【咲‐saki‐SS】 照「妹の記憶」 (65)

咲‐saki‐のSS。初投稿です。

誤字や矛盾点、駄文は大目に見てください。

独自解釈やオリジナル設定、キャラ崩壊注意かもです。

オリジナルキャラではありませんが、原作102局と104局(アニメでは全国編13話)で咲の回想で登場した少女が登場します。
世間的にみなもちゃんと呼ばれてるのでそのまま使いました。

初めてなので適した書き込みペースというのは分かりませんが、のんびり投下していきたいと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436019054

照「ツモ!断么ドラドラ!1000、2000!」

みなも「あー! また上がられちゃった」

咲「照お姉ちゃんまた1位かー」

照「でも最近二人ともメキメキ上手くなるし、私も頑張らないと二人に抜かれちゃうかもね」

咲「いやいやいや!」

みなも「まだまだ無理だってー」

咲「でもいつかは追いついて見せるからね!」

みなも「咲はまだ私にも勝てないのに調子良いこと言っちゃってー」

咲「今日は照お姉ちゃんのツモアガリの時親だっただけでみなもお姉ちゃんには負けてないよ!」

みなも「点数という具体的な数字があるのになに言ってるんだか」ニヤニヤ

咲「なんだってー」ムカムカ

照「二人とも喧嘩はy」

みなも、咲「「照(お姉ちゃん)は黙ってて!」」

照「」

みなも「ねえ、照……」

照「ん? どうしたの?」

みなも「最近の麻雀打ってる時の咲の様子、何か変じゃない?」

照「うーん、 最近すごく強くなったなとは感じるけど、おかしくはない気がするけど……」

みなも「そっか……」

みなも「なんかアガる時まるで別人のようなオーラを感じるというか、雰囲気が怖いんだよ」

照「私は特に気にならなかったけどちょっと咲を注意して見てみるよ」

みなも「うん…… 感覚的なことだからあまり気にしすぎないでね」

照「わかった」

京太郎を奪い合うのか

みなも「よーし! 今日も頑張るぞー!」

咲「そうだね! 私も頑張るよ!」

照(いつもの元気な咲だな…… 特に変な雰囲気は感じない)

照「ロン! 東対々ドラ1!8000!」

みなも「えー! 中地獄単騎ってありかよー!」

照「絶対出ると思った」ニコニコ

咲「いやらしい待ちだね……」

照「いやらしいってなんだ!」

みなも「アハハハ!」

>>4のようなレスにはネタバレを好まない人のためにも反応せず黙々とSSを投下すればいいですか?

咲「次は私の番だね!」

咲(親番だしアガっときたいな……)ゴ

照「!?」

咲「カン!」ゴゴ

照(なんだこの感じ……)

咲「ツモ!嶺上ツモ白ドラ1!4000オール!」ゴゴゴ

照(確かに不気味なオーラを感じる……)

作者というのは作品を見せることが目的なんだから基本沈黙してるのがいい
無駄なことを言って作品を台無しにするほうが多いから

咲「いっぽんば〜」

咲(今のは大きかったしあとはのんびりで良いかな)

咲「ポン!」

照「」ビクッ

照(ビックリした……)

照(だけどさっきまでの威圧感は感じられない。どうなってるんだ? )

照「ロン!平和のみ1000点!」

……

みなも「ツモ!リーズモ!裏が無しで500、1000!」

みなも「いえーい!! 今日は私が1位だよー!!」

咲「ああーまた負けちゃった」

みなも「咲が私に追いつくのにはあと100年はかかるよ」

咲「東場の前半はボロボロだったくせに」

みなも「なんだとー」

ワイワイガヤガヤ

>>8
承知しました
黙って投下を続けます

照(おかしい……)

照(この対局は違和感しかなかった…… 十中八九咲がなんかしたに違いないのだが……)

照「みなも、ちょっと牌譜見せて」

みなも「はいよー」

照(この東4局の4萬切り……わざわざ断么を捨てるような食い変え……)

照(他にも不可解な切り方が多い……何故だ……)

照(うーん……)

照(ん?)

照(これは!?)

照「なあ咲……」

咲「どうしたの? 照お姉ちゃん」

照「次は本気で勝つ麻雀を打ってくれないか?」

咲「え!?」ビクッ

咲「そんな…… 私はいつでも本気だよ」オロオロ

みなも「そーだよ照ー!」

みなも「咲がどんなに頑張ったって私には追いつけないの!」

みなも「私の下で精々頑張ってねー!」

咲「…」プッツン

照「おい!みなもいいk」

咲「いいよ……」

照、みなも「え?」

咲「ボクの本気の麻雀見せてあげるよ……」

照(ボク?咲の一人称が変わってる……)

5日の昼ごろまた投下します。
おやすみなさい。

おはようございます。
3時ごろまでのんびり投下したいと思います。

咲「ツモ!リーチ一発ツモ混一チートイドラドラ!8000オールの4本場は8400オール!」

みなも「」

照(なんだこれ…… 手も足も出ないまま東場でみなもが飛んで終わり……)

みなも「なあ…… お前は誰なんだ?」

咲「ボクの名前は宮永サキ!楽しい麻雀が大好きなんだ!」

みなも「うるさい!」バシッ

咲「痛っ……」

みなも「もう帰る!」

照「おい……みなも……」

バタン

照「咲!?」

照「どうした咲!なんで倒れてるんだ!」

照「早く救急車!!」

照「医者が言うにはただの貧血だって……」

照「からだの異常は何もないからすぐに目を覚ますらしい……」

みなも「そっか……」

みなも「……」

みなも「私もう咲のお姉ちゃんでいられる自信がないよ」

みなも「怖いんだ…… 咲が怖いんだ」ポロポロ

みなも「今日のあれは誰なんだ?」ボロボロ

みなも『咲は本当に私たちの妹なのか?』

バシンッ

照「いくら私でも怒るぞ!」

照「ずっと一緒に過ごしてきたじゃないか!!」

照「私たち姉妹の絆はそんな事で壊れてしまうものなのか?」

みなも「……」

みなも「ごめん…… 家で頭冷やしてくる……」

みなも「また来るよ……」

照「気をつけて帰れよ」

咲「……」

次の日

咲「おはよう照お姉ちゃん!」

照「ああ…… 」

咲「心配かけてごめんね、もう元気になったから安心してよ!」

照「ああ……」

咲「あれ? みなもお姉ちゃんは今日はいないの?」

照「……」

咲「どうして黙ってるの? なんかあった?」

照「……」

咲「もう!黙ってたらなんもわからないって!」

咲「そういえばなんで真っ黒な服着てるの?」

照「……」

咲「どうして目を合わせて話してくれないの?」

照「咲…… みなもは……」

咲「嘘だ……」

咲「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ」

照「咲!!落ち着いて!!」

咲「私のせいだ……私があんなことしたから……」

咲「私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ」

照「咲!! 咲!!」

咲「あああああああああああああああ」

照「咲!!咲ーーーーー!!」

………

……

宮永母「本当に行くの?」

照「うん」

照「みなもに関する記憶を失った咲の近くに私はいるべきではない」

照「辛い記憶は戻らない方がいい」

宮永母「あなたは辛くないの?」

照「辛いよ…… 咲のそばを離れるなんで心配で心配で胸が張り裂けそうだ!」

照「でもこれはすべて咲のため! そのためにはこうするしかないんだ!」

宮永母「そう…… 泣きたくなったらいつでもお母さんを頼っていいのよ」

照「うん」

そして私は東京へ行き、白糸台高校へ入学した。

時は進みインターハイ団体戦決勝大将戦前
白糸台控え室の隣の部屋

照(白糸台に来たのも、きつく当たったのも、妹はいないって言ったのも全ては咲の記憶を呼び戻さないため)

照(しかし咲は私を追いかけてここまで来てしまった)

照(まだ咲は普通だが非常に不安だ……)

照(淡はみなもにかなり似ている)

照(記憶を呼び覚ます引き金にならなければいいんだが……)

淡「ロン! リーチ七対子ドラドラ! 8000!」

淡(宮永咲ってテルーの妹じゃなかったっけ? なんでこんな弱いの?)

淡「おい! 清澄の大将!」

咲「はっ…… はい」

淡『お前は本当にテルーの妹なのか?』

咲「……」

咲「うるさい!」

淡「」

??(咲は本当にテルーの妹なのか?)

咲(なにこれ? 初めて見る映像 あなたは誰なの?)

??(咲は本当に私たちの妹なのか?)

咲(何なのよこれ! 私が記憶を失ってたとでも言うの?)
みなも『咲は本当に私たちの妹なのか?』

咲(あっ…)

咲(ああああああああああああああああ)

咲(思い出した…… なにもかも……)

咲(……)

咲(もういい…… おやすみ……)

咲(こういう時はボクの出番かな?)

咲(とりあえず照お姉ちゃんと話をしないと)

咲「おはよう!淡ちゃん」

咲「さっきまで負抜けた麻雀打ってごめんね! 次からは本気で打つから!」ゴゴゴゴゴゴ

淡「!?」

淡(なにこの尋常じゃないオーラは! まるで別人じゃない!)

咲「ロン!メンタンピン三色ドラ1!18000!」

咲「ツモ!ツモチートイドラドラ!4000オールの1本場は4100!」

咲「ロン!混一ダブ東中!12000の2本場は12600!」

咲「ツモ!大四喜!16000オールの3本場は16300!」

咲「ロン!清一のみ!12000の4本場は13200!」

咲「ツモ!ツモ三暗子ドラ3!6000オールの5本場は6500オール!」

咲「ロン!清老頭!48000の6本場は49800!」

咲「ツモ!リーチ一発ツモジュンチャン三色一盃口ドラドラ!8000オールの7本場は8700オール」

咲「これで終わりだな! ツモ! 天和! 16000オールの8本場は16800!」

淡「」

アナウンサー「なんということでしょう! 12万点所持していた白糸台高校が清澄高校大将宮永咲の親番だけですべて吐き出し飛び終了で決着―――!!」

いろいろあって個人戦決勝

※長野県大会とは違い予選での上位入賞者がトーナメント形式で半荘2回戦い上位2名の勝ち上がりという方式をイメージしてます

咲「お久しぶりです照お姉ちゃん」

照「照お姉ちゃんと呼ぶってことは思い出したんだな……」

咲「うん…… 正確には思い出したのはボクじゃなくて表の咲」

咲「ボクは記憶と一緒に呼び出されただけ」

照「そっか…… 一つ質問いいかな?」

咲「ボクが答えられる範囲でなら」

照「咲は何を望んでいる?」

咲「うーん…… 話すとちょっと難しいけど、一言で説明すると咲はお姉ちゃんがそばにいることを望んでいる」

咲「咲はまた同じようにお姉ちゃんを怖がらせて、自信を奪い、自分の前から消してしまうのではないかと恐怖している」

照「まるで私が負けるのが決まってるみたいな言い方だな」

咲「ごめんなさい…… そしてこれはボクからのお願いだ」

咲「ボクに勝って強いお姉ちゃんとして咲を救ってやってくれ」

咲「咲はお姉ちゃんはいつでも強くてかっこいい存在であって欲しいと思ってる」

照「そっか……」

照「任せろ咲…… お姉ちゃんが絶対助けるから!」

咲「ああ…… ありがとう!」

咲「だがボクは手を抜かない! すぐに咲にバレてしまうからな…… それでは心を開いてくれないだろう」

咲「全力で挑ませていただく!」

照「望むところだ!」

アナウンサー「全国高等学校麻雀選手権大会個人戦決勝! 間も無くスタートです!」

※残り二人のメンバーは荒川憩、辻垣内智葉でイメージしてますがほぼ登場しません
大変申し訳ない

対局ルール
全員0点からスタート点数が多い人が勝ち
飛びなしの半荘2回
人和ダブル役満八連荘は無し
ダブロントリロン無しの頭ハネ方式
点数がどんなに減っていてもリーチ出来る


東1局0本場
東:咲 南:照 西:智葉 北:憩

照(まずは見に徹する)

照(咲は団体戦決勝後半で嶺上開花を一度も使わなかった)

照(王牌の支配力と場全体の支配力を見たい……)

咲(とか考えてるんだろうけどそうはいかない! ここはとにかく自分を見せないことに徹する)

咲(親流しちゃうのはちょっともったいないかなー)

咲、照「テンパイ」 憩、智葉「ノーテン」

咲:+1500
照:+1500
憩:-1500
智葉:-1500

しばらく席外します。
夕方から夜に帰ってきて続きを投下します。

戻りましたー
続けます

東2局1本場
東:照 南:智葉 西:憩 北:咲

照(うーん、咲の体に霧がかかってるような感じで全く見えなかった)

照(情報無しだが仕方ない親だし速度重視でアガリを目指そう)

咲「ツモ!ツモ断么!500、1000の一本場は600、1100」

照(速い! しかも親流された……)

咲:+3800
照:+400
憩:-2100
智葉:-2100

東3局0本場
東:智葉 南:憩 西:咲 北:照

照(結構急いだつもりだったが咲にアガられてしまった……)

照(もう全力で最初の13枚の牌を支配するしかない!)ゴゴゴ

照「ロン! 人和は無しでしたね。 平和のみ1000点!」

咲「……」

咲:+3800
照:+1400
憩:-3100
智葉:-2100

東4局0本場

東:憩 南:咲 西:照 北:智葉

照(今回もとにかく速度重視!)

照「リーチ!」

……

照「ロン!ダブリーのみ!2000点!」

咲「へえ……」

咲「照お姉ちゃんなかなか速いね!」

咲「じゃあちょっとした小技をお披露目するよ」

照(簡単に対応できるみたいな言い方だな……)

南1局0本場

東:咲 南:照 西:智葉 北:憩

照(次は3翻…… この縛りは支配力を発揮するために必要なことだがシビアな戦いだと重い足かせになりそうだな……)

照(阿知賀の松実玄のようにルールに背くと支配力がほぼ0になる。 縛り無しで支配力を発揮できる咲が羨ましいよ……)

照「リーチ!」

照(嵌張待ちはあまり好きじゃないが咲はどう仕掛けてくる?)

咲「……」ゴゴゴ

咲「カン!」

照「!?」

照(私の当たり牌を暗槓で完全に潰された!)

咲「照お姉ちゃんツモ切りマシーンになっちゃったね」ニコニコ

照「!?」

照(完全に分かってこれをやってるのか!)

咲「ロン!一盃口ドラ1!4800!」

照(そして当たり牌を掴むか……)

咲:+7600
照:-2400
憩:-3100
智葉:-2100

南1局1本場

照(安易なリーチは出来ないけどダマで作ればいいだけなんだがそんな簡単な話じゃないだろう)

……

照(これで1-4萬の両面待ちテンパイ…… 咲はどう動く?)

咲「……」ニコニコ

照「!」ゾクッ

咲「カン!」

咲「もう一個カン!」

照(8つの当たり牌全部を一瞬で潰された! しかも咲から清一の臭いがする…… この腐った2萬3萬は切れない……)

咲「ツモ! 清一三暗刻!6000オールの一本場は6100オール!」

照(2萬3萬のシャボ待ちだと! 暗槓で当たり牌潰してそこから浮き出る牌は当たりか…… なんとかしないとまずいな……)


咲「照お姉ちゃんあれ使わなくていいの?」

照「ああそうだな……」

照(あれは確かに場の支配に対しては強いが体力を使う…… 後半戦に温存したかったがそうも言ってられないか……)

咲:+25900
照:-8500
憩:-9200
智葉:-8200

南1局2本場

ギギギ……

……

ギギギ……

ガチャ……

咲「!」

咲「照お姉ちゃん扉を開けたんだ!」

……

照「ロン!混一小三元白中!12000の2本場で12600!」

咲「!」

咲「地獄単騎か……」

照(よし! こっちが支配してる!)

咲:+13300
照:+4100
憩:-9200
智葉:-8200

南2局0本場

東:照 南:智葉 西:憩 北:咲

ペラペラ

照(次はこれにしよう)

パタン

咲「……」

……

照「ツモ!ダブリー一発ツモドラ1!4000オール!」

咲「……」

咲「なるほどね」

照「!」

咲「そっちの次元に立たれたら場をどれだけ支配しようと無意味だな」

咲「場の支配の一つ上の次元…… 運命の支配か……」

咲「照お姉ちゃんの能力は過去の対局の再現。 配牌から引く牌捨て牌まで照お姉ちゃんが過去に経験した対局がそのまま繰り返される。」

咲「イメージとしては自分の経験した対局を本にして図書館に保存してるって感じか…… 照お姉ちゃん昔から本好きだったもんね」

照「……」

咲「でもね……」ゴゴゴ

照「!」ゾクッ

咲「その次元の支配は照お姉ちゃんだけのものじゃないんだよ」

咲:+9300
照:+16100
憩:-13200
智葉:-12200

南2局1本場

照(この局は注意しないとな…… 安易なリーチはせず単騎待ちかシャボ待ちで)

照(まあやることは変わらないんだけど)

……

照「!?」

照(ここでアガリ牌を掴むはずだったのに! 私のアガリ牌はどこへ?)

照(私が単騎で待ってたこの牌そして今引いたこの牌も生牌ということは咲が暗子で持っててカンされるかもしれない!)

照(降りるしかないか……)

咲「テンパイ」 照、憩、智葉「ノーテン」

照(やっぱり!)

咲「照お姉ちゃんよく気づいたね! それ切ってたら嶺上でアガってたよ!」ニコニコ

咲:+12300
照:+15100
憩:-14200
智葉:-13200

南3局2本場

東:智葉 南:憩 西: 咲 北:照


照(アガれなかったってことは咲の支配力の方が上かそれともアガる瞬間をピンポイントで強く支配されたか……)

咲「照お姉ちゃんもしかしてピンポイントで狙われたとか思ってない?」

照「!」

咲「じゃあ次はちょっとしたサプライズを演出するよ! 支配力のレベルの違いを見せるためにね」ニコニコ

照(何をする気だ……)

照「!?」

照「なんだこれ……」

照(国士無双13面テンパイ…… 咲は何を考えてる……)

………

……



咲、照、智葉、憩「テンパイ」

照(全員国士無双13面テンパイだと!)

照(しかも私の支配が完全に無意味になってる……)

照(これではダメだ! 咲のように縛りなく支配力を使えるようになればいいのだがそんなことができるのか?)

南4局3本場

東:憩 南:咲 西:照 北:智葉

照(私の支配力をヤオ九牌1枚に集中させてツモる!)

照「!?」

照(嘘……)

咲「どうしたの? 照お姉ちゃん」ニコニコ

照(一枚足りない…… まさか!)

咲「照お姉ちゃんが欲しかったのはこの1筒かな?」

咲「ツモ!国士無双!16000、8000の3本場は16300、8300!」

咲「ダメだよ変なことしちゃー」

照(他のところの支配を緩めたらこれか……)

アナウンサー「前半戦終了ー!」

咲:+45200
照:+6800
憩:-30500
智葉:-21500

前後半間の休憩時間

照(前半戦の咲は守備的で体力を温存するような打ち方だった……)

照(後半戦は攻めてくるに違いない……)

照(圧倒的な支配力の差を見せられた私に何ができる?)

照(いやいや弱気になっちゃだめだ! 咲のために全力を尽くすしかない!)

アナウンサー「全国1万人頂点を決める最後の半荘が間も無く始まります!」

……

咲「最後の半荘だね照お姉ちゃん……」

照「ああそうだな」

咲「今までは守備的立ち回りだったけど今度は攻めさせてもらうよ!」

照(やっぱりそう来るか)

咲「照お姉ちゃんも頑張ってね!」

東1局0本場

東:憩 南:咲 西:智葉 北:照

照(配牌は普通だな……)

照(攻めると言ってたが一体どんな戦い方をするもだろう?)

咲「ツモ!ツモ一通ドラドラ!2000、4000!」

照(やっぱ速い! でも嶺上開花を使わないのはなぜなんだろう?)

咲:+53200
照:+4800
憩:-34500
智葉:-23500

咲「照お姉ちゃんはなぜ嶺上開花を使わないんだって疑問に思ってるでしょ?」

照「!?」

咲「特別におしえてあげる!」

照「!」ゾクッ

咲「実は私は嶺上牌を特別に強く支配できるわけでは無いんだ……」

咲「特別な思いだけで支配が強くなるなんてそんなのありえないよ」ニコニコ

照「つまりどういうことだ?」

咲「私は嶺上牌を支配してるのではなく、あまりにも強すぎる全体の支配力を嶺上牌の中に隠してただけなんだ」

咲「私の能力の本質は変幻自在…… 支配力を思い通りに配分して思い通りにアガるって感じ」

咲「もっと正確に言うと私が指定した点数という未来に向かって敷かれたレールに沿って麻雀が進む」

咲「他家がどんなに場を支配しようと私の決めた点数に収束する……」

照「……」

咲「私の決めた未来と照お姉ちゃんが望む未来…… どっちが強いかの勝負だよ!」

東2局0本場

東:咲 南:智葉 西:照 北:憩

咲「ツモ!ツモ混老七対子!4000オール!」

照(咲の親番は速攻流したいのに手が全然進まない……)

照(咲が言った通りいろんな手でアガってくる……)

照(特徴が無い分弱点も無い…… シンプルが故に最強なんだ)

咲:+65200
照:+800
憩:-38500
智葉:-27500


東2局1本場

咲「ロン!ダブ東發ドラ1!12000の1本場は12300!」

照(私が振り込んだわけでは無いが咲の親番が終わらないぞ)

照(仕方ないこの本を使うしかない! だけどこれだと……)

咲:+77500
照:+800
憩:-38500
智葉:-39800

東2局2本場

照「……」ゴゴゴゴゴゴ

咲「照お姉ちゃん何かしたね!」

照「ああ……」

照「ツモ!」

咲「は?」

照「地和!16000、8000の2本場は16200、8200!」

咲「あーなるほど!」

咲「その地和というか対局は照お姉ちゃん以外の人の特別な思いが込められてるね!」

咲「ちょっと油断したから2人分の支配力で主導権取られちゃった」

咲「だけどね……」ゴゴゴ

照「!」

咲「そもそも特別な対局なんていくつもあるわけ無いし、照お姉ちゃん今のアガりで結構体力使ったでしょ?」

咲「南場までもつかな?」ニコニコ

咲:+61300
照:+33400
憩:-46700
智葉:-48000

東3局0本場

東:智葉 南:照 西:憩 北:咲

咲「さっきの地和には驚いたけど……」

咲「それは根本的な解決になって無いよね」

照(そうだ…… 咲の支配をどうにかしないと何も変わらない……)

咲「……」ゴゴゴゴゴゴ

照「!?」

咲「さっきのお返しだよ」ニコニコ

咲「ツモ!地和!16000、8000!」

咲「照お姉ちゃん気抜いちゃダメだよ!それとももう体力なくなっちゃった? 」

照(支配が緩むとこれか……)

咲:+93300
照:+25400
憩:-54700
智葉:-64000

東4局0本場

東:照 南:憩 西:咲 北:智葉

照(目眩がする…… まるで園城寺さんみたいだな……)

照(無理して支配力を使いすぎて体力が……)

咲「照お姉ちゃん顔色悪いよ…… 大丈夫?」

照「大丈夫だよ……」

咲「そっか」

咲「ロン!断么平和三色一盃口!8000!」

照(ダメか…… ダメなのか……)

咲:+101300
照:+17400
憩:-54700
智葉:-64000

南1局0本場

東:憩 南:咲 西:智葉 北:照

咲「……」

照「……」

咲「ロン!高めは九蓮宝燈!32000!」

咲:+133300
照:-14600
憩:-54700
智葉:-64000

照(あっ……)

照(心が折れる音が聞こえた)

照(ごめんよ咲…… もう無理だよ……)

照(こんなの勝てっこない…… ダメなお姉ちゃんでごめんなさい……)

??『何諦めてんのよ!!』

照「!?!?」

??『こっちこっち!』

照(えっ…… 嘘……)

照(みなも……)

照(の幽霊?)

みなも『まあそんな感じ! 見てられなくてここまで来ちゃった!』

照(どうして? なんでここにいるの?)

みなも『しらんし〜』

照( )イラッ

みなも『アハハハ』

みなも『さて照! 咲に勝つよ!』

照(でもどうやって? 私だけだと力不足で何も出来なかったけど…)

みなも『1人でダメなら2人で頑張ればいいじゃない!』

みなも『ほら!私の手を握って!』

照(え? うん……)ギュッ

照(!?)ゾクッ

照(なにこれ?)

みなも『私の支配力が全てが今照の中にある』

みなも『今から打つのは私たち2人の麻雀!』

みなも『それはまるで愛のセレナーデ……』

照(なにそれ?)クスッ

みなも『やっと笑ったね!』

照(!)

みなも『さっきまで全然楽しそうじゃなかったよ! 麻雀は楽しむものでしょ!』

照(そうだな…… 麻雀で笑うなんてここ最近はほとんど無かった気がする)

みなも『さあ!私たちの麻雀を咲に見せつけてやりましょう!』

照(ああ!)

南2局0本場

東:咲 南:智葉 西:照 北:憩

咲(一度光が消えた照お姉ちゃんの目に光が戻った…… しかも異様なオーラを感じる)

咲(だがボクのやることは変わらない!)

照「ごめんね咲…… 私一回諦めかけた……」

咲「……」

照「でももう下を向いたりしない! 私たちは負けない!」ゴゴゴ

咲(たち? どういうことだ?)

照「ロン!」

咲「は?」

照「ジュンチャン三色一盃口ドラドラ! 16000!」

咲(どういうことだ? 私が支配してたはずなのに何が起こってる?)

咲:+117300
照:+1400
憩:-54700
智葉:-64000

南3局0本場

東:智葉 南:照 西:憩 北:咲

咲「照お姉ちゃん何をしたの?」

照「単純な話さ…… 私たちの支配力の方が上ってこと」

咲「馬鹿な! そんなことはありえない!」

照「ツモ! リーヅモ一通混一ダブ南! 4000、8000!」

咲(何故だ! 支配で何故圧倒される!)

咲:+113300
照:+17400
憩:-58700
智葉:-72000

南4局0本場

東:照 南:憩 西:咲 北:智葉

照「泣いても笑ってもこれが最後のだね」

照「悔いが残らないように全力で打とう!」

咲「そうだね! ボクの持つ支配力全てをぶつけるよ!」

………

……



照(みなも……)

照(ありがとう)

照(みなもがいなかったら私は諦めてた)

照(本当にありがとう)

照「咲! その1筒カンだよ!」

咲(あっ……)

照「そしてもう1個カン!」

咲(待って……)

照「さらにもう1個カン!」

咲(嘘……)

照「ツモ!」

咲(咲の好きな嶺上開花で……)

照「清一対々三暗刻三槓子嶺上開花ドラ1! 責任払いで48000!」

咲:+113300-48000
照:+17400+48000
憩:-58700
智葉:-72000






咲:+65300

照:+65400

憩:-58700

智葉:-72000




インターハイ終了から数日後

長野県とある墓地

咲「そっか…… 個人戦決勝でみなもお姉ちゃんが……」

照「うん」

咲「そんなの私以外なら誰も信じないよ!」

照「言ってないから大丈夫」

咲「でもなんか分かるかも…… あの時照お姉ちゃんから異様なオーラを感じたけどなんか懐かしいような感じがしたんだ」

咲「やっぱお姉ちゃんたちには敵わなかったね!」

照「みなもがいなかったら咲に勝てなかったし、一緒に生活できるようになることも無かった」

咲「じゃあみなもお姉ちゃんに感謝しないとね!」

照「そうだな……」

照「はい、お線香」

咲「ありがと、照お姉ちゃん!」

咲(みなもお姉ちゃん。私たちを助けてくれてありがとう。 そしていつまでも私たちを見守っててください。)

照「さてお花も変えたしお線香もあげたし」

咲「帰ろうか!」

みなも(咲がいつも通りに戻ってよかった…… ずっと黙って見てたけどもう大丈夫そうだね! 私も帰るか!)

咲(まあボクがいなくなるわけじゃないんだけどね!)

槓!

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