男「話をしよう」 後輩「はい」 (44)

男「あれは今から三十六万いや・・・いや、一万・・・・あれ、五百年前だっけ・・・」

後輩「・・・」

男「まぁいい。私にとってはつい昨日の出来事だが、君にとっても多分昨日の出来事だ」

後輩「・・・」

男「あれには七十二通りの名前があるから、なんて呼べばいいのか」

男「確か最初に会ったときは山本。あいつは最初から言うことを聞かなかった」

男「私の言うとおりにしておけばな、まぁいい奴だったよ」

後輩「・・・」


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後輩「・・・せんぱい」

男「私のサポートが心配・・・ってなに」

後輩「その話いつまで続くんですか」

男「フッ。私の話がつまらないとでも?」

後輩「そのちょっといい声出そうとして無駄に重くしている声も、話し方、仕草の全てがイラッとするんでやめてください」

男「・・・これはだな。このマンネリしてきた部活に少しでも変化をもたらすためにだな・・・」

後輩「そういうのいいです」

男「・・・」

後輩「・・・それで今日は何の話なんです?」

男「昨日、山本と買い物行ったんだけどさ」

後輩「はぁ」

男「ジャスコに新しいデザートの店が開いてて、それに興味を持った山本が俺に食べようって言ってくるんだよ」

男「俺は大して興味なかったけど、まぁ仕方が無いと思ってついてったわけ」

男「その店はシュークリームの専門店だったんだけど、メニュー見てみたらオープン記念とかで限定商品つうのがあって」

男「それがさ、○んこ入りパスタライス味シュークリームとかどっかで聞いたことある名前なのよ」

後輩「はぁ・・・」

男「普通の人は興味もつはずないじゃん。でも山本はそれ食うとか言いはじめて・・・」

男「俺は止めたんだけど・・・山本はそれ聞いても止まらなくて」

男「んで山本は食ったわけだ。結果・・・あいつはジャスコのトイレに自分のアレを吐き出す結果になった」

後輩「・・・今ので終わりですか?」

男「そうだけど?」

後輩「何かすごくどうでもいい気分になりました」

後輩「それに今はジャスコじゃなくてイオンですし、○んこ入りパスタライスとか隠しきれてないです」

男「そうだけどさ・・・でも昔の名残で言っちゃわない?ジャスコって」

男「あ、あと○のなかには『ち』とか『う』とか入らないから安心して!」

後輩「な、なに言うんですか!そんなの当たり前ですよ!」

男「うーん、やっぱ後輩はウブでいいねぇ」

後輩「うっ・・・ていうか、考えてみたら山本さんその話されてかわいそうじゃないですか?」

男「どこが?」

後輩「勝手にゲテモノ食べて嘔吐したとか言いふらされてるのはかわいそうですよ」

男「あいつは大丈夫だよ。小学校の頃着てたスクール水着がいつの間にか高校の教室の黒板に貼ってあっても泣かないメンタルの持ち主だから」

後輩「なんですかその酷い事件は」

男「ちなみにやったの俺なんだけどさー バレた時はやばかったよね。縛りつけられて一時間以上黒板のあのキーキー音聞かされるんだぜ」

男「一週間はそのトラウマが消えなかったよな・・・お前も今やってみる?」

後輩「・・・遠慮しときます」

男「まぁ、それはそうだよな・・・授業受けてるときとあと山本の顔を見た時にキーキー音がなってる気がしてさ・・・」

男「そうすると自然に鳥肌がたってきてよ・・・」

男「まぁ、俺授業ほとんど寝てるからそんなになかったけどな」

後輩「・・・はぁ」

男「・・・それっ」キー

後輩「ひゃぅ!」ビクッ

男「これ一時間も聞かされるんだぞ!分かるか!俺の苦しみ!」

後輩「わ、分かりましたから!もうしないでください!」

男「・・・ところで何の話してたっけ?あ・・・そうだ」

後輩「なんです?」

男「普通にカスタードはうまかったから安心しろよ?」

後輩「ほんとどうでもいい」

【苦手なものを教えてください】


男「なー後輩、お前苦手なもの何?」

後輩「何を企んでるんですかせんぱい。やめてくださいよそういうのに私を巻き込むのは」

男「大丈夫、お前じゃなくて山本にちょっとな」

後輩「また山本さん・・・かわいそうですよ」

男「この間の縛りつけ黒板のトラウマ音の刑あったじゃん?それ思い出したら無性に腹立ってきて仕返してやろうと思って」

後輩「そもそもせんぱいが原因なんじゃ・・・」

男「いいんだよ細けぇことは・・・んでなんかいいのない?」

後輩「私じゃなくて部長とかに聞けば良いのに・・・それに山本さんが酷い目にあうってわかってて、そんなこと言いませんよ!」

男「・・・」キィ・・・

後輩「言いますからそれやめてくださいぃ!」

男「よろしい・・・それで後輩が苦手なものって?」

後輩「今のも十分嫌ですが・・・そうですね、やっぱ虫とかですかね・・・?」

男「お前見た目にそぐわず可愛い趣味してんな」

後輩「な、それは失礼じゃないですか?私だって女ですからね!」

男「それは誰でも知ってるだろ」

後輩「そうじゃなくて!私高校入ってからその、こ、こくはくとかも何回もされてますし!」

男「そんなん自慢されても」

後輩「じ、自慢じゃないです!あくまで私の容姿が悪くないって事を伝えたかっただけで・・・」

男「それは見てれば分かるでしょ・・・あっ、シュークリーム食う?」

後輩「あっいただきます・・・んっ、これおいしいですね・・・じゃなくて!!」

男「いや、さっきの冗談だからね?そんなに怒らなくても」

後輩「言っていい冗談と悪い冗談がありますよ・・・」

男「怒りやすい・・・もしかしてお前、せいr」「ち、ちがうー!」

後輩「あーもう!私、帰ります!」

バタン!


男「・・・部長になんて言おう」

【自転車乗ってるとさ・・・黄昏ない?】


男「よぉ。先週の金曜日ぶり」

後輩「ま、回りくどい・・・こんにちは」

男「ちょっと聞いてくれよ・・・昨日、駅の近くのヴィ〇バンに用があって自転車で向かったわけなんだけど」

男「自転車漕いでるときってさ、なんか手持ち無沙汰になって頭の中で色々考えたりしない?」

後輩「確かに・・・でもそれって危なくないですか?考え事に集中して注意散漫になったりして」

男「大丈夫、それなら通りがかった女子高生のスカートに注目してる方が危ない」

後輩「・・・ホントにこの人こんなに危ない思考して大丈夫なのか・・・」

男「大丈夫、俺は普通にアブノーマルだと言うことを言われなくもない」

後輩「それってつまり・・・大丈夫じゃないってことですよね!」

男「んまぁ、そうなんだけど・・・って話が脱線したじゃないか!いい加減にしろ!」

後輩「あっ・・・ご、ごめんなさいって、私が謝る必要ないですよね!?」

男「とにかく・・・一人で自転車漕いでて思ったんだよ。青春したいって」

後輩「そうなんですか・・・ってか青春したいって、一体なにするんですか・・・」

男「カメラで写真撮りながらスライディングしたり何年かぶりにあった幼馴染のパイをタッチしたり」

後輩「なんだかとってもハイスクルな内容ですね・・・」

男「えっ、お前知ってるの」

後輩「部長の話で出てきて散々聞いたので・・・」

男「・・・まぁ、どんまい」サッ

後輩「どさくさに紛れて人の胸を触ろうとしないでください!」パシッ

男「チッ」

後輩「ほんと最低です!」

男「いいじゃん、減るもんじゃないし・・・へこむものじゃないのほうが正しい?」

後輩「それって私の胸の事を言ってます?」

男「それ以外ないだろう」

後輩「・・・せーんぱい♪、しにたいですかぁ?」ニコォ

男「・・・待て、いったん落ち着こう。俺はお前の貧乳をバカにしたわけではない。むしろだな、貧乳の素晴らしさを今から説明しようとだな・・・」

後輩「せーんぱい。貧乳貧乳うるさいですよぉ♪」ギロッ

男「うん、そうだな。なら巨乳の話をしよう。巨乳というのはな―――」

後輩「えいっ♪」

男「えっ」グサッ


「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ」

【そういえば、部長って】


男「ついに山本に復讐した」

後輩「えっ、本当にやったんですか?」

男「うん、お前のアドバイスを参考にして」

後輩「・・・虫でなにしたんですか」

男「ジャスコで買ってきたパンの中にヴィレバンで買ったGの模型を入れてな・・・」

男「それを学校で山本にプレゼントした」

後輩「うわぁ・・・先輩の人間性を疑います・・・」

男「いやぁ面白かったー 最初は喜んで照れてるんだよあいつ」

男「それでGの模型を見つけて悲鳴を上げた時なんて・・・最高にスッキリした」

後輩「最低・・・」

男「やっぱ山本はああでなくちゃな・・・」

後輩「そういえば、部長って最近来るの遅くないですか?」

男「言われてみればそうだな。現に俺とお前の二人きりだし、胸がどきどきするね」

後輩「私は先輩に襲われないか不安で胸がいっぱいです」

男「・・・お前だけは襲わないから安心しろ」

後輩「・・・?」

男「部長の話だが・・・最近ハマったゲームの登場人物に毒されたみたいで」

男「それでリーダーは最後に現れるのが鉄則ってのがあの人の中で決まったらしい」

後輩「考える間でもない残念な理由でしたね・・・それで部長は今どこに?」

男「今日ははどうかは知らんが、こないだ屋上で一人さびしくコーヒー牛乳を飲みながら時間を経つのを待ってたのを見た人がいたって」

後輩「だったら早く部室来ればいいのに・・・」

【部長だよ】


ガチャ

部長「やっほー。みんな来てるー?」

後輩「あ、こんにちは」

男「おおよそいつも通りですね」

部長「ま、仕方ないかー 最近活動って言う活動ないしねー」

男「それより、部長今までどこで時間つぶしてたんですか?」

後輩(それは私も気になる・・・)

部長 ギクッ

部長「じ、時間つぶしなんかしてないよー 部長ってさ、忙しいからやること多くて・・・」

男「最近、活動してないって自分で言ってませんでした?」

部長「・・・色々あるんだよ私には」

男「こないだ屋上で一人さびしくコーヒー牛乳をすする部長を見た人がいたらしいんですけど・・・」

男「それに言ってましたよね。リーダーは最後に現れるのがかっこいいって」

部長「・・・そうだよぉー!かっこつけて何が悪いんだぁ!男君のいじわる!」

後輩(部長すねた。かわいい)

部長「もう知らない!後輩ちゃんだけだよ私の事を分かってくれるのはぁ~」

後輩「そうですね・・・せんぱいは最低ですし」

部長「うん、最低」

男「すいません、部長が頑張ってるのを聞いてちょっとかわいそうだなって思って言っただけですから」

部長「なおさらひどいよ!」

【一体何をするんですか・・・】


後輩「そういえば部長、聞きたいことがあるんですけど・・・」

部長「ん?なに?」

後輩「そもそもこの部活はなにする部活でしたっけ?」

部長「そりゃあ、文芸部だから小説読んだり、年に何回か部活で本作ったりとか?」

後輩「そうですよね・・・そうなんですよね」



後輩「じゃあ、なんで部長とせんぱいは今wiiで卓球してるんですか・・・」

男「あっ、サーブミスった」

部長「やりぃ!これで私が一点リードだね!」

後輩「話聞いてない・・・」

部長「聞いてるよ~ ほら、本ばっかり読んでても体なまっちゃうからね。たまには体を動かさないと!」

後輩「活動日いつもwiiしてるの気のせいですか・・・」

部長「気のせい気のせい。モーマンタイ」

男「モーマンタイ。なんかエロイですねっ!部長もう一回!」

部長「モーマンタイ!」

後輩「アホなことやってる場合じゃないですよ!・・・ほかに何してるんですか・・・」

部長「んーたまに日帰りで旅行することもあるよ」

後輩「なんで文芸部なのに旅行を・・・」

部長「話を書くのに経験とか大事じゃない?それで経験を積みに行こうって感じで」

男「去年の山の時はやばかったですね」

部長「そうだねーまさか松茸狩りをしてる時に熊が出るなんてね」

男「まさか本当に死んだフリが通じるとは思いませんでしたよ」

部長「あのときはひやひやしたねー藤川君は噛まれてたけど」

後輩「ふ、ふじかわくんーーーーーー!!」

【大丈夫なんですか】


後輩「それに藤川君って私初めて聞きましたよ・・・そもそも、文芸部って部員何人いるんですか?」

部長「何人だっけ」

男「何人でしたっけ」

後輩「覚えてないのかよ」

部長「えっと・・・藤川君に久保田さんに・・・あとはジェフ?」

後輩「それただのJFKですよ」

部長「あっ・・・思い出した、ミズキちゃんだ。これで全部だから・・・私たち六人だね」

後輩(ジェフにされてたミズキさん・・・)

男「廃部寸前でしたもんね、文芸部」

部長「そうだねー 後輩ちゃんと久保田さんが入ってくれて本当に良かった」

男「これも部長の人徳あってのことですよね」

部長「フフーン。そうでしょー?」

男「まぁ、本当に人徳あったら今頃みんな部活来てますけどね」

部長「ウワーン!男君がいじめてくるよぉ!」

後輩(部長かわいい)

後輩「・・・ん?」

後輩「私と久保田さんが入ったって・・・もしかして久保田さんって一年生ですか?」

部長「そうだけど・・・覚えてなかったの?」

後輩「えっ、いましたっけ・・・」

男「お前も覚えてねぇじゃねぇか」

後輩「・・・ゴホン」

部長「まぁ、忘れるのも無理ないよ~みんな来てないからね~」

部長「そうだ!久しぶりに定期集会やろうか」

後輩「なんですかそれは」

部長「年に何回かあるイベントで何をやるか話し合う集会かな~体育祭も近いし」

男「その時は全員強制参加だから、全員の顔を拝むことができるぞ」

部長「よし、そうなれば事は急げだ!男君連絡よろしく!」

男「らじゃー」

後輩「おぉ・・・久しぶりに活動してる所を見られそう」

【えっ、山本さんって】


「ちょっと、男!アンタまた私の体育着取ってったでしょ!」

男「げっ、なんでバレたし」

「そりゃあ鞄の中から消えてればそうだと思うでしょ・・・それにそんなことすんのアンタしかいないし」

男「うるせー文句なら女子の体操服をブルマにした学校に言え!」

「そんなこと言ってないで早く返してよ!」

後輩「・・・あのーせんぱい、この人は」

男「・・・えっ?お前知らないの?」

後輩「知らないですよ・・・」

男「いっつも話してるじゃん」

「いったい何を話してるのよ・・・」

後輩「いつも話してるって・・・えっ、まさか」

男「山本だよ。見た事なかったっけ?」

山本「え、あ、山本です・・・」

後輩「えっ・・・」

後輩「山本さんって女の人だったんですかっーーー!!」

山本「何でそんなに驚いてるの」

【どうなったらそうなるのよ】


男「そりゃあそうだろ。会った事無いし」

後輩「山本さん・・・いつもせんぱいに苦労してるんですね・・・でもがんばりましょうね。こんな人に挫けずに」

山本「ええ、そうね・・・」

山本「ちょっと、私の事どういう風に言ってたわけ・・・」ボソッ

男「いやぁ、これまであった出来事はほぼ・・・」

山本「アンタ後で覚えてなさいよ・・・」

男「お前こそ後で覚えてろよ」

山本「え?私何かしたっけ?」アセアセ

男「何もしてないけど」

山本「・・・」ギリギリ

男「HAHAHAHA」

後輩「・・・」

後輩「それで山本さんはなぜここに?」

山本「今日って定期集会じゃないの?」

後輩「そうですけど・・・えっ」

男「言い忘れてたけど山本は文芸部員な」

後輩「山本さんって文芸部員だったんですかーーーーーーーー!!」

山本「あ、うん・・・」

【名前で呼んでもいいですか】


後輩「もしかしてミズキさんだったりしますか?」

山本「うん、ミズキだけど」

男「この間部長にジェフと間違えられてたぞ」

山本「なんで私の事を勝手に外国人にしてんだ、あの人は」

後輩「あ、あのっ・・・」

山本「ん?なに?」

後輩「その、名前で呼んでもいいですか・・・?」

山本「全然いいよ。むしろそっちの方がいいかな」

後輩「じゃ、じゃあ・・・」

山本「・・・」ドキドキ


後輩「・・・ウィリアムズさん!」


山本「そっち!?」

【部活に来なかったわけ】


後輩「ご、ごめんなさい・・・じゃあ、もう一回・・・」

山本「う、うん・・・」

男「なんでこんなに緊張感持たせてるの」

後輩「・・・ミズキ、さん」ウワメヅカイ

山本「え、かわいい・・・」

後輩「ちょっと恥ずかしいですけど・・・なんででしょうね・・・エヘヘ」

山本「・・・決めた。私この子の為に部活来る」

男「随分とまぁ思い切ったこと言いますね」

山本「だってこんなに可愛い後輩いるのに部活行かない理由ないでしょ!ね、後輩ちゃん」

後輩「か、可愛いなんて・・・」カァァ

山本「もう抱きしめたい」ギュウウウ

男「それ抱きしめてるからね」

後輩「そういえば・・・なんでミズキさんは部活に来なかったんですか?」

山本「それは・・・なんでだっけ」


男「俺に部内wii対決で、負けたら何でも言うことを聞くってやつでお前が負けたからだろうが」

山本「そうだっけ・・・あ、そうだ。アンタに三ヶ月部活参加禁止って言われたんだっけ」

男「そうそう・・・実はあれ冗談だったんだけど」

山本「えっ」

男「ホントはジュース三本って言おうとしたらお前その前に泣きながら部室出て行ったから」

山本「なんなら早く言ってくれればいいのに・・・」

男「いや、それはそれで面白いかなと」

山本「・・・それで私は三ヶ月間を・・・」

後輩「ミズキさん・・・」

【・・・】


ガチャ


「・・・こんにちは」

男「お、来たな・・・久しぶりだな久保田」

久保田「・・・お久しぶりです」

山本「この子も新入部員?」

男「そうだよ。久保田って言うんだ」

山本「そうなんだ・・・よろしくね」

久保田「・・・」ペコリ

後輩「あ、久保田さん・・・私同じ学年の後輩です。よろしく」

久保田「・・・」ボソッ

後輩「え、なになに」

久保田「男さん狙おうとしたらぶっ[ピーーー]」ボソッ

後輩「あらやだこの子怖い」

あらやだsaga付け忘れちゃった

【なぜ私は】


久保田「・・・男さん」

男「ん、なんだ」

久保田「なぜ私は部活に呼ばれなかったのでしょうか・・・」

男「呼ぶも何も、うちの部活は参加自由だろ」

久保田「でも・・・最初のうちは毎回迎えに・・・」

男「そうでもしないとお前入部しそうになかったからな」

男「廃部を阻止するために必要だったんだよ」

久保田「じゃあ、そこの人は・・・」

男「そいつは・・・色々あったからな」

久保田「いろいろ・・・?」

後輩「え?わたし?ってまぁ、そうですね・・・色々あったといえばありましたね・・・」

久保田「・・・やはりあなたは邪魔」ギラッ

後輩「もうやだこの子こわい」

【あいつは・・・いい奴だったよ・・・】


ガチャ

部長「やーやー!皆の衆集まってるかね!」

後輩「藤川さんだけ来てませんね・・・」

男「いや、あいつは今日止むに止まれぬ事情があって来れない」

山本「藤川君、部活に顔出してると思ってたけど・・・出てないの?」

後輩「少なくとも私は一度も見たことがないです」

久保田「・・・わたしも」

部長「ところで、その止むに止まれぬ事情って?」

男「藤川は・・・まぁ、あいつはなぁ・・・」

男「この部室に向かう途中に何かしら怪我をして、ここまで来るのが不可能になる体質なんだよ」

後輩「なんですかその体質・・・むしろ、呪いですよ」

男「いやね、一緒に部室向かってると何故かあいつだけが被害を受けるんだよ」

男「廊下を歩けばどこかしらあいつにだけ野球のボールが飛んできたり、卓球のラケットが頭に直撃したり、しまいには足にボーリングの玉が転がってきた」

男「だから今まで部室に来るのを諦めたんだけど・・・ついに今日、挑戦することにしたんだよ。部室への道のりに」

後輩 部長「「おぉ!」」

山本「そこ盛り上がり所なの」

男「けどな・・・昼休みにクラスメイトの横を通りかかった時に偶然な・・・」

男「そのクラスメイトの机に置いてあったパックのミルクティーが転倒して床にこぼれて」

男「それに滑って転んで、後頭部ぶつけて数秒間気絶したんだよ」

後輩「ふ、ふじかわさん・・・」

男「それだけならいいんだけど、その転倒した時の目線の先が女子のスカートの中で・・・」

男「目を覚ましたと時に藤川の目に映ったのはその女子のパンツだった」

男「それでその女子に変態扱いされた藤川は今指導室でこってり絞られてる」

後輩 部長 山本「「「ふじかわっーーーーーーー!!」」」

男「まぁ、あいつは・・・いいやつだったよ・・・」

男(あとでパンツの柄教えてもらおう)

久保田「・・・アホだ」ボソッ

【それでは話し合いを始めましょう】


部長「じゃあ・・・気を取り直して、はじめるよー!」

男「今日は何を話すんでしたっけ? 好きなパンツの柄?それなら俺は白のレース…」

後輩(うわぁ・・・やっぱり最低だこの人)

久保田(・・・後で買いにいこう)

山本(既に知っていたなんて言えない・・・)

山本「い、今話すことじゃないでしょそれは!今日は体育祭での私達の活動についてですよね!」

部長「そうだよー 部活対抗リレーで誰が走って何をバトンにするかだね」

後輩「走る人を決めるのはともかく・・・バトンは例年どおりでいいんじゃないですか?」

部長「今まで使ってた特大鉛筆がね・・・去年男君が大破しちゃって」

男「てへぺろ」

後輩「誤魔化しても可愛くないですよ」

久保田「・・・かっこいい」ボソッ

部長「それで今年は何を使おうかって・・・何か案はないかな?」

山本「本とかでいいと思いますけど」

男「それは面白みに欠ける、その小さい脳みそ使ってもっと考えろ」

山本「ぐぬぬぬ」

後輩「なら・・・特大の本を作るのはどうでしょう!」

部長「体育祭は今週の週末だからそれはきついかな」

後輩「あっ・・・」


【・・・ちょっといいですか】

久保田「・・・あの」

部長「ん、どうしたの?」

久保田「藤川さんは・・・走るのですか?」

部長「そりゃあ、貴重な男手だもんね。そこはばっちし働いてもらうよ」

久保田「・・・なんとなくあの人が出たら危ない予感がするのは気のせいでしょうか・・・」

後輩「言われてみれば・・・藤川さんの不幸体質が体育祭でも作用したら・・・」

男「そういえば去年も藤川、大変な目に遭ってたな」

山本「たしか、スタートを鳴らすピストルが不具合で何故かわからないけど藤川君の方に火薬が飛んでたったのよね」

後輩「藤川さん・・・」

男「今年は何が起こるかわからないからな・・・」

部長「じゃあ、藤川君はナシで!」

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