雪歩「天海ブリリアントパークですぅ...」【第三話】 (87)

アイドルを集めていくお話です。甘ブリ要素皆無、すみません。

春香「天海ブリリアントパーク!」
春香「天海ブリリアントパーク!」 - SSまとめ速報
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やよい「天海ブリリアントパークですー!」【第二話】
やよい「天海ブリリアントパークですー!」【第二話】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422007266/)

こちらの続きになります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436014549

雨。


あらあらどうしましょう。今朝は晴れていたのに.......折り畳み傘も忘れてしまいました。

今日はとても大事な日なのに.....遅刻するわけにはいきません。

.......でも念の為、2時間前に家を出て良かったと思っています。

雨に濡れたまま目的地に向かうのも相手方に悪い気がするので、傘を買いましょう。

..............



......見つかりませんでした。

なので私は仕方なく雨宿りをすることにしました。

雨。



健康のために車を使わず、たまには徒歩で出勤するのもいいかなと思ったのが間違いだったのか。

朝は雲が多かろうとも、雨は降らぬと勝手に思ったのが間違いだったのか。

急に降り出した。しかも中々に強い。当然傘も持っていない。

コンビニで買おうとも、見当たらない。困った。

しかし時間は充分にある。そのための徒歩だ。

よし、雨宿りをしよう。

シャッターの降りている店に駆け込むと、先客がいた。



とても美しい、紫の服が似合あう女性だった。

男の人でした。

スーツを着ていかにもビジネスマンといった感じの。

その人は軽く会釈をして、私と少し離れて雨宿りをしていました。

沈黙が続くのも仕方ありません。お互い赤の他人なのですから。それに初対面です。

この雨がいつ止むのかわかりませんが、黙っているのも嫌だったので、私が話しかけようとすると、男の人は自分の鞄をガサゴソ探り、ペンや何やら落としながら「風邪ひきますよ」と、私にハンカチを渡してくれたのです。

不器用な仕草の中に優しさを感じられました。

女性は服まで雨に濡れていた。そのため服が透けていたので見て見ぬふりは出来なかった。

「風邪をひくだろう」という前に「このままじゃ恥をかいてしまう」と思った。しかしそうハッキリ言えなかった。

俺はまだ使ってないハンカチを渡すと「あなたが使ってください」と返された。

鞄を傘代わりに出来たのであなたより濡れていないと伝えると、女性は申し訳なさそうにお辞儀をした。

透き通った声だった。こんなに雨音が大きいのに。

雨はまだ止みません。私はハンカチを洗って返すと言いましたが、「新品なのであげます」と貰ってしまいました。

男の人には似つかない柄でしたが素敵なので、少し嬉しかったです。

それから私達は他愛もない話をしました。

雨は降らない思ってたとか、ハンカチをどこで買ったのかとか.......本当に他愛もない話。

話題は途切れ、また静かになってしまいました。

雨の音が大きく聞こえます。

.......すると男の人はこの大雨の中、どこかへ走って行ってしまいました。

時間が来てしまったのでしょうか。もう会えないと思うと、少し寂しいです。

私も.........そろそろ行った方がいいのでしょうか。やっぱり時間厳守ですよね。

そう思った時、男の人が息を切らして帰ってきました。

傘を二つ持って。

「すみません、傘もハンカチもいただいちゃって.......」

「いえいえ。俺が勝手にやってるだけですから。道はこっちであってますか?」


二手に分かれると思ったが、どうやらこの方向みたいだ。


「こっちだと思います......えーっと地図地図..........」


あれ、こっちじゃないのかな?もしかして場所がわからないのかな


「ちょっと見せてください。どれどれ.............え!?」

「な、765プロ!?」

驚いた。まさか俺の務めてるアイドル事務所だったなんて..........

..............そういえば、高木社長が話してたな。



高木『近々、またアイドル候補生が面接に来る。その時はキミに面接を頼みたい』

『俺ですか?』

高木『うむ!プロデュースするのはキミだ。だからここの新しいアイドルになるべきかどうか、キミが決めてほしいんだ』

『俺が........わかりました』



それじゃあこの人が新しいアイドルなのだろうか。



綺麗な人だ。だけど、容姿だけで決められるほど、アイドル業界は甘くない。

「ご存知なんですか?」

P「えっあ、はい!確かアイドル事務所、でしたよね」

「はい~」

P「あの......つかぬことをお聞きしますが、どうしてアイドルに?」

「はい.........私、運命の人を見つけたくて」

P「え?」

これまた驚いた。キラキラしてるから、とか。女の子の憧れだから、とか。単純な回答ではなかった。

話を進めるとアイドルの活動をしていれば、いつか運命の人が見つけてくれるだろう、という動機だった。

変わった経緯だ。運命の人......?

そんな結婚を急ぐほどの年齢には見えない。

アンチエイジング?まさか。

P「なるほど..........それでアイドルに...........」

「はい...........そういえば、あなたはこの道で大丈夫でしょうか?」

P「えっ、あっはい!たまたま765プロの近くなんですよ!ぐ、偶然~.......」

「そうだったんですか~」




俺が765プロのプロデューサーであることを、まだ知られてはいけない気がする。

素の彼女を見ていたい。

P「でも、765プロってテーマパークも運営してるって」

「はい、もしかしたら遊園地で働けるのかなって」

P「ご存知だったんですか?」

「公式サイトに書いてありました」

P「なるほど............もし遊園地で働けるとしたら、どうですか?」

「それはそれで嬉しいです。一度そういうところで働いてみたかったし、運命の人も見つかりやすいですから~」

P「そうですか........」

その男の人は、なんとも不思議な感じでした。


他人の振る舞いであるのに、その中に親近感があるというか。


今まで会った人とも違う.........難しい......


運命?いいえ、まだわかりません。




まだ。

ザァァァ...............



P「コッチですよ」

「あっ、はい~。本当にお勤め先は765プロの近くなんですか?もしかして案内してくれてるのでは........」

P「い、いえ!偶然ですよ偶然!気にしないで」

「そうですか?すみません~。どんなお仕事をなさってるんですか?」

P「えっと、人の面倒を見る仕事、ですかね」

「まぁ」

P「自分より年下の子を........でも俺が偉い身分とかではないですよ?」

「そうなんですか」クスッ

P「はい、身分とか立場とか関係なく、とても夢の溢れる職場なんです。結構世話の焼ける子達ですけど.......」

P「いい子達です。本当に」

「うふふ、あなたはその子達の事が本当に好きなんですね~」

P「そうでしょうか..........ハハハ.....そういわれると、照れますね」

P「でもアイドルって結構難しいんですね。少し舐めていました」

P「(あっやばい!言っちゃった!)」

P「......................あれ?」キョロキョロ

P「いない...........?」

あらあらどうしましょう~

あの人の話が何だかアイドルに似てるな~って思ってたらはぐれてしまいました......

せっかく案内してくれてたのに.........傘もハンカチもいただいちゃって

もう会えないのでしょうか?

それにこの道だと、ええと、765プロは....

わかりません。

そう考えていると、水たまりを跳ねる音が大きくなってきました。



あの人が、探しに来てくれたのです。



P「急に....ハァハァ....急にいなくなるなんて......ハァハァ」

「ごめんなさい~」

P「いえいえ、大丈夫です。ではコッチです。行きましょう」

「はい~」

P「(フッと見たら消えてるんだ、ビックリした)」

P「その遊園地には行ったことありますか?」

「それが一度も.....」

P「そうですか」

「でも、アイドル事務所が運営している遊園地ですもの、きっと素晴らしい遊園地なんでしょうね~」

P「.........」

「......どうしたんですか?」

P「えっ、あっいや、何でもありません、何でも....ハハハ.....」

「?」

P「確かに.........素晴らしい遊園地ですよ」

「そうなんですか?」

P「アトラクションとか設備とか、一応はあるんですけどキャストに沿ったアトラクションが目玉で......」

P「.............あっ!またいない!」

消えた。一瞬でどこかに行ってしまう。


もしかして、極度の方向音痴なのだろうか?


でもそれだったら......マズイ。今日は765プロの面接の日、社長を待たせるわけにはいかない。


探さなければ。しかし名前も知らなければ、呼ぶことも出来ない。


しまった。名前を聞いておくべきだった。


右か左か。迷ってる暇は........ん?


あれは.......カード?


いや、身分証明書だ。


写真付きで安心した。


三浦、あずささん.....か。

子供「本当にいいの?」

「いいのよ~」

子供「でもお姉ちゃん濡れちゃうよ?」

「えっと、友達がもう一つ傘を持ってるの。大丈夫だから、それじゃあね」

子供「本当に?ありがと!じゃあね!」

子供「ありがとお姉ちゃん!」

子供「やったね!濡れずに帰れるYO!」

子供「でも結構濡れてるっしょー!」




雨が強くなってきました。

それにまたあの人とはぐれてしまいました......

どこでしょうか?

ザァァァァ.......




P「三浦さん!ここにいたんですね......わっ!?傘どうしたんですか!?入って入って!」

あずさ「はい~、傘を持ってない子供がいたのでつい~」

P「あげちゃったんですか........?」

あずさ「ごめんなさい....」

P「..............」

あずさ「そういえば、どうして私の名前を?」

P「あぁ、これですよ。走った時に落としたみたいで。お返しします」

あずさ「わっ、すみません~」

靴とスカートが濡れている。恐らく水玉も避けずに走ったのだろう。


...........綺麗なのは、見た目だけじゃない。



今わかった。



あずさ「相合傘......ですね。私初めてです」

P「すいません........怪しい男と一緒で.....本当に」

あずさ「いえいえ!怪しくなんかありませんよ~」

優しい女性。


優しい男性。


お人好しの女性。


世話好きの男性。


その人はどこまでも穏やかで。


その人はどこまでも謙虚で。



『 素敵な人 』


P「もうすぐで765プロです」

あずさ「ご親切にどうも。わざわざありがとうございます~」

P「いえ........実際、連れてこないと危なかったですし...」

あずさ「え?」

P「い、いえ、何でも...ハハ....」

あずさ「あら......雨がやみましたね。見てください、綺麗な虹ですね~」

P「.....本当ですね」

P「さぁ!ここが765プロです!」

あずさ「ありがとうございました、私面接頑張りますね~」

P「その必要はもうありませんよ」

あずさ「え?」

P「面接は終わりました、三浦あずささん。我々765プロはあなたという存在を待っていました。ようこそ、そしてこれから宜しくお願いします」






その人と遠い存在であったのが、とても近い存在になってしまいました。


これは運命なのでしょうか?


空が晴れて、虹が輝いています。


それに反射して、これから私が担当する『9:02pm』がキラキラと出迎えてくれたのです。


http://i.imgur.com/zpYzG1e.png

本日はここまで。続きは明日に。
ありがとうございました。

@ある日 天ブリ


P「本日の来場者数は......150人ですね」

小鳥「徐々に増えてきてますね。経済的にも少し回復してきました」

P「しかし、こうも来場者が増えると、現状の我々天ブリスタッフだけでは完全な人手不足です。社長、どうなさいますか?」

高木「うむ、ではバイトを雇おう。ここの知名度が上がるにつれ希望者もいるだろう。実際その電話も少なくはない。しかもアイドル諸君の仕事が来た場合、天ブリを留守にする事があるからね。ある程度雇っていた方がいい」

P「そうですね。20人程度でしょうか?」

高木「今はそのくらいでいいだろう。それ以上だと最低賃金すら払える自信がない。まぁ日に日に来場者が増えていることは何よりの救いだがね」

小鳥「では求人の公告をいくつか作ってみます。条件はどうしますか?」

高木「あまり厳しくしなくていい。学生は一応進路の決まっている者だけにしてくれたまえ。若い子が多すぎると労働関係で国から注意を受けてしまう。高槻君は一応アイドルとしての扱いだと話は付けてある。それに彼女自身が決めたことだ。我々が強制したわけではないからね」

小鳥「了解しました。ではその方向で」

高木「あぁ!あと出来れば事務員もしくはプロデューサーの募集もしてくれたまえ!さすがにこの三人だけでは回れるものも回れないし、キミや音無君にも負担がかかる。一人でいいから、なるべく優秀な人材を頼むよ」

P「新しいプロデューサー...........了解しました」

三浦あずさの新アトラクションにより、天ブリはまた一段と賑やかになった。あずさ自体が天ブリスタッフ達の癒しとなり、まとめる存在でもある。冷静な判断で誰も傷つけぬ方向へ導く。しかし、極度の方向音痴故にスタッフを困らせることも。それでもあずさが来たメリットは遥かなものだった。天ブリが地方新聞の片隅に掲載される程度に成長した時まで物語は進む。





P「美希ー、仕事に行くぞ」

美希「ホント!?」

P「あぁ、やっと取れたんだ。タクシー呼ぶから準備してくれ」

美希「はいなのー!」

春香「いいなぁ美希~、私も仕事したいよ~」

P「ごめんな春香、近い内に取って来るから待ってて」

美希「春香、ふるふるフューチャーをよろしくなの」

春香「OK!」





@タクシー



美希「ねぇねぇ、一体どんなお仕事なの?」

P「新発売の低反発枕のCMだよ。リアリティを出すために寝つけのいい娘を使いたいって」

美希「だったら美希にお任せなの!」

P「あぁ、俺もその話が来た時は胸を張って引き受けたよ。「うちにピッタリの子がいます!」って」

美希「あははっ、ミキ張り切っちゃうね!」

P「よろしくね」

美希「プロデューサー、仕事持ってくるの上手だよね」

P「天ブリで一緒に働いてたら個性がわかってくるから」

美希「ふ~ん。........プロデューサー、ちょっと顔が変わったの」

P「顔?」

美希「うん、前まではね、頼りないーってカンジだったけど、今はちょっと頼れるって顔!」

P「そ、そうかな............」

美希「だから.......ありがとね」

P「......礼なんていらないよ。これが俺の仕事だから」

@天ブリ


春香「真はどんな事やったっけ?」

真「ボクは格闘映画の脇役とか」

やよい「スゴイです!」

真「い、いや、本当の脇役だよ、こう殴って蹴って回転ってだけ。それに「主役より目立つな」って監督に怒られちゃったし......」

雪歩「主役より目立っちゃうなんて.......スゴイなぁ」

あずさ「でもスタッフさんにはいいアピールなんじゃないかしら?」

真「だったらイイんですけどね.....アハハ」

ガチャ

高木「おはよう諸君!」

一同「おはようございまーす!」

高木「皆朝早くて感心感心!おや?彼と美希君の姿が見えんが..........」

小鳥「社長、お仕事ですよ」

高木「あぁそうかそうか!忘れていたよアハハハ!よしっ、では二人がいない分、しっかり働こうじゃないか!」

一同「はい!」

高木「ん~いい返事だ!では今日もよろしく!」






「ねぇねぇリボンのお姉ちゃん、どーしてアトラクション少ないの?」

春香「えっ、えーと....それは.........」

「西エリアには一個しかないって寂しすぎっしょー!」

春香「あぅ....」

「ねぇどーちて?何で少ないの?なんで?」

春香「えぇぇぇ.........」

P「どうした春香?」

春香「あっプロデューサーさん帰ってきたんですね!あの!」



...........................


...........


P「やっぱり疑問に思うよなぁ。この広大な面積に6つしかないもんな」

「何で?お金なくて建てらんないの?」

P「ま、まぁ確かにそれもあるが..........このパークは時と場合、人によってアトラクションが生まれるんだ」

「生まれる?」

P「そう、地面からいきなり出現するんだ!」

「.......兄ちゃ~ん、さすがに亜美達でもそんな嘘には騙されないよ?」

P「アハハ......亜美って君の名前?」

亜美「あらら真美隊員!我々名乗るのを忘れていましたぞ!」

真美「これは失礼した!申し訳つかまり申した!」

P「?」

双海亜美「双海亜美!双子の妹!」

双海真美「双海真美!双子の姉!」

P「双海亜美ちゃんに、真美ちゃんか。こういっちゃ悪いかもしれないが二人とも似てるね。かろうじて髪型でわかるけど」

真美「じゃ髪を交換してみたら?」シュルル

P「あっ、全然わからないや。ごめんね」

亜美「まぁ亜美達を見分けられる人そんないないしね」

真美「ちかたないね」

P「ご両親は?」

真美「真美たちだけで来たよ」

P「そうか、なら思う存分楽しんでいってね」

亜美「楽しむって言ってもねぇ.........」

真美「この少ないアトラクションで.......ねぇ」

P「........」

P「...よ、よしっ!じゃあ俺がこの天海ブリリアントパークの魅力を教えてやろう!存分に楽しんでもらうぞ!」

亜美「おっ、これは面白そうですな!」

真美「真美達を満足させられるかどうかは、兄ちゃんの腕にかかってるかんね!」

P「任せろ!」

P「これがジェラシー・オブ・ザ・サン、スプラッシュ系のアトラクションだ。今の暑い季節にピッタリかも」

真美「早く乗ろうよ兄ちゃん!」

P「関係者でも待つものは待つ!ズルいことは出来ない!」

亜美「うぇ~、せっかく裏の人なのにもったいないYO!」

P「ダメダメ、あくまでも君たちはゲストなの」

二人「は~い.....」




ザブーン ザブーン

亜美「う、後ろから何か来てるっぽいよ!?」

P「あれははるかさんと言ってな、まだ誰にもわからない謎の」

はるかさん<カッカーーーーーー

真美「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

亜美「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

P「やっぱ怖ぇぇぇぇぇぇえぇぇ!!!!!」

@ふるふるフューチャー☆


真美「じゃあ③!」

美希「涙のハリケーンにご招待なの~」

ナミダノハリケーン!

P「ケツいってぇぇぇ!!!」

二人「あががががががががが」


@キラメキラリ

P「シューティングは結構得意だからな!負けんぞ!」

亜美「うりゃ!そりゃ!」

P「なにぃ!?」

真美「兄ちゃん最低点だよ?」

P「二人とも強すぎィ!」

亜美「兄ちゃんザッコ!」

P「うるせぃやい!」

やよい「頑張ってくださーい!」


@エージェント

P「真美ちゃんそこ左!」

亜美「亜美だよ→」

P「えっ」

ドゴォォォン!

P「ご、ゴメン二人とも!」

真美「ま、慣れてるからいいけどね」


@Kosmos Cosmos

雪歩「宇宙には無数の星々が...........」

亜美「綺麗だね............」

P「そうだな........」

真美 スー スー

P「寝てるよ........えっと......真美ちゃん、かな」

亜美「そそっ」

P「(見分けが難しいなぁ)」

P「これで東南北のアトラクション乗ったか......」

亜美「以外に楽しかったよ兄ちゃん!」

真美「うんうん!」

P「そうか、そりゃよかった!」

真美「真美一つ気になったんだけど、ここで働いてる人って結構マブくない?」

P「マブいって古いな...あぁ、うちの本業はアイドルなんだ。このパークは副業」

亜美「ほらやっぱそうじゃん真美!あれ絶対ミキミキって人だよぉ!枕のCM!」

真美「そうだったかー!」

P「(CMの効果が出ていたか。少しずつ有名になっていく。ていうかミキミキって呼ばれてたのか)」

亜美「じゃアイドルになったらここで働けんの!?」

P「まぁそういうことになるけど、本人の意思を尊重して」

亜美「亜美ここで働きたい!」

P「えぇ!?」

真美「どぅえ!?それホンキ亜美!」

亜美「だって、ここで勤めたら毎日遊べるじゃん!ついでにアイドルになれば、我ら双海の名は世界に轟くのだー!」

真美「おぉ!それはグッドアイデアだね!兄ちゃん、真美もここで働くよ!」

P「きゅ、急だな......でも一つのアトラクションを動かすのに費用は発生しないわけではないから無闇に遊べるわけではないぞ?それにアイドルになったとしても必ず売れるとは保証できないし......」

亜美「あー......そっかー。どうする真美、やめる?」

真美「うーん......」

P「でも正直、君達には魅力があると俺は思う。ここで逃すとなると、少し惜しいな......強制するわけにもいかないし....それじゃあ西エリアにある最後のアトラクションに行こう」

真美「あっ忘れてた!そんじゃレッツゴー!」

亜美「やっぱ、一つじゃ物足りないね」

真美「うん」

P「.................」

あずさ「『9:02pm』へようこそ~」

亜美真美「あっ!!!」

あずさ「?...........あらあら~、あなた達は!」

亜美真美「あの時のお姉ちゃんだー!」

P「え!?」

P「.......あの時の傘をあげたのって二人の事だったんですね」

あずさ「はい~、二人とも震えていたもので~」

亜美「本当に助かったよお姉ちゃん!亜美たちあのままだったら完全に風邪ひいてたもん!」

真美「今度会ったら傘返そうと思ってたんだけど、なっかなか会えなくて」

あずさ「返さなくて大丈夫よ」

真美「では傘は形見として保管いたしまする.....」

P「勝手に葬るな。それではあずささん、アトラクションに」

あずさ「はい~」

あずさ「この9:02pmはとっても不思議な迷路になっております~」

P「(あずささんらしいアトラクションだな......)」

あずさ「正規の道を行けば未来の世界」

あずさ「道を間違えれば動物の世界」

あずさ「さぁ、迷路スタートです~」

亜美「兄ちゃんどっちに行く?」

真美「真美はコッチがいい!」

P「(あれ、真美ちゃんは....あっ左に下げてる方か。あれ右っ....)」

亜美「兄ちゃん?」

P「ん?あぁ、ごめんごめん。えーっと....真美ちゃんの方に進もう」

ザッザッザ

ピギェー! ギィェェェ! ザワザワ グエー!


亜美「ここなんだか怖いよぅ!絶対動物じゃない!」

P「大丈夫さ。怖くない怖くない」

真美「兄ちゃん余裕なの?」

P「あぁ。速い乗り物は怖いけど、こういうのなら平気だ」

亜美「ミキミキのアトラクションは怖かったクセに?」

P「あれはホラーだからな.....超速いのは心臓に来る。前までは平気だった気がするんだけどな~」

真美「何その葉も茎もない根拠」

P「.....根も葉もない、だな。根拠はわからん」

P「次はこっちに行こう、真美ちゃん」ポン

亜美「亜美どぅえーっす」

P「.......ごめん」






P「うぉぉ....これが正規のルート!乗り物が飛んでる!」

真美「スッゴーイ!これヤバイっしょー!」

亜美「ほら真美!あれトラックが猛スピード!」

真美「あっぶな!真美達が生きてるうちにこうなるかな?」

P「なったらいいけどな~。ほら二人とも、アッチとか.....」

【 9:02pm 】

http://i.imgur.com/xaWoElJ.png

三浦あずさのアトラクション。門をくぐれば迷路になっており、正規の道を往けば未来都市へ、
迷えば動物の国に繋がる。実際迷っても最終的に出口は同じなので、迷子になることはない。
動物の国はランダムで状況が変化し、大型動物や小動物、また稀に恐竜が登場する。
設定は古代、現代の2種類。わざと迷ってみるのもアリかもしれない。
パフォーマンス時間は約14分。

集客―B 時間―A 演出―B 設定―B

@夕方



カァー カァー


P「さて、二人ともこの天ブリはどうだったかな?」

亜美「楽しかったよ兄ちゃん!」

真美「まさか真美をここまで楽しませるとはねぇ....恐れ入った!」

P「よし、これで俺の凄さがわかったか!」

亜美「別に兄ちゃんがスゴいわけじゃなくない?」

P「うっ......そうですね...」

P「と、とにかくだ!二人はアイドルを目指してみる?」

真美「うん!ついでに遊園地でも働いていいよ!」

亜美「亜美も!」

P「よし!これからよろしく!真美ちゃん亜美ちゃん!この天ブリをよろしくね!」

亜美真美「アイアイサー!」



P「..........」





P「.......あれ......出現しない.....?」


研修期間。


双海亜美真美を採用し、765プロの方針や説明、その他天ブリの経営状況や報告、一通り話を終え接客に臨む。しばらくはあずさの所で一緒に働くことになった。子供ながらに業務中遊ぶケースが多いものの、危機感への
察しが鋭く、切り返しが早い。二人がここへ来てから、実に一週間が経過したが、アトラクション出現の気配はなかった。

二人は選ばれた者ではないからだろうか?




高木「バイトの応募はどのくらいだね?」

小鳥「30人ほどですね」

高木「おぉ、中々じゃないか。ではその中に眠る優秀な人材を雇ってくれたまえ。私も参加するから」

P「はい、お願いします。それと社長、双海姉妹のアトラクションの件ですが、どうやら雪歩とは別のケースです」

高木「確かにそうだね、萩原君は天ブリに対する意思が弱かったためにアトラクションが出現しなかった。だが今回は違う。亜美君真美君、二人ともここに努めたい意志とアイドルの夢は充分にあると私は見ている。そうだろう?」

P「はい」

小鳥「では、もともと選ばれていないということですか?」

P「そうとしか....考えられませんね」

小鳥「もしかしたら、『まだ二人には任せられない』とか...」

P「任せられない?」

小鳥「二人とも現段階では最年少ですし、その精神面でもまだまだ未熟、もう少し経って、大人になったらパークも認めてくれるのでは?」

高木「私もそう考えたが、やはりその説が有力なようだね」

P「そう....ですね」

@南エリア


P「どうだ雪歩、調子は」

雪歩「はい!自分でも接客できてると思いますぅ!」

P「そりゃよかった」

~♪

P「...あれ?このBGM、前からあったっけ?」

雪歩「いえ、ここに就いて一週間くらいの時、急に流れて」

P「パークはここまで用意してくれるのか....」

~♪

P「.....いい曲だ」

雪歩「はい。私このアトラクションのメインテーマだと思うんです。ほら、コスモスコスモス♪」

P「おぉ!合ってる気がする!それにしても可愛い歌声だね」

雪歩「か、カワイイだなんてそんな!うぅ~!穴掘って!」

P「うぉタンマタンマ!そ、そうだ!もしこれが既存の歌でなければCDデビューしてみないか!?」

雪歩「わ、私がCDデビューですか!?は、はいぃ、頑張りますぅー!」

@北エリア


春香「太陽のジェラシーも原曲がここなんです!」

P「私マーメイってやつか!」

春香「そうです!あれも元々ここでかかってて、それに気付いた社長がこれでCD出そうって。著作権も既存ではないので大丈夫だそうですよ!」

P「考えてることはみんな同じだな」クスッ

美希「美希のところもいっぱい曲かかってるよ」ヒョコ

P「うぉっ美希、そうなのか?」

美希「そこからいっぱい歌詞も入れて歌ったの。えっと涙のハリケーンとか、ヴァンパイアガール、マリオネットの心に、ショッキングな彼、それにふるふるフューチャー」

春香「いいなぁ美希は...いっぱい歌えて...」

P「....ん?じゃもしかして入場した時に流れてるのってふるふるフューチャー?」

美希「そう。あとは他のパフォーマンス中に流れてるよ。でもプロデューサー、たまにね、その曲以外にも知らない曲が流れる時があるの」

P「えぇ!?」

春香「怖いよ美希!」

美希「それに合った曲名は感じでわかるんだけど、その歌だけ、ずっとわかんないの」

美希「でもね、とってもいい曲なんだよ?癒されるとは別だけど、こう.....考えたくなるような」

P「考えたくなる?」

美希「うん。とりあえず不思議な歌ってコト」

P「.....そうか」

美希「あっ!あとプロデューサー!⑤を選ぶ人が多いの!まだ開発中だって看板作って!それを言いに来たの!」

P「そういえば⑤は選べなかったな!すっかり忘れてたゴメン。至急用意するよ」

美希「ありがとうなの~。それじゃ、戻るねっ」

タッタッタ....

春香「美希の所は謎が多いなぁ...」

P「本当に不思議だね...」

@天ブリから何kmか離れたベンチ



「はぁ~.....本当にこの仕事でいいのかしら.....」

「刺身に菊を乗せるだけって.......うーん....」

「もっと他にいい仕事ないかしらねぇ...」

バサッ バササッ

「ん?何これ....」ピラッ

「天海ブリリアントパーク.....あっ、そういえば最近結構人気があるとか......」

「へぇ.....アイドルねぇ」

「....今は遊園地に行ってる暇なんてないし、気分転換んんんんん!?」

「社員募集ゥ!?」

「...........こ、これはやるしかないわ秋月律子...」


秋月律子「絶対に受かってやるんだから!」

@BBS


春香「お疲れ様でしたー!」

スタッフ「お疲れ様~、春香ちゃん今日とっても良かったよ!また次もよろしくね」

春香「わぁ本当ですか!?ありがとうございます!こちらこそ宜しくお願いします!」

スタッフ「噂に聴くけど、遊園地でバイトしてるってのは本当?」

春香「はい!お暇があったら是非いらしてください!」

スタッフ「おう!それじゃあね~」

P「いい出来だったぞ春香」

春香「ありがとうございます!」

P「さ、タクシーを呼んでおいたから行こう」

春香「はい!」

ガチャ バタン


P「はい、この住所の765プロまでお願いします」

ブロロロロ

ブゥーーン

春香「プロデューサーさんって、車持ってますよね」

P「持ってるよ」

春香「タクシー、高くないですか?」

P「確かに高いけど、皆の送り迎えはタクシーにしてる。俺自身そんな運転が得意な訳じゃないから。不器用だし」

春香「でも不器用な男の人って少しカッコイイと思います」

P「そうか?欠点がない人間のほうがイイと思うんだが」

春香「ほら、自分不器用ですから...って感じ!」

P「確かに...一理あるな」

ブゥゥゥゥン....

@天ブリ



高木「えー、ウォッホン!明日は天ブリの休演日を使ってバイト及び社員の面接を行う予定だ」

P「では俺も」

高木「いや、今回は私一人で面接をする。いわゆる社長面接ってやつだよ。君達は存分に英気を養いたまえ」

P「すみません、お言葉に甘えさせていただきます......」

小鳥「一体どんな人が採用されるか楽しみだわ~」

高木「さっ、それでは今日の業務報告を......」








夢の国には何十、何百ともいえる約束がある。
例えば、迷子の対応。
誰もが某夢の国で迷子アナウンスを聞いたことがない。
そもそも流さないのだ。
何故か?
アナウンスで夢の国から現実に戻されぬよう、アナウンスはしない。
迷子の両親は、離れて15分程度と予測され、そう遠くには行っていないと考えられる。
近くのキャストが迷子を確保し、一緒に保護者を探すことで注目を集める。
しかしこれは設定に敷かれたものであり、もともと設定のない天ブリには関係ない。
何よりキャスト不足故、手が空いていないのだ。

@一週間後 天ブリ



高木「さ、先日バイトの諸君の挨拶は済んだことだし、今日はプロデューサーを一人紹介しよう!」

春香「わぁ!」

高木「さぁ、入りたまえ!」

ガチャ

律子「おはようございます!」

P「ん?....律子!?」

律子「先輩!?」

全員「!?」

P「新社員ってお前だったのか!うわぁ久しぶり!」

律子「先輩こそ!お久しぶりです!」

高木「お二人はどんな関係かね?」

P「俺の中学の後輩です。生徒会で世話になった」

美希「なるほどなの」

春香「プロデューサーさんは生徒会長だったんですか!?」

P「いやいや副会長。立候補じゃなくて推薦されてな。律子は会計をしていたんだ。それで知ってるってワケ」

小鳥「プロデューサーさんの後輩なら、しっかりしてて安心できますね!」

P「はい。期待して大丈夫ですよ」

律子「いえいえ、過度な期待はしないでください...」

律子「でも先輩が遊園地で働くことになったって、ここの事だったんですね!」

P「ん?俺そんなこと言ったっけ?親にしか話してないはずだが.....?」

律子「あれ、噂で聞いた覚えが......」

P「じゃ誰かに話したのかもな。まぁいいや別に嘘じゃないし。それより律子、先輩はやめてくれるか?恥ずかしい」

律子「何と?」

P「プロデューサーでいいよ」

律子「ではプロデューサー殿、これからよろしくお願いします!」

P「あぁ!」

P「まず天海ブリリアントパークの説明をさせて貰うと」

律子「東京ドーム約8個分、従業員は私を含め20人程度、各エリアに配置されたアトラクションが現時点で6つ、そして前の遊園地から引き継いだ事故物件...ですね?」

高木「ほぅ!」

P「さすがだ律子、あの頃から変わってない。むしろ成長してる」

小鳥「これは優秀な人材ですね社長~」

高木「あぁ、実に助かる」

P「アトラクション出現に関しては...?」

律子「面接の時に言われて、何かのドッキリかと思いました。でも、本当なんですよね?」

P「これは実際に見てもらわないとわからないって感じだな」

律子「はい...」

P「よし、それじゃ各エリアの案内をしよう」

律子「お願いします」

P「......で、これが最近出現した『9:02pm』の以上だ」

律子「ふーっ...やっぱりドーム8個分は伊達じゃないですね、少し疲れましたよ」

P「この広大な面積にアトラクションが少ないと殺風景に見えてしまうのが難題だけどな...」

律子「大丈夫ですよ、きっと増えますって。そういえば先輩.....プロデューサー殿、副業で何かやってます?」

P「うん。アイドルのプロデュース」

律子「やっぱり....任されると断れない性格ですものね」

P「いいや、俺自身あの子達が売れないのはオカシイと思ってるから、喜んでプロデュースしてる。アイドルとしてはまだまだだけど、少しずつ仕事は取って来きてる」

律子「大変ですね...」

P「そういや律子、お前中学の時アイドル目指してなかったっけ?」

律子「な!?なんでそんなこと覚えてるんですか!」

P「覚えてるぞ~?誰もいない生徒会室で一人で踊ってたりとか」

律子「見てたんですか!?忘れてくださいぃ~!」

律子「......でも、アイドルになりたかったのは嘘ではないです。でも夢なんか見てる暇じゃないって思って」

P「そうか?今ならまだ間に合うぞ」

律子「からかわないでくださいよ。ほら次に行きましょう」

亜美「りっちゃんは何でここに応募したの?」

律子「りっちゃん...?」

真美「あだ名だよ→!」

律子「あぁ....そ、そうね、無愛想なチラシを見てと言うか」

P「(俺と社長が一緒に作ったやつ....)」

P「でも律子が来てくれて安心したよ。これで天ブリは安泰かも」

真「最初来た時は、破壊的だって評判悪かったですし」

やよい「とっても汚かったですー!」

P「こ、こらやよい、そういうことは大きい声で言わない!」アセアセ

美希「皆で掃除したのが懐かしいの」

春香「大変だったね~」

P「今回の面接で何人か清掃員を雇ったから、心配はしなくていいぞ」

律子「雇えるほど儲かってるんですか?」

P「そう儲かってはいないが、天ブリ自体のコストが少なければ儲かった分人件費にいくから」

やよい「いっぱい貰っちゃいましたー!」

雪歩「さすがに貰いすぎてびっくりしちゃいました....」

律子「......」

P「よし、今日の業務に周ろう。まず南エリアだが...」

@数分後


P「さて皆も行ったことだし.....俺も仕事に」

律子「あの、プロデューサー殿」

P「ん?」

律子「人件費を大量に回しては、それに満足してアイドルを続けなくてもいいと思うのではないですか?それで稼げるならいいって」

P「......それは違うよ、律子。彼女達は誰一人とて稼ぐためにアイドルをしているわけじゃない。夢なんだ。アイドルが大好きだから、人を喜ばせたいから天ブリとアイドルを続けてる。決してお金じゃない」

P「律子だって、アイドルだったらそう思うだろ?」

律子「....そうですね。私が間違ってました」

P「律子もアイドルになればいいと思うよ?」

律子「もう....やりませんったら」

P「残念だなぁ」

律子「どうして遊園地に?」

P「俺も律子と同じだよ。チラシを見てさ」

律子「そうだったんですか。私、ここの前に刺身に菊を乗せる仕事を受けてて」

P「俺と一緒wwwwwww」

律子「プロデューサー殿も!?さすがにコッチの方がいいと?」

P「そもそも俺落ちたしな」

律子「落ちたんですか....?」

P「うん。手先が不器用すぎて」

律子「先輩、そんな不器用でしたっけ?」

P「プロデューサー」

律子「あっすみません、プロデューサー」

P「うーん、そんな酷くないけど多分昔から」

律子「曖昧ですね...」

P「まぁ不器用なんて自分が決めることだしな!それに不器用はカッコイイって春香も言ってたし!」エッヘン

律子「胸を張るようなものではないと思いますよ」

@北エリア

律子「春香、調子はどう?」

春香「大丈夫です!ゲストも大分増えましたし...あっ強いて言うならゲストの列が乱れちゃうことですかね?」

律子「なら私が整理しておくわ」

春香「お願いします!」

律子「ゲストの皆様ー!なるべく3列になって並んでいただいて.......」




美希「特にないの」

律子「そう。汚れてる所とかは?」

美希「うーん、端の方とか少し。でもこれは後で美希がやっとくから」

律子「私に任せて。やっておくわ」

美希「えっ、うん」





やよい「本当に助かりましたー!」ガルーン

律子「いえいえ」

やよい「私、今まであんな大勢の対応したことなくってー!」

律子「困った時はいつでも呼んで頂戴」

やよい「はいー!」




@天ブリ事務所


P「うーむ...」カタカタ

律子「プロデューサー殿、これお願いしますね」ドサッ

P「うぉ、了解。凄いな律子、オーディションやらなんやら...これ取ってくるの大変だったろう」

律子「いえ、あの子達のためですから。私半分片付けたら見回り行ってきます」

P「あぁ、頼む」

P「えーっと....書類がハンパないな」カタカタ

@数日後



高木「キミ、ちょっと話があるんだが」

P「はい」

高木「最近、律子君が働きすぎと感じないかね?」

P「確かに...キャストの皆から話を聞くに、色々手伝ってるみたいです」

高木「やはりそうか...」

P「高校の時もそうでした。会計ではやらない仕事とかしてて、どうやら落ち着いてるのが嫌みたいですよ」

高木「うむ...」

高木「それでなんだがね?是非キミと律子君に明日、他の遊園地に行って色々学んできてほしいんだ」

P「他の遊園地へ?」

高木「閉鎖された空間では何も生まれないからね。他から何かを持ってくることも大事だ」

P「で、でも明日って普通に営業日じゃ」

高木「明日は月曜日だ。比較的ゲストは少ない。それに何よりリラックスになるだろう?毎週木曜日を定休日としているが、これからは他のバイトと交代で行うためアイドル達やキミにも休みが増える」

P「偵察...ということですね。わかりました。後で律子にも話しておきます」

高木「うむ、よろしく頼む」

律子「遊園地ですか?」

P「あぁ、社長が偵察に行ってこいって。チケットが2枚だから、俺と行く形になるな」

律子「偵察...それも面白そうですね!ちなみにどこに行くんですか?」

P「えっと、ここだね。有名な」

律子「やっぱりそこですよね。私、ここ一度も行ったことなかったので少し楽しみです」

P「俺も。まぁ仕事ってわけじゃないからスーツで行く必要はないかもな。相手に緊張感与えちゃうとアレだし。上層部が来た!って」

律子「そうですね。それじゃ私服で」

春香「え!?もしかしてデートですか!?」

P「な、なにいってんだ!違う、他の遊園地に偵察に行くんだ。デートじゃあない」

春香「なんだー...」ホッ

律子「ふふっ」

@翌日 東京圏内にある遊園地

P「ごめん律子、遅れた」

律子「10分遅刻ですよ?昔は時間にしっかりした副会長だったのに」

P「そうか?総決算のとき普通に寝坊した記憶が」

律子「あっ、そういえばそんなこともありましたね!先輩やっぱり時間に疎い」

P「墓穴掘っちまったか。まぁいい、行こうか」

キャスト「いらっしゃいませ」

P「あぁえっと、招待券で....はい、二人です」

P「よし、色々見ながら学んでいこう」

律子「コッチから行ってみましょう」

P「やっぱり噂に名高い....うちとは規模も資金も違う」

律子「アトラクションまで一回り大きいですね」

P「清掃も行き届いてるし、全体的に綺麗だ....制服もセンスがある」ガックリ

律子「張る相手が違いますよ。ほら、落ち込んでないで」

P「うーん...」トボトボ

P「おっ、こりゃまたデカい噴水だ。ちゃんと子供が遊ばないように策がある」

律子「策がない方が見栄えがいい気がしますけど」

P「策がないと、子供が入ってしまう。噴水は基本循環式だから、子供が遊ぶと濁ってしまう。するとたちまちコケやカビが生えて掃除が大変だ。あくまで噴水は見栄えを重視する。噴水をそれぞれに設置することで夏でも涼しい風が多少通るようになるし、何より待ち合わせに最適だ」

律子「待ち合わせならアトラクションやその他目印になる物があるのでは?」

P「確かに若者にはあのジェットコースターだとか観覧車だと認識できるが、高齢者の場合はそういかない。子供もそうさ。噴水自体がわからなくても「水の所」と認識できる。誰にでもわかる物が最適なんだ」

律子「なるほど」

P「この面積、立方メートルで金が.....莫大な金だな」

P「ちゃんとレストランも完備しているな...うちとは大違いだ。羨ましい」

律子「多種多様なアトラクションがありますね~」

P「おぉ見ろ律子!あの観覧車!でっけぇ!」

律子「せっかくだし乗ってみましょうか!」

P「よし!」



@観覧車

ゴウン ゴウン

P「観覧車は18世紀にモスクワが起源とされ、車輪を人力で動かして遊具として親しまれていたそうだ。それがアメリカやイギリスに伝わり、最近になって日本に来たと言われているね。最初の観覧車なんてそりゃ今とは違って小さいし、スピードも一定じゃないし、こうして乗ってみれば当時は大変だったんだなって思うよ」

律子「........プロデューサー、どうしてそんな事まで?」

P「いつか調べた記憶があるんだよな。いつだったっけな......」

律子「やっぱり頼りがいがありますよ。先輩は...」

P「照れるな...」

P「どう?天ブリには慣れた?」

律子「えぇ、大分」

P「皆個性的だろ、アイドルの子達」

律子「はい。春香は少々抜けてる所はありますけどしっかりしてますし、美希もやる気のある時ない時が激しいだけで支障はありません。真も雪歩も...」

P「うんうん」

律子「あとは...亜美と真美ですかね?」

P「アイツらはなぁ...まぁまだ子供だし、社会のこともわからない年だから仕方ないっちゃ仕方ない。アトラクションが増えないのは.....ちょっと引っ掛かるけど」

律子「........」

ゴウン ゴウン

P「.......でも、いい子達だよ」

律子「...えぇ、わかってます」

@夜

ワイワイ ガヤガヤ

P「夜なのに、人が溢れかえってるな」

律子「それもそうですよ、なんて言ったってこの後パレードが待ってますから!」

P「おぉ!それじゃそれ見て帰るか!」

律子「来ましたよ!」

~♪ ~♪

ワァァ! パシャ パシャ ガヤガヤ

P「おぉ、ダンサーも一流だな。是非ともうちのトレーナーに!」

律子「そんなお金ありませんよ」

P「いやぁギリッギリいける気がする」

P「パレードは出来なさそうだなぁ、羨ましいぞチクショウ!」パシャパシャ

律子「.........」

P「でもこうしてみると、パレードってアイドルのライヴみたいだな。皆が踊ってて輝いてて、それを楽しんでて.....」

律子「.............そうですね」

律子「正直、アイドルの子達が羨ましいです」

P「羨ましい?」

律子「アイドルの仕事の代わりに、また別の形で人を喜ばせて....私一通り全員を仕事に連れて行きましたが、天ブリの時の笑顔と一緒です。最初は遊園地のキャストなんて嫌々やっているものだと....」

律子「....でも違いました。皆、天ブリを誇りに思って楽しんでいます。アイドルと同じくらい好きなのかも....」

P「そっか......嬉しい限りだな....」

P「.........」

プルルルルル プルルルルル

P「おっと、ごめん」スチャ

P「はい、プロデューサーです」

P「..........えっ!?....はい、わかりました。それでは」

律子「どうしたんですか?」

P「律子、このパレードが終わったら天ブリに帰るぞ」

律子「はい?」

@天ブリ 20:00

P「よし、着いた」

律子「いい加減教えてくださいよプロデューサー殿。いったい何が?事故?」

P「いいから来いって」



@西エリア



タッタッタ.....

律子「!」

律子「み、皆!」

春香「あっ!律子さーん!」

真「もう待ってたんだから!」

律子「...どうして...」

P「皆、律子を待ってたんだ。パークがこの765プロの一員として。ほら、あれを見てみな」

律子「...!!あんなアトラクション見たことないです!」

P「人を喜ばすことには変わりない。これは、律子自身が望んだことだ」

律子「で、でも私......プロデューサーとして!」

P「それもやればいい。アトラクションだって、律子の好きな時に動かせ。その間は俺に任せろ」

律子「っ....」

やよい「律子さんには感謝してるんです!だから、一緒に楽しんでくれたらなーって!」

律子「やよい.....」

P「皆律子に、一緒に楽しんでほしいって。どうする?律子」

律子「.........」

律子「....本当にいいんですか?」

P「あぁ!」

律子「........よ、よし!」

律子「秋月律子、誠心誠意アトラクションを担当させていただきます!」

真「やった!」

美希「んーっ...これで美希も帰れるの。あふぅ」

春香「も、もう~美希~」

律子「よーっし!私もこの天ブリの『一員として』頑張っていきますね!」

全員「オー!!」

http://i.imgur.com/xIBxHiI.png

http://i.imgur.com/Ux1INTB.png

【 cast a spell 】

秋月律子が担当する水族館型アトラクション。設定としては律子に魔法をかけられ、竜に乗り竜宮城を目指す物語。竜に乗ると言うよりも、中に入って窓から海底を眺めるというもの。入門してすぐエレベーターを下る。なお巨大水槽は下水管を避けた地下に存在する。大変綺麗なもので、デートスポットとしても人気があり、毎日賑わいを隠せない。律子がプロデューサーとしてcast a spellに顔を出せない分、自動運転が優れており、あまり支障はない。ただ一つ問題があり、たまに律子が顔を出すとゲストが盛り上がりすぎて上手く回らなくなってしまうこと。パフォーマンス時間は約8分。

集客―A 時間―B 演出―A 設定―B

@西エリア



P「今日も賑わってるな。さて、清掃場所は特に....」

迷子「うぅ.....グスッ.......」

P「うお!?ま、迷子か....?どうしたの?お父さんは?お母さんは?」

迷子「いなくなっちゃった...うぅ」

P「な、泣かないで、ほら」

P「(そうか.....天ブリの動員数が増えるにつれ、迷子も増えるか...考えてなかった)」

迷子「おがあさん....おどうさん...」ポロポロ

P「あぁ、えっと、だ、大丈夫だよ」オロオロ

P「こ、困ったな...子供の扱いなんてしたことないから....律子!.....あっ、そういや仕事で出ちゃってるんだ...」

P「そうだやよい!!でも先に事務所に!」アタフタ

迷子「うえぇぇ、うぇぇぇん......」

P「い、一旦事務所に行こう!大丈夫、きっとお母さんが来るから!」

ピンポンパンポーン

『本日は天海ブリリアントパークにご来場いただき、誠にありがとうございます。ご来場のお客様に迷子のお知らせを致します....』



@天ブリ事務所

P「えぇっと......アナウンスしたからね、大丈夫だよ...きっと」

迷子「うぅぅぅぅ.....!」

P「あぁっ!ほら、ゆ、遊園地は楽しかったかな...?どのアトラクションとか」

迷子「うわぁぁぁぁぁぁん!!」

『キャアアアアアア!!』

P「ぐっ!?な、なんだ......今の...?」クラッ



ガチャ

亜美「ふぅ~、さすがに亜美も疲れたよ~」

真美「お疲れ亜美~、真美もそーとーちかれた....」

P「あぁ、二人ともお疲れ!」

真美「兄ちゃんもおつおつっ....て、何してんの?」

亜美「あー!兄ちゃんが子供泣かしてるー!いーけないんだいけないんだ~!」

P「ち、違う!これはその、迷子で!」

亜美「なぁるほど~」

迷子「うぅ.....おかあさん.....うぅぅ....ヒック...グスッ」

P「泣かないで、お母さんは」

真美「どのアトラクションが一番良かった?」

亜美「もちろん、9:02pmっしょー!」

迷子「うん......?グスッ」

P「!」

亜美「水のアトラクションとか、映画みたいなアトラクションとかあったっしょ?」

迷子「てっぽうでうつやつ...」

真美「キラメキラリかー!負けたぁ!アレ楽しいもんね!」

迷子「うんっ...ヒック...」

亜美「おっ!その手に持ってるのはキラメキラリのモヤシバッヂ!高得点を取るとはやりますなぁ!」

迷子「ホント.....?」

真美「うんうん!アレ難しいのにスゴイYO!ちなみにそこのお兄ちゃんはチョー下手なんだよ?」

P「う、うるせぇやいっ」

迷子「ふふっ.....」ニコッ

真美「(....よしっ)」

P「.......」

真美「映画館みたいなの乗った?」

迷子「うん...怖かった」

亜美「泣いちゃった?」

迷子「うぅん、大丈夫だった」

真美「なんて強い子でしょう!真美、これには感服...」

亜美「亜美もですぞ...一方兄ちゃんは叫んだのでした」

P「お、お前なぁ!」

迷子「怖かったの?」

P「う...うんっ、スッゴク...」コクリ

迷子「うふふっ!」

真美「兄ちゃんがダッサイな~。それじゃあ一生彼女出来ないよ?」

P「余計なお世話だい!」

迷子「あははっ!」キャッキャ

P「どう?この遊園地楽しい?」

迷子「うん!前来たときね、のりものなかったけど、今いっぱい!」

P「そうか、そりゃよかった」ニコッ



コンコン ガチャ

高木「親御さんが見つかったよキミィ!」

P「社長!わかりました、すぐ行きます!」

迷子「?」

真美「お母さん見つかったって!」

亜美「良かったね!」

迷子「ほんと!?やったぁ...」パァァ

高木「こちらの警備が甘かったのが原因です。本当に申し訳ありませんでした」

P「申し訳ありませんでした」

父母「こちらこそご迷惑をおかけしてすみませんでした」

母「一人にしちゃってごめんね?怖かったでしょう?」

迷子「うぅん、お姉ちゃん達とお話しできて楽しかった!あと、ダサイお兄ちゃん」

P「ダサっ......うん、俺もお話しできて楽しかった」

迷子「うんっ」

亜美「これで一件落着ですなっ!」

高木「うむ!」

P「あぁ」

真美 スッ

真美「もう、お母さんの手を放しちゃダメだかんね...?」

迷子「うんっ!」

P「.......」

母「それでは.....本当にありがとうございました」

P「.........」

真美「真美ね、まだ小さかった頃、迷子になったことがあるんだ」

亜美「懐かしい....あれは300年前...」

高木「亜美君は長生きだなぁ」

P「しゃ、社長....それで?」

真美「必死で亜美が探してくれてね、その時に『お姉ちゃんなんだからしっかりしてYO!』て怒られちゃった」

亜美「そんなこともありましたなぁ」

真美「迷子って、とっても怖いんだよ。兄ちゃんが思ってるそーぞー以上に。だからあの子の気持ちもすっごくわかったんだ」

真美「だから.....なんとかしてあげたいって」

亜美「大丈夫、今度真美が迷子になっても亜美が探してあげるから!」

真美「ちょ!真美はJCだよ!?迷子になんかならないっしょー!」

亜美「あはははは!」

高木「この天ブリも広いからねぇ、迷子にならないでおくれよ?ハハ、ハハハハ!」

真美「もー!」

P「.................」




P「(今、やっとわかった。この二人の“違い”が...)」


P「(亜美は、人と等しく接する事で、場の雰囲気や、人を和ませる存在...)」


P「(真美は、人と視線を合わせることで、その人の気持ちを共感してあげる存在...)」


P「(髪型なんて、外見的相違にすぎない。二人の心の奥底の、小さな違い....)」


P「(.....やっとわかった)」



P「お疲れ、亜美」ポン

亜美「おっ」

P「お疲れ、真美」ポン

真美「おぉ!兄ちゃん、今回は迷わずに違いがわかりましたなぁ!」

P「あぁ、今までごめんね。もう二度と間違えない」



..............ゴゴゴゴゴゴ

ゴゴゴゴゴゴゴ!!

P「うわ!?」

亜美真美「うわわっ!?」

P「この揺れ.....!行こう!」

ザワザワ ナンダナンダ!? ジメンカラ.... エンシュツ? スッゲェ!

P「東エリアに.....」

高木「いや、西エリアもだ!まさかこんなゲストのいる時間に出現するとは....!キミ、怪我人がいないか声をかけたまえ!私は西エリアに行く!」

P「了解です!」

亜美「なになに!?何が起きたの!?」

真美「すっごい音したよ!?」

P「ごめんな亜美真美、今ちょっと待っててくれ!」

P「何で今まで出現しなかったんだ...」

P「お怪我は!?.....大丈夫ですか.....!他に...」

春香「コーン全部置き終わりました!」

高木「助かるよ、支配人」

美希「ふーっ、一仕事したの....」

P「お疲れ様、急に呼び出してすまなかった」

真「怪我人は誰ひとりいなくて良かったですね」

雪歩「本当にね...」

やよい「でもアトラクション増えて、またお客さんが増えるかもー!」

律子「そうね.....」

亜美「兄ちゃんの言ってたこと本当だったんだね」

P「やっと信じてくれた?亜美」

真美「こんな摩訶不思議なことがるとは...」

P「面白いよね、真美」

春香「!」

春香「プロデューサーさん、二人の区別がつくようになったんですね!」

P「あぁ」

P「でも何故アトラクションが急に二つも....」

高木「それは亜美君や真美君だけでなく“キミ”も関係している事だと思う」

P「俺.......ですか?」

高木「二人の天ブリ、そしてアイドルに対する想いは充分にあった」

高木「しかし天ブリはそれを“完全”と見なさなかった」

美希「どういうこと?」

高木「あくまで私の考えにすぎないが.....天ブリは個人だけでなく、皆の想いでパークを成す。キミ自身が亜美君と真美君、二人の違いを理解できたから、天ブリが認めたんだと思う」

P「それぞれを理解していれば...アイドルとして輝けると」

高木「あぁ」

P「亜美、真美、今出現したアトラクションは二人のものだ」

亜美「亜美の!?」

真美「真美の!?」

P「あぁ、アトラクションを任せたぞ!」

亜美真美「うん!」

亜美「『西は任せてよ兄ちゃん!』」

真美「『東は任せてね兄ちゃん!』」

P「よろしく頼むぞ!」

http://i.imgur.com/lwyur2f.png

【 スタートスター(亜美)】

キサラギと呼ばれるロボットに乗って、迫りくる敵を殲滅するアトラクション。双海亜美が担当する。敵を倒せば次のステージに進むことが出来る。アズサイズ→リッチェン→ユキドリル→ハルシュタインの順番で戦う。ダメージやスピードもリアルに再現されており、クオリティは高い。しかし、操縦が非常に難しいため、子供向けではないところが難点。対し男性には絶大な人気を誇っており、これの操縦目的で来場するゲストも少なくない。コアなアトラクションである。パフォーマンス時間は人によって変わる。最大17分。

集客―C 時間―A 演出―A 設定―A





http://i.imgur.com/WmYter2.png

【 黎明スターライン(真美)】

双海真美が担当のアトラクション。『iDOL(隕石除去人型ロボット)』に乗り、隕石(ドロップ)を破壊する。破壊したドロップの数をスコアで競う形式のアトラクションである。これも亜美と同様操縦が容易でないためコアなファンに愛される。高スコアを獲得したゲストには真美直々から、『新機体カード』なるものを渡される。これは次回乗った時、インベルだけでなく、他のネーブラやヒエムスを選択できるもの。それぞれ、パワー重視やスピード重視で操縦が異なる。最終的にはテンペスタースの新機体カードが操縦可能。パフォーマンスは約12分。

集客―C 時間―A 演出―A 設定―A


http://i.imgur.com/MYyfc5R.png

天海ブリリアントパークの動員数は倍に膨れ上がった。

ゲストの溢れる時間帯にアトラクションが出現したことにより話題が話題を呼んだ。

それは地元の新聞のみならず大手の新聞社並びにテレビ局まで報道され、興味を持ったゲストが足を運んだ。

そこで一つゲストから疑問が浮上した。

『天海ブリリアントパークで事故はなかったのか?』と。

誰もが少しずつ、一歩ずつ、天ブリの真実に近づいていった。

@天ブリから遠く離れた街


「ねぇ.....これからどうする?」

「はい...上京したはいいものの、目的を見失ってしまいました」

「自分、お腹減ったぞ」

「奇遇ですね、私もです。では腹ごしらえといきましょう」

「うん!」



@天ブリ前一般道路

「ここに来るのも久しぶりね.....」

「...........何も出来なくて、ごめんなさい」

「優.......」




@高層ビル 最上階

「天海ブリリアントパークに関する資料です」トサッ

?「ご苦労様」

「大分欠陥のある遊園地ではありますが、調べる度に気になる情報が見受けられます」

?「気になる?」

「はい。突然のアトラクションの出現もそうですが、一番気になるのは」

「そこに勤める“プロデューサー”という人物に関して.....どうなさいます?」

?「....私も行ってみるわ。別の遊園地の人気なんて、見過ごすわけにはいかないでしょ」

「では、お車をご用意いたします。水瀬プライヴェイトランド支配人.....」



「...伊織お嬢様」


これにて閉園。

次回で最終回になります。

では、またのご来場をお待ちしております。

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