イケメン「未知の惑星に不時着したった」(30)



イケメン「宇宙船が壊れてその辺にあった惑星に不時着したわけだが」

イケメン「空気はあるし水も植物もある……地球に似た環境なのかな?」

イケメン「救難信号を発したから1ヶ月後には救助船が来るが……さてそれまでどうやって……ん?」

みすぼらしい格好で大きな荷物を背負った美女が歩いてくる。

美女「……」ハアハア

イケメン(うほっ!パコりてーぜ!)



イケメン「やあ!」ニカッ

美女「……?」

イケメン「その荷物どこまで持っていくんだい?僕が代わりに持っていってあげるよ!」ニコニコ

美女「……」プイッ

去っていく美女。

イケメン(あれ……?俺の微笑みで落ちない女はいないのに……)

イケメン「ちょ、ちょっと待ってよ!」タタタッ

美女「……なに?」

イケメン「君がそんな重そうな荷物背負ってるの、黙って見てられないよ」キラーン!



美女「……何故私が荷物を持っちゃいけないの?」

イケメン「美しいからさ!(これでこいつは濡れ濡れだぜ!イケる!)」

美女「……」プルプル

イケメン「?」

美女「馬鹿にしないでよ!」

美女「確かに私は美しいけど……!あなただって人の事言えないじゃない!」

イケメン「!?」

美女「……」グスッ

イケメン「え……え……?」オロオロ



キモオタ「コラアアアア!何油売ってんだ!」

世にも醜い男が駆け寄ってきた。

美女「す、すいません!」ビクビク

キモオタ「お前の代わりはいくらでもいるんだ!さっさとその荷物を運べ!」

イケメン「(何だこいつキモイくせして)ちょ、待てよ!」

キモオタ「あ?何だお前」

イケメン「こんな美しい女性にこんな重い荷物運ばせるなんて何考えてんだ!」

美女「……」ピクッ

キモオタ「はぁ?こいつは美しいから重労働をしているんじゃねーか」

イケメン「な……馬鹿を言うな!キモイくせに!」

キモオタ「ふはははは!そうさ!俺はキモイ!勝ち組さw」

イケメン「は?」



キモオタ「おーい!どうかしたんかー!?」

数人の醜い男が駆け寄ってきた。

キモオタ「このイケメンが俺に突っ掛かってきてな」

キモオタ「ちょwwwイケメンのくせに生意気www」

キモオタ「身の程を知れよな、イケメンのくせに」

イケメン「な、何を言ってるんだ!?この顔面底辺どもが!」

キモオタ「うはwww俺らが顔面底辺とかwwwこいつ目えおかしいわwww」

キモオタ「見かけない顔だがどこかから逃げ出したのかな?捕まえておくか」

イケメン「お、おい!?」

キモオタ「大人しくしろ」

イケメン「やめろ!ブサイクのくせに!俺様に触るな!」ジタバタ

ガンッ!

イケメン「う……」バタリ



イケメン「……ん」パチリ

ハンサム「よかった、気がついたかね」

イケメン「いてて……ここ?」

狭く汚らしい部屋に美しい男と女達が固まって座っている。

ハンサム「見かけない顔だが、どこの小屋から逃げて来たんだい?」

イケメン「はぁ?」

ハンサム「まあ良い、とりあえずこれを食べなさい」

ハンサムはゴミみたいな食事を差し出した。

イケメン「ふ、ふざけるなあ!こんなものが食えるか!」



イケメン「まるで豚の餌じゃないか!舐めているのか!」

ハンサム「……」

ざわざわ

イケメン「……な、なに騒いでいるんだよ?」

美女「あなた、最低ね」

イケメン「君は……」

美女「確かに誰もこんなの食べたくないけど……でも私達はこういうものしか食べるものがないのよ」

美女「……美しく生まれてしまったからね」

イケメン「はぁ?」



イケメン「何言ってるんだ?美しく生まれたらそれがけで人生イージーモードじゃないか!」

ざわざわ ひそひそ

イケメン「な、何だよ……」

ハンサム「君は何を言っているんだ?」

イケメン「いや、だからイケメンとかに生まれたら女は簡単に股開くわ就職に有利だわで……」

美女「はぁ?喜んでイケメンに股を開く女なんていないわよ!」

イケメン「へ?」

美女「……確かに余りもの同士で仕方なくくっつくけれども」

ハンサム「そういえば君は見かけない服を着ているな……」

イケメン「これは宇宙飛行士の制服で……」



ハンサム「何と……君は別の星から来たのか……」

美女「空の向こうに別の世界があるなんて……信じられないわね」

ハンサム「ではその……君のいた星では美しい方が裕福なのかね?」

イケメン「もちろん」

ハンサム「こことは逆だな……ここでは醜い人が上なんだ」

イケメン「え?」

ハンサム「ここでは美しく生まれたら一生奴隷の身なんだよ……醜い人に仕えるね」

イケメン「な、なんだってー!?」



イケメン「そんな馬鹿な話があるか!俺があのブサイクどもにガツンと言ってやる!」

ハンサム「ま、待ちなさい!」

<豪華な家>

キモオタ「いやー、美しい奴らの世話は疲れるな、まいったよ」

デブス「あなたお疲れ様、私ならあんな美しい奴らに触りたくないわよ、デョフフw」

バンッ!

イケメン「おい!」

デブス「きゃあ!?」

キモオタ「あの奴隷か!一体何の用だ!?」

イケメン「お前らの間違いをただしに来たんだ!」



キモオタ「間違い?」

イケメン「そうだ!お前らみたいな醜い奴らがイケメンや美女を支配するなんて間違ってる!」

キモオタ「はぁ?」

イケメン「お前らみたいな奴らは俺達美しい者に支配されるべきなんだ!」

デブス「ねえあなた……このイケメン頭おかしいわ」

キモオタ「そうなんだよ、こいつおかしいんだ」

イケメン「俺はおかしくなんかない!おかしいのはお前らだ!」

イケメン「俺のいた惑星ではお前らみたいな醜い人間は社会の底辺にいる存在なんだ!」

キモオタ「惑星?」



キモオタ「はぁ?お前は宇宙飛行士という奴で別の星から来ただって?」

デブス「ぷっwwwウケるwwwこいつヤバァイwww」

イケメン「本当だ!笑うな!笑うなこのブサイクどもが!」ガシッ

キモオタ「貴様奴隷の分際で!おい誰か!誰か来てくれ!」

ドタドタ

キモオタ「どうした!」

キモオタ「こいつ!イケメンの分際で!放せ!」

イケメン「コノヤロオオオオオ!」



キモオタ「あいつは?」

キモオタ「ボコボコにして奴隷小屋に放り込んだよ」

バンッ!

キモオタ「おい大変だ!草原に妙なものが!」





キモオタ「これは……」

キモオタ「あの奴隷の言っていた宇宙船というものか?」

キモオタ「じゃあ……あの男の話は……」



キモオタ「やあすまなかったね、乱暴な真似をして」

イケメン「……フンッ」

キモオタ「君は君の星では奴隷を使う身だったようだ……つまりこの星でも君は奴隷を使う身だという事」

キモオタ「救助が来るまでこの屋敷で暮らすと良い」

イケメン「当然の暮らしだ、俺はイケメンだからな」

キモオタ「奴隷どもは好きに使って良いよ」

イケメン(ヨッシャ!さっそく美女ちゃんとパコるぞ!)

キモオタ「ただし美しい者と性交をしては駄目だ」

イケメン「ええ!?」

キモオタ「この世界の秩序が乱れてしまっては困るからね、代わりの女をあてがってあげるよ」ニコッ



ブス「あなた別の星から来たんですって?」

イケメン「……」

ブス「本当はあんたみたいな男とは死んでもヤリたくないんだけど、旦那様の命令だから仕方なく抱かれてあげる」

ブス「そう?私は平気だけどな」

ブス「ちょwwwお前変態だなwww」

イケメン「……」







イケメン「……ふぅ」

イケメン(……死にたい)



イケメン「ううう……もうブスを抱くのは嫌だ……」

イケメン「迎えが来たらまず可愛い女の子とヤルんだ!」

イケメン「……それまでの辛抱だな……ん?」

重労働をしている人々。

美女「……」ハアハア

イケメン(美女ちゃん可哀相だな……)

イケメン「美女ちゃん!手伝うよ!」

美女「あっちいってよ美しい」イラッ

イケメン「……」



イケメン「美女ちゃん達は一生こんな生活なの?」

美女「いいえ」

イケメン「へ?」

ハンサム「美女ちゃんは幸運にも奴隷の身から抜け出せるんです!」

イケメン「ホント!?それは良かった!」

ハンサム「はい!来週手術でして!」

イケメン「手術?」

ハンサム「整形手術で醜い顔になるんです!」ニッコリ

イケメン「!?」



イケメン「ど、どうしてそんな!?」

ハンサム「医術の発展のための実験体に選ばれたんです、いやはら彼女はツイてた」

美女「ハンサムさん!私醜い顔になったらここの人達に楽をさせてあげるからね!待っててね!」

ハンサム「ははは、待っているよ」

イケメン「だ、駄目だよ!顔を醜くするなんて!」

美女「何で?」

イケメン「せっかく美しく生まれたのにもったいないだろ!?」

美女「はぁ?美しく生まれたせいで私の人生超ヘビーモードよ!」

イケメン「とにかく駄目だよ!駄目なもんは駄目だ!」



イケメン「間違ってる……!止めさせないと……!」





キモオタ「はぁ?顔を醜くする手術をやめろだって?」

キモオタ「じゃあ奴隷達は一生奴隷でいろってか?」

キモオタ「美しいと一生奴隷のままなんだぞ?」



イケメン「……クソ!」



キモオタ「美しい奴なんて見るだけでも吐き気がするね」

キモオタ「手術する事で奴らを俺達の仲間にしてやるのさ、それの何が問題なんだい?」



イケメン「……どうかしてる!」





キモオタ「そうです!美しい者達は神が作ったまがいものの命なのです!」

キモオタ「ですから私達に近付ける事で彼らに本当の命を与えてあげるのです!」



イケメン「……」



イケメン(この惑星で1番偉い奴!)

イケメン(もうこいつを何とかするしかない……!)

イケメンは熱弁した。

力の限り美しい顔を醜い顔にするのは間違いだと説いた。

イケメン「……という事だ!分かったか!」ゼエゼエ

キモオタ「……なかなか面白い話ですな」

イケメン「整形で醜い顔にするのはやめろ!今すぐにだ!」

キモオタ「別の星から来た人……あなたの星では醜い者が美しい者に使われているのでしょう?」

イケメン「そうだブサイクめ!」

キモオタ「では、あなたの星では醜い顔を美しい顔にする手術は存在していないんですか?」

イケメン「それは……」



キモオタ「あるのでしょう?ならばあなたが私達の文化について口を挟む権利はありませんね」

イケメン「ブサイクな奴がイケメンになりたいと思うのは当然の事じゃないか!」

キモオタ「この星ではイケメンがブサイクになりたがるのです」

イケメン「そんなのおかしい!間違っている!」

キモオタ「あなたの星とは価値観が違うのです」

イケメン「何が価値観だ!美しく生まれたいと思うのが当たり前じゃないか!」

キモオタ「やれやれ話になりませんね……連れて行きなさい」

キモオタ「はっ!」グイッ

イケメン「おい待て!」

キモオタ「来い!」グイグイ

イケメン「ちくしょうブサイクのくせに!ブサイクのくせにぃ!」








<豪邸>

イケメン「……」

ブス「やった!夢にまで見たお屋敷暮らしだわ!」

イケメン「……」

ブス「やっぱり醜くなければ駄目よね!生きてて良かった!」ニコニコ

イケメン「……」



数日後、救助船が来て俺は無事にこの惑星から脱出できた。

美女パイロット「ねえ……私欲求不満なの……」

イケメン「……」

俺は一心不乱に美しい女を抱いた。

美女パイロット「あん////激しい////」

イケメン「うほおおおお!やっぱ綺麗な女だと気持ち良いぜ!」

ドピュッ おわり

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