P「ZZz…」あずさ「あ…あら~?」 (66)

P「ZZz…」

あずさ「ええっと…これって一体?」

あずさ「どうしてプロデューサーさんが隣で寝ているのかしら?」

あずさ「そもそもどうして私、プロデューサーさんと一緒に寝ていたのかしら?」

P「う~ん…」ゴロン

あずさ「えっとぉ…」

あずさ「とりあえずまず昨日何があったのか思い出しましょう」

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あずさ「確か昨日はプロデューサーさんと一緒に居酒屋に行って…」

あずさ「その後なんか強いお酒を飲んで」

あずさ「そこからは…全く覚えてないわ…」

あずさ「お酒のせいでハメをはずしちゃったのかしら?」

あずさ「まさかたった一晩でこんなことになるなんて…」

P「ZZz…」

あずさ「それにここどこなんでしょう?」

あずさ「見たところ私の部屋じゃないみたい」

あずさ「ここってもしかして、プロデューサーさんの家?」

あずさ「だとしたらとても綺麗な部屋ね。私の想像していた一人暮らしの男性の家と違うわ」

P「ZZz…」

あずさ「もう…呑気に寝ないでください…」

あずさ「…ここがもしプロデューサーさんの家なら」

あずさ「もしかしたら私の知らないプロデューサーさんが見られるかも…」

あずさ「…ちょっと探検してみようかしら?」

あずさ「ちょっとだけ…ね?」

あずさ「結構広いのね~。あ、二階があるわ」

あずさ「てっきりマンションとかにすんでいると思ったけど、一人暮らしなのに一軒家を持っているなんて素敵だわ~」

あずさ「それにしても一人なのになんか荷物が多いような…男の人の生活ってこんな感じなのかしら?」ガラガラ

あずさ「ここがお風呂場、綺麗なお風呂ね~」

あずさ「そして洗面台も…あら?」

あずさ「歯ブラシが、二つ?」

あずさ「…どうして歯ブラシが二つも?」

あずさ「普通一人で暮らすなら歯ブラシは一つでいいはず…」

あずさ「使い分けているのかしら?それとも…他に誰か住んでいるのかしら?」

「ふぁ~、まだ頭がぼーっとするなぁ…」ガラガラ

あずさ「!?」

P「んあ…?ああ、あずさ。おはよう」

P「もう既に起きていたんだね」

あずさ「お、おはようございます…!?」

P「先に顔洗ってたのかい?それじゃあ俺は終わるまで待ってるよ」

あずさ「いえ!いいんです!別に使おうと思ってませんでしたので!」

あずさ「どうぞ、使ってください!」アタフタ

P「ん?そうなのか?それじゃあ遠慮なく」ガラガラ

あずさ「…え?」

あずさ(何かしら…少し変だわ…)

あずさ(プロデューサーさん、私の名前を呼び捨てで言わないはず?)

P「あずさ、先にリビングで待っててくれ。後で朝食用意するから」

あずさ「は、はい!」

あずさ(あの一晩の間で一体何が起こったの?)

あずさ「ここがリビング…。とっても広い…」

あずさ「それにとっても素敵なインテリア。私の好みだわ」

あずさ「………あら?」

あずさ「この写真って…ええ!?」

P「どうかしたのかい?」

あずさ「えっ!プ、プロデューサーさん!この写真!」

P「まだ名前で呼んでくれないのか…。まあいいか」

P「この写真って俺達の結婚式の写真じゃないか。別に驚くことじゃないよ」

あずさ「け、結婚式!?そんな、からかってるんですか!」

P「どうしたんだ突然?なんでそう思うんだ?」

あずさ「だって私たちは昨日居酒屋で酔っ払って…結婚なんてした覚えが」

P「おいおい、確かに酔っ払っていたけど飲んだ場所は居酒屋じゃなくてバーじゃないか」

あずさ「バー?」

P「連れて帰ってくるの大変だったから全く~」

あずさ「そ、そうなんですか…」

あずさ「ところでこの結婚式は…」

P「覚えてないんのかい?一年前近くにみんなと一緒に祝福したじゃないか」

あずさ「一年前?」

P「ああ、しかしこの写真は懐かしいけど面白かったな」

P「みんな笑顔だったのに春香ったら瞬きしていたんだぞ」

P「一番大事なところでヘマするなんてな~」

P「しかもとった後はブーケをとり損ねて人間ドミノを作ったり」

P「本当、あの時は大笑いしたな。ハハハハハッ!」

あずさ「…」

あずさ(えっと…話を整理すると今私とプロデューサーさんは結婚していて…)

あずさ(一緒に暮らしているということかしら?)

あずさ(これって何かの夢よね…だって結婚した覚えがないのですもの)

あずさ(ちょっとほっぺを抓ってみましょう)ギュウウウ

あずさ(…あら、痛くないわ?)

あずさ(ということは、夢?)

P「どうかしたのかあずさ?自分のほっぺなんか抓って。これは夢だと思っているのかい?」

あずさ「いえ、何でもないです。ちょっと眠たかったから抓っただけですから」

P「そっか。それなら眠気覚ましのコーヒーでも用意しておくよ」

あずさ「お願いします」

あずさ(抓っても痛くなかったからこれ、夢なのね)

あずさ(それもそうよね。もしも夢じゃなかったら辻褄が合わないわ)

あずさ(でもちょっと残念。本当にできたら良かったのに…)

あずさ(…でもいいわ。夢なら夢で満喫をしてみるわ♪)

あずさ(夢ということは何をしてもいいということですからね♪)

P「はい、コーヒーとご飯ですよ」

あずさ「ありがとうございます」

P「さて、俺もそろそろ食べようかな」

あずさ「ええ」

もぐもぐもぐもぐ

あずさ「・・・」

P「・・・」

あずさ「プロデューサーさん♪」

P「ん?」

あずさ「ふふっ、言ってみただけです♪」

P「そう…」

あずさ「…」

もぐもぐもぐもぐ

あずさ「…」

P「あずさ」

あずさ「えっ?」

P「フッ、言ってみただけだよ」

あずさ「あら、うふふ♪」

P「でもプロデューサーじゃなくてせめてあなたと言ってほしいな…」

P「そこに関してはちょっと拗ねちゃったぞ」

あずさ「あなた?」

P「うん」

あずさ「わかりました、ではこれからはそう呼ばせてもらいます。あなた♪」

P「うん、いい響きだ」

P「にしてもこうして名前で呼び捨てできる日がくるなんて夢にも思わなかった」

P「もう俺達の関係って、ここまで強まったんだな。色々会ったけど、今はとても楽しいよ♪」

P「その分失ったものも重かったけどね…」

あずさ「えっ?」

P「あずさはどうだい?まだアイドルは名残惜しいかい?」

あずさ「えっ?アイドル?」

P「ああ、引退と結婚発表を同時にした時は一部のファンからの凄まじい攻撃を受けたからな」

P「あの時は死を覚悟したほどだった…。今思い出したらよく生きていたな俺…」

あずさ「アイドル…」

あずさ(そっか、結婚したということはもうアイドルをやめたということになるわね)

あずさ(つまり今の私はただの一人の主婦ということなのね)

P「おっと、何を言い出すんだ俺は…」

P「すまない、あずさ。過去のことを掘り返してしまって、忘れてくれ」

あずさ「いいんですよ。あなた」

あずさ「そもそも私がアイドルをしたきっかけは運命の人を見つけるためです」

あずさ「そして現に私は運命の人と共にこうして幸せに暮らしています」

あずさ「アイドルをやめたことに後悔も迷いもありませんよ」

P「それがあずさの答えなのか?」

あずさ「ええ」

P「そっか。それなら、安心だ」

あずさ「さあ、早く食べましょう。冷めちゃいますから」

P「ああ、そうだったな」

P「さて、食べ終わって食器も片付けたことだし」

P「今日は休日だ。どこか一緒に出かけようか!」

あずさ「ええ、いいですよ。今日はあなたと一緒にどこまでもついていきます」

P「よし!それじゃあ」ガサゴソ

P「これを着てくれ!俺も自分のを着るから!」

あずさ「これって浴衣?」

あずさ「浴衣を着て出かけるんですか?」

P「今日は縁日と花火大会があるんだ!参加しないと損ですよ!」

あずさ「縁日?」

P「ああ!祭といえば浴衣、これは常識ですよ!」

P「ほら、あずさにピッタリの浴衣を用意したんだ。着てみてくれ」

あずさ「は、はい」

あずさ「にしてもなんだかプロデューサーさん、縁日ではしゃぐなんて…ちょっと子供みたいですね」

あずさ「さっきとテンションが違うわ」

P「祭りで魂が揺さぶらない男なんていませんよ!」

P「さあ早く早く!」

あずさ「はいはい」

P「~♪」ワクワク

あずさ「…」

P「~♪」ワクワク

あずさ「あの~」

P「ん?」

あずさ「見られているとちょっと、恥ずかしくて…その…」

P「あ、ごめんなさい…」

あずさ「いえ、ちょっと待っててくださいね」

あずさ「着替え終わりました~」

P「…」

あずさ「ど、どうでしたか?」

P「…綺麗だ」

あずさ「えっ?」

P「とっても綺麗だ、あずさ。浴衣、凄く似合ってるよ」

あずさ「そ、そうですか///」

P「うん、とっても///」

あずさ「///」

P「特にこの見えそうでギリギリ見えないところが…」

あずさ「えっ?」チラッ

あずさ「…へぇ、このために私にこれを着せたんですかぁ…」ゴゴゴゴゴゴ…

P「ひぃ…!」ビクッ!

祭りの会場

ワイワイガヤガヤ

P「ここか…祭りの場所は」チラッ

あずさ「…」

P「あの、その…」

P「ごめんなさい…、本当にごめんなさい」

あずさ「昔からそうでしたものね。プロデューサーさんはとってもエッチで…」

P「ごめんなさい…その…似合ってましたよ」

あずさ「そう…」

P「…」

あずさ「…」

P「そうだ!ちょっと待っててください!」

あずさ「えっ?」

「おじさん、一回いいですか?」

「はいよ!300円ね!」

ターン!

「もう一度!」

ターン!

あずさ「…」

P「はい、これどうぞ!」

あずさ「これって…」

P「あの射撃で10回やってやっと手に入れたんだ!」

P「あずさが好きな動物のぬいぐるみだ!だからこれで…」

あずさ「…プッ!フフッ…!」

P「えっ?」

あずさ「いや、何だかおかしくて…」

あずさ「仕事の時のプロデューサーさん、いや…あなたはこんなに無邪気に振る舞ったことはなかったから」

あずさ「これが本当の姿なんですか?」

P「まあ、仕事とプライベートは別だから…」

あずさ「そう、プライベートのあなたを見られた私って…とっても運がいいですね」

P「見せるほどのものじゃないよ」

あずさ「そんなことはないです。本当のあなたの姿を見られたことで、あなたは私の掛け替えのないパートナーだと言うことが分かるんです」

あずさ「間違いなく常に傍にいることが実感できる…」

あずさ「それに今のあなたはプロデューサー時代の時より活き活きしているように見えます」

P「あずささん…」

あずさ「ついでにエッチなところも前より活き活きしていますしね」

P「えぇっ…」

あずさ「ふふっ。大丈夫です、もう怒っていません」

あずさ「でも次同じことをしたら許しませんけどね♪」

P「は、はい…」

あずさ「それじゃあお祭りを楽しみましょうか」

あずさ「エスコート、お願いしますね♪」

P「ええ!」

~~~~~~~~~~

あずさ「あなた!次はあれやりましょうよ!亀すくい!」

P「ちょ、ちょっと待ってくださいよ…さすがに疲れて…」

あずさ「もう疲れたんですか?さっきはあんなに元気でしたのに?」

P「あずささん体力ありすぎですよ.俺より楽しんでませんか?」

あずさ「あら?あなたより楽しんじゃいけかったんですか?」

P「いや、そもそもあずささんを楽しませることが本来の目的だからこれでいいです」

P「でもさすがに疲れたので少しあっちで休みます…」

あずさ「わかりました、それじゃあ待っててください」

P「ええ」

あずさ「さて、早速…」

「あれ、あずささん?」

あずさ「えっ?」

律子「やっぱりあずささんですか!」

あずさ「律子さん?律子さんも縁日を?」

律子「ええ、せっかくの祭だからうんと楽しもうと思ったんです!」

律子「あずささんは…一人と言うわけじゃないみたいですね。プロデューサー殿と一緒に?」

あずさ「ええ、今は疲れたから休憩をとっているんです」

律子「そうなんですか。つまり今は私たちだけということですね」

あずさ「そうですね」

律子「しかしこんなところで出会えるなんて運命を感じますね!」

あずさ「はい!」

律子「それで、どうなんですか?プロデューサーとは?」

あずさ「え?う~ん…」

あずさ(何て言ったら…実際は長い間過ごしてはいないわ)

あずさ(けど、今の気持ちをそのまま伝えるとすると…)

あずさ「…とても、素敵な日々を過ごしています」

あずさ「常に最高の、そして最愛のパートナーが傍にいること。これほど幸せなことはありません」

律子「おお・・・、お熱いですね~」

あずさ「でもプロデューサーさんと一緒にいることを引きかえに、アイドルができなくなって…」

あずさ「それでみんなと離ればなれになってしまって…」

あずさ「律子さんや伊織ちゃん、みんなと一緒にいる機会が減って…」

あずさ「そんな寂しい感情も何度か芽生えました」

律子「・・・」

あずさ「けど、これは新たなスタートだと思っています」

あずさ「三浦あずさのアイドルライフはもう既にゴールしています」

あずさ「今度はあの人と一緒の人生を歩むこと、これを新たな目標としています」

あずさ「それに、寂しさが出てきたら…埋めればいいんです」

あずさ「こうしてたまにですけど律子さんにも会えましたし!」

あずさ「みんなとの距離なんてちょっと離れただけです!会おうと思えばきっといつでも会えますから!」

あずさ「それになによりあの人がいますから…」

律子「そうですか。それがあずささんの答えですか」

律子「あずささんの想い、ちゃんと伝わりましたよ!」

あずさ「律子さん…」

律子「でもいい答えでしたけど会おうとするんでしたら私に連絡してくださいよ。迎えにきますから」

あずさ「ええ」

律子「それじゃあ亀すくい、一緒にしましょうか」

あずさ「はい!」

あずさ「プロデューサーさん!」

P「あ、戻ってきた」

あずさ「亀、とりましたよ!二匹も」

P「よかったじゃないですか!上手ですね!」

あずさ「実は律子さんが3匹とったので一匹渡してくれたんです」

P「律子が?この縁日に?」

あずさ「はい」

P「それで律子はどこに?」

あずさ「既に別のところへ行きました」

P「俺に会わずにか?」

P「あいつ…。少しくらい俺と会ってもいいじゃないか。仲間だったのにさ…」ブツブツ

P「最後に会ったのずっと前だし俺の仕事する場所が変わったせいで会う機会もなくなったし…」ブツブツ

あずさ「…」

律子(まあ本日の主役はあずささんなので、部外者の私はこれにて失礼します)

律子(夫婦水入らずで楽しんでいってくださいね♪)

あずさ(ありがとう、律子さん・・・)

P「まあ律子のことはいいか、もう暗くなってきた。そろそろ始まるしな」

あずさ「そろそろ?」

P「花火大会ですよ、本日のメインイベントです」

あずさ「あ、そんなことを言ってましたね」

P「それじゃあ行きましょうか、いい場所がなくなる前に行かないと後悔しますので」

あずさ「はい!」

数時間後

ワイワイガヤガヤ

あずさ「大分人が込んできましたね」

P「早めにきてよかった。でないとここが取られていた」

P「ここは五本の指に並ぶほどの絶景の花火スポットなので」

あずさ「そうなんですか」

P「さて、そろそろ時間かな?」

あずさ「楽しみですね~」

P「ええ」

P「よし、時間だ」

ヒュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ…

P「来た!」

ドオオオオオオオオオオオオオオン

あずさ「うわぁ…!」

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!!

あずさ「綺麗なハートの花火がたくさん!」

P「これが今回の花火のテーマですから」

P「テーマは、『無数の愛』」

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!!

あずさ「素敵…」

P「さすが、日本三大花火大会の一つだ。迫力満点。この日を待ち望んだ甲斐があった」

あずさ「とっても綺麗…」

P「ええ…とっても綺麗ですね」

P「だけど、少し妬みますね」

あずさ「えっ?」

P「この花火は、俺の熱い眼差しにも気付かないくらいあずささんを夢中にさせますから」キリッ

あずさ「・・・」

P「・・・どうかしましたか?」

あずさ「それ、誰から教えてもらったんですか?」

P「えっ?」

あずさ「あなたが考えた言葉にしてはとても恥ずかしいです…」

P「は、恥ずかしい…ですか…」

あずさ「はい、恥ずかしいです」

P「うっ…」

ドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

P「そうですか…北斗から教わったのにな…」

P「こういえば女性は喜ぶと聞いたのに…」

あずさ「あれは彼にぴったりな言葉であってあなたに合った言葉ではありません」

あずさ「私が聞きたいのは、あなたらしさの言葉です」

P「俺らしい?」

あずさ「はい。私に伝えてください、あなたの私に対する想いを…」

P「俺に…だけど俺の言葉なんてガキっぽさ満載ですよ。だから北斗から教わって…」

あずさ「構いません、あなたの言葉を聞かせてください」

あずさ「大丈夫です、笑ったりはしませんから」

P「…それじゃあ言いますよ」

あずさ「ええ」

P「あずさ…俺ーーーーー」ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

あずさ「え?今なんて?」

P「だからーーーーー」ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

あずさ「聞こえません!もういちど!」

P「ーーーーーーーーー!」ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

あずさ「ちょっと!あなた!」

あずさ「もう、花火の音が邪魔で何て言っているのか…」

あずさ「ちょっと!あなた!」

あずさ「もう、花火の音が邪魔で何て言っているのかわからないわ…」

P「ーーーーーーーーん!」

あずさ「…え?」

P「ーーきてーーー!ーーーーーん!!」

あずさ「あなた、何て言ってるの?」



P「起きてください!あずささん!」



あずさ「はっ!」ガバッ!

P「大丈夫ですか?」

あずさ「あれ?私って?」

P「やっぱ飲みすぎでしたか?はい、ウコンです」

あずさ「ど、どうも…」

あずさ(夢?あれ全部?)

P「ふぅ…、一人じゃくたびれるな。かと言って音無さん呼んだらもっとひどいことになりそうだしな」

あずさ「あの~、プロデューサーさん」

P「何ですか?」

あずさ「さっきまで私たち、花火を見ませんでしたか?」

P「花火?いや、ずっと居酒屋で飲んでましたよ」

P「夢でも見てたんじゃないですか?」

あずさ「夢…」

あずさ「そうよね、あれは確かに全部夢…」

あずさ「にしては現実みたいな夢だったわ…」

店長「花火といえば後3年したらついにここでも大花火大会が開かれるんだ!」

あずさ「え?」

P「それ本当ですか店長!」

店長「ああ!まだ計画は始まったばかりだがいずれここも日本三大花火大会の一つとして選ばれるかもな!屋台とかも出して大きな縁日もやる予定だ」

P「もしそうだったらここも大きく賑わいますね!」

店長「だな!」

あずさ(花火…縁日…あの夢と同じ?)

あずさ(それじゃあ、あれはもしかして…)

P「どうかしたんですかあずささん、ぼんやりして?」

あずさ「え!ううん、何でもないです」

P「?」

あずさ「…ねぇ、プロデューサーさん」

P「何ですか?」

あずさ「もしも、私が何らかの事情でアイドルをやめて、誰かと結婚をしたらどう思いますか?」

P「どうしたんですか突然、まさか…!」

あずさ「いいえ!まだ相手がいるというわけじゃないですよ!聞いてみただけです!」

P「そうですか。ちょっとびっくりしました」

P「それで、もしもアイドルをやめたらですか?う~ん…」

あずさ「…」

P「別に何とも思わないといえば嘘になりますが、だからといって俺はあずささんを止める権限はありませんし」

P「何よりそれがあずささんの目標ですから」

あずさ「止めてはくれないんですか?」

P「自分の運命は自分で切り開くものです。俺はただアシストするだけですよ」

P「…何だか俺の言い分って雛の巣立ちを助ける親鳥みたいですね」

あずさ「つまり私が雛ですか?」

P「ははっ!そうなりますね」

あずさ「・・・」

あずさ「それじゃあ、もしもですよ?」

P「え?」

あずさ「…もしもその結婚相手があなただったら?」ボソッ

P「なっ!?」ドキッ!

あずさ「…///」

P「…///」

P「あっ…えっと…、その…」モジモジ

P「あの…そんないきなり言われても…」

あずさ「どうなんですか?プロデューサーさん?」

P「…店長!お会計お願いします!」

店長「あいよ!」

あずさ「もう!逃げないでくださいよ~プロデューサーさん!」

あずさ「それで、どうなんですかプロデューサーさん~」

P「ちょっとしつこいですよ!まだ酔いが回ってるんじゃないですか!?」

あずさ「そんなことないですよ~」

P「もう!俺をからかわないでください!」

P「そんなことしたら俺、ファンの人たちに殺されますから!」

あずさ「ふふっ♪」

あずさ(もし、あの夢が私たちの未来の姿だとしたら)

あずさ(きっとその過程に辛いこと、苦しいことが起こるかもしれない)

あずさ(だけど、たとえどんなに苦しいことが起きようと)

あずさ(私は…いえ、私たちは前に進み続けます)

あずさ(あの夢の中で聞きそびれた言葉を再び聞けるように、そしてその後…ずっと共にいられるように)

あずさ(だから、これからもよろしくお願いしますね…あなた♪)

数年後

P「あずさ…俺ーーーーー」ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

あずさ「え?今なんて?」

P「だからーーーーー」ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

あずさ「聞こえません!もういちど!」

P「ーーーーーーーーー!」ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

あずさ「ちょっと!あなた!」

あずさ「もう、花火の音が邪魔で何て言っているのか…」

P「だから…!」

P「俺の傍にずっと一緒にいてくれえええええええ!!!!!あずさあああああああああああ!!!!!」

あずさ「…」

ざわざわ…  ざわざわ…

P「…あれ?」

あずさ「…はぁ、何年も待ってやっと聞けた言葉がこれなんですね」

あずさ「ストレートすぎて逆に拍子抜けしちゃいました」

P「だ、だからさっきも言ったじゃないですか…。俺の言葉なんてガキっぽいから…あと、何年って?」

あずさ「確かに1年前のプロポーズよりはちょっとよくなっていましたけどね」

P「うっ…」

あずさ「でも、そのストレートでシンプルな想い、ちゃんと胸に響きましたよ」

P「えっ?」

ちゅっ

P「!?」///

あずさ「お望み通り、一緒にいましょうね♪あなた」///

あずさ「私の新しくできた目標のために、永遠に…」

終わり

なんとか間に合って良かった

あずささんお誕生日おめでとう!

ライブ行けなかったけどおめでとう!ライブ行けなかったけど!

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