八幡「彼女達の青春ラブコメは間違っている」 (18)


 ―――雪ノ下雪乃―――





雪乃「比企谷君。あなたは理性の強い人だと思っていたけれど、私の勘違いだったようね」

八幡「今更強がっても無駄だぞ、雪ノ下。由比ヶ浜はおろか平塚先生も、一色も、誰も来ない」ドン

雪乃「好きにしなさい。自分勝手に欲望を発散すればいいわ。その後、社会的に殺すけれど」

八幡「もうどうだっていいんだよ。雪ノ下」ガバッ

雪乃「んっ……?! んん……」ジュル

八幡「はぁ……お前、色白で冷徹な女の割には口の中は物凄く熱いな」ハァハァ

雪乃「や、やめなさい…………ん……」

雪乃(壁に追い詰められた上に、両腕を上で押さえられて、更に膝を股下に入れられている。これではまともに抵抗ができない)

雪乃(……いえ……抵抗できないのではなく、抵抗しないだけなのかもしれない。比企谷君の深い口付けが、比企谷君の濁った瞳に目を覗き込まれるのが、堪らなく気持ちいい)ゾクゾク

八幡「雪ノ下……お前が好きだ」ギュ



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雪乃(獣のように荒い息をついていて、欲望のままに私を犯してなお、どうしてそんなにも理性の宿った目をしているのかしら。不思議だわ)

雪乃「くっ、ふぅ……んんん!! んっ……」

雪乃(ダメ……。彼の舌が上顎の歯茎や舌の裏を撫でる度に頭の中が真っ白になって何も考えられなくなってしまう)


八幡「大人しいな。もっと抵抗するのかと思っていたが」

雪乃「んんっ、じゅ……ちゅ……ちゅぅ……」

雪乃(彼を拒めない。それどころか……)

雪乃「あっ……もっ、これ以上……んんんんんんんっ!!」ビクッ

八幡「濡れてるな雪ノ下」グイ

雪乃「あっ……あぁ……」ハァハァ

 失いかけていた意識を何とか取り戻した時、雪乃は机の上に運ばれ、寝かされていた。

八幡「行くぞ、雪ノ下」

雪乃「……き、て……ひきがやくん」

雪乃(もう抵抗の意思は消え、心も身体も彼を受け入れたがってしまっている)

雪乃「あっ……くるっ……!」


      ――ガバッ



雪乃「夢…………?」

雪乃(なんて酷い夢なのかしら。よりにもよってあの男と致す夢なんて……それも、無理やり)

雪乃「…………っ?!」バッ

雪乃「濡れてる……」

雪乃(厄日だわ)



 こうして雪ノ下雪乃は、最後まで見たかったという心の声を振り払う。


  ――一色いろは――




いろは「ちょっと先輩、どうしたんですかこんなひと気のない場所に呼び出して」

いろは「もしかしてひと気のない所で私を襲って手篭めにしようとしてるんですか? まだ心の準備ができてないので無理です、ごめんなさい」

八幡「まだ何も言ってないだろ……」

いろは(先輩のことだから他の人には言い辛い頼み事かなんかだろうなぁ……告白だったら嬉しいのに)

 ダンッ

いろは「えっ?」


 一色は八幡に押し倒され、床に組み敷かれた。


いろは「せ、先輩? これ、しゃれにならないんじゃ」

いろは(まさか本当の本当に?? あの先輩が?)

  


八幡「一色、すまない。だが、もう我慢できそうにない」ギュウ

いろは「先輩? …………あぐっ?!」グッ

いろは(え? なんで私、先輩に首、絞められて)

いろは「くる、し……せんぱい……」

 八幡は一色の首を絞めている両手を喋れる位に緩めたり、窒息しそうなぐらい絞めたりを淡々と繰り返す。

いろは「えふっ……はっ、はっ……」ググ

八幡「綺麗だぞ……一色」

いろは「せんぱ……だ、め……」

いろは(苦しい。今にも意識は失ってしまいそう)

いろは(先輩の顔が近い。もう少しでキスしてしまいそうなくらい)

いろは「あっ、ぐ……」

 一色の口の端からは、止め処なく泡立った涎が零れ落ちていく。
 


八幡「一色」

いろは「んんッ?!…………ふー」

 首を絞めていた手を片方外し、体を支えながら八幡は顔を近づけてキスをした。

 首を絞める手は弱めず、片方の手で一色の髪をわしゃわしゃと乱暴に撫でながら、器用に短いキスを繰り返す。溢れる涎も犬のように舐め取っていく。

いろは「……あっ、だめ……」

 泡立った涎が止まらない。身体の奥が熱い。何も考えられず、苦痛に喘ぐ一色いろは。その顔色は赤く、抵抗する腕は青ざめていた。

いろは「ぁぁぁぁぁぁぁ……ッ!!」ビクビク

 呼吸ができず、熱が篭り続ける。そんな状態で何回も愛しいキスが更に酸素を奪っていく。

 首を絞める手は止まらず、それどころか止めとばかりに力が込められる。

いろは「はっ、はっ、はっ……」ゾク

八幡「いろは」


いろは「~~~~~~~~~~っ!!」ビクビクビク

 


 一色の喉を痛めながら上げる叫び声は、声にならない声となって散った。

 彼女は体を突き抜ける、何かを超越した快感に頭をやられ、何も考えられなくなった。

 八幡の腕に強い痣が残るほど抵抗していた両手はだらりと床に垂れ、ピクリとも動かない。

 ただ涎と涙を流しながら、浅い呼吸を繰り返すのみとなった。


いろは「せ、ん……ぱい……」


 八幡の顔は涙でぼやけ、どのような表情を浮かべているのか知ることはできなかった。


いろは(せんぱい……)

 



     ――ガバッ




いろは「夢…………?」キョロキョロ

いろは「え?」

いろは「濡れてる……」ドンビキ


いろは「先輩に首を絞められる夢で……??」 






いろは「…………え?」







 こうして一色いろはは、奥底に眠る何かを必死に否定する。




   

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