モバP「なっちゃん達のガールズトーク」 (42)

1作目 モバP「なっちゃんという同級生」(モバP「なっちゃんという同級生」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434111292/))
2作目 モバP「なっちゃんという担当アイドル」(モバP「なっちゃんという担当アイドル」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434292580/))
3作目 モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」(モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434535556/))
4作目 モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」(モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434708764/))
5作目 モバP「なっちゃんと後輩アイドル」(モバP「なっちゃんと後輩アイドル」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434898915/))

の、続きです。少なくとも1作目を読まないと登場人物の関係がよくわからないかもしれません。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436281527

とある冬の日の事務所


茄子「今思ったんですけど」

光「ん、なに?」

茄子「私、光ちゃんがスカートを穿いている姿を見たことがありません」

光「スカートは動きにくいからなあ。基本的にアタシはいつもズボンなんだ」

茄子「そうなんですか~。似合うと思うんだけどな~」

光「似合う、のか? 自分でわかってるけど、アタシあんまり女の子らしくないし」

茄子「それは光ちゃんがそう思いこんでいるだけですよ。ちゃーんと女の子らしい恰好をすれば、きっと今よりすごくかわいくなります♪」

光「うーん。じゃあ今度、制服着たまま事務所に来てみるよ。似合うかどうかはその時判断してくれ」

茄子「楽しみですね~」

茄子「いつの日か、可愛い衣装で光ちゃんと一緒にステージに立ちたいですね」

光「す、ステージで着るのはかなり恥ずかしそうだなあ……」

茄子「そんなことないですよ」

茄子「ね、菜々ちゃん♪」

菜々「その通りです。いくつになっても可愛い衣装を着れば女の子は輝けるんです」

光「へえ。年3つしか違わないけど、菜々さんは大人なこと言うなあ」

菜々「の、濃厚な人生を過ごしてきたので」

茄子「(光ちゃんが真実を知る日はいつになるんだろう)」

凛「おはようございます」ガチャ

茄子「おはようございます、凛ちゃん」

菜々「おはようございますっ」

光「おはよう!」

凛「今日もみんな元気そうだね……ふう」

茄子「そういう凛ちゃんは、どことなくお疲れのようですが……」

菜々「凛ちゃんのぶんのお茶、淹れてきますね」

凛「ありがと、菜々さん。いや、ちょっと試験勉強が煮詰まってて」

光「試験勉強?」

凛「光はもう終わったの? 2学期の期末試験」

光「アタシはもう済んだよ。いつも通りそこそこだった」

凛「そっか。いいなあ……」グッタリ

茄子「グロッキーですか」

凛「高校の試験って、中学のころと比べるとしんどいから。プロデューサーもその辺は配慮して、試験前は仕事減らしてくれてるんだけどね」

菜々「大変ですねー。はい、あったかいお茶で元気出してください」

凛「うん。ありがと」

光「そういえば、菜々さんは高校行ってないの?」

菜々「えっ? あ、あーはい、そうですね。ナナはアイドル一本に賭けてますので!」

光「そっか、すごいな。たったひとつの道を迷わず進むなんてヒーローみたいだ」

茄子「私は大学生ですから、試験は年が明けてからです。大学の試験は記述式がほとんどなのでちょっと困りますね~」

凛「選択式だと運で当てられるからってことか……」

茄子「センター試験では実力以上の結果が出せてホクホクでした♪」

光「茄子さんの運のよさは筋金入りだな!」

菜々「運も実力のうち、ということですね。まあ、茄子さんは素の学力も普通にある方ですけど」

茄子「使えるものはすべて使っていく心意気です♪ P君に教わりました」

凛「幸運に遠慮がなくなったってことだね」

凛「そういえば、プロデューサーって学生時代の成績はどうだったの?」

茄子「P君ですか? 頻繁に居眠り、時々サボりを繰り返していた人ですよ?」

光「つまりよくなかったってことか」

菜々「何度注意してもグーグー寝ているので、当時は本当に困ったちゃんでした」

光「うん? どうして17歳の菜々さんがPの高校時代の様子を知ってるんだ?」

菜々「え?」

光「え?」

菜々「………」

菜々「い、今のはナナのお姉ちゃんから聞いたお話です! 実はお姉ちゃん、数年前にウサミン星から地球に教師をやりに来ていた時があって」

菜々「だから、どこにも矛盾はありませんっ」

光「なーんだ、お姉ちゃんの話だったのか」

茄子「波平さんみたいなごまかし方ですね」ヒソヒソ

凛「自分の話を海平さんの話にすり替えるんだよね」ヒソヒソ

茄子「そんなP君が、今真面目に仕事してるのを見ると、ちょっと驚く自分がいます」

茄子「あの頃のP君と、今のP君。似ているようで、少し違う……」

凛「私達と話してる時は子どもっぽいところもあるけど、一生懸命頑張ってるよね」

茄子「学生時代は宿題も真面目にやってませんでしたから」

茄子「いつも朝の電車で頼みこんでくるんです。数学のノート写させてくれーって」

光「あ、アタシのクラスにもそういう子いる」

光「なーんか断れないんだよなあ」

茄子「そうなんですよね~。『バカじゃないですか?』って言いながらもついつい貸しちゃって」

凛「そこで貸すから向こうも調子に乗るんだよ」

菜々「先生としては、宿題は自分の力でやってほしいですね。あ、もちろんお姉ちゃんの意見ですよ」

凛「ほら、甘やかしちゃだめだってさ」

茄子「それはわかるんですけど……P君が先生に捕まると、私と遊ぶ時間が減ってしまってつまらないので♪」

凛「割と打算的な理由だった」

茄子「そのかわり、試験前にはちゃんと勉強させました」

菜々「そういえば、Pくんの成績は2年の後半からじわじわ上がってましたね」

光「勉強会とか開いたのか?」

茄子「正解です♪」

茄子「お互いの家を拠点にして、あれこれ教えてあげました」

凛「それで、プロデューサーは真面目に勉強してたの?」

茄子「勉強はしていましたけど、ちょっとふざけてましたね」

光「どんな感じで?」

茄子「突然立ち上がって仮面ライダーの変身ポーズをとったりしてました」

光「あー、それはしょうがないな」

凛「しょうがないんだ」

菜々「しょうがないんですね」

書き溜めなくなったのでひとまず中断
続きは夜が明けてからにします

ついでに言うと、このなっちゃんシリーズは今回含めてあと2回で一応区切りをつける予定です

茄子「あと、妙な語呂あわせで知識を頭に入れてましたね~」

光「語呂合わせ? それって、泣くよウグイス平安京とか?」

凛「私は泣くよ坊さんって習った」

茄子「そうそう、そういうのです」

菜々「いい国作ろう鎌倉幕府……は、もう変わっちゃったんでしたね」

凛「それで、語呂合わせのどこが妙だったの?」

茄子「やたらと下ネタを入れてきました」

菜々「下ネタですか」

茄子「たとえば本能寺の変。1582年ですが……」

光「あ、もしかして『イチゴパンツ』で覚えてたりしたのか?」

凛「ちょっと下品だけど、そのくらいならまあ」

茄子「『イこうパンツで!』とか言ってました」

凛「うん、アウト」

茄子「それと、ハロゲンの元素。F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)I(ヨウ素)、At(アスタチン)の5つですが」

茄子「ふっくらブラに愛のアタック、だそうです」

凛「うわあ」

光「??」

菜々「光ちゃんはあっちでナナと遊びましょうか」



茄子「エッチな単語を使いたがるお年頃だったんでしょうね」

凛「確かにうちのクラスにも何人かいるけどさ、女の子に向かって堂々という人は珍しいと思う」

茄子「P君にとって、私は同性の友達に近い存在なんでしょう」

ガチャ


P「ただいまーっと。お、みんな揃って……なに、その冷たい視線は」

凛「あ、エロガキプロデューサーだ」

菜々「下ネタプロデューサーさんです」

光「よくわかんないけど、Pはエッチなのか?」

茄子「きっと私は女扱いされてないんです。しくしく」

P「来て早々いきなり悪者扱いされてるのはなぜだろう」

P「あとなっちゃんは嘘泣きするんならせめて笑いながらやるのはやめよう」

夕方


凛「じゃ、またね」

光「また明日!」

菜々「お疲れ様でした!」


ガチャ、バタン


P「今日も一日終わったか」

茄子「お疲れ様です」

P「なっちゃんは帰らないの?」

茄子「P君のお仕事が終わるまで待ちます」

P「そっか。じゃあゆっくりしててくれ」

茄子「はい♪」

P「それにしても、今日はびっくりしたよ。部屋に入るなりエロガキとか言われるんだもんな」

茄子「ガールズトークの途中で、P君の昔話に話題が移っちゃいました」

P「でもまあ、確かに当時は、中途半端にシモの話題に興味を持ったエロガキだったような気がする」

P「なっちゃんにも、男友達と同じような感覚でガンガンエロワード連発してたかも」

茄子「やっぱり、あんまり女の子として見てなかったんですね」ジトー

P「はは、だな」

P「……高校時代は、だけど」

茄子「え?」

P「卒業してからそろそろ3年経つけど、なっちゃんは女らしくなったよ」

P「学生時代のなっちゃんのままなら、俺が気づかずスカウトで声をかけるわけがない」

茄子「そ、そうですか?」

P「うん」

茄子「なんだか、面と向かって言われると照れちゃいますね……」

茄子「P君も、学生のころより大人っぽくなったと思います」

茄子「スーツが似合う人になりました♪」

P「それはうれしいな」

茄子「変わっていくんですね。私も、P君も……」

茄子「………」

P「……なっちゃん?」

P「(窓から射し込む夕陽を浴びているなっちゃんの視線は、どこかを見ているようでどこも見ていないように思えた)」

P「どうかしたか」

茄子「キーボードを叩く音、止まってますよ」

P「え? あ、ああ、うん。話に夢中で手が止まってた」

茄子「ほら、頑張ってください♪」

P「そうだな」


P「(……なっちゃん、何か言おうとしてたのかな)」

茄子「あ、そうだ」

茄子「光ちゃんに薦められて、日曜朝のヒーロータイムを見たんですけど……最近の仮面ライダーは車に乗ったり車と合体したりするんですね~」

P「ドライブか。俺もたまに見るけど、声がすっごい低い役者さんがいるよな」

茄子「チェイスさんとか、あの顔であの声は驚いちゃいました♪」

P「(さっきの沈黙、追及する必要はないか)」

P「俺もちゃんと話を追ってみようかなあ」

茄子「案外ハマっちゃうかもしれないですね~」

P「(こうして他愛のない話をしていると、本当に高校の頃と何も変わりがないように思える)」

P「(けどなっちゃんの言った通り、実際はそうじゃないんだろう)」

P「(俺も周りも、時間が経てばいくらでも変わっていく)」

P「(小さな変化が積もり積もった結果、何か大きな変化が生まれることはあるのだろうか)」

P「(そんな曖昧極まりない考えが、頭の中に浮かんでいた)」

おまけ とある花屋のとあるワンシーン


光「こんにちは! うわあ、花がたくさんある!」

凛「うちは花屋だから」

光「初めて来たけど、いいお店だねっ」

凛「ありがとう。せっかくだし、何か買ってく?」

凛「これなんて光に似合うと思うけど」

光「おおっ、情熱と正義の赤! ……でも、ちょっとかわいらしすぎてアタシには合わないかも」

凛「そんなことないよ。光、かわいいし」

光「そ、そうかな」

凛「うちの経営を助けると思って、試しに買ってみない?」

光「まあ、そこまで言うなら……あ、そうそう。頼まれてたガイアのDVD、持ってきたよ」

凛「アグル。海から生まれた蒼いウルトラマン……悪くないかな」

おまけその2 とある日の事務所


菜々「完璧です」

ちひろ「はい?」

菜々「リアルJKへの取材、さらにティーンズ雑誌の入念なリサーチ。それを経て、ナナは最近のJKの流行やらなにやらをすべておさえました!」

ちひろ「それはすごいですね」

菜々「長かった、長かったです……」ウルウル

菜々「今ならどんな知識を問われても大丈夫です!」

ちひろ「へえ、そうなんですか」

菜々「そうなんです!」

ちひろ「ショムニ」

菜々「懐かしいですね! 第一シリーズが終わって、もっと見たいなーと思っていたら第二シリーズが始まって!」

ちひろ「………」

菜々「はっ!?」

ちひろ「今の知識は結構ですが、昔の知識を抜かないことには、自爆癖は治りそうにないですね……」

おまけその3 数年前の試験勉強の風景


P「疲れた」

茄子「まだ数学の勉強を始めて30分しか経っていませんよ」

P「勉強なんてやって将来なんの役に立つんだ。それがわからないのにやる気が出るはずがない」

茄子「女の子にモテます」

P「うぐっ……なかなか魅力的な言葉だな」

P「だ、だがしかし。今時は勉強ができるだけじゃモテないんだ。俺は知っているぞ」

茄子「でも勉強できないよりはできる方がモテますよ?」

P「………」


P「しゃーない、やってやるか」

茄子「(単純……)」

茄子「P君、そんなにモテたいんですか?」

P「男なんて基本はみんなそうだぞ。将来結婚できなかったらどうしようと今からたまに不安に思うんだ」

茄子「学生のうちから考えすぎでしょう」

P「そういうなっちゃんはどうなんだよ」

茄子「私ですか?」

茄子「私は……そうですね。結婚とかは考えていませんが、将来いい人と巡り合えたらいいな、くらいのことは」

P「もし巡り合えなかったら?」

茄子「その時は……困るんじゃないですか?」

P「俺も似たようなことを考えているだけだ」

P「特に女の子との出会いもないしなあ」

P「一番絡んでるのがなっちゃんだし」

茄子「私達の間に恋愛は成立しそうにないですね」

P「でも、両方30越えてまだ結婚できてなかったら、いっそのことくっつくのもありかもな」

茄子「友達感覚のまま結婚するのはどうかと思いますけど」

P「軽い冗談だって、ははっ」

茄子「P君は冗談と本気の境目がよくわからないから……」





茄子「昔話をしているうちに、そんなことがあったのを思い出した」

茄子「………」

茄子「今同じことを言われたら、私はなんて答えるんだろう」

終わりです。お付き合いいただきありがとうございました
先にも述べたとおり、このシリーズは次回で一区切りということにさせていただきます

それにしても、ここ数カ月でアホみたいな量のSSを書いた気がする……ちょっとは上達していればいいんですが

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