八幡「面倒くさくなったので人間関係を安価に託すことにする」 (741)

・俺ガイル安価スレ

・好感度とかその他いろいろを積み上げていきます

・安価もしくはこちらで設定したある程度の基準でエンディングを迎える予定

・基本的に暇な時間を見つけての不定期更新

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436323554

俺は、本物がほしい。

それは間違いなく、思わず口を衝いた俺の本心であった。

ある人はすべてを計算しつくせと言い――。
ある人はそんなものあるのかと何かに問いかけた。

俺が求めていた本物とはいったい何なのか。
俺はそれを考え、探し求め……すべてが面倒くさくなった。
そこで出た一つの解、それは。

**************************************************************

『面倒くさくなったので人間関係を安価に託すことにする(1)』

1 名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

最近学校とかその辺の人間関係が面倒くさい
あまりの面倒くささに吹っ切れてそのすべてを安価に託すことにする
まあ多少人間関係がぶっ壊れようとももうすぐ学年も変わるし1年も経てば卒業だ
期待はしていないがこれで人間関係が良くなることを心の端っこで望んでいる

・スペック
高2
イケメン

俺に関係する人物を列挙しておくと、
・完璧美人めんどうくさ女 ・巨乳偽ビッチ ・あざと後輩 ・強化外骨格美人 ・お節介美人タバコ ・ゲキカワ妹

とりあえずこんなところか
もちろん他にも人はいるんだがそれは今後の展開で後々登場するかもな

さっそく、まずは>>4

(安価は名指しでOKです)
(安価対象に無い名前が出るとひっちゃかめっちゃかになる可能性があります)
(3レスを超える連続安価、安価として成り立っていない書き込みはst扱いとなります)
(展開によって安価対象は増えていきます。 はたまた展開によっては八幡が星になることも……?)

眼鏡をかける

人間関係とまったく関連性を感じないのだが。
ま、鬼畜安価よりマシだな。

※(八幡が眼鏡をかけて行動するようになりました)

* * *

「おい、早くしないと間に合わんぞ」
「小町には最終兵器兄タクシーがあるから大丈夫! ……ん? お兄ちゃんなんで眼鏡かけてんの?」
「気分転換だよ。 ほら行くぞ」
「りょーかい。 それ、似合ってるよ! 顔が見えないくらい遠距離でみたらモデルさんみたい! 今の小町的にポイント高い!」
「高くねーよ」

* * *
中学校
「着いたぞ」
「ありがとー! お兄ちゃんも気をつけてね!


慣れたように礼を言い去っていく小町。
俺と違って世渡り上手な妹は、多くの友人たちと挨拶をかわしながら歩いていく。

「小町ちゃんおはよー! あれ、お兄さん?」
「おはよー! うん、そうだけど?」
「なんか、ちょっとかっこいいね!」
「え、そうかな〜?」

……。
ま、顔が見えないぐらい遠距離で見たからそう見えたんだろ。

人間関係とまったく関連性を感じないのだが。
ま、鬼畜安価よりマシだな。

※(八幡が眼鏡をかけて行動するようになりました)

* * *

「おい、早くしないと間に合わんぞ」
「小町には最終兵器兄タクシーがあるから大丈夫! ……ん? お兄ちゃんなんで眼鏡かけてんの?」
「気分転換だよ。 ほら行くぞ」
「りょーかい。 それ、似合ってるよ! 顔が見えないくらい遠距離でみたらモデルさんみたい! 今の小町的にポイント高い!」
「高くねーよ」

* * *
中学校
「着いたぞ」
「ありがとー! お兄ちゃんも気をつけてね!


慣れたように礼を言い去っていく小町。
俺と違って世渡り上手な妹は、多くの友人たちと挨拶をかわしながら歩いていく。

「小町ちゃんおはよー! あれ、お兄さん?」
「おはよー! うん、そうだけど?」
「なんか、ちょっとかっこいいね!」
「え、そうかな〜?」

……。
ま、顔が見えないぐらい遠距離で見たからそう見えたんだろ。

総武高

やっぱメガネかけて学校くんのって変な感じだな……。

「ヒッキー、おはよ」
「おう」
「あれ、そのメガネ……この前の?」
「まあな、気分転換だ」
「気分転換かー。 いいんじゃない、クラスのみんなの反応が楽しみだね」

そういうこと言うのやめろよ……なんか教室はいんの緊張するじゃねえか

「じゃ、いこっか」


教室

「ねえ、あれだれ?」
「あれでしょ、ヒキタニ」
「メガネかけてたっけ?」
「どうだろ?」

……なんだかいつもより視線が痛い。

※(八幡の存在感が少し上がったようです)

昼 ベストプレイス

メガネをかけているからか、なんか今日は変な感じだな。
なにより視線が痛い。 このメガネには自意識過剰になるスキルでもついてんのか。
しかし人間関係に関してはなんも変わってねーな。安価の効力ゼロかよ。
購買のパンをかじりながら、俺は携帯を取り出した。


******************************************************

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

とりあえずメガネをかけて学校に来たが特に何もない
お前ら、あくまで人間関係に影響を及ぼす安価にしてくれよ
折角周りの人間について書いた俺の労力を無駄にしないでくれ

次は>>15な。
ちなみに犯罪行為はやめてくれよ

床屋に行こう

床屋て……また人間関係全然関係ないんだけど
ま、そろそろ髪も伸びてきたころだしちょうどいいか

※(放課後に八幡が髪を切ることになりました)


放課後

「ヒッキー、部活行こっか」
「ああ、すまん。 このあと予定があるんだ。 雪ノ下にはもう連絡してある」
「あ、そうなんだ……予定って?」
「ちょっと、髪をな」
「美容院?なに、また気分転換?」
「いや、普通に髪の毛伸びてきたからな」
「そっか、わかった。 じゃあね」



床屋前

さて、床屋へやってきたわけだが。
気分転換……ね。 たまにはいつもと違う感じで切ってみるのもアリか。
どんな髪型がいいだろうか。 安価で決まった散髪だし、安価で決めるか。

***********************************************************

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

ちょうど伸びてきたところだから髪を切りに来た
またしても人間関係完全無視なわけだが、そこはもう突っ込まん
イメチェンもかねて髪型も安価する>>23
くれぐれも変な髪型はやめろよ。 美容院じゃなくて床屋だからな

亀梨ヘアー

亀梨ヘアーねえ……。
あんまりチャラチャラした髪型は好きじゃないんだが、安価ならしかたがない。
もっとも、床屋にあのオシャレヘアーができるのか疑問だがな。

*******************************************

「今日はどんな感じで?」
「亀梨みたいにしてください」
「亀梨? ジャニーズの?」
「はい」


数十分後

「はい、これでどうかな」

んー、まあまあかな。
のびたとは言え元の長さがそれほどなかったからこんなもんか。
普段とあんまり変わってねーな。


※(八幡の髪型が少しだけオシャレになりました)
※(八幡の存在感が少し上がったようです)

*********************************************


名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

髪切った。 床屋だから完全なオシャレヘアーとはいかなかったけど多少のイメチェンには成功した
まだ学校では部活がやってる時間なんだが、暇なんで安価する
何回も言うけど、さっきあげたやつらに関係する安価で頼むよマジで
メガネとか髪型とかただの俺改造計画じゃねーか

>>28

妹自慢を周りにしてみる

うーむ、やっと人間関係っぽいかと思いきや全く関係ないなこれ
そんなことより、川何とかさんとかけーちゃんとか俺が書き込んでいない情報の安価があるんだけども?
どっかで晒されてんのか俺は。

さて、妹自慢ねえ……。 してもしたり無いぐらいあるんだけども、問題は場所だな。
人ごみの中でこんなことしても通報されんのがオチだしな。
こんなときは、安価か。


**********************************************************************

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

とりあえず妹自慢をしようと思うんだけど、どこでやろうか
知り合いがいるようなところ挙げとくから選んでくれ

①俺のクラスの教室
②部室
③学内のどこか(指定)
④その他(指定だが、常識ってもんを考えろよ)

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

すまん安価を忘れていたな>>35

>>32

職員室か……。 となるとあの人だな。
ぶん殴られたりしないだろうか……それだけが不安だ。


職員室

「どうした、君が呼び出しもなく職員室を訪ねるとは珍しい」
「少し話したいことがあったんです」

平塚静。 未婚界のパウンドフォーパウンドの彼女に俺はこれから妹自慢を聞かせることになる。
そのパンチ力は未知数……こわい。

「ほう、進路か? なんでも話してみたまえ」
「実は……俺の妹があんまり可愛すぎて困っているんです」
「は?」
「顔が可愛いのはもちろんの事、立ち居振る舞いも可愛い」
「いや、ちょっとまて」
「しかもなんかいい匂いするんすよ……」

それから俺は、所々入る先生の困惑の声を無視して話し続けた。
華奢な体、流れるような綺麗な髪、脳へとすんなり流れ込む綺麗な声。
10分ほど話し続けてから我に返ったとき、平塚先生は

「ひ、比企谷。 君の気持ちはよくわかった。 だが、世間体というものがある。 ……道を踏み外すんじゃないぞ。」


ドン引いていた。

一日が終了

(一日につき朝・昼・夕晩 3つ安価があり、平日2日→休日2日→平日2日のサイクルで進んでいきます。 例外もあるかも?)


【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 +1
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 -1
小町 ±0

【総計】

雪乃 0
結衣 +1
一色 0
陽乃 0
平塚 -1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 0

八幡 メガネ ややシャレオツヘアー(八幡の存在感がやや上昇中)

はやはちはどうなるんですか!
まぁそれはおいといてここ(>>37)に載ってない人物も安価指定OK?

>>38
可能ですが好感度の変動はありません
安価に巻き込まれる形で対象に入った場合は好感度の変動があります

二日目 朝

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

安価で人生が変わるとも思っては無かったが昨日はひどかった
まあ余興としてはありかもしれんな。 というわけで今日もやるぞ

とりあえず>>43

巨乳偽ビッチを下の名前で呼んであいさつする

これだよ、これ。
俺が待ち望んでいたのはこういう安価だよ。
由比ヶ浜を下の名前で呼んで挨拶ね、いいじゃん……いやよくねーなこれ。
しかしまあ、安価は自分でやり始めたことだからなあ……。


総武高

「……」

こういうときに限って昇降口で会わないんだよなあ。
教室まできちまったけど、できることなら顔見知りの少ない昇降口でことを済ませたかったぜ。

ガラリ テクテク

「あ、ヒッキーおはよー」
「……おはよ」

わーい、最悪だ。 なんで川崎と一緒に教室入ってきちゃったの?
ええい、こうなったらヤケクソだ。

「おお、おはよう、結衣、川崎」
「うおぇ! ヒッキー!?」
「なんだよ、由比ヶ浜。 急にでけー声出すな」
「い、いや、いまヒッキー」
「なんだよ由比ヶ浜。 おい由比ヶ浜」

安価は下の名前であいさつだったから、セーフだよな?

「い、いやなんでもない」
「……」
「お前がうるせーから川崎が黙っちまったじゃねーか」
「い、いや私は別に」

そういうと、川崎は俺を睨みつけるように一瞥して足早に自分の席へと向かう。 こわい。
由比ヶ浜も、どこか腑に落ちない様子で三浦グループのいる方へと歩いて行った。
一件落着……、なんとか乗り切ったぜ。


「いまアイツ……由比ヶ浜の事下の名前で呼んでたよね?」

昼 ベストプレイス

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

なんとかやりきったぞ
シャレにならん空気になったけど勢いで有耶無耶にしてやった
あとなんかしらんが美女不良モドキにすげー睨まれた

昼からは>>50の感じで行く

※(川崎沙希が安価対象に加わりました)

サキサキに会う度に「愛してる」ってつぶやく

激しいよ、昨日との差が。
これは今日一日でいいよな? まあ掲示板の向こうのやつにはそのへんはぐらかして適当にやっておこう。
しかしよく考えれば、この安価は川崎に合わない限り発動しないという事だよな。
はっ、馬鹿どもめ甘いな。 こんな穴だらけの安価どうってことないぜ。

「あんたこんなとこで何してんの」
「愛してる」
「はあっ!?」
「~ってさ~い~きん 言わ~な~く~ なったの~は~」
「なんだ、川崎か。歌ってたから気づかなかったわ」

馬鹿にしてゴメンなさい。 とてもとてもキビシイ安価です。
本来歌を歌っているところを見られたことも黒歴史モンだがこの際しょうがない。

「い、いやこんなとこで何してんのかって聞いただけなんだけど」
「歌でも歌いながら昼飯をたしなんでいたところだ。」
「そ、そう」
「ああ」


教室前

はあ、全くとんでもない安価が選ばれちまったもんだ。
できることならこのまま放課後まで川崎とは会いたくねーな。

ガラリ

「愛してる」
「なっ!!?」
「の響きだけで~ 強くなれる気がしたよ~」
「うわっ、なんだ川崎かシマッタまた歌っているところを見られてしまったやってしまった」
「教室から出てきてなにしてんだ? もう授業はじまんぞ」
「いや、ちょっとトイレに……」
「そうか」
「う、うん……」

「なんなのアイツ……急に歌いだして」
「しかもあの歌ウチ結構好きなんだけど。 勝手に歌わないでほしい」

相模……てめーなんでこんな時に限ってドア横の壁に寄りかかってんだ。
お前に歌ってるとこ見られるとかどんな噂流されるか分かんなくてたまったもんじゃないんだけど。



放課後

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

こういう日に限って不良モドキとよく顔を合わせる日なんだが
なんだよ、安価のコンマがゾロ目だと効果が高くなる呪いでもかかってんのか
あとごまかすための行動を性悪女に見られて侮蔑の目で見られた クソッタレ
まあいい、放課後の安価だ。

>>58 頼むぞ、人間関係に影響を及ぼす安価とは言ったがもう少し優しくしてくれ

※(相模南が安価対象に加わりました)

>>55

妹に男として意識させるだと……?
まて、俺たちはそんなラノベの中に出てくる兄弟みたいな関係ではないんだぞ。
う~む、どうしたもんか。
こういうときは掲示板だけじゃなく知り合いにも相談してみるべきだな。


奉仕部

「なあ、お前らが男を意識する瞬間ってなんだ?」
「いきなり口を開いたと思ったら何を言っているのかしら。 向こうの山奥にいい療養施設があるらしいわよ」
「俺は精神的に狂ってるわけじゃねえよ」
「ヒッキーまあまあキモイ」
「やめろ」

相談相手を間違えたようです。

「いや、男らしいってなんなのかなーと思ったんだよ」
「ヒッキー、またイメチェンでもしようと思ってるの?」
「イメチェン? 最近メガネを掛けたり髪型を変えたりしているのはイメチェンなのかしら?」
「てっきり現実逃避が度を過ぎて比企谷八幡というアイデンティティを抹消しようとしているのかと思っていたわ」
「なんだよそれ怖えよ」

「で、質問の答えを聞かせてくれよ」
「そうだなあ……スポーツができるとか!」
「俺はスポーツはそれなりにできるぞ」
「仮にそうだとしてもあなたは弱そうじゃない。 男らしさなんて微塵も感じないわ」
「そうだねー、ヒッキーってなんか細いもん」

細い? という事は筋肉を付ければいいのか?
筋肉……。

「それだ!!」
「急に大声を出さないでくれるかしら。 あなた最近本当におかしいわよ」
「ヒッキーまじキモイ!」

自宅

「ただいま~って、お兄ちゃん上半身裸で何してるの!」
「くっ、はぁ、見てわからないか? 体を鍛えてるんだよ」
「キ、キモイよお兄ちゃん! 急にどうしたの!」
「小町、俺はな、お前を守りたいんだ」
「えっ?」
「弱いままの俺じゃいざというときお前を救えない……だから、こうやって鍛えている。 それだけだ」

そういって俺は腹筋を始める。
完璧だろう。 安価に何も逆らっていない。 男っぽい俺を見せればいいだけなんだ。

「ま、まあなんでもいいけど! リビングでやらないで自分で部屋でやってよね!」

小町は吐き捨てるように言うとリビングから出て階段を上って行く。 自分の部屋へ向かったようだ。
ふっ、安価完遂だ。 本当に俺の対処の良さに頭が下がるぜ。


小町の部屋

「な、なんなのお兄ちゃん……」
「でも、今までみたことのない感じだったな……」
「なんというか、男らしくてカッコイイというか」
「って! 何考えてんの! もう、寝よ!」


※(八幡の気づかない内に、小町が八幡の事を意識しそうになったようです)
※(八幡の身体が、少しづつビルドアップしていくようです。 このままいけば、存在感が少し上がるかも……?)

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 +1
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 ±0
小町 +2
川崎 +2
相模 -1

【総計】

雪乃 0
結衣 +2
一色 0
陽乃 0
平塚 -1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +2 (禁断の愛!?)
川崎 +2
相模 -1

八幡 (メガネ 髪型)存在感+2 筋肉発達中?

存在感を上げるといかようなメリットデメリットが?

>>69
相模や川崎のように、安価に直接関係ないキャラが安価対象として増えることがあります
万が一下がっても安価対象から消えることはありません

休日 朝

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

休日だ。 基本的には家に籠っておきたいのだが
それでは変化は望めない。 ここは勇気を出して行動に出よう

>>80 頼むぞ

妹の家事にお礼を言って手伝う

また小町か。
とは言え、この安価は悪いもんじゃないな。
小町の事を手伝ってやれるし普段言えない礼を言ういい機会だ。


「おはよう」
「お、おはよーお兄ちゃん。 今日は早いね」
「朝ごはん作ろうか?」
「ああ、たのむ」

よし、実行ポイントはここだな。
キッチンへと向かった小町をすこししてから追いかけて、声を掛ける。

「小町、なんか手伝う事あるか?」
「わっ、びっくりした。 そうだなー、じゃあお皿出してお箸並べといて!」
「了解」

んー、なんて気分のいい安価だ。 誰も傷つかない、優しい世界。

「ほい、皿」
「ありがとー。 もうすぐ出来るから座ってて」
「小町、いつもありがとな」
「えっ?」
「お前もほかの事で忙しいのに、いろいろやってくれてありがとう。 それだけだ。 向こう行ってるな」
「あ、うん……」


******************************************

  
  名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

とても気分のいい安価だった。 家族との絆が深まったような気がする。
この清々しい気分のまま、昼もいい感じで行こう>>87

トレーニングして男らしさを磨く

またこの八幡改造計画の流れか。
ま、安価にしたがって身体でも鍛えておくか。
昨日は胸筋と腹筋を鍛えたから今日は別の部位だな。
肩と背筋でも鍛えておくか。


「ふんっ ふんっ くっ」

今まで縁が無かったが体を鍛えるっていいもんだな。
昨日今日筋トレしたからすぐ体がデカくなるってもんじゃないだろうが、気持ちがいい。

「ぐっ あと……3回っ」



名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

筋トレした。 結構限界まで行ったから多分明日かなり筋肉痛入ってる
なんだか今日は気持ちがいい日だな このまま気持ちよく一日を終わらせてくれ >>96

創作料理作り

創作料理か……。 料理について全く知らない俺だが創作料理については全く知らねーよ。
こういうときの為の安価か……。
ま、いい感じに作って小町に振る舞うとするか。



 名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

創作料理ってどんなのだ?
入ってる材料 >>100>>103 と タイトル >>106
を考えてくれ

※(材料と名前によって出来栄えが変化します)

納豆

牛肉

健康志向大豆イソフラボンたっぷり牛肉カレー

tintin麻婆

フランスの人気漫画「tintin」か
なぜか日本では「タンタン」だけど

フランス読みで「タンタン」で合ってるんだよ。
世界的には「チンチン」or「ティンティン」の発音の方が主流だけど。

タイトルはともかく材料は割とまともだな。
よし、こうしよう。

丼の中に層を成す形で料理を積んでいこう。
一番下は豆腐を調理した麻婆豆腐、米を挟んで、味付けした牛肉、また米、納豆。
こうすることで具材同士の味が極端に交わることは無いだろう。
以外になんとかなりそうだな。


リビング

「と、いうわけで創作料理を作りました」
「おー、意外においしそう!」
「小町のために作ったんだぞ」
「ありがとうお兄ちゃん!」
「じゃ、食べるか」
「いただきまーす」

名付けてtintin麻婆。 小町にはチンチンに熱いからtintin麻婆だとか適当にごまかしておいたので問題はない。
tintin麻婆を小町が口に運ぶ。 納豆の層、牛肉の層、豆腐の層と食べ進めていく。
そして。

「ごちそうさま!」
「どうだった」
「うーん、普通だね!」
「そうか、可もなく不可も無くか」

材料は悪くなかったけど、多分タイトル補正だな。


※(食事の豊富な栄養素を八幡の筋肉が吸収したようです)

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 ±0
小町 +1
川崎 ±0
相模 ±0

【総計】

雪乃 0
結衣 +2
一色 0
陽乃 0
平塚 -1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +3 (禁断の愛!?)
川崎 +2
相模 -1

八幡 (メガネ 髪型)存在感+2 筋肉発達中?

とりあえず一旦ここまでにする

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

おはよう
昨日はなんだか久しぶりに充実した休日だった
今日も中身の詰まった休日にしたいぜ

>>126

山崎家に訪問して
さーちゃん、けーちゃんと一日まったり交流

か、川崎家に訪問……?
そんなことできるわけないだろ、と言いたいところだが。
安価なんだから仕方ないよなあ、安価じゃないと経験できないことだと前向きに考えるしかないか。

とは言ったものの、あいにく俺は川崎沙希の連絡先は知らない。
出来れば事前にアポを取っておきたいが、どうしようか……。


名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

不良モドキの家に行くことにしたが、連絡先を知らない
実際どうとでもなる問題なんだが安価で決まった予定だしどうしたらいいか考えてくれ

①巨乳ビッチに連絡先を聞く
②美人教師に連絡先を聞く
③その他(指定)

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

やべーぜまた安価を忘れていた

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

安価の内容にテンパってるんだすまんな

>>135

③勘で適当に民家を選び、押し入る

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

重要な部分を安価にしてしまった俺にも非があるわけだが、あまりにもひどい。
とりあえず本当に適当に選んでいては日が暮れてしまうので、川崎沙希が住んでいるであろう地域を俺なりに分析し、
「川崎」という表札の出ている家を3つ見つけ出した。
仮に①、②、③と番号を振ったので、どの家へアタックするか決めてくれ。 こうなったらヤケクソだ
>>142





※(3つのうち一つが川崎沙希の自宅です。 間違えるたびに昼、夜へと時間が経過し、川崎家への滞在時間が短くなります)
※(安価により、川崎家訪問後の行動安価は川崎家に関係することのみ可能となります)

3

3番の家のチャイムを鳴らす。 押し入るとはいえチャイムぐらいは鳴らさないとね?
しかし違ったらとんでもないことになるなこれ。
まあここまで来たらもう後には引けんさ、最終手段として鍛えた体を駆使して逃げ切ってやる。


「はい」

インターホンの向こうから、家主の声が聞こえてきた。 若い女性の声だが、まだ安心できない。
休日の朝だから若い女性がいる家なんて数えきれないぐらいあるだろう。
俺は万が一、ここが川崎沙希の家でなくても大丈夫なように、当たり障りのない言葉を投げかけた。


「比企谷ですが」
「えっ!? ひ、ヒキガヤ!!?」
「川崎……沙希か?」
「さ、沙希って呼ぶな!!!」

なんと、まさかの一発目で大当たり!?

「な、な、何しに来たのあんた」
「いや、このまえさーちゃんと遊ぶ約束しただろ。 たまたま近くを通りかかったんで寄ってみたんだ。 連絡も入れずに迷惑かと思ったが」
「め、迷惑ってわけじゃないけど……はあ、ちょっとそこでまってて。 開けるから」


20分後

「はあ……いいよ、入って」
「お、おう。 お邪魔します」

随分と待たされたな……。 しかも休日の朝からお化粧バッチリとか、川崎さん女子力高いっすね。

「はーちゃん!」
「おー、けーちゃん。 おはよう」
「おはよう!」

幼女ってのは癒されるなあ……。 ここまで清々しい気分になるおはようも無かろう。

「で……ほんとになにしにきたの」
「だから、けーちゃんと遊びに来たんだよ」
「何をして遊ぶの?」
「……けーちゃんとさーちゃんと、しっぽりにきたんだ」
「さ、さーちゃんっていうなって言ったでしょ」

そういえば、川崎家でしっぽりするという安価だったから何するかとか全く考えてなかったな。
いきなり押しかけてダラダラするだけっていうのもいかんだろう。
俺は携帯を取り出す。


名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

なんとか不良の家にたどり着いた。
しっぽりするのはともかくとして、昼は何をしたらいいと思う?
>>150 頼む
あと、俺ボッチだから人の連絡先とか知らないしそのへん頼むよ
今回は無事ですんだからよかったものの人の家に押しかけるとか逮捕すらあるぞ

巨乳ビッチの家に行ってお前のことが好きだという

川崎家に来てるって言ってんのに次は由比ヶ浜の家かよ……。
今日は安価で川崎姉妹と一日一緒にいることが決まってるからなあ。
この2人を連れ添って由比ヶ浜の家に行くしかないのか……。

「なあ川崎、今日ってこの後なんか予定あるか?」
「ないけど?」
「そうか。 けーちゃん連れて公園でも行くか?」
「公園? ……まあ、いいんじゃない」

とりあえずこの姉妹を外に連れ出して、あとは流れに身を任せるしかない。
今日の俺の行動範囲広すぎんだろ……。




「はーちゃん見て! お城!」
「おー凄いな。 砂のお城だ」


「次さーちゃんが鬼ね!」
「ちょ、ちょっとけーちゃん、休まない?」


「はーちゃんさーちゃん! 滑るよ!」
「おー、下で待っててやるからどんと滑ってこい」


時刻は昼の3時を回った頃。
シンプルに疲れた。 体力は高校生の俺たちのほうがあるはずなのに、京華に比べ俺と川崎のほうが間違いなく疲れている。
この後由比ヶ浜の家にいかないきゃならないなんて、今日で死んじゃうんじゃないかしら。


「はーちゃん、次何する!」
「ふーっ、そうだな、探検ごっこでもするか」
「探検ごっこ?」
「おう、ここに宝の地図がある。 ここを目指すぞ」
「おーっ」
「なに、あんた宝の地図なんていつの間に用意したの」
「それは大人の秘密だ」

俺は京華に宝の地図(由比ヶ浜家の地図)を手渡す。
ここからならそれなりの距離があるが、子供のバイタリティならなんなく歩き切ってしまうだろう。
問題は、到着した後だ。 どうしたもんか……。

夕方 由比ヶ浜マンション前

「ついた!」
「すごいな、スムーズにここまで来れたぞ」

幼稚園児にして地図を読めるとは、将来有望だな。
将来有望な妹をもつ姉に目を向けると、川崎は訝しげな表情でマンションを見上げている。

「宝の地図って、あんたここ……」
「細かい話はいい。 けーちゃん、宝が誰かにとられる前に突撃するぞ」
「らじゃー!」

柄にもなく由比ヶ浜にメールを送って家にいることは確認済みだ。
幸運なことに、今は家に一人でいるらしい。 俺は意を決して、由比ヶ浜家のインターホンを押しこんだ。
勝負は初めの一瞬……しくじるなよ、俺。
呼吸を整えていると、玄関の鍵の開く音がした。
由比ヶ浜は馬鹿だなあ。 家で一人でいるときに誰が来たかも分からないのにドアを開けるなよ。


「はいはーい、ってヒッキー!?」
「由比ヶ浜、お前の事が、好きだ!」
「え?????!!!!!」
「は?!」

そう叫んで、踵を返す。
由比ヶ浜と、あと川崎も俺の突飛な行動に驚いている今がチャンスだ。

「けーちゃん、鬼ごっこの続きだ、逃げろ!」
「え? わかった!」

京華がマンションの廊下を駆け出す。 今回はしょうがないけど、人んちのマンションで鬼ごっことかかくれんぼしちゃダメだよ。

「ちょ、ちょっとヒッキー?!」
「すまんな、俺が鬼だから追いかけなきゃならんのだ! じゃあな」
「川崎も、早くいくぞ!」
「ちょ、ちょっと!」

川崎の手を引いて京華の後を追う。
明日から学校行くの嫌ダナー死にたいナー。

「ぜぇ、ぜぇ」
「はぁはぁ、あんた、さっきのいったいどういう……?」
「ちょっと、休ませてくれ。 死にそうなんだ」

無尽蔵の体力で逃げ続ける京華を追いかけ、もといた公園まで戻ってきた。
あの距離をノンストップって、この子フルマラソンでも走りきってしまうのではなかろうか。

「ふーっ、楽しかった!」
「そうか、楽しかったか。 良かったな。」

京華は楽しんだのはよかったのだが、俺はいろいろとよく無いんすよねえ。
息を整えている今がことを有耶無耶にするチャンスだ。
そう考えた俺は、これからの事を携帯の奥の神様たちに託すことにした。


**********************************************


名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

巨乳ビッチの家へ行って愛を叫んだあと猛烈に逃げてきた
このままボーっとしていては不良からの詮索も面倒なのでこれからすることを送球に決めてくれ
お前たちのせいで明日から学校へ行きたくないんだが

じゃあ>>163
出来る事なら、このカオスな状況がなんとかなる安価を望んでいる

自決

じ、自決!?
[ピーーー]っていう事かよ!?

……しかし、確かにそのほうが楽かもしれんな。
川崎の前で由比ヶ浜に愛してると言い逃げてきた身だ。
それが得策なのか……、そうなのか。


「ねえ、そろそろ息は整ったでしょ? さっきの何?」
「死のう」
「は!?」
「あんなことをしてしまったんだから死ぬしかない」
「なんでそうなんの!?」

驚く川崎を無視して、歩く。
この近くに踏切は無かったか。 高いビルも……見た感じではない。
しばらく歩いて死に場所を探すか。
そう思って歩みを進めていると、シャツの裾が何かによって引っ張られる。

「し、死ななくていいから! 私はさっきのこと、別に気にしてないし!」
「だ、だから死ぬとか言うな!」

後ろを振り返ると、シャツを引っ張っていたのは川崎だった。
目に涙を溜めて、彼女は俺に死ぬなと説く。
俺は……死ななくていいのか?

……いや、死ななくていいよ! 何を考えているんだ俺は。
安価に精神まで犯されてしまっていたようだ。 恐ろしい。

「冗談だ」
「冗談? じょ、冗談でもそんなこと、言わないでよ」
「す、すまん」

川崎は今にもあふれそうな涙を、零れ落ちる前に拭う。
なんだかすごく……愛らしいです。

その後、川崎姉妹と別れて帰宅した。
なんだか、目茶目茶な日だったなマジで。

帰宅してしばらくたった頃。 普段は鳴ることの滅多にない携帯の着信音が鳴り響いた。

【☆★ゆい★☆】

 『ねえ、ヒッキー、さっきのどういうこと?(・_・?)』


ごめんね、別にどうもこうもないの。
俺は『疲れててどうにかしてた』と、簡単に尚且つ主題に触れず由比ヶ浜へと返信を送っておくことにした。


****************************************

「ヒッキー、あのとき沙希と一緒にいたよね?」
「……どういうこと、なんだろ」


「アイツが死ぬって行った時、そんなこと言うのなんて冗談に決まってるのに」
「どうしてか、必死で止めてしまった」
「……由比ヶ浜に愛してるって言ったのを、気にしちゃってたのかな……」


※(結衣に川崎への嫉妬心が芽生えました)
※(川崎に結衣への嫉妬心が芽生えました)

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 +1
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 ±0
小町 ±0
川崎 +1(朝0 昼+1、-1 夕+1)
相模 ±0

【総計】

雪乃 0
結衣 +3 (川崎への嫉妬心)
一色 0
陽乃 0
平塚 -1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +3 (禁断の愛!?)
川崎 +3 (結衣への嫉妬心)
相模 -1


八幡 メガネ髪型(存在感+2) 筋肉発達中?

とりあえずここまでにします




名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

なんだか昨日はおじさんとっても疲れたよ
あとまあいろいろあって学校へ行きたくない
が、いかないとあるお方から鉄拳制裁を食らうので心に鞭打って学校へ行こう

で、今日はどんなかんじで過ごせばいいだろうか
>>182

巨乳偽ビッチと登校

由比ヶ浜と登校とは、今の俺が一番やりたくないことなんだが。
まあ、問題ってのはこじれる前に解決するのが一番というのにも一理ある。
ここはひとつ、勇気振り絞ってみるか。



バス停付近

由比ヶ浜は確か、これぐらいの時間にバスを降りるはずだ。
あいつがバスを降りた瞬間を狙って、偶然を装い二人で学校へ向かうか。
やだ、もしかして俺ってストーカー……?

自分の行動の気持ち悪さに悶えていると、一台のバスが停車する。
俺は、全神経を集中させて降りてくる人の中から由比ヶ浜の姿を探す。
ポイントは、お団子、おっぱい、黄色のリュックだ。 見逃すんじゃないぞ。
お団子、おっぱい、黄色、お団子、おっぱい、黄色、おっぱい、おっぱい、いたぞあれだ!

余計な考えが頭を駆け巡って足が動かなくなる前に、駆け出す。
こういう時は諦めて一気に飛び出すことこそ一番手っ取り早く有効な手段なのだ。

ぴょこぴょこと動くお団子頭を追いかけ、肩を叩く。
不思議そうに振り返った彼女は、目を見開く。

「ヒッキー? お、おはよう。 どうしたの?」
「よお、偶然前にお前が歩いてたからな」
「そう……なんか、ヒッキーがそうやって話しかけてくれるのって珍しいね」

ギクリ。

「そうか? まあちょっと話したいことがあったからな」

おれがやらなければいけないこと。 それは昨日の誤解を解くことだ。

「話したいこと?」
「昨日、いろいろあっただろ」

俺がそういうと、由比ヶ浜の肩にピクリと力が入る。
まあ、あんなことがあった側からその話を持ちかけられると、そのリアクションにも納得がいく。

「き、昨日の話?」
「ああ」

深く息を吸う。
俺が動揺していることを悟らせてはならない。 嘘を吐くときに気を付けなければいけないポイントだ。
虚言は吐かないというポリシーなど今は気に掛けている場合じゃない。

「川崎の、妹いるだろ。 あの子がませた遊びに凝っててな……」

川崎京華が、王様ゲームの亜種のような遊びにハマっていて、あれはその遊びの一環であった。
そんな、我ながら俺らしくない、穴だらけの嘘で昨日の事件を塗り固める。
バレたか相当ヤバいよね……これ。 でも、多分このままことをなあなあにして過ごすことの方がきっと危険だ。

「そっか、そういうことだったんだ」
「わ、わかってくれたか?」
「うん。 まあ、あんなこと遊びで言ってほしくはないけどね」
「すまん」
「でも……」


「どうせなら、本気の言葉を聞きたかったかな」


「え? なんだって?」
「なんでもないよ」

一件落着。 これから起こることは想像できないが、そういっていい終着点ではなかろうか。


※(由比ヶ浜結衣の、川崎沙希に対する嫉妬が晴れました)
※(由比ヶ浜結衣が、少し積極的になりました)

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

結果論だが、お前らの安価が俺の悩み解決への糸口となったようだ。
安価様々だ。 なむなむ

不安要素が減ったという事で、気分よく昼からどうするか決めよう

>>193

強化外骨格に膝カックン

昼 部室前

遂にこの時が来た。
いつもと変わらないはずの部室の扉が、まるで地獄への入り口のように感じる。
あけた先にあるものは十中八九、死。
どうして、膝カックンごときでここまで追い詰められなきゃならんのだ。
俺は冥界の扉へ手を掛け勢いよく開け放った。


「いや、なんか比企谷君が雪乃ちゃんといやらしいことをしてるって言ってたから」
「そんなわけないでしょう。 なにをわけのわからないことを言っているの」
「あれー? おかしいな」
「多分さ、もうすぐ比企谷君も来るだろうから聞いてみたら?」
「……彼が来るのを待つ必要はなさそうね」

そこにあったのは、俺の想像とは違った。 だが、地獄には変わりない。 想像よりもっとひどい地獄だった。

「比企谷君……詳しく話を聞かせてもらいましょうか」

雪ノ下は、扉を開けたままの体勢で立ち尽くす俺を人さえも殺めることが出来る様な視線で射る。

「あ、比企谷くん、ひゃっはろー」
「違うんだ雪ノ下。 話を聞いてくれ」

俺は雪ノ下を説得しにかかる。 だが、もちろん改まって話すような事情などない。

「……聞きましょうか。 あなたを抹殺するのはそのあとよ」
「殺すことは確定してるのか」
「いいか、雪ノ下。 これには事情がある。 俺には雪ノ下さんを呼び出す必要があったんだ」
「姉さんを?」

雪ノ下を説得しながら、悪魔姉妹に一歩、また一歩と歩みを進める。

「雪ノ下さんを呼び出す理由というのは、いろいろあってだな……」

色々などない。 ただの膝カックンです。
今の俺に必要なのは時間を稼ぐこと。 言葉は適当に選んでおけばいい。

「……その、ぼやかしている『いろいろ』について聞かせてもらおうかしら』

さすがに抜かりない。 俺の逃げ場がどんどんと削られていく。
だが、もう遅い。 この距離感ならいけるはずだ。

「それは……こういうことだ!」

俺は即座に陽乃さんの背後を取り、渾身の膝カックンをかます。 かましたはずだった。
手ごたえが無い。 突き出した俺の膝が、何にもあたることなく空を切る。
――受け流された。 そう考えた時には遅く、すでに陽乃さんは俺の手首を取っていた。

ゴキリ、といやな音が体中に響く。
あかん、腕が取れた。

「何企んでるか興味あったから来たのに、まさかここまでくだらないことだとはね~」
「呆れたわね……」
「ぐ、ぐおおおおお」
「……ん? 肩ぐらいなら外れると思ったけど、外れてないな」
「比企谷君、なんか筋肉ついた?」
「腕が……俺の腕が……」
「ま、痛いことには変わりないけどね♪」


※(八幡のガタイが良くなり、存在感が少し上がりました)



名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

それはもう地獄絵図であった
最悪死、よくても腕一本と思っていたが俺はなんとか無事だ
まあ実際腕一本は持って行かれるところだったが

たのむ、夕方からは俺を休ませてくれ……>>205

先生を褒めて膝枕してもらう

今日はなんだが精神的にも身体的にもつらい安価が多いなあ。
人間関係を改善するような安価って記憶にほとんどないんですが……。
もはや俺も吹っ切れることに慣れてきた節があるな。


放課後 職員室

「比企谷……まさか、また妹自慢というわけではあるまいな?」
「いえ、あの後よく考えて、思ったことがあるんです」
「……とりあえず聞こうじゃないか」
「年下だけじゃなく、年上にも果てしない魅力があるなって」
「は、はあ?」

俺の発言が予想もしていなかったことなのか、先生は目を見開いてそう言う。

「いいですか、例えば先生。 あなたは年齢の事を口に出すとよく怒りますよね」
「でも僕から言わせれば、30手前っていう年齢は非常に魅力的なんです」

「たとえば、この前暴走する俺を冷静に諭してくれたその落ち着き。
 これは、年の近い女性で出来る事じゃない。 周りでそんなことをしてくれるのは、先生だけです。
 そして、その凛々しさ。 これも幼い女性が持っていないものの一つ。 それも先生は持っている。
 男からすれば、女性は守らなきゃいけないものじゃないですか。 だからこそ、守ってくれるような女性には他には無いの魅力を感じる。
 つまり、僕が何が言いたいかというと……はぁ、はぁ、ちょっと待ってください、頭に血がのぼって……」

ふらりと、意識が飛ぶような演技を挟んで、平塚先生の太ももに頭を預ける。

「これだってそうです! 完成した体っていうのは、今まで挙げた何よりも妹や同級生では手に切れられない!
 子を産み、温かく包んでやれるようなその体は男にとっては何よりも手に入れたものに他ならない!
 女性としても、母のような存在としても、これほど完璧な物なんてない。
 平塚先生と俺ぐらいの年の差なら、さらに言えば同世代の人たちに比べて若く綺麗なあなたならば……。
 きっと、俺の手に入れたい、本物になり得る!!」

ここまで来たらヤケクソだ。
後先考えるより、火中に飛び込んで何なら火中で踊り狂うほかない。

「ひっ、ひ、ひ、比企谷! 落ち着け!」
「これが落ち着いてなんていられますか!? たとえば……」
「落ち着けと言ってるだろう!!」ゴチッ


――――。
そこからの記憶は無い。 小町に聞いた話では、気を失った俺を平塚先生が車で自宅に送り届けてくれたらしい。
頭に血がのぼって倒れたのかな。 その割には、俺の目がこんなに腫れているのはちょっとおかしいよねぇ……。

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 -1
結衣 +1
一色 ±0
陽乃 -1
平塚 +1
小町 ±0
川崎 ±0
相模 ±0

【総計】

雪乃 -1
結衣 +4 (積極的)
一色 0
陽乃 -1
平塚 0 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +3 (禁断の愛!?)
川崎 +3 (結衣への嫉妬心)
相模 -1


八幡 メガネ髪型筋肉(存在感+3)

一旦ここまでにする

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

ここまで気分の悪い朝は初めてだ
昨日一日で肩を外されかけて顔面をぶん殴られた普通の高校生って多分俺だけだろ
頼むから今日は優しくも人とつながれる安価を……お願いします

>>226

一日中自室の床で座禅を組み、無言で瞑想を続け宇宙の真理を探求する

なんだよこの安価……。
スレタイも何もかも完全無視じゃねーか。 ていうか今日は平日だよ馬鹿野郎。
しかし、瞑想によって見えてくる真実というのもあるのかもしれないな……。
一日中自室ってわけにはいかないが、学校で瞑想に耽ってみるのもアリだな。


朝 学校

「ヒッキー、おはよう」

そもそも、宇宙というものはなんなのだろうか。 ビッグバンによって生まれたとされる宇宙。
なら、ビックバンが起こる前にそこにあった物はなんなんだ? それは果たして宇宙なのか、それ以外の何かなのか。

「ヒッキー?」

宇宙が出来てから100億年以上の時が経っているという話を聞いたことがある。
俺たち人間には想像もつかないほどの時間だ。
それだけ長く紡がれてきた時の中に、俺の18年が、俺の今がある。
これはよく考えたら信じられないぐらいの奇跡なんじゃないか……?
ふと、バタフライ効果という言葉を思い出した。 蝶が羽ばたいたことが、巡り巡って地球の裏側の天候に影響を及ぼすというものだ。
もしかしたら、俺という存在もそういう理論の上に成り立っているのかもしれないな。
宇宙が始まって100億年以上。 宇宙の始まりから今の俺への繋がる何かが、どこかでほんの少しでも狂っていたら俺はここにいない。
それは俺だけに言える話じゃない。 由比ヶ浜にしろ、雪ノ下にしろ。 ここにこうやって存在していることだけでも信じられないような事なのに、
その俺たちが出会ったという事はそれは陳腐な言葉でしか表すことができないが、奇跡だ。
あれ、なんだかいろんな人への態度を改めたくなってきたぞ……。


「ヒッキーってば!!」
「うぉっ!? なんだ、由比ヶ浜か」
「ずっと呼んでたじゃん」
「いやすまん、ちょっと考え事してた」
「考え事?」
「……由比ヶ浜、これからもよろしくな」
「え? うん」


※(八幡の卑屈が少し弱まりました)

***********************************************************

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

なんか宇宙の事考えてたら生きてることにありがたみを感じてきた
瞑想するとか言ったやつぶん殴ってやりたいと思ってたけど結果的にありがとう
瞑想は一日続けるとして、昼からはどうしようか?
>>230

悟りを開いて解脱する

いやいや、解脱ってもっとその道を究めた人が到達する地点じゃないの。
一日瞑想しただけじゃ無理だろどう考えても。
しかし……宇宙の奇跡を託された俺にはできるかもしれない……。
とりあえず、昼前の授業をすべて聞き流して瞑想を続けるか。




「えー、このxがこれであるからして……」

煩悩を消し去れ、俺の頭の中から。
悩みを、欲を、恨みを、憎みを、この八幡流四戒をすべて消し去るんだ。
無原罪の八幡となれ。 ……それは少し違う思想だな。
そもそも、人間に怒りや恨みは必要なのだろうか?
なぜ人は怒るのか? それは、総て自分の思い通りにいかないからだ。
なぜ人は恨むのか? それは、総て自分の落ち度を誰かに押し付けるためだ。
あまりにも浅ましすぎる。 そんなことではこの世は平和にならない。
例えば相模。 やつはおそらく俺の事を恨んでいるのだろう。 怒っているのだろう。
それは、俺があいつの思い通りにいく人間ではなく、結果的に彼女に恥をかかせた男だからだ。

(なにアイツこっち見てんの……キモい)

だが、俺はそんな彼女を受け入れよう。
俺は今まで多くの過ちを犯した。 ならば、俺には彼女の罪を受け入れなければならない義務がある。
罪を咎める権利は、罪を犯したことのないものだけに与えられるものだからな。
とちくるった俺は、その意思表明として相模にむかって温かい笑みを浮かべた。

(なっ。 なんなの、こっち見つめてると思ったら急に笑いかけてきたんだけど!)
(なんか最近、愛してるとか歌ったりイメチェンしたりしててキモい!)
(……ウチに気でもあるのかな? ……いやいや、何考えてんの。 キモ)


解脱か……。思ったよりも簡単にできてしまいそうだ。
煩悩を捨て、真の姿になるのも遠い未来ではないかもしれない。
今なら欲だって捨てられるかもしれない。俺は由比ヶ浜に目をやった。

由比ヶ浜はモテる。 彼女はとてもいい子だ。 だが、俺には解せない点がある。
きっと、彼女に近寄る男どもの中には……体目当て、というやつもいるだろう。
非常に、嘆かわしい話だ。 そんな事許してたまるか。
愛というものは、プラトニックであるべきなのだ。
今の俺はきっと由比ヶ浜結衣の胸を見てもきっと何も思わない。
胸の大きさに耐え切れず伸びてしまっているセーターも、横から見るとより立体感が増すフォルムも、動くたびにあらわになる質量間も。
……あ、ヤバい。

「なので、この式の解は……ん? どうした、えーっと、比企谷。 不自然に前かがみになって」
「ええと、あ……腹痛いんで保健室行っていいですか」

解脱はムリでした。


※(相模南が勘違いをし始めました)



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名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

やっぱり解脱はムリだった。 そして瞑想の類も飽きてきた。
夕方は息抜きがてらなんかその思想的な感じから抜け出した安価をお願い。

>>337

>>237の間違いかな?
あと折本は安価対象になってたっけ…

昔告白したことのある人物に真剣に告白か、そんなの俺が告白したことなかったら成り立たないのに何考えてんだこの安価。
でも、いるんだよなあそれが。
だが、それは総武高内にはいないからどうしていいかわからんな。
ま、とりあえず部活終わってから考えるか。


夕方 帰路

「あれ? 比企谷じゃん? やっほー」

会うんだよなあ、こういう時に限って。
同じ中学だからこういうこともあるんだよなあ、この世の中は。

「今帰り? なら方向一緒でしょ? 一緒にいこ」
「お、おお……」
「比企谷と一緒に帰るとか絶対に無いと思ってた。 ウケる」
「お、おお……」

相変わらず自分のペースを持ったやつだなコイツ。
このまま相手に流れを持って行かれては俺の話すタイミングが無くなる。
早いうちに手を打っておこう。

「歩きながらでいいから、聞いてほしい話があるんだが」
「なに? 告白? ウケる」
「お、おお……」

告白なんだよなあ、それが。
しかし、あの安価には穴がある。 ハードルを潜り抜ける能力に長けた俺はそれを見逃さない。

「違えよ。 いまふと思い出したんだが、中学校の組体操の時――」

俺の数ある黒歴史の一つを告白、とか言う抜け道も……あるよね?



「あったあった! いま思い出すとちょー面白いよね。 ウケ死ぬ」
「ウケ死ぬってなんだよ……」
「比企谷ってやっぱ、意外に面白いよねー。あっ、うちこっちだから、じゃあね!」
「お、おお……」
「と、その前に。 連絡先教えてよ」
「は? なんで?」
「いや、また一色ちゃん関係で最近よく会うし」
「理由になってねえよ」
「だいたいさー、連絡先交換するのに理由とかあんまいらなくない?」

リア充の思考回路は全く持ってわからんな。
観念した俺は折本と数年ぶりに連絡先を交換する。理由とかいらないって言ってたけど、それなら中学時代知らない間にメアドを変えられていた俺はなんなの?

「……よし、おっけ。 じゃ、またねー」
「……おお」


※(安価対象に折本かおりが追加されました)

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 ±0
小町 ±0
川崎 ±0
相模 +1
折本 +1

【総計】

雪乃 -1
結衣 +4 (積極的)
一色 0
陽乃 -1
平塚 0 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +3 (禁断の愛!?)
川崎 +3 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 +1

八幡 メガネ髪型筋肉(存在感+3) 卑屈度下落

今日はここまでにする
日にちが開いたのと安価スレを動かす時間帯を間違えたことに遺憾の意

>>239
やっちまったサーセン

変な時間帯だったり間が空いたりで申し訳ない
やるよ

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

昨日はいろんな意味で考えさせられる日だった
だが、朝になってみると昨日はあれだけ壮大に思えていた世界がいつも通りだ
鍛えられた怠惰の精神っていうのは、燃えないわけではなく消火するのが早いってことだな

今日もやって行くぞ>>254

夏だから海へ行く

海か……確かに、もうそんな時期だな。
いや、そんな時期なのか? 今の季節はいったいいつなんだ?
小町はまた高校に上がっていない……俺たちはまだ高校二年だ。
冬だねこれ。
まあ、海と言えば夏だが冬に海に行ってみるってのも一興だな。
セオリーから外れた時に真実が見えてくるっていうこともあるしな。

さて、真冬の海へ突撃することは決まったがメンバーが決まっていない。
スレの内容からして一人ってわけにもいかんだろう。 ここは安価頼りだな。


名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

寒風に吹かれる海へ出かけることにした。
だが、一人で行くというのも辛いのでメンバーを決めてくれ。

人数 >>259 (2~5人)

メンバー
>>262
>>263
>>264
>>265
>>266

(人数安価が5人未満だった場合、上から順に優先されて選ばれます)
(無効安価、同一人物が安価に当たった場合は遅いレス番の安価に繰り下げられ、指定した番号を超えた場合はそこから安価下扱いになります)

1人

結衣

サシで結衣とって一番つまらん結果になってしもうた

2人~ってなってるから最安価では?

そもそも安価先2人以上五人未満なんだがサシはありなのか?

2人以上を指定して人数安価一人ってどういうことなの……。
この手はあまり使いたくなかったが、再安価だな。

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

俺の書き方が悪かった
2~5人ってのは俺を含まない数なんだ
巨乳はメンバーに入れるので、もう一度安価頼む

人数>>267 (あと1~4人 無効は安価下)

メンバーは人数が決まった安価から人数分安価下で決める

折本

由比ヶ浜、小町、陽乃さん、平塚先生か。 出るとこ出てるチームと名付けよう。
しかし、運転免許を持っている平塚先生がいるのは心強い。 俺の心も交通費もウキウキだ。

*********************************************

「と、言うわけでこんな時期ですが海に行きましょう」
「集まっては見たものの、随分と色々端折ったねお兄ちゃん」

こうなった経緯を説明するわけにはいかんからな。 いつだって企業側は都合の悪いことを自ら説明しないもんさ。

「ねえヒッキー、この変な面子なんなの?」
「俺にも分からん。 出たとこ勝負って感じだな。 いろんな意味で」
「?」

「しかし比企谷、冬に海に行くと言ったり変なメンバー集めたり、正直不可解な点が大きすぎるぞ」

平塚先生が、陽乃さんから借りたらしいワンボックスカーを背にして言う。
ワンボックスカーを人に貸せる大学生ってなんなの……。

「なにかやましいことでもあるんじゃないのか……?」
「まっさかー、比企谷君にそんな度胸ないって」
「いやいや陽乃さん、お兄ちゃんやる時はやるんですよ!」
「やるときはやる……? 比企谷、お前まさかすでに妹に手を!」
「出してない、出してないですよ!!」

ああ、なんだか今日はつらい一日になりそう。
ややこしいことになる前にさっさとことを済まそう。

「じゃあ、みんな揃ったことだし行きますか。 場所は陽乃さんが紹介してくれたところでいいですね」
「比企谷、話をそらすな」
「出発しましょう!」

強引に話を終わらせて車のドアを開ける。

「小町、後ろの席の奥に座るからお兄ちゃんはその隣ね」
「ん? じゃあそうするか」
「じ、じゃあアタシはその隣!」
「お、おお……」

俺の決定権がすべて無視されていく……。

「私が運転するから、陽乃は助手席で道案内を頼む」
「はいはーい」

こうして、先の見えない俺たちの海が始まった。

***********************************
「でね、ヒッキー――」
「お兄ちゃん、それがさ――」

(……比企谷のやつ、妹じゃなく由比ヶ浜にも手を出したのか?)
(これは、今日一日監視する必要があるな……)

「ちょっと静ちゃん、前、前!」
「あっ」

耳が痛いほどのブレーキ音と、車が何かにぶつかった音が響き渡る。
驚いて前を見ると……車の前に材木座が倒れていた。
まさか、轢いたの? 材木座を?
平塚先生は車から降り、材木座の状況を少し確認し、その後材木座より時間をかけて車を確認する。
それから、車に戻ってきたかと思うとドアを開けて言い放った。

「車に傷もないし、材木座も生きている。 とりあえず、積んでいくぞ」

裏の裏をつく配球に面食ったが、こうして俺たち6人の新しい旅が始まった。
……なんだこれ。

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

いろいろあって変な奴が同行することになったがなんとか海へ向かっている
多分昼前までにはつくから昼にどんな感じで過ごすか安価する

>>283

ちなみに、今いるのは偽ビッチ、教師、強化外骨格、妹、変人男の5人
これ意外の人物が登場する安価は実行できないから勘弁してくれ

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

あっ……

>>290

教師にプロポーズ 婚約届もあわせて送る 名前記入済み

婚姻届なんて持ってないんだけどなあ……だいたい俺まだ18になってないけどもらえるもんなの?
まあいいや、その辺はテキトーに流すか。 実際結婚するわけでもないからな。

**********************************************

「ついたぞ、降りたまえ」

平塚先生の声に、材木座を除いた面々が車を降りる。
海の近くではあるが、風も弱くそれほど寒いわけではないな。

「平塚先生」

運転を終え、少しだけ疲れたように立っている平塚先生に声を掛ける。
何事も、終わらせるなら早いほうが良いとここ最近の俺は学んだ。
なんでも長引くと面倒くさいからな。

「温かいコーヒーあるんで、浜辺で一服でもしませんか。 風情もあるでしょう」
「ほう、比企谷にしては気が利くじゃないか」

そういうと平塚先生は、一言礼を言ってコーヒーを受け取り歩き始める。
運転後にコーヒーとタバコで一服って、それ渋いおじさんがやることだよねえ……。

「寒いな」
「まあ、風が無いだけマシです」

平塚先生はコーヒーを一口飲んだ後、タバコを一本取り出す。
海を背に、ライターの火が消えないように手で壁を作りながらタバコに火をつけるその動作は、とても画になっている。
少しだけ髪をなびかせながら、煙を吐いた先生はこちらを見る。

「で、なんだ。 こんなところで一服しないかと言ってきたのは、何か言いたいことがあったんじゃないのか」
「鋭いですね」

ほんと鋭い。
女性は相手のアプローチに気付いていてもそれをあんまり表に出さないほうが良いですよ。
とは、さすがに言えなかった。

「まあそれは後でいいんですよ。 それにしても……冬の海って、人も少ないし空気が澄んでいるからか綺麗に見えますね」
「そうだな。 夏の清々しいほど青い海も捨てたもんじゃないとは思うが」
「冬の海は、儚げなんです。 薄い青に、引いていく波を見てると、なんだか辛くなります」
「なんだ、君らしくないな」

俺は、おもむろに浜に文字を書く。

「例えば、例えばですよ。 本当に例えば。 僕たちが愛を誓い合った男女だとしましょう」
「こうやって浜辺に二人の名前なんか書いちゃったりするんですよ」

よくいるよね、こういうことやっちゃう人たち。
それは別にいいんだが、俺がこういうことやるととても寒い。 強風でも吹いたんじゃないかと思うほど寒い。

「多分、こういうことを書く人たちにとっては、この名前は婚姻届に名前を書くのと同じなんです」

断言するが、絶対に違う。

「でも、こんなことをしてもこの文字はいつか波にのまれて消えてしまう。 波はどこへ帰るのか、ですよ」
「懐かしい歌だな」
「僕には、人間関係がこの文字のように波にさらわれそうで、怖いし、辛いんです」

適当なことをタラタラと口にする。
言ってるうちに、なんだが本当に辛くなってきちゃった、てへ。

「なあに、心配ないさ。 人との関係というものは砂浜に書いた文字のように弱くはない」
「もちろん、それほど希薄な関係というのもあるだろうが……少なくとも、今君の周りにあるものはそうじゃない」

安価を実行するための俺の目茶目茶な言葉もこんなに真摯に返してくれるなんて……。
なんだか、これから本気でプロポーズしてしまいそうになる。

「……そうっすね」
「そうさ」

さて、仕上げと行くか。 さすがにもろにプロポーズしては後々面倒くさいので、手を打つことにした。

「……いつか、ずっと先に、こんな景色を違う気持ちで平塚先生と見れたらいいですね」
「……は?」
「俺、みんなのところに行ってきます」

ヒットアンドアウェイはボクシングの基本だ。 俺は踵を返し足早にそこを去る。


「ちょ、比企……」
「……なんなんだ、一体」

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

婚姻届は用意できなかったが、プロポーズっぽいことはしておいた
30手前で未婚だし、あまりはっきりと言って本気にされると少々困るからな

夕方から夜はどうしよう>>296

陽乃に「だらしねえ体だなあ」と吐き捨てる

死んじゃうよ、もしくは死よりも恐ろしい地獄を見るよ。
でも、俺に選択肢はないんだよなあ。

**********************************************

斜陽にあてられた浜辺で、談笑するはるのさんを見る。
はっきりいって、だらしないとは言えない。
むしろ、女性の中では良い体をしている部類と言って間違いない。
何か抜け道は無いかと探しては見たものの、今回ばかりは見つからなかった。 どうしようかしら……。

「ん? 比企谷くーん、私の身体ジロジロみてどうしたの?」
「ばっ、見てないですよ」
「うっそだー、いますっごい見てたよ。 触りたいんなら触る?」

そういって彼女は俺との距離をジリジリと詰める。
出たぞ、陽乃さんの必殺技だ。 ひるむな俺。

「ヒ、ヒッキー!? 何してんの!?」
「お兄ちゃんのスケベ!」
「ぬう、八幡! きさまそんなヤツだったのか!」

周りからはガヤが飛んでくるが今は耳を貸している余裕はない。
目の前の危機から逃れるのが先だ。
というかいたんだ、材木座。

「ほらほら~」

このままではジリ貧だ。 ええい、こうなったらヤケクソだ。
最近ヤケクソになることが多すぎて本当に困る。

「だ、だ、だらしねえ体だなと思って」
「は?」

陽乃さんの動きが止まる。 待ってましたとばかりに俺は距離を取った。

「比企谷くん、いまなんて……?」
「い、いや、本当に思ってるわけじゃないんです。 ただ攻撃から逃れようと……」
「わ、わかっちゃう?」
「はあ?」

わかっちゃう? このセリフが、陽乃さんの口から出る理由が分からない。
聞き間違いか?

「ふ、冬だからちょっとだけ太っちゃったんだけど……目に見えてわかっちゃうかな?」

誰この人。
なんか……可愛いんですけど。

「い、いやそんなことは……」
「……本当にちょっとだったから誰にも言われたことなかったんだけど、比企谷くんにはわかっちゃうんだね」
「それだけ、私の事見てたってことかな~」

陽乃さんは、おどけたように言う。 俺には一瞬見えた素顔を隠すように再び仮面をかぶったように見えた。
思わぬ形で強化外骨格の弱点を見つけてしまったのか?

「そ、そういうわけではないですよ。 い、いい体だと思いますし」

焦ってそんな言葉が口を衝いた。 まずいと思ったときにはもう遅く、声は俺の口を離れてしまっている。
この人が一瞬のスキを見逃すわけがない。 1つミスを犯せば10にして返すような人だ。

「も、も~、比企谷くんったら何言ってるの」

と、思っていたのだが反撃は無かった。
破れかぶれで出した攻撃で初めて彼女に勝った瞬間、だったのかもしれない。

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 ±2
平塚 ±1
小町 ±0
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0

【総計】

雪乃 -1
結衣 +4 (積極的)
一色 0
陽乃 +1
平塚 +1(八幡の貞操観念に疑問)
小町 +3 (禁断の愛!?)
川崎 +3 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 +1

八幡 メガネ髪型筋肉(存在感+3) 卑屈度下落

今日はここまでにする

2日分ぐらいやろうと思っていたけど思いのほか進めるのが遅くなってしまって申し訳ない

休日 朝

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

昨日は新鮮と言えば新鮮な日だった
ちょっとした収穫もあったのでギリセーフ

今日も頑張って行こう
>>309

先生を見つめる

未婚をおちょくると結婚しなければならなくなりそうで怖い
だいたい今日は休日なのに学校へ行かなければならないのが面倒くさいの二乗

*********************************************************

朝 学校

休日に制服を着るとなんだか変な気分になるな。
平塚先生が今日学校へいることは確認済みだ。 一応大学の資料を貰いに行くという事になっている。
しかしそんな些細な用事では見つめる時間が少なくなってしまうな。
まあ、そのあたりはなんとかするか。



職員室前

とりあえずここまで来たが……まずは平塚先生に声を掛けないでおこう。
職員室の扉についた小さな窓から、散らかったデスクに座る平塚先生を見つけた。
手始めに、この小窓から平塚先生を見つめることにしよう。
デスクでなにやら仕事を済ませている平塚先生をじっと見つめる。
まだこちらには気づいていない。 平塚先生はノートパソコンから目を外し、疲れたのであろうか目を揉みながらデスクの上のマグカップに手をやった。
マグカップの中身を飲み干した先生は、両手を組みぐっと体を伸ばす。
その動作の途中で、目が合った。 俺に気付いた先生はこちらへ来いという事だろう、手招きをする。
だが俺は手招きにも動じず彼女を見つめ続けた。 心がけることは、姿勢よく、真顔。 これだけだ。
そんな俺を見て、平塚先生は少し不思議そうな顔をする。 だが動じない。 姿勢よく、真顔。
大体1分ぐらいそんな無駄な時間を過ごしていると、痺れを切らしたのか先生がこちらへ向かってくる。
まだ負けるな、視線を逸らせば負けだ。

「な、何をしているんだ比企谷……」
「何って、朝連絡しましたよね? 大学の資料を貰いに来たんです」
「それは分かっているが……」

この会話の間も、俺は決して目をそらさない。 俺の視線がいるのは、平塚先生の目のみ!

「な、なんなんだ一体……、他に用があるのか?」
「いえ」
「そ、そうか……ほら、これ」
「ありがとうございます」

礼を言い、頭を下げる一瞬だけ視線を外し、頭を上げてすぐに平塚先生の目を見つめる。
その俺の態度に、平塚先生が少しだけ目逸らす。 勝った。

「ほ、ほんとうにほかに用はないんだな?」
「ええ」
「本当だな!?」
「え、ええ」
「そうか……、ではまた明日」

そういうと平塚先生は踵を返し、扉を閉める。
一応、平塚先生が戻るまでの間、扉の小窓から平塚先生の後ろ姿を見つめておいた。

……この安価、一体なんなんだろうね?

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なんかすっげー変な顔された
俺の見つめ方が悪かったのか?

>>315

ハンパなく半端なところで申し訳ないけど、急用ができたので席を外す
もどってきたときに次の安価から始めようと思う、本当に申し訳ない

安価なら下

再び先生を見つめる

この前は申し訳ない
毎度毎度人のいない時間に進行させることも申し訳ないの極み




休日の朝から学校にやってきて、まさか昼までここにいなきゃならないとはね……。

さて、安価内容は朝と同じでもこのまま職員室に戻って先ほどと同じことをやるのも芸が無い。
そこで俺は策を打った。 ありきたりなのだが、待ち伏せだ。

*********************************************************


休日だから平塚先生の帰りは早いという、俺の読みは当たっていた。
学内の駐車場に、重いエンジン音が響く。 どう考えてもあの年代の女性が乗ってる車のエンジン音じゃないよなあ……。
そんなことを考えているうちに、環境に悪そうなエンジン音がどんどんと俺に近づいてくる。
俺のいる場所は、駐車場からでは死角になる場所だ。 駐車場から出た瞬間、平塚先生は目の当たりにするであろう。
急に現れ、高速で通り過ぎるように消えていく比企谷八幡を。
こうしてしまえばとばっちりを食らう可能性も無い。 平塚先生が通り過ぎた後ダッシュで逃げれば任務完了だ。
さあ、いつでも来い。



「休日の朝から職場に来て、帰っても迎えてくれる亭主も息子もいない」
「はあ、私は一体何をやっているんだ……」


来たぜ、獲物が。
全神経を集中させて、運転席を凝視しろ。
それでこそ、この安価は完成される。


「ラーメンでも食いに行くか……ひとりで」
「どこで道を間違え……んっ!?」



平塚先生の車が俺の前を通り過ぎる。
運転席に座る先生と少し目が合ってしまったような気がするが、問題は無い。
ここまできたらあとは逃げるだけだ。
……と、思っていた。 だが甘かった。
耳を裂くような激しいブレーキ音が響き渡る。 逃げようと背を向けていた俺は、あわてて先生の車の方へ向きなおした。
すると……確かに俺の前を通り過ぎて行ったはずの車が、方向転換をして俺の方を向いていた。
地面に、ブレーキ痕がある。 まさか……ここでドリフトを……?!
面喰って足が止まっていることに気付いた時には、もう俺には逃げられるだけの余裕はなく。


「比企谷、まだいたのか。 ここで会ったのも何かの運、ラーメンでも食いに行くか」
「い、いや俺は」
「行こうか」
「はい」


ああ、俺の休日がこの人によって食いつぶされていく。
今日学校に来て得たものは、ラーメンのオカズに愚痴は全く合わないという知識だけだな。

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ひどい目にあった。 精神的に辛い
ちょっと夜ぐらいはゆっくりさせてほしいんだけど

>>328

小町と兄妹間の恋愛映画(R18有)を見る
さりげなく手をつなぐ

朝昼に軽いジャブを食らって大砲の右ストレートを食らった気分だ。
俺たちは兄妹で兄妹モノのエロゲをやるような兄妹じゃないんだぜ……。

****************************************************

「たでーま」
「あっ、お帰りお兄ちゃん! あれ、休みの日に制服着てどうしたの?」
「学校に用事があってな」

どうやって話を切り出そうかしら。手に持ったDVDがひどく重く感じる。
調べてみたところ、さすがに近場の映画館で条件に合う映画が上映されていなかったのでレンタルショップで借りてきたものだ。
ノリノリじゃん、俺……。

「あれ、お兄ちゃん何のDVD持ってるの? プリキュア?」
「ちげーよ、映画だ映画」

どう切り出すか迷っている間に先手を許してしまったが、ここはそれに乗じることにした。
ボクシングにはな、カウンターってものがあるんだ。

「なんの映画?」
「いや……よく知らないんだが、オススメされたから借りてみたんだ」

もちろん嘘だ。 そもそも俺に映画をオススメしてくれる間柄の人なんていない。

「どんな映画化は分からないんだが……一緒に見るか?」
「見る!」

さあ、地獄めぐりの始まりだ。

********************************************************


『でも、私たちは』
『そんなこと……関係、無いだろ』

遂に始まってしまった濡れ場。
ここに至るまでもそれなりの山場があったが、ここが一番の鬼門だ。
気付かれないように、横目で小町の表情を窺う。
心ここにあらず、という言葉がここまでハマる表情も無いだろう。
兄が借りてきた映画を見ていたら、兄妹愛を題材にした映画だったなんて笑い話にもできないレベルだ。
だが地獄はここで終わらない。 俺はわざとらしく背筋を伸ばすふりをして、偶然を装い小町と手を重ねる。
手を繋ぐっていう安価だけど、それはさすがに無理です勘弁してください。

「えっ……」

小町が小さく息を漏らす。 それが驚きの息か、軽蔑の息か俺には判断できない。
だが、この後に起こることに大方の予想はつく。 と、思っていた。
次に起こったことは俺の想像をはるかに超えるものであった。

小町が、俺の手を握っている。

ちょっと待って……どういうこと。
ホラー映画ならまだ分かるけど……兄妹愛の映画だよ?

************************************************************

いろいろと、整理がつかないうちに映画は終わった。
気付かない内に手は離れてしまっていたが、手を握られたという情報は頭から離れない。
なんなのこれ……とりあえず、気を落ち着かせようと思い、自分の部屋へ向かおうと歩き始める。 が、数歩歩いたところで急に体が重くなる。
少しの間状況が理解できなかったが、すぐに俺の体に起こった異変の原因に気付く。
小町が、後ろから俺に抱きついていた。

「な、なにしてんるんだ」
「なんか……こうしたくなったの」


本当に、なんなんだ、これは……。

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 +1
小町 +2
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0

【総計】

雪乃 -1
結衣 +4 (積極的)
一色 0
陽乃 +1
平塚 +2(八幡の貞操観念に疑問)
小町 +5 (禁断の愛)
川崎 +3 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 +1

八幡 メガネ髪型筋肉(存在感+3) 卑屈度下落

色々ゴネゴネして悪かった
ここまでにする

小町ルートまっしぐら

桐乃「まさか」
美也「そんなわけ」
菜々「ないない」

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昨日の夜の安価には参ったが結果的に何もなかった 本当だぞ
今日は平日なのでライトな安価がいいな >>345

巨乳偽ビッチと勉強

朝 教室

「ヒッキー、おはよう」
「おう」

随分とまあ普通の安価だったな。
それに運がいい。 なぜなら、今日の一限目の授業には課題が出ているからだ。
由比ヶ浜は基本的にアホなので、課題などやってきていないだろう。 ならばそれを利用するまで。

「ヒッキー、なんの勉強やってんの?」
「いやいや、現国に課題出てただろ。 忘れてたのか?」
「げっ! やってない!」
「はあ……。 見せてやるから、ノート出せよ」
「え、いいの!? ヒッキーなんか最近優しいね!」

瞑想の効果だよ。
由比ヶ浜は慌ただしくリュックを探り、ノートを取り出す。
そして誰も使わない椅子を俺の横に並べ座った。
ち、近いんすけど……。

「で、どんな課題だったっけ? ちょっとノート見せて!」

由比ヶ浜は俺のノートをこちらに体を寄せる。
くそ、行動のすべてがビッチなんだよお前は。 すごくいい匂いがします。

「文学史だよ、文学史。 漱石の三部作と絶筆についての課題だから数分もあれば終わる」
「ソーセキ? ゼッピツ?」
「いや、夏目漱石だよ。 聞いたことぐらいあるだろ」

高2でそんな素っ頓狂に夏目漱石の名前を呼ぶ人がいるとは思ってなかったよ。

「ああ、夏目漱石なら知ってるよ。 月が綺麗ですねってやつでしょ!」
「お、おお……なんでそんなどうでもいいエピソードだけ知ってるんだ」
「だって凄いロマンチックでしょ? アイラブユーが月が綺麗ですねって」

聞いた話によると、ロマンチックというより日本人がそんなキザな台詞吐かないだろって言う感じで漱石はそう訳したそうだな。

「ま、テストには関係ない知識も本番で記憶を引き出すのに役にたったりするからな。 それも覚えておけ」
「はーい。 ……ヒッキー、なんかあれだね、太陽すっごい光ってるね」
「は? 急に何言いだすんだ、太陽だから当たり前だろ」
「ま、まあね。 ……月が綺麗ですね、に似てるからイケるかと思ったんだけど」
「何の話だ?」
「なんでもない! じゃ、ヒッキーありがとね!」


***********************************************************

同時刻 教室の隅


(やっぱりなんか由比ヶ浜と親しげだな、アイツ)
(なんでそれだけなのにこんなにモヤモヤしちゃうんだろ……)

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

特に何もなく安価を遂行した
波風立たなさ過ぎてテレビならばカットされるレベル

昼いこう >>351

いろはすをストーキング

ついにあざと後輩が登場したか。 ぶっちゃけみんな忘れてると思ってたぜ。
一色をストーキングか……。 辛い部分もあるが、要は見つからなければいい話だろ。
やってやるさ、ステルスヒッキーの本領を見せてやる。

***********************************************



1年の教室棟で一色の姿を発見した。 授業を終え、クラスメイト達と少しの談笑をしている。
とてもいい笑顔だ。 まるで張り付いた仮面みたい!
その時、一色がこちらにチラリと視線を移す。 近くの物陰に体を半分だけ隠す。
バレたか? そう思ってそのままの体勢で一色の方を見る。 だが、一色の視線はもうこちらには向いていなかった。
セーフだったようだな。 一色の張り付いた笑顔が若干歪んでいることだけが気がかりだが、問題は無い。

「じゃ、私いくね!」

一色がひときわ大きな挨拶をした後、クラスメイトから離れていく。
来たか、俺のストーキングはここからだ!

「先輩何してるんですか……」

俺のストーキングはここまででした。

「バレてたか……」
「バレバレですよ……私の友達にすらバレてました」
「俺のステルス効果はどこへ行ったんだ」
「最近とち狂ってメガネかけたり体鍛えたりしてるじゃないですか、そのせいで存在感薄くなくなったんじゃないですか」
「とち狂ってねーよ」
「友達が先輩の事私の知り合いかってしつこく聞いてきてすっごい面倒くさかったんですからねー」
「なんだよ、お前は俺の知り合いだと思われることがそんなにいやなのか」
「いや、そんなことは無いんですけど……とりあえず! 面倒くさかったんです!」

よーわからんやっちゃな。
知り合いだと思われたくないとかそれなんて拷問?

「大体あんなとこで何してたんですか、完全に変質者でしたよ」
「もしかしてあれですか、ストーカーですか、ごめんなさい普通の方法ならともかくストーキングは気持ち悪いんで無理です」
「まあな」
「え!?」
「じ、冗談だ」

実際ストーキングだったから口を滑らせてしまった。 危ない危ない。

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ストーキングのつもりが速攻ばれてトーキングになった、うまいこと言えた
夕方はどうしよう>>356

小町と一緒に晩飯作り

この前は詫びの一つも入れず消え去った上今までなんの報告も無しで申し訳ない
今から再開はできないけど近いうちに、できれば今日中に続き書こうと思うからお許しを

「小町、今日の夕飯は?」
「んー、肉じゃがとかにしようかな」

肉じゃがか、ええがな。
世間では肉じゃがと言えばお袋の味だが、俺の中では妹の味だ。

「よし、暇だから手伝うわ」
「え、いいよ別に。 お兄ちゃんは休んどいて」
「休まなきゃならんほど体力を使ってないんでな」
「なにそれ。 ……じゃ、一緒につくろっか」
「おう」

やだ、なんだか雰囲気に浮かされてる新婚夫婦みたい。


*********************************************************

香ばしい匂いが漂い始める。
料理が出来始めた時の匂いは、なんでかノスタルジックだな。
何も考えず飯が出来るのを待ってた小さいころを思い出す。

「でも、急にどうしたのお兄ちゃん。 一緒に料理しようなんて」
「ん? そうだな……」

理由を特に考えていなかった。
考えていなかったというか、理由は安価でそうなったからであってそんなことは言えるはずがない。
理由という名の、言い訳だ。

「まあ、小町ばっかりに迷惑かけるのもどうかと思ってな」
「別に、お兄ちゃんの為なら迷惑なんて思ってないよ。 今の小町的にポイント高いでしょ!」
「ああ、高い高い」
「うわー適当だなー」

閑話休題。

「それに、俺が一人で暮らしたりするときに料理ぐらいできないと困るだろ?」
「え? お兄ちゃん独り暮らしするつもりなの?」
「例えばの話しだよ。 実家に匿われながら生きていけるならそれが一番いいさ」
「ゲスだね」
「ほっとけ」
「……まあ、家を追い出されて一緒に暮らしてくれる人がいなくても小町がいるよ!」
「は、そうだな」

小町の冗談に頬が緩む。 こういう軽口の叩きあえるってのはいいな。

「でも、そんな未来があったら面白いよね」
「どうしてか、その映像が安易に想像できてしまうんだが」
「はは。 でも、本当はそれぞれの道を行っちゃうんだろうな」
「……かもな」
「多分ダメなんだよね、そういう未来は。 作られた物語の中でしかね」
「ま、そんな深く考えることでもないだろ」
「……そだね」


なんなのこの空気。
ほのぼの安価じゃないの……。

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 +1
一色 +1
陽乃 ±0
平塚 ±0
小町 +1
川崎 -1
相模 ±0
折本 ±0

【総計】

雪乃 -1
結衣 +5 (積極的)
一色 +1
陽乃 +1
平塚 +2(八幡の貞操観念に疑問)
小町 +6 (禁断の愛)
川崎 +2 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 +1

八幡 メガネ髪型筋肉(存在感+3) 卑屈度下落

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おはよう
なんか昨日の夜妹と変な雰囲気になった
変な雰囲気ってのは、お前らが想像する変な雰囲気じゃないぞ

>>373 今日も頑張って行こう 人間関係にも少しずつ違いが見えてきた気がする

小町の可愛い写真をスマホの待ち受けにしたい
頑張って頼め

遂に来てしまった、久しぶりの鬼畜安価。
でもまあ、冗談めかして言えばなんとかなるだろ……なるよな?

**************************************************************


「おはよう」
「お兄ちゃんおはよう! 今日はなんか早いね!」
「ちょっと用事があってな」
「用事」
「小町、写真撮らせてくれないか?」
「は?」

分かるよ。 でもしょうがないことなんだ。 俺を責めないでくれ。
目を丸くしている小町に、たたみ掛ける。

「待ち受けにしようと思ってな」
「え!!?」

わかるんだ、わかるんだけど悪く思わないでくれ。

「いや、気分転換だよ気分転換。 アニメにしようとも思ったがそれは俺のプライドが許さない」

もはや俺にはプライドのプの字も無いけどな。
全神経を言い訳を考えるための頭に集中させる。
言いくるめてしまえばいいんだ。 その言葉に筋などいらん。

「いや、やっぱり携帯の待ち受けっていうのは頻繁に見るものだろ。
そして大まかに分けて2つに分類できるんだ。 よく見ることで刺激を得られるものか、見て落ち着くものか。
俺は基本的に刺激を求めていないから、後者を選んだ。 それに合致するものが、いつも家で見る小町の顔だ。
さらに言えば小町は可愛い。 落ち着けるし、可愛いから心も温まる。 これほど良い待ち受け画像も無い、そうだろ?」

「う、う~ん、どうなんだろ」
「愛する者の顔をいつでも見られる幸せに勝るものなんて、無いんだよ」
「あ、愛するもの……」

どうだ。 戯言と呼ぶことすら憚られるほどの目茶目茶な話だ。
相手が雪ノ下であれば、完膚なきまでに論破されていたところだが、相手は小町。 可能性はある。

「ま、まあそこまで言うんなら」

勝った。
小町に一言礼を言い、携帯のカメラを向ける。
てっきりあざとさMAXのポーズでもとっていただけるのかと思っていたのだが、小町は恥じらったような笑顔で手を後ろに組み立ち尽くすだけ。
そのポーズを見て、正直な話……世界で一番、可愛いと思ってしまった。
嘘でも過言でもなく、小町が世界で一番かわいかった瞬間、だろう。

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なんとか頼みきって待ち受けにした
ぶっちゃけ世界で一番かわいい待ち受け画像だと思う

>>381

由比ヶ浜と屋上で昼食



「なあ、由比ヶ浜。 昼はどうするんだ」
「え? いや、いつも通り奉仕部に行こうと思ってたんだけどゆきのんが来れないらしいから優美子たちと食べようと思ってたところ」
「そうか。 なあ、ちょっと屋上行くから付き合ってくれないか?」
「お、屋上?」
「ああ、最近ベストプレイスが昼練習の部活が多くてどうも落ち着かなくてな」
「気分転換に屋上へ行こうと思ったんだが、一緒にどうだ?」

これがこの安価生活を以て俺が学んだ技術、根回し&嘘だ。
雪ノ下には平塚先生を通じて用事ができるよう仕向け、昼練習の部活がうるさいのは完全なる嘘。相手が由比ヶ浜ならそれほど作戦を練らずともうまくいく。

「んー、そだね。 そういうことなら」
「じゃ、行くか」


*********************************************************************

屋上

「さむっ!」
「ああ、ちょっとこれは寒いな」

晴れてこそいるが、屋上にさす日差しは俺たちを温めるには少し心もとない。
しかも風が強く、いつもに増して体感温度は低い。

「ちょっとヒッキー、いつもこんな寒い中外でご飯食べてるの?」
「いや、あまりにも寒い日は校内で食べてる……今日はそれに値する寒さだな」
「いや、値しすぎるよ! ちょー寒い、ヒッキー後ろに隠れさせて!」
「お、おい」

裾を引かれて態勢を崩した俺の背中に由比ヶ浜が隠れる。
隠れるというよりかは、盾にするといった方がいくらか的確な距離感だ。
なんか、最近由比ヶ浜さん人との距離近くありませんか? ついに本物のビッチにランクアップしたの?」

「なあ、人を日除けにするんならわかるが、俺の後ろについても寒さは紛れないだろ?」
「ちょっとは紛れるよ、風が当たりにくいし。 ヒッキーちょっと背中広くなったじゃん」
「ま、まあ最近鍛えてるからな」
「でしょ? だからちょっとは寒くなくなるの。 それに……こうしてると、落ち着くし」

語尾に向かって少しずつ由比ヶ浜の声は小さくなっていった。 しかし。 聞き逃せればよかったものの、俺は最後の言葉までしっかりと聞き取ってしまった。
どう返事をしていいかわからない。 寒さも風も、すべてを忘れ背中にあたる由比ヶ浜の感触だけを意識してしまう。
風の音をバックミュージックにして、少しの間沈黙が流れた。
早く沈黙を破れと、冷たい風に急かされている気分になって、慌てて口を開く。

「とりあえず、何か壁の近くに行くか。 風も少しは当たりにくくなるだろう。 盾にされてちゃ俺が死んでしまう」
「……うん、そうしよっか」

由比ヶ浜はゆっくり俺から離れると、明るく一言二言意味のないことを言いながら歩き始める。
ヤバかった。 何かが決定的に変わっていく瞬間に飲み込まれるところだった。 それは、はたして俺が望んだ「変化」だったのか。
足を踏み入れなかった以上、真実は誰にもわからない。 考えるだけ無駄だと思い、由比ヶ浜の後を追うことにした。


いや、正直なめてたけど安価スレの効果がかなり顕著に出始めてしまったのではないか。
冬の淡い空はどこまでも広がり、屋上には凍えるような風が相も変わらず吹き続けていた――

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

センチメンタルな雰囲気に侵されて変な空気になったが乗り切った
あとすごい寒かった 死んじゃうかと思った

>>386 今日一日を締めくくるにふさわしい安価頼む

>>355

放課後


まさか2日も連続で一年の教室棟で一色を待ち伏せするハメになるとは思わなかった。
スカート捲りを行うにあたっての作戦を俺なりに練ってみたが、いいものは浮かばず秘奥義ゴリ押しを発動することにした。
せめてもの努力として、第三者に目撃されないように一色を尾行してタイミングを計ることにした。 それが俺がここにいる理由だ。
以前の例があるので尾行も少し危なっかしいが、細心の注意をはらっていれば大丈夫だろう。
一色はおそらく奉仕部の部室へ向かう。 つまり校内でも人通りの少ない道を通るわけだ。 いける。
……人通りの少ないところを狙うってあたり、本当の変質者みたいだな。


********************************************************************************


窓が風に揺らされてガタガタと鳴る。 俺は足音を消しているので、廊下に響くのは窓が揺れる音と一色の足音のみ。
人通りが少ない場所を選ぶために尾行をすると決めたが、実行してみるとあら不思議、人通りが少ないが故尾行が難しい。
下手に見つかって面倒くさいことになる前に、勝負をかけたほうがよさそうだな。 次に強い風が吹いた時が決着の時だ。
息を潜め、期を待つ。 少しでも気配を紛らわせるタイミングをうかがうんだ。
ガタガタと、窓が揺れる。 なるべく気配を消しながら、それでいて大胆に一色との距離を詰める。
賽は投げられた。 この際どうにでもなってしまえ、賽だけに!

「ひゃっ!!?」

ひらりと、一色のスカートがひらめく。 フリルのついた白。

「な、な、なにするんですか!!! 」
「うぉっ! なんだよ、急にでけー声出すな」
「な、なんだよはこっちのセリフですよ! いま私のスカートめくりましたよね!?」
「は? やってねーよ」
「そんな嘘が通用すると思ってるんですか!! 」
「嘘じゃねーよ、やってねーんだからしょうがないだろ」
「で、でもですね……!」
「大体な、俺がお前のスカートめくるとでも思うのか? やってねーよ」
「げ、現に今!」
「大体、俺はお前のスカートをめくってまでお前のパンツを見たいとは思ってない」
「なっ!? スカートをめくられたことより、今の発言のほうが屈辱です!」
「だからめくってねーよ。 言いたいのはそういうことじゃなく、俺はそういう変な目でお前を見てないってことだ」
「は?」

「いいか、よく恋愛は恋と愛に分けられるだろ。 だが俺はもう一つ分けるべきジャンルがあると思ってる。
 それは、欲だ。
 スカートをめくるとかそういうのは、その欲に分類される。 だが、俺はそんな浅ましい目でお前を見たりしない。
 じゃあどういう目で見ているのかだとか、そういう話は置いておいて、俺はお前に欲を押し付けたりなんかしない」

「き、急に何を……そんなこと言ってごまかしがてら口説こうとしても無駄ですよそんな言葉で落ちたりしませんごめんなさい」
「色々長ったらしく言ったが、行きつく場所は同じだ。 俺は、やってない」
「む……はあ、もういいですよ。 面倒くさいんで先輩はやってないってことでいいです。 見られたからといって減るもんじゃないですし」

本来は、適当な話をして話題を逸らそうと思っていたのだが、結果オーライだ。
まったく、俺の回避能力の高さってすごいね。

「でも、もしかしたら気が変わって雪ノ下センパイとか結衣センパイに色々話しちゃうかもしれませんね」
「なっ」
「ひとつ、貸しができたみたいですね。 先輩っ?」

そういうと一色はわざとらしくウィンクをして見せる。
本当に高かったのは、俺の回避能力ではなく一色のしたたかさだったみたいだ。

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 +1
一色 +1
陽乃 ±0
平塚 ±0
小町 +1
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0

【総計】

雪乃 -1
結衣 +6 (積極的)
一色 +2 (八幡の弱み)
陽乃 +1
平塚 +2 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +7 (禁断の愛)
川崎 +2 (結衣への嫉妬心)
相模  0  (THE勘違い)
折本 +1

八幡  メガネ髪型筋肉(存在感+3) 卑屈度下落

また遅い時間で申し訳なかった
今日はこのあたりにする

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

今週の平日はなんか色々あったな
花の休日だぜ、良い安価を頼む >>402

寝ぼけたふりして小町を抱きしめながら二度寝のふり
あちこち触って楽しむ

これはいかん、いかんぞ。
大体俺はもう起きてるし歯磨きとかすませてるんだけどなあ……。
もっかい布団に入って、寝起きっぽさを演出するほかないか。

***************************************************************************




とりあえずベッドへ戻ってきたが、どういうわけか俺の目はパッチリおめめ。
どうすっかなあ、そもそもこの安価は小町が俺を起こしに来ないと始まらないわけで……。
いや、まてよ。 二度寝のフリというのは別にベッドの中じゃなくてもいいんじゃないか。
そうなると、簡単じゃないか。
俺は部屋から出て、階段を下りリビングへ向かう。 決戦の場所はリビングだ。
扉の前で、深呼吸をする。 寝起きを装えなければすべてが終わってしまうので、気合が必要だ。
死んだ目をさらに殺す。 髪型はなるべくボサボサに。 気だるそうな雰囲気。 完璧だ。
気合いを入れて気合いの入っていない演技をするとはこれいかに。
俺はリビングへ続く扉を押し開けた。

「あ、おにいちゃんおはよう……、すごい寝起きだね」
「……小町……なんでこんなところにいるんだ」
「え? いや、お兄ちゃんなに寝ぼけてるの」
「寝ぼけてなんかねえよ、お前は早く寝るんだ……」

小町に歩み寄りそっと抱き寄せる。
驚いているのか、少しの抵抗を感じるがそんなことは気にしない。
どういうわけかとてもいい匂いがする。

「ちょ、ちょっと! 何してんの!」
「べつに何もしてねーよ」

抱きしめることで、小町は思っていたよりもずっと華奢だということが分かる。
心なしか、俺の物ではない鼓動を強く感じる。 俺の腕の中に小町の命がある。
もう少しこのままでいたいが、俺には安価を遂行する義務があるので少し惜しいが次のステップだ。

「いいから、早く寝るぞ。 俺だって眠いんだ」

抱きしめたままの体勢で、ソファの方向へ向かう。
そのまま、押し倒すような形でソファに寝転がった。
小町が頭を打たないように左手は小町の頭を抱え、右手は小町を離さないよう腰に添えてある。 いろんなところを触っているだろう。

「ちょ、ちょっとお兄ちゃん。 だ、ダメだよ……」

何が?

「お母さんたちはいないけど、こんなこと……」

いや、だから何が?
言葉こそ抵抗の意を表しているが、抵抗に力がない。
その時、ちょっとしたデジャブが俺を襲う。
この感覚は……屋上で由比ヶ浜と一悶着あったあの感覚に似ている。
引き返さない一歩を踏み出してしまいそうな、あの感覚。
ヤバい。 何がヤバいのかは一切説明できないが、とにかくこれ以上先へ進んでは引き返せないということだけが頭の中を駆け巡る。
危機回避というべきだろうか、俺は頭で考えるより前に小町から離れ、ソファから落ちる。 正確に言えば、落ちる演技をした。

「痛て……、あれ、俺寝ぼけてたわ」
「え?」

苦し紛れにもほどがある。 でも、今はこうしなきゃならなかった。

「すまん、小町。 俺寝ぼけてたわ」
「さっきも聞いたよ」
「……すまん」
「う、うん……」

由比ヶ浜のときに感じたものよりも、より明確な危機感。
今回ばかりは拭いきれなかったその危機感の正体を、俺はまだ知らずにいる。



※(スーパー小町タイムに突入しました)
※(一定以上の好感度があり、何か決定的なことが起こるとそのキャラ専用のボーナスタイム(?)に突入します)
※(一定時間が過ぎるか安価次第でボーナスタイムは終了しますが、そのタイム中は安価によってエンディングに突入……?!)

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

なんかヤバい
上手く説明できないけど確かにヤバい

ヤバいけどとりあえず安価だ >>408

小町を誘ってカラオケ
八幡はラブソング縛り

昼 自宅

「なあ、小町。 この後なんか予定ってあるか?」
「え? べ、別に無いけど」
「なら、暇だしカラオケでも行くか。さっきの詫びもかねて、な」
「カラオケ? なんか、お兄ちゃんらしくないね」
「ほっとけ」


***************************************************************************

カラオケ

「わー、なんかお兄ちゃんとカラオケにいるのってやっぱ新鮮だね」
「そうだな。 さて、何を歌おうか……」

本当に、何を歌おうか。
ラブソング縛りと言われても、ラブソングなんて歌いなれてないんだよなあ……。
ええい、こうなったら必殺技、開き直りだ。


*             *                 *

『こんな想いの果てに待つものを 分かってるのに 覚えてるのに』


*             *                 *

『魔法のような笑顔に 何度救われただろう?』

*             *                 *

『あなたが花なら たくさんのそれらと 変わりないのかもしれない』

*             *                 *


しばらく後。
随分と、疲れた。 歌いなれていないことで体力的なこともあるし、精神的にも疲れた。

「疲れたな。 そろそろ帰るか」
「う、うん……お兄ちゃんいつもこんな曲歌ってるの?」
「いや。 というか、まずカラオケに来ることがほとんどない」
「そ、そっか……」
「……ああ」

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

俺の黒歴史が一つ増えたようだ
普段ラブソングなんて歌うキャラじゃねーんだよ

夜だ、今日はなんだかいつもより疲れた >>415

お風呂に入る前の着替え中の小町と鉢合わせする
一緒にお風呂に入る

おいおい、何考えてるんだ。
完全にエロゲじゃねーか!

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体のあちこちで俺の血が動き回っているのを感じる。
いや、だって妹の着替え中に突撃して一緒に風呂に入れって言われてるんだぜ?
そりゃだれだって心拍数上がるわ。
今回のポイントは、風呂場に入るタイミングを間違わないことと小町を言いくるめることだ。
確実に着替え中に出くわし、そこからなんとか一緒に入浴を目指す。
無理難題にもほどがある。 しかし、行動自体は俺が選んだものではないが安価スレを立てたのは俺が選んだ道だ。
やるしかない。

「小町、今風呂沸かしてるから先に入っといていいぞ。 俺はちょっと出かけてくる」
「ん? どこ行くの?」
「コンビニで、買うものがあるからな。 なんかいるか?」
「そだなー、じゃあプリン買ってきて」
「はいよ」

今回の作戦は、これだ。 小町が先に風呂に入るよう誘導する。
先に風呂入れと言われたら難易度が跳ね上がるからな。
建前とはいえコンビニへ行くといった手前、外に出た。
寒さはまだ猛威を振るっている。 季節も季節なので外はもう薄暗い。
ここは割と都会の部類に入るが、空を見上げると星がまばらに輝いている。
しかし、やっぱり都会の星は物足りないな。 どうせなら、一面の星空ってのを誰かと見たいもんだ。
時間をつぶすためにどうでもいいことを考えていたのだが、その思考に何かが引っかかる。
……誰かっていうのは、誰だ? 自分でも無意識のうちに思い浮かべていた、その顔は……。

「……そろそろ時間か」

そこで考えることをやめた。 考えるだけ無駄だ。
そろそろ風呂が沸くころだろう。 今回の作戦はタイミングが大事なんだ、油を売ってる場合じゃない。


***********************************************************

自宅


万が一のことを考えて、そっと玄関のドアを開ける。
リビングに小町の気配はない。 だとすればすでに風呂場か?
なら、急がなきゃならない。 警戒を切らさずに洗面所へと向かう。
風呂場の扉の前に立つ。 奥からはおそらく小町だろう、物音がする。
意を決す。ここで尻込みしても意味がないからな。 俺は扉を開けた。


「えっ? ちょ、ちょっとお兄ちゃん!?」
「うおっ、すまん」

正直全裸だったらどうしようと心配していたのだが、それは杞憂だった。
小町はまだ着替えの途中といった感じで、ギリギリ下着が見えない程度の薄着の状態だ。
……むしろエロいな。

「すまん小町、先に風呂入っとけとは言ったが外が寒すぎたんだ」
「凍え死ぬ、コンビニに行くぐらいだから大丈夫かと思って薄着で外に出て死にかけた」
「そ、そう……じゃ、じゃあ先にお風呂入る?」
「いや……お前ももう風呂に入るつもりだったんだろ? いいよ、我慢する」
「でも、お兄ちゃんすごい寒いんでしょ?」
「まあな……一緒に入るか?」
「え!!?」
「別に、一緒に風呂に入るぐらい問題ないだろ。 隠すとこぐらい隠すさ」
「隠すとこぐらい隠すって……」
「久々に、な」
「……まあ、いいか」

ええんかい!
こうして、戦いの火ぶたは切られた。

風呂


「はあ、あったかい……」

小町と風呂に作戦とは言え、俺だって本当に寒かったのだ。
小町の計らいで先にシャワーを浴びさせてもらい、湯船につかっている。
もちろんタオルぐらいは巻いてるよ? 親しき仲にも礼儀ありってやつだ。

「お兄ちゃん、すごい気持ちよさそうだね……」
「風呂は心の洗濯っていうだろ。 今それを身に染みて感じているところだ」

ちらりとシャワーを浴びている小町をうかがう。 小町も隠す所は隠しているが、タオル一枚では隠す所以外はハッキリ言って丸出しだ。
タオルでは隠しきれていない艶めかしい肌が俺の目を引き付ける。 い、いかんぞ。 精神統一。

「この歳になってお兄ちゃんと一緒にお風呂に入ることになるとは思ってなかったよ」
「まあな。 成り行きっていうやつだ」
「でもなんか、悪いもんじゃないね」
「ああ」

色んな意味でな。

「昔は普通だったのにね」
「ま、そんなもんさ。 時間が経って普通じゃなくなっても、やってみると意外になんとかなったりするしな」
「……そだね。 普通じゃないと思ってることも、なんとかなるんだね」
「ああ」
「なら……なら、お兄ちゃん」
「ん?」
「……いや、なんでもないっ」
「なんだよ、気になるな」
「えへへー、いいじゃん別に」

可愛いやっちゃな。
とんだバケモン安価だと思ったが、意外となんとかなったな。


※(小町が開き直りました)

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 ±0
小町 +3(朝+1、昼+1、夜+1)
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0

【総計】

雪乃 -1
結衣 +6 (積極的)
一色 +2 (八幡の弱み)
陽乃 +1
平塚 +2 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +10 (禁断の愛への開き直り)
川崎 +2 (結衣への嫉妬心)
相模  0  (THE勘違い)
折本 +1

八幡  メガネ髪型筋肉(存在感+3) 卑屈度下落

※スーパー小町タイム中

うおぃーっす
やろうと思うよー

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

冬の空に歩くほどに踊るほどにふざけながら焦らしながら、薔薇より美しく俺の周りの人間関係は変わるのか?
ま、なんでもない能弁をたれたが今日もやって行くぞ 貴重なお休みの日だ >>443

由比ヶ浜と一緒に犬の散歩

耳元で電話のコールが鳴る。
一回、二回、三回。 プツリという音とともに無機質なコールは止まり、よく聞きなれた声がする。

『もしもーし。 どしたの、こんな早い時間にヒッキーから電話って珍しいね』
「そうかもな。 なあ、突然だけどサブレってどうしてるんだ?」
『サブレ? 元気にしてるよー』
「そうか、よかった。 短期間とはいえ預かってたからか今顔が見たくて仕方がないんだ」
『なにそれ、ヒッキーらしくなくてキモいね』
「やめろ。 で、だ。 今日サブレの散歩に行ったりするか?」
『うん、今日はするつもりだよ』
「じゃあ、俺も運動がてらサブレの顔見に行ってもいいか?」
『え!?』
「そろそろ身体を削る作業にも精を出さなきゃいかんからな、ついでにサブレの顔も見れれば一石二鳥だと思って連絡したんだが」
『なにそれ……、いいよ、一緒にいこ!」


****************************************************************
朝 由比ヶ浜宅

と、まあ色々あって由比ヶ浜の家へやってきた。 もちろん走って。
それにしても寒いな。 真冬の太陽と真夏の太陽の攻撃力はどうしてこうも差があるのか。 理系科目は苦手だから説明してほしい。
寒さに文句を言わんばかりに空を見上げていると、遠くから犬の鳴き声が聞こえてくる。

「おはよー、ヒッキー」
「おう」

あたりまえというべきか、その鳴き声の主はサブレだった。 こんな朝早くから馬鹿みたいに吠えんなよ。

「ヒッキー、本当に走ってきたんだ。 結構な距離だよそれ」
「ま、疲れはするがそれ相応のメリットがあるからな」
「はは、ヒッキーやっぱなんか変わったね」
「変わった、か……」
「じゃ、いこっか」

由比ヶ浜と俺の、初めてのお散歩が始まった。
とはいっても、サブレがはしゃぎまくってる意外にこれと言って特筆することは無いんだが……。

「いやー、やっぱ寒いね」
「いや、マジで寒い。 いつもこんな中散歩してるのか」
「まあね、いつもアタシが行くってわけじゃないけど、サブレは元気だから」
「ああ、見てれば分かる」

道中、他愛も無い会話をしながら歩き続ける。
……なんだか、落ち着くなあ。 ここ最近いろんなことあったからか。
変化を望んでいるとはいえ、時には安定に包まれるって言うのも忘れちゃいかんな。
そう思った冬の日の朝でしたとさ。

今回ばかりは用事もクソもなくただただグッスリと寝落ちしてしまった
いい時間になったらまた再開しようと思っているので赦して下さい

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

なんか混沌としてるここ最近を忘れられる朝だった
昼は >>455

>>445

サブレと徹底的に仲良くなる
ガハマさんはこの際置いといて、サブレと絆を深める

「このまま家まで戻って散歩は終わりか?」
「うん、いつもそうだよ」
「そうか……淋しくなるな」
「……え?」
「サブレと別れるとなると、淋しくなると思ってな」
「ああ、そっち……」

中腰になってしっぽを振りながら俺にまとわりつくサブレの頭をなでる。
サブレは目を細めながら、お前の手を舐めさせろと言わんばかりに顔をこすりつけてくる。

「本当に可愛いなお前は」
「よし、今からダッシュするから追いかけてこいよ」

由比ヶ浜を半ば無視し、サブレにそういってダッシュする。
10mほど走ってからちらりと後ろを見ると、サブレがいない。 由比ヶ浜がポカンとした表情でこちらを見ている。
ふと視線を下ろすと、すでにサブレは俺の足元をくるくると回っていた。
構ってという事だろうか、飛び跳ねるように前足で俺の足を叩いてくる。

「おー、速いなお前は」

サブレの要望に応えるかの如く、精いっぱい頭をなでてやる。
甲高い声を漏らしながらしっぽを振るサブレ。 そのさなか由比ヶ浜と言えば呆けた顔で元いた場所に立ち尽くしていた。
まあそうなるよね。 でもしょうがない、安価だもの。


※(サブレが安価対象に追加されるわけがありません)

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

どちらかと言えば猫は改めウサギ派改め犬も良いな派になりました
休日最後の安価だからあんまり疲れるのはやめてくれ >>465

はるのんとデート

「もしもし、雪ノ下さん今大丈夫ですか」
『大丈夫だよー、珍しいね、比企谷くんから電話かけてくるなんて』
「最近、よく言われますその台詞。 今更なんですけど、この前の海のこと謝ろうと思って」
『え? あー、いいよいいよ。 別に何とも思ってないし』
『まあ謝罪の気持ちがあるなら、お姉さん暇だからちょっと今から相手してほしいなー』
「ぐ……は、はい、いいですよ」
『え? いいんだ?』
「まあ、俺も暇なんで」
『……なんかほんと、珍しいね』

陽乃さんは時間と場所を伝えて電話を切った。
向こうから誘ってくるのが最高の形だと思っていたが、うまくハマったな。
問題はここからなんですけどね……。

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夕方 喫茶店


ドアを開けると、澄んだベルの音が響いた。
店員に声を掛けられたが、連れがいると伝え店内を見渡す。
陽乃さんは、多くの人の中でも見つけることに困らない。 まとっている雰囲気が周りとはまるで違っているからだ。

「よっ」
「どうも」

軽く言葉を交わして陽乃さんの向かいに座る。
喫茶店で本を読むことが、これほど絵になる人もそういないだろう。

「比企谷くんが何も文句言わずに付き合ってくれるなんて、ほんと珍しいね」
「まあ、心の変化ってやつです」
「……そっか」

陽乃さんはどこか儚げに微笑んでそう呟いた。
はっきり言って額縁に飾れるほどに、俺の目に映った陽乃さんは美しかった。

「君の言ってた本物……みつかったのかな?」
「いえ……そんなことは」
「でも、何かが見えかけてるっていう顔してるよ」

全てを表情から見透かされているような気になって、慌てて口元に手を当てる。 ほんと怖い。
陽乃さんの言うことは外れていない。 ここ最近、俺の周りで何かが変わり始めていることは明らかだ。

「……なるようになるんじゃないですか」

少し前の俺ならば言っていたかったであろう言葉が、今回ばかりは本心に近いものだ。
変わっていくことを、終わることを恐れていた俺が変化に身をゆだねようとしている。

俺の言葉を聞いた陽乃さんと言えば、優しさと悲しさをはらんだような笑顔を浮かべ手元のカップに手をかけている。
その表情に、今まで俺が感じていた底の見えない恐怖は見えなかった。

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 +1(朝+1、昼0)
一色 ±0
陽乃 +1
平塚 ±0
小町 ±0
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0

【総計】

雪乃 -1
結衣 +7 (積極的)
一色 +2 (八幡の弱み)
陽乃 +2
平塚 +2 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +10 (禁断の愛への開き直り)
川崎 +2 (結衣への嫉妬心)
相模  0  (THE勘違い)
折本 +1

八幡  メガネ髪型筋肉(存在感+3) 卑屈度下落

※スーパー小町タイム中

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

やっぱり美しい人っていいね
今日からまた学校です >>474

じゃあとりあえずゆきのんにチンポビンタしようか

ヒェーーーーーーーーーーッ!

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朝 昇降口


「雪ノ下」
「あら、おはよう。 朝から気分が悪いわ」
「やめろ」
「そういえば、あなた昨日姉さんと会ったらしいわね」
「な、なぜそれを」
「本人から聞いたのよ」
「なら、何か起こったのかも聞いただろ。 何も起こらなかったよ」
「ええ、それは聞いたわ。 でも重要なのはそこじゃなく、なぜそういう状況になったかであって……」

雪ノ下が靴をしまうために靴箱のほうを向く。
チャンスだ。 ビンタって別に顔にする物って決まってないよな? 言葉の裏をかくのがギャンブラーの基本だ。 それで行こう。
素早くチャックをおろし、例のアレを取り出す。 ためらう暇もなく、雪ノ下の太ももにビンタを食らわせた。

「ひゃっ!?」

驚いて雪ノ下が振り返るが、そこに例のアレはもうない。 例のアレをしまうのに時間をかけないプロの鑑だろ。

「ひ、比企谷くん……いま何を」
「す、すまん。 手が当たっただけだ。 わざとじゃないぞ」
「……被害届を出せば、私の勝ちは揺るがないわよ」
「セクハラじゃない、本当に事故だ」

ぶっちゃけた話、セクハラ以上の何かだがな。
それにしても、例のアレで感じた雪ノ下の太ももの感触……ゴクリ。
例のアレが元気になる前に、とっととその場を後にすることにした。

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

犯罪スレスレというか完全に犯罪だったが乗り切った
今後犯罪行為は勘弁していただきたい >>480

これから平塚先生と二人きりの時は名前で呼ぶ

二人きりの時には下の名前で呼ぶとは言っても、二人きりになることってあんまりないんだよなあ……。
ま、そういうことになりましたって言う意思表明ぐらいはしておくか。


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昼 教室


「よし……じゃあ今日はここまで」

運よく今日の昼前最後の授業は平塚先生の持つ現国だった。
実際に行動を起こすのは今度でいいとして、その時に面倒臭いことにならないよう手を打っておくか。

「先生」
「ん? どうした、質問か?」
「いえ……これから2人きりの時は静って読んでもいいですか?」
「はあ?」
「いや、だから2人きりの時は静かって呼びます」
「いや、なぜ」
「特に意味はないですけど?」

心の底から何も考えていない顔を心掛ける。
ここで何やら勘違いされるようなことになってしまえばそれはそれは面倒くさい。
ならばあとを引かないように特に何も考えていない風を装ってしまえばいい。

「意味が無いとはいえそれはいかん……教師と生徒だぞ、人の目がある」
「だから二人きりの時はって言ってるじゃないですか。 今みたいに周りに人がいるときは今まで通りにします」
「む、むう……しかしだな」
「二人きりの時ぐらい、そう呼ばして下さい」
「だが……」

諦めの悪い。

「人が減ってきましたね。 ……これぐらいならいいか、静」
「なっ」
「意外といいもんでしょ? そういう事なんで、では」
「ま、待て比企――」
「……なんなんだ、一体。 ここ最近この台詞を言ってばかりじゃないか……」

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

なんだが最近当たり障りのないような安価ばっかだな
俺としては嬉しい面もあるんだがどういうわけかちょっと複雑だ

>>487

ガハマさんにサブレの話ばかりきく
その他の話を振ってきたら流す

夕方 奉仕部


「なあ、由比ヶ浜。 最近サブレはどうしてる?」
「え? 普通に元気だよ?」
「そうか」
「うん、でさー、その時いろはちゃんが――」
「まあ、あいつらしいと言えばあいつらしいな」

閑話休題。

「ところでサブレって普段どんなものを食べてるんだ?」
「え? いや、普通のドッグフードだけど……」
「そうか」
「……なんかヒッキー、サブレの話しばっかだね」
「そんなことないだろ」
「いや、そんなことありすぎるよ!?」
「どんだけサブレのこと好きなの……」
「ま、まあ動物を愛してるからな」
「……そっか。 じゃあまた今度サブレに会いにきたらいいじゃん!」
「そうだな、そうしよういつにするいつでもいいぞ」
「すごい喰いつきだ!?」

……いやほんとに、なんなのこの安価?

一日が終了しました

【本日の結果】

雪乃 -1
結衣 -1
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 +1
小町 ±0
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0

【総計】

雪乃 -2
結衣 +6 (積極的)
一色 +2 (八幡の弱み)
陽乃 +2
平塚 +3 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +10 (禁断の愛への開き直り)
川崎 +2 (結衣への嫉妬心)
相模  0  (THE勘違い)
折本 +1

八幡  メガネ髪型筋肉(存在感+3) 卑屈度下落

※スーパー小町タイム中

続けるか続けないか迷ったけどとりあえず今回はここまでにしておく
ここ最近色々とグダグダで申し訳ない

ムンパッパ
やるよー

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

しばらくの間それなりに影響力のありそうな安価が多いと思っていたんだが
ここ最近はどうにもならない安価ばっかりだな まあそのほうが楽と言えば楽なんだが

>>500

>>479

ここ最近はどうにもならない安価だとか言った瞬間これだよ。
涙が出ちゃう、男の子だもん。

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朝 自宅


天気予報によると、今日はここ一番の冷え込みのようだ。
そんなことはどうでもよくて、今考えるべきはどう安価を遂行するかにある。
とはいっても、事故を装って覆いかぶさるって言うだけだから今回は作戦もクソも無いな。
トタトタと、足音が聞こえる。 小町が降りてきたんだろう。

「おはよー」
「おはよう」

リビングに入ってきた小町はすでに制服に着替えている。 比企谷家では、寒い日は早く着替えて服を温めるという風習があるのだ。

「いやー、今日は寒いね」
「だな。 何かあったかいもんでも飲むか? 用意するぞ」
「お、じゃあ貰おうかな。 ありがとー!」
「ん。 座って待っとけ」

ここだな。 ソファから腰を上げ、キッチンに向かおうと足を踏み出した瞬間につまずくフリをする。
多少強引にも思えるが、ここ最近の生活で俺は時にゴリ押しが得策になり得るということを学んでいる。

「ととっ」
「わ、お兄ちゃん!」

慌てて手を差し伸べてくれる小町を軽く抱き寄せ、体を入れ替える。
フローリングに押し倒しちゃ格闘技のテイクダウンみたいになるからな。 ちゃんと柔らかいところに落とすそれが紳士の嗜みだ。
この手の安価は二回目なので、こうなるともう慣れたものである。
懸念すべきは覆いかぶさった後の対応を間違えないことだ。
この前みたいに変な雰囲気になっては困るからな。 うまく小町を誘導するんだ。
ソファに2人そろって倒れこむ。 ここからはお得意の理論武装ですべてを煙に巻けば大丈夫だ。

「お、お兄ちゃん?」

だが、そうはいかなかった。 そうはできなかった。
今まで大きな変化を避けようとしていた俺の心が、今回ばかりはそうさせてくれなかったのだ。
鼓動が早く、息が浅くなっていくのを感じる。
本当は自分が一番わかっているはずなのに、なかったことにしていた感情をせき止められない。
俺が今まで感じていた違和感の正体。 それが形を帯びて溢れ出し、俺を支配していく。

「ちょ、ちょっと?」

小町が戸惑ったような声を漏らし、濡れた瞳で心配そうに俺を見つめる。
そのすべてが愛おしくて目が逸らせない。 見つめあったまましばしの沈黙が流れる。
ふと、何かを決心したようにその瞳が閉じられた。 そして。

ゆっくりと、俺たちは唇を重ねた。

しばらくの間そのままの体制でいたが、ふと我に返って体を離す。
筆舌には尽くしがたい幸福感と後悔が押し寄せる。

「すまん……」

罪悪感が幸せを押しつぶし、耐え切れなくなって小町に詫びる。
普通のキスであれば、相手に謝ることなんてなかっただろう。
だが俺が手にしたのは、禁断の果実だ。 俺はやってはいけないことをやってしまったんだ。

「……なんで謝るの?」
「え、いやなんでって……」
「小町たちが兄妹だから?」

その通りだ。
俺たちは兄妹だから、こういう関係になることは許されない。
そう頭では理解しているはずなのに、心の奥ではそれを認めたくないという思いが膨れ上がる。
ああ、最近心の中にあった蟠りに今なら名前を付けられる。
俺は小町のことを、心の底から愛してしまっているんだ。

「……ああ」

だが、それを口に出すことはできない。

「そんなの、関係ないよ。 だって小町、男の人としてお兄ちゃんのこと、好きだもん」
「は?」

いやいや、たった今それを口に出すことはできないっていうフリをしたところなんだけど。
そんなに簡単に言っちゃうんですかそれを。

「本当はダメなんだろうってわかってるけど、それ以上に好きなんだから、しょうがないよ」
「……そうか」

俺が小難しく考えていたことに、小町はいとも簡単に答えを出して見せる。
好きだからしょうがない、か。 良い響きだな。 少し前の俺なら忌み嫌っていたであろう言葉だ。

「だから……さ」

短くそう言って、小町は目を閉じる。
俺は言葉のない要求に応じる。

「ん……」

さっきの勢いにも助けられたものとは違う。 それは俺の気持ちを、意思を乗せた口づけ。

それにしてもとんでもないことになったな。
リビングに流れる俺たちだけの時間の中で、そんなことを考えていた。


※(小町endが確定しました)

遅くなって申し訳ない
やっとルートが決まるところまでいったしキリがいいのでここまでにする

昼と夕の安価をおまけ程度にやるかもしれない、おまけ程度だからどんな鬼畜安価でも本筋の展開にはあんまり関わらないような感じで
それをやるかやらないかは分からないけど、エンディング的な物を書いてとりあえずは終わりにするつもり

とりあえず後は終わらせるだけってところだけどお盆のバタバタで音沙汰なくて申し訳ない

近々いい感じに終わらせるおつもり
二週目について言及してくれている人もいるけど、それについてはどっちでもいいかなと思っていた

見たいと思ってくれる人が多いならやるし、屁でもこいてろと言われればやらないという感じです

二週目とかほざきながら音沙汰なしですまない
消失したわけではなく続き書くつもりではいるとは言わせて

ごめん(ごめん)

続きをかける状態じゃなかったとは間違っても言えないような状態のような状態だった

15時か16時あたりに終わらさせにかかる
こうでも言っとかないとまたなんの意味があるかもわからないただの近況報告になりかねない

今日中に続きがなければどこかでのたれ死んでいるか謎の仮病にくるしんでいるかのどちらか

**********************************************************
【小町ルート】


時は移ろいで、春が来た。
少し肌寒さは残るが少し前に比べると随分とマシだ。

さて、春が来たという事は新しい日々の始まりも意味している。


「お兄ちゃん、早く!」


この春、小町は俺と同じ総武高校に入学した。
ちょうど満開を迎えたであろう桜に囲まれて、入学式にやってきている。
あれ、お兄ちゃんなんだが泣きそうなんだけど……。


「2年ぶりだけど、なんだかお兄ちゃんと同じ学校の制服着るのすっごい久々な感じするよ」
「まあ、俺らの年齢だとそんなもんじゃないか。 それに、色々あったしな」
「……そだね。 いろいろあったね」

本当に、色々あった。
これまでの十数年間を簡単に覆してしまうようなことが、短い時間で起こった。
もちろん俺の外見もナニコレってほどには変わってしまったわけだが……。
『人間関係を安価に託すことにする』。 あんな馬鹿な思い付きがこんな結果になるとはな。
ここ数か月の奇妙な日々に思いを馳せながら小町を見ると、ふと目が合ってしまう。


「……ね、お兄ちゃん。 ちゅーしよっか?」
「は? ばかじゃねーの?」


ムードが無いと言われそうだが、今回ばかりは照れ隠しではなく本心から出た言葉だった。
そんなことして知り合いに見られちゃったらどうするの……。


「えー、なんでよー」
「ばっかお前、こんな知り合いとのエンカウント率の高い場所でそんなことできるかよ」
「お兄ちゃんの場合知り合いが少ないからエンカウント率も低いでしょ」
「やめろ」
「むー……。 じゃ、手繋ごっか!」
「まあそれくらいなら…………いや、ちょっと今はやめておこう」
「え?」


やだ八幡ヘタレ! でも、今はちょっと手は繋げないんだ、許せ小町。
不思議がる小町に、アイコンタクトを送る。 薄いところを引いてしまったんだ、高くないエンカウント率の。


「ヒッキー! 小町ちゃん! こっちこっち!」


少し先で、由比ヶ浜が飛び跳ねながら手を振っている。 その隣には、呆れたように笑っている雪ノ下の姿もある。
……ね?


「あー……。 そういうので女の子の要求断るのは小町的にポイント低いよお兄ちゃん」
「馬鹿野郎、物事には穏便に済ませられるタイミングってのがあるんだよ。 今はそのときじゃない!」
「なに堂々と言ってんの……。 まあいいや、家に帰ったらもっとすごいことしてもらうから」


もっとすごいことって何? そんなことしたことないよね?
本当に、したことないんだよ?

小町はその言葉を最後に、手を振りながら由比ヶ浜達の方へかけていく。
その後ろ姿を見ながら、これから解決しなければならないことがまだあるという未来に少し肩が重くなる。


まあ、そのあたりの事は画面の向こうから与えられる安価ではなく、自分で解決していくことにしよう。
きっと大丈夫だ。 ここ最近で俺は考えすぎなければすべての事は想像よりも簡単に進んでくれるを学んだ。
面白おかしく、騒がしく、世界は回って行くのだろう。



遠くから、小町が俺を呼んでいる。
暖かい風が桜を揺らしながら、彼女の方へ歩いていく俺を撫でていった――


                              【end】

今まで読んでくれてありがとう、とりあえずは終わらせることとができた
今日宣言した予定時間に随分と遅れを取ってしまった睡魔というものは恐ろしいものだ


2週目に関しては、好感度や状態の引き継ぎをまあ安価とかで決めてからスタートしようと考えていた
同じような展開になっては面白くないのでまるまる引き継ぐってことではなく、
まあ少なくとも今回完走した小町に関してはとりあえず全リセット、ほかの好感度は半分とかそれぐらい引き継ぎ……という感じ?

でも一週目を終わらせるにもこんなことになってしまったわけだからスレが落ちるほどこちら側からのアナウンスが無ければ……ね?

遅くなって申し訳ない
ちょっとした時間が出来たので引き継ぎ関係の安価を今のうちに決めておこうと思う

とりあえず
・小町の状態と好感度、八幡の状態はリセット
・安価対象の減少は無しにする

は決定事項のつもり



安価対象の好感度数値 >>550

①半分引き継ぐ(小数点以下切り上げ)
②引き継がない

安価対象の状態異常 >>553

①引き継ぐ
②引き継がない

新しい安価対象 >>555

・俺ガイル内のキャラでお願いします

(すべて無効安価は安価下。 特定キャラの好感度だけ半分引き継ぐ、とかはできれば対応するけど2倍にして引き継ぐとか言うとち狂った安価は無効扱い)




あと、これは安価するとわけわかんないことになりそうだからやらないけども
季節とかそういったどうでもいい状況も変えようかなと思っていた
前回も冬なのに海行ったりまあいろいろあったしこっちとしてもそういうのが変わったほうが書きやすいので
なんか今回はこの季節で行こうとか夏休み冬休みを挟もうとかそういうのが合ったら安価がてらかいてほしい
さすがになんだそれって言うのは対応できなかったりこっちの独断で決めちゃったりする可能性もあるから申し訳ないけども



・好感度、状態の基準

【総計】

雪乃 -2
結衣 +6 (積極的)
一色 +2 (八幡の弱み)
陽乃 +2
平塚 +3 (八幡の貞操観念に疑問)
小町  0
川崎 +2 (結衣への嫉妬心)
相模  0  (THE勘違い)
折本 +1

うおお
待ってた‼

1

1

【スタート地点】

雪乃 0
結衣 0 (積極的)
一色 0 (八幡の弱み)
陽乃 0
平塚 0 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 0
川崎 0 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 0
城廻 0

季節は夏、進行は平日3日→休日2日→平日3日→以降夏休み



季節は夏だけど学年まで決めてしまうと後々出る原作との差異が出てしまいそうなので
原作で起こったことはすべて経験済み且つ学年や置かれた立場はそのままというフワフワした超常設定で進めようと思う

朝になると、やかましい蝉の鳴き声が響く季節だ。
ウハウハの夏……とは俺の場合はいかない。
ここ最近の様々な出来事のせいで俺にまとわりついた「人間関係」が、夏の暑さをより鬱陶しいものにする。
元々ぼっちだった俺だが、さすがにこのままではいけないと思うようになった。
だが、自分から何かをどうこうするのはいかんせん面倒くさい。 そこで俺は手を打った。




『面倒くさくなったので人間関係を安価に託すことにする(1)』


1 名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

夏が来たぜ、ウハウハの夏が
でも色々あって人間関係で面倒くさいことが起こっている手前この夏を清々しくすごせる気がしねえ
まあ今まで清々しい夏ってのは経験したことが無いわけだが、ここいらでいっちょ手を打つかと思ったから助力を頼む


・スペック
高2
イケメン


とりあえず俺と関わりの深そうな人物を挙げていくと


・完璧美人めんどうくさ女 ・巨乳偽ビッチ ・あざと後輩 ・強化外骨格美人 ・お節介美人タバコ ・ゲキカワ妹
・ブラコンシスコン不良モドキ  ・性悪泣きぼくろ  ・かつて愛した女  ・世界癒し選手権第1位生徒会長


さっそく、まずは>>564

生徒会長に弟子入り

しょっぱなからなんだよこの安価……。
まあ自分とは正反対の人間から学べることっていうのはあるのかもしれないな。
ものは考えよう、か。


************************************************************************
1日目 朝 生徒会室


「失礼します」
「あれ~? 比企谷くんどうしたの?」
「いや、城廻先輩に用があって。 ここにいるのかなと思って来たんですが……」
「うん、いるよ!」

いやそれは分かってるよ。 城廻先輩はあなたでしょ。

「……いまここに、一色はいますか?」
「ん? いないけど、どうして?」
「いや、ちょっと他人に聞かれると困る話というか……まあ困るってほどでもないですけど」
「?」
「城廻先輩、俺を弟子にしてくれませんか」
「え?」
「城廻先輩、俺を弟子にしてくれませんか」
「え、えと、それは聞こえてたんだけど。 で、弟子?」
「はい」

そりゃあ驚くよね。 俺も誰かに弟子にしてくれと頼まれたらきっと驚く。
問題はここからで、この突飛も無い行動をどうやって正当化するかにある。

「城廻先輩、俺の目が腐ってるのは知ってますか」
「う、うん。 まあ」
「否定はしないんですね……まあいいです。 弟子にしてほしいというのは、この目の事が関係しているんです」
「?」

城廻先輩は頭の上にクエスチョンマークを浮かばせるように首をかしげる。
やはり天然ものは違うな、本当にはてなが見えそうだ。 どこぞの後輩がこの仕草をしようもんならどす黒い何かが見えそんなもんだが。

「やはりこれからの事を考えてみると、目が腐ったままではいけないんと思うんです
 そこで自分なりに考えてみたんですが、この腐った目の原因はどうも俺の性根にあるみたいなんですよ」
「う、うん」
「で……城廻先輩の登場です。 俺の知る限り、城廻先輩は世界でも有数の心が澄んだ人だと見た。
……どうか、僕にその心の持ち方というのをご教授願えませんか」
「こ、心が澄んでる……?」


心が澄んでいるという褒め言葉に対するリアクションが、もう心が澄んでいるな。
ちょっと安価とか関係なしにその秘訣を知りたくなっちゃう。

「どうですか、城廻先輩」
「う、う~ん、よくわかんないけど、比企谷くんがそういんのなら」


ミッションコンプリートだ。 実際弟子になったところで何をするかなんて決めてないがまあいいだろう。



**********************************************************************

同時刻 生徒会室前


「先輩がめぐり先輩に弟子入り……? なんだか、使えそうかも!」

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

弟子入りした
それしか報告ができないぜ
現生徒会長に弟子入りすることはプライドが許さないので全生徒会長にお世話になる

さて、昼はどうしよう

>>575

戸塚と食事

昼 生徒会室

「失礼します」
「あれ、先輩。 どうしたんですか」

くそ、やはりいたか。
めぐり先輩が生徒会室にいるというので来てみたが……邪魔者め、やっかいだな。

「いや、城廻先輩に用があってだな……」
「用事ですか? わかってると思いますけど、今の生徒会長は私なので学校の事なら私に聞いてくれてもいいんですよ」
「そういう事務的な話じゃないから大丈夫だ」
「そうなんですか? ……何か、奥義でも伝授されにきたんですか?」
「なっ」

一色は、どこか楽しそうにそうつぶやく。
くそ、コイツ知ってやがる。 まさかめぐり先輩が口を滑らせたのか?
そう思って先輩のほうへ目をやる。

「?」

だが、彼女は朝にも見た仕草で不思議がるだけだった。
ああ、白だなあ。 白いオーラが見えそう、疑ってごめんなさい。

「……まあいい、色々あって今日は城廻先輩と飯を食わねばならんのだ」
「へぇ~」

一色は口元を緩めながらそう言う。 は、腹立たしい、お前もめぐりん道場に入門した方がいいんじゃないのか!?

「と、言うわけで城廻先輩、一緒にお昼いいですか」
「うん、いいよ~」


この後、めぐりんのあまりの白さにゲンナリしてしまったのはまた別の話だ。


(※八幡の目の腐りが薄まりつつあるようです)

うわー、はっはやってもうた
安価間違えたので夜に>>575を回して続ける 
まじで申し訳ない

と、戸塚と食事だと!!?
それはいいな、すぐにやろう、いやーまあしょうがないな、すぐ行こう。


************************************************************************

放課後 



「ごめん、八幡! 待った?」
「いや、そんなには待ってないから大丈夫だぞ」
「そっか、ほんとにごめんね、部活が長くなっちゃって」
「いや、いい。 じゃ、いくか」
「うん!」

もう夏だからこの時間でも鬱陶しい暑さはあるが、戸塚と一緒ならその暑さもまた一興さ。



サイゼ


「それにしても、八幡からご飯誘ってくれるって珍しいね?」
「そうか? 俺としては、いつでも誘いたいんだがな」
「も、もう八幡ったら!」
「HAHAHA」

幸せだなあ、この幸せがこの夏ずっと続くならそれはそれでいいんじゃないか。

「……あれ、八幡なんか雰囲気変わった?」
「ん? いや、別に何にもないが」
「なんか、目元が……気のせいかな?」
「気のせいだろ」

まさか、めぐりんオーラのせい?
……そんなわけ、ないか。

一日が終了しました


【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 ±0
平塚 ±0
小町 ±0
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0
城廻 +2 朝+、昼+1 師匠


【総計】

雪乃 0
結衣 0 (積極的)
一色 0 (八幡の弱み)
陽乃 0
平塚 0 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 0
川崎 0 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 0
城廻 +2 (師匠)


八幡 目の腐り減退中? 

2日目 朝


名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****


いやあ、色々あったけど昨日はいい感じに締めくくれた
やったぜ!

今日はどうするか>>585

川崎家に小町と遊びに

平日なんだよなあ、朝なんだよなあ。
まあ安価は絶対という格言もあるし、やらなきゃならんか。

********************************************************

朝 自宅


「なあ、小町。 自転車の後ろ乗せてやろうか?」
「え? どうしたの急に。 今日はそんなに急いでないから大丈夫だよ?」
「いや、なんとなく俺が乗せてやりたい気分なんだよ」
「なにそれ? ま、いいや。 じゃあお言葉に甘えようかな!」

ちょろい、乗せてしまえばこっちのもんさ。
……響きだけだと凄い下衆く聞こえるが、別にそういうのじゃないからね?



「ヒューッ! お兄ちゃん、なんか今日すごい速いね!」
「今日は用があるんでな、ちょっと寄り道してからいくぞ」
「いいけど、また事故らないでね!?」
「おう、任せろ!」

ものは勢いさ。 だが、ここで俺はあることに気づいてしまう。
川崎家に訪問するという事は、即ち川崎大志の家に訪問するという事だ。
と、いうことはそこから小町と大志は登校デート……?
許されんぞ、それは……どうしたもんか。



川崎家


「あれ、お兄さんと比企谷さんじゃないスか! どうしたんすか!」
「お、お兄さんと、呼ぶんじゃ、ねえ。 八つ裂きにするぞ」
「そんな息も切れ切れに脅さないで下さいよ」
「いいからだまってろ。 ……はあ、姉ちゃんと京華はいるか?」
「い、いますけど……呼んできましょうか?」
「頼む」

さ、さすがにしんどい。 この若さでも運動不足ってのは怖いな。
しばらくして、川崎沙希と京華がやってくる。

「な、なにしてんのアンタ……」
「はーちゃん!」
「おう、京華。 久しぶりだな」
「うん! ヒサブリ!」
「川崎、お前に返すものがあっただろ」
「は? なんのこと?」
「どうしても学校に行くまでに返してほしいって言ってたノート、それ返しに来たんだよ」

そういって俺は鞄から適当に取り出したノートを川崎に押し付ける。
どうみても頭のおかしい人だよな、俺。

「そ、そんなこと言った覚え無いん……」
「じゃあな、お前も遅刻すんなよ!」
「ちょっまっ」


挨拶もそこそこに小町を後ろに乗せて走り出す。 何よりあの毒虫を小町に近づけないことは優先すべき案件なのだ。
そして、小町の中学校への道中。


「……お兄ちゃん、頭打ったりした? ほんとに大丈夫?」
「男はな、辛いもんなんだよ」


その後学校で川崎と再びあった時の気まずさと説明の面倒くささったらもう。
男はつらいよ。

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

つらい
俺が言えることは、その一言に尽きる

今日はしょっぱなから疲れたので、僕はやさしい安価を望んでいます

>>590

平塚先生に留美の近況を知ってるか聞いてみる

昼 職員室


「失礼します」

今回も安価を完遂するため職員室にやってきたわけだが、この2日間失礼しますって何回言えばいいんだ。

「比企谷か。 どうしたんだ」
「ちょっと質問がありまして。 林間学校の時の鶴見留美なんですけど、最近どうなってるか知ってますか?」
「鶴見……ああ、あの娘か。 またどうして急に。 ……まさか、なにかやましいことを考えているわけではないだろうな?」
「違いますよ、なんで急にそんな事言い出したんですか」
「いや、すまん。 なぜかお前の貞操観念に関して蟠りがあってな……なぜだろうか」
「本題に戻ろう。 彼女の件に関しては私はこれといって何も知らない、としか言いようがないな」
「そうですか……」
「まあ林間学校もその後のイベントも乗り切った彼女ならなんとかなるだろう……ん?」
「どうかしましたか?」
「林間学校……その後のイベント……? ちょっと待てよ……まあいいか」
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもない。 少し違和感を感じたんだが、気のせいだろう」

おかしな人だな、しっかりしているように見えるけど実はどこか抜けているところがあるのか?
まあ恋愛というステータスの上では抜けているところしかなさそうだが。

「しかし、本当にどうして急にそんなことを聞きにきたんだ?」
「いえ、どうしても気になって……」

安価で決まったから、とはさすがに言えないがこちらもまた本心だ。
俺はぼっちでいいが、まだこれからの長い青春のある彼女がぼっちに甘んじていてはいけない。
手遅れになるぞ、俺みたいにクソみたいな夏を過ごすハメになるゾ。

「……そうか、君も変わったんだな」
「そうかもしれませんね」
「まあ、これからまた生徒会の活動で彼女達小学生と関わることがあるなら君にも連絡しよう」
「いえ、それは面倒なんで……」
「……連絡しよう。 わかったか?」
「はい」


ああ、また何か面倒事の予感!

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

昼は無難に乗り切った
しかしまた何か面倒事に巻き込まれそうな雰囲気だった、できればこのまま何もないことを願っている

>>595
さて、今日最後の安価だ

上半身裸で生徒会室で寝たふり

どういうことなの……?
しかし、この安価を実行するとなると誰よりも早く生徒会室に乗り込まないといけないことになるな。
こりゃ授業が終わったらダッシュコースだな……。

*************************************************************

放課後 教室

「じゃあ、今日一日お疲れ様」

担任のその言葉を聞いて、いち早く鞄を持つ。 HRが早く終わって助かったぜ。

「ね、ヒッキー、今日の部活……」
「遅れる! また後でな!」
「は、早っ! ちょっと、ヒッキー!」

アホの相手はしてらんねえ、こっちは急いでるんです。





生徒会室


ふう、間に合ったぜ。 職員室で言い訳をして生徒会室の鍵を借りてからここまで猛ダッシュ、人生一番の無駄な労力だ。
あげくの果てに上半身裸になって寝たふりだぞ? 多分歴史上こんなことをしたのは俺だけだろう。
さて、準備が整ったところで問題がある。 この状態で最初に生徒会室に入ってくる人物が誰か、ということだ。
まず、俺にとって一番被害の少ない人物は男である副会長。 次点で書記の一年生と来るかもわからないがめぐり先輩だ。
後者に至っては比較的被害が少ないというだけでダメージは莫大、瀕死に追い込まれる可能性がある。
そして、一番最悪なのは……一色だ。 こればかりはどうもできない、勝負は運否天賦。 俺にできるのは待つことだけだ。
その時、ドアからノックが聞こえる。 誰か来たな、俺の運命やいかに……。


「あ、やっぱり開いてる。 鍵を取りに行ったら先輩が持って行ったっていうからとんだ無駄足ですよ。 先輩、いるんで……」

ジーザス、俺がツモったのは最悪の牌、悪魔の切り札。
俺はなるべく動揺を見せないように、寝たふりを続ける。

「ち、ちょっと?! 先輩!?」

耳をつんざくような声を上げる一色。 しかしここではまだ寝たふりを続ける。

「先輩!! 寝てるんですか!? 起きて下さい!!」
「うぉっ、なんだよ一色か。 びっくりするじゃねーか急にでけー声だすな」
「びっくりするはこっちのセリフですよ! なにしてるんですか!」
「みてわかんねーのかよ、寝不足で眠いから寝てたんだよ」
「寝てたのは分かりますよ、なんで上半身裸なんですか!? セクハラですよ訴えますよ!?」
「は? 暑いからに決まってんだろ」
「熱かったら先輩は服を脱ぐんですか! それならこの季節いつでも裸じゃないとおかしいじゃないですか!」

ごもっともで。

「それに、なんで生徒会室で!! ああ、もう、分からないことが多すぎます!」
「それは……まあ、なんでだろうな」
「とりあえず、俺は暑いし眠いんだよ。 もう一眠りさせてもらおう」
「ちょっと!! 先輩!? ……はあ」

一色の質問攻めを打ち切って寝たふりに入ると、一色は諦めたようにため息を吐く。
よし、ここは取りあえず有耶無耶にしてなるべく早くこの場を去ろう。
が、そうは問屋が卸さなかった。 一転静かになった生徒会室に携帯のシャッター音が響く。

「おい! お前今写真撮っただろ!」
「やっぱり寝たふりですね! この画像はこれから先のために保存しておきます、これから私の前では悪事を働かないことです!」
「わかった、服は着るから写真を消してくれ」
「そういう問題じゃないんです!」
「いいから消せ!」

さすがに今の写真をこいつに持たれてはまずい。 俺は寝たふりをすることを忘れて一色の携帯を奪いにかかる。

「その格好でこっちに来ないでください! 通報しますよ!」
「わかった、謝ろう。 謝るから消して下さい」

一色の腕を掴んだまま懇願する。 土下座でもなんでもしよう、だから許して下さい。



直後、生徒会室へやってきた副会長にこの姿を見られた俺たち。
あらぬ噂が流れるのに、そう時間はかからなかった。

一日が終了しました


【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 -1
陽乃 ±0
平塚 +1
小町 ±0
川崎 +1
相模 ±0
折本 ±0
城廻 ±0


【総計】

雪乃 0
結衣 0 (積極的)
一色 -1 (八幡の弱み あらぬ噂)
陽乃 0
平塚 +1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 0
川崎 +1 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 0
城廻 +2 (師匠)


八幡 目の腐り減退中? 

今日はここまでにする

いつも急に消え去ったり急に始めたりでごめん

少し時間ができたので少しだけやるよ
とは言ってもそんなに時間が無いので朝パート、早くできて昼が終えられるかどうかってぐらいだけども

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

さて、今日はどうしようか
いまん所それといった変化は見られないというのが現状だ

>>604

会長に漂白されよう

漂白されろって言うのは白さに触れて来いってことか?
だめだよ、そんなことしたら八幡別人になっちゃう……。


******************************************************************

3日目 朝 昇降口

「城廻先輩、おはようございます」
「あ、比企谷くん。 おはよ~」

ああ、最初の挨拶がもうふわふわしてるんだよなぁ。
ボールドもビックリ、驚きの白さ。
こちらから話しかけては見たものの、特に話題という話題が無いので適当に話を振る。

「それにしても最近暑いっすね。 嫌になります」
「そうだね、すっごい暑い! でもまあ、夏! って感じがして嫌いじゃないけどね」
「先輩は冬より夏が好きなタイプなんですか?」
「ん~そういうわけじゃないかな~? でも、夏の空は気持ちがいいし嫌いじゃないよ。
 冬は寒いけど、可愛いコートとか切れるし、景色が綺麗に見えたりするし、冬もどっちかと言えば好きかな?」

白い、白すぎるぜぇ。
俺から言わせてみれば、夏は暑いからクーラーを効かせた部屋に籠るだけの季節で、冬は寒いからコタツに籠るだけの季節なのに。
それをこの人に言わせてみれば、どうして俺とこんなに差が出てしまうのだろうか?

「……城廻先輩の嫌いな物って、あるんですか?」
「それはあるよ~、私ゴキブリとか蜘蛛ダメなんだ」

ああもう、いちいち返答が可愛いなあ。
女子御用達の『虫が苦手な私可愛いでしょ~☆』といった言葉の裏が感じられないというところもポイントが高い。
言葉の裏を読む癖のある俺ですらこう感じてしまうんだ、これは本物の逸材なんだろう。 わかるか、一色。 こういうところの差だぞ。

「まあそれは女の子なら大抵が嫌いでしょうね……俺が聞いてるのはそういうのじゃなくて、人だとか季節だとかそういう話です」
「ん~、そういうのはあんまりないかな?」
「……どうしてなんですか、参考程度に聞かせて下さい。 一応弟子、ですから」
「ははは、そういえば比企谷くんは私の弟子だったね。
んー、なんといえばいいかな、さっき比企谷くんは夏が苦手だっていったよね?」
「はい」
「でも、夏が好きな人だっている。 冬も同じだよね。
といことは、それぞれにそれを好きになる人がいるだけの理由があるんだよ。
 だとしたら、暑いのが苦手だからとか、苦手な部分だけ知って嫌うのはちょっともったいないよね。
 もしかしたら自分が好きな何かを持ってる物かもしれないのに」
「……そうですね」
「だから、かな。 比企谷くんの質問の答え。
 嫌いなものが増えるより、いろんなものをよく知って、好きな物が増える方が幸せでしょう?」


周りに優しいオーラが見えそうな笑顔で、そう話すめぐり先輩。
安価で決まった師弟関係などとは別に、単純にこの人の事を尊敬してしまった。
先輩。 俺比企谷八幡、もっと頑張って白くなれるよう頑張るよ。

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

わりとマジで白く染められそうだった
というか染まった

さて、昼だ >>611

師匠のクラスを訪問してお昼に誘う

やだ、めぐりん大人気……。

***********************************************************

昼 三年教室前


学校あるあるだと思うのだが、自分とは違う学年の教室前って言うのはどうも落ち着かない。
いつもならば教室の前で見る顔と言えば少しぐらい見覚えのある顔がほとんどだが、今は全く見たことのない顔ばかりだ。
その上、全員が1学年上の世代という謎の威圧感も感じてしまう。 1年早く生まれたぐらいで偉そうな顔するんじゃねーぞ。
さて、話は本題に戻って俺はめぐり先輩を探しに来ている。 理由は言わずもがな、昼食に誘うためだ。
しかし、学内と言えど異性をご飯に誘うっていうのは緊張するもんだな。 安価じゃなければ絶対にやらなかっただろう。
先輩の教室を窓からチラリとのぞき、姿を確認してからなるべく目立たないように室内に入る。

「あれ? 比企谷くん?」
「ウス。 朝振りですね」
「そうだね、朝ぶり! どうしたの?」
「えと……城廻先輩、お昼はもう食べましたか?」
「まだだよ?」
「そうですか……朝の話しの続きとか、まあ色々あるんですけど一緒にどうですか?」


ああ、柄にもない、恥ずかしい。
何よりすぐそばにいるめぐり先輩の友人であろう女生徒たちの視線が痛い。
真意はともかく何コイツ、みたいな攻撃的な意思を感じてしまう。 女の子って怖い。

「んー、いいよ! ごめんね、そういうわけだから今日はお昼みんなで食べておいて」

めぐり先輩は周りにいた数人にそう詫びて、こちらを向く。

「じゃ、いこっか?」

その一言で、不覚にも俺がときめいてしまったことは、墓場まで持っていくことにした。



ベストプレイス

「へえ、比企谷くんはいつもここでご飯食べてるんだ」
「はい。 よかったんですか、こんなところで」
「いいよいいよ、それに来てみると風が通って気持ちがいいし」
「そうですか……」

ほんとうに、優しいオーラの権化みたいな人だな。
たとえそこがどこであろうと、彼女がいるだけでその場が和やかになってしまいそうだ。

「で、なんだったっけ?」
「ああ、えと、朝の話の続きです。 というか、まあ普通に先輩と話しながらご飯がたべたいなって思っただけです」
「そ、そっか。 なんか照れちゃうな~」

照れたように笑うめぐり先輩。
それを見てどこか俺も照れくさくなってしまって顔をそらしてしまった。
他愛も無い会話とここで食べる昼食が、こんなにいいものだったとは……。



(※八幡の目の濁りが無くなり存在感が上がったようです)

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

心が洗われる気分だ
教会へ行くのって、こんな気分なのかもしれんな

放課後はどうしよう >>615

はるのんにエンカウント、妹自慢勝負を挑む

放課後 国立大学前


この安価は陽乃さんにエンカウントしないと始まらないという事で、わざわざエンカウントしにやってきたぜ。
本当はエンカウントしたくないんだがなあ……、レベル上げのために町の周りをウロウロさせられる勇者の気分だ。
ここに来たところで陽乃さんと会える確証はないのだが、まあ他の場所にいるよりはいくらかマシだろう。
それに、あの人ならば探すこともせずすぐに見つけることが出来るだろう。 目立つし。
このまま会わずにに安価失敗しましたテヘって言えるのが俺としては一番嬉しいのだが。
俺の幸せな未来予想図は、すぐに粉々に砕かれることになる。
遠くから近づいてくる、みじめな俺の考えをあざ笑うかのような声の中心にいるのは間違いない、雪ノ下陽乃だ。
こうなったら玉砕覚悟、虎穴に入らずんば虎子を得ずだ! 別に得たくもないけどな!

「あれ? 比企谷くんじゃん!」
「ど、ドモッス」

一言目から完全に押されている。 何度も言うが、周りの人間の視線が痛いんだよ。
これだから光の中にいる人間と関わりたくないんだ。 近づけば俺という存在が照らし出されてしまう。

「どうしたの? こんなとこで比企谷くんと会うなんて奇遇だね、奇遇すぎて何かありそうな感じ」

何かを見透かしたような笑顔でそういう陽乃さん。 さすがに鋭いが、ここで怯んでは負けだ。
どうせ当たって砕けるなら中央突破さ。

「そうですね。 今日は雪ノ下さんに用があってここに来たんです」
「おっ、比企谷くんらしくないね。 わざわざ私に会いに来てくれるなんて嬉しい!
 みんなごめんねー、見ての通りちょっと用が出来ちゃったから! またね!」

陽乃さんは一言詫びて俺の手を引き歩き出す。 ごめんなさい、みんなのアイドルを奪ってしまって。

「よかったんですか?」
「いいのいいの、ちょうど帰るところだったしね」
「あの人たちは……友達、ですか?」
「ん? そうだね、トモダチ、だよ?」

怖いなあもう。 朝と昼にあれだけ白い人と話したもんだから余計黒いわ。

「で、用ってなんだったかな」
「そうです、妹自慢勝負を挑みに来たんですよ?」
「はい?」
「だから、妹自慢勝負です。 その名の通り妹自慢で勝負するんですよ」
「そ、そんな比企谷くんらしくない輝いた目で言われてもお姉さんこまっちゃうなあ」

それは多分、妹自慢がしたすぎて目が輝いているわけではないと思いますよ。
まあいい。 陽乃さんが戸惑っている今がチャンスだ。

「まずは俺からです。 小町は見た目が可愛い」
「話聞いてる? ……まあいいや。 見た目が可愛いのは雪乃ちゃんも一緒じゃないかな」
「それは認めましょう。 でも、小町は振る舞いまでも可愛い。 雪ノ下雪乃に無くて小町にあるものの一つです」
「むむむ……なるほど。 なら、雪乃ちゃんはほかの一般の女子高生に比べて随分と優秀だよ」

なんだかんだで勝負に乗ってくるんだな。 もしかして意外にに楽しんでます?

「意外に小町もハイスペックなんですよ。 雪ノ下も優秀ですが、小町とはタイプが違う。 雪ノ下は歌って踊れはしないでしょう」
「やろうと思えばできるんじゃないかな? ま、絶対やらないだろうけど」
「そういうところです。 雪ノ下より小町が可愛いと俺が言い切れるのは」

そして時が流れた……。


「うーむ、なかなか手ごわいねえ……」
「当たり前です、俺の妹はあの小町ですよ」
「さて」
「と、いう今のやり取りを録音しておいたので小町ちゃんに送っとくね」
「はい?!」
「なんだか所々で雪乃ちゃんのことも誉めてたから雪乃ちゃんにも」
「ちょっと待ってください!」
「え? ごめん、もう送っちゃった」


妹自慢でなら勝てるかもしれないが、結局俺はこの人に勝てないのだ。

一日が終了しました


【本日の結果】

雪乃 +1
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 +1
平塚 ±0
小町 +1
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0
城廻 ±0


【総計】

雪乃 +1
結衣 0 (積極的)
一色 -1 (八幡の弱み あらぬ噂)
陽乃 +1
平塚 +1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +1
川崎 +1 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 0
城廻 +2 (師匠)


八幡 目の腐り減退中? 

今日はこのあたりで
最後のが2回に分かれたのは単純にミスであったりする

遅い時間になってしまって申し訳ない
やるよ

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

ここ最近は癒しと苦痛の連続だ
修羅場だねえ

>>630

小町、戸塚、会長の三大天使に癒されよう

また手間のかかりそうな安価を……今日は忙しくなるぞ。
まあでも、内容的に悪いものではないよね!


***********************************************
4日目 休日朝
自宅


「おはよう」
「おっ、お兄ちゃんおはよう! 今日は早いね!」
「まあやることがあってな……」
「お兄ちゃんが休日に用事……これは雪が降るね」
「降らねーよ、蝉の鳴き声と雪の共演が実現したら裸でタイムズスクエアを全力疾走してみせるわ」
「なんなの、その罰ゲーム……」

もはやすでにこういったくだらない会話だけで癒されているわけだが、少し物足りない。

「……小町、ちょっと笑ってみてくれ」
「どうしたの急に? 急に小町の笑顔でも見たくなったの?」
「はいはい、そうだよ。 小町の笑顔が見たくてたまらないんだ。 はい、チーズ」
「てへぺろっ」

俺の無茶振りに戸惑うことなく、少し舌を出しながら即座に笑顔になる小町。 対応力高すぎだろ。
可愛いなあ、もう。


*************************************************
学校


部活をやっていない俺からすれば、休日の学校というのはどこか新鮮だ。
どうしてここにいるのか、と言われれば戸塚に会うためとしか説明ができない。 むしろ戸塚に会うこと意外に学校の存在意義が無いまである。
少ない知り合いになるべく合わないように気を付けながらテニスコートへ向かう。
そこは男子テニス部が使用しており、少し見渡すと大天使戸塚の姿はすぐに発見できた。
どうやら今は休憩中のようで、今なら声を掛けて大丈夫そうだ。

「戸塚」

名前を呼ぶと、戸塚はこちらに気付き駆け寄ってくる。 もう癒されましたよ。

「八幡、どうしたの」
「いや、ちょっと先生に用があったから学校に来てたんだが、戸塚を見つけたもんでな。 迷惑だったか?」
「ううん、全然!」

圧倒的癒しオーラ……ッ、俺に電流走るッ!
そこで1つ思いついたことがあり、ポケットから携帯を取り出す。

「戸塚、はい、チーズ」

奇襲作戦である。 これを女子に行おうものなら冷たい輪っかを手首にはめられそうだが、残念戸塚は男だ。 ほんと、残念。

「え? ちょ」

戸塚は戸惑ったように声を漏らすが、お構いなしにシャッター音が響く。
困ったような顔の戸塚……家宝にしよう。
この後、戸塚からちょっとしたお叱りを受けるのだが、それも可愛かったのでなんの問題も無い。


******************************************************
喫茶店

「ごめんね、待った?」
「いえ、今来たところなんで」

休日の朝から西へ東へ忙しい、戸塚の写真撮影を終えた後は適当な理由を付けてめぐり先輩を喫茶店に呼び出している。
まあ最近よく会うから連絡先は交換してたわけだが、実際何かに誘うとなった時の葛藤ったらもう。 続きはWEBで。

「ふー、やっぱり暑いね。 ところで受験の話だっけ?」
「はい。 まあ俺の数少ない先輩ですんで、ちょっと話を聞いてみたいなと。 迷惑でしたか?」
「いや、大丈夫だよ。 私推薦の予定だしね。 どっちかというと、そんな私の話が役に立つのかどうかが心配だよ」
「それこそ大丈夫です、なんでも聞いておいて損は無いでしょ。 ま、世間話がてらってやつです」


しばらく後、受験の話もあらかた終えたので世間話をしている最中、(俺にとっての)本題を切り出す。

「最近の悩みなんですけど、俺写真って苦手なんですよ」
「確かに、得意そうではないよね」
「カメラ向けらるとどんなポーズ取っていいか分かんなくなるんですよ」
「んー、別に普通にしてればいいと思うけどな~」
「……お手本を、見せてもらいましょう。 はい、チーズ」
「えっ? ぴ、ぴーす」

はにかみながら両手でピースを作るめぐり先輩。 か、可愛いなあ、もう。 癒されちゃう。
ところで、なんだかバカップルのデートみたいで恥ずかしいんですけど……。

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

朝からハードすぎるけど、ベホマ級の癒したちに触れてきたからプラマイゼロ。 むしろプラス。

>>635

陽乃とショッピング

すまない、少し間があった上に急だけど今日はここまでにする
短くてごめんね。 あと、指摘があった好感度についてはただのミスだから次で訂正するよ

おはざーっす
前の更新からそんなに時間経ってないと思ったらすごい経ってて遺憾の意
近いうちに投稿できればという感じ、これがフラグにならなければ
いつものことながらポンコツ投稿で申し訳ない

昼 駅前


時期も時期だからか、昼になると気温は随分と高くなり立っているだけで体力が奪われていく。
休日であるからか、楽しそうな家族や若者、辛そうに歩くスーツのおじさん方で駅前はあふれている。
おじさん達が辛そうなのは、今日が休日であるにも関わらずスーツを着ていることが少なからず関係しているに違いないが。
人ごみに目をやっていると、ふと、ある人物に目を奪われる。
雪ノ下陽乃。 人ごみの中でも一際目立つ彼女は、この鬱陶しい暑ささえも爽やかな陽射しに変えてしまいそうな雰囲気をまとっていた。

「やっほー、比企谷くん」
「どもっす」
「いやー、ビックリしたよ! 比企谷くんからまさかデートのお誘いがあるなんて!!」
「デートじゃないですよ。 もう一度言います、デートじゃないです」
「ぶー、つれないなあ」
「さて。 で、今日の本題はなんだっけ? 雪乃ちゃんへの誕生日プレゼント選び?」
「それも違いますよ、そもそもあんたの妹の誕生日はもっと先の話でしょ」
「わかってないなあ、この時期から準備してたっていう真摯さが女の子にはウケるんじゃない」

誕生日の半年以上前から準備を始めるのは、もはや真摯さとかそういう次元ではないと思うのだが。
これは俺が非モテだからなのか? いや、きっと俺は間違っていないはずだ。

「とりあえず、雪ノ下の誕生日プレゼントを買うのはもっと後でいいでしょ。 今日ついてきてもらったのは……」
「お? 雪乃ちゃんの誕生日プレゼントを買いたいっていう意志はあるんだね?」
「……今日の本題は」
「そうだなー雪乃ちゃんに誕生日プレゼントを上げるなら、可愛いものがいいよ!」
「……本題は、受験に使う参考書を」
「パンさんのグッズならさらにポイントアップだけど、雪乃ちゃんが持っていないものを選ぶとなるとレベルがあがっちゃうなー」
「……」

あくまでこちらの話を聞く気はないようだ。
終始この流れで過ぎて行った時間は、俺の心をボロボロにするには十分すぎた。
受験の参考書よりも、この人に対応できる力を付けられる本がどこかに売っていないかしら。

前回の投稿はいつだったかんと確認してみたらなんと3か月前だった
3か月って短いね、心の底の底からごめんなさい 随分と間が開いてしまったからこれの事を覚えていてくれる人がいるのかも心配
因みにこの3か月何があったのかというとそれはもう言葉に表せないぐらい特に何もなかった 
先延ばしグセっていうのは人生を終わらせられるほどの威力をもっているもんだね

やるよ

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

自分で安価対象に入れておいて悪いんだけどあんまりあの人と関わらせないでくれる?
死んじゃうから。 比喩とかではなく死んじゃうから

夜はどうしようか?

>>453

一回、二回、三回。 無機質な呼び出し音が耳元でなる。
冷静に言ってみたが、俺の心はすでにパンク寸前だ。
これから言わなければならないセリフの事もあるが、そもそも俺からすれば女の子に電話するというだけで大事件なのだ。
四回、五回、六回。 音は続く。
しかし、なかなか電話に出ないな。 由比ヶ浜程のビッチであれば一回目の呼び出し音で出てもおかしくないと思ったのだが。
まあ、こちらとしては落ち着く時間ができる分ありがたい。
不意に呼び出し音が途切れる。 一瞬できた無音の瞬間にまた心臓が大きく跳ねた。

『も、もしもし? ヒッキー?』
「あ、ああ。 急に電話して悪いな」
『いや、いいよ。 すごいビックリしたけど』
「そうか?」
『そりゃそうだよ! ヒッキーから電話なんて珍しいどころの話じゃないし!』
「まあ、普段なら何か急ぎの要件が無いと絶対にしないからな」
『だよね! え、じゃあ今日は何か急ぎの用事かなにか?』

何気ない発言が、結果的に俺の首を絞めることになってしまった。
心の準備をする暇もない。 だが、あのセリフをいうのであればこのタイミングの他ないだろう。
ここを逃せば、例のセリフは不自然の塊となり由比ヶ浜にあらぬことを感じさせてしまう。
落ち着け、あくまで冷静に何事もないかのように。 彼女にスルーされるように意識しろ。
電話口で伝わらないように、深く息をつく。

「いや、別にそれはないんだが。 ただ声が聞きたかっただけだ」
『ふーん、そっか』
『……とは、ならない!!!! ヒッキーいまなんて???!!!!』

まあそうなるよね。 あそこで俺があのセリフを言ってスルーしたならば、由比ヶ浜には日本語が通じないということだ。

「いや、別になんでもないが」
『なんでもなくないよ!! ヒッキー今なんていったの?」
「いや、だからなんでもないって」
『でも!! ……はあ、まあいいや』

そうだ、とっととあきらめろ。 今の俺は小町を人質にでもとられない限り口を割らないぞ。

『私も、ヒッキーの声聞きたかったし』
「は?」
『どうしたの?』
「いや、お前今……」
『……なんでもないよ』
「……そ、そうか。」
『うん。 ……お返し、だし』

いたずらっぽくつぶやいた由比ヶ浜は、それから他愛もない話をマシンガンのように放ち続けた。
俺と言えば彼女が放った言葉が頭の中をグルグルと回って由比ヶ浜の話が耳に入らなかったのだが、どうせクソくだらない話だろうからまあいいだろう。
声が聞きたかった、か。 とてもいいセリフだと、思いません?

一日が終了しました


【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±1
一色 ±0
陽乃 +1
平塚 ±0
小町 +1
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0
城廻 ±2(前日、本日分)


【総計】

雪乃 +1
結衣 +1 (積極的)
一色 -1 (八幡の弱み あらぬ噂)
陽乃 +2
平塚 +1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +2
川崎 +1 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 0
城廻 +4 (師匠)

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

おはよう 昨日は俺の休日らしからぬ行動範囲だった
この休日もアクティブに行こう。 俺らしくない発言だが、これも会長に漂白されちゃったからかな

>>658

陽乃と一日お泊りデート

ふざけるな。
もう一度言うぞ、ふざけるな。

(※今日一日陽乃と行動することになりました)
(※安価が陽乃に限定、又はすべての安価に陽乃が干渉します)

*************************************************************
5日目 休日


感情を無にして、陽乃さんに電話を掛ける。
無にしてというか、無になってしまうんだよ。 なぜなら俺は今日死ぬんだからな。

『はーい、もしもーし。 比企谷君最近よく電話してくるねー』
「どうも」
『で? 今日は何の用なのかな?』
「陽乃さん、お泊りデートしましょう!」
『……は?』
「お泊りデートです!」

人というものは、窮地に追い込まれると開き直れるものなのだ。

『い、いたずら電話なのかな~?』
「違います、正真正銘俺ですよ、比企谷八幡です。 HAHAHA!」
『……な、何か辛いことでもあったの?』
『もしくは何か企んでる?』

今まで聞いたことのない、陽乃さんの戸惑った声。 まさかこんな形で魔王の牙城を少し崩せることになるとは。
だが残念、俺は何も辛いことなどなかったし何かを企んでいるということもないのだ。
いくら陽乃さんといえど、ここ最近の俺の行動がほぼ全て安価スレに委ねられているということは見抜けないようだな。

「いえ、別にそういうわけでもないんですよ。 お泊りデートをしたいだけです」
『……そっかー』

いっそここで、陽乃さんに安価スレのことを看破されればどれだけ楽だろうか。
何かを企んでいると思いこまれて、電話を切られてしまえばはたしてそれはどんな天国か。
だが、相手は雪ノ下陽乃だ。 俺の行動にどのような真意が隠されているかを見抜けなくとも。

『よし! じゃあ今から集合ね! お姉さん楽しみだなー!』

面白がって、乗ってくるに決まっている。


*********************************************************

今日も、昨日と同じく鬱陶しい程の快晴だった。
晴れ女なんだな、陽乃だけに。

「やっほー! 比企谷君、こっちこっち!」

彼女が人ごみの中でも目立つだとかそういった能書きはもうなしにしよう。 なぜなら昨日もやったからな。
よく考えるとなんで休日に2日連続で陽乃さんと会わなきゃならんのだ……。

「どうも。 急に呼び出してしまってすいません」
「ほんとだよ! 内容も内容だったしね」
「……すいません」
「ま、一応聞いておくよ。 なんで急に私とお泊りデートなんてする気になったのかな?」
「……気の迷い、ですよ」
「……ま、口を割るわけないか。 こればっかりはお姉ちゃんにもわからないや」

あまりそこを詮索してほしくないのだ。 この人におれが安価スレを立てたことを知られたならば何をされるかわからない。
できることならば、この話はとっとと諦めてほしい。

「まあいいか! よーしじゃあ今日一日のデートの時間だね! レッツゴー!」
「……」

諦めてくれたら諦めてくれたで、そこからまた地獄の時間が始まるだけだったようだが。

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

僕の命日が決まりました。 今までどうもありがとう。
こうなったらやけくそなのでお昼の安価も下さい。
ここまできたらとことんこの強化外骨格と闘おうと思うので彼女に関する安価を求ム。

>>661

陽乃の上に事故を装い覆い被さる→胸もみもみ→どかない

もしかしたら生き延びられるかもしれないという、一縷の望みが消え去ったね。
みんな今までありがとう。 なんだかんだいって、楽しかったぜ。

********************************************************************

「さーて、会って早速だけど時間も時間だしおなか減ったねー」
「そうですね」
「何か食べたいなー。 こういうときは、デートに誘った側がエスコートするのが基本だよ、比企谷君」
「なにが基本なんですか、そんなの何も考えてないですよ」
「えー、それはちょっとダメだなー。 デートするときの基本として、エスコートする姿勢を持ってなきゃ! おぼえておくこと!」
「……でもですね、こんなに綺麗で完璧な女性を前にするとー、緊張してエスコートなんてできないですヨ」
「きゃっ! 信じられないぐらい棒読みなのは気になるけどそのセリフはときめいちゃう!」

言葉に嘘はないと言えど、心にも無いことを言ったからな。 そりゃ棒読みにもなるさ。
陽乃さんはキャピキャピ言いながら体を寄せてくる。 チャンスはここか。 駅前から少し歩いた人通りの少ない場所とはいえ、恥ずかしすぎる。

「ちょっと、近い、近いですって」
「えー、いいじゃんデートなんだし。 実は比企谷くんだっていやじゃないんでしょー?」
「嫌とか嫌じゃないとかじゃないですよ、恥ずかしいんで離れてください」

陽乃さんを振り払う「振り」をする。 今の目的は、陽乃さんを俺の体から離すことではない。

「おおっと」
「え、わわっ」

この人ならおそらく心配ないが、万が一に備えて怪我の無いよう優しく倒れこみ陽乃さんに覆いかぶさった。
そう、本当の目的はこの体勢に持ち込むことだ。 なんかラッキースケベというより格闘技でテイクダウンを取った気分なんですけど。
そしてもう一つの目的、陽乃さんの胸を触ることだが、それについては問題ない。 倒れこむ時点ですでに触れている。
こんなことを簡単にやってのけられるようになったあたり、俺も強くなったなあ……。

「いてて、すいません、大丈夫ですか」

心にもない言葉その弐である。 こちらとしては最初からこうなることを予見していたわけで、痛いことなどまったくもってないのだ。
無理に倒したこと、おっぱいを触っていること。 普通の女性であればブチ切れてもおかしくない状況だ。
しかし俺の下にいる彼女はどこをどうとっても普通の女性とは言えない。 さて、どんな表情をしているのかなとばかりに陽乃さんの顔をうかがう。

「び、びっくりするなあ、もう」

はっきり言おう。 俺の中で、時が止まった。
倒れこんだ陽乃さんの、すこし驚いたような顔が首をもたげた瞬間に目に入ってしまった。
それは今まで見てきた陽乃さんのどの表情でもない。
悪に染まった彼女が垣間見せた、黒さも恐怖も感じない普通の女性としての顔だった。

「あ……えっと……」
「もー、比企谷くんったら大胆なんだから。 わたしは大丈夫だよ、早く立って」
「それとも……もっと触りたいのかな?」

陽乃さんに覆いかぶさって動かないという安価は達成している。
だが、本当のところは動けないんだ。 今はもう仮面に隠されてしまった陽乃さんの表情に脳が対処しきれていない。

「比企谷くんは元気だねー、でも時と場所がちょっとミステイクかな」

動けないままでいる俺の腕を陽乃さんが優しくつかんだと思うと、俺の腕がどんどんとねじれていく。
痛みを感じるころには、すでに俺は彼女の上からどかされていてわけのわからん体勢になっていた。
なにこれ手品? 腕が取れそうなんですけど?

「はい、早く立たないと肩が外れちゃうよ。 そうだなー、このセクハラの代償はどうやって払ってもらおうかな」
「い、痛い痛い痛い痛い!」
「……でもまあ、倒れ際に私をかばってくれたところは、ポイント高かったよ。 お昼ご飯ぐらいで勘弁してあげちゃうっ」


その後解放された俺は、結局ダメだしを喰らいまくりながらも陽乃さんをエスコートして昼食を済ませた。
腕の痛みで十分代償は払えていたと思うんだけどなあ……。

中途半端なところで申し訳ない、今回はここまでにする。
馬鹿みたいな時間帯だったこと、かなり間が開いてしまったことに関しては心の底から謝罪したい。 この通り!
なるべく間を開けないように頑張るよ、今日の昼ぐらいにもう一度やってくるかもしれないけどやってこないかもしれない

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

やはりこの人と一緒にいるとろくなことが無い
さすがに肩が外れたと思ったね シリアス漫画なら俺は片腕を失っているレベル

肝心のお泊りパートだ、今日の夜はどうするか決めて行こう
俺の命が消えてしまわないように頼む

>>671

売る用にはるのんの下着を何枚か盗んでおく

********************************************************

夜 ホテル


「いやー暑かったね今日は。 ちょっと汗かいちゃったし、シャワーでも浴びてからご飯食べに行こうか」
「う、うす……」
「じゃ、先にシャワー浴びてくるね!」
「う、ういっす……」

さすが陽乃さん、とでも言うべきだろうか。
俺は今、今日が無ければ人生で一度も泊まることがなかったと言い切れるようなホテルの一室にいる。
言っておくが、ラブなホテルじゃないぞ。 そっちはもしかしたらこれから使うことがあるかもしれないだろ。
それにしても……なんだかなあ。
くだらない安価スレがこんな結果に繋がるものかね。 言いたくはないが絶世の美女と、ホテルで二人きりなんて。
部屋を見渡す。 どことなく部屋は薄暗さに包まれており、シックな雰囲気を感じさせる。
大人びている、といった陳腐な言葉でしか説明できないのは、きっとまだ俺が子供だからなんだろう。
陽乃さんがシャワーへ行ってから、物語の中にしか存在しないと思っていたような部屋に俺は独りきりだ。
独りきり、か。 ふむ。 パンツを盗むなら今だな。

「さーて、パンツはどこかな」

そう呟いて、そそくさとバスルームへ向かう。
こんなに簡単に動けるのはきっと、今日一日でいろいろなことを経験しすぎて感覚が麻痺してしまっているのだ。
良いほうに解釈すれば、経験によって俺は強くなった……成長なのさ。 多分違うけど。

バスルームに入ると、シャワーの音が聞こえてくる。
こんな高級そうなホテルだからとち狂って風呂場がガラス張りだったらどうしようと思っていたのだが、さすがにそれはなかった。
とはいえ、俺のすぐ近くで陽乃さんがシャワーを浴びているのは事実なのだ。 ……生まれたままの姿で。
あかん、変な気を起こしてしまう前にとっととことを済ませよう。 よくよく考えれば自宅ではなくホテルの一室でパンツが無くなったとあれば、
バレないはずはないのだがこの時の俺はすでに正気を失っておりそんなことはどうでもよくなっていた。
とにかく、彼女のパンツが手に入ればそれでいいのさ。 ……おめでとう、比企谷八幡は変態にジョブチェンジしたよ!
陽乃さんが先ほどまで身に着けていた衣服を発見する。
ここでもまた、俺の男な部分が目覚めそうになったがそこは理性の化け物と称された我慢強さで乗り切った。
あとは、パンツを見つけるだけ……そう思った時、衣服の中に一枚の紙切れがあるのに気付く。



この手紙をあなたが読んでいる頃には、わたしはもうシャワーを浴びている頃でしょう。
比企谷君、君がこの紙を見つけちゃったとするなら、それはお姉ちゃん的にポイント低いよ♡


体の体温が一気に下がった気がして、慌てて衣服を元あったように戻す。
震えながら、なるべく気配を消して部屋に戻る。
くそ、どこまで思い通りにいかない女なんだ。 まさか俺の行動を本当にすべて読んでいるのか?
……そんなはずは、無いと思いたい。 きっと今回は、彼女のかけたカマに見事に引っかかってしまっただけなんだ。
くそが、なんだって俺がこんな思いをしなきゃいけないんだ。


***********************************************************************

「ふいー、お先っ」
「……比企谷君、どうしたの正座なんかして」
「はは、この部屋の雰囲気にあてられたんですよ」
「……そっか、まあいいや。 比企谷くんもシャワー浴びておいでよ、その間にディナーの準備は済ませておくから」
「あ、ありがとうございます。 じゃあ、お言葉に甘えて」


このあと、なんとなく俺も自分の服の中に手紙を忍び込ませてみたり服が動いていないか確認してみたりしたが、まあ当然のように何も得られなかった。

******************************************
ホテル内 バー


「夜ご飯とは言ったけど、お昼食べたのが比企谷くんのせいで遅かったからね。 ここでいいかな?」
「いや、それはいいんですけど……俺まだ未成年ですよ、それこそいいんですか」
「バカだなあ、私を誰だと思ってるの。 準備は周到だよ、ドレスコードに引っかからないようにその服もちゃんと用意してたでしょ」
「そうですね、急にこんな服を着させられたときはどこかに売られるかと思いました」

薄暗い店内に、人の気配がある静寂が流れている。 どこかで、グラスとグラスがぶつかる音が響いた。

「ま、たまにはこういうところに来てみるのも面白いものだよ」
「ぼくにはいささか早すぎると思うんですが……」

俺と陽乃さんの前に、ナンチャラとかいう飲み物が届いた。 なんか必殺技みたいな名前だったが、よく覚えていない。

「こういうのは経験だよ、まわりより早く経験できたならよかったじゃない。 ほら、乾杯」
「は、はい」

俺たちの間で、澄んだ音か静けさに溶けていく。
その音の波を追うように視線を漂わせていると、陽乃さんは一足先にグラスに口を付けた。
その姿は雰囲気も相まってか、何かしらの芸術作品を切り取ったかのように絵になっている。
思わず彼女に見とれてしまっている自分に気が付いて、慌ててグラスに口を付けた。 気付かれていないといいのだが。

「なんというか、似合いますね、こういうところ」

自分から話題を振るというのがどうも俺らしくないのだが、早いところこの雰囲気を振り払いたかった。
血迷ってしまいそうだから――、そう言っておくことにしよう。

「まあね、だってわたしだもん」
「そうですね」
「比企谷くんも思ったより様になってるよ。 たぶん服装だとかそういうのもあるんだろうけど……」

彼女は一呼吸置きながら俺の目をじっと見つめた後、また口を開いた。

「なんというか、目が綺麗になったよね。 まるで真っ当な人間になったみたい」
「前まで俺が真人間じゃなかったような言い方ですね」
「そうだね、すくなくともまともじゃなかったと思うよ」
「否定はしないんですか……」
「ふふ、でも今は違う。 きっと、曇りがなくなったからこそ見える物がたくさんあるんじゃないかな」
「それが比企谷くんの望むものかどうかは、私にはわからないけどね」

少しだけ笑顔を作りながらそう言うと、陽乃さんはまたグラスの中身を一口含む。
その笑顔が作りものなのかそうでないのかは、分からなかった。

*********************************************************************
ホテル 部屋


しばらくの間、俺にとっては随分と大人な時間を過ごした後俺たちは部屋に戻ってきていた。
それほどアルコールを摂ったわけではないが、少しだけ顔が熱を帯びていて意識がふんわりと曖昧になっている。
なるほどこれがほろ酔いかと、一つ知識を刻む。

「いやー、楽しい時間だったよ」

陽乃さんは上機嫌そうに言う。
すこし顔を紅潮させた彼女が、どうも色っぽくて困る。
多分俺も酔っぱらっているんだろう。

「そうですね。 新鮮な時間でした」
「あれ、比企谷くんなら憎まれ口の一つや二つ叩くと思ってたんだけど」
「雪ノ下さんの言うように、俺もまともな人間になりつつあるんですよ」
「中々小生意気なことを言うんだね、このこの」

肘で、わき腹をコツコツとつつかれる。

「痛いです、あと近いです」
「怯えてるみたいに穿った目ですべてを見てた比企谷くんも可愛かったけど……今の綺麗な比企谷くんもわたしは嫌いじゃないな」
「……自分のものにしちゃいたいぐらい」

耳元で聞こえたそのどこか艶めかしい声に、背筋が凍る。
防御体勢を取るにはもう遅く、俺はベッドに倒されていた。
何が起こっているのかを瞬時に理解できずに固まっていると、いつの間にか俺達の距離は少ししかなくなっていた。
逃げなければいけないという意識と――、このまま状況に身を任せればどうなるかという期待が胸をよぎる。
頭に響くほど、胸の鼓動が強くなって、体に力を入れることができない。
完全に思考をやめてしまいそうになったその時、ふと俺の体から自分の物ではない重みが去っていく。

「なーんて、冗談冗談。 ほら、はやく寝る準備しなきゃ。 明日は平日だよ?」

さっきまで体を駆け巡っていた色々なものが、少しずつしぼんで消えていくのを感じる。
なるほど冗談ね、最初から分かっていたよ。 本当だよ?
それにしても、これほど女性に恐怖したのは初めてだ。 陽乃さん史上としても最高の恐怖だぜ。
まさに腰が抜けたように立てないでいる俺に、恐怖の女は語りかける。

「あれ、まさか本気だと思っちゃった? やだなあ、さすがにみんなから強引に比企谷くんを奪っちゃうほどお姉ちゃん悪い女じゃないよ」
「いまはまだ、ね」


ようやく心も体も落ち着いてしばらく経った後、眠りの入り口に立ってもどうしても考えてしまうことがあった。
いまはまだ――、そのセリフが頭から離れない。
もしも。 彼女の中で何かが機を熟していたならば、あのあとどうなってしまっていたのだろうか?
少し考えてみたが、考えることをやめる。
なぜならば、この人に限ってはどの言葉も真実とは限らないし、「もしも」なんて考えるだけ無駄なのだから。

一日が終了しました

一日が終了しました


【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 +2
平塚 ±0
小町 ±0
川崎 ±0
相模 ±0
折本 ±0
城廻 ±0


【総計】

雪乃 +1
結衣 +1 (積極的)
一色 -1 (八幡の弱み あらぬ噂)
陽乃 +4
平塚 +1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +2
川崎 +1 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 0
城廻 +4 (師匠)

八幡 存在感+1(綺麗な目)

またバカみたいな時間にいそいそと更新してごめん いったんここまでにする
くそ眠いけど今日も頑張るよ、みんなも頑張れ

ムンバムンバー
また遅くなってごめん、時間帯もひどいもんだが人いるかな?
やるよー

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

昨日は波乱の日だった、朝起きた時に自分の家じゃないと頭が混乱する外泊あるあるも久しぶりに経験したぜ

さて、夏休み前最後の週が始まるぞ
>>389

また陽乃さんか……なんだってここ最近はこの人関係の安価が多いんだ。
まあなんにしても、今日は平日だし、花火デートをするにしても夜じゃないとダメだしな。
適当に約束を取り付けて、学校へいくとしますか。

「雪ノ下さん」
「ん? どうしたの?」

なぜ陽乃さんがそばにいる、と言いたいかもしれないがこれが言うところの叙述トリックである。
一旦区切りがつきこれといって明言はしなかったが昨日同じところに泊まったのだから今だって一緒にいるに決まっている。 そうだろう?

「花火デート、しませんか」
「え、お泊りデートの次の日に花火デートのお誘い?」
「……比企谷くん、やっぱりここ最近おかしいよね」

そんなこと、俺が一番分かっている。 だって俺の意志じゃないもの。

「そうですね……。 間違いなく変わってしまったと思います」
「まあいいや、にしても明日に花火大会なんてあったっけ?」
「無いと思いますけど」
「え、じゃあ花火デートってなんなのかな?」
「まあ、花火デートと言えば花火大会が王道でしょうけど。 僕が言ってるのはそこらへんで売ってるような花火のことですよ」
「久々に、子供がやるような花火をやるのも乙なものだと思いませんか?」
「……なにそれ、ちょっと面白いね」

陽乃さんは少しだけ笑みを浮かべながら言う。
さて、花火デートに誘うことは成功だ。 本来ならば鬼畜安価なはずなのに、こんなにスムーズに行ってしまうあたり、俺の成長が怖いよ。


※(6日目の夜の安価が陽乃との花火デートになりました)


***********************************************


名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

花火デートということで、まことに勝手ながら安価は夜に持ち越させていただく所存でランナウェイ
そうなると朝の安価が無いので、もう一度安価をとろうと思う

あらためて、朝はどうしよう?

>>693

さきさきをチャリの後ろにのせて登校

比企谷八幡は、風になった。
そう表現してみると随分と恰好がつくが、現実はそうもいかない。
息を切らしながら、汗を垂らしながら、必死で自転車のペダルを漕ぐこの姿をみっともないと言わないのならばなんと言うのか。
本来の予定ならばホテルからそのまま学校へ向かうつもりだったのだが、たった一つの安価のせいでこのザマだ。
まあそれはいい、本当の問題はこのみっともない姿ではなく川崎沙希をどう説得するかにある。
どう考えても、無傷でそれを完遂することは不可能なんだけどな……。

******************************************************************

「おはようございまーす」
「えっ、ひ、比企谷……?」

というわけで俺は考えることをやめた。
もっと言えば考えることをやめざるをえなかった。 考えもまとまらないうちに、時間も川崎家への距離もなくなってしまったからだ。

「ど、どうしたの急に。 この前もこんなことあったよね?」
「ああ、あの時は悪かった。 朝っぱらから俺の勘違いに巻き込んじまって」

そういえばそんなこともあった。 あの時も、安価のせいで朝っぱらから川崎家まで自転車をブッ飛ばしたんだったな。
借りていたノートがどうとか、思いつきの作り話を駆使してコトをうやむやにしたが今回はそうもいきそうにない。
ならば、取り繕うことをあきらめる他に突破口はないだろう。

「今回は別にそんなんじゃなくて、まあなんだ。 ……後ろ、乗せてやろうか?」
「はい?」
「だから、二人乗りだよ。 ……偶然近くまで来たついでに、一緒に学校までどうかと思って」
「いや、それはいいんだけど……私も自転車だし、別に二人乗りじゃなくても」
「分かってないな、二人乗りじゃないと意味がないだろ。 遅刻するぞ、早く乗ってくれ」
「いやいや、なんの意味がないのさ」
「それは……俺にもよくわからないんだが意味がないんだ」
「なにそれ。 ……ハァ、わかったよ。 乗ればいいんでしょ」
「やっとわかってくれたか」
「分かってないけど、こうしないと終わらない気がしただけ。 アンタ最近頭おかしくない?」
「……」

何度でも言うが、そんなこと俺が一番わかっている。

もうしわけないまだキリの良いところまで行ってないけどここまでにする
朝パートはまだ続くので次はそこから再開する予定

いつもよりも重いペダルを踏みながら、倒れてしまわないように強くハンドルを握る。
二人乗りは小町で慣れているつもりだったが、人が違うとこうも感覚が変わるもんなんだな。
別に、川崎さんが太ってるって言うわけじゃないよ? ただ、小町とは基本的な大きさが違うから、仕方がない。

「はあ、もう。 なんでこんなことになっちゃったんだろ」
「楽に登校できるんだから、お前としても悪い話じゃないはずだろ」
「そういうことじゃなくて……」
「それに、帰りはどうしろっていうの? 私自転車ないんだけど?」
「それもそうだな、じゃあ帰りも送ってやるよ、それでいいだろ」
「なっ」
「……もう、それでいいよ……あきれた」

あきれられてしまうのもごもっともだ。 行動も言動も、何もかもとち狂ってるわけだからな。

繋がらない会話を、一言二言交わしながら自転車を走らせていると、上り坂に差し掛かる。
一人であっても上りきるのに苦労しそうな坂なのに、後ろにもう一人のせて上らなければならないとはなんたる苦行か。

「ちょっと、大丈夫?」
「お、おお。 それなりに大丈夫、じゃねえ」

本当はここで強がらなければならないのだろうが、あいにく俺にそんな根性は無かった。 耳はすませられないなあ。
一漕ぎ一漕ぎに目一杯体重をかけるが、車輪が後ろへ下がろうとする力はどんどん大きくなっていく。
少しでも気を抜けば一気に後退してしまうだろう。 なんだが人生みたいですね。
震えだしそうな足に鞭を打ってペダルに大きく体重をかけたその時、俺を乗せた自転車が先ほどよりも軽く、強く前進する。
何事かと後ろを向けば、自転車から降りた川崎が俺の背中を押していた。

「……ほら、あと半分ぐらいだから……とっとと行くよ」
「……ああ、悪いな」

なんというか、その姿を見て一番最初に思いついた単語は『男前』であった。
それを言うとぶん殴られそうだから、この単語は墓場まで持っていくことにしよう。

後ろから押してもらっているため随分と楽だが、自転車で急な坂を上るには体力を多く消費する。
夏らしい身を焦がすような日差しもあって、汗が頬をつたって落ちた。 自分の貧弱さを実感するぜ。

「まじつらい」
「あんたが二人乗りで学校へ行くとかいうからでしょ」
「それもそうだな、ちょっと後悔してる」
「男ならちょっとは強がったらどうなの……あとちょっとだから、頑張れ」

頑張れ――。 そのセリフがどうも川崎のイメージに合わなくて、少し驚いてしまった。
どんな表情でその言葉を言ったのかは、前に進むことに手いっぱいで確認できなかったが。

やがて上り坂は終わり、目の前に今までよりも大きく空が広がった。
鮮やかな青にちりばめられた雲がゆっくりと流れている。 雲の動きに合わせるようにして、ゆっくりと息を整えた。
何気なく見上げる空とは、また違う空だ。

「はあ……大丈夫?」
「おう。 ちょっと堪えたけどな。 さ、乗った乗った。 早くしないと遅刻するぞ」
「誰のせいだと思ってんの」
「俺のせいだな。 だから次は俺のおかげで遅刻しないように頑張るさ」
「なにそれ、全然かっこよくない」

川崎は少し笑いながらそう言って、後ろにまたがる。
上り坂の後にあるのは、下り坂。 それは人生も地形も同じだ。
あれほど力強く漕いでも動いてくれなかった自転車が、今度は任せろとばかりにどんどんスピードをつけていく。

「ちょっとちょっと、スピード出しすぎじゃない?!」
「死なない程度にブレーキは掛けるから、心配すんな」
「そういう問題じゃないって!」

半ば叫びながら、川崎が俺の腰に手を回す。
恐怖なのか怒りなのか、その両手にはかなり力が入っていて少し痛い。
その反面背中には優しく柔らかい感触。 ん~、悪くないな。 このまま下り坂が学校まで続かないだろうか。

そんな馬鹿みたいな望みは叶わなかったが、その後は何事も無く遅刻せずに学校へ到着した。
何事もなくとは言ったものの、校門をくぐってから駐輪場へ向かうまでの視線はどうも痛かった。
さらに言えば、自転車を降りた直後の下り坂スピード事件に対する川崎の報復パンチも痛かったよね。

急に書き込んでそのままで申し訳ない
とりあえずちょっとキリのいいところまで進められたので次は昼の安価からかな?
不定期と言うことも憚られるほどの不定期でごめん、とりあえず変なところで終わることの無いように頑張るよ
余談、本文以外は短めにと思ってきて口を噤んできたんだけど、あるキャラのことを思う存分書くまでは終わりたくないのさ
長くなってしまったことは謝罪会見を開くからあんまりガミガミ言わないで、ガミガミはね……

うっちゃりー
やるよー

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

久々に体力を使って貧弱な俺には痛い出費だったぜ
夜の安価は決まっているので、今日の安価は今からとる昼安価で最後だ

>>706

サキサキと家族自慢対決

なんだか家族自慢をすることに新鮮味がないなあ……なんでなんだろうなあ……。
思えばあの事件も、俺の数ある黒歴史の一つとなっている。
なんたって、妹をべた褒めしている会話を本人に送り付けられたんだからな。
そりゃ堂々ノミネートもするさ。

******************************************************

昼 屋上

川崎を探して、屋上へやってきた。
前ほど一匹狼ではない彼女ならば教室にいるだろうと思っていたのだが、姿が見当たらなかったのでここへ来た次第だ。
さてと、黒のレース、黒のレースと……。

「またアンタか……」

残念ながら黒のレースを拝むことは出来なかったが、本来の目的である川崎沙希には出会うことができた。
またアンタか、と言われるのもしょうがない。 朝にあんなことがあったんだからな。

「悪かったな、また俺で」
「いや、別にいいんだけど……今度はなに」
「朝の詫びと……、まあなんというか色々だ」

さっき自販機で買ってきた飲み物を、投げて渡す。
言うまでもなく、朝の詫びという理由だ。
川崎はそれを受け取った後、訝しげな顔で俺を覗き見る。

「詫びは別にいいんだけど……その、色々っていうのがすごい怪しいんだけど」
「ああ、まあはぐらかす必要もないか。 お前に会いに来たのはひとつやりたいことがあってだな」
「や、やりたいこと? な、なんなのそれ」
「家族自慢対決だ」
「は?」
「完全に俺の思いつきなんだが、お互いの家族を自慢しあおうっていうわけ」
「いや、大体わかるけど、それをやることになんか意味でもあるの?」
「ないな」
「じゃあなんで?」
「いったろ、思いつきだって。 そんなこと言い始めたら世の中なんて意味のないことだらけだろ」

どうも俺の流れるようなバカげた説明に、川崎の頭は固まってしまっているようだ。
何か言葉を口にしようとするが、それを飲み込んでまた何かを考えることを繰り返している。
あいては ひるんでいる。 先制攻撃の チャンス。

「そうだな……まあ俺は妹の自慢がほとんどになってしまうんだが」
「ちょっと、待」
「まず、小町は妹という要素を除いたとしても一人の人間として完成度が高すぎる」
「容姿、能力、すべてのスペックが全て高水準だ」
「あのさぁ、」
「さあ、次はお前の番だぞ」
「攻守交代制なの……」
「そりゃあな、そうしなきゃ俺の無限攻撃でケリがついちまう」
「……アホらし。 まーいいや、じゃあ京華は可愛い、でいい?」
「すこし曖昧だがいいだろう。 小町はさっき言ったことに加えて妹属性が付くからさらに可愛い」

ここからは、どちらの妹が可愛いかを言い合う壮絶な泥仕合となった。
おかしいな、川崎家には弟さんもいたはずだけど……まあ俺が妹勝負の空気を出してしまったからしょうがないか。
この壮絶な舌戦は10分に及び、ようやく双方ともにボキャブラリーが付き始めたころ、川崎が水を差す。

「ねえ、最初にもいったけどこれなんの意味があんの?」
「俺にもわからんが、お前が妹を大事にしているということは分かった」
「それはこっちも同じだよ、むしろアンタの場合はいきすぎてキモい」
「それだけ愛が重いってことだろ」
「……プ、ばっかじゃないの」

川崎は笑いをかみ殺したように言う。 朝にも感じた、新鮮さ。
そういえば、川崎がちゃんと笑うところを、見た記憶がないな。
なんとなく、本当になんとなくなのだが……その姿を想像して、少しだけ見てみたいという気分がよぎった。

「あんたの提案で結局何も得ることができないってわかったわけだし、そろそろ教室戻ったら? 時間やばいよ」
「時間がヤバいのはお前もだろ」
「そんなのわかってる。 じゃ、アタシ先いくから」

そう言って、川崎沙希は俺の前を通り過ぎていく。
青みがかったポニーテールが、どこか楽しそうにぴょこりと撥ねた――

*******************************************************



今日も残り4分の1をとうに過ぎたと言うのに、あたりは明るさを少し残していた。
藍と言うべきか、それとも紫か、俺の語彙力では言い表せない微妙な色の空にちらほらと星が輝いている。
朝の約束通り川崎を家まで送り届けた俺は、別の約束のために再び自転車を走らせている。
今朝の暑さに比べれば、随分と快適なサイクリングだ。

『7時に、駅前に集合! 花火はこちらで用意します♪』

朝、陽乃さんから別れてからそんなメールが届いていた。 だからこそ俺はこうして走っている。
それにしても、2つ目の文が怖いなあ。 あの人の事だから、どれほど殺傷能力のある花火を用意していることか。
俺にできることは、花火と共に俺の命が散らないよう祈ることだけだ。


*               *                 *

「やっほー! 時間通りだね!」
「すみません、待たせましたか。 これでも急いできたんですけど」
「いや、別に待ってないよ! わ! このやり取りなんかカップルみたいだね!」
「あくまでみたい、でしょ。」
「まあそうだけど……どうせこれから花火デートなんだし、ちょっとは雰囲気に浸ろうよ」
「む……まあ、別になんでもいいですけど……」

何気ない会話を交わしながら、陽乃さんの手元に握られたビニール袋を見る。
それなりのサイズだが……人をブッ飛ばせる威力の物は入っていなさそうだ。

「あ、そうだ花火買ってきたよ! ほんとは派手なのにしたかったんだけど、普通の花火がしたいって比企谷くんが言ってたから我慢したんだ!」
「それは英断ですね、ぼくもさすがにまだ死にたくないので」
「なにいってんの?」
「こっちの話です」
「ま、いいや。 さ、行こうか」
「どこにですか?」
「花火ができそうな場所にだよ、駅前で花火するわけにもいかないし」
「ああ、そうですね」


彼女の事だから黒いバンに乗せられてどこか特別な場所に連れて行かれるのではないかと心配したのだが、
意外にも目的地は交通機関と徒歩でこと足りるちょっとした広場だった。

「さ、はじめようか」
「はい。 ……意外ですね、こんな普通の場所を選ぶなんて」
「ん? さっきも言ったじゃない、比企谷くんの要望に応えただけだよ。 それに、ここらへんじゃ花火出来そうなところってこの辺しかないし」

確かに。 民家や道路の近くでやろうもんならあらゆるところからあらゆる大人たちが飛んでくる時代だ。
俺のガキのころからそうだったか。 家の前で花火なんてよくあることだったと思うのだが。

「んー、初めはどうしようかな。 オーソドックスに手持ち花火でもやろうか」

陽乃さんは袋に詰まった花火の中から、適当に一本を抜き取るとロウソクの火にかざす。
少しの間を置いて、吹き出すような音とともに桃色の火花が勢いよく散り始めた。

「おー、やっぱ自家用花火はこれじゃなくちゃね!」

少し声を高ぶらせながら、陽乃さんは右へ左へと光を散らせていく。
ピンクなんて色は、この人のイメージに合わない。 手持ち花火ごときではしゃぐことも、しっくりとこない。
そう思っているはずなのに、その姿を見て少し頬が緩んでしまう。
とても上から目線で言わせてもらうなら……可愛いところもあるんだな、と思ってしまっていた。
この姿は作られた姿で、俺は騙されているのだろう。
少し前の俺ならば、そう考えていたはずだ。 しかしなぜだろう、今は陽乃さんのこの姿を無条件に受け入れようとしている自分がいた。
よくある言葉に例えるとするならば、きっとこれは夏の魔物の仕業なのかもしれないな。

「ほら、比企谷くんも見てるだけじゃなくて早く!」

急かされて、俺も花火を一本手に取る。 火をつけると、吹き出したのは白く輝く光。
白か、こっちもまた似合ってねえなあ。 もし持つ者によって色が変わる花火があるのならばきっと俺の花火は埃みたいな色に違いない。
陽乃さんにならって花火を振りながらくだらないことを考えていた。

あらかた普通の花火を消化し終え、俺は残った変わり種に手を出していた。
こうやって手に持ってみると、随分と懐かしいもんだな。
この、持ち手が紙になっていて先がストローみたいな花火は結局どういうコンセプトの花火なんだろうか。

「比企谷くーん、そっちいったよー」

花火に対する長年の疑問について考えていると、そんな声が少し離れた場所から聞こえてきた。
声の方向に目を向けると、ものすごいスピードで何かが火を噴きながらこちらへ向かってくる。
その物体は俺の足元につけると、破裂音と共にさよなら天さんとばかりに大げさにはじけ飛んだ。

「うおぁっ!!」

その正体は、言うまでも無くねずみ花火だった。
あの、こういう類の花火をするときは周りの人に一声かけてからにしませんか?
というかその場で回転するはずのねずみ花火こんなところにあるって、多分確信犯でしょ?

「ぷっ、あはっ、あはははは、なにその反応!」
「人が恐れる姿を笑いの種にするのはやめてください!」
「人って、ねずみ花火ひとつであんな体勢で避けるんだ、あははは、はー、おなか痛い!」
「はあ……」

この様子だと、本当に花火の種類によっては殺されていたかもしれんなあ……。


*               *              *


陽乃さんの用意した花火はあらかた使い終わり、残すは花火界のキングオブ締め、線香花火だけだ。
日本では、最後はこいつと相場が決まっている。

「はー、やってみると意外に楽しかったね」
「そうですね、僕は一瞬死ぬかと思いましたけど」
「ふふっ、思い出させないでよ笑っちゃうから」

苦しそうに肩を震わせていた陽乃さんは、深く息を整えて袋に残った花火を手に取って、

「さて、じゃあこの子の出番だね」

しゃがみこんだ体勢で束になった線香花火を、半分ほど俺に渡す。
それを受け取って、特にタイミングを合わせることも無く2人ほぼ同時に火をつけた。

火のついた先端が少しずつ丸みを帯びて、強い赤になっていく。
間もなく火の球を中心に、いくつもの光りがはじけては消える。
その一つ一つの火花が文字通り咲いては枯れていく花のようで、見つめていると寂寥感が心に押し寄せる。
花火の最後は、いつだってこの気分だった。 どれだけ強く綺麗に燃えても、いつかは消えてしまう。
何気なく吐いたため息にあおられて、赤い玉がポトリと地面に落ちた。

「いやー、やっぱり線香花火は味があるね。 考えた人はすごいよ」

同じく火が消えたらしい陽乃さんが、そう呟いた。
きっと、開発者はこんなことまで考えてはいなかっただろうと思うのだが、花火以外のことにも寂しさを感じてしまうのでできればこんなものは作ってほしくなかった。

「寂しいですよね。 線香花火」
「そうだね」

この花火の力なのか、俺たちの声にはどこか力がない。
一本、また一本と使っていくうちに、向かい合うようにしゃがみこんでいた彼女がこんな提案をする。

「ね、最後の一本、どっちが先に消えるか勝負しようか」
「よくありますね、その勝負。 なんだか先に落ちてしまったら縁起が悪いから好きじゃないんです」
「まあそれはそうなんだけど、別に落ちるってことが全部悪いこととは限らないでしょ」

陽乃さんは何かを謎めかしたように言って、同時に火をつける催促をしてくる。
またこの人の真意を読めなさそうだが、とりあえず彼女の勝負に乗ることにした。

火が付き、強く燃えて、少しずつ火が弱くなっていく。
どちらも散る花の量が減っていき、そろそろ勝負がつくかと思っていた瞬間に、陽乃さんの火玉が持ち手を離れて地面に溶けていった。
俺の勝ちだな。まあ、こんなことでこの人に勝っても別に嬉しくないのだが。

「あー、私が先に落ちちゃったか。 そうか、私が先か……」
「別にそんなに気にすることでもないでしょ。 線香花火にプライドでもあるんですか」
「いや、そんなことはないよ。 なんというか、ゲン担ぎみたいなものかな。 なんとなくそんな気はしてたんだけど」
「はあ……」

何を言っているのかが分からなかった。 いや、彼女の事だから分からせる気がないのだろう。

「さ、そろそろ時間も時間だし片付けて帰りますか!」

その声に、さっきまでのような何か意味をはらんだ雰囲気はない。

「比企谷君、今日もありがとう。 ……楽しかったよ!」

花火を振り回していた時のような笑顔で彼女は言う。
悔しいが、きっとこの表情や今日の陽乃さんの姿は花火を見つめてしまった残像のように俺の目に焼き付いてしまうのだろう。
しかしそれは残像のように消えてくれはせずに、これから夏が来るたびあの寂寥感を俺に味あわせるのに違いない。

一日が終了しました


【本日の結果】

雪乃 ±0
結衣 ±0
一色 ±0
陽乃 +1
平塚 ±0
小町 ±0
川崎 +2
相模 ±0
折本 ±0
城廻 ±0


【総計】

雪乃 +1
結衣 +1 (積極的)
一色 -1 (八幡の弱み あらぬ噂)
陽乃 +5
平塚 +1 (八幡の貞操観念に疑問)
小町 +2
川崎 +3 (結衣への嫉妬心)
相模 0 (THE勘違い)
折本 0
城廻 +4 (師匠)

八幡 存在感+1(綺麗な目)

今日はここまでにする
あの時間に始めてこの時間にひと段落するとは
完全にこっちの事情でこんなことになってしまって本当にもうムンパッパ

どうもこんばんは
毎度のごとく更新に間があいてしまって申し訳ない
コンスタントにやっていこうと思っているのにこのザマ、 理由さまざま、 御愁傷様

近いうちに更新したいけど、もしかしたらまた間が開いてしまうかもしれない、ごめん

申し訳ないの言葉だけじゃ足りないぐらいにもうしわけない
人が集まってくれるか心配だけどやるよー

名前:引きこもり大魔王 ********/**********/ID*****

本格的に季節は変わって、今日が終わればいよいよ夏休みだ
夏休み前最後を飾る一日にしたいと思っているので今日も頼むぞ

>>728

いろはすとデートの約束

7日目 

一色、一色か……。
しかし、デートの約束ということは別に今日すぐにデートをしなければならないというわけではなさそうだ。 異論は認めない。
とはいえ、俺レベルのぼっちになると実際のデートよりも約束を取り付けることこそ難関だったりするわけなのだが。


************************************************************************

朝 昇降口


「一色」
「はい? あ、先輩。 おはようございます」

さて突然だが、ここで一色をデートに誘うにおいて持ち上がった問題点を挙げよう。

其の一、俺から一色にメールや電話といった連絡手段をとることは嫌である。
其の二、だからと言ってわざわざ一色のいる教室へ足を運ぶことも論外である。
其の三、なにより俺から一色にデートの話を持ちかけることはあってはならない。

以上の事から、『俺のいるところに』『あくまで偶然一色いろはが現れ』『無理やりデートを取り付けられる』
という状態を作り出さなければならないわけだ。
つまり昇降口で一色と遭遇したことは偶然ではなく必然なのだ。
一言で言ってしまえば待ち伏せである。

「この時間に先輩に会うのって珍しいですね」
「まあ、いつもならもっとギリギリで学校に着くからな」
「ああ、なるほど。じゃあ今日はなんでこの時間にいるんですか、
もしかして私に会うためにわざわざ早起きしたんですかその気持ちは嬉しいですけど待ち伏せは気持ち悪いですごめんなさい」
「はいはい」

実際待ち伏せなので、特にツッコミを入れることも無く流すことにした。

「それより一色、この前のことだが」
「この前のこと?」

一色はわざとらしく首を傾げ、上目がちにこちらを見る。
あざとすぎて吐き気がするが、一方で可愛いと思ってしまうことが悔しくて仕方がない。

「まあ、生徒会室で一悶着あっただろ」
「ああ! そうです、先輩どうしてくれるんですか!? あれ以来あらぬ噂が立って面倒くさいったらないんですけど?!」
「そ、そうなのか?」
「そうですよ、先輩は友達がいないんで知らないかもしれないですけど!!」
「俺の交友関係は関係ねえだろーが」
「とにかく!! 先輩、どう落とし前つけてくれるんですか!!」
「落とし前ってお前」
「これは一日私の奴隷になるぐらいじゃないと許せません!!」

時は来た。 わざわざ掘り返したくないことを掘り返してまで待っていたのは、この言葉だ。

「わかったよ、じゃあ今度一日中お前のために働いてやるから勘弁してくれ」
「は?」
「いやだから、いつか一日中お前の言うことを聞いてやるって。 荷物持ちでもなんでもいいから適当な時に連絡してこいよ」
「いや、あの」
「じゃあな、俺教室こっちだから」
「ちょっと、先輩?!」


俺にかかればデートに誘うなんてちょろいもんさ。 世の奥手どもは俺を見習うと良い。

(※一色いろはとのデートが取り付けられました。 安価又は日数経過でデートが発生します)

久々にやってきて1レスだけ更新とは何事と思うが、時間も時間なので今日はここまでにさせてくださいごめんなさい
続ける気はあるよって感じで身勝手ながらこんな時間に更新させてもらった
もう落ちてるかなーとか思ってたらまだ残っててすごいありがたかった

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月16日 (金) 01:37:09   ID: tfYAEuul

頑張ってくれ

2 :  SS好きの774さん   2015年10月16日 (金) 12:30:02   ID: lvDNx7dL

続きが気になる。支援。

3 :  SS好きの774さん   2016年01月24日 (日) 21:26:40   ID: gTs3eLLe

ティンときた!

4 :  海老名姫菜様押しの774   2016年02月02日 (火) 21:33:43   ID: D75hqo-I

待ってる、・・・主が帰るその時まで…

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