穂乃果「両片思いを君と」 (21)

穂乃果「本気で好きな人と、なかなか結ばれない…かー」

真姫「いきなりどうしたのよ、悪いものでも食べた?」

穂乃果「お母さん特製のおいしーいお弁当が悪いものなわけないよ?」

真姫「そうはいってないでしょ」

穂乃果「ふうん、まあいいけど。あーそれでね、さっき聞いてた曲にそういう歌詞があったんだ。
 真姫ちゃんはどう思う?」

真姫「どうって…まあ、確かになかなか結ばれないと思うわ。簡単に…付き合えるわけないじゃない」

そう付き合えるわけなんてない
だって、穂乃果が好きなのは、私じゃないって知ってるんだから…

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穂乃果が好き。だけど…穂乃果の見つめる先にいるのは私じゃない
瞳の先を辿る先にいるのはちょっと抜けているとこもあるけど美しい海未

海未とは10年以上の差、けれどその差はとても大きいもので追いつけそうにない。
二人は私が知らない時間を過ごしていて。
声や表情を見ていれば一番心を許してる相手なんだろうとすぐ分かった。

穂乃果「え!?その言い方…もしかして真姫ちゃん好きな人…いるの?」

真姫「…どうだっていいでしょ」

穂乃果「どうでもよくなんかないよ!いるの!いないの!?」

真姫「…いるわ、いるけど付き合えるとか、その、思ってないし」

「なにそれ!そんなっ…!そっか…うん…ねえ真姫ちゃん、穂乃果もね実は好きな人いるのよ」

知っているわ海未でしょ?でも、直接聞きたくなんてなかったのに…

聞かなければただの推測でしかなかったし、もしかしたらと希望を持てていたけれど、
穂乃果はあっさりと私の希望を打ち砕いていった

「お互い頑張ろうね」

なんて、そんな苦しそうな、辛そうな声で言うものだから彼女の気持ちが真剣なのだと痛々しいほどに伝わってきた。
その痛みに耐えきれなくなった私は凛と花陽のもとへ逃げ出してしまう。
伝えられない想いを胸に、私はちゃんと笑っていられてる?

「真姫ちゃん、真姫ちゃん、まーきーちゃーんー!」

「な、なによ凛!耳元で叫ばないでよ!」

「だって真姫ちゃん全然気づいてくれないんだもん。ごはんたべよーよー!」

「ヴええ!?あ、あれ、いつのまに授業おわったの?」

私はどうやら授業が終わったことにも気付かないほど考え事に没頭してしまっていたみたいだ。
こんなの私らしくないけれど、答えが一向にでないのだから仕方がない

「なにか、悩み後?花陽たち相談にのるよ?」

「真姫ちゃん眉間にしわがよってるにゃー」

「…大丈夫よ、ありがとう。ごはんにしましょ?」

いくらわからないからって流石に凛たちに聞けるような内容じゃない
この気持ちはばれてなんていけないし、なにより仲間たちに心配させるようなこともしたくない。
私は弁当箱を鞄から取り出し立ち上がった。

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