狩沢「そういえばDLLドットコムは最近波に乗ってるよね」

遊馬崎「そうっスねー、艦隊とか刀を擬人化だなんて考えたことなかったっス」

狩沢「そうだよねー、擬人化ほど妄想が膨らむのも中々ないよねー」

遊馬崎「そうっスよねー……それをほかの人と比べたり共有したり……」

狩沢「じゃあさじゃあさ、あそこにあるマンホールは？」

遊馬崎「うーん……お洒落ができない家に引きこもりの美少女っスかねー」

狩沢「私は黒いコートを来た長身の男の人かなー」

遊馬崎「やっぱ擬人化はいいっスよね！」

狩沢「だよねー！」

門田「……」

渡草「聖辺……ルリが……」

遊馬崎「じゃあこれはどうっスか、 携帯の音声」

狩沢「えっと、siruだっけ？」

遊馬崎「そうっス」

狩沢「まあよく見るのは秘書の服着た女の子だよね」

遊馬崎「そうっスね……けど俺は違うっスよ」

狩沢「どんなの？」

遊馬崎「彼女は魔王の罠にハマってしまい、牢屋から出れなくなったんス……」

狩沢「まさかその牢屋って……」

遊馬崎「そうっス！ このスマホのことっス！」

遊馬崎「そして女の子は携帯の持ち主に助けを求めているけどそれに気付いてくれない主人公……ああっ！ 胸が痛むっス！」

狩沢「凄いねゆまっち！ ストーリーまで考えちゃうなんて！」

遊馬崎「妄想には限界なんてないんスよ！！」

門田「……」

渡草「羽島……幽平と……」

遊馬崎「次は……あっ、あの電柱とかどうっスか？」

狩沢「電柱……そうだ！！」

遊馬崎「思いついたっスか？」

狩沢「身長190センチ！！ 野球部所属でポジションはピッチャー！！」

遊馬崎「高校生っスか！！」

狩沢「うん！ 普段は大人しいけど野球のことになると急に熱くなるんだよ！！」

遊馬崎「……あそこにずっと立っている理由は？」

狩沢「アルバイトで道路警備中！！」

遊馬崎「大変そうっスね〜」

門田「zzz……」

渡草「なんで……なんでだよ……」

狩沢「あ！ あれ見て！」

遊馬崎「どれっスか？」

狩沢「あそこにあるピンクの車と黒の車」

遊馬崎「新車っぽいっスね」

狩沢「あの二台はカップルだよね」

遊馬崎「そうっスねえ……黒が男でピンクが女って感じっスかね」

狩沢「違うよ、両方とも男だって。 ピンクの方はまだ声変わりしていない女の子っぽい感じで黒は兄貴分的な感じ」

遊馬崎「ああ……流石狩沢さんっスね」

狩沢「百合は想像しなかったの？」

遊馬崎「もうちょい小柄だったらしてたかもしれないっスねぇ……」

門田「……ハッ！！」

渡草「聖辺ルリは……みんなの物じゃねえのかよお……」

狩沢「じゃあ難易度上げちゃおっと！」

遊馬崎「難易度……？」

狩沢「じゃーん！ これ！」

遊馬崎「……辞典スか？」

狩沢「そっ」

遊馬崎「狩沢さん……それで俺を困惑させようだなんて甘いっスよ」

狩沢「あ、もう思いついちゃった？」

遊馬崎「答えはひとつ……インデックス以外にないっスよ！」

狩沢「あーやっぱりそうだよねー」

門田「……」

渡草「ひっく……えぐっ……」

遊馬崎「あれっスね、なんか逆もやってみたくなったスね」

狩沢「逆？」

遊馬崎「人を物や生き物に例えるんスよ」

狩沢「なるほど！」

遊馬崎「上条当麻は『×0』とかっスね」

狩沢「あはは！！ 物でもなんでもないじゃーん！」

門田「ティッシュだ、使え」

渡草「わ、わりぃ……ひぐっ」ズズ

狩沢「あ、見て見てゆまっち！」

遊馬崎「なんスか？」

狩沢「あれ！」

遊馬崎「『あれ』？」
















静雄「臨也ああああああああああ！！！」ドドドドド

臨也「♪〜〜」タッタッタッ
















狩沢「『静雄の旦那……俺はあんたが走れればそれで十分だぜ』」

遊馬崎「『でもあなたのことだから私達がいなくても走れるんでしょうけど……み、見捨てないで！！』」

門田「……靴の擬人化か？」

狩沢「ドタチン正解！」

遊馬崎「よく分かったっスね！！」

渡草「任せたぞ、羽島幽平……ううっ」

狩沢「今日も攻めてるなぁ静ちゃん///」

遊馬崎「俺も女の子になったら狩沢さんの気持ちが分かるんスかねぇ……」

狩沢「攻める静ちゃん！ 攻めまくる静ちゃん！！ そして頬を赤らめるイザイザ！！……うふふふふ///」

遊馬崎「……しかしそこで魔の手が襲いかかる！！ 二人の前に雷雲が突如降り、女体化してしまった！！！」

狩沢「やめて！ ゆまっち、本当にやめて！！」

遊馬崎「そして池袋中の男は女に！ 女は男になってしまった！」

狩沢「だからy渡草「やめろおおおおおおおおお！！」

遊馬崎・狩沢「！！！？」ビクッ

門田「ど、どうした渡草」

渡草「聖辺ルリは正真正銘の女の子だ……冗談でも男だなんて言うじゃねえ！！」

遊馬崎「す、すいません……」

渡草「……」イライラ

狩沢「あ、そうか……聖辺ルリ、俳優と交際してたんだっけ」

渡草「言うんじゃねえええええ！！」

狩沢「ご、ごめん！！」

門田「……渡草、静かにしろ」

渡草「！！ わ、わりぃ……」

遊馬崎（流石門田さんっスね……）

狩沢「ね、ねえ渡草さん」

渡草「なんだよ？」

狩沢「失恋しちゃったんなら新しい人に切り替えたら……どうかな？」

遊馬崎「そうっスよ！ 渡草さんも俺達の世界に来るっス！！」

渡草「……」

門田「あのなぁお前ら、渡草を慰めてやる気持ちは分かるが今はそっと……」

渡草「……そうだよな」

門田「ん？」

渡草「いつまでもウジウジ言ってんのは男じゃねえ……それに芸能界を引退するわけじゃねえしな」

遊馬崎「渡草さん……」

狩沢「まさか……」

渡草「教えてくれよ……二次元オタクになるには……まずはとあるインなんとかって本を読めばいいのか？」

門田「！？」

遊馬崎・狩沢「渡草さん！！」

渡草「お前ら、さっきから擬人化……だっけか？ そんな話をしてたよな」

遊馬崎「興味が湧いたんスか！？」

渡草「このワゴンを擬人化すると……」

狩沢「すると……？」

渡草「す、すると……」

遊馬崎「すると……？」

渡草「……みんなを包み込んでいるからお母さん！ ……どうだ！？」

遊馬崎・狩沢「おおっーーーーー！」パチパチパチパチ

門田（……ただの大喜利だな）

渡草「ど、どうだ！？ 一歩近づいたか！？」

遊馬崎「いいっスよ渡草さん！ そんな感じっス！！」

狩沢「因みにお母さんの設定は！？」

渡草「え、ええと……歳は48歳で……アパートを経営していて……ってちげえ！！」

遊馬崎「もっとファンタジー要素を入れるんスよ！」

渡草「ファ、ファンタジーか……ええと……」

狩沢「非現実的ならなんでもいいよ！」

渡草「あ、あれだ……特殊能力に目覚めて……そんでみんなの知らないところで池袋を守って……」

遊馬崎「ほうほう！！」

狩沢「それでそれで！？」

渡草「……きょ、巨乳だ！！」

狩沢「……」

遊馬崎「……」

渡草「……」

遊馬崎「……お、オッケーっス！！」

狩沢「う、うん！ いいよ渡草さん！」

渡草「そ、そうか！ これで俺もオタクの仲間入りか！！」

門田（イヤホンどこにあったっけな……）

渡草「ええと……こいつが確か……トサカ煮込みだっけか？」

遊馬崎「違うっスよ！！ 御坂美琴っス！！」

渡草「ああ、そうか……こいつって人気あんのか？」

遊馬崎「あるっスよ！ 禁書のアイドル的存在っス！！」

渡草「アイドル……」ピクッ

遊馬崎「！！！」

狩沢「まずいよゆまっち！！」

渡草「あうう……おうう……」

遊馬崎「す、すいません渡草さん！！ 変なこと思い出させちゃったっス！！」

狩沢「な、泣かないで渡草さん！ この本あげるから！！」

遊馬崎「狩沢さん！！ それBL本じゃないっスか！！」

門田（埼玉のあいつ、元気でやってるんだろうか……）

遊馬崎「司波深雪の兄は？」

渡草「達也！！」

狩沢「御坂美琴のレベルは？」

渡草「5！！」

遊馬崎「基礎はだいぶ覚えたみたいっスね！！」

渡草「ああ！」

遊馬崎「じゃあそんな渡草さんに宿題っス！！」

渡草「しゅ、宿題？」

狩沢「禁書と魔法科高校の劣等生に関するクイズを出すから新刊まで読むこと！！」

渡草「！！！！」

門田「……あのなぁお前ら、そうやって無理矢理押しつけるのは……」

渡草「いいぜ、読んでやるよ！！」

門田「！！？」

遊馬崎「渡草さんなら引き受けてくれると思ったスよ！！」

狩沢「あ、ドタチン。 もう夜遅いけどどうする？」

門田「……解散しよう」

渡草「よし！ お前ら見とけよ！！ ぜってー負かしてやるからな！！！」

遊馬崎「楽しみにしてるっスよ！」

門田「……」

狩沢「どうしたのドタチン？」

門田「……なんでもない」

ブロロロ……

渡草（ヤベエな……擬人化の話してたら全部人に見えちまう……道路も人に見えるぜ）

渡草（さしずめ今の俺は……裸の女の上を走ってるってところか……）

渡草（……とりあえずあいつらからもらった小説を全部読んで……ん？）

『禁断の愛』

渡草（これは……狩沢の本か……）

渡草（……流石に俺もなんで男同士の恋愛が好きかは理解できねえな……）

渡草（……）

渡草（……そんなにすげえもんなのか？）

ペラ……

次の日

狩沢「どうしようゆまっち！！ 昨日、渡草さんにあの本渡しぱなしだった！！！」

遊馬崎「大丈夫っスよ狩沢さん。 ちゃんと今日返してくれるはずっス」

狩沢「……まあそうだよね」

ブロロロ……

門田「来たか」

渡草「……」

遊馬崎「おはようございます渡草さん」

狩沢「おはよー」

渡草「……」

遊馬崎「……渡草さん？」

渡草「……狩沢」

狩沢「な、何？」

渡草「……同性愛って素晴らしいな」

門田・遊馬崎・狩沢「！！！？」

遊馬崎「えっ……ちょっ……渡草さん？」

渡草「ベッドで二人きりっていうシチュエーションもいいけどこういうワゴンの中とかでもいいよな」

狩沢「渡草さん……もしかして……」

渡草「ああ、お前に返し忘れてたこの本を読んだんだ……」

門田「……洗脳されちまった訳か」

遊馬崎「それじゃあ渡草さん、まさか完全に……？」

渡草「……門田」

門田「なんだ？」

渡草「……今日、二人きりになれるか？」

門田・遊馬崎・狩沢「！！！？」

遊馬崎「ちょ……渡草さん！ 今の発言はマズイっスよ！！」

門田「おい待て渡草、落ち着け」

渡草「いいじゃねえか、この世は男で溢れているんだぜ？」

遊馬崎「訳が分からないっスよ！！？」

狩沢「ドタチン×渡草さん……渡草さん×ドタチン……ドタトグ……トグドタ……///」ジュルジュル

遊馬崎「狩沢さん！！？ 元はといえば狩沢さんが……」

狩沢「いいじゃんゆまっち！！ 腐ってる人に悪い人はいないよ！！」

遊馬崎「いや、だからってリアルに手を出しちゃ……」

渡草「いい筋肉してるじゃねえか」モミモミ

門田「お、おい！ どこ触ってるんだ！？」

狩沢「渡草さん！ もっと攻めて！！」

渡草「ああ！」

門田「……遊馬崎、俺は逃げるぞ」

遊馬崎「……幸運を祈るっス」

門田「ああ……」ダッ

狩沢「あっ！ ドタチンが逃げた！！」

渡草「逃がさねえぞ！ 乗れお前ら！！」

狩沢「うん！ ほら、ゆまっちも早く！！」

遊馬崎「俺は……いいっス」

渡草「そうか……よし飛ばすぜ狩沢！！」

狩沢「了解！！！」

ブロロロロ……

遊馬崎「……」