っ! 何の揺れだ!? えっ……? プレッシャーが、消え…………クワトロ大尉!?」


>ブリッジ


ブライト「ぐうっ……っ!? 身体が、動く……決着が付いたのか……状況知らせ! 今の爆発は!?」

トーレス「う、うう……記録映像出します。こいつは……砲撃のエネルギー相殺による爆発の模様! また、余波でガトー大尉の機体がこちらに流れて来ています! 通信によると、意識不明の模様!」

ブライト「収容急げ! アムロと、クワトロ大尉は!?」

トーレス「ま、待って下さい……くそっ、ノイズがまだ…………っ! クワトロ機、信号キャッチ! ですが……大気圏に落下中です! アストナージから聞いた話では、新型は大気圏突入及び離脱が可能とのことなので、大丈夫かと……ただ、通信はまだ繋がりません」

ブライト「アムロは!? まさか……!」

トーレス「……っ! アウドムラより通信! アムロ大尉を無事収容したとのことです!」

ブライト「ふう……驚かせるな、アムロめ……なら、大尉が地上に付いてから、改めて連絡になるな……敵機はどうだ?」

トーレス「反応、ありません……が、爆発も確認されていません」

ブライト「……また来る可能性は大、か。やれやれ……」


プシュン


カミーユ「ブライト艦長! クワトロ大尉は……!」
ブライト「カミーユか……大丈夫だ、無事を確認したよ」

カミーユ「そうですか……良かった……じゃあ、ガトー大尉や、アムロ大尉も」
ブライト「ああ……だが、ガトー大尉は危ないらしい。収容を急がせた」

カミーユ「っ! そんな……! くそっ! 俺が出られたら……!」

ブライト「意気込みは認めるが、あまり気負うな。焦りは自分を殺すぞ」

カミーユ「はい……すいません」

ブライト「それでいい。各員、警戒しつつ収容急げよ!」




>衛星軌道上


タイラントソード(損傷)「」バチバチバチ……


港湾「……リン! タウ・リン!」

タウ・リン「ぐ……くっ……俺は…………ここ、は……?」

港湾「地球カラ、離レタトコロ……コロニー?ガ見エル……」

タウ・リン「そう、か……そんな所まで、吹き飛ばされたか…………クク……ククク……ハハハハハハッ!」

港湾「タウ・リン……?」

タウ・リン「確信した……俺はシャアに勝てん! そうだ……『無限力』を拒絶し、俺の『怨念の力』すら上回った奴にはもう、誰も勝つことが出来んのだ! 奴なら……奴なら、人類に終焉をもたらす事が出来る! シャア! お前こそ、歴史の最後の1ページだ! ハハ……ハハハハハハハハッ!」

港湾「タウ・リン…………アナタハ……」


ピーッピーッ


眼鏡(通信)『タウ・リン! 無事か!?』

タウ・リン「お前か……ああ、生きてるよ……ククク」

眼鏡『……その様子だと、別プランの目処が付いたらしいな』

タウ・リン「ああ、上々だよ……それで、そっちは?」

眼鏡『『ゼファー』の解析が終了した。これで『ヴォルテール』と『ファントム』が使える』

タウ・リン「そうか……『アウーラ』は?」

眼鏡『80%……出撃はもう可能だ。だから、出来ればメインのプランで進めてもらいたいな、タウ・リン?』

タウ・リン「ククク……まあ、状況次第さ」






タウ・リン「見ていろ…………この地球(ほし)の蒼さが永遠では無い事を、全人類に教えてやる……っ!」



>大気圏内


ゴォォォォォォォォォォ


クワトロ「くうっ! エネルギーを使い過ぎたか……テスラ・ドライブでの減速が足りん! バリアで摩擦熱を受けないだけマシだが……」

雷「この角度のままだと……北米に落ちちゃうみたい」

クワトロ「逆戻りか……やれやれ」

雷「大丈夫よ。エネルギーが溜まったら、また飛んで上がればいいじゃない」

クワトロ「……まあ、それもそうか」

雷「ふふ、大尉はいつも、難しく考え過ぎなんだって……ば…………」ユラユラ

クワトロ「……雷?」

雷「あ、れ……? なんか…………ボーッと……す……る…………」ガクリ

クワトロ「雷っ! っ!? すごい熱だ……先ほどの戦闘の負担か……くそっ!」

雷「ハァ…………ハァ…………」

クワトロ(サイコミュを使わせ過ぎたのだ……! 雷は私と感応可能ではあっても、ニュータイプではない……ソードブレイカーを操ればそれが負担となって……!)

クワトロ「とにかく、休める場所に……! ゾーリンソール! 戦闘の後で無茶を言うが……雷が危険なんだ! 頼む!」


ゾーリンソール「」ヴォン


ヒュイイイイイイィィィィィィ……!


クワトロ「出力が戻った……! すまん、ゾーリンソール! 雷……もう少しだ、待っていろ……!」



ギュウンッ!

今回はここまで。
だいぶオリジナル要素が強くなって来たので、破綻しないよう気を付けつつ進めたいです……頑張ります。

では。

>>798
ええ、機体はガチですが名前は完全にネタです。
カタカナだとそのままになるんでアルファベットで誤魔化しました。

いきます。

※※※※※※


>北米 とある大病院


女医「……よし、これでもう大丈夫よ」

子供「せんせー、ありがと!」

母親「ありがとうございました」

女医「いいえ……お大事に」

子供「バイバーイ」パタパタ

「先生、そろそろ交代の時間です」

女医「ありがとう。それじゃ一休みしようかしら……」


ゴォォォォォォォォォォ……


女医「……? 何の音……っ! MS!? 病院の前に直接乗り付けるなんて何を考えてるの!」ダッ

「先生!?」




モビルスーツダー
キンピカー


ゾーリンソール「」ガシュンッ


クワトロ「いささか強引になってしまったが……やむを得んと思うしかない! 雷、病院に着いたぞ!」

雷(お姫様抱っこ)「ん…………ハァ…………ハァ…………」

クワトロ「雷……っ!」


女医「そこの貴方! 病院にMSで乗り付けるなんて何を考えているのですか! ここには他にも多くの患者の方々が居るのに……悪影響があったらどうするんです!」

クワトロ「無礼であったことは理解している。だが、急患なのだ! 直ぐに診て…………っ!?」



クワトロ「アルテイシア……ッ!」

セイラ(女医)「っ!? キャスバル、兄さん……っ!」



クワトロ「何故、ここに……いや、今はどうでもいい! この子を診てやってくれ!」

雷「ハァ…………ハァ…………」

セイラ「凄い熱……! 一体この子に何が! いえ……後回しね。急患よ、部屋を空けて! 点滴と、解熱剤も!」


 

北爪版設定か



数十分後……


>病室


雷(眠り)「すぅ……すぅ……」

クワトロ「……熱も下がって、呼吸も落ち着いたか……良かった」

セイラ「疲労から来る発熱ね……処置が早かったから、大事は無いと思うわ」

クワトロ「そうか……素人目から見てもいい手際だったよ。ありがとう、アルテイシア」

セイラ「………………っ兄さんからそんなに素直な言葉が出るとは思わなかったわ」

クワトロ「酷いな。私とて感謝すれば礼ぐらい言うさ…………医者に、成れたのだな。おめでとう」

セイラ「…………ありがとう。質問……いいかしら? 何故、あの子をMSで運ぶような事態に?」

クワトロ「うむ……『艦娘』に関する発表を見たことは?」

セイラ「アングラの? 少しなら……まさか、その子が!?」

クワトロ「そうだ……私はこの子の……雷の力を借りて戦っていた…………だが、その度重なる戦闘の負担が、こんな形で……」


――――パシンッ


セイラ「……そんな幼い子供を戦いの矢面に立たせて! 恥ずかしいと思わないのですか!」ギリッ

クワトロ「…………耳が痛い言葉だな…………そうだな……私にもっと力があれば……雷を、戦わせる必要など無いのに…………」ツウッ……

セイラ「え? あ……」

クワトロ「ここまで自分を情けないと……感じたことは無い……っ! すまん……すまん、雷……っ!」ポタリ ポタリ


スッ……


クワトロ「っ! 雷、起きて……」

雷「…………泣かないで……大尉…………私は、平気よ……大尉の役に立ちたいから……大尉に頼ってもらいたいから………………私が、大尉のこと、大好きだから…………だから、頑張れるの」

クワトロ「雷……」

雷「大丈夫……すぐ、元気になって……また、大尉と一緒に………………すぅ……すぅ…………」

クワトロ「……ああ。ありがとう、雷……それまで、ゆっくりお休み……」ナデナデ


セイラ「………………っ」ガタリ

クワトロ「アルテイシア?」

セイラ「薬が効いているから、もうしばらく眠っていると思うわ……私、他にも仕事があるから」

クワトロ「あ、ああ……苦労をかけて、すまなかった。仕事、頑張るんだぞ」

セイラ「……っ! 兄さんに言われるまでもないわ!」バタンッ





セイラ(涙も、弱音も……兄さんは誰にも見せたことなんてなかった……! なのに……っ! あの子が……あの子が兄さんを変えたって言うの……? 誰にも心を開かなかった兄さんを……? なら……!)


ポタリ ポタリ


セイラ(私は……妹の私は、兄さんにとって何だったのよ…………っ!)



「先生? 顔色が優れないみたいですが……大丈夫ですか?」

セイラ「そう、ね……あまり、良くは無いと思う…………早めに、上がらせてもらうわ」

「お疲れ様です」



セイラ「ふぅ……」

セイラ(……何を今更落ち込んでるのかしら……兄さんとは、ア・バオア・クーで決別したじゃない……気にする必要、なんて…………)


クワトロ「アルテイシア」

セイラ「っ! な……何かしら」

クワトロ「少し、話がしたい……構わないか?」

セイラ「え……ええ」


>中庭


マテマテ-
ワーイ


クワトロ「子供たちが多いな……もしや、孤児院も兼ねているのか?」

セイラ「そうよ。兄さんから貰った金塊や、マス家の遺産……それで基金を立ち上げて……戦争被害者の保護や救済を行っているの。この病院もその一つよ」

クワトロ「そうか……お前も戦っているのだな……父、ジオンの影と」

セイラ「……見て見ぬふりをするには……私たちは、業が深すぎるわ」

クワトロ「そうだな……」

セイラ「兄さんは……今、何を? MSに乗って来たなら、また戦っているのでしょうけど……」

クワトロ「……惰性でエゥーゴに居た……が、私は……そろそろ、父の幻影と決着をつけようと思っている」

セイラ「…………出来るの?」

クワトロ「わからん。だが……私にしか、出来ん。放置しておくには……物騒な幻影だからな」


セイラ「…………ごめんなさい」

クワトロ「うん?」

セイラ「本当なら……それは、私も背負わなければいけないのに……私は、兄さんだけに…………(ナデナデ)あっ」

クワトロ「そう気に病むな……アルテイシアが背負うには、危険すぎる代物だ。それに……私に、格好ぐらいつけさせてくれ」



クワトロ「私はお前の、兄なのだからな」

セイラ「兄さん…………ありがとう……」

短いですが、今回はこれにて。

では。

>>825
TV版との折衷案っぽくしてみました。
TV版のセイラのリゾート生活見たら、連邦高官嫌いなシャアはブチ切れる気が……

シリアスばかりだったのでしばし日常パートを……
いきます。

※※※※※※


>通信設備


ブライト(通信)『……事情はわかった。ともかく、無事で何よりだ』

クワトロ「雷が回復次第、宇宙に戻りますので……それまで、カミーユたちをよろしく頼みます」

ブライト『ああ……こちらこそ、セイラによろしく伝えて欲しい』

クワトロ「了解です、では」


――――プツン


セイラ「兄さん、ブライトに連絡は取れて?」

クワトロ「ああ、お前によろしくと言っていたよ……しかし、よくこんな設備を揃えたものだ」

セイラ「場所が場所ですもの……いつまたコロニーが落ちるかわからないなら、通信設備は整えておかないと」

クワトロ「確かに。おかげで助かったよ」

セイラ「…………本当に人が変わったみたい。前なら『そうなれば通信どころではないが』なんて皮肉の一つもいいそうなのに」

クワトロ「私の性格が悪いと言いたいのか?」

セイラ「誉めてるのよ、性格が良くなったって……ふふっ」

クワトロ「むう……ところで、雷の容態は?」

セイラ「無理しなければ多少動いても大丈夫だけど……」

クワトロ「……駄目だな。あの子は動き出したが最後、自分が倒れるまで人の世話を焼きたがる。縛りつけてでもベッドに寝かせておくべきだ」

セイラ「そう思って、絶対安静だと本人に伝えておいたわ」

クワトロ「いい判断だ」グッ

セイラ「任せて」グッ



>病室


雷「う~、寝たきりなんて退屈……」

クワトロ「体調が戻るまでの辛抱だ。ほら、リンゴを切ってきたから、食べるといい」

雷「は~い……あっ、ちゃんとウサギさんに切ってある」

クワトロ「昔、アルテイシアにせがまれてな……綺麗に切れるまで練習したものさ。なあ?」チラリ

セイラ「そ、そうだったかしら?」メソラシ

雷「そうなんだ……あと、確かシャンプーもお願いしてたのよね」

セイラ「兄さん!? そんなことまで話したの!?」

クワトロ「いいじゃないか、昔の話だ……なんなら、また洗髪とヘアセットまでやってやるが?」

セイラ「結構です!」

雷「あはは、仲いいんだ」

クワトロ「最近、ようやくかな……ほら、話していたらリンゴが温くなるぞ」

雷「うん…………あのね、大尉……食べさせてもらっても……いい?」

クワトロ「ああ、構わんよ。口を開けて」

雷「あ~ん……(モグモグ)……えへへ、おいしい」

クワトロ「まだ食べるか?」

雷「うん!」


カシャリ


クワトロ「……何をしている、アルテイシア」

セイラ(記録端末構え)「……いえ、ぜひ記録に残しておかなくては、と」

クワトロ「何の為だ」

セイラ「色々と」

クワトロ「目を見て話せ」サッ

セイラ「私の勝手です」ササッ


ナゼニゲル
ニゲテマセン



雷「……ふふっ、仲直りできて良かったね、大尉」



>中庭


セイラ「兄さん。とりあえず、このMSを何とかして下さい。邪魔な上に、金色で目立って仕方ありません」


キンピカー
カッコイイー


セイラ「……子供たちも興奮して、はしゃぎっぱなしで……治療中の子には毒です」

クワトロ「うむ……緊急とは言え、すまなかった。どこか隠せそうな場所はあるか?」

セイラ「大型車両の駐車場なら、何とか」

クワトロ「わかった。ほら、動かすから退いてくれ」

ハーイ


ゾーリンソール「」ガッ……キュオン


ガシュン ガシュン


ウゴイター
スッゲー


クワトロ「このまま車庫に入れればいいか?」

セイラ「ええ……天井は傷つけないで下さいね」

クワトロ「まあ、やってみるさ」



数分後……



ゾーリンソール(体育座り)「」チョコン



クワトロ「ふむ、こんなところか」

セイラ(何故かしら……方法としては正しいはずなのに、何か、ギャップが……)



>アーガマ 艦内


ブライト「……ということだ。我々は月で体勢を整えるが、次に出立する頃には合流できるだろう」

カミーユ「そうですか……良かった」

ブライト「それまで、ティターンズや深海棲艦が大人しくしていればいいのだが、な……」


バタバタバタ!


夕立改二「ぽいぽいぽいぽいぃぃ~~っ!」ダダダダ!

カミーユ「な、何だ!?」

北方「カミーユ、夕立ナントカシテ!」

カミーユ「北方? 一体何が……」


>医務室


ガトー(ベッドに縛りつけられ)「夕立! ここまでしなくとも私は無事だ!」ガタンガタン

夕立改二「駄目っぽい! 少佐さんはあんなに血をいっぱい出したんだから絶対安静っぽい! その間夕立がお世話するっぽい!」フシュー

間宮「あの、夕立ちゃん? 看病なら私がやっても……」

夕立改二(涙目)「うう~~っ!」←ガトーにしがみつき

間宮「……お、お任せしたほうがいいみたいね」

ガトー(……夕立の力が強くて痛いのだが……黙っていたほうがよさそうだ)

夕立改二「ごはんも持ってきたっぽい! 少佐さん、どんどん食べて元気になるっぽい!」

ガトー「わかったから口に押し込むな!」

夕立「次は着替えと……あっ! プルトニウスも整備しておくっぽい!」ダダダダ


フォウ「まるで嵐ね……」

ロザミア「お兄ちゃん……大丈夫?」

ガトー「……吐血とは別な理由で大丈夫ではない……」グッタリ


北方「ズットアンナ感ジ、迷惑」!カスンプ

カミーユ「あー……まあ、ガトー大尉を思っての行動なんだし……」



夕立改二「暇そうな人発見っぽい! 整備手伝うっぽい!」

トーレス「いや、俺はメシを食いに……」

カツ「僕は整備マニュアルの勉強を……」

夕立改二「いいから来るっぽい! でないとトーレスはトーストに、カツはカツにするっぽい!」

トーレス/カツ「「酷ぇ!!」」



カミーユ「……何故だろう、セリフをパクられたような」

北方「?」

今回はここまで。

では。

>>847
夕立改二が一部夕立になってましたが間違い。
夕立は夕立改二に変身しっぱなしです。

今日は休憩します……
申し訳ない。

ちょっと煮詰まってます……もうしばらくお待ちを。

ここくらいカツ氏ねのくだりがなくてもいいと思うけどな


だめか>>1もカツ氏ね派閥や

お待たせして申し訳ない。いきます。

※※※※※※


>病院

雷「………………はぅ」グッタリ

セイラ「えっと……雷ちゃん?」

雷「大尉のお世話したいお世話したいお世話したいお世話したいお世話したい…………ケーキ作ってあげたい髪型整えてあげたいゾーリンソール整備してあげたい皺になった襟直してあげたい洗濯物ちゃんと洗ってるか確認したいご飯あーんってしてあげたい……お世話お世話お世話……大尉に頼ってほしい……」ハイライトナシ

セイラ「重症だわ……」


ガチャ


クワトロ「雷、制服が洗い終わったぞ。いつまでも病院服じゃ気も滅入るだろう」

雷「…………あぅぅ……嬉しいけど違うの~! 私は大尉のお世話したいの~!」イヤイヤ

クワトロ「むう……そう言われてもな……」

セイラ「(ピキィィィン)っ! …………兄さん、最近耳掃除とかしてないですよね?」

クワトロ「は? 唐突に何を……」

セイラ「してないですよね、ええ、そうに決まってます! おっと、丁度いい具合にここに耳掻きが」テレッテレー

クワトロ「待て。なんだその三文芝居は」

セイラ「ああ、でも私はこれから他に仕事が……と言うわけで雷ちゃん、兄さんの耳掻きをしてあげてください」

雷「っ! 任せて!」キラキラキラキラ

セイラ「では兄さん、ごゆっくり」シュタッ

クワトロ「待てアルテイシア!?」

雷「さあ大尉、耳掻きしてあげるから頭お膝に置いて!」ニコニコ

クワトロ「………………お願い、するか」




セイラ「……ふう。かなりわざとらしいけど、何とかなったわね」

セイラ(雷と兄さん……か。もしあの二人が『そういう関係』になったとなら、兄さんはロリコンってことになるけど……)

【セイラ脳内選択肢】

A ロリコンだが優しく頼りになる兄

B ロリコンではないが非情で鬼子な兄


セイラ(……『A』ね。雷ちゃんには兄さんのストッパーになって貰いましょう。お互い、まんざらでもないようだし)

セイラ「…………筋弛緩薬と排卵誘発剤って在庫あったかしら」




クワトロ「(ピキィィィン)っ!? 何か今恐ろしい予感が脳裏をよぎったのだが!?」

雷「大尉、動いちゃダメよ? ほら、キレイになったわ。あとは残りを吹き散らして……ふ~っ」

クワトロ「うっ……」ゾクゾクッ

雷「はい、今度は反対側よ♪」

クワトロ「う、うむ……」



>アーガマ 艦内


ロザミア「お兄ちゃん、もう身体は大丈夫なの?」

ガトー「ああ……何とかな」

夕立「元気になって良かったっぽい!」

ガトー「お前は妙な方向に張り切り過ぎだ、馬鹿者」コツンッ

夕立「あいたっ。あう……ごめんなさいっぽい……」

ガトー「……だが、心配してくれたことは感謝する。もう少し、落ち着いた行動ならなおよかったがな」ナデナデ

夕立「あっ……えへへへ……少佐さんの手、あったかいっぽい……♪」

ロザミア「ふふ……よかったね、夕立ちゃん」

夕立「ぽい!」




カミーユ「ガトー大尉、もう回復したんだ……凄いな」

フォウ「船医さんが、強化人間並みの回復力だって……私やロザミアも、あんなに吐血したらしばらくは動け無いと思うんだけど……」

カミーユ「うーん……艦娘の強化の影響、かな? 夕立は改二になったりして、なんかそういう強化の力が強そうだし」



>ブリッジ


ブライト「ひとまずフォン・ブラウンには無事入港できそうだな」

サエグサ「そうですね……先日の戦闘ではすいません、俺、気絶しちゃって……」

ブライト「仕方ないさ。クワトロ大尉とガトー大尉、さらにアムロも加えた三人係りで苦戦する相手……それが深海棲艦になって襲って来たんだ、気絶で済んで幸いと言うところだろう」

サエグサ「うへぇ……一歩間違えたらそのままお陀仏だったってことですか。おっかねえ……」


プシュー


北方「ムー、ウマクススメナイ……宇宙、面白イケド不便」フワフワ

ブライト「ん、君は……北方棲姫だったか。何かブリッジに用かな?」

北方「艦長サン、ゴハン持ッテキタ!」

ブライト「もうそんな時間か。わざわざありがとう」

北方「ン!」

サエグサ「……深海棲艦ですよね? なんで平然としてるんです? それもこんな子供が……」

ブライト「ヘンケン中佐からの引き継ぎで対話可能な深海棲艦に関しては書いてあったろう? それに子供が艦に居るのはホワイトベースで慣れている。それに、他の艦娘たちも似たようなものだろう」

サエグサ「……伝説の艦長はやっぱ大物って言うかなんと言うか」

ブライト「そんな大層なものじゃないさ。ただの慣れだ」


北方「アレ? ホッポガ座レル椅子ガアル」

ブライト「それは雷が使っていた椅子だな。アーガマでの戦闘時に座っていたらしい」

北方「ホッポモ座ル! ……ン? 声、スル……アーガマ? ホッポハホッポダヨ」

ブライト「君もアーガマと話せるのか」

北方「ウン! ブライト艦長、大切ニ使ッテクレルカラ嬉シイッテ言ッテル!」

ブライト「そ、そうか……何やら、照れくさいな」

ひとまずここまで。
昼頃には続きを書きたい……頑張ります。


>>859
カツ出すと自分も読者もヘイト溜まるから出したく(書きたく)ないってだけなんですけどね……

つーかどうすりゃ綺麗になるんよ、カツって。悩ましい。

いきます

※※※※※※


>アレキサンドリア 艦内

ジャミトフ(通信)『……儂が何を言いたいか、言わずとも解るな? ホンコンの被害と、その対応……ずいぶんと骨を折らされた』

バスク「ぐっ……だが、各地での反政府活動は事前に鎮圧した!」

ジャミトフ『当たり前だ、そのためのティターンズだぞ。奴らの反乱を赦していたなら、貴様は銃殺処分だ』

バスク「前線に出ない人間が勝手なことを!」

ジャミトフ『ならば貴様に後方支援やロビー活動が出来るとでも? そんな台詞は前線を保たせてから言ってくれ……宇宙ではエゥーゴにかなり勢力を奪われているらしいな? そんなことでは……』

バスク「既に新しい戦力の目処はついている! 口出しは無用だ!」

ジャミトフ『それなら結構……儂の活動をせいぜい無駄にしてくれるなよ』プツン


バスク「おのれジャミトフめ……! だが、エゥーゴの連中をのさばらせているのも事実……勢力図の書き換えが必要か……」


ピッ


タウ・リン(通信)『おや、また何かありましたかな?』

バスク「ふん……そうでなくば連絡などするか。『数』が欲しい……先の深海化システム、まだ量産の都合は付かぬのか?」

タウ・リン『物が物ですのでね……ですが、数が必要なら無人機が使用可能になりましたので、お譲りしましょうか?』

バスク「ほう……いつ準備出来る?」

タウ・リン『実戦テストの場さえ用意して頂ければ、すぐにも』

バスク「よかろう……サイド6を使え。理由は後でどうにもなる」

タウ・リン『結構。機体は同時期に納品しますので……我々を陽動にでもして貰えれば』

バスク「……気が利くな。ありがたく利用させてもらう」


プツン


バスク「よし……ジャマイカン、居るか!」

ジャマイカン「は……ははっ!」

バスク「周辺の部隊に招集をかけろ! 月を制圧する……第一目標はフォン・ブラウンだ!」



>ヌーベルエゥーゴ 施設

タウ・リン「予想通り容易く食いついたな……ククク」

眼鏡「事前の実戦テストは有難い。こいつにどこまで期待していいか……正直、未知数だからな」

タウ・リン「問題があるのか?」

眼鏡「……『ゼファー』の基幹プログラムに仕掛けられた対人非殺傷プログラムが解除出来ない……戦闘に置いて、パイロットを殺害しかねない行為を避けるようになっているんだ」

タウ・リン「何!? そんなのが使い物になると……!」

眼鏡「落ち着け、『対人』と言っただろう。外部から補助プログラムを載せてやれば……破壊工作や無差別攻撃は可能さ。人間そのものを狙わずとも……人は、殺せる」

タウ・リン「…………ク、ククククク! そういうことか……こいつの開発者もさぞ悔しがるだろうな」

眼鏡「ふふ……開発初期の暴走したバージョン……『TOKYOモデル』の記録を教訓として遺していたのが失策さ。そいつを解析することで、ゼファーは立派な殺人マシーンになった……そしてこいつが暴れることで、恐怖は広まり……更なる深海棲艦が出現する」

タウ・リン「サイド6……中立コロニーであることに胡座をかいたまま、平和のぬるま湯に浸かった奴らがどんな顔をするか楽しみだな……ククク」



>サイド6 リボー・コロニー


「なあアル、新しい講師の先生見たか? スゲー美人だぜ!」

アル「新しい先生……? ああ、そう言えば来てたんだっけ……」

「つまんねー奴だな……まあ、その先生も講義内容がヘンテコだから、先生目当てで参加しても、みんなすぐ止めてるみたいだけど……」

アル「講義内容がヘン……?」

「ああ、確か……『人工知能の軍事利用と、その発展』……だったかな」

アル「っ!? なん、だって……! くっ!」ダッ

「え!? おい、どこ行くんだよー!」


>教室


ガラーン……


エリシア「……はあ、今日も集まらなかったか……仕方ないか、テーマがテーマだし」


バンッ!


エリシア「あら? もしかして、講義を受けに来てくれたの?」

アル「……貴女は! 自分が何をやっているかわかってるんですか! まるで……まるで、戦争を望んでいるみたいに!」

エリシア「あー……やっぱり、そう受け取っちゃうか……あの、誤解させたならごめんなさい。私の研究はそういう目的じゃないの……連邦の監視とかがあるから、他の議題が付けられなかったのもあるけど」

アル「え?」

エリシア「でも、あなたみたいに『戦争は嫌だ』って感じてくれる人がいて良かった……このサイド6の人たちは、他人事のようにしか感じていないみたいだったから…………初めまして、よね? 私はエリシア・ストックウェル」

アル「えっと……アルフレッド・イズルハです」

エリシア「イズルハ君ね。もし良かったら、私の研究室に来てみる? そこでなら、君の誤解も解けると思うけど……」

アル「…………わかりました」





「お、おい。アルの奴があの美人講師を?」
「マジかよ……俺、徹夜で人工知能について調べたのに……」ガックリ



>研究室


エリシア「MSの進歩に伴って、機体を制御するコンピュータにも進歩が求められるというのは解る?」

アル「それは、まあ……性能の上昇や武装の増加……それを人間だけで操るのは無理がある、ということでしょう? それで、テム・レイ博士の学習型コンピュータが採用されて以来、そのデータを使って……」

エリシア「そう。だけどそれに別方向のアプローチをした人がいた……私の恩師、『ワルハマー・T・カインズ』博士……博士は機体の性能を自動制御・自己判断する人工知能を使うことで引き出そうとしたの。私は博士の研究を引き継いで、MS制御のための人工知能を研究しているわ」


エリシア「機体性能を100%引き出されたMS……それがいつか、戦争を止めることを願って」

アル「っ!? そんな馬鹿な! そんな技術が拡散したら、戦争はもっと酷いことに……!」

エリシア「普通なら、ね……でも、博士には一つの理想があったの。

『人の心を理解できる人工知性が生まれたならば、それは人類を救う存在になる』

と言う、ね」


エリシア「……人間は怒りや憎しみで戦ってしまう……そして、戦禍を拡大させ、被害は増大していく……悲しいことだけど」

エリシア「けれど……武器そのもの、この場合はMSに、それを止める知性があったなら? 人の心を理解し、憎しみや悲しみを受け止めた上で、戦争を止めようと、命を救おうとする『意思』が存在したなら?」

アル「それは……けど、そんなものが、本当に……?」

エリシア「……博士は『出来る』と信じていたわ……そして、博士の開発した『ゼファー』も、その思いに応えてくれた…………私は、その意思を受け継ぎたいのよ」


『その目的は達成されていると判断します。Dr.ストックウェル』


アル「っ!? 誰の声だ!?」

エリシア「あら……紹介が遅れちゃったわね。私がイズルハ君に見せたかったのはこの子なの」ピピッ


《モニターに映る『Reon』の文字》


エリシア「ゼファーファントムsysMkII……『Reon』よ」

Reon『初めまして。Mr.イズルハ』

アル「あ、うん……初めまして」



>アーガマ 艦内


アストナージ(通信中)「はあ!? イオタタイプが納入出来ないってのはどういうことです! ティターンズには流してないって……当たり前でしょう! ただでさえタイラントソードが大暴れして……ああ、くそ!」ブツン

カミーユ「アストナージさん? 何が……?」

アストナージ「カミーユか……アナハイムに任せていたイオタタイプのガンダムが連邦に流れた」

カミーユ「イオタタイプ……スペリオル・ガンダムが!?」

アストナージ「連邦に流れたなら、必ずティターンズが接収する……すまん……これで俺たちが技術的優位を保てるか解らなくなった……」

カミーユ「そんな! アストナージさんの責任じゃないでしょう!」

アストナージ「いや……俺が調子こいてガンガン新技術を注ぎ込んだのも原因だ……クワトロ大尉に会わせる顔が無いぜ……ちくしょう!」ガツンッ

カミーユ「アストナージさん……」


アストナージ「……救いがあるとすれば、イオタの操縦も解析も難しいってことと……全オプションを開発したせいで、生産が4機の予定が2機に収まったぐらいか……」

カミーユ「…………搬入先は解るんですか?」

アストナージ「確か……一機はα特務部隊所属の『ペガサスIII』、もう一機は……サイド6の『ストックウェル研究室』だったか」

カミーユ「……折を見て、取り返せればいいんですけどね……気を落とさないで下さい、俺たちは、アストナージさんの整備で助かってるんですから」

アストナージ「……ありがとよ、カミーユ……腐ってても仕方ない。お前さんのZ、完璧に仕上げておくよ」

カミーユ「はい……よろしくお願いします」



>北米 病院


雷「う~~っんっ! 久しぶりの外は気持ちいい!」ノビー

セイラ「まだ無理はしちゃ駄目よ? 身体は頑丈なんでしょうけど、神経に相当負担がかかっていたのだから」

雷「は~い。大尉、ゾーリンソールの調整に……!」

クワトロ「アルテイシアが言ったそばからそれか。ほら、少しは大人しくしているんだ」ヒョイ

雷(抱えられ)「ひゃあ! はーなーしーてー!」ジタバタ



カイ「……相変わらず赤い彗星のシャアとは思えない呑気っぷりだぜ」

セイラ「その声……カイ!? カイ・シデンなの!?」

カイ「よっ、久しぶりだなセイラさんよ……シャアも一緒とは思わなかったがね」

ジャック「ほう……こいつは『当たり』を引いたか?」

セイラ「……あなたは?」

ジャック「これは失礼。俺はジャーナリストのジャック・ウッドワード。カイと一緒に調べものをしている」

クワトロ「……我々に、何を聞きたいと?」

ジャック「ヌーベルエゥーゴからビスト財団に繋がる線……連邦とジオン、その影に潜む闇を」

セイラ「っ!?」

クワトロ「……成る程。して、知ってどうする? ただ白日に曝す程度では……闇は消えはしないぞ」

セイラ「兄さん……?」

ジャック「ああ、だから……根絶やしにしたい。一年戦争のような事態が起きないようにな」

クワトロ「……いいだろう」

雷「大尉……」

クワトロ「大丈夫だ……背負うと、決めたからな。それで、そちらも相応の対価は払ってくれるのだな?」
ジャック「勿論。こちらからの情報提供は当然として、俺の知り合いに放送局局長が居る……あんたの名を出せば、すぐ食いついてくるさ」



>キリマンジャロ基地 スードリ機内


マウアー「凄い権限を貰ったけど……これからどうするの?」

ジェリド「まずは味方を増やす。ティターンズ内のバスクの影響力も削げるし、一石二鳥だ」

マウアー「ジャミトフ閣下から貰った資料……これが役に立つのね」

ジェリド「ああ……出来れば、連邦上層部に繋がる連中も潰すなり何なりしておきたいな。だが、トカゲの尻尾切りで逃げられちゃ閣下の計画が台無しになっちまう。ある程度はティターンズっていう『餌』に食い付かせたままにしておかないと……」

マウアー「……権限を隠して、私達の独走、という事にするのは? 味方になってくれる人たちには……必要な場合以外、秘密にする方向で」

ジェリド「そうなるか……なら、いっそ大っぴらにクーデターを計画してるのを装うのがいいかもな。若手将校の反逆って感じか?」
マウアー「くすっ……若手将校って、自分で言う?」

ジェリド「いいだろ別に……じゃ、まずはどこから行く?」

マウアー「こちらに乗ってきそうなのは……『T3部隊』『BGST』ぐらいかしら……『ペズン教導団』は少し難しいかも」

ジェリド「なるほど……ああ、各地の問題も解決していかないとな……忙しくなるぞ!」





『スードリ、発進します!』

今回はここまで。
ジェリドの活躍はダイジェストっぽくなると思います……申し訳ない(と言うかまともに書いたらそれだけでえらいことに……資料もとんでもない量になる……)

では。

部長(タイラント搭乗)「両津はどこだ!」
中川「ティターンズと戦いに行きました!」

日常編です。
短いですが……いきます。
※※※※※※


>アーガマ 艦内


タコヤキ機「ヴォー」フワフワ

北方「フワフワ、慣レタラオモシロイ」フワフワ

カミーユ「おっ、と……無重力を楽しむのはいいけど、ぶつからないようにな」

北方「ン……アレ?」フワフワ

カミーユ「わぷっ。言ってるそばから…………っ!?」

北方「ゴメーン」フワフワ



フォウ「あら、カミーユ……? どうしたの、硬直して」

カミーユ(ヒモパン……だとっ!? 誰だあんなもの北方に穿かせたのは!? 保護者見つけたらとっちめてやる!)



>ヌーベルエゥーゴ施設


港湾「ッ!? ワ、ワタシノセイジャナイヨ!?」ビクビク

タウ・リン「……いきなり何を言い出すんだお前は」

すいませんが、今日はここまでで……
次スレ貼っておきます。
これからもよろしくお願いします。

では


【Zガンダム×艦これ】雷「大尉、寝癖が」クワトロ「……これが、若さか」【その5】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441634524/)

もう少しこのスレ使います。
日常書けなかった……すいません。

明日には何とか。

いきます。

※※※※※※


>アーガマ 食堂


ブライト「やれやれ、久々にブリッジから解放された……」


ガヤガヤガヤ


ブライト「ん? なにやら賑やかだな」

間宮「あら、艦長さん。厨房、お借りしてます」

ブライト「ああ艦娘の……間宮だったか」

間宮「はい。私、給糧艦ですので……戦闘できない分、お食事でお役に立とうかと」


オカワリー
オレモー
マミヤサンモエー


ブライト「いや、有難いことだ。昔は私も食糧に苦労したからな……夢の中でも『塩が、塩が』とうなされたこともある」

間宮「まあ……でも、大丈夫ですよ。この給糧艦・間宮、食糧の備蓄は万全ですから!」フンス

ブライト「はは、それは頼もしい……オススメは生姜焼き定食? もらおうか」

間宮「はい! アイスクリームもつけておきますね!」



フォウ「ほゎぁ……間宮のアイスクリーム、最高……」←至福の表情

カミーユ「フォウ、トリップし過ぎだろそれ……」


夕立「ドーナツはないっぽい?」

ガトー「贅沢を言うな……うむ、確かにこのアイスは絶品だな」

ロザミア「私、おかわりー」



>アウドムラ 艦内


アムロ「……瑞鳳、どうだディジェは?」

瑞鳳「……駄目ですね。エンジンはともかく、他の部品が負荷がかかりすぎて、もうボロボロです。あんな戦闘の後じゃ、無理もありませんけど」

アムロ「そうか……」

瑞鳳「幸い、Zタイプがカラバに搬入予定ですから、そちらに乗ってもらうことになるかと。エンジンも積み換えて……フィンファングも、ニコイチすれば半分は使えるから……それで……」ブツブツ

アムロ「お、おい瑞鳳?」
瑞鳳「……はっ! す、すいません! つい考え込んじゃって」

アムロ「いいさ、俺も似たようなところはあるしな」

ベルトーチカ「アムロ! 瑞鳳! いつまで整備やってるつもり!」

アムロ「わ、悪い」

瑞鳳「す、すいません」

ベルトーチカ「あーもう……ほら、瑞鳳は鼻の頭に油くっ付けたままにしない! 女は身だしなみが重要なんだから!」ゴシゴシ

瑞鳳「わぷっ。い、痛いですよベルトーチカさん!」

アムロ「……ふふっ。なんだかすっかりお姉さんだな、ベルトーチカ」

ベルトーチカ「この子があんまりにも抜けてるのよ!」

瑞鳳「ひどいです!」

アムロ「ははは」



>アーガマ 艦内


北方(タコヤキライドオン)「ア、ロン毛ト夕立」ポヨンポヨン

夕立「だからロン毛言うなっぽい!」!カスンプ

ガトー「止さんか、私は気にしてない」

夕立「む~……少佐さんが言うなら……」プクー

北方「ヒマ。遊ンデ」クイクイ

ガトー「私か? カミーユやロザミアに頼んだほうが……」

北方「見ツカラナイ」

ガトー「むう……」

夕立「夕立が相手してあげるっぽい! 光栄に思うっぽい!」ムフー

北方「エー……飽キタ」

夕立「……がーんっぽい……」

北方「ロン毛、背高イ。登ル」ヨジヨジ

ガトー「ぬうっ!?」

夕立「あ、ズルイっぽい! 夕立もー!」ヨジヨジ

ガトー「ぬおおおぉぉぉっ!?」




カミーユ「北方ー? どこ行ったー?」

ロザミア「お兄ちゃーん? あ、カミーユくん。お兄ちゃん見なかった?」

カミーユ「いえ。見てな……」



ガトー(二人背負い)「…………まだ降りないのか」

北方「楽シイ!」キャッキャ

夕立「少佐さん、とってもたくましいっぽい!」キャッキャ


カミーユ「……なんでガトー大尉に北方と夕立が背負われてるんだ?」

ロザミア「でも楽しそう。お兄ちゃん、次は私もー!」

今日はここまで。
html依頼出してきます。
それまで自由にどうぞ。

では次スレで。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月26日 (水) 11:04:32   ID: SubZFtDA

今現在も更新中か
気長に楽しみにしときます

2 :  SS好きの774さん   2016年01月22日 (金) 20:18:41   ID: luWum606

シャアが真っ当に幸せになれる…こんな嬉しい事はない…

3 :  SS好きの774さん   2016年06月23日 (木) 22:59:24   ID: BLtUfd3V

面白い!!!シャア、雷&ガトー、夕立等スパロボ参戦早よ!!!

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