土方「……」 芳佳「よろしくお願いします」 (158)

芳佳「えーっと、とりあえずどうぞ。 上がってください」

土方「……」


自分の名は土方圭介。
扶桑皇国海軍兵曹であり、現在はウィッチとして御活躍されてる同海軍の坂本美緒少佐の従兵を務めています。

従兵というのは通常の軍組織におけるそれと同義ですが、ウィッチの従兵と成れるのはそれを超える厳しい適性を身につけた者のみなです。
何故ならウィッチ……魔女と言えば女性。 しかも二十歳前が主であり、それを補佐する一般兵士はやはり男が圧倒的な数を占めるからです。
適性とはつまり、そういう事であります…

自分は坂本少佐の従兵です、ウィッチの方々に対する邪な思想などは断じてありません。
少佐も勿論その点は御理解して頂いています、何も問題などありません、ある筈がありません。

ですが…


土方「…どうしてこのような事に」

芳佳「土方さん? ……どうしました?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437312749

 
土方「……」



~~~~~~~~~~

※回想※


土方『適性審査、ですか?』

美緒『ああ。 何やら近頃、ウィッチと従兵間の異性トラブルが目立っているそうでな? 扶桑陸海軍共に、男子従兵の適性を改めて審査する事になった』

土方『はあ…? しかし自分にその様な問題は…』

美緒『お前が心配いらん事は私自身よく分かっている。 微塵も疑いなど無いから安心しろ』

土方『恐縮です』

美緒『だか上からの命令だ、無駄と分かっていてもやらねばならん』

 
土方『…事情は分かりました。 それで審査とは具体的に何をされるのでしょう? ……まさかミーナ中佐が同席されていることに関係があるのでしょうか?』

ミーナ『残念ながらそのまさかよ、土方兵曹』

土方『……』

美緒『…お前には我々ウィッチーズから選出された4名の従兵を務めてもらう、同棲状態でな』



土方『…………』



ミーナ『……』

美緒『……』

土方『……申し訳ありません少佐、自分は今聞き間違いをした恐れがあります。 特に後半を。 もう一度お願いします』

 
美緒『我々と同棲だ。 私を除いて今日から順に1人ずつ、4日間行う』

ミーナ『丸4日だから正確には5日間よ』

土方『………………』

美緒『かなり厳しい試練だが、お前なら何も心配いらんな! 土方!』ポン

土方『…ぇ、いや……その…待ってください。 自分には全く理解できかねるのですが?』

ミーナ『この審査方法は扶桑海軍及び連合上層部からの指示よ、最終的に選ばれた4人が貴方の従兵としての適性を評価して報告します』

美緒『ちなみに各項目5段階評価だ』

土方『い、いえ! そういう事ではなく……同棲してしまう時点で従兵としての適性など皆無だと自分は認識しているのですが』

 
美緒『非常識であるのは勿論大前提だが、物理的最大限にウィッチとの距離を詰めた生活の中でその真価を問うつもりらしい』

ミーナ『…私もこの試験方法には大いに反対ですけど、やるしかありません。 辞退すれば貴方は降格のうえ所属異動となります』

美緒『さらに言うと、非適性者と判断された場合も同等の処分が待っている』

土方『 』

美緒『そんな顔をするな、お前ならば何の問題もないだろう! ミーナも土方ならばと渋りながらも折れてくれたのだ』

ミーナ『私も貴方にそういった危険があるとは思わないけど……ここの場合、むしろ私達が迷惑をかける可能性が高いから十分に注意してください』

美緒『まぁそういう意味で骨は折るかもしれんが、5日間の辛抱だ! 私もお前がいなくなると困るのでな? 頼んだぞ、土方!』

土方『……了解…しました…』

~~~~~~~~~~


土方(なんて理不尽な事だ。 少佐の仰るように己に問題は感じないが、何故かミーナ中佐と同様の不安を自分も禁じ得ない…!)

 
芳佳「…あのぉ土方さん、大丈夫ですか? どこか具合でも悪いんですか?」

土方「あぁっ、いえ! 失礼しました、宮藤軍曹」

芳佳「……どうしたんですか? いつもみたいに“宮藤さん”でいいですよぉ」

土方「いえ、今は宮藤芳佳軍曹殿の従兵ですから。 それに見合った言動を心掛けさせて頂きます」ビシ

芳佳「でも私達は同じ海軍同士ですよ?」

土方「…申し訳ありません軍曹。 どうしてもと仰るのであれば御命令ください。 それぐらいでしたら対応致します」

芳佳「そ、そんなっ! 命令なんて出来ませんよぉ!?」

土方(……ですよね。 やはり宮藤さんはこういう方だ、早速例外に当たってしまった)

芳佳「と、とにかく部屋に入りましょう!?」

土方「了解しました」

 
芳佳の部屋


芳佳「なんにもないですけど……好きにしていて下さいね? 今お茶を淹れますから」

土方「お気遣いなく。 自分がやりますので軍曹はくつろいで下さい」

芳佳「そんな、悪いですから! …ちょっと待ってて下さいね」パタパタ

土方「いえ、あの――」

芳佳「…う~ん、どうしよう。 大きな湯呑みがないや…これで足りるかなぁ?」

土方「……(身の回りの世話は自分の仕事なのですが…)」

芳佳「男の人ってたくさん食べるけど、お茶菓子これだけで大丈夫かな…?」ウーン

土方「……これでは従兵と言うより客人ですね」

 
――――
――



芳佳「ところで、なんで私が最初なんですかね? 偶々なのかなぁ?」

土方「御覧の通り、この様な非常識な状況になる訳ですので…。 同じ扶桑の人間で顔見知りである宮藤軍曹が始めは良いだろう、と坂本少佐が」

芳佳「そうだったんですか。 確かに違う国の人と一緒に生活するって大変そうですもんね?」

土方「…なにを仰いますか、軍曹殿は今正にそうではありませんか」

芳佳「あっ、そうだった!」ハッ

土方(少佐とはまた違った感じで明るい人だ。 横須賀軍港での人気ぶりはここから来ているのだろう)

 
芳佳「えへへ // …でも私も最初は結構大変でしたよぉ、紅茶を啜ったらペリーヌさんに怒られちゃうし」

土方「…ところで宮藤軍曹、本日のスケジュールはどの様になっておられますか?」

芳佳「えっ? 今日の予定ですか…?」ポケ

土方「はい。 審査材料も残さなければなりませんので、自分が随行し御手伝い致します」

芳佳「えぇっと、今日は訓練休みだし……特にはなにも」


土方「…………」


芳佳「…だ、大丈夫ですよ! なにもしないで終わっても、私ちゃんといい評価付けますからっ!?」

 
土方「……宮藤さん、どうかお願いします。 自分はここでしくじれば何もかも終わってしまうんです…!」

芳佳「ぇぇえ! で、でも本当に今日は1日なにも無いですよぉ!?」

土方「っ…」

芳佳「…ぅぅえっと、じゃあ~……」オロオロ


芳佳「――あっ!! そうだ!」

ん?土方スレの人?

>>11
すみません。よくわかりませんが、恐らく違いいます

 
宿舎内 某所


土方「……」

芳佳「よいしょ、よしいょ…!」ゴシゴシ

土方「…あの、軍曹殿」

芳佳「あ、はい! なんですか?」

土方「……これは流石に…、本当によろしいのでしょうか?」

芳佳「え? ……あっ、ごめんなさい土方さん! ここに来た時からずっと綺麗にしたいなと思っていたんですけど。 …やっぱりトイレ掃除は嫌ですよね?」

 
土方「いえ、掃除を命じられるのは勿論構わないのですが……せめて掃除中を知らせる印を表に出して頂けませんか?」

芳佳「平気ですよぉ! ブリタニア基地でもよく掃除してましたけど、別に怒られたことないですし。 みんな気にしないで使っていきますよ?」

土方「しかし、今は自分がおりますので…」

芳佳「そんな! 土方さんだけに押し付けるなんてダメですよ!? 私が提案したんですから」

土方「いえ、ですからそうではなく! このままでは最悪どなたかと――」


『えっ…』


土方「ッッ!!!」ギクッ

芳佳「…あ、リーネちゃん!」

 
リーネ「………ぉ、男の……ひと…!? ……と、トイレに…!!!」

芳佳「ごめんねリーネちゃん、今掃除中なんだ。 足元滑るから気をつけてね?」

リーネ「 」

土方「 」

芳佳「…? リーネちゃん?」

リーネ「…っ……きゃぁああああ!!!!」ダッ

土方「 」

芳佳「えぇ!? ちょ、リーネちゃんどうしたの!? 待ってリーネちゃーん!」スタタ


バタバタバタ――




土方「 」



――ドタドタドタッ


バルクホルン「なんだ今の悲鳴は!?」ザッ

バルクホルン「――!? …貴様ッ!! ここで何をしている!!?」

土方「 」

 
――――
――



執務室


土方「……ごひゃいでふひょうは〈誤解です少佐〉」ボロ

美緒「ああ、分かっている」

土方「ほんほうえふ、ひんいへぐがはい〈本当です、信じてください〉…」

美緒「分かっている土方、心配するな」

芳佳「ご、ごめんなさい土方さん! 私うっかりしてて…!」アセアセ

美緒「宮藤、まずは土方の顔面と肋を治してやれ」

芳佳「は、はいっ! すみません…!」

ミーナ「…早速なのね」ハァ

 
美緒「中佐、誤解だったのだからこれは事件ではなく事故だぞ? 事故」

ミーナ「わかってるから…」

土方「ひょうは、いうんはほうふえは〈少佐、自分はどうすれば〉…」

美緒「…少なくともトイレ掃除は今後断って構わん」

ミーナ「お風呂と更衣室もね」

土方「……やはいほんぉひんひゃほぉほはあひはいえは〈やはりこの審査方法は間違いでは〉」

美緒「言うな、我々にもどうしようもないんだ」

ミーナ「胃薬と鎮痛薬の備蓄は確保しておくから、なんとかそれで凌いでください」

土方「……」

 
美緒「…頼む土方、乗り切れ! 私はお前を信じている」ガシ

土方「ひょうは〈少佐〉…」

美緒「宮藤!」

芳佳「はい!?」ビクッ

美緒「…とりあえずお前には食事の用意を命じる。 それから自分のストライカー及び装備類の確認、補充。それが今日の任務だ、いいな?」

芳佳「わ、わかりました!」

美緒「という訳だ、土方。 従兵として宮藤軍曹のサポートを頼む」

土方「…いょうはいひあひは〈了解しました〉」

 
―夜―

宿舎 食堂


芳佳「それでは皆さん! 食べてみてください!」

土方「……」


エーリカ「いただきまーす! あむっ」パク

シャーリー「宮藤の飯はやっぱ美味いな~」

ルッキーニ「んん~♪」モグモグ

芳佳「ぁ、今日は土方さんも一緒に作ったんですよ?」

リーネ「ぇ…」

バルクホルン「…そ、そうか」

 
エーリカ「あ、トゥルーデったら昼間に変態と勘違いてボコボコにした事気にしてるの~?」

バルクホルン「う、うるさい……黙って食え //」


美緒「どうだ宮藤、土方は役に立ったか?」

ミーナ「ちょっと美緒、こんな所で聞くことじゃないでしょ?」

美緒「自信があるんだ、心配ない」

芳佳「はい! とっても手際も良くて色々助かりました!」

美緒「うむ、そうだろうとも! 扶桑では必要において私の食事も全て任せていたからな、料理達者のお前に太鼓判を貰えて良かった!」

リーネ「ぅぅ……」

サーニャ「…リーネさんどうしたの?」

 
ペリーヌ「ぁぁ…羨ましいですわ。 わたくしも坂本少佐のお世話を~…!」モンモン

エイラ「ツンツンメガネは相変わらずだな」


芳佳「その肉じゃがは土方さんが1人で作ったんですよ」

ミーナ「へぇ…そうなの」

リーネ「……わ、私だって……芳佳ちゃんに教えてもらったから…」ボソボソ

美緒「やはりか、一目見て分かったぞ!」

シャーリー「…いや、あたしは全然わかんねぇ」

ルッキーニ「美味しければなんでもいいよー!」ウジュー

エーリカ「イモが美味しいからね~」

 
美緒「はっはっは! 心配ない、皆食べてみろ」

バルクホルン「…どれ」カチャ

シャーリー「そんじゃ試しに」アーン


パクッ

モグモグ…



バルクホルン「……うん」

シャーリー「…うん」

ペリーヌ「……(特に可もなく不可もなく…)」

サーニャ「……(なんて言うか…)」

エイラ「……(普通だな)」

エーリカ「……(う~ん、全然不味くはないけど)」

ミーナ「……(宮藤さんの扶桑料理を食べ慣れているからかしら…?)」

リーネ「…! (勝った! …肉じゃがだけは絶対美味しく作れるようになろう!)」

美緒「どうだ、普通に問題ないだろう?」

 
ルッキーニ「…ん~~」モグモグ

芳佳「どうかなルッキーニちゃん?」

ルッキーニ「……ふつー」

芳佳「あ、あはは…。 やっぱり」

美緒「そこが土方の技能だ、大抵の料理はごく普通にこなせる! 食えない物は決して出てこないぞ」

ミーナ「…確かに、そういう評価も出来るわね?」

エーリカ「それって褒めてるの…?」


芳佳「あはは……土方さん、次頑張りましょう?」チラ

土方「? いえ、お気遣いなく。 自分の技量に自覚はしておりますので、特に何も思うところはありません」

芳佳「あ、そうなんですか」

土方「はい」

 
芳佳「……それじゃあ、そろそろ私達もご飯よそって食べましょうか?」

土方「了解しました。 では席でお待ちください、自分がお持ち致します」

芳佳「い、いいですよ! 土方さんだって自分の分があるじゃないですか」

土方「いえ、自分は軍曹殿の後に頂きますから問題ありません」

芳佳「えっ! 一緒に食べないんですか!?」

土方「はい、御使い申し上げる方と並んで食事をする訳にはいきませんので」

芳佳「そ、そうなんですか…?」

 
芳佳の部屋


芳佳「今日は1日ありがとうございました。 ストライカーとか武器の点検とかも、自分では全然やったことなかったので本当に助かりました!」

土方「いえ。 僅かながらもお役に立てたようで、自分も安心しております」

芳佳「…そういえば、坂本さんと一緒の時はどんなことを手伝ってるんですか? 坂本さん、何でも出来ちゃいそうですけど」

土方「そうですね…。我々の役目は不得手の代わりではなく、ウィッチの方々が優先すべき役に集中して頂く事ですから――」

土方「出来る出来ないに関わらず、書類業務やスケジュール管理、それから普段の生活仕事等、煩わしい事項を請負うのがまず一つですね」

芳佳「そうなんですかぁ…。 でも家事は確かに大変ですけど、楽しいですよ?」

土方「はい、自分も嫌いではありません」

芳佳「ですよね!」

 
土方「…しかしその様子では、宮藤さんに付き従う方は苦労するかと思います」クス

芳佳「えぇ!? どうしてそうなるんですかぁー!? 忙しい時は任せちゃうかもしれませんけど、私だったらなるべく自分でやりますよ~!」

土方「だからですよ?」

芳佳「どういうことですか?? だってお仕事も減るし、ご飯も一緒に食べた方が絶対楽しいのに!?」

土方「そうですね。 自分も軍人ではなく1個人としてでしたら、その方が好ましいですね」

芳佳「ほら、やっぱり! そうですよぉ~」

土方「ふふっ」

芳佳「あっ! な、なんで笑うんですか!? 私そんなに変なこと言ってますか!?」

土方「いえいえ、それも宮藤軍曹殿らしくてよろしいかと思います」

芳佳「もぉ~、土方さーん! 真面目に聞いてくださいよぉ!?」ムー

 
――――
――



土方「…それでは消灯致します」

芳佳「はい、ありがとうごさいます」

土方「……いいえ、お気になさらず。 お休みなさいませ」

芳佳「おやすみなさい」

土方「……」パチン


芳佳「…ん………」


土方「…………」


芳佳「…………zz」クー

土方(……眠りましたか)

 
芳佳「~……zz…」スヤスヤ

土方(しかしこの状況でよく無警戒で寝ることが出来ますね…。勿論寝床は距離を置いているとはいえ、同室であるのに)

芳佳「…zz……」

土方(…他を信じる宮藤さんだからこそ、多くの信頼を得ているのでしょうか。まったく、不思議な人だ)

土方(さて! 先に就寝して頂いたのも確認できたし、自分も寝よう)バサ


土方「…はぁー……」イソイソ

土方「……」


土方(こんな事は従兵の域を越えている。 何故ウィッチと同室で就寝するというのだ…)


芳佳「……~ん…zz」モゾ


土方(……自分はウィッチの従兵として努める自信も自負もある! …だからこそ、この状況に凄まじい背徳感を禁じ得ないっ…!!)モヤ


芳佳「zz……」


土方(…早く終わりにしたい)

 
―翌日―


美緒「ご苦労だったな土方! とりあえず一人目はこれで終了だ」

土方「はっ」ビシ

ミーナ「何事もなかったみたいで良かったわ」

土方「…それはどちらの意――」

ミーナ「両方です」

土方「……失礼致しました」

美緒「しかし大変なのはこれからだ。宮藤はお前にとって最も難易度の低い人選だったからな?」

土方「い、いえ少佐。むしろ従兵としては気を揉んだのですが…」

 
ミーナ「とにかく次の人を決めましょう。気に病むかどうかはそれ次第よ」

美緒「…そうだな。よし、では引くぞ?」

ミーナ「はい、どうぞ」ス

土方「えっ」

美緒「……」ゴソゴソ

土方「…あの、まさか籤で決められるんですか!?」

美緒「ん? ああ」

ミーナ「そうよ」

 
土方「……えっ、いやしかし宮藤さんは…。ぇ…??」

美緒「本来は人選も無作為にするよう指示を受けている。宮藤の件は我々の独断だ」

ミーナ「それだとあまりにも不憫だったからって事でそうしたけど、扶桑海軍にはちゃんと籤で決めたことにして報告するから安心して」

土方「そ、そんな…(501のウィッチだけに、組み合わせによってはかなり不安だ…)」

美緒「ん~……! これだぁっ!!」バッ

ミーナ「…もう少し静かに引いて頂戴」

美緒「すまんすまん、つい気合が入ってしまった」


土方「……」ゴクリ


美緒「…む! >>34 か」

ミーナ「あら…」



※坂本、宮藤以外の501ウィッチを選んでください。無効の場合は安価下

 ロマーニャ基地なのにウィッチが個室住なのは仕様です

サーニャ

安価ありがとうございます。書き溜まり次第更新します

 
エイラ部屋


サーニャ「zzz…」

土方「……」


エイラ「ムァアアァアアッ!!! ヤメロー! ヤメテくれぇええ!!」ジタジタ

美緒「観念しろエイラ、我々だって不本意だ。早く終わらせたいのならお前も協力しろ」グイィ

エイラ「イヤダァアアーッ!! サーニャーッ!」

ミーナ「土方兵曹、早くサーニャさんを自室に移しなさい」

土方「……しかし中佐」

ミーナ「命令です」

美緒「土方、言わんとする事はわかるが急げ! このままではサーニャが目を覚ましかねん」

エイラ「ヤメロォーーッ!!」


土方「……了解、しました」

 
サーニャ「……zz」

土方「…失礼します、中尉殿」スッ


エイラ「アァアァアアー!!? サーニャに触んなー!!」ジタジタ

美緒「うぐ! おい、いい加減観念にしろっ!?」


土方「よし……っと(ぁ、思った以上に軽いですね)」ヒョイ

サーニャ「…。ん……」モゾ

土方「えっ」

サーニャ「~…、……?」パチ

 
土方「……(最悪のタイミングで起きてしまった…!)」

サーニャ「…………。……ぇ?」キョトン

土方「……中尉殿、ぇー…これはでありますね――」

サーニャ「…男の人…??」

土方「…つまり、その。自分が中尉を抱きかかえ申しているのですね…つまり――」

サーニャ「!?」

土方「…でありますから、どうか誤解されずに――」


サーニャ「っ…」フルフルフル


土方「!!?(えっ!? ふ、震えてる…!?)」

サーニャ「……た、助けて…」フルフル

土方「!?!?」

サーニャ「…誰か……ェ、エイラ…」ガクガク

土方「少佐-!!! た、助けてくださいっ!! 中尉が寝ぼけてらっしゃいます!!」

 
サーニャ部屋


サーニャ「…ごめんなさい、私が部屋を間違えたせいで」

土方「ぃ、いえ……自分は大丈夫ですので。…お気になさらず」

サーニャ「……」

土方「……」

サーニャ「…………」

土方「それで、その…お話の趣旨はご存知ですよね?」

 
サーニャ「…はい。芳佳ちゃんの次が、私なんですね?」

土方「肯定です。これから明日まで、リトヴャク中尉殿の従兵を務めさせていただきます」

サーニャ「……はい」


土方「……」

サーニャ「…………」


土方(…反応が限りなく薄い。これまで合ったどの軍人よりも読めない方だ)モヤモヤ

サーニャ「……あの」

土方「はっ、何でありましょうか?」

サーニャ「私、まだ寝なきゃいけないんですけど…」ウトウト

土方「えっ」

サーニャ「……今夜も哨戒任務がありますから」

土方「…ぁ!」

 
サーニャ「…ダメ、ですか?」

土方「えぇ!? あっ、いえ! 自分がそのような意見をする事は…!」

サーニャ「……」

土方「…ですから、どうぞ。お休みになってください」

サーニャ「……はい」ヨロ

土方(何故だろう。先が不安だ)

 
サーニャ「……」トテトテ

土方「……」

サーニャ「…………」モソモソ

土方「……明かり、お消し致しましょうか?」スク

サーニャ「…はい。お願いします」

土方「……。お休みなさいませ」パチン

サーニャ「……」


サーニャ「……zz」スヤァ

土方「……」


土方(…この方も普通に眠るんですね。この状況で)

サーニャ「zz…」

土方「……」

サーニャ「……~んん…、…zz」

土方「――はっ! しまった…!(そういえば、この間にする事を指示して頂いてない!?)」ガーン

 
ミーティングルーム


美緒「なに? …何故そんな事を私に聞く?」

土方「いえ、あの。念の為といいますか…、特に御指示を受ける前に就寝されてしまったので――」

土方「脱衣の片づけや整頓等をしようと思うのですが、万が一後で問題になってはと…」

芳佳「そっか。サーニャちゃん今の時間は寝てるもんね?」

リーネ「……」

美緒「…土方、そう怯えるな」

土方「ですが…」

 
美緒「今のお前はサーニャの従兵だ、普段通りで問題ない。私の服を用意するのにいちいち許可を取っていたか?」

土方「ぃ、いえ」

美緒「そう言う事だ。わかったのなら行け土方、指示待ち人間のお前など見たくないぞ?」

土方「……はっ、失礼しました」

芳佳「土方さん! 頑張ってください!」

リーネ「……(いいなぁ、芳佳ちゃんはもう終わったから…。次に私がなっちゃったらどうしよぅ…)」

土方「ありがとうございます。では」


スタスタスタ――



美緒「やれやれ。律儀な奴だ」

芳佳「あはは…。でもきちんとしてて立派ですよ」

美緒「……まあ通常であれば銃殺必至行為な訳だから、石橋を叩きたくなる気持ちもわかるが」

芳佳「えっ!?」

リーネ「……」

美緒「もっと自信をもって貰いたいものだな」フム

 

基地 野外


土方「……」ジャブジャブ


土方「………そういえばこの素材は…? 揉み洗いして平気な物だったのだろうか?」バシャ

土方(そして干し方は天日干しで大丈夫だろうか? …しまった、何もかも情報が無い)

土方「……」


土方「宮藤さんなら詳しいかもしれない。…聞いてく――」スク


ダァンッ

――ヒュンッ


土方「…………えっ?」

 
土方(…何だ今の銃声は? いや、というか今さっきまで自分の頭があった位置を――)


ダァンッ ダンダァンッ


土方「――!?」


『…ちょあ!』バッ


ボムボムッ  ヒュンッ




ルッキーニ「セーフッ! あたしがシールド張らなきゃ、あたま直撃だったね?」パァァ

土方「…ルッキーニ少尉!?」

 
ルッキーニ「危ないから逃げた方がいいよ? これゴム弾だけど、当たるとあおたん出来ちゃうから」

土方「な…!? いったい何が起きてるんですか?」

ルッキーニ「縄張りに入ったから、エイラがすごい怒ってるよ?」

土方「は? 縄張り…??」

ルッキーニ「いいから早く逃げて! あたしもずっとこうしてるのやだかんね!?」

土方「で、ですが自分は洗濯の途中で――」

ルッキーニ「んだからぁ、それはエイラがやるんだってばー! これ以上洗ってると死んじゃうかもよぉ?」

土方「死…!??」ガビーン

 
ルッキーニ「…あーんもぅ疲れた。シールドやめちゃおっかな」

土方「!! ちょ…、暫し待ってください少尉っ!?」ワタワタ


ダバダバダバ――



ルッキーニ「……うじゅー、ホントにつかれた」シュルル

ルッキーニ「…エイラー、聞こえる―? てかまだいるー!?」


『……』


ルッキーニ「あんましイジメんのってかわいそーだよぉー!」オーイ



~~~~

~~





『あんましイジメんのってかわいそーだよぉー!』


エイラ「…ッチ、ルッキーニのヤツ。仕留めそこなったじゃないか」チャキ

エイラ「シャーリーとられたらオマエだって絶対に嫉妬するクセに」

 
―夕方―

サーニャ部屋


土方「……」

土方(結局、日中はあれ以来ここに近づくことも出来なかった…。中佐が気づいてくれなければ今もユーティライネン中尉の銃口に狙われていただろう)ドヨーン


土方「……」チラ

土方「…すべて整ってる、いつの間に! 蒸しタオルまで…」


チリリリンッ チリリリンッ


土方「!」

 
サーニャ「………ん…、ん~…」モゾ


チリリリリ――


サーニャ「~…」カチ


――リリ……



サーニャ「……zz」クー

土方(目覚ましの意味がないではないですか…!?)

 
サーニャ「zz……」

土方「(仕方ない)…中尉殿、起きてください。夕刻です」ユサユサ

サーニャ「んん……。 ~…?」パチ

土方「おはようございます。起床時刻です、中尉」

サーニャ「……」

土方「……?」


サーニャ「……ぇ? ゃ……だ、だれですか…!?」フルフル

土方「……後生ですから、目を覚ましてください」ガク

 
――――
――



サーニャ「ごめんなさい土方さん。また私…」

土方「ぃ、いえ。お気になさらず」

サーニャ「……」

土方「よろしければ、どうぞ。蒸しタオルです」

サーニャ「…ありがとうございます」


サーニャ「……」フキフキ


サーニャ「…ふぅ」

土方「よろしいですか?」

サーニャ「ぁ、はい。ありがとうございます…」

 
土方「お着替えはこちらにありますので。…私は部屋の前で待機致しますから、何かあれば御呼びください」

サーニャ「着替えも…!?」

土方「!!(まさか、やはり不味かったのか…!?)」ギク

サーニャ「…ありがとうございます、土方さん」ペコ

土方「……えっ」

サーニャ「いつもエイラがしてくれるのと同じで、ビックリしました。蒸しタオルも――」

サーニャ「…ここまで徹底してくれるなんて」

土方「(あ、そういうことですか。“縄張り”ってそういう…)…いえ、自分は何も。それはユーティライネン中尉がやられた事です」

サーニャ「ふふ、謙遜しなくても大丈夫です」ニコ

土方「……はぁ」

 
土方「(完全に誤解されているが、まぁ…いいか)…とにかく自分は退出しますので、中尉は着――」


ドタドタドタッ


『エイラもうよせって! あと少しの我慢だろ!?』

『ムガァアー! 行かせてくれシャーリー! 私がサーニャをマモルンダー!!』

『え、エイラさん! カード振り回さないでください! 紙でも危ないですよぉ!?』

『トゥルーデ! エイラさんを捕り押さえるわ!』

『任せろ!』


ドッタン バッタン



土方「 」

サーニャ「…? 廊下が騒がしいわ?」

土方「……あの、中尉殿?」

サーニャ「はい?」

土方「非常に申し訳ありませんが、もう暫く着替えは待っていただけないでしょうか…」

サーニャ「…?」

 

―夜―


土方「それでは中尉殿、お気をつけて」ビシ

サーニャ「…はい」

土方「自分も直ぐに管制通信へ加わります」

サーニャ「はい。よろしくお願いします」

土方「こちらこそ!」

サーニャ「…えっと、それじゃあ行ってきます」フィィン


ガシャン

ブゥゥウン――




土方「…さて(やっとまともに仕事ができる)」タタッ

 
――――
――


管制塔


土方「……」チラ

土方(そろそろか)カチッ

土方「…こちら501コントロール。中尉殿、聞こえますか?」


サーニャ『ぁ…、はい。こちらサーニャ・リトヴャク、聞こえます』ガザ

土方「定時連絡の御時間です。報告してください」

サーニャ『はい。…現在第三空域まで到達中、現在までの進路10キロ圏内にネウロイその他異常反応ありません』

 
土方「了解しました。予報と観測パターンを照合しますと、今日明日中のその辺りに偵察型が現れる可能性も考えられます。引き続き警戒をしてください」

サーニャ『了解。…………ぁの』

土方「…はい?」

サーニャ『……少し、お話してもいいですか?』

土方「ネウロイですか?」

サーニャ『ぃぇ、そうじゃなくて。……その、普通にお話を…』

土方「はい?」

サーニャ『…いつも通信手の人と関係ない話をすると、ミーナ隊長に怒られるので』

土方「……(それは、そうですよ…)」

 
サーニャ『でも、土方さんは今…私の従兵なんですよね?』

土方「…。はい」

サーニャ『……土方さんとは、普通に会話もするって坂本少佐からも聞きました』

土方(それは意味が違うような…)

サーニャ『だから少しだけ、いいですか?』

土方「……」

サーニャ『……』

土方「(従兵の領分を逸しないとは言え、自分が諫言できる立場ではないな)……了解しました」

サーニャ『ありがとうございます』

土方「いえ」




――そしてネウロイの出現もなく、緩やかに時間は流れた。


   だか、周りの冷ややかな目に囲まれながら、土方圭介の神経も緩やかにすり減っていった…

 

―翌日―


美緒「さて、これで半分が終わった訳だが――」

美緒「……大丈夫か、土方?」

土方「…………正直に申してよろしいのでしょうか?」

ミーナ「いいえ、結構よ。それだけでもう解るし、解っていたことだから」

美緒「うむ……だがどうする事も出来んからなぁ。もはや道は前にしか無いぞ?」

土方「…承知しています」ゲッソリ

ミーナ「徹夜になってしまって申し訳ないけど、ここが山場でしょうから頑張って?」

美緒「そうだぞ土方! 一晩の不眠がなんだ! 東部防衛の支援で三徹したことを思い出せっ!!」ベシッ

土方「……はぃ」

 
ミーナ「はい、それじゃあ少佐?」ス

美緒「うむ」ゴソ

ミーナ「普通に引いてね」

美緒「わかっている」ゴソゴソ

土方「……」


美緒「――……せぇいっ!!」バッ

ミーナ「ちょっと!?」


美緒「……ふむ、次は >>67 か」

バルクホルン

 

バルクホルン部屋


土方「……」

バルクホルン「……」


美緒「…さて。この状況について説明がいるか、バルクホルン?」

バルクホルン「いや、大丈夫だ。把握できる。…3人目が私で、こいつが今から私の従兵なのだろう?」

美緒「ああ。 そしてその間お前達は同室で寝泊まりする」

バルクホルン「…了解」

 
美緒「……」

バルクホルン「任せてもらおう。わかっている全て問題ない、大丈夫だ、安心してくれ」

美緒「まだ何も言っていない」

バルクホルン「ぐっ……」ギク

土方「……」

美緒「…壊すなよ?」

バルクホルン「んなっ…!?///」

土方「 」

 
バルクホルン「しょ、少佐!! あれは誤解だと――」

美緒「わっはっはっ! 冗談だ」

バルクホルン「ぐ……ま、まったく。 少佐まで私をからかうのはやめてくれ…」グヌヌ

美緒「すまんすまん、だが手柔らかに頼むぞ? また傷物で帰されても困るからな」ワハハ

土方(少佐…)

バルクホルン「も、勿論だ!!」

美緒「……バルクホルン。土方は優秀だ、上手くやってくれ」

バルクホルン「……」

美緒「…頼むぞ」クル


スタスタスタ

ガチャン
 

 
バルクホルン「……」

土方「…あの、バルクホルン大尉」

バルクホルン「兵曹」

土方「! は、はっ!!」ピシッ

バルクホルン「…その、ぉ…一昨日はすまなかったな? …本当に」チラ

土方「いえ、その様な…!? 既に謝罪の御言葉は頂きましたし、誤解だったのですから」

バルクホルン「……」

土方「終わったことは、どうかお気になさらず。改めてよろしくお願い致します」

バルクホルン「……なるほど、確かにできた男だ」フン

 
バルクホルン「仕方ない。こちらこそ、これから1日よろしく頼む」

土方「はっ!」

バルクホルン「…私は少佐ほど甘くないかもしれないがな?」

土方「……是非、勉強させて頂きます」

バルクホルン「よし、いい覚悟だ。 ならば取り敢えず、そこの椅子へ掛けろ」ビッ

土方「はい」

バルクホルン「そのまま待て」スタスタ

土方「?」

 
バルクホルン「……」カチャカチャ

土方「…あの、大尉殿」

バルクホルン「悪いが砂糖とミルクは無い」

土方「いえ…そうではなく、そういう事は自分がやりますので」ガタ

バルクホルン「…土方兵曹、早速命令違反か?」チラ

土方「えっ!?」

バルクホルン「従え従兵、私が淹れてやる」

土方「……了解しました」

バルクホルン「それでいい」

 
――――
――



バルクホルン「それにしても、扶桑皇国軍がこんな非常識な事をするとは…」カチャン

土方「……自分もそう思います」

バルクホルン「よくミーナが許したものだ。本来ならばこの宿舎に立ち入った時点で軍法会議物だぞ?」

土方「……申し訳ありません」

バルクホルン「兵曹が謝る事ではないが、我々としても正直困る」

土方「…はい」

バルクホルン「そうでなくとも501は奔放過ぎるぐらいなんだ、これ以上風紀が乱れるのは良くない」

土方「……まぁ、軍組織という面のみから述べれば…仰る通りですね」

バルクホルン「! …流石少佐の従兵を勤め上げる奴だ。残念なことにここでは我々がマイノリティだからな、共感が得られて嬉しいぞ?」

土方「恐縮です」

 
バルクホルン「――…ん? まて」ピク

土方「?」

バルクホルン「………んー、そうだな?」ムム

土方「……」


バルクホルン「…よし!」ガタッ

土方「如何されましたか?」

バルクホルン「いい機会だ、我々の手で今一度この隊の規律を是正する!」グッ

土方「……本気ですか?」

バルクホルン「2度も言わんぞ兵曹、ついて来い!」

すみません、一度寝ます

 

ハンガー


シャーリー「フッフンフ~♪」カチャカチャ

ルッキーニ「あづぃ~…」グデー




バルクホルン「先ずはあいつ等からだ、あのだらしの無い格好を正す」ソー

土方「……」

 
シャーリー「ん…、なんかこのブラよくズレんなぁ~? やっぱ試着して買うべきだったかぁ」ムズ

ルッキーニ「あづぃ~、あたしもそういうのにしよっかなー…」

シャーリー「え? あー、確かにそっちより布地は少ないよな。 ……けどルッキーニにはまだ早いんじゃないか~?」

ルッキーニ「うじゅー!? そんなことないよっ!!」

シャーリー「あははは!」


キャッキャッ





バルクホルン「よし、行け兵曹!」ビシ

土方「……あの、もしかしてワザとですか?」

 
バルクホルン「? …どういう意味だ?」

土方「……いえ。ただ、自分にはいささか荷が重いかと…」

バルクホルン「いいや、これは貴様の役目だ!」グイ


バルクホルン「…いいか兵曹? 私が何度と注意しても聞く耳を持たないあいつ等も、男の目があると知れば流石に自重する筈だ」

土方「……」

バルクホルン「そして、今日明日と宿舎にまで貴様が立ち入る事実にも意識がいくのは間違いない。つまり終日に渡った服装改善を促すことが出来る!」

土方「…………」

バルクホルン「……以上だ。分かったか?」

土方「……はぃ」

バルクホルン「では行け! 奴等が恥ずかしがるよう、なるべくじっくり視線を注ぐんだぞ?」

土方「…………」

 
土方「…それは“自分を”という意味ではありませんよね…?」

バルクホルン「当たり前だ。分ったなら行け! 突撃せよ!!」ビシィ

土方「…………了解」


――――
――





シャーリー「…やっべ、益々ズレてきた。 ちっくしょ……一回外すか?」グイ

ルッキーニ「にゃはは、今誰か来たらおっぱい見られちゃうね?」

シャーリー「大丈夫だよ、整備班の作業シフトは把握してるし。そんなの見せちまったら、怒られるのあたしだけじゃ済まないんだから」

ルッキーニ「…恥ずかしくはないの?」

シャーリー「それは言うまでもないだろ」

ルッキーニ「そっか」

シャーリー「とりあえず…んっ……ワイヤーがいてぇから位置を――」クイッ


『ま、待ってくださいイェーガー大尉!!!』ザザッ


シャーリー「!!?」

ルッキーニ「にゃ!?」


土方「~っ……じ、自分がいますのでっ!! おやめ下さい…!」ゼェ ゼェ


シャーリー「………ぇ…!? ///」

 
ルッキーニ「うじゅー、なんか用ー?」

土方「……ぁ、いぃ…ぃぇ……その…」


――ガザッ


バルクホルン『土方兵曹! 目をそらすな!! そんな格好をしていると周りにどう見られるか自覚させろ!』ガザッ

土方「ぐ……ぅ…(せめてインカムが無ければよかったもの…。もはや罰だ)」ダラダラ


シャーリー「ちょっ……待った、うぇっと……その――」アセアセ

シャーリー「ぁ、あれ? シャツどこいった!? ///」

ルッキーニ「あい、こっちだよシャーリー?」ヒョイ

シャーリー「ぉ、おおサンキュー…! //」バッ


バルクホルン『よし、いいぞ! 効いている! そのまま続けろ兵曹!』

土方「……」

 
シャーリー「っ…ご、ごめんな? まさかいるとは思わなくて…。ぁ、あはは…」

土方「……ぃぇ」

シャーリー「………ぇと…、あの。あんまジッと見られるとその…、今更ながらちょっと… ///」

バルクホルン『もう一押しだ兵曹、奴を後悔させろ!』

土方「…………申し訳、ありません…」ジィーー

シャーリー「ぇ、いや……どういう意味!? (なんで謝りながらもあたしの胸ガン見してんの!?)」ササッ

ルッキーニ「なにしに来たの? …おっぱい見に来たの? やっぱ好きなの?」

土方「 」

バルクホルン『そうだと言え、兵曹』

土方「いぃ言えません大尉殿っ!!!」

シャーリー「…!?」ビクッ

バルクホルン『なに!?』

 
シャーリー「ぁ、あたしに言えないって…」

ルッキーニ「にゃ? 言えないことしにきたの?」

シャーリー「うそ……ま、マジで…?」ゾワ

土方「あ、いえ! 違いますイェーガー大尉!?」

バルクホルン『…なるほど、そういう事か。確かにそうだな』

土方(何がですか!?)

バルクホルン『確かに、ルッキーニ少尉が全く無傷だ。…兵曹、標的変更だ。イェーガー大尉ではなくルッキーニ少尉の下着姿を見に来たと言え』

土方(もっと言えませんーっ!!!)

 
バルクホルン『…どうした土方兵曹? いけ! 少尉が危険を感じる様にじりじり迫れっ!!』

土方「~~……ぁ、あの」チラ

ルッキーニ「ん? なにー?」

土方「っ……(だ、駄目だ! 流石に無理だ!!)」

シャーリー「…! (なんかこの人、息荒くして……ヤバい!?)」ゾワゾワ

土方「~~っ」ダラダラダラ

バルクホルン『おい、聞こえているのか兵曹!? …………故障か? 仕方ない、この辺で私も出よう』

ルッキーニ「どしたの? またエイラになんかされた? またサーニャの服とったの?」

シャーリー「えっ!! サーニャの服を…!?(盗った!?)」

 
土方「!! …ぃ、いやそれは――」

ルッキーニ「うん。 そしたらエイラが――」

シャーリー「にっ、逃げるぞルッキーニ!!」ガシッ

ルッキーニ「うじゃ!? なにシャーリー! どしたのー!?」

シャーリー「いいから!!」ダッ


バタバタバタ――



土方「 」


――スタスタスタ


バルクホルン「こらっ、お前達! 何をしている!?」デンッ

 
バルクホルン「まったく、そんな格好をしているから恥をかくんだ。今後はきちんと制服をだな――」

バルクホルン「……ん? …いない??」

土方「…………大尉。お2人なら、逃げられました…」

バルクホルン「なに!?」

土方「……」

バルクホルン「…逃げ出す程とは予想以上の成果だな」ムム

土方「……」

バルクホルン「だが困ったな、しっかり種明かしをしてやらないと誤解が残――」


…ピンポンパンポーン


『扶桑海軍土方圭介兵曹。至急、隊長執務室に来なさい』


バルクホルン「…!」

土方「……」

 
『繰り返します。土方兵曹、直ちに執務室に――』

『待て中佐、私が呼ぼう』

『……』

『…土方ぁ―!! 死にたくなければさっさとに来ぉーーいっ!!!』キィーーーンッ



バルクホルン「 」

土方「 」
 

 
執務室


美緒「わっはっはっ! だから言っただろう? 何かの間違いだと」

土方「で、ではなぇなぐっはのでふか〈ではなぜ殴ったのですか〉…?」ボロ

美緒「い、いやなに…なんだ? その、決して疑ったわけではない。本当だ」

土方「……」


ミーナ「はぁ…」ガク

バルクホルン「すまない、ミーナ」

ミーナ「……貴方の気持ちは分かるけど、もう少し人道的なやり方でお願い。 シャーリーさん、本気で怖がっていたわよ?」

バルクホルン「…すまない」

美緒「変に噂にならんといいがな? 女子トイレに侵入しては下着窃盗を繰り返す視姦魔、等という情報が伝聞すれば審査落ちは必至だ」

土方「 」

ミーナ「美緒、もうやめて」

 
ミーナ「…とにかく誤解はこっちで直ぐ解いておくから、貴方達は少し大人しくしてなさい」

美緒「そうだな。…バルクホルンは議事録の整理が溜まっているんじゃないか? どうせならそっちを片付けてしまえ」

バルクホルン「……了解」

美緒「土方はその前に宮藤に診させよう。…殴った私が言うのもなんだが」

土方「……ふぉへがぃひあふ(お願いします)」

 

―夜―


バルクホルン「今日は色々とすまなかったな兵曹。その、特に昼間のことは…」

土方「いえ、過ぎたことですし。もう忘れましょう」カチャ

バルクホルン「……思いついた時は名案だと思ったんだが、甘かったな」

土方「…もう忘れましょう(お願いですから)」

バルクホルン「だが議事録の纏めは大分進めることができた、感謝する」

土方「…恐縮です」スタスタ

バルクホルン「終わった分は明日にミーナ中佐へ直接提出しておいてくれ」

土方「それでしたら、大尉が御入浴中の間既に」

バルクホルン「ん、そうか」

土方「……どうぞ、大尉」コト

バルクホルン「ああ、有難う」ス

 
土方「……」

バルクホルン「…ふぅ。なかなかいいな、落ち着く」

土方「あまり飲まれませんか?」

バルクホルン「自分ではな。…人に世話を焼かれるなんて、久々だ」

土方「温めた牛乳一杯で大袈裟ですよ、大尉」

バルクホルン「…フッ、そうだな」

バルクホルン「……何故だか、501以外からのこういった献身は懐かしい」

土方「…?」

バルクホルン「ん………ふぅ。だが砂糖は少し入れ過ぎだ」

土方「ぁ、そうでしたか。申し訳ありません」

バルクホルン「わざわざ台所から調達するマメさは評価してやるがな」フッ

 
土方「…あの、大尉殿。聞いてもよろしいですか?」

バルクホルン「ん?」

土方「カールスラント空軍には我々の様な者はいらっしゃらないのでしょうか?」

バルクホルン「そうだな…。所謂従兵と呼べる役は存在するのかもしれないが、私には無縁なので知らないな」

土方「…そうなのですか? 扶桑海軍では、個人単位に関わらずですが、尉官以上の方には我々の様な者が従っていますが」

バルクホルン「……まあ秘書もメイドも、便利そうではある。だが私には向かない」

土方「…? どういう意味です?」

バルクホルン「……」

土方「……?」

バルクホルン「遠慮がないな、兵曹?」チラ

土方「ぇ!? い、いえ! …失礼致しました!」

バルクホルン「…私は人を使うより、自分で動く方が合っている。ただそれだけという意味だ」

土方「そ、そうですか…」

 
バルクホルン「…さて、就寝前のブレイクは終わりだ。もうそろそろ消灯の時間になる。寝るぞ?」ガタ

土方「……了解」

バルクホルン「……」

土方「では自分は一時退出致します。支度が済みましたら御呼びください」

バルクホルン「…? ……ぁ!」ギク

土方「?」

バルクホルン「……しまった。私は寝間着など…!」

土方「どうかなさいましたか?」

バルクホルン「……」

土方「…?? えぇっと……では、とにかく私は席を外しますので。…失礼いたします」ソソクサ


ガチャ

パタン



バルクホルン「……どうしよう」
 

 
廊下


土方「……」

土方(随分お時間が掛かっていらっしゃる様だが…大丈夫だろうか? 何やら着替えにしては物音が目立つ気もする)モヤ

土方(事故を起こされていれば迅速に駆けつけねば。……しかし可能性の話だ、今は流石に慎重を優先しよう)


『…兵曹!』


土方「!」


『………は、入れ!』


土方「…はっ」ガチャ

 

バルクホルン部屋


土方「……」

バルクホルン「…… //」モソ


土方「……あの、大尉殿」

バルクホルン「な、なんだ? 私は眠いんだっ!///」

土方「いえ、既にベッドに入っていらっしゃるのは結構なのですが――」チラ

土方「……このバリケードは、いったい…?」

バルクホルン「…それは、ジークフリート線だ」

土方「は??」

バルクホルン「……ジークフリート線は、1930年代後半にカールスラントのガリア国境地帯を中心に構築された対ネウロイ要塞線だ。第一次ネウロイ大戦中に構築されたヒンデンブルク線に端を発し、我が国の伝説上の英雄ジークフリートの名を――」ブツブツ

土方「ぃいや違います!? そうではなく、いったい何故このような物を――」

バルクホルン「バーゼル街付近からアーヘンまで続いていて、前対戦の経験から防護設備を設け、対陸上型障害物として高さ1.2メートルの四角錐形の鉄筋コンクリートブロック群、通称“竜の歯”を――」

土方「ちょ…!(急にどうされたというんだ!? 何やら動揺してらっしゃる…??)」

 
バルクホルン「……とにかくだなっ! 貴様はそこから先へ入ってはダメだ! 朝私が起床するまで、こちらを向く事も禁止する!//」キッ

土方「ぇ…?」

バルクホルン「ぃ、いいな!? 厳命したぞ!?//」

土方「は、はいっ! 了解しましたが。……まさかとは思いますが大尉、自分が大尉殿の寝込みを――」

バルクホルン「ぅ、うるさい! 分かったのなら復唱しろーっ!!!///」

 

―翌朝―


土方「zz…」

バルクホルン「……」

土方「zz……っ…~ゃ、やめてくだ…ぃ皆さ……っ…自分…は……~ぅぐ…」ウーン

バルクホルン「起床だ、起きろ!」


土方「っ…!! ………ぁ」パチ

バルクホルン「…おはよう兵曹。うなされていたぞ?」

 
土方「……はい。………ぁ、いいえ、別に…(何やら恐ろしい夢を見ていたような)」ムク

バルクホルン「支度をしろ、仕事だ。最後に手伝ってもらう」

土方「あ、はい。……と言いますか――」

バルクホルン「?」

土方「申し訳ありません大尉。自分が先だって起床しておくべき所を」

バルクホルン「いい。昨晩貴様は寝ていないのだろう? …それに、私が起きた時には眠っていて貰わなければ困る」

土方「えっ?」

バルクホルン「いや、…今のは気にするな」

土方「…? は、はい」

バルクホルン「さっさと支度をしてついて来い、“あいつ”を起こしに行くぞ!」

土方「……」

 

エーリカ部屋


エーリカ「…ん~~……zz」

土方「……」

バルクホルン「ハルトマンめ、今朝も熟睡か…」グヌヌ

土方「…それにしても、流石に凄いですね。この部屋は」

バルクホルン「4人目がこいつにならない事を祈るんだな」

土方「……」

 
バルクホルン「起きろハルトマンッ!! 起床だぞ!?」

エーリカ「……ん~~~」モゾモゾ

バルクホルン「よし、眠りは覚めたな」

土方「では任務完了ですか?」

バルクホルン「いや、こいつはここからが長い」

エーリカ「ん~……あと50分…」

土方(我々はこの方に人類の存亡を託しているのか…)

バルクホルン「…土方兵曹、ハルトマン中尉の両腕を抑えろ」

土方「えっ? …りょ、了解」

 
エーリカ「んん~……」

土方「失礼いたします、中尉殿」グイ

バルクホルン「…よし」

バルクホルン「おいハルトマン、さっさと起きろ。少佐の部下の前で恥ずかしいぞ?」

エーリカ「…んー……そんなのどうでもいいよぉ…」

バルクホルン「ほぅ、そうか。……ところで、今日はズボンは穿いて寝ているのか?」


エーリカ「…………」


土方「――!?(急に力が…!?)」

バルクホルン「絶対に放すな、兵曹」

土方「りょ、了解!」グググ

 
バルクホルン「お前が恥知らずならそれでもう構わんが、私はお前を起こすためにこれから毛布を没収する事にしよう」

エーリカ「……」

バルクホルン「どうする? 自分で起きるか?」

エーリカ「……うん。起きます」

バルクホルン「よし。兵曹、放していい」

土方「……(危ない、いつの間にかまた猥褻騒ぎになる所だった…)」

 
――――
――



美緒「ご苦労だったな土方。3人目も終わり、泣いても笑っても次で最後だ」

土方「…はい(最後くらいは泣かずに笑いたい…)」

美緒「大丈夫だ! お前ならやれる!」

土方「……」

ミーナ(もう美緒の根性論ではどうにもならないレベルまで来てそうね…)

ミーナ「…土方さん。いろんな意味で、全て無事に終わったら…私も貴方を労いたいと思うわ」

土方「恐縮です…」

 
ミーナ「それじゃあ引くわね」ゴソ

美緒「? おい待て中佐、それは私が――」

ミーナ「ダメよ。貴方は静かに引いてくれないじゃない」ゴソゴソ

美緒「む、むぅ……」


ミーナ「……。…これね」ス

土方「……」

ミーナ「……」ピラ

美緒「…最後は、 >>117 か」

ペリーヌ

 
ペリーヌ部屋


ペリーヌ「……」

土方「……」


美緒「…ではよろしく頼むぞ、ペリーヌ」

ペリーヌ「はい、どうかお任せください。少佐の大切な従兵にご無理はさせませんわ」

美緒「うむ。ではな」ガチャ


パタン


土方「……ご迷惑かと思いますが、よろしくお願い致します中尉殿」

ペリーヌ「ええ。お互い大変ですけど、なんとか乗り切りましょう」

土方「はい!」

 
ペリーヌ「さぁ、お座りになってくださいな」

土方「はっ、失礼致します」

ペリーヌ「今紅茶を淹れますわ」スタスタ

土方「ぇ……!? ぁ、あの…!」

ペリーヌ「貴方のお気持ちはお察しします。ですがどうかご遠慮なく、坂本少佐の客人を持て成さない訳にはいきませんわ」

土方「…はあ(またこのパターンですか。客人ではなく従兵なのですが…)」

 
――――
――



ペリーヌ「……」

土方「…………」

ペリーヌ「ふぅ…」カチャ

土方「…あの、中尉殿」

ペリーヌ「あら、お代りですか?」

土方「い、いえ。そのような……もう十分頂いておりますので」

ペリーヌ「そう。…流石、少佐の側付の方だけあって慎み深いですわね。同じ扶桑人でも宮藤さんとは大違いですわ」カチャ

土方「……いえ、宮藤さんのそういった面は一種の無垢かと思いますが」

ペリーヌ「? …まぁ、そう言えなくもないかしら」

 
土方「…っと、話がそれてしまいましたが中尉殿」

ペリーヌ「はい?」

土方「御厚い持て成し大変恐縮ではありますが、自分に何か御用命を頂けないでしょうか?」

ペリーヌ「…わたくしの従兵、だからですか?」

土方「はい」

ペリーヌ「……」

土方「……」

 
ペリーヌ「……ふぅ。申し訳ないですけれど、それは難しいですわね」カチャ

土方「……自分では不服でありますか」

ペリーヌ「焦らないでくださいな。貴方がどうとか、そういう話ではありませんわ」

土方「…?」

ペリーヌ「あまり自分の身分を語りたくはないですけど、わたくしも執事やメイドを従えた家の者…」

ペリーヌ「だからわかります。従者としての価値を生むのは、文化・習慣の体得――」


ペリーヌ「…主人への信頼と、主人からの信頼ですわ」

土方「……」

 
ペリーヌ「特定の主人に仕える者として習熟するためには、数日程度では無理ではなくて? ましてや初日でその本質を評価することなんて、到底出来ませんわ」

ペリーヌ「仮に貴方にわたくしの給仕をお任せしたとして……いきなりお代りの合図に気づいて、完璧な紅茶を淹れることが出来まして? 苗のお世話をリーネさんより上手に丁寧には出来ませんでしょう?」チラ

土方「…………はい。仰る通りだと思います」

ペリーヌ「わたくし達は男女2人、この部屋で昼夜を共に過ごす。それで間違いがなければおしまい」

ペリーヌ「…今回の審査は、それでいいのではなくて?」

土方「……ですが自分は、今は中尉殿の従兵ですので。たとえ初日が最後であっても、役目を全う出来ないのは恥ずべきことです」

ペリーヌ「まぁ…!」

 
土方「……」

ペリーヌ「……真面目ですのね?」

土方「恐縮ながら、それがウィッチの従兵と心得ておりますので」

ペリーヌ「…わかりました。しょうがありませんわね」スタスタ

ペリーヌ「――兵曹さん。貴方、お見積もりは得意かしら?」ガラ ゴソゴソ

土方「…見積もりですか? えぇ…はい。坂本少佐の御受け持ちになる予算整理等は横須賀の頃から任されておりますが」

ペリーヌ「ご自分が手を付けたことは?」

土方「なっ…!? その様な事、断じてありません!」

 
ペリーヌ「わかりましたわ、いいでしょう――」スタスタ

ペリーヌ「……では、貴方にはこの案件の試算をお任せします」パサ


土方「! …これは!(ガリア崩落地難民の為の、仮設居住整備…!?)」

ペリーヌ「復興財団の資金は決して多くはありません。でもその一つ一つには多くの方々の意志が詰まっています」

ペリーヌ「…これをいかに効率よく皆さんに還元できるかが、今のわたくしの取り組みであり……責任ですわ」

土方「……(“持てる者の義務”…ですか)」

ペリーヌ「その一端を貴方に御協力いただきます。財源の状況と合わせて目を通していただいて、改善の余地があれば知らせてください」

土方「(これは、責任重大だ…!)…了解致しました。やってみます」キリ

ペリーヌ「わたくしは訓練に出なければなりませんので、その間によろしくお願いしますわ」

土方「はっ!」

 

―夜―


ペリーヌ「はぁ~~…、さすがに疲れましたわ」クテ

土方「……お疲れ様です、クロステルマン中尉」スタスタ

ペリーヌ「まさか貴方があれだけ優秀だなんて…。1日だけなんて惜しいですわ」

土方「これ幸いとばかりに、次々に案件を詰め込みましたからね。お疲れになるのも無理はありません」コト

ペリーヌ「……これは、グリーンティー?」

土方「扶桑茶です。これなら新人の自分でも淹れられますから」

 
ペリーヌ「……」

土方「どうぞ」

ペリーヌ「…ぁ、ありがとう。いただきますわ」スッ


ペリーヌ「ん…」コクコク

土方「……」

ペリーヌ「――…はぁ。…本当、優秀ですわ」クテ

土方「恐縮です」

 
ペリーヌ「…貴方はタフですのね?」

土方「男子軍人ですから。それも務めです」

ペリーヌ「……そういう言い方、普段ならあまり好きじゃありませんけど…納得ですわ」

土方「……」


ペリーヌ「兵曹さん、貴方もかけてくださいな。 寝る前に少し、話し相手になってくださる?」

土方「…了解しました」

俺はペリーヌを信じてたよ(手のひらを回しながら)

 
――――
――



ペリーヌ「…坂本少佐とはいつからのお付き合いですの?」

土方「リバウ航空隊から一時抜け、帰国されてからですね。齢14で遣欧に向かわれてからの少佐――…当時は尉官でいらっしゃいましたが、少佐の武功を扶桑海軍が表彰した際に専属従兵を取らせたのです」

ペリーヌ「それで貴方が?」

土方「はい。光栄な事です」

ペリーヌ「……少佐が、お選びになったのですか?」ゴクリ…

土方「まさか。…いくつか注文があったらしいとは伺いましたが、人事は全て上層部による選出です」

ペリーヌ「そ、そうですか…」ホッ

 
土方「あの頃から少佐は既に国内でも有名でしたから、最初は自分が選ばれた事に疑ってしまいました」

ペリーヌ「まぁ…。案外、可愛気もありますのね?」クス

土方「今以上に未熟だっただけです。内心浮かれてもいましたし」

ペリーヌ「あらあら、ウィッチの従兵が聞いてあきれますわ」

土方「…恐縮です」

ペリーヌ「……けどまあ。…貴方なら、悪い虫にはなりそうにありませんわね」

土方「はは…。お任せください」

ペリーヌ「ええ、お任せしますわ。…程々に」

土方「ほ、程々ですか…」

 
ペリーヌ「だってわたくし達はまだ初日ですもの。ペリーヌ・クロステルマンの信頼を得るのは、まだ早いですわよ?」

土方「……ですね」

ペリーヌ「でも、今日の所は合格ですわ。このまま何事もなく夜が明けてくれれば」ガタ

土方「御安心ください」

ペリーヌ「…ふふ。そこに関しては、初めての働きに免じて信頼させてもらいますわ」

土方「ぁ、有難うございます…」

 
ペリーヌ「さてと、そろそろ寝支度をしましょうか」

土方「はっ、では自分は一時退出致しますので」ガタ


土方「……」スタスタ




ペリーヌ「――…ぁ、土方さん!」


土方「はい、何でしょうか?」クル

ペリーヌ「……そのぉ。ぁ…明日の寝覚めは、扶桑茶がいいかしら」

土方「!」

ペリーヌ「……//」


土方「……はい。了解しました、中尉殿」

 



 土 方 圭 介 、 生 還 



 





(#・×・)<……チッ

 

―そして数日後―


土方「……」


美緒「土方。またここに呼び出された時点で察しはついていると思うが、例の件での結果が出た」

土方「…はい」

ミーナ「私達もこれから開けるけど、覚悟はいいわね?」

土方「っ…………はい!」

ミーナ「……」チラ

美緒「うむ、私も平気だ。頼む中佐」コク

 
ミーナ「…それでは――」カサ

土方「っ…」

美緒「……」

ミーナ「……」ヨミヨミ


ミーナ「――…土方圭介兵曹。扶桑皇国海軍本部からの審査結果を通達します」

土方「……はっ!」

美緒「……」


ミーナ「“採点と協議の結果、ウィッチ従兵としての貴殿の適正を >>149 と判断する”」


土方「!!」



※コンマ以下ゾロ目で【不適】 

勝ったな(確信)

 
ミーナ「“――【可】と判断する”」


土方「!!? ……“可”、ですか…?」ガーン

美緒「…やはり あの噂 が海を渡ったか。お前には秘密だったが、内偵調査役も派遣されていたからな」

土方「えっ!? ……ぃ、いやでも誤解ですから!?」

ミーナ「ちなみに選出された4人の採点は全員満点よ。ペリーヌさんは嘆願書まで添えてくれたから、なんとかなったみたいね」

美緒「まあ結果はどうあれ、お前は乗り切ったんだ! 万事解決! 私も一安心だ、わっはっはっ!!」

土方「そ、そうではありますが…」ガク

 
ミーナ「なんにしても、これで貴方の受難も終了ね。お疲れ様、土方兵曹」

土方「は、はい…。有難うございます」




美緒「ふむ、これで次は私の番か…」ムゥ

土方「ぇ…?」

ミーナ「ちょっと少佐、その話は後にして」

美緒「いや、私独りではどうにも不安でな。折角元の鞘に収まったのだから、こいつも連れて行きたい」

土方「……あの、少佐。いったい何の話ですか…?」

 
美緒「ああ。…今回の件で、中佐がここでの実施を反対していた事は言ったな?」

土方「は、はい。しかし自分なら問題ないと…」

ミーナ「……ええ、まぁ。確かにそれは本当だったんだけどね…」キョロ

美緒「実は中佐を説得するために取引をしていてな。審査実施を了承する代わりに、条件を呑んだ」

土方「条件…??」ポカーン

美緒「1度だけ、連合の重役懇談会に私も出席する。…そしてお前もだ、土方」ポン

ミーナ「……」

土方「…………」



土方「――…えっ」



美緒「各国のお偉方や厄介な連中がわんさかいるからな? 私独りでは面倒でかなわん」

土方「 」

ミーナ「美緒…。貴方が受けた約束なんだから、土方さんは許してあげなさい」

美緒「お互い覚悟しようじゃないか、頼むぞ土方!!」キリ


土方「……。……了解、しました」




(・×・)<オワッタナ

ピエレッテお嬢様は正直どうしていいかわかりませんでした、おしまい


最後の最後でほっこりした

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