【ファフニール】シャルロット「人型ドラゴンとつがいの"D"の精神的変化」 (249)

銃皇無尽のファフニールⅨのネタバレとなっています
現在の話の戦いが終わった後を想定して書いています
ー――――

夜中
深月の宿舎 悠の自室

悠「……んっ?」パチリ

悠(俺はふと右腕に何かが当たっている感触で目を覚ました)

悠(眠い目を左手でこすり、右を向くと深月が横で気持ち良さそうに寝ていた)

悠「またか……」ハァ

悠(ここ最近、夜にふと起きるとほぼ必ず深月が横で寝ている)

悠(普通に横で寝ているだけなら、俺はこのまま寝直せば済む)

悠(けど……深月が俺の腕に抱きついているせいで、腕に深月の胸の感触を感じて意識せざるを得ない)

悠「……明日も寝不足だな」

悠(俺は深月を起こさないように、目を閉じて理性と朝まで戦い続けた)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436547859

登場人物

物部深月
http://imgur.com/kRwhceb,JKFq5sg,g4MWdyK#0

物部悠
http://imgur.com/kRwhceb,JKFq5sg,g4MWdyK#2

シャルロット・B・ロード(金髪)とマイカ・スチュアート(メイド)
http://imgur.com/kRwhceb,JKFq5sg,g4MWdyK#1

物部深月
http://imgur.com/koHwfXL

物部悠
http://imgur.com/2ueiimT

シャルロット・B・ロード(金髪)とマイカ・スチュアート(メイド)
http://imgur.com/t5bTvEk

拡張子まで貼れ

―――――

次の日

悠(俺は朝食の時間や、登校の時間でどうして許可無く俺のベッドに入り込むのかを問い詰める)

悠(しかし、深月は頑なに答えようとしない)

悠(俺はそのせいで寝不足だと言ってみると申し訳なさそうにするが、それでも夜には必ず俺のベッドで寝ている)

悠「理由くらいは話してくれてもいいと思うが……」

悠(俺は深月が勝手にベッドに入り込む理由を考える)

悠(俺に結婚したいほどの好意を寄せていたのは知っているが、以前はここまで積極的では無かったはず)

悠(俺の"つがい"になった直後はとても甘えてきたが、戦いが終わってからはあの時ほど人前では甘えてこなかった)

悠(だとすると、"つがい"になったことで何かしらの変化が起こっていると俺は考えた)

悠「あの人に相談してみるか……」

物部深月
http://i.imgur.com/koHwfXL.jpg

物部悠
http://imgur.com/2ueiimT.jpg

シャルロット・B・ロード(金髪)とマイカ・スチュアート(メイド)
http://imgur.com/t5bTvEk.png

―――――

放課後
ミッドガル学園 学園長室

シャルロット「そなたから用とは珍しいな」

悠「そうですね、学園長。あの事件以来です」

悠(マイカさんがいたので、普段通りに会話することにしている)

悠(ちなみにあの事件とは、マイカさんがいないのをいいことにシャルが女子寮で洗濯する前のパンツを盗んでいたパンツ盗難事件だ)

悠(シャルは一般の生徒からは変態だというイメージを持たれていないため、この事件では俺に濡れ衣が着せられてしまった)

悠(詳しいことは省略するが、パンツは女子生徒に返却され、シャルは理由をつけて何とか生徒からの信頼を失うことは無かったがマイカさんにこっぴどく説教された)

悠(そして俺は、しばらくシャルを越える変態という扱いを教室のみんなからされ、辛い日々を送っていた)

シャルロット「確かにそうだな」クスッ

悠「……それはさておき、今回はドラゴン関係で相談があります」

シャルロット「ほう、話を聞かせてくれ」

悠(俺は、深月をつがいにしてから、身体的接触の機会が増えたことを簡単に伝えた)

シャルロット「……そなたのつがいになった事で、思う存分のろけられるようになっただけの話ではないのか?」ムスッ

悠「そういう結論で済む話だったら、相談なんてしていませんよ」

悠「俺としては、何故俺のベッドに夜中に勝手に入ってきて、その理由を言わないのかが気になるんです」

シャルロット「……だから、のろけたいだけではないのか?」

悠「つがいになったという理由だけで、人が変わったように積極的になれるというのもおかしい話ではないですか?」

シャルロット「人が変わったように……つがいになったことで精神的変化が……」

悠(シャルは突然、真面目に考え始めた。そして考えが纏まったのか、にやっと表情を綻ばせた)

シャルロット「人型のドラゴンとつがいになった"D"の精神的な変化……一緒に調べてみようではないか。我が友よ」

寝る
あまり書き溜められてないからもう少し書き溜めてくる

―――

次の日

悠(今日も変わらず、深月は俺のベッドに潜り込み、それについての追及しても答えようとはしなかった)

悠(俺はそれをシャルに伝えた)

悠(シャルは学園長室に深月を出頭させ詳しく聞きだすそうだ)

悠(その間、俺は前に隔離用に連れ込まれた部屋で待機することになった)

悠(この部屋でも学園長室の様子を見ることが出来るよう、予めマイカさんが用意をしていた)

悠(俺はシャルに呼ばれるまではここで待機し、必要があれば学園長室へ向かうことになっている)

放課後 学園長室

コンコンコン

シャルロット「誰だ?」

深月「物部深月です」

シャルロット「入れ」

深月「失礼します」ガチャ

悠(こうして見る分にはいつも通りだな)

深月「それで、私に何かご用でしょうか?」

シャルロット「うむ、そなたにはつがいになってからについて色々と聞きたいことがある」

深月「それなら、何故私だけを呼んだのですか? ブリュンヒルデ教室の生徒を全員呼ぶべきではないのでしょうか」

シャルロット「理由は簡単だ、変化の内容がとても話しにくい内容だった場合、友がいる前で話すのはとても躊躇われると思ったからだ」

深月「……なるほど、そういうことですか」

シャルロット「ちなみに、ここでの話は上層部に流すようなことはしないから、安心してくれ」

シャルロット「私の個人的な興味と、そなたらブリュンヒルデ教室の乙女達が心配なのだよ」

深月「分かりました。そういうことであれば、しっかりお答えします」

シャルロット「ではまず、身体的な変化から――」

悠(シャルは深月に食の変化、疲れやすくなったかどうかなどを訊いている)

シャルロット「次は、架空武装を生成してみてくれ」

深月「分かりました。――五閃の神弓(ブリューナグ)」パァァ

シャルロット「ふむ、どうやらちゃんと上位元素(ダークマター)を生成しているようだな……」ボソッ

悠(バジリスクの終末時間(カタストロフ)を完全に継承したイリスと違い、上位元素生成能力は消えずに残っているようだ)

深月「これでいいでしょうか?」

シャルロット「うむ、協力感謝する。身体的な変化は特に無しと」

悠(調査の一段階目は何ごとも無く終わったな。でも、本題はここからだ)

シャルロット「では次は、精神的な変化があったかを調査させてもらおう」

シャルロット「ここ最近、クラスメイトや下級生などから前とは変わった部分があると言われたりはしなかったか?」

深月「変わった部分、ですか。そうですね……」

悠(そう言ってから思い出そうとしている深月の様子から、俺は少し焦りを感じた)

深月「そういえば、生徒会の時に、嬉しい出来事でもあったのですかと訊かれることが増えましたね」

シャルロット「となると、笑みを浮かべる機会が増えたということだろうな。心当たりはあるか?」

深月「……実は、兄さんのつがいになってから、不思議と心が満たされている感じがして、毎日が楽しく感じているんです」

深月「以前にはなかった達成感のような、充足感のような、それに近い感情が湧き上がって……以前はこんなことはありませんでしたね」

シャルロット「それは興味深いな、つがいになると精神的に満たされると……」カキカキ

深月「他は特にありませんので、報告できることは以上です」ソワソワ

悠(俺にもすぐ嘘だと気づけた。普段の深月ならもっと落ち着いているはずだ)

悠(なにより俺のベッドに潜り込むようになったことが一切話されていないのだから)

シャルロット「……それだけではなかろう」

深月「な、何故そう思うのですか?」ドキッ

シャルロット「実はな、そなたの兄から相談を受けていてな」

深月「兄さんから?」

シャルロット「ここ最近、毎日のように深月が俺のベッドに無許可で潜り込んできて困っている、と」

深月「……」

シャルロット「最初はただののろけ話かと思ってどうでも良かったのだが、以前までのそなたの性格を考えるとやけに積極的だと思ったのだ」

シャルロット「もしかしたら、つがいになったことによる影響があると思ったのだが、それについてそなたに話してほしい」

深月「……分かりました。今起きている、もう一つの変化についてお話します」

出かけるからまた後で書きます

深月「その変化が起きたのは戦いが終わって数日くらい経った後でした」

―――――


深月の回想

悠「おやすみ、深月」

深月「おやすみなさい、兄さん」

深月(私は兄さんと別れ、自室で寝ようとしました)

深月(目を閉じて数十分後、私はいつものように眠りについていました)

深月(その夜、兄さんがどこかへいなくなる夢をみてしまい、目を覚ましました)

深月「兄さん! ……ゆ、夢でしたか」ハァッハァッ

深月(その時の私は呼吸が荒く、不安と焦燥感と喪失感で頭がいっぱいになっていました)

深月(急ぎながらも、音を立てないように兄さんの部屋まで行き、兄さんの安否を確認しました)

深月(当然のことながら、眠っている兄さんがそこにいました。私はそれを見てほっとしました)

深月(しかし、このまま部屋に戻るとまた悪夢を見て、しっかり眠りにつけないと思った私は兄さんのベッドで兄さんと寝る方法を選びました)

深月(すると、先ほどまでの気持ちが嘘のように私の中から消え、とても心地よい気持ちで満たされました)

深月(そして、私はそのまま寝てしまったのです)

―――――

悠(深月……)

シャルロット「つまり、そなたは夜に不安定になる精神状態を落ち着かせるために相談もせず潜り込んでいたということか?」

深月「ま、間違ってはいませんが、今は違うんです」フルフル

シャルロット「どういうことだ?」

深月「学園長の言ったことは、最初と二度目まではその通りです」

深月「けど、今はもっと違う理由がありまして……」

悠(違う理由?)

シャルロット「分かった、そちらも聞かせてくれ」

深月「わ、分かりました」


深月「三度目の時から、私は一人で寝ることを諦めて兄さんが寝静まったのを狙ってベッドに潜り込むことにしました」

―――――


深月の回想

深月「……そろそろ兄さんも寝ていそうですね」

深月(私は兄さんが寝静まる時間を予想して、ばれないようにベッドに潜り込みました)

深月(今日もこれで安眠ができる、そう思っていたのです。しかし――)

深月(……兄さんの寝顔、可愛らしいです)

深月(軍人として鍛えられて気配には敏感だと思っていましたが、こうも無防備にされていると何かしたくなりますね)ウキウキ

深月(こうして腕に軽く抱きつくくらいでも平気です。でも、流石にキスは気づいてしまいますよね)

深月(でも、兄さんとちゃんとキスをできたことはほとんどありませんから、一度くらい……)

深月(いやいやいや!何を考えているんですか私は!)

深月(どうしても一人では寝れないからこうしているだけで、不埒なことをしようとしたわけじゃないです!)

深月(……でも、もう既にタオルがあったとは言え、一緒にお風呂に入って、素肌をあれだけ触れ合わせてしまいましたから、キスくらいはもう大丈夫ですよね。ゆくゆくはその先までしますし……)

深月(いや、ダメですダメです! 生徒会長としてそう言ったことは……)

―――――


深月「……全部とはいいませんが、以上です」カァァ

悠「」

シャルロット「」

シャルロット(これは)

悠(いったい)

悠・シャルロット(どう反応すればいいん(の)だ)

マイカ「……もしかしたら、そう言った考えをしてしまうようになったのもつがいになったせいかも知れませんよ?」

深月「どういうことですか?」

マイカ「本来、ドラゴンが"D"をつがいにするのは自分の子孫を残して第二世代、第三世代のドラゴンを産み出し、ゆくゆくは全世界の人間をドラゴン化させるとヴリトラさんは言っていましたね?」

シャルロット「ああ、そうだったな」

深月「私も、目覚めた後本人から直接聞きました」

マイカ「つがいになった"D"は新たなドラゴンの卵を宿すことも宮沢健也が隠していたクラーケンの残骸から発見されました」

マイカ「しかし、人間はドラゴンと違って胎生であるため、普通のドラゴンとはまたメカニズムが異なっています」

マイカ「なので……深月さんはつがいとなった影響で、ドラゴンの本能である子孫を残すことの影響が少しずつ現れているかもしれない、ということです」

シャルロット「なるほど……思春期真っ只中のそなたたちにドラゴンの子孫を残す本能が合わさり、物部深月が本能的につがいにした物部悠と子孫を残したいと思うようになりはじめた」

深月「……子孫を残すというのはさておいても、違うとは言い切れませんね」

シャルロット「つがいになってそなたの変わったところは、一人じゃ眠れなくなりさらに好意を寄せている物部悠に対して劣情を抱くようになってしまった」

悠(……これからは尚更、深月と一緒だと寝れなくなりそうだな)

深月「……ほとんど悪い変化しかしてないような気がしますね」

シャルロット「そうだな。とりあえずこのままそなたと物部悠の二人で宿舎の利用をさせるのは少し危険だと思うぞ」

深月「じゃあ、どうするのですか?」

シャルロット「それはだな――」



悠(シャルが取った対策は、しばらく俺は学園長室の奥の部屋に隔離して、女子寮に戻れたイリス達を深月の宿舎に住まわせて様子を見るという方法だった)

悠(俺がいない場合の深月がどうなるかの検証と、俺以外の人と一緒に寝ても平気なのかという検証を兼ねている)

悠(今日は初めての検証の日だ。出来るなら俺以外でもちゃんと安眠できると助かるが……)

悠(ちなみに、俺は今何をしているかというと……)



シャルロット「今回の調査の結果は、予想の斜め上を行ったな」ピコピコ

悠「そうだな、まさかドラゴンの本能と思春期という時期が重なって深月が……あっ」ピコピコ


KO!


シャルロット「また私の勝ちだな。腕を上げた私はどうだ?」

悠「ちゃんと仕事しているのか気になるくらい強くなっててびっくりした」

シャルロット「……素直に褒めろ、素直に」

悠「頑張ったな、シャル」ナデナデ

シャルロット「ん、許してやろう」フンス

悠(明日が休みだからというのもあり、深夜にゲームで対戦をさせられていた)

悠(結局、俺の安眠はまだしばらく訪れそうにない……)


深月の場合 終了

シャルロット「物部深月にはつがいになった影響で性欲が強くなるとはな」

シャルロット「まだ手を実際に出していないからよかったが、早期発見が出来なければ大事になりかねん」

シャルロット「こうなったら他の者も調査して、記録しておかねばな」

シャルロット「他の者は、物部深月のようになっているのか、はたまた別な変化をしているのか、楽しみだ」


―――――

別キャラも考え次第、投下していきます
キャラのリクエストとかありましたら、気軽に書いてください


出来た順で良いと思うんだ

内容の骨組み固まったので書きます
次はレンです

>>25
OK、そうする

若干、設定にオリジナル要素あり
と言っても、現実に起こりそうなオリジナル要素ですが
―――――
キャライメージその2

レン・ミヤザワ
http://i.imgur.com/n4Xv0E5.jpg

アリエラ・ルー
http://i.imgur.com/07Uj8Ie.jpg

―――――

夕方
放課後 ブリュンヒルデ教室

悠(今日も授業が終わって、帰り支度を済ませた俺はまた明日とみんなに声を掛けてから教室を出る)

悠(ぼうっとしながら歩いていると突然服の裾を掴まれて思わず振り返る)

悠(裾を掴んでいたのはレンだ)

悠「ん、どうした?」

レン「えっと……」

悠(レンは俺の目を見ながら言い悩んでいる様子だった)

悠(少し待っていると、レンが少し諦めた様子で言葉を発した)

レン「……お兄ちゃん、また明日」

悠「また明日な、レン」

レン「んっ」

悠(レンは手を離した後そそくさと教室の方へと戻っていった)

悠(最近、レンがこうして少し引き止めることが増えている。理由は分からないけど、本人から言ってくれるのを待つことにした)

―――――


深月の宿舎 悠の部屋

悠(とは言っても、ここ数日連続してされているとどうしても気になってしまう)

悠(俺はベッドに入って色々と考えを巡らせてみるが、心当たりはなく考えているうちに眠気がやってきた)

悠(もし、レンに悩みがあるのなら俺は力になりたい)

悠(それはレンを守ると誓ったことも勿論ある)

悠(けれど、俺はレンのお兄ちゃんとして力になってあげたいという気持ちの方が勝っていた)

悠(そんなことを思いながら、俺は眠りについた)

―――――

次の日
放課後 ブリュンヒルデ教室

悠(今日も授業が終わり、皆帰り支度を済ませて帰ろうとしている)

悠(俺はというと、今日出された課題を少しこなしたいなどと言って、課題をやる振りをして教室に残っていた)

悠(もしかしたら、俺が残っていればレンは俺に話してくれるのではないかと少し期待をしていた)

悠(課題をやりながらしばらく待つと、教室の外から足音がして、ドアが開いた)

悠「帰ったんじゃなかったのか?」

レン「えっと……」

悠(レンはこちらに近づいて、深呼吸をした)

レン「お兄ちゃん、相談……いい?」

悠「俺でよければ、話を聞くよ」

レン「ありがとう……あと、もう一つお願い、いい?」

―――――

悠(レンのもう一つのお願い、それは話している間、頭を撫でていて欲しいとのことだった)

悠(俺がレンの頭を優しく撫でると、んぅと心地良さそうに表情を綻ばせる)

悠(そのままレンは俺に話してくれた)

悠(どうやらここ最近、不安で落ち着かないとレンは話した)

悠(曖昧なのは、本人もよく理解できてないかららしい)

悠(どういう時に、どんな不安を感じるのかをひとしきり聞くと、話し終えたレンは少し気が晴れたようでいつもと変わらぬ表情をしていた)

レン「ありがとう……話を聞いてくれて」

悠「どういたしまして、レン」ナデナデ

レン「んっ」ギュッ

悠「レン?」

レン「……お兄ちゃんに撫でられると、安心できる」

悠「それなら良かった。レンが安心できるならいくらでもするさ」ナデナデ

レン「そう言って、皆をたぶらかすのはよくないよ?」ジーッ

悠「た、たぶらかす?」

レン「ん、お兄ちゃんは無意識に皆をたぶらかしてるよ……今も」ボソッ

悠「ん? 最後何か言ったか?」

レン「なんでもない。これでとりあえずは不安じゃないかも」

悠(レンは離れて、微笑んだ)

悠「そうか、また何か相談があったら、俺を頼ってくれていいぞ」

レン「ん、分かった。また明日、お兄ちゃん」

悠「また明日な、レン」

悠(レンの後姿を見送ると、外は既に暗くなっていた)

悠「俺もいい加減帰るか。深月が待っているし」

悠(片付けて、俺も教室を後にした)

―――――


時計塔前

悠(俺が帰り道を歩いていると、シャルと遭遇した)

シャルロット「こんな夜遅くまで残っていたのか、ご苦労だったな」

悠「こんばんは、シャル」

シャルロット「うむ。ところでそなたはこんな時間まで何をしておったのだ?さては覗きか?」

悠「教室で課題をするために残っていただけだ」

シャルロット「なんだ、つまらぬな」

悠「何を期待していたんだ……」

悠(俺が呆れていると、シャルは何かを思い出して話を切り出した)

シャルロット「そういえば、そなたはつがいとなった乙女達とここ最近はどうなのだ?」

悠「相変わらず、今までどおり楽しく過ごしてるな」

シャルロット「訊き方が悪かったな。私はつがいになってからここ最近"変わった"と思われる者はいなかったか?」

悠「変わった者?」

悠(俺は少し考えて、二人の人物が浮かんだ)

悠「そうだな……深月とレンは、ここ最近結構変わったと思う」

シャルロット「ほうほう、例えばどう変わったのだ?」

悠「深月は……前より積極的にアピールをするというか、そんな所だ」

シャルロット「それは学園中で有名だから知っておる。会長が悠様に猛烈アタック等と言う噂でな」

悠「そうなのか……」

シャルロット「で、レン・ミヤザワの方は?」

悠「レンは――(説明)――だな」

シャルロット「ふむふむ、引っ込み思案だった彼女が、そこまで変化するとはな」

悠「……で、これに何の意味が?」

シャルロット「簡単に言うと、つがいになったことで"D"だった乙女達にどのような変化が起こるかということが気になってな」

悠「はぁ……」

シャルロット「何せ人型のドラゴンとも言えるそなたのつがいになったという"D"という、前例が無いことだから私にも今後どのような変化が起きるか検討が付かん」

シャルロット「だから、一番彼女達と関わる機会の多いそなたに話を聞いて、何か起こる前に何かしら対策を練るための情報が欲しいのだよ」

シャルロット「まあ、そのようなことが起きないのが一番だがな」

悠「そういうことか。なら、何かあったら報告をするようにする」

シャルロット「ああ、頼んだぞ。我が友よ」

悠(シャルと約束をして、俺は帰り道を歩き始めた)

寝ます
残りはまた明日

では、後半書きます
今日中に終わるかは不明

―――――

次の日
朝 ブリュンヒルデ教室

アリエラ「おはよう、物部クン」

悠「おはよう、アリエラ」

アリエラ「ちょっとボクに付き合ってくれないかな?」

悠「大丈夫だ」

アリエラ「じゃあちょっとついてきて」

―――――

廊下

アリエラ「ここら辺でいいかな」

悠「何の用なんだ?」

アリエラ「レンのことだよ。昨日とても嬉しそうにしてたから気になってたんだ」

悠「それと俺に何の関係が?」

アリエラ「だって、帰る途中に教室に忘れ物を取りに行って、そのまましばらく戻ってこなかったんだよ?」

アリエラ「そう考えると、物部クンが絶対関係してると思わないかな?」

悠「さすがにお見通しか」

アリエラ「で、昨日どんなことがあって、レンはあんなに嬉しそうだったのかな?」

悠「実はな――」

悠(俺は、レンからの相談のこと、頭を撫でたことなどをアリエラに伝えた)

アリエラ「レンがそこまで要求してたんだ。へー」

悠「俺も驚いたな。兄になった後でも、そこまで積極的じゃなかったしな」

アリエラ「ボクはレンがそんな悩みを持ってたなんて知らなかったから、物部クンにレンを取られちゃった気分だよ」

悠(アリエラが笑いながら言う。残念だとは思ってないらしく、そこが少し引っかかった)

悠「そんなことは無いと思うぞ?」

アリエラ「あはは、さすがにそこまでは無いと思うけど、ちょっと頼りにされなくて寂しいかなって思っただけだよ」

悠「……」

アリエラ「でも、ボクも結局はレンや皆と同じつがいになったから物部クンからは離れられそうにないし、そこまで不安には思ってないよ」

悠(アリエラは俺だけに聞こえるよう小声で言う)

悠「……そうだな」

悠(アリエラも、俺が戦いの中で必死に食らいついて触れ、俺のつがいになった)

悠(アリエラがシャルを殺し、二度と戻れなくなる前に俺がそれを食い止めて今こうして今までどおりの学校生活を送ることが出来ている)

悠(戦いが終わってしばらくはシャルから厳しい罰を与えられていたが、それも終わった)

悠(皆とは違い、意思の確認もせず勝手にやってしまったが、アリエラはすぐに受け入れてくれた)

悠(レンはそんなアリエラを見て安心していた。俺は誰も悲しませずに済んでよかったと今も思っている)

悠(その後残ったニブルの兵士を何とか追い払い戦いは終わりを告げたが、シャルはその後色々と苦労をしているようだ)

アリエラ「じゃあ、そろそろ教室に戻ろうか」

悠「ああ、そうしよう」

―――――


深月の宿舎 悠の部屋

悠(あの後は、いつも通りの日常と言える一日を過ごした)

悠(イリスが授業中に居眠りして怒られ、フィリルは休み時間に読書をして)

悠(リーザは俺の素直な感想に慌て、深月は俺に対して説教し)

悠(アリエラはそんな俺たちの様子を見て笑い、レンも横で一緒に笑う)

―――――


深月の宿舎 悠の部屋

悠(あの後は、いつも通りの日常と言える一日を過ごした)

悠(イリスが授業中に居眠りして怒られ、フィリルは休み時間に読書をして)

悠(リーザは俺の素直な感想に慌て、深月は俺に対して説教し)

悠(アリエラはそんな俺たちの様子を見て笑い、レンも横で一緒に笑う)

悠(昼になると、最近は深月が弁当を作って渡してくれる。イリスもそれに対抗したのか手作りの弁当を作って持ってくるようになった)

悠(深月のは見た目はいいが、俺の苦手なおかずを入れてきたりする。イリスの弁当は見た目は少し悪いが、しっかり練習しているのか味はちゃんとしていて美味しい)

悠(午後は演習で新しい物質変換を行ったりして、皆真剣に取り組んでいた)

悠(午後の授業が終わると、今日はレンからの相談も無く女子寮前まで一緒に帰り、夕食、風呂を済ませて今に至る)

悠(ユグドラシルが日本に現れて以降、学園を離れてユグドラシル、紫音と戦い、帰っても竜紋の影響で宿舎や学園長の部屋に隔離された)

悠(そしてニブルからの侵攻で色々と滅茶苦茶になり、こうして落ち着ける日々が来たのはかなり久しぶりだった)

悠(ドラゴンもヴリトラが残ってはいるが、敵対する気は無いようでミッドガル内でのんびりと暮らしている)

悠(もう戦う必要もないはずだ。後はこのまま皆と楽しく過ごしていられたらと考えてしまう)

悠(いつかは選ばなければならない、そんな時が訪れるのを知りながら……)

悠(俺は訪れた眠気に任せて、眠りについた)

後もう少し書かないと終わらないから明日に回して寝ます

アニメ組だけど見てる

書きたかったのですが、書く時間が20分すら確保できなさそうだから明日にします

書かないと言ったな、あれは嘘だ
と言うことで書きます

アニメ組が読んでるという事実に驚きを隠せません
読んでくれるだけで嬉しいです

―――――

次の日

レン「お兄ちゃん、また相談しても……いい?」

悠「ああ、もちろんだ」


次の日から二日後

レン「えっと……またなんだけど相談、いい?」

悠「あ、ああ。もちろんだ」


その日からさらに数日後

レン「お兄ちゃん、またまた――」

悠「……分かった」

悠(ここ最近、何日か置きにレンから相談を受けている)

悠(相談に関しては、嫌なことがあったと言ったものから、どちらかしか入手できない特典を選んで欲しいだとか、様々だ)

悠(ただ、相談を受ける度にレンからのスキンシップが多くなり、俺は落ち着いて話を聞けなくなることが多くなった)

悠(しかし、断るのもレンに悪い気がして、必死で理性を保つようにしている)

悠(この変化こそが、シャルの言っていたつがいになった"D"の変化なのだろうか?)

提督「艦娘の介護」【安価】
提督「艦娘の介護」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436965885/)

―――――

ある日

悠(今日もレンから相談を受けて教室に残った)

悠(レンは椅子を持ってきて、机を間に挟んで前に座った)

レン「お兄ちゃんへの相談はこれで……最後」

悠「最後?」

レン「んっ。だから、ちゃんと訊いてくれるようにここに座るの」

悠(レンの瞳からは、何かの決意を感じとれた)

悠「分かった。最後の相談……聞かせてくれ」

レン「んっ……わたしは、お兄ちゃんに相談をした時にスキンシップをしていたのには理由が、ある」

悠「理由?」

レン「うん。お兄ちゃんがお姉ちゃんを止めてくれて少し後に、今までに無い不思議な気持ちが湧き上がってきた」

レン「お兄ちゃんのことを気づいたら考えていたり、イリスやティアがお兄ちゃんに抱きついたりしているのを見ると少し胸が苦しかったり、色々」

悠「……」

レン「その事をお姉ちゃんに相談したら、お兄ちゃんに相談を持ちかけてその時にスキンシップでもとってみたらって言われて、今までしてもらった」

悠「……アリエラの差し金だったのか」

レン「うん。今まで迷惑だったなら謝る」

悠「その必要はないさ。本当に嫌だったらちゃんと言ってる」

レン「……本当?」

悠「ああ」

レン「良かった……」

悠(レンは、俺の返事を聞いて安心したようだ)

悠「それで、何か分かったのか?」

レン「うん。わたしが今までに感じたことが無かったこの気持ち、やっと分かった」

悠「……」

レン「わたしは……お兄ちゃんのこと、イリスやティア達と同じくらい、大好き」ガタッ

悠(レンは突然立ち上がり、俺の隣まで歩く)

レン「お兄ちゃんとしてじゃなくて、一人の男性として、好き」ギュッ

悠(振り向いた俺に、抱きついてきた)

悠「レン……」

悠(俺は、自然と腕を回して、レンを抱き寄せていた)

悠(今だけは不思議と落ち着いていて、心地よさを感じた)

レン「でも、悠はイリス達もいてきっとどうするかを悩みながら生きてる」

レン「だから、落ち着いて……大切な人を決めて」

悠「……ありがとう、レン」ナデナデ

レン「んぅ……」

悠(レンの頭を撫でると、心地良さそうにしていた)

―――――

アリエラ(やっぱり、レンも物部クンのことが好きになったんだね)

アリエラ(相談を受けたあの日から、ボクは何となくそんな気がしてたんだよね)

アリエラ(あ、レンがとても幸せそう。レンにはボクのことを気にせず幸せになってほしいなー)

アリエラ(物部クンは逆に大変なことになっちゃったけど、ちゃんと考えて、選んであげてね)

アリエラ(そろそろ部屋に戻って、レンを待ってあげないとね)

次の日

シャルロット「……それはつがいになったことでの変化として扱ってよいのか、微妙なところだな」

悠「……俺も、言うべきか悩んだが一応、な」

シャルロット「まあ、一応記録として残しておくとしよう。しかし……」カキカキ

悠「……?」

シャルロット「そなたは乙女達とキャッキャウフフを毎日のように出来て、私はとても羨ましい! 次は私も混ぜろ!」

悠「ダメです、シャルはドサクサに紛れてセクハラをしかねないだろ」

シャルロット「無論、そのつもりだ」キリッ

悠「……」ハァ

悠「それで、もう帰ってもいいか?」

シャルロット「構わんが、私も一緒についていこう」

悠「……なんでですか?」

シャルロット「それはもちろん、そなたと一緒にいれば乙女達が近づいて私がドサクサに紛れて色々出来るからに決まって――」

マイカ「シャルロット様、仕事が残っているのでそれはダメです」スッ

シャルロット「なっ、い、いつの間に!?」

悠「……後はお任せします、マイカさん」

シャルロット「ま、待つんだ! 私を助けてくれ! 我が友よー!!」

悠(俺は、シャルの悲鳴を聞きながら学園長室を後にした)


レン編 終わり

シャルロット「今回は、当たり前とも言える結果に終わったな」

シャルロット「しかし、まだ他にも候補はおる」

シャルロット「きっと、何か面白い変化を起こした乙女が一人はおるはずだ」

シャルロット「このまま調査は継続するぞ……ぐふふ」

―――――
と言うことで、レン編でした
原作からのオリジナルはまだ敵側になったアリエラがつがいになってるくらいでした
今日はもう寝るのでまた思いついたら投下します

ネタがやっと思いついたのですが十八時から二時間拘束されるのでその後書きます
その前に次書くキャラだけ書いておきます

キャライメージその3

キーリ・スルト・ムスペルヘイム
http://i.imgur.com/S5NATtQ.jpg

ある日
ミッドガル学園 学園長室

シャルロット「……用件は分かった」

シャルロット「だが、そなたは"ムスペルの子ら"のリーダーをしておった時にテロ事件を三百件以上起こしており災害指定を受けておる」

シャルロット「私はそなたをあまり信用は出来ん」

キーリ「……」

シャルロット「だが、そなたがどうしてもと言うのなら……その願いを叶えてやってもよい」ニヤリ

キーリ「本当かしら? 貴女がそう言うととんでもないことを要求する気がするわね」

シャルロット「別に大したことではない」

シャルロット「条件は三つだ。一つ目は生徒をこの前のように怪我をさせないことだ」

キーリ「そんなこともあったわね」クスクス

シャルロット「……守れないようなら、私は一切許可をしないぞ」

キーリ「大丈夫よ。もうそんなことはしないわ」

シャルロット「そうか。では二つ目の条件だ」

シャルロット「規則はしっかり守れ。そして課されたものはしっかりやれ」

キーリ「ええ、分かったわ」

シャルロット「……随分と聞き分けがいいな」

キーリ「聞かなければ叶えてくれないなら、素直にもなるわよ」

シャルロット「それもそうだな」

シャルロット「では三つ目だ」

シャルロット「私の調査に協力をしろ」

キーリ「調査?」

シャルロット「そうだ、そなたにはここにある水着を着てもらって――」サッ

マイカ「シャルロット様」

シャルロット「うっ」ドキッ

シャルロット「……冗談だ」

シャルロット「本当の調査内容は、つがいになった後のそなたの変化が知りたい」

キーリ「私の変化?」

シャルロット「そうだ、ドラゴンのつがいとなった"D"は本来はそのドラゴンと全く同じ形質を持つようになる」

シャルロット「だが、人型のドラゴンとも言える物部悠のつがいになったそなたは、姿は今までと変わらぬであろう?」

キーリ「そうね」

シャルロット「だから私は、精神的な面に何かしらの変化があるのではないかと予想を立てておる」

シャルロット「何か変わったと自覚したことや、誰かから言われたことがあれば包み隠さず教えるように」

キーリ「ええ、そんなことでよければ私は構わないわ」

シャルロット「なら決定だな。採寸などをしたいからマイカについて行ってくれ」

マイカ「では、部屋までご案内します」

キーリ「ええ、分かったわ」

キーリ(これで、私はもっと悠に近づけるわ)

キーリ(楽しみにしててね、悠)

―――――

その日の夜

prrrr

深月「はい」

深月「……そうですか、三日後ですね」

深月「……はい、分かりました」

プツッ

深月「これはまた、何かありそうですね……」ハァ

―――――

三日後
朝 ブリュンヒルデ教室

ガラッ

深月「おはようございます」

悠「おはよう」

悠(教室に入り挨拶を交わすと、イリスが興奮しながら俺に話してくる)

シャワー浴びてくるのでまた後で
22時からまた拘束されるから書き溜めてる今のシーンだけ後で投下する

イリス「モノノベ、今日新しい"D"の人がこのクラスに編入してくるんだって!」

悠「そうなのか?」

リーザ「いえ、昨日女子寮でそのような噂が流れていただけですわ」

アリエラ「でも、本当だったら楽しみだね!」

レン「んっ」

ティア「ティアと仲良くなれるかなー?」

悠「ティアならきっと、仲良くなれるさ。」

ティア「ありがとうなの!」

フィリル「どんな人か、私も興味があるかな……深月もそうだよね」ニコッ

深月「ふぇ……あ、はい」ドキッ

悠「ん? どうした深月」

深月「いえ、ちょっと考え事をしていただけです」

悠「そうか……」

フィリル(やっぱり深月は、誰なのかもう知ってそうだね)

遥「ホームルームを始めるぞ、皆席に着け」ガラッ

悠(篠宮先生が入ってくると、皆一目散に席へ向かった)

―――――

遥「――連絡事項は以上だ」

遥「最後に突然だが、このクラスに新たな仲間が増えることになった」

イリス「本当ですか!?」

遥「ああ、この後全校集会でお披露目となるが」

遥「……皆はもう知っているだろうから、そこまで新鮮味はないかもしれない」

イリス「え?」

フィリル(となると、二人のうちのどっちかだけど……多分あの子かな?)

リーザ(この一言だけで、察してしまいましたわ……)

深月(……やはり、皆さんの顔が少し険しくなってますね)ハァ

悠(いったい、アイツは何の目的でこの時期に?)

全校集会

深月「今日の全校集会では、二つほどお話があります。まず最近の学校での風紀について――」

悠(深月が壇上で堂々と話している様子を俺はのんびりと見ていた)

悠(集会に参加している生徒は、噂のこともあってか少し騒がしい)

悠(一つ目の話が終わると、生徒達は静かにして楽しみにしていた)

深月「では二つ目の話です。実は今日、この学園に新たな仲間が来ました」

悠(深月のこの一言で、周囲がざわついた)

深月「では、入ってきてください」

悠(深月が言うと、壇上に一人の女性が姿を現した)

悠「キーリ……」

悠(キーリの姿を見た生徒の一部は驚いていた。どよめきが増していく)

深月「では、何か一言お願いします」

悠(深月がマイクを渡すと、キーリは落ち着いた様子で話し始める)

キーリ「初めまして、キーリ・スルト・ムスペルヘイムです」

キーリ「知っている人も多いと思いますが、"ムスペルの子ら"のリーダーをしていたことがあります」

キーリ「その時にしたテロ行為の数々は、決して許されることではありません」

キーリ「私がここにやって来た理由は、今までしてきたことの罪滅ぼしとして、今のこの世界のためになることをしたいと思ったからです」

キーリ「私のことはまだ信用することが出来ないと思いますが、これからよろしくお願いします」ペコッ

悠(さすがドラゴン信奉団体のリーダーをしていただけあって、堂々としていた)

悠(とはいえ、災害指定されている"D"が来たと言う事実に戸惑っていたり、怯えている生徒が大多数だった)

―――――

全校集会の後

悠(キーリは教室での挨拶は、もう見知っているだけありいつも通りの調子でしていた)

悠(イリス以外は少し不安そうにしていたが、イリスはキーリが来たことを素直に喜んでいた)

悠(その後の休み時間では、イリスがキーリに話しかけて、皆も横から入る形で少しずつ会話に参加していた)

悠(キーリに何故学園に入ったのかを聞くと、こうでもしないと退屈だからと答えた)

悠(その後の授業では、座学で当てられた時は問題をそつなくこなして、演習では禍炎界(ムスペルヘイム)を用いて退屈そうにしながらも行っていた)

悠(教室の外に出ると、他クラスの生徒から遠目で見られていた)

悠(ほとんどは、目が合うと逸らしたりしてキーリに恐怖を感じていた)

悠(一部の生徒は、キーリに興味があるのか好奇の目で見ていた)

悠(キーリは「まあ、こんなものよね」と、落ち込むそぶりを俺にした)

悠(とまあ、今日一日は特に何も問題を起こさず、大体俺の近くにいるくらいで何事も無く終わった)

寝るから続きは起きてから書く

では続き書きます

放課後
学園前の砂浜

悠(俺はキーリに呼ばれて、砂浜のほうまで足を運んだ)

キーリ「あら、来てくれたのね」

悠「ああ、お前にそう言われたからな」

キーリ「悠なら、無視はしないって思っていたわ」ニコッ

悠「……で、俺に何の用だ?」

キーリ「大したことではないけど、悠が今日私をよく見ていたと思ったのよ」

悠「そ、そうか?」ドキッ

悠(何をしでかすか分からないと思い、つい警戒してしまっていたようだ)

キーリ「まあ別に構わないわ」

キーリ「それより、ここ最近の私と比べて今の私はどう見えるかしら?」

悠「どうって……そんなに変化がないと思うぞ?」

キーリ「あら、それは残念ね」

キーリ「じゃあ、こうして近くで見たらどう?」ギュッ

悠「なっ……」 

悠(キーリが突如抱きついてきて、俺は顔が真っ赤になった)

悠(キーリが抱きつくと、いい匂いが漂ってくるのと、身体に当たる柔らかい感触が俺の理性を蹴散らそうとしてきた)

悠(お、落ち着け。俺……)

キーリ「あらあら、顔が真っ赤よ。可愛いわね」ギュウッ

悠「お、おい……やめっ……」

キーリ「ちゃんと見てくれないとダメ」

悠「わ、分かったから離れてくれ」

キーリ「私がこうしていたいから嫌よ」

悠「くっ……」

シャワー浴びてからまた書きます

おつー

今からまた投下します

キーリ「あらあら、顔が真っ赤よ。可愛いわね」ギュウッ

悠「お、おい……やめっ……」

キーリ「ちゃんと見てくれないとダメ」

悠「わ、分かったから離れてくれ」

キーリ「私がこうしていたいから嫌よ」

悠「くっ……」

悠(従わないといつまでもこのままだと判断した俺は、理性を保ちながら何とかキーリの顔を見つめる)

悠(……前よりも肌が艶めいていて、すっかり俺は見惚れてしまった)

キーリ「気づいたかしら?」

悠「ああ、前よりとても……綺麗になったな」

キーリ「ええ。暇な間に、色々と自分磨きをしていたのよ」

悠「自分磨き?」

キーリ「そう。悠が目を離せなくなるような女になるために、ね」

悠(キーリは、満足したのか俺から離れる)

悠「なるほど……」

キーリ「いい反応を見せてくれたし、今日はこれくらいにするわ」

キーリ「でも、私はこれくらいで満足なんてしないから、楽しみにしてなさい」ニコッ

悠「頼むから、ほどほどにしてくれ」

キーリ「それは約束できないわ。それじゃあ、また明日ね」

悠(俺はキーリが去っていくのを見守ってから、宿舎に戻った)

―――――

その日の夜
深月の宿舎 悠の自室

悠「キーリが編入か」

悠「俺や教室の皆は、何だかんだ関わりを持っている分すぐに打ち解けはした」

悠「でも、災害指定されているキーリの編入をシャルはどうやって通した?」

悠「アスガルに隠し通すなんて、それこそ……いや、まさか」

prrrr

悠「こんな時間に誰だ?」ピッ

シャルロット『こんばんは、我が友よ』

悠「シャルか……こんばんは」

シャルロット『うむ。ところで今日は驚いただろう?』

悠「ああ、いったいキーリの編入はどうやって通したんだ?」

シャルロット『なに、そんなにおかしなことはしておらん』

シャルロット『彼女が危険な存在でないか証明するためのテストを行い、期間内に何も無ければこちらでこのまま預かる』

シャルロット『それだけのことだ』

悠「つまり、そのテストは学園に編入させ、学園でのキーリの状況を見て判断させるってことか?」

シャルロット『うむ。本人も退屈だったそうだし、丁度良いと思ってだな』

シャルロット(本当はアスガルの上層部を利用して無理やり通しただけだが、こればかりは言えん)

悠「そうか。なら、俺達はキーリのテスト合格を手助けすればいいのか?」

シャルロット『そうだな。そなた達には彼女が問題を起こさないように頼んだ』

悠「ああ、俺達に任せてくれ」

シャルロット『うむ、頼んだぞ』

シャルロット『話したいことは以上だ。早く寝るのだぞ』

悠「ああ」

シャルロット『では、またな』ピッ

シャルロット(ついでにあちらにも予め連絡しておかないといかんな)

―――――

悠(それから数日、キーリの様子は特に変わりがなかった)

悠(クラスの皆とは仲良くやっていて、今まで以上に会話が盛り上がっていた)

悠(授業中も退屈そうだが一応しっかり受けていた)

悠(放課後になると、お母様が待っていると言い先に一人で帰ってしまう)

悠(今はヴリトラと同じ部屋で暮らしているらしい。ヴリトラは外に出せないので、そこは仕方ないのかもしれない)

悠(このまま何ごともなければいいなと思っていた矢先に、キーリから連絡があった)

prrrr

悠(突然端末が鳴り、出てみるとキーリからだった)

悠「キーリか、何の用だ?」

キーリ『悠は、私がお弁当を作ってあげるって言ったら食べたいかしら?』

悠「キーリが弁当を?」

キーリ『ええ』

しまった
まだ今書き終わった部分の続き考えてなかったから書き溜め投下ちょいとストップする

続き考えたのでこれからまた投下します

悠「キーリは、どれくらい料理をしたことがあるんだ?」

キーリ『料理は一応、簡単なものならしたことがあるわよ』

キーリ『でも"ムスペルの子ら"にいたときは信者が作ってくれたから、そこまで凝ったものは無理ね』

キーリ『で、どうかしら?』

悠「キーリがやる気なら、作ってもらおうかな」

キーリ『あら、嬉しいわ』

キーリ『じゃあ明日は楽しみにしていて頂戴ね』

悠「おやすみ、キーリ」

キーリ「おやすみなさい、悠」

プツッ

悠「……ああ言ってたんだ、きっと大丈夫だろう」

悠(俺はそう言い聞かせて、眠りについた)

―――――

次の日
昼 ブリュンヒルデ教室

キーンコーンカーンコーン

悠(授業終了のチャイムが鳴った)

悠(昼休みになり、皆は席を立って支度をする)

悠(ついに、このときが来たか)

悠(俺も支度を済ませ、皆の後を付いて行く)

―――――

食堂

イリス「今日は何にしようかなー?」

深月「兄さんは並ばないのですか?」

悠「あ、ああ」

キーリ「悠、早くあっちへ座りましょう?」グイッ

悠「わ、分かった」

深月「……まさか」

今の話途中ですみませんが寝ます
明日には完結目指します

待っとるで

暑くて辛いけどメロウ聴きながら続き書きます

悠「で、これがその弁当か」

キーリ「ええ、早く開けて頂戴」

悠「ああ」

悠(俺はキーリからもらった弁当を開ける)

悠「……なるほど、おにぎりか」

キーリ「ええ、日本では良く食べられているって聞いたからこれにしてみたの」

悠「確かに、ご飯と中身の具が用意できればいいからな」

キーリ「不恰好だけど、味はきっといいと思うわよ?」

悠(早く食べてと言わんばかりにこちらをじっと見てくる)

悠「いただきます」パクッ

キーリ「……」ジーッ

悠(……おいしい)モグモグ

悠(無難にふりかけがかけてあるだけのシンプルなものだが、米もしっかりしていてちゃんと食べられる)

キーリ「どう?」

悠「ああ、美味しい」

キーリ「良かったわ」ニコッ

キーリ(実は炊飯器が無くて、レンジで出来る米なのよね……)

深月「……まさか、キーリさんが手作りの弁当を持ってくるなんて思いませんでした」ゴトッ

イリス「しかも、それをモノノベが食べてる……」ゴトッ

悠(二人は俺とキーリの前の席へ昼食を置いて座る)

キーリ「昨日の夜に悠に訊いて、作ってきたのよ」

深月「……先を越されてしまいましたね」ヒソヒソ

イリス「あたしたちも、キーリちゃんに負けてられないね」ヒソヒソ

悠(二人が何か真剣に話している、何か嫌な予感がした)

キーリ「二人が話している間に、さっさと食べて頂戴」

悠「ああ、分かった」パクッ

悠(このときの俺は、昼食の時間が大変なことになると知りもしなかった……)

―――――

次の日

深月「に、兄さん。今日は私のお弁当を良かったら食べてください……」

悠「あ、ありがとう深月……」



さらに次の日

イリス「モノノベー! あたしも頑張って作ったから食べて!」

悠「あ、ありがとう」

悠(イリスと深月が対抗して、交代で作ってくるようになった。そして美味しかったかどうかを真剣な顔で聞いてくる)

悠(その様子をキーリが不機嫌そうに見てくる)

悠(しかし、二人の好意を無為には出来ないので、俺はちゃんと食べて感想を口にした)

悠(キーリはあの日以降は特に作ってこない)

悠(ちゃんとしたものを作れるようになってから、また作ってあげたいのだそうだ)

悠(キーリがまた加わったら、もっと大変なことになりそうだ)

悠(少し重苦しい空気の中、俺は作ってもらった弁当を食べるのだった)

―――――

休日のある日
昼 悠の部屋

prrrr

悠(俺が暇つぶしに筋トレをしていると、電話が来た)

悠「もしもし」

キーリ『悠、突然だけど私の部屋に来ないかしら?』

悠「キーリの部屋に?」

キーリ『ええ、お母様はジャンヌちゃん達の部屋に移動してもらってるから、私だけよ』

悠「こっちにキーリが来るとか、そういったことは出来ないのか?」

キーリ『それだとあなたの妹が邪魔でしょ?』

悠「……二人きりがいいんだな」

キーリ『ええ』

悠「分かった」

悠「ただ、先にシャワーを浴びてから向かう」

キーリ『あら、その気になったのかしら?』

悠「違う、筋トレをしていたからだ」

キーリ「つれないわね」

キーリ『分かったわ。準備が出来たら私に連絡して頂戴』

悠「ああ、分かった」

―――――

キーリの部屋の前

悠(シャワーを浴びた後、キーリに端末で案内してもらい部屋の前まで来ることが出来た)

悠(場所はなんとシャルのいる時計塔の途中の階だった)

悠(この前のパンツ盗難事件で通過した階より下にあり、途中までの道にはトラップなどは無かった)

悠(ただ、ところどころ不自然な柱が何箇所かあり、きっと上の階にある落とし穴の通路なのだろう)

悠(そんなことを思いながら歩いて、今に至る)

悠「キーリ、来たぞ」コンコン

悠(ドアをノックすると、キーリがドアを開ける)

悠(今日のキーリは、制服でもいつもの服でもなく、ノースリーブの服に制服くらいの丈のスカートを履いていた)

悠(ミッドガルは一年中暑いので、涼しい服装を選んだのだろう)

キーリ「片付けは済ませているわ。さあ、入って」

悠「お邪魔します」

キーリ「緊張しなくてもいいわよ」クスッ

ちょっとテストする

悠(キーリがドアを閉める)

悠(部屋には特にこれといった装飾が無く、棚やベッドといった必要最低限のものしかなかった)

悠(奥に続くドアがあるが、きっと奥にはキッチンやバスルームがあるのだろう)

キーリ「女の子らしくなくて、びっくりした?」

悠「そうだな」

キーリ「昔、世界中を渡り歩いていたからホテルに寝泊りしていたことも多くて、あまり部屋を模様替えすることってないのよ」

キーリ「それに、あと数年もすればどうせミッドガルの外に出る可能性もあるわけだし、あまり必要性も感じないわ」

悠「そうかもな」

悠(数年後か……その頃には俺もこの関係にしっかり決着をつけなければいけない)

悠(もしかしたらつがいにしたキーリ達はずっと”D”の力が残っているかもしれないし、ちゃんと成人したら消えるかもしれない)

悠(もし前者だった場合は、ここにずっと閉じ込められて一生を暮らすことになるだろう)

悠(でも、キーリはそんな生活は絶対に望まない)

悠(ルールに従うつもりはない、出たい時に力ずくでここを出る)

悠(彼女はそう言っていたのだから)

ちょっと出かけてくるので帰ったから書きますね

帰宅したので書きます

キーリ「……どうしたのかしら? そんな真剣な顔して」ズイッ

悠「い、いや。なんでもない」 

キーリ「そんな慌ててると怪しいわね」

キーリ「まあ、今はそのことは置いといて」

キーリ「悠、そこのベッドに座って頂戴」

悠「分かった」

悠(俺がベッドの端に座ると、キーリが俺の背中に回りこむ)

キーリ「それじゃあ、そのままリラックスしていて」

悠(キーリはそう言ってから、俺の肩を両手で揉み始める)

悠「……どういう風の吹き回しだ?」

キーリ「そう警戒しなくてもいいじゃない」モミモミ

キーリ「この前のようなことはしない代わりに、こうして悠のお世話をしてるだけよ」モミモミ

悠「そ、そうなのか」

キーリ「何よ、嫌なの?」ムッ

悠「そんなことは無いぞ」

悠「ただ、いつものキーリらしくないと思ってな」

キーリ「嫌と言うわけではないのね?」

悠「ああ」

キーリ「じゃあ、もう少し続けるわね」モミモミ

悠(キーリの肩もみは丁度いい力で、とても気持ちが良かった)

悠(時折少し疲れたといいながら抱きつかれたときは大変だったが、肩が軽くなった)

キーリ「こんなものかしら、私の肩もみはどうだった?」

悠「良かったよ。疲れが取れた」

キーリ「良かったわ」

すげえ IDイリス

キーリ「じゃあ次は……ちょっと待ってて頂戴」

悠(キーリは立ち上がって、引き出しから何かを探す)

悠(キーリが手に取ったのは綿棒の詰まったケースと、耳かき棒だった)

キーリ「悠はどっちが好きかしら?」

悠「俺はどっちでも構わないぞ」

キーリ「じゃあ、こっちにするわね」

悠(キーリは、綿棒をしまってティッシュを取り、ベッドに座る)

キーリ「今度は耳掃除をしてあげるわ」

悠(膝をぽんぽんして俺を招く)

悠(……多分とても恥ずかしいが、キーリの好意を無為にするのも気が引けるな)

悠「わ、分かった……」

悠(恐る恐る顔を膝の上に置く)

悠(スカートが短いので、右頬に晒されている素肌が当たり、俺は赤面してしまう)

キーリ「あらあら、顔を真っ赤にして可愛いわね」クスクス

悠「こんなことされたら、しないほうが無理だ」

キーリ「そうやって、意識してくれると嬉しいわね」

キーリ「じゃあ、入れるわね」ソーッ

悠(俺の耳に、耳かき棒をゆっくり入れていく)

悠(あまり慣れていないのか、たどたどしい動きで耳を搔かれる)

悠「だ、大丈夫か?」

キーリ「え、ええ……」

悠「不安なら、無理せず綿棒でもいいぞ」

キーリ「……そうね、悠の耳に傷をつけたらいけないわ」

悠(一旦中断して、キーリが綿棒を持ってきてから耳掃除が再開した)

シャワー浴びてくるのでまた後で書きます

ちょっと続き書いてたので遅くなりましたが今から投下します

悠(痛くない?といちいち訊きながら、俺の耳にある垢を取っていく)

悠(俺はキーリの膝の感触にドキドキしながら、平気だと答えた)

キーリ「それにしても不思議よね、私が悠にこんな甲斐甲斐しくするなんて」

悠「ああ、少し前のお前なら面倒だと言って、絶対にやらないだろうな」クスッ

キーリ「そうね」

キーリ「でも今は、こうして悠のために何かしたくなるのよね」

キーリ「これも、悠のつがいになったからかしらね」クスッ

悠「……」

悠(ドラゴンと……俺とつがいになったことによる変化か)

悠(でも、そうだったとしたら今までのキーリを俺の都合のいいように変えてしまった)

悠(そう聞こえてしまって俺はそれを”否定”する)

悠「それはきっと、関係ない」

キーリ「悠?」

悠「キーリは多分……俺がこんな奴だから、選べないでいるから」

悠「選んでもらおうと自分磨きをして、俺にこうして甲斐甲斐しくして、選んでもらおうと努力するように考えて動いている」

悠「きっと、そうだと俺は思う」

悠(俺は、幼い頃に深月と婚約をして、その記憶を失った後でイリスを好きになって)

悠(ニブルにいた頃に救ったティアに求婚され、ニブルやドラゴンから守ったことでフィリルから王子様になる人だと認められ俺を好きになった)

悠(そしてキーリからは、一度戦ったその時から興味を持たれ、そこから俺を認めて少し歪んではいるが好意を持ってくれた)

悠(リーザ、アリエラ、レンはまた少し違うが、きっと俺のことが好きなことには変わりが無いかもしれない)

悠(そんな中俺は、選択をしなければならない)

悠(俺は一人を選んで他を捨てることなんて出来ない)

悠(ヴリトラが深月を毒で殺したと勘違いしたあの時、ヴリトラを殺すという気持ちで頭がいっぱいになった)

悠(イリスがバジリスクの権能を完全に継承したことでドラゴン化が進んでいた時も、イリスがドラゴン化するのを食い止めようと必死にもがいた)

悠(気づけば俺は、大事なものを手放せなくなっていた)

悠(俺は欲張りだ。でも、もう俺は後には引けない)

悠(皆をつがいにしたということは、そういう道を歩んだと言うことだ)

キーリ「……悠がそう言うなら、私もそう思うことにするわ」

悠「……」

キーリ「あなた、少し怖い顔をしているわよ?」

悠「す、すまない。つい考え事をしてな」

キーリ「考え事をするのは構わないけど、もう少し嬉しそうにしてくれないと困るわよ」

キーリ「あと左耳は終わったから、反対を向いて」

悠「わ、分かった」

悠(俺は慌てて反対側に頭を向ける)

悠(キーリの腹部が目の前にあり、少し視線を動かすとキーリが真剣にしているのが見て取れた)

悠「……」

悠(先ほどと比べると、キーリの匂いを強く感じ、より一層理性が切れないようにしないとまずい)

キーリ「あら、真剣な表情がもうとけて、可愛らしい表情になったわね」ニコッ

悠「こんな状態だからな」

キーリ「悠は正直な反応をしてくれるから楽しいわね」

悠「俺で遊ばないでくれ……」

悠(こうして、からかわれながらもキーリによる耳掃除は無事に終わった)

―――――

キーリ「他にも何かしたほうがいいかしら?」ワキワキ

悠「いや、耳と肩だけで十分助かったからもういいぞ」

キーリ「そう、悠が満足ならそれでいいわ」

キーリ「でも、少し疲れたから膝を貸して頂戴」

悠(キーリは俺に近づくと、俺の膝に頭を乗せた)


悠「……お疲れ、キーリ」

悠(何気なく頭を撫でてやると、キーリは微笑む)

キーリ「ありがとう、悠」

悠(前まで見ていた何かを企んでいそうな笑みではなく、純粋に喜んでいるのが見て取れた)

悠「……」

悠(俺はその笑顔に釘付けになっていた)

キーリ「ねえ、悠」

悠「な、なんだ?」

キーリ「私は、あなたが目を離せなくなるような女になれたかしら?」

キーリ「もちろん、警戒する意味じゃなくて魅力の方よ」

悠「……キーリは、魅力的になったと思うぞ」

悠(俺は恥ずかしくなって、目を背けてしまった)

キーリ「……本当?」

悠「あ、ああ」

キーリ「そう、よかったわ」

悠(キーリは微笑んで、俺を見る)

悠(しかしすぐ微笑みを止め、真剣な顔でキーリは話す)

キーリ「少し、前までの私の話を聞いてくれないかしら?」

悠「……聞かせてくれ」

キーリ「分かったわ」

キーリ「長くなるから、寝ないようにね」

キーリ「……少し前の私は、お母様に作り出された”D”として、与えられた使命を全うしていたわ」

キーリ「”D”はドラゴンのつがいになったほうが幸せだと言っていたから、私もそれを信じていたわ」

キーリ「だから、ドラゴンを崇拝している小さな組織に入り、私はそこでリーダーになったわ」

キーリ「その後は世界中で色々なテロを起こして、あなたがいたニブルと戦っていたわね」

悠「……」

キーリ「あなたと出会う前はこんなところかしら」

キーリ「次はあなたと会ってからの話をするわね」

悠「ああ」

キーリ「あなたと初めて会ったのは……言うまでもなく、あなたも覚えていることね」

キーリ「生体変化で偽りの姿を作って、私だとばれないようにミッドガルに潜入した」

キーリ「そこであなたと戦って、私はあなたに強い好奇心を抱いたわ」

キーリ「実際は三年前に会っていたけれど、あなたはユグドラシルのせいで記憶を失っていたから仕方がなかったのだけれど」

キーリ「その後もエルリア公国と日本で会って、あなたがドラゴンを次々討ち倒して、とても面白かったわ」

キーリ「気づいたら”D”をドラゴンにするという使命も忘れて、ユグドラシル討伐にすら協力していたのだから」

キーリ「あなたと一緒にいる方が使命を全うするよりも楽しいし、気づいたらあなたに惹かれて本気で好きになっていたわ」

キーリ「だから、あなたに見初められた時はとても嬉しくて、早くつがいになりたくて仕方が無かったわ」

キーリ「だから、あの夜は少々強引に迫ってしまったわね」

悠「頼むから、もう二度としないでくれ……」

キーリ「ええ。だってそんな無理やりしようとしてもあなたは意地でも拒むって分かったから」

キーリ「イリスちゃん達からも愛されていて、あなたはその中で一番をどうしても決められないでいる」

キーリ「そんな不安定な状況に私も気づいた」

キーリ「だから私は、自分を変えることにしたのよ」

キーリ「皆をなるべく平等に見ようとしているあなたにもっと私だけを見てもらえるように……」

悠「キーリ……」

キーリ「あなたは、まだまだこのままの関係を維持しようとするでしょう?」

悠「……」

キーリ「何も言わないのね。なら、そのままでいいと思うわ」

キーリ「ちゃんと選んで、後悔の無いように選んで」

悠「ああ、もちろんだ」

キーリ「でも、それじゃあ私が我慢できないわ」

キーリ「だから、せめて私からお願いしてもいい、かしら?」

悠「とりあえず、話は聞くぞ」

キーリ「……またこうして、悠のお世話をしたり、お弁当を作ったり、こうして少し甘えたり」

キーリ「そうしてあなたのことをもっともっと、知っていきたいの」

キーリ「恋愛経験とかは正直からっきしだけど、あなたに対するこの思いは本物よ」

キーリ「だから、あなたを知って、あなたに私をもっと知って欲しい」

キーリ「そう、思っているわ」

悠「……」

悠「分かった。これからもよろしくな、キーリ」ナデナデ

キーリ「悠、ありがとう」

キーリ「……安心して少し眠たくなったわ」

キーリ「このまま少し眠らせてもらうわね」

悠「分かった」ナデナデ

キーリ「おやすみ、悠」

悠(キーリは目を閉じて、少しすると寝息を立てて眠りについた)

悠(俺はその安らかな寝顔を見ながら、優しく頭を撫で続けた)

―――――

ある日
放課後 学園長室

キーリ「……まあ、私の変化はこんなところかしら」

シャルロット「……そなたと物部悠ののろけ話を聞かされ続けて、私は頭が痛い」

キーリ「あら、だって詳しく話してと言ってたのはあn……学園長でしょう?」

シャルロット「……確かにそうだが」

キーリ「とりあえず、報告したし私は帰るわ」

シャルロット「うむ、ご苦労だった」

シャルロット「……ペンを投げずにメモを取っていたが、これを纏めるのが面倒だ」

シャルロット「マイカ、後は任せた」

マイカ「……かしこまりました、シャルロット様」

キーリ編 終わり

―――――

シャルロット「彼女の変化は、かなり要約すると”愛しかたを覚えた”と言ったところか?」

シャルロット「うーむ、しっくり来ないな」

シャルロット「もう、変化についてはそなた(作者以外)が好きなように名付けてくれ」

シャルロット「私は次の乙女の変化を待つだけにしよう」

―――――

今までで最長となりました
あまりⅡ~Ⅸまでで変化が乏しいので、自由に色々考えられた結果がこの長さです
色々言いたい事もありますがこういうの書きすぎると邪魔くさいようなのでここまでにしときます
次回はまた日が空くのでお待ちください

ついでに酉に関しては色々調べたら出来たので今後はこちら使います

では、おやすみなさい

突然で済みませんが、タイトルとはあまり関係ないキャラ毎の短編みたいにしたら困ります?

すいません、聞かなかったことにしといてください

次書くキャラが決まりました
今回はこの子です

キャライメージその4

フィリル・クレスト
http://i.imgur.com/58u469g.jpg

―――――

フィリル(私は、本を読むのが好き)

フィリル(でも最近は、読む側だけでは満足できなくなっちゃった)

フィリル(だから一日を振り返って、どんなことがあったかを思い出せるようにメモを残すようになった)

フィリル(気づいたらそのメモがたくさん、PCや端末の中に蓄積されていった)

フィリル(そのメモを整理整頓していくと、大きな一つの物語になっていった)

フィリル(けれど、メモでも足りない穴がたくさんあるし、ドラゴンとの戦いや”D”のことまで入れてしまうと自分の書きたいものとは違うものになってしまう)

フィリル(そう思ったから私は、戦闘の話をカットした、八人の女の子と、一人の男の子のラブストーリーを書くことに決めた)

フィリル(開いた穴をどう埋めるか、元にしている私や物部くん、深月達の作品での名前や立ち位置をどうするか)

フィリル(他にもいろいろあって考えることはたくさんあるけど、考えれば考えるほど私の心は躍る)

フィリル(今回は創作活動に取り組んでいる私のそんな日々を、少しずつ話していくね)

本日はここまでです
まだ中身を書いているわけではないので、明日以降ゆっくり更新していきます

ざーさんのキャラか 期待

シャワー浴びる前に少しだけ投下します

―――――

フィリル(まずは、男の子の気持ちを理解するために、物部くんから色々訊きだすことにしたんだ)

ある日

フィリル「物部くん、ちょっといいかな?」

悠「どうした、フィリル?」

フィリル「物部くんは、一目惚れってしたことある?」

悠「うーん……一目惚れはしたことがないな」

フィリル「そっか……じゃあ女の子を好きだと意識したのはどんな時かな?」

悠「好きだと意識……答えなきゃダメか?」

フィリル「うん、もちろん」ニコッ

悠「困ったな……」

フィリル(その後も私は色々と物部くんに質問をした)

フィリル(理由について訊かれたけど、隠すことでもないから創作活動のためって素直に答えたら妙に納得されちゃった)

フィリル(私はまた色々と訊くから覚悟しておいてねと軽く微笑みながら言って質問は終わりにした)

フィリル(この答えを参考にして、少しずつ物語を書いていったよ)

ではシャワーに行ってきます

いってら

シャワー浴びてきたので、また少し投下します

―――――

フィリル(まずは主人公の男の子。モデルは物部くんだから転校生という設定にした)

フィリル(学校は共学で一クラス三十人前後と言う設定にして、八人のうち六人の女の子が男の子と同じ教室にいる)

フィリル(残りの二人は、後輩ってことにしたよ。この二人は高校一年生、残りは二年生にして強引にあわせてみたけど、大丈夫だよね)

フィリル(名前は……今は浮かばないけど後でまとめて考えて、書き直すから問題ないよね)

フィリル(ここからは、主人公達の出会いについてお話するよ)

フィリル(物語の始まりは、男の子が学校に転校してきたところから始まる)

フィリル(男の子は緊張しながら教室に入って、軽く自己紹介をする)

フィリル(その後空いてる席に座るんだけど、そこで隣の女の子から話しかけられるんだ)

フィリル(女の子の名前は……Aさんということにしておこうかな)

フィリル(Aさんは読書が好きな少し恥ずかしがりやの女の子なんだ……私がモデルなんだけど、少し変えてみちゃった)

フィリル(恥ずかしそうにしながらもよろしくって声をかけられて、男の子はああ、よろしくって気さくな感じで言い返すんだ)

フィリル(女の子は一声かけると、すぐ教卓の方へ向き直ってそこで会話は途切れちゃう)

フィリル(Aさんとの初会話はこんなものかな)

フィリル(で、そのままHRが終わって、休み時間で男の子のもとへ何人かのクラスメイトが駆け込んで色々と質問をする)

フィリル(その中で二人目の女の子……Bさんと挨拶をするんだ)

フィリル(Bさんはしっかりもので皆をまとめるクラス委員なんだ……リーザがモデルだよ)

フィリル(Aさんとは幼馴染で、妹を心配する姉のような立場かな。リーザが姉だとからかわれてそうかも)

フィリル(放課後に男の子はBさんに校内を案内してもらうことになって、その途中で通りかかったCさんとの出会うんだ)

フィリル(Cさんは二年生にして生徒会長、Bさんと同じクラスで仲良しの女の子だよ)

フィリル(もちろん、モデルは深月だよ。けど普通の学校じゃ高校二年生で生徒会長ってあまりないけど……そこはきっと大丈夫かも)

フィリル(男の子はBさんとCさんが話している間は様子を見ているだけで、Cさんからよろしくお願いしますと言われて、そこから少しずつ交流を持つようになるかな)

フィリル(うーん、どうしても導入は難しいね)

フィリル(下手に出会いを衝撃的にするのは難しいから、ありがちな出会いかたにしてその後を頑張ることにしよう……)

フィリル(次はDさん。ボーイッシュで明るく、陸上部に所属しているスポーツが大好きな女の子)

フィリル(BさんやCさんとも仲良しだよ)

フィリル(出会いは……帰りに学校の自販機で飲み物を買おうとしたらばったり会う、かな)

フィリル(教室が同じだけど、そこまで話す機会があったわけじゃなくて、このタイミングでやっと話すタイミングが出来たように書かないとね)

フィリル(次はEさん。この子はレンがモデルで、寡黙だけどAさんとは違って言いたいことはズバッと言えちゃうタイプかな)

フィリル(もちろんDさんの妹で、対照的な性格をしているのがいいかなと思ってこういう性格付けをしてみたよ)

フィリル(出会いは……うーん難しいなあ)

フィリル(Dさんと二人で登校している時に男の子が声をかけて、そこで一応面識を持ってからどこかで会うようにしようかな)

フィリル(Eさんの好きそうなところ……あまりうるさくない図書室とかかな)

フィリル(男の子が本を探していたらたまたまEさんに出会って、男の子が声をかけるとかなら自然かも)

フィリル(あと三人……先にFさんから考えてみよう)

フィリル(FさんはDさんのように元気で明るい、無邪気な女の子、けれども無意識に他の男の子も虜にしちゃう魅力がある子かな)

フィリル(Fさんはイリスがモデルだよ。今のイリスって昔と比べると積極的だから、共学高にいたらだれかれ構わず仲良くしてそう)

フィリル(こういう性格だから、交友関係は広くて主人公ともすぐ仲良くなって、それなりに会話の機会も多くしておこうかな)

フィリル(出会いは最初のBさんとの挨拶の前に挨拶してて、その後に会話が何度かあるようにしよう)

フィリル(Fさんはこれでいいとして、後はGさんとHさん)

フィリル(残っているのはティアとキーリ……)

フィリル(先にティア……Gさんを考えよう)

フィリル(Gさんは頑張り屋な女の子にしよう)

フィリル(Gさんも明るく、同級生の友達と楽しくおしゃべりをして、勉強にも熱心に取り組むそんな子かな)

フィリル(ティアも勉強自体は出来るほうだし、問題はないかな)

フィリル(それで、出会いのほうも決めないとね)

フィリル(……授業で配布するプリントを落としてしまい、Gさんが拾い集めているところにたまたま遭遇して、手伝ってあげた)

フィリル(こんなところかな。現状だと誰とも接点がないから難しいね)

フィリル(最後はHさん。キーリはなんとなく問題児なイメージがあるかな)

フィリル(授業を良くサボって、出席ギリギリだけど何故か進級できた子という設定で、BさんやCさんも彼女には困らされている)

フィリル(男の子との出会いは……難しいなー)

フィリル(購買で買おうとしたら横入りされたとか、屋上に行ってみたら偶然にも会うとか、突然教室に来てBさんがHさんに注意しているのを男の子が見かけて、その後は……)

フィリル(一番難しい……しっくりくるシチュエーションが思い浮かばないよ)

フィリル(また明日以降考えて、他の子ももう少しいいシチュエーションがあったら修正しようかな)

フィリル(こんな感じで、導入の話を考えていたんだ)

フィリル(大変だけど、ここがしっかりしていないと面白くないから何日かはこんな風に悩んでいたんだ)

今日はここまで、明日の夜また書きます
キーリほどじゃないだろうけど長くなると思います

昨日は緊張型頭痛が酷くてかけなかったんで今日は少し書きます

―――――

ある日
朝 教室でのHR中

遥「今日のHRだが、君達に学園長から直々に話しがある」

遥「学園長、どうぞ」

ガラッ

シャルロット「おはよう、諸君」

フィリル(学園長に続いて私達もおはようございますと挨拶を返した)

シャルロット「今日私がここに来たのはそなたらに協力して欲しいことがあるからだ」

シャルロット「協力して欲しい内容、それはな――」

フィリル(学園長が私達の端末に資料を送信する)

フィリル「えっと……」

リーザ「"つがいとなったDの変化の調査”?」

シャルロット「うむ、そなたらは物部悠のつがいとなったことで人間の姿を保ったまま同類となった」

シャルロット「前代未聞の例だから私も何が起こるかは分からん」

シャルロット「そこで、自身の身体的な変化や、精神的な変化などがあったとしたら私の方にレポートを作って提出して欲しい」

シャルロット「別にちゃんとしたものでなくとも、こういったことがあった程度でいいから、小さいことでも私に教えてくれ」

シャルロット「自分では自覚しにくいかもしれん。友の変化を感じ取ったら素直に本人に伝えてやってくれ」

ご飯食べてきます
あとあまり書いてないからもう少し続き書いてから投下します

悠「あの、つがいにした側の俺はどうすればいいですか?」

シャルロット「そうだな……そなた自身のレポートは出さなくていい」

シャルロット「ただ、つがいの彼女達の変化に気づいたら、ちゃんと伝えてやってくれ」

悠「はい、分かりました」

シャルロット「私からは以上だ、よろしく頼む」

フィリル(学園長は話が終わるとすぐに教室を出て行った)

―――――
休み時間

リーザ「変化があったらとおっしゃっておられましたが、この前の深月さんの一件くらいしか記憶にありませんわね」

深月「なっ……い、今その話を出さないでください!」

アリエラ「あはは、ボクも深月が物部クンに甘えてる様子には驚いたよ」

悠「あの時は大変だったな、俺ものぼせる寸前だったのに中々離れてくれなかったからな」

深月「兄さん! あの時のことは内緒だと言ったはずです!」

悠「あーすまん、うっかりしてた」

深月「……後で覚えておいてくださいね」

アハハハハ

フィリル(皆が楽しそうに話をしている中、私はその輪に加わりながらもずっと考え事をしていた)

フィリル(私自身の変化とか、この先どんな変化をしていくんだろうとか)

フィリル(少し不安にも感じたけど、きっと物部くんと皆がいればどんなことも乗り越えられる)

フィリル(今までそうしてきたから、きっと大丈夫)

フィリル(きっと……)

寝オチしちゃったあともう一つのほう書いてたので遅くなりましたが、今から投下します

―――――

フィリル(今日も、私は創作活動に熱心に取り組んでいる)

フィリル(どういうシーンの話を入れようとか、人数が多いから個別の会話シーンをどうしようとかそんなことを色々考えている)

フィリル(絶対に入れたいと思っているのは、夏休みに皆で遊んでいるシーンと、秋にある学園祭の話)

フィリル(特に学園祭は、クライマックスで男の子が好きな女の子に告白するシーンがある。夏休みはそこまで持っていくのに必要なイベントを書いておきたいから必要かな)

フィリル(だけど、ちょっと展開が速くなりそうな気がするかな……)

フィリル(でも、私も物部くんに惹かれるまでそこまで時間が経っていたわけじゃないから、別にいいかな)

フィリル(うーん、そうなると男の子が転校するのは学年が変わる四月辺りかな)

フィリル(生徒会は大体、十二月とかに選挙して、学年変わる前に色々引継ぎするから……うん、Cさんもなんとかなりそうかも)

フィリル(後は共学高だから男の子一人に女の子八人で海っていうのも何か違和感があるから、男の子の男友達も一人から二人は必要かなー)

フィリル(男友達の設定も考えないと……まあサブキャラだから、性格と名前とあと軽くスペックを設定すれば大丈夫かな)

フィリル(考えれば考えるほど、色々とおかしい点を修正していかなきゃならなくて、大変だなー)

フィリル(そろそろ、四月~七月の話を考えていかないと)

フィリル(物語を考えるのは色々大変だけど、やっぱり楽しい)

フィリル(頭の中で思い描いた人物を動かして、それを文章におこして)

フィリル(読んでくれた人が、それを見て楽しんでくれたらもっと楽しいのかもしれない)

フィリル(けど、この物語を完成させたとしたら誰に見せようかまだ考えていない)

フィリル(……うーん、クラスの皆に読ませるのは少し恥ずかしい気もするかな)

フィリル(でも、一人だけは絶対に読ませたいと思ってる)

フィリル(私はその一人のために、頑張る)

―――――

ある日
昼 深月の宿舎

フィリル(今日は学校がお休みで、ここ最近ミッドガルで暑い日が続いていた)

フィリル(ミッドガルは日本のはるか南、赤道沿いの無人島を徹底的に改造して作られた島なので、一年中暑いから制服も日本で言うところの夏服をずっと着ていても暑い)

フィリル(そんなこともあってか、深月がアイスを作ったので皆さんに振舞いたいと連絡をしてきた)

リーザ「甘くておいしいですわ」パクッ

フィリル「うん……さすが深月」パクッ

フィリル(リーザがアイスに舌鼓をうっている横で、私はどんどん口にアイスを運んでいく)

悠「そんなに急ぐと、頭が痛くなるぞ」

フィリル「平気だよ……うっ」キーン

悠「ほら、言った通りだろ?」

フィリル「……次は気をつけるよ」シュン

深月「兄さん、かき氷も作りたいのですが、力を貸してくれませんか?」

悠「用意がいいな……分かった」

フィリル(物部くんが深月に連れられて氷を削っているのを見る)

フィリル(氷を砕いただけのものにシロップをかける氷菓子にも興味はあったけど、今の私は別なものに興味があった)

フィリル(その対象は、まるで母子のように見える、ジャンヌと紫音だ)

フィリル(ジャンヌが紫音にアイスを食べさせていて、紫音はアイスを美味しそうに食べている)

フィリル「二人とも、ちょっといいかな?」

ジャンヌ「オレ達に何か用か?」

紫音「?」

フィリル「うん、ちょっと訊きたいことがあってね」

フィリル「物部くんに対しての今の気持ちが知りたいなって」

ジャンヌ「……それを訊いて、何がしたいんだ?」

フィリル「創作活動のための取材」

ジャンヌ「創作? 何か作っているのか?」

フィリル「うん、ちょっとね」

ジャンヌ「……隊長に言わないなら、別にいいが」

フィリル「紫音はどう?」

紫音「……ワタシも、カマわない」

フィリル「決まりだね」

ジャンヌ「じゃあ、オレから話すよ。オレにとって隊長は――」

フィリル(ジャンヌと紫音は、私に事細かに思っていることを話してくれた)

フィリル(ジャンヌは一言で表せば尊敬かな。物部くんの事を高く評価して、ニブルでリーダーをしていた時からずっと付いていくつもりで居たみたい)

フィリル(前に抱きしめられた時について訊いてみたけど、嘘をついていた自分を許して、認めてくれて嬉しかったって感想しか訊けなかった)

フィリル(もしかしたら恋愛感情が本当に無いのかもしれないし、軍人だったからか、あまりにも鈍いのかもしれないね)

フィリル(逆につがいになった紫音の方は物部くんに対して明確な好意を見せていた)

フィリル(たまに会って甘えると、撫でてくれてその時に胸の高鳴りみたいなものを感じると私に教えてくれた)

フィリル(けれど、ジャンヌがそれを色々とごまかして教えているらしく、物部くんをパパと言わせて問題が起きないようにしているらしいけど……これじゃあ物部くんとジャンヌが結婚しているみたいで少しムッとなっちゃうよ)

フィリル(けれど、私の野望を叶えるためには多分この二人とも結婚する必要はあるだろうから、これからもこうして時々お話しないとね)

フィリル(そうなったら、物部くんはパパって呼べなくなりそうだけど……まあいいや)

シャワー浴びてきますので、また後で投下します
追憶のファフニール参加者ってここ見てる人でいるのか気になる今日この頃

戻ってきたので投下します

―――――

また別な日
昼 ある有力者の別荘地

フィリル(四月~七月までの話をあらかた書き終えた辺りで、今度は海水浴に誘われた)

フィリル(ただ、今回は紫音やヴリトラと言った学園で秘匿している二人なども着いてくる(ヴリトラは強制で)ため、学園長のつてで一度行ったあの別荘地にやって来た)

フィリル(戦いで色々と荒らされていたここも、すっかり元通りになっていた)

フィリル(さすがに日帰りするには距離があるので、一泊二日と少し長い)

遥「では、危険なことや物質変換を使わないようにして、楽しく過ごしてくれ」

全員「「はーい!」」

フィリル(篠宮先生は、学生だけでは何かと不安だと言うことで引率として付いてきた)

フィリル(学園長が私も行く!と張り切っていたけど、仕事が山積みなのでとマイカさんに止められていた)

フィリル(皆が一目散に遊びに行く中、私はその後ろをのんびり付いていった)

イリス「モノノベー! いっくよー!」バシャッ

悠「うおっ! やったな」バシャッ

イリス「キャー!」

フィリル(私はパラソルの下で椅子に座って、のんびりと皆のことを観察していた)

フィリル(イリスは真っ先に物部くんと水を掛け合って遊んでいた)

フィリル(こうしてみると、ホントお似合いだよね)

フィリル(……少し嫉妬しそうだったから、今度はリーザとティアのほうに視線を向ける)

ティア「砂のお城をつくるのー!」セッセ

リーザ「わたくしも手伝いますわ」セッセ

フィリル(二人は、砂浜の砂でお城を作っていた)

フィリル(ティアが勢いに任せてどんどん積み上げていくのを、リーザが崩れないように補強している)

フィリル(リーザって本当に面倒見がいいなー。私たちのお姉さんって感じがする)

フィリル(でも、お化けとか怖いんだよね。あの時の強がっている姿は面白かったなー)

フィリル(観察をしていると、深月が私の元へ来る)

深月「フィリルさんは何をしているんですか?」

フィリル「ちょっと移動中でくたびれたから、少し休んでる」

フィリル「深月は何をしていたの?」

深月「先ほどジャンヌさん、アリエラさん、紫音さんと一緒にテニスのダブルスをしていました」

フィリル「そういえば、テニスコートもあったんだっけ」

深月「はい、この前はリーザさんとイリスさんがやっていましたね」

フィリル「今は休憩中ってところかな?」

深月「そういうことです」

深月「疲れが取れたら、一緒にしませんか?」

フィリル「うーん、するかは分からないけど観に行くとは思うよ」

深月「そうですか」

深月「じゃあ、私はテニスコートに行ってますね」

フィリル「うん、分かった」

フィリル(深月は話し終えるとテニスコートの方へ歩いていった)

フィリル(私も、もうしばらく休んでから深月達のいるテニスコートへと向かった)

全然書き終われなかったので明日以降書きます
おやすみなさい

おつー

それじゃあ今日もちょっとだけ投下します

―――――

昼 テニスコート

フィリル(テニスコートでは、深月&アリエラ、ジャンヌ&紫音によるダブルスが行われていた)

フィリル(両チームとも、連携をしっかりとって相手が打ち込んだボールを的確に打ち返していた)

フィリル(私がテニスコートのフェンスの外でぼうっと眺めていると、キーリが私に近づいてきた)

キーリ「あら、あなたも見に来たの?」

フィリル「深月に誘われてね」

キーリ「そうなのね。私もジャンヌちゃんに誘われたけどあまりスポーツは好きじゃないから、こうして観戦することで勘弁してもらったわ」

フィリル「もしかしたら、ジャンヌのパートナーは紫音じゃなくてキーリだったかもしれないってこと」

キーリ「そういうこと」

フィリル「ふーん、それはそれで面白そうだったかもしれないけどね」

キーリ「ジャンヌちゃんとアリエラがいるコートで勝負だなんて、私がいたところで足手纏いよ」

キーリ「禍炎界(ムスペルヘイム)が使えたら相手に眠気を誘発するガスでも吸わせて楽勝かもしれないけど」

レン「キーリ、ずるい事はダメ」

キーリ「べ、別に本気じゃないんだからいいでしょう?」

レン「とりあえず釘を刺すことも、大事」

キーリ「……」

フィリル「レンもやっぱりいたんだ」

レン「んっ、お姉ちゃ……アリエラに誘われた」

フィリル「今さら言い直さなくてもいいと思うよ? 周知のことだし」

キーリ「そうよね、すぐそこにママと言われている一般人の子だっているわけだし」

レン「……別に、わたしの勝手」

キーリ「あら、頑固ね」クスッ

フィリル「強制することでもないから仕方ないかな」

レン「……そんなことより、フィリルに訊きたいこと、ある」

フィリル「私?」

レン「うん。ここ最近、本を読まないでぼうっとしていることが多い」

フィリル「そうかな?」

レン「んっ」コクッ

キーリ「あら、何か面白いことでも考えているのかしら?」

フィリル「別に、たいしたことじゃないよ」

フィリル「ちょっと、創作活動に勤しんでるだけ」

シャワー浴びてきますのでまた後で

続き書きマース

レン「創作活動?」

フィリル「うん」

キーリ「それこそ、悠とあなたがあられもないことをしている話でも書いているとか――」

フィリル「キーリ」ガシッ

フィリル「変なこと言うと、怒るよ?」ググッ

キーリ「痛っ……じょ、冗談に決まってるでしょ!」ブンブン

フィリル「……それならいいけど」パッ

レン「フィリル、目が怖かった」

フィリル「お、驚かせてごめん」

キーリ(本気で手首を握られて痛いわ……あまり怒らせないほうがいいわね)ヒリヒリ


フィリル(この後も、三人でほのぼのと話していた)

フィリル(テニスの方は、紫音が疲れ果てていたこともあって深月達が粘り勝ちしていたよ)

フィリル(……というか、この四人何時間していたんだろうってくらい長い間勝負をしていた気がする)

きりいいところになったので今日はここまで
書きたいけど疲れてるから明日に備えて寝ます

じゃ、書いていきますね



遥「前と同じだが、今回も夕食はバーベキューだ」

遥「たくさん用意しているから、存分に食べてくれ」

フィリル(この一言で、皆はコンロで焼かれていた肉に飛びついていった)

フィリル(私も一本とって、むしゃむしゃと食べていた)

リーザ「フィリルさん」

フィリル「ん、どうしたの?」

リーザ「途中でパラソルのしたからいなくなっていたので、何をしていたのか気になりまして」

フィリル「それはね、テニスコートの外で観戦しながらキーリ、レンと三人でお話してた」

リーザ「何だか、珍しい組み合わせですわね……」

フィリル「そうだね」クスッ

リーザ「……一人でぼうっとしているわけじゃなかったなら、別に構いませんわ」

フィリル「……リーザもレンと同じようなこと言うんだね」

リーザ「あら、皆不思議に思っていますわよ?」

フィリル「そんなに不自然かな?」

リーザ「ええ、大体一人でいるときは本を読んでいたあなたが本も読まずにぼうっとしているのですから」

フィリル「私だって、そういう時はあるよ」

リーザ「そうですか……」

リーザ「ただ、何かあるのならちゃんと相談して欲しいですわね」

リーザ「もし悩みを抱えているのなら、ですが」

フィリル「ううん、そういうことじゃないから心配しないで」

リーザ「……分かりましたわ」

フィリル(リーザはそう言って、また焼かれていた肉を取りに行った)

フィリル(私はその背中を見送ってから、物部くんのところへ向かった)

ヴリトラ「ふん、こんな肉と野菜を串で刺して焼いただけのものを嬉々として食べる汝らはよく分からん」ムシャムシャ

悠「……串二本持って食べる奴の台詞とは思えないな」

キーリ「まったくね」クスッ

フィリル「よく食べるんだね」

キーリ「最近は食べ物を置いておくと食べてたりするのよ」

ヴリトラ「な、何故知っている!?」

キーリ「お母様のことを物陰から見ているからよ」

ヴリトラ「我が娘ながら、悪知恵を働かせるな」ハァ

悠「お前も随分変わったな」ニコッ

ヴリトラ「我が変わった? 気のせいではないのか」

悠「ただ、事実を言っただけだ」

ヴリトラ「……」プイッ

フィリル「頑なに認めたくないんだね」

フィリル(最初は連れて行って大丈夫なのかと思ったけど、溶け込んでいるみたいだから大丈夫そうだね)

フィリル(皆思い思いに楽しんで、バーベキューは食べ物があっという間になくなった)

今日はここまでです
書き溜めている部分はあと少しで終わりますので書けたら一気に投下します

投下します

―――――


大浴場

フィリル(ご飯を食べて片づけをして食休みをしてから、私たちは新しく出来ていた大浴場に浸かっていた)

フィリル(前はここまで立派なお風呂は無かったから、何かしらあったんだろうね……)

アリエラ「テニスで疲れたから、とても極楽だね~」

深月「本当ですー」

ジャンヌ「負けたけど、楽しかったなー」

紫音「……あったかい」

フィリル(テニス組は端のほうでゆっくりと身体を休めていた)

フィリル(あんな激しい攻防戦を繰り広げたんだし、ちょっかいを出すのはやめとこう)

ティア「広くて楽しいのー」バシャバシャ

レン「んっ」バシャバシャ

リーザ「お風呂で泳ぐのはやめてください」

リーザ「……無邪気ですわね」

フィリル「そうだね。でもこれだけ広いならそこまで気にすることも無いと思うよ?」

リーザ「ですが……」

フィリル「それよりさ」ジーッ

リーザ「な、なんですの?」

フィリル「……やっぱり、大きくなってる」モミモミ

フィリル(私がリーザの胸を揉むと、慌て始める)

リーザ「なっ……勝手に揉むのはやめてください!」ガシッ

フィリル「えー、別に減るものでもないでしょ?」モミモミ

リーザ「なら、やり返しても文句はありませんわよね?」ニコッ

フィリル「……て、撤退するかな」

リーザ「させませんわよ!」モミッ

フィリル「きゃっ、り、リーザやめっ……」

リーザ「逃がしませんわよ!」


キーリ「皆楽しそうね」

イリス「あたしも、キーリちゃんや皆と一緒で楽しいよ」

キーリ「まあ、確かに退屈はしないわね」クスッ

イリス「それにしても、フィリルちゃんが元気そうで良かった」

イリス「ここしばらくの間、上の空って感じがしたから……」

キーリ「ふーん、まあでもそんな時だってあるんじゃないかしら?」

キーリ「いつもずっとこんな感じじゃ、私は疲れちゃうわ」

イリス「そ、そうかな……」

キーリ「個人差があるからなんとも言えないけど、たまには一人になりたい時だってきっとあるわよ」

キーリ「まあ、あの子ならイリスちゃんが心配する必要は無いと思うけど」

イリス「それならいいんだけど……」

ヴリトラ「……」プカプカ

ヴリトラ(……知っているのにあえて言わないところが我に似てきたな)

―――――

次の日

フィリル(翌日も夕方まで遊んで、それから身支度を済ませてミッドガルまで帰った)

フィリル(帰ってきて私は真っ先にベッドに寝そべる)

フィリル「今日も楽しかったけど疲れた」

フィリル「一応シャワーは浴びたけど少し汗臭い気がする」クンクン

フィリル「けどシャワー浴びなおすのも面倒だから、明日にしよ……」

フィリル「続きも書きたいけど、疲れてその気にならないからいいかな」

フィリル「……電気消しちゃおう」

フィリル(電気を消して目を閉じると、私はすぐに眠りについた)











???(……そろそろかな)

―――――

別な日

フィリル(遊んだのがいい気分転換になったのか、次々と物語の構成が出来てスラスラと本文を書くことが出来た)

フィリル(今は夏休みのシーンも終わって、少し飛んで学園祭でのシーンをどんどん書いていた)

フィリル(普通の学校の学園祭ってものはよく分からないから、インターネットで調べたり、本で得た知識で何とか書き続けることが出来ている)

フィリル(そして、学園祭が終わって、男の子は決断をする)

フィリル(彼が好きな子に告白する、クライマックスのシーン)

フィリル(夏とか、学園祭前とか色々とイベントを立てておいたけど、出来てから一通り読んでまた書き直しも必要かもしれないかな……)

フィリル(まあそれは後で何とかすればいいから大事なクライマックスを書ききって一旦終わらせちゃおう――)

三十分後

フィリル「……あれ?」

フィリル「どうしよう、全く告白するシーンが浮かんでこない」

フィリル「ここまで色々と書いておいたんだけど、どうしても最後に結びつかない……」

フィリル「うーん、先にもう少し付け足せるところを探して付け足して、それからまた考えてみよう」

一時間後

フィリル「……駄目だ、やっぱりどうしても思いつかない」

フィリル「うーん、このままじゃ完結もできないし、私ももやもやしたままだ……」

フィリル「一体どうすれば……うっ」

フィリル(この時、突然苦しい思いを私はした)

フィリル(胸が強く締め付けられる感じがして、私はあまりの苦しさにうずくまる)

フィリル(フレスベルグに見初められ、変色が侵攻したときよりも辛くて、私はうめき声をあげた)

フィリル「うううっ……はぁ、はぁ」

フィリル(どれくらいの時間が経ったか分からないけど、長い間耐えていると次第におさまっていった)

フィリル「……これがつがいになったリスクなのかな?」

フィリル「とりあえず、この事を学園長に伝えておかないと……」

フィリル(端末を操作しようとしたその時、もう一つの異変が起きた)

???(いや、まだやめておこう。たまたまかもしれないよ?)

フィリル「!? だ、誰!?」

フィリル(私は部屋の中を見回す。けれど誰もいない)

???(ふふ、部屋を見回したって意味がないさ)

???(なぜかって、私の声は君にしか聞こえないからさ)

フィリル「どういうこと……?」

???(ふふ、そんなことを知ったって意味は無いと思うよ)

???(なぜかって言うとね、今から私が君の代わりに君のしたいことをしてあげるからさ)

フィリル「意味が分からな……うぐっ」

フィリル「うわああああああああああ!」

フィリル(突然頭が割れるような痛みに襲われ、頭を抱えてうずくまる)

???(無駄な抵抗はしないで、私に全てを委ねて)

???(そうすれば、物語の続きも、君の野望も、全て叶えてあげるから)

フィリル(私は必死に抵抗を続けるけど、謎の声がそれを打ち破ってどんどん浸食していった)

???(そろそろ限界だね。主導権はいただくよ)

フィリル「や、やめっ……」

フィリル(謎の声が私を完全に浸食すると、私はそこで意識が途切れた)

フィリル?「……うん、ちゃんと身体は動くね」腕ブンブン

フィリル?「さっきので間違いなく不審に思われてそうだから、早く彼の元へ行かないとね」

フィリル?(ドアを開けようとすると、遠くからフィリルさん、大丈夫ですか!?という声が聞こえてきた)

フィリル?「普通に出るときっとすぐ追いつかれちゃいそうだ」

フィリル?「なら……窓から出よう」ガラッ

フィリル?「架空武装――”架空の魔書”(ネクロノミコン)!」

フィリル?「これでよし、いくよ」

フィリル?(私は、飛び降りてから風を生成し、ゆっくり降り立つ)

フィリル?(そしてすぐさま走り出して、深月の宿舎に向かった)

――――― 

深月の宿舎 悠の部屋

フィリル?(私は宿舎に着くと、深月が出迎えてくれた)

フィリル?(そして物部くんに用があると言って、深月に部屋を案内してもらった)

フィリル?(その後は今はちょっと二人きりにして欲しいと伝えると変なことはしないでくださいと釘を刺されたけど、何とか二人きりになることが出来た)

フィリル?「物部くん、いるかな?」コンコン

フィリル?(ノックをすると、ドアを開けてくれた)

悠「フィリルか、俺に何か用か?」

フィリル?「うん、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど……」

悠「分かった。とりあえず中に入ってくれ」

フィリル?「ありがとう」

フィリル?(怪しまれずに、部屋に入ることが出来た。私たちは部屋にある椅子に座った)

フィリル?(後は深月が来なければ、きっと大丈夫かな)

悠「それで、俺は何を手伝えばいいんだ?」

フィリル?「実は今、恋愛小説を書いているんだ」

フィリル?「それで、男の人は女の人にどんなことをされたら強く好意を持つのかが気になるから、少し私の指示通りに動いてくれないかな?」

悠「恋愛小説か……分かった」

フィリル?「ありがとう、物部くん」

フィリル?「時間が惜しいから、早速だけど立って」スクッ

悠「ああ」スクッ

フィリル?「じゃあそのままでいてね」ギュッ

フィリル?(私は怪しまれないよう最初は彼の手を取って両手で握り、見つめてみた)

フィリル?(彼は少し恥ずかしそうにしていて、私は嬉しかった)

フィリル?(なにより、つがいになった相手と触れるのがこれほどまでに気持ちが良くて、幸せなことに私は喜びを感じていた)

悠「……フィリル?」

フィリル?(長い時間そのままでいたせいか、少し不審に思われたかもしれない)

フィリル?(私は慌てていいわけをする)

フィリル?「つ、つい夢中になっちゃってたみたい……」

フィリル?「つ、次いくよ」パッ

悠「あ、ああ」

フィリル?「次は……私が抱きつくから、物部くんは少し時間を置いてから抱きしめてみて」

悠「ほ、ホントにやらなきゃいけないのか?」

フィリル?「うん。創作活動のためなんだ、お願い……」

悠「……分かった。ただ、俺がやばくなったらやめろよ?」

フィリル?「うん、約束する」

フィリル?(むしろそうなってくれたほうが嬉しいけどね)

フィリル?「じゃあ、いくよ」

悠「あ、ああ……」ドキドキ

フィリル?「……えいっ」ギュッ

フィリル?(私が抱きつくと、明らかに動揺しているのがよく分かった)

フィリル?(私は私で先ほどよりも強く快感、幸福を感じていて表情が緩んでいた)

フィリル?(それを見られたくなかったから、顔を埋めて隠すことにした)

悠「……」ギュッ

フィリル?(ああ、こんなの……凄すぎておかしくなりそう)

フィリル?(物部くんの理性より先に私の理性が飛んじゃう、つがいになるってこんな幸せだったんだ……)

フィリル?(……我慢できない、早く他のつがいより先に”私のもの”にしないと)

悠「フィリル?いったいどうし……うわっ!」ボフッ

フィリル?(私は無理やりベッドのほうまで押して、無理やりベッドへと押し倒した)

フィリル?「ごめん物部くん……もう、我慢できないよ」ハァハァ

悠「待て、今のお前は正気じゃない」

フィリル?「うん、知ってる。でもこれは物部くんのせい」

悠「どういうことだ」

フィリル?「よく分からないけど、つがいにした相手と触れ合うととても幸せな気持ちになれるんだ」

フィリル?「触れ合ってたら、私が我慢できなくなっちゃったみたい……」シュルッ

フィリル?(服を少しはだけさせ、火照った身体を露出させる)

悠「お、おい。やめろ……」

フィリル?「嫌だといったら?」

悠「……ならフィリルを止める」ガシッ

フィリル?「うっ……」

フィリル?(強い力で手首を掴まれて、服に手をかけていた手が離れた)

フィリル?「なんでそんなに抵抗するの?」

フィリル?「痛いし、離してよ」

悠「そんなの、決まってるだろ」

悠「正気じゃないお前を好きにさせるわけにはいかないからだ」

悠「落ち着け、フィリル」

フィリル?「嫌だ、もう私は我慢できないんだ」

フィリル?「きっともうすぐリーザや深月がここにくる、その前に……うああああっ!」

悠「なっ……どうした!?」

フィリル?「ああああっ! なぜ、邪魔をするんだ!」

フィリル(私の身体で好き勝手はさせない!)

フィリル(物部くんの望まないことなんて、私が許さない!)

フィリル?「や、やめてっ! まだ続きが……ああっ」

フィリル?(意識が朦朧としてきた)

フィリル?(一時的に奪えたけど、やっぱり奪い返されるか……)

フィリル?(もっと、幸せな気分を味わっていたかったな……)

フィリル?(完全に奪い返され、私の意識は途絶えてしまった)


フィリル「はあっ、はあっ……何とか助かったよ」フラッ

悠「……お、おい、大丈夫か!?」

フィリル(物部くんは、倒れそうになった私を抱き寄せて心配してくれた)

フィリル(物部くんもそうだけどリーザや深月にも迷惑かけちゃったな)

フィリル「うん、もう大丈夫だとおも――」

フィリル(限界に達していた疲れのせいで、途中で意識が飛んでしまった)

悠「おい、フィリル!? フィリルーーー!!」

―――――

学園長室

悠(俺は、フィリルが倒れた後すぐ学園長に連絡を取った)

悠(その後騒ぎに駆けつけてきた深月とフィリルを追ってきたリーザに事情を説明し、とりあえず倒れた彼女の介抱をしてもらった)

悠(その後は医務室まで搬送され、俺はシャルとマイカさんに事情を説明していた)

シャルロット「……とりあえず、そなたから聞いた話からフィリル・クレストの変化について簡単にまとめてみることにしよう」

悠「……」

シャルロット「彼女に起きた現象は、彼女が今まで抑えていた感情がつがいになったときに”もう一つの人格” として形作られたのかもしれん」

悠「多重人格……ということでしょうか?」

シャルロット「たとえとしては間違ってはないな」

シャルロット「ただ、その人格はそなたと触れ合っていることに喜びを感じていたというところが気になる」

シャルロット「つがいになったものは、本能的につがいにした者を好きで居続けるように何かしらの作用が働いているかもしれんな」

悠「……こんなリスクが、俺がつがいにしたことで起こるなんて思いませんでした」

悠「俺はどんな顔をしてフィリルに……」

シャルロット「もうやったことは仕方がなかろう。前例がない分覚悟はしていたのだろう?」

悠「はい……」

シャルロット「なら、もう向き合うしかない」

シャルロット「フィリル・クレストがまたあのようなことになりそうなときは、そなたが手助けして乗り越えるのだ」

シャルロット「これは他の誰でもない、そなたが果たすべきことだ」

悠「……分かりました。フィリルを、俺がしっかり守ります」

シャルロット「うむ、良い返事だ」

prrrrr

シャルロット「私だ」ピッ

シャルロット「…………うむ、ご苦労だった」

シャルロット「引き続き、頼んだぞ」ピッ


シャルロット「どうやら、フィリル・クレストが目を覚ましたみたいだ」

シャルロット「話は以上だ、早く向かってやれ」

悠「はい、ありがとうございました」

悠(俺は駆け足でフィリルの元へ向かった)

―――――

医務室

フィリル(私が目を覚まして辺りを見ると、医務室にいるのが分かった)

フィリル(どうやら、あの後に倒れちゃったみたいだね)

フィリル(意識が飛んで、しばらくしたら物部くんの声が聞こえて、それで意識が戻ってもう一人の私とまた戦って……)

フィリル(いったい、アレはなんだったんだろう)

フィリル(そんなことを考えていると、医務室のドアが開いて物部くんの姿が見えた)

悠「フィリル!」

フィリル「物部くん……」

悠「もう……大丈夫なのか?」

フィリル「うん……そうみたい」

悠「それなら良かった」ホッ

フィリル「……ごめんなさい」

フィリル「やったのは私じゃないとはいえ、物部くん迷惑かけちゃった」

フィリル「無理矢理あんなことして……私は」グスッ

悠「……いいんだ、フィリルがやったわけじゃないって、知ってるから」

フィリル「でも、でも……」

悠「フィリルが泣くことなんて、ないんだ」ナデナデ

フィリル「……無理だよ、そんなに優しくされたら、私はどうしたらいいかわからないよ」

悠「……」ギュッ

フィリル「物部くん……?」

フィリル(私は、頭を物部くんに抱き寄せられていた)

フィリル(堪えていたものが、一気にあふれ出した)

悠「……」ナデナデ

フィリル(私が大泣きして、物部くんはそっと撫でて落ち着かせてくれる)

フィリル(深月やリーザ達が来ても、私はまだまだ泣き続けていた)

―――――

フィリル(……長くなっちゃったし、途中から創作活動と関係ない部分もあったけど、こんな日々を送っていたんだ)

フィリル(最近でもたまにもう一人の私は出てこようとするけど、クラスの皆が助けてくれて、今はなんとか抗い続けられている)

フィリル(創作活動は、今の作品は完成の目処が立たないから途中のまま放置することにした。代わりに、また違う物語を考えてそちらに力を入れていくつもりだよ)

フィリル(今回書いて色々と足りない部分が見えてきたから、色々と調べて知識を蓄えたり、書き方とかも意識してもっと面白い作品を作って見せる)

フィリル(そういう意気込みを持って、これからも創作活動は続けるよ)

フィリル(物部くんに選んでもらえるよう、恋の方も一緒にね)

フィリル(ふふ、ここまで話を聞いてくれてありがとう)

フィリル(今度はいつか出来た物語を読んで、感想を聞かせてね)


フィリル編 終わり

―――――

シャルロット「つがいとしての本能が人格を形成か」

シャルロット「これはまた厄介なことになりそうだ」

シャルロット「他の者にもそういった抑圧した想いとかがあるなら、私やマイカ、ハルカに頼ってもらって何とか吐き出させなければいかんな」

シャルロット「これで四人……後の五人は、どのような変化を見せてくれるだろうか」



シャルロット「人型ドラゴンとつがいの”D”の精神的変化1」 終わり

残念ながら、キーリ編よりも長くなりました
色々書きたいこと書いてたら長くなって仕方ないですね

さて、突然ですが一旦ここでこのスレに投下することを終了します
理由としましては、私がSS書くときのモチベの維持が今の形式だと難しいからです
短い内容のSSを二作投稿してたときは、終わったらすぐHTML依頼出してやっと終わったと思えたので、こうして長く書いていると終わりまで長く感じてモチベが著しく下がってしまうのが実感できました

なので一旦閉めてHTML依頼して、新しいのが書けたらまたスレを立てて続きを書いていこうと思います
その時にここが落ちてなければ新スレのリンクを貼っておきます

これ書いてる間にファフニールともう一つの方のネタがそこそこ浮かんだので、書き次第投下していくので良かったらそちらのほうも見てください

長くなりましたが、深月編、レン編、キーリ編、フィリル編を読んでくださりありがとうございました

テス ∞

乙、待ってる

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