【シンフォギア】響「装者の能力を上げる薬?」【百合】 (46)

弦十郎「そうだ。これを投与することにより、暴走状態を意図的に起こすことができる」

弦十郎「と同時に、暴走状態の破壊衝動を抑え、意識的にその力を扱うことができるようになるらしい」

クリス「うさんくせえな。リンカーみてえなもんじゃねえのか?」

翼「リスクなどはないのですか?」

弦十郎「理論上はないらしい。一応、通常の人間に投与しても問題がないことは実験で証明済みだ」

響「凄い薬じゃないですか、師匠!」


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弦十郎「あぁ。これが実戦で使えるとすれば、切り札となるだろう」

クリス「あたしはどうも信用できねえな」

翼「抑えられるとはいえ、暴走状態というのはあまり良い気がしませんね」

弦十郎「あぁ。俺も最初は断ろうと思ったんだがな」

弦十郎「どうも、政府はこの薬を取っ掛かりにシンフォギアに関する研究をリードするつもりらしい。政府から直接命令が来た」

クリス「あたしたちはモルモットじゃねえっての」

弦十郎「全くだ。しかし不本意ではあるが、政府の上層部から直接指示が下った以上、こちらとしてはやらざるをえん」

翼「仕方ありませんね……」

弦十郎「人体に害がないのは実証済みだ」

弦十郎「万が一、暴走状態となったとしても、それは薬の効果によるもの。力を発散すれば簡単に元に戻るらしい」

弦十郎「それにこちらとしても安全策として、この薬の研究チーム、および医療班を待機させる」

弦十郎「君たち三人を呼んだのも実験に参加する装者の他に、二人の装者が万一に備えるためだ」

弦十郎「面倒だろうが、頼む」

クリス「……ちっ、仕方ねえな」

響「わっかりましたー!」

弦十郎「では誰に薬を投与するかだが……」

響「私がやります!」

クリス「お前、そんな安請け合いしていいのかよ」

響「みんなのためになるなら、私はなんでもやるよ」

翼「しかし……」

響「大丈夫です、翼さん。暴走なら慣れっこですし」

クリス「慣れちゃだめだろう」

弦十郎「では響くんに頼もう。大人の勝手な都合を背負わせてしまい、すまないな」

響「任せてください!」

弦十郎「それでは実験室についたら、翼とクリスはシンフォギアを装着し待機」

弦十郎「響くんは装着後、暴走に備え手足を固定したのちに薬を投与する」

~実験室~

緒川「……拘束具よし。準備できました」

弦十郎「それでは、実験を始めるぞ」

響「はい!」

プシュッ

響「うっ……」

翼「……」

クリス「……お、おい、大丈夫か?」

響「……うっ、うっ。うおおおおお!」バンッ!

翼「!? 拘束具が!」

クリス「はじけ飛んだ!」

弦十郎「響くんっ!」

響「ち、力が、あふれてくる……!」

翼「……大丈夫、なのか?」

響「はい、大丈夫です。ちゃんとコントロールできてます」

弦十郎「実験成功か」

クリス「ふぅ。心配させやがって」

弦十郎「さて、それでは実験終了だ」

翼「しかしこの薬、どうすれば効果が切れるんでしょうか?」

弦十郎「力を発散すればとのことだったが、放っとけばそのうち切れて元に戻るだろう」

クリス「何もなくて良かったな」

響「……」

クリス「……おい、どうした?」

響「はぁ、はぁ……」

翼「……立花?」

響「……うっ」

弦十郎「どうした! 響くん!」

クリス「おい、これまずいんじゃ」

響「く、クリスちゃん……」

クリス「何だ!? どうしたんだ!」

響「……」ゴニュゴニョ

クリス「何だ? なんて言って……」

響「」チュー

クリス「んぐっ!?」

響「ん、っぱ……」

クリス「は、離せ! 何すんだよ!」

響「クリスちゃーん」

クリス「よ、寄りかかってくるな!」

翼「これは一体……」

弦十郎「うむ。響くん、クリスくん。我が組織では恋愛に関する禁止事項はないが、TPOは弁えないとだめだぞ」

クリス「そ、そんなわけあるかっ! 明らかにおかしいだろうが!」

響「はぁ、はぁ……うっ」バタッ

翼「立花!?」

弦十郎「響くん!?」

~二時間後~

翼「……立花、大丈夫だろうか」

弦十郎「医療班と開発チームに任せるしかない」

クリス「わ、私の初めてが……」ボソボソ

翼「え?」

クリス「な、なんでもねーよ!」

緒川「結果が出ました」

弦十郎「おう、来たか」

クリス「それで、一体なんだったんだよあの急変は」

緒川「やはり薬が原因のようです」

弦十郎「くっ、断るべきだったのか。子供を守れないとは、情けない大人だ。すまない響くん……」

クリス「開発者め、あとで蜂の巣にしてやる……!」

翼「それで、薬によって何がどうなったのですか?」

緒川「はい。あの薬は暴走状態を意図的に作り出した上で破壊衝動を抑える、というものですが」

緒川「破壊衝動を抑える部分で失敗したようです」

弦十郎「つまり、破壊衝動を完全に押さえ込むことができなかったと?」

緒川「いえ、そうではありません。破壊衝動自体は完全に無効化されていました」

クリス「じゃあ何に失敗したってんだよ」

緒川「それが……強力な破壊衝動を押さえ込んだ結果、その衝動が別の衝動に転換されてしまったようでして」

翼「別の衝動に転換? 一体何にですか?」

緒川「はい。それがその……性衝動です」

弦十郎「性衝動、だと……!?」

クリス「性衝動ってのは、つまり、その……」カァ

翼「つまりリビドーだな」

クリス「い、言い換えなくていい!」カァ

緒川「つまり性的欲求です」

クリス「分かってる! 分かってるから、言い換えるな!」カァ

弦十郎「それで、どうすれば響くんは元に戻るんだ?」

緒川「方法は元々説明されていた薬の切らし方と同じようです」

翼「薬の切らし方、というと、力を発散させるというものですか?」

緒川「はい。ただこの場合は、力も性衝動に転換されているので」

弦十郎「……なるほどな」

クリス「おい、どうするんだよこれ! ある意味暴走状態よりやっかいだぞ」

翼「しかし立花を今のままにはしておけまい」

クリス「つってもよ……そ、その、一人で、発散、してもらうわけにはいかないのか?」カァ

緒川「それでもできるようですが、その場合一ヶ月ほどあの状態だそうです」

クリス「い、一ヶ月!?」

緒川「暴走状態の破壊衝動は理性が追いつかないほど強力なもので、それが丸々転換されたらしく。一人ではそれくらいかかると」

翼「……困りましたね」

弦十郎「響くんの身体自体には悪影響はないのか?」

緒川「ええ、性衝動以外に特別以上はみられないようです」

弦十郎「せめて、それだけは救いか」

クリス「いや何も救われてねえよ!」

393(ワクワク)

クリス「どうすんだよ、ほんとに。さすがに一ヶ月もあの状態で放って置けねえぞ」

弦十郎「そうだな。誰かが発散させてやらねばなるまい」

緒川「しかしうら若き女子高生ですし、男性がというのはさすがに……」

弦十郎「外部の人間に頼むわけにもいかんしな」

翼「そうですね。どこかにちょうどいい人材はいないものか」

緒川「」チラッ

弦十郎「」チラッ

翼「」チラッ

クリス「……なんだよ」

翼「あぁ、どこかにいないかな」

翼「立花と仲がよく、多少のことがあっても許しあえる仲で、かつ機密保持が容易なガトリングをうちまくる女の子とか」チラッ

クリス「ガトリングってなんだ!? ほぼ名指しじゃねえか!」

翼「なんだクリス。やる気か?」

クリス「やる気か? じゃねえよ。絶対やらないからな」

393「(´・ω・`)」ショボーン

翼「しかしなぁクリス」

緒川「響さんと仲がよく多少のことがあっても許しあえる仲で」

弦十郎「機密保持が容易な女の子」

翼「クリスならぴったりじゃないか」

クリス「何でだよ! それなら先輩だってそうだろ!」

翼「おまけにガトリングだしな!」

クリス「おまけにって何だ! だからガトリングは関係ないだろ!」

翼「しかし実際問題ほかにいないだろう」

クリス「先輩がやればいいだろうが」

翼「私はほらあれだから」

クリス「あれって何だよ! 結局逃げたいだけだろうが」

あと一応、翼はクリスのことは「雪音」って呼んでるぞ

クリス「じゃあ、あれだ。未来にやってもらえばいいだろう」

クリス「いっつも一緒にいるし、大丈夫だろ」

翼「一般人を巻き込むわけにはいくまい」

クリス「あいつはもうこっち側に片足突っ込んでるようなもんだろうが」

弦十郎「うーむ。確かに、良い案かもしれないな。一応、連絡を取ってみてくれ」

緒川「分かりました」

クリス「これで私はお役ごめんだな」ホッ

翼「なんだクリス。行かないのか……」ガッカリ

クリス「なんでがっかりだ!」

>>18
すんません
正直呼称あんま覚えてないんでてきとうです
こっから直します

緒川「未来さんと連絡つきました」

弦十郎「おう、それでどうだって?」

緒川「全力で駆けつけるそうです」

弦十郎「そうか……。彼女にも大変な迷惑をかけてしまったな」

緒川「そうですね……なぜか彼女にはお礼を言われましたが」

クリス「これで万事解決だな。さて、あたしは少し休むとするか」

翼「なんだ雪音、疲れていたのか」

クリス「誰かさんにさんざんいじられたせいでな」

翼「うん? 誰のことだ?」

クリス「……いいよ、もう。ここ、研究所つったって、休憩できる部屋くらいあるんだろ?」

弦十郎「仮眠室があるらしい。話は通しておくから、使うと良い」

クリス「おぅ、じゃ行ってくる」

弦十郎「あ、ここの研究所は迷路のように入り組んでいる上、部屋も多いからな。間違わないように気をつけるんだぞ」

クリス「はいよー」

クリス「仮眠室仮眠室……なんだ、この辺りプレートがはがれててどこが何の部屋だかわかんねえな」

クリス「えっと、ここか?」

ガチャ

クリス「お、暗い。電気は……これか」

パチッ

クリス「よし、付いた。布団の一枚でもありゃいいが……って、もう敷いてあるじゃねえか」

クリス「先客か? どれ……」

響「はぁ、はぁ……」

クリス「……お邪魔しました」

ガチャ、ガチャガチャ!

クリス「ち、畜生! このドア、内側からだと開かない仕組みになってやがる!」

クリス「誰か、開けてくれえええ!」ドンドンドン!

響「う、ん……クリス、ちゃん……」ノソノソ

クリス「お、お前はおきてくるな! 寝てろ!」

響「クリスちゃーん」チュー

クリス「う、うわあ来るなぁ!」

つづく

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