ネロ「3ンテ?」 (61)

――フォルトゥナ、『Devil May Cry』にて


ガチャ……

スタスタスタ……

ネロ「ふぅ……」

わしゃわしゃわしゃ……

ジリリリリリッ!ジリリリリリッ!

銀髪碧眼の青年、ネロが風呂から出てきて、髪を乾かしながらイスへ座ろうとすると、彼を急かすように机の上の電話が鳴る。

ネロ「……」

ネロはイスに座ったあと、勢いよく机を踵で叩く。

ガタンッ!

ヒュルルルルル……

机の上で鳴っていた電話の子機は、その勢いで宙に浮き上がる。そしてそのままネロの手元に吸い込まれるように綺麗に落ちた。

パシッ!

ネロ「……もしもし、デビルメイクライ」

?「ア"ァァ……ア"ァァ……」

ネロの耳に、不気味な何者かの吐息が聞こえてくる。
だが、それは電話越しからではなく、ネロの背後からだった。

ネロ「……ったく」

?「ア"ァァァァァァ!!!!」

その何者か――悪魔は、自身が持っている鎌を彼の背後から首元へと振りかざす。

ネロ「……」クルッ

その瞬間、ネロは椅子を回転させ、悪魔の方へと向く。

グシャアアアアアアア!!!

悪魔「ア"、ア"ァァ……」

肉を貫く音と共に、ネロの首元に届くはずだった鎌が直前で止まる。
悲痛な声を漏らす悪魔の腹部には、ネロの持つ剣――『レッドクイーン』がその身に突き刺さっていた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437664008

ポタッ……ポタッ……

静寂の中、レッドクイーンの刃についた悪魔の血が、少しずつ血が床へと垂れていく音が静かに響く。

ブルルルルゥゥゥゥン……!!

しばらく経つとそれを構わないかのようにネロは悪魔の体にレッドクイーンを突き刺したまま、柄を力強く回す。

悪魔「グバア"ァァァァアア!!!!」

その瞬間、悪魔の体は熱を帯びたように赤く光る。

ブシャァァァァアアアア!!!

そして、壮大な血飛沫と共に悪魔の体が弾けとんだ。

ネロ「……ちっ、せっかくキリエに刃を綺麗に磨いてもらったってのに」

ネロはそう呟くと、レッドクイーンを肩へ掲げ、椅子から立ち上がる。
そして、突然誰かに向かって声をかけた。

ネロ「……出てこいよ、パーティは二人でやるもんじゃないだろ?」

ガシャアアアアアンン!!!

すると、所々のなにもなかったはずの空間がガラスのように割れ、そこから大量の悪魔が噴き出すように現れた。
そしてあっというまに悪魔の群れは、ネロの四方八方を囲んだ。
彼はその光景に圧倒されるわけではなく、ただ静かに口元を緩ませ、笑みを浮かべた。

ネロ「やっぱこうじゃなくちゃな」

ネロは机に置いてあったウォークマンとイヤフォンのセットを手に取る。

ネロ「キリエが買い物から戻ってくるまで、あんたらが仕掛けたパーティを楽しんでやるよ」

そしてウォークマンから音楽を流すと、イヤフォンを耳にセットした。
そのイヤフォンからは、ハードロック調の音楽が音漏れしてシャカシャカと聞こえてくる。

トン、トン、トン……♪

彼はそれに合わせて足でリズムをとる。

ネロ「……来いよ」

ネロはそう呟くと、異様な姿をした右腕――『デビルブリンガー』を一体の悪魔へ向け、人差し指で「来い」と合図をし、挑発した。

悪魔「ア"ァァァァァァ!!!」

挑発された悪魔はその態度に怒るようにネロへと勢いよく向かってきた。
彼はそれに対して体を身構えると、レッドクイーンを床へ突き刺し、そのまま思いっきり柄を回した。

ズガァッ!!

ブルルルルゥゥゥゥン……!!!

そして彼はニヤリと笑うとただ一言、こう叫んだ。

ネロ「……Let's rock!!!」

とりあえず建てだけで終わります。
このssはネロがデビルメイクライ3の時系列で活躍する話で書いていくつもりです。

最初の名前欄の文字化けは気にしないで下さい(^^;

面白そう
期待

向かってきた悪魔はネロへと鎌を振りかざす。

ネロ「焦るなよ、パーティはまだ始まったばかりだぜ?」

ネロはそう言うと、振りかざされた鎌をレッドクイーンで弾き飛ばす。

鎌悪魔「ア"ァ……?」

鎌を吹き飛ばされた悪魔は、情けない声を漏らしその場で立ち止まる。

ネロ「Blast(吹っ飛びな)!!!」

グシャアアアア!!!

ネロはその隙にレッドクイーンを悪魔に突き刺し、そのまま他の悪魔へと放り投げた。

ドガァ!!

鎌悪魔3・4「ア"ウ!!」

バコォォォォォン!!!

仲間をぶつけられた悪魔はそれと共に後ろのドアを突き破り外へと吹き飛ばされる。その中の悪魔の首には、ドアに掛かっていた「close(閉店中)」の看板が垂れ下がっていた。

パシッ!

ネロ「オープニングは派手に行こうぜ!!」

ネロは落ちてきた鎌をキャッチすると、周りの悪魔へと投げる。

ウ"ォンウ"ォンウ"ォン……!!

投げられた鎌はブーメランのように弧を描きながら空中で舞う。

ブシャアブシャアブシャアアアア!!!

周りの悪魔達に投げられた鎌が刺さっていく。

パシッ!

ネロ「ふぅ……」

ブシャァァァァアアアア!!!

ネロが戻ってきた鎌を受け取った瞬間、血飛沫が噴水のように噴き出し、彼を囲むようにそこに血溜まりが出来る。

ネロ「これじゃキリエに怒られるな……」

彼がそう呟いたその刹那、上から腕から翼の生えた他の悪魔が襲ってくる。更に後ろから鎌を振りかざす悪魔がネロを襲う。

翼・鎌悪魔「ア"ァァァァァァ!!!」

ネロ「Huh!!サプライズか?」

ネロはその瞬間、持っていた鎌を後ろの鎌を持った悪魔へ背を向けながら投げ、その手でベルトのホルスターに入っていた彼愛用の銃――『ブルーローズ』を取り出すと、腕を振挙げ翼の生えた悪魔へ弾丸を放つ。

グシャアァァァァ!!

バァン!!

鎌を持った悪魔は鎌が刺さる勢いで吹き飛び、途中で後ろにあった服掛けに当たりながら壁に激突し、床へ倒れる。その体にはネロのコートが着せられていた。

ブシャァァァァ……

カランカラン……

悪魔の血液の雨と共に、ネロの頭上に粉々になった肉が落ちてくる。そのなか弾丸の薬莢もネロの足下に静かに落ちる。
彼は落ちてきた肉を汚そうにパッパッと手で振り払うと、ブルーローズに弾丸を込めながら後ろの悪魔の体に着せられたコートを引っ剥がし、そのまま羽織る。
ネロのその余裕の態度に圧倒されたのか、近くにいた悪魔の群れは一歩ずつ後ずさりをしながらネロを避ける。

ネロ「クソ、血がベタベタして気持ちわりぃな」

ネロはコートに不満を垂れながらも、先程の乱闘で倒れた椅子を蹴る。すると宙に浮いた椅子はくるくると空中で回転しながら、綺麗にもとの場所へ落ち、彼を招くようにネロの方へ向く。それに誘われてか彼はその椅子へ腰を掛け、悪魔の群れがいるほうへと回転させる。

ネロ「まさかこれで終わりじゃないよな?曲はサビにすら入ってないぜ?」

パチパチパチ……

?「……やはり私の思った通りだ」

すると突然、拍手の音と共に正面のドアから一人の男が入ってくる。

名前を打つのを忘れてました

ネロ「……誰だアンタ?連れションなら他へ行きな」

?「用なら先程足し終えたさ」パチンッ

謎の男が指を鳴らすと、周りに居た悪魔達は砂煙と共にたちまち姿を消した。

ネロ「ワオ、消失マジックか……悪魔にしては愉快な芸当を持ってんだな?」

?「フッ……君も悪魔ではないのか、"ネロ"?」

ネロ「……」

ネロ「アンタなにもんだ?」

アーカム「私の名はアーカム……君へ招待状を届けにきたのさ」

ネロ「なんだ?パーティでも開くのか?言っておくけど、悪魔しかいないのなら、お断りだぜ?」

アーカム「大丈夫さ……それ相応の持て成しはするつもりだ」ガサガサ

アーカムと名乗る男は内ポケットから紙を取り出す。そこにはある場所を示す地図が描かれていた。

アーカム「ここへ来い、この場所で君を待っている」

アーカムからその地図を受け取り、ネロはその地図へ目を向ける。

ネロ「ふざけるな、説明も無しに依頼を受けるなんて……」

ネロがそう言いながら顔を上げると、そこにはもうアーカムの姿はなかった。

ネロ「……ったく、悪魔ってのはどいつもこいつもせっかちな奴だな」

キリエ「ネ、ネロ!?これは一体……!」

キリエは買い物から帰ってくるやいなや、外にボロボロで放り出されたドアを見つけると、共に事務所内の状況に驚きを隠せないでいた。

ネロ「ああすまないキリエ、ちょっとはしゃぎすぎた」

キリエ「……悪魔なの?」

ネロ「……ああ」

キリエ「大丈夫なの!?ケガはない!?」

ネロ「重症だ」

キリエ「嘘……どこなの!?今すぐ手当てしないと……!!」

ネロ「ああ、そこの床とか、そこの壁とかかなり重症だな、後で包帯でも巻いといてやれよ」

キリエ「……もう」

ネロ「キリエ、手伝うよ」

キリエ「ありがとうネロ」

キリエは床の血を雑巾で拭き取る中、ネロは工具箱を持って床や壁を直す。

トントントン……

ネロ「そうだ、今夜は少し出掛けるよ」

キリエ「依頼を受けたの?」

ネロ「あー……正確には受けさせられたって感じかな」

キリエ「どんな依頼?」

ネロ「……分からない」

キリエ「……大丈夫なの?」

ネロ「まぁ……危険なのは確かだろうな」

ネロ「それじゃ、そろそろ行くよ、キリエ」

キリエ「あ、ちょっと待って、あの剣を持ってくるから」

キリエはそう言うと、かなり大きなアタッシュケースをずるずると引き摺りながら持ってきた。

キリエ「よいしょっと……!!」

ドォン!!

キリエ「ふぅ……あ、相変わらず重たいね……これ」

ネロ「もしかして、磨いといてくれたのか?」

キリエ「ええ、刃もボロボロになってたから、研いでおいたの」

ネロ「助かるよキリエ……これで仕事が捗る!」

ガチャ!

ネロはアタッシュケースの鍵を開けると、中に入っていたレッドクイーンを勢いよく取り出す。
そしてそのまま床へ突き刺し、柄を回した。

ブルルルルゥゥゥゥン……!!!

ネロ「フッ、いい音だ」

キリエ「……ネロ」

ネロ「なんだキリエ――」

ネロは呼び掛けに答え、キリエの方へ顔を向ける。すると彼女はなにか言いたげな顔で床を指さしていた。

ネロ「……ごめん」

キリエ「あんまりはしゃがないでね」

ネロ「これで許してくれ」

ネロはそう言うと、キリエを抱き寄せて、その唇へとキスをする。

キリエ「んはぁ……も、もう////」

ネロ「ハハ……じゃあ、行ってくる」

キリエ「……気を付けて」

ネロ「ああ」

ガチャ……

バタン!

ネロはそういってキリエに背を向けると、そのまま振り替えることもなく静かにドアを開けて外へ出た。

――スラム13番通り、謎の廃墟前

ネロ「ここか……街中だってのに随分と殺風景な場所だな」

彼はそう呟くと、一人その廃墟へ歩を歩める。

アーカム「待っていたよ……ネロ」

すると、先程の男が廃墟の入口からゆっくりと出てくる。

ネロ「おいアンタ、パーティにしては静かすぎやしないか?」

アーカム「フッ……そう焦るな、会場はここじゃあない……ついてこい」

アーカムはそう言うと、建物の中へと歩いていく。

ネロ「……こりゃ期待出来そうにないな」

二人は周りに散らばる瓦礫を踏み分けながら、建物の奥へと進んでいく。

ネロ「ここは何なんだ?」

アーカム「テメンニグル、人間界と魔界を繋ぐ搭……だったものだ。だが今は破壊されこの通りだがね」

ネロ「何があった?」

アーカム「……じき分かる」

ネロ「フン、随分と秘密の多いオッサンだ」


――テメンニグル廃墟、始まりの回廊跡

ギギギィ…………

ガチャ、ガチャ……

奥の大扉を開けると、そこには広い空間が広がっていた。どこまでも続く螺旋回廊と天井、目の前には大きな時計のような装置があり、所々から歯車の噛み合う大きな音が廃墟内に響く。

ネロ「Huh!!スゲーな、高すぎて首が折れそうだ」

アーカム「始まりの回廊……その名の通り、ここはこれから起こる出来事の始まりを告げる場所となる」

ネロ「じゃあ、パーティ会場はここってことかよ?二人じゃ広すぎて虚しいね」

アーカム「……心配するな、先客がいる」

アーカムはポケットからあるものを取り出す。それは青白い水晶のようなもので、その中では何かが淡く光りながら蠢いている。

ネロ「それは?」

アーカム「『時の結晶』……この時計台の力を取り戻す為に必要な道具だ」

カチャ……

アーカム「……何のつもりだね?」

ネロは怒りの表情を浮かべながら、ブルーローズをアーカムのこめかみへ当てる。

ネロ「いい加減にしろハゲ親父、アンタ何を行うつもりだ?」

アーカムはその言葉を聞くと、ブルーローズのことなど気にしないように、静かに歩き始める。

アーカム「……君は父親に会いたいかね?」

ネロ「……どうゆうことだ?」

アーカム「もし、この水晶を使えば、君の父親に会えると私が言ったら、どうする?」

ネロ「……くだらない嘘はやめるんだな」

アーカム「フン……嘘かどうかはもう関係ないさ」ニヤッ

アーカムはそう言うと、手に持った水晶を掲げ、突然意味不明な呪文を唱え始めた。

ネロ「!?やめろ!!」カチャリ

彼はアーカムへそう叫び、ブルーローズの弾丸を放とうとする。
だがその瞬間、廃墟が大きく揺れ、ネロはバランスを崩す。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

ネロ「クソ……!!」

アーカムは呪文を唱え終わると、水晶は空中で飛散し、建物を謎の青い光で包む。
そして彼はその様子を横目に、ネロを見下ろしながらこう言った。

アーカム「それでは、過去で待っているよ、ネロ」

ネロ「待て!!」

バァン!!

ネロはそう叫ぶと、アーカムに向かって弾丸を放つ。だがそれが彼の身に届く前に、アーカムは謎の青い光に包まれ、どこかへ消えた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

ネロ「くっ……体が重い……!!」

建物が轟音を立てながら揺れる中、ネロの周りにも、また彼と同じように青い光りが輝き、ネロを包む。

ネロ「意識……が……」

バタリ……

彼はそう呟くと、やがて意識を奪われたかのようにその場に倒れた。

シュン……

そしてネロも同じように、その場所から姿を消した。あれほど大きな音をたてて揺れていた廃墟も、やがて何事もなかったかのように静寂が訪れた。

今日はここまでで。
亀更新ですみません。

おつ
3ンテ君のテンション大好き

兄弟対決から親子対決に変わるのか

ネロのデビルトリガーは閻魔刀が必用だけどこのネロは持っているのか?
持っているのなら親子そろって閻魔刀での切り合いになるぞ

>>19

持っています。描写しわすれました(笑)

あまり書けませんが今から再開します

――スラム街のとあるバーにて

女「――スパーダの伝説って、聞いたことあるでしょ?」

ショートヘアの癖のついた黒髪に白いコート、色味の強いサングラスを掛けた周りとは一風違った雰囲気を放つ女性は、店のバーテンと何やら会話をしていた。

女「小さい頃、父がよく聞かせてくれた……昔、一人の悪魔が人間のために戦ったって」

女「そして剣の力を使って魔界を封じ込めた――」

女はカウンターのワイングラスを手に取る。

女「自分の強大すぎる力と一緒にね?」

そして、グラスを少し揺らしながら、中に注がれた赤ワインが渦を描く様を見つめる。

女「信じてなかったわ、おとぎ話だと思ってたの……でも伝説は本当だった、スパーダは実在したの」ゴクッ

彼女はしばらくグラスを揺らした後、その手を止めワインを飲む。

女「んはぁ……どうして分かったか?スパーダの息子に会ったからよ……二人の息子にね?」

女「二人は血を分けた兄弟のはずなのに、殺し合いのような戦いを続けていた」

女「仲の良い兄弟喧嘩のようにも見えたけど、結局――」

コト……

彼女はグラスを静かに置く。女の口紅が付着した淵から一滴、ワインが滴り落ちる。
女はその様子を見つめながら一言、こう言った。

女「――生き残ったのは一人だけ」

ポタッ……

滴り落ちたワインは、そのままカウンターへとゆっくりと落ちる。

――所時間変わり、とある建物の屋外にて。

激しく雨の降る中、対峙する二人の人影があった。
赤と青、二人は対照した色のコートを着ているが、銀髪碧眼、全く同じ顔を持つ二人。
雨の雫を切り裂きながら、激しく刃がぶつかり合う。

ガキィィィィィン……

突如、赤いコートを着た男が持っていた大剣が、青いコートを着た男の持つ刀によって、宙へ吹き飛ばされる。
円を描きながら大剣が宙を舞う。その刃は月光に反射して、対峙する二人の姿を写す。

グサァッ!!

そして、舞っていた大剣が地面へ突き刺さる音と、誰かの肉を貫く音が重なる。
――肉を貫く音、それは、赤いコートを着た男の腹に刀が突き刺さった音だった。

?「はぁ……はぁ……」

?「はぁ……はぁ……」

ザァァァァァァ……

激しい雨の音で刀の刃から血が滴る音は掻き消されるが、頭上の月の光に照らされ、それは美しく深紅に輝く。
二人にとってしばらくの静寂。それを唐突に破ったのは、青いコートの男が刀を肉から引き抜く音だった。

ブシャァァァァアアア!!!

大量に飛び散った血飛沫が月光に照らされる中で、赤いコートの男はゆっくり背中から後ろへと倒れる。

バシャア……

青いコートの男はその様子を見下ろしながら、髪を掻き上げる。そして地面に刺さった大剣を抜き、そのまま赤いコートの男に背を向け歩き出す。
だが、徐に赤いコートの男の手元が生死を伝えるかのようにかすかに動く。
それに気づいたのか、青いコートの男は大剣を彼へ思いきり突き刺そうとする。赤いコートの男の碧い瞳には、その殺気をまとった姿が月の逆光と共に怪しく写った……。

――過去のスラム通り、名もない事務所


ジリリリリリ!!ジリリリリリ!!

ガチャ……

スタスタスタ……

ダンテ「ふぅ……」

わしゃわしゃわしゃ……

銀髪碧眼の青年、ダンテは上半身裸のまま風呂から出てくると、彼を急かすように電話が鳴り響く。
ダンテは髪を乾かしながら、倒れた椅子を蹴りあげる。
クルクルと宙を舞いながら床に綺麗に着地する椅子。
彼はそれに腰かけると、その勢いで机を踵で思いきり叩く。

ガタンッ!

ヒュルルルルル……

机の上で鳴っていた電話の子機は、その勢いで宙に浮き上がり、そのままダンテの手元に吸い込まれるように綺麗に落ちた。

パシッ!

ダンテ「悪いがまだ開店準備中だ」

シュッ……

ガチャリ!

彼は電話の相手に一言そう言うと、そのまま子機を元の場所へ投げ入れた。

ダンテ「……Huh!まだ店の名前も付いてねえってのに、気の早い客もいるもんだな」

ダンテはそう言いながら、机の上の食べかけのピザを頬張る。

――事務所、正面扉前


?「……フッ」

ガチャ……

両目の色の違うオッドアイの謎の男が、事務所のドアを開け静かにその奥へ歩む。

ダンテ「アンタもその口か?」

相変わらずダンテは椅子に座りながらピザを頬張り、それを気にしないかのように彼を迎える。

ダンテ「シャワーを借りたいってんなら勝手にしな、トイレも裏にある」

謎の男――アーカムはその言葉を聞き流し、事務所内のビリヤード台の縁をなぞりながら歩みを進め、閉ざしていた口を開いた。

アーカム「君が――ダンテかね?」

ダンテはその言葉に反応し、男の方へ顔を向ける。

アーカム「……『スパーダの息子』だとか」

ダンテ「どこでそれを聞いた?」

アーカム「――君の兄上から」

謎の男は事務所の机の前で立ち止まると、ダンテが首から引っ提げている銀色のアミュレットを見つめる。中に埋め込まれた赤い宝石に、男の瞳が怪しく写る。
ダンテはその様子を疑わしく思い、男を睨みつける。

アーカム「招待状を渡したいそうだ……是非、受け取って頂きたい」

ガシッ……

アーカムはそう言って事務所の机を掴むと、そのまま上へ放り投げた。

ガタッ!!

ダンテ「ちっ……」

ダンテは机が放り投げられるよりも先に、椅子から飛び上がる。

ガシャアアアンッ!!

スタッ……

ダンテは床へ落ちた机の上へ飛び乗る。
そして、その机の上から弾き飛ばされて落ちてきた愛用の銃――『エボニー』を右手でキャッチする。
指でその銃を回転させると横持ちして構え、店の中へと銃口を向ける。
だが、そこにはもうあの男の姿は無かった。

ダンテ「……Huh、招待状ね?」

ダンテはそう言いながら銃をしまい机から降りると、落ちてきたピザを左手でキャッチする。
そして、そのまま再びピザを頬張ろうとする。

――が、その時だった。

ガシャアアアアアンン!!

グシャグシャグシャア!!!!

周りの空間がガラスのように割れ、鎌を持った大量の悪魔がその鎌を次々にダンテへ突き刺す。
その様子を一体の悪魔が「やった」と言わんばかりにニヤケながら見つめる。が。

ブォン……

ガシャァァアアン!!

その悪魔は誰かの右腕によって吹き飛ばされる。

――その右腕は、ダンテの腕だった。

クルクルクル……

その右手には先程吹き飛ばされた悪魔の頭蓋骨、ドクロがあり、彼はまるでそれをバスケットボールのように人指し指でクルクルと回した。

スタスタスタ……

彼は鎌が刺さったままの体で歩み出す。
大量の悪魔がその様子に恐れをなして鎌を手放す中で、一体だけ手を放さなかった悪魔がダンテの足下を情けなくずるずると引きずられる。
ダンテはそれを気にせず正面に置いてあるジュークボックスへ向かう。

ダンテ「……フンッ!」

バコッ!!

鎌悪魔「ア"ゥ!」

ドガァ!!

いい加減うっとおしく思ったのか彼は左足で悪魔を蹴りあげ、後ろにいた悪魔の群れへぶつける。
そのまま手に持っていたドクロを、背を向けながらその悪魔の群れへ放り投げた。

悪魔達「ア"ァァウウ!!」

悪魔の群れは声を上げ砂煙と共に消える。
彼はそんな声など聞こえていないのか歩みを止めず、床に落ちたピザを1ピースだけ左手で拾い上げる。

やがてジュークボックスの前まで来るとそこで立ち止まり、胸に刺さった鎌の刃を右手で抜いて天井へ向かって投げる。

ガシャンッ!

ドガァ!!

悪魔達「ア"ァウウ!!」

すると天井に備え付けられたシーリングファンが下へ落ち、真下にいた悪魔の群れへ当たる。

ダンテ「フッ……イカれたパーティの始まりか」

ダンテは右手を上に挙げたまま人指し指を立たせる。
そして、ジュークボックスの再生ボタンへと人指し指を降り下ろしながら、彼はこう叫んだ。

ダンテ「……Let's rock!!」

ポチ……

そしてダンテはジュークボックスの再生ボタンを押した。が。

ポチ、ポチポチ……

何回押しても、ジュークボックスは反応しない。
彼はそれに腹が立ったのか、ジュークボックスへ背を向ける。
その瞬間。

ダンテ「……フンッ!!」

ガシャンッ!!

右腕を思いきり振り上げ、そのままジュークボックスに拳を叩きつけた。

カチャ、ウィィィィン……

すると、何かが起動したかのような音がジュークボックスから聞こえたかと思うと、やがてハードロック調の音楽が流れてきた。

ジャジャッジャ♪ジャジャッジャ♪

ダンテはそれに機嫌を取り戻したのか、その曲に合わせて足でリズムを刻む。
そしてそれに合わせて悪魔もゆっくりとダンテへと近づいていく。

鎌悪魔「ア"ァァァァ!!」

そして、鎌を持った悪魔が後ろから襲いかかる。

ダンテ「……ハァッ!!」

グサァ!!

鎌悪魔「ア"ウ!!」

だがダンテはそれに気づいていたのか、左手に持ったピザを口へ挟み、腕に刺さった鎌の刃でその悪魔を突き刺す。

ダンテ「タァ!!」

ブォン!!

ガシャアアンッ!!

そして刃を突き刺したまま向かい側の壁へと放り投げる。
それが戦いの開演の合図だったかのように、ダンテは体に刺さった鎌の刃を駆使し、周りの悪魔をピザを頬張りながらなぎ倒していった。

ダンテ「ハッ!!テヤァ!!フォッホォォォゥ!!」

ダンテは奇声に近い掛け声を発しながら次々と襲いかかる敵を圧倒していく。

鎌悪魔「ア"ァァァァ!!」

その中、一体の悪魔がダンテへ鎌を降り下ろす。彼はその刃を体を反らしながら、再びエボニーを取り出す。
そして指で回転させながら盾のように扱い鎌を防いだ。

バァン!!

そしてそのままその悪魔の眉間にエボニーの銃口を向け、弾丸を放った。

だが、すかさず背後から他の悪魔が鎌を降り下ろしてくる。
ダンテはそれを体を回転させながらジャンプしてよけ、バランスを崩した悪魔の体へと飛び乗る。

ダンテ「C'mon(ついてきな)!!」

彼はそう言って周りの悪魔を挑発すると、床を蹴って飛び乗った悪魔をサーフボードのように滑らせながら、事務所内を暴れまわる。

ダンテ「イェェェェァァァァ!!」

ダンテは興奮して叫びながら、床に落ちていたもうひとつの彼愛用の銃、『アイボリー』を拾う。
彼は飛び乗った悪魔を回転させながら『エボニー&アイボリー』の弾丸を周りの悪魔の群れへ放つ。

バンバンバンバンバン!!!

ダンテ「ヒャァァァホォォォォウ!!」

鎌悪魔「ア"ァウウ!!」

ガシャアアアアアンン!!

群れの中の一体の悪魔がその弾丸で吹き飛ばされ、その体でビリヤード台の足を破壊した。

ダンテ「Bingo(当たりだ)!!」

奇声をあげながら回転するダンテは、その勢いで何体かの悪魔を始末する。
そして、先程吹き飛んだ悪魔で傾いたビリヤード台を使って、下の悪魔と共に空中を飛んだ。
その様子を見ていた悪魔が、ビリヤード台の上に乗ってダンテを後ろから襲おうとする。

ダンテ「ハッハッ――!!」

飛び乗られた鎌悪魔「ア"ァァァァ!!」

ブシャァァァァアアア!!!

だがダンテは下の悪魔を天井に叩きつけて始末すると、そのまま天井を蹴りあげ、ビリヤード台の上へ飛び乗る。
すると、ビリヤード台に乗っていた悪魔はテコの原理で見事に天井へ吹き飛ばされた。
同時に、そのまま床へ降りたダンテの後ろからビリヤードの玉や彼愛用の大剣『リベリオン』が飛んでくる。
ダンテはそれをエボニーで撃ち抜き、ビリヤードの玉を各々弾いて周りの敵へと飛ばす。

ブシャブシャブシャアアア!!

周りで悪魔が倒れていく中、ダンテは攻撃の手を止めず、ビリヤードの玉に弾かれ空中を舞っていたリベリオンをキャッチし、ビリヤード台を真っ二つに切り裂いて、他の悪魔へ蹴り飛ばす。

ドガァ!!

ガシャアアアアアンン!!

ブシャァァァァアアア!!!

様々な音が事務所内を飛び交う。
ダンテは息を整えるためか静かに息を吐き、リベリオンを肩に掲げる。
そして先程と比べ少数の悪魔がダンテを囲む中、彼はニヤリと笑みを浮かべてこう言った。

ダンテ「さて――そろそろ始めるか?」

とりあえずオープニングだけ書きたかったのでここまでで。
全く話が進んでませんが。

読んでくれた方、ありがとうございました。

3のデビルメイクライのダンテがネロに変わるのかと思いきや正規ルートにネロが介入する形か?
だとすればネロでも少々キツいぞ。4以上の謎解き要素と、約20年前とは言え4でも圧倒的だったダンテとバージルを相手することになるんだから。
いやでもネロがいれば3の最後を覆せるかも……

再開します


――スラム通り、とある図書館


青いコートの男「……」ペラッ

閉館間際の夜の図書館。
そこには静かに本を読み続ける、青いコートを着た男の姿があった。

スタ、スタ、スタ……

そんな彼に忍び寄る、ある男の姿。
オッドアイを持つ、黒い礼服姿の男――アーカムである。

アーカム「……貴方が探しているのは、魔剣士スパーダの物語――太古の伝説を記した書では?」

青いコートの男「……それは俺の探している本ではない、失せろ」

アーカム「では、貴方の探している書とは?」

アーカム「魔物と交わった女は孕み、双子を産んだ……そういう物語ですかな?」

青いコートの男「……」カチャ

青いコートの男はその言葉が気に触れたのか、腰にぶら下げていた刀を鞘から引き抜き、男へ向ける。その切っ先が、館内の蛍光灯に反射して光る。

青いコートの男「……失せろ、三度は言わん」

アーカム「……」

アーカムはそれに恐れる様子を見せず、刃を静かに見つめると、彼は撫でるようにその切っ先に指で触れる。
彼の指と刃の間からは、血の滴がゆっくりと流れ出す。

アーカム「……人は皆、潜在的に魔を恐れるもの、だが、しばしば人は魔に魅入られる」

アーカムは切っ先から指を離すと、その指から流れる血を刀の鎬で拭う。
刃からは、その拭った血が床へぽたぽたと流れ落ちていく。

青いコートの男「……」カチャリ

彼のその言葉に、青いコートの男は刀を仕舞い彼に問いただす。

青いコートの男「……何が言いたい」

アーカムはその質問に、不気味な笑みを浮かべながらこう答えた。

アーカム「……私と、"スパーダ"の話を、バージル」

バージル「……」

バージルと呼ばれた青いコートの男はその言葉を聞くと、アーカムと共に館内を後にした。

――スラム13番通り、謎の建物の前


アーカム「起動方法は先に伝えた通りだ、君には造作もなかろう」

アーカムは建物の扉をしばらく眺めると、バージルに背を向け扉の反対方向へと歩き出す。

アーカム「私は彼――ダンテの所へ出向く、例の物も確認しておきたいしな?邪魔が入るようなら始末してくれ、それでは」

アーカムはそう別れを告げた後、夜の暗闇に消えるようにその場から去った。
その瞬間、バージルの前方に大量の悪魔――『アビス』の群れが姿を現した。

バージル「早速か……歓迎されているわけではなさそうだ」

アビス「ア"ァァァァ!!」

一体のアビスがバージルに襲いかかる。それを合図に、次々と他のアビスも前方から向かってきた。

バージル「……」カチャ

バージルは無言で腰の刀に手を添え何かの構えの体勢をとると、鞘から少しだけ刀を抜いた。
その刃に、襲いかかるアビスの群れが写る。

バージル「……Die(死ね)」

バージルはそう呟くと、肉眼では捉えきれないような早さで前方のアビスの群れの中を駆けていった。

ズバズバズバッ!!

何かが切り裂かれる音。
その音がやむ頃には、バージルは前方にいたアビスの群れを背にしていた。

バージル「……」カチャリ

彼はいつの間にか抜かれていた刀を、背中の後ろで鞘へと戻す。

ブシャアアアア……

その瞬間、後ろのアビスの群れはバラバラの肉片へと変わり、大量の血飛沫が空中を舞った。

スタ、スタ、スタ……

その様子を見向きもせず、彼は建物の扉の前へと歩いていく。
そして一言、こう呟いた。

バージル「――始まりだ」

ブロロロロロロ……

スラム通りのとある橋。
下にはかなり大きな川が流れている。
その橋では、バイクを走らせる一風変わった格好をした女がいた。
ヘルメットで顔は隠れているが、所々から覗く白く透き通るような肌。その女性的な外見とは裏腹に彼女のハーフタイツや太ももは、かなりの数の銃弾で武装されている。
更にその背中には、銃剣が取り付けられた大きなミサイルランチャーが背負われていた。

女「……」

ヘルメットから覗く女の眼差し、その目は互いに違った色をしていた。
まるで、あのアーカムという男のように。

パリィィィィィン!!

すると、彼女の前方に大量の鎌を持った悪魔――『ヘル=ラスト』の群れが空間を割るように現れる。

ヘル=ラストの群れ「ア"ァァァァ!!」

ヘル=ラストの群れは彼女に向かって雄叫びをあげる。

女「……クソ悪魔ども」

ブルルルゥゥゥゥン……

女はそう呟くと、ハンドルを強く握り、思いっきり捻った。
エンジンが唸る音が聞こえたかと思うと、バイクのスピードメーターが振り切るように右側へ傾く。

ブォォォォン!!!

そしてマフラーから強烈なバックファイアが上がったその瞬間、彼女のバイクは悪魔の群れに猛スピードで突っ込んでいく。

sagaストの群れ「ア"ァァァァ!!」

ヘル=ラストの群れが彼女へ目にも止まらぬ早さで鎌を構えながら襲いかかる。

女「……」ガチャガチャ

彼女はその瞬間、バイクのハンドルから手を離し、腰から手榴弾を取り出す。

女「Are you ready(覚悟はいい)?」

そう悪魔へ問うと、彼女は手榴弾のピンを口で引き抜き、悪魔の群れへ投げた。

バァァァァァン!!!

ブシャアアアア……

かなり大きな爆発音が橋の上に響き渡り、煙が舞う。それと共に、悪魔の群れの一部が爆発で吹き飛んだ。
大量の煙が悪魔の群れを包む。その中から突如、彼女が現れた。

女「Good morning(おはよう)?」カチャ

ババババババン!!!

彼女は二丁のハンドガンを両手で同時撃ちして、周りの悪魔を次々に蹴散らす。

ヘル=ラスト「ア"ァァァァ!!」

だがそんな中、更に前方にいた他のヘル=ラストが、周りの車を鎌で突き刺して、女の方へ投げる。
あっという間に、投げられた車は女の目の前まで迫ってきた。

女「フ……」ニヤッ

彼女はそんな状況で口元を緩ませ笑みを浮かべる。
すると突然、バイクの上でジャンプをした。
そして、飛んできた車の上に乗り、全速力で駆け抜ける。
その上でまたジャンプをすると、空中で体を捻らせながら、ハンドガンを不規則な方向へ放ちまくる。

ババババババン!!!

ブシャブシャブシャア!!

大量のヘル=ラストが血飛沫を飛ばしながら砂煙と共に消えていく。
彼女はそんな中、空中でヘルメットを取る。そこから、とても悪魔など倒せそうもない、だが凛とした顔立ちの少女の顔が現れた。

女「Get lost(失せな)!」

彼女はそう叫ぶと、ヘルメットを悪魔の群れへ向かって投げた。その中には、大量の手榴弾が詰め込まれていた。

ドガァァァァァンン!!

大きな爆風が彼女の背中を押す。吹き飛ばされた彼女は、走ってきた自身のバイクの上に綺麗に着地した。

ガチャ……

そして、そのまま背中からミサイルランチャーを取り出すと、一体のヘル=ラストへ向けてワイヤーのついた銃剣を飛ばした。

シュルルルル……

グサァッ!!

ヘル=ラスト「ア"ウ!?」

銃剣が刺さったヘル=ラストは悲痛な声をあげるが、彼女はそれを気にせず銃剣を刺したままミサイルランチャーを振り回す。

ドガドガドガァ!!

銃剣が刺さったヘル=ラストが周りの悪魔へ激突し、吹き飛ばされていく。

シュルルルル……

ガチャリ!

ヘル=ラスト「ア"、ア"ァァ……」

女は銃剣のワイヤーを引き戻す。
突き刺さったままのヘル=ラストが、そのままミサイルランチャーの銃口の前に戻ってきた。

女「バイバーイ?」

彼女はそうヘル=ラストへ告げると、そのままミサイルを放った。

ボンッ!!

ヒュウウウウ……

ヘル=ラスト「ア"ァァァァ!!」

ヘル=ラストが叫び声をあげながらミサイルと共に前方へ吹き飛ばされる。
そして、その前方に存在した悪魔の群れを巻き込み、爆発した。

ドガァァァァァンン!!

その煙の中を彼女はバイクで駆け抜ける。

女「おやすみ、クソ悪魔ども」

ブロロロロロロ……

女は背にした爆風の煙を眺めながらそう言い残すと、猛スピードのまま橋の上を走り去っていった。

――Not enough……(足りない……)

――Power……Wanted more power……(力を……もっと力を欲せ……)

――Power……(力を……)!!

――"I need more power"(もっと力を)!!!



ネロ「!?」

ネロはハッとした表情で目を覚ます。

ネロ「い、今のは……夢か」

ネロは頭を抱えながら、周りを見渡す。

ネロ「……さっきの場所、か……?」

そこには先程と同じ、『始まりの回廊』の光景が広がる。彼はその床で倒れていたのだ。
だが、ネロはその光景に違和感を感じた。

ネロ「時計台が止まっている……さっきの青い光の影響か?」

ネロはそう言うと、ゆっくりとその場から立ち上がった。

?「おみごと、名推理ッ!!でもちょッッッと違うンだよねぇ」

ネロ「!?」

突然、背後から誰かの声が聞こえる。
ネロは反射的に背後へブルーローズを構えた。

ネロ「な……」

だが、彼は後ろを振り返るもそこには誰もいなかった。

?「おっと外れー!そっちじゃないぜデビルボーイ?眼鏡かけてよーく見てみな?アヒャヒャヒャヒャ!!」

今度は、逆から誰かの声が聞こえた。
ネロが振り返ると、そこには道化師のような格好をした悪魔が立っていた。その手には、派手な色をした杖が握られている。

?「Hello、デビルボーイ?今度はちゃんと見えてるみたいだねえ?アヒャヒャヒャヒャ!!」

ネロ「……」

?「おーいテンション上がンないねェ、ニイちゃん今どこにいンのかわかってるゥ?そんなシけた面してたら俺もシけた面になっちゃうだろ?ほら見ろよ、こんなに鼻が伸びちャッてさァ……アヒャヒャヒャヒャ!!」

ネロ「」バンッ

?「Wow!……It's surprised(ワオ!……こりゃビックリ仰天)」

ネロはその態度にイラついたのか、謎の悪魔の近くへ発砲した。

すみません、ただいま
デビルメイクライ3をプレイし直し&
設定を色々確認したところ、
原作とは違った部分があまりにも
多かったため、
(元々思い付きだったのですけど)
誠に勝手ながら
この話をもう一度最初から
書き直させていただきます。
ここまで読んでくださった方々、
誠に申し訳ありません。

またここへ投稿し直します。
早く出来れば今日の深夜には出します。

いいのよ

投稿再開します。

一部キャラの行動や台詞、話の進みかた、その他もろもろ
書き方を変えさせていただきました。

――二千年前



――人々の平和が魔界の侵略によって砕れた



――だが一人の悪魔が正義に目覚め



――闇の軍勢に立ち向かった



――魔剣士スパーダ



――戦いに勝利した彼は人間界に降臨し―



――その平和を見守った



――彼の命が



――伝説に刻まれるまで

――フォルトゥナ、『Devil May Cry』にて


ネロ「ふぅ……」

WASH-WASH……

風呂の扉から、銀髪碧眼の青年が髪を手で乾かしながら姿を現す。
――彼の名は『ネロ』。人間と悪魔の間から生まれた、半魔人と呼ばれる青年。
だが人間と半魔人との子であるので、彼は純粋なハーフではない。
わずかに魔人の血が流れているだけで、正確にはクォーターである。
彼はそんな悪魔の血が流れているとは思えないほど人間らしい姿をしているが、どこか人間離れした雰囲気も持ち合わせている。
ネロは髪を乾かしながら、事務所の椅子へ座ろうとすると、彼を急かすように机の上の電話が鳴る。

RIN-RIN-RIN-RING!!RIN-RIN-RIN-RING!!

ネロ「……」

ネロはイスに座った後、勢いよく机を踵で叩く。

KNOCKIN'!!

SPIN-SPIN-SPIN……

机の上で鳴っていた電話の子機は、その勢いで宙に浮き上がる。そしてそのままネロの手元に吸い込まれるように綺麗に落ちた。

CAAATCH!!!!

ネロ「……もしもし、デビルメイクライ」

?「ア"ァァ……ア"ァァ……」

ネロの耳に、不気味な何者かの吐息が聞こえてくる。
だが、それは電話越しからではなく、ネロの背後からだった。

ネロ「……ったく」

?「ア"ァァァァァァ!!!!」

その何者か――悪魔は、自身が持っている鎌を彼の背後から首元へと振りかざす。
――『ヘル=プライド』、それがその悪魔の名前である。

ネロ「……」

TURN……

その瞬間、ネロは椅子を回転させ、悪魔の方へと向く。

THUNKKKKKKKKKKK!!!!

ヘル=プライド「ア"、ア"ァァ……」

肉を貫く音と共に、ネロの首元に届くはずだった鎌が直前で止まる。
悲痛な声を漏らすヘル=プライドの腹部には、ネロの持つ剣――『レッドクイーン』がその身に突き刺さっていた。

DROP……DROP……

静寂の中、レッドクイーンの刃についた悪魔の血が、少しずつ床へと垂れていく。

VROOOOOOOOOM……!!!!

ネロはしばらくそれを眺めると、悪魔の体にレッドクイーンを突き刺したまま剣の柄を力強く回す。

悪魔「グバア"ァァァァアア!!!!」

FLAAAAAAAAAAASH!!!!

その瞬間、悪魔の体は熱を帯びたように赤く光る。

GUSHHHHHHHHH!!!

そして、壮大な血飛沫と共に悪魔の体が弾けとんだ。

ネロ「……ちっ、せっかくキリエに刃を綺麗に磨いてもらったってのに」

ネロはそう呟くと、レッドクイーンを肩へ掲げ、椅子から立ち上がる。

ネロ「……出てこいよ、パーティは二人でやるもんじゃないだろ?」

そして、誰も見たらない事務所内で突然誰かに向かって声をかけた。

BREAAAAAAAAAAAK!!!

すると、所々のなにもなかったはずの空間がガラスのように割れ、そこから大量の悪魔が噴き出すように現れた。
そしてあっというまに悪魔の群れは、ネロの四方八方を囲む。
彼はその光景に圧倒されるわけではなく、ただ静かに口元を緩ませ、また笑みを浮かべた。

ネロ「やっぱこうじゃなくちゃな」

ネロは机に置いてあったウォークマンとイヤフォンのセットを手に取る。

ネロ「キリエが買い物から戻ってくるまで、アンタらが仕掛けたパーティを楽しんでやるよ」

彼はウォークマンから音楽を流すと、イヤフォンを耳にセットした。
そのイヤフォンからは、ハードロック調の音楽が音漏れしてシャカシャカと聞こえてくる。

ネロ「……来いよ」

ネロはそう呟くと、異様な姿をした右腕――『デビルブリンガー』を一体の悪魔へ向け、人差し指で「来い」と合図をし、挑発した。

ヘル=プライド2「ア"ァァァァァァ!!!」

挑発された悪魔はその態度に怒るようにネロへと勢いよく向かってきた。
彼はそれに対して体を身構えると、レッドクイーンを床へ突き刺し、そのまま思いっきり柄を回した。

STABB!!!

VROOOOOOOOOM!!!!

向かってきたヘル=プライドはネロへと鎌を振りかざす。

SWING……!!

ネロ「焦るなよ、パーティはまだ始まったばかりだぜ?」

ネロはそう言うと、振りかざされた鎌をレッドクイーンで弾き飛ばす。

ヘル=プライド2「ア"ァ……?」

鎌を吹き飛ばされたヘル=プライドは、情けない声を漏らしその場で立ち止まる。
空中を舞う鎌の刃に、対峙するその二つの影が写る。

ネロ「Blast(吹っ飛びな)!!!」

STICCCCCCCCCCCCK!!

ネロはその隙にレッドクイーンを悪魔に突き刺し、そのまま他の悪魔へと放り投げた。

STRRRRRRRRRRRRIKE!!!!

ヘル=プライド3・4「ア"ウ!!」

BUMPPPPPPPPPPPP!!!!

仲間をぶつけられたヘル=プライドらは、そのまま共に後ろのドアを突き破って、事務所の外へと吹き飛ばされる。
その中の一体のヘル=プライドの首には、ドアに掛かっていた「OPEN(開店中)」の看板が垂れ下がっていた。

SPIN-SPIN-SPIN……

CATCH!!!!

ネロは落ちてきた鎌をキャッチすると、周りの悪魔たちへこう告げた。

ネロ「――C'mon,Let's get "Opening" started(さぁ、"オープニング"の始まりだ)」

ネロ「Let's rock(派手にいこうぜ)!!」

Mission0
-Returns to beginng(始まりの再来)-

ネロはその手にした鎌を周りの悪魔へ向かって投げた。

SWING-SWING-SWING……!!!

投げられた鎌はブーメランのように弧を描きながら空中で舞う。

SLASH-SLASH-SLAAAAASH!!!

そして、周りの悪魔達に投げられた鎌が次々に刺さっていく。

CAAATCH!!!!

ネロ「ふぅ……」

GUSHHHHHHHHHHHH!!!!

ネロが戻ってきた鎌を受け取った瞬間、血飛沫が噴水のように噴き出し、彼を囲むようにそこに血溜まりが出来る。
それはまるで、数字の『0』を描くように。

ネロ「これじゃキリエに怒られるな……」

彼がそう呟いたその刹那、上から鎌を持った他の悪魔――『ヘル=ラスト』が襲ってくる。更に後ろからヘル=プライドがネロを襲う。

悪魔ら「ア"ァァァァァァ!!!」

ネロ「Huh!!サプライズかよ?」

ネロはその瞬間、持っていた鎌を後ろのヘル=プライドへ向かって投げ、その手でベルトのホルスターに入っていた彼愛用の銃――『ブルーローズ』を取り出すと、腕を振挙げヘル=ラストへ弾丸を放つ。

THUUUUUUUUUUNK!!!!

BLAM!!!!BLAM!!!!BLAM!!!!

ヘル=プライドは鎌が刺さる勢いで吹き飛ぶ。
そして、途中で後ろにあったポールハンガーに当たりながら壁に激突し、そのまま床へ落ちるように倒れた。
その体には、いつの間にかネロのコートが着せられていた。

GUSHHHHHHHHH……

CLANG-CLANG……

弾丸で吹き飛んだ悪魔の血液の雨と共に、ネロの頭上に粉々になった肉が落ちてくる。
その中、弾丸の薬莢もネロの足下に静かに落ちる。

ネロ「フン……」

SWISH-SWISH……

彼は落ちてきた悪魔の肉片を汚そうに手で振り払うと、ブルーローズに弾丸を込めながら背後の吹き飛ばされたヘル=プライドの元へと向かう。
そして、体に着せられたコートを無理矢理引っ剥がしてそのまま羽織った。
ネロのその余裕の態度に圧倒されたのか、近くにいた悪魔の群れは一歩ずつ後ずさりをしながらネロを避けていく。

ネロ「血がベタベタして気持ち悪いな」

彼はコートに不満を垂れながら、先程の乱闘で倒れた椅子を蹴る。すると宙に浮いた椅子はくるくると空中で回転しながら、綺麗に元あった場所へ落ち、彼を招くようにネロの方へ座席を向ける。
それに誘われて彼はその椅子へ腰掛け、悪魔の群れがいるほうへと椅子を回転させる。

ネロ「まさかこれで終わりか?曲はサビにすら入ってないぜ?」

CLAP-CLAP-CLAP……

?「……おみごと、やはり私の思った通りの男だ」

すると突然、事務所の扉があった場所から謎の男が現れた。

ネロ「……誰だアンタ?連れションなら他へ行きな」

?「用なら先程足し終えたさ」

SNAP!!

謎の男が指を鳴らすと、周りに居た悪魔達は砂煙と共にたちまち姿を消した。

ネロ「ワオ、消失マジックか……悪魔にしては愉快な芸当を持ってんだな?」

?「フッ……君も悪魔ではないのか、"ネロ"」

ネロ「……」

ネロ「アンタなにもんだ?」

アーカム「私の名はアーカム……君へ招待状を届けにきたのさ」

ネロ「なんだ?パーティでも開くのかよ?言っておくが、悪魔しかいないのならお断りだぜ?」

アーカム「大丈夫さ……それ相応の持て成しはするつもりだ」

RUSTLE-RUSTLE……

アーカムと名乗る男は内ポケットから紙を取り出す。そこにはある場所を示す地図が描かれていた。

アーカム「ここへ来い、この場所で君を待っている」

アーカムからその地図を受け取り、ネロはその地図へ目を向ける。

ネロ「Huh、ふざけんなよ、説明も無しに依頼を受けるなんて……」

ネロがそう言いながら顔を上げると、そこにはもうアーカムの姿はなかった。

ネロ「……ったく、悪魔ってのはどいつもこいつもせっかちな奴だな」

――その後


キリエ「ネ、ネロ!?これは一体……!」

茶髪のポニーテールに、白い礼服のようなものを着た女性―キリエが買い物から帰ってくるやいなや、外にボロボロで放り出されたドアを見つけると、共に事務所内の状況に驚きを隠せないでいた。

ネロ「ああすまないキリエ、ちょっとはしゃぎすぎた」

キリエ「……悪魔なの?」

ネロ「……ああ」

キリエ「大丈夫なの!?ケガはない!?」

ネロ「……重症だ」

キリエ「嘘……どこ!?見せて!?」

ネロ「ああ、そこの床とか、そこの壁なんてかなり重症だ、後で包帯でも巻いといてやれよ」

キリエ「……もう」

ネロ「キリエ、手伝うよ」

キリエ「ありがとうネロ」

キリエは床の血を雑巾で拭き取る中、ネロは工具箱を持って床や壁を直す。

ネロ「今夜は少し出掛けるよ」

キリエ「依頼を受けたの?」

ネロ「あー……正確には受けさせられたって感じかな」

キリエ「どんな依頼?」

ネロ「……なんだろうな」

キリエ「……大丈夫なの?」

ネロ「まぁ……危険なのは確かだ」

ネロ「それじゃ、そろそろ行くよ、キリエ」

キリエ「あ、ちょっと待って、あの剣を持ってくるから」

キリエはそう言うと、かなり大きなアタッシュケースをずるずると引き摺りながら持ってきた。

キリエ「よいしょっと……!!」

THUUUUD!!!

キリエ「ふぅ……あ、相変わらず重たいね……これ」

ネロ「もしかして、磨いといてくれたのか?」

キリエ「ええ、刃もボロボロになってたから、研いでおいたの」

ネロ「助かるよキリエ……これで仕事が捗る!」

CRANK!!

ネロはアタッシュケースの鍵を開けると、中に入っていたレッドクイーンを勢いよく取り出す。
そしてそのまま床へ突き刺し、柄を回した。

STAB!!!

VROOOOOOOOOM……

ネロ「フッ、いい音だ」

キリエ「……ネロ」

ネロ「なんだキリエ――」

ネロは呼び掛けに答え、キリエの方へ顔を向ける。すると彼女はなにか言いたげな顔で床を指さしていた。

ネロ「……ごめん」

キリエ「あんまりはしゃがないでね」

ネロ「これで許してくれ」

HUG!!

KISS……

ネロはキリエを抱き寄せると、彼女の唇に口づけを交わす。

キリエ「んはぁ……も、もう、ネロったら////」

ネロ「ハハ……それじゃあ」

キリエ「うん……気を付けてね」

ネロはキリエに背を向けながら手をふる。
そして、事務所を後にし、目的地へ向かった。

――スラム通り、『Devil may cry』にて


ダンテ「『時の結晶』?」

銀髪碧眼、赤いコートを着た男が、椅子に座りながら白いコートを着た女性に質問する。
彼はダンテ、この事務所の主人であり、デビルハンターである。
彼もまた、人間と悪魔との間に生まれた半魔人である。
話している女性の名前はレディ。癖のある黒髪ショートヘア、顔にはサングラスをしている。
彼とは違い、彼女はただの人間である。

レディ「そう、『古代の魔物達を封印した蒼い球体の結晶で、魔力を帯びたその結晶は、時を巻き戻す力を持つとされている』とか……ホントかどうかは知らないけどね」

ダンテ「Huh、所謂小さなタイムマシンってことか?世の中も進歩したもんだね」

レディ「で、その結晶なんだけど……いくらすると思う?」

ダンテ「……100万ドルとか?」

レディ「ダメ、大外れ!!なんと……100億ドルだって!ねぇすごくない!?」

ダンテ「……で、それがどうしたって言うんだ?」

レディ「探してほしいの、それを」

ダンテ「……はぁ?」

レディ「だ、か、ら、その『時の結晶』を探してほしいの!」

ダンテ「ヤダね」

レディ「どうしてよ!」

ダンテ「だいたいあてがあるのかよ」

レディ「勿論よ……まぁ、あまり好ましい場所じゃないけど」

ダンテ「?」

レディ「……とにかく、さっさとこの依頼を引き受けて、ダンテ」

ダンテはレディの言葉に呆れながら、机の上のピザを頬張る。

ダンテ「フン、俺は金儲けだとか、モグ……宝探しなんかに……クソ、このピザいつもより味が薄いな……モグ」

KNOCCCK!!

レディはダンテの前にある机を思いきり叩く。その衝撃で、置いてあったピザが宙へ舞う。

レディ「……へぇ~、じゃあ他に、私に借金を返すあてがあるって言うの?」

ダンテ「……」

レディ「行くわよ」

CATCH!!

レディはそういうと、宙を舞っていたピザを1ピースだけ取り、その口に頬張る。

レディ「モグ……代わりにこのピザはおごってあげる」

彼女はそういってダンテに背を向けて事務所の玄関へ歩き出すと、そのままピザの代金をダンテの机に向かって放る。

Flit-Flit……

ひらひらと舞う紙幣は、やがてダンテの机に静かに落ちた。

ダンテ「……最悪のデートになりそうだ」

――スラム13番通り、謎の廃墟前



ネロ「ここか……街中だってのに随分と殺風景な場所だな」

彼はそう呟くと、一人その廃墟へ歩を進める。

アーカム「待っていたよ……ネロ」

すると、先程の男が廃墟の入口からゆっくりと出てくる。

ネロ「おい、パーティにしては静かすぎやしないか?」

アーカム「フッ……そう焦るな、会場はここじゃあない……ついてこい」

アーカムはそう言うと、建物の中へと歩いていく。

ネロ「ここは何なんだ?」

アーカム「テメンニグル、人間界と魔界を繋ぐ搭……だったものだ。だが今は時と共に建物も朽ちてこの通りだがね」

ネロ「何があった?」

アーカム「……じき分かる」

ネロ「随分と秘密の多いオッサンだ」


――テメンニグル廃墟、邂逅せし災いの広間跡

SQUEAL…………

奥の大扉を開けると、そこには広い空間が広がっていた。どこまでも続く螺旋回廊と天井、目の前には大きな歯車で出来た装置がある。

ネロ「すごいな、高すぎて首が折れそうだ」

アーカム「邂逅せし災いの広間……その場所だ」

ネロ「フン、まるで俺達を表してるような名前だな」

アーカム「そうかな?少なくとも、私にとって君との出会いは幸運なものさ」

ネロ「そうかよ……で、パーティ会場はここなのか?」

アーカム「……ああ」

アーカムはポケットからあるものを取り出す。それは青白い水晶のようなもので、その中では何かが淡く光りながら蠢いている。

ネロ「それは?」

アーカム「『時の結晶』……この塔の本当の力を取り戻す為に必要な道具だ」

PULL……

アーカム「……何のつもりだね?」

ネロは怒りの表情を浮かべながら、ブルーローズをアーカムのこめかみへ当てる。

ネロ「いい加減にしろハゲ親父、アンタ何を行うつもりだ?」

アーカムはその言葉を聞くと、ブルーローズのことなど気にしないように、静かに歩き始める。

アーカム「……君は父親に会いたいかね?」

ネロ「……どうゆうことだ?」

アーカム「もし、この水晶を使えば、君の父親に会えると私が言ったら、どうする?」

ネロ「……くだらない嘘はやめるんだな」

アーカム「フン……嘘かどうかはもう関係ないさ」

今から仕事なので今日はここで
中断します。

明日には新しい展開まで持っていきたい……。

再開します。


アーカムはそう言うと、手に持った水晶を掲げ、ネロには意味不明な呪文を唱え始めた。

ネロ「やめろ!!」

彼はアーカムへそう叫び、ブルーローズの弾丸を放とうとする。
だがその瞬間、廃墟が大きく揺れ、ネロはバランスを崩す。

GGGGGGGGGGG……!!!!

ネロ「クソ……!!」

アーカムは呪文を唱え終わると、水晶は空中で飛散し、建物を謎の青い光で包む。
そして彼はその様子を横目に、ネロを見下ろしながらこう言った。

アーカム「過去で待っているよ、ネロ」

ネロ「待て!!」

BLAM!!

ネロはそう叫ぶと、アーカムに向かって弾丸を放つ。だがそれが彼の身に届く前に、アーカムは謎の青い光に包まれ、どこかへ消えた。

GGGGGGGGGG……!!!!

ネロ「くっ……体が重い……!!」

建物が轟音を立てながら揺れる中、ネロの周りにも、また彼と同じように青い光りが輝き、ネロを包む。

ネロ「意識……が……」

彼はそう呟くと、やがて意識を奪われたかのようにその場に倒れた。

VANISH……

そしてネロも同じように、その場所から姿を消した。あれほど大きな音をたてて揺れていた廃墟も、やがて何事もなかったかのように静寂が訪れた。

――テメンニグル跡前


レディ「ここよ」

ダンテ「……ほう」

レディに案内されたダンテは、廃墟――テメンニグル跡へたどり着いた。

ダンテ「デート場所は思い出の場所ってわけか」

レディ「言ったでしょ、好ましくない場所だって」

ダンテ「で、その『時のナンタラ』ってのはどこにあるんだ?」

レディ「えーと……」

GGGGGGGGGGGG……!!

レディ「!?」

突然、建物が激しく音をたて、揺れ動く。
建物の中からは、謎の青い光が漏れている。

ダンテ「……フッ、ここにはどうやら先客がいるみたいだな、レディ」

レディ「ちっ……早く行くわよ!!」

レディはダンテにそういうと、全速力で建物の中へ駆けていく。

ダンテ「何をそんなに焦ってるんだ……」

――テメンニグル跡前


レディ「ここよ」

ダンテ「……ほう」

レディに案内されたダンテは、廃墟――テメンニグル跡へたどり着いた。

ダンテ「デート場所は思い出の場所ってわけか」

レディ「言ったでしょ、好ましくない場所だって」

ダンテ「で、その『時のナンタラ』ってのはどこにあるんだ?」

レディ「えーと……」

GGGGGGGGGGGG……!!

レディ「!?」

突然、建物が激しく音をたて、揺れ動く。
建物の中からは、謎の青い光が漏れている。

ダンテ「……フッ、ここにはどうやら先客がいるみたいだな、レディ」

レディ「ちっ……早く行くわよ!!」

レディはダンテにそういうと、全速力で建物の中へ駆けていく。

ダンテ「何をそんなに焦ってるんだ……」

――テメンニグル跡前


レディ「ここよ」

ダンテ「……ほう」

レディに案内されたダンテは、廃墟――テメンニグル跡へたどり着いた。

ダンテ「デート場所は思い出の場所ってわけか」

レディ「言ったでしょ、好ましくない場所だって」

ダンテ「で、その『時のナンタラ』ってのはどこにあるんだ?」

レディ「えーと……」

GGGGGGGGGGGG……!!

レディ「!?」

突然、建物が激しく音をたて、揺れ動く。
建物の中からは、謎の青い光が漏れている。

ダンテ「……フッ、ここにはどうやら先客がいるみたいだな、レディ」

レディ「ちっ……早く行くわよ!!」

レディはダンテにそういうと、全速力で建物の中へ駆けていく。

ダンテ「何をそんなに焦ってるんだ……」

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