智香「CGプロ九州部?」芳乃「でしてー」 (41)

・九州部って書いてあるけど鹿児島2人ばっかりの短編集です。
・去年の10月ごろに書いていたものを発掘したものなので時期がおかしいです。
・方言とか九州の知識とか間違っているかもしれません。


許してください、何でもはしません

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【1】

洋子「ランニング終わりー! いい汗かいたー!」タオルフキフキ

智香「あっ洋子さんお疲れさまです! 今飲み物用意しますね!」

洋子「ありがとう智香ちゃん、お願いね!」

友紀「ゼッ……ゼッ……ヒュー……コヒュー」

P「今日もランニングか、精が出るな……って友紀ぃ!?」

洋子「あれ? さっきまで普通に走ってたんだけど」

友紀「もう……ほんと無理……水……」フラフラ

P「お、おいしっかりしろ! 智香ー! 水急いでくれー!

友紀「ゴクッゴクッゴクッゴクッ……ぷはー! 生き返るわー!」

洋子「んっんっんっんっ……ふぅ、スッキリするね!」

P「水だよな?」

智香「二人とも間違いなくお水です」

P「友紀が飲むとなんでもビールに見えてくるな」

智香「逆に洋子さんが飲むとスポーツドリンク的な爽やかさがありますねっ☆」

P「友紀と洋子……同じ20歳なのにどこで差がついたのか」

智香「言動と趣味だと思いますっ」

P「中身オッサンだしなぁ……」

友紀「酷くない!?」

P「そこでその反応をするということは自覚があるということだぞ」

友紀「うぐぅ……」

P「並んでみると意外と友紀の方が背が高いんだな」

友紀「あれ? そうだっけ?」←161㎝

洋子「友紀ちゃんって可愛い顔の割には背が高いんだよねー。羨ましい」←157㎝

智香「確かに……正直アタシより若く見えるような……」←156㎝

P「まぁ、確かに智香はちょっと大人びて見えるな」

智香「えへへ……」テレテレ

友紀「智香ちゃんなんで照れてるの?」

洋子「しかも友紀ちゃん、細いよねー。体重何キロ? ってごめん、プロデューサーの前じゃ……」

友紀「44だよ?」←161㎝

洋子「……」←157㎝、46㎏

智香「……」←156㎝、45㎏

P「……(察し)」

P「ま、まぁ洋子も智香もスポーツで鍛えてるからな。筋肉がつくと多少体重がつくのも、な」

洋子「プ、プロデューサーさん! 女の子の体重の話はセクハラですよ!」

P「ウェッ!?」

智香「そそそそうですよ! プロデューサーさんはこんな話聞いてちゃ駄目ですっ!」

P「お前らが始めたんじゃないか!」

友紀「プロデューサー、セクハラだってセクハラ」ニヤニヤ

P「お前は便乗したいだけだろ!」

P友紀「ギャーギャー」

洋子「あーもうプロデューサーの前でなんて話を……」カオマッカ

智香「穴があったら埋まりたい……」カオマッカ

友紀「プロデューサーはもっと女の子に対するデリカシーを持つべき! 訴えられたくなければそうすべき!」

P「うるせぇ! 人前で服を脱ごうとしたお前がいうことか!」

智香洋子「「ん?」」

友紀「あれはお酒飲んでたからしょうがないでしょ! アルコール入ってる時は少しぐらい大目に見るというか、そっちが空気を読んでよ!」

P「やりたい放題かお前……」

智香「タイム。タイムタイム。タイムアウト」

洋子「ねぇ友紀ちゃん服を脱ぐって何? 私その話知らないんだけど」ニヤニヤ

友紀「あ、あれ? 洋子ちゃん顔が怖いよ?」

智香「アタシもその話聞きたいです」ニヤニヤ

友紀「智香ちゃんまで、やだなぁアハハ」

P「ま、まぁ落ち着け二人とも、あれは……」

洋子智香「「プロデューサー(Pさん)は黙っとかんね!!!」」

P「はい」

友紀「はいじゃないが」

洋子「友紀ちゃ~ん」ニヤニヤ

友紀「あれは何でもないんだって!」

洋子「何でもいいから、はやくはやく。智香ちゃんも聞きたいよねぇ?」ニヤニヤ

智香「そうですよ、聞きたいです」ニヤニヤ

友紀「うぅ……分かったよ、話せばいいんでしょ話せば……あれはついこの間なんだけど……」

友紀「プロデューサー、来週ってなんか仕事入ってたっけ?」

P「んー……いや、ほとんどレッスンだな。どうかしたのか?」

友紀「実は、この日とこの日、お休みが欲しいんだけど……」

P「急だな、理由を聞いてもいいか?」

友紀「トミー・ジョン手術を受けようと思って」

P「もっとまともな嘘を考えろよ! 親戚が亡くなったとか何かあるだろ!」

(トミー・ジョン手術……怪我をした肘の靭帯を取り除き、無事な個所から靭帯を移植する手術。野球選手がよく受ける)

友紀「実は親戚が亡くなってさ」

P「あんた嘘つくの下手ねぇ」

友紀「持病のしゃくが」

P「お前はトミー・ジョンじゃなくてロボトミー手術を受けるべき!」

友紀「キャッツの優勝が決まりそうだから見に行きたいんだよっ!」

P「正直!」

P「全く……最近頑張ってたからご褒美でもーなんて思った俺がアホみたいだ。ほら」ピラッ

友紀「これは……?」

P「キャッツ戦のペアチケット。取引先で貰ったやつだけど」

友紀「ほんと? いいの!?」パァァァァァァ

P「最近休みが無かったしな。それでモチベーション保ってくれるなら」

友紀「やるやる! やる気バリバリだよ!」ブンッブンッ

P「狭いんだから素振りは止めろ。じゃあその日は休みにしておくからな」

友紀「ありがとうプロデューサー! ね、プロデューサーはこの日、予定空けられる?」

P「……え、俺と行くの?」

友紀「プロデューサー、野球好きでしょ?」

P「好きだけど。他に誰かいないのか?」

友紀「事務所には他に野球興味ある子いないしね。折角のチケット無駄にしたくないし」

P「んー……わかった。休めるように努力する」

友紀「約束だよー? 一人より二人で行った方が楽しいに決まってるからね! ソロよりツーランホームラン!」

P「分かった分かった」

洋子「デートだね」ニヤニヤ

智香「デートですね」ニヤニヤ

友紀「二人とも笑顔がなんかいやらしいよ」

P「俺帰っていいですかね?」

智香「とりあえずそこに座っていてください」

P「はい」

友紀「弱すぎるでしょ……」

P「今の二人に逆らう度胸は無いです」

洋子「さ、はよ続きば話さんね」

友紀「はい」

友紀「お姉さーん! ビール一杯!」

P「飲み過ぎだろ……何杯目だ?」

友紀「まぁまぁ、この試合に勝てばキャッツの優勝が決まるんだから! ビールも進むに決まってるじゃん!」

P「俺は対戦相手のスターの球団が好きなんだけどな……」

友紀「スターの球団は……うん」

P「憐みの目を向けるな!」

友紀「まぁ今年は調子よかったじゃん、元気出してよ」カタポンポン

P「今年はウチに負け越してるくせに……」

友紀「あっ打った……伸びてる! こっちくるよプロデューサー!」

P「えっマジ? うわホントだ」

友紀「わああああああああ入ったああああああああああ! ホームランだああああああ! ムラタ愛してる!」

P「あああああああああああああ! テメェの血は何色だムラタァ!」

友紀「……なんだかんだ言って楽しんでるじゃん」

P「野球は好きだからな。負けてるけど」

友紀「そっか、楽しんでるならいいや。へへへ」

P「なんだぁ? 突然笑い出して」

友紀「何でもないよーだ」

P「……まぁいいけど」

P友紀「「……お姉さんビール!」」

友紀「いや~~優勝っていいものでしゅねぇ~」フラフラ

P「大丈夫か? 飲み過ぎだよ、ふらついてるぞ」

友紀「な~~~~~に言ってるのさプロデュ~シャ~、私はこのと~りへっちゃらだよ~っとっとっと」フラフラ

P「全然ダメじゃないか……ほら、女子寮まで送っていくから。肩貸すぞ」

友紀「ば~かやろ~、あたしは大丈夫だって言ってんだよぉ~」ポカポカ

P「はいはい」

P「やれやれ、やっと女子寮についたな」

友紀「と~こんこ~め~て~♪」

P「うるせぇ」デコピン

友紀「ぎゃん!」

P「とはいえ門限は過ぎてるしな……とりあえず、っと」ポパピプペ

洋子『は、はい! 斉藤です!』

P「……あ、もしもし洋子? 遅くに悪いな」

洋子『いえ! 大丈夫です!』

P「……ホントに大丈夫か? 何かぎこちないけど」

洋子『ご、ごめんなさい、ホントに大丈夫だから! どうしたんですか?』

友紀「もしもーし洋子ちゃーん! キャッツがねー! 優勝したんだよー! あはははは!」

P「だから静かにしろって! ……すまん、こういう訳なんだ。今女子寮の前にいる」

洋子『あはは……分かりました、裏口の鍵を開けておきますね』

P「助かる」

洋子『いえいえ、それでは』ピッ

P「なんだか悪いことしてるみたいで緊張するな……」

友紀「女子寮は男子禁制だから悪いことしてるよ~?」

P「急にまともなこと言うなよ……」ガチャ

洋子「プロデューサー、こっちこっち」

P「ああ、洋子。本当にすまない」

洋子「私が様子見しながら先に行くので、プロデューサーさんは友紀ちゃんをお願いします。寮長に見つかったらまずいですから」

P「分かった。しかし、建物の中に入っていいんだろうか?」

洋子「この時間にはもうほとんど皆部屋の中ですから。アイドルの皆になら見つかっても私が説明します」

P「何から何まで、ありがとうな。こいつとは大違いだ」

友紀「……」ウトウト

洋子「アハハ……」

洋子「ここが友紀ちゃんの部屋です」

P「友紀、鍵は?」

友紀「あるよ~……」ガチャガチャ

P「流石に部屋に入るのは……」

洋子「まぁ、ここまで来たらしょうがないんじゃないですか? 廊下にいる訳にもいかないですし……」

P「……まぁ、そもそも友紀が飲み過ぎたのが悪い」ガチャ

P「ほら、部屋についたぞ。ベッドまで歩けるか?」

友紀「むぅーりぃー……」

P「それは違う奴の持ちネタだ。ほら、そこまでは肩を貸してやろう」

友紀「うん……」

P「急に眠そうになりおって。ほら、ベッドだ、寝ろ。さっき買った水のペットボトルも置いとくからな」

友紀「ありがと~……」

P「あぁー疲れた。ここにきてドッと来るものがあるな……」

洋子「お疲れ様ですプロデューサー。友紀ちゃん、寝ちゃいました?」

P「みたいだな。これで酒に懲りてくれればいいんだけど」

洋子「ところでプロデューサー、友紀ちゃんと二人でどこに出掛けてたんですか?」

P「野球を見てきたんだ。たまには息抜きも必要かと思ってな」

洋子「なるほど……プロデューサー、実は私も息抜きしたいなー、なんて……」

P「お、口止め料か?」

洋子「あっ! いえ、そんなつもりじゃ!」

P「冗談だよ。洋子には助けてもらったし、いつも真面目に頑張ってるからな。どこか希望の日があれば教えてくれ、オフにしておくから」

洋子「えーと、じゃあプロデューサーのオフの日がいいな」

P「俺の?」

洋子「はい。前にロケで行ったあの温泉に、もう一度……」

洋子「待って待って待ってーーーー!」ブンブンブン

友紀「どうしたの洋子ちゃん、そんなに手を振って。これからがいいところだよ!」ニヤニヤ

洋子「友紀ちゃん、起きてたと!?」カオマッカ

友紀「うん。あたし寝つき悪いし、酔っても記憶飛ばない方なんだよねー」ニヤニヤ

洋子「ちょっと待って! これ友紀ちゃんがプロデューサーの前で服ば脱ぐ話やろ!?」

友紀「この後洋子ちゃんがはしゃいでる間に暑くて全部脱ごうとしました」

P「止めたけどな」

洋子「あっ……そういえばなんだかプロデューサーが慌てとったような記憶が……」

智香「……洋子さん?」

洋子「はっはい!」

智香「洋子さんもちゃっかりデートのお約束とりつけてるじゃないですかぁ」ニヤニヤ

洋子「と、智香ちゃん、一回落ち着かんね」

智香「そんな訛るぐらい動揺しなくてもいいじゃないですかぁ」ニヤニヤ

洋子「えっウソ!?」

P「訛ってるぞ」

智香「どうりでおかしいと思ってたんですよぉ。だってあの時……」

(智香の回想)

洋子「では裏口の鍵を開けておきますね……いえいえ、それではっ」ピッ

洋子「あー緊張したー!」

智香「洋子さん、どうしたんですか?」

洋子「あ、ごめんね智香ちゃん、遊びに来てくれたのにほったらかしにしちゃって」ニコニコ

洋子「ついでにもう一つごめんなんだけど、ちょっと外に出てくるね。すぐに戻ってくるから、ここで待ってて」ニコニコ

智香「……? はい、分かりました。無理に急がなくていいですからねっ」

洋子「ありがと! じゃあちょっと行ってくるね!」ニコニコ

智香「上機嫌でどこかに行って、更に上機嫌で帰ってきたのはそういうことだったんですねぇ」ニヤニヤ

洋子「うわああああああああああああああああん!」

P「落ち着け! はいもうこの話はおしまい! 終了! 閉廷! 解散!」

友紀「何言ってるのさ、それじゃあ洋子ちゃんと温泉行った話の詳細が分からないよ」ニヤニヤ

智香「そうですよ! ここまで来たら全部話すべきですっ☆」ニヤニヤ

洋子「ちょっとぉ!」

真奈美「それだったら、智香もPとチアの大会を見に行った話をした方がいいんじゃないか?」ヌッ

智香「ふぁっ!?」

智香「まままままま真奈美さん! どうしてここに!?」

真奈美「なに、Pに用があってね」

P「俺に?」

真奈美「ああ。前に言っていたバーに行く話、今夜はどうだ? 勿論、君の都合が合えばの話だが」

P「大丈夫だ。お付き合いさせてもらおうかな」

真奈美「すまないね。誰かと静かに飲みたい気分だったんだけど、楓とだとそうもいかなくてね」

P「あの人は一升瓶抱いて寝むからな……」

真奈美「そういうことだ。ではまた後で、君の仕事が終わった頃に迎えに来るよ」

P「分かった、お願いします」

智香洋子友紀「「「……」」」ニヤニヤ

P「うわっビックリした。三人とも何でそんな近い距離でガン見してるんだよ……」

智香洋子友紀「「「……」」」ニヤニヤ

真奈美(あまりPをいじめてやるなよ。今夜の話はその内してやるから)ボソッ

智洋友「「「わああああああああああっ!?」」」ドンガラガッシャーン

真奈美「後ろから話しかけたとはいえ、そんなに驚くことは無いだろう」

P「お前ら大丈夫か……木場さん、戻ってきてどうしたんですか?」

真奈美「もう一つ話があったのをすっかり忘れていたよ」

友紀「あいたた……それにしても、あーびっくりした。木場さんっていつも突然出てくるけどどうやってるんだろう」

智香「謎ですね……」

洋子「ところで智香ちゃん、プロデューサーとチアの大会を見に行ったんだって?」ニヤニヤ

智香「」

友紀「あたしもその話聞きたいなぁ」ニヤニヤ

智香「」

智香「えーと、あれですよ、遠くで大会があったからPさんが付き添ってくれただけで……」シドロモドロ

友紀「へーぇ」ニヤニヤ

真奈美「Pと二人で見に行きたいと誘っていたそうだが」

智香「わああああああああああああああああっ!?」

洋子「とりあえずプロデューサーに真偽を問う必要があるね……ってあれ、プロデューサー?」

真奈美「Pなら芳乃にきんつばをねだられて車を出しに行ったよ」

智香「いつの間に!?」

洋子「しまった、逃げられた!」

友紀「まだ聞きたい話たくさんあるのに! こうなったら過去の女性遍歴全部暴いてやる!」

智香「そこまでいったら立派なストーカーですよっ!」

友紀「探せーっ! この世の全てをそこに置いてきたっ!」

智香「大袈裟ですっ!」

(車内)

芳乃「そなたー、わざわざありがとうございましてー」

P「芳乃からお願いされるのは珍しいからな、これぐらいならお安い御用だよ」

芳乃「たまにはわたくしも息抜きしたいと思いましてー」

P「なるほどな。よし、車出すぞ」

P(……ん? あの件話してる時に芳乃いたっけ?)

芳乃「あっ、シートベルトを忘れていたのでしてー」

P「おっ、危ない危ない。頼むぞ」

芳乃「はいー。もう大丈夫でしてー」

P「よし、じゃあいくかぁ」

P(まぁいいか)

【2】

P「あっ、もうこんな時間か。そろそろ芳乃を現場に連れて行かないとな」

P「……って芳乃はどこだ? とりあえず連絡を」

芳乃「お呼びでしょうかー」

P「あれ、芳乃? いつの間に来たんだ?」

芳乃「ちょうど今来たところでしてー」

P「そうか、全然気づかなかったよ。でもちょうどよかったな、そろそろ出発しようか」

芳乃「はい。準備は済ませてあるのでしてー」

P「さすが芳乃、準備がいいな!」


P「……」カタカタカタカタ

P「よし、仕事も一段落着いたし休憩するかぁ」

芳乃「そなたー、お茶を淹れたのですが、お飲みになりましてー?」

P「ああ、ありがとう。ちょうど喉が渇いてたんだ、いただくよ」


P「あ、あれ? 次の会議で使う資料が見当たらないな……」

芳乃「そなたー、このようなものが落ちていたのですがー」

P「おお! 今ちょうどこれを探していたんだ、ありがとう芳乃!」

芳乃「それはよかったのでしてー」ニコニコ

P「最近なんだか芳乃に助けられてばっかりだな」

P「……しかし芳乃はいつもいいタイミングで来てくれるな。一体どうなってるんだ?」

芳乃「そなたが必要に思ったとき、わたくしはいつでもそこにいるのでしてー」

P「うわっ芳乃! いつの間に!?」

芳乃「たまたまそなたの背中が見えたのでー」

P「そ、そうか。それで、さっきの俺が必要に思った時、っていうのはどういう意味だ? 」

芳乃「そのままの意味でしてー。わたくしはそなたの力になる為にいるのでしてー」

P「……なんかよく分からないけど、芳乃は十分俺の力になってくれてるよ。ありがとうな」

芳乃「どういたしましてー」



P「よし、今日も一日頑張ったな。明日も朝早いしそろそろ寝るかぁ」

P「ベッドにもぐって、電気を消して……」

P「……」

P(あの場は深く考えないことにしたけど、芳乃が言ってたことは結局どういう意味なんだろう……)

P(必要に思ったときそこにいる……まるで何かの哲学みたいだ)

P(でも実際困った時はいつも助けられてるなぁ。芳乃は一体何者なんだろう)

P(あの神秘的な雰囲気といい、まるで神様だ)

P(神様のような……そもそも神様ってなんだ? 概念?)

P(芳乃は概念? いや概念ってなんだ? 芳乃ってなんだ……?)

智香「あっPさん! おはようございますっ☆」

P「ああ、おはよう……」

智香「……今日は何だか顔色がよくないですけど、大丈夫ですかっ?」

P「大丈夫だ。芳乃のこと考えてたら一晩眠れなくなってな……」

智香「えっ」

芳乃「あらあらー」ニコニコ

【3】

P「友紀、真面目な顔をして何を見てるんだ?」

友紀「バスの時刻表だよー」

P「へぇ……これ九州のだな、里帰りでもするのか?」

友紀「うん、そんなとこ。この時期毎年宮崎で若手選手のリーグ戦やっててさ!」

友紀「今度の福岡ロケの後暫く休みだから、そのまま帰省ついでに見に行ってこようかなーと思って」

P「そういうことならゆっくりしてくるといい。だけど九州内での移動なら新幹線に乗ればいいんじゃないか? 開通したよな?」

友紀「……」ウツロナメ

P「えっ」

智香「Pさん、宮崎は新幹線が通ってないんです」ヒソヒソ

P「えっそうなの?」

智香「というより、通っているのが鹿児島熊本福岡ぐらいで……」

珠美「さ、佐賀も通ってますよ!」

P「九州新幹線なのに通ってない県が多いのか……」

智香「あれは九州の西側を縦に突っ切ってるだけですから……便利なのは間違いないんですけどねっ」

芳乃「実際、鹿児島から福岡に行きやすくなったことで大分佐賀長崎などの九州北部にも行きやすくなったのでしてー」

智香「ただ、宮崎は新幹線が通るところからは絶妙に遠いというか……開通しても行き辛さはそんなに変わってないと言うか」

珠美「正直なところ佐賀以上に陸の孤島です」

智香「新幹線開通で他県に行きやすくなった分、宮崎は取り残された感が……」

芳乃「鹿児島からなら距離で見ると宮崎の方が近いのですが、佐賀の方がよっぽど行きやすいのでしてー」

珠美「用事があるのかどうかは別問題ですが……」ウツロナメ

智香「あぁっ珠美ちゃんまで目からハイライトが!」

芳乃「宮崎は高速バスか飛行機ぐらいしか直接いく方法がないのでしてー」

P「同じ九州内でも大変なんだな……」

友紀「……」ウツロナメ

P「ところで、珠美が佐賀に新幹線が通ってるって言ってたけど……」

珠美「……」ウツロナメ

智香「えーっと、ハイライトが消えた珠美ちゃんの代わりに説明すると……」

亜季「お任せであります!」

珠美「ふっ福岡星人だーっ!」

P(ウチのアイドルはいつも突然湧いて出るな……)

亜季「ハイこれが福岡県の形であります!」フリップドンッ

芳乃「文字だけでは何も分からないのでしてー」

亜季「気になるお方は福岡県、形で画像検索がおすすめであります」クルッ

智香「亜季さんどこ見て喋ってるんですかっ?」

亜季「気にしてはいけないのであります」

P「……で、この小躍りするドワーフみたいな形の福岡県がどうした」

亜季「福岡の西側に隣接しているのが佐賀であります。そしてドワーフの左腕の下の脇腹の部分、ここは佐賀県になるのですが……」

P「あぁなるほど、福岡県に食い込んでる、差し込んでいる……ように見える佐賀県の一部分の上を新幹線が通っているのか」

智香「はい。その部分に一応新幹線の停まる駅はあるんですけど……」

亜季「新鳥栖駅でありますね。しかしその南北は我が福岡県の久留米駅、博多駅に囲まれているのであります」

智香「なので正直、佐賀を通ったって気はしないんですよねー……」

亜季「まぁ鳥栖は福岡の一部という風潮がありますので」

珠美「と、鳥栖は佐賀ですよ! ねぇ、智香さんも芳乃さんもそ思いますよね!?」

智香芳乃「「……」」メソラシ

珠美「ちくしょー!」ダッ

亜季「わーはっは、九州の領主福岡に歯向かうなど住民の数が100万人足りないのであります! 政令指定都市になって出直してくるであります!」

P「何の勝負だ」

P「ちなみに佐賀と福岡ってどれぐらい人口の差があるの?」

智香「ざっくり400万人ぐらいですねっ」

P「100万人じゃダメみたいですね……」

智香「実は……」

珠美「ちくしょー!」



友紀「……」ウツロナメ

芳乃「もう飛行機で行ったらよいのではー?」

友紀「でも同じ九州内なのにわざわざ飛行機に乗るのも何か微妙じゃない?」ケロッ

芳乃「気持ちはよくわかるのでしてー」

P(九州の闇は深い……)

【4】

シニタイグライニアッコガレタハァンナノミィヤコダァイトォキョォ-

P(ナガブチ……?)

智香「あっ電話私ですっ」ピッ

P「えっ」

智香「もしもしお母さん? うん、元気だよー!」

智香「えっ、Pさん?」

智香「なななな何を言ってるのぉ、せからしかねぇ! Pさんとはなぁんでもないっていつも言ってるがぁー!」(何を言ってるの、うるさいなぁ! Pさんとは何でもないっていつも言ってるでしょ!)

P「!?!?!?」

智香「ぐらしかじゃないが! そりゃ、Pさんはよかにせだけど……ってちょっと、聞ぃてるのぉ!?」(可哀想じゃないでしょ! そりゃPさんは素敵な男性だけど……ってちょっと、聞いてるの!?)

P(取り乱すと訛るのか……)

芳乃「智香さんの訛りは軽い方でしてー」

P「うわっいつの間に!?」

芳乃「そなたが必要に思ったとき、わたくしはそこにいるのでしてー」

P(どういう意味なんだ……概念めいていて神様の様でつまり芳乃は神様で概念?)

智香「用無いなら切るからねぇ! もうっ!」プツッ

智香「……あ、あははは、お見苦しい所をお見せしました」エヘヘ

P「地方の子ってすげー」

智香「えっ!?」

終わりです。
読んでくださっている方がいたのでしたらありがとうございました。
10か月ほど前に

智香「将来何になるのっ?」芳乃「こーむいーんでしてー」

というスレを立て、
「鹿児島コンビのSS増やしてください、なんでもしますから」
と言ったところ
「お前が書くんやで」
「ん?」
「今なんでもするって言ったよね?」
「じゃあ君には自分で増やしてもらおう」
と言われたので書いていたものをすっかり忘れていました。
また書いたので鹿児島コンビSS増やしてください、なんでもしますから

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