京太郎「もし俺が姫松高校に通っていたら」 (563)

・京太郎が大阪出身だったら、という妄想の上で成り立つスレ

・基本的に非安価。たまに取るかもしれません。(その時は事前に報告します)

・時系列はグチャグチャ。

・最近、咲にはまったニワカです。

・筆は遅いですが、勘弁を。



それでもよろしければお付き合いください。



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俺には一人の幼馴染がいる。


そいつは傍から見たらちょっと特殊な奴だった。


周りのみんながヒーローや魔法少女。はたまたスポーツ選手やアイドルに憧れて、真似事や遊びをしている中、一人だけ麻雀という遊びに没頭していた。


そして、みるみる内に実力をつけて全国区でもその名をとどろかすようになる。


そんな彼女の妹と一緒に運動をしていた俺だったが、時々つき合わされ、気が付けばそれなりの力を身に着けてしまっていた。


多分、俺も彼女が言うところの麻雀の魅力に取りつかれてしまったんだと思う。


同じ小学校、中学、高校と通い、今は麻雀の名門姫松高校に通っている。


そんな俺と洋榎と――姫松高校麻雀部の日常のひと時。

『いやー、まさか京太郎が姫松に受かるなんてなー。しかも、うちと同じ推薦で』


『これでも男子の中なら、まぁまぁの成績を残していたからな』


『うちらでやると3位かラスばっかやのになー』


『愛宕家がおかしいんだって』


『うちはおかんも強いからなぁ。でも、その荒波にもまれたおかげで今の京太郎があるわけや! な?』チラチラ


『……うん、まぁ、それは感謝してる』


『せやろー? じゃあ、何か言うことあるんちゃうかー?』 


『雅恵さん、ありがとう』


『うちは? え、うちは?』


そんなやり取りをしたのがもう一年前。


この全国常連校である姫松に入って二年生になった俺達。


いつもつるんでいる麻雀部の面子はみんな同じクラスになり、今は目的地へと向かっている途中だった。


恭子「いやー珍しいこともあるもんやな。こうやって四人が揃うなんてな」


洋榎「うちは楽でええけどな。京太郎もおるし」


京太郎「洋榎の相手は面倒くさいからパスで」


由子「右に同じなのよー」


洋榎「ひどっ! 恭子―、二人がいじめてくるー」


恭子「絹ちゃんに慰めてもらい」


洋榎「お前ら全員嫌いや!!」


脱兎のごとく走り去っていく洋榎。いつも通りの対応で俺達は放置することに決めた。


距離はぐんぐんと離れていくが歩みのスピードを変えることなく、進んでいく。

京太郎「帰りどうする? 今日は終わるの早いだろ?」


恭子「アイス食べに行かへん? 美味しい店できたらしいで」


由子「賛成なのよー」


京太郎「あ、一人、後輩も誘いたいんだけどいいか?」


恭子「……別にええけど? なに、彼女?」


京太郎「違う違う。洋榎の妹だよ。幼馴染だから」


恭子「あ、なんや、洋榎の妹かいな。それやったらはよ言いやー、もう!」


バシバシと背中をたたいてくる末原。イタイ、いたっ、いてぇよ! 叩きすぎだろ!?
だが、一瞬冷たくなった態度は一転。元気が溢れ出ていた。


由子「恭子ちゃん、完全に乙女なのよー」


京太郎「由子も見てないで助けてくれよ……」


由子「あ、部室着いたのよー」


京太郎「お前も本当に遠慮なくなってきたよな……」


談笑している間に、部室の前まで着いていたらしく由子が扉を開ける。
見てみると、そこには慰めてもらっている洋榎と眼鏡をかけたおもち少女――絹ちゃんがいた。

洋榎「あー、絹はうちの癒しやで」


絹恵「はいはい、お姉ちゃんはええ子やなー」


洋榎「絹ぅぅぅぅぅぅ!」


由子「あ、洋榎いた」


京太郎「お、絹ちゃんも来てたのか」


絹恵「あ、京にぃ!」


洋榎「ふごっ!?」


洋榎を慰めていた絹ちゃんが実の姉をほっぽり出してこちらへと近づいてくる。
そのまま体重を預けるように飛び込んできた。


絹恵「京にぃ!」


京太郎「おー、絹ちゃんは相変わらず元気がいいなー。でも、あっちで姉ちゃんが悲しんでるぞ」

洋榎は椅子に頭をぶつけた後、患部を手で押さえて床でゴロゴロと転がっていた。
涙目で『うぅあぁぁ』と声を上げている。


絹恵「はっ! お姉ちゃん!?」


洋榎「もうみんな嫌いじゃぁぁぁぁ!!」


部室中に洋榎の怒りの声が響き渡る。
なんだかんだで、今日も部活動が始まるのであった。

愛宕姉妹とは幼馴染という設定です。

次に京太郎の中学校と高校一年の時の成績をコンマで取りたいと思います。

中学時

00~50 インターミドル? なにそれ?

51~65 インターミドル個人戦ベスト16

66~75 インターミドル個人戦ベスト8

76~85 インターミドル個人戦ベスト4

86~95 インターミドル個人戦 準優勝

96~99 インターミドル個人戦 優勝

ゾロ目 インターミドル個人戦 三連覇


安価下2

続いて高校一年


00~50 姫松の一部員

51~65 麻雀部レギュラー(次鋒)

66~75 インターハイ団体戦(先鋒)・個人戦ベスト16

76~85 インターハイ団体戦(副将)・個人戦ベスト8

86~95 インターハイ団体戦(大将)・個人戦ベスト4

96~99 インターミドル団体戦(中堅)・個人戦 優勝

ゾロ目 インターハイ団体戦(中堅)・個人戦 準優勝


安価下2

安価↓なら

えっと、これは>>17 でいいんですかね?


須賀京太郎(姫松高校二年生)



中学時代 

ハンドボール部所属。麻雀はあくまで趣味程度。だが、地方の大会ではそれなりの結果を残していた為、特待で入学に成功。


高校時代 

突然の力の目覚めにより覚醒。一年ながら姫松高校麻雀部・男子部門においてエースとしてインターハイ団体戦準優勝に導く。
それだけでなく、個人戦でも実力を遺憾なく発揮。高校麻雀界に新風を巻き起こす存在となる。

というわけで、今日はここまでです。

ゾロ目は確率を優先させました、ごめんね。

aaが上手く貼れなかった……


次は明日の11時くらいから始めます
それではお休みなさい。

京太郎「お邪魔しまーす」


洋榎「邪魔するんやったら帰ってー」


京太郎「はいよーって、なんでやねん!?」


Uターンした直後、腰をひねり、ツッコミを入れる。表情も理不尽さを出し、手もしっかりスナップを利かせた。玄関で応対した洋榎は『うんうん』と頷くと、廊下を歩いていく。


そして、リビングへと姿を消した。


京太郎「……放置プレイかよ……!?」


絹恵「なに叫んでんの、京にぃ……?」


ふわぁ、とあくびをして階段を降りてきたのは絹ちゃん。今、起きたみたいで可愛らしい水玉模様のパジャマ姿だった。
うんっと背を伸ばしているせいで豊かに育った胸がかなり強調される形になっていて、いやはや実に素晴らしい。

絹恵「ん? なんや、うちをジ~っと見て」


京太郎「いや、絹ちゃんはよく寝るなぁ……って」


絹恵「昨日、家でめっちゃ麻雀打って疲れたからなぁ。それでも12時には寝たんやけど」


となると、今は朝の10時なわけだからもう10時間も睡眠していることになる。寝る子は育つとよく言ったもんだがあながち間違いでもないな……。


絹恵「それで京にぃはこんな朝からうちに来てどないしたん?」


京太郎「ああ、今日はここでみんなと麻雀する約束しててさ」


絹恵「へー、誰が来るん?」


京太郎「由子に末原。ていうか、聞いてなかったの?」

絹恵「うん。お姉ちゃん、いっこもそんな事言ってなかったよ? って、そんなんやったらうち、不味いんちゃうん!?」


京太郎「なにが?」


絹恵「だって、先輩方が来るのにパジャマ姿のままやで!? 恥ずかしいわ!」


??「ほー、絹ちゃんはこんな時間まで寝てるんかー」


??「でも、ちょっとサイズが小さいのよー」


絹恵「それは京にぃが買ってきてくれたお気にいりやから――って先輩!?」


絹ちゃんの渾身の二度見。さっきから後ろにいたのに眼鏡をかけてないせいで気づいてなかったらしい。
さらに言うならば二人とも私服で、恭子に関しては髪を下ろして大きな赤リボンまでつけている。わからないのも仕方がないだろう。

絹恵「すみません、先輩! こんな見苦しい姿お見せして」


恭子「ええよ、ええよ。可愛いもん見れたし、それに面白いことも聞けたしなぁ」


末原はニヤニヤと意地の悪い表情をしていた。遊びがいのある玩具に出会った子供みたいに。


恭子「ちょうどええわ、絹ちゃん。うちとちょっと上でお話しようや。大丈夫、怖くない。すぐ終わる」


絹恵「で、でもうち着がえへんといかんし」


恭子「それも手伝ったるがな。ほな行こうか」

絹恵「あー、京にぃ! 真瀬先輩助けてー!!」


ずるずると引っ張られる形で絹ちゃんは末原に連行されてしまう。
助けを求めるもどっちにしろ着替えないといけないわけだし、ああなった末原は止められない。ごめん、ごめんよ!


京太郎「絹ちゃんの骨は必ず拾うから……!」


由子「あなたの犠牲は無駄にしない……! ……のよー」


絹恵「そんなぁぁぁあ」


俺と由子は涙をぬぐう(フリをする)とリビングへと入っていく。
そこには見慣れた景色があり、テーブルには四つの席が用意されていた。


もうすでに山が積み上げられていて、どっしりとやる気満々の洋榎が座っている。

洋榎「遅いわ、三人とも! ってあれ? 恭子は?」


由子「絹ちゃんと楽しい楽しい話し合いなのよー」


洋榎「あっ」


それだけで何かを察したらしい。さっきの末原に負けないくらいの笑みを浮かべた洋榎が肘で脇腹を小突いてくる。


洋榎「なんやモテる男は辛いの~」


京太郎「俺には洋榎がいるから関係ないけどな」


洋榎「なにゃっ!?」


一気に頬を髪色のように真っ赤にさせる洋榎。あたふたする様子はえらく可愛い。
洋榎はみんなのムードメーカーだ。体を張ったギャグをして、笑いを取って、人気者になる。

そのせいか告白と言うものをされたことがない。愛宕姉妹の面白い方と呼ばれる始末。

だから、こんな冗談には弱い。

洋榎「な、なんや急に……。う、うちも別に京太郎のことき、嫌いじゃ――」


京太郎「冗談だ。俺も嫁にもらうなら絹ちゃんがいいし」


洋榎「おう、はよ卓つけや。速攻でとばしたる!」


由子「洋榎ってば燃えてるのよー」


由子はクスリとお嬢様らしい笑みを浮かべて、俺の対面に座る。
となれば、自然と空く一つの席。恭子と絹ちゃんはまだ下りてくる気配はない。


京太郎「どうする? 三麻?」


洋榎「なんでもええわ。とりあえず、京太郎。お前だけは絶対にヤる」


それが決闘の合図。ツモり、切って、ツモリ、切る。

京太郎「ふ……この俺に勝てるのかな?」トン


洋榎「おーおー、偉そうになりよって。去年、インターハイでいい結果出したからって調子のりくさりやがって」トン


京太郎「実力だよ、実力。いやー、あれ以来、俺も忙しくなっちゃってさー」トン


洋榎「私にトばされまくってたやつが何いうとんねん」トン


由子「あ、それロンなのよー」


洋榎「由子、貴様―!!」


由子「あっはっは、集中してない方が悪いのよー」


由子は実に満足気だった。してやったり、という顔をしている。

京太郎「洋榎は弱いなー」


洋榎「なにわろとんねん! い、今のはあれやし? わざと差し込んだだけやから! ハンデや、ハンデ!」


京太郎「へー、そうかい。なら、俺も次に由子に振り込んでやるよ。弱い子にはハンデがないとなぁ?」


洋榎「そんならうちはもう一回、由子に振り込む!」


京太郎「なら、俺三回!」


洋榎「うち四回!」


由子「……二人とも、流石に私もキレるのよ……」


京・洋『ひっ!?』


由子ちゃん、怖い。去年の女子インハイチャンプくらいに怖い。


そんな感じで打ち進めていると楽しい会話を終えた二人が下りてきた。

恭子「お、もう始めとるんか?」


絹恵「京にぃは共有財産共有財産共有財産共有財産共有財産共有財産……」ブツブツ


洋榎「……うちの妹が壊れてるのは気のせいか?」


恭子「気のせいやで。それよりも次はうちも混ぜてーな」


京太郎「あ、なら、ついでだし俺も変わろうか、絹ちゃん?」


絹恵「ううん、京にぃはみんなのものやから座ってて」


洋榎「やっぱりおかしくなってるって! 斜め45度チョップ!」


絹恵「いたっ!? ……って、あれ? うちは……さっき起きて、いつ着替えたんやろ? あ、先輩方、こんにちは」

恭子「こんにちは、絹ちゃん。それよりちょっとうちとお話」


洋榎「もうえーよ、その流れ! それより絹! 由子と変わって入り! 一緒に京太郎潰すで!」


絹恵「ええっ!? どないしたん、お姉ちゃん!?」


洋榎「こいつ、さっきうちに冗談半分で告白してきたんや!」


絹恵「それはこらしめなあかんなぁ。姉妹の絆、見せたろうか!」


洋榎「それで嫁にもらうなら絹がええとかぬかしよったんや!」


絹恵「ごめん、お姉ちゃん。うちは京にぃの味方やわ」


洋榎「絹ぅぅぅ!?」


恭子「安心せい、洋榎。うちが混ざったるわ」


絹恵「よし……これで二対二のタッグ戦や。絶対に負けへん! うちと京にぃの明るい将来のためにも!」


京太郎「はっ!? 絹ちゃん、なんで腕組んで……ちょっ、洋榎も末原もなんで鋭い目をしてんの!? 怖え!! 怖えよ!?」


洋・恭・絹『この勝負、絶対にうちらが勝つ!!』


かくして、俺の未来(?)が掛かった半荘が始まった。














由子「全く意味がわからんのよー」

みなさん、ありがとうなのよー。

短いの、もう一個投下するのよー。

愛宕絹恵は幼馴染二号である。


とは言っても、彼女は愛宕洋榎の妹なので自然と知り合い、自然と仲良くなり、自然と同じ高校に入学してきて、自然と同じ部活に入部した。


そんな彼女だが中学校まではサッカー部に所属しており、麻雀は俺達にたまに付き合う程度だったのだ。


当然、実力は並々。レギュラーを取るには程遠い。


なので、俺はよく放課後や休日に雀卓のある愛宕家にて彼女と特訓をしていた。


本日も末原たちと激戦を繰り広げ、みんなが帰った後にその時の実戦を参考にして練習している。

京太郎「――で、ここをこうすれば――ほら、一気に状況が変わるだろ」


絹恵「ほんまや! 流石、京にぃやね!」


京太郎「お、おう……」


彼女は洋榎の真似なのか、よく抱き着いてくる。
洋榎ならそこまで意識しないので問題ないのだが、絹ちゃんは主張の激しすぎるおもちもちが当たる。


そうなると、自然と柔らかい感触で幸せいっぱい、最高おっぱい。


絹恵「……う~ん。なんかこうしてると落ち着くわ~」


京太郎「小学校まではよく抱き着いてたからな、姉妹揃って……。でも、もう高校生なんだからやめような」


そう言って彼女を引き離す。男の力には逆らうことはできず、不満げな絹恵は頬を膨らませた。

絹恵「……京にぃのケチ」


京太郎「聞こえてるぞ」


絹恵「京にぃのヘタレ。変態」


京太郎「ちょっとそれは言いすぎじゃないか」


絹恵「私の胸、チラチラ見てるくせにー!!」


バレてた!? 


まさか気づかれているとは思わなかった俺が呆気にとられているうちに絹恵は階段をドタバタと上がっていく。
きっと自室に戻ったんだろう。

入れ替わる形でやってくる洋榎。
着替えたらしく楽そうなジャージ姿だ。色気のない大きなあくびをして、胸を張っても特に感じるものはなかった。

洋榎「お、なんやなんや、京太郎。うちのこと見つめて。惚れたか?」


京太郎「……いや、なんというか洋榎の前では自然体でいれるからいいなと思って」


洋榎「それ褒められてるんかわからんけど……まぁ、ええわ」


そのまま洋榎は冷蔵庫から炭酸ジュースを二つのコップに注いで、こちらへと運んでくる。
俺の隣に椅子を持ってきて、座ると、「ん」と差し出してきた。


洋榎「おつかれさんさんさんころり。絹に教えてくれてたんやろ?」


京太郎「気にするなよ。もう何年もの付き合いだろ」


洋榎「……それもそうか」


彼女はニコリと笑って、ジュースを一気に飲み干す。そして、到底女の子がしてはいけない声を出した。

なんで末原さんだけ苗字で読んでんだ?

洋榎「カー! やっぱり疲れた後にはこれやな!」


京太郎「……やっぱ、お前ってやりやすいわ」


洋榎「せやろー? 流石やろー?」


京太郎「……おう。流石だよ」


自信満々な笑みを浮かべると彼女はドンと胸を叩く。それを見ると何故か胸が温かくなった気がして……。

そして、苦笑すると俺も真似するように一気にコップを傾けるのであった。

今日はここまでです。ありがとうございました。

>>55 いずれエピソードで明らかになるのでお待ちを……!

どうも、仕事から帰宅したイッチです。

今日も23:00頃に投下すると思います。
あと、上重漫ちゃんの出番は多分、明日。

恭子「メゲるわ……」


俺の対面に座っている末原は最近、この言葉が口癖になっている。


洋榎と卓を囲んでは。

『メゲるわ……』


俺と卓を囲んでは。

『メゲるわ……』


真瀬と卓をか(ry

『メゲるわ……』


……と、まぁ、連敗が続いたのが原因なわけだが。

絹恵「メゲたいのはこっちですよ、先輩。うちなんかずっと最下位やん……」


恭子「絹ちゃんはまだ伸びしろあるよ。それに始めたばっかりでここまでできたら上等やで。……むしろ、二年にもなって焼き鳥食らった私の方が不味いわ……」


京・絹「「あ、あははは」」


乾いた笑い。なんともフォローのしにくいこと。
ちら、と俺達と同じように卓を囲んでいた洋榎に視線を送った。

彼女はニィと笑い、立ち上がる。サムズアップは余計だったが、よかった、これでなんとかなる……はず。
相手が洋榎というだけで心配度マックスだが、やっぱり根は仲間想いの良い子だ。

真剣な表情で末原にアドバイスを授けていた。


洋榎「恭子は考えすぎやねん。一回、肩の力抜いてやってみ?」


恭子「そんなん言うてもうちは主将みたいに強いわけやないですし……」


洋榎「ええから、ええから。練習なんやし、いっぺんやってみ? なにか変わるかもしれへんで」

絹恵「そうですよ、先輩! うちも『心構えはしっかりしぃや」っていつも言われてるから気ぃつけてますもん!」


京太郎「俺もだな。そういう気持ちも大切だと思う」


とりあえずの便乗。

末原はこちらをチラと見ると、しばし考え込んで、顔を上げた。


恭子「……わかった。一回やってみるわ」


『おおっ』と嬉しい声があがる。これで彼女が強くなればまた姫松の底上げにもなるし、一石二鳥。
それに俺や洋榎も否定はしないが、末原の考えは『もったいない』とも思っていた。

強気でなおかつ最善の一手を選択する。これができれば彼女の実力はもっと飛躍するはずだ。

洋榎「その意気やで、恭子!」


恭子「よし! じゃあ、一丁打ちますか!」


絹恵「あ、なら、うちは変わりますんで真瀬先輩どうぞ」


由子「それではお言葉に甘えるのよー」


京太郎「うおっ、いつのまに……」


由子「今ちょうど来たところなのよー」


そんな感じで揃ういつもの面子。組み上げられた山から手牌を取っていく。

京太郎「おおっ……」


いきなりのリャンシャンテン。かなり運がいい。ついてんなー、俺。
でも、こんなところで運は使わなくていいから出会いが欲しい。

もっとおもちが大きい子と出会いたい。具体的には千里山の清水谷さんとか、牌のお姉さんとか……。
そういえば、この前見てたインターミドルチャンピオンも相当のおもちだったような……。


……グヘヘヘ


絹恵「京にぃ、京にぃ」


京太郎「ん? なんだ?」


絹恵「遠慮せずにうちの使ってええねんで?」


京太郎「え? なにを?」


絹恵「こ~れっ」


そう言って絹ちゃんは抱き着くようにして、その兵器を押し付けてきた、


柔らかい  ああやわらかい  ヤワラカイ  

                       ―京太郎―

京太郎「――って、そうじゃねえ! なにやってんの、絹ちゃん!?」


絹恵「なにって……京にぃが『おもち』とか言い出したから願い叶えたろうかなーと思て」


なんて、ええ子や…………じゃないっ!


京太郎「な、なんで俺の考えてることが筒抜けに!?」


絹恵「そりゃうちらの仲やん? ――って言いたいところやけど……普通に漏らしてたよ?」


京太郎「なっ!?」


慌てて視線を同級生メンバーへと向ける。

全員が自分の胸を抱きしめ、絶対零度の目をしていた。

まるで感情がない。ゴミを見ているかのようだ。

恭子「……変態」


京太郎「ぐふっ」


由子「……発情猿なのよー」


京太郎「がはっ」


洋榎「絹のアホ!」


京太郎「ごわぁ!?」


絹恵「なんでうちなん!? ていうか、京にぃもなんで倒れとんねん!」


この後、不覚にも変態と言うレッテルが張られそうになった俺は全員にアイスを奢ることで青春の危機を乗り越えた。

ちなみに、麻雀は三人に狙い撃ちされてトバされたのは言うまでもない。






恭子「……あれ? うちのターンやったはずやのに……なんか絹ちゃんがメインヒロインっぽくなっとる……。メゲるわ……」





末原恭子は新たな麻雀の打ち方を覚えた。

末原の知識が3上がった。

末原の分析力が2上がった。

末原の精神力が3上がった。

末原のメゲ度が10上がった。

というわけで、今日は以上です。
みなさん、『乙』ありがとうなのよー

ところで、明日はある子の誕生日だそうですね……
もしかすると、もしかするかも

茜色の夕日が射し込む教室。たまにカーテンを揺らしながら吹き込む風が冷たい。冷えてきたなと思うと同時に冬が近づいてきていると肌で感じた。時計を見ると五時過ぎ。日が沈むのも早くなったものだ。


「ふぅ……」


一息つき、そっとノートパソコンを閉じた。うんと背を伸ばして固まった筋肉をほぐす。

もう残り一週間と迫った宮守高校の文化祭。共学化してからこれで3回目の祭りになる。

文化委員の仕事を果たした俺は隣で悪戦苦闘を繰り広げている相方に声を掛けた。


「なぁ、エイスリン。大丈夫か?」

「…………」


だが、一向に反応は帰ってこない。いつものことではある。

留学生の彼女は日本語がお世辞にもうまいとは言えない。なので、首にぶらさげているホワイトボードに絵を描いて意思疎通を図るのだ。

「……俺はもう帰ろうと思うんだが、エイスリンはどうする?」


彼女は首を左右に振る。どうやらまだ仕事が完成していないらしい。

……まいったなぁ。これじゃあ例のサプライズは行えない。


「じゃあ、俺も手伝うよ。貸して」

『ブッブー』


可愛らしい効果音でも出そうな×印。


「いや、でも帰るのが遅くなるぞ?」

『ブッブー』

「疲れてきただろ? 俺に任せておけって」

『ブッブー』

「……ふむ」


どうやら意地でも自分でやりきるつもりらしい。

……これは困ったなぁ。早く帰らないと我が家でスタンバイしている部活仲間に申し訳がつかない。

「………………」 


じっとエイスリンを見つめる。

イラストを描く時、彼女はいつも表情豊かだ。透き通る碧眼は人の視線を自然と吸い寄せる。

日の光に照らされて輝く金色の髪。そよ風に揺れ、絵画のように完成された美しさが彼女からあふれ出す。

そんな魅力に満ちたエイスリンが俺は好きだった。


「…………」

「……キョウタロ?」


小首を傾げて彼女は話しかけてくる。

自分の名前を呼ばれたのが、なんだか嬉しくて身を乗り出してしまう。

「なんだ?」

「ソノ……ズットミラレテタラ、ハズカシイ……」

「あ、悪い! 嫌だったよな?」

「ア……ウウン!」


否定するようにブンブンと彼女は首を振る。

すると、急にピタリと動きを止めておろおろとして、俯いてしまった。


「……どうかしたのか?」

「……ゴメンネ?」


唐突に彼女の口から紡ぎだされた言葉は謝罪だった。

「ソノ……ワタシ、ワガママイッテ……」

「……いや、それなら気にしなくていいぞ。俺だってエイスリンの嫌がること言ってごめんな?」 

「チ、チガウノ! ワタシハ……ソノ……」


エイスリンは上手く言葉が見つからないらしい。

あたふたとして、ボードに絵を描いては消して、描いては消すを繰り返す。やがて、彼女は手を止めて。

そして、ポタポタと水粒が零れ落ちた。


「エ、エイスリン!?」


予想外の展開に思考がついていけない。

とりあえず、ハンカチを取り出すと彼女の双眼から滴り落ちる涙をぬぐった。

すると、自然と二人の距離は近くなって――エイスリンが抱き着いてきた。

「っっっっ!?」


言葉にならない叫び。好意を寄せる少女が突然抱擁をしてきたら誰だってそうなると思う。腰に回された腕の力は強く、他人の温かさを直に感じる。


「エ、エイスリン……?」

「…………ワタシ、ネ? サミシイ……」


たったその一言が彼女の心境を如実に表していた。

彼女は交換制度でやってきた留学生。つまり、来年には向こうへ帰ってしまう。国内ならばどれだけ良かったか。

彼女が戻るのは外国だ。学生がそうやすやすと通える場所じゃない。

そう思うと、彼女が急に遠くまで行ってしまうような気がして、いてもたってもいられなくて、その華奢な体を抱きしめた。

「ッ…………キョウタロォ……!」


泣くな、泣くなよ。

俺がいつまでも一緒にいるから。

頑張って働いて、金稼いで、お前に会いに行って、思い出作って、昔話に花咲かせて、それでそれでそれで!

溢れ出てくる気持ち。もうそれを止めることはできなかった。


「エイスリン…………俺、俺さ……お前のことが――」


消える言葉。ふさがれる唇。

数秒を経て、視界一杯の金色が小さくなっていく。

柔らかな感触は一瞬で失われたが、きっと忘れることはない。

そんなキスだった。


「キョウタロ……」


そして、その相手は見事に俺のすべてを奪っていったのである。






――ダイスキ!




                    _..  -‐……‐-  .._
                  ´             `丶、
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           //   i  |    「\ \       ゙,   ゙, ;:.
.           .:'/ ,   i   |j     `、-‐…‐-ミ.゙.   Wハ
        / ,′,′ i   圦    、 ゙;:、   iハ :   【_Vハ
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       Lこ二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ごノ

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                 \               / ハ               /
                   /`  .._         ,゙  ハ        _..  ∧
               /    ⌒   ‐--┘   └---‐   ⌒   ∧
                 /                               ∧

……というわけで、唐突でしたが、エイスリン誕生日おめでとうー!!

突貫で作ったから、おかしいところがあるかもしれませんが、許してください。


……よし、これで今日の投下は達成したな!

それではおやすみなさい……

??「去年のインターハイで先輩のファンになりました! よかったら、その……ここにサインください!!」


差し出されたのは水性マジック(黒)と彼女の広いおでこだった――。


……うむ、わけがわからない。


思考をまとめるためにもしばし回想する必要があるようだ。確か……あれは朝の事――。

桃色の花が咲き誇り、新たな出会いを祝う時季も過ぎた。代わって新緑が芽吹きだすこの頃。


『須賀京太郎先輩へ

お話があります。放課後、屋上へ来てください』と書かれた手紙を見つけたのが数時間前。


洋榎に自慢し、末原にスルーされ、由子に罵られる。


そうしてやってきた約束の時間。


屋上に着くと、そこには黒髪のロリ巨乳ちゃんがいた。


圧倒的おもち! 圧倒的おもち!


しかし、表情には出さない。ついこの間、絹ちゃんに怒られたばかりなんだ。

同じ過ちを繰り返してはいけない。

京太郎「えっと……君がこの手紙をくれたのかな?」


漫「は、はい! 私、上重漫って言います! 麻雀部に所属してます!」


上重さんか……。手紙を見るに一年生だろう。


顔は年齢にそぐわず幼さが残っていて、身長も小柄なため、まだ中学生といっても疑われないと思う。


だけど、一部分は年相応、いやそれ以上に成長していた。


……正直に言おう。好み直球ど真ん中である。

京太郎「…………」


漫「……須賀先輩?」


京太郎「っ、ああ、何でもない。それで話って何かな? いきなりで悪いけど俺も部活があるから、なるべく急いでもらえるとありがたいんだけど」


漫「そ、そうですよね! ……ええぃ!」


上重さんはペチンと自分のおでこを叩いた。そこは頬っぺたじゃないんだ……。


漫「す、須賀先輩!!」


京太郎「お、おう」


彼女は俺の名前を叫ぶと息を吐いて、一気に吸い込み、思い切り頭を下げた。


漫「去年のインターハイで先輩のファンになりました! よかったら、その……ここにサインください!!」

――で、今に至るわけだが……。

どうすればええんじゃい!?

漫「す、須賀先輩? 遠慮せずに書いてくださっていいんですよ?」


京太郎「いやいやいや! 普通は、こう色紙とかにさ!」


漫「持ち合わせがないんです! だから、ここで勘弁してください!」


京太郎「じゃあ、なぜ今日を選んだ!? と、とにかく明日にしよう。教室に来てくれたらいつでも書くからさ」


漫「書き心地いいっていつも褒められてるんですよ! だから、よろしくお願いします!」


京太郎「わ、わかった! わかったから肩を揺らさないで!」


漫「ありがとうございます!」


ぱぁっと笑顔を咲かせるた彼女はズイズイっとおでこを突き出してくる。瞳はランランと輝いていた。


もう……引き下がれないっ!

キャップを外し、たくさん練習した自分のサインを彼女の丸っこい額に書いた。

ポケットから取り出した鏡で確認すると、嬉しそうに笑顔を浮かべる。


漫「あ、ありがとうございます、先輩! うち、感激です!」


京太郎「お、おう。なら、よかった」


漫「はい! あ、それでは失礼しますね! 先輩も部活、頑張ってください! では!」


それだけ言い残すとダダダーっと爆発的な加速力で上重さんはこの場から去っていった。


京太郎「……面白い逸材がいるもんだなぁ」


このことを話せば洋榎はあの子を捕まえようとするだろう。

いや、もしかしたら麻雀部だし、すでに知っているかもしれない。


京太郎「……帰りにちょっと聞いてみるか」


そう呟いて、俺もその場を後にした。


その帰り道、洋榎に尋ねると何故か末原が自慢げに上重さんのことを語りだしたり、あの罰ゲームは洋榎が仕組んだことだったり、そのせいで俺と末原から折檻をくらったりするのは、また別の話である。

やっとこさ、漫ちゃん登場。これで全員、登場しましたね
いくのん? いたっけ、そんな子。忘れちゃった

時間に余裕があればもう一本投下する予定。

ネタとか書いて下さったら適度に拾いますので、どうぞ。
ただ、私の実力では全部とはいきませんので、それはご勘弁を

千里山ならフナQにしゃぶられるのが面白そう。

ん?これは漫ちゃんは罰ゲームでサインねだっただけでファンじゃなかったってこと?

しつぼうしましたちゃちゃのんのファンやめます

しつぼうしましたうえのさんになります

>>103 ナニをしゃぶるんでしょう?

>>107 そんなん考慮しとらんよ……

>>108 キャップはお家に帰ろう


千里山は雅恵さんとフナQがいますから、絡みやすそうですね

>>106 こんな感じで



恭子「ロン。これでまた漫ちゃんの負けやな」


漫「あうっ! こ、今度はどんな罰ゲームを……」


洋榎「んー、あらかたやりつくした感はあるからなぁ。……せや、京太郎、巻き込も」


漫「す、須賀先輩ですか?」


洋榎「そやで。あー、でも普通なら乗ってくれへんやろうし……恭子―、なんかないー?」


恭子「はぁ……またしょーもないこと考えて……あるけど」


洋榎「流石、恭子や! で、何て頼むんや!?」


恭子「サインをおでこにください言うたらええねん。あいつも女の子好きやから余裕やろ」


漫「ええっ!? そんなん無理ですって!!」


恭子「んー、じゃあ、なんか理由つけとくか?」


漫「た、例えば……?」


恭子「せやなー…………うん。その、インターハイで最後まであきらめなかった京太郎は、か、かっこよかった……とか? も、もちろん、他にもいいところいっぱいあるけどな!? 漫ちゃんならこの辺かなって!」


洋榎「あっ」


漫「……なんで末原先輩は顔を赤くしてるんですか?」


恭子「な、なってないわ、アホ! も、もうええやろ! アイデア出したんやから!」


洋榎「おう、サンキュー! とりあえず漫ちゃんは明日、京太郎に頼むことやで! ええな!」


漫「ええ、そんなぁ……」

今日は私用でいつもより更新時間がズれるかもしれません

それだけ報告しに来ました

それで次は由子メインなのよー

ではでは

そろそろ更新始めようと思います!
由子メインなのよー

主に女子が使用する麻雀部の一号室。

この春からすでに主将となっている洋榎と打ち合わせがしたかったため、普段より早めに訪れたのだが、そこに目的の人物はいなかった。


代わりと言っては失礼だが、由子と上重さんがいた。珍しい組み合わせである。


由子「おー、京太郎君。お疲れなのよー」


漫「お疲れさまです、須賀先輩!」


京太郎「おう、おつかれさんさんさんころり~」


由子「まったく似てない上に、ちょっと気持ち悪いのよー」


由子は仲良くなるにつれ、遠慮がなくなっていた。


今までオブラートだったものが一気に鋭くなっているのだ。


……ただ本当に嫌いなだけというのは勘弁してください。


まぁ、何度か家に上がらせてもらったりしているのでそんなことはないと信じたいが。

京太郎「うっせ。それより洋榎見なかった?」


由子「主将と恭子は善野監督に呼ばれてたからまだだと思うのよー。京太郎は副部長の仕事?」


彼女の言う通り、俺は去年の全国での実績を買われて麻雀部の副部長を務めさせてもらっている。

事情を聞けば、来年の為に教育をしておく為だそうだ。


京太郎「そんなとこだ。なら、行き違いになるのもいやだから……よし。久々に三麻しようぜ、三麻」


由子「別にいいのよー。もう一人は?」


京太郎「上重さんに決まってるだろ?」


漫「ええっ? 私ですか!?」


京太郎「おうおう。実は恭子が気にかけてるって言ってたからさ。どんなもんか気になって」


俺がそう言うと由子は合点がいったとポンと手を叩き、上重さんは首を傾げた。


……もしかして、末原の奴……あんだけ周りに『今の一年に結構面白い子がおるんよ』話しておきながら何もしていないのか……?

俺は先に準備を始めようとしていた由子の手伝いをする……フリをしてこっそりと疑問の答えを聞き出した。


京太郎「……由子。ちょっと質問なんだけど」


由子「恭子ちゃんはいつも漫ちゃんをしごいているのよー」


京太郎「やっぱり……?」


由子「わざと直撃狙ったりしてガミガミ文句言ってるのよー。……でも、愛の鞭ということで皆放っているけど」


ちらりと目線を後ろの上重さんへ。


漫「末原先輩が……うちを? え? あれ?」


……末原、お前の愛は届いてないみたいだぞ……。


『メゲるわ』。そんな空耳が聞こえた気がした。


なにはともあれ、準備もできた。ずっと首を左右に傾けていたおでこ少女を呼び寄せ、席につく。

由子「サイコロ回して頭もまわすのよー」


京・漫『あ、末原(先輩)の口癖』


組み上げられた山から牌を取り、与えられた手からどのような上がりがあるかを考える。


その途中で由子が声を上げた。


由子「せっかくだし、最下位は罰ゲームでもするのよー」


漫「うえぇ!?」


上重さんはさっとおでこを隠す。
普段からもそこをいじられてんのか……。わからんでもないけど。俺もやりたい。


こう……唐突に肉とか書きたくなるような、そんな感じ。


京太郎「……魔性のおでこだな」


漫「須賀先輩も何言ってるんですか!」


由子「のよー。なら、最下位は一位の言うことを聞くってことで始めるのよー」


京太郎「大丈夫、大丈夫。おでこに落書きなんかしないから」


漫「棒読みですよ!?」


そんなこんなで始まる三麻。終始、ほのぼのとした空気で談笑しながら打つ、打つ、打つ!

そして、結果。


漫「や、やりました! 二位です!」


由子「の、のよー」


京太郎「由子はちょっと運が悪かったな」


俺と上重さんの当たり牌が見事に由子ばかりに直撃。


僅差で俺が一位、二位に上重さん、ラスは由子で決着がついた。


由子は残念な結果だったとはいえ、このおでこちゃんはなかなかに面白い逸材だ。


末原が爆発とかなんとか言っていたが、まさか本当だったとは……。

漫「じゃあ、罰ゲームですね!」


由子「……えらい嬉しそうなのよ、漫ちゃん」


漫「いつもやられる側だったから新鮮ですもん!」


由子「一位は京太郎なのよー」


漫「それでもですっ!」


キラキラと目を輝かせる上重さん。それだけで普段、どんなに不憫な状況に置かれているか良く理解できた。


なんか、こう……褒めてあげたくなるような、構ってあげたくなるような、そんな雰囲気を持った子だな。


まるで小動物だ。


京太郎「よく頑張ったな、上重さん」


漫「うぇぇぇえ!? す、須賀先輩、何して……」


京太郎「何って……頭撫でてるんだけど」


由子「……普通は女の子の頭を撫でたりしないのよー」


ジトーと白い目を向けてくる由子。


そ、そうなのか。絹ちゃんはいつも喜ぶからてっきりいいものかと……。洋榎も嫌がるそぶりは見せないし。

京太郎「ごめんな、上重さん」


漫「あっ、いえ、その別に嫌ではなかったので……続けてもらってもいいですか?」


京太郎「……この場合はいいのか、由子?」


由子「知らんのよー。まぁ、なにはともあれこれで解散なのよー」


そう言って、由子は席を外そうとする――が、上重さんがその細い腕をしっかりとつかんでいた。


漫「先輩? 逃げるのは許しませんよ?」


由子「ひっ」


普段、やられている分、上重さんの笑顔はどこか闇深さがあった。由子も踵を返してちょこんと席に座る。

漫「さ~て、なにをしますか、須賀先輩? 思う存分やっちゃってください!」


由子「……漫ちゃん、ノリノリなのよー」


漫「す、すみません!」


京太郎「こらこら、由子、睨まない、睨まない。……そうだな。上重さん、こんなのはどうだろう?」


上重さんに俺はある提案をした。


それはふとした疑問だったあることだ。


由子とは一年以上の付き合いになるが、一つ不思議なことがあったのだ。


それをもう一度聞くためにも今回の罰ゲームを使わせてもらう!


漫「へぇっ! すごくいいですよ、先輩!」


上重さんも賛同してくれた。ならば、これでいこう。


京太郎「んじゃ、由子。罰ゲームの内容だが」


由子「あまりきついのは勘弁してほしいのよー」




京太郎「一か月間、お嬢様の喋り方な」



由子「のよっ!?」


由子の血の気がサーと引いていく。


由子はこんな変哲な語尾を付けるが、実はお嬢様である。


自宅もお屋敷だった。何も知らずに招待された時は、今までの行動を思い返して『真瀬お嬢様』と呼んでしまったレベル。


それで何よりも驚いたのが由子は家の中では『のよー』と伸ばさずに『ございます』と話していたことだった。


本人に聞いたところ、固いのは面倒だったとのこと。


だが、しかし、敗者に口なし。やると言ったからには受けてもらおう。


由子「ほ、他のでお願いするのよー」


漫「ダメですっ! 先輩も諦めてください!」


由子「あ?」


漫「ひっ」


京太郎「やめーや」


由子「いたっ」


凄む由子の頭にチョップを入れる。後輩を可愛がる(意味深)は禁止だ。

京太郎「というわけだから、洋榎とかにも伝えておくから」


由子「うぐぐぐぐ……!」


由子はそれからもしばらく唸っていたが、どうやら観念したみたいでため息を吐いた。


由子「……わかりましたわ。これでいいのでしょう?」


京太郎「そうそう。そっちの方が女の子らしくて可愛いんだから、大人しくしておけって」


由子「なっ、かわっ!?」


顔を真っ赤にして由子はうつむく。隣で上重さんも『あわわわ』とあたふたしていた。


……二人してなにしてんだ? 


由子「……ズルいですわ、この色男」


京太郎「はっはっは。負けた自分を呪うんだな」


由子「次は覚えておくの……覚えておきなさい……!」


キッと涙目で睨んでくる由子。その頬の朱色はまだ引いてはいなかった。

というわけで、由子回でした。
由子がお嬢様というのは知ってた(棒)

小ネタは引き続き募集中。
次は雅恵さんか、いくのんか。

姫松関係ないけど、桃子の誕生日SS……間に合うかなぁ

今日は短めですけど、いくのんを少々

ここのいくのんとは元々、知り合い設定でお願いします

私には昔から手塩にかけて育ててきた男の子がいる。


郁乃「きょーたろー君」


私はその子の名前を呼んで後ろから抱き着いた。


わざとらしく胸を押し付ける。


そうすると彼は面白いくらいに慌てふためくのだ。


京太郎「あ、赤阪先生っ!?」


顔を真っ赤にしながら狼狽える彼の姿は初心でそそるものがあった。


こんなやり取りをするのも二桁になるのに反応が面白い稀有な子である。

京太郎「赤阪先生、何してるんですか!」


郁乃「えー、ちょっときょーたろー成分補充しよう思うて~」


京太郎「また意味わからんこと言って誤魔化そうとしないでくださいよ!」


郁乃「ええやん、ええやん。ほら、私はきょーたろー君の先生やし……」


京太郎「コーチなんだから当たり前でしょうが!」


郁乃「んっふっふ~、違うやろ~?」


ふぅーと耳に息を吹きかける。


郁乃「専属のコーチ……やろ?」


京太郎「っっっ!?」


郁乃「それにいつも通り、下の名前で呼んでーなぁ」


京太郎「……家でしか呼んだことないけど? 郁乃姉さん」


郁乃「きょーたろー君のイケズ~」


さらに体を密着させる。彼の体温がどんどん上がっていくのが感じられた。


……んー、ええ匂いやわぁ。


男の子って感じで、ちょっと汗が混ざっているけど嫌じゃない。どこか安心できる匂い。


……でも、ちょっと昔とは違うなぁ。


いい匂いやけど今はいろんなのが混ざってる。昔は私の好み一色やったのに、残念……。

恭子「何してるんですかっ!!」


そして、こうやって私がきょーたろー君に構っていると必ず噛みついてくる女の子が一人いるのだ。


郁乃「嫌やな~、末原ちゃん。うちはきょーたろー君と仲良くしてるだけやで~?」


恭子「仲良くするならもっとええ方法があるでしょ! コーチならコーチらしく指導してください!」


この子もわかりやすくて面白い。そんなに好きなら離さないようにすればいいのにな~。


……でも、私も寂しいのは本当やし~。今日はうちに彼の時間ちょうだいな?


末原ちゃんをからかう魔法の言葉を口にした。


郁乃「指導は自宅でしてるし~」


恭子「はぁっ!?」


想像通り、末原ちゃんは食いついてくる。信じられないものを見る目をしていた。開いた口が閉じないみたい。

郁乃「あれ? 知らんかった? うちってきょーたろー君の師匠やから」


恭子「し、師匠!? それ、どういうことや、京太郎!」ユサユサ


京太郎「うおうあうおおおおお!?」


郁乃「あかんで~末原ちゃん。きょーたろー君には優しくしたりや~。じゃないと~」


私は末原ちゃんから奪うようにして後ろからきょーたろー君を引っ張る。


揺さぶられていたせいでバランスを崩した彼はそのままこちらへと倒れるわけで。


身長差もある。そうすればその頭はどこへ着地するか。私の胸だ。


ん~。


郁乃「……ぎゅ~」


恭子「んなっ!?」


京太郎「いいいいいいい郁乃姉さん!?」


郁乃「ほら~、やっぱりきょーたろー君もこっちがええやろ~? 結構大きいからな~。何がとは言わんけど~?」


ペターン。そんな効果音が聞こえてきそうな末原ちゃんのリアクション。


そんなに手をかざしても胸は見つかれへんと思うけど~。

恭子「……くっ!!」


京太郎「あ、おい! すえはるぁっ!?」


郁乃「は~い、ダメ~。今日はうちのきょーたろー君やで」


しっかり力を込めてガッチリホールド。去った末原ちゃんを追いかけようとした彼を離さないように。


郁乃「も~、うちじゃ不満~?」


京太郎「そうじゃなくてですね!」


郁乃「……いいやん? うちも寂しかったのは本当やねんで? だって、きょーたろー君……インターハイ終わってからなかなか私のところ来てくれへんかったやん」


京太郎「そ、それは忙しかったからで」


郁乃「うちはもう用済みな女なん?」


京太郎「うっ」


若干、涙ぐみながら見上げる。そして、甘えるようにささやく。きょーたろー君を落とす必勝の組み合わせ。


これを受けた彼の反応は決まって一つ。

京太郎「……今日、うちで教えてもらっていいですか?」


郁乃「うん。お母さんによろしく言っといてな~」


京太郎「了解です。……今日は泊めませんからね?」


郁乃「わかってるって~」


泊まりはせえへんよ。……徹夜で麻雀講座やるだけで。


いや~、本当に良かったわぁ、きょーたろー君のお母さんがうちのおかんの親友で。


おかげで有利に物事が進めるからなぁ。


きょーたろー君は子供の頃からの知り合いで、ほんまええ男に成長して、麻雀も強くなって……どんどん理想の男の子になっていくわ~。


郁乃「えへへ~」


覚悟してな、きょーたろー君。


うち、悪い女なんよ?

というわけで、ここまで。


次回はこれを受けた姫松お泊りイベントの予定。
そこでマッサージかな?(おもちをとは言ってない)

マッサージの描写は力入っている方がいいですか?
それともキンクリ? どっちのほうがいいですかね?

ちなみに、キンクリだと


「京にぃ、マッサージしてくれへん?」



「絹ちゃん、ここ……すごく固いぞ?」
「やぁん! 言わんといて、そんなこと……ひぅっ!」

「んっ……はぁはぁ……すごく……良かったよぉ♡」


こんな感じで結果だけ残る感じです

いつもは書き溜めができてるんだけど、今日は帰りが遅かったので、書きながら進行ですのだ

だから、ちょっと更新スピードは遅くなります

では、投下し始めるのよー

どうしてこうなった。


俺は今、頭を抱えていた。悩みの種は隣を歩くお姉さん。


仕事帰りで滅多にお目にかからないスーツ姿のせいで体のラインがはっきりと浮き出ており、正直に言えばエロい。普段の彼女からは感じられない色気が出ていた。


それで腕を絡めてくれるのだから、もうたまったもんじゃない。


郁乃「久しぶりやな~、きょーたろー君に来るのも」


京太郎「郁乃姉さんも忙しいからな。仕方ないと思うけど」


郁乃「もう~きょーたろー君は冷たいわ~」


京太郎「自分の行動を思い返せば原因はわかると思うんだけど?」


郁乃「ん~……」


郁乃姉さんは口に人差し指を当てて首を傾げる。

郁乃「わからんわ~」


京太郎「……はぁ」


あれは絶対理解している顔だ。面白がって笑っている。


くそぉ、今日は末原は口を聞いてくれなかったし、理由は分からなかったが洋榎たちも一緒に帰らなかった。


こんなのは去年の『サイゴノ・ファンタジー』発売日以来の事件。


きっと郁乃姉さんとのやり取りが末原の口から女子部員に伝わっているんだろうなぁ。


通算33回目(4か月ぶり)だから、もう慣れているだろうけど。一年の初めとかはひどかったよなぁ……。


郁乃「ため息するなんてひどいな~」


京太郎「いや、こう、昔はもっと素直で面倒見のいいお姉さんだったのに……。大人になるってこういうことなのかなって……」


郁乃「ええやん、大人になって魅力増えたやろ~」


京太郎「どこが?」


郁乃「ほら、こことか?」


郁乃姉さんは両腕で下から抱え込むように双丘を寄せ上げる。


プルンと音が聞こえてきそうなボリュームと弾むような柔らかさ。――って、いかんいかん!

京太郎「強調しなくていいから! ここも外なんだから他の男の視線ぐらい気にしろよ!」


郁乃「でもでも~」


京太郎「……でもいいから」


郁乃「ん? なんて~?」


京太郎「そんなことしなくて郁乃姉さんは魅力的だから!」


そう言うといつもニコニコしている郁乃姉さんが目を開いた。


だけど、それも一瞬で、またいつものにへらと笑った表情に戻る。紅潮した頬を除けば……だが。


ああ、もうこっちまで恥ずかしくなってきた! なんでこんなこと言わなきゃならないんだよ……!

郁乃「えへへ~、きょーたろー君は優しいね~」


京太郎「優しいじゃなくて、諦めですよ」


学校から我が家までは実は歩いて行ける距離だったりする。気が付けば、馴れしたんだ自宅まで来ていた。


カバンから出したカギで施錠を解き、ドアを引く。


すると、玄関には無人でなく、エプロン姿の同級生がいた。


出かける際には、ほとんど装着する赤リボンがぴょこぴょこと揺れている。

京太郎「ただいまー」


恭子「おかえりなさい、あなた」


京太郎「おー、末原。これ持ってくれる?」


恭子「うん、任せといて」


京太郎「いやー、俺はいい奥さんをもらったなぁ」


恭子「ありがと」


京太郎「…………」スタスタ


恭子「…………」ニコニコ


仲良く隣に並んで廊下を歩く。長年連れ添った夫婦のように、違和感なく。


違和感……なく……?


京太郎「……ちょっと待て、末原」


恭子「なに? おかしいところでもあった?」


京太郎「おかしな点しかないんだけど!? いつものクールで常識人なお前はどこにいったんだよ!?」


恭子「気づいたんや、京太郎……! 普通のままやったら負けるって!」


末原の言葉の端々には力強さが感じられた。かなり感情がこもっている。


よくわからないが、思わずうなずいてしまう、そんな強さが!

恭子「というわけで、負けへんで! 赤阪コーチ!」


郁乃「わたし~?」


ひょこっと背後から顔を出す郁乃姉さん。また小首を傾げる。


こうやって姉さんが首を傾げている時、これはわかっていて敢えて理解していないフリをしている際のクセだ。


ずっと手玉にとられている俺だが、そこは長年の付き合い。俺しか知らないことだってたくさんある。


恭子「そうや! 京太郎は渡さんで!」


郁乃「そんなん言うてもきょーたろー君、うちの違うし」


恭子「なら、手を出さないでください!」


郁乃「それは嫌やな~」


恭子「ぐぬぬ……!」


郁乃「んふふ~」


片やしかめっ面、片や気の抜けた顔。睨みあっているようには全く思えない。


けど、間違いなく二人の間には火花が散っている。争っている原因は話を聞く限り、俺なわけだが……うん。


どこか重い空気。それを消しとばす明るい声がリビングから響いてきた。

絹恵「あー、京にぃ、おかえりー!」


洋榎「はよ入ってこいやー」


由子お嬢様「私たちお手製の唐揚げが待っていますわよ」


漫「う、うちのお好み焼もありますよ!」


……なぜか複数。


郁乃「……末原ちゃん?」


恭子「……うち一人やったら敵わんからなぁ。当然、助っ人呼ばしてもろうたわ。残念やったなぁ、コーチ。こんだけ生徒居ったら好き放題できひんやろ?」


まさにしてやったり。末原は得意気な顔でそう告げる。


郁乃「……やる気やな、末原ちゃん?」


恭子「……絶対に負けませんよ」


郁乃「そっかそっか」


恭子「ええ、そうです」


郁乃「うふふふふ」


恭子「あはははは」


互いに笑いあっているが、目は笑っていない。


だけど、握手はしているし、問題はない……かな?


恭子「さ、京太郎。夕ごはん食べよ。今日はお義母さんに頼んで、うちらに作らせてもらったから」


郁乃「あ~、ええ匂いするな~。うちもお腹ペコペコや~」


恭子「はいはい、コーチの分もありますから、はよ入ってください」


末原がぐいぐいと姉さんの背中を押していく。全員いるってことは、騒がしい食事になりそうだなぁ。


楽しそうではあるけど、今日の夜は長くなるかもしれない。


恭子「……あ、そうそう、京太郎」


京太郎「ん? なんだ?」


恭子「今日、うちら泊まるから」


京太郎「……はぁぁぁぁぁ!?」


前言撤回。今日の夜は眠れなさそうだ。


恭子「よろしく、頼むで! 京太郎!」

-カンっ!-(大嘘)

すいません、やっぱり今日はここまで。
マッサージは延期になってごめんなさい。

やっぱり時間がどうしても10~12時までしか取れないのがイタいなぁ……

今後の予定としては

お泊り(マッサージ)

千里山との練習(勝敗だけコンマ使います。具体的な描写はなし)

末原ちゃんの過去

みたいな、感じでなのよー

ああ、ごめんなさい!
>>147 の前にこれがあったということで、補完お願いします


恭子「洋榎!」

洋榎「ん? どうしたきょうこぉぅぉぅっ!?」

恭子「ええから! 京太郎の家に電話かけてくれや!」

洋榎「わかったから! 揺らすのやめーや!?」

恭子「あ、ご、ごめん。ちょっと頼みたいことがあって」

洋榎「別にええけど……どうしたんや、急に……。あ、もしもし? 可愛い方の愛宕やねんけどー」

恭子「今日、京太郎の家に泊まってええか聞いてくれへんか!?」

洋榎「わかったわかった。あ、京太郎のおかん? ちょっと今日宿泊したいねんけど……はっ!?」

恭子「っ」ビク

洋榎「あ、ちゃうちゃう、ちょっとこっちのことや。うんうん、ごめん、またかけなおすわ。あと、うち絹ちゃうからなー。んじゃ、切るでー」

恭子「ああっ!? なにしてんの、洋榎!」

洋榎「それはこっちのセリフじゃ! いきなりどうしてん?」

恭子「……女には、な。負けられない戦いがあるんやー!!」

洋榎「も、燃えとる……! 恭子が燃えとるで……!」

すみません、こんな時間ですがコンマ使って判定したいんですが、人いますかね?

いなかったら、また夜に来ます

よし、いるみたいですので、いきます

特別編に出演してもらうヒロインはっと

コンマ下一桁

1・6、洋榎
2・7、絹恵
3・8、由子
4・9、漫
5・0、恭子

ゾロ目 郁乃


安価下3

可愛い…方?

というわけで、特別編はのよー、ですね
了解なのよー

あ、今日の更新は11:30くらいなのよー
遅れても更新はあるので待ってほしいのよー

想像通りの楽しい夕餉を過ごしたあと、各自それぞれが風呂に入り……何故か俺の部屋に集まっている。


一人部屋に計七人いることになるので狭い。ぎゅうぎゅう詰め。


京太郎「悪いな、末原。ベッドなんかに座らせて」


恭子「う、ううん! 別に気にしてないから!」


洋榎「そやで、恭子。京太郎なんか気にせんでええって」


絹恵「京にぃのベッド、相変わらず気持ちええなー」


京太郎「お前らはもっと気を使え」


洋榎と絹ちゃん、末原。


椅子には上重と由子が半分ずつで、郁乃姉さんは勝手にテーブルを片づけて寝転がっていた。


俺の周りに自由人が多すぎる件。

京太郎「……コーチ。ほら、生徒もいるんだから」


郁乃「自宅でまで先生なんかやってられんよ~」


京太郎「ここ須賀家だけどな」


郁乃「気にしたらあかんて。ここには着替えもあるし、私物もあるから第二の自宅や~」


洋榎「それならうちの家でもあるな!」


絹恵「うちも、うちも!」


京太郎「三人だけ外に放り出すぞ! ……はぁ。もういいからコーチ。そろそろ指導始めてくれませんか?」


郁乃「…………」


京太郎「コーチ?」


郁乃「……つーん」


京太郎「……郁乃姉さん」


郁乃「はいはい~。じゃあ、始めようか~」


『よっこらしょういち』と声を出して、郁乃姉さんは立ち上がると雀卓のある一階の洋室へと会談を降りていく。


……と、その途中。ある話題を投下した。

郁乃「あ~、後でマッサージしてな~?」


絹恵「……マッサージ?」


食いついたのは絹ちゃん。


彼女も長年、付き添っているが耳にしたことがないことだから、だろう。


郁乃「そ~そ~。折角やからやって~」


京太郎「……えー」


郁乃「嫌な顔せんといて~な~。今日はこの後、付きっきりで指導してあげるわけやし~」


京太郎「うっ……なら、仕方ないか」


恭子「それはええな。うちもお願いしていい、京太郎?」


洋榎「おっ、京太郎のマッサージか! うちもしてもらおか!」


京太郎「じゃあ、練習付き合えよ」


洋榎「やっぱパス」


熱い手のひら返し! 


洋榎はふわぁ、とあくびをするとそのままベッドに飛び込んだ。


その様子を見て、珍しく髪を下ろしている金髪少女も辞退の旨を伝える。

由子お嬢様「私も遠慮いたしますわ。夜更かしは美容の天敵なので」


絹恵「うちはやりたいです!」


漫「う、うちはちょっと遠慮しますわ」


便乗したのは麻雀に熱心な二人だった。


他のみんなはどこから持ってきたのか、各々自由に布団を引くと雑魚寝を始める。洋榎に限っては俺のベッドを使っていた。


……今日は寝るなというメッセージか? だとしたら、なんて嫌な応援だ。


郁乃「まぁまぁ、いいから始めよか~」


絹恵「よっしゃ! 今日はがっつりやるでー!」


恭子「うちも頑張るでー」


京太郎「よし、じゃあ四麻でやるか!」


郁乃「うちも力入れてやるから、ついてくるんやで~」

三十分後


絹恵「あかんて、京にぃ……。そんなところ触ったらあかん……むにゃむにゃ」


郁乃「えへへ~きょーたろー君~……くぅくぅ」


恭子「いくらなんでも早いわ……」


京太郎「これは俺の目をもってしても見抜けなかった」


恭子「なんや、それ」


苦笑して、末原は体重を椅子にかけた。はぁ~と息を吐くと卓に突っ伏す。


京太郎「お疲れみたいだな。もう一回、風呂入るか?」


恭子「……ええのん?」


京太郎「おう、その後、マッサージもしてやろう。約束してたしな」


恭子「至れり尽くせりやな。なら、頼むわ」


京太郎「じゃあ、俺はこの二人を別室に連れていくから。また、この部屋に集合な」


恭子「オーケー」


末原は右手でオーケーサインを作ると、部屋を出ていった。


……今、思えば風呂上がりの女の子と二人きりになるわけだが……まぁ、問題は起こらないだろう。


俺さえ我慢することができれば。


京太郎「さて……と」


俺もこの二人を運ぶとするか。


寝言を漏らして、幸せそうに眠るおもち少女二人を起こさないように抱きかかえる。


絹恵「らめぇ……らめなのぉ……」


郁乃「どや~…………」


京太郎「……一体どんな夢を見てるんだ、二人とも」

いつもだったらここで終わるじゃろ? 

だが、しかし! 今日はこのままマッサージまで行くんだ!

だから、ちょっとだけ待ってください。すぐに続きを書きますから!

よし、ちょっとずつ再開します
今回は登場人物が限られているのと雰囲気作りのため、「」前の名前無しです

「(……うちは今、幸せの絶頂におるんやないか?)」


うち――末原恭子はそわそわしていた。他人が見たら怪しむくらいに落ち着きがなかった。


「うわぁぁぁぁぁぁ! なにやってんねや、うちはぁ!!」


コーチに乗せられ、洋榎に頼み、好きな男子の家に宿泊することになった。


それだけに終わらず、『新婚ごっこ』にマッサージまでしてもらおうとしている。


過去の自分が聞いたら正気を疑うレベルの行動力。


「へ、変なとこないかな……?」


これでシャワーを浴びてから五度目の身だしなみチェック。


パジャマも水玉模様で、ボタンもしっかり留めている。髪もちゃんと梳かしている。


汗もかいていない。変な匂いもしない。……し、下着も気合いを入れてきた。


い、いや、ここまで力入れる必要はないかもしれへんけど! 


もしかしたら! もしかしたらがあるかもしれへんし!?


「えへ、えへへへへ」


「どうした、変な笑い声あげて」


「うひゃぁいっ!?」


突然、後ろからかけられた声。私はびっくりして飛びあがってしまう。見ればジャージ姿の京太郎だった。


手にはタオルのかかった底の浅いバケツを持っている。

マッサージはのよーじゃなかったか?

「……なんや、それ?」


「ああ、これか? 温水とタオルだよ。マッサージするって言ったろ?」


「へぇ。えらい本格的やな」


「これでも中学までハンドボール部だったからな。体のケアには気を使ってたんだよ」


彼は私の横に膝をつくと温水に浸したタオルを絞って渡してくれる。


「これで5分くらい温めてくれ。首に巻く感じで」


「ん、りょーかい」


うちは彼からそれを手に取り、髪をかき上げて言われた通りにしようとしたところで気が付いた。


京太郎の視線が集中している。


え、え、なに? うち、変なことした?

「……京太郎?」


「……えっ、どうかしたか?」


「い、いや、そのなんでうちのことジッと見てるんかなーって。あ! き、気のせいやったらごめんな!?」 


「……あー、その、言いにくいことなんだけど……」


ポリポリと頬をかいて、彼は目をそらす。そして、ぽつぽつと言葉を漏らし始めた。


「その……末原の髪をかきあげる仕草が艶めかしいというか……魅力的だったから」


魅力的だったから、魅力的だったから、魅力的だったから……。


頭の中で何度も反芻されて、染み込んでいく。


それは、ううう、うちが綺麗っていうこと……やんな……?


「……えと、ありがと」


「ど、どういたしまして?」


「…………」


「………………」


どこか気まずい雰囲気になり、静寂が訪れる。カチコチと秒針が進む音が大きく聞こえた。


結局、5分経つまで、うちらが喋ることはなかった。


「あ、5分経った」


「じゃあ、もう外してええ?」


「おう。じゃあ、末原はそのまま楽にしていてくれ」


「寝転がらんでええの?」


「今日はもう夜遅いし、肩だけだからな。椅子に座ったままでいいよ」


「ほーん。ま、先生の言うことに従おうか」


私は言われた通り、椅子にもたれかかる。

>>181 のよーは特別編なのよー
   あと、ここから三人称に突如変わる
=====================================


「じゃあ、いくぞ。痛いところがあったら言ってくれよ」


「う、うん。うちも初めてやから……優しくしてな?」


「わかってるよ」


恭子の言葉もあり、まず京太郎はほとんどゼロの力で彼女の肩周りを撫でまわす。


こうやって徐々に力を入れていき、凝っている箇所を探すのだ。


「っう、あっ……」


「ごめん? 痛かった?」


「あ、ううん。そうじゃなくて……」


恭子は思わず声をあげてしまった。


自分の意中の相手とはいえ、男子に体を触られるのにわずかながら緊張があったからだ。


だけど、あんなこと言っておいて、ここでやめてとは言えない。だから、とっさに誤魔化そうとする。

「京太郎も服の上からやったらわかりにくいやろ? だから、その……ほら」


そこまで言うと恭子は突然、第一ボタンを外した。そうして肩口の部分だけ繊細な肌を露出させる。


「直接……さわってええよ?」


「お、おう……」


頬を朱に染めた恭子と同じくらいに顔を真っ赤にさせた京太郎。それもそのはず。


ボタンを外したせいで恭子のはだけた襟元が見えるのだ。


白い首筋の肌。


浮き出した鎖骨と窪み。


その先の小さな膨らみに続く。


風呂上がりで上気しているせいで、誰よりもずっと控えめな彼女の胸がすごく魅力的に映る。


さらに欲望を呼び寄せるのは肩にかかる黒いヒモ。これはもしかしなくてもブラジャーのものだ。

「(く、黒!? 黒なのか、末原!?)」


「んっ……どうしたん、京太郎? 続けてかまへんで?」


「お、おう」


そうは言うもののこんなにも女の子として意識してはやりにくい。


だけど、ここで変に動きを止めてやましいことを考えているとバレたくもない。


無心でやろう。そう決意した京太郎は両手を動かす。


「んっ、あっ……そこ、もうちょっと強く……っっ!」


京太郎がマッサージを再開した途端、恭子の体に電流が走る。


生とではこんな違いがあるのか、と彼女は早速後悔していた。


快感が違う。さっきまでとは大きく異なる。急に体温がポカポカと温まってきた。


「(な、なんや、こんな気持ちええのがずっと続くのん……? へ、変な気持ちになってきたで……)」


だが、そんな状態になっているとはつゆ知らず、彼は手を動かし続ける。

「これなんかっ……どうだ?」


ぐにぐにとほぐしてから、肩全体に覆い被さるように手を置くと、一気に掴み上げる。


女子特有のやわらかい肌が吸い付くように引っ張られ、固まった筋肉を揉み解いていく。


「あぁっ! くぅ……んんっ!!」


甘い声を出して恭子は椅子にもたれかかった。意識ここにあらずと、うっとりした表情だ。


赤く染まった目元が色っぽい。


ほつれた後ろ毛や、うっすら涙を滲ませた瞳が普段の彼女とは違った魅力を与えているようで。


「(煩悩退散煩悩退散!)」


もう色々と我慢の限界だった京太郎は一気に攻める。確実に恭子のツボを指で押し出した。


肩の端から首の根元まで徐々に移動していき、優しく、それでいて的確に恭子の弱い部分を突いていく。

「ひゃっ、ぁ……ぁ……!」


「もうちょっとで終わるからな、末原!」


手は首裏から鎖骨周りへ。ギリギリ胸に触らない辺りを押していく。


ピリピリとした刺激が恭子の体に何度も放たれた。


「(あ、あかん、これ……。なんかじ焦らされてる気分で……でも、心地いいから止められへん……!)」


そして、すぐに溜まってしまったそれは一気に快感となって解放された。


「う、うん、がんばりゅっ!? んぁ、ひゃうぅぅっっっん!!」


ビクンと椅子の上で跳ねる恭子。だらしなく開けた口からは透明な液体が垂れていた。


服も乱れ、あと少しでも捲れてしまえば、ツンと尖った桃色の突起が露わになってしまうだろう。


「(あ、あかん……。気持ちよすぎて、もう何も考えられへん……。今もこんな格好で……でも、嫌じゃない不思議な感覚。)」


「はぁ……はぁ……。……ごめんな、末原。大丈夫か?」


申し訳なさそうに感想を求めてくる京太郎。


ちょっと頭を回してから、経過を思い出し、彼女は答えた。

「う、うん。また……またしてもらたいくらいや」


「……そっか、良かったよ。なら、また今度な」


また、今度か……。


それはいつなんやろうか。明日? 一か月後? それとももっと先?


……あかん、そんなん待たれへん。こんな気持ちええの、なんやったら……いっそのこと……。


「……なぁ、京太郎」


「ん? なんだ?」


「今から……もう一回やってくれへん?」


今日くらい存分に味わおう。

この後、めちゃくちゃマッサージした。

下手くそでごめんな。あと、おもち大きい子じゃなくて。今度は頑張るよ。

今日はここまで。
明日は更新できたら特別編と二度目の夏のインターハイの結果をコンマで決めたいと思います。

遅くまでお付き合いいただき、ありがとうございました


絹ちゃんと漫ちゃんは大腿筋と大殿筋を含むマッサージもヨロ~

>>167 なんでや! ネキかわええやろ! なお、須賀家では
>>196 ようはお尻ですかな?

みなさん、乙ありです

早速、インターハイのコンマ判定したいんですが人いますかー?

判定順は みんなの個人戦→インターハイ団体戦(女子)→京ちゃんのインターハイの結果でいきたいと思います

じゃあ、行きます! あまりにも間が空いたら連投ありで。あと、うちは確率重視や!


00~50 県予選敗退
51~65 インターハイ個人戦一回戦敗退
66~75 個人戦ベスト16
76~85 個人戦ベスト8
86~95 個人戦ベスト4
96~99 個人戦 優勝

ゾロ目 個人戦 準優勝

洋榎↓1(最低でもインターハイ一回戦は確定)
恭子↓2
由子↓3
絹恵↓4
漫 ↓5

は? …………ふぁ!? 

なんや、この高校、全国最強やろ……。


というわけで、やったね、由子ちゃん! 個人戦優勝だよ!

結果は最後にまとめて出しますのよー。

じゃあ、次いきます。



・姫松高校(個人戦補正入り。あと、絹ちゃんはまだレギュラーにはいません)

00~50 インターハイ団体戦 ベスト16
51~75 インターハイ団体戦 ベスト8
76~90 インターハイ団体戦 ベスト4
91~99 インターハイ団体戦 優勝

ゾロ目 インターハイ団体戦 準優勝


安価下3


というわけで、団体戦はベスト16で。

ほ、ほら、この時は洋榎と漫ちゃん以外、レギュラーにいないから(気になって、さっき漫画チェックしなおした)

というわけで、気分入れ換えて、京太郎の判定行きましょうー


・京太郎 高校二年時 (一年時の結果補正あり・全て中堅で)

00~50 インターハイ団体戦 / 個人戦 ………ベスト16
51~75 インターハイ団体戦 / 個人戦 ………ベスト8
76~90 インターハイ団体戦 / 個人戦 ………ベスト4
91~99 インターハイ団体戦 / 個人戦 ………優勝

ゾロ目 インターハイ団体戦 / 個人戦 ………準優勝


安価下2(団体戦)

安価下3(個人戦)

高校二年時 インターハイ結果一覧

姫松高校麻雀部・女子の部


団体戦 ベスト16

愛宕の面白い方……個人戦一回戦 敗退

末原恭子……個人戦 準優勝

真瀬由子……個人戦 優勝なのよー!

愛宕の可愛い方……県予選敗退

でこ重漫……個人戦 ベスト8


男子の部

京太郎……団体戦ベスト8・個人戦 準優勝

このスレでは由子お嬢様のコンマの優遇っぷりが凄い気がする……

京太郎も強いしなぁ。

姫松は個々が強すぎて、チームワークが取れていない可能性が微レ存?

なんにせよ、来年こそVやねん、姫松!

ごめん、忘れてた

特別編は普段通りの時間に更新なのよー

あと、マッサージ多分超えるから、嫌な人は
今回みたいに酉に『由子【R18】』をつけておくので、閲覧除外? なのかな。してみてください

専ブラというのを使っていないので、よくわからないんだ
ごめんよ

つかこれのよーが暴走開始(雀力的な意味で)した時の最初の被害者臭いんだがww>ネキ

そして京ちゃんは同学年か1つ上かに目の上のたんこぶいるのか、2年連続で出し抜かれたか、もしくはギャグみたいな逆転喰らったか?

テルー倒すのよーとかいうチート

>>229 同学年のライバルがいる方が色々とはかどりそう
>>233 のよー! のよー!

14巻のあわあわのおもちがさらに成長している気がするのよー

とりあえず、五分後くらいから始めます。
これはあくまでIFの世界っていうことで

「それでは社長。お疲れ様でした」


「おう、ご苦労様」


部下に労いの言葉をかけると、俺は車に乗り込む。


姫松高校を卒業して、もう八年。麻雀第一だった生活からはガラリと変わり――今は一大企業の幹部を務めている。


高校で麻雀部に入部してインターハイでも確かな結果を残した俺はプロに入る。そう思っていた。


だが、未来とは分からぬものだ。


だから、人生は面白いと言われるのだろう。


俺は高校三年の時、ある女の子に告白された。そして、俺もその女性を想っていた。


その女の子の実家は大手企業の創始者の家系で、婿はその後を継がねばならない。


もちろん、俺も例からは漏れない。


麻雀は捨てた。そのためにたくさん悩んだ。悩んだうえで、この選択肢を取った。


だけど、後悔はしていない。


その代わりに、何よりもかけがえのない人を手に入れたのだから。


気がつけば自宅前だった。二人暮らしには勿体ないぐらいの豪邸。


ドアを開けると、玄関には金色の髪に、翡翠色の瞳を持った女性が立っていた。

「おかえりなさい、あなた。カバン持ちますね」


「ああ、ありがとう――由子」


「いえいえ。これも妻の役目ですから」


そう言って彼女は手渡したバッグをその胸に抱きしめる。クルリと翻すと俺の隣に並んで歩きだす。


「ふふっ」


クスっと微笑する由子。……今のやり取りになにか面白いことがあったか?


「……どうかしたか?」


「今でも信じられなくて。まさか、京太郎が私を選んでくれるなんて」


「もう結婚して5年目だぞ? そろそろ信じてくれてもいいんじゃないかー?」


そう言って彼女のサイドロールをみょんみょんと引っ張る。


「あうっ」


「わはは。参ったかー」


「のよー…………あっ」///


ハッとした由子は口を手で隠して、頬を赤らめる。恥ずかしさから、眼も伏せていた。

「懐かしいな、その伸ばす癖」


「もうっ。今は恥ずかしいから嫌なの」


「どうして?」


「な、なんだかボーっとしてる感じで……嫌じゃない?」


「そうか? 俺はそんなところも好きなんだけどな」


「ううっ、バカー」///


「ああ、もう可愛いな、由子は」


「あっ」


後ろから手を回し、グイっと顔を近づける。見つめること数秒、唇を奪った。


舌を入れて口内を犯す。由子も応えてくれて、互いの唾液を絡め合う。


「んっ……っは」


口を離せば透明の糸が橋のようにかかる。彼女の目はどこか力抜けていた。


「うれしい……京太郎」


胸に飛び込んでくる由子。そんな彼女がたまらなく愛おしくて抱き上げると、そのままベッドのある寝室へと運ぶ。

「きゃっ」


由子は可愛らしい悲鳴をあげるが、その瞳には好奇を孕んでいた。


「嬉しそうだな、由子?」


「……愛する人との交わりを嫌と思う女はいない……のよー」


「照れるなら無理しなくてもいいんだぞ?」


「あなたが可愛いって言ってくれたから……今日だけ」


そう言うと由子は起き上がり、こちらに真っ赤な顔をこちらに向ける。


その細く、小さな手は俺の股間に伸びていき、上から擦る。


「……始めよー? 京太郎?」


俺の返事も聞かず、由子はズボンを引っ張り下ろしていく。


そうなると半ばずりおちたトランクスも餌食になるのに数秒も掛からない。

「……もう大きい」


由子の目の前に俺の肉棒が現れた。


「ん……ちゅっ……ぷあっ」


「えらくっ!? き、今日は積極的だな……?」


「久しぶりだから……興奮してきたのよー」


そう言うと、由子はためらいもなく肉茎を口に含む。


「んんんぅ!」


由子は顔を突っ伏すように一身になめしゃぶっている。


まだ完全に勃起していない肉棒は簡単に根元まで飲み込まれてしまう。口の中で舌でなめあげられる。


「由子っ……」


「ぅ、んふぅ……んくっ」


小さな鼻から熱い息が漏れる。目を伏せて口いっぱいに肉棒を懸命に出し入れする。


「んっ、ふはぁ……京太郎……とっても硬いのよー」


一度吐き出した肉棒の先をペロペロと舐めながらうっとりした表情になる由子。そんな彼女がたまらなく愛おしい。

「由子!」


「ひゃぁ! もう……せっかちさんなのよー」


「それはどっちなんだか、な」


俺は由子の上着もろとも、ブラウスをはだけさせた。目に飛び込んでいるのは白色のブラ。それを外すと繊細な肌と桃色の突起が露わになる。


「ぁあ、そんなに見たらダメ……。その、小さいから恥ずかしい……」


「俺はこれぐらい小ぶりなのが好きだけど。それに形もきれいだし」


由子の胸はなだらかな、それでいて理想的な丘を描いている。


「あっ……な、舐めちゃダメっ!」


「ふーん。なら、こっちで相手してもらおうか」


乳首をこねくり回していた手を由子の下半身へとずらしていく。


すると、布の下がくちゅりと濡れていることに気がついた。


「なんだ。もう準備万端じゃないか」


「だ、だって、あんなの見せられたら……」


「由子はエッチだなぁ」


今度はズボン、ショーツと抜き取っていく。そして、細い脚を左右いっぱいに割り広げた。

「ぁ、ぁあ……、見ないでほしいのよー……」


真ん中にぷっくりと切れ込みの入った肉裂だった。


すでにぐちょぐちょに濡れている。本当なら前戯も必要なんだけど、その必要はなさそうだ。


もう今すぐにでもこの猛った肉棒を由子の肉裂に突きこみたい。その膣内に埋め込みたかった。


「由子……わるい。色々としてあげたいんだけど……」


「う、うん。……入れて、いいよ。その……私も欲しい……のよー」


かぁっと恥ずかしさが混じった由子は顔を手で覆う


ヌチュ……と肉棒を入口へとあてがう。それだけでもう受け入れようと開いてくれる。


「じゃあ、いくぞ、由子……」


「あっ……ぅう……ひうっ!!」


体重をかけて突き込んでいく。


多少の抵抗はあるものの、根元まで入りきった。


「大丈夫か? 由子?」


「う、うん。その久しぶりだったから……ちょっとビックリしちゃって……。でも、大丈夫だから……ね? 続けて?」


手で顔を覆ったまま、そう言う由子。わずかに指と指のすき間から見える瞳が訴えてくる。

「わかった。……なら、もう遠慮しないからな!」


再びに肉棒に圧力をこめる。そして、一気に押し込んだ。


「ひゃ、ひゃうっ! ぁあああ!」


ズっ、ズチャ……! っと音が響く。


がっちりと由子の腰を掴みながら、肉棒を繰り出していく。


一度突いては引いて、また突き込む。一回ごとに少しずつ深くなっていく。


「ほら、入ってるぞ、由子?」


「う、うん、入ってるのぉ! 京太郎の……私の中に入ってる!」


由子の両足を抱え込む。


俺達の股間はぴったりと密着していて、全てが飲み込まれているのがよくわかる。

「そろそろ本格的に動かすけど、いいよな?」


コクコクと首を小さく盾に動かす由子。


「激しくしていいから、大丈夫だから、もっともっと京太郎を感じたい……!」


プツン。頭の中で何かが切れる音がした。


「……もう優しくなんて出来ないからな」


「あっ! ぅぅ……ひゃっん!!」


膣内へと肉棒が入り、リズミカルなピストンが始まる。


ズチュ、ズチャと蜜まみれの膣の音。それが由子の体の一部から発していた。


「(京太郎の、太くて大きくてたまらないの! 変になっちゃうぅ!)」


膣の奥に肉棒が打ち込まれるたびに、新たな快感が湧き出してきて、由子の体を蝕んでいた。


「にゃっ、あう、ひぃぃう!?」


上下に腰を動かすたびに揺れる小ぶりな乳。


俺はさらに攻めるように胸を両手で揉みしだいた。


むにりと柔らかく、押せば押し返してくる弾力もある形の整った乳房。


気が付けば虜になり、動きを止めることをしない。

「きょうたろぉっ! きょうたろぉ……!」


「由子、すごい締め付けっ……くう!」


胸を楽しんでいる間も激しいストロークで由子の膣をえぐっていく。さっきまできつかった膣内も容赦なく叩き、突き上げると、軽い由子の体ごとずりあげる。


「あっ! はぅ、ぅ、ぁぁぁぁああん!」


反り返る背中。張り上げられる美乳がプルプルと震える。


「由子、そろそろ俺……!」


「中で……!」


「えっ、でも……」


「中で出して! 受け止めるから!京太郎の精子、全部! 由子のここに射精して!」


「……わかった!」


一層、ピストンのスピードを上げる。全力の出すことだけを考えて。


そして。


「ぁっ!? き、きちゃうの! しゅごいの、しゅごいのが……あ、あ、ぁぁぁあああっ!?」


ドスッと重々しい一撃は由子の膣奥に突き刺さり、白い炎を噴き上げた。


由子のお腹いっぱいに精液で染め上げ、ドクドクと刻み込むように注ぎ込んでいく。

「ぁぁぁぁぁああん! 出てる、出てるの。京太郎の熱い精子。私の中、京太郎でいっぱいなのぉ!」


ギュウと抱き着いてくる由子。タラリと子宮から垂れる白濁。


荒い息づかい。汗と由子の匂いが混じりあい、自分たちが一心不乱に求め合ったことを認識させる。


俺も深くに肉棒を突き刺したまま由子と共にベッドへと倒れこんだ。


「きょうたろぉ……キス……してー」


トロンと垂れた瞳。口端から漏れ出ている透明の液体。


「おう……いくらでもしてやるよ」


「んー」


抱き合ったまま顔を近づけ、唇を重ねる。


舌が侵入し、離れないように吸い付く。唾液をすすりあって鼻先も触れ合い、こすれ合う。


「チュ、ンっ……っはぁ……」


唇を離した後も彼女はこちらの胸に倒れ掛かり、指で背筋をなぞっていく。舌を這いまわす。


そうすれば、自然と反応してしまうのが男の性。


「……あ、また大きくなったのよー」


それを視認した由子が『わぁ』と顔を朱色に染めて、手でまた撫でまわしはじめる。


涙で潤わせながら、上目づかいでこちらを見つめてきた。


「ねぇ、もっとしよぅ? 私……そろそろ子供……欲しいよぉ」


その上、こんなこと言われたら、もう耐えられないわけで。


「……今日は寝かせないっ」


「わっ、ひゃぁ! のよー……! …………あっ♡」

というわけで、今日はここまでお疲れさまでした
ふぅ、やり遂げた……。あ、イッチは経験ないので、速さとかよくわからないのでそこは勘弁を。

明日からはいつもの日常へ。

今回のインターハイの結果でネタできたから助かったのよー。
あ、小ネタも募集中ー。

それではおやすみなさい

咲のVita版のスクリーンショットが公開されましたね

絹ちゃんのおもちprpr
漫ちゃんのおもち、ぐにぐにしたい

これだけであと一年は戦えますね。

15巻はもっとはやく出ますように(切実)

当然、アニメイトで予約しました。
愛宕姉妹可愛いんじゃ~



五分後くらいに更新始めるよー

ここまで来ただけでも奇跡。


私には洋榎のような鋭い感覚も、恭子のような思考もない。目の前に座るチャンプのような能力も持ち合わせていない。


こっちの一年生がチャンプと点数を食いあっているから、まだ生き残っているけれどトップとは二万点差。


チャンプが親だから直撃か倍満以上でないと捲れない。


手牌は悪くないけど……そんなことが可能なのか。


ふと眼を閉じると、浮かんできたのは同級生の男の子。


昨年、唐突に現れて、栄光を手にした彼の笑顔だった。


……ああ、そうなのよー。


去年、彼はどんな顔をしていた? ――笑っていた。


そうなのよー。彼はずっと笑っていた。練習の時も、試合の時も麻雀を打つときは笑顔を絶やさなかった。


そうして、楽しんで打ってきていた。


「……よし」


ここに来ただけでも奇跡。


だったら、楽しんで終わろう。そっちの方がきっといい思い出になるはずだ。


それに……きっと女神さまも楽しむ人に微笑んでくれるはず。

「(やれるだけ、やってやるのよー!)」


勢いよくツモる。手牌加えて、切る。今ならなんでもできそうな気分なのよー。


今までとはまるで場の景色の見え方も感覚も違う。


手に取るようにわかる。


「(……聴牌)」


これでもうオーラス。振り込んだとしても、別にいい。ここで行かなかったらきっと後悔するのよー!


「リーチ!!」


箱から千点棒を上空へ放り投げる。それは螺旋状に回転しながら落下していき、所定の位置へ収まった。


荒川は驚いたように目を見開き、


恭子はどこか達観したようにこちらを眺め、


宮永は動じることなく牌を切る。


……次は私の番だ。


山から牌をツモり、描かれた図を見て、牌を倒した。


「――――ツモ」


立直、一発、ツモ、平和、清一、一盃口、ドラ3。私が作り上げた役の名前を口で連ねていく。


そして――


「16000・8000なのよー!」


――勝利を意味する点数を告げた。

―試合後―


「京太郎、ほめるがいいのよー」


「珍しいな、由子がこんなこと言うなんて」


「えっ、あ、その、別に深い意味はないのよー? その、絹ちゃんがいつも気持ちよさそうだったとか、別に思ったりしていないのよ?」


「……バカだなー、お前」


「な、何がなのよー!」


「こういう時くらい素直になれよ」


「むぅ……じゃあ、優勝したから……ご褒美にお願いするのよー」


「……仕方ないなぁ」


「のよー♪」


「じゃあ、次は由子が慰めてくれよ」


「全く京太郎は仕方がないのよー。……いいよ? 慰めてあげる」


「おー? 何してくれるんだ?」


「うーん……じゃあ、しゃがんでほしいのよー?」


「ん? おう、これでいいか?」


「うん。これなら………………」





――――――――チュッ





「……はっ? え、ゆ、由子?」


「い、今、頬に何して……」


「んー? なんだろうねー。さ、みんなのところへ帰るのよー」タタタッ


「あ、おいっ! 待てよ、由子―!!」








「えへへっ……捕まえてみろー、なのよー!」

ここまで優勝補正。

いやー、由子はいいね。可愛いのよー。
でも、人気はあまりないのよーね。
これもキンクリワカメが……


まだ投下するから待っててほしいのよー
千里山編でー

雅恵「おう、京太郎。お前、いつうちの息子になるんや? はよ洋榎か絹、抱きぃや」


京太郎「実の娘の前でなにいってんですか!? ていうか、千里山の人にも誤解を生むし!」


浩子「京太郎は絶倫と……」


京太郎「浩子もメモしない!」


竜華「ひゃー」


怜「姫松はえらい進んでるなぁ」


京太郎「ああ、もう。被害が凄いことに……」


場所は慣れしたんだ姫松……ではなく千里山。


今日は大阪でも名門と名高い二校による合同練習だ。


激戦を繰り広げ、白熱したインターハイも終わった。


あれだけ照っていた日の光も弱くなっていき、緑も紅に変化し始めたこの頃。


息つく暇もなく、俺たち姫松高校は次の春の大会へ向けての特訓を開始した。


今年の夏は団体戦で男女共に不本意な結果を残してしまった。


特に女子の方は例年以上に力が入っている。


そこで組まれたのが他校との練習試合。


運のいいことに今年の個人戦はワンツーをうちが独占している。対戦相手に困ることにはならなかった。


目の前にいる千里山高校は姫松と同等、もしくはそれ以上の全国屈指の名門校。


新体制後、記念すべき第一戦の相手である。

郁乃「今日はよろしくお願いいたします~」


雅恵「こちらこそよろしく頼むわ」


ぐっと握手する雅恵さんと郁乃姉さん。


姫松には善野一美という監督がいたが、今は療養中でコーチだった郁乃姉さんが代行として遠征試合に同行することになった。


一見、頼りない風に見えるが、これでいて腹の中は真っ黒なので問題はないだろう。


京太郎「そんなことよりも……」


視線を部屋内にさ迷わせる。どこを見ても女、女、女。


同性の姿はない。


これは想定外の事態!

京太郎「あの、雅恵さん」


雅恵「なんや? えらい縮こまって」


京太郎「いや、なんで俺まで呼ばれたのかなーと思って。どう見ても男、いないんですけど……」


雅恵「あー、それはな? お前にはちょっとやってもらいたいことがあってな」


京太郎「やってほしいこと?」


雅恵「そうそう。だから、お前は別室に向かってくれ」


京太郎「なにそれ寂しいんだけど」


雅恵「大丈夫だって、私を信じぃや」


京太郎「これほど不安になる言葉はないんだけど」


雅恵「いいからいいから。きっと京太郎にとっていいことが待ってるから、な?」


京太郎「えぇ……」


雅恵「男やったらさっさと頷けや。おーい、監督さん! 約束通り、こいつ借りるでー」


郁乃「どうぞどうぞ~」


京太郎「売られた!?」


あっさりと許可を出すと郁乃姉さんは手をひらひらと振る。


そして、俺は反論むなしく雅恵さんに言われた教室へと向かうのであった。

~一時間後~


絹恵「あれ? 京にぃはどこ行ったん?」


洋榎「ほんまや。どこいったんや、あいつ」


雅恵「おーおー、娘ども。どうしたんや、集中せぇよ」


絹恵「あ、お母さん」


雅恵「愛宕監督や。京太郎はな、ちょっと野暮用で借りてるんや」


絹恵「えー? どういうこと?」


郁乃「千里山の監督さんにな~? 姫松の部員を多く連れてきてもええ代わりに須賀君を占領させてくれ~言われたんよ~」


恭子「……で、代行はなんて?」


郁乃「ええよ~って」


恭子「なんでですの!? 京太郎も練習させるために連れてきたんとちゃいますの!?」 


郁乃「違うよ~? そもそも須賀君はもう練習するという立場ではないしな~」


由子「男子個人戦、二年連続準優勝なのよー」


洋榎「じゃあ、京太郎はなにしてるんや?」


雅恵「千里山女子二・三軍の教師」


洋榎「……は?」


雅恵「女の子だらけの密室に男一人」


洋榎「生々しく言うなや!」

あかん、今日は筆が進まへん……
というわけで、今日はここまで。ごめんなさい。

千里山編はまだ続きます
京ちゃんハーレムか? それとも針の筵か?

明日は用事で更新できないので、また明後日、よろしくお願いします

突然、友人にウィクロスやろうぜ! って言われ、デッキを渡されてパックを購入。

だが、そいつ以外に対戦相手がいないイッチです

今日は11:30くらいから始めるのよー

人生には幸ある分、不幸もあると言われている。山あれば谷あり。もちろん、おもちにも。


それで俺の運の絶頂期は先日のインターハイだと思い込んでいた。


だって、二年連続で準優勝できる人物はかなり限られている。


だけど、それを考え直す必要があるかもしれない。


なぜなら。


一年生「須賀先輩。ここ教えていただけませんか?」


二年生「京太郎くん。ちょっといいかな?」


三年生「あ、須賀君! 次はこっちについてー?」


京太郎「はーい、喜んで!」


俺は今、女の子だらけの天国にいる。


女子高で男子は嫌われると思っていたが、そんなことなかった。


過去の大会でしっかり結果を残してきたおかげで、嫌悪感どころか真摯に取り組む人として好感まで持たれていたレベル。

京太郎「えっと、この場合はいろんな手に変化する可能性があるので安易に立直するよりも待っていた方がいいかな。
    それから捨て牌も確認しておこう。これだと待ちの牌は残り一枚しかないよな?」


一年生「なら、これは切って、新しい組み合わせができるまで待った方がいいのでしょうか?」


京太郎「いいや、これなら鳴いてもいい。君は親だから上がりさえすれば何度でもチャンスは来るから。
    これだけ綺麗に揃っているなら攻めるのはありだよ。だけど、鳴きすぎはよくないから気を付けて。
    もし、誰かが立直した時、オリにくくなるから」


一年生「なるほど! ありがとうございます、京太郎さん!」ムギュ


京太郎「(うぉぉぉぉぉ! おもちぃぃぃ! 絹ちゃんサイズのおもちが腕にぃぃぃ!)これくらいお安い御用だから聞いてくれ」


そして、ここに通っているのは今までもずっと女子高だった少女ばかり。


つまり、男との接し方をほとんど知らない子たちばかりで、同性と同じように接してくれるのだ。


姫松では考えられないボディタッチの嵐。


ここが無邪気の楽園だったか……。

??「おーい、全国少年。こっちにも来てくれへんかー?」


京太郎「はーい、ただ今!」


呼ばれるがままに俺はあっちこっちへと移動する。


休憩はないけれど、全然疲れない。これが噂の美少女エネルギー。


気持ち的に姫松より空気が美味しく感じられた。


京太郎「お呼びですか!」


??「おー、ちょっと卓についてくれへんか? 一人、空いてんねん」


京太郎「わかりました。失礼ながらお名前をお伺いしても?」


怜「園城寺怜や。同級生やから、敬語じゃなくてええよ?」


京太郎「じゃあ、お言葉に甘えて。よろしくな、園城寺さん」


怜「こっちこそよろしくな~」


園城寺さんはにこ~と笑って手を振る。


可愛いなぁ、品のよさそうな子で。こんな子と付き合えたら、毎日が楽しいだろうな。


……うちにもお嬢様は一人いるけど。それも全国優勝したお嬢様が。

『えいっ』


フラッシュバックする夏の記憶。あれの意味は……少なくない好意を持たれている……と考えていい……はずだ。


なら、俺が告白すれば由子に告白すればイエスの返事がもらえるか?


それはNOだ。


これは前提条件の問題で、付き合うために告白するんじゃなくて、恋をしたいから告白する。つまりは、俺が確然とした気持ちを認識するまでいけない。


由子はあの後も特には明言してなかったから……というわけにはいかない。


言われていないけど、俺から歩み寄る努力はしよう。


そんなことを考えている間にも山が積み上げられ卓上に姿を現した。


怜「じゃあ、インターハイ準拠のルールで半荘でええか?」


京太郎「かまわないぜ」


怜「よーし、なら始めるでー!」


園城寺さんがボタンを押す。初の千里山戦の賽は投げられた。

怜「いやー……あんた強いなぁ」


京太郎「園城寺さんこそ。全く振り込まないし、立直したらほぼ一発つくし、もう抑えるので必死だった」


怜「その割にはきちっと和了がってたし、うちが当たり牌を取る前に鳴かせて差し込んだり、えらい妨害してくれたやん」


京太郎「まぁ、ただじゃ負けられないし、一応これでも全国出場経験者だから」


それにしても異常なほどの一発率だったな。彼女には未来が見えているのかと錯覚してしまうほどに。


怜「二年連続準優勝は伊達じゃないってことか。……うん、うちもまだまだ強くなれるってことやな」


京太郎「俺も気持ちが引き締まったよ。ありがとう」


差し出された手を握り返し、お礼の言葉を言う。

京太郎「お二人もありがとうございました」


二年生「い、いえ、そんな……」


一年生「あの……よかったらサインとかもらえますか?」


京太郎「サインくらいならお安い御用ですよ」


以前にはおでこに書いたこともあるし、別に出し惜しみするものでもないだろう。


一年生「じゃ、じゃあお願いします!」


怜「京ちゃんは気前がいいなぁ」


京太郎「いやいや可愛い女の子から頼まれたら断れないって」


怜「京ちゃんはたらしやったかぁ」


京太郎「え、ひどくない?」


というか、自然に言われてたから気づかなかったけど名前呼びになってる。


だけど、俺は知っているぜ。


だからと言って、男が気安く下の名前で呼んではいけないということを。


よーく、よーく、身に染みているんだ……末原でな。


怜「冗談や、冗談。それで質問やねんけど、京ちゃんはうちのお願いも聞いてくれるん?」


京太郎「もちろん。園城寺さんも対象だぜ――と。はい、これでいいかな?」


一年生「は、はい! ありがとうございます!」


キャーと色紙を抱えて女の子は別のグループの元へと戻った。


あれだけ喜ばれると、こっちまで何だか恥ずかしくなってくるな……。


怜「なんや、京ちゃん、照れてんの?」


京太郎「そ、そんなことないぞ。俺はどんなことをされても平常心を保っていられる男だからな」


怜「ふーん、そっかそっか。なら、その鉄の精神を見込んでお願いしたいことがあるんやけど?」


京太郎「どんと来い」


怜「苦しゅうない。では、早速――」

漫「ロン! 断么九、平和、一盃口、ドラ2!」


恭子「ツモやで! 立直、一発、ツモ、平和、三色同順!」


千里山と姫松一軍が対局している第一麻雀部室。現在、そこで二人の雀士が大暴れしていた。


愛宕姉妹や他の一軍メンバーも当然の如く、強かったが、ある三人は次元が違うと言っても過言でもないかもしれない。


浩子「ほぅ……。やっぱりまぐれじゃないってことやな」


暴走姫《アクセル・クイーン》上重漫。相手が強くなればなるほど一回の火力が高くなる。


どうやら、火力を速度に回すことが出来るみたいやし、なかなかやりにくい相手や。

機械姫《マシーン・ドール》末原恭子。


場を読み、即座に分析、牌を動かす女。


一年のころからデジタルの打ち方やけど、極めてあるわけでもなかった。


だけど、今年は違う。ある時期から攻め方、守り方が変わった。


なにより聴牌からの和了率は全国トップやった。来年は団体戦のレギュラーを間違いなく張るやろな。


そんでラストが……この化け物や。


絶対王妃《オーバーロード》真瀬由子。


昨年のインターハイ団体戦・個人戦ともに優勝した白糸台のエース、宮永照に勝利した選手や。


彼女の特徴は……正直言うて『無い』。だから、困るんや。対策の仕様がないから。


敢えて挙げるならば彼女には何故か牌が応える。


例えば、真瀬さんは待ちが残り一枚しかない時でも平然として一発で引いて来よる。


こんなのが連続で続くわけやから、にわかには信じられへんようなことを起こしよる。


まるで王女の命令に従う騎士のように。


だから、ついた二つ名が絶対王妃《オーバーロード》。


……のはずやねんけど。

浩子「なんや、面白ないなぁ」


セーラ「なんや、不服そうやな、浩子」


浩子「あ、江口先輩。……まぁ、末原さんと上重ちゃんのデータは大分取れたからええんですけどね」


セーラ「あー、あいつかぁ。そういえばまだ打ってなかったな」


浩子「うーん、今日は調子悪いんかもしれません。それはそれで不調の時は能力が発動しないっていう情報になりますけど……」


ちらっと真瀬さんの方に視線をやる。にこにこと笑っているせいで感情が読みづらいったらありゃしない。


いっそのこと挑発かけてやろうか。


浩子「……なに考えてんのか、よう分かりませんわ」


セーラ「おっ、フナQにもそんなことがあるねんな?」


浩子「ウチも人間ですからね」


セーラ「妖怪データ啜り」


浩子「その名で呼ぶのはやめてください、恥ずかしい!」


セーラ「他人には勝手に二つ名つけるくせに何言ってるんや、お前……」


呆れ気味にこちらを見てくる江口先輩だったが、突然その目が輝き始めた。


急いで振り返ってみる。


先輩の視線は入り口に固定されており、そこには噂の姫松の騎士・須賀京太郎と―――彼にお姫様抱っこをされていた園城寺先輩の姿があった。

今日はここまでー。
千里山編は長いなぁ。書き溜めもすぐに尽きるし。

というわけで、この後にちょっとのイベントして、仲良くなったら、千里山との水着イベントへ。
間に、末原ちゃんの過去を挟みますけどね。

これからリアルが忙しくなるので一日おきに更新しようと思います。

亀進行ですが、よろしくお願いします

あと、雅枝さんはすまんかった。
次から、気を付けます

乙!

何故この男は火災現場にジェット燃料を投げ込むのか……


しかしインハイの成績悪かったからかネキが空気だ
このまま行くと姫松の主将やオーダーも変わるのかな

みなさん、乙ありです

>>292 それが京太郎ってもんさ 
>>294 シリアスならあるだろうけど、基本的にはほのぼのなので


今日はいつもより早めに始めるかもです

あと、コンマさんのアップをしておいてください。

これによって竜華の京太郎に対する印象みたいなもの決めるので

あと、夏っていうことで、小ネタ(?)ホイ



From:須賀京太郎
To:ile.sahero-e.mj@***.ne.jp


報告しなきゃならないことがあるんだけどさ

丁度、一緒に部活から帰ってる時に告白されたんだ。

もより駅のスーパーで買った食材で料理中。

つーか、相手誰だと思う?

たぶん、洋榎なら驚くんじゃないかなぁ

恭子でした!

こんな日が来るとは思わなかったなぁ。

いや、俺嫌われていると思ったし

好きなんて言われるとは思わなかった

わたし、京太郎のこと大好き! だってさ!

ラッキーだよなぁ、本当に

れんあい経験とか無いけど

手も握ったり、腕組んだり、最終的にはキスとかも……

にんげん生きてればいいことあるもんだ。

げんに今だって、そばにいるんだぜ?

ラブラブだよ、ラブラブ!

れんあい小説みたいだろ?

なんか、ずっと前から好意を持っていてくれて、

いつも気に掛けてくれていたたらしい。大会で活躍する前から。

たくさんの女子に告白される前に自分の気持ちを

すっきりさせたくて告白してくれたみたいだ。

けいたいで写メ撮っておくってやろーか?(笑)

ていうか、これ見て恭子のやつ照れてるよ

元ネタはあるけど、こういうの考える人ってすごいと思いました

それじゃあ、そろそろ始めますねー。

言ってた通り、竜華の好感度コンマ判定は途中で挟みます

まぁ、一人くらいは低い子がいても問題ないよね。これ、ほのぼのだからそこまで酷くしないですし

時はさかのぼること二時間前。


京太郎「……で? これでいいのか?」


怜「うんうん。これがええんよ、これが」


園城寺さんが俺にお願いしてきたのは膝枕だった。


部屋の端に設置されていたロビーチェアに腰かけ、俺の膝の上に園城寺さんが横になる形で頭を乗せていた。


制服の上とはいっても髪の毛のちくちくという感覚がこそばゆい。


かすかに女の子特有のいい匂いが鼻腔をくすぐる。

怜「ふわぁ……しんどいわ」


京太郎「寝不足か?」


怜「いや、うち病弱やから」


京太郎「じゃあ、ゆっくり休むか?」


怜「うんうん。というわけで、寝かせてなぁ」


京太郎「お、おう。俺はいいんだけど・・・・・園城寺さんはいいのか? 見知らぬ男の膝で」


ゴロンと寝返りを打つと澄んだ瞳が合った。


小顔で整っており、人形みたいだ。美しいというより、可愛いが正しい。


怜「流石にこんなに目がある中で手は出されへんやろうし、うち疲れてるし。なによりな、うち男の膝枕というものを試してみたかったんや」


京太郎「男の膝枕?」


怜「そうや。うちは膝枕ソムリエやからな!」


ピシっと人差し指を立てて、渾身のドヤ顔。


急にそんなこと言われても、なんのこっちゃよくわからない。そんな資格あったっけ?

怜「あ、その顔は信用してへんな? うちをなめたらあかんで。毎日膝枕してもらってるからな!」


京太郎「ダメな自慢だな」 


怜「ほら、うち病弱やから」


京太郎「便利だな、それ」


俺も次から部室で疲れたら行ってみようかな。


ちょっと風邪気味だから膝枕してくれって。


末原の太ももはちょうどいい感じの張りがあってよさそうなんだよなぁ。


『ほ、ほら。はやくせなもうやめるでっ!』


程よい弾力とそれでいて頭を受け止めてくれる軟度。


いつもスパッツだから強調されているせいでついつい目がいってしまう


上重や絹ちゃんはむっちりしていて柔らかそう。


『ほら、京にぃ、おいでー?』


『先輩、ど、どどどうぞっ』


こう頭を置くと包み込みながら沈んでいきそうな感じ。


…………ぐへへ。

怜「……京ちゃん?」


京太郎「……はっ! いや、なんでもないから続けてくれ」


怜「まぁ、そういうわけやからうちも気にせえへんし、ゆっくりさせといて」


京太郎「そこまで言うならもう何も言わねえよ」


怜「うむ、よろしい。じゃあ、よろしく頼むわ」


また横向きになって他の人の試合を観戦し始める園城寺さん。


俺もそれにならうことにした。


どうやら他の部員もこれを気にしていないみたいなので、俺も意識をそらすわけにはいかない。


そんな状況が続いて、一時間。流石に辛くなってきたので園城寺さんに声をかけようと思った。


怜「すぅ……すぅ……」


聞こえてきたのは綺麗な呼吸音。


京太郎「(寝ていらっしゃるー!?)」


あ、これダメな奴だ。とすぐさま悟った俺は周りの子たちに尋ねると、みんな一軍にいる清水谷竜華さんと言う人のところに行けて教えてくれた。


……で、仕方がなく園城寺さんを抱きかかえ、姫松の部員もいる千里山部室へと向かったのだが……。

竜華「怜ぃ!?」


絹恵「京にぃ!?」


恭子「京太郎!?」


由子「のよー!?」


みんな、おこなの?


この姿を見て、真っ先にリアクションを起こしたのが四人。うちの三姫に噂の新部長・清水谷竜華さんだった。


勢いよく立ち上がるとこちらに詰め寄ってくる。

竜華「ちょっとあんた! なにしてんの!?」


鬼のような形相。


これはいけない、とても不味い! 


女子高に男がいるってだけでも特例なのに、こんな風に女の子抱っこしてきたら、そらこうなるよな!


焦らず、しっかり理由を伝えないと。


京太郎「いや、違うんです! 園城寺さんが膝枕している途中で寝てしまって、そしたら他の部員の方が清水谷さんのところへ向かえと教えてくれたんです」


竜華「嘘つきぃ! そんな簡単な嘘ついてもすぐにバレルんやで!?」


京太郎「えぇっ!?」


竜華「寝てるから何してもええと思って! 今も太もも触って楽しんるんやろ!? 変態!」


部屋中にいる千里山女子からの目線が痛い。ガッと腕を掴まれる。


怜「なんやなんや、うるさいなぁ……ふわぁ……」


すると、俺達の大きな声で目覚めたのか、女の子らしく口に手を当てて隠す様にあくびをする園城寺さん。


この時、反射的に洋榎を見てしまった俺は何も悪くない。


なにはともあれ、これは渡りに船だ。彼女に事情を話してもらわないと。

竜華「と、怜! 起きたんか!」


怜「うん、まぁ。ええ心地やったわ、京ちゃん」


竜華「京ちゃん!? え、ええから怜! その男から離れ! 変なことされたやろ!?」


怜「……なに言うてんの、竜華は?」


京太郎「俺が怜さんを抱っこしてきたのを見て、色々と焦ってるんだと思う。だから、誤解を解いてくれると嬉しいんだが」


怜「なんや、そんなことか。しゃーないなぁ」


園城寺さんは俺の腕から降りると、トコトコと清水谷さんの元へ歩いていく。


そして、彼女の頬を思いっきり引っ張った。

怜「竜華~。これはひどいんちゃう?」


竜華「な、なにがっ!?」


怜「うち、京ちゃんにはなにもされてへんし、いくら何でも確認してから物事は言うべきやで」


竜華「で、でもでも」


怜「男子やから警戒するのもわかるけど、物事にも限度って言うもんがあるからな? 男子の中にもいい奴はおるし、京ちゃんはそっちに分類される人やと、うちは思う」


竜華「うぅ…………」


怜「わかった? 次からこんなことしたらあかんで? 竜華はええ子やねんから」


竜華「……わかった。うちが間違ってたわ」


清水谷さんがそう言うと怜は満足そうにうなずく。くるりと半回転してこちらに向き直った。


怜「というわけやから、京ちゃん。許したってくれへん? この子も初めての男で過剰反応してしもうたみたいやから」


京太郎「俺の方は大丈夫だから、全然問題ないから。気にしないでくれ!」


グッとサムズアップ。園城寺さんも合わせるようにして親指を突き出した。


これにて一件落着――と丸く収まったかと思えた瞬間、一人だけ抗議の声を上げた子がいた。

洋榎「……ちょっと待てや」


そいつは小さなころからずっと一緒に生活してきた幼馴染だった。


みんなはいつもの表情とほとんど変わらないから不思議に思っているだろうけど、俺と絹ちゃんはすぐにわかった。


あれは間違いなく怒っている。


洋榎「さっきから聞いてたらいい感じに終わらせようとしよって……あれだけ言うておいて謝罪の言葉もないんか?」


洋榎はその目を細めた。鋭い視線は清水谷さんの方へ向けられる。


竜華「で、でも! 男って何するかわからへんやん!」


洋榎「例えそうやとしても、もっと確認してから発言するとか配慮が必要ちゃうか?」


竜華「だ、だって……男って怖いんやもん……!」


洋榎「それでも! ……間違えたことしたら謝罪するんが筋ってもんやろ?」


教室内が静寂に包まれる。

清水谷さんは正論に反論できなくて涙ぐんでいるし、洋榎は洋榎で頭に血が上ってしまっていた。


俺の事を思ってやってくれたんだから嬉しい気持ちも当然ある。


だけど、ここは千里山高校との今後のためにも攻めちゃダメだ。


こんな場合はどうすればいいか。それは当事者同士でさっさと解決してしまうことだ。


清水谷さんはいわゆる引くに引けなくなっているんだろう。


なら、こっちから自然な流れを作ってあげたらいい。


京太郎「すみませんでした!」


俺の声が重い空気を破る。


清水谷さんは驚いた顔でこちらを見ていた。みんな、それぞれの視線が集中している。

京太郎「致し方ないとはいえ、勘違いさせてしまうような行動をしてしまったのは俺のミスです。みなさんは女子であるのに俺の配慮が足りていませんでした」


グッと深く頭を下げる。


京太郎「本当にすみませんでした!」


また教室内に静かな時間が戻ってくる。


だけど、今度はそう長くは続かなかった。


竜華「いや、その……うちも勘違いでひどいこと言ってごめんなさい!」


清水谷さんが頭を下げて謝ってくれた。


誠心誠意。気持ちのこもった謝罪だ。


京太郎「……じゃあ、今回はお互いに悪かったってことでいいですね」


竜華「えっ、あ……う、うん」


京太郎「なら、もうこの話は終わり! それじゃあ俺、あっちに戻るんで! あ、洋榎、てめえはこっちにこい。反省会じゃ、こら」


洋榎「なんでや!?」


じたばた暴れる洋榎を後ろから羽交い絞めにして廊下へ連れ出す。


京太郎「失礼しましたー!」



清水谷さんのポカーンと口の空いた顔が最後まで頭に残っていた。

コンマ判定いきますけど、人いますかー?

いっぱいいて、びっくりした


01~50 「ふ、ふん! これで気を許したと思ったら大間違いやで!」
51~80 「……なかなかええ奴やん」
81~95 「あとで何かお詫びせえへんとあかんな……」(竜華の膝枕イベ)
96~99 「あかん……濡れてしもうた」(覚醒)
ゾロ目 「……優しいなぁ、京太郎くん……」キュン


安価下4

すばら

まあ正直竜華は猛アッタクしてくるあざといさんよりも
怜に遠慮して控えめな方が好きだが

知ってた(白目)

うちは今しがた去っていった男子を見つめていた。


今回の騒動の原因は間違いなく、うちの早とちりにある。


だから、姫松の主将の判断も正しかったし、完全にこっちが悪者やった。


でも、あれだけやった手前、簡単に手の平を返すことはできひんかった。


変なプライドも邪魔してきた。


だけど、先に彼が謝ってくれたおかげで、喧嘩両成敗という空気が出来上がった。


うちも謝罪することが出来た。


「(……あんだけ傷つけること言うたのに、うち(・・)のことを考えてくれて……)」


そう考えると、急に胸が締め付けられるような感覚に陥った。


彼の名前は確か……そうや、須賀京太郎くんや。


「……優しいな、京太郎くん」


名前を口に出すと、胸の痛みは増していく。それと同時に幸福感も少しあった。


ああ、これは……これはそういうことなんか……。


すぐに自分の中に生まれた感情に気づいた。


自分でも呆れるけれど、なってしまったものは仕方がない。


うちは……京太郎くんが……。

怜「竜華? どないしたん、胸押さえて?」


竜華「……え、あ、ううん! なんでもないよ? 京太郎くんにお詫びせえへんとあかんなと思って」


怜「……? …………あっ」


竜華「? どうかしたん?」


怜「ううん、なんでもないない。あ、京ちゃんにお礼したいんやったら膝枕がええんちゃうかな」


竜華「ひ、膝枕!?」


怜「うん。男の子は膝枕されたら嬉しいみたいやで。竜華の膝やったら問題なしや!」


竜華「そ、そうかな?」


怜「そうや! 毎日使ってるうちが言うんやから自信持ってや!」


竜華「う、うん! わかった! とりあえず、膝枕しに行ってくるわ!」


怜「今から?」


竜華「そうや! 善は急げ、やからな! じゃあ、行ってくるわ!」ダダダ


怜「う、うん。まぁ、頑張りーやー」


竜華「ありがとーな! 怜!」

この後、めちゃくちゃ膝枕した。

嘘です。

膝枕は今度、書きます。(ゾロ目サービス)

なんとか千里山はほとんど終わったかな。


>>336 337 それは姫松の方で楽しんでもらえたら


今日はここまで。明日、朝早いんじゃ。そして、朝弱いんじゃ。

お付き合いください、ありがとうございました

洋榎反省会とかかわいそう
確かに空気悪くなるとはいえ何も間違ってないのに

>>348 ちゃんとフォロー回やるで、今日


今日はいつもより時間遅れます

関係ないけど、mjの咲カップ始まりましたね。

入賞目指して頑張る所存

お待たせしましたー
短いけど、そろそろ始めますー

洋榎「なにしてんねん、京太郎!」


一軍の部屋からは離れて庭のベンチ。予想通り洋榎は怒っていた。


そりゃあ当たり前だ。洋榎は何も間違ったことは言ってなかったのだから。


それに……全部『仲間』のためを想って言っていたんだから。


そして、俺のためにこうやって怒ってくれたのがとても嬉しかった。


洋榎「――やからって、聞いてんのか、きょうたろっ!?」


だから、小さな体を目いっぱいに使って、気持ちを表現してくれる洋榎の頭を撫でた。


赤髪の少女はピタっと動きを止めて大人しくなる。

京太郎「……ありがとうな、洋榎。さっき俺のために怒ってくれたんだよな?」


洋榎「……べ、別にそんなつもりはないわ! 間違えたら謝るのが当たり前やから言うただけでやな……」


京太郎「洋榎はそれだけで空気を悪くするようなバカな子じゃないって俺は知ってるからな」


洋榎「うっ、そ、それは……ああもう!」


洋榎は顔を真っ赤にしてポカポカと叩いてくる。


ちっちゃい手では全くダメージはない。


むしろ、秘密を見抜かれた子供みたいで微笑ましい。

半年くらいゲーセン行けてないんだがMJはまだプレイヤー多いの?
久々に行きたくなったがどうなんだろ

京太郎「幼馴染なんだからなんでもお見通しだっての」


洋榎「うぅ……しゃーないやろ。だって、vv身内があんだけ言われたら悔しいし……。そいつが大切な奴やったらなおさら……」


京太郎「洋榎―!!」


洋榎「あーもう! わかったから髪の毛クシャクシャすんのやめーや! そこは抱き着く流れやろ!」


京太郎「俺、幼女趣味はないから」


洋榎「バリバリ現役JKじゃ! ナイスバディなめんなや!」


うがーと吠える洋榎は無視して、むにむにほっぺをこねくり回す。


それで十分に堪能した後、ポンと頭に手を置いた。


京太郎「ま、そんなことは置いといてさ」


洋榎「ん?」


京太郎「ありがとう。どんな考えがあったとしても、これだけは変わらないからさ」


洋榎「……なら、もうちょい頭撫でとけや」


京太郎「……はいはい」


洋榎「……なに笑とんねん」


京太郎「別にー」


連れ出した後にはこんな会話がありました


>>356 PCとかで集めたら、すぐに囲めるくらいには人がいますね

キーンコーンと軽やかなチャイムがなる。


午後になってからこれで6度目。つまり、部活動終了の合図の鐘だ。


「……はー」


長い長い息を吐く。以前から少しずつわかっていたことやけど、いざ実感すると少し苦しい。


由子も恭子も、漫ちゃんだってそうだ。インターハイでそれぞれ十分すぎる結果を残した。


由子に限って言えば、全国の頂点に立ったんや。


それやのにうちは一回戦敗退……。レギュラーで出させてもらった団体戦もベスト16。


姫松としては満足できない結果や。


うちじゃなくて由子や恭子やった方がよかったんちゃうかと今でも考える時がある。

由子「洋榎―」


洋榎「ん? どうかしたか?」 


由子「それロン。これで私がトップなのよー」


洋榎「うおっ、またやられた!? ラス引いてもうたかー」


あちゃーと額を叩いて、椅子を回転させる。


ぐーるぐーるぐーるぐーる……。


洋榎「……おぇぇぇ」


恭子「なにやってんねん、洋榎」


洋榎「おぇぇうぉ……気持ち悪……」


絹恵「本当になにやってんの、お姉ちゃん……」


絹恵と恭子が心配そうに声をかけてくれる。由子は飲み物を差し出してくれた。

由子「ほら、この水でも飲むのよー」


洋榎「おー、サンキューな」


何も考えずにもらった水をグビグビと飲む。


キンと冷えた水が渇いたのどを潤していく。


熱くなっていた頭が少しずつ落ち着きを取り戻していた。


みんなはジャラジャラと牌を落としながら『熱いなー』『まだ夏やからなー』『気を付けへんとねー』と話題に花を咲かせていた。


それをぼーっと眺める。

洋榎「っぷは。ありがとうな、由子」 


気が付けば飲み物は半分くらいまで減っていた。


流石に飲みすぎたと思ったけど、由子はそれを気に留めなかった。


由子「別にいいのよー。それあげるから洋榎はちょっと休んでおくのよー」


洋榎「大丈夫やから。うちも打つ」


絹恵「ええから。ほら、真瀬先輩の言うこと聞くの。お姉ちゃん、最近夜遅くまで起きてるやろ?」


洋榎「……妹にそこまで言われたらしゃーないか」


うちは重い腰を上げると、一言だけ声をかけて外に出た。

洋榎「ふぅ……」


まずいなぁ。


おかしいよなぁ。


はら減ったなぁ。


洋榎「…………ふむ」


開いた窓からの涼しい風が熱くなった体を冷やしてくれる。


廊下を歩くと、いろいろな喧噪が聞こえてきた。


野球部の声出し。吹奏楽のハーモニー。文芸部の楽しそうな笑い声。


どんな形であれ、みんなが楽しんでいるのが伝わってくる。


感化されるように熱い心にも火が灯ってきた。


これをどうにかするには……せやな。


思い立ったが吉日。ポニーテールを風になびかせて、全速力で駆ける。


目的地に着くと、ドアを思い切り開けた。


洋榎「京太郎! 家帰るぞ!!」


京太郎「…………は?」


名前を呼ばれた幼馴染はかなり滑稽な顔をしていた。

洋榎の唐突な呼び出しからの~


郁乃姉さんの許可もらって帰宅からの~


愛宕家~。


京太郎「……で? どうして俺は呼ばれたんだ? 急に家にまで連れて来て」


洋榎「いやな、手伝ってもらおうと思って」


京太郎「何を?」


洋榎「京太郎は知らんかもしれへんけどな……、うち、スランプやねん」


京太郎「知ってたよ」


洋榎「……あんた、まさかうちのストーカーか?」


京太郎「部屋にカメラ仕掛けてるよ」


洋榎「えっ」


京太郎「冗談だ。でも、お前がいつもと違うことくらい気づいてたぞ。なんせ最近ボケのキレが悪かったからな」


洋榎「なんやそれ」


プっと洋榎は笑みを漏らす。

洋榎「京太郎」


京太郎「何だよ」


洋榎「お前、変態やな」


京太郎「洋榎は俺の唯一の相方だからな」


洋榎「ふん、当然や。それくらいでないとうちの相手は務まらんからな!」


ガチャンと音が鳴ると、牌が山となって場に現れた。


京太郎「OK。いくらでもやってやるよ」


洋榎「今日は寝かせへんから覚悟しとけよ!」


京太郎「そっちこそ負けすぎて泣くなよ!」


洋榎「ほえ面かくのはそっちや!」


京太郎「はいはい、そうだな一回戦敗退さん」


洋榎「傷抉んなや! なにぬかしとんねんコラ!」


京太郎「やるか、おぉ!?」


洋榎「ええからはよ続きやれや!」


唐突な雅枝さんの怒りの鉄槌が頭に突き刺さり、真面目に再開する俺達。


……あれ?

京太郎「雅枝さん!? なんでここに? 千里山じゃ?」


雅枝「まず、挨拶やろ? 京太郎」


京太郎「すいません! おじゃましてます!」


雅枝「違う。ただいまやな?」


京太郎「ただいま!」


雅枝「それでよし」


雅枝さんは満足した様子でうなずくと、缶ビールを開けて卓についた。


キンキンに冷やされたグラスにシュワシュワと音を立てながらビールが注がれる。


白泡と小麦の黄金比率が形成され、手に持つとふるりと揺れた。


唇を端につけて、そっと傾けると雅枝さんは一気に飲んでいく。


グビっと勢いのある大きなのど越し音。


雅枝「あぁー!! 生き返るなぁ!!」

京太郎「雅枝さん。おっさんくさい……」


雅枝「あ?」


京太郎「本日も麗しいな、と」


雅枝「はいはい。わかったから、はよ卓つきーや」


洋榎「お? おかんも相手してくれるんか?」


雅枝「おう。親としては娘を気に掛けるのは当然やろ」


洋榎「おかん……!」


雅枝「なんや、不満か?」


洋榎「んなわけあるか! こっちからお願いしたいくらいや!」


雅枝「おう、じゃあ、さっさとやるで」


洋榎「久々におかんと打つでー。わくわくしてきたわぁ」


さらにやる気が増した洋榎は雅枝さんの対面に座った。


綺麗な親子愛を感じながら俺もその間にすっぽり収まる。


雅枝「とりあえず一回打って、それで考えてみよか」


洋榎「オッケーや。んじゃ、ということで」


洋榎は大きく腕を振り上げてボタンを押す。


洋榎「サイコロ回すでー!!」


かくして、洋榎リハビリ作戦が始まった。

では、ここまでー。

珍しく洋榎オンリーでしたね。

話は変わるけど、ヤンデレは末原さんと絹ちゃんが似合う気がする。
いつか小ネタで書きたいなぁ。

漫ちゃんはパフパフしたい。由子はモコモコして、ギュッとしたい。

じゃあ、この辺りでおやすみなさい

おハオ

今日は諸事情で更新する余裕がないので、更新ないです

ごめんネリー……

待たせたな!

あと、30分だけど急いで書いて恭子の誕生日SS投下したいと思います。
書きながらなので遅くなったらごめんネリー。

これも全部、レポートを大量に出したゴルゴムの仕業なんだ!

冬休み。


麻雀に関する大会は春期までもう無く、部を引っ張る立場となった洋榎たちにとって久しぶりの休息である。


クリスマス、大みそか、正月と目白押しのイベントを終えて、そんな安息も残りわずかに迫りつつある時。


奴らの脳内思考はぶっ飛んでいた。


それなら毎日寝ない勢いで楽しんでやろう(一日で轟沈)ということで宿題をほったらかしていた一人のためにいつものメンバーがお好み焼き屋『すずや』に集まっている。


本日が最後の閉め切りの日。


看板娘のおかげで貸し切ることができた。

「でも、漫ちゃんはおでこに何か書いたら看板になりそうだよな」


「それじゃあ、メニュー一品が限界ですよ!?」


「看板扱いはええんかいな……」


団体用の座敷で大きなテーブルに鉄板が二つ。


それが2セットでひとつを囲っているのが優秀組。しっかりと計画を立てて、残りを謳歌している者たちだ。


「いやー、今日は呼んでもらってごめんな。うちもセーラと怜がやってなくて……」


「いやいや、仲間が増えるのはこっちとしてもありがたい。なにより監視が増えたらあいつらも気が引き締まるやろ」


竜華の言葉に同意した恭子はチラと隣のテーブルに目を向ける。

「ト、トラヤヌス? アントニヌス? 五賢帝? マルクス=アウレリウス……」


「接弦? 定理? ベクトル? 数列?」


「あかん……一巡先を読んでも証明が出来てへん……」 


死屍累々だった。


ポニーテールにツンツン頭、ショートボブがうわ言を口にしながら、机に突っ伏している。


「ほらほら、倒れてる場合じゃありませんよー。これはあと10分で終わらせてくださいね」


「お姉ちゃん! しっかりしいや!!」


対面に座るは鬼軍曹。瀕死状態の三人に容赦なく鞭を振るう。


しかし、これを朝の9時から続けて、もう昼時。集中力も完全に切れ、だらけていた。


「あはは……」


恭子は乾いた笑いを浮かべる。流石にこれは可愛そうになってきた。自業自得とはいえ、友人だ。ここは一つ、助け舟でも出したろうか……という気持ちにもなる。


「……どないします? いったん、休憩挟んでご飯にしますか?」


小さな声で漫が提案する。こっちの四人組――京太郎、恭子。対面に竜華、漫――はコクリと頷いた。全員、意見は一致したようだ。


「俺達もちょうどお腹減ってたしな。昼飯にするか」


「よっしゃー!!」


「飯じゃあぁ!!」


「京ちゃん、最高! 竜華、アイシテルでー!!」


跳びあがって喜ぶ三人組に呆れる教師二人はため息を吐いた。


『まぁまぁ』となだめ、それぞれの鉄板の蓋を外す。


この光沢のあるキャンパスに美味しいお好み焼きを描くのだ。

「じゃあ、私は材料取ってきますね?」


「うちも行くわ。なんかこのままじゃ悪いしな」


「なら、俺も」


「アホ。清水谷さん一人にさせるつもりか。あんたは残っとき」


「それならうちも行こうか?」


「お客さんに動いてもらうわけにはいかへんよ。さ、漫ちゃん案内してくれへんか」


「あ、はい! こっちです」


取りつく島もないとはこのことだな、と京太郎は思った。


しかし手伝わなくていいなら、それはそれで楽だ。折角のおもち美少女との会話を楽しもう。


欲に忠実な男子高校生の意識の切り替えは早い。

対して、竜華もそうだった。


自分が想いを寄せる相手がフリーになったのだ。


さっきまではライバルかもしれない女の子が二人いたが、今は止める者はいない。


今までもなにかと事を付けて呼び出し、二人で遊ぶことの多かった竜華はやはりしたたかだった。


「(距離は確実に縮まってる……。名前呼びしてくれてるし。それに今回も京太郎君から誘ってくれたんやし嫌がってはいないってことやんな?)」


「? 俺の顔に何かついてるか?」


「(となれば、そろそろ攻めに転じてもいいはず。ここは一丁、勝負に出るか!)ううん、なんでもないよ? それより京太郎君。よかったらやねんけど……」


「俺が竜華のお願いを断るかよ」


「ほんまに? それやったらな?」


竜華はそこまで言うと浮かしていた腰を落として正座し、その魅力がたくさん詰まった健康的な太ももをポンポンと叩いた。







「――膝枕、してみいひん?」





一方その頃。恋敵と想い人がイチャイチャしているとは知らずに恭子はドヤ顔だった。


「(よっしゃ、これで作戦成功やで!)」


恭子はあれだけかたくなに二人の協力を断ったのはある理由があったからだ。


彼女は自身にこれと言って特徴がないことを理解している。


竜華のような女の子らしい体型もなければ、洋榎のような親しみやすさもない。


だから、凡人なのだ、とも。


だけど、彼女にも一つだけ自信があるものがあった。


それは人間の五大欲望を満たすために必須なスキル――料理である。

はい、今日はここまで。

恭子さん、間に合わなくてすまんかった。

ちゃんと完成させるから待っといてください

膝枕は恭子さん誕生日の続き終わったらやります

では、おやす宮永

あと、なんか希望とかあればどうぞ(叶うとは言ってない)

こんばんはるる

そろそろ更新始めますなのよー

遅れて本当に申し訳なかったのよー

「(おかんも言うてた。男を捕まえるには胃袋を掴んでしまえば、あとはもう簡単やって。そう言うて、昔から料理教えてくれてほんまにありがとう。役に立ちそうやで!)」


だが、それだけでは心配だ。


お好み焼きを焼くだけなら竜華もうまいかもしれない。


だけど、こっちにはお好み焼き屋の娘がいるのだ。


なにかコツがあるに違いない。


それをこっそり独り占めするのが恭子の作戦である。


「(これで清水谷さんにも差がつけられる。一歩リードやで!)」


繰り返し言うが、この時ライバルは京太郎を自身の肉体で魅了している。


策士策に溺れるとはまさにこの様だ。

「それにしても残念でしたね。真瀬先輩は家族旅行で来れないだなんて」


「その分、海外で楽しんでるやろ。毎年、お土産はすごいから期待しててええで?」


「ほんまですか!? なんやろー? 外国とか行ったことないんで楽しみやわぁ」


「あ、それより漫ちゃん。ちょっと頼みたいことがあるんやけどな?」


「ん? なんですか?」


「うちにお好み焼きの上手なつくりかた教えてくれへん? ほら、流石に全員分作れるかはわからんし」


「なんやそれくらいならええですよ。末原先輩、料理とかするんですか?」


「結構な。おかんがうるさくて練習してきたんや」


「そうなんです。うちも同じでいつでも引き継げるようにってお好み焼きだけは仕込まれてるんです」


ピクリと恭子の眉が動いた。

「……へ、へぇ……そうなんや」


「はい! だから、任しておいてくださいね!」


力こぶをつくって自信満々な様子の漫。対して、恭子は汗を冷や汗を流し始めていた。


「(あ、あかん! ここで引いたら絶対に負けてしまう! 自信を持っていかんと!)」


ブンブンと自分の悪い想像を消し飛ばして、明るい未来を妄想することにした。


手に材料が入った籠を持ち、待機組の元へと帰ってくる。


洋榎分の材料を手渡した後、自分たちの席に腰を下ろした。

竜華「ごめんなぁ、二人とも。こんなの頼んでしもうて」


恭子「ううん、ええねん、それは。むしろ、問題は別のところにあんねん」


竜華「ん? 勝手に鉄板温めておいたけどあかんかった?」


恭子「ちがうちがう。問題はあんたの体勢や」


竜華「? なんかおかしいところでも?」


恭子「おかしいやろ! なんで京太郎に膝枕させとんねん!?」


竜華「いや、だってこの前ひどいことしてもうたやろ? だから、お詫びなんやで、これは。決してやましい気持ちとかはないんや」


恭子「……ぐぬぬ」


竜華の言うことには何らおかしい点はない。


恭子は千里山女子高校での一件を知っている。洋榎が怒らなければ自分が文句を言おうと思っていたからだ。


ただ、彼女は竜華がそんなものはすでに過去に果たしていることを知らない。


本当なら無理やりにでも引き離したいところを我慢する。

恭子「(……まぁ、ええわ。これで清水谷さんは調理に参加できない。メゲルワ恭子の独壇場や!)」


漫「ふんふふん♪ ふーんふん♪」


恭子「……なら、あんたはそのまま頼むわ。うちらで作るから」


竜華「ええのん?」


乙女同士の戦いは始まっている。竜華の言葉は確認であって確認でない。


うちはずっと膝枕するという宣言なのだ。


それを承知の上で恭子は承認した。


恭子「(別にええ。うちの飯で京太郎の胃袋を掴んでしまえばこっちのものなんやからな!)」


闘志を目に宿し、恭子は特製お好み焼きの作成に全身全霊でかかろうとする。


だけど、籠の中には材料がなかった。


見回せば、代わりに熱々の鉄板の上に丸い若緑と黄が混ざり合った生地が三つ。

恭子「な、ななな……」


漫「末原先輩? そろそろ焼けそうですよ?」


恭子「漫ちゃんー! でこ出せー!」


漫「嫌ですよ!? ちゃんと先輩の分は作らずに置いてるじゃないですか!?」


恭子「そうやけど違うんや! そうじゃないんや! あと、それはうちが食べるから京太郎は食べんなよ!」


京太郎「お、おう。別にそれは構わないけど」


謎の気迫に押されて、竜華のもちもち太ももを堪能していた京太郎はうなずいた。


キッと黒い戦場を睨みつけると、恭子はへらを両手に構えた。


恭子「ほら、漫ちゃん! おいしい焼き方教えて!」


漫「あ、は、はい!」


恭子「やるで!!」


向かい風がなんぼのもんじゃ! 作るで、最高のお好み焼き!

~30分後~


恭子「お好み焼きには勝てなかったよ……」


なんでや……、なんでこんなに難しいんや……。


恭子のお好み焼きは別に出来が悪いわけじゃなかった。


ただ普通だったのだ。


たくさん食べれる美味しさというわけでもなく、拒否したくなるような不味さでもない。


まるで末原恭子をそのまま体現したかのようなお好み焼き。


恭子「こんなんお好み焼きちゃう。末原焼きや……!」


竜華「(なに言ってるんやろ、末原ちゃん)」


漫「せ、先輩! 大丈夫ですよ、上手ですって!!」


恭子「ううん……ええんや、漫ちゃん。漫ちゃんのアドバイスを生かせなかったうちが悪いんやから……」


漫「末原先輩……」


なにやら重い空気が流れ始める。


隣で繰り広げられているお好み焼き争奪戦と対比されてむなしい。


これには竜華も苦笑いだった。

京太郎「……ん? 末原の出来たのか?」


恭子「えっ?」


しかし、悶々としていたせいで会話が耳に入っていなかった男が一人。


京太郎は起き上がると、鉄板の上に一枚手の付けられていないお好み焼きを見つけた。


さっきからお預けを喰らっていて、腹はペコペコ。


つい衝動的に箸を伸ばし、一切れ口に含んだ。


京太郎「おー、美味そうじゃん。いただきます!」


恭子「あ、ちょっと待って、京太――あー!?」


余りにもスムーズな動作だったあまり、恭子の制止も遅くなってしまう。


京太郎は熱々の生地をすでに咀嚼している。


口いっぱいに頬張り、舌で味わっていた。

ふわふわながらも、べちゃりと広がる不快さはない。


噛めば噛むほど、いろいろな風味が出てくる。


カリっと焼かれた豚肉が食感にアクセントを加えるのだ。


ジュワリと溢れる肉汁が口内で生地に染み込む。


次に小さく切られたイカがプリプリと弾み、凝縮された旨みがはじけた。


香ばしいソースが食欲をそそり、自然に次へ次へと食していく。


京太郎「(これは……止まらない!)」


鉄板の上にあった末原焼きは次々になくなっていく。


腹の減っていた京太郎にとっては、末原焼きはとても美味な一品。


気が付けば、ペロリと平らげていた。

恭子「ど、どうや?」


京太郎の思わぬ反応に恭子は期待の視線を向けた。


京太郎「めちゃくちゃ美味いよ! 末原って料理上手なんだな!」


恭子「お、美味しい!? ほ、ほんまに!?」


恭子は信じられないといった感じで京太郎に詰め寄る。彼は親指を立てて、白い歯をこぼす。


京太郎「おう! こう言っちゃなんだけど、安心するような味でさ。末原は良いお嫁さんになれると思うぞ!」


恭子「お、お嫁っ!?」


想像だにしていない褒め言葉にプシューっと魂が抜けたように恭子は倒れる。


運が良いのか悪いのか、京太郎にもたれかかる形で。


京太郎「お、おい、末原!?」


漫「あちゃー、これは恥ずかしさで気を失ってますね。末原マスターのうちが言うんやから間違いありません」


竜華「……ええなぁ。うちもああやって接近して匂い嗅ぎたい……」


それに各々、違った反応をする一面。


その張本人と言えば、だらしなく頬を緩ませ。


恭子「……あなた…………えへ」


暢気に夢の世界を楽しんでいた。

誕生日分はこれでおしまい!

恭子「なに言ってるんや? うちのターンはまだ終わってないで!」

次も末原さん過去編の模様

京太郎の末原呼びとか、なんで好きになったのかとか判明……させれたらいいなー

では、おやす宮永(姉)

今日の更新はいつもより遅めかもしれません。

ごめんネリー

~若かりし頃のいくのんと京太郎 if~



郁乃「きょーたろー君、一緒にお風呂入ろっか~?」


京太郎「えー」


郁乃「ほらほら、行くで~。お姉ちゃんと流しっこしような~」


京太郎「しないよ! 俺、もう五年生だよ!?」


郁乃「ええのええの。気にしない気にしない。GOやで~」

郁乃「はい。じゃあ、頭、流すよ~」


京太郎「はいはい」


郁乃「なんや、きょーたろー君。冷たいな~」


京太郎「当たり前だろ!? 普通、こんなことしないって!」


郁乃「ん~、そうかもな~」


京太郎「だろ!? じゃあ、俺もう出るから!」


郁乃「でも、きょーたろー君」ムギュ


京太郎「うっ!」


郁乃「さっきからうちのおっぱい……見てたよね?」


京太郎「!? そんなことねえよ!」


郁乃「本当に? 一緒に入ったらいっぱい見てええねんで? お風呂でタオルをつけるのはマナー違反やもんな~」


京太郎「…………(ゴクっ)」


郁乃「きょーたろー君。チラチラ、うちのおっぱい見てるもんな~? 気づいてないと思うた~?」


京太郎「えっ、そ、そんなことはっ!?」フニョン


郁乃「あんっ♡ ……ほら。触ってもええねんで?」グイ


京太郎「や、やわらか……」ムニュ


郁乃「な? ……一緒にお風呂入ろ? 流しっこしよ?」 





「…………体の隅々まで、な?」

むしゃくしゃしてやった。

反省はしていない、後悔はしている。

あと、今日は想定外の事態になって更新、短いですー

お盆休み? 知らない子ですね

洋榎と京太郎、雅枝がスランプ脱出の特訓を行っている頃。


洋榎に変わって、絹恵が入り、打ち始めて南二局。


トップは由子。二位に健闘中の絹恵、三位に漫。ラスは恭子だ。珍しく聴牌すらできない状態で苦しい。


(逆転を狙って高い手を目指せば由子に狙われるし、ついてないなぁ)


あのインターハイ以来、全員の意識が変わった。


頂きへたどり着いた由子はその座を渡さないように。目をかけていた後輩は階段を駆け上がって。


栄光をその一瞬、手の届く位置まで近づいた恭子。


(うちはもう一度見たい! あの景色を!)


その為にも負けてはいられないのだ。


恭子「サイコロまわして頭もまわすで!」


腕を振り下ろして、グっとボタンを押した。


ケースの中でカラカラと音を立てて回るサイコロ。


だが、恭子以外の視線はそこではなく、彼女自身に集中していた。

恭子「ん? なんやなんや、こっち見て?」


漫「いや、末原先輩っていつもそれ言うじゃないですか」


絹恵「サイコロまわして頭もまわすでーってやつ」


恭子「……あー、これはな。なんや、昔からの癖でな」


由子「嘘なのよー」


恭子が平然と吐いた嘘を即座に切り捨てる由子。


一年のころから仲が良かった二人。どっちが正義なのかは子供でもわかる問題だ。


漫「教えてくださいよ、末原先輩―」


絹恵「うちらの仲やないですかー」


恭子「ええい、やめんか! 寄ってくんなや!」


由子「そういうわけにはいかないのよー」


鬱陶しがる恭子の背後に回った由子がガッチリホールド。


その両手を横腹へとスライドさせた。

恭子「あっ、ちょっ、由子、待ちゃははははははははは!?」


恭子の笑い声が部室内に響く。


一斉に視線が集中するが『ああ、いつもの面子か』と誰もが気に留めることはなかった。その実力を磨くためにゲームに戻る。


春のレギュラーの座を奪おうとするならば、あそこの全国クラスのメンバーを倒さなければならないからだ。


由子「さぁ、吐け! 吐きなさい、恭子!」


恭子「わ、わかったから! やめて! し、死ぬ!?」


お嬢様モードになった由子の攻撃に耐えきれず、恭子はギブアップを宣言する。


まさぐられた腹を押さえてぐったりと背もたれに体重をかけた。

恭子「はぁ……はぁ……あかん……はらいたい……」


由子「後輩に嘘をつくからなのよー」


漫「そうですよ! 別にそれくらいええじゃないですか!」


絹恵「……それとも何か話せないわけでもあるんですか?」


恭子「っ!」


そう尋ねた瞬間、ビクンと恭子の肩が震えた。当然、それを見逃すほど甘くはない。


女子は好奇心が強いのだ。


目を輝かせて、詰め寄った。

絹恵「さぁ、もう充分休んだでしょう? 話してくださいよー」


漫「末原先輩の楽しい楽しい昔話」


由子「洗いざらいぶちまけるのよー」


恭子「ああ、もうわかったから! 手をワキワキ動かすな!」


ふぅーと呆れが混ざった長い息を出して、恭子は周りにある男子がいないことを確認する。


(ほっ……どうやら見当たらんな……)


そして、記憶を掘り出して、諦めたように語りだすのであった。


恭子「……そう、あれは四月のことやった――」

疲れて、眠さマックスなので、ここまでです

明後日は私用があるので、更新なしです

ごめんネリー

それではおやす宮永(妹)

こんばんハオ


挨拶からパンツの話にどうやったら飛躍するんだ……
咲世界にパンツなんてあるわけないだろ、いい加減にしろ!

なんか画面がいつもと違って変なんだけども

そろそろ始めるのよー

恭子「なんや、京太郎? こんな時間に遊びに来るなんて」


京太郎「いや、本当なら午前中に来たかったんだけどさ、洋榎たちに捕まっちまって」


恭子「……ふーん」


京太郎「拗ねるなよ」


恭子「別に拗ねてなんかないし。コーヒー? 紅茶? どっち?」


京太郎「……んー、今はいいや」


恭子「あっそ」


京太郎「それより恭子に渡したいものがあってさ」


恭子「なんやねん」


京太郎「ほら。バレンタインのお返しだよ。今日がなんの日か忘れたのかよ」


恭子「……あー、ホワイトデーか。別にそんなん気にせんでええのに」

京太郎「いやいや、そこは俺も男だしさ。それに……恭子の彼氏なわけだし、な。しっかりやりたいよ」


恭子「……そっか。うん……そっかぁ」


京太郎「……ああ」


恭子「……ありがと」


京太郎「どういたしまして。……というわけで、手作りなんだけど、ほら」


恭子「……なんや、えらいガサツに包んであるなぁ」


京太郎「違う違う。手を抜いたんじゃなくてこれだけ特別なんだよ」


恭子「どこが?」


京太郎「これはな? こうやってすぐ取り出せるようにだな……」


恭子「は? なに自分で口にくわえっ……!?」


京太郎「…………」


恭子「……! ……っ……♡」


京太郎「……どうだった? 上手にできたつもりなんだけど」

恭子「っぷは! わかるか!? キ、キスされたら!」


京太郎「ごめんごめん。でも、まぁ、俺が好きなのは恭子だけだからさ。それをわかってほしかったんだ」


恭子「……アホ。そんなんせんでも信じてるっちゅうねん」


京太郎「そっか。じゃあ、これ残りは適当に食べておいてくれ。俺はもう帰るよ」


恭子「ま、待ちぃや!」ギュ


京太郎「恭子?」


恭子「ほ、ほら、さっきは味分からんかったし、おかんたちもおれへんし、一人やったら寂しいし……だから、その……もうちょい一緒に食べよ?」


京太郎「っっ! 恭子―!!」


恭子「あ、バカ! ここ玄かっ……あんっ♡」



………………


…………


……




「――はっ!? ゆ、夢か……」


「あー、なんであんな夢見てもうたんやろ……。もう変な気分やわ……」


「…………」チラ


「……あー……最悪や。…………さっさと着替えよ」

私は末原さんが大好きなんだ

これでちょっとだけ時間ください

お願いします

なんでもしますから!

洋榎「海やー!!」


絹恵「海やでー!!」


京太郎「海だー!!」


恭子「嬉しいのはわかるけどちょっとは静かにしぃや……」


由子「まぁまぁ、貸切やからたまにはこんなのもいいのよー」


洋榎「ほんまにありがとうな、由子!」


京太郎「いやー、やっぱ金持ちってすごいな!」


絹恵「こんな立派な別荘と綺麗な海が使い放題やもんな!」


由子「はっはっは。こういうところで使わないと勿体ないからいいのよー」

洋榎「さっすが由子やな! じゃあ、いっちょ泳ぐでー!」


京太郎「おい、洋榎! ちゃんと準備運動してから入れ!」


洋榎「だいじょーぶ、だいじょーぶ! うちはいつでも準備万全のええ女やか―――つった!?」


絹恵「お姉ちゃーーーん!?」


京太郎「言わんこっちゃないー!? うおぉぉぉぉ!!」


恭子「はぁ……心配やわぁ」


漫「あ、末原先輩! あっちでビーチバレーしませんか?」


郁乃(保護者)「あ~。それなら私も混ぜて~」


恭子「……まぁ、ええですよ。じゃあ、あと二人、誰にします?」

漫「えっ! 先輩やらないんですか!?」


恭子「ああ、うん。うち、ちょっと疲れたから休んでから混ざらせてもらうわ」


洋榎「そういうことなら愛宕洋榎! 飛び入り参戦や!」


漫「ええっ!? さっき、あしつってたのに大丈夫なんですか!?」


洋榎「心配ない! あれは京太郎おびき寄せるための演技やからな!」


絹恵「お姉ちゃん! 後ろ! 京にぃ、めっちゃ怒ってる!!」


京太郎「はぁ……殺す。あとで……ぜえぜえ……絶対にしばきたおす……」


漫「えーと、じゃあ、須賀先輩も無理そうだから……絹恵ちゃんもやろ!」


絹恵「うん、別に構わへんで! なら、姉妹と漫ちゃん&赤阪先生チームでいい?」

漫「問題ないです! じゃあ、いきますよー。それ!」ボイン


絹恵「ひゃっ!? いきなりはずるいわ、漫ちゃん!」プルン


郁乃「次はうちやな~。それ~」プルル


洋榎「よっしゃ、任せろ!!」ペターン


漫「俊敏な動き! だけど、これなら!」ブルン


絹恵「ふっふーん! 元キーパーなめたらあかんで!」プルプルッ


郁乃「きゃあ~! 絹ちゃん、怖い~」ポヨン


洋榎「こんなヘロヘロボールはこうや!!」ペターン


漫「ああっ! 届かへんー!」バインッ


洋榎「…………負けてへん! 試合には勝ってる!」


絹恵「お姉ちゃん、ナイスアタックやでー!! ハイタッーチ!!」ポヨヨン


洋榎「……絹も敵や!」


絹恵「なんで!?」

恭子「……あー、よかった。あれに参加しなくて」


由子「……全く同意なのよー」


京太郎「……あっ」


恭子「……京太郎? 何に気づいたんか、ちょっとじっくり話そうや? なぁ?」


由子「大丈夫。悪いようにはしないのよー?」


京太郎「ひぃっ!?」

今日はここまで。

余裕があったら膝枕もやる
無理だったら次回の最初に回して、末原過去編に戻りますー

おやす宮永さんはわた原村さんのお嫁さんです

こんばんはっちゃん

最近、外に出るたびに晴天から一転、雨が降り出すという現象に何度も出くわして泣きそうになったイッチです

どうやら、雨男の模様

もう少ししたら更新始めるのよー

>>386から


膝枕。それはこの世に存在する最強の寝具の一つ。


男にとっては夢の一つといっても過言でもない。


仕事帰り。甘やかされて、膝枕されて、寝たい。そんな妄想をしたはずだ。


俺だってするもん。


可愛い彼女が頭を撫でながら、優しい言葉をかけてくれて、癒してくれるんだ。


なんか……こう、さ。もう最高じゃん?

京太郎「い、いいのか? そう……簡単にしてもいいものじゃないんじゃ」


竜華「ええの、ええの。うちと京太郎君はもう他人じゃないやろ?」


京太郎「……いいんだな?」


竜華「うん。今は男女間の友情も成立するんやで。おいでおいで」


京太郎「じゃ、じゃあ遠慮なく……」


ゴクリとつばを飲み込んだ。


普段、園城寺が寝ているのを見ていて気持ちよさそうだとうらやましく思っていた。


それをついにこの手中に収められるのか。


考えるな、感じろ。そっと、そっとそこに頭を乗せればそれだけで――。


ぱふっ。

京太郎「はぅ」


はっと口を押える。な、なんだ、今の声は!?


思わず体を起き上がらせてしまう。


経験したことのない気持ちよさに変になってしまった。


竜華がクスクスと笑っている。苦笑いをして、もう一度失礼する。


今度もゆっくりと傾けていき、膝にダイブする。


京太郎「――っ」


至福。


そう表現するのが正しい。


頭を置いた瞬間、眠ってしまいそうになるような安らぎを得てしまった俺は快眠レベルに達する。


眠りそうになったのを手の皮をつねることで我慢する。

竜華「どー? 気持ちいい?」


京太郎「……こうなんていうか、やべえよ。とりあえず、なんていうかすごく気持ちいい」


竜華「そ、そう? 怜も褒めてくれるんやけど、京太郎君も気に入ってくれて嬉しいわ」


頭を預けると一瞬、吸い込まれるような感覚に陥り、すでにフィットする。


適度な肉つきと張り。若さあふれる健康的な太ももがあるからこそ。


そして、熟練度は全く持って反する。


例えるなら実家のような安心感。心から安心できるのだ。


包み込むような優しさが確かにあった。

京太郎「……ふわぁ」


竜華「大きなあくびやなぁ」


京太郎「それくらい気持ちいいってことだよ」


竜華「ふふっ。このまま寝てもええんやで?」


竜華はいたずらするような笑みを向けてくる。


彼女が目線を合わせようとすると、綺麗な黒髪がかすかに触れてこそばゆい。


なにより眠気が吹き飛ぶ衝撃があった。


京太郎「(お、おもち……! 圧倒的おもち……!!)」

自然に前かがみになったことで彼女の持つ絶対的饅頭が近づくわけだ。


もうやばい。だんだん近づいてきてるみたいで迫力がすごっ……んん!?


な、なんだ、これ!? 急に視界が暗くっていうか顔全体に柔らかな感触が!?


頭も顔もふにふにで包まれている!?


竜華「あっ、京太郎君。しゃべったらあかんってー」


棒読み! 見事な棒読み!


も、もしかしなくてもこれはおもちっ!? 


俺の顔に押し付けられているのはおもちなのか!?


竜華「(……京太郎君、いつもこれ見てるもんな? つまり、気になるってことやろ? なら、うちの武器として使わなあかんで!)」


京太郎「ふ、ふがががっ!?」


竜華「んっ……気にせんでええねんで? 好きなだけ楽しんでくれたらええんや。うちの膝枕」

膝枕だけじゃないんですがっ! 


もういろいろとすごいことに……あっ。


……なんか……その、固くなってる部分があるような……。


こ、これはもしかしなくても……あ、あれなんだろうか?


竜華「(あっ。京太郎君の息が当たってなんかうちも……変な気分に……)」


……やばい。意識したらさらに呼吸が苦しく……。ていうか、俺の一部分も固くなって……。


竜華「……き、京太郎君っ」


甘い声。息がちょっとずつ荒くなっている。もう正常な判断ができなくなってきた……。


京太郎「り、竜華……」


怜「あー! 京ちゃん、なにやってんの!?」


京・竜「「っ!?」」


跳ね上がるように俺達は咄嗟に離れた。


さっきまで飯を食べるのに必死だった園城寺が竜華の膝枕を奪おうとこっちにやってきた。

怜「……二人とも顔赤いけど何してたん?」


竜華「な、なにって膝枕やで!?」


京太郎「そうそう! 膝枕膝枕!」


怜「……のわりには、やたら距離が近かったような……」


竜華「あ、あれやから! えっと、そのほら! 京太郎君の髪の毛に芋けんぴがついてたのをうちが取ってあげたんや!」


怜「……芋けんぴ?」


京太郎「違う違う! 目にゴミがついてたんだ! そんなことよりどうしたんだ、園城寺! もう食い終わったのか!?」


怜「はっ!? ちゃうで! 竜華―。うちも膝枕してーやー」


竜華「う、うん! いくらでもしたるからおいでおいで!」


怜「ありがとう。それじゃ、失礼するわ」


そう言って怜は竜華の左ひざに。

怜「ほら、京ちゃんもこっち使いーや」


京太郎「園城寺が決めるのか……」


怜「竜華の膝枕はうちのものやからな! しゃーないから京ちゃんにも分けてあげるわ」


京太郎「なんだそれ……」


竜華「いらへんの?」


京太郎「いります、ごめんなさい!」


俺も再度、頭をその至宝へ。


……ふぅ。


俺、もう一生このままでいいや。

女の子に膝枕ってどうやったらしてもらえるんですかね……


あと、ほんのちょっとだけ過去編する

恭子「よっしゃ、やったるでー!」


そう意気込んで、うちが入学したのは地元でも有名な強豪・姫松高校やった。


中学の進路懇談で迷っている時、先生のアドバイスで大好きやった麻雀を中心に考えることにした。


そうなれば、いっそのこと……と思い立って姫松を受験することにしたのだ。


姫松高校と言えば、過去に何度もインターハイ出場を決めている名門中の名門。


正直言うて、うちの実力が通用するかどうかはわからへん。


でも、それならやれることはやってみたいんや。

洋榎「おーい、恭子―。さっそく行ってみよーや」


幸先のいいことに同じクラスに麻雀部志望の友達もできた。


愛宕洋榎。聞けば、あの愛宕プロの娘さんらしい。


流石、姫松。一年でもレベルが高い。


恭子「あ、待ってーな、洋榎!」


私は洋榎とお目当ての麻雀部室へと向かう。


新入部員歓迎! と書かれた看板とビシっとポーズを決めたスーツ姿の女性のパネルが立てかけてあり、明るい装飾が施されていた。

恭子「うわー、すごい人数やなー」


洋榎「今からこんな並ぶんかいな……」


形成されているのは長蛇の列。男女入り交ざって、もう廊下の半分ほどにまで達している。


だけど、洋榎は案があるのか、ニヤリと笑ってみせる。


洋榎「大丈夫や、恭子。うちには作戦がある。それもこれを省くことのできる方法がな」


恭子「な、なんや? そんな方法あんのか?」


洋榎「ああ。うちには一人、幼馴染がおってな? そいつが並んでるはずなんや」


??「へぇ。その幼馴染ってのは誰のことか教えてくれよ?」


洋榎「須賀京太郎っていう便利な男が――え?」


洋榎は驚いたのか、後ろを振り向くやいなや面白いように固まった。

何故なら問うたのはうちじゃないから。


タレ目少女につられる形で、くるりと顔を向けた。


恭子「んー?」


見えたのは黒の学ランに鈍い色の金属ボタン。


視線を上へとずらしていくと整った顔をした金髪がいた。


眉をひそめて怒っているのがよくわかる。


京太郎「よぉ、洋榎。今朝ぶりだな」


洋榎「ちゃ、ちゃうねん! 京太郎のことは大切な幼馴染やて恭子に紹介しようや思うてやな……」


京太郎「言い訳はそれだけか?」


洋榎「うっ……うぅ……かかってこいやぁぁ!」


開き直った洋榎は腕をぐるぐると回して反撃するが全く届いてない。


兄妹のじゃれ合いみたいで微笑ましいくらいや。


……しかし、注目されすぎた。周囲から好奇的な視線が集まってきてる。

恭子「よ、洋榎! そ、そのへんにしてさっさと並ぶで!」


京太郎「俺もそれに賛成だな。ほら、さっさといくぞー」


洋榎「あっ、こら離せや! 抱きかかえんな! いてかますで!」


京太郎「それはこっちのセリフだ。てめえ、あとで覚えておけよ」


洋榎「はっ! 精々負かしたるから吠えとけ。ほら、さっさと運べや。恭子もいくで」


ええ……。こんな目立つのについていくんか……。


といっても、このままじゃ麻雀部に入れへんし……。


恭子「……しゃ-ないか」


確かに騒がしいけど退屈はしなそうやし……三年間、楽しくなりそうやな。

今日はここまでー

22日に咲-Saki- 全国編vitaの体験会があるみたいですね。
行きたいけど、うちではやってないみたい……

大阪と東京がうらやましい……

おつかれさんさんさんころり~

ひろえ、やね。
変換できないから、いつも『ようえのき』って打ってたからそれがつい……

絹ちゃん小ネタ

=================



……どうやろ、京にぃ?


最近、髪伸ばしたんやけど……似合ってるかな?


……ほんと? よかったぁ。


うん、ちょっと気分転換でもしようと思うてな?


似合ってるて言ってくれて嬉しいわぁ。


明日からポニーテールにでもしてこよーっと

え? なんの本読んでるかって?


ちょっと漫才勉強しよう思うてな?


関西人といえばお笑いやし、最近ちょっと興味でてきてん。


もちろん、麻雀も手は抜かへんから安心してな?


それ……よかったら今日も教えてほしいなーって。


うんうん、京にぃの家で!


ほんまに!? なら、うち楽しみにしてる!


学校終わったらすぐ行くな?





――本当に楽しみや





どうどう? 京にぃ?


眼鏡じゃないのも新鮮やろ?


コンタクトに変えてみたんや。ほら、流行にのってな?


それで明日、買い物に行くつもりやねんけど……ついて来てくれへん?


……えっ、お姉ちゃんと買い物?


あ、そうなんか。なら仕方ないかぁ。








仕方……ないか…………(ギリ)

ん? お姉ちゃん?


知らんよ。うちも。あんな女のことはどうでもええやん。


ほら、今日も京にぃのうちに勉強しにいくな? 


……え? なんであかんの?


洋榎はどこだって?


さぁ? どこやろな?


……なぁ、京にぃ。


うち、京にぃの好みの女子になったやろ? 


それに洋榎よりうちの方が胸も大きいし、料理もするし、何より京にぃのことが大好きやから。


……だから、ちょっとだけ静かにしててな?


大丈夫、大丈夫。








――これからは二人でいーっぱい、楽しも?

こんな簡単なものですが、お詫びと言うことで


膝枕のやるより、彼女を作る方がハードル高そうだということに気づいた童貞がここに一人


おやす宮永照は畜生かわいい

榎田って可愛いやろ!に見えて
かわ……いい……?って思ってしまった

この流れは何だろう、玄米を思い出す

>>498 入団一年目の左のセットアッパー 榎田大樹はいつになったら帰ってきますか?(震え)

>>500 あのスレはちょうど姫松で途切れちゃいましたっけ? ヤンデレ好きな自分としては大変、満足させてもらいました


たまにヤンデレ入るのは私がヤンデレ好きだからなんですよね
でも、ヤンデレは別のとこでいっぱい書いているので、こっちはほのぼのでいくよ


今日は過去編は投下できるかわからないから、小ネタ希望出してくれたら、そっちで場をつなごうと思います


遅筆でごめんネリー

こんばんハオ


そろそろ更新始めようと思うのよー
書きながらで、ちょっとスピード遅いけど堪忍してな

姫松高校麻雀部は土日も夕方五時まで麻雀練習がある。その分、祝日は基本的に休みだ。


ゴールデンウィークだから学校も部活も休みー。


存分に羽を伸ばして、日帰りで旅行に行ってー、幼馴染も連れて行ってやるかーと計画していたところに無慈悲な教科担任からの連絡。


休日担当だったことを伝え忘れていたらしく、いきなり呼び出され登校。


ひどい。もう……うちのせっかくの休みがー!


「やっとお昼や~」


他の先生方は昼食を食べに外へ行った。


うちもその流れに乗りたかったけど、一人は残っていなければならず一番若いうちはお留守番。


しゃーない。うちは若いから。若手やから。


それで今朝は急いだせいで弁当も持ってきていない。準備もできてない。

「う~、お昼抜くんもな~」


足をパタパタ。手をバタバタ。書類はバサバサ。


拾うのも面倒くさい……。


そんな時、特定の相手からだと、すぐにわかる着信音が鳴った。


――郁乃お姉ちゃん! 電話だよ!


「は~い! 郁乃お姉ちゃんだよ~! きょーたろー君、助けて~!」


『……なに言ってんだ、郁乃姉さん』


電話の相手は愛しの男の子、きょーたろー君。


可愛い顔立ちから立派な男前になった年の離れた幼馴染。


そして将来のお婿さん。


きゃっ。

同級生やプロ時代の友人はみんな今期に差し掛かり、頭を悩ませている。


だけど、うちには小さい頃から手塩にかけて育ててきた有望物件がいる。


もちろん、下心なしに好きやし、アイシテル。


彼が卒業したら即刻、籍を入れるレベル。


まだちゃんと話してはないけど、きょーたろー君やったら受け入れてくれるやろ~。

『おーい、姉さん?』


「あ~、ごめんな~。何のようやろ?」


『何って……今日、郁乃姉さんが予定空けとけって言ったんだろ? それなのに連絡もないからさ』


「あ」


『ちょっと待て。あ、ってなんだ。あ、って』


「きょーたろー君~……」


『なんだよ』


「ごみ~ん、忘れてた~」


『ええっ!?』


電話越しでも驚いているのがよくわかる。怒っているのもよくわかった。

「ごめんな、きょーたろー君。本当は今日、一緒に旅行連れていくつもりやってんけど急に仕事が入ってもうて……」


『……なんだ、それならそうと言えばいいのに』


「サプライズのつもりやったから。そこで~お願いがあるんやけど聞いてくれへん?」


『いや、俺も疲れてるから休みたいんだけど』


「また一緒にお風呂入ってあげるで~?」


『いらねぇよ! どうぜ弁当忘れたとかその辺りだろ? 郁乃姉さんはそういうところ抜けてるからなー』


「そんなことないし~」


『じゃあ、行かなくていいよな?』


「手作りがええな~」


『素直になったら開き直るのやめろよ……』


「一時間以内でお願いな~」


『はいはい』


「愛もいっぱい詰めといてや~」


『はいはい。マジlove1000%で作っとくから。ちょっとだけ我慢していてくれよ』


「うん~! 愛してるよ、きょーたろー君~!」


――と、言う途中で切られた。

むぅ~、きょーたろー君はイケズやわ~。


でも、照れちゃって可愛いんやから~。


ちらっと時計を見る。


……今からとなると30分はかかるかな~。


「……先に仕事終わらしておこうかな?」


ご飯は食べさせてもらいたいし。それを考えればさっさと済ませてしまおう。


うん、ちょっとだけやる気出た。


カタカタとキーボードを叩く音が職員室に響く。


自分でも驚くほどに集中していた。


ご褒美を目の前にぶら下げられたら人間やれるもんやな~。

「ん~……こんなもんかな?」


グっと凝り固まった肩をほぐして、背もたれに体重を預ける。


そろそろかな~と思って時計を見ると、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。


「すいません。二年の須賀京太郎です」


グッドタイミング!


待ち遠しい人物の声がしたので俊敏な動きでドアまで到達すると、開けると同時に彼の頭を胸に沈みこませた。


「むっ!?」


「あ~ん、もうきょーたろー君。待ったわ~! お姉ちゃんお腹ペコペコなんよ~」


「むむぐっ! んんっ!」


逃げようとするけどガッチリ頭を押さえて離さない。


きょーたろー成分が最近、足りひんかったし、ここで補充しておくんや~。


うるさいおっちゃんたちもおらんし~。

「きょーたろー君~。ええ匂いやわ~」


「――! ――っ!」


「あっ、そんな息荒くしたらあかんて~。そういうのはお家に帰ってから~」


とか言いつつ、耳を甘噛みする。


はむはむ。


体は素直だ。


力が抜けていくのが手に取るようにわかる。


そのまま抱きしめて、職員室に連れ込んで昼食を一緒に取ろうとする――けど、腕に力を込めて無理やり引きはがされた。

「っぷはっ! な、何してんだよ、郁乃姉さん!」


「なにって――愛の確認?」


「いい年してやめろ! そういうのを外で大きく言うのはやめてくれ! 恥ずかしくて死んでしまうから!」


「別にええやん。うちら愛し合ってるんやし~」


「ないって!」


「うりうり~」


「だから、すぐに抱き着こうとするのやめろ!」


きょーたろー君の制止も無視して、たくましい腕に絡める。


そこで気づいた。


きょーたろー君の他に視線があることに。

恭子「な、な、なっ」


洋榎「胸なんか、やっぱり胸なんか……」


由子「ひ、ひゃー」


絹恵「グヌヌヌヌ……!!」


きょーたろー君と同じ麻雀部の仲良い面子。


顔を真っ赤にさせたり、ブツブツ呪詛吐いてたり、指の隙間からチラチラと覗いてたり、歯ぎしりさせたり。


四人それぞれの反応を見て、それが面白くて、んーと間延びした声を出すと。


うちはニィといたずらな笑みを浮かべた。

「なー、みんなー。見といてなー?」


「へっ」


わざと注目させ、グイっと引き寄せて、きょーたろー君の頬に軽く唇を当てた。


京太郎「――っ!?」


恭子「何しとるんですかー!?」


洋榎「何してんじゃワレェ!!」


絹恵「許さん! 許さへんで赤阪先生!」


由子「あー! そこは私の方が先にやってたのよー!?」


恭子「はぁっ!? ちょっと待て、由子、そんなん聞いてへんで!?」


絹恵「真瀬先輩も敵!? 敵なんか!?」


洋榎「やっぱりおっぱいやないか! 胸がすべてを物語ってんのか……!?」


恭子「と、とにかく! 赤阪先生は京太郎を返してくださいー!!」


郁乃「きゃぁっ」


京太郎「うおおおお!?」


全員がなだれ込むようにして飛び込んでくる。


……あー、もう。


面白いわぁ、この子たち。

結局、小ネタしかできなかったでござる! ござる!


今日はここまでー。


それじゃあ、おやす宮永咲さん可愛い

SHI・GO・TO  作詞:◆KBU2gmJaeI



本音を口にしたら クビになってしまいそうで

臆病な自分を ムリに追い出してみる

仕事はまだ増えていって でも今はそれがリアル

残業すべて



明日 家にいてるワケじゃない

増長した疲れにちゃんと 気づいてあげなきゃ



無くなって “お願い” ぎゅっと瞼を閉じるよ

希望(ゆめ)は希望(ゆめ)だと 自覚始めてる

解き放つ怒りと 書類(白紙)がかさなる場所

朝に 提出するから

朝日 感じてFly 日をまたぐ


なんもかんも疲れが悪い

今日は気づいたらお昼まで寝てた

明日、更新する。末原過去編は出会って、入部するとこまで出来た

だから、本日と同じ時間帯に更新するのでよろしくなのよー

……ああ。

明日は月曜日か。

>>477の続きから


恭子「はぁー、すごいなぁ」


やっとこさ回ってきた順番。


部室の中に入るとたくさんの麻雀卓が迎えてくれた。


先輩たちの動作の音があちこちから響き渡る。誰もが集中している証拠だ。


中学でのなぁなぁの雰囲気もなく、真剣に麻雀に青春を打ち込んでいるのがよくわかる。


ええなぁ、こういうの! テンション上がるわ!


善野監督「見学に来てくれてありがとう。私が監督を務めている善野一美だ。さっそく今日の説明を始めよう」


そう言ってさっきのパネルの人はレクリエーションの概要を話し出す。


うちらは四人一組に分けられ、半荘を好きなように打っていいことになった。


ただし、各自で対局ごとに反省会。その後、またその点に気を付けて打ち続ける。


これを3セットくらいしたら今日の活動は終わり。


対局ごとの点数を用紙に記入して提出。それで今日の活動は終わり。

監督「はい。それでは一年生。始めてみようか」


姫松の善野一美監督がパンと手を叩くとそれぞれがゲームを開始する。


もちろん、うちも例に違わない。


幸い(?)なことに洋榎たちと離れることなく、対戦することになった。


卓を囲むのは洋榎に幼馴染の須賀君、あと金髪クルクル少女。


洋榎「愛宕洋榎や。洋榎でええで。よろしゅうな~」


京太郎「須賀京太郎だ。俺も京太郎でいいぞ。よろしく」


恭子「末原恭子です。お願いします」


由子「真瀬由子なのよー。由子でどうぞなのよー」

あいさつをすませて親決めをすると、山から牌を取る。


よっし。まずはうちの実力がどれくらい通用するのか……試してみようか。


恭子「ポンっ」


早速吐き出された發を鳴いて手繰り寄せる。


せっかくの起家や。全員の実力を知るためにも連荘狙いでいってみようか。


ドラも二つあることやしな。


頑張るでー!!

全員『お疲れさまでしたー』


洋榎「おつかれさんさんさんころり~」


京太郎「なんだそれ」


洋榎「今考えた」


恭子「おもろないで」


洋榎「こういうのは勢いが大事やねんで」


京太郎「勢いを加味しても面白くないぞ」


由子「二人に同意なのよー」


洋榎「そんなんツッコミちゃう! ただの毒や!」


最初は硬さがあったものの、何度もぶつかり合い、議論したことで徐々に笑いも多くなってきた。


こうやって冗談を交えれるようにもなってる。


うん、雰囲気もええ感じやないか。

真瀬さんは結構毒舌っぽい。


あと語尾を間延びさせる癖があるみたいやな。


須賀君は場を読んでボケもツッコミも両方こなすオールラウンドプレーヤー。


特に洋榎との掛け合いは長年付き合ってるだけあると思った。


京太郎「まぁ、これで最後だし、対論始めようか」


須賀君が切り出すと、それぞれが真面目に対局を振り返る。


真瀬さんは多分うちと同じタイプのプレイヤー。


デジタル派で、オりるときはオりて決して無理はしない。


でも、鳴いて速攻を仕掛ける時もある。


洋榎はやはりプロを親に持つだけあってかかなり感性が鋭い。


それに聞けば麻雀特待生らしい。言動はかなりあれやけど実力は確かってことはよくわかった。


そんで須賀君は……そのめちゃくちゃ弱い。


正直言うて、なんで姫松に来たんやろうって思うくらいに。


……でも、一生懸命なことはわかったし、好感は持てた。

毎回ノート取ってる。


ちらっと見たけど、びっしり埋まってた。


今回だけじゃない。過去の対局も全部。


それに端がボロボロで取れかけているのは使い込んでいる証拠や。


麻雀がほんまに好きなんやなということはわかった。

京太郎「ほうほう。なるほどなるほど」


由子「……本当にわかってるのー?」


京太郎「おう。これでも何度も打ってるからな?」


洋榎「その割には弱いけどな」


京太郎「洋榎んちがおかしいんだよ!」


洋榎「でも、中学までハンドボールやってたならこんなもんやて。まだまだ伸びしろあるってことで頑張りや。…………旦那が弱いのは嫌やからな(ボソ)」


京太郎「任せろ! 後半、よく聞こえなかったけど!」


由子「アホ太郎やから仕方ないのよー」


京太郎「きついこと言ってくれるな、由子は……」


由子「京太郎のことを思ってなのよー」


京太郎「ほいほい、感謝感謝です」


……えらい気さくな感じで、仲良くなってるなぁ。


……あれ? うちだけ置いてかれてる?

恭子「す、須賀君!」


京太郎「うおっ!? どうした、恭子?」


恭子「恭子って呼ばんといて!」


京太郎「お、おう。なんかすまん」


恭子「あ、いや、そうじゃなくて……」


なんでや!


そうちゃうやろ! 


つい唐突な名前呼びに反応してもうて、あんなこと言うてもうた……。


なんで空気を読めなかったんや……。三人とも名前呼びOKやから、そらうちも問題ないて思うわ。


くっそ、人付き合いって難しい……。


……うち、なんかコミュ障みたいやん。


途切れる会話。


だけど、洋榎がすぐに継いでくれたおかげで気まずい雰囲気にはならんかった。


感謝感謝やで、ほんまに。

洋榎「あ、京太郎。うち、今日はなんや特待生制度とかなんとかで監督と話があるから先に帰っといて」


京太郎「おー、わかった。待っておかなくて平気か?」


洋榎「へーきへーき。うちを誰やと思ってるんや? 愛宕の洋榎やで?」


ドンと薄い胸を叩いた洋榎はドヤ顔で答えた。


洋榎「おかんが迎えに来るに決まってるやろ!!」


京太郎「ださっ!?」


由子「あそこまで言っといてまさかの親頼りなのよー」


洋榎「ピチピチで男をメロメロにしてしまううちを一人で出歩かせるわけにはいかんのやと。
   
   そういうわけで、安心して帰りや」


恭子「ピチピチでメロメロ……ねぇ」


京太郎「ロリコンしか釣れないんじゃないか?」


洋榎「やかましい! お前は一人寂しく帰れや!」


京太郎「わかったよ。ー―ということなので、由子と末原。一緒に帰らないか?」


恭子「えっ、えっ!?」


由子「別に構わないのよー」


真瀬さんは何も考えてはいないんじゃないかと考えてしまう。


どうやったら出会って数時間の男子と帰ることに賛成出来るのか。


普通はもうちょっと警戒するもんちゃうの? 


いくら洋榎の幼馴染とはいえ、その洋榎とも今日知り合ったばっかりやし……。


うーん…………。

恭子「……じゃあ、うちもお邪魔しようかな」


このままいったらなんかうちだけ置いてけぼりにされてしまいそうやし……そんなんメゲルわ。


それに二人とも麻雀についていっぱい語りたいのはほんまやからな。


疑いすぎたら始まるもんも始まらへんわ。


京太郎「なら、三人だな。どうだ、洋榎? うらやましいか?」


洋榎「ぜ、ぜぜぜ全然そんなことないし?」


由子「私、帰りに美味しい紅茶出すところ知ってるから寄るのよー」


恭子「お、ええやん。いこいこ」


洋榎「お、お前ら……! 大嫌いじゃぁー!!」


笑いながらうちも真瀬さんの提案に賛同すると、洋榎は叫んで須賀君の肩を叩きまくっていた。


キーンコーンとチャイムが鳴る。


こうしてうちらの体験入部一日目が終了した。

今日はここまでー

うちの京太郎くんはお金持ち設定です。
カピパラ買ってるから、そらそうよ。


あと、一個質問

雅枝さんの旦那について

×1のシングルマザー?

それとも旦那健在?

みなさんの意見を聞かせてくださいな

いい加減にしいや!

須賀君も特待生やろが!

>>545 男子の特待生やから。女子からすれば弱いんです。だから、一々京太郎は言ってません。説明&描写不足ですまんな

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