少年「勇者選抜認定試験?」 (16)

はじめに>>1はss初心者ですので大目に見てやってください。
また、このssはジャ○プにありがちな王道ファンタジーを勇者にあてこんだものです。
既視感などありありだとは思いますが、王道なりの良さを楽しんで頂けると幸いです。
>>1は亀ですご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437661027

『今日話してやるのはわしがまだ若い頃のお話じゃ』

『その頃、世は戦いに満ち溢れておった。大きな二つの勢力が激しくぶつかり合っておったのじゃ』

『北は王国軍、我らが正義だと大きな旗を振り掲げ人類の平和のためと奮起しておった』

『対する南は魔界軍、力が全ての彼らにとって人類というひ弱な種族に敗北を許す事などあってはならなかった』

『争いが始まるや否や王国軍は一人の偉大なる勇者を掲げ、その後に続き魔界に攻め入り王国軍は優勢かの様に思われた』

『しかし、それから50年、勇者の死去を皮切りに人類は疲弊し、魔界軍の侵略を許す事に留まらず、勢力をぐんぐんと押し下げられ、ついには王国とその周辺数キロの範囲しか人類の陣地は残っておらんかったのじゃ』

『危機迫る王国軍が出した窮策は、新たな勇者という存在を作り上げる事であった』

『勇者は強く勇敢な、人類の希望でなくてはならない。そこで、五年に一度勇者選抜認定試験という名で武道大会を行い、そこで優勝した者を勇敢なる者とし、魔界侵略の最前線で人類の希望の象徴とするという策であった』

『この物語の主人公となるのは、我らが人類最後の砦、王国軍のある町より少し外れた所にある小さな村で産まれた、ある一人のか弱き少年である』

『その少年は機織りの女と漁師の男の間に産まれ、決して裕福では無かったが愛情を持って優しく育てられた』

『これから皆に聞かせるお話は、後に伝説を残す事となる少年のある決断の物語じゃ...』

トタトタトタ...ガチャ


少年「お母さん!水汲んできたよ!」


母「ありがとう助かるわ、もう少しでお母さん仕事終わるから、そうしたらごはんにしましょうね」


少年「うん!わかった!じゃあそれまで友達と遊んでくるね!」


母「あ、これ村外れのおじいちゃんの所に持って行って貰える?」


少年「わらびもち?」


母「ついつい作り過ぎちゃったの、おじいちゃんわらび餅好きだから持って行ってあげて?」


少年「うん!わかった!行ってきます!」


母「行ってらっしゃい、気をつけてね」


少年「はーーーい!」バタン

少年「何して遊ぼっかなーー・」テクテク


少女「少年!何してるの?」


少年「あ、少女!今ねおじいちゃんの所にわらび餅持って行く所なんだー!」


少女「え!いいないいな!私も行きたい!」


少年「いいよ!一緒に行こうよ!」


少女「うん!」コクン



少年「おじいちゃーん!いるー?」コンコン


老人「おおいるぞ、入っておいで」


少年「しつれいしまーす」


少女「こんにちわ!」


老人「おぉこれは珍しい、何とも可愛らしい客人が来たものじゃ」


少年「これ、わらび餅!お母さんが渡してって!」


老人「彼女はあいも変わらず優しいのぉ」


少年「じゃあ僕もう行くね!」


老人「もう行くのか?」


少年「友と遊ぶんだ!」


老人「そうかそうか、楽しんでおいで」


少年「うん!」


少年「じゃあ行こ?」


少女「うん!おじいちゃんまた来るね!」


老人「いつでもいらっしゃい」


バタン


少年「友ー!」


友「遅かったじゃないか、何してたんだ?」


少年「おじいちゃんにわらび餅あげてたんだ!」


友「そうか、少女までいるのか?」


少年「そうだよ!一緒に遊ぼうよ」


友「ダメだ、少女がいると危ない」


少女「そんな事ない!私だって戦えるもん!」


友「怪我したらどうするんだ」


少女「んーー!そんなの平気だもん!」


少年「じゃあ今日は鬼ごっこでもしようよ」


友「ちっ...仕方ねぇな」


少年「じゃあ行くよ!さいしょはぐー!....」

一応ですが、有名な「ひのきの棒」とは関係ございません
あと、王道ファンタジー?なので胸糞、鬱などは無いと思いますのでご安心下さい


少年「あー楽しかった!」


少女「友がずっと鬼だったじゃん!」


友「ハァ...ハァ...そんな...事はないだろ!」


少年「じゃあ僕もう帰るからまた明日遊ぼうね!」


友「少年、明日は町へ行こう」


少年「え?お母さんが許してくれるか分かんないよー」


友「明日は町で勇者選抜認定試験が行われるんだ。五年に一度のお祭りだからお母さんも許してくれるはずだぞ」


少年「勇者選抜認定試験?」


友「そうだ、魔物と戦う勇者を決める大きな大会だぞ」


少年「そうなんだ、じゃあお母さんに聞いてみるね」


友「あぁじゃあな」


少年「ばいばーい!」

ガチャ


少年「ただいまー!」


母「遅かったじゃない、何してたの?」


少年「友と鬼ごっこしてたんだ!」


父「楽しかったか?」


少年「うん!」


母「そう、じゃあご飯にしましょう」


少年・父・母「「「いただきまーーす!」」」


少年「あのね母さん、明日町へ行きたいんだ」モグモグ


母「そうね、明日は家族みんなで町へ行きましょう」


少年「え?ほんとに?」


父「あぁ、勇者選抜認定試験を見に行きたいんだろう?」


少年「え?どうしてわかったの?」


父「五年に一度の大きなお祭りだからな。村のみんなも浮き足立ってるよ」


少年「やったぁ!友とね行こうって約束してたんだ!」


母「じゃあ今日は早く寝ないとね」


少年「うん!ごちそうさまでした!」

『少年は布団に潜り込み明日の事への期待を膨らませておった』


『友と町へ遊びに行けるという事。久しぶりに家族と遠出出来るという事。そしてなにより、勇者誕生の瞬間をこの目で見れるという事』


『全ての事が彼の気持ちを高ぶらせるのに不足は無かった』


『そして彼は浮き足立ったまま、運命の日へと足を進める事となったのじゃ」

本日の投下は以上となります。
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まだ、物語が動き始めておりませんので少々退屈だったかもしれませんが、次回から少しずつ少年の周りの歯車が動き始めます。あまり期待せず、お待ち下さい。

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