仮面ライダー鎧武vs仮面ライダー剣 (340)

仮面ライダー鎧武×仮面ライダー剣のクロスssです

※このお話は鎧武45話の間に起きた出来事になります



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437214058



サガラ『よぅ、俺はDJサガラ!』


サガラ『オーバーロードの連中からは蛇なんて呼ばれもするが…』


サガラ『俺の正体はヘルヘイムの森の意思だ。』


サガラ『まあ俺の事はさておいて、戦いは最終局面を迎えた。』


サガラ『遂にオーバーロードの王ロシュオが倒された。』


サガラ『そしてロシュオが遺したこの世の王になれる黄金の果実。』

 
サガラ『この黄金の果実を廻って二人の男が雌雄を決する事になった。』


サガラ『一人は争いを好まず平和なる世界を望むアーマードライダー鎧武、葛葉紘汰。』


サガラ『もう一人はそんな葛葉紘汰とは正反対で常に力を求める男。
どこまでも己の信念をひたすら貫くアーマードライダーバロンこと駆紋戒斗。』


サガラ『この男たちは、
これまでの激しい戦いを勝ち残り黄金の果実を掴むに相応しいヤツらだ。』


サガラ『さて、この二人による最後の戦いがいよいよ始まるわけだが…』




サガラ『だが…まだダメだ。』


サガラ『こいつらにはまだひとつだけ足りないモノがある。』


サガラ『最後の戦いが始まる前に俺はその事をヤツらに教えなければならない。』


サガラ『これから始まる物語はある異世界が舞台となる。』


サガラ『ヤツらはそこで知る事になるだろう。』


サガラ『己に足りないモノを…』


サガラ『そしてこの戦いに必ず勝たねばならない理由を…!』



~廃墟~


紘汰「…」


紘汰「ここは…」


紘汰「どこなんだ…?」


紘汰「俺はこれまでの戦いで傷ついた身体を休めるために…
アジトで眠っていて…それなのに…どうしてこんな場所にいるんだよ?」


ここは無人の廃墟。

そんな場所で葛葉紘汰は唯一人、呆然と立っていた。

だがこの不可解な現象に戸惑っているのは紘汰だけではなかった。



戒斗「ここは…どう見ても沢芽市ではないな。」


戒斗「それにヘルヘイムの森でもない。」


戒斗「何故俺はこんな場所にいる…?」


紘汰がいる場所から少し離れた場所にいるのは駆紋戒斗。

彼もまた突然の事態に戸惑いを隠せなかった。



サガラ『よぅ、気がついたな!』


紘汰「アンタは…DJサガラ!またアンタの仕業か!?」


サガラ『まあな、これもお前たちのためさ。』


紘汰「俺たちの…ってどういう事だよ!?」


サガラ『これはお前たちにしてみたら要らぬお節介かもしれない。』


サガラ『だがお前たちはこの世界で起きた事を知らなければならない。』


サガラ『それがこれから黄金の果実を掴むであろうお前たちの義務だからだ。』


紘汰「ハァ…?アンタ一体何を言っているんだ?それでここはどこなんだよ?」


サガラ『そうだな、強いて言えばここは終わりの世界だな。』


紘汰「終わりの…世界…?」


サガラ『おっと、どうやらお話はここまでだ。さっさと戦う準備をしな!』


いきなり現れて紘汰に奇妙な助言を告げて去っていくサガラ。

だがそれと同時に何やら不穏な気配が紘汰に押し寄せてきた。




「 「シャァァァァァッ!」 」



紘汰「何だこいつら…白い虫の怪人…?インベスなのか!?」


「シャァァァッ!」


紘汰「チッ!どうやら問答無用ってか!」


紘汰「ならこっちだって!」


突如紘汰の目の前に現れたのは大量の白い虫の姿をした怪人たち。

紘汰は急いで戦極ドライバーを装着、オレンジロックシードを装填させた。



紘汰「変身ッ!!」



((ブォォォォ!ブォォォォ!ソイヤッ!!オレンジアームズ!花道・オンステージ!!))



鎧武「行くぜ!化物たち!ここからは俺のステージだ!!」


「シャッ!」


「シャシャッ!?」


鎧武「大橙一刀!ハァッ!!」


紘汰はアーマードライダー鎧武に変身。

そして迫り来る白い怪人たちを自らの武器で次々と斬り倒していった。



戒斗「ほぅ、どこかで戦いが始まっているようだな。」


戒斗「どこの誰が戦っているのかなんて…この世界の住人ではない俺には関係ない。」


戒斗「今の俺は一人だ。」


戒斗「湊燿子、ザック、俺は先の戦いで大切な者たちを失ってしまった。」


戒斗「今の俺の手元にはこんなモノしか残っていない。」


戒斗「だがそれでも俺は前に突き進むしかない。」


戒斗「そうする事がこの俺に出来るヤツらへの唯一の手向けだからな。」


戒斗の手に握られていたのは、

湊燿子が使っていたゲネシスドライバーとピーチエナジーロックシードだった。

先の戦いでザックは戒斗と決別、そして湊燿子は戒斗を庇って死んだ。

このベルトとロックシードはそんな彼女の唯一の遺品であった。



「ほぅ、これは珍しいベルトですね。」


戒斗「誰だ…!?」


そんな戒斗の前に突然一人の男が現れた。

一見人間に見えるがまるで不気味な気配を漂わせ只者ではない雰囲気を感じ取られていた。

この男の正体は…?



志村「申し遅れました。私は志村純一と言います。」


戒斗「志村…純一…?」


志村「はい、あなたは…どうやら普通の人間ではないようですね。」


志村「どうでしょうか。私たちの仲間になっていただけませんか?」


戒斗「仲間だと…どういう事だ?」


志村「そうですね、説明するのも少々面倒なのですがまずはあちらをご覧ください。」


戒斗の目の前に現れたのは志村純一と名乗る奇妙な青年であった。

そんな志村に仲間になれと誘われる戒斗。

そして戒斗が見た光景は…



「「うわぁぁぁぁぁッ!?」」


「「助けてぇぇぇぇッ!?」」


戒斗「これは…人間たちが襲われているのか!?」


志村「その通りです。
彼らは絶滅間近の人間たちです。
私たちの使命は生き残った人間たちを全て狩る事にあるのです!」


そこで戒斗が見た光景は…

大勢の人間たちが化物に襲われるという場面であった。

志村はその光景を喜々として眺めていた。



戒斗「人間を襲っているのはインベスなのか?」


志村「インベス?違いますよ、彼らはアンデッドです。」


戒斗「アンデッドだと…?」


志村「おや、アンデッドをご存知ないのですか?
アンデッドとはこの地球上に生息する様々な生物の始祖たる不死の生命体です。
その数は全部で53…いや…54体…
あ、失礼しました。10年前に一体増えたから55体が存在しています。」


戒斗「55体のアンデッド…」


志村「かつて1万年前に行われた、
53体のアンデッドによる自らの種の繁栄をかけて行われたバトルファイト。」


志村「その勝者であったフューマンアンデッドの子孫たち…」


志村「10年前まではこの地上で栄光を掴み取った種ですが、
今では細々とまるでゴキブリのように這いずり回っているだけとは哀れですねぇ。」


志村「所詮彼らは敗者。
10年前の戦いで勝者になれる機会があったはずなのにそれを手離したのですからね!
最早人間にこの地上で生きる資格はないのです!
この世界の人間は全て弱者!わかったら大人しく踏みにじられるてください!!」


襲われている人間たちに向かってそう語る志村。

だがこの光景を目の当たりにした戒斗は…



「「助けてぇぇぇぇぇっ!?」」


「「死にたくないよぉぉぉっ!?」」


戒斗「確かにヤツらは弱者だ。」


戒斗「キサマら化物の前ではただ踏みにじられるだけでしかないのだろう。」


志村「わかっていただけましたか!やはり私の目に狂いはなかった!
あなたからは私たちと同じ匂いがしますからね!
これからは共に害虫の如き人間たちを抹殺してきましょう!!」


自分の考えに賛同する戒斗に喜びを露にする志村。

だが、そうではなかった。



戒斗「誰がキサマらの仲間になどなるか!」


志村「え…?」


戒斗「確かに俺は弱者を許せん!
強い者に怯えて生きていくなど弱い考えだ!
だがなぁ…そんな弱者を踏みにじるだけのキサマらの仲間になるつもりなどない!!」


志村「弱者は許せないのに…私たちを拒絶する…?
失礼ですがあなたの言っている事は全て矛盾していますよ?
私にはあなたの考えが理解できません。」


戒斗「理解できなくて構わん。
どうせキサマらはこれから俺に倒されるのだからな!」


戒斗「変身ッ!」


((カモン!バナナアームズ!Knight of Spear♪))


バロン「キサマらはこのアーマードライダーバロンが倒す!!」


アーマードライダーバロンへ変身した戒斗。

目の前にいるアンデッドの大群を相手に戦いを挑んだ。

とりあえずここまで

最初に言っておきますが鎧武ライダーは紘汰さんと戒斗さん以外出ません
この時期(鎧武45話)だと鎧武ライダーで戦えるのは二人しか残っていませんから…


何で斬月やブラボー出さないの?

>>13
フューマンアンデットじゃなくてヒューマンアンデットじゃない?



((パインアームズ!粉砕デストロイ!))


鎧武パインアームズ「パインアイアン!アイアンブレイカー!」


((イチゴアームズ!シュシュッとスパーク!))


鎧武イチゴアームズ「イチゴクナイ!クナイバースト!」



「「ギ…ギャァァァァァァッ!?」」



ロックシードによるフォームチェンジで次々と怪人たちを倒し続ける鎧武。

そんな鎧武の前にアンデッドたちとは明らかに風格の違う者が現れた。



伊坂「あれだけいたアルビローチが全滅とは情けないな。
一応自己紹介をしておこう。俺の名は伊坂、こいつらアルビローチどものまとめ役だ。」


鎧武「伊坂だと…?
こんな化物を従わせているなんてお前は人間じゃないな!?」


伊坂「フンッ、素性の知れないお前に言われる筋合いはないな。
そもそもお前だって普通の人間ではないだろう。
感じるぞ、お前からは俺たちアンデッドと近い匂いがする!」


鎧武「ふざけんな!俺は人間だ!俺は人間…葛葉紘汰だ!!」


伊坂「それだけの力を持ちながら人間に拘るとは妙な男だ。
まあいい、我々に歯向かったんだ。それ相応の覚悟はしてもらうぞ!」


鎧武の前に現れた伊坂と名乗る男。

だが鎧武を見て伊坂はある事を呟いた。



伊坂「そういえばお前の姿…ひょっとして仮面ライダーか?」


鎧武「仮面ライダー?アーマードライダーじゃなくて仮面ライダーだって?」


伊坂「ふむ、どうやらお前は最新の仮面ライダーのようだな。
そうなると俺の力では手に負える相手じゃないか。こうなれば仕方がない。」


鎧武「そうだ降参しろ!そうすれば見逃してやる!」


伊坂「フンッ、勘違いするなよ小僧。
確かに俺の力では無理だ。
だが…同じライダーの力を使うとなれば話は別だ!!」


伊坂が取り出したのはベルトとカードだった。

そしてベルトを装着してケルベロスの絵が描かれたカードを装填する伊坂。



((Open Up))


グレイブ「仮面ライダーグレイブ!」


鎧武「仮面ライダー…グレイブ…?お前はこの世界のライダーなのか!?」


グレイブ「そうだ、かつてこの世界を守ろうとしたライダーは死に絶えた。
今は俺こそがこの世界の仮面ライダーだ!
さぁ、勝負を始めようか!!」


鎧武「くっ…!」



仮面ライダーグレイブへと変身した伊坂。

鎧武の無双セイバーとグレイブの醒剣グレイブラウザーが鍔迫り合い火花を散らす。

互いに剣を交える二人のライダー。

勝負の行方は…?



サーペントアンデッド「シャァァッ!」


エレファントアンデッド「ヌ゛ゥゥゥッ!」


バロンマンゴーアームズ「フンッ、アンデッドめ!
これでも喰らえ!マンゴパニッシャー!パニッシュマッシュ!!」


志村「ほぅ、意外とやりますね。」


同じ頃、バロンもサーペントアンデッドとエレファントアンデッドを相手に戦っていた。

二対一の不利な戦いであるが、

バナナアームズとマンゴーアームズの組み合わせによる戦法で互角の戦いを繰り広げた。



志村「二人とも、そろそろ本気を出しましょう。」


サーペントアンデッド「いいわ!」


エレファントアンデッド「バロンとやら、後悔するなよ!」


バロン「あいつら…ベルトを取り出しただと!?」


「 「変身ッ!」 」


ベルトとカードを取り出したアンデッドたち。

そして彼らが変身した姿がこれだ。



ラルク「仮面ライダーラルク!」


ランス「仮面ライダーランス!」


バロン「バカな…怪人がライダーに変身しただと!?」


ラルク「覚悟しなさい!」


ランス「ライダーを相手にたった一人で相手にできるものかー!」


バロン「舐めるな!ならばこれだ!」


二人の仮面ライダーに襲われるバロン。

だがバロンも負けるわけにはいかない。

ベルトを戦極ドライバーからゲネシスドライバーに交換。

そしてレモンエナジーアームズを装填させた。



((レモンエナジーアームズ!))


((ファイトパワー!ファイトパワー!))


((ファイファイファイファイファファファファファイト!))


バロンレモンエナジーアームズ「フンッ!戦いはまだまだこれからだ!」


ラルク「醒銃ラルクラウザー!」


ランス「醒杖ランスラウザー!」


志村「なるほど、先ほどのベルトに交換ですか。実に興味深い。」


対するバロンもバロンレモンエナジーアームズにフォームチェンジ。

新型のゲネシスドライバーの性能により戦いはバロン優勢となった。



((レモンエナジースパーキング!))


バロンレモンエナジーアームズ「喰らえ!キャバリエンド――――ッ!!」


ラルク&ランス「「うわぁぁぁぁぁっ!?」」


バロンレモンエナジーアームズ「弱いな、
所詮キサマらアンデッドなど人間を弱者と虐げるほどの強さなど持ってはいない!」


志村「やりますね、ですがこれはどうでしょうか。」


バロンレモンエナジーアームズの必殺キックに倒されるラルクとランス。

そんな二人に代わって今度は志村がバロンの相手をする事になる。

そして志村の腰に突然ハートの形をしたベルトが出現した。


志村「変身…!」


((CHANGE))


志村はハートエースのカードを自らのベルトに装填。

それは全身白い姿をしたある戦士であった。



アルビノカリス「ここからは私、仮面ライダーアルビノカリスが相手になりましょう。」


バロンレモンエナジーアームズ「アルビノ…?
なるほど、その名の通り全身気味が悪いくらい真っ白な姿をしているな。」


アルビノカリス「さぁ、始めましょう。醒弓カリスアロー!」


バロンレモンエナジーアームズ「こちらも全力で戦ってやろう!ソニックアロー!」


バロンレモンエナジーアームズvsアルビノカリス

二人の戦士は互いに同じ弓矢の武器を手に戦いを始めた。



鎧武「ハァッ!無双セイバー!」


グレイブ「醒剣グレイブラウザー!」


((ガキィィッ!))


鎧武「威力は互角か!」


グレイブ「フフ、お前もやるようだな!
だが所詮は人間、お前如きの力など俺には通用しない!」


鎧武「なら決めてやる!行くぜ!」


((オレンジスカッシュ!))


グレイブ「いいだろう、こちらも!」


((MIGHTY))


それぞれ必殺技の態勢に入る鎧武とグレイブ。

そして二人は互の必殺技を繰り出した。



鎧武「ナギナタ無双スライサ―――ッ!」


グレイブ「グラビティスラッシュ―――ッ!」



((バチィッ!))



鎧武「また…互角か!?」


グレイブ「面白い、こうなれば我慢比べだ!
この勝負、どちらか先に根を上げた方が負けになるな!」


鎧武とグレイブの必殺技が激突した。

双方の技の威力は互角、まさに一進一退の攻防戦。

だが…

この戦いに思わぬ異変が起きた。




((ドクンッ!))



鎧武「な…何だこれは…!?」


グレイブ「今がチャンスか!ハァァァッ!」


鎧武「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」


必殺技の競り合いで負けたのは鎧武の方だった。

グレイブの必殺技に倒れる鎧武。

だがそのダメージとは別に鎧武の身体を激しい激痛が襲った。



鎧武「うぅ…身体中が痛い…一体どうなってんだ…?」


グレイブ「どうやらそれは…今の俺の攻撃によるダメージだけではないみたいだな。」


グレイブ「なるほど、お前…今ちょうど境目にいるわけか。」


鎧武「境目…なんだよそれ?」


鎧武のこの状態を境目と下すグレイブ。

その理由は…



グレイブ「恐らく今のお前は人間と化物、その境目に位置している。」


グレイブ「だが身体は化物となりつつもお前の人間としての心がそれを拒んでいる。」


グレイブ「その全身を襲う激痛はそれに対する拒絶反応みたいなモノだろうな。」


鎧武「俺の身体が化物で…拒絶反応…ふざけんな!」


グレイブ「俺はお前の事情なんぞ知らんがどうやら人間を捨てきれないようだな。」


グレイブ「甘いな、それだけの力を手にしておきながら…
だが俺とて赤の他人のお前なんぞにこれ以上構うつもりもない。」


ローカストアンデッド「キシャァァッ!」


ディアーアンデッド「ウゥゥゥッ!」


ジャガーアンデッド「ガルゥゥゥッ!」


グレイブ「下級アンデッドたちよ、このライダーを始末しろ!」


部下のアンデッドたちに命じて鎧武を始末しようとするグレイブ。

そして同じ頃、バロンの方も…



バロンレモンエナジーアームズ「ハァァッ!」


アルビノカリス「フッ!武器の威力は互角ですか!さすがにお強いですね!」


バロンレモンエナジーアームズ「これ以上のパワーアップは出来まい!勝負あったな!」


アルビノカリス「残念ながらそうでもありませんよ!」


((EVOLUTION))


アルビノカリスはハートキングのカードを装填。

新たな姿となってバロンの前に立ちはだかった。



アルビノWカリス「これぞ私の新たな力!仮面ライダーアルビノワイルドカリスです!!」


バロンレモンエナジーアームズ「おのれ…まだそんな力が…」


アルビノWカリス「この姿になったからには遊びは終わりですよ。
さぁ、ここからが本番ですよ!喰らいなさい!醒鎌ワイルドスラッシャー!!」


((ザシュッ!))


バロンレモンエナジーアームズ「なんという早さだ…追いつけないだと!?」


アルビノWカリスの斬撃がバロンに容赦なく襲いかかった。

次々と斬撃を受けるバロン。

そして最後は…



((WILD))


アルビノWカリス「醒鎌ワイルドスラッシャー醒弓モード!ワイルドサイクロン!!」


バロンレモンエナジーアームズ「ソニックアロー!ソニックボレー!」


アルビノWカリス「無駄ですよ!
ハートスートのアンデッド13体の力を使っているこの私に、
人間の技術などで太刀打ちできるはずがない!!」


バロンレモンエナジーアームズ「う…ぐぐ…ぐわぁぁぁぁ!?」


アルビノWカリスの放った必殺技ワイルドサイクロン一撃の前に倒れ伏すバロン。

それと同時に変身まで解けてしまった。



戒斗「う…うぅ…なんて力だ…」


志村「あなたも人間にしては健闘した方ですよ。
かつて私が敵対した人間どもの味方だった仮面ライダーと同等の強さでした。」


戒斗「お世辞なんてどうでもいい…やるなら早くやれ!」


志村「とんでもない、あなたを始末する事なんて出来ませんよ。そう、化物の同類をねぇ。」


戒斗「この俺が…化物だと…?」


志村「私が興味あるのはこんな玩具のベルトではありません。
あなたの内に宿る我々と同類の人外の力を知りたいからですよ!」


吹っ飛ばされたゲネシスドライバーを拾いながら戒斗に詰め寄る志村。

志村の目的は戒斗に宿るあの力にあった。



戒斗「残念だったな、この力は俺自身まだ完全に制御できん。
自由に扱えていたら今頃キサマなんかとっくにあの世行きだったはずだ!」


志村「なるほど、どうやらその力を手にしてからまだ日が浅いようですね。
力を制御できないのはその所為によるものですか。
こうなれば少しあなたを刺激してみましょう。」


((ドシュッ!))


戒斗「ぐ…が…あぁぁ!?」


傷ついた戒斗の傷口を抉り痛めつける志村。

だがそれでも戒斗は屈する事はしなかった。



戒斗「フンッ!この程度の痛みに屈するものか!」


志村「それは残念、ではやり方を変えてこういうのはどうでしょうか?」


戒斗「それは…ゲネシスドライバー!おいキサマ!何をする気だ!?」


志村「あなたを肉体的に痛めつけるのは無理なら…心で痛めつけようかと…それ!」


((グシャッ!))


戒斗の目の前でゲネシスドライバーを踏み潰す志村。

今となっては湊燿子の唯一の遺品であるゲネシスドライバーを失った戒斗。

それは凄まじい怒りとなった。



戒斗「キサマァッ…!」


志村「いいですねぇ!その力ですよ!さぁ、存分に解放しなさい!」


戒斗「うぉぉぉぉぉぉっ!!」


((ズォォォォッ!))


身体中からドス黒いオーラを発する戒斗。

志村の思惑通り、戒斗は怒りに駆られて真の力を発揮しようとしていた。

なるほど、ゲネシスドライバー46話でも使ってなかったし、矛盾してないな。




DJサガラの思惑で異世界に飛ばされた紘汰と戒斗。



二人を襲うアンデッドたち。



だがそんな紘汰と戒斗の危機に救いの手が差し伸べられた。



それは…




「待てアンデッド!彼を殺させはしない!」


グレイブ「お前は…まさか!?」


鎧武「だ…誰だ…?」


トドメを刺される寸前の鎧武。

だがそんな時、青いバイクに乗った一人の青年が現れた。

青年はバイクから降りてヘルメットを外すと鎧武たちの前にその素顔を明かした。



剣崎「久しぶりだな伊坂!」


グレイブ「お前は剣崎一真!バカな…お前は死んだはずではなかったのか!?」


剣崎「俺は死なない!俺は…不死身だからな!」


鎧武「剣崎…一真?あいつもひょっとして…」


剣崎「そうさ、俺もキミと同じ仮面ライダーだ!変身ッ!!」


((Turn Up))


ブレイバックルにカードを装填させ変身した剣崎。

次の瞬間、鎧武の目の前に仮面の戦士が現れた。

それは鎧武と同じく青い仮面の戦士、その名は…



ブレイド「俺はブレイド、仮面ライダーブレイドだ!!」


鎧武「仮面ライダー…ブレイド…あの人も俺たちと同じライダーなのか…!?」


グレイブ「チッ、アンデッドたち!ヤツを倒せ!」


「「ガァァァァッ!」」


ブレイド「お前たち邪魔だ!」


鎧武の前に現れた仮面ライダーブレイド。

そしてターゲットを鎧武からブレイドに変更するアンデッドたち。

そんなアンデッドたちを前にブレイドはラウズカードを取り出して応戦する。



((SLASH))


ブレイド「リザードスラッシュ!ウェァッ!」


「「ギャァァァァッ!?」」


鎧武「スゲェ…三体の怪人たちをひと振りで倒した…!」


グレイブ「おのれ…ブレイド…!?」


ブレイド「伊坂!次はお前だ!」


鎧武「あのライダーは次で決める気だな!それなら俺だって!」


倒したアンデッドたちをカードに封じたブレイド。

そして封じたばかりのカードで必殺技を発動させようとする。

それに鎧武も再び立ち上がりブレイドと一緒に必殺技を繰り出そうとした。



((KICK))


((THUNDER))


((MACH))


[ライトニングソニック]


ブレイド「ウェ――――――イッ!!」


((オレンジスカッシュ!))


鎧武「無頼キック!セイハ―――――ッ!!」


グレイブ「そんな…ぐわぁぁぁぁぁっ!?」


鎧武とブレイド、二人のライダーによるライダーキックがグレイブに命中。

そして変身が解けた伊坂はその場に倒れた。



紘汰「ハァ…ハァ…助かった。」


剣崎「キミ、大丈夫だったか?」


紘汰「ありがとう、おかげで助かったよ。え~と…」


剣崎「あ、自己紹介がまだだったな。
俺は剣崎一真、またの名を仮面ライダーブレイドだ。」


紘汰「俺は葛葉紘汰、俺もアンタと同じライダーなんだ。」


異世界で出会った葛葉紘汰と剣崎一真。

そして同じ頃、もうひとつの出会いがあった。



戒斗「言ったはずだ…俺は…キサマになんぞ屈したりはしない!」


志村「まだ拒みますか、こうなれば仕方ありません。
惜しいですが仲間にできないならあなたを始末するまでです。
ホエールアンデッド、ファイアフライアンデッド、ゼブラアンデッド、
この男を始末しなさい!」


ホエールアンデッド「ウゥゥッ!」


ファイアフライアンデッド「シャァァッ!」


ゼブラアンデッド「ガァァッ!」


戒斗「おのれ…俺はこんな事では死なん…!」


怒りに駆られそうになる戒斗であったが、

その強靭な精神力で志村の思惑に乗せられず辛うじてその怒りを抑える事ができた。

しかしそんな戒斗に三体のアンデッドたちが現れた。

意地でも立ち上がろうとする戒斗。

だが志村に負わされたダメージは深刻であった。

そんな深手の戒斗にアンデッドたちが襲いかかってきた。




「待てー!」



戒斗「今度は…誰だ…?」


橘「俺は橘朔也!大丈夫、キミの味方だ!」


志村「橘さん…なるほど、やはり生きていたのですね。」


橘「志村、俺はそう簡単には死ねない!行くぞ!変身ッ!!」


((Turn Up))


戒斗のピンチに駆けつけたのは橘朔也と名乗る青年であった。

そして橘はダイヤの紋章が刻まれたギャレンバックルを取り出して変身した。



ギャレン「俺は仮面ライダーギャレン!行くぞ!」


((BULLET))


((ダンッ!)) ((ダンッ!)) ((ダンッ!))


「「ギャァァァァッ!?」」


戒斗「オォッ!銃の連射で的確にあの化物を撃ち抜いたぞ!」


志村「さすがは橘さん、ですがまだこちらにも手駒はいますよ。」


ランス「ハァッ!」


ラルク「シャァッ!」


ギャレン「ランスとラルク…中身はカテゴリーJとQか。ならば!」


ギャレンは先ほど封じたアンデッドたちのラウズカードを醒銃ギャレンラウザーへ装填。

必殺技を発動させた。

いざという時にしか頼りにならない人だ!



((DROP))


((FIRE))


((GEMINI))


[バーニングディバイド]


ギャレン「ハァァァァァッ!!」


ラルク&ランス「「ウギャァァァァァッ!?」」


ギャレンの必殺技であるバーニングディバイドが敵ライダーに命中。

敵のライダーシステムは破壊され本体であるアンデッドたちもカードへと封印された。

>>62
つまり今は頼りになるということだな!



志村「さすがですねチーフ。ですが、僕にはリモートのカードがあります。ハッ!」


((REMOTE))


エレファントアンデッド「ガァァッ!」


戒斗「なっ…カードに封じた化物が復活した!?」


ギャレン「くっ…カテゴリーJが…
志村ァッ!よくも生き残った人々を襲ったな!お前たちの所為でみんなが…!?」


志村「それが僕の使命ですから。
あ、その銃で僕を撃つんですね!どうぞ撃ってください!
ですが、それでどうなるか…あなたになら理解できると思いますが…?」


ギャレン「クソッ!?」


ギャレンの前で不用意に近づき、まるで撃ってくれという態度を取る志村。

だがギャレンは銃口を向けつつもそんな志村を撃つ事ができなかった。

え……もしかしてこれはかなり詰んでる状況なのか……?



橘「来い!急いで引くぞ!」


戒斗「ふざけるな!ヤツをまだ倒していないんだぞ…!?」


橘「いいから言う事を聞け!早く!」


戒斗「チィッ…!」


変身を解除した橘は傷ついた戒斗を連れて急いでその場から立ち去った。

残った志村は戒斗が落としたある物を拾っていた。



志村「これは…果物?」


志村「どうやらこの実は生物に突然変異をもたらすモノみたいですね。」


志村「まあいいでしょう。
橘さん、それに異世界からの妙な訪問者さん。今は逃がしてあげますよ。
ですがそれも僅かな一時だけ、この世界はもうじき終わりを告げるのですからね。」


志村「ハハハハハハハハハハハハ!!」


ヘルヘイムの実を手にしながら高笑いを上げる志村。

彼の意図は一体…?



伊坂「ハァ…ハァ…剣崎…これだけの力がありながらお前は何故…」


紘汰「こいつ…まだくたばってなかったのか!」


剣崎「伊坂、もうやめろ。もう戦いは終わった。」


伊坂「戦いは終わっただと…?ふざけるな!
戦いを勝手に終わらせたのはお前だぞ!剣崎一真!!
お前たち仮面ライダーの所為でこの世界は荒れ果ててしまったのだ!?」


紘汰「この世界が荒れ果てたのは剣崎さんの所為…?どういう事だ!?」


この世界が荒れ果てたのは剣崎の所為だと言い張る伊坂。

その事に疑問を抱く紘汰だが伊坂はそんな紘汰に構わず剣崎を責め続けた。



伊坂「あの時…お前が…
戦う事を放棄しなければ…少なくともこんな世界になる事はなかった!」


伊坂「何故…こんな世界にした…」


伊坂「お前が…お前さえいなければ…俺とてこんな世界を望んではいなかったのに…」


剣崎「伊坂…すまない。
俺だってこんな世界をもうすぐ終わらせようと思っているよ。
だから、今は眠ってくれ。」


剣崎に対して恨み言を呟きながらカードに封印される伊坂。

そんな剣崎を見つめる紘汰。

だが伊坂が封じられたカードを見つめる剣崎の眼差しはまるで生気が感じられなかった…

ここまで

また書き溜めてからageます

>>18-20
言われている通りこれは鎧武45話の間に起きたお話です
なので鎧武側はまともに戦えるのは鎧武とバロンしかいません
だからこの二人しか出せないんです…

>>21
あ、本当ですね間違えていた

>>48
まあssなので話半分で解釈してください

>>62>>64
橘さんへの風評被害…

もしかしてのんのん×ライダークロスの人ですか?



~人類基盤史研究所BOARD跡地~


剣崎「着いたぞ、ここだ。」


紘汰「剣崎さん、ここはどこなんだ?」


剣崎「ここはかつての人類基盤史研究所、またの名をBOARD。
俺たちのライダーシステムを開発した研究所、その廃墟さ。
でも今は生き残った人間たちが集まっている場所なんだ。」


剣崎に案内された紘汰。

そこはかつて人類基盤史研究所BOARD跡地であった。

だがそのBOARD跡地から二人の男たちの怒鳴り声が聞こえてきた。



戒斗「キサマ!さっきのはどういう事だ!」


橘「落ち着け、お前は一体何に怒っているんだ?」


虎太郎「二人とも喧嘩はやめて!」


広瀬「そうよ!人間同士で戦ってどうすんのよ!」


紘汰「戒斗!お前…こんなところで何してんだよ!?」


なんとそこでは先ほど橘に救われたはずの戒斗が彼と口論していた。

それにそんな二人を諌める広瀬栞と白井虎太郎の姿もあった。



戒斗「葛葉、やはりキサマもこの世界に来ていたか。
こうして異世界でも一緒になるとはどうやらキサマとは妙な腐れ縁があるみたいだな。」


紘汰「そんな事よりもだ!
何で助けてくれた人に掴みかかるんだよ!
お前を助けてくれたこの橘さんが何かしたってのか!?」


戒斗「確かに助けてくれた事には一応感謝しよう。
だがそれよりも先ほどの戦い、何故キサマは志村に銃を向けながら撃たなかった?
あの状況ならダメージを負わす事だって出来たはず!一体何故だ!」


剣崎「橘さん、志村と会ったんですか?」


橘「あぁ、ヤツは相川始のカードを使って人々を襲っていたんだ。」


剣崎「あいつ…始の力をそんな事に悪用するなんて!」


紘汰「始…?」


なにやら込み入った事情を抱く剣崎たち。

そんな剣崎に紘汰は先ほどの事について説明を求めた。



紘汰「なぁ、剣崎さん。アンデッドって一体何なんだ?」


虎太郎「ちょっと待って!キミたちアンデッドを知らないの!?」


戒斗「俺たちはこことは異なる世界から来た。事情を知らなくて当然だろ。」


広瀬「異世界から来たですって?怪しすぎるわ!」


橘「いや、彼の言う事を信じよう。」


広瀬「そんな…どうしてよ!怪しすぎるわ!志村みたくアンデッドたちのスパイかも!」


橘「いや、そんな事はないだろう。
もうヤツはこの世界において目的の殆どを果たしている。
今更スパイを送り込もうだなんて企む必要もないだろう。」


虎太郎「じゃあ…キミたちは異世界から来たライダー?スゴイ!スゴすぎるよ!!」


紘汰「こんな簡単に信じてくれるなんて…ちょっと意外だな…」


剣崎「橘さんはああ見えて人を信用しやすいからな。」


自分たちがこの世界にやってきた事情を剣崎たちに説明する紘汰。

それから剣崎たちもまたこの世界についての事情を明かした。

だがそれは常識を疑うモノであった。



橘「それでは説明しよう。全ての始まりは1万年前に行われたバトルファイトにあった。」


紘汰「バトルファイト…?」


広瀬「53体のアンデッドと呼ばれる生命体が、
1万年前にそれぞれの種族の繁栄を賭けて争いを繰り広げたの。
勝者にはその種族を繁栄させるというご褒美付きでね。」


橘「そしてバトルファイトに勝ち残った勝者が、
俺たち人間の祖先であるヒューマンアンデッドだった。
ヒューマンアンデッドの勝利により俺たち人間はこうして文明社会を築けた。」


広瀬「そしてアンデッドたちは全てラウズカードに封じられたの。」


虎太郎「だが今から10年前にその封印が解かれたんだ。」


剣崎「10年前、俺と橘さんは仮面ライダーとなってアンデッドたちと戦ったんだ。」


戒斗「なるほど、1万年前に封じられたアンデッドとやらが蘇ったからこうなったわけか。」


紘汰「それで…その戦いはどうなったんだ?」


剣崎「…」


紘汰からの問いに剣崎は急に険しい表情になった。

そんな剣崎に代わって橘が紘汰の質問に答えた。



橘「俺たちは順調にアンデッドを封じていった。
だがアンデッドを封じていた者が俺たちBOARDの仮面ライダー以外にもいたんだ。」


虎太郎「それは相川始という男だった。けど彼の正体は…」


剣崎「始の正体は…ジョーカーだったんだ…」


紘汰「ジョーカー…?」


橘「ジョーカーは他のアンデッドとは異なりいかなる生物の始祖でもない存在だ。
ジョーカーがバトルファイトに勝ち残った場合、全てがリセットされてしまうんだ。」


戒斗「リセットとはどういう事だ?」


剣崎「ジョーカーの意志とは関係なく、地球上にいるあらゆる生物が全滅する。」


紘汰「そんな…!?」


ジョーカーの存在を知らされる紘汰たち。

そしてこの状況がようやく理解できた。



戒斗「フン、つまりこの状況はジョーカーとやらがバトルファイトに勝ち残った所為か。」


紘汰「そのジョーカーの所為でこの世界がメチャクチャに!」


剣崎「いや、こうなったのは始の所為なんかじゃない。」


橘「原因は別にあるんだ。」


紘汰「別にあるって一体何があったんだ?」


広瀬「話を続けるわ。
私たちはある方法でジョーカーを封印せずに戦いを終わらせる事ができたの。」


虎太郎「そして束の間の平和が訪れた。」


橘「それから、アンデッドたちとの戦いから4年後の事だった。」


広瀬「橘さんは、
ライダーシステムの開発者である烏丸所長と一緒にラウズカードを封印しようとしたの。」


虎太郎「けどそこにあいつが現れたんだ。」


アンデッド事件から4年後、橘たちはラウズカードを封印しようとした。

だが…



橘「突然、ジョーカーがもう一体現れたんだ。」


紘汰「なんだって!?」


広瀬「そいつの名はアルビノジョーカー。54体目のアンデッドだったわ。
アルビノジョーカーは烏丸所長を殺害して大半のアンデッドの封印を解いてしまったの。」


橘「俺たちBOARDの仮面ライダーはアンデッドを封じたラウズカードを用いて戦う。
だが大半のアンデッドがその封印を解かれた所為で戦えなくなってしまった。」


虎太郎「そこで橘さんは新世代の仮面ライダーたちを生み出したんだ。」


橘「このBOARDの研究員だった志村純一。
それに志村がスカウトした三輪夏美、禍木慎の三人のメンバーだった。
彼らは俺が開発した仮面ライダーグレイブ、ランス、ラルクに変身して戦った。」


戒斗「志村…だと!?」


志村の名が出てきた事に驚く戒斗。

だが橘はそんな戒斗に構う事なく話を続けた。



橘「新世代ライダーたちは、
その圧倒的な実力とチームワークで次々とアンデッドを封じていた。」


虎太郎「それにかつてのライダーにも協力してもらってね。」


広瀬「けど、殆どのアンデッドを倒した直後だったわ。ある異変が起きたの。」


紘汰「異変って…?」


橘「志村がその本性を露にしたんだ。」


戒斗「…!」


そして橘の口から志村の恐るべき正体が告げられた。



橘「ヤツこそがもう一体のジョーカーであるアルビノジョーカーだった。」


虎太郎「その事に気づいた時…もう手遅れだった。」


虎太郎「最初に気づいたのは他の新世代ライダーの二人だった。
彼らは僕たちに志村の正体を教えてくれたんだけどそれと引き換えに命を落とした…」


剣崎「そして…次にやられたのが始だった…」


紘汰「え…それじゃあ!?」


橘「そうだ、ジョーカーこと相川始は志村によって封印されてしまった。」


剣崎「その事を俺が知ったのは全てが終わった後だった。
俺はある事情でみんなと離れていたから…まさかそれが仇になるなんて…」


紘汰「そんな…」


戒斗「…」


かつてこの世界で起きた事情を聞き、驚く紘汰たち。

だが戒斗は今の話にいくつかの疑問を感じていた。



戒斗「54体とはどういう事だ?」


虎太郎「え…?」


戒斗「志村は俺にこう言っていた。
アンデッドは10年前に一体増えて55体に増えたとな。
55体目のアンデッドはどこにいる?」


橘「それは…」


戒斗「それにもうひとつ気になる事がある。
先ほどの10年前の戦い、
バトルファイトでキサマらはジョーカーと戦いにもせずにどうやって戦いを終わらせた?」


虎太郎「あ…だから…それは…」


戒斗「アンデッドどものバトルファイトとやらは種族の繁栄を促すモノなのだろう。
そんな大事な戦いを何事もなく簡単に終わらせるはずがない。
答えろ!キサマらはどうやって戦いを終わらせた!?」


戒斗の問いに橘、虎太郎、広瀬の三人は苦い表情を浮かべた。

そんな三人に代わって剣崎がその問いに答えた。

だがそれはあまりにも衝撃的な答えであった。



剣崎「俺だ…」


剣崎「俺が…そうなんだ…」


剣崎「俺が55体目のアンデッドなんだ。」


紘汰「そ…そんな…剣崎さんがアンデッド!?」


戒斗「どういう事か説明してもらおうか。」


剣崎「10年前、俺は仲間である始を封印せずに戦いを終わらせる方法を考えていた。
そこでふと思ったんだ。
俺自身がジョーカーとなれば、
始は封印されなくてもこの世界で生きていけるんじゃないかって…」


橘「剣崎の読みは当たった。
10年前、大量に出現したダークローチどもによって世界が滅ぶ寸前になったが、
剣崎がジョーカーと化した事で世界は救われて一時の平和が戻ったんだ。」


紘汰「ま…待ってくれ!
剣崎さんがジョーカーになる事で何で世界が救われたんだ?」


戒斗「まったく、キサマは相変わらずニブいな。
つまりはこういう事だ。本来ジョーカーが勝ち残る事で世界はリセットされてしまう。
だが剣崎一真がジョーカーとなれば話は別だ。
剣崎がジョーカーとなった事でアンデッドは二体になる。
この時点でバトルファイトとやらが再開される。
それによって世界の滅びは回避された。そういう事だな。」


橘「あぁ、概ねお前の言った通りだ。」


剣崎の説明でようやくこの世界の事情を理解できた紘汰。

だが、最後にまだひとつだけ疑問があった。



紘汰「でも待ってくれよ!
そうなると…志村…そのアルビノジョーカーってのはどうなるんだ?」


虎太郎「問題はそこなんだ…」


橘「ヤツは卑怯にもそこに漬け込んだんだ。」


戒斗「なるほど、そういう事か。」


紘汰「え…?一体どういう事だよ!?」


ジョーカーと化した剣崎、それにアルビノジョーカーである志村。

二人のジョーカーこそがこの世界が荒れ果てた原因であった。



剣崎「もしも俺が封印された場合、
その時点でアンデッドは志村だけとなり世界はリセットされてしまう。」


橘「だが逆に俺たちが志村を倒した場合、
アンデッドは剣崎だけとなりそれでも世界はリセットされてしまう。」


虎太郎「つまり僕たちは志村を倒す事が出来ないんだ。」


広瀬「だから…この世界は荒れ果ててしまったのよ…」


紘汰「そんな…何だよそれ!?」


戒斗「フン、ろくでもない話だな。」


この世界の異変について知らされた紘汰と戒斗。

異世界の事ながらどうしようもないこの現状に思わず目を背けたくなるほどであった。



紘汰「他に方法はないのか!たとえば他のアンデッドを復活させて協力してもらうとか!」


橘「無理だ、アンデッドの封印を解くにはリモートのカードが必要だ。
それに今、封印を解かれているアンデッドたちは俺たちと敵対するアンデッドたちだ。
恐らく志村もそれを計算してアンデッドの封印を解いたのだろう。」


戒斗「リモートとは確か志村が持っていたカードだな。
そのカードはヤツの手元にあるから使えないか。ならば手段を選んでいる余裕はないな。
志村を倒した後に剣崎も封印すればいい。そうすれば…」


広瀬「あなた…なんて事を!」


虎太郎「そうだよ!
剣崎くんはこの世界のためにアンデッドになってまで救おうとしたんだ!」


紘汰「戒斗!お前言い過ぎだぞ!?」


戒斗「フン、世界が終わるかどうかの瀬戸際だぞ。
ならば人間一人の犠牲に今更躊躇している場合ではないはずだ。
それに元々はこの男にも原因の一端がある。
嫌とは言えんはずだが?」


剣崎と志村の両方を封じればいいと主張する戒斗。

だがそれすらも不可能だった。



剣崎「俺たちはこれまで何度も志村も戦ってきた。その長い戦いの中でその手も考えた。」


橘「だがダメだ。もしも志村を倒せたとしても…剣崎を倒せる者など…
アンデッドはカテゴリーK、J、Q、その他下級アンデッドと強さの部類がある。
ジョーカーはそのアンデッドの中でも最強に位置する。」


広瀬「ジョーカーを倒せるのは最低でもカテゴリーKクラスの力がないと不可能よ。」


橘「剣崎以外にアンデッドを封じる事ができるのは今では俺しかいない。
だが俺にジョーカーを倒せるほどの力はない…だから…」


紘汰「じゃあ…本当にもう打つ手はないのか…」


静まり返る一同。

そんな時、虎太郎はふとある提案を思いついた。



虎太郎「なぁ…そういえばキミたちは異世界から来たんだよね!」


広瀬「そうだわ、あなたたちの世界に避難すればいいのよ!お願いできるかしら?」


紘汰「そ…それは…」


戒斗「ダメだ。俺たちの世界もここと同じような事になっている。」


橘「どういう事だ?」


紘汰「俺たちの世界とは違うヘルヘイムの森って異世界から侵食を受けているんだ。
俺たちが使うロックシードの源になっているヘルヘイムの実。
こいつを人間が食うとインベスっていう化物になっちまう。
だから俺たちの世界も大変な事になっているんだ…」


剣崎「なんてこった…他の世界でも異変が起きているのかよ…」


橘「俺たち人間には最早逃げ場はないという事なのか…」


最早凡ゆる望みが絶たれた。

この世界の待ち受ける未来は絶望しかないのだろうか…?

とりあえずここまで
つまりこういう事になります

ブレイドがアルビノジョーカーを倒す⇒人類滅亡
アルビノジョーカーがブレイドを倒す⇒人類滅亡

どっちに転んでも人類滅亡不可避

>>66
もう詰みどころの話じゃありません
正直勝敗すら意味のないことです

>>80
はいそうです
剣のssは初めてですが前々からやってみたいなと思っていたので



~遺跡~


志村「我らが統制者さま、お聞きください!」


志村「10年前より現代に蘇りし我らアンデッドによるバトルファイト!
この戦いにより、
かつての勝者であったヒューマンアンデッドの子孫も大半が死に絶えました!」


志村「そして現代に現れた新たなるジョーカーである剣崎一真。
彼らは私たちアンデッドによるバトルファイトを汚す存在です!
しかしそれもあなたによって遣わされた、
この私ことアルビノジョーカーにより大幅に修正されました!!」


志村「今こそ、地上を再びリセットする時です!!
ですが剣崎一真には私と戦う気が全くない。
統制者さま、一体どうすればよいのかお応えください!!」


ここはかつてBOARDがアンデッドを封じたラウズカードを発見した古代遺跡。

そこに志村、それに彼に従うアンデッドたちが集結していた。

そしてその中心部にはある黒い石版が置かれていた。

それはかつてBOARDの理事長であった天王路博史が、

アンデッドが封じられたラウズカードと共に発見したモノリスと呼ばれる石版であった。

そのモノリスから志村へある神託が下された。



(…)


志村「これは…統制者さまの声?」


(…)


志村「全てのアンデッドを封じた時に…4枚のキングのカード…それと…?」


(…)


志村「承知しました。
あなたさまの神託、この私の命に代えても成し遂げてみせます!
それでは明日、必ずやこのバトルファイトの決着をつけてみせます!!」


統制者と呼ばれる謎の存在から神託を託された志村。

その彼の手にはスペード、ハート、ダイヤ、クローバー、

4枚のカテゴリーKのラウズカードがあった。



~BOARD跡地(野外)~


紘汰「なぁ、戒斗。さっきは言い過ぎだろ。後で謝っておけよな!」


戒斗「俺はありのままを言っただけだ。
それに多少強引でもないとヤツらとて真相を話そうとはしなかっただろう。」


紘汰「まったく…
お前はどこの世界に行ってもブレないよな…
少しは相手の気持ちを考えてやれよ。」


戒斗「フン、どうせ既に過去に起きた出来事だ。どう取り繕ってもそれは変わらん。」


その夜、紘汰と戒斗は先ほどの話し合いの末に広瀬栞に怒られて野外をうろついていた。

確かにこの世界が荒んだ原因は判明したが何故自分たちがこの世界に召喚されたのか?

その理由が依然として不明であった。

するとそこへ一人の男が現れた。



サガラ『よぅ、どうやらこの世界について色々と聞かされたらしいな!』


紘汰「サガラ!アンタ今までどこにいたんだよ?」


戒斗「やっとお出ましか。答えろ、何故俺たちをこの世界に召喚した!?」


サガラ『いいだろう、教えてやる。
だがその前にお前たちにひとつだけ聞いておきたい事がある。
この世界の状況、何かに似ていないか?』


紘汰「何かって…何だよ?」


戒斗「まったく、キサマは本当に救いようのないほどニブいな!
この世界は間違いなく今の俺たちの世界とほぼ同じ状況に置かれている。そうだな?」


サガラ『Exactly!
戒斗が言ったようにこの世界はほぼ間違いなくお前たちと同じ状況に置かれていた。
アンデッドどもによるバトルファイト、そしてその勝者にのみ与えられる恩恵。
これから黄金の果実を巡って戦いを繰り広げるお前たちの世界のそれと同じ光景だ!』


戒斗「なるほど、そういう事か。」


紘汰「え?つまりどういう事だよ?」


突然現れたサガラ。

この世界と紘汰たちの現状がまさに似ているとの発言に、

戒斗は自分たちがこの世界に召喚された意味がなんとなく理解できた。



サガラ『OK、話を続けよう。
そもそもこの世界はいくつもの可能性がある多次元世界のひとつだ。』


サガラ『ここは仮面ライダー剣のもうひとつの可能性のある未来。』


サガラ『かつてこの世界の仮面ライダーたちはアンデッドと呼ばれる怪人を封印した。
そして最後の戦い、仮面ライダーブレイドとジョーカーによる最終決戦。
だがそれは勝敗の決着を付ける事もなく、
剣崎一真がジョーカーになるという意外な展開で終わってしまった。』


サガラ『本来の世界ならばその後、世界は平和を取り戻していただろう。
それにもうひとつの可能性ある未来ならばブレイドはジョーカーを封じて、
その4年後に現れたアルビノジョーカーを倒した未来もあったはずだ。』


サガラ『だが、この世界はそうじゃなかった。
4年後に現れたアルビノジョーカー、それに封じられてしまったジョーカー。』


サガラ『それにより世界は滅びの一途を辿るようになってしまった。』


サガラ『何故こんな事態になってしまったのか?』


サガラ『それは10年前に剣崎一真が戦いの決着を付けなかった事にあるからだ!』


全ての原因が10年前の剣崎の行動に原因があると告げるサガラ。

だがそんなサガラに紘汰が反発した。



紘汰「何でそこで剣崎さんが悪いんだよ!
あの人は仲間と世界を救うために自分を犠牲にしたんだぞ…!?」


サガラ『だがその結果がこれだぜ。この世界の人類の大半が死に絶えた。
生き残った人類もあとわずか。
おまけにどちらが生き残っても世界はリセットされてしまうというまさに詰んだ状況。
正直この俺だって思わず苦笑いしちまうよ…』


紘汰「それじゃあ…どうするべきだったんだよ…」


戒斗「決まっている。戦うべきだったんだ!」


紘汰「戒斗…?」


戒斗「世界を守るためだ。
ならば迷う必要などあるまい!戦って世界を守ればよかっただけの話だ!!
そう、戦うべき時は戦わなければならない。
だからこそこの世界を俺たちに見せたのだな!サガラ!!」


サガラ『さすがだな駆紋戒斗!まさにその通りだ!』


自分たちがこの世界に召喚された答えを示す戒斗。

サガラはそんな二人にある事を問い掛けた。



サガラ『この世にはいくつもの異世界が存在する。
だがどの世界においても共通で絶対的な真理というものがある。それは何だ?』


紘汰「いや…いきなり聞かれてもわかんねーよ!」


戒斗「簡単だ、戦って勝つ。それはどの世界においても同じ事のはずだ!」


サガラ『そうだ、正解だぜ!
この世界にはバトルファイトの勝者には自らの種を繁栄させるというご褒美があった。
お前たちの世界も同じく、戦いに勝った者だけが手にする事ができる黄金の果実がある。』


サガラ『さて、この場合引き分けが成立すると思うか?』


戒斗「無理な話だ。
強大な力が手に入るんだぞ。それを欲しないという方がどうかしている。」


紘汰「けど剣崎さんもジョーカーもお互い仲間だし引き分けは成立するはずじゃ!?」


確かに剣崎と相川始は仲間であった。

だが…



サガラ『残念ながらこの戦いを見守っていた第三者は引き分けを許せなかったんだよな。』


紘汰「第三者…?」


サガラ『そいつらは統制者と呼ばれている。
ヤツらはこのバトルファイトのゲームマスターみたいなモンだ。
その統制者がいつまでも決着を付けようとしない剣崎たちに痺れを切らしちまった。
そこでヤツらはこの戦いに発破を仕掛けた。』


戒斗「つまりその起爆剤が志村だったわけか。」


サガラ『そうだ、ヤツは統制者が寄越した刺客だ。』


紘汰「ちょっと待てよ!それならその統制者ってのを倒せば…」


サガラ『言っておくが統制者というのは単なる思念体だ。その実態は存在しない。
つまり倒す事など事実上不可能さ。
まあそんな事が出来ていたなら、
10年前にこの世界の仮面ライダーたちがとっくに倒していただろうよ。』


統制者によるバトルファイトの全ての仕組みを明かされる紘汰。

だがそれでも疑問がまだ残っていた。



紘汰「それじゃあ…何で俺たちをこの世界に連れてきたんだ…?」


サガラ『知ってほしかったからさ。お前たちの戦いで世界がどうなるかをな…!』


戒斗「…」


サガラ『さっきも言ったがこの世界と同様に引き分けなんてのは無しだ!
まあ引き分けなんてしてもそれは全く意味がない。
お前たちが勝敗をつけなければ、
ヘルヘイムの侵食が全ての生物に襲いかかるだけだからな。』


戒斗「そして人類は死に絶えるか、
もしくはチームレイドワイルドの初瀬亮二みたく、
ヘルヘイムの実を食べてインベスになるかの二択しか…残されないか…
まさにこの世の地獄だな。」


紘汰「祐也…初瀬…」


かつての戦いでインベスと化した友の名を呟く紘汰。

その恐ろしい結末は他の誰でもない、間近で見てきた自分がよく知っているからだ。

だがサガラの話はそれだけではなかった。



サガラ『確かにこの世界へお前たちを召喚したのはこの世界の行く末を知ってほしかった。
だがそれだけじゃない。ここからはお前たち自身の話になる。』


紘汰「俺たち自身の…?」


戒斗「一体何の話だ…!?」


サガラ『それでは率直に聞くぜ。お前たち、自分が既に人間ではない事を自覚しているな?』


「「!?」」


突然のサガラの問いかけに動揺を隠せない紘汰と戒斗。

それもそのはず、彼らはまだ自分が人間である事を捨てきれていなかった。



サガラ『その反応を見るとどうやら図星のようだな。
甘いな、そんな考えじゃまだ黄金の果実を巡る戦いをさせる事はできないな。』


紘汰「ふざけんな!俺たちは人間だ!誰が化物になんかなるか!?」


サガラ『いいや、お前たちはもう人間じゃない。
どれだけ言葉を取り繕うとそれだけは確かだ。
葛葉紘汰、お前は極ロックシードの影響でその身体はオーバーロードと同じと化している。』


戒斗「フン、キサマになんぞ言われなくてもわかっている。
俺とて葛葉と同じだ。
力を求めるためにヘルヘイムの毒を敢えてその身体に喰らいオーバーロードの力を得た。」


サガラ『方法は異なるがお前たちはオーバーロードと同等の力を得た。
なのにそれが全然生かしきれていない。
それは何故か?
簡単だ、お前たちが心のどこかでまだ人間でいる事に執着しているからだ。』


紘汰「それの何が悪い!俺たちは人間だ!人間であり続けたいだけだ!!」


サガラ『甘ったれた事を言うな!
黄金の果実を巡る戦いは最早人間の領分をはるかに超えた戦いだ。
それなのに未だに人間に拘っているようじゃ、
たとえ黄金の果実を得たとしてもその力を使いこなせずに宝の持ち腐れになっちまうよ。』


戒斗「つまり俺たちは…」


サガラ『そうだ、オーバーロードの力を受け入れろ。
そうすればお前たちは本当の力を発揮する事ができるはずだ!』


力を受け入れろ。そう告げるサガラ。

だがそれでも紘汰は…



紘汰「けど俺は…」


サガラ『まだ悩むのなら明日まで時間をくれてやる。それまでに考えを改めるんだな。』


戒斗「明日まで?どういう事だ?」


サガラ『そうか、お前たちまだ聞かされていないのか。実は明日は…』


サガラ『いや、これは俺が言うべき事ではないな。』


サガラ『だがこれだけは覚えておけ。お前たちの戦いに引き分けは許されない!
お前たちの世界を滅びから救う唯一の方法、
それはお前たちが戦い、そして勝ち残った方が黄金の果実を掴む事にあるのだからな!!』


引き分けは許されない。

必ず勝敗を決めろと告げてサガラは去っていった。



戒斗「勝敗を付けろか、キサマに言われなくてもやってやるさ。」


紘汰「おい戒斗!お前…これでいいのかよ!?」


戒斗「良いもクソもあるか。
どの道、俺たちが戦わなければ世界は滅びるんだぞ!
キサマとて大事な仲間がいるはずだ。そいつらが死んでもいいというなら話は別だがな。」


紘汰「けど…!」


戒斗「俺は既に決意を固めている!そのために俺は仲間のザックすらこの手に掛けた!
最早後戻りなど出来ん…
これ以上キサマと話しているとその決意が鈍る!俺は俺でやらせてもらうぞ!!」


そう言うと戒斗はどこかへと行ってしまった。

残った紘汰は今の話をひたすら考えていた。



紘汰「俺と戒斗は本当に戦わなきゃいけないのか?」


紘汰「戒斗は自分勝手なヤツだけど…それでも俺の大切な仲間だ。」


紘汰「それを黄金の果実なんて、
わけのわかんねえモンのために戦わなきゃいけないのかよ…」


紘汰「それだけじゃない…俺のこの身体…
もう人間じゃないってのは俺だって自覚している。
でも恐いんだ。自分が人間じゃなくなるなんて一体どうしたらいいんだよ!?」


紘汰は悩んでいた。

戒斗との最後の戦い、それに自らの身体がオーバーロードになりつつある現状を…

一体どうすればいいのか悩んでいたその時だった。



剣崎「お、ここにいたのか。探したぜ。」


虎太郎「さっきは広瀬さんに怒られてたからね。まあ無理はないけど…」


紘汰「剣崎さん、それに虎太郎さん!どうしたんだよ?」


剣崎「実はちょっと付き合ってほしいんだ。」


虎太郎「これからある人たちを迎えに行かなきゃいけないんだ。
よかったらキミも一緒に来てくれないか?」


紘汰「ある人たちを迎えに…?」


剣崎たちからある誘いを受ける紘汰。

同じ頃、戒斗も…



橘「戒斗、探したぞ。」


戒斗「橘か、一体何の用だ?」


橘「実はさっきの戦いなんだが…
お前と志村の戦いで壊されたベルト、その一部を拾っておいたんだ。」


戒斗「そうか…」


橘が戒斗に手渡したのは湊燿子のピーチエナジーロックシード。

それにゲネシスドライバーの一部であったゲネシスコアであった。



橘「これだけしか持ってこれなかった。すまない…」


戒斗「いや、構わん。どうせこのベルトは元々俺のモノではない。
湊燿子という女が使っていたベルトだ。」


橘「湊燿子…その女性はどうしているんだ?」


戒斗「戦いの中、俺を庇って死んだ。
だから俺は自分の力を示したい。彼女が俺を生かしてくれた男に相応しくあるためにな!」


橘「戒斗…
なぁ、時間があるなら少しだけ俺に付き合ってくれないか?」


戒斗「何…?」


それから戒斗も橘に誘われてある場所へと向かう事になった。

未だに自らの進むべき道を迷う紘汰と戒斗。

そんな二人に剣崎と橘は一体何を伝えるのだろうか…?

とりあえずここまで

>>128の話をわかりやすく言うとつまり某ディケイドさん的な感じだと解釈してくれれば問題ありません



~ハカランダ~


虎太郎「久しぶり、姉さん。天音ちゃん!」


天音「いらっしゃい、虎太郎。
それに…剣崎さん!久しぶり!10年ぶりだよね!!」


剣崎「あぁ、久しぶりだね天音ちゃん。もうすっかり大人だな。」


遥香「ところでそちらの方は…?」


紘汰「どうも、俺は葛葉紘汰ッス!よろしく!」


剣崎「こいつは新しい仮面ライダーなんだ。」


天音「へぇ~!それじゃあ剣崎さんの後輩なんだ!」


紘汰「いや、俺は仮面ライダーじゃなくてアーマードライダーで…
ていうか…ここはどこなんすか?」


虎太郎「ここは僕の姉さんが営んでいる喫茶店ハカランダだよ。」


剣崎「この店の主人である栗原遥香さんと娘の天音ちゃんには昔から世話になってな。」


剣崎たちに連れてこられた紘汰。

やってきたのは虎太郎の姉である栗原母娘が営む喫茶店ハカランダであった。



虎太郎「姉さん、前から言っているけど…その…明日は…」


遥香「ゴメンなさい、やっぱりこの店を捨てる気にはなれないわ。」


天音「私だって!ここで大切な人が帰ってくるのを待ってなきゃいけないんだからね!」


剣崎「でも…このままじゃ…」


紘汰「ちょっと待ってくれ!二人ともいきなり何の話をしてるんだよ!?」


突然の話についていけない紘汰。

剣崎たちは紘汰に事情を説明した。



剣崎「実は明日、生き残った全ての人間をBOARDの地下シェルターに移すんだ。」


紘汰「地下シェルター?」


剣崎「烏丸所長は以前からこうなる事態に備えて
BOARD跡地の地下に巨大な地下シェルターを建造していたんだ。
俺が紘汰と会った時も丁度生き残っていた人間を探していた最中だったんだ。
そして明日、生き残った人間たちを全てそこへ移す。
人間がアンデッドたちから生き残るにはもうこれしかない。」


虎太郎「シェルターはアンデッドの侵入も防ぐように頑丈な設計なんだ。
そこならアンデッドが襲って来ることもないから安全だ。だから二人とも…」


遥香「虎太郎、心配してくれるのはありがたいわ。
けど、このお店は今は亡き主人が残してくれたものよ。それを置いて逃げたくはないわ…」


天音「それに始さんがいつ帰ってくるかわからないじゃない!
私、ずっと待ってるんだから…
始さんが帰ってきた時にこのお店に誰もいなかったら…始さんきっと寂しがるし…」


そう涙ぐんで語る天音。

その時、紘汰はふと気づいた。

天音はある首飾りをしていた。

その首飾りにあるのは一枚のラウズカード、

しかもそのラウズカードには[JOKER]の文字が刻まれていた。



紘汰「そのカード…まさか…?」


剣崎「あ、紘汰。ちょっと黙っていてくれ。
なぁ、天音ちゃん。明日、シェルターに入らなければもう二度と中に入る事はできない。」


虎太郎「そうなれば姉さんたちは、
たった二人でこのアンデッドが這う世界で生きていかなきゃいけないんだよ。
だから…」


遥香「構わないわ、とっくに覚悟は出来ているもの。」


天音「それに何故かわからないけど、
このお店にはアンデッドが襲いに来た事が一度もないのよね。
きっと始さんが遺してくれたこのカードのお守りのおかげだわ!」


剣崎「そうか、わかった。虎太郎、少しの間二人を頼む。俺と紘汰はちょっと席を外すよ。」


虎太郎「うん、ゴメンね剣崎くん。」


こうして虎太郎はなんとか天音たちを説得しようと一人で店の中に残った。

剣崎と紘汰は遠慮してかそっと店を出る事に…



紘汰「なぁ…天音さんが持っていたあのカードってひょっとして…」


剣崎「そうだ、ジョーカーのカードだ。つまりあのカードに始が封じられている。
今から6年前、
志村が始を封印した時に俺たちはなんとかジョーカーのカードを守り抜いた。
そして始のカードを天音ちゃんに託した。
始のカードは天音ちゃんの手元にある方が一番だろうからな。」


紘汰「でも天音さんはその事を…」


剣崎「知らないはずだ。天音ちゃんには何も伝えてない。
そもそも天音ちゃんは始の正体がジョーカーだという事すら伝えちゃいないよ。
始も自分の正体を天音ちゃんたちには知られたくなかったしな…」


紘汰「何でだよ…」


剣崎「え…?」


紘汰「アンタ…何故そこまでして相川始って人の事を庇うんだ?
その人は人間じゃなくてジョーカーなんだろ?
それなのに一体何で…アンタが人間を捨ててまで守るほどの男だったのか!?」


紘汰はこれまでに抱いていた疑問を剣崎にブツけた。

何故、人としての身を捨ててまで相川始という存在を守るのか?

彼はそれだけの存在なのかと…

すると剣崎はこう答えた。



剣崎「あいつは、相川始は確かに俺たちの仲間だ。だが最初から仲間だったわけじゃない。
最初の頃はお互い敵同士だったからな。今でも出会った時の事を覚えているよ。
なんせいきなり襲かかってきたんだぜ。」


紘汰「襲いかかってきたって…それじゃあどうして仲間に?」


剣崎「それは…あいつが天音ちゃんを…人を守っていたからさ。」


紘汰「人を守る…?ジョーカーが!?」


ジョーカーが人を守っていた。

その事実にさすがの紘汰も驚きを隠せずにいた。



剣崎「最初に始はこのハカランダの住み込みとして招かれた。
それはこの店の主人である遥香さんの旦那さんが、
かつてアンデッドとの戦いに巻き込まれて命を落としたからだ。
恐らく最初は始自身も単なる興味本位だったんだろう…」


紘汰「それが何で人を守ろうと思ったんだ?」


剣崎「きっと一緒に暮らしているうちに情が芽生えたんだろうな。
この店の人たちは優しいし、それにあいつも意外と純粋だったから…
ジョーカーはアンデッドの中でも特に闘争本能が激しい。
けどそんな荒んだ始の心を優しい天音ちゃんたちが癒してくれたんだ。」


紘汰「荒んだ心を癒してくれた…だから…」


剣崎「あぁ、それから始は俺たちの頼もしい仲間になった。」


人との交流がジョーカーの荒んだ心を癒した。

その事を聞きようやくわかった。

剣崎が守った相川始の存在。

それは剣崎にとっても掛け替えのない仲間であったのだと…



剣崎「そして始はいつしか闘争本能のままに暴れるジョーカーとしてではなく、
俺たちと同じ人々を守る戦士、仮面ライダーカリスとして戦うようになった。」


紘汰「仮面ライダーカリス…?」


剣崎「ハートのカードを使って戦う仮面ライダーだ。
だがその力は…今は…志村の手の中にある。」


紘汰「それじゃあ志村がライダーに変身するのは…」


剣崎「あれはある意味で俺へのあてつけだな。
志村はカリスの姿を装う事でライダーだった始を貶しているんだ!」


紘汰「そうか、剣崎さんにとって大切な人だからこそ…」


剣崎「俺たちはこれまで幾度となく志村と戦った。
だがどれだけ戦っても、結局最後に残るのは俺と志村だけだった。
それもそのはず、志村は強い。それだけでなく始の力も使っている。
以来、アンデッドたちとは封印をしてはそれを解かれてを繰り返してばっかりだ。
正直…うんざりしちまうよ…」


紘汰「おいおい…うんざりって…まだ諦めたわけじゃないだろ!?」


剣崎「諦めたわけじゃない…そうだな…」


はがゆい表情を浮かべて素っ気なく呟く剣崎。

紘汰はそんな剣崎になにやら違和感を抱かずにはいられなかった。

だがそれよりも紘汰には剣崎に言わなければならない事があった。



紘汰「なぁ、剣崎さん。実は…その俺と戒斗は…」


剣崎「わかっているよ。二人とも…俺と同じなんだろ?」


紘汰「………参ったな、わかるのかよ。」


剣崎「もう人間じゃなくなって10年経つからな。
色々と敏感になってな。
最初に会った時からなんだか他人とは思えない感覚がしたんだよ…」


既に紘汰が人間とは違う存在と化しても全く動じない剣崎。

そんな剣崎にだからこそ紘汰は自らの悩みを打ち明けた。



紘汰「俺と戒斗はこれから戦わなければならない。
それは決して俺たちが望んだ事じゃない。いや、俺はあいつを憎んですらいない。
だが世界を守るために…あいつを倒さなきゃならないんだ。」


剣崎「まさに昔の俺と始そのものだな。」


紘汰「俺はもう嫌なんだ!仲間を手に掛けるなんて!
かつて俺は仲間の祐也をインベスとは知らずに倒しちまった…
初瀬の時だって何も出来ずに見殺しに…
剣崎さん教えてくれ!俺は一体どうすればいいんだ!?」


剣崎「紘汰、正直俺はお前に明確な答えを出す事は出来ない。
10年前、俺が選んだ道だって結局世界が荒れ果ててしまったからな。」


紘汰「けど…それでも聞きたいんだ。アンタなら…どうするんだ…?」


剣崎「俺なら…それでも俺なら自分を犠牲にしてでも守るべきモノのために戦うだろう。」


紘汰「自分を犠牲にしてでも…?」


剣崎「そうだ、俺たちは人々を守る仮面ライダーだ。
自分一人の犠牲で世界が救われるなら…それで一人でも笑顔になれるのなら…
10年前、確かに俺は自分の身を犠牲にして始を救った。
それは始にこの世界で大切な人たちと一緒に生きて欲しいと思ったからだ。
この世界で大切な人たちと一緒にな…」


紘汰「そのために…アンタは…人としての身を捨てたのかよ…」


10年前の剣崎の行動を知って紘汰は思った。

大切な者たちを守るためとはいえ何故そこまで自分を犠牲にできるのかと…



紘汰「何でそこまで自分を犠牲に出来る?自分が化け物になる事が恐くないのかよ!?」


剣崎「そりゃ恐いさ。
今だって時々自分が何者なのかわからなくなって怯える時だってある。
でもそんな時は思い出すんだ。
みんなの笑顔を、俺たちが守るべき人たちが幸せに過ごしてくれる光景をな…」


紘汰「俺たちが守るべき人か…」


剣崎「それにな、俺はこの身体になってから暫く旅を続けたが意外と悪くはなかったぞ。
ジョーカーの力で各紛争地域に行って人助け出来たしな。
人間のままだったらあっという間にお陀仏だったよ。」


紘汰「ハハ、剣崎さんって意外と大雑把なんだな…」


剣崎「まあな、俺たち人間の選択なんて完璧なわけがないよ。」


紘汰「そうか、俺たち身体は化物でもまだ心は人間なんだな…」


剣崎「なぁ紘汰、さっきも言ったが俺はお前と戒斗の戦いに口を挟む事はできない。
恐らくお前たちは俺たちと同じく運命によって戦わされてしまうのだろう。
けど、それでも俺から言える事はだ…」


剣崎「どんな事があろうとお前は葛葉紘汰なんだ。
たとえ身体は化物であろうと心が人間であればいい。
もしも戒斗と戦う事があってもせめてそれは人間として決着をつけてやれ。」


紘汰「俺も戒斗もまだ人間…アンタはそう言ってくれるんだな…」


身体は化物であろうと心は人間であればいい。

それはかつて、

人間の身でありながらジョーカーへと変貌した剣崎だからこそ言える言葉だった。



~墓地~


戒斗「ここは墓地か?」


橘「あぁ、ここはBOARD関係者の墓地だ。
この墓地にはアンデッドとの戦いで命を落とした者たちの墓がある。」


戒斗「それで、何故俺をこんな場所に連れてきた?」


橘「それは…今にわかる。」


同じ頃、戒斗は橘に連れられてある場所へやってきた。

橘に案内された場所はBOARD跡地の敷地内になる墓地であった。

そこには無数の墓があるのだが、

さらに奥へと進むとそこには4つの墓があった。



戒斗「ここにも墓か。だが他の墓とは扱いが違うな。」


橘「そうだ、この4つの墓は俺の親しい人たちのモノだ。
ひとつは俺の恩師である烏丸所長、それとふたつは三輪夏美と禍木慎、
新世代ライダーたちの墓なんだ。」


戒斗「ほぅ、それで最後の墓は誰のなんだ?」


橘「この墓は…深沢小夜子といって俺の大切だった人の墓さ。」


戒斗「大切な人…」


かつての想い人が眠る墓を見つめる橘。

それを見て戒斗もかつて自分を慕っていた湊燿子の事を思い出していた。



戒斗「何故この墓を俺に見せる?」


橘「それは、お前が俺と同じだからさ。」


戒斗「なんだと…?」


橘「10年前のアンデッドとの戦い、
一時期だが俺はライダーの力に恐怖を抱きギャレンの力を引き出せなかった。
そんな俺に伊坂が、
シュルトケスナー藻という闘争本能を刺激する作用のあるモノで俺を操ろうとした。」


戒斗「それで…どうなった?」


橘「その時は一時的に恐怖心が消えて満足に戦えるようになった。
だがそんな俺を見て小夜子は違和感を抱いた。
それには何か副作用があるのではないかとな…
結果として彼女は正しかった。
何故ならシュルトケスナー藻は一時的な効果しかなく、
使用を続けるとやがては細胞や神経に悪影響を及ぼす危険性があった。」


戒斗「なるほど、小夜子という女が死んだのは…」


橘「そうだ、彼女は俺の所為で死んだ。」


橘「小夜子は暴走した俺を止めようと必死だった。
だがそんな矢先に伊坂が彼女を抹殺した。
その時の俺は伊坂に騙されて彼女を救う事は出来なかった。
今でも悔やむんだ。
あの時…俺がもっとしっかりしていれば小夜子は死なずにすんだのに…」


重苦しい表情で彼女の墓を見つめる橘。

そんな橘の脳裏には小夜子が死んだ日の光景が蘇っていた。

後悔と懺悔の言葉を呟く橘。

だが話はこれで終わりではなかった。



戒斗「それで、俺をこの場所に連れてきた目的は何だ?」


橘「それはお前がかつての俺と同じく自分では制御できない力を求めているからだ。」


戒斗「橘…まさかキサマ俺の事を…?」


橘「あの志村が興味を持った男だからな。最初に会った時からなんとなく察していた。
恐らくお前と紘汰には剣崎と同じく人とは異なる力を宿しているんだろう。
だが、それを自分の思うように制御できないようだが…」


戒斗「フン、余計なお世話だ。ようやく手に入った力だ。すぐに使いこなせてみせるさ!」


橘「なるほど、やはりな。お前は昔の俺に似ているな。」


戒斗「それはどういう意味だ!?」


かつての自分によく似ていると諭すように語る橘。

だがそんな橘に思わず戒斗は苛立ちを隠せずにいた。



橘「昔の俺もそうやって力を求めていた。
剣崎や相川始が強くなっていく度に自分の不甲斐なさを感じられずにはいられなかった。
お前はあの時の俺にそっくりなんだ。」


戒斗「くだらん!俺は力を手に入れた!この力を使いこなせてみせる!!」


橘「無茶はやめておけ。恐らくその力は人が扱えるような領分ではないはず。
それに人間にはそんな異端の力に頼らずとも、本来誰もが持っている力がある。」


戒斗「誰もが持っている力…それは何だ!?」


橘「大切な者を守る強い心だ。」


戒斗「何…?」


橘「剣崎や相川始には大切な者を守ろうとする強い心があった。
だからこそ彼らはアンデッドの力に支配されずにそれを使いこなせたのだろう。」


戒斗「大切な者か、そんな者たちなどもう俺には…」


大切な者など誰もいない。

戒斗がそんな事を呟いた時であった。

ある二人の男女がこの墓地へとやってきた。

だがその男女のうち、男の方は車椅子での移動しなければならない程の傷だらけであった。

そして女の方が橘に声を掛けてきた。



望美「橘さん、お久しぶりです。」


橘「やぁ、望美ちゃん。いつも俺に代わってこの場所の手入れをしてくれてありがとう。」


望美「いえ、今の私たちにはこれくらいしかできないから…」


橘「戒斗、紹介しておこう。彼女は山中望美、この墓地を管理してくれているんだ。」


戒斗「なるほど、それで男の方は誰なんだ?」


車椅子の男に興味を示す戒斗。

橘は車椅子の男を労わる様に触れながらある話を語り出した。



橘「10年前、アンデッドを封じていた仮面ライダーは4人いた。
剣崎が変身する仮面ライダーブレイド、俺の仮面ライダーギャレン。
それに相川始の仮面ライダーカリス。
そして4人目が…」


望美「仮面ライダーレンゲル…」


戒斗「レンゲル…?」


橘「そうだ、仮面ライダーレンゲルだ。
クラブのスートを駆使して戦う仮面ライダー。
戦いとは無縁であった高校生、上城睦月が変身するライダーだった。」


戒斗「まさか…それが…」


橘「そうだ、この車椅子に座っている上城睦月。
彼こそが仮面ライダーレンゲルの適格者…だった…」


車椅子に座っている睦月を見る戒斗。

だが睦月はそんな戒斗に対して無反応だった。

それもそのはず、睦月は意識不明の植物状態に陥っていた。



戒斗「こいつはどうしてこんな事になった…?」


橘「あれは、志村が相川始を封印した直後だった。
睦月は剣崎が不在でも志村を倒そうとキングフォームの力を使おうとしたんだ。
キングフォームとは上級アンデッドでも最上位のカテゴリーKの力を使う。
それならばさすがの志村も倒せると思ったのだろう。」


戒斗「だが…失敗したわけか。」


橘「そうだ、睦月はキングフォームの力を使いこなせなかった。
その所為で志村に重傷を負わされて…俺が駆けつけた時には…もう…」


望美「睦月は運良く命だけは取り留めました。
けどその代償は大きく、全身麻痺による意識不明の植物状態になって…
誰かの介護がないと生きてはいけない身体になってしまったんです。」


橘「わかるか戒斗。
睦月は大切な者を守るために敢えて力を使おうとした。
だがその力は身を滅ぼすほど強大なモノだった…
お前も異端の力を使おうとすれば睦月のようにその身を滅ぼしてしまうぞ。
悪い事は言わない。その力を使うのはやめておけ。」


戒斗にかつての睦月と同じ道を辿ってほしくないと願う橘。

だが戒斗は違った。



戒斗「キサマら、この上城睦月という男がただの屍同然だと思うか?」


望美「え…どういう事よ?」


戒斗「よく見てみろ。
この男はまだ頑なにベルトを持っている。こいつは今もまだ戦っている。
戦う事を諦めていない証だ!」


橘「だが睦月は…」


戒斗「俺は思う。
強大な敵が現れた時、俺たち人間は黙って敗れるしかないのか?
いや、違う!戦うべきだ!
その結果、この身がどうなろうと何もせずに死ぬよりはマシだ!!
そう、屈しない限り負けた事にはならない!!」


そう語ると戒斗は墓地を後にした。

そんな戒斗を心配そうに見つめる橘。

意識はないがレンゲルバックルを強く握ろうとする睦月。

思いを違える彼らに運命はどう味方するのか…?




こうして紘汰と戒斗はそれぞれ複雑な一夜を過ごした。



そして…



夜が明けて、陽が昇り始めた。



そして彼らは運命の日を迎えた。

とりあえずここまで

※現段階での剣崎たち以外の剣ライダーの現状です

始:カードに封印、そのカードは天音が所持
睦月:かつての戦いで再起不能の状態で車椅子生活
禍木&三輪:死亡

整理するとこんな感じです



~BOARD跡地~


虎太郎「さぁ、急いで!」


広瀬「落ち着いて!全員入れるからね!」


紘汰「この地下シェルターは全員入れるのか?」


橘「あぁ、烏丸所長の設計は完璧なはずだ。蟻一匹だって侵入を許さないさ。」


戒斗「だといいがな…」


剣崎「でも結局、天音ちゃんたちはシェルターに入るのを拒んでしまったな。
望美ちゃんも今の睦月ではシェルターで生きていけないと言って残ってしまったし…
出来ればみんな避難させてやりたかった。」


戒斗「自分たちで残ると言ったのだろう。
それもヤツらと意志だ。俺たちがとやかく言っても仕方ないはずだ。
むしろこんな世界で生きようとするのは強い意志を持っている。」


翌朝、この世界の人類の生き残りはBOARD跡地の地下シェルターに避難していた。

挙ってシェルターへ避難を始める人々。

誰もが生き残ろうと必死だった。



紘汰「それにしても今日は曇り空なんだな。」


剣崎「せめて晴れてくれていたらいいのに…」


戒斗「フン、天気なんてどうでもいい事だろう。」


橘「いや、そうでもない。
このままシェルターに入れば二度と太陽を拝む事はできないからな。」


紘汰「それじゃあ…みんな…太陽を見るのはこれっきりなのかよ…」


残念そうに呟く紘汰。

だが非難する人々にとって最早太陽の光など考えている余裕はなかった。

そんな時、広瀬栞がある異変に気づいた。



広瀬「アンデッドサーチャーに反応!大量のアンデッドたちが押し寄せてくるわ!」


虎太郎「そんな…みんなが避難を終えるまでもう少しなのに…!?」


剣崎「わかった、俺たちが時間を稼ぐ。」


橘「お前たちも先に避難してくれ。」


紘汰「剣崎さん、俺たちも一緒に行くぜ!」


戒斗「時間稼ぎというのが気に食わんがな…」


虎太郎と広瀬を急いで逃がす剣崎たち。

そして時間稼ぎをしようとする彼らに協力を申し出る紘汰たち。

だが…



剣崎「いや、ここは俺たちだけでいい。」


橘「お前たちも急いで元の世界に戻れ。」


紘汰「そんな…まだアンデッドたちがいるんだろ!放っておけるかよ!?」


剣崎「これは俺たちの世界の問題だ。俺たち自身が解決しなければならない。」


橘「恐らくアンデッドたちは総力を挙げてここへ押し寄せるだろう。
そうなればお前たちとてどうなるかわからん。
逃げるなら今のうちだ、早くしろ!」


そしてこの場に紘汰と戒斗を残して剣崎と橘はアンデッドの大群へ向かっていった。

残された紘汰と戒斗は…



紘汰「そんな…これでいいのかよ!?」


戒斗「本人たちが望んだ事だ。これ以上はどうしようもない。」


紘汰「けど…!」


戒斗「それに俺たちにもお迎えが来たようだ。」


そんな紘汰たちの目の前にクラックが出現。

そしてクラックのジッパーが開き中からサガラが現れた。



サガラ『時間だ、そろそろ元の世界に戻ってこい。』


紘汰「サガラ…けど俺たちはまだこの世界で何もしていないんだぞ!?」


サガラ『ハァ…?
まさかお前この世界を救う気だったのか?俺はそんな事を頼んじゃいないぜ?』


紘汰「どういう意味だ!」


サガラ『最初に言ったはずだ。
お前たちにはこの世界で起きた事を知ってもらうとな。
だがこの世界を救えとは一言だって言っちゃいないんだぜ?』


戒斗「まったく、キサマというヤツは…」


紘汰「けどこのままじゃ剣崎さんたちが!?」


剣崎たちの身を案じる紘汰。

確かにこのままでは剣崎たちは死ぬかもしれない…



戒斗「もしかしたらそれこそがヤツらの望んでいた事なのかもしれんな。」


紘汰「え…?」


サガラ『さすがに察しがいいな。
ある意味そうかもしれん、何故ならあいつらはとっくに諦めているんだからな。』


紘汰「ちょっと待ってくれ!一体何を言っているんだ!?」


戒斗「俺はこの世界であの二人に会った時からある違和感を抱いていた。
葛葉、キサマとて剣崎たちの目を見て何かを感じたはずだろう。」


紘汰「目…そういえば…あの人たちの目には生気がなかった…?」


戒斗「そうだ、ヤツらの目には生気がない。つまりもう諦めているんだ。」


サガラ『その通りさ。
この戦いを既に放棄しているのは他の誰でもない、戦っている当人たちだったわけだ!
最初に言ったはずだよな。この世界は“終わりの世界”だと。
つまりこの世界をヤツら自身が終わらせたがっているとそういう意味なんだよ。』


紘汰「そんな…まさか!?」


サガラ『いいや事実だ。
その証拠こそがこの荒れ果てた世界だ。
なんせこの世界はヘルヘイムの侵略からも見放されているんだからな。』


サガラ『そしてそんなあいつらにトドメを刺したのはお前たちだ。
あいつらは密かにこう思っていたんだ。
お前たちこそが異世界から来た唯一の希望、だが残念ながらそうじゃなかった。
最早逃げ場がないと悟った剣崎たちは恐らく最後の手に出るだろう。』


紘汰「最後の手…って…まさか…!?」


サガラの言葉に驚かずにはいられない紘汰。

その頃、剣崎たちは…



剣崎「久しぶりだな志村。」


志村「剣崎さん、お久しぶりですね。
これまで戦いを避けるために随分と逃げ回ってくれましたが…
さぁ、戦いましょうか!」


橘「よせ、お前だって気づいているはずだ。既に俺たちに戦う意志などない事に…」


志村「それではあなた方は何をするために私の下へやってきたのですか?」


剣崎「それは…」


橘「決まっている、降伏するためだ。」


志村「降伏…?」


志村の前で降伏を宣言する橘。

その真意は…?



橘「既にお前たちアンデッドとの戦いで人類は大勢の死者を出した。
このままお前と剣崎が戦いどちらかが勝ち残っても人類は死に絶えるだろう。」


剣崎「だが志村…
俺と違って生粋のジョーカーであるお前なら、
アンデッドやアルビローチたちをある程度操る事が出来るはずだ。」


志村「つまり何を仰りたいのですか?」


橘「頼む、俺たちの命をくれてやる。
だから残った人間たちを見逃してほしい。これが願いだ…」


志村に自分たちの命を差し出す代わりに生き残った人間たちを救ってくれと頼む橘。

その申し出を志村は…



志村「なるほど、あなた方らしいお考えですね。」


志村「自己犠牲とは素晴らしい。」


志村「良いセリフです。」


志村「感動的です。」


橘「それじゃあ…!」


剣崎「俺たちの頼みを聞いてくれるんだな!?」


淡い期待を抱く剣崎たち。

しかし…






志村「だが…無意味だ…」





その無慈悲な一言と同時に淡い期待は脆くも崩れ去った。




「 「 「ギャァァァァァッ!?」 」 」



橘「悲鳴だと!?」


剣崎「これは…地下シェルターの方からですよ!!」


虎太郎「け…剣崎くん…大変だ…」


広瀬「アンデッドたちが…」


突然鳴り響く悲鳴。

地下シェルターからは先に避難したはずの虎太郎と広瀬がボロボロになって出てきた。

そして地下シェルターからはエレファントアンデッドをはじめ、

コブラアンデッド、ポーラーベアアンデッド、スキッドアンデッド、

クラブスート属性のアンデッドたちが出現した。



虎太郎「僕たちはみんなと一緒に地下シェルターに避難したんだけど…」


広瀬「そこには既にアンデッドたちが忍び込んでいたのよ…」


剣崎「そんな馬鹿な!?」


橘「この地下シェルターはアンデッドの侵入を防ぐモノだぞ!それが何故…?」


志村「まだわかりませんか橘さん。
何故アンデッドが地下シェルターに先回り出来たか、もう気づいてもいいはずですよ。」


橘「まさか…志村…お前!?」


志村「そうです、僕の仕業ですよチーフ。
かつて僕はこのBOARDの研究員としてあなたの右腕の立場にあった。
そして立場を利用してBOARDの全てのデータを予め把握する事に成功しました。
そのおかげで地下シェルターに逃げ込んだ人間たちを襲う事が出来ましたからね。」


剣崎「ふざけるな!さっきの約束はどうした!?」


志村「約束…?
あなた方人間との約束なんて統制者さまの神託に比べれば取るに足らないモノですよ。
全てにおいて優先されるべきは統制者さまからの神託なのですから!!」


橘「志村ぁ…キサマァッ!?」


志村への怒りをこみ上げる橘。

だが事態は最悪だった。

地下シェルターは既にアンデッドたちによって人々が次々と犠牲になっていった。

突然の事態に為す術のない剣崎たち。

最早、人類はこれまでなのか…?




((ブォォォォンッ!))



剣崎「これは…!」


橘「バイクだ!2台のバイクが地下シェルターから現れたぞ!?」


虎太郎「しかもバイクが突っ込んだおかげでアンデッドたちが追っ払われた!!」


広瀬「けど…一体誰が…?」


アンデッドたちを追い払った2台のバイク。

それはサクラハリケーンとローズアタッカーのロックビークルであった。



紘汰「なんとか間に合ったな!」


戒斗「フン、やはりこんな事だろうと思ったぞ。」


剣崎「紘汰!それに戒斗!お前たちどうして来たんだ!?」


橘「元の世界に帰ったんじゃないのか…?」


ロックビークルに乗って駆けつけたのは紘汰と戒斗の二人であった。

だが何故二人が…?



紘汰「決まってんだろ!この世界を終わらせないために来たんだ!!」


戒斗「それにキサマらには助けてもらった借りがある。返しておかないとな!」


剣崎「でも…」


橘「もうこれ以上戦っても…どうしようもないんだ…」


紘汰「だからって諦めんなよ!まだ終わっちゃいないはずだろ!
平和なんて誰かから与えられるモノじゃない。
大切な人たちを守るために自分たちの手で掴みとらなきゃいけないんだ!!」


戒斗「こいつの言う通りだ。
ここで屈したら、
人間は二度と立ち上がる事ができず、この先アンデッドどもに永遠に虐げられるだろう。
それでいいはずがないだろう!
これからずっと弱者として怯えて生きていくなど俺なら御免だ!!」


剣崎「諦めるわけにはいかないか…」


橘「ここで屈すれば…俺たち人間は永遠に虐げられる…」


後輩ライダーである紘汰たちから叱咤される剣崎と橘。

その言葉が彼らの心にもう一度火をつけた。



剣崎「まったく好き勝手言ってくれる生意気な後輩たちだ!」


橘「戒斗、お前を見て思い出した。そういえば俺も負けず嫌いだった!」


虎太郎「やった!剣崎くんたちが…!」


広瀬「もう一度戦う決意をしてくれたわ!」


サガラ『やっぱりこうなっちまったか。
しょうがない、10分だけ時間をくれてやる!
それまでに決着を付けろ、異世界の扉は長く維持できないからな!』


紘汰「残り時間10分か。余裕だぜ!」


戒斗「志村、さっきの戦いでの貸しを全部まとめて返してやる!!」


橘「そうだ、もう一度戦うんだ!」


剣崎「俺たちの力で!」


剣崎「始の…そして!」


剣崎「鎧武たちの力で!!」


こうして再び戦う決意を新たにする戦士たち。

そして彼らは自らの変身ベルトを取り出し戦闘態勢に入った。




「 「 「変身ッ!!」 」 」



((Turn Up))


((ブォォォォ!ブォォォォ!ソイヤッ!!オレンジアームズ!花道・オンステージ!!))


((カモン!バナナアームズ!Knight of Spear♪))


変身完了。

無数のアンデッド軍団の前に人類を守るべく立ち上がった4人の仮面ライダー。

それはこの世界を守る仮面ライダーブレイド、仮面ライダーギャレン。

さらに異世界よりやってきた仮面ライダー鎧武と仮面ライダーバロンがその場に現れた。



志村「戦うつもりですか?
愚かな、これまで何度も戦いましたが結局決着を付ける事が出来なかったじゃないですか。」


ブレイド「あぁ、確かにそうだな。
けどもう違う!志村、お前を倒す!
たとえ人類が滅びようとこのままお前なんかに滅ぼされるわけにはいかないんだ!!」


ギャレン「かつての戦いで散った人々!俺は彼らのために戦う!!」


バロン「人間はお前たちアンデッドに屈しはしない!!」


鎧武「いくぜ!ここからは…!」



「 「 「俺たちのステージだ!!」 」 」



サクラハリケーン、ローズアタッカー、

それにブルースペイダー、レッドランバスを召喚して、

押し寄せるアンデッド軍団に突撃する仮面ライダーたち。

今、仮面ライダーとアンデッドによる最終決戦が始まった。

とりあえずここまで

戦いが始まります




「 「ガァァァァァッ!!」 」



ギャレン「アンデッドたちだ!」


バロン「ここは一気に強化フォームで突っ切るぞ!」


ブレイド「俺たちの本当の力を見せてやるぜ!」


鎧武「よし!いくぜ!」


((ミックス!オレンジアームズ!花道・オンステージ!ジンバーレモン!ハハーッ!))


((Absorb Queen Fusion Jack))


バロン「行くぞ!チューリップホッパー!」


無数のアンデッド軍団に対抗してライダーたちもそれぞれ強化フォームへパワーアップ。

鎧武ジンバーアームズ、ブレイドとギャレンのジャックフォーム。

それにバロンが召喚したチューリップホッパーで応戦。



鎧武ジンバーレモンアームズ「ソニックアロー!」


ブレイドJフォーム「強化型ブレイラウザー!」


ギャレンJフォーム「強化型ギャレンラウザー!」


バロン「チューリップホッパーのガトリングを喰らえ!」


大群のアンデッドやアルビローチたちを退治していくライダーたち。

そして一気に必殺技を繰り出した。



((レモンエナジー!))


鎧武ジンバーレモンアームズ「ソニックアロー!ソニックボレー!」


((SLASH))


((THUNDER))


[ライトニングスラッシュ]


ブレイドJフォーム「ウェィッ!」


((BULLET))


((RAPID))


((FIRE))


[バーニングショット]


ギャレンJフォーム「ハァァッ!」


バロン「チューリップホッパーキックだ!!」



「 「ギャァァァァァッ!?」 」



鎧武ジンバーレモンアームズのソニックボレー。

ブレイドJフォームのライトニングスラッシュ、

ギャレンJフォームのバーニングショット。

それにバロンが搭乗するチューリップホッパーのキックと必殺技がアンデッドたちに炸裂。

この場にいた大半のアンデッド、及びアルビローチがライダーによって撃退された。

とりあえずここまで



エレファントアンデッド「うぐぐ…」


鎧武ジンバーレモンアームズ「こいつだけまだ残っているぞ?」


ギャレンJフォーム「いや、これでいい。こいつさえ残っていればなんとかなる。」


ブレイドJフォーム「あぁ、あとはこのまま志村を倒せば世界は救われるはずだ。」


バロン「その肝心の志村が見当たらんのだが…?」


この場に残ったエレファントアンデッドを捕獲するライダーたち。

拘束しようとしたその時であった。



エレファントアンデッド「ぐわぁぁぁぁっ!?」


志村「捕獲なんてさせませんよ橘さん。このカテゴリーJは僕が封じましたから。」


ギャレンJフォーム「志村!キサマはどこまで俺たちの邪魔をするつもりだ!?」


志村「勿論、人類を滅ぼすまでやるつもりですよ。」


ブレイドJフォーム「クソッ、これで志村を倒す事が出来なくなってしまった…!?」


バロン「いや、まだだ。
ヤツからリモートとやらのカードを奪えばいい。そうすればなんとかなるはずだろう。」


鎧武ジンバーレモンアームズ「そうだ!ここまできて諦めてたまるか!」


エレファントアンデッドを封じた志村。

そんな志村を4人のライダーたちが取り囲むのだが…



志村「僕を取り囲んだつもりでしょうが、甘いですよ!」


((バサッ!))


ブレイドJフォーム「な…何だ…これは…?」


バロン「身体に何かが巻きつけられたぞ!?」


鎧武ジンバーレモンアームズ「剣崎さん!それに戒斗!?」


ギャレンJフォーム「二人に巻き付けられているのは…あれはまさか…」


志村「やはりご存知でしたねチーフ。
そうですよ、あれはかつてあなたもその身で味わったシュルトケスナー藻ですよ!」


ギャレンJフォーム「何故お前がシュルトケスナー藻を知っている!?」


志村「フフ、配下となった伊坂から色々と聞かせてもらいましたからね。
この情報を聞くために伊坂にグレイブのベルトを渡した甲斐がありましたよ。」


志村の策略によりライダーたちにシュルトケスナー藻が巻きつけられた。

鎧武とギャレンは間一髪逃れるがブレイドとバロンがそれに巻き込まれてしまう。

そのシュルトケスナー藻の毒に当てられて二人が豹変してしまった…



ロードバロン「ウォォォォッ!」


鎧武ジンバーレモンアームズ「しまった!戒斗がオーバーロードになっちまった!?」


ギャレンJフォーム「志村…キサマ一体何をした!?」


志村「ご心配なく、彼らには本来の姿になってもらっただけですよ。
そう、人の姿を捨てた存在。
つまり人の身でありながら化物に変貌してしまった者たちの姿ですよ!」


アルビノジョーカー「ハハハハハハハ!!」


歓喜に浸る志村。

そして志村もアルビノジョーカーへと変化する。

そんなアルビノジョーカーの前に一匹の怪物が襲いかかってきた。

それは…



ブレイドジョーカー「ガァァッ!」


アルビノジョーカー「どうですか剣崎さん、その姿の方が落ち着くでしょう?」


ギャレンJフォーム「しまった…戒斗だけじゃなくて剣崎までもが…!?」


鎧武ジンバーレモンアームズ「これが剣崎さんの…ジョーカー…」


アルビノジョーカーに襲いかかったのは、

剣崎が変化した全身が青のブレイドジョーカーであった。

だがブレイドジョーカーはアルビノジョーカーだけでなく、

ライダーたちにまでその凶暴な闘争本能を向けてしまう。



ブレイドジョーカー「ウガァァッ!」


鎧武ジンバーレモンアームズ「よせ剣崎さん!俺たちが戦う理由なんてないはずだろ!?」


アルビノジョーカー「今の彼に何を言っても無駄ですよ。
ジョーカーとは闘争本能の塊、それが暴走状態に陥っているのですからね。」


ギャレンJフォーム「10年前、剣崎が俺たちの前から姿を消した理由もそれだった。
剣崎と相川始が互いに姿を合わせれば、
その凶暴な闘争本能により本人の意思とは関係なく戦いが起きてしまう。
だからあいつは俺たちの前から姿を消すしかなかった…」


虎太郎「剣崎くん!目を覚まして!」


広瀬「あなたは仮面ライダーなのよ!」


ジョーカーの闘争本能が凶暴化してしまい暴走状態に陥ってしまった剣崎。

だが脅威は剣崎だけではない。

ロードバロンもブレイドジョーカー同様に凶暴化していた。



ロードバロン「ヌォォォッ!」


鎧武ジンバーレモンアームズ「くっ…剣崎さんだけじゃなく戒斗も…これはやばいぜ!?」


ギャレンJフォーム「こうなれば…紘汰!俺が戒斗を止める。お前は剣崎を止めてくれ!」


鎧武ジンバーレモンアームズ「そんな…
でも何で?剣崎さんを止めるのは橘さんの方がいいはずだろ?」


ギャレンJフォーム「すまないが俺の力では剣崎を止める事は不可能だ。
だがお前なら、剣崎と同じ境遇にあるお前ならば剣崎を止める事ができるはずだ!」


鎧武ジンバーレモンアームズ「でも…それじゃあ…戒斗は?」


ギャレンJフォーム「あいつは俺に任せろ!
以前も言ったがあいつは昔の俺に似ている。戒斗は俺の命に代えても元に戻してみせる!」


鎧武ジンバーレモンアームズ「わかったよ、剣崎さんは俺がなんとかする。だから…」


ギャレンJフォーム「あぁ、任せろ!」


こうして二人はそれぞれ行動に移った。

鎧武はブレイドを、ギャレンはバロンを正気に戻すために戦う事になった。



((カチドキアームズ!いざ出陣!エイエイオー!))


鎧武カチドキアームズ「剣崎さん、これ以上戦うのはやめてくれ!」


ブレイドジョーカー「グゥゥッ!」


虎太郎「やった!鎧武がジョーカーになった剣崎くんを抑えてくれている!」


広瀬「これならなんとかなるかもしれないわ!」


フォームチェンジを行い、

ブレイドジョーカーを押さえつける鎧武カチドキアームズ。

だがそこへ一人の女性が姿を現した。

それは虎太郎の姉である遥香であった。



遥香「大変よ虎太郎!」


虎太郎「姉さん…!そんな傷だらけで一体どうしたんだよ!?」


遥香「あの子が…天音が…アンデッドにさらわれたの…」


広瀬「天音ちゃんが…!?」


天音の身に異変が起きた事を告げに来た遥香。

その事実を告げられたと同時に、

アルビノジョーカーがある女性を抱えてブレイドジョーカーの前に立った。

その女性とは…



アルビノジョーカー「天音さんは私が捕らえました。」


鎧武カチドキアームズ「そんな…!天音さんをどうするつもりだ!?」


アルビノジョーカー「統制者さまより神託があったのです。
かつてある邪神を封じた石版に一人の人間が触れた。その男の名は栗原晋!」


遥香「それって私の夫の名前…」


アルビノジョーカー「この邪神を復活させるには、
封印を解く切っ掛けとなった者の血族を生贄に捧げる必要なのです!
つまり栗原天音の犠牲がね!!」


アルビノジョーカーは4枚のカテゴリーKを用いて天音をバニティカードに封じた。

そしてアルビノジョーカーが天へバニティカードをかざすと雷雲が発生。

雷雲より巨大な邪悪が姿を現してしまう…




「 「ガァァァァァッ!!」 」



鎧武カチドキアームズ「で…でかい…こいつは何だ…?」


アルビノジョーカー「これぞ巨大邪神14!
アンデッドによるバトルファイトの勝利者にのみ与えられる万能の力ですよ!!」


鎧武カチドキアームズ「まさか…お前はこの力で生き残った人たちを抹殺する気か!?」


アルビノジョーカー「半分は正解です。しかしそれは正確な答えではありません。
バトルファイトに勝ち残り全ての生物を滅ぼすのは確かにジョーカーの役目…」


アルビノジョーカー「そう、ジョーカーの役目ですよね。剣崎さん!」


剣崎を名指しするアルビノジョーカー。

それと同時になんとブレイドジョーカーが14に吸収されてしまった。



鎧武カチドキアームズ「そ…そんな…剣崎さんが14に吸収されるなんて…」


アルビノジョーカー「驚くのはまだ早いですよ。
これより14に先日の戦いで得たこの実を与えてみたいと思いましてね。」


鎧武カチドキアームズ「それは…ヘルヘイムの実!お前それで何をする気だ!?」


アルビノジョーカー「勿論、こうするのですよ!ハァッ!」


先日のバロンとの戦いで拾ったヘルヘイムの果実を14へ与えるアルビノジョーカー。

ブレイドジョーカー、それにヘルヘイムの果実を吸収して、

14の姿は禍々しいモノへと変貌していった。



14インベス『ガァァァァッ!!』


アルビノジョーカー「これぞ14インベス!
邪神14にあなた方の世界を侵食したヘルヘイムの果実によって誕生した究極の生命体!!
最早、誰にも止める事など出来ない!!」


鎧武カチドキアームズ「そんな…」


虎太郎「剣崎くんと天音ちゃんが取り込まれた…」


広瀬「こんな化け物になるなんて…」


遥香「あぁ…天音が…」


14インベスの出現に驚愕する人々。

そして14インベスは手当たり次第に破壊を始めた。

BOARD跡地を粉砕して地下シェルターも木っ端微塵に破壊した。

その光景を目の当たりにして人々の心は次第に絶望へ陥ってしまう…



「もうダメだ…」


「あんな化物が相手じゃ…」


「俺たち人間はこれまでなんだ…」


アルビノジョーカー「そうです!
あなた方人間は弱者なのです!弱者は踏みにじられて生きていくのがお似合いですよ!!」


鎧武カチドキアームズ「志村…お前は…!」


アルビノジョーカーへ敵意を剥き出しにする鎧武。

だが今は14インベスをなんとかしなければならない。

鎧武はたった一人で14インベスに立ち向かった。



鎧武カチドキアームズ「やめろ!剣崎さん!」


14インベス『グゥゥ…!』


鎧武カチドキアームズ「アンタはこれまでみんなを守ってきた!」


14インベス『ヌゥゥッ!』


鎧武カチドキアームズ「そんなアンタがみんなを傷つけてどうするんだよ!?」


14インベス『ウゥゥ…』


鎧武カチドキアームズ「正気に戻ってくれ!今ならまだ間に合うはずだ!!」


必死に説得を試みる鎧武。

だが…



14インベス『ガァァァァァッ!!』


鎧武カチドキアームズ「そんな…再び暴れ出すなんて…!?」


アルビノジョーカー「当然です、彼はあれでもジョーカーですよ。
ジョーカーは闘争本能の塊、
昨日出会ったばかりのあなたの説得でどうにかなる相手ではありません。


アルビノジョーカー「それにしても滑稽ですね。
人間の身体を捨ててまで守ろうとした人々を彼自身の手で破壊しているのですから!
これほど愚かな光景は見た事がありませんよ!!」


鎧武カチドキアームズ「志村ァッ!絶対許さねえ!!」


アルビノジョーカーに怒りをぶつけようとする鎧武。

だが、その瞬間を狙って14インベスが鎧武を襲った。



14インベス『ウガァァァァッ!』


鎧武カチドキアームズ「うわっ!?」


アルビノジョーカー「おや、14インベスではなく私を狙うとは…
目の前の敵を前にしてあなたは冷静さを欠いてしまったようですね。」


鎧武カチドキアームズ「ふざけんな…剣崎さんは敵じゃない…俺の敵はお前だ…!」


アルビノジョーカー「ですが今の攻撃であなたはかなりのダメージを負っていますよ。」


鎧武カチドキアームズ「まだ…俺にはこいつがある!」


鎧武が取り出したのは極ロックシードであった。

最強フォームを使おうとする鎧武。

だがそんな鎧武にアルビノジョーカーがある事を問いかけた。



アルビノジョーカー「その力、確かあなたを化物にしてしまうらしいですね。」


鎧武カチドキアームズ「お前…どうしてその事を!?」


アルビノジョーカー「統制者さまからの神託が全てを教えてくれました。
その力を使えば確かに剣崎さんを止める事は可能かもしれません。
ですがその後はどうするつもりですか?」


鎧武カチドキアームズ「その後だと…?」


アルビノジョーカー「その力を使い続ければ、
あなたの身体はやがて我々アンデッドと同じ化物になる。
他人からは忌み嫌われて誰もがあなたを拒むでしょう。
そうなればあなたは一体どうするつもりですか?」


鎧武カチドキアームズ「たとえそうだとしても…俺は…」


アルビノジョーカーの言葉に惑わされる鎧武。

その時であった。



14インベス『ウガァァァァァァッ!!!!』


鎧武カチドキアームズ「しまった…うわぁぁぁぁぁぁぁ!!??」


虎太郎「そんな…鎧武が…」


広瀬「14インベスの総攻撃をまともに喰らってしまったわ…!?」


アルビノジョーカー「フフフ、戦いに隙を見せるとはまだまだですね。」


14インベスの総攻撃をまともに受けて倒れこむ鎧武。

同じ頃、もうひとつの激しい戦いが繰り広げられていた。



ロードバロン「オォォォッ!」


ギャレンJフォーム「待っていろ戒斗。すぐに元に戻してやるからな!」


((DROP))


((FIRE))


[バーニングスマッシュ]


ギャレンJフォーム「ハァァッ!」


こちらはギャレンvsロードバロンの戦い。

暴走するロードバロンにギャレンはバーニングスマッシュを放とうとしていた。



ロードバロン「ヌンッ!」


ギャレンJフォーム「何…!弾かれただと!?」


ロードバロン「グォォッ!」


((ズバッ!))


ギャレンJフォーム「ぐわぁぁぁっ!?」


バーニングスマッシュを繰り出したギャレンであったが、

逆に弾かれてしまいロードバロンによる斬撃で胸部装甲に大きなダメージを負ってしまう。



アルビノジョーカー「さすがはヘルヘイムの力によって誕生したオーバーロードですね!」


ギャレン「し…志村…よくも戒斗をこんな凶暴にしてくれたな…」


アルビノジョーカー「僕の所為とは人聞きの悪い。
僕は駆紋戒斗を本来の姿へと開放してあげただけですよ。」


ギャレン「なんだと!?」


アルビノジョーカー「駆紋戒斗は幼き頃からこの世の不条理を嘆いていた。
だからこそ彼は力を欲した。
しかしその力を得るまでに彼の心は余計なモノを背負いすぎた。」


ギャレン「余計なモノ…?」


アルビノジョーカー「仲間や大切な場所やら…
僕には理解できない事ですがそれが彼の足枷になっていたのです。
そんな余計な重荷を僕が解き放ってあげたんですよ!」


ギャレン「ふざけるな!
それは重荷でも…余計なモノでもない!戒斗にとっては大切なモノだ!!」


アルビノジョーカー「まったく…
長年あなたの下で働いてきましたがチーフのそういう感情的な行動は理解に苦しみます。
ですがそれもここまでですね。」


アルビノジョーカー「変身。」


ハートAのカードを取り出しアルビノジョーカーはアルビノWカリスへと変身する。

そして三枚のカードを取り出した。



((FLOAT))


((DRILL))


((TORNADO))


[スピニングダンス]


アルビノWカリス「ハァァァァッ!!」


ギャレン「うわぁぁぁぁっ!?」


アルビノWカリスのスピニングダンスがギャレンに命中。

その際にギャレンバックルが破損されてしまい橘は倒されてしまう。



虎太郎「そんな…鎧武だけじゃなく橘さんまでやられてしまった…」


広瀬「剣崎くんもジョーカーと化して暴れるし…それに駆紋戒斗も化物に変貌して…」


遥香「それに天音も…一体どうなってしまうの!?」


倒された鎧武、ギャレン。

それに人類の脅威と化してしまったブレイド、バロン。

人類はまさに絶体絶命の状況に追い込まれてしまった。



人類の平和を守る仮面ライダーが倒されてしまい誰もが絶望するこの状況。


だがそんな中で、


これまで4人の仮面ライダーたちの戦いを見守っていた二人の男たちがいた。


その男たちはこの戦いに呼応するかのようにそれぞれある行動を起こそうとする。



鎧武「…」


鎧武「うぅ…」


((パサッ!))


14インベスによって傷つきボロボロになった鎧武。

そんな鎧武に一枚のラウズカードが舞い降りた。

それは天音が肌身離さずに持っていたジョーカーのラウズカード。

ジョーカーのカードは不思議な光を放ちながら横たわる鎧武を優しく包みこんでいた。



『おい…』


紘汰『う…』


『起きろ…』


紘汰『うぅ…』


『起きるんだ!』


紘汰『あ…アンタは…』


先ほどの14インベスとの戦いで気を失っていた紘汰。

だがそんな時、一人の男が紘汰を呼びかけた。

紘汰を呼んだのはロングコートを着込んだ一人の青年。

その青年の名は…



始『俺の名は相川始、こうして直に会うのは初めてだな。』


紘汰『相川始…それじゃあアンタが剣崎さんの言っていた仮面ライダーカリスか!?』


始『そうだ、俺は仮面ライダーカリス。
今は封じられた身であるがこうしてお前の心に呼びかける事くらいはできる。』


紘汰『けど封じられたアンタが居るって事は…ここはあの世なのか?』


始『あの世…確かにそうかもな…』


紘汰を呼び起こした青年。

それは剣崎の友である相川始であった。

何故、相川始は紘汰を呼びかけたのだろうか?



始『ここはこの世とあの世の狭間だ。お前たち人間でいうなら三途の川という場所だな。』


紘汰『三途の川か、つまり俺はまだ死んじゃいないって事だな。』


始『そうだ、死ぬも生きるもお前次第だ。』


紘汰『俺次第か。それなら俺はこの世に戻る!剣崎さんを止めなきゃいけないからな!』


始『だが、剣崎はこれまでの戦いで心身共にすっかり消耗しきっている。
それにお前も、このまま戦い続ければやがてアンデッドと同じ化物になるぞ。
そうなればお前もかつての剣崎と同じく人間には戻れなくなる。それでもいいのか?』


始から厳しい問いかけを求められる紘汰。

それに対して紘汰はこう答えてみせた。



紘汰『それでも…俺は剣崎さんを助けたい!
目の前で苦しんでいる人が居るのにそれを見過ごすなんて俺にはできない!!
これは理屈とかそんなんじゃない。俺の心がそう訴えているからだ!!』


始『己の身が化物になるとしてもか…?』


紘汰『10年前、アンタのためにジョーカーになった剣崎さんだってそうだった。
たぶんあの人も今の俺と同じで理屈よりも先に身体が動いたんだろうな…だから…』


始『やはりお前も剣崎と同じだな。かつてのあいつもそうだった。
今のお前が言ったようにこんな人でもない俺のために自らを犠牲にした。』


始『あいつがいなくなった後、俺は人間として4年間生きた。
それはアンデッドとして戦いの日々を送ってきた俺には掛け替えの無い思い出となった。』


始『あいつは俺に人として大切な人たちと生きる日々を教えてくれた。』


始『10年前にあいつが俺を助けてくれたように今度は俺が剣崎を助ける!!』


そして始はあるモノを取り出して紘汰に手渡した。

なんとそれは…



紘汰『これは…ブレイドの顔が刻まれたロックシード?』


始『持っていけ。それにはこの世界の俺たち仮面ライダーの力が宿っている。』


紘汰『ありがとう始さん!必ず剣崎さんと天音さんを助けてみせるよ!!』


始『頼むぞ。葛葉紘汰。いや…』


始『新たな仮面ライダー…鎧武…』


始から新しいロックシードを手渡された紘汰。

そして相川始は何処かへと姿を消していく。

だが始が姿を消す瞬間、紘汰は目撃する。

相川始が本来のカリスである仮面ライダーカリスとなって立ち去る姿を…






……


………


鎧武「今のは…」


鎧武「夢だったのか…?」


鎧武「いや、夢じゃない。」


鎧武「始さんは俺にちゃんと力を託してくれたんだ!」


目が覚めた鎧武。

そこは今も14インベスが暴れまわる戦場であった。

鎧武は戦線復帰するために先ほど与えられたばかりのロックシードを装填してみせた。



((ブレイドアームズ!奇跡!切り札は自分だけ!))


((オンドゥルルラギッタンディスカー!))


((オデノカラダハボドボドダ!))


((オレァクサムヲムッコロス!))


((オッペケテンムッキー!))


鎧武剣アームズ「ハァッ!これぞ仮面ライダー鎧武剣アームズだぜ!!」


鎧武の頭上より巨大なブレイドの頭部が出現し鎧武の身体に装着された。

それは鎧武が相川始より授かった新たなる力。

仮面ライダーブレイド、ギャレン、カリス、レンゲル、

この世界の4人のライダーの力を結集させた剣アームズであった。

頭部にブレイド、右肩にカリス、左肩にレンゲル、胸部にギャレン、

彼らの頭部パーツが各アーマー部分に装着された姿となって現れた。



鎧武剣アームズ「せっかく貰った力だけど…これちょっと…姿は…アレ…だよな…」


鎧武剣アームズ「それに…オンドゥルってなんだかわかんない言葉も出てくるし…」


鎧武剣アームズ「とにかく!今は剣崎さんを止めるのが先だ!」


鎧武剣アームズ「行くぜ!!」


新たなる力を携えて14インベスに立ち向かう鎧武。

果たして鎧武は14インベスと同化したブレイドを救う事が出来るのか…?



橘「う…うぅ…」


アルビノWカリス「ここまでですね橘さん。」


ロードバロン「グゥゥッ!」


変身を解かれ地面に倒れ伏す橘。

渾身の力を込めた必殺技も全て無駄だった。

最早これまでかと覚悟を決めた。

だが…そこへ意外な人物が現れた。



睦月「た…橘さん…諦めちゃダメだ…」


橘「お前は…睦月!」


アルビノWカリス「お前は確か上城睦月。そんな車椅子に乗りながら何をしに来た?」


睦月「勿論…お前を倒すために…来たんだ…!」


アルビノWカリス「私を倒すだと?下らない!
橘さんや剣崎さんならともかくかつてはカテゴリーAに洗脳されたお前に何ができる?」


睦月「それでも…倒す…お前なんかの所為で…この世界を終わらせたりはしない…!」


レンゲルバックルを取り出して変身しようとする睦月。

だが睦月はここまで来るだけでも精一杯な不自由な身体であった。

その所為でバックルを車椅子から落としてしまった。



睦月「しまった…」


アルビノWカリス「無様な、最早変身する力も残っていないようだ。」


睦月「だ…黙れ!変身できなくてもお前なんか!」


アルビノWカリス「人間如きが…いい加減にしろ!」


((バシィッ!))


車椅子の身でも立ち向かおうとする睦月。

だがその行動に苛立ったアルビノWカリスによって吹っ飛ばされてしまった。



((ガシッ!))


橘「無茶をするな睦月!」


睦月「橘さん…!」


アルビノWカリス「チーフ、あなたはまだ戦う気ですか?
ですがギャレンのベルトは破損していますよ。それで変身するのは不可能なはずです!」


橘「確かにギャレンに変身するのは無理だ。
だがそれでも諦めないのが俺たち人間だ!睦月、お前の力を俺に貸してくれ!!」


アルビノWカリス「まさかあなたが手にしているのは…?」


睦月「それは俺の…レンゲルのベルト!?」


咄嗟にレンゲルバックルを拾っていた橘。

そして橘はレンゲルのベルトで変身してみせた。



橘「変身ッ!!」


((Open Up))


レンゲル「仮面ライダーレンゲル!!」


睦月「そんな…橘さんがレンゲルに変身した!?」


アルビノWカリス「愚かな…
レンゲルのベルトをあなたが使いこなせるはずがない!
ロードバロン!今度こそ橘さんを…いや…レンゲルを始末するのです!!」


ロードバロン「ウゥゥッ!」


レンゲル「確かにこれは付け焼刃なのかもしれない。
だがそれでも戒斗、今この俺が持てる全てをもってお前を助けてみせるぞ!!」


本来ならば睦月の力であるレンゲルを使いロードバロンへ戦いを挑む橘。

この戦いに全てを投げ打ってでも戒斗を悪の力から解き放とうとする。

とりあえずここまで

鎧武剣アームズは大体電王のてんこ盛りみたいなものだと思ってください

それと志村の一人称がコロコロ変わっていますが
剣崎や戒斗の前では「私」 
橘さんにだけは「僕」と一応差別化しています
何故かというと以前は橘さんの下で働いていたのでそれなりに敬意を込めていると解釈してもらえればいいです



しかし酷い変身音声だった

>>260
直前までオンドゥルアームズにしようかなと深く悩みました



鎧武剣アームズ「剣崎さん!正気になってくれ!」


14インベス『ガァァァッ!』


鎧武剣アームズ「アンタはこんな事をする人じゃなかったはずだ!」


14インベス『グルゥゥゥッ!』


鎧武剣アームズ「頼むから俺の話を聞いてくれ!
ウォォォッ!醒銃ギャレンラウザー!醒杖レンゲルラウザー!!」


剣アームズの力で14インベスを抑える鎧武。

そんな鎧武に応えるかのようにある声が聞こえてきた。



(紘汰…)


鎧武剣アームズ「この声…剣崎さんなのか!?」


(どうやら…通じたみたいだな。こんな事になってしまってすまない…)


鎧武剣アームズ「もう大丈夫だ!俺が助けてやるからな!」


(いや、俺の事はいい。このまま14インベスを倒してくれ。)


鎧武剣アームズ「そんな…何を言っているんだ!?」


(これ以上俺の所為で誰かが傷つくところを見たくはない。)


(お願いだ…俺を倒してくれ…)


鎧武の攻撃で意識を取り戻した剣崎。

だが14に取り込まれたこの状態では最早満足に動く事はできなかった。

そんな中、鎧武に倒してくれと懇願するのだが…



鎧武剣アームズ「嫌だね!」


(な…このままじゃみんなが…)


鎧武剣アームズ「俺だってみんなを守りたいと思っている!
でも俺が守りたいというそのみんなの中には剣崎さん!アンタも入っているんだ!!」


(紘汰…)


鎧武剣アームズ「大丈夫だ!みんな助けてやる!
剣崎さんも天音さんも!この世界に生きる人たちをみんな助ける!」


鎧武剣アームズ「それが…俺たち仮面ライダーだ!!」


そして鎧武は必殺技を発動させるべく、

装填されている剣ロックシードをカッティングブレードで倒した。




((ウゾダドンドコドーン!))



鎧武剣アームズ「喰らえ14!
無双セイバー!醒剣ブレイラウザー!ダブルスラッシュだァァァァッ!!」



((ズバァッ!))



14インベス『グギャァッ?!』


鎧武剣アームズの必殺斬撃が決まった。

そのダメージは大きく、14インベスの胴体に大きな傷跡を付けた。



ロードバロン「グォォッ!」


レンゲル「うわっ!?」


睦月「ダメだ…橘さんが一方的にやられている…」


アルビノWカリス「やはり橘さんのレンゲルではロードバロンに太刀打ち出来ませんね。
それもそうでしょう。
BOARDが開発したライダーシステムはそれぞれカテゴリーAとの融合係数があった。」


アルビノWカリス「たとえば剣崎さんはスペードのカテゴリーAとの相性が抜群であり、
それに橘さんはダイヤのカテゴリーAとの相性が高かった。
ですが今のあなたは…
そのクローバーのカテゴリーAは上城睦月との融合係数が最も高いはずだった。
しかしあなたが変身したレンゲルでは、
融合係数が適合レベルに至っているのかすら怪しいモノですね。」


一方、レンゲルvsロードバロンの戦い。

唯でさえ強敵であるロードバロンに対して橘が変身する不慣れなレンゲル。

戦いはロードバロンの圧倒的有利な展開であった。



レンゲル「確かに…俺が変身したレンゲルでは…満足に戦う事はできないだろう…」


レンゲル「だが…それでも…戒斗!聞いてくれ!!」


ロードバロン「ア゛ァッ…?」


レンゲル「今のお前は強大な力に飲み込まれている!
それが何を意味しているかわかるか?お前は強い力に屈しているんだぞ!」


ロードバロン「グゥゥ…」


レンゲル「お前は以前こう言っていた。
屈しない限り負けた事にはならない…とな!
その強大な力に屈してしまったらお前は自分の中にいる化物に負けた事になるんだぞ!」


睦月「そうだ…それにキミはこう言ってくれた…
俺が戦う事をまだ諦めていないと…!
誰もが屍同然だと思っていた俺を…キミだけはわかってくれた…」


レンゲル「戒斗、お前は弱者を嫌っておきながら…
一方で戦う事を諦めない俺の仲間である睦月を認めていた。
そんな誇り高いお前がこのままオーバーロードの力に取り込まれるなんて…
俺が許さない!!」


レンゲル「戒斗!お前も俺の大切な仲間だ!!」


何度ロードバロンに倒されてもその度に橘は起き上がってきた。

それはまさに不屈の闘志であった。

そしてそれに呼応するかのようにロードバロンにも異変が起きた。



ロードバロン「グゥゥッ…!」


アルビノWカリス「ロードバロンが苦しんでいるだと…?」


睦月「橘さんの…説得が通じたんだ…!
今なら…彼を元に戻せる…橘さんこのカードを使ってください…!」


レンゲル「戒斗、前に言った事を覚えているか。
人間には大切な者を守ろうとする強い心があると…!それを今から教えてやる!!」


((SCREW))


レンゲル「目を覚ませ!モールスクリュー!!」


ロードバロン「グォォッ!?」


睦月から手渡されたスクリューのカードでロードバロンに激しいパンチを放つ橘。

その拳を喰らったロードバロンは変化が解けて元の姿を取り戻した。



バロン「う…うぅ…大切な者を守る強い心か…今の拳は中々だったぞ橘。」


レンゲル「お前…戒斗…戒斗なのか!?」


バロン「当然だ、この俺は駆紋戒斗以外の何者でもない!!」


アルビノWカリス「チッ…
どうやら今のパンチによるショックで元に戻ってしまったようですね。」


橘の拳で正気に戻ったバロン。

そしてバロンはこれまで散々自分を操ってきたアルビノWカリスに敵意を向ける。



バロン「よくもこの俺を操ろうとしてくれたな!
これまでの借りを今から全部まとめて返してやるぞ!!」


アルビノWカリス「ふぅ、まあいいでしょう。
どうせあなたを操るのは余興でしかなったのですからね…
それではさっさと先ほどのロードバロンに変化してみたらどうですか?」


バロン「いいや、あの力は使わない。俺はキサマを人間の力で倒してやる!」


そしてバロンは以前の戦いでゲネシスドライバーの残骸であった、

ゲネシスコアとそれに湊燿子の使っていたピーチエナジーロックシードを取り出した。




((ミックス!バナナアームズ!Knight of Spear♪!ジンバーピーチ!ハハーッ!))



バロンジンバーピーチアームズ「燿子!俺と共に戦うぞ!!」


アルビノWカリス「下らないですね。
ロードバロンの力なら私と互角以上に渡り合えたかもしれないのに、
それを意地のために使わないとは…」


バロンジンバーピーチアームズ「黙れ!キサマが見下した人間の本当の力を見せてやる!」


湊燿子の力を使いジンバーピーチアームズを装着したバロン。

アルビノWカリスとの再戦を開始した。



アルビノWカリス「醒鎌ワイルドスラッシャー!」


バロンジンバーピーチアームズ「くっ…受けきるので精一杯か…」


アルビノWカリス「やはり私の力は偉大だ!
私こそ55体のアンデッドの頂点に立つジョーカーなのだ!!」


バロンジンバーピーチアームズ「フン、何が頂点だ。笑わせてくれる。」


アルビノWカリス「何…どういう意味だ?」


バロンジンバーピーチアームズ「キサマはこれまで格下の相手としか戦っていない。
聞いているぞ。ジョーカーはカテゴリーKの力でないと対抗出来ないとな!
封印を解かれたアンデッドの中にカテゴリーKとやらはいなかった。
それはつまりキサマが万が一にもアンデッドたちに返り討ちにされるのを恐れたからだ!
だからキサマは格下のアンデッドしか封印を解かなかった!!」


バロンジンバーピーチアームズ「それに剣崎やこの俺と、
自分よりも力を持っている相手には卑劣な手で襲ったのは、
それはつまりキサマが自分より強い相手とは戦えないという何よりの証拠だ!!」


バロンジンバーピーチアームズ「志村、キサマは弱者ですらない卑怯者だ!
橘や睦月、人間たちを嘲笑う資格などキサマにあるものか!
俺はキサマのような卑怯者になど絶対に負けん!!」


アルビノWカリス「この私が…卑怯者…?
なんという侮辱だ…駆紋戒斗!キサマは絶対に許さんぞ!!」


バロンの言葉に屈辱を感じずにはいられないアルビノWカリス。

そしてフルパワーでバロンに激しい攻撃を浴びせてきた。



アルビノWカリス「醒鎌ワイルドスラッシャー醒弓モード!ワイルドサイクロン!!」


睦月「なんて攻撃だ…まさに目にも止まらぬ早さだ…」


レンゲル「だが先ほどまでとは明らかに技にキレがなくなってきているぞ!」


バロンジンバーピーチアームズ「どうやら図星を突かれて焦ってきたか。
どんなに早く動こうとも、既にキサマの動きなど見切っている!そこだ!!」


最速で攻撃を仕掛けるアルビノWカリス。

だが既に攻撃を見切っていたバロンはジンバーピーチアームズの特性を生かした、

非常に高い聴力によりアルビノWカリスの攻撃を全て把握していた。




((バナナオーレ!))



バロンジンバーピーチアームズ「喰らえ!スピアビクトリ――――ッ!!」


((ドシュッ!))


アルビノWカリス「ぐわぁっ!?」


睦月「やった…バロンのバナスピアーが志村のベルトを突き刺した!」


レンゲル「これでヤツはもうライダーとしての姿を維持できないぞ!」


バロンジンバーピーチアームズの必殺技スピアビクトリーによって、

ベルト部分を貫かれたアルビノWカリス。

そのダメージにより元のアルビノジョーカーへ姿が戻ってしまった。



アルビノジョーカー「おのれ…よくも…」


バロンジンバーピーチアームズ「こうなればもう終わりだな。
だがキサマにトドメを刺すのは俺ではない。橘、譲ってやる!トドメはお前が刺せ!!」


レンゲル「すまん、戒斗!」


睦月「橘さん…このカードを使ってください…!」


バロンに代わりアルビノジョーカーへトドメを刺そうとする橘。

そして睦月は橘に三枚のカードを渡した。

それは先ほどの戦いで得たRUSH、BLIZZARD、POISONのカードであった。



((RUSH))


((BLIZZARD))


((POISON))


アルビノジョーカー「ま…待ってください…
私はかつてあなたの仲間だったのですよ…その私を倒すというのですか!?」


レンゲル「それをお前が言うのか…?
お前は烏丸所長を…
それにかつての仲間だった三輪夏美と禍木慎を何の躊躇もなく始末した!
俺はお前の所為で死んだ者たちの仇を今こそ取る!!」


レンゲル「烏丸所長!禍木!三輪!それに小夜子!俺に力を!!」


[ブリザードベノム]


レンゲル「オォォォォォォォッ!!」


アルビノジョーカー「うぎゃぁぁぁぁぁっ!?」


そしてレンゲルの必殺技ブリザードベノムがアルビノジョーカーに命中。

アルビノジョーカーは力を使い果たし志村の姿に戻って倒れた。



橘「ハァ…ハァ…」


戒斗「これで志村は倒せたな。」


睦月「あとは…こいつからリモートのカードを取り戻せば…」


志村を倒した橘たち。

彼らは倒れている志村からリモートのカードを取り戻そうとするのだが…



志村「フフ…」


志村「フフフ…!」


志村「フハハハハ!」


戒斗「キサマ、何がおかしい!?」


志村「もう遅い!お前たちはおしまいだ!」


橘「志村、何を言っているんだ!?」


睦月「あぁ…これは…なんという事だ…」


不敵な笑みを浮かべる志村。

だが睦月は何故志村がそんな笑みを浮かべているのかその意味がわかった。



睦月「こいつ…封印のラウズカードを持っている!
自分から…ラウズカードに封印されようとしているんだ!?」


橘「なんだと…?」


志村「そうだ…お前たち人間に倒されるくらいなら私は自ら封印してやる!」


戒斗「フン、だからどうした?
どの道キサマを封じてリモートのカードを取り戻せばそれで済む話だ。」


戒斗の言うように、

確かにリモートのカードさえ取り戻せば志村が封印されても問題ないはずなのだが…

睦月はそんな不敵に笑う志村の意図が見えていた。



睦月「それじゃ…ダメなんだ…」


戒斗「どういう意味だ?」


睦月「俺は10年前にジョーカーが勝ち残った時にリモートのカードを使おうとした。
けど発動しなかった。
それはバトルファイトの勝利者がジョーカーに決まってしまったから…」


志村「そうだ…
バトルファイトの勝利者が決まれば…統制者の意思によりリモートのカードは発動しない。
つまり…この私が封印される事により…
バトルファイトの勝利者は新たなジョーカーである剣崎一真になる!!」


敗北したというのにまるで勝ち誇るように叫ぶ志村。

そんな志村であるがその身体は徐々にラウズカードに封印されようとしていた。



志村「もう遅い…手遅れだ…」


志村「まもなく…リセットが始まる…」


志村「そうなれば…お前たちは人間は今度こそ…死に絶える…」


志村「10年前…お前たちは…こうなるべきだったんだ…」


志村「バトルファイトによる…決定は絶対だ…それは誰にも覆す事はできない…」


志村「ほ…ろ…び…ろ…」


志村「それが…お前たち…人間の…」


志村「う…ん…め…い…」


まるで呪詛のごとく不吉な言葉を遺して志村はラウズカードに封印された。

志村が封じられたアルビノジョーカーのカードはまるで人間の流す血のよう紅く染まっていた。



睦月「おしまいだ…これで…俺たちは…」


橘「いや…まだひとつだけ…手は残されている。そうすれば人類は助かる…」


睦月「本当ですか!一体どうすれば!?」


戒斗「…」


志村を封じた橘たち。

だが最後のアンデッドが剣崎だけとなり最早どうしようもなかった。

そんな最中、戒斗は…



戒斗「悪いが俺はここまでだ。少し野暮用を思い出したんでな。」


睦月「え…それはどういう意味だよ?」


戒斗「この世界での俺の戦いは終わった。元の世界に帰るだけだ。」


睦月「そんな…!?」


橘「いや、それでいい。
元々お前は俺たちの戦いに巻き込まれてしまっただけだ。
早く自分の世界に帰った方がいいだろう。」


元の世界に帰ろうとする戒斗。

だがそんな戒斗を橘は引き止めるわけでもなく黙って帰そうとしていた。



戒斗「止めないんだな…」


橘「こんな時だ。引き止める方がおかしいだろ。
ありがとう戒斗。諦めかけていた俺にもう一度戦う意味を教えてくれて…」


戒斗「礼を言うのはこっちだ。
キサマのおかげで俺はオーバーロードの力を完全に制御できるようになった。」


それぞれお互いに礼を述べる二人。

だが二人の心中は複雑であった。

何故なら…



戒斗「橘、キサマはこれから過酷な決断を行うのだろう。」


橘「戒斗、どうやらお前にはわかるようだな。」


戒斗「フン、お互い似た者同士なのだろう。
それなら何を考えているのか嫌でもわかってしまうからな。」


橘「そうか、だが過酷な決断を下すのはお前もだろう戒斗。お前も元の世界に戻れば…」


戒斗「そうだ、俺は黄金の果実を賭けて葛葉紘汰と戦う!それが俺とヤツの運命だ!!」


互の行く末を案じる二人。

だが二人は既に決断を迫られていた。

最早、それを避ける術などないのだから…



戒斗「この世界での俺の役目はここまでだ。」


橘「さらばだ戒斗。俺の大切な仲間よ!」


戒斗「仲間か…」


戒斗「ならば俺も最後に…受け取れ!」


この世界を去ろうとする戒斗。

だが戒斗はその前に、

先ほどの志村との戦いで得た一枚のカードを鎧武たちがいる方へ向けて投げつける。

そしてクラックが開き戒斗は一人、元の世界へと帰還した。

とりあえずここまで

戒斗さんは敵を倒したのでここで一旦退場です



((パシッ!))


鎧武「戒斗が投げてきたこのカードは…」


鎧武「スペードのカテゴリーKのカードだ!」


鎧武「そうか、これで!」


鎧武「甦れ!仮面ライダーブレイド!!」


戒斗が投げたカードを受け取った鎧武。

それはなんとスペードのカテゴリーKのカードであった。

そして鎧武はこのカテゴリーKのラウズカードを胴体にある大きな傷跡へと投げつけた。

すると驚くべき事が起きた。




((ドシュッ!))



虎太郎「あぁっ!14インベスの傷から黄金の剣が出てきた!」


広瀬「これは…もしかして!」


鎧武「まさか!?」


14インベスの傷跡から黄金の剣が突き出た。

それと同時に黄金に輝く鎧を纏った戦士が14インベスの体内から天音を抱えて脱出した。

その正体は…




((Evolution King))



ブレイドKフォーム「仮面ライダーブレイドキングフォーム!!」


虎太郎「やった!剣崎くんが復活した!」


遥香「それに天音を抱き抱えているわ!」


広瀬「二人とも無事だったのね!」


14インベスとの同化を鎧武の援護とキングフォームの力により断ち切ったブレイド。

天音を虎太郎たちに預けて戦線復帰した。



鎧武「よかった、ブレイドが復活したか。」


鎧武「それなら俺も!」


鎧武「ずっと…不安だった…」


鎧武「今でも人間でなくなる事に…正直戸惑いを感じる…」


鎧武「けど、もう恐れない!」


鎧武「俺は俺だ!葛葉紘汰なんだ!!」


((フルーツバスケット!ロックオープン!極アームズ!大・大・大・大・大将軍!))


極ロックシードを装填させる鎧武。

そしてカチドキアームズを経て銀色の南蛮鎧を装着した戦士が現れた。

それこそ…



鎧武極アームズ「仮面ライダー鎧武極アームズ!!」


ブレイドKフォーム「鎧武、もう大丈夫なんだな。」


鎧武極アームズ「あぁ、もう恐れはしない。俺はこの力を受け入れる!」


ブレイドKフォーム「よし、いくぜ!」


鎧武極アームズ「これが俺たちのラストステージだ!!」


14インベス『ガァァァッ!』


ブレイドKフォーム、鎧武極アームズと最強フォームへパワーアップした二大ライダー。

彼らは火縄大橙DJ銃、重醒剣キングラウザーを取り出して最強必殺技を発動させる。



((スペード10、Jack、Queen、King、Ace))


[ロイヤルストレートフラッシュ]


ブレイドKフォーム「ウェェェェ―――――イッ!!」


((イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン・オク・チョウ・無量大数!))


鎧武極アームズ「火縄大橙無双斬!セイッ!ハァァァァァ――――ッ!!」


14インベス『グ…ギャァァァァァァッ!!???』


ブレイドキングフォームの必殺技ロイヤルストレートフラッシュ、

それに鎧武極アームズの火縄大橙無双斬が14インベスを斬り裂いた。

大爆発を起こす14インベス。

こうして巨大邪神14インベスは二人の仮面ライダーによって倒された。



紘汰「終わったな…」


剣崎「あぁ、とりあえずだけどな…」


紘汰「そっか…とりあえずは…なんだな。」


戦いが終わり変身を解いた紘汰と剣崎。

これより何が起こるか紘汰自身もなんとなくだが察しがついていた。



剣崎「紘汰、お前はもう元の世界に帰れ。」


紘汰「けど…」


剣崎「あとはこの世界で生きる俺たちの問題だ。だから…」


紘汰「わかったよ。」


紘汰に元の世界に帰るよう促す剣崎。

それと同時に紘汰の目の前にクラックが出現。

紘汰も元の世界に帰る時がやってきたようだ。



剣崎「紘汰、ありがとう。お前たちの諦めない強さが俺たちに力を与えてくれた。」


紘汰「俺たちの方こそ、剣崎さんのおかげで今の自分と向き合える事ができた。」


剣崎「紘汰、忘れないでくれ。
これから先、たとえ姿が変わろうとお前はお前なんだ!」


紘汰「あぁ、俺は他の何者でもない…
俺は葛葉紘汰なんだ。その事を教えてくれてありがとう。」


剣崎「さよなら紘汰。仮面ライダー鎧武。」


紘汰「また会おうぜ剣崎さん。仮面ライダーブレイド。」


こうして紘汰はクラックのゲートを潜り元の世界へと帰還する。

剣崎もまた紘汰の行く末を案じつつもその後ろ姿を黙って見送った。


………


……






橘「剣崎、よかった無事だったか。」


睦月「14を…倒せたんですね…」


虎太郎「剣崎くんやったね!」


広瀬「志村と14を倒せたわ!」


望美「もう!睦月!突然いなくなって心配させないでよ!?」


剣崎「みんな…」


全てが終わりアンデッドたちとの死闘を終えた剣崎の下に仲間たちが集まった。

それに14の生贄にされた天音もようやく目を覚ました。



天音「あ…始さん…」


遥香「天音!目が覚めたのね!?」


天音「夢の中で始さんが私を守ってくれていたの。」


剣崎「なぁ、天音ちゃん。実は始は…」


天音「やっぱり…始さんはこのカードの中にいるんだね。」


剣崎「天音ちゃん…もしかして知ってたのか?」


天音「たぶん…そうなんじゃないかなって前から思ってたんだ。
どうしてかは知らないけど…それでも始さんは私の事を最初から守っていてくれたんだね。
それだけで…私は嬉しい…始さん…」


剣崎「天音ちゃん…」


相川始が封じられているジョーカーのカードを大切に握り締める天音。

かつて慕っていた人がこんなに身近に居てくれた事に涙していた。



虎太郎「けどこれで全部解決だね!めでたし!めでたし!」


橘「いいや、まだ終わっていない。」


橘「むしろ…」


橘「今まさに最期の刻が訪れようとしているんだ。」


広瀬「それって…どういう意味よ!?」


広瀬が橘の言葉に疑問を思った時であった。

遺跡にあったはずのモノリスの石版が突如一同の目の前に出現した。

そしてモノリスから大量のダークローチが出現しようとしていた。




「 「シャァァァァッ!」 」



虎太郎「そんな…どうして!?」


剣崎「そうか…俺の所為だ…」


天音「一体どういう事なの!?」


橘「すまない剣崎…
志村を倒したまでは良かったがヤツは最後の力で自らを封印してしまった。」


睦月「だから…モノリスが…バトルファイトの勝利者を剣崎さんに選んでしまったんだ…」


広瀬「剣崎くんは10年前の戦いでジョーカーになってしまった…
だからバトルファイトでジョーカーが勝ち残った場合…世界はリセットされてしまう…」


モノリスから出現しようとするダークローチ。

だが剣崎たちこの世界のライダーに戦う力など残されてはいない。

これまでの死闘で既に激しく消耗しているからだ。

最早これまでなのだろうか…?



剣崎「いや、まだ手はある。」


虎太郎「さすがは剣崎くん!それでどうするの!」


剣崎「俺を…」


剣崎「このジョーカーである俺を…」


剣崎「封印するんだ!」


広瀬「そんな…!」


睦月「剣崎さんを…封印!?」


自分を封印しろと告げる剣崎。

そんな剣崎の反応を橘は最初から予想してかのように冷静にその理由を説明した。



橘「バトルファイトでジョーカーが勝ち残った場合、世界はリセットされる。」


橘「だがその元凶であるジョーカーを封じれば世界のリセットは止まる。」


橘「そうすれば世界を滅ぼそうとするダークローチたちは消え去るだろう。」


剣崎「さすがですね橘さん。その通りです。」


睦月「でも…ジョーカーである剣崎さんを倒す事なんて…」


剣崎「俺はさっきの戦いで既に力を使い果たしている。
だから今なら俺を封印する事が可能なはずだ。
いや、今しかないんだ!この時を逃せばもう人間に未来はない…」


アルビノジョーカー、14と強敵との連戦で既に消耗している剣崎。

剣崎の言う通り、今ならばジョーカーである剣崎を封印する事が可能であった。



虎太郎「ダメだ…これじゃあ10年前と同じじゃないか!?」


広瀬「そうよ!あなたはこれまで世界のために犠牲になってきたのよ!」


睦月「そんな剣崎さんがこれ以上世界の犠牲になるなんて…」


天音「嫌だよ…これ以上大切な人が目の前からいなくなるのは…」


剣崎「みんな、すまない。でもこれしか方法がないんだ。」


別れを惜しむ虎太郎たち。

だが悲しんでいる暇はない。

刻一刻と迫るリセットを前に急いで決断を下さねばならなかった。



橘「剣崎、お前を封じるのはどうやら俺の役目になってしまったようだな。」


剣崎「橘さん、こんな事を頼んですいません…」


橘「謝らないでくれ。
俺の方こそお前にばかりつらい思いを押し付けて不甲斐なくてすまない…」


剣崎「でも…最後にこれだけはお願いできますか?」


橘「お願いだと…?」


橘に自らの封印を頼む剣崎。

だが剣崎は最期にある願いを告げた。

その願いとは…



剣崎「今回の戦い、俺は紘汰のおかげで諦めない強さを思い出したんです。」


剣崎「だから俺は諦めたくない。
橘さん、あなたの研究でいつか俺と始をジョーカーの呪縛から解き放ってもらえますか?」


橘「そうか、剣崎…お前は…」


剣崎「俺はもう一度始に会いたい…だから…!」


剣崎「おねがいします…橘さん…」


剣崎が訴えた最後の願い。

それに対して橘は…



橘「10年前、俺は諦めていた。」


橘「俺は相川始を封印して全てを終わらせるつもりでいた。」


橘「だが剣崎、お前だけは違った。」


橘「お前だけが最後まで相川始を諦めずに別の方法であいつを助けた。」


橘「その結果、お前一人にとてつもない重荷を背負わせてしまった。」


橘「すまなかったと思っている…」


橘「だが今回、俺たちは紘汰と戒斗から諦めない強さを教えられた。」


橘「ならば今度は俺の番だ。」


橘「俺も諦めない!何年掛かろうと必ずお前と相川始を救い出してみせる!!」


そして橘はラウズカードをかざして剣崎を封じた。

剣崎が封じられたラウズカードは、

まるで彼の正義を表すかのように青い色をしていた。



橘「これでこの世界は平和になった。」


橘「だがこれで終わりじゃない。」


橘「ここからが始まりなんだ。」


橘「約束するぞ剣崎!」


橘「生き残った俺たちが剣崎や相川たちのためにも、
必ずこの荒れ果てた世界を元の平和な世界に取り戻してみせる!」


橘「そしていつの日か…また会おう…」


こうして本来なら終わるはずであった世界は紘汰たちの活躍で救われた。

剣崎との再会を約束する橘。

その約束が叶えられる日がやってくるのか…それは誰にもわからない。

だが、橘は決して諦めないだろう。

かつて彼に諦めない強さを教えてくれた強い男たちのために…



<エピローグ>


~沢芽市~


紘汰「戒斗…」


戒斗「やはり最後まで俺の邪魔をするのはお前だったか…葛葉紘汰。」


ここはヘルヘイムの侵食が進行している沢芽市。

葛葉紘汰と駆紋戒斗は互いにインベスの大群を率いて対峙していた。

現在この街には紘汰と戒斗以外、人の姿は無い。

既に避難を終えているか、

もしくはヘルヘイムの侵食によってインベスと化しているかのどちらかでしかなかった。



紘汰「ここに来る前に避難所に寄ったらザックが担ぎ込まれていたよ。
あいつは傷ついてボロボロだったけど、それでもなんとか命は取り留めたそうだ。」


戒斗「そうか…」


紘汰「お前、ザックを手にかけたとか言っていたけど…
本当はギリギリで手加減していたんだな。
だから自分だけ先に沢芽市に帰ったんだろ。ザックを助けるためにさ。」


戒斗「フン、何の話だかさっぱりだな。」


惚ける戒斗。

だが紘汰の言っている事は紛れもない事実であった。

戒斗は傷ついたザックを避難所に運んでいた。

何故戒斗はザックを助けたのか?

それはあの仮面ライダー剣の世界で大切な者を守る強さを知ったからかもしれない。



紘汰「やっぱり…どうしても戦うのか…?」


戒斗「葛葉、いい加減覚悟を決めろ!
俺たちが戦わなければこの世界は滅びるだけだ!お前もあの世界を見たはずだろう!
人間の大半がアンデッドどもに死滅させられた絶望の世界!
あの世界での出来事が俺たちの世界でも同じ事が起きるのだぞ!!」


紘汰「あぁ…そうだな…俺はもう覚悟を決めた!戒斗!お前を倒す!!」


戒斗「いくぞ葛葉!これが最後の戦いだ!!」

 
改めてこの戦いへの決意を固める紘汰と戒斗。

紘汰はこの世界を守るために…

そして戒斗は今の世界を壊して、

弱者が踏みにじられない世界を創造するために戦おうとしていた。



紘汰「剣崎さん、俺はこの世界を守るために戦う!!」


戒斗「橘、俺はお前に教えられた事とは逆の事をやろうとしている。
だがそれを今更悔いる気は無い。見届けるがいい。俺の生き様を!!」



「 「変身ッ!!」 」



仮面ライダー鎧武vs仮面ライダーバロン。

運命によって選ばれた男たちによって黄金の果実を巡る最後の戦いが始まった。



サガラ『さて、こうして最後の戦いが始まった。』


サガラ『葛葉紘汰と駆紋戒斗。二人は仮面ライダー剣の世界で大切な事を学んだ。』


サガラ『自分たちの運命、それに挑むための覚悟ってヤツをな!』


サガラ『中々面白かった…が俺にとっては計算外な出来事でもあった。』


サガラ『まさか終わるはずだったあの仮面ライダー剣の世界を救っちまうとはな…』


サガラ『剣崎一真たちは本来なら絶望に負けてあの世界の人間たちは滅びるはずだった。』


サガラ『まあ当然だな。何年も戦い続けても勝ったら世界が滅んじまうんだからなぁ…』


サガラ『そんなあの世界のライダーたちに葛葉紘汰と駆紋戒斗は諦めない強さを教えた。』


サガラ『両者、教えて教えられて…そして全てを解決するとはねぇ…』


サガラ『まったく、黄金の果実を巡る戦いはありえない事が起きるから面白いんだよな!』


サガラ『それじゃあ…これでおしまい…え?』



サガラ『鎧武とバロンの最後の戦いの決着を見たい…だって?』


サガラ『おいおい、それはねえだろ。』


サガラ『この物語はあくまで仮面ライダー鎧武と仮面ライダー剣の物語だ。』


サガラ『これ以上の出し物を望むのは…さすがに欲張り過ぎじゃないか?』


サガラ『だが、どうしても見たいというならあの二人の戦いの決着は…』


サガラ『仮面ライダー鎧武第46話を見てくれ。』


サガラ『黄金の果実を巡る最後の戦いを見届けてくれよ!』


仮面ライダー鎧武vs仮面ライダー剣 【完】

これにてssは完結です
鎧武とバロンの戦いの決着は46話をお楽しみにという事です
まあブレイドの方はパラレルという事で好き放題やらせて頂きました
全ては橘さんの研究にかかっているという事で納得して頂ければそれで…

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月28日 (火) 09:54:20   ID: 5ysKSzX6

ロードバロン出すんだよね⁇

2 :  SS好きの774さん   2017年04月03日 (月) 01:09:36   ID: RjbiB9R6

諦めてる剣崎や橘さんに胸が痛くなった
鎧武観たこと無かったけど観てみようかな

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