いろは「7つのお願い」 (151)

月曜日 放課後

いろは「あ、せんぱーい!」トテテッ

八幡(げ、一色か。何か仕事でも頼まれたらめんどくさい。ここはスルーで)スタスタ

いろは「ちょっとせんぱーい、待ってくださいよー」グイッ

八幡「ぐえっ!」

いろは「聞こえてるくせに何で無視するんですかーまったく」プクー

八幡「あざとい。で?何か用か?仕事なら他を当たれ」

いろは「実は平塚先生に頼まれて生徒会室に資料を運ばなきゃいけないんですけど……」

八幡「じゃあな。俺部活で忙しいから」

いろは「ちょっと待ってくださいってば。わたし一人じゃ無理なんですよー。先輩暇ですよね?」

八幡「今忙しいって言ったよね?生徒会の用事なら副会長にでも頼め」

いろは「今日は生徒会が無いので役員はみんな帰っちゃったんですよ。だから先輩しか頼れなくて……」

いろは「先輩のせいで生徒会長なんてやってるんですよ?責任取ってもらいたいです」グス

八幡「……」ハァ

八幡(100パー嘘泣きなんだが……それを言われると弱い)

八幡「はぁ……分かったよ。何すりゃいいんだ?」

いろは「さっすが先輩!こっちですこっち」グイグイ

八幡「おい、引っ張るな!」

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資料室

いろは「このダンボール2つを運ばなくちゃいけないんですよー」

八幡「お前が2往復すればいいだけじゃねえの?」

いろは「先輩酷いこと言いますね。可愛い後輩に重い荷物を持って階段の昇り降りを2往復もしろだなんて」

八幡「自分で可愛い言うな」ヨッコラセ

いろは「わたしは事実しか言ってませんよ?」ヨイショ

八幡「まったくいい性格してるよお前は。ほらさっさと運ぶぞ」

いろは「そんな褒めないでくださいよー」

八幡「いや、褒めてねえから……」

生徒会室

八幡「あー重て」ドサッ

いろは「先輩ありがとうございました。助かりました」ドサッ

八幡「で?これどこに置くんだ?」

いろは「んーそうですねー。あの棚の上とかでいいんじゃないですかね」ヨイショ

八幡「おい、無理すんな。俺がやるって」

いろは「平気ですよっと……きゃっ!」グラッ

八幡「危ねえ!」ガシッ



ドサドサドサッ ムニュッ


八幡「おい一色、大丈夫か……」ムニムニ

八幡(ん?この柔らかい感触は、まさか……)ムニョムニョ

いろは「先輩ありがとうございま……す……?」

八幡「……」モミモミ

いろは「き……///」カァァ

いろは「きゃあああああああああああああ///」バッ

いろは「せ、先輩!ど、どこ触ってるんですか!ていうか何で揉むんですか!///」

八幡「す、すまん!ワザとじゃない!決して!」

八幡(まさかこの俺がリトさんばりのToLOVEるに遭うとは!)

八幡(いやリトさんだったら股間に顔面を突っ込んでるか。それに比べたら軽いラキスケだ)

いろは「触ったのは偶然でもその後揉みましたよね?しかも6回も!通報しますよ!?」

八幡「申し訳ございませんでした」ドゲザ

八幡(通報を免れるなら土下座など安いもんだが……)

八幡(一色はスマホを片手にいつでも通報態勢を取りながら、冷たい視線を浴びせてくる……)

八幡(胸だと気付いたのに揉むんじゃなかった)ハァ

いろは「先輩、わたしの胸の感触どうでしたか?」ジー

八幡(何だその質問。何て答えればいいんだよ)

いろは「どうでしたかー?」

八幡(下手な答え方をすれば即通報まである。ここは何としても切り抜けないと……)

八幡「大変結構な感触で……」ニヘラ

いろは「あ、警察ですか?今目の前に痴漢が」

八幡「勘弁してください!何でもしますから!」

いろは「ん?今何でもするって言いましたね?」

八幡(しまった、つい……今すぐ死んでくださいとか言われたらどうしよう)ダラダラ

いろは(……これはある意味チャンス……かな?先輩の弱みを握ったわけだし……)ブツブツ

八幡「あのー、一色さん?」

いろは「先輩、こうしましょう。今日から1週間、1日1回の合計7回、わたしのお願いを聞いてください」

八幡「な、7回も!?」

いろは「は?1回で許されるとでも思ってるんですか?」ジロ

八幡「あ、いや、それにしても7回は多いんじゃ……」

いろは「まずわたしの胸に触った分の1回。それから6回揉んだ分も合わせて7回です。何か文句あります?」

八幡「……ございません」

いろは「決まりですねー♪」ニッコリ

八幡(わあ、いい笑顔)ゲンナリ

いろは「じゃあ早速今日のお願いを言いますねー」

八幡「なるべく俺が無理なくできる範囲で頼む……」

いろは「わたしのこと名前で呼んでください」

八幡「え?そんなんでいいのか?」

八幡(どんな無理難題をふっかけられるかと思えば……)

八幡(女子を名前呼びとかリア充みたいでこっぱずかしいが……)

八幡(名前を呼ばずに会話することくらいいくらでもできるし、そもそも会話しなければいい。余裕だ)

いろは「というわけで、とりあえず呼んでみてください」

八幡「お、おう」

八幡「……い、いろは」

いろは「!」キュン

いろは(男子から名前で呼ばれるのは慣れてるけど、先輩に呼ばれると……///)

八幡「えーと、これって今日だけでいいんだよな?」

いろは「まさかー。これからずっとですよ、先輩♪」ニッコリ

八幡「え?ずっとって?」

いろは「一生です」

八幡「いや、それは……」

いろは「先輩、自分のしたこともう忘れたんですかー?」

八幡「一生呼ばせていただきます」

八幡(1週間こいつには逆らえん……)

いろは「さてと、じゃあ部室に行きましょうか」

八幡「何でお前は当たり前のように行こうとしてるんだよ……」

いろは「何を今さら。さー行きましょー」グイグイ

八幡「わ、分かったから引っ張るなって」

奉仕部部室

八幡「うす」ガラッ

結衣「ヒッキー遅い!」

雪乃「こんにちは遅刻谷くん。ずいぶんと重役出勤ね」

いろは「こんにちはー」

結衣「あ、いろはちゃん!やっはろー」

雪乃「一色さんも一緒ということは……またかしら?」

八幡「ああ、ちょっと一色に……いてっ!」

いろは「先輩……名前」ボソッ

八幡「あ、ああ……ちょっとい、いろはに頼まれて力仕事をな……」

雪乃「!」ピクッ

結衣「!」ピクッ

いろは「そうなんですよー。急に平塚先生に頼まれちゃいましてー」

雪乃「……比企谷くん。今何と言ったのかしら?」

八幡(ちっ、やっぱり食いついてきやがったか)

八幡「ん?だからこいつに頼まれて力仕事をだな……」

結衣「ヒッキー、さっきと違うよね」ジト

雪乃「そうね。さっきと一字一句同じセリフを言ってみなさい」

八幡「……だからいろはに頼まれて力仕事をしてたんだよ」

結衣「ヒッキー!何でいろはちゃんのこと名前で呼んでるの!?マジキモい!」

雪乃「一色さん、もしこの男に何か弱みを握られて無理矢理名前で呼ばれてるなら私が何とかするけれど」

八幡(弱みを握られてるのは俺なんですけどね)

いろは「あーいえいえ、そういうわけではないですよー」ニコニコ

雪乃「じゃあ何故急に?比企谷くん、ちゃんと理由を述べなさい」

八幡「あーまあなんつーかだな……こいつとも付き合い長くなってきたし、名前で呼ぶのも有りかなーなんて……」

八幡(くっ、本当のことを言えないとはいえ理由が適当すぎる!)

雪乃「待ちなさい。付き合いの長さなら私や由比ヶ浜さんとの方が長いでしょう」

結衣「そうだよヒッキー!それならあたしとゆきのんのことも名前で呼んでよ!」

雪乃「そうね。でないと理屈に合わないわ」

八幡(はぁ……めんどくせえ……だが、ここは得意の屁理屈で切り抜けてみせる)

八幡「あのな、お前らのこともとっくに名前で呼んでるぞ?」

雪乃「……どういうことかしら?」

結衣「嘘!呼んでもらったことなんてないし!」

八幡「お前らの苗字と名前をよく考えてみろ。お前らの苗字には名前も含まれてるだろうが」

八幡「つまり俺は最初からお前らのことを名前で呼んでいたも同然というわけだ。分かったか?」

いろは(先輩、さすがにそれは無理ありすぎじゃ……)ヒキ

結衣「そ、そっか……ヒッキーあたしのこと名前で呼んでくれてたんだ……」テレテレ

八幡(こいつがアホでよかった……問題は雪ノ下だが……)

雪乃「雪ノ下雪乃……ユキノシタ……ユキノ……確かに一理あるわね」ブツブツ

八幡(マジか。ならばここで止めを刺す)

八幡「さらに言えば、お前らの苗字はフルネームの省略形とも言える」

八幡「それは俺にとって最上級の親しみを込めた呼び方と言っても過言ではない」キリッ

結衣「ヒッキー……」

雪乃「比企谷くん……」

いろは「先輩……」ドンビキ

八幡「だから今までどおり雪ノ下、由比ヶ浜と呼ばせてくれ」キリリッ

雪乃「あなたがそこまで言うなら……今までどおりで構わないわ」

結衣「ヒッキーがそうしたいなら……あたしもそれでいい……かな///」

八幡「分かってくれたか」

八幡(ふう、何とか誤魔化せたか。ボロが出ないうちにさっさと帰ろう)

八幡「じゃあ今日は小町に買い物を頼まれてるからそろそろ帰るわ」

雪乃「そう。それじゃ比企谷くん、また明日」

結衣「バイバイ、ヒッキー!」

いろは「先輩。また明日、お願いしますねー」ニッコリ

八幡「お、おう。じゃあな」

八幡(あと6日間もあるのか……)

とりあえずここまで

火曜日 休み時間

八幡(休み時間は寝たフリ。これ最強)

いろは「結衣先輩は……いないと。よし」ヒョコ

いろは「んー先輩どこだろ?」キョロキョロ

葉山「いろはじゃないか。うちのクラスに来るなんて珍しいな、どうした?」

いろは「あ、葉山先輩。えーと、ちょっと用事がありまして……」

八幡(ん?一色の声?)

葉山「俺に用事というわけじゃなさそうだな。戸部かい?」

いろは「戸部先輩に会いに来るとかありえませんから」キッパリ

葉山「ははは、厳しいな。となると……彼ならあそこで机に突っ伏してるよ」

いろは「あーいましたいました。ありがとうございます♪」トテテッ

八幡(げっ、こっち来やがった)

いろは「せーんぱ……」

戸部「あんれーいろはすじゃーん。どったのー?隼人くんに用事ー?」

いろは「あーいえ、ちょっと先輩に用事が」

戸部「なになにーヒキタニくんに用事なん?ヒキタニくんマジパないわー」

八幡(……うぜえ)

いろは(……うざい)

いろは「戸部先輩、ちょっと向こうに行っててもらえますか?」ニッコリ

戸部「お、おう、ワリワリー邪魔しちゃったかー。んじゃないろはすー」ヒキタニクンマジパナイワー

いろは「ふーやっと行った。……先輩、起きてますよね?」

八幡「……休み時間に来るとかやめてくんない?目立っちゃうから」ムクッ

いろは「この時間じゃないと今日のお願いが間に合わなくなっちゃうんで」

八幡「ちょ、もう少し声を抑えろ」

いろは「じゃあ耳貸してください」

八幡(近いいろはす近い!)

いろは「お昼ご飯一緒に食べてください」ボソッ

八幡(そう来たか……ベストプレイスでの俺の貴重な安息タイムが……だがどうせ拒否権はない)

八幡「分かった。どこで食うんだ?」ボソッ

いろは「生徒会室で食べましょう」ボソッ

八幡「お前私物化しすぎじゃねえの?」ボソッ

いろは「それだけの権力がわたしにはあるんですー。じゃあ先輩、お昼に待ってますね♪」フリフリ

八幡「わかったわかった。さっさと行け」

八幡(……誰にも聞かれてないよな?)

昼休み 生徒会室

八幡「うす」ガラッ

いろは「せんぱーい、おっそーい!」

八幡「購買でパンと自販機で飲み物買ってから来たんだよ」

いろは「またMAXコーヒーですかー?ホント好きですね、それ」

八幡「千葉県民なら誰だって好きだろ。あーあとこれやる」

いろは「ミルクティー?何ですかこれ?」

八幡「ボタン押し間違えて買っちまったからお前にやる」

いろは「はあ……じゃあ遠慮なくもらいますね」

いろは(たぶんわたしのために買ってきてくれたんだよね……素直じゃないなー)クス

いろは「じゃあ早速食べましょー♪」

八幡「なあ一色」

いろは「先輩、名前」

八幡「あ、あーわり……い、いろは」

いろは「何ですかー?」

八幡「この昼飯を一緒に食うのって……」

いろは「もちろんずっとですよ」

八幡「まさか一生?」

いろは「はっ何ですか口説いてるんですか一生お昼を一緒に食べたいとかほとんどプロポーズじゃないですかいくら何でも早すぎますごめんなさい」

八幡「ちげーよ……じゃあずっとっていつまでだよ」

いろは「まあ先輩が卒業するまでですかねー」

八幡「はぁ……」

八幡(もうベストプレイスでは二度と食えなくなるのか……)

いろは「そういえば先輩ってお昼はいつもパンなんですか?」

八幡「まあな。お前の弁当は自分で作ったのか?」

いろは「ええまあ。このくらいのことはできますよ」

八幡「ふーん。てかお前本当に料理得意なのな。普通に美味そうだ」

いろは「何ですかー食べたいんですかー?仕方ないですねー。はい、どうぞ」ヒョイ

八幡「バ、バカお前それじゃ……」

いろは「?あー先輩、間接キスとか意識しちゃってますー?」ニヤニヤ

八幡「し、してねぇし……」

いろは「別にこのくらいどうってことないですよ。ささ、どうぞー」グイ

八幡「お、おう」パクッ モグモグ

いろは「……どうですか?」ジッ

八幡「美味い。いやマジで」

いろは「そうですか。じゃあ明日から先輩にもお弁当作ってきてあげますね」ニコッ

八幡「は?いやいや、いらんし」

いろは「勘違いしないでください。先輩のためじゃないですから」

八幡「え?どういう意味?」

いろは「いずれ彼氏ができた時のための練習ですよ。先輩なら練習台にぴったりじゃないですかー」

八幡「あー葉山か」

いろは「……まあ葉山先輩とそうなれたら最高ですけどー……ひょっとしたら今後葉山先輩より好きな人ができるかもしれませんしね」チラッ

八幡(そういうことしてると勘違いされるぞマジで……俺はしないけどな)

八幡「そういうことなら練習台になってもいいぞ。どうせ今の俺には拒否権ないしな」

いろは「じゃあ決まりですねー。明日楽しみにしててください♪」

八幡「はいよ」

八幡(まあ昼飯代が浮くと考えれば悪くはないか。一色の弁当マジで美味かったし)

いろは「そろそろ時間ですね。じゃあ先輩、また放課後ですー」

八幡「また来るつもりかよ……」

放課後 奉仕部部室

八幡(一色のやつ普通にいるし……)

いろは「ねえ、先輩」

八幡「ん?」

いろは「先輩の好きなおかずって何ですかー?」

八幡「唐揚げだな」

いろは「じゃあ嫌いなものはありますー?」

八幡「トマト」

いろは「ふむふむ、了解しましたー♪」

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「ねえ、いろはちゃん。何でヒッキーの好き嫌いを訊いたの?」

いろは「明日作るお弁当の参考にと思いまして」

結衣「え?まさかいろはちゃん、ヒッキーにお弁当作ってあげるの!?」

いろは「ええまあ、成り行きでそうなっちゃいましてー」

結衣「ヒッキーキモい!何でいろはちゃんにお弁当作らせてるの!?マジありえないし!」

雪乃「一色さん、あなた本当にこの下衆谷くんに弱みを握られているんじゃなくて?隠さなくてもいいのよ?」

八幡(だから弱みを握られてるのは俺なんだってば……)

八幡「あー勘違いすんな。俺から頼んだわけじゃない」

いろは「そうなんですよー。わたしから先輩にお願いしたんですー」

雪乃「どういうことかしら?何故一色さんの方から比企谷くんのお弁当を……」

結衣「……いろはちゃん……もしかしてヒッキーのこと……」

いろは「やだなー違いますよー。練習台です練習台」

結衣「練習台???」

八幡「彼氏ができた時のために弁当作る練習がしたいんだってよ。俺はその練習台。またの名を実験台だ」

雪乃「そういうこと……でも何故比企谷くんに?他の人でもいいんじゃないかしら」

結衣「そうだよ。隼人くんは……本命だろうから……うーん……ほら、とべっちとかでもいいじゃん!」

いろは「結衣先輩。冗談キツイです」

結衣「あはは……じゃあ同じクラスの男子とかは?」

いろは「うーん、変に勘違いされると面倒ですしー」

結衣「まあ、そうかもだけど……」

いろは「その点先輩なら万が一勘違いしても何もできそうもないですしー」チラッ

八幡「いや、勘違いとかしねぇから……」

いろは「それに味の感想とか遠慮なしに言ってくれそうじゃないですかー」

八幡「まあな。俺は食い物の感想で妥協はせん」

結衣「じゃあさ……あたしも練習したいって言ったらヒッキー練習台になってくれる……?」

八幡「いや無理。まだ死にたくないし」

結衣「ヒッキー酷い!ゆきのーん」ダキッ

雪乃「由比ヶ浜さんはともかく、私ならどうかしら?」

結衣「ともかく扱い!?」

八幡「お前は練習なんていらんだろ」

雪乃「それはそのとおりだけれど……」

八幡(これは今日も早めに退散した方がよさそうだな)

八幡「じゃあそろそろ帰るわ。今日も小町に買い物頼まれてるからな」

雪乃「またなの?まあ小町さんも受験で大変でしょうし……仕方ないわね」

結衣「ヒッキー、小町ちゃんによろしくね!」

八幡「おう。じゃあいっし……いろは、明日頼むな」

いろは「任せてください!とびきり美味しいお弁当作ってきますから♪」

結衣「……」ムゥ

雪乃(どうも納得が行かないのだけれど……)

八幡「んじゃ」ガラッ ピシャッ

八幡(連日小町を理由に逃げたなんて知られたら、怒るだろうなあ小町のやつ)

八幡(てか一色のやつ、いちいちあの二人を刺激するのやめてくんねえかな……)

八幡(あと5日……何をお願いされるんだか)ハァ

今日はここまでですー

水曜日 昼休み 生徒会室

八幡「うす」ガラッ

いろは「おっそーい、せんぱい!」

八幡「いやだから飲み物買ってたんだって」

いろは「先輩、早く座ってください!」

八幡「急かすなよ……ほれ、これやる」スッ

いろは「ミルクティー……また押し間違えたんですかー?」

八幡「ちげーよ。弁当作ってきてもらうんだからその礼みたいなもんだ」

いろは「ふーん……あざといですねー先輩」ニヤニヤ

八幡「あざとくねーよ。ギブアンドテイクだ」

いろは「ではでは。はい、先輩、どーぞ」

八幡「お、おう。サンキュ」

八幡「どれどれ」パカッ

八幡(ふむ、唐揚げとウインナーと卵焼きとポテトサラダ。ご飯には軽くふりかけ。オーソドックスな弁当だ)

八幡「じゃあまず唐揚げから」パクッ モグモグ

いろは「……どうですかー?」ドキドキ

八幡「美味い。味付けもウチのに近いわ。マジで美味い」ムシャムシャ

いろは「そ、そうですか」ホッ

八幡「お次は卵焼きを……」パクッ モグモグ

いろは「先輩甘いの好きだから甘めの味付けにしたんですけど……」

八幡「おう、いい感じの甘さだ。美味いぞ」ムシャムシャ

いろは(先輩、美味しそうに食べてくれてる……)

八幡「ふー食った食った。ごっそさん。マジで美味かったわ」

いろは「どうですかーわたしの料理の実力。かなりいい線行ってますよねー?」

八幡「そうだな。これなら練習なんていらないんじゃね?」

いろは「これを継続する練習も必要なんですー。明日も楽しみにしててくださいね」

八幡「おう。こんな美味しい練習台ならいくらでもやってやるぞ」

いろは「ところで先輩、今日のお願いなんですけど……」

八幡(来たか。今日は一体なんだ?)

いろは「わたしと一緒に帰ってください」

八幡「……分かった。稲毛海岸の駅まででいいんだよな?」

いろは「そうですね。先輩自転車ですし」

八幡「一応訊くが、これも卒業までか?」

いろは「もちろんです♪」ニッコリ

八幡「なあ……俺は別に構わねえんだが、一緒に手作り弁当食ったり一緒に帰ったりしたら、誤解されねえか?」

いろは「はて?何がですかー?」

八幡「いや、だから俺といっし……いろはがつ、付き合ってるような誤解をだな」

いろは「何ですか口説いてるんですか周りに付き合ってると誤解させてなし崩しに付き合っちゃおうとか姑息にもほどがありますちゃんと告白してからにしてくださいごめんなさい」

八幡「俺お前のお願い聞いてるだけなんだけど……ていうか葉山とかに誤解されたらどうすんだよ」

いろは「チッチッチ、先輩、これは作戦ですよ」

八幡「作戦?」

いろは「はい。名付けて『先輩とイチャイチャして葉山先輩を嫉妬させちゃおう作戦』です!」ドヤッ

八幡「えぇー……」

いろは「ほら、今まで積極的にアプローチしてきた子が急に他の人と仲良くしだしたらジェラシー感じたりするじゃないですか。アレですよアレ」

八幡(葉山なら笑顔で『おめでとう比企谷。いろはをよろしくな』とか言いそうなんだけど……)

八幡「まあ……お前がそれでいいならいいけどよ。どうなっても知らんぞ」

いろは「大丈夫ですって」

八幡「で、お前今日も部室来んの?」

いろは「えーと、今日は生徒会の定例会があるので行けないです」

八幡「ほう、珍しくちゃんと生徒会活動するんだな」

いろは「だから先輩、部活終わったらここまで迎えに来てください。待ってますから」

八幡「はいよ」

放課後 奉仕部部室

八幡(一色のいない部室も久しぶりだな……)

八幡(騒々しいのがいなくてホッとするような、何か物足りないような……)

八幡(いや、物足りないとか一色に毒されすぎか。いかんいかん)

結衣「ねえヒッキー。今日いろはちゃんのお弁当食べたんだよね?どうだった?」

八幡「まあまあ……いや、かなり美味かった。想像以上だったな」

結衣「ふーん……いいなぁ……」ボソッ

結衣「あたしもちゃんと料理の練習しようかなぁ。ねえ、ゆきのんどう思う?」

雪乃「そうね。由比ヶ浜さんは美味しいものを作る前に、せめて人間が食べられるものを作れるようになるべきだと思うわ」

結衣「ゆきのん酷い!……でも言い返せない」グヌヌ

雪乃「由比ヶ浜さんがその気なら私がみっちり教えてあげるわよ?」ニコ

結衣「ほんと!?ゆきのーん!」ダキッ

雪乃「ちょ、ちょっと由比ヶ浜さん、きゅ、急に抱きつかないで……///」

結衣「じゃあ、今日早速ゆきのんちで練習していい?」

雪乃「え、ええ。構わないけれど……由比ヶ浜さんもう少し離れて……」アセアセ

八幡(もう君たち百合ヶ浜と百合ノ下に改名しちゃいなさいよ)

八幡「そろそろいい時間だな」

雪乃「そうね。今日は終わりにしましょう。鍵は私が返しておくわ」

結衣「あたしも一緒に行くね!じゃあバイバイ、ヒッキー」

雪乃「さようなら比企谷くん」

八幡「おう、じゃあな」

八幡(さて、一色を迎えに行くか)

生徒会室

八幡「うす」ガラッ

いろは「……」

八幡「おい、いっし……いろは」

いろは「……」スースー

八幡「……寝てやがる」

八幡(このまま帰ってやろうか。……いや、明日が怖いからやめとこう)

八幡「可愛い顔して寝やがって、このゆるふわビッチめ」

いろは「///」スースー

八幡(ん?髪の毛にゴミが……)ヒョイ

八幡「……」

八幡「……」ナデ

いろは「!」

八幡「こいつの髪サラッサラだな」ナデナデ

いろは「///」スースー

八幡「おっといかんいかん、ついお兄ちゃんスキルが。いい加減起こすか。おい、いろは」ユサユサ

いろは「ふぇ?せんぱい?」

八幡「寝起きでもあざといのなお前」

いろは「ふわぁ~。先輩が遅かったのでつい寝ちゃいましたよ」

八幡「遅くねえよ。さっさと帰るぞ」

いろは「はーい♪」ニコニコ

帰り道

いろは「先輩、今日の奉仕部はどうでした?」

八幡「ゆるゆりしてた」

いろは「は?ゆる?ゆり?」

八幡「何でもない。そういや由比ヶ浜がお前に刺激受けて料理の練習するって言ってたわ」

いろは「ほー結衣先輩が」

八幡「早速今日雪ノ下んち行って練習するらしい」

いろは「ふーむ、結衣先輩も本気になってきたかな?」ボソッ

八幡「?」

いろは「ところで雪ノ下先輩と結衣先輩は今日わたしと先輩が一緒に帰ること知ってるんですか?」

八幡「いや。言うとまた面倒なことになりそうだから言ってない」

いろは「そうですか。あ、もう駅に着いちゃいましたね。それじゃ先輩、また明日です」フリフリ

八幡「おう、じゃあな」

八幡(残り4日か……とはいえ今までの3つのお願いは少なくとも卒業するまでは続くわけで……)

八幡(あと4日で解放されるわけでもないんだよなぁ)

八幡(一色の作戦が上手くいくとは思えんし、どうしたもんか……)ハァ

今日はここまでですー

木曜日 昼休み 生徒会室

八幡「ごっそーさん」パン

いろは「今日はどうしたかー?」

八幡「美味かった」

いろは「先輩そればっかり」

八幡「だって他に言いようねえし」

いろは「国語の成績良いわりにボキャブラリーが少なすぎません?」

八幡「ほっとけ。俺が目指してるのはグルメリポーターじゃなくて主夫だからいいんだよ」

いろは「またそれですか。…………ふわぁあぁぁあああああ、ムニャ」

八幡「お前さ、男の前で大口開けてあくびってどうなの?もう少し噛み殺すとかしないわけ?」

いろは「なんで先輩の前でそんなことしないといけないんですかー?」

八幡(男扱いされてねえ……)

八幡「寝不足か?」

いろは「ええまあ。お弁当作るのにいつもより早起きしてますから」

八幡「無理しなくてもいいんだぞ?別に俺はパンでいいし」

いろは「先輩のためじゃなくて、わたしのためにやってることですから気にしないでください」

八幡「まだ時間あるし、少し寝といたらどうだ?」

いろは「先輩、わたしが寝てる間に何する気ですかー?」ジトー

八幡「バカ、何もしねえよ。5分前に起こしてやるから寝とけ」

いろは「……じゃあお言葉に甘えさせてもらいますね」

八幡「おう」

いろは「……ねえ先輩」

八幡「ん?」

いろは「昨日みたいに頭撫でてもらっていいですかー?」

八幡「なっ!お前昨日起きてたのか!?」

いろは「先輩を待ってるうちに寝ちゃったのは本当ですよ。で、先輩が来た時にドアの音で目が覚めたんですけど……」

いろは「寝たフリしてたら先輩がわたしにいやらしいことしないかなーそしたらまた弱みが握れるなーなんて」テヘッ

八幡「お前悪魔か……」

いろは「そしたら急に先輩が頭撫でてきて……///」

八幡「あ、あれはだな、髪の毛にゴミがついてたから取ってやったんだよ。そしたらオートでお兄ちゃんスキルが発動しちまって……」

いろは「何ですかお兄ちゃんスキルって?」

八幡「小町がうたた寝してるとよく頭撫でてやってるんだよ。あいつ喜ぶし」

いろは「シスコンですねぇ。ま、妹さんが喜ぶ気持ちは分からないでもないです。気持ちよったですし///」

八幡「そ、そっか///」

いろは「ということで、撫でてもらえますか?」

八幡「まあ……お前がいいなら」

いろは「じゃあ、おやすみなさい……」

八幡「……」ナデナデ

いろは「……」スースー

八幡(やばいな……こいつ可愛いわ)ナデナデ

八幡(まあこいつは最初から可愛くはあったんだが……)ナデナデ

八幡(ここ最近二人きりでいることが多くなって余計可愛く感じるような……)ナデナデ

八幡(いかんいかん、勘違いするなよ比企谷八幡。これは一色の作戦なんだ)ナデナデ

八幡(とは言うものの、この場面を葉山が見てるわけじゃなし、あんまり意味無いんだよなぁ)ナデナデ

八幡(ま、いっか。おっとそろそろ時間だな)ナデナデ

八幡「いろは、そろそろ起きろ」クシャ

いろは「ふぇ?もう時間ですかー?」

八幡「おう、そろそろ行くぞ」クシャクシャ

いろは「あー!ナデナデはいいけどクシャクシャするのはダメですよー!もう!」

八幡「あーわり……」ナデナデ

いろは「も、もういいです。堪能しましたから///」

いろは「じゃあ先輩、また放課後です。今日は部室行きますから」

八幡「おう、じゃあな」

放課後 奉仕部部室

いろは「せんぱーい」

八幡「ん?」

いろは「明日のお弁当のおかず何がいいですかー?」

八幡「何でもいいぞ。お前の作るもん美味いから」

いろは「そう言ってもらえるのは嬉しいですけど……ほら、あっさり系とかガッツリ系とか何かないですかー?」

八幡「んーじゃあ中華系とかどうだ?」

いろは「中華……ですか。ふむ、分かりました。考えます」

雪乃「……」

結衣「……まるで夫婦みたいだし」ボソッ

八幡「何か言ったか?」

結衣「何でもないし!そうだヒッキー、昨日ね、ゆきのんちで卵焼きの練習したんだけど……」

八幡「ほう。卵焼きは簡単なようで奥が深いからな。ちゃんと食べられるものはできたのか?」

結衣「まあ、ね。でね、ヒッキーに食べて欲しくて……明日作ってくるから食べてみてくれない?」

八幡「あ、いやでも、俺はいろはの弁当があるし……」

結衣「卵焼きだけだから!ダメ……かな?」

八幡「いや、ダメってことは……」チラッ

いろは「いいですねー。じゃあ明日のお昼はここで食べましょうか、4人で♪」

結衣「ゴメンね、いろはちゃん……」

いろは「何で謝るんですかー?あ、そうだ!わたしいいこと考えました!」

結衣「いいこと?」

いろは「結衣先輩と雪ノ下先輩とわたしの3人でそれぞれ卵焼きを作ってきて先輩に食べてもらいましょうよ」

雪乃「私も?」

いろは「そうです。それで先輩に誰の卵焼きが一番美味しいか決めてもらいましょう♪」

八幡「お、おい」

雪乃「卵焼き勝負、ということかしら。そういうことなら受けて立つわ」キラン

八幡(あーあ、雪ノ下の負けず嫌いが発動しちゃったよ)

いろは「決まりですねー。というわけで先輩、明日のお昼はいっぱい食べられるようにお腹空かせといてくださいね」

八幡「はぁ……分かったよ」

結衣「ヒッキー、あたし一生懸命作るからね!」

八幡(……不安だ)

帰り道

八幡「……」

いろは「……」

八幡「なあ」

いろは「何ですかー」

八幡「何か怒ってるか?」

いろは「別に怒ってないですよー。ただ機嫌はよくないです」

八幡「えーと、何で機嫌悪いの?」

いろは「明日のお昼を4人で食べることになっちゃったからですよ」

八幡「え?だってそれ提案したのお前じゃん」

いろは「結衣先輩のお願いを先輩が断れるわけがないから、先にこっちから提案したんですー」ベー

八幡「何?お前俺と二人で飯食いたいの?」

いろは「いけませんかー?」

八幡「いや、いけなかねえけどよ……」

いろは「まあ、実を言うとお昼を二人で食べたいというより、その後今日みたいに先輩に頭撫でてもらいながらお昼寝したかったんです///」

八幡(何だこいつ、滅茶苦茶可愛いなおい)

八幡「そ、そういや、今日のお願いはいいのか?」

いろは「はっ!危うく忘れるところでした!」

八幡(しまった……自分からおねだりするなんてドMか俺は!)

いろは「今日のお願いはですねー。二人でプリクラ撮りましょう♪」

八幡「えぇー……」

いろは「嫌なんですかー?」ジー

八幡「嫌に決まってんだろ」

いろは「何でですかー!こんな可愛い後輩とツーショットプリクラ撮れるなんて、先輩にとっては一生に一度のチャンスですよ?」

八幡「そんなもん一度もなくていいんだけど」

いろは「まあまあ。いい記念になりますよ。じゃあマリンピアへレッツゴーです♪」

八幡「はぁ……」ゲンナリ

マリンピア

いろは「うーん……先輩、あれにしましょう!」

八幡「なあ、ホントに撮るのか?」

いろは「先輩に拒否権はありません」

八幡「はぁ……」

いろは「じゃあわたしが準備しますんで、ちょっと待っててくださいね」チャリンチャリン

いろは「フレームはこれ、背景はこれと。はい、撮りますよ先輩」

八幡「も、もう撮るのか?」アセアセ

いろは「6枚ありますからね。はい、1枚目来ますよ」

八幡「お、おう」

サン、ニー、イチ、パシャ

八幡(ちかっ!いろはす近い!)

サン、ニー、イチ、パシャ サン、ニー、イチ、パシャ

いろは「先輩、もっと笑って!」

八幡「んなこと言われてもだな……」

サン、ニー、イチ、パシャ サン、ニー、イチ、パシャ

いろは「次ラストですよ」

八幡(やっと終わるのか)ヤレヤレ

サン、ニー、イチ

いろは「……」スッ



チュッ パシャ


八幡「なっ!お、お前、何しやがる!」

いろは「えへへ……しちゃいました///」

八幡「バ、バカか!何やってんだお前///」

いろは「まあまあ、ほっぺにチューくらいいいじゃないですかー。チュープリなんて先輩にとって最初で最後なんですから感謝してくださいね♪」

八幡(こ、こいつ何を考えてやがる///)

いろは「さて、落書きしてと。できるまで外で待ってましょう」

八幡「……」ボー

いろは「ほら、できましたよ。はい、これ先輩の分です」

八幡「お、おう」

八幡(くそっ、バッチリ写ってやがる///)

いろは「せーんぱい、ちゃんと大事に保管してくださいねー。捨てたりしたら……」ジー

八幡「わ、分かった分かった。ちゃんと保管すっから」

八幡(こんなもん誰かに見られでもしたら……小町にさえ見られるわけにはいかん)

いろは「あ、携帯に貼ってくれてもいいですよ?」

八幡「絶対貼んねーよ」プイ

いろは「先輩照れすぎです。顔真っ赤ですよ?」クス

八幡「うっせ///」

いろは「さて、帰りましょうか」

八幡「なあ、こんなことしても葉山を嫉妬させるのは無理だと思うぞ?」

いろは「大丈夫ですって。作戦は順調に進行してますから♪」

八幡「順調ねえ……」

いろは「じゃあ先輩、また明日です」フリフリ

八幡「おう、じゃあな」

八幡(作戦は順調……か)

八幡(葉山を嫉妬させるというのはおそらくフェイクだろう)

八幡(ひょっとしてあいつの言う作戦てのは……)

八幡(いや、さすがにそれは自意識過剰だな)

八幡(ここで勘違いしたらまた黒歴史が増えてしまう)

八幡(あと3日か……)

今日はここまでですー

金曜日 昼休み 奉仕部部室

八幡「うす」ガラッ

いろは「先輩、おそーい」

八幡「だから飲み物だっつの。ほれ」ヒョイ

いろは「ありがとうございまーす」パシッ

結衣「……」

雪乃「……」

いろは「じゃあ誰から行きましょうか?」

結衣「あ、あたしから行くね!ゆきのんやいろはちゃんの後はやだもん……」

結衣「はいヒッキー。一生懸命作ったから食べてみて……」モジモジ

八幡「お、おう」

八幡(大丈夫なんだろうな、雪ノ下……)チラッ

雪乃「形はともかく、味は大丈夫のはずよ」

結衣「うう……形はどうしても上手く行かなかったし……」シュン

八幡「じゃ、じゃあ食うぞ」パクッ モグモグ

八幡「……」モグモグ

結衣「……ヒッキー……どう?」ドキドキ

八幡「ちゃんと食えるぞ。由比ヶ浜にしちゃ上出来じゃないか?」ムシャムシャ

結衣「よかったー」ホッ

雪乃「じゃあ次は私が。比企谷くん、どうぞ召し上がれ」スッ

八幡「ふむ……形は完璧なだし巻き卵だな。さて味は……」パクッ モグモグ

雪乃「どう……かしら?」

八幡「すげえ美味い。築地で売ってもいいんじゃねえか、これ」ムシャムシャ

雪乃「そ、それは少し褒めすぎだと思うけれど///」テレテレ

結衣「やっぱゆきのんは凄いなぁ……」

いろは「先輩、次はわたしですよー」

八幡「はいよ」パクッ モグモグ

いろは「どうですかー?」

八幡「一昨日も食ったけどやっぱ美味いな。甘さが絶妙だ」ムシャムシャ

いろは「そうですかー」ニコニコ

結衣「むう……」

雪乃「やるわね一色さん……」

いろは「コホン。それでは先輩、判定をお願いします」

八幡「由比ヶ浜のはまあ……アレだ。予想以上の出来ではあったな、うん」

結衣「ううう……もっと頑張って練習するし」ムー

八幡「市販レベルという意味で言えば断然雪ノ下だな。ただ……」

雪乃「ただ?」

八幡「いろはのは俺の好みにバッチリ嵌ってた。俺が一番美味いと思ったのはいろはのだ」

いろは「先輩……」パァァ

雪乃「そう……比企谷くんの好みまで考慮しなかった私の負けね。今日のところは一色さんに勝ちを譲りましょう」

いろは「ありがとうございます、雪ノ下先輩♪」

いろは「さて先輩、これ今日のお弁当です」

八幡「お、リクエストどおりの中華か。シューマイにエビチリ、チンジャオロース。美味そうだな」

いろは「中華はあまり作ったことないんで自信ないですけど……」

結衣「すごーい、いろはちゃんこんなのも作れるんだ……」

八幡「どれどれ。うん、美味いわこれ」モグモグ

いろは「よかったー」ニコニコ

八幡「ふー食った食った。卵焼きも食ってるから結構腹いっぱいだわ」

結衣「あのさヒッキー……これからも今日みたいにみんなでお昼食べない?」

八幡「え?」

結衣「ほら何かさ、みんなで食べると楽しいじゃん!どう……かな?」

八幡「……」チラッ

いろは「……」

八幡「あー遠慮しとくわ」

結衣「え……どうして?」

八幡「俺みたいなぼっちは大人数で飯食うのは苦手なんだよ。ずっと一人で食ってたからな」

いろは(先輩……)

八幡「まあ悪いがそういうわけだ」

結衣「でも、いろはちゃんとは一緒に食べてるし……」

八幡「こいつからは弁当の練習という依頼を受けてるからな。しばらくは我慢だ」

いろは「我慢とか酷くないですかーせんぱーい」プクー

雪乃「……依頼……ね」

結衣「……そっか……依頼なら仕方ないもんね」

雪乃「……そろそろ時間ね。鍵は私が閉めておくわ」

結衣「あ、ゆきのん、あたしも」

八幡「じゃあ先戻るわ」

いろは「ではでは、また放課後ですー」

八幡「また来んのか、お前……」

放課後 2年F組

八幡(さてと、部活行くか)

結衣「ヒッキー」トントン

八幡「何だ?」

結衣「えーと今日ね、優美子たちとショッピングに行く約束しててね。部活お休みするから」

八幡「分かった。雪ノ下に伝えとけばいいんだな」

結衣「あ、ゆきのんにはメールで伝えといたから」

八幡「あっそ」

結衣「……」

八幡「ん?まだ何かあんの?」

結衣「あ、あのさ……ヒッキーいろはちゃんのこと……」ゴニョゴニョ

優美子「結衣ー行くよー」

結衣「い、今行くー」

八幡「何?」

結衣「な、何でもない!また月曜日ね。バイバイ、ヒッキー」タタッ

八幡(何だったんだ?一色がどうとか言ってたような……)

八幡(もしかして由比ヶ浜のやつ、昼間断ったの気にしてんのか……?)

奉仕部部室

八幡「うす」ガラッ

雪乃「こんにちは。由比ヶ浜さんのことは知ってると思うけど、私も今日は用事があって帰らなくては行けないの」

八幡「そうなのか。珍しいな」ドッコイショ

雪乃「何をしているのかしら?」

八幡「ん?本読むんだけど?」

雪乃「今日の部活はお休みなのよ。鍵は私が閉めるからあなたも早く帰りなさい」

八幡「あー鍵は俺が閉めとくから、先帰っていいぞ。用事あるんだろ?」

雪乃「帰りたがりのあなたが珍しいわね。ひょっとして……」

八幡「今読んでる本がいいところでな。一刻も早く読みたいんだよ」

雪乃「……そう。じゃあ鍵はお願いするわ。さようなら比企谷くん」

八幡「おう、またな」

雪乃「ええ、また月曜日」ガラッ ピシャ

雪乃(ひょっとして……一色さんを待っているの……?)

いろは「こんにちはー」ガラッ

八幡「やっと来たか」

いろは「あれ?先輩一人ですかー?」

八幡「雪ノ下は俺が来てすぐに用事があるとかで帰った。由比ヶ浜は三浦たちと買い物に行くって言って帰った」

いろは「先輩は何してるんですか?」

八幡「お前を待ってたんだよ」

いろは「えっ?」ドキッ

八幡「一緒に帰るんだろ?さっさと帰りたかったのをちゃんと待っててやったんだぞ」

いろは「……先輩、律儀ですね」クス

八幡「ブッチして帰ったら後が怖いからな」

いろは「それじゃ帰りましょー先輩♪」

帰り道

いろは「先輩、お昼に結衣先輩の誘いを断ったのって、ひょっとしてわたしのためですか?」

八幡「ちげーよ。言ったとおりだ。俺は大人数で食うのは苦手なんだよ」

いろは「ふーん。ホント先輩は素直じゃないですねー」

八幡「うっせ」

いろは「そうだ先輩。今日のお願いなんですけど」

八幡「もうプリクラは撮らねえからな」

いろは「同じお願いはしませんよ。というわけで、明日デートしてください」

八幡「はぁ……休みの日くらいゆっくりさせてくれ……」

いろは「何言ってるんですか先輩。明日会わないと明日の分のお願いができないじゃないですかー」

八幡「え?あれ土日も含めて1週間なの?」

いろは「当然ですよ。休みの日までわたしに会えるなんて嬉しいでしょ?先輩」

八幡「はいはい。嬉しい嬉しい」

いろは「それじゃあ先輩。千葉駅に12時待ち合わせで」

八幡「はいよ」

いろは「また明日です」フリフリ

八幡(毎日一緒に昼飯食って、一緒に帰って、休みの日にデートして……)

八幡(付き合うってこんな感じなのか?)

八幡(っていかんいかん、何考えてるんだ俺は)

今日はここまで
次で終わる予定ですー

土曜日 千葉駅前

八幡(待ち合わせ10分前。完璧な10分前行動だな)

八幡(って一色のやつもういるし)

いろは「せーんぱい、おっそーい!」

八幡「遅くねーよ。10分前だろうが」

いろは「デートで女の子を待たせたら遅刻なんですよ?」

八幡「そんなルール知らねーよ……」

八幡「で、どこ行くんだ?」

いろは「動物公園です」

八幡「え?お前動物好きなの?」

いろは「結構好きですよー。レッサーパンダとか可愛いじゃないですかー」

八幡「風太くんか。まだいるんだっけ?」

いろは「いますよー。もうひ孫もいるそうです。先輩は動物好きですかー?」

八幡「おう、俺は動物園とか水族館とかでテンション上がるタイプだ」

いろは「恥ずかしいのであまりはしゃがないでくださいね……」

モノレール車内

いろは「先輩とモノレール乗るの二度目ですね」

八幡「あーそうだな。ってあんま思い出したくないんじゃねえの?」

いろは「そんなことないですよ。先輩に責任取ってもらうことに決めた大事な出来事ですから」ニッコリ

八幡「それいつまで有効なんだよ……」

いろは「さあ?わたしが責任取ってもらえたなーって思うまでですかね」

八幡「曖昧すぎるだろ……」ヤレヤレ

いろは「先輩は動物公園行ったことあるんですかー?」

八幡「小町が小学生の頃に二人でな。あいつも動物好きだから」

いろは「ホント仲良いですねー。わたしも小学生の頃親と来て以来ですね」

八幡「動物好きなわりに意外と久しぶりなんだな」

いろは「近すぎて逆にあまり行かないパターンですよ。モノレールに乗ってほんの数分ですから」

八幡「まあ確かにそれはある」

いろは「さ、着きましたよ」

八幡「まずどこから行くんだ?」

いろは「やっぱりレッサーパンダですかね。さ、行きましょ先輩」ギュッ

八幡「ちょっ、腕組むのやめろ///」

いろは「デートなんだからこのくらいいいじゃないですかー」ギュー

八幡「恥ずかしいんだよ///」

八幡(当たってるっつーの!)

いろは「わたしの胸が当たって恥ずかしいんですかー?」ニヤニヤ

八幡「え?何で心の中読めるの?お前エスパーなの?」

いろは「そのくらい先輩の顔見ればわかりますよ」

八幡「俺の顔ってそんなに分かりやすいのかよ……」

いろは「ていうか先輩わたしの胸揉んだじゃないですかー。腕に当たるくらいでキョドらないでください」

八幡「それとこれとは別だろ。てかあれは事故だから。故意じゃないから」

いろは「もうゴチャゴチャうるさいです。行きますよ」グイグイ

八幡「わ、分かったから引っ張るな」

いろは「わー人がいっぱい。やっぱり人気ですねー」

八幡「風太くんブームはもう随分前だが、それでもここの1番人気だからな」

いろは「あ、先輩、ちっちゃいのがチョコマカ動いてますよ、ほら!かわいいー」クイクイ

いろは「あ、あの子立ち上がりましたよ!先輩見ました?」

八幡「ほほう、さすが風太くんの血筋だな」

いろは「写真撮らなきゃ」パシャパシャ

八幡(俺にはしゃぐなとか言っときながら自分はこのはしゃぎよう。ふっ、一色もまだまだ子供だな)

八幡「俺も写真撮るか。小町に自慢しよう」パシャパシャ



いろは「かわいかったですねー先輩」

八幡「次はどこ行くんだ?」

いろは「んー適当に見て回りましょう」

いろは「……この鳥動かないですね」

八幡「ハシビロコウな。動かない鳥として有名だ」

いろは「あっ、こっち向いた」

八幡「何かこっちを睨んでるような……」

いろは「きっと、イチャつきやがってこのバカップルめ!とか思ってるんですよ」

八幡「な、何言っちゃってんのお前?イチャついてもいねえしバカップルでもねえ」

いろは「どうですかねー?ずっと腕組んでますしー、傍から見たらイチャついてるように見えるんじゃないですかー?」

八幡「下から顔を覗き込むな。あざとい」プイ

いろは「もー先輩たら照れちゃってー」ギュ

八幡(くっそ、何でこいつこんな可愛いんだよ!)

いろは「先輩、子ども動物園ですよ」

八幡「え?お前行きたいの?」

いろは「放し飼いのヤギと戯れましょうよー」

八幡「ふっ、まだまだ子供だな」

いろは「先輩も戯れたいくせにー。ささ、行きましょ」グイグイ

八幡「まあ、いいけど」

メェ~ メェ~ メェ~

いろは「ほら先輩、全然大人しいですよー」ナデナデ

八幡(いつもなら『動物を可愛がってるわたし可愛い』アピールなんだろうけど)

八幡(俺には分かる。今日のこいつは素だ)

八幡(素の一色をこんなに可愛いと感じるなんて……)

八幡(今この子ども動物園にいる全員……いや全動物の中で一番可愛いまである)

いろは「先輩?」

八幡「そろそろ腹減ったな。何か食おうぜ」

いろは「そうですね。じゃあレストランに行きましょう」

八幡「大したもんなかったけど、とりあえず腹の足しにはなったな」

いろは「冬じゃなかったらお弁当持ってきて外で食べても良かったんですけどねー」

いろは「あ、先輩、売店ありますよ。おみやげ見に行きましょう」クイクイ

八幡「俺も小町に何か買ってくか」

いろは「やっぱり風太くんのぬいぐるみかなー」

八幡「ん?お前もそれにするのか?」

いろは「お前も?」

八幡「俺も小町のおみやげにと思ってな。……貸してみ」ヒョイ

いろは「ふぇ?」

八幡「一緒に買ってやるよ」

いろは「はっもしかして口説いてるんですかぬいぐるみをプレゼントとかちょっとキュンと来ちゃいますけどできれば指輪とかの方が嬉しいですごめんなさい」

八幡「ちげーよ。毎日弁当作ってもらってる礼だっつの」

いろは「飲み物とギブアンドテイクとか言ってませんでしたっけ?」

八幡「弁当と飲み物じゃ釣り合い取れないだろ。昼飯代浮いてるしこのくらいどうってことねえよ」

いろは「……じゃあ遠慮なく。先輩だと思って大事にしますね♪」ニコッ

八幡「いや風太くんだろ……」

八幡「どうする?一通り見て回ったしそろそろ帰るか?」

いろは「そうですねー。じゃあここらで今日のお願いをしちゃいますね」

八幡「お、おう」

八幡(明日もデートしろとかそんな感じか?)

いろは「今日うちに泊まってください」

八幡「」

いろは「じゃあ行きましょうかー」グイグイ

八幡「はっ!ちょ、ちょっと待て!一瞬思考停止しちまっただろうが。お前んちに泊まれだ?んなことできるわけないだろ!」

いろは「何でですかー?あ、わたしの親に会うのが気まずいんですか?大丈夫ですよ、親は旅行に行ってて今日は帰ってきませんし」

八幡「余計まずいわ!自分一人の家に男を泊まらせるとかビッチすぎだろ!何考えてんだ!」

いろは「一人だからこそですよ。女の子一人じゃ物騒じゃないですかー」

八幡「いや、女の独り暮らしなんて世の中にゴマンといるだろ。雪ノ下だってそうだし」

いろは「雪ノ下先輩のマンションてオートロックとかでセキュリティ万全なんじゃないですか?うちセコムとかしてないただの一軒家ですし」

八幡「そりゃそうかもしれんが……だとしてもダメだ」

八幡(俺の理性が持たないっつの)

いろは「万が一先輩がわたしにエッチなことしても、また脅す材料が増えるだけですしー」

八幡(脅すって言っちゃったよこの子)

いろは「ていうか、忘れてませんか先輩。先輩に拒否権はないんですよ?」ニコッ

八幡「……ったく、どうなっても知らねえからな」

いろは「どうにかなっちゃったら責任取ってもらいますから。さ、行きましょー♪」グイグイ

八幡(こうなったら理性の化け物の真価を見せるしかない)

いろは「先輩、帰りに買い物していきましょう」

八幡「あー晩飯か」

いろは「夕飯もそうですけど、泊まるとなると先輩も用意しておくものがあるんじゃないですか?」

八幡(な、何だ用意するものって?まさかゴム買っとけとかそういうことか?)ゴクリ

いろは「……何いやらしい想像してるんですかー?下着の替えとか歯ブラシとかそういうのですよ」

八幡「……し、してねぇし。歯ブラシはともかくパンツは1日くらい替えなくたって……」

いろは「ダメです。買ってください。あ、上はお父さんのジャージでいいですよね?」

八幡「何でも構わん」

いろは「で、夕飯は何食べたいですかー?うなぎ?レバニラ?すっぽん?」

八幡「おい、何だそのラインナップ。つーか最後おかしいだろ。どこに売ってんだよ」

いろは「別にー何でもないですよー」

八幡(俺にスタミナつけさせてどうするつもりだ、まったく)

八幡「無難にカレーでどうだ?」

いろは「ふむ……じゃあカレーにしますか」

一色家

いろは「さ、先輩、どうぞ」

八幡「お、お邪魔します」

八幡(親のいない後輩の家に泊まるとかこれなんてエロゲ?)

いろは「リビングこっちです。適当にソファーにでも座っててくださいね。わたし着替えてきますから。あ、覗いちゃダメですよ?」

八幡「覗かねえっつの……」

八幡「ふー」ボフッ

八幡「おっと、今のうちに小町に連絡しとかんとな」

八幡「後輩女子の家に泊まるなんて言ったら小町に何て言われるか……」

トゥルルルルルル ガチャ

小町『はいはーい、どしたのお兄ちゃん?』

八幡「あー小町、今日俺帰らないから」

小町『え?今日お兄ちゃん誰かとデートだったんだよね?帰らないってやっぱそういうこと!?てか誰とデートだったの!?』

八幡「変な勘違いすんな。よんどころない事情で後輩の家に泊まることになっただけだ」

小町『後輩って?小町の知らない人?』

八幡「一色っていう、うちの生徒会長やってるやつだ。クリスマスイベントの時会ってないか?」

小町『会長さん?あーチラッと見たけどお話してないや。ていうか小町に内緒でそんな新しいお嫁さん候補を見つけてたなんて……水臭いよお兄ちゃん!』

八幡「馬鹿なこと言ってんな。そんなんじゃねえから」

小町『今度一色さんをうちに連れてきてね!小町も未来のお姉ちゃんに挨拶したいし!』

八幡「連れてかねーよ。じゃあ悪いけど晩飯いらんから」

小町『……そういえばお兄ちゃん。このこと結衣さんと雪乃さんは知ってるの?』

八幡「いや、知らねえけど」

小町『今日、もし何かあっても、ちゃんと二人には話さないとダメだよ?』

八幡「小町、俺を誰だと思ってるんだ?何かが起きる余地なんてこれっぽっちもない」

小町『はぁーこれだからごみいちゃんは……。小町は一色さんのことよく知らないけど、軽い気持ちでお兄ちゃんを泊めるんじゃないと思うよ?そこだけはちゃんと考えてあげてね?』

八幡「……ああ、分かってる」

小町『もしお兄ちゃんが何か失敗しちゃっても、ちゃんと小町が慰めてあげるから。あ、今の小町的にポイント高い!』

八幡「失敗って何をだよ……まあでもそん時は頼むわ。じゃあもう切るぞ」

小町『帰ったら詳しい話聞かせてね。じゃあね』プツッ ツーツー

八幡(……軽い気持ちじゃない……か)

いろは「お待たせしましたー。先輩、電話ですか?」

八幡「ああ、急に泊まることになったから妹に連絡をな」

いろは「ふーん。何て言ったんですかー?」

八幡「普通に後輩の家に泊まるって」

いろは「何か勘繰られませんでした?」

八幡「いや別に」

八幡(思いっきり勘繰られました)

いろは「……まあいいです。じゃあカレー作りますから、先輩はテレビでも観て適当にくつろいでてください」

八幡「そうさせてもらうわ」

八幡(さっきまでは色々と混乱してたが、冷静に頭を整理してこの1週間のことを振り返ると、一色が何を考えているか一つの答えが見えてくる)

八幡(おそらく一色は明日最後のお願いで俺に答えを求めてくるだろう)

八幡(これがもし俺の勘違いだったら黒歴史がまた増えるわけだが……ま、そん時は小町に慰めてもらえばいい)

八幡(俺の答えはもう決まってるんだから)

いろは「せんぱーい、ちょっといいですかー?」

八幡「ん?何だ?」

いろは「ちょっと味見をお願いします」スッ

八幡(う、エプロン姿もさることながら、髪を後ろでまとめたショートポニーテールが可愛すぎる///)

いろは「先輩何赤くなってるんですかー?もしかしてわたしのエプロン姿に見とれちゃいました?」

八幡「み、見とれてねぇし。その髪型が新鮮でちょっと驚いただけだ」プイ

いろは「あーこれですか?滅多にやらないんですけどね。あーもしかして先輩うなじフェチだったりして?」ニヤニヤ

八幡「ち、違うっつの。ほら、スプーンよこせ」

いろは「あーん」スッ

八幡「ぐっ……あ、あーん///」パクッ

いろは「辛さどうですかー?」

八幡「ま、まあこんなもんじゃねえの」

いろは「分かりました。もうすぐできますから待っててくださいね」

八幡(あーんで味見とか甘すぎて辛さなんて感じねぇ///)

いろは「先輩、できましたよー」

八幡「おう」

いろは「さあ、どうぞー。おかわりもいっぱいありますからね」

八幡「いただきます」パクッ モグモグ

いろは「どうですかー?」

八幡「あ、これ美味いわ。辛さもちょうどいいし」パクパク

いろは「そうですか。よかったです」ニコニコ

八幡「これって普段の一色家のカレーの味か?」パクパク

いろは「そうですけど?」モグモグ

八幡「いや、うちのカレーの味と似てたもんでな。ほら、カレーって各家庭で結構味が変わるだろ?」

いろは「そうなんですか?じゃあ、もしわたしが先輩のうちにお嫁に行っても、カレーの味付けは苦労しないで済みますね」

八幡「ぶほっ、ごほっごほっがはっ!お、お前にゃに言ってんだ」

いろは「先輩動揺しすぎですって。もしかして本気にしちゃいました?」

八幡「う、うっせ。急に変なこと言うな」

いろは「たとえ話ですよ、たとえ話」クスクス

八幡(くそっ、完全にからかってやがる)

いろは「先輩、お風呂沸いてますからお先にどうぞ」

八幡「俺が先でいいのか?」

いろは「わたしが先に入ったら、先輩お風呂のお湯飲んじゃうじゃないですかー」

八幡「俺をド変態にするのやめてくんない?」

いろは「冗談ですよ。ほら、わたし食器の後片付けがありますから」

八幡「じゃあ、先に入らせてもらうわ」


カポーン


八幡(人んちの風呂に入った経験なんてほとんどないが……落ち着かねえ)

八幡(ここで毎日一色が……)ゴクリ

八幡(いかんいかん、色即是空、空即是色、素数を数えろ)

いろは「せんぱーい、バスタオルとお父さんのジャージここに置いときますねー」

八幡「お、おう」

八幡(と、とりあえず、身体洗ってさっさと上がろう)

八幡「ふーいい湯だった。いろは、上がったぞ」

いろは「へー先輩お父さんのジャージ似合いますねー」

八幡「それ褒められてるのかどうなのか微妙すぎるな……」

いろは「じゃあわたしも入っちゃいますねー。あ、覗いちゃダメですよ?」

八幡「はいはい、さっさと入ってこい」

八幡「さて、さっき買ってきたマッ缶でも飲むか」カシュッ ゴクゴク

八幡「風呂上りのマッ缶、マジ最高」プハー


チャポーン


いろは(拒否権ないとはいえ、先輩よくお泊りOKしてくれたなぁ)

いろは(ここまでは作戦通り。あとは先輩次第なんだけど……)

いろは(……)

いろは(念入りに身体洗っとかなきゃ///)

いろは「はー温まりましたー」

八幡「おう、上がった……か……」ボー

いろは「先輩?」

八幡(風呂上りの濡れいろはす、破壊力ありすぎだろ///)プイ

いろは「よいしょ」ポスッ

八幡(ち、近いいろはす近い!髪の毛がシャンプーのいい匂い!)

いろは「先輩、さっきから何キョドってるんですかー?あ、ひょっとしてお風呂上りのわたしの魅力にメロメロになっちゃいました?」

八幡「きょ、キョドってないし。風呂上りの女子なんて小町で慣れてるし」

いろは「ふーん。はぁ……のど渇いちゃいました」ゴクゴク

八幡「いろはすを飲むいろはす……共食い、いや共飲み?」

いろは「先輩……前に戸部先輩にまったく同じこと言われたことありますよ」シラー

八幡「俺のセンス戸部並みなのか……」ガクッ

いろは「さて先輩、そろそろ寝ましょうか」

八幡「俺はどこで寝ればいいんだ?リビングか?」

いろは「こっちです。ついてきてください」


いろはの部屋

いろは「ここです」

八幡「おい、ここお前の部屋じゃねーか」

いろは「そうですよー。さすがにベッドで二人だと狭いんで、布団敷きました」

八幡「いやいやいや。絶対マズイだろ」

いろは「先輩。今日何で先輩に泊まってもらうか忘れちゃったんですか?わたし一人だと物騒だからですよ?」

八幡「だからって同じ部屋で寝るとかありえないだろ。どんだけビッチなんだよ」

いろは「何言ってるんですか。先輩が他の部屋で寝たとして、強盗がこの部屋の窓から侵入してきたら、どうやってわたしを守るんですかー?」

八幡「何だよその仮定は……とにかく同じ部屋はマズイ。絶対ダメだ」

いろは「どうしてですかー?先輩、わたしのこと襲っちゃうんですか?」

八幡「いや、それはないが……」

いろは「なら大丈夫ですよね」

八幡「はぁ……どうなっても知らんぞ」

いろは「さっきも言いましたけど、どうにかなっちゃったら責任取ってもらいますから」ニコッ

いろは「じゃあ電気消しますね。おやすみなさい、先輩」パチッ

八幡「ああ、おやすみ」

いろは「……」

八幡「……」

いろは「先輩」

八幡「ん?」

いろは「ムラムラしませんか?」

八幡「何言い出しちゃってんの?お前」

いろは「だって、すぐ隣りで可愛い後輩が寝てるんですよ?ムラムラしちゃうでしょ?」

八幡「しねぇっつの。馬鹿なこと言ってないで寝ろ」

いろは「……」ムッ

いろは「……」ギシッ

いろは「……」モゾモゾ

八幡「え?ちょ!お前、何入ってこようとしてんの!?」

いろは「これでもムラムラしないですかー?」ギュッ

八幡「やめろって、マジヤバイから!」

いろは「こういう状況でムラムラしないなんて逆に失礼なんですよー!」ギュー

八幡「わ、分かったから!ムラムラする、ムラムラしてるから!」

いろは「先輩のエッチ」サッ

八幡「どうしろっていうんだよ……」

いろは「冗談ですよ」ギュ

八幡「ったく、もう十分からかっただろ。さっさと戻って寝ろ」

いろは「もう少しだけこのままでいいですか?もうすぐ日付が変わるので、その時最後のお願いを言いますから」

八幡「……分かった」

八幡(抱きつかれてる左腕から一色の鼓動を感じる……)

八幡(俺のことからかってるくせに、こいつも結構ドキドキしてるんだな)

八幡(こっちのドキドキも伝わっちまってるんだろうなぁ……)

いろは「12時回りましたね。じゃあ最後のお願いを言いますね」

八幡「お、おう」

八幡(俺の想像通りなら、一色は俺に告白してくるはず)

八幡(いや、それどころか『キスしてください』とか……)

八幡(ひょっとしたらそんなもんすっ飛ばして『抱いてください』とか……)ゴクッ

八幡(……もし全部俺の勘違いなら、小町に慰めてもらおう)

いろは「先輩……」


いろは「わたしに告白してください」


八幡「は?」

八幡「え?告白?俺が?」

いろは「そうです」

いろは「ひょっとしてわたしに告白されちゃうかもとか思っちゃいました?そんな甘くはないですよー先輩♪」

八幡(しまった……答えを返すことしか考えてなかった……くそっ、俺がするのかよ)

いろは「さ、お願いします」

八幡(頭ん中真っ白だ……気の利いた告白なんてできそうにねえ)

八幡(仕方ねえ、ベッタベタだがど真ん中にストレートで行く!)


八幡「いろは、お前が好きだ。俺と付き合ってくれ」


いろは「思いっきり口説いてますねそういうベタでストレートな告白は嫌いじゃないですけどもう少し行動を伴ってくれたら答えてあげますごめんなさい」

八幡(この流れで振られちゃうのかよ、俺)

八幡「行動って……どうすりゃいいんだ?」

いろは「そのくらい自分で考えてください」

八幡「こう……か?」


チュッ


いろは「ん……はぁ……仕方ないですね、付き合ってあげます///」

八幡「はぁ……黒歴史にならずに済んだか……」ホッ

いろは「それにしても」

八幡「ん?」

いろは「こんなに作戦が上手くいくなんて思いませんでした」

八幡「大体想像つくけど、その作戦て何なの?」

いろは「コホン。『先輩を1週間で攻略しちゃおう』大作戦です!」

八幡「で、見事に攻略されちゃったわけか。チョロすぎだな俺」ハァ

いろは「先輩に拒否権がなかったのが大きかったですね」

八幡「あの時偶然いろはの胸を揉んだ時点で詰んでたのか。一色いろは……恐ろしい子!」

いろは「……また……揉んでみます?」

八幡「……」ゴクッ

八幡「いや、やめとく。歯止めが利かなくなりそうだ」

いろは「別にいいじゃないですかー。その……もう付き合ってるんですし///」

八幡「ま、また今度な」

いろは「先輩のヘタレ」プクー

八幡(さすがに一気にそこまで行く心の準備はできてねえ///)

いろは「じゃあ先輩、おまけでもう一つお願いいいですか?」

八幡「抱いてくださいはなしな」

いろは「そんなこと言いませんよ……」

八幡「で?今度は何?」

いろは「これからずっと……わたしの傍にいてください」

八幡「……ずっとっていつまでだ?」

いろは「先輩が好きに決めていいですよ」

八幡「じゃあ一生だな」

いろは「ついにプロポーズですかまだ付き合ったばかりなのに早すぎますけどよろしくお願いします」

八幡(断られると思ったのに受けちゃうのかよ)


いろは「これからもずーっと、わたしのお願いを聞いてもらいますからねー、先輩!」


おしまい

終わりですー
読んでいただいてありがとうございました!

後日談というか翌日の話をちょっと書きました

日曜日 一色家 いろはの部屋

いろは「せーんぱい。朝ですよー」ツンツン

八幡「うーん……むにゃ」

いろは「起きてくださいよー」ツンツン

八幡「むにゃ……いろは……」

いろは「結局何もできなかったヘタレのくせに、わたしの夢見てるんですかー?」ペチペチ

八幡「うーん……ん?いろ……は?うわあああああああ」ガバッ

いろは「先輩失礼ですね。人の顔見て叫ぶなんて」

八幡「何でいろはが……ってそうか、ここはいろはんちか。てことは……」

いろは「そうですよー」スッ


チュッ


いろは「昨夜のことは夢じゃないですから///」

八幡「」ポカーン

いろは「もう朝食できますから、早く起きてくださいね」パタパタ

八幡(おはようのキスとか……夢としか思えん///)

いろは「先輩、今日はどうしますかー?またどこか出かけます?」

八幡「そうだなぁ……うちに帰っていいか?」

いろは「は?彼女をほっぽって家に帰るとか正気ですか?」

八幡「バカ。お前も一緒だよ」

いろは「はっ付き合って早々いきなり親に紹介ですかもう親公認にするつもりなんですね心の準備がまだできてませんがよろしくお願いします」

八幡「違うっつの。うちの親は休日でも仕事してる社畜だから家にいねーよ」

いろは「え?じゃあ……」

八幡「昨日電話した時に小町にいろはを連れて来いって言われたんだよ」

いろは「なるほど、噂の妹さんですか。いいですね、わたしも会いたいです!」

八幡「決まりだな」

いろは「小町ちゃんに会うの楽しみー♪」

比企谷家

八幡「ただいま」

小町「おかえりー。お兄ちゃん早かったね……?」

いろは「お、おじゃましまーす」

小町「も、もしかして!一色さん!?」

八幡「おう。昨日お前が連れて来いって言ったから連れて来た」

いろは「こんにちはー、一色いろはです。えーと、今日から?先輩とお付き合いしてます」

小町「おおー!やったねお兄ちゃん!あ、比企谷小町です。お兄ちゃんの妹やってます!」

八幡「とりあえず、上がってくれ」

小町「そうだね!ささ、一色さんどうぞどうぞ!」

小町「今コーヒーでも入れますから。ゆっくりしててくださいね」パタパタ

いろは「ふむふむ。ここが先輩のおうちですかー」

八幡「別に普通の家だろ」

いろは「後で先輩の部屋も見せてくださいね」

八幡「え、やだよ」

いろは「わたしの部屋に泊まったくせに何言ってるんですかー」

八幡「ちっ、仕方ねえ。片付けてからな」

いろは「心配しなくても、エッチな本を隠すくらいの時間はあげますから」

八幡「そ、そんなのないから」アセアセ

小町「はい、コーヒーどうぞ」

いろは「ありがとう、小町ちゃん」

八幡「サンキュ」

小町「さてお兄ちゃん。詳しい話を聞かせてもらいましょうか」

八幡「詳しい話たってどっから話せばいいやら……」

小町「どういう経緯で一色さんと付き合うことになったのか、全部教えてね♪」

いろは「いろはでいいよ、小町ちゃん」

小町「はーい、いろはさん♪」

八幡「じゃあちょっと長くなるけど、1週間前から話すか」

小町「ふむふむ」


~説明中~


小町「ほえーなるほどー。お兄ちゃんはいろはさんに見事に攻略されちゃったわけだ」

八幡「まあそういうことだな。あ、そうだ。これおみやげな」

小町「あ、風太くんだ!」

いろは「先輩わたしにも買ってくれたからおそろいなんだよー」

小町「いいなー小町も風太くん見たかったなー」

いろは「じゃあ今度は3人で行きましょうか、先輩」

八幡「え、また行くの?まあ、いいけど」

小町「それにしても感慨深いなぁ。お兄ちゃんにこんな可愛い彼女ができるなんて」

いろは「可愛いだなんてそんなー小町ちゃんたらー」テレテレ

八幡「小町、あんまり褒めると調子に乗るからやめて」

いろは「何ですかそれー」プクー

八幡「はい、あざとい」

いろは「先輩、照れてるんですね♪」

八幡「照れてねぇし」プイ

小町(うーん、仲良いなぁ……ちょっと妬けちゃうかも)

小町「さてと。小町はちょっと出かけてきます!」

八幡「どこ行くんだ?」

小町「ちょっと本屋さんまで。あとは二人でごゆっくりー♪」

八幡「変な気回さないでいいから」

小町「いいからいいから。お兄ちゃんの部屋でも見せてあげたら?」

いろは「先輩の部屋見たいです!」

八幡「うぐ……じゃあ片付けるからちょっと待ってろ」


小町「じゃあいろはさん、行ってきますね。存分にイチャイチャしちゃってください!」

いろは「ありがとう小町ちゃん。また後でね」

八幡「片付け終わったぞ」

いろは「はーい、おじゃましまーす」

八幡「まあ適当に座ってくれ」

いろは「ふむふむ、結構片付いてますねー。まあ先輩って部屋を汚くしてるイメージとかないですけど」

八幡「まあな。俺わりときれい好きだし」

いろは「エッチな本はどこに隠したのかなー?」ガサゴソ

八幡「そんなもんはない」キリッ

いろは「そっか、今の時代はパソコンの中ですよね」

八幡(ギクッ)

いろは「あ、パスワードが掛かってる。あやしー」

八幡「も、もういいだろ。座って寛げよ」アセアセ

いろは「まあいいですけどね。先輩の性癖はいずれ明らかになるでしょうし」

八幡「俺ノーマルだから。変な性癖とか持ってないから」

いろは「先輩、中学の卒アル見せてください」

八幡「え、やだよ」

いろは「いいじゃないですかー。見せてくださいよー。今度わたしのも見せますから」

八幡「別に見たかねぇけど……まあいいや。ほれ」

いろは「どれどれ。あ、先輩いた。変わってないなー」

八幡「たかだか2年前だからな」

いろは「んー……あ、いた!えーと……名前何でしたっけ?この人」

八幡「ん?お前が知ってる奴なんて……あー折本か」

いろは「……この人ってもしかして……先輩の元カノですかー?」

八幡「何でそうなるんだよ。そんなわけねえだろ」

いろは「だって昔いろいろあったとか意味ありげなこと言ってたし……二人の態度も変な感じだったし」ムー

八幡(あれ?こいつもしかしてヤキモチ焼いてるのか?)

八幡「俺が告って振られただけだっつの」

いろは「本当にそれだけですかー?」ジー

八幡「お前が想像してるようなことは何もねーよ」

いろは「ていうか先輩こういう人が好みだったんですねー」プイ

八幡(意外とヤキモチ焼きだなこいつ)

八幡「……」ナデ

いろは「あ……」

八幡「昔のことはどうでもいいだろ。今の好みはお前なんだから」ナデナデ

いろは「せ、先輩ずるいです……///」

いろは「はぁー」ボフッ

八幡「おい、人のベッドに寝転がるな」

いろは「先輩の匂いがします……」クンクン

八幡「恥ずかしいからやめてくんない?」

いろは「何で好きな人の匂いっていい匂いなんですかねー?」

八幡「え?俺の匂いっていい匂いなの?」

いろは「先輩もわたしの匂い嗅いでいいですよ?」

八幡「いや、お前がいい匂いなのは分かってるから」

いろは「はっやっぱり先輩って前からわたしのことこっそりクンカクンカしてたんですねわたしのこと好きすぎじゃないですかすごく嬉しいです」

八幡「好きすぎっつーか……まあいいけど」

いろは「わたしも好きですよーってあれ?わたし先輩に好きって言ったの初めてかも?」

八幡「そういや言われてないような……」

いろは「昨夜は先輩に告白してもらいましたからね」

八幡(やばい……ちょっと感動)

いろは「じゃあ改めて……」スッ


チュッ


いろは「大好きですよ、せーんぱいっ!」

おしまいですー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月22日 (水) 06:08:21   ID: KCkFZKNj

部屋が牛糞臭いんだがどうしたらいい?

2 :  SS好きの774さん   2015年07月24日 (金) 09:23:37   ID: nFww5nJY

換気と臭いの元を探して排除して、ファ○リーズかな?

3 :  SS好きの774さん   2015年07月30日 (木) 05:08:06   ID: TFrFERzd

体洗いなよ(゚ω゚)

4 :  SS好きの774さん   2015年08月06日 (木) 20:00:07   ID: jFBwVwRw

くさそう

5 :  SS好きの774さん   2015年11月15日 (日) 02:15:36   ID: XwI2SAc8

一色さんのSS 増えたから嬉しいです。

個人的には雪の下姉がタイプです。
美人なおねーさんに弄られたいなぁ...... (遠い目)

6 :  SS好きの774さん   2016年01月07日 (木) 01:39:34   ID: H4pWyZZb

いろは安定の可愛さだな笑笑

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