少女「抱っこしてください」男「できないなあ」(10)

少女「何故です?」

男「見ればわかるだろう?肩から先が無いからさ」

男「手が無くては抱っこはできないね」

少女「……さっき私を撫で回した手は」

男「誰か知らない人の手じゃないかなぁ」

少女「………………そうですか」

男「?」

少女「私は目が見えないので、男さんの手がないことを確認できません」

男「……」

少女「これでいいですか?」

男「なかなかだね」

男「僕は目が見えるんだけど、少女の目は普通に開いてるなあ」

少女「開いてるだけです、真っ暗です」

男「…………」ジー

少女「…………」

男「…………」ジー

少女「…………」プイッ

男「…目を逸らしたね」

少女「ただ逸らしただけです、照れたわけではありません」

男「強情だなあ」

少女「抱っこしてほしいだけです!」

男「抱っこなんて少女のお母さんにでもやってもらいなよ」

少女「男さんがいいです!」

男「困った子だなあ」

少女「露骨に嫌な顔しないでください!」

男「……………ん?」

少女「?」

男「少女、なんで僕が嫌な顔だってわかるの?」

少女「え?なんでって……………あ」

男「まだまだ甘いなあ」

男「少女は目が見えてたんだね」

少女「くっ………」

少女「しかし私はしかとこの目に焼き付けました!」

男「なんだい」

少女「男さんには!腕があります!」

男「これ義手なんだ」

少女「……」

少女「………で、では腕の付け根を見せてください!!」

男「悪いね、関節を見られたくないから包帯をしてるんだ」

少女「…………」

少女「ぐ、う、うう、」

男「げ、やば」

少女「うわああああああああああああああん!!!!!!!!」

男「ちょ、やめて」

少女「抱っこ抱っこ抱っこおおおおおお!!!!!!!」


ガチャ

女「あ!!また少女泣かせてるの!?」

少女「おがあざーん……ヒック………おどーざんが抱っこじてぐれない……」

女「はいはい、困ったお父さんね」

少女「………グスッ」

女「お、と、こ?」

男「………」

男「い、いやー………ほら、僕、腕が無くてさー………あはは……」

女「………じゃあ、その腕はなに?」

男「ぎ、義手なんだよ!!精巧な!!関節には包帯巻いててね!!」

女「………ふーん、確かに確認できないわね」

男 (ほっ…)

女「じゃあ、痛いだろうけど無理やり取ってみましょうか」

男「え?」

少女「おりゃあ!!」ガシッ

男「ちょ、ちょっと待って」

女「義手だったら取れるもんねー…………取れるまでやるよ?」

男「ひっ…………だ、抱っこします!!しますから!!」

女「今更遅いっ!!!」ググッ

男「痛い痛い!!!ちょ待っていたたた!!!」

とある家族の休日でした
思いつきで書いたら6レスという短さ

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