吹雪「フィクションですよ!」 (24)

注意書き

・遅筆です(気の向くままに)

・エタるかもしれません(経歴より)

・え、なにこれは……(困惑)(よくあることです)

・寛容な方、どうかスクロールをお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436712487

――――――Online

――――――――――――WARNING!!――――――――――――

・貴方、もしくは貴女は今電子の海を泳ぐ一人の新たな提督として着任されようとしています

・このゲームには貴方、もしくは貴女の目を背けてしまいたくなるようなシーンがあるかもしれません、無理ならば回避できる事を祈りましょう

・貴方、もしくは貴女は20歳以上ですか?20歳以下の方は保護者の同意を頂いてからゲームをプレイしていただくようお願いたします

・進みたい方はOKを、無理だと言う方はNOを選択してください


「……」

「……これ、どうやってOKを選択するんだ?」

Tips:このゲームは次世代の技術を最大限に活用し、完全な3D世界で自分を動かせるという次世代型のハードで行われる、究極のバーチャルゲームとなります

「それは知ってる」

Tips:貴方、もしくは貴女はまず驚愕するでしょう、技術はここまで発達していたということに

「……」

Tips:貴方、もしくは貴女は―――

「うるせえよ!!!!」

認証:OK

ゲームを開始します……

「……結局分からんかった」

Countdown

5

4

3

2

1

―――貴方、もしくは貴女がよき提督である事を

0

………

……



艦隊これくしょん!「か、ん、こ、れ!」

「艦これ!始まります!」

「提督が鎮守府に着任しました……これより艦隊の指揮を執ります」

「……へぇ」

最初に出たのは、Tipsの通り感嘆のため息

風が頬に当たる感覚

少し寂れ、埃を被った机と椅子

古くなった木造の建物から薫る匂い

ふぅむ……こりゃ凄い、としか言いようがないな

?「あのー?」

ああ、これじゃまるで……

……うおっ!?

?「ひゃっ!?」

……そうか、こんだけボロそうな建物だもんな

おいおい、最初のダンジョンから幽霊が出てくるとか勘弁してくれよ、そういうのはちょっと進んでからがセオリーだろうが

?「あ、あのー」

しかも幽霊ってこんなペラペラ喋るの?え?ゲームだから?

ゲームにしたってこんな流暢に喋る幽霊とかホラーを微塵も感じさせないじゃねぇかよ、開発者はどういう意図でこいつを初期マップに配置したんだよ……

?「あのっ!」

……うるせぇな、どうやってそっち向くんだ?

おっとまずは深呼吸だな、こんな声して顔が物凄い怖かったとかビックリ系もあるかもしれないからな

すー……はー……


?「ちょっと、聞いてるんですか!?」ズイッ

おいぃ!そっちから来るとかやめろや!まだこちとら心の準備が!

?「もしもしー?起きてますかー?」

ぶんぶんと俺の目の前で手を振る……女?

女性という分類の中でも、まだあどけなさを感じる可愛い女の子

そういった印象を抱く子だった

?「む、まだシカトしますか」

違うんだよ、このゲーム説明不足なんだよマジで

チュートリアルすらまともに進めないってなんなんだよほんと

?「はぁ……こんな人で大丈夫なんでしょうか」

なんだと?

昨今のゲームは煽り機能も搭載してるのか、確かにチュートリアルすらまともに出来ない奴はゲームやる資格ないと思うが


?「あのー?とりあえず突っ立ってるのやめて、座りませんか?」

?「まず色々お話したい事もあるので」

と、埃の被ったイスを指さす女の子

……埃くらい落としといてくれないかな、いやにリアルな感触なだけに埃も絶対リアルだろうし

しかし、話すことも叶わないのでそれすら伝わらない

あーもう!普通ゲームだったら道のりまでの矢印が出て何キーで移動とか位出るだろ!

Tips:貴方、もしくは貴女は自分が思うがままに行動できます、そこにキーボドやマウスなどの無粋な機械は必要ないでしょう

……

それができねえから困ってるんだろ!

一人ツッコミを自分にかます

そうしている間も女の子は俺の目の前で少しイライラした顔を隠そうともせず腕組みをして立っている

はぁ……思うがまま、ね

「チュートリアル位もっと親切にしろや!」

?「わひゃっ!?」

突然今まで棒立ちで突っ立ってた奴が大声を出したら誰だってビビる、俺だってビビる

「あ、喋れた」


?「第一声が謎の言葉って……本当に大丈夫なんでしょうか……」

なるほど、喋りたいと考えればあっちでも話せるようになるんだな

って事は動きたい時は……

ピクっと、自分の右腕に感覚が向く

そうしてゆっくりと手を高く上げていく

まぁ、そうすると当然女の子が目の前に居るわけで

ムニ

「あっ」

?「!?」

……意外と、あるんだな

?「……司令官の、変態!!」バチィイ!!

「痛ったぁああああああああああああ!?」

頬に強烈な痛みを感じたのが、記念すべき二回目の人とのコミュニケーションだった

一回目?そりゃもう柔らかくて……


?「早く座ってください」ギロ

「了解です」ビシッ

そういって即座に目的地に移動しようとする

だが、歩き方というのはいざ体を動かさないでやってみろと言われると、案外難しい物である

「えーと……まず足を前へ」

すっと右足が前へ伸びる

「そして手を……振る?」

思ったように手が前へ振られる

「これを繰り返して……」

ひょこひょこと、まるで出来損ないの機械のような歩みをする

そんな俺を見て失礼な女の子は

?「……ぷっ」

?「あっはっはっは!司令官なんですかその機械みたいな動き!」

お前……人が必死に歩き方を思い出してるっていうのに

イライラを抑えつつも機械のような動きで目的地に到達しようとする、が

「……ッ!?」

ぐらり、と

歩きたての赤子が転んでしまうよな自然な動きで、床にキスをする

ばたーん!と大きな音が寂れた部屋の中に木霊する

「痛ってぇ……」

当然受け身をとれるはずもなく地面に突っ伏してしまう

それを見てあいつは―――

?「あーはっはっはっ!最高です司令官!もう私の腹筋が痛いです!やめてください死んでしまいます!」

と、指を指して笑う

許さん、絶対に許さんこいつだけは

人は復讐を誓う時に真価が発揮されるのを思い知らせてやる

―――結局そこから死にかけの虫のような動きでジタバタするが、結局立ち上がれず

「……すいません、起こしてください」

今もなお飽きること無く笑い続けるあいつに助けを乞うことにした、死にたい


?「……はぁっ!私最初は何も喋ってくれないし無愛想な人だな~って思ってましたけど」

?「まさか最初のはただの引き込みで、そこから私を笑わせるためにあんな事してくれるなんて!」

?「もう、ほんっと最高でした!ありがとうございます司令官!」

「なんも笑わせるような行動はしてねぇ!」

と、割りと本気で怒りを孕んだ言葉を浴びせる

―――が

?「えー?もう本当提督ったら面白いんですから!!」

と、けらけら笑って流されてしまった

……このゲームの開発者、相当性格捻くれてるな、普通の人間だったらここでやめるぞ

?「はぁ~……いい感じに緊張もとれました!」

?「私、提督となら上手くやっていけそうです!」

「俺はやっていける気がもうしねぇけどな」

?「照れない照れない!大丈夫ですよ!私達最強のタッグになれますよ!」

「ならないからホントもう黙って……てか黙れ」

?「あー、拗ねちゃいました?」

「拗ねてねえよ……お前本当にうっさいな」

?「だって司令官、物凄い分かりやすいんですもの」

「はいはい……」


吹雪「私は吹雪!司令官と最強のタッグにこれからなる予定の秘書艦です!」

吹雪「得意な事は家事全般!苦手なことは運動!」

吹雪「そしてチャームポイントはドジなところです!」

「それ自分で言うか……?」

吹雪「はい!司令官のお役に立てるように精一杯頑張りますので、よろしくお願いしますね、司令官さん!」

「はぁ……」

吹雪「では司令官の自己紹介もお願いします!」ビシッ

「俺?」

吹雪「はい!」

なるほど、こっからキャラクタークリエイトか?

できるならこっちの世界くらいではかっこいいキャラにしたいな……

リアルで満足してない奴ほどキャラクリでは美男美女にしたがるらしいが、あながち間違ってない気がする

吹雪「……?」

「……」

流れる沈黙

「……キャラクリって無いの?」

吹雪「キャラ……クリ?」

きょとんとした顔でこっちを見つめる吹雪とか言う女の子

「えーと……ほら、パーツを組み合わせたりして?自分の分身を作るみたいな?」

吹雪「???」

……どうやら、このゲームではメタ的な要素は一通じないらしい

って事は俺の顔は現実世界の物と一緒って事か?そこまで現実にしなくてもいいんだよ……

吹雪「司令官さんが時々よく分からない単語を呟くのは分かりましたけど、とりあえず自己紹介の方を……」


「……あぁ、そうだな」

「俺がお前の司令官、らしい。よろしく」

吹雪「……それだけ?」

「他に何か言うことでも」

吹雪「……好きな食べ物は?」

「何でも食う」

吹雪「好きなスポーツは?」

「何でもする」

吹雪「好きな女の子のタイプは?」

「知らん」

吹雪「……はぁ、つまらないですよ司令官さん」

「自己紹介って面白おかしくやるもんでもないだろ!?」

吹雪「私は失望しました……最初にあんなに面白かった司令官さんもただの一発屋でしたか……」

「芸人じゃねぇよ!あれは俺の努力の結晶だ!」

吹雪「努力の結晶……?あぁネタの話ですか?」

吹雪「駄目ですよ、芸人なら何か次へ繋げるネタがないと。あんなんじゃ出オチ以下ですよ出オチ」

「だから芸人じゃねぇよ!必死なんだよ俺も!」

吹雪「必死であれなんですか?それはちょっと……」

「お前めちゃくちゃ笑ってたじゃねぇかよ!」

―――不毛な論争はしばらく続く


吹雪「はい、この話はここまで」

吹雪「さっさと真面目な話に入りますよー」

「何でお前が上みたいな立場になってるんだ……?」

吹雪「えーっとですね、私達は海の平和を護るための選ばれし者達です、だからなんやかんやで敵と戦います、以上」

「えぇ……」

吹雪「何か説明が不足していた部分があれば挙手の方を……」

くっ、こいつ……

「なめんなよ!」

と、プルプルと震えながら右手を高く上げようとする、が

「重てぇ!」

……自分の腕を上げるという動作すら満足にこなせなかった

吹雪「……司令官さん、同じ事を二回するのはボケとしてはどうかと」

「お前本当にいい加減にしろよ!」

……とまぁ散々馬鹿にされる司令官であった

吹雪「はい、じゃあ司令官さんの努力に免じてもう少し詳しくお話しましょう」

最初からそうしろと心の中だけで思っておく


吹雪「えー、私達、と言っても私しかまだ居ませんが、こう見えて結構強いです」

吹雪「普通に私でも大の大人五人くらいは素手で仕留められます、そんな感じです」

吹雪「そんでもって私達はこの強力な基礎能力に加え、特殊な所謂艦装という兵器を身につける事によって更に力を飛躍させます」

吹雪「個々でも私達はそれなりの性能を発揮しますが、本当の真価を発揮するのは六人集まって、艦隊を編成した時です」

吹雪「よって、まずは司令官さんには私達の仲間を見つけてもらいます!」

「……」

まぁ確かに最近のゲームでは小さい女の子が馬鹿でかい大剣とか平気で振り回したりするしね?

ゲームだからなんでもありだと思うが、こうまでリアルに作られた世界でもそうなのかって思うと、なんかちょっともやもやするな

「はぁ、要するにまずゲームを始めるには残りの五人を探せと」

吹雪「ゲーム?まぁ、はい、そうですねとりあえず五人探して六人になるというのがまずスタートラインとなりますね!」

「めんどくさいチュートリアルだなぁ……」

まずはこのグラフィックで戦闘をやらせろと、そっからでいいじゃねぇかよ仲間探しなんてダルい作業

吹雪「チュートリアルが何を意味してるかわかりませんが、とりあえずやる気が0ってのは伝わりますね……」

吹雪「もしかして、私の力とか見くびってます?」

「まぁそれもあるな、到底素手で大人を仕留められるとか思えない」

普通では、の話だが

吹雪「……まっ、そうですよね!」

吹雪「まずは目にしてもらわないと!」

吹雪「―――私達の、強さを」


と、言うが早いが

バゴォッ!っという音と共に、吹雪のか細い腕が壁を貫いていた

その時の俺はもう漫画顔負けのリアクションをしていただろう

……この壁、結構厚そうだったよな……?

たらり、と冷や汗が流れ落ちる

頭の中で思考がグルグル回る

さっき、ビンタされた時普通に痛かったよな?

じゃあ、もしこいつに本気で殴られたら……?

―――死

「吹雪」

吹雪「はい!なんでしょうか!」

「手とか、痛くない?絆創膏貼る?」

吹雪「……?いえ、どこも怪我しておりませんが……」

不思議そうな目で見つめ返してくる吹雪

……とりあえず、仲良くやっていこうと心に誓った瞬間であった


「さて……とりあえずチュートリアル(逆らったら死)はある程度理解したし次のステップへと移るか」

吹雪「司令官はよく分からない単語度々発言するから本当に不思議です……」

「で、結局のところ仲間ってのはどうやって増やすもんなんだ?街でキャッチのお兄さんにでもなればいいのか?」

『あ!そこのおねーさん!ちょっと待って待って!ね?ね?今国民の中での世の中に対する自己防衛の意識のレベルの有無を確認するアンケート取ってるんだけど!』

『ね!5分で終わるからさ!とりあえずそこの店でアンケートに答えてもらっていい!?先っぽだけだから!』

「……で、先っぽだけでは済まなくて我慢できなくなったあっちの方から仲間になるから早く挿れry」

吹雪「とりあえずよく分かりませんが続きを言わせるのは憚られました、ごめんなさい」

「……すまん、とりあえず壁に穴を開けるのはやめてもらっていいか?真面目にやるから、なぁとりあえずその物騒な物(拳)しまってくれよ、な?」

吹雪「こほん……改めまして、私達は所謂”艦娘”と呼ばれる、一種のAI搭載型海上戦闘特化ヒューマノイドのプロトタイプに分類されます。」

吹雪「噛み砕いて言えば、命令する者に従い、戦闘を行う以外にも自分達のAIによっても臨機応変に対応する事ができる、意志を持った機械と言われ注目を浴びる存在となっています。」

吹雪「自慢ではありませんが、今のこの世の中を救う事ができる唯一の存在と称されているのが私達の現状です、現に既にいくつかの部隊が成果を上げていますが。」

「……ふーん」

まぁ、ゲームの中では人にそっくり、いや、何も変わらないような奴が戦場に駆り出されるのはよくあるような設定だ

その中で特に意志を持った人型の機械の戦いなんて、意志を持った兵器がうんたらかんたら~とかよくありそうな展開だけどな

……まぁ、とりあえず謀反を起こされないように適当に指示させてもらいますかっと


吹雪「で、仲間を集めるという手段に関しては主に二つの方法に別れます。」

吹雪「一つは、兵器の建造、つまりこの鎮守府で一から私達”艦娘”という存在を作り上げる事になります。」

吹雪「しかし、当然ながらデータがまだ乏しい状況であるこの鎮守府ではどのようなレシピでどのような兵器ができあがるかという事は分かりません。」

吹雪「その為、安定して狙った兵器を作り上げるということは今は不可能と言えるでしょう。要するに安定はしないという事です。」

吹雪「また、私達は兵器であり、運用するには当然資材が必要になってきます。これは建造にも必要となります。」

吹雪「なので、この不安定で財政の乏しいクソ雑魚ナメクジ鎮守府では交通事故に会った人が回転しながらドラム缶に刺さる位可能性が低いとてもコストが高い艦娘を作り上げたとしても、今の状況では運用がままならないという事です。」

「おい、お前仮にもこの鎮守府に所属してんだろ、どんだけ駄目鎮守府なんだここはおいもう帰りたいぞ」

吹雪「新米に与えられるのなんて大体似通った環境ですよ、……まぁ、その中でもトップクラスでここは貧乏ですが。」

「おいおい、なんで人生ハードモードなのにゲームもナイトメアモードから始まるの?リアル=ゲームなの?俺もうこの糞ゲーリタイアしていい?」

吹雪「続きまして、もう一つの仲間を集める手段が、私達の敵、そしていまや世界共通の敵という認識となった深海棲艦を倒す事によって、出現するレシピデータを建造で入力する事によって特定の艦娘を建造する方法です。」

吹雪「詳細は不明ですが、深海棲艦と呼ばれる敵を倒す事によって、メモリーと呼ばれるものがドロップします、詳細は不明ですが、そのレシピどおりに資材を用いて建造を行うと、どういう訳か特定の艦娘しか生産できないという事になっています。」

「詳細不明すぎだろ、お前あれだろ詳細は不明って考えてない奴の言い訳の常套句だろおい」

吹雪「……とまぁ、こんな感じで二つの方法に別れます、世の中にはこの方法以外にも艦娘に出会える方法があるらしいですが……」

「それあれだろ?これからもしあ!まさかの会えちゃったー!ってなったら(この方法以外に会える可能性がないとは言っていない)みたいな保険だろ?なぁ?」

吹雪「うるさいですよ!私もよく分からないんですよ!この頑固者!」

「え!?なんか怒られた!?てかとりあえず形だけでも俺が提督なら服従しろよオイ!」

吹雪「私は司令官が尊敬できる人物ならば服従致します(笑)」

「おい、鼻の穴広がってるぞ、どんだけ下に見てんだおい」


吹雪「と、言うわけでゴチャゴチャ言わずにまずはレッツ建造ですよ!司……司令官?」

「司令官でいいんだよ、他の誰でもねぇよなんで疑問形なんだよ」

吹雪「ということで、やってきました工廠。わーぱちぱちぱち」

「ふむ」

ざっと見渡す限りこれが所謂兵器を作る場所なのだろう、火薬の煙草にも似たツンと来る匂い、金槌の奏でる小気味良い音

まさしく工場である、が。

「このちっこい奴らはなんなんだ……?」

吹雪「こほん、説明致しましょう、妖精さんです、以上」

「妖精で済めば現実はいらねぇんだよ!チュートリアルキャラならせめて序盤位しっかり説明しろや!」

吹雪「だから私は上から詳しくは伝えられてないって言ってるでしょう!?逆ギレはやめてもらいます!?」

「……はぁ、まぁ現実じゃないんだからもう一々設定に突っ込んでたら体が持たないな、で、結局この……人?達が俺たちのサポートをしてくれる訳か?」

吹雪「まぁ、平たく言えば共存関係という中で共に生活をしているといった仲間と言うべきでしょうか」

吹雪「どういった訳か、この妖精さんという存在は新たな物を産む、といった事に対して生命を注ぎ込み、そして生命を存続させる存在と称されています」

吹雪「そういった訳で、物事に対する探究心は凄まじく、何かを教えるとスポンジのように知識を吸収し、物の創造、文化の発展、はたまた政治にも関わっているとされている、いまや人間側にはなくてはならない存在ともされています。」

吹雪「どこから生まれ、どこに消えるかというのは不思議な事にどの文献にも載ってはいませんが、ある説では必要とされている人の元に召喚されるというオカルト的な話もあるそうですよ?」

「つまり、俺はこのよくわからない存在をよくわからない内に求めていたって事か?」

吹雪「まぁ、そうなるでしょうねぇ、結果オーライだからいいんじゃないんですか?」


「……まっ、そうだな、よろしくな、妖精さんとやら」

妖精's「……」

「あ、そういえばこっちの言葉は通じるのか?」

吹雪「えぇ、言葉を教えれば勿論その言葉を使えるようになりますが、この妖精さん達は非常に知識が高く、見たこと、感じた事、他にもどこかから勝手に得た情報を自分の中で取捨選択し、その場に適したコミュニケーションが取れるという非常に優れた習性があるようです。」

吹雪「ですので、私達が会話してるの聞いてるだけ、見てるだけ、他にも元々知っていた情報から構成し、会話自体は徐々に出来るようになるはずです。」

妖精's「あなたたち ここの ひと ?」

「おっ、そうだよ、俺は……司令官?よろしくな!」

吹雪「なんで貴方まで疑問形なんですか」

「いやだってネーム入力とかなかったじゃん?じゃぁ名無しでも進行しづらいしとりあえず人に呼ばれた名前で通そうと思ってな」

吹雪「へーそうなんですねーすごーい」

「なんでそんな棒読みなの?もしかして俺頭が変な人に思われてるの?そんな人が上官に着いちゃって絶望してるの?」

吹雪「いやーそんな事ないですよー世の中には色んな人が居るんだなーってあはははー」

「吹雪さん!目が笑ってない!笑ってないよ!」


妖精's「…… ねぇ」

妖精's「ここのひと なら もの つくらせて」

妖精's「わたし たち の いきる かて 」

妖精's「それが あなたたち も もとめている こと の はず」

「……おっとすまん、早速じゃあ艦娘を建造して欲しいんだが……」

妖精's「かん むす?」

「こいつみたいな奴だ」チラッ

吹雪「こいつとは失礼ですね、私はAI搭載型海ry」

「な、こんな感じだ、分かるか?……いや普通分からんか」

妖精's「…… わかった つくる 」

妖精's「どれくらい もの つかって いい?」

「……ふむ」


なるほど、これは人間の良きパートナーとなる存在かもな

Win-Winの関係で成り立っており、非常に優れた知識を持ち、場さえ与えれば服従と言った姿勢を取ってくれる

しかし、人は気づかない物なのだろうか、いつかこの存在達が意志を持ち自分に歯向かう事がありえるかもしれないという事実を

……今は考える事ではないな、結局バーチャルの話だ、ネタバレを自分で探すのもつまらない

「吹雪、今資材はどれくらいあるんだ?」

吹雪「はい!えっと……残念ながら艦娘を建造するに当たっての必要最低限の資材しか今は存在しません。」

吹雪「資材を増やす方法は後々説明しますね?では、よろしくお願いします。」

「よし、ならば必要最低限な資材で作り上げてくれ、詳細はこの吹雪に任せた」

吹雪「ちょっと!?投げやりになってませんか!?まだまだこの鎮守府は始まったばっかりなんですよ!?」

「投げやりになんてなってないさ、俺はまだこの鎮守府に詳しくないからな、見学でもしてくるさ、はっはっはっは」

吹雪「待ってくださいよー!全然私だって建造なんて分からないんですからー!どうなっても知らないですよー!!」

「聞こえん聞こえん」

騒々しい声を背中に浴びながら、ゆっくりと彼は工廠を後にする

これは、始まり、そして……

終わりをも、司る

これは嘘の物語、バーチャル、言い方は複数あれど、虚偽の事実

決して、事実ではない、事実ではないのだ

尾張!平定!以上皆解散!(平定おじさん)

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