【艦これ】円卓の鬼神の海戦記【エスコンZERO】 (918)

エースコンバットZEROと艦これのクロスです


過去作

ブレイズ「日本からオーシアに支援要請ですか?」
ブレイズ「日本からオーシアに支援要請ですか?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409334033/)

夕張「新型反動抑制装置?」
夕張「新型反動抑制装置?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416149598/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435985096

―――ブイン基地―――


金剛「ウゥ…」

大和「こ、このままじゃ…」

瑞鶴「や、やられた。これじゃ艦載機が…」

矢矧「まだよ!まだこの基地はやられてないわ!」

羽黒「けど敵の数が多すぎます!このままだとこの基地は」



―このブイン基地は深海棲艦の強襲を受けていた。その膨大な戦力にブイン基地は壊滅の危機に瀕していた―



利根「まだじゃ!まだ諦めてはいかん!なんとしても守りきるのじゃ!」

吹雪「! 敵部隊の増援を確認!第四波来ます!」

摩耶「くそったれがぁぁぁ!」ダダダダダ



―機銃掃射による対空防御。しかしその圧倒的な数を全て打ち落とせるわけもなく、残った艦載機が鎮守府を爆撃する―



由良「みんな大丈夫!?」

愛宕「私達はなんとか」

陸奥「被害状況は!?負傷した艦娘は下がっ…」

時雨「どうしたの!?…あ、あの位置は…!」

夕立「て、提督さんがいた場所っぽい!」

雪風「し、司令ぇ!」ダッ


陸奥「ダメよ、雪風ちゃん!まだ爆撃機が!」

時津風「雪風!直上!」

雪風「え?あ……」







         鬼神、再び






ドォォォォォン


時津風「雪風ぇぇぇぇ!」

雪風「うぅ……。あれ?」

時津風「雪風、大丈夫!?」

雪風「う、うん。なんともないよ。でもなんで?」


陸奥「なに?なんなの、あれ?」

愛宕「わからないわ。味方の識別信号も出てないし」

夕立「でも敵さんじゃないっぽい」

時雨「誰が乗ってるんだろ、あのF/A-18E(スーパーホーネット)」


――――――


烈風妖精「爆弾だけきっちり撃ち抜くなんて、円卓の鬼神の二つ名は伊達じゃないわね」

サイファー「昔のことだ。それにお前達のサポートがあってこそ出来た離れ業だ。分の悪い賭けだったよ」

彗星妖精「さっきのは私達はやってないよ?まだまだ鬼神は現役ってことだよ」

サイファー「言ってろ!っと、お喋りはここまでだ。邪魔な奴から落とすぞ!」


烈風妖精「お仕事の時間ね。それじゃ行きましょ」シュゥン

彗星妖精「いつでも準備OKだよー!」シュゥン

流星妖精「雷撃…じゃなかった、対艦ミサイルもいけます!」シュゥン



<System Pixy Standby>ピピッ!



サイファー「ミッション開始だ!」

加賀「な、なんなの、あれは…」

龍驤「信じられへん。うちらの艦載機でもあれへんのに深海棲艦の艦載機を次々と落としとるし」

瑞鳳「しかもたった1機で。何処の誰が乗ってるの!?」

榛名「ハッ!て、提督は!?提督はご無事なんですか!?」

吹雪「そ、そうだ!司令官さんは!?」



大和「………」ギリッ

吹雪「大和さん、司令官さんは」

大和「来ちゃダメ!来ては…いけません。今は…今は戦闘に集中してください」グスッ

吹雪「でも!大和さんだってボロボロに」

扶桑「吹雪っ!」ガシッ

吹雪「は、離してください!」

扶桑「今は…今はあの所属不明のスーパーホーネットの援護よ!提督だってそうおっしゃるはずよ」

吹雪(扶桑さん、手が震えて…)

吹雪「りょ、了解!これより所属不明機の援護を開始します!」ギリッ

扶桑「まだ航行可能な艦娘(こ)はあの所属不明機の援護に回って!くれぐれもあの戦闘機を落とさないように」


『了解!』


――――――


吹雪「す、凄い。最前線の敵艦隊をたった1機だけで」

扶桑「油断しないで。まだ敵の艦隊はいるはずよ」

翔鶴「偵察機出します!彩雲、発k」



ォォォォォン



阿賀野「なに今の爆発音!?」

霧島「…捉えたわ!空母ヲ級があの所属不明機のミサイルにより轟沈。さらにその爆発で護衛の駆逐艦が巻き添えで中破したみたいね」

那智「なっ…!1発で2隻に被害を出したっていうのか!?なんという精度だ」

扶桑「とにかく、あの爆発の方向に敵艦隊がいるみたいね。各員前進!所属不明機の援護に急ぎましょう」


『了解!』


――――――


流星妖精「ハープーンミサイル命中!空母ヲ級撃沈!近くにいた駆逐イ級が中破」

サイファー「たまたま近くに駆逐艦がいてラッキーだったな。烈風!彗星!接近して一気に仕留めるぞ」

烈風妖精「残弾は大丈夫よ。気にせず撃っていいわ」

彗星妖精「きっちり敵さんに爆弾落っことしちゃうよ~!」

彩雲妖精「対空砲撃、来るよ!」

サイファー「そんなもの」クイッ


―機体を巧みに操り、対空機銃をなんなくかわす―


サイファー「誘導式の対空兵器でないなら狙いがわかっている分避けるのは簡単なもんだ」

サイファー「こいつはお返しだ!持っていけ!」ドガガガガ

サイファー「ついでにお前もだ!」カチッ

彗星妖精「狙いはバッチリ!いっけ~!」ヒュゥゥゥン


―中破した駆逐イ級に機銃掃射。そして進路上にいる重巡リ級に爆撃。2隻をあっさり撃沈する―


彗星妖精「さっすがサイファー!仕事が早い!」

サイファー「おしゃべりしてる場合じゃないぞ。まだ敵は残ってるんだ」

彗星妖精「わかってるって!それとあの鎮守府から比較的損傷の軽い艦娘が来たみたいだよ」

彩雲妖精「砲弾来るよ!巻き添え喰らわないようにね!」

ドォォン!ドォォン!



サイファー「見事なもんだ。あの距離から砲撃できっちり当てるとはな」

烈風妖精「どうするの?あの艦娘(こ)達と一緒にこの部隊を叩くの?」

サイファー「いや、ここは彼女達に任せても大丈夫だろう」

烈風妖精「そう。なら他の艦隊を叩かないとね。彩雲、見つけられる?」

彩雲妖精「敵艦隊が後退していってる。どうやら撤退してるみたい」

烈風妖精「どうするの?サイファー。追撃して叩くの?」

サイファー「いや、撤退行動に入っているなら追撃はしない。それに機銃の弾薬はまだあるがミサイルの残弾がな」

彗星妖精「どうせなら最後に1発ぶっ放しておくのはどうかな?」

流星妖精「ハープーンは安くはないんですが…」

サイファー「…いや、まだ届くか?」

流星妖精「ハープーンの射程範囲内ではありますけど」

サイファー「なら一番デカイやつに1発当ててやれ。ただし撃沈するんじゃなくて大破させるぐらいでいい」

流星妖精「なぜ撃沈しないのですか!?」

サイファー「脅しと時間かせぎだ。この付近にはヤバイのがいるって認識させれば補給してすぐにまた襲ってくることはしなくなるだろう。作戦の立て直しもするだろうしな」

流星妖精「了解です!…ロックオン完了!いつでもいけます」

サイファー「沈めるんじゃないぞ。Fire!」カチッ



バシュゥゥゥゥン



――――――

翔鶴「敵の残存部隊が撤退していきます!」

扶桑「な、なんとか凌ぎ切ったみたいね」

吹雪「早く鎮守府に戻りましょう!司令官さんが!」



シュゥゥゥゥゥン……



阿賀野「何!?ミサイルが!?」

那智「あの方向は撤退してる艦隊がいる方角だぞ!」




~ォォォォン



霧島「所属不明機から発射されたミサイルが姫級に命中した模様。かろうじて動いてるところを見ると轟沈はしてないようね」

那智「あの威力なら撃沈も出来ただろうに。いったい何故沈めなかったのだろうか」

霧島「とにかく助かったわ。急いで鎮守府に戻りましょう」


――――――

サイファー「まぁこんなところか。さて俺達も戻るとするか。報酬をもらわないとな」

烈風妖精「待ってサイファー。あの鎮守府に寄ってちょうだい」

サイファー「何故だ?何か理由があるのか?」

流星妖精「あの鎮守府から力が弱まっているのを感じます」

彩雲妖精「恐らく司令官さんが大きく負傷したか、それとも」

彗星妖精「鎮守府は提督がいないと機能しないの。妖精の力が弱まるから艦娘の艤装だってまともに動かなくなるの」

烈風妖精「私達はサイファーを司令官として認識して戦闘機のシステムに同化してるからともかく、他の妖精だとそうはいかないわ」

彩雲妖精「着陸出来るだけのスペースはあったわ!サイファー、お願い!」

サイファー「わかった。行こう」


―――――
―――

雪風「司令ぇ…」

大和「提督…」


提督「みんなは…無事か…?」


赤城「はい…。損傷が激しい者もいますが、全員轟沈は免れました」


提督「…そうか。よかった…ゲホッ!ゴホッ!」


雪風「司令ぇ!」

愛宕「しゃべっちゃダメよ!すぐに病院に搬送するから!」


提督「いや、俺はもうダメだろう。流石に血を流しすぎたみたいだ」


矢矧「そんな!諦めちゃダメよ!しっかりして!まだ助かるはずよ!」

青葉「司令官さんにはまだ取材し足りてないんです!こんなところで退役するなんて青葉は許しませんよ!」


提督「…俺の代わりが…来てくれたようだな」


『え?』





キィィィィン…ガシュッ!ゴォォォォォ…プシュー




スタッ!ザッザッザッザッ…



陸奥「あのスーパーホーネットは…」

瑞鶴「深海棲艦の大部隊を追っ払った所属不明の機体じゃない」

時雨「妖精も連れてるね。彼は一体何者なの?」

加賀「烈風に流星に彗星、それに彩雲までいるわ」


―機体から降り、艦娘が囲っている提督の下へ歩を進めるサイファー。妖精を連れた異様な雰囲気を醸し出すサイファーに皆自然と道を開けていく―


提督「…やぁ。来てくれたのか」

サイファー「あんたがここの司令官だったのか」

提督「見ての通り俺はもう長くはない。報酬が未払いになってしまって申し訳ない…ゴホッ!ゴホッ!」

金剛「テートク!」バッ!


―駆け寄ろうとする金剛を無言で手を挙げ制止する提督。その行動に金剛も思わず停止する―

提督「…あのスーパーホーネットはそのまま所有してもらって構わない。その代わり一つ、俺からの依頼を受けてくれないか?」

サイファー「なんだ?俺に出来ることなら引き受けよう」

提督「この鎮守府を…ゴホッ!…ここの司令官となって皆を導いてほしい…」

サイファー「俺は一介の傭兵だ。一国の軍属ではない。残念だがその願いは聞き入れることはできない」

提督「報酬はこの鎮守府の全権限の譲渡。足りないなら新たな戦闘機を発注してもらってもいい。ラプターでもスーパーフランカーでも注文してくれたらいい」

提督「頼む、この依頼を引き受けてくれないか?妖精に認められた君にしか出来ない仕事だ」

サイファー「しかし、俺は…」

烈風妖精「サイファー。私はこの依頼を受けるべきだと思うわ」

彗星妖精「妖精とコンタクト出来る人間って限られてるからサイファーには適任だよ」

サイファー「空の傭兵が一国の海軍の、それもいきなり基地司令官のポジションに就くなんて無理のある話だ」

流星妖精「その点は大丈夫です!妖精とコンタクトが取れる時点で提督としての資質有りですから」

彩雲妖精「資質有りと認められれば鎮守府の提督の職に就くのは難しくないのよ。逆に言えば資質が無いとどんなに頑張っても不可能なの」


提督「頼む、サイファー…。君だけが頼りなんだ…」

烈風妖精「この依頼を受けないと、戦線が押し上げられて戦火が広がるわ。それにあなたもそろそろ腰を落ち着かせてもいい年じゃなくて?」

サイファー「…わかった。この依頼、引き受けよう。ただし、他の適任者が着任するまでだ。所詮俺は傭兵に過ぎん」

提督「ありがとう、サイファー。これで安心して逝ける…」スッ

―最後の力を振り絞り手を差し出す。サイファーもその差し出された弱弱しい手を握る―


提督「サイファー…み…なを…たの……」フッ

提督「」


『提督!』
『司令官さん!』
『提督さん!』


サイファー(陸上発着の機体ではなく艦載機を用意するなんて得体の知れない依頼者だったが、海軍基地の司令官だったとはな…。これはとんでもない大仕事になりそうだ)

サイファー「烈風、現在のこの基地の妖精の様子はどうだ?弱まったままか?」

烈風妖精「弱体化は止まったわ。けど、元に戻ったわけじゃない。完全に戻すには大本営からの正式な許可が必要ね」

???「それについては私が」

サイファー「あんたは?」


大淀「軽巡大淀です。提督のお言葉、確かに聞きました。大本営への手続きなどは私にお任せください」

金剛「オーヨド!なんでそんなに冷静にいられるデース!大淀はテートクがだいj」

大淀「大事じゃないわけないじゃないですか!私だって…私だって辛いんです。けど提督の最後のお言葉を無駄にするわけにはいきません」グスッ

大淀「この方を新たな司令官として鎮守府の再建、そして平和な海を取り戻すことが提督の願いなんです。その願いを無駄にしては提督が…提督が悲しみます」ポロポロッ

金剛「大淀…。Sorry…私が悪かったネ」

大淀「いえ。では、えっと…サイファーさんでしたね?必要な書類を書いてもらいますので、私についてきて下さい」

サイファー「わかった」

大淀「明石さん、それに大和さん。あとはお願いします」

明石「わかりました」

大和「承りました。そちらもお願いします」


―――――
―――

―鎮守府内仮設司令部―


大淀「すみません、このような場所で」

サイファー「いや、かまわんさ。基地が爆撃でボロボロにされてちゃ仕方ないことだ」

大淀「こちらでしばらくお待ちください。すぐに書類を取ってきますので」

サイファー「あぁ。それとすまないが弾薬と鋼材、それとボーキサイトを分けてもらえないか?」

大淀「それは構いませんが、何に使うおつもりですか?」

サイファー「妖精達(こいつら)の飯だ。こいつらが働いてくれなきゃ深海棲艦相手だとスーパーホーネットもただの鉄の塊だ」

大淀「わかりました。すぐに用意しますが燃料はよろしいのですか?」

サイファー「結構だ。それに燃料は重油だろ?重油じゃあれは動かんからな」

大淀「そうですね。ではすぐに用意しますのでしばらくお待ちください。失礼します」


―そう言って大淀は一礼しその場を離れた。残されたサイファーは疲れたようにため息を吐いた―


烈風妖精「やっかいなことになったなって顔してるわね」

サイファー「当たり前だ。防衛網を突破されたときの援護の仕事だと思ってみたら、気づけば海軍基地の司令官をやれときたもんだ。いくらなんでも話がぶっ飛びすぎだ」

彩雲妖精「いいじゃない!飛ぶのはサイファーの仕事でしょ?」

サイファー「上手いこと言ったつもりか?それに飛んでんのはあっちだ」

彗星妖精「サイファー、後悔してる?」

サイファー「後悔もなにも、こうなった以上はやるしかないだろ。それに後任が来るまでの間だ」

流星妖精「サイファーにはそろそろ腰を落ち着かせてほしいとは思っているのですが」

サイファー「あんな戦争の最前線にいた兵士に安住の地なんてありはしねぇさ」


サイファー(相棒、お前はまだ生きてどこかで戦ってるのか…)



ザッザッザッザッ


???「あの…」

サイファー「ん?俺になにか用か?」

扶桑「航空戦艦の扶桑です。先ほどの戦闘でのお礼を申し上げたくて」

サイファー「よしてくれ。結果としては間に合ってないんだ。恨み言は言われてもお礼を言われることじゃない」

扶桑「しかし、あなたのおかげで多くの艦娘の命が助かりました。提督は残念なことになりましたが、それでも多くの命を救っていただいたことに変わりはありませんから」

サイファー「…あんたは司令官の傍にいてやらなくていいのか?」

扶桑「もう…お別れの言葉は言ってきました」

サイファー「そうか…」

扶桑「…何故、あなたは妖精を従えてるのですか?それにあの戦闘機の戦力も」

サイファー「俺はこいつらに助けられたんだ。深海棲艦に落とされて、死の淵を彷徨ってる時にな」

彗星妖精「私達も似たようなもんだったけどね~」

流星妖精「お互い色々とギリギリでしたからね。助け合いの結果です」

扶桑「どういった経緯でそんなことn」


大淀「サイファーさん、お待たせしました。扶桑さん、こちらにいらしてたんですか?」

サイファー「大丈夫だ。そこの扶桑と少し話をしていたところだ」

扶桑「大淀、その書類は…。やはりこの方が新しい提督になられるの?」

大淀「はい。鎮守府司令官としての『資質』、それに先程の戦闘記録を大本営に報告したところ特例で認められることになりました」

扶桑「そう…。サイファーさん。いえ、サイファー提督。扶桑型戦艦1番艦扶桑共々、今後ともよろしくお願いします」

サイファー「あくまで後任の適任者が着任するまでの間だ。だが、仕事を引き受けたからには全力で取り組ませてもらう。こちらこそよろしく頼む」


―――――
―――

―前任の提督が亡くなり、サイファーが特例で司令官として着任することになったブイン基地―
―戦火が収まりホッとする間もなく慌しく動く鎮守府事情に奔走させられながらそれぞれの夜が更けていく―
―そして一夜が明けた…―


大和「最後の時まで我々艦娘を導き、勇敢に戦った提督に…敬礼!」バッ!


ビシッ!


『提督ぅぅぅ…』グスッ

『司令官さぁん!』ポロポロ

『提督さぁん!!』グスッ


―前任の提督の遺体を載せた大型飛行艇が日本に向け飛び立つ。涙する者、膝から崩れる者、それぞれが悲しみに打ちひしがれながら見送る―


大淀「サイファー提督もありがとうございました。着任して間もないのに葬儀に参列していただきまして」

サイファー「傭兵と依頼主の間柄ではあったが、前提督から大きな仕事を引き継いだんだ。最後まで見送ってやるのが礼儀だ」


―敬礼の姿勢で見送っていた大和がサイファーの元へ歩み寄る―


大和「…あなたがこの鎮守府の新しい提督、サイファーさんですね?」

サイファー「あぁ、そうだ」


大和「皆さん、整列してください!新任の提督に挨拶を!」

サイファー(気丈な艦娘(女)だ。自身も悲しくて仕方ないだろうに…)


―大和の呼びかけに皆サイファーの前に整列する―

大和「敬礼!」バッ!


ビシッ!


大和「ようこそブイン基地へ。我々艦娘一同はこれよりサイファー提督の指揮下に入ります!」


―サイファーもこれに応えるように敬礼で返す―


サイファー「空軍式の敬礼ですまないな。海軍式の敬礼は馴染みがないんでな」

烈風妖精「何を言ってるの。海軍式なら私達のを見て知ってるでしょうに」

彗星妖精「素直に間違えたって言えばいいのにね~」

サイファー「黙ってろ。…俺は海軍の運用には疎い故にこれから迷惑もかけるだろうがよろしく頼む」

サイファー「事情が事情だ、今日は皆休んでくれ。明日から業務を始めよう」

大和「了解しました。では明日マルハチマルマル時よりよろしくお願いします」

大和「総員、解散!」


―解散の号令に皆それぞれ散り散りに去っていく。その中で雪風がサイファーの元へ歩み寄る―


雪風「サイファー司令官さん。昨日は助けていただいてありがとうございました!」

サイファー「俺が君になにかした覚えはないんだが…」

彩雲妖精「私達が兵装と同化前にサイファーが爆弾を撃ち抜いたでしょ?その爆弾の直下にいた艦娘よ」

サイファー「あぁ、あの艦娘(こ)か」

雪風「サイファー司令のお陰で雪風は陸で撃沈せずに済みました。本当に感謝です!」

サイファー「たまたまだ。君が生き残ったのは運が良かったということだ」

雪風「それでも助けられたことには変わりません!これからよろしくお願いします!」

サイファー「ああ。君も疲れてるだろう。今日はゆっくりと休むんだ」

雪風「わかりました!」


―雪風はそう答えると、サイファーから離れていった―

烈風妖精「サイファー。色々思うところがあるでしょうけど、あなたは確かにこの鎮守府を守ったのよ」

流星妖精「そしてこれからは艦隊を指揮する立場で皆を守っていってほしいのです!」

サイファー「俺は後方で指揮をするタイプの人間じゃないんだがな」

彩雲妖精「ならサイファーも空中指揮機に乗って前線で指揮を取れば?」

サイファー「…ライセンスが無い」

彩雲妖精「は?」

サイファー「空中指揮機のライセンスは持ってないんだ」

彗星妖精「あれ?意外だね。てっきりサイファーはなんでも乗れると思ってたんだけどなぁ」

サイファー「世の中にどれだけジェット機があると思ってんだ。全部の機体のライセンスなんか取ってたら金も時間も足りん」

彩雲妖精「ていうか、そもそも指揮官は空中指揮機を操縦するの?」

彗星妖精「…呆れた。ホントサイファーって空戦バカだね~」クスクス

サイファー「そもそも他に航空機を操縦できるやつなんかいないだろ」

彩雲妖精「操縦しながらどうやって指揮を執る気なの?」

サイファー「なんとかなるだろ」

烈風妖精「なるわけないでしょ」

サイファー「ならあのスーパーホーネットを使えばいいだろ」

流星妖精「それだと出航した艦娘をあっさり追い越して最前線に真っ先に躍り出る可能性が極めて高いんですが」

烈風妖精「しばらくはおとなしく書類とにらめっこしてなさいってことよ。ここにはそれなりに秘書を経験した艦娘もいるみたいだし、しっかり叩き込んでもらいなさい」

サイファー「事務仕事は得意じゃないんだがな…」

烈風妖精「文句言わない!さて、私達も色々挨拶してくるわ」

彗星妖精「天山とかいるかな~」

彩雲妖精「同じ彩雲が配備されてるといいなぁ。じゃあ私達は行くね」

流星妖精「では後ほど。失礼します!」


―妖精達もサイファーの元から離れ、一人残されたサイファーは自分が執務を行ってる未来を想像していた―


サイファー(F-35でも配備してもらおうかな。いや待てよ、ラプターのほうが…)


―執務を行ってる未来を想像していた―


―――――
―――

今回はここまでです
今回もゆっくり書かせていただきます
シリアス一辺倒でやるつもりはありませんので、拾えそうなネタがありましたら使わせていただきます

ではまた

挟まっちまうアレ

こんにちは

スマホからレスは確認させていただいております
いくつかのレスでピコーンと来たものがありましたので、今後の書き貯めで使わせていただきます
本当にありがとうございます

では始めます

  ―屋内の戦場―


―1日の休暇を終え、翌日から通常の業務を行う鎮守府。元々空で傭兵として戦っていたサイファーには海軍の運営と事務仕事という慣れない仕事のダブルパンチの洗礼を受けることになる―


―仮設執務室前マルナナゴーマル時―


サイファー「無事だった施設に仮の執務室を移設したとはいえ、今日からこの中で仕事とはな」

烈風妖精「元傭兵なんだから、仕事を引き受けた以上は最高の結果を出しなさいよ」

サイファー「ったく、無茶言ってくれるぜ」


knock knock


<どうぞ


烈風妖精「なにやってるのよサイファー。自分の仕事場になんでノックしてるのよ」

サイファー「いや、なんとなくな。というかまだ実感がないんだ」

ガチャッ


サイファー「失礼」

大和「お待ちしておりました。少しお早い到着ですが、なにかございましたか?」

サイファー「いや、仮設の場所とはいえ、自分の仕事場になる場所をきちんと見ておきたくてな」

大和「そうでしたか。ではこちらにおかけになってください。私は大淀から本日の仕事を受け取ってきますね」

サイファー「あぁ、頼む」


バタン


サイファー「なんというか、前時代的な軍司令部って感じだな」

烈風妖精「こんなものよ。室内は基本的に提督の好みで内装が違ったりするみたいよ。私が前にいたところなんかは温泉があったりしたわ」

サイファー「なんだそりゃ?つぅかどうやって温泉なんか引いたんだよ」

烈風妖精「そこは私達妖精の力ってところかしら。家具を作ったりする職人の妖精もいるから」

サイファー「なんでもありかお前らは。なんか頭痛くなってきた」

烈風妖精「戦闘機のシステムにインストールして使ってるサイファーが言う言葉じゃないわね。そのうち慣れるわよ」

knock knock


サイファー「どうぞ」


ガチャッ


大和「失礼します。本日の仕事をお持ちしました」


―書類の山、B7Rの如し―


サイファー「お、おいマジかこれ!着任初日の仕事の量かよこれ!」

大和「先日の戦闘での被害報告などもそうですが、昨日は執務をなさらなかった分の量も込みでこの量になってます」

サイファー「つまり今日も込みで貯まった3日分の仕事ってわけか」

大和「そうなりますね」

烈風妖精「それじゃ私はこれで失礼するわね。大和さん、この空戦バカにしっかり叩き込んであげてください」

大和「あ、はい!わかりました」

サイファー「おい烈風!逃げんな!」

烈風妖精「誰がスーパーホーネットの整備を指揮すると思ってるのよ。明石さんだって専門外なんだから、私は私の仕事をするだけよ。それじゃ頑張りなさい」


バタン

サイファー「マジかよ…」

大和「まぁまぁ、私も出来る限りサポートしますので頑張りましょうサイファー提督」


<サイファー執務中>


>この書類に目を通して判をお願いします

>ふむふむ…ん?なんて読むんだこれ?

>これは○○ですね

>ありがとう。…ん?すまん、これはなんて読むんだ?

>これは○○○と読みます


大和「サイファー提督、失礼ですがどうして漢字が読めないのに日本語を流暢に話せるんですか?」

サイファー「あぁ、あいつらに教えてもらったんだ」

大和「あいつらって…烈風や彩雲妖精のことですか?」

サイファー「そうだ。不思議なもんでな、あいつらには言葉の壁が存在しないらしい。オーシアやウスティオ、ベルカの言葉でもあいつらには通じる」

大和「それはまた、不思議なものですね」

サイファー「少しは文字も習ったんだが、まだ難しい漢字となるとどうしても…な」

大和「…ちなみに『大和』は読めますか?」

サイファー「………」





サイファー「お、おおわ…か?」







ピキッ




大和「『やまと』です!私の名前と同じ『やまと』です」

サイファー「す、すまん!これで大和(やまと)と読むのか」

大和「はぁ…。漢字辞書も必要ですね」

サイファー「日本語の本も読むようにしよう。何かお勧めの本があれば教えてくれ」

大和「そちらも後でご用意します。とりあえず内容を簡潔に読み上げますので判だけお願いします」

サイファー「苦労をかけるな」

大和「いえ、慣れない環境でのお仕事となるのですから仕方ないことです。さ、続きをしましょう」

―ヒトフタマルマル時―



大和「サイファー提督、丁度いい時間ですので昼食にしませんか?」

サイファー「そうだな。久しぶりにこんなに文字と睨み合いしてたから腹が減ってしょうがねぇな」

大和「ふふっ。では食堂に行きましょう。ご案内します」

サイファー「食堂って、普通の人間の俺でも大丈夫なのか?」

大和「ええ、基本的に艦娘も人と同じものを食べますので大丈夫ですよ。前提督もよく食堂で召し上がられていました」

サイファー「そうか。じゃあ俺も食堂で頂くとするか」


―――――
―――

今回はここまでです。

今回のこのSSは時系列で言えば前回のブレイズさんの後になります
なので環太平洋戦争よりも後になるので、サイファーさんはそれなりに年を取ってクレバーになってると思っていただけると幸いです

あと>>1自身もサイファーと言えばイーグルですが、一個人が持ってる方が違和感があるなと考えて
海軍=スーパーホーネットにしました
どこかで機体の更新はするつもりです

ではまた

こんばんは

前作でもそうでしたが、乙の言葉は励みになりますね
本当にありがとうございます

では投下します

―鎮守府食堂―


サイファー「ほぉ、かなりの広さだな」

大和「艦娘全員が入っても大丈夫なように広く設計されましたので、それなりの広さを誇ります。全員を集めた作戦会議などでも使用されることもあるんですよ」

サイファー「ブリーフィングルーム代わりにもなっているということか」


愛宕「あら、大和さんにサイファー提督。これから昼食ですか?」

大和「ええ。執務が区切りのいいところだったから食堂の案内も兼ねて昼食にしようかと」

高雄「サイファー提督、鎮守府はどうですか?もう慣れましたか?」

サイファー「ハッキリ言って何が何だかわからんな。つい先日まで前線の空で戦ってばっかりの人間にいきなり内勤をやれってのも無茶な話だ」

愛宕「元傭兵さんなのよね?」

サイファー「まぁな」

愛宕「傭兵の頃の話、聞いてみたいわね」

サイファー「あまり気持ちの良い話じゃないさ。戦争なんて無いに越したことはないんだ」

高雄「ところで大和さん、執務は順調ですか?」

大和「それが…」


愛宕・高雄「漢字が読めないですって~!?」

サイファー「あまりデカイ声で言わないでくれ。仕方ない事とはいえ少しは恥ずかしいんだ」

高雄「それって、執務に支障がかなり出てるんじゃあ」

サイファー「大和に内容を簡潔にまとめて読んでもらってるからペースは遅くなるがなんとかなっている」

愛宕(これってもしかして私達の名前も全然わかんないんじゃあ…)ヒソヒソ

大和(実際私の名前も読めませんでしたよ)ヒソヒソ

高雄(私の名前はともかく、愛宕なんて絶対に読めないでしょうね)ヒソヒソ

サイファー「何をコソコソ話してるんだ?」

愛宕「いえ、なんでもないわよ~」


漣「おりょ?こんなところで止まって何話してるんですか?」

愛宕「…あ!丁度よかったわ。サイファー提督、この艦娘(こ)の名前、読めますか?」

漣「(ピコーン!)ちなみにこう(漣)書きますよ、ご主人様」

サイファー「…………」




サイファー「…すまん、全く検討がつかん。れん…じゃないよな?」

漣「そりゃ左のさんずいを取ればそう読めますが」

漣「特型駆逐艦の綾波型の9番艦『漣』です。こう書いて漣と読みます。覚えておいてくださいね、ご主人様」

サイファー「ど、努力しよう」

漣「こりゃ全然ダメダメのメシマズ状態じゃないですか。報告書とか大丈夫なんですか?」

愛宕「その話をしてたところなのよ」

大和「いきなり漣ちゃんは難易度が高すぎた気もしますけど」

高雄「他の第7駆逐隊のみんなはどうしたの?」

漣「あとで来ると思いますよ」


サイファー「それよりいい加減腹が減ったんだが」

大和「あ、そうですね。注文はなににします?」

漣「海軍と言えばカレー!異論は認めない(キリッ)」

愛宕「鈴谷ちゃんじゃないんだから」

高雄「まぁコロッケも海軍ならではですね」

漣「ちなみに大和さんと武蔵さんが本気を出すとフルコースディナーでメシウマ状態ですよ」

大和「だからホテルじゃないって…まぁいいですけど」

サイファー「昼飯にそれは重過ぎる。まぁカレーを頂くとするか」

――――――

サイファー「俺の番か。カレーを頼む」

???「はーい、カレーね。って新しい提督さんじゃない」

サイファー「ん?君も艦娘なのか?」

足柄「そうよ。私は妙高型重巡の3番艦、足柄よ。今日カレーを頼むなんてサイファー提督もラッキーよ。なんたってこの足柄特製のカツカレーなんですもの」

サイファー「食堂は当番制なのか」

足柄「基本的にはそうね。ほぼ常駐してる間宮や鳳翔さんは別として、数名を日替わりで回してるのよ」

サイファー「なるほど。その中でも得意なメニューを出し合うという感じか」

足柄「そういうこと。さぁ、サイファー提督。足柄特製カツカレーよ!たんと召し上がれ!」ドンッ

サイファー「えらくボリューム満点だな」

足柄「慣れない海軍の執務で疲れてると思ってね。そんな時は思いっきりカツカレーを食べるのが一番よ!」

サイファー「そういうもんじゃないと思うが…」

???「ダメですよ、足柄さん。ちゃんとバランスは考えて出してくださいね」

足柄「あら、ダメだったかしら鳳翔さん」

鳳翔「ダメってわけではありませんが、きちんと野菜は出してください」

足柄「あはは、失敗失敗」

サイファー「君が鳳翔か」

鳳翔「はい。航空母艦鳳翔です。サイファー提督、その量食べきれますか?」

サイファー「まぁ量は問題ないな」

鳳翔「そうですか。サラダにはあちらに置いてあるドレッシングをお好みでかけて頂いてくださいね」

足柄「ドレッシングも鳳翔さんのお手製で味は保証するわよ」

サイファー「なるほど。鳳翔はここのマスターシェフということか」

鳳翔「料理長…というわけではありませんが、好きでやっていますので」

サイファー「そうか」

鳳翔「なにかお困り事がありましたら気軽に声をかけてください。出来る限りはお手伝いしますので」

サイファー「あぁ、その時はそうさせてもらう」


――――――

大和「サイファー提督、こちらのお席にどうぞ」

サイファー「ありがとうな」

高雄「凄い量ですね。食べきれるんですか?」

愛宕「空母盛りってところかしら」

サイファー「食いきれない量ではない…が、毎日この量だとあれだな。コックピットにそのうち座れなくなりそうだ」

漣「正規空母の方々も食べますが、パイロットも食べる方なんですねぇ」

サイファー「意図的にこの量にしたわけじゃねぇよ」


???「あ、いたいた。漣ここで食べてたんだ」

漣「おりょ?」クル

朧「ここ座るね。あ、こんにちはサイファー提督。漣と同じ第7駆逐隊の朧です」

曙「1人だけさっさと食堂に行かなくてもいいじゃない!あんたが新しい提督ね。空の人間に海がわかるか期待してないけど、変なことだけはしないでよね」

潮「曙ちゃん…!すみませんサイファー提督。曙ちゃん、そんなこと言っちゃダメだよ」

サイファー「いや、構わんさ。事実俺は元々空で戦う傭兵だからな。評価なんて結果で変わるもんだ。今はその酷評を受けるだけだ」

曙「ふん!空の傭兵にしては殊勝な考えじゃない。ま、精々頑張りなさいよねクソ提督」

トテトテトテ


彩雲妖精「サイファー、ちょっといい?」

サイファー「どうした?」

彩雲妖精「ここじゃあれだから歩きながら話すわ。ついてきて」

サイファー「わかった。大和、すまんがこの食事は後で食べるから取っておいてもらってくれ」

大和「わかりました。サイファー提督、どちらへ向かわれるんですか?」

サイファー「まだ俺にもわからん。とりあえず彩雲(こいつ)に呼ばれたから行ってくる」


カッカッカッカッ…


潮「なにかあったんでしょうか…」

曙「そんなの知らないわよ」

愛宕「高雄ちゃん」

高雄「ええ、間違いなく『兵士の目』をしてたわね」

大和「あとで行ってみましょう」

朧「どこに行くかわかるんですか?」

大和「完璧にわかるわけじゃないけど、多分サイファー提督はスーパーホーネットの所に向かったと思うわ」


―――――
―――

今回はここまでです
書き貯めと投下のバランス取らないと投下感覚が…
このストーリーが終わったぐらいで拾わせていただいたネタを使えそうです

ありがとうございました

再開します

サイファー「で、話ってなんだ?」

彩雲妖精「うん。あの機体を整備しててレーダー周りのテストをしてたときなんだけど、索敵範囲ギリギリになにかを捕らえたの」

サイファー「他の基地の艦娘とかじゃないのか?」

彩雲妖精「味方なら識別信号でわかるわ。けどあれは多分味方じゃない。すぐに消えたけど用心したほうがいいかもしれないわね」

サイファー「偵察部隊と言ったところか。案外立て直しが早かったな」

彩雲妖精「あのハープーンがあんまり脅しにならなかったってことかしら」

サイファー「いや、少なからず効果はあったようだ。効いてなかったら偵察部隊なんて寄越さずに本隊が突っ込んでくるはずだ」

彩雲妖精「そっか。で、どうするのサイファー?」

サイファー「スーパーホーネットの補給状況はどうだ?」

彩雲妖精「燃料と機銃の弾薬は完了よ。けど空対空ミサイルは前回使ってない分だけ、ハープーンに至っては1発しかないわ」

サイファー「実質機銃と通常爆弾だけってことか。追い返すだけなら十分だ」

―仮設ハンガー―


烈風妖精「来たわね。彩雲から聞いてると思うけど、出るのね?」

サイファー「ああ、そのつもりで来た」

流星妖精「しかし兵装の補充は十分ではありません。くれぐれも無茶だけはしないでください」

サイファー「追い払うだけだ。深追いはしない」


―機体に乗り込み、ベルトを締めヘルメットを被る―


彗星妖精「スクランブル発進だね。火入れるよ~!」


ヒュイィィィィン…ゴォォォォォ


サイファー「レーダーが捉えた方角はどっちだ?」

彩雲妖精「方位230よ。距離は離れたと思うけどまだそこまで遠くには行ってないはずよ」

サイファー「わかった。索敵頼むぞ」


<System Pixy Standby>ピピッ!


――――――

ヒュイィィィィン…ゴォォォォォ


漣「この音、ジェットエンジンの音ですよ!」

高雄「まさか、1人で出撃をなさる気なの!?」

朧「まずいです!早く追いかけないと!」

大和「皆さんはサイファー提督を追いかけてください!旗艦は愛宕さんがお願いします!」

愛宕「わかったわ!大和さん、後はお願いしますね!」


――――――


サイファー「油圧、機器ともに正常。さすが整備はバッチリだな」

烈風妖精「当たり前よ。この機体に命預けてるのはサイファーだけじゃないのよ」

サイファー「それもそうだな。よし、出るぞ!」ゴォォォォォ


――――――


愛宕「サイファー機が出たわ!皆追うよわ!」


『了解!』


―――――
―――

彩雲妖精「反応があったのはこの付近よ」

サイファー「今は何も無いな。どこかに隠れてやがるのか」

彗星妖精「それよりいいの?鎮守府から艦娘がサイファーを追って出撃してるよ」

サイファー「敵を追っ払うだけだ。合流する前には事が片付くだろ」

烈風妖精「普通なら艦娘を出撃させて哨戒するんだけど。まだまだ司令官としての自覚が足りないみたいね」

サイファー「スクランブルだ、そうも言ってられんだろ。それにこっちの方が早い」

流星妖精「そういう問題では…。サイファー!前方距離320!」

サイファー「居やがったな。敵の艦種は!?」

彩雲妖精「駆逐イ級が3隻ね。どうするの?」

サイファー「対艦ミサイルが使えない以上は有視界戦闘に入るしかないだろ。烈風!彗星!」

烈風妖精「いつでもいいわよ」

彗星妖精「沈めちゃってもいいんだよね?」

サイファー「可能ならな。ただ1隻は残せ。脅しの上塗りをしておく」


烈風・彗星『了解』


――――――

愛宕「う~ん、やっぱりジェット機は速いわねぇ」

朧「悠著な事言ってる場合じゃないです」

漣「まぁまぁ。識別信号のお陰で追跡は出来るんだし、妖精さんも乗ってるチート乙な機体なんだしメシマズにはならないでしょ」

潮「そうは言っても補給が十分に終わってなさそうだったよ。あの大きい対艦ミサイルが1発しか付いてなかったし」

曙「烈風と彗星がいたし、機銃と爆弾でなんとかする気なんでしょ?ったく、補給が不十分なのにどうする気なのよ、あのクソ提督」

高雄「とにかく急ぎましょう。あの戦場の鬼のようなサイファー提督でも物量押しされたら危ないわ」


漣「…う~ん……」

愛宕「どうしたの漣ちゃん?」

漣「いえ、高雄さんの鬼って言葉と戦闘機、な~んかどこかで聞いたことがあるような、無いような」

曙「ハッキリしなさいよ!どうせゲームで出てきたとかそんなオチじゃないの?」

漣「そんなんじゃないんだよね、ぼのピー。まぁ帰ったら青葉さんと協力して調べますか」

曙「ぼのピー言うな!ま、素性を調べるのはいいかもね。変な素性を持ってたら追い出してやるんだから!」

潮「ダメだよ曙ちゃん。それに私はサイファー提督がそんな悪い人とは思えないよ」

朧「あたしもそう思う。でなきゃ妖精さんを連れるなんて無理だし」

曙「うぐっ!…まぁでもどんな男なのかは皆が知る必要はあるわよ。私も協力するわ」

漣「おりょ?珍しい。さてはぼのピー…」

曙「なによ?文句あるの?」ギロッ

漣「い~え、な~んにも♪」

高雄「おしゃべりはそろそろおしまいよ。もうじき押し返された海域に近いエリアに入るから皆気を引き締めて」


『了解!』


愛宕「高雄ちゃん。あたしより旗艦っぽいわね♪」

高雄「愛宕が一番しっかりしてほしいんだけど。まったく、戦闘時以外はこれなんだから…」


――――――

彩雲妖精「敵が迎撃の姿勢を取ったみたいよ!」

サイファー「遅すぎたな。彗星!」カチッ

彗星妖精「はいよ~!いっけー!」ヒュゥゥゥゥン


―上空からの爆撃によりイ級1隻爆沈。そのままループの軌道を描く―


彩雲妖精「砲撃来るよ!」

サイファー「いちいち喰らってやるほどお人好しじゃねぇってな!」ドガガガガ

烈風妖精「ロックオン機能が無かったらズレそうな動きね」


―ループの下降モーションからのロールでイ級の砲撃をかわし機銃掃射。これで2隻目の撃沈―


彩雲妖精「あと1隻は最初から撤退の動きをしてたわ。既に距離も離れつつあるわ」

彗星妖精「どうするの?また1発おみまいするの?」

サイファー「当てる気では撃たんが、念は押しておく。流星!空対空ミサイルで行く!」

流星妖精「空対空?イ級相手にどう使うつもりですか!?」


―水平飛行中から180度ロールし背面になり、そのまま下方向への逆宙返りで水平に戻る。いわゆるスプリットSの軌道で海面スレスレを飛行する―


サイファー「この高度なら使えないことはない。外してもいいが、当てるなら弱らせる程度で当てろよ!」カチッ

流星妖精「了解です!サイドワインダー発射!」バシュゥゥゥン


―低空飛行の状態から空対空ミサイル発射。イ級目掛けてミサイルが飛行する。が…―




ドッポォォォン



彗星妖精「あれ?外れちゃったよ?」

彩雲妖精「ギリギリのところでズレちゃったの?」

流星妖精「無茶言わないでください。イ級みたいな脆い相手に弱らせる程度に当てろだなんて、ハープーンじゃないって言っても難しいんですよ」

サイファー「いや、あれでいい。よくやった流星」

烈風妖精「あのイ級はさらに速力を上げて撤退してるわ。作戦は成功ってところかしら」

サイファー「こっちの思惑通りに敵が動いてくれりゃいいがな。基地に戻るぞ」

烈風妖精「それと無線を開くわ。旗艦は…愛宕さんみたいね。彼女達に帰投命令を出してあげて」

サイファー「あぁ、そういやそうだったな」ワスレテタ


サイファー「こちらサイファー。作戦は終了だ。これより帰投する。君達も基地へ帰投してくれ」


――――――


≪こちらサイファー。作戦は終了だ。これより帰投する。君達も基地へ帰投してくれ≫

愛宕「え?あ、はい!艦隊帰投します」

漣「一体なにがあったんですか?」

サイファー『それについては帰ってから説明する』

曙「ちょっと!勝手に出撃していきなり帰るなんて無茶苦茶じゃない!後でちゃんと説明しなさいよ!」

高雄「提督自ら真っ先に飛び出して行くなんて心臓に悪いことなさらないでください」

サイファー『緊急事態だったからな。全部基地に帰ってから説明する』

潮「でもよかったです。サイファー提督が無事で」

朧「実力は先日の戦闘で折り紙つきだって言ってもやっぱり心配になりまs」


ィィィィンゴォォォォォ……キィィィィィン…


高雄「きゃっ!」

愛宕「ちょっと~!」

曙「わっぷ!危ないじゃないのよクソ提督!」

潮「うえぇん。海水被っちゃいました」

朧「サイファー提督、少し冗談がすぎますよ」

漣「あっはっはっ!みんなびしょ濡れメシウマ状態ktkr!カメラ持ってくればよかったですねぇ」

曙「なんであんただけ無事なのよ!あんたもびしょ濡れになりなさい、このバカなみ!」

漣「いやですね~。レーダーで感知してれば進路予想出来たじゃないですかぁ」


>ふざけんじゃないわよ!くらいなさい

>当たりませんよ~こっちまでおいでぼのピー

>待てコラバカなみー!

>ハイハイ、遊んでないで戻るわよ~


――――――

流星妖精「サイファー。茶目っ気を出すのはよろしいですが、少し近すぎたのでは」

彗星妖精「曙ちゃんお怒りだったよ~」

烈風妖精「下手な格好付けは評価が下がるだけよ」

彩雲妖精「まだ曲芸飛行の方が良かったかもね」

サイファー「ボロカスに言ってくれるな」

烈風妖精「無用な心配はするなって言いたいつもりなんでしょうけど、後でしっかりと謝っておきなさいよ」

サイファー「わかったわかった」


―――――
―――

―ブイン基地―


サイファー「やれやれ、とんだ説教を喰らったぜ」

烈風妖精「最後のあれがなければあそこまで怒られなかったわ。あれはサイファーが悪い」

流星妖精「それに基地司令官の立場なんですから、自分が一番に出るのではなく艦娘を運用してください」

サイファー「お前らまで俺に説教かよ。もう十分だっつうの」

彩雲妖精「これに懲りたらキチンと司令官らしく振舞うことね」

サイファー「お前がスーパーホーネットの元に向かったからだろうが」

彩雲妖精「さて、なんのことかしら?私は歩きながら説明すると言っただけよ?」

サイファー「このっ…!はぁ、もういい。俺は執務室に戻るぞ」

烈風妖精「私達は機体の整備をするわ。まぁ頑張りなさい」

<仮設執務室>


knock knock


大和<どうぞー


ガチャッ


サイファー「今戻った。心配かけたようだな」

大和「サイファー提督はこの鎮守府の司令官なんですから、これからは一言私達に相談してくださいね」

サイファー「…それだけか?」

大和「お説教ならもうとっくに受けてらっしゃるでしょ?昼食は暖めなおしてますので先にお召し上がりください」

サイファー「あぁ、ありがとう」

大和「それと、本日の仕事の続きです!」ドンッ

サイファー「おい…。なんか増えてねぇか?」

大和「当たり前です!緊急とはいえ出撃を、それも提督自身が行ったとなれば報告書が増えて当然です」

サイファー「前例とかあったりしてテンプレみたいなのがないのか?」

大和「そりゃ船に乗って出ることはあるでしょうけど、戦闘機に乗って出撃なんてありませんよ」

サイファー「マジかよ…」

大和「自業自得です。今日は徹夜も覚悟してくださいね」

サイファー「勘弁してくれ…」


―――――
―――

今回はここまでです
約半年前となんら成長してない>>1のSSですが、見てくれている人がいらっしゃるならゆっくりお付き合いください

ではまた
ありがとうございました

再開します

  ―司令官として、人として―


―前回の出撃から1週間が過ぎ、ようやくサイファー自身も執務に慣れはじめた―


サイファー「ふむ…。えっとこれは…」漢字辞書ペラペラ

鳥海「サイファー司令官、こちらの計画書なんですが…」

サイファー「ん?ちょっと待ってくれ。…よし」ハンコポーン

サイファー「どういった内容だ?」

鳥海「はい。以前破壊された鎮守府の施設の再建、及び新設備の増築計画なんですが」

サイファー「そういやこの部屋も仮設なんだよな。再建ってことは同じ設備をまた建てるのか?」

鳥海「そうですね。基本の造りは同じになると思いますが、艦娘からの要望をいくつか取り入れた設備も同時に増築されるかと」


サイファー「どれどれ…。新しい訓練設備…艤装改修設備…システムキッチン…?バー?なんだこりゃ?」

鳥海「訓練設備は多数の艦娘からで、改修設備は明石さんから、システムキッチンは鳳翔さんを始めとする料理をされる艦娘からで」

サイファー「バーは…まぁなんとなく検討はつくな」

鳥海「却下しようかとも思いましたが、サイファー司令官さんも多少はお酒を嗜むであろうと思いまして」

サイファー「まぁ予算に収まるなら構わんが。それと戦闘機用のハンガーか」

鳥海「いつまでも仮設の場所に置いてたら整備もし辛いだろうということで計画の中に含まれました」

サイファー「これだけの設備投資によく予算が下りたな」

鳥海「司令官さんの武勲が大本営に認められたということですよ」

サイファー「元傭兵ということで足元見られると思ったんだが、意外とキッチリ評価するもんだな」

鳥海「大部隊をたった1人で追い返すなんて普通に考えたら出来ることじゃありませんよ」

サイファー「逆に言えば過度な期待を持たれてるとも言えるわけか」

鳥海「それでですね、この際サイファー司令官さんの要望もあれば、それも増築計画に入れようと思うのですが」

サイファー「俺の?…そうだな。戦闘機がもう1機欲しいとは思っているが、流石に今回は予算が超えそうだな」

鳥海「ちなみにどんな機体を頼むおつもりなんですか?」

サイファー「F-15イーグル、もしくはストライクイーグルをな」

鳥海「F-22ラプターやSu-37スーパーフランカーみたいな超高性能機ではなくですか?」

サイファー「慣れ親しんだ機体の方が色々都合がいいこともあるんだ」

鳥海「サイファー司令官さんはイーグルドライバーだったんですね。今回は予算に収まりそうにないので今後の計画に入れましょうか」

サイファー「まぁ流石に今回は無理だな。それなら俺用の訓練設備を増設してもらおうか」

鳥海「具体的にどんな設備なんですか?」

サイファー「低圧訓練用の設備と装置だな。低酸素状態の訓練が出来る設備ってのは中々無いものだからな」

鳥海「それについてはちょっと調べてみますね。予算内に収まりそうであれば導入しましょう」

サイファー「イーグル1機政府から流してもらうのと大して変わらんかもしれんがな」

鳥海「その場合はイーグルを1機発注しましょうか?」

サイファー「そうだな。J型モデルだろうから対艦ミサイルを使用できるようにカスタムしないとダメだがな。まぁ全ては予算に収まり次第ってところだな」

鳥海「そうですね、ではそちらもまとめておきます。それとこちらの書類なんですが…」

サイファー「どれどれ…。ふむ…」


―――――
―――

サイファー「ふぅ…んっあぁぁぁ~!事務仕事ってやつだけはいつになっても慣れねぇもんだな」ノビー

鳥海「前線で戦う傭兵さんでしたからわからないこともないですが、慣れてもらわないと私達も困りますよ」

サイファー「わかってるよ。でなきゃ漢字辞書片手に書類と睨み合いなんかしてねぇってな」


knock knock


サイファー「入れ」


ガチャ


摩耶「よ、サイファー提督。あたしの要望書見てくれたか?」

サイファー「摩耶の要望書?」

鳥海「それならこちらに」スッ

摩耶「なんだよ、まだ見てなかったのかよ」

鳥海「仕事には優先順位があるんだから仕方ないでしょ。どんな要望を出したの?」

摩耶「あぁ、それは…」

サイファー「…俺の機体を使った対空訓練?」

摩耶「あぁ。あたしや吹雪、秋月や春雨みたいな対空兵器が充実してる艦娘向けの訓練なんだけどよ、もっとすげぇ相手がいねぇかなって思ったところでさ」

サイファー「それで俺に的役をやれってことか」

摩耶「そういうことだな。あんだけの大群を蹴散らしちまうサイファー提督ならうってつけの相手だしな」

鳥海「摩耶?そんなのダメに決まってるでしょ。サイファー司令官さんだって忙しいんだから」

摩耶「んなこと言ったってよぉ。サイファー提督以上にすげぇ相手なんてそうそういねぇぜ?」

鳥海「そりゃそうだけど、あれを見てサイファー司令官さんにそんな暇があると思って?」



サイファー「……~」漢字辞書ペラペラ



摩耶「た、確かにありゃ時間に余裕なんて出なさそうだな…」

鳥海「でしょ?だから今回は却下よ」

摩耶「ちぇっ!仕方ねぇな」

サイファー「逃げ回るだけでいいのか?」

鳥海「サイファー司令官さん?」

摩耶「マジか!?引き受けてくれんのか!?」

サイファー「ミサイルを使えば冗談抜きで撃沈してしまうが、機銃はペイント弾に代えればなんとかなるな。ただの的に徹するなら逃げ回るだけでいいしな」

摩耶「ミサイルに演習弾とかねぇのか?」

サイファー「そんなものは無いな。空戦演習だとHUDに撃墜判定が出るから撃たなくても勝敗がわかる。対艦にしても実際に標的艦は撃沈する」

摩耶「じゃあミサイルは禁止だな。引き受けてくれるってことでいいんだよな?」

サイファー「最終的には妖精達(あいつら)と相談することになるがな。それに今すぐというわけにはいかんしな」

鳥海「そうですよ。まだこれだけ仕事が残ってるんですから」@書類の山

サイファー「そういうことだ。だが近いうちに出来るよう調整してみよう」

摩耶「まぁ漢字辞書片手に執務やってる状態じゃあしょうがねぇよな。でも、サンキューな!楽しみにしてるぜ!」




バタン





鳥海「よろしかったのですか?あんなこと引き受けて」

サイファー「あいつは前任の司令官が亡くなったことをかなり重く引きずってた艦娘の一人だっただろ?」

鳥海「えぇ、金剛さんや酒匂ちゃんや古鷹さん達みたいに、重度の精神的ダメージを負ってました」

サイファー「完全に吹っ切るための切欠が欲しかったってところだろ。で、思いついたのが俺とスーパーホーネットを使った訓練ってことだと思ってるがな」

鳥海「よく見てらっしゃるんですね」

サイファー「戦場で心の折れた奴、立ち直ろうとする奴なんて嫌というほど見てきたからな」

鳥海「司令官さん…」

サイファー「さて、もう一息頑張るか。あと少しで昼飯だしな」

鳥海「クスッ…はい!」


―――――
―――

今回はここまでです

6-3攻略中に瑞鳳がやっと来てくれた(ドロップしたとは言っていない)
また瑞鳳で何か書きたい。俺、次の日曜日には絶対にあの時報を聞くんだ

ではまた
ありがとうございました

再開します

―フタマルサンマル時―

サイファー「やれやれ、やっと終わったか」グッタリ

鳥海「お疲れ様でした。コーヒーをどうぞ」スッ

サイファー「あぁ、サンキューな」クイ

鳥海「それにしても着任当初に比べればずいぶん仕事が早くなりましたね」

サイファー「大和が薦めてくれた本も読んでるからな。少しは漢字にも慣れてきたってことだろ」

鳥海「私のお薦めも読んでみます?」

サイファー「…いや、それは遠慮する」

鳥海「何故ですか?」

サイファー「鳥海、妙高、霧島だと漢字初心者に優しくない戦術指南書とか渡されそうだからな」

鳥海「私はそこまで海戦バカじゃありませんよ」

サイファー「逆に如月、羽黒、榛名あたりだと俺が持ってたらMPに捕まりそうな本を持ってきそうだがな」ククッ



[鳥海想像中]


鳥海「」プフッ

サイファー「おい!今何を想像した!?」

鳥海「いえ、なんでも…ありません…」クフッ

サイファー「別にいいっつうの。俺もいい歳だしな。乙女趣味全開な本なんか持ってたら不審者扱いされて当たり前だ」

鳥海「もしかして既に持ってらっしゃるんですか?」

サイファー「そんなわけねぇだろ」

鳥海「ビックリしました。本当に持ってたら青葉辺りに特ダネ扱いされるところですよ」

サイファー「冗談じゃねぇな。乙女趣味の傭兵なんて二つ名が付いた日にゃ仕事の依頼が来なくなりそうだ」

鳥海「もしかして今も傭兵としての依頼が来るんですか?」

サイファー「いや、今は来ねぇな。一国の軍人、それも空軍じゃなく海軍の所属になってるからな」

鳥海「そうですか」

サイファー「さて、仕事も終わったんだ。もう戻ってもいいぞ」

鳥海「わかりました。ではまた明日もお願いします」

サイファー「あぁ、お疲れさん」




バタン


サイファー「さてっと、俺も飯食ってシャワー浴びて寝るとするか」

サイファー「って食堂はもう無理か。まぁ何か簡単な物でも作るか」



knock knock



サイファー「こんな時間に誰だ?入れ」


ガチャ


隼鷹「いよぉ~う、サイファー提督ぅ!」

千歳「夕食時に鳥海さんはこられましたけど、サイファー提督は来られなかったので夕食を食べてないのではと思って簡単な物を持ってきました」

サイファー「…その割には飲み物が多い気がするが」

隼鷹「やだなぁ、わかってる癖にぃ!仕事が終わったのが夜!夜といえば酒!晩酌の時間だぜ、ヒャッハー!」

サイファー「食い物がメインじゃなくて酒がメインになってんじゃねぇか」

千歳「まぁまぁ、そうおっしゃらずに。それに今日は特別ゲストもいるんですよ」

サイファー「ゲスト?那智か赤城辺りか?」




ガチャ



武蔵「待たせたな。戦艦武蔵、戦線復帰だ」

サイファー「あぁ、そういえば武蔵は重度のダメージを負って長期入渠メンバーの一人になってたな」

千歳「それで武蔵さんが完全復帰したお祝いも兼ねて飲もうって話をしてたんですが、この際だからサイファー提督も一緒にと思いまして」

サイファー「ほどほどにしてくれよ。二日酔いでダウンなんてなりゃ何言われるかわかったもんじゃねぇんだからよ」

武蔵「碌に顔合わせもしないまま入渠したからな。改めてサイファー提督よ、これからよろしく頼むぞ」

サイファー「…まぁ少しぐらいならいいだろ。こちらこそよろしく頼むぞ」

武蔵「貴様の活躍は聞いている。なんでも妖精を乗せて戦闘機で戦ってるらしいな」

サイファー「あぁ。とは言っても最近は俺自身が出撃することは無いがな」

武蔵「ほぅ?それはどうしてだ?」

サイファー「『基地司令官としての自覚を持ってください』と言われててな。司令官が最前線に、それも軍用艦ではなく戦闘機で躍り出るなんて止めてくれってな」

武蔵「貴様も鬱憤が溜まってそうだな」

サイファー「事務仕事してるなんて俺の柄じゃねぇからな。戦争したいってわけじゃねぇが、最前線で戦ってないとどうにもな」

武蔵「中々いい漢じゃないか。面白い。よし、今日は飲もうじゃないか」

サイファー「だからほどほどにしてくれと…」

隼鷹「そう堅いこと言うなって!まずは一杯グイッといっちゃいな~」ヒャッハー

サイファー「なっ!隼鷹!お前ペース早過ぎるだろ!もう酒臭ぇぞ」

千歳「おつまみもどうぞ、サイファー提督。鳳翔さんにサイファー提督にって言ったら喜んで作ってましたよ」

サイファー「お前らが食いたいのが本音だろうが、まぁ鳳翔なら味は保証できるな。どれどれ…。うん、流石だ!美味いな」モグモグ

隼鷹「これもいけるぜぇ!これはあたしが作ったんだけどよ」

サイファー「豆腐に塩昆布?それにこれはごま油か。合うのか?」

隼鷹「まぁ食ってみなって」

サイファー「どれ…」パクッ



サイファー「お前は酒の肴に関しては美味いのを作れるみたいだな」カラメノサケガホシイ

武蔵「酒の肴ってのは考えだすと案外難しいからな。これならいけるだろうと思ったら合わなくて後悔することもある」

サイファー「失敗したことがあるような言い方だな」

武蔵「新しいものを作ろうとすれば必ず試行錯誤するからな。この武蔵とて成功ばかりではない」

千歳「でもこれいいわねぇ。塩昆布の塩気がいい感じにアクセントになって、ごま油の風味が口の中にふわっと広がるけど、豆腐自体がしつこさを相殺するからバランスが取れてるし」

隼鷹「簡単で手軽に出来るからあたしも晩酌に重宝してんだぜぇ。こいつは日本酒に合わせんのがいいんだ」

サイファー「こいつは酒が進むな。日本料理ってのはどうしてこうも美味いのが多いのか」グビー

武蔵「材料をどう使う(調理する)かが重要なんだ。物が同じでも使い方一つで味はガラリと変わるからな」

サイファー「こりゃ日本に行きたがるやつが多いわけだ。改めて納得させられるな」

隼鷹「ま、大和さんと武蔵姐さんの本気と比べられちゃあ話になんねぇレベルのモンだけどさ」

武蔵「皮肉だろうと旅館と言われた武蔵の本気、サイファー提督にもその内味わわせてやろう」

サイファー「備蓄とのバランスだけは取ってくれよ」

千歳「あらサイファー提督。グラスが空になってますよ。ささ、どうぞどうぞ!」オサケツギー

サイファー「おい、だからほどほどにって…まぁいいか。これだけだぞ」グビッ


―――――
―――

―翌早朝―


サイファー「あ、頭痛ぇ。最悪だ…」

サイファー「あいつら、武蔵の全快祝いだからってバカスカ飲ませやがって。いつかハープーン撃ちこんでやる」

サイファー「あの後数人が飯と酒の匂いに釣られて入ってきたから執務室が滅茶苦茶になったし、鳥海か大淀に怒られる前に片付けないとな」ダルー



ガチャ



鳳翔「おはようございますサイファー提督」

サイファー「鳳翔?こんな朝早くから執務室で何やってんだ?」

鳳翔「執務室で飲まれたでしょうからお片づけを。それと二日酔いになられてるのではないかと思いまして、別メニューの朝食をご用意しました」

サイファー「粥にミソスープか。胃にやさしいメニューで助かる」

鳳翔「お味噌汁もシジミの味噌汁でご用意しました。疲労回復にも効果ありますが、二日酔いによく効きますよ」

サイファー「いい香りだ、こりゃ効きそうだな。気を使わせたみたいでスマンな」

鳳翔「いえ。さ、冷めないうちにお食べください」

サイファー「ありがとう。頂こう」


―――――
―――

今回はここまでです。
本日分の中にある塩昆布豆腐はニコニコの漫画から参考にさせていただきました
実際に自分でやってみて美味しかったので、感謝の気持ちもこめて入れてみました

ではまた
ありがとうございました

再開します

―マルハチマルマル時―


knock knock


サイファー「入れ」


ガチャ


鳥海「失礼します。おはようございま…す?」クンクン

サイファー「どうした?」

鳥海「いえ、昨晩執務室でお酒飲まれました?」

サイファー「あぁ、武蔵の全快祝いということで数名と少々な」

鳥海「そうでしたか。少し匂いが残ってますので換気しますね」カチャ

サイファー「悪いな。本来は執務室で飲むもんじゃないとは思ってはいたんだがな」

鳥海「いえ、ほどほどにしていただけるなら大丈夫です。それにお祝いなら多少は仕方ないですよ」

サイファー(危ねぇ。ほどほどどころか深酒したのはバレてないみたいだな。頭もすっきりしてるし鳳翔にはなにか礼をしないとな)

サイファー「今日は仕事の量がいつもより少ないな」

鳥海「はい。昨日のうちにあらかた目処が付いていたので、今日は比較的少ないですよ」

サイファー「早ければ事務仕事自体は昼で終わりそうだな」

鳥海「そうですね。それぐらいの量でしょうか」

サイファー「久しぶりに漢字から開放されるのか。よし、頑張るか!」

鳥海「フフッ…はい!」


―――――
―――

―ヒトサンマルマル時―


サイファー(鳳翔には増設予定のシステムキッチンのグレードアップを約束したし、なんとか借りは返せそうだな)

サイファー(しかし、久しぶりに日の出てる内に漢字から開放されたら、何をしようか考えものだな)

サイファー「…自主トレでもするか」

武蔵「お、サイファー提督じゃないか。執務は終わったのか?」

サイファー「武蔵か。今日は比較的仕事が少なかったからな。久しぶりに開放されてこれから自主トレでもしようかと思ってたところだ」

武蔵「そうか。ところでサイファー提督よ、少し小耳に挟んだんだがサイファー提督自身の要望に自分用の訓練施設と希望したらしいがどういうものなんだ?」

サイファー「あぁ、低圧訓練のことか。あれは戦闘機のパイロットがやる酸素濃度が低い状態で思考を働かせる訓練だ」

武蔵「なんだそれは?どういう効果があるんだ?」

サイファー「航空機ってのは基本的に高い高度を飛ぶだろ?高高度での戦闘時に判断力が鈍ればそれだけで撃墜される可能性が格段に上がる」

サイファー「高度が上がれば上がるほど酸素濃度も気圧も下がるからな。マスクがあるとはいえど限度がある」


※航空自衛隊で実際に行われている訓練と同じものをイメージしてください

武蔵「つまり高高度時に低高度時と同じように戦う為の訓練ということか」

サイファー「そういうことだ」

武蔵「面白そうな訓練だな。私もやってみたいな」

サイファー「1気圧下の海上で戦う艦娘にはいらんだろ。高高度を飛べる戦闘機のライセンスでも持ってんのか?」

武蔵「無論、無い!」

サイファー「自信満々に言う言葉じゃねぇだろ…」

武蔵「しかし、それは脳のトレーニングにはなるだろうが、肉体の方のトレーニングはいいのか?」

サイファー「もちろんそれも自主トレでやってる。でなきゃ戦闘機のGに耐えられんからな」

武蔵「ふむ…。確かに年齢にしては体つきがしっかりしてるな」

サイファー「パイロットも体が資本だからな。特に傭兵なんてなりゃ即戦力でないと食っていけん」


長良「あ、サイファー司令官、武蔵さん、こんにちは。これからトレーニングですか?」

サイファー「あぁ、そんなところだ」

武蔵「サイファー提督が中々特殊な訓練をするようで聞いていたところだ。…そうだ、サイファー提督は白兵戦は出来るのか?」

サイファー「そりゃ最低限の射撃や格闘は出来る。万が一落とされた後に敵に捕まるなんてあったらまずいからな」

長良「パイロットも中々大変なんですね」

武蔵「…よし、長良。確か道場部屋は空いてたな?」

長良「はい。今の時間は誰も使ってませんので空いてるはずですよ」

武蔵「サイファー提督よ、今日は実戦訓練として格闘訓練をするのはどうだ?この武蔵が相手になってやろう」

サイファー「超弩級戦艦と生身の人間じゃ力が違いすぎるだろ」

長良「柔よく剛を制すと言いますよ。力だけが全てじゃありませんよ」

武蔵「なんだ?それとも自信がないのか?元傭兵と言っても大したことないんだな」





ピキッ




サイファー「いいだろう。相手になってやる」

武蔵「そうこなくちゃな。長良、審判を頼む」ニヤ

長良「わかりました!」


―――――
―――

長良「それでは時間無制限1本勝負です!よろしいですね?」

武蔵「あぁ結構だ」E:道着

サイファー「空の傭兵と侮ったことを後悔させてやろう」E:道着

――――――

雪風「サイファー司令って陸でも戦えるのかな?」

時津風「さぁ?でも元傭兵なんだしCQCぐらいなら出来そうだけど」

木曾「武蔵姐さんとサイファーの戦いなんて面白そうなことやってんな」

阿賀野「あら、烈風妖精さんも見に来たの?」

烈風妖精「またサイファーがバカなことやってないかと思いまして。そしたら案の定これですか」

摩耶「なぁ烈風妖精、サイファー提督って陸で戦えんのか?」

烈風妖精「さぁ?私達もその辺の実力は把握してないからなんとも言えないですね。私達が乗って以来落とされたことなんてありませんから」

瑞鶴「何々?武蔵さんとサイファー提督さんの戦い?面白そうじゃない!見ていこうよ翔鶴姉」

翔鶴「瑞鶴ったら…。少しだけよ?」

時雨「ギャラリーが凄いことになったね」

扶桑「そうね。サイファー提督が艦娘と格闘訓練なんて珍しいことだものね」


ザワザワ…

――――――

長良「互いに前へ…。はじめっ!」

武蔵「おぉぉぉお!」ガッ!

サイファー「ふんっ!」バッ!


―互いに組み合い、投げの隙を伺い合う。しかしお互いが歴戦の戦士であるが故に一歩も引かない戦いが繰り広げられる―


武蔵「サイファー提督も中々やるな」グッ

サイファー「日本最高峰の超弩級戦艦の名は伊達じゃないみたいだな」バッ

武蔵「認めよう。空の傭兵も中々強いじゃないか。だが!」グイッ


―痺れを切らした武蔵が力技に入った。元傭兵とは言え人間であるサイファーにはそのパワーに対抗するだけの力は無論あるはずがない―


サイファー(強引にっ!?せめて受身を!)

サイファー「くっ!」ズダァン

長良「有効!」

武蔵「一本じゃなかったか。だがこの姿勢なら…!」ググッ


―武蔵が寝技に入る。サイファーもやられまいと抜け出そうと動く―


武蔵「ふふっ。どうだ?降参してもいいんだぞ?」

サイファー「なめるな!これぐらい抜け出しt」ムニッ

武蔵「ならば降参するまで決めるまで。それっ!」ググッ

サイファー「もがっ!?むががぬむむ!(何っ!?息が出来ん!)」バタバタ


―寝技から抜け出そうと動いた先は武蔵の巨大な胸部装甲。タイミングが悪く一番深いところで武蔵が力を強めた。つまり胸にガッツリ挟まってしまったのである―


武蔵「どうした?そんな動きじゃこの武蔵からは逃げられんぞ!?」

サイファー「むぐっ!もぐぐむぐぐ…(まてっ!これはズルい…)」バタバタバタバタ


ギャラリー一同「あ…(察し)」


サイファー(息が…続かな…)

サイファー「」グッタリ

長良「一本!それまで!」

武蔵「ふぅ。中々いい戦いだったぞ。時間があるときはまた相手をしてやろう」

サイファー「」チーン

烈風妖精「まったく…。ホントバカなんだから」

扶桑「まずいわ。サイファー提督が息してないわ」

木曾「衛生兵!衛生兵!サイファーを急いで医務室に連れていくぞ!」


―艦娘と妖精の措置のおかげで一命を取り留めたサイファー。しかしサイファーにはこの歳にしてトラウマを植えつけられた―


雲龍「サイファー提督、よろしかったら私の訓練にも少し付き合っていただきませんか?」

サイファー「…白兵戦訓練じゃないならいいぞ」

彗星妖精「なにがあったのサイファー?」


―――――
―――

―フタフタマルマル時―


サイファー「やれやれ、今日は酷い目にあったぜ」

サイファー「…今日はあいつら襲撃してこねぇよな。ちと早ぇけどシャワー浴びて寝るとすっかな」



knock knock



サイファー「こんな時間になんだ?入れ」



ガチャ



大淀「失礼します!サイファー提督、沖合い130km地点付近から民間船から救難信号を受信しました!至急ご指示をお願いします!」

サイファー「民間船から救難信号だと!?こんな時間になんでそんなところに」

大淀「わかりませんが、恐らく密漁者の可能性も」

サイファー「チッ!速度の速い奴を向かわせる!編成は霧島を旗艦とした高速の編成を組んでくれ」

大淀「はい!了解しました!…サイファー提督!?どちらへ向かわれる気ですか!?」

サイファー「俺も出る!妖精達(あいつら)をスーパーホーネットの所に向かわせておいてくれ」

大淀「ダメです!サイファー提督はこの基地の司令官なんですよ!サイファー提督は基地に残って皆に指示を…」

サイファー「国民の命を守るのが軍の仕事だろうが!今回のは国民なのかわかんねぇけど、人の命がかかってる時にそんなこと言ってる場合か!」

大淀「し、しかし…!」

サイファー「指示ならスーパーホーネットから送る!」

大淀「民間船に偽装したスパイかもしれませんよ!?」

サイファー「どっちにしても救難信号出してる時点でスパイなら作戦失敗だ!とにかく俺も出る!」

大淀「いけません!危険です!」

サイファー「…心配してくれんのはありがたいが、救える命があるなら救わなきゃダメだろ?」

大淀「ですが…」

サイファー「スーパーホーネットなら艦娘よりも数倍速い。現場に一番最初に到達出来るのは間違いなく俺だ。あとは頼むぞ」ダッ

大淀「さ、サイファー提督っ!」



バタン



―――――
―――

今回はここまでです

>>24の挟まっちまうあれを参考にさせていただきました
複翼機ではなく、ふくよかなあれに挟まってますが…

ではまた
ありがとうございました

本日は>>1に諸用が発生したため投下できそうにありません。
読んでいただいてる方々には大変申し訳ありませんがご了承ください。

昨日は>>1の都合で申し訳ありませんでした
再開します

流星妖精「サイファー、本当によろしかったのですか?サイファー自身が出撃して」

彗星妖精「基地司令官としての自覚を持ってくださいって言われてたのにね」

サイファー「確かに俺はこの基地の司令官だが、それ以前に人としてやるべきことがあると判断したまでだ」

彩雲妖精「基地に入り込むためのスパイだとは思わなかったの?」

サイファー「その可能性はあるだろう。が、死んだら元も子もない。そいつらの任務も失敗だし、それに尋問もできやしねぇ」

烈風妖精「そうね。死人に口無しとは言うものね。サイファー、私達がいるといっても陸地と違って夜間の海上は命中率が下がるわ。気をつけて」

サイファー「わかってる。有視界に入る前に片付けたいところだが、接近戦も頭に入れとかねぇとな」


サイファー「離陸開始地点到達!滑走路クリア!出るぞ!」



<System Pixy Standby>ピピッ!



サイファー「発進!」



ヒュィィィンゴォォォォォ…



彩雲妖精「鎮守府から艦娘も出撃したわ!旗艦霧島、続いて阿賀野、川内、島風、雪風、時津風の編成ね」

サイファー「流石大淀だ、いい早さで仕事をしてくれたな」


サイファー「こちらサイファー。俺が先行して救難信号の出てる現場に向かう!各員最大戦速で現場に急行してくれ!」


――――――

《こちらサイファー。俺が先行して救難信号の出てる現場に向かう!各員最大戦速で現場に急行してくれ!》


霧島「了解です!全艦最大戦速で急行します!サイファー司令もお気をつけて!」

サイファー『そう簡単に落とされるほど訛っちゃいねぇよ。頼んだぞ』

川内「さぁて!お楽しみの夜戦夜戦っと♪」

阿賀野「川内ちゃん、今回は戦闘がメインじゃなくて人命救助がメインなんだからね。戦闘に夢中になりすぎたらダメだよ?」

川内「わかってるわかってる!よ~し、燃えてきた~!」

霧島「本当にわかってるのかしら…。民間船を発見次第雪風、時津風は民間船の直衛、残りは周りを潰しつつ民間船を囲むわよ!」


『了解!』


霧島「もしかしたらスパイの可能性もあると言ってたわ。川内は特に民間船の動きに注意して!」

川内「え~!私も夜戦したいよ~」

霧島「あなたが一番目が利くんだから適任よ」

川内「ちぇ~。まぁ仕方ないか。島風、雪風、時津風、民間船に不審な動きがあったら即止めるよ」

島風「私の速さで回り込んだらいいんだね。任せて!」

時津風「雪風ぇ、頑張ろうね」

雪風「うん。でもサイファー司令、大丈夫かなぁ」

時津風「大丈夫だよ。あのサイファー司令だよ?敵からしたら雪風を沈めるより難しいんじゃないかなぁ」

雪風「…そうだね。よし!雪風も頑張りますっ!」

時津風「うんうん、頑張ろ頑張ろ!」


―――――
―――

彩雲妖精「捉えた!サイファー、敵部隊発見よ!距離65000!」

サイファー「艦種は!?」

彩雲妖精「軽巡1、駆逐2ってところね。ただ、民間船との距離が近いわ」

サイファー「引き剥がしてやらねぇとダメってことか。流星、一番民間船と距離のあるやつを狙え!」

流星妖精「了解です!彩雲!」

彩雲妖精「わかってるわ!」


流星妖精「…~…捉えた!いけます!」

サイファー「民間船には当てるなよ!ハープーンFire!」カチッ

流星妖精「了解です!ハープーンミサイル発射!」バシュゥゥゥン


―ミサイルは真っ直ぐ標的に向かって飛来。シースキミングの軌道で敵艦に命中する―


流星妖精「ミサイル命中!敵駆逐イ級撃沈です!」

サイファー「民間船への被害は?」

流星妖精「ありません!」

サイファー「上出来だ!」

彩雲妖精「残りの敵がこっちに意識を向けたみたいよ」

サイファー「こっちの思惑に乗ってくれたか。A/B点火!一気に距離を詰める!」ゴォォ

彗星妖精「ウピャー!」

烈風妖精「…っん」

流星妖精「くぅ…!」

彩雲妖精「いつになっても…このA/Bの加速の感覚って…慣れないわね」


―アフターバーナーを点火し急加速で距離を詰める。目標を視認し敵をマルチロックオンする―


サイファー「烈風!」

烈風妖精「民間船に一番近いイ級でしょ。わかってるわ」ドガガガガ


―アフターバーナーを切りループ。そして下降モーションでイ級を仕留めきる―


サイファー「あと1隻!」

彗星妖精「出番かな?」

サイファー「いや、まだだ。まだ(民間船との)距離が近い」

流星妖精「サイファー!高度を下げてください!この距離なら空対空でも仕留めれます!」

サイファー「角度を変える!あれに被害は出すなよ!?」

流星妖精「了解です!」


―スライスバックで旋回し軽巡ヘ級へのアプローチ角を変える。下降モーションで速度も乗せミサイル発射の態勢に入る―


流星妖精「これなら!」

サイファー「1発で仕留めろよ!AMRAAMはっし」

彩雲妖精「後方から敵部隊接近!砲撃来ます!」

サイファー「ちぃっ!」クイッ


―後方からの増援による砲撃で旋回せざるえなくなったサイファー。一度上昇し体制を立て直しに掛かる―


サイファー「彩雲、艦種はなんだ!?」

彩雲妖精「戦艦ル級2隻と軽巡ホ級1隻です!」

サイファー「…誘き出されたのはこっちってわけか」

烈風妖精「前回サイファーにやられた借りを返しにきたってところかしら」

サイファー「少しは学習してきたってとこか。だがな!」


―インメルマンターンから軽巡ヘ級の直上付近へ―


サイファー「B7Rでの戦いに比べりゃ簡単な任務なんだよ!彗星!」カチッ

彗星妖精「は~いよっと!」ヒュゥゥゥン


―通常爆弾の投下。これによりヘ級が轟沈―


サイファー「俺を囲んだと思って慢心したようだな。戦場で周りが見えてないやつは真っ先に死ぬだけだ」

彩雲妖精「サイファー!」

サイファー「わかってる」クイ


―砲撃を易々とかわしながら民間船との距離を取るように位置を変えていく―


烈風妖精「どうするの?」

サイファー「戦艦から狙う。あれが巻き添えを喰らわんとも限らんからな」

彩雲妖精「さっきからあの船が動いてないわ。もしかしたらなんらかのトラブルを抱えてるのかも」

サイファー「この場から少しでも離れてくれりゃありがたかったんだがな」

流星妖精「ロックオンしました!サイファー!」

サイファー「彩雲!増援は無いな?」

彩雲妖精「反応は無いわ!」

サイファー「なら出し惜しみ無しだ!ハープーンで…」



ドォォォォン



彩雲妖精「戦艦ル級1隻撃沈!」

サイファー「来たか。いい狙いだ」


川内「川内参上!夜戦なら私の出番でしょ!」

島風「島風からは逃げられないよ!戦艦だろうとなんだろうと私の速さで翻弄してあげるよ!」


―川内、島風の酸素魚雷が命中しル級が轟沈。意識がサイファー機に向いていた増援のル級とホ級は混乱し、動きが鈍る。そこに…―




ドォォォォン



彩雲妖精「もう1隻のル級も轟沈!砲撃と酸素魚雷の時間差!?」


霧島「距離、速度ともにバッチリです!私の計算に狂いは無かったようね」

阿賀野「川内と島風ちゃんだけに美味しいところは持っていかせないんだから!」


サイファー「めんどくさそうなやつを片付けたか」

雪風『サイファー司令!民間船の人は全員無事のようです!』

時津風『動力機関にトラブルが起きたみたい。でも全員無事でよかったよかった』


サイファー「乗組員は全員無事か。曳航して基地に帰投する準備をしておけ!」


雪風・時津風『了解!』


サイファー「残りの1隻を片付ける!流星!急降下からの空対空はいけるな!?」

流星妖精「空対空ですか!?可能ですが、対艦でなくてよろしいのですか?」

サイファー「艦娘がいるなら保険がかけれるからな。2発撃ちこむからきっちり当てろよ!」グイ

流星妖精「了解です!」


―機首を下げホ級の直上から急降下の軌道をとるサイファー―


サイファー「周りが見えてないやつから死ぬって言ったろうが。AMRAAM Fire!」カチ

流星妖精「この角度なら!AMRAAM発射!」バシュバシュゥゥゥゥン


―空対空といえどミサイルを直上から2発も直撃を受けてしまえばホ級では耐え切れるわけもなく、混乱が収まることなく無抵抗な状態で轟沈する―


サイファー「ミッション終了だ。その民間船の乗組員の事情聴取は基地でやるから引っ張って帰投してくれ。周囲の警戒だけは怠るなよ」


霧島『サイファー司令、司令官自ら出撃されるのは控えてくださいとあれほど…』


サイファー「その辺の話は帰ってからだ。A/Bを点火させたから燃料にそこまで余裕があるわけじゃないんでな」


霧島『はぁ、わかりました。鎮守府に戻ったら詳しく聞かせてもらいますよ』


――――――

阿賀野「やっぱりサイファー提督さんって凄いね!民間船に大きな被害を出さずに敵を倒しちゃうんだから」

川内「昼でも夜でも強さが変わらないって異常だよね。摩耶さんがサイファー提督との訓練を申請してたみたいだし、私も夜戦演習申し込んでみようかなぁ」

阿賀野「勝てる自信あるの?」

川内「…多分ボロボロにやられそうかな」

阿賀野「ダメじゃん」

時津風「赤外線誘導式の対空兵器を撃ちこんだらいけるのかなぁ」

島風「回り込んでどーん!って撃ちこむの?私の速さなら出来るかなぁ」

雪風「サイファー司令の動きを追尾するだけでも難しそう。それにそんな装備も無いし」

霧島「地対空兵器でなんとかしようにも、サイファー司令ならチャフとフレアでなんなく乗り切るでしょうね」

阿賀野「霧島さんなら対サイファー提督さんにどんな戦略を組みます?」

霧島「…対空ロケットランチャーを1発入れてフレアを使わせて、それから機銃満載で物量押しぐらいしか浮かばないわね」

霧島「艦隊でなら1発ずつはランチャーを持ち込んで時間差で発射してチャフとフレアを切らした状態で撃ちこめるようにするかしら」

霧島「もしくは艤装が使えなくなる覚悟でランチャーとロケット弾を大量に持っていって…」ブツブツ

川内「あちゃ~!霧島さんが自分の世界に入っちゃったよ」

雪風「旗艦の霧島さんのスイッチ入れちゃってどうするんですか!」

時津風「ネキモードネキモード。これしばらく帰ってこないね」

阿賀野「ご、ごめんってば~!とりあえず帰ろ!早く帰らないとサイファー提督さんと大淀に怒られちゃう」

島風「プラス能代さんだね。怒られるのが嫌なら速く引っ張っちゃおうよ!」

雪風「曳航速度のバランスが崩れて大変なことになったらもっと怒られちゃいます!」

島風「その時は逃げる!」

阿賀野「前に翔鶴さんに捕まってお説教喰らってたじゃない。さ、ちゃんと引っ張るよ!」


『は~い』


―――――
―――

―ブイン基地―


サイファー「さて、そろそろ戻ってくる頃だな」

大淀「拿捕した民間船はどうなさるおつもりなんですか?」

サイファー「事情聴取をせんかぎりなんとも言えんな。仮にスパイなら法の適応外になる」

鳥海「…処刑なさるおつもりなんですか?」

サイファー「さぁな。俺はそれに関しては完全な専門外だ。それにこの基地じゃそんな血なまぐさいことはする気はない」

サイファー「精々案件をまとめてMPに引渡しってところだな」

鳥海「そうですか。サイファー司令官さんはスパイに引き金を引いたことは…」

サイファー「無いな。あくまで陸上では…だがな」

大淀「…艦隊が戻ってきましたね」

サイファー「あぁ。取調べは俺が行う。調書は烈風にでも書かせるから事情を聞いてる間は部屋の外で待機してくれ」

大淀・鳥海「わかりました」


―――――
―――

霧島「艦隊帰投しました。拿捕した民間船の乗組員の3名はこちらです」

乗組員1「お、俺達本当に陸に戻ってこれたのか…」

乗組員2「ここ、ブイン基地じゃねぇか。俺達はどうなるんですか!?」

乗組員3「やっぱり極刑になるんですか!?せめて俺だけにしてくれよ!こいつ等は俺に…」

サイファー「厳令が布かれてるにも関わらず、単独で沖合いに出るなど無謀な行為を行った君達にはスパイ容疑もかかっている。大人しくついてきてもらおうか」スッ

乗組員2「ひぃ!け、拳銃!?俺達殺されるんですか!?」

サイファー「それは君達の態度次第だ。君達が置かれている状況は理解できたな?」

乗組員3「俺達はスパイなんかじゃねぇ!どうしても極刑にするんなら俺だけにしてくれ!こいつ等は俺に無理に付き合ってくれただけなんだ!」


鳥海「いきなり銃を向けるなんてサイファー司令官さんも物騒ですよ!…あら、この人達は」

サイファー「ん?知っているのか鳥海?」

鳥海「知ってるも何も、この人達は近くの漁村の漁師さんの達の息子さんです。一緒に漁に出てるのを何回も見たことあります」

サイファー「本当なのか大淀?」

大淀「ええ、漁に出る時は護衛で手空きを何人かを交代で出すんですが、私も一度見たことがあります」

乗組員1「俺は覚えてます!あんた、確か大淀さんだよな?」

雪風「サイファー司令、とりあえず銃は下ろしてあげてください」

時津風「サイファー司令、私達は特によく見るから知ってるんだけどこの人達はスパイじゃないと思うな」

乗組員3「処罰は俺が受けるから、せめてこいつらの罪は軽くしてくれよ!」


サイファー「…大淀、こいつらの両親に連絡は取れるか?」

大淀「はい。身元は判明してるのですぐに連絡は取れます」

サイファー「なら早急に連絡を取って基地に来てもらってくれ。その間に俺はこいつらの取調べを行う」

大淀「了解しました」

乗組員3「待ってくれよ!親は関係ねぇだろ!俺達が勝手に…」

サイファー「黙れ。怨むんなら自分勝手な行動に出た愚かな自分を怨め。ついてこい」

阿賀野「サイファー提督さんっ!」

鳥海「ダメよ、阿賀野ちゃん。それにきっと大丈夫よ。心配してることにはならないと思うわ」

彩雲妖精「サイファーにはサイファーの考えがあるんです。大丈夫ですよ」

彗星妖精「それに烈風も付いてるしね~」

流星妖精「サイファーに任せていれば円満に事が収まると思います。あの方たちのご両親をお迎えに行きましょう」

川内「ま、大丈夫じゃないの?さて、私は思わぬ夜戦できてよかったし、部屋に戻って寝るね」

島風「私も寝るね。ちょっと疲れちゃった」


大淀「出撃した皆さんはもう休んでください。あとは私達でやりますので」

雪風「大淀さん…お願いしますね」

大淀「大丈夫ですよ。さ、戻って休んでください」


―――――
―――

今回はここまでです
シリアス一辺倒だと書き手の>>1のストレスがマッハになるし、だからといってドタバタ劇ばっかり書いてるとサイファーがただのおっさんになっちゃうし…

バランスって難しいですね。
ではまた
ありがとうございました

再開します
昨日sage外し忘れてたし…

―取調室―


サイファー「つまり、乗組員2の両親の為に3人で漁に出たということか」

乗組員3「今は昔みたいに漁にしょっちゅう出れねぇからみんな苦しいんだ。そんな中でこいつのところの船が故障しちまって」

乗組員1「直すのにも金がかかるんです。けどそんな余裕なんてこいつのところには無いから、俺達で助けてやろうって思ったんです」

サイファー「だが、それなら他に手があったんじゃないのか?」

乗組員3「俺達は漁師なんだ。それに手っ取り早く稼ぐには漁をするのが一番早いんだ」

サイファー「だが、密漁したものをどこに売りさばく気だ?正規ルートでは販売できんぞ」

乗組員1「冷凍して朝の戻りに紛れ込ませればなんとかなるだろうって…」

サイファー「そんなもの朝の始業点検でバレるだろう。親まで巻き込んで後でバレたら親もただでは済まん話だぞ」

乗組員2「俺が他の仕事でもして稼げばよかったんです。全ての原因は俺です。乗組員3が罪を全部被る気でいますけど、元々は俺が原因ですから処罰は俺だけにしてください」

乗組員3「バカ!お前が捕まっちまったらお前の親はどうなるんだ!なぁ司令官さん、処罰は俺だけにしてくれよ!俺ならなんとかなるからよ!」

乗組員1「お前だってそこまで余裕無いだろ!司令官さん、俺にしてくれよ!俺なら兄貴もいるから大丈夫だし」

サイファー「出来ん相談だな。処罰は対等に下す」

乗組員3「そんな…」

乗組員1「ゴメンな。俺達何も出来なかった…」

乗組員2「元はといえば俺が悪いんだ。巻き込んで悪かったよ」




knock knock



サイファー「入れ」



ガチャ



鳥海「失礼します。彼らのご両親をお連れしました」

サイファー「入ってもらえ。鳥海は部屋の外で待機だ」

鳥海「了解しました。…どうぞ、こちらへ」


―鳥海は乗組員達の親を招きいれ、そして再び部屋の外へ行き扉を閉めた―


乗組員2父「お前達!」

乗組員3母「よかった。無事だったのね!深海棲艦に襲われたって聞いたから心配で…」

乗組員1兄「なんで勝手に漁に出たんだ!その上軍に保護されるなんて…!」


サイファー「感動の再会はよろしいですが、彼らは罪を犯しました。その処遇をお伝えしてもよろしいですかな?」


―サイファーの一言に皆無言となる。次のサイファーの言葉を待つように部屋に静寂が訪れる―


サイファー「彼らは未成年であり、保護観察処分が必要と判断。この付近には収容施設などははありません。移送にも費用がかかる」

サイファー「したがって保護者の下で管理していただく。定期的に経過観察のレポートは提出していただきますがね」

サイファー「罰則金に関しては後ほど書面で確認していただきます。何かご質問は?」


乗組員3「いいのかよ。ほとんど無罪放免じゃねぇか」

乗組員1「俺達、助かったのか…?」

サイファー「保護観察処分と罰金刑だ。未成年で軍属じゃなかったことからこの処分が妥当だと判断したまでだ」

乗組員3母「司令官さん、ありがとうございます!あんたも感謝しなさい!普通なら檻の中に入れられたっておかしくないのよ!?」グイグイ

乗組員3「いてててっ!わ、わかってるよ母ちゃん!」

乗組員1兄「お前もだ!勝手なことしやがって!」ゴンッ!

乗組員1「あだっ!ゴメンって兄貴」

乗組員2「父ちゃん…」

乗組員2父「俺の為にこんな無茶しやがって。でもお前が無事ならそれでいい。それでいいんだ」

乗組員2「父ちゃん!」グス

烈風妖精「ずいぶんと甘い処遇じゃないサイファー。私はてっきり軍事裁判にでもかけるのかと思ってたわ」

サイファー「軍属ならそうしてたさ。軍属ならな。民間人の支持を得られない軍はただの暴力の集団だ。つまりそういうことだ」

烈風妖精「後々スパイとして活動するかもしれないわよ」

サイファー「その時は逃がしはしないさ」

烈風妖精「ま、サイファーから逃げるのは難しいでしょうね」


乗組員3「ところで司令官さん、あんたの機体どっかで見たことがあるような気がするんだけどよ。もしかして昔ベルカの空を飛んでなかったか?」

サイファー「何故そのようなことを聞く?」

乗組員3「雑誌だったかアングラサイトだったかで見たことある機体のカラーリングでさ、機体は違うけどもしかして知り合いなのか?」

サイファー「さぁな。だが知り合いだとしたらどうする?」

乗組員3「だったらその人にサインとか貰えないかなぁって…あいたっ!」ゴンッ!

乗組員3母「おかしなこといってないで帰るわよ!すみませんうちのバカ息子が」

乗組員3「いってぇ~!なにも殴んなくったっていいだろ!」

サイファー「機会があったら伝えておこう。お前にファンがいるぞってな。今日はもう終わりだ。帰っていいぞ」


―皆、口々に礼の言葉を発し、取調べ室からサイファーと烈風妖精を残し退室していった―


烈風妖精「円卓の鬼神にファンがいてよかったわね」

サイファー「茶化すな。英雄だろうがエースだろうが人殺しに変わりはない」

烈風妖精「人を守るために人を殺す。本当に戦争は悲しいわね」

サイファー「それを稼ぎにしている傭兵は最悪なのかもな」

烈風妖精「サイファー…」

サイファー「今日はもう終わりだ。お前ももう戻って休め。機体の整備は明日でいい」

烈風妖精「わかったわ」


―――――
―――

―後日―


鳥海「サイファー司令官さん。罰則の項目を拝見させてもらいましたけど、あれでよろしかったんですか?」

サイファー「なにか至らんところでもあったか?」

鳥海「いえ、そうではないんですが、漁の収穫の一部を定期的に格安で鎮守府に卸させるというのは…」

サイファー「食は英気に左右するからな。それに大食いのやつもいるから経費が浮くのは基地運営としても大きいところだ。そうだろ?」

鳥海「そうですけど。あと乗組員2さんの船をしばらく没収というのは」



knock knock



サイファー「入れ」



ガチャ



明石「失礼します。サイファー提督、船の修理終わりました。あとは点検と試運転のみです」

サイファー「そうか。期間はあるからきっちり直しておいてくれ」

明石「了解しました。改修はしておきますか?」

サイファー「壊れにくくなる方向でいじっておけ。速くしたり馬力アップはいらん」

明石「わかりました。ではその方向で取り掛かりますね」

サイファー「頼んだ」




バタン

鳥海「船まで直してあげるなんて少々甘すぎませんか?」

サイファー「後々を見越しての先行投資だ。漁獲量が増えればそれだけ経費も浮く」

サイファー「長い目で見てプラスになるようにしないとな。民間人からの支持も得られればなお良しだ」

鳥海「…サイファー司令官さん、もしかして株投資でもやってませんか?」

サイファー「資産運用なら多少はやってるぞ。でなきゃ生き延びて老人になったあとが大変だ。傭兵に年金なんてねぇからな」

鳥海「意外としっかり人生設計してらっしゃるんですね」

サイファー「傭兵なんていつ死ぬかわからんが、それでも生き延びることを最優先だからな。いろんな未来は想定しておくもんだ」



knock knock



サイファー「今日は来客が多いな。入れ」



ガチャ



大淀「失礼します。漁師の方々から捕れた魚が届きました。それとサイファー提督にお会いしたいと」

サイファー「わかった。行こう」


―――――
―――

サイファー「こりゃあまた、大漁だな」

乗組員3「へへ、どうよ!いつも艦娘にはお世話になってるし、一番いいやつを厳選して持ってきてやったぜ」

乗組員1「俺達は漁しか出来ねぇから漁で頑張って罪を償っていくしかないですから」

乗組員2「それに聞いたら船まで直してくれてるって。そんなデカイ恩が出来たら司令官さんには足を向けて寝れないですよ」


赤城「これは…!いい魚ですね!油もしっかり乗ってそうで美味しそうです!」キラキラ

加賀「このような上物が定期的に届けられる。流石に気分が高揚します」キラキラ


サイファー「お前ら、どこから沸いて出てきた」


乗組員2「俺のところの船も戻ってきたら、もっと捕れた魚を持ってきますよ。親父も鎮守府には格安どころかタダで卸したいぐらいだって」

赤城「このレベルがもっと手に入るのですか!?」

加賀「このような未来を想定した裁断を下すとは、流石の一言に尽きます」

サイファー「いや、ここまでは想定してないぞ」


乗組員3「とにかく一言お礼を言いたくてさ!司令官さん、ありがとうございました!」

乗組員2「俺達を心配してくれた人達のためにももっと頑張ります!」

乗組員1「司令官さんのおかげで周りがよく『見える』ようなりました。司令官さんが俺達に怒ってくれなかったら、一生気づかなかったかもしれませんでした」

サイファー「親と友人は大事にしろよ。それが周りへの最大の恩返しになる」


乗組員一同『はい!ありがとうございました!』


―そういうと、別れを告げ乗組員達は鎮守府を後にした―


鳳翔「凄い魚ですね。新鮮な内にいただきましょう」

間宮「どれもいい魚ですね今日の晩御飯は豪勢になりますよ」

大鯨「やっぱり本職の方々から頂いた物は違いますね。どれも美味しそうです」

赤城「一航戦赤城!手伝います!」

加賀「ここは譲れません」

サイファー「…お前ら、つまみ食いしたら1週間飯は駆逐艦盛りな」

赤城「そそ、そんなことするわけないじゃないですか!い、いやですねぇサイファー提督ったら」

加賀「う、疑うっていうの…?た、大概にしてほしいものね」

サイファー「動揺しまくってんじゃねぇか。監視に大和と矢矧をつけておくぞ。いいな?」

赤城「そ、そんな…」

鳳翔「ふふっ。そうならないようにちゃんと料理しましょうね。さ、今日使わない分は冷凍室に運びましょう」


『はい!』


―――――
―――

今回はここまでです
書き貯めにほぼほぼ追いついてしまったので投下ペースが下がるかもしれませんが、ゆっくり納得出来る内容でやっていきたいのでご了承ください

ではまた
ありがとうございました

とりあえず書き貯めた分を投下します

   ―過去との決別―


―鎮守府再建計画が大本営に通り、再建、増築がある程度進んだ時であった―


サイファー「しっかし、凄ぇな妖精の力ってのは。新しい建物がとてつもないスピードで出来ていきやがる」

陸奥「今回は深海棲艦に破壊されたということで再建が急務だったし、大本営もやる気を見せたってことでしょ」


―家具職人妖精や応急修理女神など、この手の作業を得意とする妖精をフル投入して急ピッチで作業が進められていた―


サイファー「…にしても膨大な数の妖精だな」

陸奥「おかげで早く出来上がるんだからいいじゃない」

サイファー「だな。この執務室も新調されて色々快適になったしな」

陸奥「サイファー提督ってこんな趣味なのね。無骨というか今風というか」


※エスコンシリーズによくある司令室っぽいあれを想像してください


サイファー「こんな感じじゃないと落ち着かんからな」

陸奥「和風要素が全然無いわね。サイファー提督らしいといえばらしいけど」

サイファー「その代わり、他の皆が要望した施設には和風の要素が使われた施設も多いだろ」

陸奥「そうね。最新のシステムキッチンも洋風だけどどこかに和風のテイストがあるし」

サイファー「…バーだけは別だがな」

陸奥「結局作ってあげたのよね」

サイファー「執務室に突入して飲み会を始めるなんてことをさせないためには、ある意味重要な施設だからな」

陸奥「ふ~ん。でもその代わりサイファー提督の要望の訓練施設は準備工事止まりになっちゃったわね」

サイファー「予算オーバーしたからな。だがハンガーが作られただけでも全然構わんさ」

陸奥「そういえばF-15は無理だったけど、代わりに試作機が来るみたいよ」

サイファー「試作機?そんな話は聞いてないぞ」

陸奥「今日その知らせが届いたのよ。ほらこれよ」スッ


サイファー「どれどれ…?ふむ…」

陸奥「漢字辞書、使わなくなったのね」

サイファー「ある程度はな。まだ世話になることも多いがな」

陸奥「で、試作機ってどんな機体なの?」

サイファー「ASF-Xという機体だ。ペットネームは震電Ⅱというらしいな」

陸奥「震電?じゃああの震電の後継モデルってこと?」

サイファー「詳しいことは書かれてないが、なんらかの想いがあってこの名前になったんだろうな」

陸奥「その試作機が今後サイファー提督の愛機になるのかしら?」

サイファー「いや、どうもそうではないらしい。試作機の実戦テストを俺にやれってことを書いてある。期間限定のお試し版と言ったところだな」

陸奥「で?その任務を受けるの?」

サイファー「そうだな。ここで大本営に借りを作っておくのも悪くないからな。ま、少なくとも俺のパーソナルカラーには塗ってもらうがな」

陸奥「あの機体カラーがトレードマークになってるものね。私は好きよ、あのカラーリング」

サイファー「そりゃどうも。さて、いい時間だし飯にするか」

陸奥「そうね。今日はなにかしら。昨日漁師さん達から魚がまた届いたから楽しみね」


―――――
―――

<食堂>


鳳翔「あら、サイファー提督。昼食ですか?」

サイファー「ああ、切りのいいところまで終わったんでな。ところでどうだ?新しいキッチンの使い心地は」

鳳翔「ええ、とても使い易くなりました。色んなものが出し入れしやすくて場所も把握しやすくて本当に使い勝手がいいですね」

大鯨「かゆいところに手が届くって言うんですかね。今までちょっとした手間だったことが解消されて凄く便利ですよ」

伊良湖「おかげでみなさん張り切って料理してるんですよ!私も間宮さんもお菓子作りに活用させてもらってます!」

間宮「張り切りすぎちゃって伊良湖ちゃんが最中作りすぎちゃったんですよ。サイファー提督、食後に一ついかがですか?」

伊良湖「ちょ!間宮さんってば~!それは言わない約束ですよぉ!」

間宮「あらあら、ごめんなさいね」

サイファー「喜んでもらえたようでなによりだな。今日のお勧めはなんだ?」

鳳翔「はい。今日のお勧めはスズキの洗いと鯛のお刺身、それとしめ鯖を盛り付けた海鮮丼と鯛の荒で出汁を取ったお吸い物ですね」

サイファー「じゃあそれを頂こうか」

鳳翔「はい、わかりました。それではお作りしますのでしばらくお待ちくださいね」

―数刻後―


サイファー「さて、どこに座ろうか…と」

陸奥「サイファー提督、こっち空いてるわよこっち」

サイファー「陸奥に蒼龍に飛龍か。相席してもいいか?」

蒼龍「いいですよ」

飛龍「何気にサイファー提督と食事するのって初めてだよね」

陸奥「サイファー提督は何頼んだの?」

サイファー「鱸の洗いと鯛の刺身としめ鯖の海鮮丼と、鯛の荒の吸い物だ」

飛龍「わ!美味しそう!」

蒼龍「この海草はアカモクかな?彩りも良くて食欲をそそりますね」

陸奥「よく見つけたわね。鳳翔さんに特別に作ってもらったの?」

サイファー「いや、単純に鳳翔にお勧めを聞いただけだ」

飛龍「わぁ!私もこれにすればよかったなぁ。サイファー提督、一口ください!」

サイファー「自分の分もあるだろ」

飛龍「それはそれ、これはこれです!」

サイファー「赤城かお前は!

蒼龍「ダメだよ飛龍。サイファー提督が困ってるじゃない」

飛龍「冗談冗談。ところでサイファー提督って生の魚食べられるんですね」

サイファー「色んなところを渡り歩いたからな。基本的にどんなものでも食べられるぞ」

陸奥「でも、わさびは抜いてあるのね」

サイファー「あれはダメだ!なんなんだあれは!最初食べた時は殺されるかと思ったぞ」

飛龍「わさびの良さをわかんないなんて、サイファー提督もまだまだですね」

蒼龍「聞いた話だと、わさび単体を直で食べたって聞きましたけど」

飛龍「あちゃ~!そりゃダメだわ」箸スー

サイファー「あんなもん食うやつの気がしれん!日本の食文化は凄いと思うが、時々全く理解出来ん時がある」ヤメイ

飛龍「まぁサイファー提督は外人さんだもんね」チッ

蒼龍「ところでさっき陸奥さんから聞いたんですけど、試作機のテストパイロットを引き受けるとか」

サイファー「あぁ、そうだが」

蒼龍「どんな機体なんですか?」

サイファー「さあな。写真も映像も添付されてなかったから俺にもどんな機体なのかわからん」

飛龍「でもサイファー提督のカラーには塗ってもらうんでしょ?」

サイファー「当然だ。それに実戦テストだからな。実戦で飛ぶんなら自分のカラーでないと落ち着かん」

陸奥「今のスーパーホーネットよりは強いんでしょ?」

サイファー「妖精達(あいつら)をインストールすれば単純なスペック上はな。返す時にはアンインストールして返すがな」

飛龍「へぇ~。ちょっと楽しみだなぁ」

蒼龍「どんな機体なんでしょうね」

サイファー「ライセンス取得のために向こうから教官も来るみたいだがな」

陸奥「機体が届いたらすぐに乗れるわけじゃないの?」

サイファー「技量的な問題で言えば飛ばすのは簡単だ。だが、航空機にもルールはあるからな。戦闘機であってもそれは変わらん」

飛龍「ジェット機ってややこしいですね」

サイファー「計器の配置や表示方法、兵装の発射方法まで変わったりするからな。個々にライセンスは必要だ」

飛龍「教官って空軍から派遣されてくるんですか?」

サイファー「いや、陸軍かららしい。俺もてっきり空軍からだと思ってたんだがな」

陸奥「任務の受諾を確認したら即派遣されるみたいよ。陸軍にはあきつ丸やまるゆちゃんもいるから護衛しやすいんじゃない?」

蒼龍「大本営からも護衛で何人か出そうですね」

サイファー「試作機なんてなりゃそう易々と敵に渡ったら大問題だからな。それこそ大げさなぐらいで来るだろうな」

陸奥「サイファー提督も少しは楽しみなんじゃなくて?」

サイファー「まぁ少しはな。しかしこれを借りにしてイーグルを流してもらうきっかけに出来りゃ言うことなしなんだがな」

飛龍「そんな打算してたんですね」

サイファー「慣れ親しんだ物ほど強力なものは無いからな。さて、飯も食ったし時間まで少し体を動かしてくる」

陸奥「午後の執務に遅刻しちゃダメよ」

サイファー「わかってるよ」


―――――
―――

―試作機のライセンス取得の為に陸軍から教官が派遣されることが決定した。そして今日はその教官が到着する日となった―


陸奥「そろそろ陸軍の輸送機が到着するころね」

サイファー「そうだな。にしたってなんでこんなギャラリーがいるんだ?」

大和「歓迎の意味もありますから、多少は人数が多いほうがよろしいかと」

漣「ぶっちゃけどんな人なのか気になるってところもありますね」

青葉「サイファー司令官さんが教えを受けるなんていいネタ…もとい、取材し甲斐があると思いまして」

サイファー「ただの野次馬かよ」

扶桑「まあまあ。大和さんもおっしゃられましたけど、歓迎の意味もありますから大勢で出迎えることは悪いことだけではありませんよ」

夕立「憲兵さん以外の陸軍さんがどんなのか気になるっぽい~!」


ザワザワ…


サイファー「来たな」


―輸送機が滑走路に着陸し停止。そして中から数名がこのブイン基地に降り立った―


あきつ丸「出迎え感謝であります!自分は陸軍の特種船丙型の「あきつ丸」であります!」

サイファー「俺がこの基地の司令官サイファーだ。よろしく頼む」

あきつ丸「あなたがサイファー殿でありますね。自分達はこれよりサイファー殿の免許取得のため、しばらくの間基地にお世話になるであります」

あきつ丸「そしてこちらが同行の護衛であるまるゆであります」

まるゆ「初めまして。まるゆと言います。三式潜航輸送艇で陸軍の潜水艦です。これからよろしくお願いします」

サイファー「潜水艦か。よろしく頼む。こちらの基地にも数名潜水艦がいるから仲良くやってくれ」

まるゆ「はい。ありがとうございます!」


あきつ丸「そしてこちらの方がサイファー殿に教育なさる教官であります」

教官「しばらくの間だがよろしく頼む」

サイファー「ああ、こちらこそよろしく頼む」

サイファー(何故わざと帽子を深く被ってる?表情を見せないためか?)

教官「表情が見えない者に対して警戒するとは、海軍の司令官になっても勘は衰えてないみたいだな」

サイファー「!?俺を知っているのか…」


―そういうと教官は帽子を取り、真っ直ぐサイファーを見る。その顔はサイファーにとっては見覚えのある懐かしい顔だった―

ピクシー「よう相棒、まだ生きてるか?」

サイファー「ピクシー!生きてたのか!?」

ピクシー「ああ。サイファーに落とされてから俺は核の爆心地の住民に助けられて、その後はISAFとして戦ってたんだが、ちょっとしたきっかけで日本にスカウトされてな」

サイファー「俺を…怨んでいるか?」

ピクシー「あの時の俺は間違ってたとは思わねぇし、サイファーも間違ってなかった。別に怨んじゃいねぇよ。お互いのプライドがぶつかっただけだろ」

サイファー「そうか。よく無事だったな。しかし、まさかピクシーが日本の陸軍にいるとはな」

ピクシー「俺にも色々あったってことだ。サイファーだってそうだろ?」

サイファー「まぁな…」


青葉「あの~もしかしてお二人はお知り合いなんですか?」

ピクシー「ああ、俺と相棒は昔ウスティオで一緒に飛んでたんだ。第66飛行隊ガルム隊の2番機ガルム2が俺、サイファーはガルム1だ」

青葉「ガルム隊!?」

漣「じゃあもしかしてご主人様は本当に…!」

ピクシー「なんだ相棒、お前自分のこと言ってないのか。サイファーはあの円卓の鬼神と呼ばれたエースパイロットだぜ」

サイファー「わざわざ言うことでもないだろ。それに昔の話だ」



ザワザワ…


大和「円卓の鬼神ってベルカ戦争であの激戦地B7Rでの圧倒的不利な状況をたった1人で引っくり返したっていう…」

陸奥「バケモノ級のエースパイロットのことじゃない!」

夕立「サイファー提督さんって実は凄い人だったっぽい!」

青葉「その話、詳しく聞かせてください!」


サイファー「あ~…とりあえず昔話は置いといて、長旅で疲れただろ?それぞれの部屋に案内させるから今日は休んでくれ。陸奥、大淀!」


『はい!』


サイファー「この3人を部屋に案内してくれ。しばらく一緒に過ごすから丁重にな」

陸奥「わかったわ。じゃあ案内するから行きましょ」

大淀「えっとピクシーさん…でいいんですか?お部屋にご案内します」

ピクシー「ラリー・フォルクだ。ピクシーで構わねぇ。そんじゃ案内頼むぜ。また後でな、相棒」

サイファー「あぁ」


―部屋に案内されるために陸奥、大淀、あきつ丸、まるゆ、そしてピクシーはこの場を去っていった―


サイファー(まさかあいつが日本の陸軍にいたとはな…)

漣「いや~ようやく引っかかってたことがわかってすっきりしました。鬼のような強さとあのカラーの戦闘機、まさかご主人様が本当に円卓の鬼神だったとは」

青葉「あとでじっくり取材させてください。これは大スクープですよ!」

扶桑「あの絶望的状況を引っくり返せるわけね。前提督はこのことも見越してらっしゃったんですね」

赤城「まさかそんなに凄い方だったとは思ってませんでした」

加賀「あの操縦技術、円卓の鬼神なら納得ね」

サイファー「なんでお前らが円卓の鬼神を知ってるんだ?日本はベルカ戦争に参戦してなかっただろ」

大和「軍関係者なら陸・海・空問わず有名な話ですよ。ウスティオのガルム隊には伝説級のエースパイロット『円卓の鬼神』がいたと言う話は」

サイファー「もうずいぶん昔の話なんだがな…」


曙「」マッサオ

雷「どうしたの曙?顔色悪いわよ?」

曙「あたし、円卓の鬼神に向かって『クソ提督』って言ってたってことなの…?」

朧「だ、大丈夫だよきっと。サイファー提督はそんなことでどうこうしたりする人じゃないよ」

響「そうだよ。サイファー司令官はきっと気にしてないさ」

電「サイファー司令官さんは曙ちゃんのこともきっとわかってると思うのです。だからきっと大丈夫なのです」

サイファー「あ~これだからあんまり自分のことは話したくなかったんだ。ん?どうした曙。顔色悪いぞ?」

曙「あ、いや…えっとクソ…あ、いやサイファー提と…」

サイファー「そんなに畏まるな。円卓の鬼神と呼ばれたのは過去の話だ。今はこの基地の司令官だ。そうだろ?」

曙「そ、そうだけど…」

サイファー「いつもどおりに接してくれりゃいい。むしろ曙がクソ提督呼ばわりしないほうが違和感ありすぎて気持ち悪いぞ」ククッ

曙「な!うっさいわね!ビビッて損したじゃないのクソ提督!」

サイファー「それでいい。今お前達の目の前にいるのは円卓の鬼神じゃない。ブイン基地司令官サイファーだ」

響「ほら、大丈夫じゃないか。サイファー司令官は見てないようで皆の事をしっかり見てるんだよ」

漣「その割には自分から最前線に突っ込んで行くタイプですけどね~」

雷「サイファー司令官はもっと私達を頼るべきね!私だってやれるんだからもっともっと頼ってくれていいのよ?」

サイファー「しばらくは余程の事が無い限り俺が出撃することは無いぞ。ライセンス取得で忙しくなるからな」

扶桑「ライセンス取得ってやっぱり難しいのですか?」

サイファー「まぁそれなりに時間はかかるものだな。ある意味1から勉強するようなもんだしな」

大和「執務の方は大丈夫なんですか?」

サイファー「一応優先順位は執務だからな。陸奥や霧島、鳥海等が気を使って手助けしてくれるみたいだがな」

大和「大和も出来る限りでお手伝いさせていただきますね」

サイファー「助かる。ピクシー(あいつ)のことだ。俺だとわかってりゃ遠慮なく叩き込んでくるだろうからな」

赤城「あの方と仲がよろしいんですね」

サイファー「元相棒だからな。さて、残りの仕事も片付けてくるとするか」

大和「私も執務室に参ります。今日の分も早めに済ましてしまいましょう。サイファー提督もあの方と積もる話もあるでしょうから」

サイファー「まぁそうだな。じゃあ後でな」


―――――
―――

今回はここまでです
二次創作だからこそ出来ることをやりたい気持ちでピクシーを登場させました
陸軍所属に?が浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、ZEROのムービーの姿と陸軍にも戦闘機があるということで、あえて陸軍所属にしました

ではまた
ありがとうございました

本営に借りを作っていいのか
貸しじゃないのか

乙、この世界では震電2は陸海両方に配備、もしくはピクシーは前進翼機の搭乗経験者だからテストパイロットの一人として海軍に出向する羽目になった、といったところか。

>>145ご指摘ありがとうございます。誤字チェックが甘かったようですので、以降気をつけます

再開します

―その日の夜、サイファーはピクシーからの誘いでバーに来ていた―


ピクシー「よう相棒。こっちだ」

サイファー「待たせたな。一応早く仕事を切り上げたつもりなんだがな」

ピクシー「なぁに、いいってことよ。それより飲むんだろ?ビールか?」

サイファー「ああ、そうだな」


―応えを聞くとピクシーは自分の分とサイファーの分のビールを注文し、それをカウンター内の妖精から受け取った―


ピクシー「バーまで妖精がいるとはな」

サイファー「俺もまさか妖精が常駐して運営してるとは思ってなかったさ」


―2人はグラスを持ち、お互いの前で掲げた―


ピクシー「再会の記念だな。乾杯」キン

サイファー「乾杯」キン

―乾杯を済ませ、ビールを口の中に流し込む―


ピクシー「っぷぁ!やっぱりビールは美味ぇな」

サイファー「ずいぶんとおっさん臭くなったな」

ピクシー「そりゃお互い様だろ?俺もサイファーもいい歳だぜ」

サイファー「まぁそうだな」

ピクシー「それにしてもサイファーが海軍基地の司令官をやるとはなぁ。空の次は海で暴れまわる気か、相棒?」

サイファー「暴れまわってるのは机上だけだ。毎日毎日書類と戦ってる」

ピクシー「サイファーが事務仕事ねぇ。似合わねぇな」クックックッ

サイファー「自分でもそう思ってるさ。けど仕事だからな。それに漢字にもだいぶ慣れたもんだ」

ピクシー「辞書片手に四苦八苦しながら書類読んでる姿が簡単に想像できるな」

サイファー「頼むからライセンスの授業の文章はわかりやすくしてくれよ」

ピクシー「さぁな。相棒の為にとびっきり難しい漢字だらけにしてやろうか?」

サイファー「勘弁してくれ」

―酒を飲みながら談笑している2人の元に2人の艦娘が話しかけてきた―


金剛「Good evening.サイファー提督」

榛名「こんばんはサイファー提督。こちらの方はどなたですか?」

サイファー「あぁ、こいつは俺が実戦テストを行う試作戦闘機のライセンス取得の為に教官としてやってきた陸軍のラリー・フォルクだ」

ピクシー「よろしく。みんなはTACネームのピクシーで呼んでるから俺のことはピクシーでいいぜ」

金剛「Nice to meet you.サイファー提督のFriendなんデスか?」

サイファー「あぁ、古い友人だ」

榛名「とても仲がよろしそうですね。学生時代かなにかのご友人なんですか?」

ピクシー「いや、俺と相棒は元傭兵仲間でな。ベルカ戦争で一緒に戦った仲なんだ」

榛名「相棒…ですか」

サイファー「元…が付いちまうがな」

金剛「どうしてデスか?陸軍と海軍に分かれたからデス?」

ピクシー「俺と相棒はベルカ戦争末期では殺し合いをした仲なんだよ」

榛名「何故、相棒なのに殺し合いを?」

サイファー「互いの思想の違いとプライドだな。平和の意味、平和とはなにか。何が正しくて何が間違ってるのか俺とピクシーで考え方が違った結果だ」

金剛「答えは…出たんデスか?」

ピクシー「いや、結局答えなんか出やしなかったよ。俺もサイファーも正しかったし、どっちも間違ってたと思うぜ」

榛名「殺し合いをしたのに、どうして今はそんなに楽しそうに飲み交わせるんですか?」

サイファー「良くも悪くも時間が解決するもんだ。結局はお互いのプライドのぶつかり合いだったしな」

ピクシー「結局は個人で考えたって戦争は無くならねぇ。大陸戦争や環太平洋戦争が起きたのがいい例だ。平和なんて皆で考えなくちゃなんねぇもんだ」

金剛「時間は全てを解決してくれマスか?」

サイファー「全部は解決しねぇ。どうしても残っちまうもんだってある。けど、全部ひっくるめて忘れるのだけはダメだ」

ピクシー「過去に嫌な事、受け入れられねぇことがあっても、全部忘れずに自分にしまっておくんだ。考えるのを止めたら終わりだぜ」

サイファー「考えて考えて、それでもダメなら行動することだ」

榛名「それでもダメならどうすればいいんですか?」

サイファー「周りを見ればいい。自分だけで答えを出そうとすりゃ偏った考えになるからな」

ピクシー「考えて行動して周りを見てまた考える。そうすりゃ大概のことは答えが見えてくるもんだ」

金剛「ワタシは…前提督が亡くなったことがどうしても受け入れられまセン」

榛名「金剛お姉さまも、榛名も、前提督をお慕いしてました。まだ亡くなった現実を受け止めきれません。私達はどうすればいいんでしょうか」

サイファー「何をするのが正しいと思う?」

金剛「それは…」

榛名「前提督の意思を引き継ぎ、平和の為に戦うことではないでしょうか」

サイファー「それは艦娘としてはそうだろうな。お前達自身はどう思ってるんだ?」

榛名「それは…榛名にはわかりません」

金剛「ワタシもネ」

サイファー「なら考えろ。で、思いついたらとりあえず違和感が出るまで行動しろ。自分が正しいと少しでも思ったらとにかく行動に移すことだ」

ピクシー「それが間違ってりゃ周りがなんとかしてくれるもんだ。そしたらまた考える。それでいいんだ」

サイファー「前任の提督は自分の事を忘れてほしいわけじゃないはずだ。ただ忘れずに心にしまって、縛られずに自分自身の意思で動くことを望んでるんじゃねぇかと思うぞ」

榛名「本当にそうでしょうか」

サイファー「忘れられたいやつなんて居やしない。覚えていてくれるやつがいるということは人にとって最高の幸せだと俺は思うがな」

金剛「…ワタシは部屋に帰りマース」

榛名「榛名も…少し部屋で考えてみます。サイファー提督、ピクシーさん、話を聞いてくれてありがとうございました」

サイファー「あぁ」

ピクシー「気をつけてな」


―サイファーとピクシーの言葉に何か思いつめたような表情を浮かべたまま金剛と榛名はその場を立ち去った―

サイファー「…ふぅ」

ピクシー「相棒もきっちり司令官やってんだな」

サイファー「茶化すなよ」

ピクシー「褒めてんだぜ。いい司令官になってんじゃねぇか」

サイファー「無駄に歳くったわけじゃねぇからな、お前だってそうだろ?」

ピクシー「まぁな。さて、そろそろ俺も帰るとするか。あんまし深酒してっとあきつ丸辺りに怒られちまうからな」

サイファー「そうするか。俺も大淀辺りに怒られるのは勘弁だからな」

ピクシー「お互い苦労してんな」

サイファー「そんなもんだろ。じゃあ明日から頼むぞ」

ピクシー「あぁ、こちらこそ頼むぜ」


―――――
―――

―マルナナゴーマル時―


サイファー「さてと、今日は午後から講習だから仕事が残らんようにしないとな」



ガチャ



サイファー「おはよう」


金剛「Good morning.サイファーテートク!」

榛名「おはようございます。サイファー提督」

サイファー「金剛に榛名?なんでお前達が執務室にいるんだ?」

金剛「ワタシ達、昨日あれから色々考えてみたんデース」

榛名「それで、まずはサイファー提督のお手伝いから始めてみようと。サイファー提督のお側にいたらなにか見えてくるんじゃないかって」

金剛「それに、ワタシ達が暴走したら止められるのは円卓の鬼神のサイファーテートクぐらいデース」

榛名「ですから昨日サイファー提督とピクシーさんがおっしゃったみたいに、とりあえず思いついたことからやってみようって決めたんです」

サイファー「そうか。ところで陸奥はどうした?」

金剛「大淀たちと一緒に今日の仕事を持ってきてるところデース」




knock knock



サイファー「入れ」



ガチャ



大淀「失礼します。本日の仕事をお持ちしました」

陸奥「今日からライセンス取得までの間は仕事を分担するから執務室が狭くなるわね」

金剛「Oh.今日からしばらく秘書官は1人じゃないんデスか?」

大和「サイファー提督のライセンス教習もありますから、それまでにある程度仕事を済ませるために数人で分担することになったんですよ」

榛名「でしたら、榛名もお手伝いします!」

金剛「ワタシもやるネー!ワタシも榛名も秘書官経験はあるから力になれるはずネ!」

鳥海「助かります。少しでも人数が多いほうがサイファー司令官さんの負担が減りますので」

霧島「お姉さま方、少し表情が和らぎましたね。なにかあったんですか?」

金剛「別になにも無いネー」

榛名「強いて言うなら、少し道が見えたってところでしょうか」

サイファー「なんにせよ、戦力が増えたのはありがたい。さて、仕事に取り掛かるか。午後の講習までに間に合わさないとピクシー(あいつ)が何言ってくるかわかんねぇからな」


『はい!』


―――――
―――

今回はここまでです

ネタバレにはならないので書きますが、今回は細かい設定はそんなに決めずに書いてるので、大まかには>>146辺りが正解です。
強いて上げるなら、陸、海、空で実戦配備をするために海上のデータを欲しがった結果サイファーに吹っかけた。
ピクシーは過去の戦闘記録で腕を買われてテストパイロットをやってたってところです

震電Ⅱか心神にするか悩んでたんですが、心神は開示されてるデータが少なすぎて扱いに困ったので震電Ⅱにしました

ではまた。
ありがとうございました

再開します

―ヒトサンマルマル時―


knock knock



ピクシー「どうぞ」



ガチャ



サイファー「待たせたな」

ピクシー「いや、時間ピッタリだ。まぁセーフだな。その2人はどうした?」

サイファー「ああ、なんでも見学してみたいそうだ。大丈夫か?」

ピクシー「まぁ今日はおさらいも兼ねた簡単な講習だから大丈夫だ」

サイファー「だそうだ」

榛名「よかった。ちょっと興味があったんで見てみたかったんです」

金剛「おさらいってことは今日はEasyな講習デースか?」

ピクシー「まぁサイファーにとっては簡単だろうな。あきつ丸、悪いが今日の分あと2部コピーしてきてくれ」

あきつ丸「ハッ!了解であります」

サイファー「そっちの艦娘はずいぶんと堅苦しいタイプみたいだな」

ピクシー「そうでもないさ。ま、海軍の艦娘に比べりゃそう見えるかもしれねぇけどな」

まるゆ「サイファーさん、これが今日の分の資料と震電Ⅱの資料です」

サイファー「ありがとな」

ピクシー「中々特殊な機体だからな。しっかり目を通しておいてくれよ」

サイファー「…スーパーフランカーみたいな前進翼機なのか」

ピクシー「そのくせ兵装の搭載量もそこそこ多いからな」

サイファー「おまけに変形機構まで付いてるのか。こりゃ扱うのに苦労しそうな機体だな」

ピクシー「俺も最初は苦労したぜ。モルガンに乗ってたから多少は慣れが早かったが、こいつにはビックリさせられたぜ」

サイファー「改めてスペックを見るとバケモノ染みてるな。流石、技術大国日本といったところか」

ピクシー「そういうことだ。スーパーフランカーの感覚で乗ると痛い目を見るぜ」


金剛「前進翼?変形?なんか想像がつかないデース」

榛名「とりあえず凄い機体なんでしょう。榛名、全然わかりません!」

ピクシー「まぁ嬢ちゃん達はそうだろうな。今日は震電Ⅱの詳しい内容にまでは触れねぇから一旦頭から捨ててもらっていいぜ」




knock knock



ピクシー「どうぞ」



ガチャ



あきつ丸「ピクシー殿、コピーが終わったであります」

ピクシー「お、サンキュー。ほら、今日の講習の資料だ」

金剛「Thank you!」

榛名「ありがとうございます」

ピクシー「さて、資料も行き渡ったし、講習始めるぞ」


―――――
―――

―ヒトロクマルマル時―


ピクシー「今日の講習は終わりだ。なにか質問あるか?」

金剛「ハイ!」ノ

ピクシー「どうした?」

金剛「何言ってんだかサッパリわかりまセーン!」



ガタッ



サイファー「金剛ぅ…」

榛名「すみません。榛名もあまりわかりませんでした」

ピクシー「ハッハッハッ!まぁサイファー向けの講習だからな。ある程度基礎知識を持ってることが前程になってるから嬢ちゃん達には難しかったかもしれねぇな」

サイファー「なんか…スマン」

ピクシー「いいってことよ、相棒。面白ぇ部下持ったじゃねぇか」

まるゆ「金剛さん、榛名さん。まるゆもあまりわかってないですから一緒に少しずつ勉強していきましょう」

あきつ丸「自分も発艦は可能なのである程度はわかるのですが、本格的な航空力学となると少し自信は無いであります」

ピクシー「空母は飛ばすまでと、着艦から止めるまでが仕事だから仕方ねぇが、あきつ丸はもう少し勉強しとけよ」

あきつ丸「うぅ、了解であります」

サイファー「お前もいい講師っぷりだな」

ピクシー「よせよ。俺だってそんなガラじゃねぇんだからよ」


ピクシー「さて、他に無ぇなら今日の講習はこれで終わりだ。お疲れさん」

サイファー「お疲れさん。明日も頼むぜ」

ピクシー「あぁ。明日からは震電Ⅱに触れた内容になるから、今日のうちにある程度目は通しておいてくれよ」

サイファー「ああ、わかった」

金剛「明日からはもっとHardな内容になるんデースか?」

サイファー「まぁそうだろうな」

金剛「うぅ、これはBadな判断デシタ」

サイファー「お前達が実際に乗って飛ぶわけじゃないんだから受ける必要は無いぞ。それに実機を触っての講習もあるんだ」

榛名「すみません。これはついていけそうにありません」

金剛「ワタシもデース。日向でも根を上げそうな内容ネー」

サイファー「さて、俺は残りの執務を片付けてくる。またな」

ピクシー「あぁ、またな相棒」


―――――
―――


―こうして月日が流れ、執務とライセンス教習の2つをこなし、そして実機が到着する日がきた―


ピクシー「さて、今日から実機での教習になるわけだが、その妖精達はなんなんだ?」

サイファー「ああ、俺が深海棲艦と互角以上に渡り歩いた理由だ」

ピクシー「妖精が関係してんのか」

烈風妖精「サイファー、詳しく話してないの?1から説明となるとちょっとややこしいんだけど」

サイファー「こっちも忙しくてそれどころじゃなかったんだよ」

ピクシー「まさか妖精も乗せるってのか、相棒?」

サイファー「大筋では合ってるな」

ピクシー「マジかよ」

サイファー「あとで機体そのものもいじらせてもらうぞ。こいつらが使えるようにしないと実戦テストをやっても意味が無いからな」

ピクシー「妖精が使うって…。そりゃフィードバック出来る代物じゃねぇな」

サイファー「少なくとも深海棲艦以外には使えるデータは取れるだろ」

ピクシー「相変わらず無茶苦茶だなおい」

大淀「サイファー提督、輸送船が接岸しました」

サイファー「手はずどおり降ろしてもらえ」

大淀「了解です」


彩雲妖精「どんな機体なのかな」

流星妖精「スーパーフランカーみたいな翼をしてるとのことですが」

サイファー「お前ら実戦テストで無茶するなよ。特に彗星」

彗星妖精「な~んで名指しなのかなぁ?」

サイファー「テスト機だからってあっちこっち操作されちゃたまらんからな」

彗星妖精「それはむしろ流星に言ってほしいかなぁ。ミサイルの種類も多いんでしょ?」

サイファー「流星は火気管制をしっかり行うからな。最初の頃にJDAMをガチャガチャ弄り回した過去があるだろ、お前には」

彗星妖精「そんなこともあったね~」クスクス

サイファー「笑い事じゃねぇんだけどな」


―――――
―――

―輸送船から機体が降ろされ、その全貌が明るみになった。その場にいた者達から歓声があがる―


サイファー「よし、ちゃんと俺のカラーに塗られてるな」

ピクシー「俺のも降りたみたいだな。こう並べると昔を思い出すな、相棒」

サイファー「そうだな。震電Ⅱじゃなくイーグルだったがな」

ピクシー「こいつも悪くない機体だぜ。テストが終わる頃には欲しくなるかもな」

サイファー「ちゃんと返すっての。その代わりJ型のイーグルかストライクイーグルを流してもらうようにしてくれないか?」

ピクシー「その辺は進言しといてやるよ。あれはいい機体だったからな」


時雨「翼が逆向きなんだね、この機体」

夕立「前進翼って言うっぽい。なんか不思議な感じっぽい」


金剛「これが本物の震電Ⅱデスか」

愛宕「しっかりサイファー提督カラーに塗られてるわねぇ」

霧島「これは…ずいぶん特殊な機体ですね」

摩耶「なんかやばそうな機体だな。これでステルス機ってんだろ?滅茶苦茶強そうじゃねぇか」

瑞鳳「これ凄い!最新の技術の塊じゃない!」

翔鳳「そりゃ試作機だもの、当たり前よ」

瑞鳳「いいなぁ。私も最新鋭の機体が欲しいなぁ」

木曾「どうやって飛ばす気だよ…」

阿賀野「でもこれかっこいいね!阿賀野もコックピットに座らせてもらえないかなぁ」

能代「無理言わないの。試作機なんて乗せてもらえるわけないでしょ」

阿賀野「いいじゃないのちょっとぐらい。サイファー提督さんにちょっとお願いしてみようかなぁ」

矢矧「ダメに決まってるでしょ。これからこの機体を使ってのライセンス教習をやるって話なんだから」

阿賀野「ちぇ~」プゥ


ピクシー「震電Ⅱが大人気だな」

サイファー「物珍しさからってところだろ。烈風、流星、悪いがこの2機をハンガーまで一緒に運んでおいてくれ」

烈風妖精「わかったわ。ハンガーの外の方がいいかしら」

サイファー「今日は火は入れないだろうから中でいい」

烈風妖精「わかったわ。流星、行きましょ」

流星妖精「了解です」

ピクシー「んじゃ、俺達も移動するか」

サイファー「そうだな」


―――――
―――

今回はここまでです。
少しネタに詰まってきた感が…
エンディングにはちょっと早すぎるしなんとかしないと、投下ペースがどんどん落ちて見てくれている人に対して罪悪感が沸いてしまう

ではまた
ありがとうございました

乙、ネタかぁ、エスコンの敵超兵器でも深海棲艦にでもしてみる?重巡航管制棲姫フレスベルグとか。

お決まりの超兵器とラストステージのトンネルを期待している

ちょっと期間が開いて申し訳ありませんでした
再開します

<ハンガー>


ピクシー「さて、じゃあ実際にコックピットの中を見てみてくれ」

サイファー「ああ。…ふむ、視界はいいな。計器類も見易い位置に付いてるし、スイッチの類の取り付け位置も使い易いように配慮されてるな」

ピクシー「実際に資料と照らし合わせよう。あきつ丸」

あきつ丸「ハッ!資料でありますな。こちらに」

ピクシー「サンキュー。実際に座ってみた感覚はどうだ、相棒?」

サイファー「いい機体だな。あとは実際に飛ばしてみてってところだが」


阿賀野「あ、いたいた!サイファー提督さーん!」

能代「ちょっと!阿賀野姉ったら!」

サイファー「ん?阿賀野に能代か。どうした?」

阿賀野「ちょっとお願いがあるんだけど、よかったら阿賀野にもコックピット見せてほしいなぁって」

能代「ダメに決まってるでしょ!すみません、サイファー提督」

サイファー「ピクシー」

ピクシー「いいんじゃねぇの?ここの基地司令官はお前だろ?俺は一向に構わねぇぜ」

あきつ丸「よろしいのでありますか?この機体は試作機で、そうそう見せていいものではないのでは」

ピクシー「堅ぇこと言うなよ。火ぃ入れてるわけでもねぇし、電源も落としてりゃ民間人でもなけりゃそんなに問題ねぇよ」

サイファー「…少し待ってくれ。あとちょっと見るところがあるからな。その後なら構わんぞ」

阿賀野「ぃやった~!さっすがサイファー提督さん!話がわかるぅ!」

能代「すみませんサイファー提督。…で、もし差し支え無ければ能代にも見せていただけたらと…」

阿賀野「なぁんだ~!能代も見たかったんじゃない」

能代「だ、だって…その…やっぱり気になるし…」

矢矧「そういうことなら私も見せてもらいたいわね」

酒匂「ぴゃあっ!みんなズルイ!酒匂も見たい!」

サイファー「わかったわかった。少し待ってろ。こいつは俺の機体だからな。明日からの教習の前に見ておきたいところがあるからな」


『は~い』


瑞鳳「あれ?阿賀野4姉妹揃って何やってんの?」

阿賀野「サイファー提督さんが後で実際にコックピット見せてくれるから皆待ってるんですよ」

瑞鳳「そういうことなら私も見たいなぁ。ね、サイファー提督いいでしょ?」

明石「私も見ておきたいですね。今後の参考になりそう」

夕張「私も私も!」

サイファー「お前ら、間違っても電源入れるなよ?そこまでは許可出来んぞ」

明石「大丈夫ですよ。機器の取り付け位置とかそういうのを見ておきたいんです」

瑞鳳「私は明日のテスト飛行も見てみたいかな。どう動くのか興味あるし」

夕張「明日は実際にミサイルを撃つんですか?」

サイファー「撃つわけないだろ。それともASM-3撃ちこんでほしいのか?」

夕張「それは勘弁してください!ガチで沈められちゃいますよ」

サイファー「だったら実戦テストの日まで待ってることだな」

夕張「色々試すところを見てみたかったんですけどね」


サイファー「…よし、こんなもんか。大体は理解出来た。あとは明日だな」

ピクシー「もういいのか相棒?それじゃお楽しみの見学会としてやりますか。俺の機体もカラー以外は同じだから見たい艦娘(こ)はこっちにも分かれな」


<やった!じゃあ私はサイファー提督さんの!

<じゃあ私はピクシーさんのを

<どっちのにしようかなぁ

<どっちもカラー以外一緒って言ってたじゃないの

<う~ん、ここが動くのね。整備大変そう


サイファー「やれやれ…」

ピクシー「艦娘っつってもこうして見てると女の子だな。戦闘機に興味を持ってることは別としてよ」

サイファー「そうだな。少しやかましいと思う時もあるが、年頃の女の子ってのはそんなもんなんだろうな」

ピクシー「で、実際よ。目付けてる艦娘(こ)とかいねぇのか相棒?」

サイファー「そういう目で見たことはないな。あくまで俺は傭兵で、彼女達は仲間ではあるが深入りするようなことじゃない」

ピクシー「戦いの運命を背負った者同士故にってか。もうサイファーも腰を落ち着かせてもいいんじゃねぇのか」

サイファー「戦争や紛争でしか生きられない男にそんな資格なんてないさ」

ピクシー「…案外、相棒が一番ベルカ戦争のことを引きずってるのかもな」


<サイファー提督さ~ん!このメーターはなんですか~?

<ピクシーさ~ん!


ピクシー「おっと、お姫様達がお呼びだな」

サイファー「やれやれだ。どのメーターのことを言ってるんだ?」


―――――
―――

―フタマルマルマル時―

<サイファー自室>


サイファー「さて、明日に備えて震電Ⅱの資料の見直しでもしておくか」



knock knock



サイファー「こんな時間に誰だ?入れ」




ガチャ




金剛「失礼しマース」

榛名「夜分遅くすみません」

サイファー「金剛に榛名か。どうした?」

金剛「明日の教習に一つ提案がありマース」

サイファー「提案?明日はただ実際に触って感触を確かめる程度なんだが、何かあるのか?」

榛名「はい。以前摩耶さんの要望にサイファー提督との対空訓練がありましたのを覚えていらっしゃるでしょうか?」

サイファー「ああ、覚えてるぞ。中々時間が取れなくて後回しになってるがな」

金剛「それを明日教習ついでにやろうって話になったんデース」

サイファー「つまり震電Ⅱで対空訓練に付き合えってことか」

榛名「はい。ピクシーさんも『単純に飛ぶだけより実戦を考慮した飛び方の方が早く操縦が身に付くからいいんじゃないか』と許可もいただいてます」

サイファー「あいつも無茶苦茶だな。相手が俺だと思って容赦無しかよ」

金剛「メンバーは摩耶、秋月、吹雪、時雨、榛名にワタシデース!」

サイファー「金剛と榛名もやるのか。お前らは対空特化じゃないはずだろ」

金剛「考えて、少しでもBestと感じたら行動してみろと言ったのはサイファー提督デース」

榛名「本当は武蔵さんと春雨ちゃんが入る予定だったんですけど、無理を言って代わってもらいました」

サイファー「…まぁいいだろ。ただ、少しは慣らす時間はくれ。離陸していきなり開始はいくらなんでもきついからな」

金剛「それはOKネ」

サイファー「じゃあその旨をピクシーに伝えておいてくれ」

榛名「はい。わかりました!」

サイファー「じゃあ俺は震電Ⅱの資料の見直しをするから後は頼むぞ」


金剛・榛名「はい!」





バタン




サイファー「ったく、あいつもとんだスパルタ教官だな」

サイファー「…しっかり資料を見直しておくか」


―――――
―――

―ヒトサンサンマル時―


―実際に震電Ⅱを使っての教習、及び艦娘の対空訓練を実施することとなり大勢のギャラリーと参加メンバーが集合した―


ピクシー「どうだ相棒?少しは震電Ⅱに慣れたか?」

サイファー「中々癖のある機体だな。スーパーフランカーには乗ったことはあるが、ロール方向への安定性が段違いだ」


―午前中の執務を早めに切り上げ、午前中の内にサイファーは震電Ⅱの操縦訓練を受け一足先に飛行していた―


ピクシー「その割には初飛行なのに中々乗りこなしてたじゃねぇか」

サイファー「これでも探り探りで飛んでたんだよ」

ピクシー「これなら対空訓練させても問題なさそうだな」


摩耶「よ、サイファー提督。やっとアタシの要望聞いてくれたんだな。ずいぶんと待たせやがってさ」

サイファー「すまなかったな。別に忘れてたわけじゃなかったんだが、時間が取れなくてな」

摩耶「ま、仕方ねぇよな。一応サイファー提督の状況はわかってるからさ。でも本当にいいのか?大事な試作機なんだろそれ?」

ピクシー「構わねぇよ、遠慮なくやってくれ。ただ実弾で機体に穴空けるのは勘弁してくれよ」

摩耶「んなこたぁしねぇって。ただ覚悟しろよな。金剛さんや榛名さんはともかく、あたしも含めた他のメンバーは完全対空仕様なんだからな」

サイファー「全力で相手をさせてもらうさ」

明石「サイファー提督、烈風妖精さん達に手伝ってもらって演習用のセンサーを用意させてもらいました」

夕張「戦闘機同士だとHUDに撃墜判定が出るんでしょ?それと同じように撃沈判定が出るようにした装置を艦娘に装備してもらったの。ミサイルでの判定も出ますよ」

サイファー「ずいぶんと用意がいいな」

ピクシー「ちなみに相棒の震電Ⅱにも付いてるぜ。ちゃんと撃沈判定が出るから発射スイッチは遠慮なく押してくれていいぜ。兵装はロックしてるからミサイルは出ないしな」

明石「ちなみに機銃の弾薬もペイント弾を作りました。機銃はロックされてないので実際に発射されますよ」

摩耶「実戦だとミサイルをぶっ放すんだろ?やっぱ機銃だけの縛りじゃサイファー提督相手の訓練っぽくねぇし、なによりあったほうがこっちもいい訓練になるからさ」

夕張「データ取るために少しスーパーホーネットを触らせてもらったけどね」

サイファー「この際そのことは目を瞑っておくが、今後は俺に一声かけてくれ。間違ってその内イージス艦みたいなシステムを作られたらたまらんからな」

摩耶「イージスシステムなら負けるかもってビビッてんのか?」ニヤニヤ

サイファー「備蓄が大和、武蔵、長門、陸奥、大鳳、赤城のフル活用の非じゃないレベルで飛ぶんだよ。ミサイルってのは安くねぇんだ」

摩耶「サイファー提督はバンバン撃ってんじゃねぇかよ」

サイファー「だから俺の出撃回数も減っただろうが。後々見直して流石にこれは不味いと管理する側になって初めてわかったんだ」

摩耶「そ、そんなにぶっ飛ぶのかよ」

秋月「摩耶さん、そろそろ時間です。私たちも準備しましょう」

吹雪「摩耶さん、頑張りましょう!サイファー司令官、よろしくお願いします!」

時雨「サイファー提督相手だと少し緊張するけど、僕達も負けないからね」

サイファー「これでも円卓の鬼神って呼ばれてたからな。慣れない機体だと言い訳なんかするつもりはない。全力で相手をさせてもらうぞ」

金剛「遠慮はしないネー!対空特化じゃないと甘く見たらNoなんだからネ!」

榛名「榛名も頑張ります!サイファー提督、よろしくお願いします!」

摩耶「よーし!んじゃ、いっちょやるか!サイファー提督に目に物見せるぞ!」


『おー!!』


―掛け声を上げると演習参加の者達は出撃準備の為、その場を後にした―


サイファー「さてと、俺も出るか」

ピクシー「俺も相手をしてみたかったが、今回は相棒の進化をじっくり見させてもらうぜ」

サイファー「腕は訛ってないつもりだ」

烈風妖精「サイファー、震電Ⅱにはまだ彩雲以外のインストールが終わってないから、もし深海棲艦を見つけても行かないようにね。深海棲艦相手だと震電Ⅱでも鉄の塊よ」

サイファー「わかってる。彩雲、頼んだぞ」

彩雲妖精「任せて!でも目標が小さいから射撃精度はサイファーの腕頼りなのを忘れないでね。ま、大丈夫だとは思うけどね」

サイファー「当然だ。よし、行くぞ」


―――――
―――

大淀『艦隊の準備は整いました!サイファー提督、いつでも発進どうぞ!』


サイファー「よし!震電Ⅱ、出るぞ!」ヒュィィィンゴォォォォォォ…


ピクシー『ガルム1、高度制限を解除!ってな。一丁暴れてこい、相棒』


サイファー「あいつめ、もうウスティオのガルム隊じゃねぇっつうのによ…。彩雲!」

彩雲妖精「任せて!」シュゥン


<System Pixy Standby>ピピッ!


彩雲妖精「レーダーに反応はあるわ。どうするの?いきなり対艦ミサイル撃っちゃうの?」

サイファー「いや、この機体のステルス性能を見たいからな。機銃の距離まで接近する」

彩雲妖精「わかったわ」


――――――

今回はここまでです。
書き溜めは少し出来たのですが、連日の残業で誤字チェックがあまり出来てないので投下は少なくなってしまいますがご了承ください

>>170>>171辺りはお約束のクライマックスで使わせてもらいます。というか、そういう感じで行こうとは思っていました。
半ネタバレになっても、どこまで「あ~やっぱりな」って思われないように書くか自分を追い込みたいと思います
ヘタクソな自分に出来るのだろうか不安ですが、上手く書くための練習だと思い、頑張らせていただきます。

ではまた
ありがとうございました

再開します

<演習地・無人島群>


摩耶「さて、サイファー提督も離陸したらしいし、いつ来てもおかしくねぇ。気合入れていくぞ!」

時雨「でも電探に全く反応が無いですね。ステルス機だからかな、どこから来るかわからないや」

金剛「明石特製レーダーにも反応が無いから不気味ネー」

秋月「でもロックオンはされてないみたいですね。されてたら今頃ミサイルの餌食ですし」

吹雪「そうだね。ミサイルを警戒して動いてるけど、最新のミサイルだから避けられるかわからないし」

榛名「音で判別するしかなさそうですね。ジェット機の轟音のする方向に注意を向けるしかないかと」

摩耶「正直ちょっと怖ぇな。ステルス機ってのはこうも存在がわからねぇもんなのかよ」

秋月「…音が聞こえてきました!10時の方角?いや11時でしょうか」

吹雪「本当だ。でも電探に全く反応がありませんよ!」

摩耶「それがステルス機の性能ってことだろ!輪形陣のままあの島の影に隠れるぞ!1発目からミサイル食らわされちゃたまんねぇからな!」

金剛「行くついでに副砲で牽制するネ!」

榛名「ダメです金剛お姉さま!サイファー提督には私達が見えてるはずです。下手に撃って位置が完全に把握されればミサイルにロックオンされてしまいます!」

金剛「Shit!ステルス機は相手にするとalmighty nuisance(とてもやっかい)ネー!」

摩耶「よし、なんとか音のする方角からの島の影に入り込めたぜ。音が近いからそろそろ来るぜ!」

榛名「電探に反応有り!来ます!」

摩耶「こんなに近いのかよ!通り過ぎた後を狙うぞ!構えろ!」

時雨「速度が凄く速い!スーパークルーズで飛んでる!?」ガシャ

秋月「当てれるとは思いませんが、牽制にはなるはずです!」ジャキ


―次の瞬間、摩耶たちの直上を音速を超える速度で震電Ⅱが轟音を轟かせながら通過する―



キィィィィイイイイイドゴォォォォォィィィィィン…



吹雪「は、速い!」

秋月「あっという間に射程範囲外に!」

摩耶「回り込まれる前に島を盾にしつつ最大戦速で移動だ!すぐに来るぞ!」


『了解!』


――――――

彩雲妖精「見つかったわよサイファー」

サイファー「今の速度を見て正面からのミサイルを警戒して島を盾にするように動くだろう。正面からやりあおうとせずに通り過ぎたところを撃つ考えだろうな」

彩雲妖精「どうする気?」

サイファー「反対から回り込んでやりあってもいいが、もう1回ぐらいは相手に付き合ってやるさ。こいつの機動性の限界のチェックもあるからな」

彩雲妖精「ふぅん。じゃあ避けに徹するってこと?」

サイファー「バカ言うな。攻撃出来るタイミングがあればいつでも攻撃するつもりだ」

彩雲妖精「それじゃ私も本格的に仕事しましょうか」

サイファー「ああ、頼むぞ。ミッションスタートだ」


――――――


榛名「サイファー機、旋回して再接近!来ます!」

時雨「さっきより速度が遅い!?」

金剛「とにかく速度の感覚を掴むネ!通り過ぎたらとにかく撃つデース!」


摩耶「来るぞ!構え!」



キィィィィィイイイイ



摩耶「一斉掃射!てぇぇぇー!!」



ダダダダダダダ



イイイィィィィン…



時雨「そんな!?避けられた!」

吹雪「まるで撃つ方向もタイミングも完全にわかってたような動きです!」

摩耶「ちっ!わかっちゃいたけどよ、いざ相手にするとやっぱやっかいだな!」

秋月「サイファー機旋回!来ます!」

金剛「今度は正面からネ!今度こそ外さないヨー!」

摩耶「陣形はそのままに島と全員の距離を保ちつつ的を絞らせないように蛇行で動け!でないとミサイルの餌食だ!」


『了解!』


――――――


彩雲妖精「今度は撃ってきたわよ」

サイファー「予想の範囲内だ。あの1回で速度差を修正してきたのは流石といったところだがな」

彩雲妖精「あら、ずいぶんと余裕そうじゃない」

サイファー「そういうつもりは無いんだがな。予想が出来れば対応もし易いということだ」

彩雲妖精「流石の勘ね。で、誰から狙うつもり?」

サイファー「旗艦の摩耶…と言いたいところだが、秋月と吹雪だ。防空駆逐艦と銘打ってるだけあって早めに片付けておく方が無難だ。吹雪も早めに退場させた方がいいだろう」

彩雲妖精「駆逐艦は機動性と隠密性が売りだしね」

サイファー「そういうことだ。いけるな?」

彩雲妖精「もちろん」


――――――


摩耶「機銃掃射!てー!」



ダダダダダダダ



秋月「!ロックオンされてる!?狙いは秋月!?」

吹雪「!私も!?秋月ちゃん、避けて!」

秋月「くっ!」


――――――

彩雲妖精「ロックオン完了よ!サイファー!」

サイファー「吹雪には機銃だ。秋月にはALFIREで!」ドガガガガガ


―画面にはミサイルの文字に×が付き、ミサイルでの撃沈と判定が表示される―


サイファー「まず1人!」

彩雲妖精「相変わらず的確な射撃ね。機銃なのに吹雪も中破判定よ」

サイファー「こいつの機動性が良いんだよ。思ったように動いてくれる良い機体だ」


――――――


秋月「機銃も高射砲も動かない!?…やられました。撃沈判定にされました」

金剛「ブッキーも中破判定にされたデース。ホントに手強いネー」

摩耶「こっちの攻撃が全く当たらねぇ!ホントに今日初めて乗る機体なのかよ!」

時雨「こっちの動きを読んでしっかり回り込んでくるね。島を盾にしてるけど、ほとんど意味が…ロックオンされた!?」

榛名「サイファー機再接近!低空からです!」

時雨「これ以上はやらせな…。動かない!?そんな、僕も撃沈判定だなんて」

摩耶「ミサイルかよ!クソッタレがぁ!」ダダダダダダダ


――――――


サイファー「彩雲!時雨と吹雪をロックオンだ」

彩雲妖精「任せて!OKよ!」

サイファー「ASM-3、Fire!」カチ

サイファー「俺の動きがよく見えてるみたいだが、そんな動きで落とされる俺じゃないぞ」


―ASM-3を低空からの発射操作により時雨を撃沈判定。弾幕をなんなくかわしながら吹雪に接近し機銃を発射する―


サイファー「悪いがやっかいなやつから退場してもらうぞ!」ドガガガガガ


――――――

吹雪「きゃあああ!魚雷が誘爆判定!?すみません、私も撃沈判定です」

榛名「なんて凄い精度!簡単に狙って出来ることじゃないですよ!」

吹雪「ペイント弾でベタベタです。早く帰りたいです」ウェェ

金剛「Ohブッキー、とてもアートな姿ネー」

摩耶「冗談飛ばしてる場合じゃないですよ!このまま何も出来ずに負けてたまるかよ!」


――――――


彩雲妖精「残りは戦艦と重巡よ。どう狙うの?」

サイファー「上昇してターンから下降しつつミサイルで金剛と榛名を狙う。実際の戦艦は真正面や舷側からの攻撃には強いが上からの攻撃にはどうしても脆弱な部分があるからな。艦娘とてそれは変わらんだろう」

彩雲妖精「金剛さんと榛名さんね。下降開始と同時にロックするわよ」

サイファー「任せた」


―低空からロールを加えたハイ・ヨーヨーの軌道でターンし、狙いを榛名と金剛に定め攻撃に入る―


彩雲妖精「よくもまぁ上昇中に背後からの攻撃を避けれるものね」

サイファー「それも腕の一つだ。悪いが榛名、お前からだ!」カチッカチッ


―ミサイルを2発発射の操作を行い榛名を撃沈判定。続けざまに金剛を狙い…―


サイファー「いい狙いだが正直すぎるのも難だぜ」ドガガガガガ カチッ


―機銃とミサイルで金剛も撃沈判定となる―


――――――

榛名「これ以上!やらせは!しません!」ドン ダダダダダダダ

金剛「上昇中なら!」ダダダダダダダ

摩耶「これでも当たらねぇってのかよ!」ダダダダダダダ


―上昇するサイファー機を追従するように機銃を掃射するが、サイファー機は最小の動きでこれをかわしつつ上昇を続ける―


摩耶「なんであれで当たんねぇんだよ!?サイファー提督には後ろに目でも付いてんのかよ!」

榛名「サイファー機が下降を!今なら…あっ!」ダダダ ガクン

榛名「…そんな、榛名が撃沈判定だなんて」

金剛「よくも榛名を…Noooooo!」

金剛「ウゥ、やられたネー。サイファー提督強すぎデース」

摩耶「一気に2人を撃沈…。これが円卓の鬼神の実力なのかよ」


――――――


彩雲妖精「残りは旗艦の摩耶さんだけよ」

サイファー「…真っ向勝負で行くか」

彩雲妖精「ふぅん。何か考えがあるの?」

サイファー「別に特別なにかあるわけじゃねぇよ」

彩雲妖精「ま、いいけど。騎士道精神みたいにかっこつけて、それで落とされたら盛大に笑ってあげるわ」

サイファー「ぬかせ」


――――――

摩耶「どう考えても次がラストチャンスだ。…真正面から来る気かよ!ふっざけるな!」

摩耶「こうなりゃ全門斉射だ!再装填なんて考えねぇ!撃ちつくす!」ガシャン

摩耶「…まだだ…まだ引き付けて……今だ!喰らえーー!!」ドドドドォン ダダダダダダダ


――――――


彩雲妖精「ロックオンはしてるわ!あとはサイファー次第よ!」

サイファー「やはり全門一斉発射できたか。1人で弾幕を張るにはいい考えだが」クイ


―これを予想していたサイファーは加速し、バレルロールでなんなく避けてしまう。エースパイロットとして、長年の傭兵としての経験からの予測が完全に摩耶を上回った結果である―


サイファー「終わりだ!ASM-3 Fire!」カチ


―ミサイル発射の動作を行い摩耶を撃沈判定。結果、サイファーの完全勝利で対空演習は幕を閉じた―


――――――

摩耶「っだぁぁぁ!クソが!……ハハッ…あ~あ、負けちまったかぁ」

秋月「お疲れさまでした。サイファー提督はやっぱり強かったですね。まるで歯が立ちませんでした」

摩耶「あぁ、強ぇなやっぱ。これが円卓の鬼神かよ。今日初めて乗る機体だなんて微塵も感じなかったぜ」

時雨「本来の愛機イーグルだったらもっと強かったかもしれないですね」

摩耶「それ考えたらゾッとするぜ。あれで完全な『円卓の鬼神』じゃねぇってんだからよ」

吹雪「でも摩耶さん、なにかスッキリしたって表情ですね」

摩耶「ここまで完璧に叩きのめされるほどの凄ぇ強ぇ相手と戦えりゃ気持ちいいもんだぜ。しっかし世の中って広ぇなぁ!悔しいけどたった1機に完敗だぜ」

摩耶「ぃよ~し!今日は負けたけどいつかサイファー提督を落とせるように頑張るか!目標は円卓の鬼神だ!」グッ

吹雪「それだとエースパイロットになる!みたいに聞こえちゃいますよ」クスクス


金剛「色々吹っ切れたって感じネー。けど気持ちはわかりマース」

榛名「そうですね。榛名も少しやることが見えた気がします」

金剛「ワタシもネ。もっともっと強くなって、前提督が生前にワタシを捕まえなかったことを天国で後悔させてやるデース!」

榛名「はい!榛名ももっと強くなってみせます!金剛お姉さま、一緒に頑張りましょう!」

金剛「イエ~ス!やってやるデース!」


摩耶「金剛さんたちも演習前と表情が違いますね。なにかありました?」

金剛「摩耶と似たような理由デース」

摩耶「そっかぁ。艦娘(ひと)の心まで動かすなんて、つくづくでっけぇ目標だなぁサイファー提督ってのは」


――――――

サイファー「ふぅ、なんとか終わったな」

彩雲妖精「被弾0で終わるなんて流石じゃない。これでも手加減はしたんでしょ?」

サイファー「バカ言え。ちゃんと全力だったっての」

彩雲妖精「その割には序盤は遊んでたじゃない」

サイファー「機体のテストだ。どこまでステルス性があって、どれだけ動いてくれるのか、限界をチェックするにはもってこいの状況だったからな」

彩雲妖精「イーグルとかスーパーホーネットだったらどうしてたの?」

サイファー「テストの必要性なんてねぇからな。もっと早くケリを付けてたさ」


ピクシー『よぅ相棒。まだ生きてるか?』


サイファー「当たり前だ。だが、もうこんなスパルタは勘弁してくれ」


ピクシー『ハハハッ!まぁいいじゃねぇか。おかげでいくつかのカリキュラムをすっ飛ばすことになったんだからよ』


サイファー「ったく、とんだ鬼教官だな。こっちの身にもなれってんだ」


ピクシー『そう言うなって。おかげで実戦テストの日が早まったんだからよ。感謝してくれよな』


サイファー「調子いい事言いやがって。あとで飯ぐらいは奢ってもらうからな」


ピクシー『おいおい。勘弁してくれよ』

烈風妖精『サイファー、終わったんならなるべく早く戻ってくれるかしら。整備したあとに私達のインストールの作業もあるのよ』


サイファー「わかったわかった。んじゃ帰投するぞ」


―――――
―――

今回はここまでです

艦これがもうじきイベントですね。ボーキ以外40000前後でバケツが250しかないし、甲クリアは諦めです
まぁ6-3突破したから良しとするかな

ではまた
ありがとうございました

再開します

―フタマルマルマル時―


サイファー「よし!今日の仕事は終わりだな。みんなお疲れさん」

大和「お疲れ様でした」

鳥海「それにしても今日の演習は凄かったですね。被弾0で終わるなんて」

サイファー「震電Ⅱが良かったんだ。前進翼機で不慣れな機体だったが、機動性が良くて思ったように動いてくれたからな」

陸奥「震電Ⅱ欲しくなったんじゃなくて?」

サイファー「確かにあれば便利だが、あれはステルス機を撃墜するためのステルス機だからな。迎撃機では攻撃機の代わりにはなりきれん」

妙高「つまり端からの攻勢には出辛いということですか?」

サイファー「そういうことだ。実際に使ってみてそれがよくわかった」

陸奥「ふぅん。なんでも出来そうな機体なのにね」

サイファー「使おうと思えば使える。だが、端から攻勢に出るならラプターやユーロファイターの方が有利に働くだろうな」

鳥海「自衛隊の頃は迎撃に主観が置かれてましたからね」

サイファー「言うならば最強の矛ではなく盾と言ったところか」

陸奥「そういうものなのね。ま、明日は演習のデータと映像が見られるからどんな戦闘になってたのか楽しみだわ」

大和「円卓の鬼神の本気なんてそう簡単に見られるものじゃありませんからね」

サイファー「出撃の時は毎回本気でやってるつもりなんだがな…」

鳥海「それとこれとは話が違いますよ」

サイファー「まぁいい。ピクシーのやつも「カリキュラムが大幅に短縮された」と言ってたから明日は少しは暇になるだろうな。俺も艦隊からの目線も確認しておきたいところだ」

妙高「明日はサイファー提督も演習の映像を確認されるんですね」

サイファー「ああ。相手からはどう見えていたのかを確認出来るのは意外と貴重なものだからな」

妙高「わかりました。ではその予定で動きますね」

鳥海「ではサイファー司令官さん、お疲れ様でした」

大和「私たちはこれで失礼します」

サイファー「ああ、お疲れさん。明日も頼むぞ」


『はい!』



バタン



サイファー「さて、俺も部屋に戻るかな」



knock knock



サイファー「ん?誰だ?入れ!」



ガチャ



摩耶「よ!今、大丈夫か?」

サイファー「ああ、丁度終わって俺も部屋に戻ろうとしてたところだ。どうした?」

摩耶「いや…さ、改めてお礼を言っておこうと思ってさ」

サイファー「なんだ、そんなことか。礼なんていらん。俺も震電Ⅱの良い訓練になったからな」

摩耶「そうなんだろうけどよ、そうじゃなくて、最後あたしと真っ向勝負してくれただろ。あれだけの距離があればミサイルで1発だったはずなのにさ」

サイファー「あぁ、そのことか」

摩耶「その…ありがとな!実力の差ってやつを見せ付けられたけど、おかげで目標が見つかったからよ」

サイファー「そうか。自分の進む道が見えたならいいことだ」

摩耶「しっかし、よくあれだけの集中砲火を避けやがったな。1発は当てれると思ってたんだけどよ」

サイファー「長年の経験と勘の差だ。フルオートではない人の意思だからこそ読めるものもあるってことだ」

摩耶「…あたしもサイファー提督みたいに強くなれっかな?」

サイファー「俺みたいにって言うなら止めておけ。戦場でしか生きられない奴みたいになっても良い事なんて何一つ無い」

サイファー「だから摩耶は摩耶らしく強くなれ。俺みたいにではなく、摩耶だからこその強さを見出せ」

摩耶「あたしらしく…か」

サイファー「そういうことだ。今日はもう遅い。摩耶ももう戻ってしっかり休め」

摩耶「ああ、そうするよ。なぁサイファー提督、もしあたしがまた迷ったら助けてくれっか?」

サイファー「それをするのが司令官の役目だろ。だが、完全に導いてやることは出来ん。答えを見つけ出すのは自分自身でしか出来んからな」

摩耶「そうだよな。それだけ聞けりゃ十分だぜ。ありがとな!また演習頼むと思うけどよ、そん時ぁ今回みたいにはいかねぇぜ」

サイファー「上等だ。だが俺も今回と同じと思わないことだ」

摩耶「やっぱサイファー提督は底が見えねぇな。んじゃ、また明日な!」




バタン



サイファー「自分らしく…か」

サイファー「本当は俺自身が一番迷ってるのかもしれんな」


―――――
―――

―翌日―


―先日の演習の模様が大画面スクリーンに映し出され公開されていた―


<あっという間に射程範囲外に!


<そんな!?避けられた!


<なんて凄い精度!簡単に狙って出来ることじゃないですよ!


<なんであれで当たんねぇんだよ!?サイファー提督には後ろに目でも付いてんのかよ!


扶桑「す…凄い。これが円卓の鬼神…」

武蔵「なんという操縦技術だ。これがサイファー提督なのか」

山城「こんなの相手にしたら不幸どころの騒ぎじゃないわ…」

比叡「ヒエー!金剛お姉さまと榛名を一瞬で撃沈に!ヒエー!」


愛宕「よく旋回Gで意識飛ばないわねぇ」

那智「まるでバケモノだな」

足柄「これは…血が滾るわ!私もサイファー提督に演習を申し込めばこれだけの戦いを…!」

青葉「ボッコボコにされて終わると思いますね~」


阿賀野「ねぇ能代、あれ当てれると思う?」

能代「実際にやってみないとってところだけど、多分無理と思う」

酒匂「ぴゃん!あの戦闘機ってこんなに強かったんだね」

矢矧「なりふり構わず艤装を捨てて対空兵器を持っていけば勝機はあるかもだけど、それだと他が相手出来ないから無理だし…」ブツブツ


加賀「赤城さん…」

赤城「そうね。この動きを艦載機の子達に取り入れさせればもっと活躍出来そうね」

艦載機妖精's「無理言わないでください!」


夕立「時雨も吹雪ちゃんも秋月ちゃんも頑張ったっぽい!」

春雨「正直ちょっとこれは相手しなくてよかったって思っちゃった」

時津風「雪風なら当てれると思う?」

雪風「ミサイルが避けれるかがポイントかなぁ。避けれる気がしないけど…」

サイファー「ふむ、なるほど。艦隊からはこう見えていたのか」

ピクシー「相変わらずやることがえげつねぇな、相棒。あれじゃからかってんのかと思われるぞ」

サイファー「機体の性能の把握には仕方ないことだ。それにこれを教習に組み込んだのはお前だろ」

ピクシー「そりゃそうだけどよ、無被弾で帰ってくるから何やったんだと思ったらこれだったとはよ」

烈風妖精「大方、自機の限界を確かめるために相手にチャンスを与えるなんて無茶したんでしょうね」

彗星妖精「これじゃ相手にとっては屈辱じゃないの?」

流星妖精「サイファーはスイッチ入ると無茶する癖がありますからね」

サイファー「別にそんなつもりで飛んじゃいねぇよ」

彩雲妖精「その割にはずいぶん余裕があったじゃない。機内にカメラがあったらサイファーがどれだけ機体の性能チェックのための飛ばし方をしたかバレてたわよ」

サイファー「機体の性能の把握は必要だ。書面で見るのと実際に飛ぶのでは全然違うからな」

ピクシー「ま、なんにせよサイファーが機体の性能を十二分に発揮させてることがよくわかったぜ。これなら本当にカリキュラムをいくつか飛ばせるな」

サイファー「だが対空、対地にはまだやってないから、その点の部分の教習がいるだろう」

ピクシー「主に対空だな。対地はだいたいは陸軍でデータは取ってるが、対空の部分で欲しいデータは陸軍だけでは補填しきれんからな」

サイファー「空軍では無理なのか?」

ピクシー「もちろん空軍でも取ってるが、深海棲艦相手になると空軍だけではデータが取りきれねぇんだ」

サイファー「だからといって最前線に送り込んでデータを取るというのはどうかと思うがな」

ピクシー「それだけお上さんもなんとかしたいってことだろ。聞いた話だと元々陸軍と海軍の仲の悪さが目も当てられないレベルの国だったらしいしな」

サイファー「その手の話は俺も聞いたことがあるな」

ピクシー「それだけ仲が悪い軍内部でも深海棲艦相手となりゃ喧嘩してる場合じゃねぇってなったんだろ。人類の存亡がかかってるってなりゃな」

サイファー「なりふり構ってる場合じゃないってことか。だからと言って現場に無茶を押し付けるのはどうかと思うがな」

ピクシー「そりゃどこの国でも変わらねぇだろ。ウスティオでもオーシアだって一緒だったしな」

サイファー「報酬上げてもらわねぇと割に合わねぇな。ったくよ」

ピクシー「そう言うなよ。F-15をサイファー機として寄越すよう進言しといてやるからよ」

サイファー「頼むぜ」


大淀「あの~サイファー提督。少しよろしいですか?」

サイファー「どうした?」

大淀「演習の映像を見た艦娘からサイファー提督との演習を望む声が出てるんですが…」

サイファー「そんな時間は無いだろ。却下しておけ」

大淀「はい。ですが、多すぎて手が回らないのでサイファー提督自身で言っていただけたらと」

サイファー「あれだけやっておいて何故そんなに多いんだ?」

大淀「チャレンジ精神…と言えば聞こえは良いんですが、怖いもの見たさといった者も少なからずは…」

ピクシー「ハッハッハッ!妙な手加減なんかするからそうなっただろ。自分でやっちまったことなら自分でケリつけねぇとな」

サイファー「こっちの気も知らねぇで簡単に言ってくれるぜ。大淀!演習希望者を集めろ!まとめて相手をしてやる!」

大淀「よろしいのですか!?」

サイファー「よろしいもクソもないだろ!こうなりゃヤケだ!まとめて片付けてやる!」

ピクシー「あ~あ、こりゃ地獄絵図が見えるな。海上のB7Rってところか」

サイファー「お前も手伝え、ピクシー!システムだけなら問題ないだろ!」

ピクシー「お、俺もかよ!?俺関係ねぇだろ!」

サイファー「うるさい!元はといえばカリキュラムに組み込んだお前が悪い!連帯責任だ!」

ピクシー「冗談じゃねぇぜ相棒。ま、久々に一緒に飛ぶか!ただこっちには妖精の補正はねぇからサポートだけだぜ」

サイファー「十分だ!お前も的になれ!」

ピクシー「言ってることが無茶苦茶だぜ…」

大淀「本当によろしいのですか?通達出しますけど」

サイファー「構わん、演習希望者全員に通達を出せ。烈風!スーパーホーネットに火を入れておけ」

烈風妖精「スーパーホーネットには演習用のシステムは入ってないわよ」

サイファー「だったら震電Ⅱでいい。同じシステムのインストールならピクシー機にも出来るだろ。明石と夕張を呼び出して即作業に取り掛からせろ!」

烈風妖精「わかったわ。今度は下手な手加減したら洒落にならないわよ」

サイファー「わかってる。全力で叩き潰してやる。行くぞ!」

ピクシー「やれやれ。ま、付き合ってやるとしますか」


―――――
―――

今回はここまでです
会社が繁忙期手前にも関わらず定年の2倍の仕事量で今年は異常なまでに忙しく書く時間が中々割けませんでした
ただの言い訳にしか過ぎませんが、まだ書きたいストーリーもありますのでじっくりやらせていただきます

ではまた
ありがとうございました

再開します

   ―絆―


―いよいよ震電Ⅱの実戦テスト前日となり、その前夜にサイファーとピクシーはバーで飲み交わしていた―


ピクシー「よぅ相棒。明日はいよいよ震電Ⅱを実戦に出す日だが、気分はどうだ?」

サイファー「別に普段と変わらねぇよ。機体が違うだけでやることは一緒だ」

ピクシー「まぁお前ならそう言うだろうと思ったぜ」

サイファー「お前も出るみたいだな」

ピクシー「まぁな。今回ばっかりはある程度の距離で見させてもらうつもりだからな」

サイファー「落とされても助けてやれねぇぞ」

ピクシー「そう簡単に落ちる俺じゃねぇっての。俺の攻撃が効かなくても避けるだけならそう問題じゃねぇしな」

サイファー「だといいがな」

ピクシー「お、なんなら今度は俺とやるか?」

サイファー「バカ言え。試作機同士で許可も無くやりあったら上から何言われるかわかったもんじゃねぇだろ」

ピクシー「違ぇねぇ」

サイファー「ま、だが仮にやりあったとしても俺が勝つがな」

ピクシー「おいおい相棒、ベルカ戦争の時の俺とは違うぜ。あの時は勝てたからと言って今度も勝てると思われちゃ困るぜ」

サイファー「俺だってあの時とは違うぞ」

ピクシー「機会がありゃいっぺんやってみてぇな。相棒とはもう1回白黒ハッキリさせる必要がありそうだぜ」

サイファー「そうだな。お前とはまともにやりあったのはあれが最後だったしな」

ピクシー「色々あったな、本当によ」

サイファー「ああ」


―静かに、しかし楽しそうに談笑しながら酒を飲み交わす2人の元に数名の艦娘が話しかけてきた―


那智「ここにいたのか。楽しそうに飲んでるじゃないな」

足柄「まぁここなら静かに飲み交わせるものね」

サイファー「那智に足柄、それに大和と武蔵、高雄に愛宕か。俺等に何か用か?」

愛宕「用事ってほどのことじゃないんだけど~」

大和「先程までドキュメンタリー番組が放送されてまして、今サイファー提督とピクシーさんはバーからお出にならないほうが良いとお伝えしに来たのも兼ねてまして」

ピクシー「相棒はともかく、なんで俺もなんだ?一体何のドキュメンタリーなんだ?」

高雄「ベルカ戦争のドキュメンタリーです。ピクシーさんのインタビューも流れてましたよ」

足柄「『よぅ相棒、まだ生きてるか?』なんてカメラに向かって言ってるところなんか中々かっこよかったわよ」

武蔵「中々見ごたえのあるドキュメンタリーだったな。2人はあんなことをやってたんだな」

サイファー「お前、インタビューなんか受けてたのか」

ピクシー「戦後だったしな。それにインタビュー受けてたのは俺だけじゃねぇぜ。ベルカの連中も受けてたって話だ」

サイファー「ベルカ軍の連中も…か」

ピクシー「風の噂じゃ凶鳥フッケバインことウォルフガング・ブフナーがオーシア軍にいるって話もあるんだぜ」

サイファー「やつがオーシアに…」

ピクシー「真相は定かじゃねぇがな。あくまで噂だ」

サイファー「ラーズグリーズ隊を隠し持ってたぐらいだ。有り得ない話じゃないな」

愛宕「なんか2人からだともっと真相に踏み込んだ話が聞けそうね」

ピクシー「俺は真実を話したつもりだぜ。インタビューでは嘘はついちゃいねぇぜ」

那智「そういえば、ピクシーはよくサイファーに向かって生きているか?と聞いてるな」

サイファー「ピクシーの口癖みたいなもんだ。事あるごとに生きてるか?と聞かれることが多かったな」

ピクシー「傭兵やってりゃいつ死んでもおかしくねぇからな」

大和「ところでピクシーさんはあのインタビューの時はISAFとして戦っていらっしゃったんですよね」

ピクシー「ああ、そうだぜ。義勇兵として戦ってたんだけどよ、たまたま日本の連中と行動を共にする機会があってな。それで俺は日本にスカウトされて今に至るってわけだ」

高雄「ピクシーさんの経歴は軍の情報である程度確認出来ますね」

ピクシー「ああ。大体の俺の経緯は軍のデータベースに上がってる通りだ」

足柄「そういえば、サイファー提督はベルカ戦争の後はなにやってたの?」

サイファー「俺は各地の紛争地域に傭兵として戦ってたな」

武蔵「根っからの兵士なんだな」

愛宕「それがどうして妖精を引き連れて戦闘機で飛ぶようになったの?」

サイファー「話せば長くなることだ」

那智「興味あるな。是非聞かせて欲しいところだ」

ピクシー「俺も相棒が海軍に入る前の経歴は知らねぇからな。いったいなにやったら妖精と一緒に飛ぶことになったんだ?」

サイファー「色々あったんだよ」

大和「折角の機会ですから是非教えていただけませんか?」

足柄「むしろこの状況で話さずに逃げられるとは思わないほうがいいわよ」

サイファー「…長くなるぞ?」

高雄「構いませんよ。みんな興味あることですから」

サイファー「そうだな…。俺はベルカ戦争の後、各地を転々としてたんだが…」


―――――
―――

―エメリア―


エメリア兵1「よぅサイファー。おはようさん」

サイファー「あぁ、おはよう」

エメリア兵1「今日も早くから機体の整備か?」

サイファー「そんなところだ」

エメリア兵1「しっかしよくそんなロートルな機体で戦えるな。傭兵ならユーロファイターぐらいなら買えるんじゃねぇのか?」

サイファー「俺はこいつが気に入ってるんだ。高性能な機体も悪くないが、手足のように動かせる機体の方がいいことが多いからな」

エメリア兵1「まぁ確かにサイファーの腕前からしたら説得力はあるな。俺のラプターがイーグルに負かされるとは思わなかったしな」

サイファー「お前の腕だって悪くは無い。だが手足のように動かせるってことはそれだけやれることが多いってことだ」

エメリア兵1「凄ぇなサイファーは。なぁ、サイファーは前は何処で戦ってたんだ?」

サイファー「各地を転々としてるからな。何処と言われてもありすぎて答えに困るな」

エメリア兵1「傭兵家業も大変だな。でもしばらくはエメリアにいるんだろ?」

サイファー「契約の期間内はな。契約が切れればまた別の戦場に行くだけだ」

エメリア兵1「最近はユークとオーシアが物騒なことになってるからな。対岸の火事と言いたいところだけど、いつこっちに飛び火してくるかわかんねぇからな」

サイファー「そのために俺が雇われたんだ。仕事になれば報酬分だけ働かせてもらうだけだ」

エメリア兵1「仕事熱心なこって。ま、サイファーがいりゃ百人力だしな」

サイファー「過剰な期待をするのは止めてくれ。俺だって人間だ。やれることに限界はある」

エメリア兵1「わかってんよ。それより今日の任務は聞いてるよな」

サイファー「消息を絶った海軍の部隊の捜索だったな」

エメリア兵1「なんだってなんもねぇところで消えちまったんだろうな。まさかユーク軍が攻めてきたとか」

サイファー「有り得ない話じゃないが、ユークに今そこまで戦力を割ける程の余裕があるとは思えんな」

エメリア兵1「虎の子のシンファクシを沈められたって話だしな。可能性は低いか」

サイファー「しかし、だとすると余計に謎が残るな」

エメリア兵1「だよな。いったいなんだってんだよ」

サイファー「部隊の全艦が消息不明なんて普通に考えたらありえない話だからな。何か追加の情報でもあればいいんだが…」


エメリア兵2「おい、そろそろブリーフィングだぞ。お前らも早く来いよ」

エメリア兵1「おっと、そんな時間か。行こうぜサイファー」

サイファー「ああ」


―――――
―――

<ブリーフィングルーム>


エメリア基地司令官「全員集まったな。これより今作戦を説明する」

エメリア基地司令官「皆も知ってのとおり、昨日我が国の海軍の艦隊が行方不明になった。諸君等はその捜索活動に出てもらう」

エメリア基地司令官「皆の手元に渡っている資料に救難信号が出た場所と時間等、現時点で判明している情報が書かれている」

エメリア基地司令官「諸君等は空から現場に向かい、痕跡を発見せよ!残骸、もしくは乗組員を発見次第報告せよ」

エメリア基地司令官「他国の部隊の攻撃も考えられる。対艦、もしくは対潜も考慮して兵装の準備をしておけ。ただし許可があるまでは発砲は禁ずる。いいな!」

エメリア基地司令官「質問が無ければ解散だ。…よし、では諸君等の健闘を祈る。解散!」


エメリア兵1「俺達が知ってる情報とあんまし大差ねぇな」

サイファー「仕方ないだろう。昨日の今日でブラックボックスも回収されてないんだ」

エメリア兵1「で、サイファーはどうするつもりなんだ?」

サイファー「救難信号が消えた時間から考えてある程度は海流に流されていると判断するべきだろうな。そこから計算してポイントを絞り込む」

エメリア兵1「だな。やれやれ、海軍の連中は何やってんだかよぉ」

エメリア兵2「おい、お前らはどの辺りを捜索するつもりなんだ?」

サイファー「そうだな。海流に流されていることも考慮して…この辺りからだな」


―サイファーは地図の場所を指差し、ポイントを伝える―


エメリア兵2「そこからか。じゃあ俺達は現場付近から調べよう」

エメリア兵1「海兵隊の連中は周辺の島を当たるみたいだが、護衛がいねぇ分俺達の仕事が多いな」

エメリア兵2「文句言うな。海軍の連中だって出るんだ。疎かには出来んが、俺達に出来ることをやろうぜ」

エメリア兵1「へいへい。ったく、ラプターは対空だっつうのによぉ」

サイファー「ハードポイントにハープーンでも付けるしかないだろ。ユークの件もあるから万が一に備える必要がある」

エメリア兵1「しゃあねぇな。さっさと見つけて仕事終わらせるか」

エメリア兵2「サイファーはイーグルで出るのか?」

サイファー「あぁ、そのつもりだ」

エメリア兵2「だったらこいつをしっかり監視しておいてくれ。サボってたらケツからミサイルを撃ちこんでやってくれ」

エメリア兵1「おいおい、冗談じゃねぇぞ」

エメリア兵2「だったら文句言わずに真面目にやれ」

サイファー「こいつはこんな調子だが、任務になれば出来る男だから大丈夫だろ」

エメリア兵1「お~流石サイファー、わかってくれるか~」

サイファー「調子に乗るな」

エメリア兵2「ま、サイファーがいれば大丈夫だろ。とにかく原因不明の事態だからな、気をつけろよ」

サイファー「あぁ、そっちもな」

エメリア兵1「帰ったら1杯やろうぜ。見つけられなかったほうが奢りな」

エメリア兵2「ったく、簡単な任務じゃないんだぞ。まぁいい、また後でな」

サイファー「ああ」


―――――
―――


―――
―――――


ピクシー「へぇ、お前エメリアにいたのか」

サイファー「ああ。ユークとオーシアが戦争をするってなって、防衛のために雇われたんだ」

大和「環太平洋戦争の時の話ですか」

サイファー「ユーク側から一方的に戦争を仕掛けたって話だったからな。ユークに近いエメリアとて気が気じゃなかったんだろ」

那智「だがエメリアは参戦してなかったはずだが」

サイファー「オーシアが奮戦してユークはエメリア方面には軍事展開してこなかったからな」

愛宕「エメリアにとっては取り越し苦労で済んでよかった話かしらね」

サイファー「国家予算から防衛費を余分に割く羽目になったという意味では一概に良かったとは言えんだろうがな」

武蔵「しかしそれがなんだってサイファー提督が妖精を引き連れることになったんだ?」

サイファー「あぁ、それはその行方不明になった艦隊を捜索してたときの話だ」


―――――
―――

今回はここまでです
サイファーがエメリアに渡ってたのは完全な独自設定です
このSSの弱点はエスコンの地図に無理矢理日本を当ててるから海外艦組が出せないことですね
エメリアはイタリアがモデルらしいですが…

ではまた
ありがとうございました

再開します

―エメリア領海上空―


エメリア兵1『ポイントはこの辺だな。サイファー、何か見えるか?』

サイファー「いや、何も見当たらんな。残骸一つすらもない」

エメリア兵1『救難信号が消えたポイントにはあいつらが向かってるが、ここから俺達はどうする?』

サイファー「少し周辺を捜索しよう。信号が消えたポイントを囲むように捜索していこう」

エメリア兵1『あいよ。しっかしなんだってこんななんもねぇポイントで消息を絶ったんだろうな』

サイファー「さぁな。潜水艦なら昔に投げられた機雷に接触したとかあり得る話なんだがな」

エメリア兵1『空母と巡洋艦と駆逐艦だもんな。そのケースは有り得ねぇよなぁ』

サイファー「とにかくエメリア兵2達の報告を待ちつつ周辺を探すしか…」


エメリア兵2『サイファー、そっちはどうだ?何か見つかったか?』

エメリア兵1『お、噂をすればなんとやらだ』

サイファー「残念ながら現時点ではこちらは何も発見出来てない。そっちはどうだ?」

エメリア兵2「こっちも何も無いな。完全に沈んだか、別の場所に流されている可能性が高いだろう」

エメリア兵1『そっちも収穫無しかよ』

エメリア兵2『ある程度時間も経っているからな。こっちはこれから現在地を基点として周辺の捜索に当たる。そっちはどうする?』

サイファー「俺達はそちらを囲うように捜索を続ける。外側から潰していくつもりだ」

エメリア兵2『了解した。何か進展があれば報こ…なんだ!?どうしたエメリア兵3!?』

サイファー「おい!どうした!?何があった!」

エメリア兵3『左翼に被弾!下から何かに撃たれた!』

エメリア兵2『大丈夫か!?飛べるか!?』

エメリア兵3『わからねぇ!エンジンは無事だが翼に大穴開けられてバランスが!』

エメリア兵1『おい!どうしたんだよ!何が起こってんだよ!』

エメリア兵2『エメリア兵3はこの場所から離脱しろ!サイファー!エメリア兵1!至急援護に来てくれ!』

サイファー「了解だ!すぐに向かう。それまで持ちこたえろよ!」

エメリア兵3『すまねぇ。俺は離脱させてもら…ザザザッ』

サイファー「おい!どうした!?返事をしろ、エメリア兵3!」

エメリア兵1『エメリア兵3はどうなっちまったんだよ!エメリア兵2!お前は見えてるんだろ!?』

エメリア兵2『エメリア兵3の機体が撃墜された!くそっ!いったいどこから…!』

サイファー「落ち着け!レーダーを確認しろ!」

エメリア兵2『レーダー…に反応が無い。ステルス機にしたってミサイルが発射されればわかるってのに』

エメリア兵1『フレアを使え!あいつは下から撃たれたって言ってたんだろ!?だったら高度を上げて俺達の到着を待つんだ!』

エメリア兵2『だ、だがそれでは原因が!』

エメリア兵1『サイファー!』

サイファー「わかってる!急ぐぞ!」


エメリア基地司令官『どうした!?一体何が起こっているんだ!?応答せよ!』

エメリア兵2『わかりません!レーダーに映らない何者かによってエメリア兵3が撃墜されました。これより高度を下げて索敵します!』

エメリア基地司令官『レーダーに映らない!?ステルス機か!?』

エメリア兵2『原因不明!しかし低高度、もしくは海面からの攻撃と思われます!』

エメリア基地司令官『なんだって言うんだいったい。海軍にも通達を出す!それまで持ちこたえろ!』

エメリア兵2『りょ、了解!』

サイファー「無茶だけはするんじゃないぞ」

エメリア兵1『飯の賭けはまだ有効なんだからよ。こんなところで落とされんじゃねぇぞ!』

エメリア兵2『そんなこと言ってる場合じゃ…グゥッ!』

サイファー「どうした!?」

エメリア兵2『尾翼に被弾!下方から撃たれた!?』

エメリア兵1『高度を上げろ!どっから撃たれてるのかわかんねぇのにむやみに突っ込むな!』

エメリア兵2『せ、せめて原因だけでも!敵の姿だけでも捉えて…』

サイファー「止めろ!お前も落とされるだけだ!」


エメリア兵2『……人…?なんで海面に人が立って…うわっ!…ザザッ』

エメリア兵1『エメリア兵2!?応答しろエメリア兵2!』

サイファー「反応ロスト。撃墜されたか…。クソッ!」

エメリア兵1『あいつ最後に人が海面に立ってるって言ってたよな。どういうことだいったい』

サイファー「わからん。小型艇からによる新型兵器の類かもしれん。超低空から接近するぞ!」

エメリア兵1『高度を上げねぇのかよ!?』

サイファー「高度を保っていたエメリア兵3や、落としたとはいえある程度の高度にいたであろうエメリア兵2を考えると、シースキミングで接近するほうがいいかもしれん」

エメリア兵1『ちっ!仇は取ってやるからな!待ってろよ!』

サイファー「俺たちの場所からあいつらの場所まではさほど遠くはない。すぐに高度を下げるぞ」

エメリア兵1『了解だ!』


エメリア基地司令官『サイファー、エメリア兵1、現場に海軍の連中も援護に向かわせている。原因を突き止めるだけでいいから無理はするな』

エメリア兵1『了解です。頼みますよ!あいつらを拾ってやってください!』

サイファー「万が一相手が発砲してきた場合はこちらの発砲は…」

エメリア基地司令官『ダメだ。現時点で詳細がわからん以上は発砲は許可出来ない』

エメリア兵1『既にあいつらが落とされてるんですよ!?なのになんでまだ撃っちゃダメなんですか!?』

エメリア基地司令官『詳細がわからんと言っているだろう!発砲許可を出すためにもお前達が原因を突き止めるんだ!』

エメリア兵1『ちっ!…了解!』

サイファー「落ち着け。相手に戦闘の意思があるとわかればいいんだ。頭に血が上ってると落とされるぞ」

エメリア兵1『わかってんよ!頭堅ぇ司令官だぜ、ったくよぉ』

エメリア基地司令官『聞こえているぞ、エメリア兵1!』

サイファー「まもなく現場に到ちゃ…な、なんだ?人が海面に立って…!?」

エメリア兵1『他にも黒い変な形したやつも居やがるぞ』

サイファー「!?…こっちに何かを向けてきた!?まずい!回避運動を!」クイッ


―海上で人の姿をしたなにかを発見したサイファーとエメリア兵1は直感で撃たれると判断し回避運動を取る。その瞬間相手の砲門から火を噴きだした―


エメリア兵1『う、撃ってきやがったぞ!』

サイファー「なんだあいつらは!?小型艇もないのに海面に浮いてる!?」

エメリア兵1『武装を背負ってんのか!?ライフルみてぇな長ぇ砲を複数持ってやがんぞ!』

サイファー「レーダーに反応がわずかに出てる。あの塊みたいなやつの反応か。人そのものは小さすぎてレーダーが捉えきれてないのか」

エメリア兵1『明らかにこっちに狙い定めてやがる!ラプターの運動性能なめんな!』

エメリア基地司令官『どうした!?状況を知らせろ!』

サイファー「一連の原因と思われる連中と遭遇!敵は交戦の意思があり、こちらに発砲を開始!」

エメリア兵1『信じられねぇだろうけど、海面に人らしきやつらが浮いてやがるぜ!小型艇とかそんなもんじゃねぇ!』


―人に近いサイズの相手にほぼ勘に近い感覚でサイファーとエメリア兵1は正体不明の相手からの攻撃を避け続ける―


サイファー「相手は戦闘の意思あり!発砲許可を!」

エメリア基地司令官『本当に海上に人が浮いて撃ってきているというのか!?』

エメリア兵1『そうだっつってんだろ!つぅかありゃ人じゃねぇ、化物だ!発砲許可出してくれ!でないと俺達が落とされちまう!』

エメリア基地司令官『わかった、発砲を許可する。だが鹵獲出来るなら鹵獲するんだ』

サイファー「了解!」

エメリア兵1『やっと出しやがったか。けど、期待には応えられそうにねぇな。化物鹵獲なんて出来そうにねぇぜ』

サイファー「人型のやつを残すんだ。尋問出来そうなのはそれだけだ!」

エメリア兵1『だろうな!反撃開始だ!Fox3!』ドガガガガ

サイファー「小型艇のようなものから沈める!ハープーン、Fire!」バシュゥン



ドォォォォン



―狙いを駆逐イ級に定め反撃を開始。確実に沈めたと思ったサイファーとエメリア兵1は爆煙が晴れた後を見て驚愕した―


エメリア兵1『な、なんだありゃ!?ほとんど効いてねぇぞ!』

サイファー「ハープーンは直撃したはずだ。なのに何故だ!」

エメリア兵1『やつがこっち向きやがった!回避を!』

サイファー「くそっ!防御壁が堅いのか!だったら人型のやつを…!」


―エメリア兵1はループの軌道に入りイ級の直上に位置取りをする―


エメリア兵1『対艦ミサイルに耐えたっつても上からのこれならどうだ!AMRAAM Fire!』バシュバシュゥン


―エメリア兵1の放ったAMRAAMがイ級を直撃。動きを鈍らせることには成功したものの破壊したとは到底言えないようなダメージだった―


エメリア兵1『嘘だろ!?2発撃ちこんだのにバラバラどころか原型留めてやがる!』


サイファー「っ!ロックはするがこれではミサイルが当たらん!機銃で!」ドガガガガ


―重巡リ級に対し機銃で応戦するも有効打にならず、逆に反撃を受け機体にわずかなダメージを負う―


サイファー「ちっ!怯みもしないか!」

エメリア兵1『サイファー、大丈夫か!?』

サイファー「戦闘継続に支障はない!そっちは大丈夫か!?」

エメリア兵1『化物1体は動きが鈍ったけど、こいつら2体を戦闘不能にするにはミサイル撃ちつくさねぇとダメだ』

サイファー「反転したタイミングでこちらからもミサイルを撃ち込む!そっちの黒い塊2体は頼むぞ!」

エメリア兵1『ああ!だがサイファーの方がやっかいだろ!?こっちに構わずにそっちに集中しとけ!』

サイファー「相手が小さすぎてミサイルが避けられる可能性がある。有効打になるならそっちに使うまでだ」

エメリア兵1『陸上なら爆発で周辺ごと吹っ飛ばして済むんだけど、海上じゃ仕方ねぇな!』

サイファー「投下から爆発時間をセット。悪いがバラバラに吹き飛んでもらうぞ!」カチ


―機銃が効かないと判断したサイファーは通常爆弾を投下。戦艦ル級を巻き込み重巡リ級の直上で爆発するも…―


サイファー「効いてないだと!?あれに人が耐えられるはずは…くぅっ!」


―逆に反撃を受け尾翼にダメージを負う―

エメリア兵1『サイファー!大丈夫か!?』

サイファー「尾翼に被弾、戦闘は続行可能だ。そっちは大丈夫か!?」

エメリア兵1『こっちもダメージはあるがかすり傷程度だ!だがもうミサイルの残弾が0だ。それにA/B使っちまって燃料がわずかしかない!』


―駆逐イ級に対しミサイルを全て撃ち込み戦闘不能にするも、エメリア兵1のミサイルの残弾が尽き、燃料も残りわずかとなっていた―


サイファー「エメリア兵1は一時帰投しろ!ここは俺が相手をする!」

エメリア兵1『バカ言うな!お前まであいつらみたいに落とされちまうぞ!』

サイファー「燃料が無い状態でどうやって戦う気だ!俺はまだ燃料に少し余裕がある!一時帰投しろ!」

エメリア兵1『…くそったれが!すぐに戻るからな!それまで落とされるんじゃねぇぞ!』

サイファー「これでも円卓の鬼神と呼ばれてたからな。そうそうやられはしないさ」

エメリア兵1『円卓の鬼神って…。お前、ウスティオの…』

サイファー「おしゃべりは終わりだ!さっさと行って戻って来い!」

エメリア兵1『あ、あぁ、了解だ!俺が戻るまでやられんじゃねぇぞサイファー!』


―エメリア兵1が戦線を離脱。戦艦ル級と重巡リ級に対しサイファーは1人で戦うことになった―


サイファー「相手が怯まないならそれを計算に入れて回避するしかない。それにやつが戦闘不能にした黒い塊もいつ再起動するかわからんな」

サイファー「だが今は動かんことを信じてやるしかない!」


―スライスバックから海面スレスレまで高度を下げ、重巡リ級に対しほぼ水平に近い形で位置を取るサイファー―


サイファー「人型ならあれよりは柔らかいはずだ!喰らえ!」バシュバシュゥン


―対空ミサイルと対艦ミサイルを発射。対艦ミサイルは外れるが対空ミサイルが命中―


サイファー「悪いが1人残ってりゃ十分なんでな。あとはお前だけ…だ…」


―爆煙が晴れた後に見たものは姿を何一つ変えることなくその場に佇みサイファーに狙いを定めるリ級の姿だった―


サイファー「悪い冗談だぜ。人がミサイル喰らって平然と立ってやがるのかよ」


―その時、回避を続けるサイファーのF-15のレーダーが新たな敵影を捉えた―


サイファー「増援!?この反応は…航空機!?」


―深海棲艦の艦載機がサイファーの元に向かってきていた―


サイファー「このままではジリ貧だ!なんとかしないと…」

サイファー「しかし、どこから航空機が…さっきまで反応は…。な、なんだこれ。こんな戦闘機は見たことないぞ!」


―多数の艦載機に囲まれ回避に専念せざるえない状況になっていた―

サイファー「多勢に無勢か。燃料もミサイルも残りわずかだ。だが今帰投すればこいつらをエメリア本土に連れて行ってしまうことになる。どうする…」


―それでもわずかなタイミングを見つけ機銃で応戦するが、その膨大な数、さらにはレーダーに映らない下からの攻撃に追い詰められていく―


サイファー「くぅっ!下からっ…!?右翼に被弾したか!機体のバランスが…」

サイファー「だがまだ…!しまった!後ろを!?」


―機体のバランスが崩れたタイミングで背後を取られ艦載機から機銃を掃射され、サイファー機は煙を上げる―


サイファー「くそっ!戦闘続行不能!ベイルアウトを!」


―サイファーがベイルアウトの操作をしたその瞬間に下からの砲撃によりF15が撃ち抜かれ、その爆発でベイルアウトした瞬間のサイファーも吹き飛ばされる―



ドォォォォン



サイファー「おあぁぁぁぁぁ…」


―――――
―――



―無人島―


???1「あれ?なんか人が倒れてるよ!?」

???2「ホントだ!どうしたのかしら?」

???3「…まずいわ。この人は生死の境を彷徨ってるわ。まだかろうじて生きているみたいだから運びましょう」

???4「服装を見る限り撃墜されたパイロットでしょうか。とにかく応急処置と治療を行いましょう」


―――――
―――

―2日後―


サイファー「うぅ…。っ!」ガバ

???2「目が覚めたみたいね。まだじっとしてて。あなた重症だったんだから」

サイファー「ここは…どこだ?それにきみは…」

彩雲妖精「私は彩雲。偵察機の妖精よ」

サイファー「??スマンがなにを言ってるのかわからん。日本語か?」

彩雲妖精「あら?日本語が通じないのね。ならこれならいいかしら」

彩雲妖精「ンンッ…私は彩雲よ。偵察機の妖精。これでどうかしら?」

サイファー「なんだ、通じるのか。ここはどこなんだ?」

彩雲妖精「その前にみんなを呼んでくるわ。少し待っててくれるかしら」



ガチャ



???3「その必要はないわ。意識が戻ったみたいね。あなた、どうしてあんなところで倒れてたのかしら」

サイファー「それよりここはどこだ?俺はなぜ治療されている?」

???3「相手に名前を聞くときは自分から名乗るべきじゃなくて?」

サイファー「…そうだな。俺はサイファー。エメリアに雇われた空軍の傭兵だ」

烈風妖精「私は烈風。攻撃機の妖精よ。あなたがこの無人島に流れ着いてたから治療をしたのよ。あなた、生死の境を彷徨うほどの重症を負ってたのよ」

???1「お、起きたんだね。なかなか凄い生命力だね~」

???4「大怪我してた人なんですからそんなに大声出してはダメですよ」

烈風妖精「こっちは彗星、爆撃機の妖精よ。そしてこっちは流星、雷撃機の妖精よ」

彗星妖精「よろしくね~」

流星妖精「意識が戻られたようで安心しました。けどまだ安静にしていてくださいね。大怪我をしていたんですから」

サイファー「サイファーだ。エメリアで傭兵をやっているパイロットだ」

彗星妖精「その傭兵さんがなんであんなところで倒れてたの?」

サイファー「それは…」


―サイファーは撃墜されるまでの出来事を妖精達に話した―


彗星妖精「うひゃー!よく深海棲艦相手にそれだけ戦えたね~」

流星妖精「信じられないほどの操縦技術ですね。普通なら目視で確認した時点で落とされてもおかしくないですよ」

サイファー「それで君達は何者なんだ?妖精と言ったが俺は死んだのか?」

彩雲妖精「ちゃんと生きてるわよ。私たちは空母の艦載機の妖精よ。艦娘って聞いたことないかしら?」

サイファー「艦娘?いや無いな」

烈風妖精「まだ艦娘が現れてからそんなに年月が経ってるわけじゃないから仕方ないわね。私たちは日本で生まれた艦娘、それも空母の艦娘の艦載機の妖精よ」

烈風妖精「艦娘というのは、昔日本が運用していた軍艦の魂を引き継いだ者。つまり人型の兵器と思ってくれたらいいわ」

サイファー「人型の兵器…。ということは俺が相手をしたのも…」

流星妖精「サイファーが相手にしたのは艦娘ではなく深海棲艦と呼ばれるものです。艦娘はその深海棲艦に対抗するために生まれたものです」

サイファー「深海棲艦…。それがやつらの正体か」

彩雲妖精「深海棲艦は過去に沈んだ軍艦の怨念とも人の無念とも言われてるわ。まだ正体がハッキリしてないの」

サイファー「それで艦載機の妖精が何故母艦に戻らずにこんなところにいるんだ?」

流星妖精「それは…」

烈風妖精「私たちの母艦である艦娘が撃沈されたからよ。要は私たちもあなたと同じく流れ着いたようなものね」

サイファー「そうか。すまない、悪いことを聞いてしまったな」

烈風妖精「いいのよ、過ぎたことは戻らないもの。私たちもいつ消えるかわからない存在なんだから」

彗星妖精「母艦を失った艦載機妖精は元の鎮守府には戻れないからね~」

サイファー「そうか。とにかく助けてくれて感謝する。なにか礼をしたいが俺に出来ることはあるか?」

烈風妖精「少なくとも今は無いわ。それにあなた、その体で何が出来て?今は自分を治すことに専念したほうがいいわ」

サイファー「いや、体はある程度動く。外傷はあるが、動けないほどではない」

流星妖精「それでも無理はいけません。しばらくは安静にしていてください」

彩雲妖精「怪我人はおとなしくしてなさいってことよ」

サイファー「す、すまない。だがせめて帰る場所が無いなら俺と一緒にエメリアに来ればいい。救難信号を出せばすぐに来るはずだ」

烈風妖精「残念ながらあなたの持っていた機械の類は全滅よ。長時間海水に浸かった影響でしょうね」

彗星妖精「唯一無事だったのはこのナイフぐらいだね。はい、返すね」スッ

彩雲妖精「ミリタリーナイフは切れ味が良いから重宝させてもらったわ。また借りるかもね」

サイファー「ありがとう。無線の類は全滅か。近くに何か通るまではこの無人島で暮らすことになるのか」

烈風妖精「そうなるわね。少なくとも私たちが消えて無くなるまでは共同生活になるわ」

流星妖精「幸いにもこの島には食べられるものが多数生息してますのでしばらくは大丈夫でしょう。それに過去に居たであろう島民が掘った井戸もありましたので水も問題ありません」

サイファー「そうか。しばらくの間、よろしく頼む。俺に出来ることがあれば言ってくれ」

烈風妖精「わかったわ。その時は頼りにさせてもらうわ。こちらこそよろしくお願いするわ」


―――――
―――

今回はここまでです
>>233で区切り間違えて行く所まで行かざる得ない状況になったバカをやらかしてしまった…
書くことに夢中になりすぎて水分補給を疎かにしたのが原因ですかね
切り所を見誤るとかホント自分バカすぎる。皆さんも猛暑が続きますが体調管理にはくれぐれも気をつけてください。

ではまた
ありがとうございました

再開します

―動ける程度には傷が癒えたサイファーは、妖精達と生活を共にするために行動していた―


彩雲妖精「サイファー、そこの木の実取ってくれる?」

サイファー「これだな?…よし、取れたぞ。こっちも取っておくか?」

彩雲妖精「そうね、お願い。あと4つは取ってちょうだい」

サイファー「わかった」


―――


サイファー「よし!中々デカイぞ」

彗星妖精「いい大きさだね~!けどこれ鰭に毒あるから気をつけてね~」

サイファー「マジか!普通に掴もうとしたぞおい。こいつは食えないのか?」

彗星妖精「いんや、鰭さえ落とせば食べられるよ。ハサミ…は無いからナイフでしっかり根元から落としちゃおう」

サイファー「よし…って暴れるなこいつ!危ねぇ!刺さる刺さる!」


―――


流星妖精「流石傭兵さんですね。サバイバル能力が高くて助かります」

サイファー「なに、バーナーが無くても火を起こすぐらいはそんなに難しいことじゃないからな。きちんと乾燥させれば銃弾の火薬も使える」

流星妖精「私たちだとどうしても時間がかかってしまいますから」

サイファー「適材適所ってのがあるからな。仕方ないことだ」

流星妖精「…今日は何か通ってくれますかね」

サイファー「さぁな。だが何もしないよりは行動したほうがいい。どんな状況でもやらないよりはマシだ」

流星妖精「そうですね。では薪を追加しますね」


―――


烈風妖精「おはようございます」

サイファー「おはようGOざいまSU」

烈風妖精「まだ発音がおかしいわ。もう1回ね」

サイファー「日本語ってどうしてこう難しいんだ」

烈風妖精「日本語は日本人でも難しいって思う時があるぐらいよ。日本人じゃないサイファーが難しく感じるのは仕方ないわ」

サイファー「日本人が母国語を難しく思うってのはどうなんだそれは」

烈風妖精「それだけ奥深い言語ってことよ。さ、もう1回よ」

サイファー「ぬぅ…」


―――

―1週間後―


流星妖精「サイファーがこの島に流れ着いてからだいぶ経ちますけど、捜索隊は出ないんでしょうか」

サイファー「最初の頃は出るだろうが、既に数日経過してるところからMIAになってるだろうな」

烈風妖精「実質的に戦死扱いにされているってことね。深海棲艦で領海がゴタゴタになっているところに空軍の兵士1人にそこまで人員は割けないでしょうしね」

サイファー「エメリア海軍の一個艦隊が全滅したところにこれじゃ仕方ないだろうな」

彩雲妖精「エメリアには艦娘はいなかったわよね。大丈夫かしら」

サイファー「さあな。正直こればっかりはなんとも言えんところだ。対ユークのために防衛費を割いている分、平時よりは保つだろうがな」

彗星妖精「ずいぶんドライだね~。自分がいた国なのに」

サイファー「あくまで俺は傭兵だ。エメリアには雇われているに過ぎん。そりゃ心配ではないといえば嘘にはなるが、愛国心を持ってなんて言えるレベルではない」

サイファー「それよりもイーグルを落とされたのが痛いな。また買うとなると莫大な費用になるからな」

彩雲妖精「サイファーの仕事道具だもんね。お金はあるの?」

サイファー「あるのはある。が、改造費用云々を考えると直ぐに買って出撃とはいかんな」

流星妖精「またイーグルを買うためにも帰らないといけませんね」

サイファー「あぁ。戦闘機は買えば済むが、命はどうしようもないからな。せっかく拾った命だ。無事に帰らないとな」

彗星妖精「そのためにはまずこの狼煙に気づいてもらうことだよね~」

サイファー「そうだな」


彩雲妖精「…なにか気配を感じるわ。何かしらこの感覚…」

彗星妖精「海のほうからだね。なんだろ…」

烈風妖精「…まずいわ!早く狼煙を消して。この気配は深海棲艦のそれよ。間違いないわ」

サイファー「ちっ!人じゃなくてやつらが嗅ぎつけて来やがったか!」

流星妖精「狼煙は消えました!時期に煙も収まります!早く逃げましょう!」

サイファー「小屋…はダメだ。森の中に逃げるぞ!」


―――――
―――

サイファー「とりあえずしばらくはこの森で身を潜めるしかなさそうだな」

彩雲妖精「そうね。ところでさっきからなにやってるの?」

サイファー「やつらが森に侵入してくる可能性もあるからな。罠を仕掛けている」

烈風妖精「そんなもの、深海棲艦には通用しないわ」

サイファー「そんなことは端から承知の上だ。倒す目的の罠じゃない。足止めして時間稼ぎをするためのものだ」

彗星妖精「それって深海棲艦を逆撫でしないかなぁ」

サイファー「俺の考えが正しければ、やつらも燃料で動いてるはずだ。つまり燃料切れまで逃げ切れればいい」

流星妖精「島を絨毯爆撃されたらどうするんですか?」

サイファー「その時はその時だ。少なくとも味方諸共爆撃はしてこないだろう。保証は無いがな」

彩雲妖精「…ところでさっきから皆が少しずつ薄くなってるような」

烈風妖精「島を深海棲艦に囲まれているせいね。私達の弱体化が始まったみたいね」

サイファー「このままだとどうなるんだ?」

烈風妖精「そうね、母艦も提督もいない私達は時期に消えてしまうわ」

流星妖精「むしろ今までがおかしかったんです。何故私たちは直ぐに消えてしまわなかったのかと」

サイファー「なんとかならないのか?」

烈風妖精「どうしようもないわね。深海棲艦が遠ざかってくれても1度弱体化が始まれば止められないわ」

サイファー「…すまない。お前達をエメリアに連れ帰る約束だったのに、それを守れないとは…」

烈風妖精「いいのよ。元々こうなる運命だったのよ。それが今だっただけ」

彗星妖精「ん~、サイファーが提督になってくれればいいんじゃない?」

サイファー「俺が…お前達の提督に?」

彩雲妖精「そうね。私達の弱体化を止めるならそれしかないわね」

流星妖精「無茶を言わないでください。サイファーに資質があるかどうかもわからないんですよ?」

サイファー「とりあえずその話は一旦後だ!罠に掛かった気配がした。やつらは上陸している!」

烈風妖精「そうね、逃げましょう。今はサイファーだけでも生き残らせるわよ」


――――――

サイファー「まずいな。お前達の弱体化が進行している。だがこれ以上は逃げ場も…」

烈風妖精「ここまでよ。サイファーだけでも逃げて。私達はどの道消える運命なのよ。だからサイファーだけでも生き残って」

サイファー「バカを言うな!俺はお前達に助けられた身だ。今度は俺がお前達を救う番だろ!」

流星妖精「その気持ちは嬉しいですが、こればかりは仕方ないことです。サイファー1人なら逃げ切れるはずです。だから私達に構わずに」

サイファー「なんとかしないと…うわっ!」



ドォォォォン



サイファー「クソッ!撃ってきやがったか!」


―逃げ惑うサイファーと妖精達。しかし目前には海岸が迫ってきていた―


サイファー「ちっ!こっちは海か。なら別の方向に…お前達!」


―海岸に近づいたことにより妖精の弱体化が加速。その姿は既に消えかかっていた―


烈風妖精「私達はここまでね。サイファー、あなただけは必ず生き延びて」

彩雲妖精「数日だったけどサイファーと暮らせて楽しかったわ」

サイファー「早く海岸から離れるぞ!」

流星妖精「もういいんです。サイファーだけで逃げてください」

彗星妖精「サイファー、魚を釣っても直ぐに掴んじゃダメだよ」

サイファー「…時間が無い!お前ら!俺を提督にしろ!今すぐだ!」

烈風妖精「無理よ。それより逃げて!」

サイファー「わずかでも可能性に賭けろ!何もしないよりは何か行動するほうがいいと言っただろうが!」

サイファー「今出来ることを全てやるんだ!やらずに後悔するよりやって後悔するんだ!消えたら後悔することすら叶わんぞ!」

烈風妖精「サイファー…」

彩雲妖精「やろう。やってみようよ」

彗星妖精「そうだね。時間ギリギリだけどやってみるしかないね!」

流星妖精「資質を見極める時間はありません!サイファー、手を!」スッ

サイファー「ああ」スッ


―サイファーが右手を差し出し、その手を妖精達がそれぞれの手を重ねる―


サイファー「頼む!こいつらを…こいつらを助ける力が俺にあってくれ!」

流星妖精「いきますよ!」

烈風妖精「少しくすぐったいかもしれないけど我慢するのよ!」

彗星妖精「なぁに、痛みは一瞬だ!なんて…ね!」

彩雲妖精「サイファーに…力を!」


流星妖精「サイファー!我々はあなたと共に最後まで共に戦うと約束しよう!」

サイファー「ああ!俺もお前達と共に戦おう!傭兵としてではなく、1人の人間としてだ!」


―手を重ね、目を閉じ、祈るように、その気持ちを一つにしてサイファーを提督として据えるよう願った。その結果は…―







カッ!






―一筋の光の柱が空に向かって伸び、まるでスタングレネードが爆発したかのような光が辺りに発した。その光はやがて収まり、サイファーは目を開けた―


サイファー「…お前ら!」

烈風妖精「成功ね。サイファー、これからはあなたが私達の提督よ」

彩雲妖精「私達、生きてる!サイファーに提督の資質があったのね!」

彗星妖精「やったね!これからよろしくね、サイファー提督」

サイファー「サイファー提督…か。違和感があるな。今までどおりサイファーで頼む」

流星妖精「感傷に浸ってる暇は無いみたいですよ。どうやら囲まれてしまったようです」


―前方の海岸には深海棲艦が砲を構え待ち構えていた。そして後方からも接近する音が聞こえていた―


サイファー「せっかくお前達を救えたのにこれか。なんとかしないとな」

彩雲妖精「どうやらなんとかなりそうよ」

サイファー「どういうことだ?」


―次の瞬間、海上の深海棲艦が爆散。さらに上空にはレシプロ機が島に向かって飛来していた―

サイファー「なんだ!?一体何が起こってるんだ!?」

烈風妖精「艦娘による砲撃。それにあれは爆撃機ね」

流星妖精「あの光を見てこっちに気づいてくれたみたいですね」

サイファー「助かったのか…俺達は…」

彩雲妖精「まだ完全に助かったわけじゃないけどね。砲撃と爆撃に巻き込まれない場所に逃げましょう!」

彗星妖精「賛成だね!このままじゃ味方にやられちゃうよ~」

サイファー「よし!走るぞ!」


『了解!』


―――――
―――


―――
―――――


ピクシー「ほ~。それで生き延びたのか、相棒」

サイファー「ああ、九死に一生だったな。あのまま誰にも気づかれなかったら俺はここにいなかっただろうな」

高雄「その助けてくれた艦娘は誰だったんですか?」

サイファー「色々ありすぎてあまりよく覚えてないんだ。確か1人はリットリオとか言ったかな」

大和「リットリオ…イタリアの戦艦ですね」

足柄「エメリアの旧国名ね。丁度エメリアに居たといい、何か縁があったんじゃないの?」

サイファー「かもしれんな」

武蔵「その艦隊が島を囲っていた深海棲艦を撃退したのか」

サイファー「そうなるな。それで俺達はその後にエメリアに救援を呼んでもらってエメリアに帰ることが叶ったんだ」

愛宕「リットリオ達はどうなったの?」

サイファー「俺達をエメリアの船に渡した後にどこかに行ってしまった。任務の途中だとかでな」

ピクシー「んで、妖精に認められてからサイファーは直ぐにあのとんでもねぇシステムを使えるようになったってわけか」

サイファー「いや、そうでもない。元々艦載機に乗って戦う妖精だったからな。そうすんなりと事が運んだわけじゃないさ」

那智「ではどうして妖精が戦闘機の武装と一体化して戦うことになったんだ?」

サイファー「それはな…」


―――――
―――

今回はここまでです
盆休みなんて無かった…
そしてシリアス続きすぎてストレスがががが
早くドタバタ劇書きたいです

ではまた
ありがとうございました

再開します

サイファー「失礼します」



バタン



サイファー「ふぅ…。やれやれ」


エメリア兵1「お!ご帰還早々お呼び出しか?円卓の鬼神さんよ」

サイファー「その呼び方は止めてくれ。俺はもうウスティオの傭兵じゃないんだ」

エメリア兵1「へいへい。んで?なんだって呼び出されたんだ?」

サイファー「帰還したとはいえ、撃墜されてMIA登録された傭兵に契約は更新しないってな」

エメリア兵1「じゃあサイファーはエメリアを去るってのかよ!」

サイファー「契約期間が終わればな。まだ期間内だから期間中は働いてもらうってよ」

エメリア兵1「じゃあまだエメリアにはいるんだな」

サイファー「まぁな。だがそんなに長い間ではないがな」

エメリア兵1「しっかしサイファーをエメリアまで連れ帰ってきた艦娘?だっけか、凄ぇ美人だってな」

サイファー「見た目は若い女にしか見えんな。あれで軍艦の生まれ変わりって言うのが俄かに信じられん話だ」

エメリア兵1「けどその子達がサイファーが落とされた後にあのバケモノ共を撃退してくれたってんだからよ。現実離れしすぎだぜ」

サイファー「全くだ」

エメリア兵1「ところで、サイファーが連れてきたあのちっこいの。ありゃなんなんだ?」

サイファー「艦娘の空母の艦載機の妖精…と言っていたな」

エメリア兵1「はぁ?妖精?おいサイファー、お前大丈夫か?」

サイファー「俺は至って正常だ…と言いたいが、普通は信じられる話ではないな。だが事実だ。あいつらは空母の艦娘を母艦とした艦載機の妖精だ」

エメリア兵1「まぁあのバケモノといい、艦娘といい、非常識なもんを連発で見せ付けられりゃあ妖精だって信じられるもんだ」

サイファー「あいつらの艦載機を見つけてやらないとな。本来の役割をこなせないんじゃあ不自由だろうしな」

エメリア兵1「そういやサイファーはどうするんだ?」

サイファー「なにがだ?」

エメリア兵1「機体だよ機体。イーグルは落とされちまって無いんだぜ?代わりの機体はあんのかよ」

サイファー「基地司令官が先日納入されたタイフーンを使えってよ。一応まだ多少は腕を信頼されているらしい」

エメリア兵1「ああ、あのタイフーンか」

サイファー「機体のカラーを塗りたいところだがな」

エメリア兵1「仕方ねぇよ。あと少しの期間しかいない傭兵の為に機体は塗らねぇよ」

サイファー「まぁ機体を預けてもらえるだけありがたいと思うさ。さて、俺はタイフーンのところに行ってくる。一応状態は確認しておきたいからな」

エメリア兵1「そっか。じゃあまたな」


―――――
―――

―ハンガー―


サイファー「俺の機体はっと…あれか…ってなにやってんだありゃ?」

烈風妖精「あ、サイファー、来たわね」

彗星妖精「この機体凄いね~。なんでも出来ちゃうみたい」

サイファー「お前達、なにやってんだ?」

彩雲妖精「私達は今艦載機が無いから何も出来ないでしょ。だから何か手伝えることがないかしらってね」

流星妖精「それでとりあえずサイファーの機体を見に行って出来ることを探そうとしていたのです」

サイファー「お前達の乗っていた機体とは全然違う代物だ。そう簡単に何か出来るようなもんじゃない」


整備兵「あ、サイファーさん。困りますよ、こんなところにちっこいの連れてこられちゃ」

サイファー「ああ、すまん。こいつらが何かしてしまったか?」

整備兵「いえ、整備は終わってたんでいいんですが、色々触られると困るものもありますから」

サイファー「だそうだ。ほらお前ら部屋に戻ってろ。俺も機体の状態を確認したら時期に戻る」

彗星妖精「ん~~。この機体(こ)緊張してるのかな?全然話を聞いてくれないや」

彩雲妖精「そうね。まだサイファーを乗り手として認めてないって感じね」

サイファー「何を言ってるんだ、お前達?」

烈風妖精「私達は艦載機の妖精よ。だから戦闘機と触れ合えるのよ」

流星妖精「けどこの子は中々心を開いてくれませんね。こちらからの声に応答してくれません」

サイファー「戦闘機と会話が出来るのか?」

彗星妖精「ニュアンスは似てるけど会話とは少し違うかな~」

流星妖精「物にも魂は宿るって言います。私達はその魂と触れ合っているんです」

彩雲妖精「ちなみにあそこにいるラプターはしっかり者ね。パイロットがちゃらんぽらんなのかしら」クスッ

サイファー「妖精だけがわかる世界ってことか」

烈風妖精「けどこの子は応えてくれないわ。まるで寝ているかのようにね」

流星妖精「もう少し話せばわかってくれるかもしれませんが…」

サイファー「そうは言っても整備兵も言ってただろ。あんまり無暗やたらと触られると困るってな」

彗星妖精「ん~、困った子だね~」



タッタッタッタッタッ


エメリア兵1「おいサイファー!スクランブルだ!沖合いで哨戒中の海軍の艦隊から救難信号が発せられてるってよ!」

サイファー「艦隊から!?またあいつらが出たってのか!?」

エメリア兵1「わかんねぇけどとにかく現場に急行しろってよ!ラプター、出すぞ!」

サイファー「ちっ!タイフーンも出すぞ!対艦装備を用意してくれ!」

烈風妖精「サイファー、私達も乗るわ。深海棲艦相手なら私達が居たほうが少しは有利になるかもしれないわ」

流星妖精「艦載機が無くても出来ることがあるはずです。サイファー、お願いします」

サイファー「…わかった。だが落とされても怨むなよ!」


―――――
―――

―海上―


エメリア兵1『あそこか!…く、空母が…傾いて…!』

サイファー「遅かったか!クソッ!」

エメリア兵1『黒い点みたいなのが見えるってことは、またあのバケモノ共ってことかよ!』

サイファー「レーダーには映らない以上、高度を下げてやつらの動きを予測しつつ避けるしかないぞ」

エメリア兵1『そうだろうな!ミサイルがお飾りってか、クソッタレが!』

烈風妖精「サイファー、来るわよ!」

サイファー「わかってる!」クイッ


―機体を振り回し、狙いを定めさせないように飛ぶサイファーとエメリア兵1。だがそれはこちらからも狙えないということである―


サイファー「くそっ!これじゃロックオンが…」

流星妖精「敵艦載機が来ます!」

サイファー「このタイミングでか!これじゃあの時のように…」


―出来る限りの低高度を維持しつつ、深海棲艦の艦載機を迎え撃つサイファーとエメリア兵1。かろうじて避けれてはいるものの贔屓目に見てもジリ貧である―


彗星妖精「…ねぇ、このままじゃ君もやられちゃうんだよ?私達に力を貸してくれないかな~」

サイファー「おい彗星!お前何を…!?」

彩雲妖精「サイファー!今は彗星にやらせてあげて!」

彗星妖精「君は国を…人を守るために生まれてきたんでしょ?今だけでいいから私達の話を聞いてほしいな」

サイファー「何がしたいかわからんが、手は貸してやれんぞ!」ドガガガガガ

烈風妖精「後ろから砲撃来るわ」

サイファー「ちっ!」クイッ


彗星妖精「サイファーは相応しい乗り手だと思うよ。君の能力を完璧に引き出してくれるはず」


エメリア兵1『尾翼に被弾!けどこのくらいなら!』


彗星妖精「だからさ」


サイファー「大丈夫か!?」


彗星妖精「私達を信じてみてよ!」


エメリア兵1『大丈夫だ!まだ飛べる!…!サイファー!』

サイファー「正面!?こんなところにっ!」


パァァァァ

彗星妖精「!ありがとう、強力してくれるんだね」

烈風妖精「ギリギリね。けどこれで」

妖精's「反撃開始よ!」



シュゥン


ピピッ!


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ピピッ!










          <System Pixy Standby>










流星妖精「サイファー!ミサイルを!」

サイファー「ミサイル!?ロックを…!これなら!」カチッ

流星妖精「ハープーンミサイル、発射!」バシュゥン



ドォォォォン



流星妖精「ミサイル命中!重巡リ級撃沈確認しました!」

サイファー「な、なにが…どうなって…?お前ら、どこに!?」

彗星妖精「私達は今この子の武装と一体化してるんだよ~」

彩雲妖精「やっとこのタイフーンが話を聞いてくれたわ。手を貸してくれるって」

烈風妖精「私達が兵装をサポートしてるわ。これなら深海棲艦相手にも戦えるはずよ」


―HMSSにはSystem Pixyと表示されている。それを見たサイファーは確信した。『これならあのバケモノ共と戦える』と―


サイファー「レーダーにも敵影が!これならいける!」

エメリア兵1『お、おいサイファー!何が起こったんだ!?ミサイルで1体倒したみたいだけど何やったんだよ!?』

サイファー「エメリア兵1は下がってくれ!ここは俺に任せてくれ!」

エメリア兵1『バカ言うんじゃねぇ!サイファーだけを置いていけるかってんだよ!』

彩雲妖精「サイファー!」

サイファー「わかってる!こいつらの母艦はわかるか?」

彩雲妖精「もちろん!この子のレーダー凄いわ!完璧に捉えてるわ!」

サイファー「なら狙いは空母だ!ハープーン、Fire!」カチッ

流星妖精「お返しです!ハープーン発射!」バシュゥン

エメリア兵1『おいサイファー!お前何処に向かってハープーンを!』


―サイファー機の放ったハープーンミサイルは空母ヲ級を完璧に捉え撃沈した。ヲ級も捉えられたとは思っていなかったのか、避ける動作すらも行わなかった―


流星妖精「空母ヲ級撃沈!」

エメリア兵1『あ、あんなところに敵が居やがったのか!サイファー、お前よくわかったな』

サイファー「妖精達が力を貸してくれてるんだ。妖精のサポートが無ければ捉え切れん」

エメリア兵1『サイファー!そっちに敵の飛行物体が向かったぞ!』

サイファー「艦載機か!」

エメリア兵1『お、おいサイファー!何が起こったんだ!?ミサイルで1体倒したみたいだけど何やったんだよ!?』

サイファー「エメリア兵1は下がってくれ!ここは俺に任せてくれ!」

エメリア兵1『バカ言うんじゃねぇ!サイファーだけを置いていけるかってんだよ!』

彩雲妖精「サイファー!」

サイファー「わかってる!こいつらの母艦はわかるか?」

彩雲妖精「もちろん!この子のレーダー凄いわ!完璧に捉えてるわ!」

サイファー「なら狙いは空母だ!ハープーン、Fire!」カチッ

流星妖精「お返しです!ハープーン発射!」バシュゥン

エメリア兵1『おいサイファー!お前何処に向かってハープーンを!』


―サイファー機の放ったハープーンミサイルは空母ヲ級を完璧に捉え撃沈した。ヲ級も捉えられたとは思っていなかったのか、避ける動作すらも行わなかった―


流星妖精「空母ヲ級撃沈!」

エメリア兵1『あ、あんなところに敵が居やがったのか!サイファー、お前よくわかったな』

サイファー「妖精達が力を貸してくれてるんだ。妖精のサポートが無ければ捉え切れん」

エメリア兵1『サイファー!そっちに敵の飛行物体が向かったぞ!』

サイファー「艦載機か!」

サイファー「エメリア領海から出て行きやがれ!ハープーン、Fire!」カチッ

流星妖精「沈めます!いけぇー!」バシュゥゥン





ドォォォォン




サイファー「周囲に敵影は…無しだな。エメリア兵1、帰投するぞ。あとは救援部隊に任せよう」

エメリア兵1『サイファー、お前急にどうしたんだよ!?まるで覚醒したみたいに敵を蹴散らしちまいやがってよ』

サイファー「なに、こいつらのお陰だ。こいつらがサポートしてくれたから俺は深海棲艦に対抗できただけだ」

エメリア兵1「こいつらって…あのちっこい妖精ってのがか?」

サイファー「ああ」

エメリア兵「なにがどうなってんのか頭が混乱してわかんねぇぜ。あとでじっくり説明してくれよ」

サイファー「ああ、戻ったら説明してやるよ。それより敵は殲滅したんだ。救援を寄越させないとな」

エメリア兵1「そうだな。俺から連絡しておくよ」

サイファー「頼んだ」

サイファー「お前達にもあとで色々聞きたいことがある。話してもらえるな?」

烈風妖精「ええ、もちろんよ」

彩雲妖精「ていうか、私達も若干混乱気味な部分もあるけどね」

彗星妖精「正直一か八かだったからね~」

流星妖精「ここまで上手くいくとは思いませんでした。彗星に任せて正解でした」

サイファー「ありがとうな、助かった。それにあいつらの仇を取れたしな」

サイファー「基地に戻ったら好きなものを食べさせてやる。今回はお前達が一番活躍したからな」

彗星妖精「お?言ったね~?」

流星妖精「ありがたく頂きます」

烈風妖精「せっかくの気持ちだからしっかり受け取らせてもらうわ」

彩雲妖精「さーて、なに頼もうかなぁっと」

サイファー「…ほどほどにしてくれよ?」


―――――
―――


―――
―――――


ピクシー「戦場で無茶しやがるぜ。失敗したら完全にお陀仏じゃねぇか」

サイファー「あいつらならなにかをやってくれるだろうとは信じていたからな。だがまさか兵装と一体化するとは想像もしてなかったがな」

愛宕「ふぅん、そういう経緯があったのねぇ」

足柄「けど、レーダーに映るからって言っても上空からじゃ小さくて見えないことには変わらないんじゃないの?」

サイファー「実際に駆逐艦を相手にしても機銃の向きまでは接近しないと肉眼では確認出来るもんじゃない。相手がこちらを狙っているってわかれば大きさはさほど関係はないさ」

那智「そこはやはり円卓の鬼神の実力ということか」

サイファー「そんな大層なものじゃない。ただ相手の行動の先を見ているだけに過ぎんさ」

ピクシー「戦場でのその勘の鋭さは今も昔も変わらねぇな、相棒は」

大和「で、そのあとエメリアとはどうなったんですか?」

サイファー「見事なまでに軍部が手のひらを返しやがって腹立ったから、そのまま契約は更新せずにまた一介の傭兵に戻ったさ」

武蔵「しかし、それではエメリアが危険な状況になるのではないのか?」

サイファー「今はリットリオ達がエメリアを守っている。俺が去る前になんとか交渉出来たらしい」

高雄「ではエメリアにも提督がいらっしゃるのですね」

サイファー「さぁな。どこまで事が進んだのかはわからねぇよ。その前に俺はエメリアを去ったからな」

扶桑「そうですか。そんなことがあったんですね」

金剛「サイファー提督も中々Fierceなエピソードがあるんだネー」

青葉「円卓の鬼神の空白の時!これはいい記事になりますね~」

サイファー「ちょっと待て。お前らいつの間に沸いて出てきた」

漣「実はコッソリと最初のほうからご主人様のエピソードを聞いてましたよ」

あきつ丸「ピクシー殿の相棒も過酷な人生を送っていたのでありますな」

瑞鶴「元は誰の艦載機だったのかしらね」

加賀「案外あなたのじゃなくて?瑞鶴」

瑞鶴「んなっ!?ちょっと!それどういうことよ!?」

加賀「さぁ?ムキになるってことは思い当たる節でもあるのかしら?」

瑞鶴「この!言わせておけばぁ!」

翔鶴「瑞鶴ったら!こんな場所で喧嘩しちゃダメよ!」



ワイワイガヤガヤピーチクパーチクトーピードトーピード



ピクシー「俺達深酒しすぎたのか?こんなに増えてるのに気づかなかったとはな」

サイファー「それより問題はこの後じゃねぇか?そもそも俺達がバーから出れなかった理由って」

ピクシー「……あっ!」

サイファー「脱出は…」

ピクシー「…無理だろうな」

サイファー「さっさと片付けるか」

ピクシー「同感だ、相棒」



『サイファー提督!ピクシーさん!サインください!』


―この後、サイファーとピクシーは質問とサイン攻めにあうハメになった。それはそれは夜遅くまで続いたという。果たして2人の明日は大丈夫なのだろうか―


サイファー・ピクシー(帰りてぇ…)


―いや、この2人なら大丈夫であろう。多分、きっと…―


―――――
―――

今回はここまでです
現在E-6乙で苦戦中。資材はともかくバケツが…バケツがちょっと足らなかったみたい
最悪E-7は諦めるコースで頑張るしかないか

ではまた
ありがとうございました

最悪だ。>>260で誤字りやがったよ
×強力
〇協力
でお願いします

見直してさらにミスに気づいてしまったorz
>>264は以下の文章です

烈風妖精「対空なら任せてもらっていいわ。確実に落としてみせるわ」

サイファー「頼むぞ。機銃掃射!」ドガガガガガ


―元より円卓の鬼神と呼ばれていた程の操縦技術を持つサイファー。攻撃が通る今はもはや深海棲艦の艦載機もサイファーの敵ではなかった―


彩雲妖精「サイファー!下から砲撃来るわよ!」

サイファー「位置がわかってるなら避けるのは容易いことだ!」クイッ

彗星妖精「サイファー!爆弾投下しちゃって~!」

サイファー「いけるか!?」

彗星妖精「もっちろんだよ~」

サイファー「頼んだぞ!」カチッ

彗星妖精「お釣りはいらないよ!もってきな~!」ヒュゥゥン


―誘導爆弾の投下により撃沈。深海棲艦の艦隊も残り1体となる―


エメリア兵1『す、凄ぇ。これが円卓の鬼神…なのか…』

彩雲妖精「ラストよ!」

流星妖精「ロックオン完了です!サイファー!」

今度こそ今回はここまでです
なにやってんのさ俺は本当に…

ではまた
ありがとうございました

こんにちは
今回は本編とは少し違う小ネタのようなものを投下します

   ―正しい躾の方法は?―


川内「夜戦だー!夜戦夜戦!夜戦の時間だー!」

神通「川内姉さん、もう夜も遅いんですよ。そんなに騒いだら他の方々にご迷惑ですよ」

川内「だって夜だよ?夜と言えば夜戦でしょ?やっぱり夜戦って最高だよねー」

那珂「夜戦好きなのはわかったけど、夜更かししてるとお肌に悪いよ?」

川内「何言ってんの!太陽が出てないんだから日に焼けない分お肌にもいいんだよ!それに夜戦は新陳代謝を良くするからお肌にもいいんだよ!」

那珂「そうなの!?那珂ちゃんそれ初めて聞いた!」

神通「真に受けちゃダメですよ。皆さんが就寝される時間でもあるんですからそんなに騒いでると苦情が…」

川内「だったら起きて夜戦すればいいんだよ!夜戦だ夜戦だー!」



ドンッ!



<川内ウルサイ!今何時だと思ってんのよ!



那珂「あ~あ、いわんこっちゃないよ」

神通「ほら、他の方々にご迷惑になってますから、川内姉さんも今日はもう寝ましょう」

川内「ぶ~!いいもん!1人で夜戦の訓練してくる!」ガチャ

神通「あ、ちょっと!」



バタン



那珂「う~ん、前々からだけどあの夜戦中毒はどうにかしないとだね」

神通「…このままだと睡眠不足からの艦隊の士気に影響が出かねませんね。どうしましょう」

那珂「サイファー提督に相談してみよっか」

神通「そうですね。サイファー提督なら何か良い案を思いついてくれるかもしれませんね」


―――――
―――

サイファー「で、俺に川内の野戦バカをどうにかしろってか」

那珂「どうにかしろって言うか、なにか良い案がないかなぁって」

神通「このままでは皆さん睡眠不足から士気が落ちてしまう可能性もあります。なにか良い案はないでしょうか」

サイファー「しかし、その夜戦好きから来るそのモチベーションの高さが川内自身が売りだろう。それを安易にどうにかしていいのか?」

神通「それはそうなんですが、川内姉さん1人の為に艦隊を犠牲にしては本末転倒です」

那珂「モチベーションの高さを維持しつつ、夜に無駄騒ぎしないようにできないかなぁ」

サイファー「難しい問題だな。単純に騒がないようにするなら睡眠薬でも盛るか、夜戦に絶大な恐怖を与えるとか方法はあるが…」

那珂「恐怖……。それだ!」

神通「何か良い案が?」

那珂「サイファー提督!川内ちゃんと夜戦訓練してくれない?」

サイファー「なんでそうなるんだ」

那珂「深海棲艦相手に恐怖を覚えたらダメダメだけど、サイファー提督なら鎮守府にいるんだし、夜騒いだらサイファー提督がお仕置きしにくるぞー!ってなればいいんだよ」

神通「秋田のなまはげみたいですね」

サイファー「ふむ。しかしどこまでやればいいんだ?ミサイルを撃ち込んだら確実に川内自身が沈むぞ」

那珂「う~ん、前に摩耶さん達との対空演習に使ったシステムを使ってみるとか?」

サイファー「あれは撃沈判定にしたら偽装が動かなくなる程度だ。単純に敗北したと明確にするだけだぞ」

那珂「そっか。動きを止めるだけじゃダメだよね」

神通「なら逃げ回るしかない状況にすればよろしいのではないでしょうか」

サイファー「艤装は動かない。しかし敵からは攻撃が止まない。悪く言えば一方的ななぶり殺しに近い状況にするということか」

神通「命からがらの状況になれば流石にサイファー提督に恐怖を覚えると思います」

那珂「それにサイファー提督にはスーパーホーネットがあるんだし、簡単には捉えられないはずだよね」

サイファー「流石にこんなことに震電Ⅱを使うわけにはいかんからな」

那珂「よし決まり!明石さんに相談してくるね!」

神通「私も行きます。きちんと事情を説明しないと」

サイファー「なら俺は烈風達に相談してこよう。上手くいけば効率が上がるかもしれんからな」

那珂「それじゃ細かいことが決まったら作戦決行だね」

神通「上手くいけばいいんですが…」

サイファー「なに、俺も長年空を飛んできたパイロットだ。なんとかしてやるさ」


―――――
―――

―水面下で作戦を進めていくサイファー、神通、那珂。この話は川内以外に伝わり、日頃から川内の騒ぎにうんざりしていた鎮守府の面々から全面的なバックアップを受けることとなった―


彗星妖精「JDAMでわざと外して川内さんの近くで爆発させるとかどうかな~」

彩雲妖精「それだと爆風で川内さん吹っ飛ばない?」

彗星妖精「ちゃんと距離は計算するって~」

流星妖精「対艦ではなく対空ミサイルを使いましょう。意図的にロックを外せば逸らすのは難しくありませんから」

サイファー「それで当たったらまずいだろ」

烈風妖精「火薬の量を減らせばいいのよ。万が一当たっても沈めなければいいのよ」

サイファー「…お前ら、案外物騒だな」


―――


神通「明石さん、どうですか?お願いした物は出来ましたか?」

明石「さっき完成しましたよ。ちょっと改良するだけですからそんなに難しくはありませんから」

夕張「まぁ川内のバカ騒ぎはみんなどうにかしたいと思ってたからね。きちんと撃沈判定になっても動力機関はバッチリ動くようにしたわ」

明石「ただ、それだと違和感があるだろうと思って最大速度は出せないようにはしてます。機関出力が少し落ちる仕様にしてます」

那珂「流石だね!これなら川内ちゃんにきっちりお仕置きできるね!」

明石「あとはサイファー提督次第ですね」

夕張「ま、それは大丈夫なんじゃない?あの円卓の鬼神なんだから」


―――

―そして作戦決行の日がやってきた。何も知らない川内はいつものように騒ぎ出していた―


川内「夜だー!夜戦だー!夜戦しよーよー!」

那珂「川内ちゃんうるさいよ!夜にそんなに騒いだら迷惑だよ」

川内「だって夜だよ!?夜戦の時間じゃん!夜戦やろうよー!」

神通「川内姉さん、そんなに夜戦がしたいですか?」

川内「なになに!?神通付き合ってくれるの!?」

神通「ええ、とは言っても相手は私じゃありません。川内姉さんにピッタリの相手にお願いしてます」

川内「ふぅん、強いのかな?ま、いいや。じゃあ案内してよ!」

神通「わかりました。では行きましょう」



バタン



那珂「こちら那珂ちゃんよりサイファー提督へ。川内ちゃんと神通ちゃんが出ました」

サイファー『了解した。こちらも離陸準備に入る。神通からの連絡が入り次第作戦を決行する』

那珂「川内ちゃんにキッチリお仕置きしてあげちゃってね!」

サイファー『ああ、わかっている』


―――――
―――

川内「えーっと、この書いてある場所に向かえばいいんだね?」

神通「はい。開戦の合図はこちらから送りますのでその場所で待機していてください」

川内「相手は誰かなぁ。能代かな?それとも愛宕さんか足柄さんかな?まさか大和さんだったり!?」

神通「それは秘密です。川内姉さんがきっと満足する相手のはずです。楽しみに待っていてください」

川内「もったいぶるねぇ。まいっか。川内、出撃するよ!」バシャァァァァ



神通「…川内姉さんは行きましたね」

神通「こちら神通よりサイファー提督へ。川内姉さんは目標地点に向かいました。サイファー提督、あとはお願いします」


――――――


サイファー「さてと…」

烈風妖精「あまり乗り気じゃないみたいね」

サイファー「そりゃそうだろ。どう考えても一方的な暴力だ。そんな作戦に気乗りするわけないだろ」

彩雲妖精「でもこれは躾よ!ダメ犬ならぬダメ艦娘もキッチリ躾けないと」

サイファー「お前ら、川内に怨みでもあるのか?」

流星妖精「まぁどこかしらで夜戦夜戦と叫んで、その声で起きることはありますが」

彗星妖精「ま、安眠妨害されたことはあるね~」

烈風妖精「1回きちんとわからせてあげる必要はあるわ。これは暴力じゃないわ。悪いことをした罰よ」

サイファー(間違って沈めたりしないだろうな、こいつら…)



ザザッ



神通『こちら神通よりサイファー提督へ。川内姉さんは目標地点に向かいました。サイファー提督、あとはお願いします』

サイファー「了解した。こちらも作戦海域に向かう」

烈風妖精「サイファー、下手な手加減はいらないわ。加減はこっちで調整するからサイファーはいつも通り飛べばいいわ」

サイファー「わかってる。間違っても沈めるんじゃないぞ」



サイファー「離陸開始地点到達。スーパーホーネット、出るぞ!」ヒュィィィゴォォォォォ

サイファー「やれやれ、嫌な役割だぜまったく。さっさと終わらせるぞ!」


<System Pixy Standby>ピピッ!


彩雲妖精「川内さんが目標地点に到達したみたいよ」

サイファー「了解だ。サイファーより神通へ。川内に開始のGOサインを送れ。こちらはいつでもいける」

神通『了解しました!』

サイファー「オペレーション・サイレントナイト、START!」


―――――
―――

川内「さて、指定された場所に到着っと!相手は誰かなぁ」

神通『川内姉さん、相手の方は準備が整っています。演習を開始してください』

川内「了解!さて、お楽しみの夜戦といきますか!」


―開戦の合図を受けた川内は相手の出方を探るように動き出した―


川内「さぁて、相手は誰かn」


フォォォン


ドォォォォン


川内「…え?は?ミサイル!?なんで!?」


――――――

彩雲妖精「開始の合図は送られたようね。川内さんが動き出したわ」

烈風妖精「相手の懐に飛び込むために様子を伺っているという感じね。上手く回りこめるように立ち回っているわね」

彗星妖精「この辺は流石だね~」

流星妖精「ですが、今回は相手が悪かったということです!サイファー、脅しの1発を発射しますよ!」

サイファー「当てるんじゃないぞ!AMRAAM、Fire!」カチッ

流星妖精「当然です!AMRAAM発射!」バシュゥン


―発射したAMRAAMは川内の直ぐ横を猛スピードで通過し、海面より出ていた岩に直撃し爆発―


流星妖精「AMRAAMは川内さんの横を通過して岩に直撃しました!川内さんへの被害はありません!」

サイファー「当たり前だ。被害が出たら作戦は失敗だ。このまま接近して川内の艤装を無力化するぞ。川内の視認範囲に入る!」


『了解!』


――――――

川内「なんでミサイルが飛んでくるの!?え、まさか演習の相手ってサイファー提督なの!?」

川内「ていうか摩耶さん達との演習の時はミサイルが飛んでなかったはずだよね!なんでそれなのにミサイルが!?」

川内「ちょっと神通!どうなってるのこれ!演習の相手がサイファー提督だなんて聞いてないよ!」

神通『ですから言ったじゃありませんか。川内姉さんにピッタリのお相手だと』

川内「単艦でどうやって挑めって言うのよ!無茶苦茶だよこれじゃ!」

那珂『普段から夜戦夜戦って川内ちゃんは騒ぎすぎなんだよ~!だからサイファー提督にお願いしてお仕置きをしてもらうことにしたの』

川内「無理無理無理!ミサイルが飛んできたんだよ!?これじゃ私沈んじゃうよ!」

神通『川内姉さん、演習に集中してください。サイファー提督は待ってくれませんよ』

川内「そんなこと言ったって…。来た!本当にサイファー提督のスーパーホーネットじゃない!」

川内「くっそ~!こうなったらやれるだけやるしかないか!喰ら…」ガクン

川内「え?艤装が動かない!撃沈判定!?早すぎるって!」

川内「も~、もうおしまいかぁ。まぁでも沈められなかったから助かっt」



フォォォン


ドォォォォン


川内「ちょ、ちょっと!勝敗はもう決まったって!なんでミサイル撃ってくるの!?」


――――――

彩雲妖精「まもなく川内さんの視認範囲よ!サイファー、間違っても落とされないでね」

サイファー「わかってる。川内がこちらを砲撃してくる前に片付ける」

流星妖精「ミサイル準備完了!いつでもいけます!」

彩雲妖精「川内さんの距離に入ったわ!」

サイファー「よし、ミサイルを擬似発射!川内を撃沈判定にする」ピッピッカチッ

彩雲妖精「撃沈判定よ!これで川内さんの艤装は動かないわ」

サイファー「この距離なら大丈夫だろう。流星、当てるなよ!」カチッ

流星妖精「了解です!サイドワインダー、発射!」バシュゥン


フォォォン


ドォォォォン


烈風妖精「川内さんは混乱してるみたいね。少し可哀想かしら」

サイファー「いや、これを提案したのお前らだからな?」


――――――

川内「いやぁぁぁぁ!」



フォォン…ドォォォォン



川内「ちょっと待っててばー!」



ドガガガガガ



川内「ごめんなさーい!もう騒ぎませんからー!」



ヒュゥゥゥゥゥン……ドォォォォン



川内「もう夜に叫んだりしないから誰か助けてー!」



ドォォォォンドォンドォォォォン


―――――
―――

―ブイン基地―


神通「おかえりなさい、川内姉さん。どうでしたか?夜戦演習は」

川内「キシンコワイキシンコワイキシンコワイキシンコワイ…」ブツブツ

那珂「効果てき面だったみたいだね!」

神通「川内姉さん、これに懲りたらもう夜中に騒いだりしないでくださいね」

那珂「騒いだらまたサイファー提督にお仕置きしてもらうからね☆」

川内「サイファー提督との夜戦は嫌サイファー提督との夜戦は嫌サイファー提督との夜戦は…」ガタガタ


ザッザッザッザッ


サイファー「どうやら一応無傷のようだな」

川内「ひっ!」

サイファー「これに懲りたらもう夜中に騒ぐんじゃないぞ」

川内「は、はい!肝に銘じます!」

サイファー「神通と那珂に感謝しておけ。2人は川内を心配して俺の元に相談に来たんだ」

川内「え?どういう…」

サイファー「このまま騒ぎ続けて基地の雰囲気を悪くしてお前が嫌われてしまえば、艦隊の連携どころか仲間から見捨てられてお前が沈むことになる可能性があるからだ」

サイファー「川内の夜戦に対するモチベーションの高さは2人も評価している。だが節度を弁えて皆を守るためにその力を使えということだ」

サイファー「お前が孤立してしまったら皆を守るどころかこの2人を悲しませることになる。それを未然に防ぐ提案を俺に持ちかけてきたんだ」

川内「神通…那珂…」

サイファー「夜戦が好きなのは別に構わん。だがその好意の発し方を少し考えてみろ。お前にはたくさんの仲間と神通と那珂という妹がいる」

サイファー「お前が戦うのは何のためだ?夜戦をするだけのためか?それを今一度考えてみることだ」

川内「…はい」

サイファー「じゃあ俺は戻るぞ。お前達ももう休め。3人は明日はオフにしておく」


『はい!』


サイファー「じゃあな」


ザッザッザッザッ…

神通「川内姉さん、私達も帰りましょう」

那珂「そうだよ!夜更かしは美容の大敵なんだから」

川内「…神通、那珂、ゴメン!私気づかなかった。2人が色々考えてくれてたなんて」

神通「いいんですよ。わかってもらえたらそれでいいんです」

那珂「そうだよ~!そりゃ安眠妨害されてちょ~っとあれかな~って思うところはあったけど、川内ちゃんが独りぼっちになっちゃう方が嫌だもんね」

川内「神通…那珂…。よ~し!2人を悲しませないためにも頑張るぞー!まずはやっぱり夜戦で特訓かなぁ!?」

神通「本当にわかってるんでしょうか…」

那珂「こりゃもう1回サイファー提督にお願いしたほうがいいかも」

川内「あっ…。いや、サイファー提督は勘弁して!もうあんな目に合うのは嫌!」

神通「じゃあ今日はもう大人しく寝ましょうか」

川内「は~い。へへっ、2人ともありがとね!」


―――――
―――

ここまでです
小ネタの割に1回の投下分近い量になって自分が一番ビックリした
最初は

川内「アイエエエ!鬼神!?鬼神ナンデ!?」

な感じにライトに仕上げようとしたらこうなってしまいました。ま、いいか

ではまた
ありがとうございました

本編再開します

   ―人の希望と人の業―


―震電Ⅱを使った実戦テストを本格的に開始したサイファーは、今まで以上に出撃を繰り返し、着実に戦果を上げていた―


サイファー「ふぅ…」

ピクシー「よう相棒、まだ生きてるか?」

サイファー「当たり前だ。死んでたらここにゃいねぇだろ」

ピクシー「ま、そうだな。しっかし今日も相棒の1人舞台だったな。お前の艦隊が「到着する頃には終わってて出番が無い」って呆れてたぜ」

サイファー「出来る限り使えそうなデータを収集できるようにしてるつもりで飛んでるからな。どうしても最前線に躍り出ちまう」

ピクシー「妖精積んで深海棲艦相手に戦ってるとは研究チームは夢にも思ってねぇだろうがな」

サイファー「その部分はフィードバック出来んだろうな。だがそれ以外ならデータとして使えるだろう」

ピクシー「お前の飛び方を参考に出来るやつなんているのか甚だ疑問だけどな」

サイファー「世の中は広いもんだ。リボン付きやラーズグリーズみたいなやつだっているんだからよ」

ピクシー「まぁパイロットにとっちゃいい勉強にはなるだろうよ」


扶桑「お疲れさまですサイファー提督。お飲み物をご用意しました。どうぞ」

サイファー「ああ、ありがとな。頂くぜ」

扶桑「ピクシーさんもどうぞ」

ピクシー「サンキュー。ありがたく頂くぜ」

扶桑「今日もサイファー提督が大活躍されたようですね。皆さんが燃料しか減らないってぼやいてましたよ」

サイファー「あくまで震電Ⅱの量産開発のためのテストだからな。そのためには出来る限り多く戦う必要がある」

ピクシー「1度サイファー機にカメラ載せて撮影してみたけどよ、相変わらずえげつねぇ飛び方してやがるぜ」

扶桑「空母の方々も彩雲を飛ばして実際にサイファー提督の戦いを見てみたそうですが、開いた口が塞がらないと言ってましたよ」

サイファー「そんなに無茶な飛び方はしてないつもりなんだがな」

ピクシー「お前の普通が無茶苦茶なんだっつうの。自覚症状が無ぇってのは質悪ぃぜ、相棒」

扶桑「妖精さん達はよく耐えられますね」

烈風妖精「もう慣れたわ。正直今更かしら」

彩雲妖精「最初の頃は命を預けるのが怖いと思ったけど、あれがサイファーにとっての普通なんだって解ったら自然と慣れるものね」

流星妖精「正直、今までの自分達の飛び方はなんだったのかと自分たちの戦術を全否定されたようでしたが…」

サイファー「レシプロ機にはレシプロ機の飛び方があるだろ。旋回性の高さを生かした飛び方をするのがレシプロ機の基本だろ」

彗星妖精「ジェット機なのにレシプロ機ばりに振り回すサイファーがそれを言っても説得力ないよ~」

扶桑「よく旋回Gで意識飛びませんね」

サイファー「自分の限界は把握してるつもりだ。その限界を超えないように飛べば問題無い」

ピクシー「何Gまで耐えられるか1度テストしてみる必要があるかもな」

サイファー「意識飛んだら墜落するだろ」

ピクシー「しかし、実戦テストも大詰めだな。どうだ相棒、震電Ⅱをこのまま持っていたくなってんじゃねえか?」

サイファー「そうだな。持っていて損は無い機体だが、使いどころに困るってのが本音だな」

ピクシー「まぁ迎撃機だしな」

扶桑「やはりサイファー提督はイーグルの方がよろしいのですか?」

サイファー「そりゃそうだ。慣れ親しんだ機体なら機体の性能を100%引き出せるからな」

ピクシー「お前の場合は100%じゃ済んでねぇ気がするけどな」

扶桑「やはりサイファー提督とイーグルの組み合わせになれば凄まじい物なんでしょうか」

ピクシー「今はわからねぇけど、ベルカ戦争の時はモルガン引っ張り出さねぇと正面からやり合う気にはならなかったな」

扶桑「そ、そんなに凄まじかったんですか…」

ピクシー「扶桑もB7Rの戦いは知ってるんだろ?あんなの俺が同じ機体使っても出来る気がしねぇよ」

サイファー「よく言うぜ。お前も大概だろ」

ピクシー「相棒ほどぶっ飛んじゃいねぇよ」


ザッザッザッ


あきつ丸「こちらにおられましたか。ピクシー殿、サイファー殿、少し見てほしいものがあるのであります」

ピクシー「どうしたあきつ丸?震電Ⅱにバグでも見つかったのか?」

あきつ丸「いえ、そのような物ではないのでありますが、ある意味バグよりやっかいなものかと」

ピクシー「なんだよ、ハッキリしねぇな」

あきつ丸「現物を見ていただけたらわかるのであります。これなのですが…」


―そう言うとあきつ丸は堅固な造りの大きいケースを差し出した。厳重に管理されていると誰の目から見ても判るほどである―


ピクシー「なんだこの箱?えらくガッチガチに管理してんな」

サイファー「機密情報なのか?俺が見ても大丈夫なのか?」

あきつ丸「はい。むしろ司令官レベルの者でないと見られない物と思っていただけるとありがたいであります」

扶桑「では私は席を外しますね」

あきつ丸「いえ、扶桑さんがいらっしゃるなら逆に都合がいいであります。扶桑さん、いつでも瑞雲を出せるようにしていてほしいのであります」

扶桑「それは…構わないけど…」

ピクシー「おいおい。てことは相当危ねぇ代物ってことじゃねぇか。大丈夫なのかよ」

あきつ丸「一応冷凍保存の状態にしているので稼動することはないでありますが、念のためであります」

サイファー「一体何を持ってきたんだ?」

あきつ丸「では開けるであります。扶桑さん、警戒をお願いするであります」

扶桑「わかったわ」


―あきつ丸はその堅固な造りのケースを開けた。中には目を疑う物が凍らされて保管されていた―


あきつ丸「サイファー殿が撃墜した代物なので一応稼動する心配は無いと思われますが、念のために冷凍しているであります」

ピクシー「おいおい!なんつうもん鹵獲してやがんだよ」

サイファー「確かに俺が撃墜したであろうやつだな。手応えはあったから動くとは思えんが」

ピクシー「強襲揚陸艦だからってこんなもん持ってくるなんて予想外だぜ。なんだって深海棲艦の艦載機を持って帰ってきちまったんだよ」


―中には深海棲艦の艦載機が保管されいてた。サイファーが出撃した際に撃墜した艦載機をあきつ丸が持ち帰ってきたのであった―


扶桑「よく騒ぎになりませんでしたね。戻るまで動かなかったのかしら」

あきつ丸「はい。サイファー殿が申されたように確かに撃墜されたもので、再起動する気配は無かったであります」

ピクシー「これ、爆発したりしねぇだろうな」

あきつ丸「その心配は無いと思うであります。それに爆発しそうなら陸奥さんか大鳳さんを呼んでいるであります」

ピクシー「シレッと酷ぇこと言ってんな」

サイファー「で、これを俺達に見せに来たということは、こいつの処分をどうするか判断しろってことだろ?」

あきつ丸「そうであります」

ピクシー「廃棄するにしたって燃えないゴミの日にポイッはまずいしなぁ」

サイファー「だったら大本営に持ち帰ったらどうだ?敵の情報が手に入るなら手放しで喜ぶだろう」

ピクシー「そうだな。ま、端からそのつもりだけどよ。けどもう少しサンプルが欲しいところだな」

扶桑「深海棲艦の艦載機には新型の艦載機もあります。皆はたこやきと呼んでますが」

サイファー「あの耳が付いて口が開いてる白くて丸いやつだったな」

ピクシー「あれは見た目から不気味だよなぁ。あれ落とせるか、相棒?」

サイファー「出くわせば必然的に撃墜することになるな。扶桑、現在その艦載機を飛ばしてくる奴が主に出現するエリアはわかるか?」

扶桑「はい。執務室に資料がありますので、それを見ればだいたいは…」

ピクシー「…決まりだな。最終テストはそこだ」

サイファー「俺が艦載機を撃ち落して、それを艦隊が回収する。ただ、こっちも余裕があるわけではないからな。原型を留めないレベルで撃墜しても文句言うなよ」

ピクシー「そこはあえて期待させてもらうぜ、相棒」

サイファー「無茶言ってくれるぜ」


―――――
―――

―ヒトロクマルマル、執務室―


―執務室では扶桑が用意した資料を元に震電Ⅱの最終テストに向けて話し合っていた―


サイファー「北方方面か」

扶桑「はい。その周辺で新型の艦載機を向けてくる敵と遭遇しているケースが一番多くなっています」

ピクシー「しっかしよく撮影出来たもんだな」

大淀「敵の資料が多いに越したことはありませんから」

サイファー「遭遇率はどれぐらいだ?」

大淀「だいたいですが、およそ70%近い確率かと」

サイファー「かなり高い頻度だな」

扶桑「私達もこの艦載機相手には苦渋を舐めさせられることが多いですから」

ピクシー「なら震電Ⅱの最終テストは北方方面で決定だな」

扶桑「ただ、一つ問題があります」

サイファー「なんだ?」

扶桑「敵が…その艦載機を飛ばしてくる敵の姿が幼いんです」

サイファー「どういうことだ?」

扶桑「大淀さん」

大淀「はい。新型艦載機を使用してくる北方方面の敵の姿がこれになります」スッ


―そう言って北方棲姫の写真を出した大淀。その姿を見たサイファーとピクシーは驚きを隠せなかった―


サイファー「なっ…!まだ子供じゃないか!」

ピクシー「おいおい!いくらなんでもこいつ相手にやれなんてきっついぜこりゃ」

扶桑「しかしその戦闘能力は他の深海棲艦に比べて非常に高いものとなっています」

大淀「一説では人間側の良心を狙ったものではないかとも言われています」

ピクシー「…やれるのか、相棒?」

サイファー「空ではともかく、陸上なら少年兵もいる。テロ組織となれば珍しくも無い話だ。戦場に居れば残念ながら大人も子供の関係無くなる」

サイファー「今回は相手が判明している分、若干やりにくいとは思うが出来ない話ではない」

サイファー「それに相手は民間人ではない。やれるかやれないかじゃない。やるしかないんだ」

ピクシー「そう言うと思ったよ。今回は俺も出る。サイファー1人に罪悪感背負わせるわけにゃいかねぇからな」

サイファー「しかしお前の震電Ⅱではやつらに対抗出来んぞ」

ピクシー「なに、俺のでも囮にはなるだろ。それにレーダーの情報は共有出来るんだ。相手の位置さえわかってりゃ落とされることはねぇよ」

サイファー「わかった。だが気をつけろよ」

ピクシー「わかってんよ。にしてもなんだってたこやきって呼ばれてんだ?つぅか、たこやきってなんだ?」

大淀「ピクシーさん、サイファー提督より日本に所属して長いはずですが、たこやきをご存知ないのですか?」

ピクシー「ああ、なんせ空戦の指導やら震電Ⅱの開発テストやらで忙しくて遊べる機会なんてそうそうなかったからな」

サイファー「たこの頭の形状に似ているからじゃないのか?」

扶桑「あの…、たこやきと言うのはですね…」



バァン!



黒潮「たこやきと聞いて黒潮参上や!」

龍驤「たこやきのことならうちらにお任せやで!」

サイファー「お前ら、ノックぐらいしろ」

龍驤「いや~たこやき知らへんなんて言葉聞こえてきたもんやからつい」

黒潮「あかんでぇ!たこやき知らへんやなんて人生7割は損しとるでぇ!」

ピクシー「そ、そんなに凄ぇもんなんかよ」

大淀「ピクシーさん、真面目に受け取らないでください」

龍驤「日本の台所大阪の代表的なソウルフード!これを知らへんなんて許されへん!うちらがしっかり叩き込んだる!」

サイファー「お前はそもそも横浜で生まれて横須賀で完成された軽空母だろうが」

黒潮「まぁまぁ、細かいこと言いなや。ごっつ旨いもんやからサイファー司令はんとピクシーはんに食わしたるさかいに」

サイファー「そんなに直ぐに用意出来る食べ物なのか?」

黒潮「まぁ材料さえあれば案外チャチャッと作れるで。あとはたこやき機があるかどうかやけどな」

龍驤「たこやき落とすんやったら景気付けにたこやき食ぅたらええねん!縁起担ぐんも悪ぅないで」

ピクシー「ま、悪くはねぇな。俺は賛成だぜ」

サイファー「…まぁいいだろ。鳳翔達に言ってキッチンの使用許可はもらっておけよ」

黒潮「よっしゃ!ほないっちょやったるで!」

龍驤「他の大阪出身の艦娘集めりゃ全員の分作るんも難しないから声かけとくわ」

扶桑「大阪というより神戸のはずでは…」

黒潮「扶桑はん、細(こま)いことは言いっこなしですわ。ほな準備開始やで!」



バタン



ピクシー「相変わらずお前の部下は面白ぇやつばっかだな、相棒」

サイファー「変な誤解するのはやめてくれ」

大淀「しかしよろしかったのですか?」

サイファー「普段からこうでは締まらんが、たまにハメを外してガス抜きするのは悪くない。根を詰めすぎればいつかは破裂するからな」

ピクシー「常日頃からONになりっぱなしじゃ肝心なときに100%の力は発揮しねぇ。適度にOFFにしねぇと精神からやられちまう」

扶桑「飴と鞭…ですか」

サイファー「まぁそんなところだな。人も艦娘も限界を高めるのは良いことだが、そのために張り詰めて実用パワーバンドが狭まっては意味が無いからな」

ピクシー「状況に応じて最高の結果を出すためにはフルパワーである必要が無いことも珍しくはないからな」

サイファー「限界が高けりゃいいってわけじゃない。力を状況に応じてワイドに使えるだけの余裕が必要だ」

大淀「そういうお考えがあってのことなんですね」

ピクシー「そういうこった」

サイファー「大淀も今日は肩の力を抜いて楽しめばいい。扶桑、あいつらのサポートを頼めるか?」

扶桑「お任せください。私は呉出身なのであの子達ほど上手くはありませんが、基本的な事は出来ますので」

大淀「そんなに難しいものではなかったような…」

サイファー「扶桑も肩肘張る必要はない。せいぜいあいつらが無茶をしないよう監視するぐらいでいい」

扶桑「わかりました」

サイファー「…あいつら、無茶しない…よな?」


―――――
―――

今回はここまでです
E-6は突破したけどE-7はどう考えてもバケツが足りないので諦め決定
根を詰めすぎるとおかしくなりますしね
自分も木曜日に高熱を出して昨日まで倒れてましたし…

ではまた
ありがとうございました

再開します

―食堂―


龍驤「よっしゃ、みんな座ったな。ほなたこ焼きパーティー始めよか!」

黒潮「作り方に困ったら近くにおる神戸出身の艦娘に聞けばよろしからな~!」

ピクシー「なぁ相棒、お前たこやきの作り方わかるか?」

サイファー「知るわけないだろ」

黒潮「司令はんたちにはうちらが直々に伝授したるさかい、心配せんでもええで」

龍驤「一口にたこやき言うても最近ではソースに種類が増えてな。シンプルやけど色々楽しみ方があるんやで」

サイファー「この丸いくぼみが開いた鉄板で焼くのか」

黒潮「せや。焼き加減ちゃんと管理せんと、焼きすぎて堅ぁなったり逆に焼き足りんくてグズグズになってもうたりするからそこは熟練の勘がいるんやで」

サイファー「熟練の勘…なぁ」

ピクシー「案外お前ならいけるんじゃねぇか?」

サイファー「バカ言え。空戦なら兎も角、料理の加減なんかそこまでわからん」

扶桑「サイファー提督は自炊されないんですか?」

サイファー「いや、大体は自炊している。ただ日本の料理ってのはどうも複雑怪奇でな」

山城「慣れればさほど難しくはないですよ。比叡と磯風が絡むと不幸なことになるんですが…」

ピクシー「ただ、どうしても簡単に早く作れるもんに頼っちまうよな。スクランブルとかあるとせっかく作った飯が冷めちまうからな」

扶桑「サイファー提督はどういった料理が得意なんですか?」

サイファー「そうだな…。エメリアに居た時に覚えたエメリア料理だな。あれは簡単で直ぐに作れるから重宝したな」

山城「エメリア料理と聞くと逆に凝ってそうですが。彩りとか見ると複雑そうで」

サイファー「それは食材次第だな。エメリア料理は基本的にナス、オリーブ、トマトの使い方を覚えれば7割近い料理を美味しく作れる」


※実際のイタリア料理もナス、オリーブ、トマトの使い方をマスターすると7割近い料理を美味しく作れるそうです


山城「はぁ…。そういうもんなんですか」

ピクシー「まぁスピードならアネア料理が一番だろうな。スピード命の料理だが、ただ料理するための機材がな…」

龍驤「たこやき作っとる時になんでエメリアとかアネア料理の話しとんねん!」

黒潮「焼き具合もええ感じやからそろそろひっくり返そか」

サイファー「ひっくり返す?上に同じ鉄板でも用意してひっくり返すのか?」

龍驤「なんでんなアホなことせなあかんねん。これや、これを使って返すんや」

ピクシー「アイスピック?そんなもん使うのか」

黒潮「ちゃうちゃう。まぁ形は似たようなもんやけど」

山城「こう使うんですよ」ヒョイクルヒョイクルオリョクルヒョイクル

龍驤「ほ~。山城なかなか上手いなぁ」

扶桑「たまにたこ焼き作ることがあって、山城がよくやってくれるのよ」

山城「姉様以外の人にたこ焼き作るなんて…不幸だわ」

黒潮「ほなここは山城はんに任せても大丈夫そうやなぁ」

龍驤「ほなうちらは他見てこよか。あかんことになってるところがあるっぽいしな」チラ


<ヒエー!形がグズグズにー!

<タコ=魚介ならこの魚介スープの元を入れればもっと美味しくなるはずだろう。この磯風に任せt

<やめて!誰か止めて!スクランブル発生!抑止の為の緊急発進急げ!


黒潮「ありゃあかん!龍驤はん、急ぎまっせ!」

龍驤「せ、せやな。ほな山城、後は頼むわ!かけるもんは各々に任せたらええわ」

山城「はぁ…。仕方ないわね。でもあれを止めてこないと不幸が飛んできそうだし、今回だけは任されてあげるわ」

扶桑「ふふっ、山城嬉しそうね。山城も楽しそうでよかったわ」

山城「そんなことは…。姉様にそんな風に思われるだなんて…」


――――――

山城「サイファー提督、ピクシーさん、どうぞ」スッ

サイファー「あぁ、ありがとう」

ピクシー「サンキューな」

山城「姉様もどうぞ」

扶桑「ありがとう山城」

山城「ソースとマヨネーズはお好みでかけてください。姉様はいつものでよろしいですか?」

扶桑「ええ、お願いするわ。山城がやってくれるものは本当に美味しいから嬉しいわ」

山城「そんな、姉様のためですから」

扶桑「ふふっ、山城いつもありがとうね」

サイファー「ふむ、色々種類があるな。これだと少し迷うな」

ピクシー「ソースって言ってたからこのたこやきソースってのがスタンダードなんじゃねぇのか?」

扶桑「そうですね。まずはオーソドックスの物からいただけばよろしいと思いますよ」

山城「いきなり変わりソースから行って私の作ったものを不味くされたら不幸ですから」

サイファー「じゃあそうするか。マヨネーズとソースをかけてっと…」

ピクシー「この青海苔とかつおぶしはなんだ?これも使うのか?」

山城「それもお好みですが、降りかければより美味しくいただけます」

サイファー「そうか。じゃあそうするか」パッパッ

ピクシー「んじゃ、いただくとすっか」

扶桑「熱いので気をつけてくださいね」


サイファー「はむ…あふ(熱)っ!みふみふ(水水)っ!」

山城「いわんこっちゃないですね」

ピクシー「ハッハッハッ!焼いてんだから熱いことなんてわかってた話だろうに」

サイファー「だったらお前も食ってみろってんだ」

ピクシー「俺は同じ轍は踏まねぇよ。こう冷ましてっと」フーッ パクッ

ピクシー「あふ(熱)っ!あふあふっ!あいほう(相棒)!みふ(水)っ!」

サイファー「中が熱いんだよ。ほれ水だ」スッ

ピクシー「ングッングッ、あ~熱かったぜ。舌が火傷しちまったんじゃねえかな」

サイファー「同じ轍はなんだったか?」

ピクシー「悪かったな踏んじまってよ」

扶桑「ふふふっ」クスクス

サイファー「笑いやがって。悪かったな、たこやき初心者で」

扶桑「そうではありません。ただみんなで食事するのはやはり楽しいと思いまして」

ピクシー「そうだな。食事っつうのは楽しくなきゃいけねぇな」

サイファー「食事はコニュミケーションを取る上で最も効率がいい。打ち解けるのに一番早い方法だからな」

ピクシー「飯時ってのは一番リラックスできるからな。戦場のど真ん中だと話は別だけどよ」

サイファー「飯を人生での一番の楽しみにしてるやつだっているぐらいだ。食事はそれだけ重要だ」

山城「確かにそういった方もいますね。私も姉様と食事してる時は楽しいですし」

サイファー「この基地にも少なからずそういったやつもいるしな」


<このソースとマヨネーズの黄金比率!最高です!

<飽きのこないソースの種類の多さ。流石に気分が高揚します

<Oh、ダブルDyson

<食べるの早すぎ!焼きがおいつかないじゃない!


サイファー「あれは…例外としておこう」

ピクシー「すげぇなありゃ」

サイファー「しかし旨いな。こんなもんが日本にあったとはな」

ピクシー「しかもそんじょそこらでも売られてるってんだろ?なんで陸軍の連中は教えてくれなかったんだか」

隼鷹「たこ焼きの楽しみ方ってのはただ食べるだけじゃないんだぜ!」

千歳「たこ焼きとビール、これぞ至高の組み合わせですよ」

サイファー「出たな、アル中軽空母共」

隼鷹「そんな言い方すんなよ~!最っ高の飲み合わせなんだからさ~」

千歳「ピクシーさんもささっ、どうぞ一杯」

ピクシー「お、サンキュー」

サイファー「おいピクシー!」

ピクシー「いいじゃねぇかよ相棒。決めることは粗方決まったんだ。今日の仕事は終了だぜ」

サイファー「はぁ…。それでいいのかよ教官さんよ」

隼鷹「な~にため息ついてんだよサイファー提督ぅ!ほら、グイッといっちゃいなー!」ヒャッハー

サイファー「おいおい、俺はまだ色々と…」

扶桑「いいのではないでしょうか。方針は決まってますし、残りは明日以降に決めることですから」

山城「飲兵衛達に空気ぶち壊されて不幸なら、この山城、扶桑姉様と共に!」グイッ

サイファー「お、おい山城!」

扶桑「山城、一気飲みはダメよ」クイッ

サイファー「扶桑、お前もか」

隼鷹「さぁて、逃げ場は無くなったぜサイファー提督」

千歳「ささっ、サイファー提督も一杯」

サイファー「…どうして俺はこうなることを想定出来なかったんだ、ったく」

ピクシー「たこやきが酒に合うものだって知らなかったんだからしょうがねぇんじゃねぇの?いいじゃねぇか別によ」

サイファー「そうか。お前はこの2人が酒で絡んできた時の惨劇を知らなかったな」

ピクシー「なんだ、そんなにやべぇのか?」

サイファー「ベルカの使った核クラスだ。辺り一体を巻き込むぞ」

ピクシー「そいつはやべぇな」

サイファー「ちょっと千代田と飛鷹を呼んでくる」

千歳「ちょ、ちょっと待ってください」

隼鷹「そいつはちょっとズルいんじゃね?サイファー提督」

サイファー「知るか!お前らにリミッターかけとかねぇと大惨事になるだろうが!」

ピクシー「まぁいいじゃねぇか相棒、とりあえず一杯いってからでよ」

千歳「ピクシーさん、わかってらっしゃいますね。流石です」

隼鷹「これで味方はいなくなったぜ、さぁ観念してグイッといっちゃいな~」

サイファー「ピクシー、怨むぜ本当によ」


―――――
―――

いつもより短いですが今回はここまでです
金曜日の夜から土曜日の朝にかけてエギングに行ってきて釣れたアオリイカが本当に美味しかった
イカって本当に万能な食材だと思います。お酒にもよく合うし
本当はアオリじゃなくてケンサキイカ目的だったけど…

ではまた
ありがとうございました

再開します

―フタサンマルマル時・サイファー自室―


サイファー「あー酷い目にあったぜ」

サイファー「たこ焼きは美味かったが酒飲み共がスイッチ入りやがったせいで大騒ぎになりやがったし…」



knock knock



サイファー「こんな時間に誰だ?どうぞ」



ガチャ



ピクシー「よぅ相棒、まだ生きてるか?」

サイファー「なんとかな。あいつらはどうした?」

ピクシー「あぁ、鳳翔に少し怒られてからバーに直行してたぜ」

サイファー「懲りねぇ奴らだ、まったく」

ピクシー「ところでよ、お前本当に大丈夫なのか?」

サイファー「なんのことだ?」

ピクシー「あの子供みてえな深海棲艦を倒すことだよ」

サイファー「…若干の戸惑いはある。だがやらねばなるまい」

ピクシー「本当に昔からなんでも背負っちまうな、お前はよ。期待も重圧もなんでもかんでもよ」

サイファー「俺に出来ることを最大限にやっているだけだ。背負っているつもりはない」

ピクシー「けど、それがお前に対しての過度な期待とプレッシャーになってんじゃねえのか?」

サイファー「勝手に向けられているものにまで構うつもりはない。俺は俺の仕事をするだけだ」

ピクシー「普通なら「強ぇなお前は」ってなるんだろうけどよ、俺には言葉とは逆に背負い込んでる様にしか見えねぇよ」

サイファー「侵略からの反撃の戦争だったとはいえ、核が使われた戦争の最前線にいたんだ。ベルカの苦し紛れの策で使われたが、俺がその要因の1つであったのは間違いない」

ピクシー「けどよ、サイファーが戦ってなけりゃウスティオはとっくにベルカに飲まれてたと思うぜ」

サイファー「確かにベルカの侵略は防いだ。だがその結果核が使われ、何も罪の無い民間人が犠牲になった」

サイファー「俺は今でも時々考えることがある。オーシア軍を含めた連合軍が加わった時点で手を引いたほうがよかったんじゃないかってな」

ピクシー「俺はサイファーに落とされた後に核の爆心地の街の人たちに助けられたって言ったよな」

サイファー「ああ、その話は聞いた」

ピクシー「あの街の人達は絶望こそしていたが、希望を持っていなかったわけじゃなかったぜ。ベルカの軍事政権から開放されてこれから平和な未来が待っているってな」

ピクシー「確かに色々な物を失っちまったけど、形ある物はいつか壊れる。けど壊れたならまた作ればいいんだってな」

ピクシー「壊される時間は終わった。これからは創る時間だって。お前は確かに破壊を止めたんだ」

サイファー「しかし、その代償はあまりにも大きかったはずだ」

ピクシー「確かにな。けどよ、あのままだったらもっと破壊されてたと思うぜ。最小限とは言わないが、最悪の事態は防いだのは確かだぜ」

サイファー「最悪の事態…か」

ピクシー「サイファーがやったことも、俺がやったこと、ベルカのやったこと、なにもかもが正しかったわけじゃない。誰もが自分の信じる正義があるだろ」

ピクシー「自分の正義を信じて戦う。そのためになにかしらの犠牲は発生する。結局の所は全部が全部正しいことなんてこの世に何一つとて無いんじゃねえか?」

サイファー「…そうだな。突き詰めれば何処かしらに必ずエゴは出る。けど自分を信じるしかねぇな」

ピクシー「お前だって金剛と榛名の嬢ちゃん達に言ったろ?迷うまで突き進めってよ」

サイファー「ああ、間違っていれば周りがなんとかしてくれる。その時は立ち止まって考えろってな」

ピクシー「自分で言ったことを自分で忘れてちゃ話になんねぇぜ、相棒」

サイファー「そうだな。これじゃ示しがつかねぇな」

ピクシー「今はお前だって仲間がいっぱいいるじゃねぇか。お前の背負ってるもんを少しはわけてやりな。お前の部下だってそれを望んでんじゃねぇか?」

サイファー「そういうお前はどうなんだ?」

ピクシー「ISAFにいたときも日本の陸軍にいる今も1人で背負い込むのは止めたぜ。仲間ってのはそういうもんだろ?」

サイファー「確かにな。いつのまにかお前は俺の先を行ってたんだな」

ピクシー「どっちがどう先とかじゃねぇと思うぜ。ただサイファーは色んな意味で強すぎたんだよ」

ピクシー「強すぎてあれもこれも出来ちまう。だから振り返る機会に恵まれなかっただけじゃねぇかと思うぜ、俺はよ」

サイファー「…ありがとな。気が楽になったぜ」

ピクシー「いいってことよ、相棒。そんじゃまた明日な」

サイファー「ああ」




バタン




サイファー「仲間…か」


―――――
―――

―翌日・マルキュウマルマル時・ブリーフィングルーム―


サイファー「みんな集まったな。これより今作戦を説明する」

サイファー「今作戦は敵艦載機の鹵獲を目的とした作戦だ。通常の殲滅戦とは違い、無駄な戦闘は極力避けるんだ」

サイファー「艦載機との直接の戦闘は俺が震電Ⅱで行う。皆は艦載機の発艦元である北方棲姫を護衛している艦隊の露払いをしてもらう」

サイファー「なお、今回はさきほども言った通り敵艦載機の鹵獲が目的だ。第1艦隊とは別に艦載機を鹵獲し持ち帰るための部隊がいる」

サイファー「これは陸軍のあきつ丸を筆頭とした部隊である。だが再起動し攻撃してくる可能性も考慮し、対空攻撃も可能な者にもついてもらう」

サイファー「第1、第2共に編成メンバーは配られているプリントに記載してある。今回出撃しないメンバーは基地の防衛に専念してもらう」

サイファー「また、それとは別に鹵獲した艦載機を保管するための物を用意してもらう部隊もいる。大本営には伝えてあるから指定されたポイントまで受け取りに行ってもらう」

サイファー「どの部隊も失敗は許されない。確実に成功させる必要がある。だが、無暗に命を投げ出す必要はない」

サイファー「細心の注意を払い、普段どおりの実力を発揮すれば出来ない任務ではない。以上だ。何か質問はあるか?」


赤城「はい」

サイファー「なんだ?」

赤城「敵艦載機との戦闘はサイファー提督が行い、私達がその護衛部隊の殲滅とありますが、本丸である北方棲姫はどうなさるおつもりですか?」

サイファー「北方棲姫とも俺が戦う。護衛部隊の殲滅が完了したら艦載機を鹵獲する第2艦隊の直衛に回ってもらう」

加賀「それは危険ではなくて?サイファー提督の実力が折り紙つきとは言え、私達も含めて各基地でも苦戦を強いられている相手。それを1人で相手をするのは無茶だと思うけど」

ピクシー「そこで俺の出番ってわけよ」

赤城「今回はピクシーさんも出られるんですか?」

ピクシー「俺の機体にはサイファー機に搭載されてる妖精の補正は無ぇけど、レーダーの情報は共有出来るからな。俺が敵を引きつける囮役になるってわけだ」

那智「しかしそれではピクシーが危険ではないのか?」

サイファー「こいつの実力なら問題は無い。相手の存在が見えていれば落とされることはないだろう」

ピクシー「そういうことだ。だから北方棲姫の相手は俺らに任せてもらって大丈夫ってわけだ」

サイファー「何か不測の事態が発生すればこちらから無線で呼ぶ。他に質問は無いか?…無いなら以上だ。皆、必ず生きてこの基地に戻るんだ。解散!」


―解散の声を聞いた艦娘達はそれぞれ作戦の為にブリーフィングルームを後にしていく。そしてサイファーとピクシーが残った―


ピクシー「本格的な作戦として一緒に飛ぶのは久しぶりだな、相棒」

サイファー「ああ、実戦テストでお前も飛んだが、あくまで観戦のポジションだったからな。…落とされるなよ」

ピクシー「誰に言ってんだよ、相棒。片翼の妖精と言われた俺が簡単に落とされるわけねぇだろ。けど俺は攻撃に転じれねぇからな。頼んだぜ、相棒」

サイファー「ああ、任せておけ」


―――――
―――

大淀「サイファー提督、艦隊の準備が整いました。発進の許可をお願いします」

サイファー「わかった。赤城、聞こえるな?」

赤城『はい!』

サイファー「くれぐれも無茶はするなよ。第1艦隊、発進を許可する!」

赤城「いつも無茶しているのはサイファー提督ですよ。第1艦隊、旗艦赤城、龍驤、扶桑、那智、摩耶、時雨、抜錨します!」


大淀「続いて第2艦隊、発進準備完了です」

ピクシー「あきつ丸、やばかったら周りに助けを求めろよ。陸軍だとか海軍だとか考えてたら命がいくつあっても足りねぇからな」

あきつ丸「了解であります!旗艦あきつ丸、加賀、隼鷹、古鷹、吹雪、夕立、発進するであります!」


大淀「保管、運搬用物資を受け取る遠征部隊も出撃準備完了しました!」

サイファー「ある意味でお前達の成果が作戦の最終的な成否になる。頼んだぞ!」

伊勢「任せておいて!サイファー提督こそ、無茶苦茶して皆を困らせたらダメですからね。旗艦伊勢、日向、利根、筑摩、雪風、時津風、出撃します!」


サイファー「これで全員出撃したな。俺達も行くか」

ピクシー「ああ、そうだな。にしてもお前、こう改めて見ると立派に司令官やってんなぁ」

サイファー「茶化すなよ。これも仕事だからな。大淀、あとは頼むぞ」

大淀「はい、了解です。サイファー提督、ピクシーさんもお気をつけて」

サイファー「ああ」


―――――
―――

サイファー「今回の作戦は頭に入ってるな?」

烈風妖精「当たり前よ。ただ、ピクシーさんを守りきるのはサイファーの腕次第ってことを忘れないでね」

サイファー「わかっている」

彩雲妖精「ちなみにピクシーさんの実力ってどれぐらいのものなの?」

サイファー「最後にやりあったときは(俺と)ほぼ互角だった。心配しなくても敵が見えていればあいつが落とされることは無い」

彗星妖精「ふ~ん。じゃあ大丈夫だね。あっちの震電Ⅱはピクシーさんそっくりな性格してるからちょっと心配だったけど、そういうことなら問題ないね」

流星妖精「危うくシステムをインストールしそうになってたからビックリしましたけどね」

サイファー「なにやってんだお前は。第一、インストールしてもあいつには使えないだろうが」

彗星妖精「さぁてね。案外使えちゃうかもしれないよ?」クスクス

サイファー「有り得ん話…でもないかもしれんがな」


大淀『サイファー提督、第1艦隊がポイントAを通過し、ポイントCに向かっています。サイファー提督、ピクシーさん、発進お願いします』

サイファー「さて、仕事の時間だ。ピクシー、行くぞ!」

ピクシー『ああ、んじゃ離陸開始するぜ!』

ピクシー『ふぅ…ガルム2、震電Ⅱ、出るぜ!』ヒュィィィゴォォォォォォ…


大淀『ピクシー機、高度制限を解除します!続いてサイファー提督、発進どうぞ!』

サイファー「何考えてんだあいつは…まったく」

彗星妖精「せっかくだからノッてあげたら~?」ケラケラ

サイファー「…やれやれ」


サイファー「…ガルム1、震電Ⅱ、出るぞ!」ヒュィィィゴォォォォォォ…


大淀『ガルムワn…じゃない、サイファー機、高度制限を解除します。御武運を』


ピクシー『ヘヘッ』

サイファー「何笑ってやがる」

ピクシー『いや、なんでもねぇよ。さぁ行くぜ、相棒!』

サイファー「あぁ!」


―――――
―――

今回はここまでです
しばらくまたシリアスが続きそうな予感がして頭が…
変な方向に走らないように気をつけないと

ではまた
ありがとうございました

おつ

見落としてたらごめんなんだけどサイファーはリボン付きの存在知ってるんよね?なんで知ってんの?

>>337
単純に傭兵の世界は広いようで狭い
ベルカ戦争後に各地を転々としていたサイファーにも存在自体は耳に入っていた
要は蛇の道は蛇と思っていただければと思っています

再開します

ピクシー『そろそろお前んところの艦隊が目標地点に到達するころだな』

サイファー「ああ。ターゲットがいればいいんだが…」

ピクシー『そりゃお前の運を信じるしかねぇだろ』

サイファー「そうだな」

ピクシー『しっかしこう作戦で飛んでると昔を思い出すな』

サイファー「あまり海上での作戦はなかったがな」

ピクシー『けど、今度ばかりは相手が相手だ。俺は攻撃には役に立たねぇからしっかりお守りを頼むぜ』

サイファー「相手が確認出来ていて落とされるタマか?お前は」

ピクシー『へっ!片翼が吹っ飛ばされても落ちねぇよ』

サイファー「二つ名に偽りなしだな、まったく」


赤城『こちら第1艦隊、目標地点に到着しました。次の指示を!』

ピクシー『っと、艦隊が到着したみたいだな』

サイファー「赤城は彩雲を発艦させて索敵だ!龍驤、扶桑も艦載機を発艦させて直衛に回せ。奇襲に備えろ!」

赤城『了解です!』

サイファー「第2艦隊、聞こえているな!?敵を発見次第空母は直衛を。他は空母とあきつ丸の護衛だ」

あきつ丸『了解であります!』

赤城『サイファー提督、彩雲が敵部隊を発見しました!これより攻撃に移ります!』

サイファー「ターゲットはいたか?」

赤城『はい。敵部隊に北方棲姫の姿を確認しました』

サイファー「よし。敵の艦載機の火力は強力だ。艦載機からの攻撃の回避を優先しつつ、回りの護衛を叩け!」

赤城『了解です!』

ピクシー『こいつはラッキーだな。それとも敵さんは自信があるのかねぇ』

サイファー「見た目とは裏腹にかなりのスペックだと聞いているからな。自信云々というよりもその地点を守るために元々居ると考えたほうがいいだろうな」

ピクシー『その先に何があるのかが気になるところだぜ』

サイファー「だが今は敵艦載機の鹵獲が目的だ。ミッション終了と同時に離脱する!」

ピクシー『目的を見失ったら終わりだからな。あきつ丸!撃墜した艦載機を見逃すんじゃねぇぞ!』

あきつ丸『了解であります!ピクシー殿もお気をつけて!』

ピクシー『わぁってんよ!』

サイファー「こちらも行くぞ!」

烈風妖精「今回は空戦メインね。流星、対空ミサイルは預かるわ」シュゥン

流星妖精「対空戦なら烈風が一番優れていますからお任せしますよ」シュゥン

彩雲妖精「けど全部粉々にしたら作戦失敗だから扱いには気をつけてね」シュゥン

彗星妖精「いつも冷静だけど案外頭に血が上ると容赦無いもんね~」シュゥン




<System Pixy Standby>ピピッ!




サイファー「火気管制はこちらが握っているからな。スイッチの信号無視してミサイル使うなよ!?」

烈風妖精「そんな無茶苦茶出来るわけないでしょ。私をなんだと思っていて?」

サイファー「なんでもありなお前らなら出来そうな気がしてな。さて、ミッション開始だ!」


――――――

――――――


赤城「敵部隊がこちらを認識したようです。攻撃準備を!」

扶桑「北方棲姫は一旦無視よ!瑞雲、発艦!」ブゥゥゥン

赤城「こちらも行きます!第1次攻撃隊、発艦してください!」ブゥゥゥン


―艦載機同士の空中戦を展開するも、互角の勝負となり制空権を完全に掌握することは適わなかった。そして撃ちもらした艦載機が艦隊に迫る―


龍驤「あかん!制空権完全には取れへんかったで!撃ちもらし来るで!」

那智「総員迎撃準備!こちらに被害が無いと判断できるやつは無視でいい!」

摩耶「全滅させちゃいけねぇってのは殲滅より難しいけどやってやらぁ!」ダダダダダ

時雨「残念だったね!僕達はサイファー提督との訓練をしてるから対空には強いんだよ!」ダダダダダ


―撃ちもらした艦載機を機銃で迎撃するも、それでもなお残った機体が攻撃を仕掛け離脱していった―


赤城「各員、損傷は!?」

扶桑「かすり傷程度よ。上手く避けれたみたい」

那智「こちらも問題無い!」

龍驤「装甲薄いうちと時雨は食ろたらアウトやからなぁ」

摩耶「扶桑さんに被弾したけど、ダメージがそんなになくて助かったぜ」

時雨「扶桑、あえて三式弾を使わなかったんだね?」

扶桑「そうよ。もし全機撃ち落したら任務失敗ですもの。それは避けなくてはならないわ」

赤城「敵第1波が過ぎました!砲雷撃戦開始です!」

那智「狙いは北方棲姫を護衛してるやつらだな」

扶桑「護衛要塞は三式弾で狙います!みなさんは重巡と駆逐を!」

摩耶「任せとけって!いっくぜぇ!」ドォンドォン

時雨「まずは駆逐艦から殲滅するよ!」ドォン

那智「逃がしはしない!1撃で沈めてみせる!」ドォンドォン


―砲撃により駆逐ロ級2隻を撃沈。その間に護衛要塞より艦載機が発艦される―


龍驤「艦載機の皆、お仕事の時間やでぇ!こっちにこさせたらあかんでぇ!」ブゥゥゥン

赤城「敵艦載機多数!龍驤の艦載機の援護に回って!」ブゥゥゥン


―敵艦載機を相手にするも、やはり撃ちもらしが出てしまう。そして撃ちもらしが再び艦隊に迫る―


龍驤「あかん!こっち来るで!」

摩耶「くそったれ!主砲の再装填が終わってねぇってのによ!」ダダダダダ


―撃ちもらした艦載機を機銃で迎撃するも…―




ドォン



摩耶「ってぇ…。くっそぉ、見てろよぉ!」


―艦載機の攻撃により重巡摩耶が中破―


那智「摩耶!?」

時雨「摩耶さんが被弾!?大丈夫ですか!?」

摩耶「撃ち落しきれなかったぜ。くそったれが!」

扶桑「摩耶は下がって!これ以上損傷させるわけにはいかないわ」

摩耶「扶桑さん、まだやれます!対空戦がメインなのにあたしが引っ込むわけにはいかねぇ!」


―そこに重巡からの砲撃が迫る。その砲弾に龍驤が被弾する―


龍驤「あ、あかん!こりゃちょっと計算外やで!」

赤城「龍驤さん、艦載機は発艦可能ですか!?」

龍驤「飛行甲板がやられてもうて発艦不可や!こんな時にホンマにスマンでぇ!」

扶桑「機動性の高い重巡から沈めます!撃てぇ!」ドォンドォン


―扶桑の主砲の砲撃により重巡リ級が撃沈―


那智「リ級撃沈確認!」

時雨「けど三式弾を装填するまで扶桑を護衛しないと」


―そこに再び北方棲姫からの艦載機が迫る―


龍驤「たこやきが来るで!皆回避や!」

時雨「サイファー提督の動きに比べればこれぐらい…!」ダダダダダ

扶桑「三式弾装填完了!これで…!」

那智「ダメだ!今それを撃つべきではない!」

摩耶「なめるなぁ!」ダダダダダ


―再度機銃で応戦するも…―



ドォン



時雨「この僕をここまで追い詰めるとはね。けどまだやるさ」

那智「時雨!?くそっ!被弾した者は下がれ!これ以上損害が出ては作戦に支障が出るぞ!」

時雨「これじゃ魚雷も撃てない。けど対空だけでも!」


―時雨、被弾により大破―


摩耶「くっそぉ!サイファー提督はまだなのかよ!」

扶桑「まだよ!持ちこたえるのよ!けど、このままじゃダメね。三式弾装填!目標護衛要塞!撃てぇ!」ドォンドォン


―扶桑の放った三式弾装填での砲撃は護衛要塞に直撃するも撃破に1歩及ばず―


扶桑「少し距離が足りなかったみたいね」

赤城「追撃します!爆撃機!目標護衛要塞!止めを刺してください!」


―赤城の追撃により護衛要塞を1つ撃破―


扶桑「残り2隻よ!」

赤城「敵艦載機来ます!」

那智「摩耶と時雨が損傷している以上はこの那智が全て撃ち落してみせる!」ダダダダダ


―対空特化の摩耶、時雨をほぼ欠いた状態で艦載機を迎えるも、あえなく突破される―


那智「くそっ!ダメか!?」

扶桑「総員、衝撃に備えて!」



ドォォォン



赤城「くっ!一航戦の誇り…。こんなところで失うわけには…!」

那智「赤城がやられた!?」

扶桑「赤城、下がって!あなたのその状態では発艦は不可能よ!」


―そこに応戦してルートを外れていた敵艦載機の追撃が迫る―


那智「対空戦ではぐれていたやつが戻ってきたのか!?」

扶桑「三式弾装填完了!撃ちます!」

那智「それは護衛要塞に使う予定の弾薬だ!撃っては…!」

扶桑「今撃たないと全滅です!主砲、装填弾薬三式弾!撃てぇ!」ドォォォン


―空中で花火の様に弾け、艦載機を撃墜していく三式弾。しかしそれでも尚残った敵艦載機が迫る―


扶桑「全部落としきれなかったわ…」

那智「まずい!あの艦載機が向かっているのは…!」

扶桑「!?赤城…!?」

赤城「くっ…!ここまでなの…!?」


―敵艦載機が赤城に爆撃を行おうとしたその時…―



ドォォォォン ドォォォォン



赤城「ミサイル!?」

扶桑「やっと来てくださいましたね」

那智「ずいぶん遅い到着じゃないか」



ピクシー『よぅ嬢ちゃん達、まだ生きてるか?』

サイファー『よく踏ん張ってくれたな。あとは俺達に任せてくれ』



摩耶「ったく、ホント遅ぇっての」

龍驤「危うく沈むとこやってで、ホンマ」

時雨「けど本当に心強い味方が来てくれた。これでいけるね」


サイファー『那智!損傷した者を全員下がらせろ!扶桑、三式弾の残弾はどうだ!?』


扶桑「三式弾は極力温存していたのでまだあります!」

那智「了解した!損傷した者達はこの那智が先導して離脱する!」


サイファー『なら護衛要塞に向かって三式弾を発射だ!発射したら即離脱しろ!再装填はしなくていい!』

ピクシー『第2艦隊、聞こえてるな!?那智が先導して下がってくるからそっちに敵が行くかもしれねぇぞ!』


扶桑「了解しました!三式弾、再装填開始!」

あきつ丸『了解であります!』


サイファー『反撃開始だ!』


――――――

今回はここまでです
いつもより投下ペースが下がってしまって申し訳ありませんでした
日曜日に投下予定だったんですが、今回投下した部分でかなり悩んで筆が進みませんでした。
ようやく納得の行く仕上がりになってくれた

ではまた
ありがとうございました

今シーズンエギングで初めてボウズ喰らった…。おまけにシルバーウィークなんて無かった…


そういえばZEROって内陸なだけあって大規模な対艦隊戦って無いんですよね確か
近い時系列で言うところの4で無敵艦隊を壊滅させたり5だとM26で大艦隊相手に
ラーズグリーズ隊だけ(ゲーム的に実質ブレイズのみ)で殲滅してるキチガイっぷりよ…
ところでラーズグリーズまでの名前が有名でガルーダ隊が無いってことはエスコン時系列的に
2011年~2015年の間あたりに深海棲艦出現ってところですかね?エ・エ戦争やってる余裕なさそうだww
エクスキャリバー、ストーンヘンジ、アークバードやSOLGはぶっ壊されてるだろうけどシャンデリアならまだ残ってるな…

乙乙
釣りはいいよな、ルアー用意するだけでまた行きたくなるからさ

>>354大規模ではないが戦域攻勢計画4101と終局の序曲がある
生まれたてのケストレルのために4101のラウンドハンマー作戦では水雷戦隊8隻とやりあってるし、終局の序曲ではPJと二人でイージス艦とやってる

投下ではないのでsageで。今回は返信しないとあれかなと思ったので

>>354
あくまで独自解釈とWiki等諸々の設定資料を参考にした設定ですが
ベルカ戦争(ZERO)→10年後→大陸戦争(4)→5年後→ベルカ事変(5)
で合ってたはずなので、ZERO当時サイファーの年齢を20台前半~20台半ばと仮定して、深海棲艦が出現しだしたのを4と5の間と仮定してストーリーを組んでます
出現当初は不可解な現象が起きている程度だったのでそこまで話は大きくならず、5の少し前~5の時代で暴れだしてきたと設定しています
サイファーが深海棲艦と初戦闘を行ったのも>>217で書いたようにシンファクシが沈められた後なので。

ガルーダ隊が話題にあまり出ずにラーズグリーズ隊が話題に出る方が多いのは単純に自分が前に書いたSSが5のクロスだったのでその名残です。
ガルーダ隊の話題が出るとすればピクシーから話題が振られた時ぐらいだろうなと想定してます

>>355
竿を出すだけで8割がたは満足すると言われてますから仕方ないですねw

>>354
働いてる人がいるから休んでる人が楽しめるんで仕方ないです
逆もまた然りですから


エスコンの地図に無理矢理日本を当てている状態なので日本の位置は皆さんの想像にお任せします。>>157で書いたように今回はそこまで細かい設定は決めてないので。
5のクロスをいつかもう1回このSSの設定を生かして書きなおしてみたいです
釣ってきたアオリイカをお刺身で食べて元気湧いたので続きを投下出来るよう頑張りますのでまたしばらくお待ちください。
甘エビみたいに甘くて美味しかったです。これだからおかずフィッシングは止められない

なるほど、まだ亡霊でなく悪魔だった頃の時代でしたか
そうなるとアークバードやSLOGもまだ生きてますね(震え声)
あとZEROのM1で片羽がサイファーの噂とスタイルについて話してますし
片羽ほど有名では無いにしろ当時のサイファーも中々に戦場渡ってたっぽいですよね
年齢が大体20台となる思春期をほぼ戦場で過ごしてた可能性もありますね

再開します

ピクシー『早速方位50から艦載機がおいでなすったみたいだぜ相棒!』

サイファー「方角からして発艦してきたやつじゃなく、艦載機とやりあってた戦闘機タイプだろう」

ピクシー『みたいだな。北方棲姫は方位330の位置で距離もあるしな。どう出るよ?』

サイファー「引き付け、頼めるな?」

ピクシー『あいよ。んじゃしばらくたこやきと鬼ごっことしゃれ込むとするか!さぁこっちに来な!』ゴォォ

サイファー「扶桑!三式弾はどうだ?」

扶桑『装填…完了しました!いつでも撃てます!』

サイファー「ピクシーが射線上から引き離す。タイミングを合わせて狙え!」

扶桑『了解です!』

サイファー「ピクシー!」

ピクシー『わぁってんよ!扶桑!こっちの動きも大事だけど敵から目ぇ離すんじゃねぇぞ!』

扶桑『わかりました!タイミングを合わせます!ピクシーさんも巻き込まれないように注意してください!』

ピクシー『誰に言ってんだよ!心配なさんなって!』

彩雲妖精「サイファー、9時の方向からも来るわ!」

サイファー「赤城!最初に攻撃してきたタイプは爆撃機か?それとも雷撃機か?」

赤城『雷撃機タイプでした!それに摩耶がやられました』

サイファー「ということは比較的低い高度を保つということか」

烈風妖精「サイファー、どう出る気?」

サイファー「1機でも手に入ればそれでいいからな。識別は出来るか?」

烈風妖精「ええ。私達には区別はつくわ」

サイファー「ならやることは理解出来てるな?」

烈風妖精「当たり前でしょ。既にロックオンは出来てるわ」

サイファー「編隊を分散させるぞ!AMRAAM Fire!」バシュゥゥン


―サイファー機から放たれたAMRAAMは編隊の先頭の機体を捉え命中、爆散する。先頭の機体が撃墜されたのを受け編隊が左右に別れる―


烈風妖精「編隊が分散したわ。どちらを追うのかしら?」

サイファー「第2艦隊、聞こえるな?そちらに雷撃機が向かう可能性がある。迎撃の準備はしておけ!」

あきつ丸『了解であります!』

加賀『私に任せてくれればいいわ。1機残ればいいのよね?』

サイファー「そうだ。もし鹵獲可能な状態で撃墜出来るなら落としきっても構わん」

加賀『難しい相談ね。けど、やれるだけのことはやるわ』

サイファー「当てにはしておく。烈風!残りを追うぞ!」

烈風妖精「既に捉えてるわ。機銃で行くのね?」

サイファー「ああ。接近するぞ!」


――――――

ピクシー「扶桑!戦闘機タイプはまだいるんだよな!?」

扶桑『はい!こちらで確認している限り、ピクシーさんを追っている機体だけではありません』

ピクシー「なら決まりだ!A/Bを使って加速する。俺を追っている艦載機ごと落とせ!」

扶桑『了解しました!』

ピクシー「カウント開始だ!3!」

扶桑『2!』

ピクシー・扶桑『1!』

ピクシー「A/B点火!」ゴォォォォ

扶桑『装填弾薬三式弾!主砲!副砲!撃てぇ!』ドドドォォォン

ピクシー「目くらましついでに持っていきな!GBU-31投下!」ヒュゥゥゥン


―ピクシー機から投下されたGBU-31はレーザー誘導に従い護衛要塞に命中。当然ながらダメージは与えられないが三式弾に対する防御を遅らせることに成功。艦載機諸共撃破された―


ピクシー「よぉし!これで残りは北方棲姫だけだな」

扶桑『ピクシーさん!新たな艦載機がピクシーさんを追っています!』

ピクシー「母艦からおいでなすったか!扶桑は離脱しろ!さぁて楽しい鬼ごっこといこうぜ!」


――――――

―扶桑とピクシーが護衛要塞を撃破した頃、サイファーは分散した雷撃機の編隊を撃破していた―


サイファー「こっち側はあらかた片付いたか」

彩雲妖精「母艦から新たな機体が発艦されたわ!爆撃機タイプみたいよ!」

サイファー「方角は…第2艦隊の方角か!」

ピクシー『よぅ相棒!このままじゃ爆撃機が全部向かっちまうぜ!』

サイファー「戦闘機タイプはお前が引き付けているな。加賀!雷撃機タイプはどうだ!?」

加賀『こちらでなんとかしているわ。ただ1機残せっていうのは難しいわね』

サイファー「なら俺が向かうまで攻撃のチャンスを与えないように追い回すんだ!隼鷹!爆撃機もそちらに向かっている。向かう機体は最小限に留めるが向かった分はお前が対処するんだ!」

隼鷹『任せときなって!こう見えてあたしけっこうやれるんだからさぁ!ただの飲ん兵衛じゃないってところ、見せてやるって!』

サイファー「当てにさせてもらうぞ。流星!」

流星妖精「ついに北方棲姫を狙うんですね!?」

サイファー「ああ。いけるな?」

流星妖精「ミサイルはいつでもいけます。彩雲!」

彩雲妖精「捉えてるわ!」

サイファー「ターゲット北方棲姫!ASM-3 Fire!」バシュゥゥン


―北方棲姫に向かってASM-3を発射。その軌道は確実に北方棲姫を捉える軌道であったが…―


彩雲妖精「爆撃機タイプが北方棲姫の前方に集結!」

サイファー「盾になる気か!?」


―北方棲姫を守る様に終結した爆撃機タイプに命中し爆発。盾となった艦載機はその爆発の威力により全機撃墜となった―


サイファー「まさか盾になるとはな。完全に想定外だったぜ」

彗星妖精「母艦(主)を守るために…かぁ」

サイファー「ならば接近して直接…うっ!」

ピクシー『な、なんだ!?頭ん中に直接声が聞こえて!?』



北方棲姫『……カエレ…!』



ピクシー『へっ!言われなくたってミッションが終われば帰るっつうの!』

サイファー「よほどこの先に大事な何かがあるようだな。だが今用があるのはお前の持っている艦載機だ!」

彩雲妖精「戦闘機タイプが新たに発艦したわ!」

ピクシー『おいおい!いくらなんでもちと多くねぇかこれよ?』

サイファー「ピクシー、頼めるか?」

ピクシー「当たり前だろ、相棒!向こうに向かった爆撃機を減らしに行くんだろ?」

サイファー「ああ。落とされるなよ?」

ピクシー『なるべく早く頼むぜ。A/B使ってっから長期戦は無理だぜ』

サイファー「わかっている。頼りにしてるぞ」

ピクシー『ああ。さぁ艦載機ども!落とせるもんなら落としてみな!俺は片翼吹っ飛んでも落ちねぇぜ!』

烈風妖精「戦闘機タイプがこちらにも向かってるわ」

サイファー「A/Bを点火して振り切る!爆撃機タイプの追撃を優先する!」ゴォォォ


―A/Bを点火し音速を突破。戦闘機タイプを振り切り爆撃機を捉える―


サイファー「そう簡単にあっちに行かせるわけにはいかんのでな!」ドガガガガ


―爆撃機をわずかに残し撃墜し、シャンデルの軌道で旋回。ターゲットをピクシーを追撃している戦闘機に向ける―


サイファー「烈風!」

烈風妖精「わかってるわ」

サイファー「外すなよ!?04式ミサイルFire!」カチッカチッ

烈風妖精「対空は私の十八番なのよ。04式ミサイル発射!」バシュバシュゥゥン


―04式空対空誘導弾がピクシーを追っていた戦闘機を2機撃墜。ピクシーを追っていた戦闘機の統制が乱れ始めた―


サイファー「邪魔だ!落ちろ!」ドガガガガ

彗星妖精「サイファーを警戒して距離を取り出したよ」

サイファー「もう遅い!相手の戦力を見誤ったのがお前達の敗因だ!」ドガガガガ


―続いてサイファーを追っていた戦闘機を機銃で全て撃墜する―


ピクシー『相変わらずえげつねぇ戦い方しやがるぜ』

サイファー「ピクシー、燃料はまだ大丈夫か?」

ピクシー『ああ。サイファーの仕事が早いおかげでまだ余裕があるぜ』



北方棲姫『…カエレ!ココヲ火ノ海ニ変エル気カ…!』

サイファー「悪いがこちらも目的がある。そちらにも正義があるようにこちらにも正義がある」



北方棲姫『コナイデ…ッテ…イッテル…ノ……!』



ピクシー『サイファー!』

サイファー「わかってる。せめて1撃で終わらせる!」


―ピクシー機がインメルマンターンで旋回し北方棲姫の方を向く―


ピクシー『どうすりゃ完全な平和になるかなんて誰にもわかんねぇけどよ、次に生まれてくる時は平和になってるようにやってみるから今は休みな!』

サイファー「烈風!彗星!」

烈風妖精「わかってるわ。邪魔なあれね」

彗星妖精「こちらもロックオン完了です!」

ピクシー『当たるかわかんねぇけど目くらましぐらいにはなるだろ!ASM-3 Fire!』バシュゥゥン

サイファー「射線上のやつを落とす!AMRAAM Fire!」バシュゥゥン


―サイファー機の放ったAMRAAMはピクシーのミサイルの射線上の艦載機を撃墜。続いてピクシー機の放ったASM-3が北方棲姫に命中。比較的距離が近く、彩雲妖精からもたらされるレーダーの位置情報が命中に一役買った結果だった―


サイファー「今度は平和な時代に生まれてくるんだ。ASM-3 Fire!」カチッ

彗星妖精「目標最終補足!ASM-3発射!」バシュゥゥン


―サイファー機の放ったASM-3が北方棲姫を捉え命中。しかし防御姿勢を取ったのかかろうじて撃沈とならなかった―


サイファー「これでもまだ沈まないのか!?」

彗星妖精「もうあの子は動けないよ。せめて楽にしてあげて」

サイファー「そうだな。彗星、いけるな?」

彗星妖精「うん。これで終わらせるよ」

サイファー「頼んだ。GBU-31投下!」カチッ

彗星妖精「次は平和な時に会おうね。その時までバイバイ」ヒュゥゥゥン


―ASM-3の直撃を喰らい虫の息になっていた北方棲姫に誘導爆弾が命中し北方棲姫は轟沈した―



北方棲姫『イツカ…楽シイ海デ……いつか……また……平和に…』


彗星妖精「北方棲姫の撃沈を確認。残りの任務を遂行しないとね」

サイファー「ああ。まだミッションは終わってない。完遂させるんだ」

ピクシー『おい、なんか艦載機共の動きが鈍くなってるぞ』

サイファー「母艦が沈んで弱体化したからだろう。撃墜して任務を終わらせるぞ」

ピクシー『そうだな。さっさと終わらせて帰るか』

サイファー「第2艦隊、聞こえてるな!?北方棲姫は撃沈した。これより艦載機を全て落とす。回収出来るやつは全て回収しろ!」

あきつ丸『了解であります』


―――――
―――

―ブイン基地―


―作戦を終え、新型艦載機の鹵獲に成功したサイファー達を、先に帰投していた伊勢達第3艦隊が出迎えた―


伊勢「サイファー提督おかえりなさい。作戦は成功したみたいね」

サイファー「ああ。新型艦載機は戦闘機、爆撃機、雷撃機全てのタイプの鹵獲に成功した。そっちはどうだ?」

伊勢「もちろん、バッチリもらってきたわよ!」

利根「伊勢は注意散漫で、日向は考え事をしてフラフラしおって危なっかしい航海だったがのぅ」

日向「そういう利根は真っ直ぐすぎて航路を間違えかけてたではないか」

利根「なっ!あれはあっちの方が早いと思ったからなのじゃ!そうであろう筑摩!?」

筑摩「ええ。でも安全に運ぶ必要があったのであれはダメですよ」

利根「ちくま~!」

筑摩「でも利根姉さんは頑張りましたよ。任務も無事に終わりましたし、間宮さんの所に行きましょうね」

利根「おお、そうじゃ!作戦の成功の前祝じゃ!あいすくりぃむを食べに行くぞ!」

筑摩「ええ、そうしましょう。では私達は失礼しますね」

利根「なにをしておるのじゃ筑摩!早ぅ行くぞ!」

筑摩「はい、直ぐに行きますよ」


ザッザッザッザ…


日向「前祝は作戦前に行うことなんだが、利根のやつわかってるのだろうか」

雪風「真っ直ぐなところは利根さんの良いところですし、筑摩さんもわかっててあえてスルーしたんだと思いますよ」

時津風「猪さんか闘牛さんみたいだね~。筑摩さんはマタドールさんかな~」

伊勢「お!時津風中々上手い事言うねぇ」

サイファー「…で、受け取ってきた物は第2艦隊に渡し終えているんだな?」

日向「勿論終わっている。既に鹵獲した艦載機は収容されているはずだ」

サイファー「そうか、なら結構だ。航海中何かトラブルは無かったか?」

伊勢「特に何も無かったわよ。戦闘自体も無く皆無事よ」

サイファー「そうか。ならあとで報告書をまとめて提出してくれ」

雪風「サイファー司令の方はどうだったんですか?」

サイファー「第1艦隊は大破、中破した者がいるが全員無事生還している。第2艦隊も損傷はしているがいずれも軽微な者ばかりだ」

時津風「そうじゃなくてサイファー司令自身のことを聞いてるんだと思うよ~」

サイファー「いや、特に被弾はしていない。もしかしたら多少はかすり傷があるかもしれんがな」

伊勢「流石は円卓の鬼神というか、相変わらずバケモノ染みてるわねぇ。北方棲姫相手に無傷で生還とか信じられないわよ」

サイファー「物量押しは戦力として多大だが、それならそれで戦い方がある。状況を見極めて必ず存在する穴を的確に突けばいいだけだ」

日向「そんな簡単に見つけられる物ではないんだがな。今度サイファー提督の機体にカメラを付けさせてくれないか?」

サイファー「映像なんか撮ってどうする気だ?」

日向「サイファー提督の操縦を参考に瑞雲の運用方法を見直してみたくてな」

サイファー「速度差も武装も違いすぎるだろ」

雪風「サイファー司令の操縦を映像で見たら酔っちゃいそうです」

時津風「酔い止め薬いくつ飲めばいいんだろうね~」

サイファー「とにかく無事に作戦は終了だ。皆よく頑張ってくれたから作戦の成功を祝うパーティを行う。間宮たちには通達しているからそれまで各自休んでおけ」

伊勢「やった!さっすがサイファー提督わかってるねぇ!」

日向「そうと決まれば汗を流してくるとするか」

時津風「雪風ぇ、わたしたちも行こうよ」

雪風「ではサイファー司令、雪風達も失礼します!」

サイファー「遅れないようにな」


ザッザッザッザ…


サイファー「さてと、俺もシャワー浴びてくるとするか」


―――――
―――

今回はここまでです
>>357
>>217は過去編の話なのでこのSSは>>38で書いたように5の後の時代になります
なのでアークバードもSOLGも海に沈んじゃってます。
青春時代を戦場、ないし兵士として過ごしたが故に摩耶がサイファーの様に強くなりたいと言ったことに対して、俺のようになるなと言えたというわけです
このSSでのサイファーは40代前半から半ばの設定にしているので言葉の重みを出す意味で苦肉の策として年齢の設定をしました。
おやっさんことブフナーが現役でいれた年齢に近いことも参考にしてますが。

ではまた
ありがとうございました

再開します

―フタサンマルマル時・サイファー自室―


―作戦成功の祝賀パーティが終わり、サイファーは自室に戻っていた―


サイファー「作戦成功…か。これは俺1人では到底出来なかっただろうな」

サイファー「騒ぎ足りない奴はまだ騒いでるが、今日ぐらいは大目に見てやるとするか」



knock knock



サイファー「誰だこんな時間に?入っていいぞ」



ガチャ



ピクシー「よう相棒。まだ生きてるか?」

サイファー「ああ。飲ん兵衛共の猛攻はかわし続けたからな。アルコールは残っているが問題無いレベルだ」

ピクシー「そうか。俺は少し被弾しちまったよ。油断したぜお前ん所の艦隊によ」

サイファー「そいつは災難だったな。ところでこんな時間に何の用だ?」

ピクシー「ああ。今回の戦果を報告したんだがな、鹵獲した艦載機の運搬とサイファーの機体とデータを持ち帰るために俺はこの基地を離れることになってな」

サイファー「元々は震電Ⅱのライセンス教官として来たんだからな。任務が終われば次の任務があるだろう」

ピクシー「そういうこった。で、その報告に来たってわけだ」

サイファー「いつこの基地を発つんだ?」

ピクシー「1週間後だ」

サイファー「輸送船の到着を考えるとそれぐらいか」

ピクシー「それとお前には朗報だぜ」

サイファー「なんだ?」

ピクシー「任務成功の報酬として輸送船にはF-15を積荷として持ってきてくれるってよ。ただし、対艦戦を想定してE型、それも近代化改修されたやつがな」

サイファー「J型ではなくE型のストライクイーグルか。システムが起動してるときはいいが、通常時だとコックピットが少し狭かったから複座は助かるな」

ピクシー「軍部もサイファーを信頼していたのか、カラーもサイファー機用に塗装済みだ。ガルム隊の部隊章は付いてないがな」

サイファー「ウスティオ所属じゃないんだぞ。当たり前だろ」

ピクシー「C型じゃねぇが、これで円卓の鬼神の復活だな」

サイファー「円卓の鬼神だったのは昔の話だ。今はこの基地の司令官だ」

ピクシー「そういうことが聞けるってことはこの基地に腰を据える覚悟を決めたってことか?」

サイファー「バカ言え。俺はあくまで前提督の依頼を引き受けただけだ。後継が来れば明け渡すつもりだ」

ピクシー「本当にそれでいいのか、相棒?」

サイファー「良いも何も俺は傭兵だ。そういう生き方しか知らんからな」

ピクシー「少なくともここの基地の艦娘達はそう思ってないと思うぜ」

サイファー「どういうことだ?」

ピクシー「もうお前は立派なこのブイン基地の司令官だってことだよ。お前の指揮で動くし、お前の指揮を信頼している。この基地にとってサイファーはなくてはならない存在になってるってことだよ」

サイファー「それは後継者が来ても同じだろう」

ピクシー「そうじゃねぇんだよなぁ。っかーったく!ホンットお前はこの手の話には鈍いというか、ズレてるというか…」

サイファー「何が言いたい?」

ピクシー「もうこの基地の嬢ちゃん達は相棒の指揮以外ではまともに動かねぇって言ってんだよ!最前線で飛んで一緒に戦う司令官なんてどこにも居やしねぇからな。絶対的な信頼を持たれてるって言ってんだよ」

サイファー「戦場の仲間意識ってことか」

ピクシー「…はぁ。もうそれでいい。とにかくそういうこった」

サイファー「お前、被弾したダメージが酷くなってないか?」

ピクシー「かもな。とにかく伝えることは伝えたからよ。詳しいことは明日報告書にまとめて提出すっから」

サイファー「水と薬はいるか?」

ピクシー「いらねぇよ。俺も部屋に帰って寝るからよ。んじゃまた明日な。あと1週間よろしく頼むぜ」

サイファー「ああ。帰る途中で捕捉されるなよ」

ピクシー「全力で逃げ切るさ。んじゃな」



バタン



サイファー「震電Ⅱとピクシーが去ってイーグルが来る…か」

サイファー「しかしあまりにも用意が良すぎる気がするな。何かの餌と考えるべきだろうか…」


―――――
―――

―6日後―


―震電Ⅱと鹵獲した艦載機を輸送する輸送船がストライクイーグルを載せてブイン基地へやってきた―



オーラーイ!オーラーイ!

ヨシイイゾー!



漣「お~!これこれ!この機体にこのカラーリング!正に円卓の鬼神そのものですね~!ご主人様の完全復活ktkr!」

青葉「サイファー司令官さん、後でストライクイーグルと並んでもらえますか?これはいい画になりますよ!」

長門「完全な円卓の鬼神が揃った姿を目の当たりにすると言葉を失うな」

阿賀野「でもガルム隊の部隊章は書かれてないね」

能代「そりゃそうよ。ガルム隊はウスティオの部隊なんだから」

摩耶「やべぇな。いざ目の当たりにするとやばそうな雰囲気がこれでもかってぐらい伝わってくるぜ。こんなのぜってー相手したくねぇよ」

曙「あたし、本当にクソ提督呼ばわりしてて大丈夫なのか不安になってきた」

夕立「機体から伝わってくるプレッシャーが凄いっぽい!」

サイファー「おいおい。まだ妖精のインストールもしてねぇし俺も乗ってねぇんだぞ。オカルト染みたことを好き勝手言ってんなよ」

大和「そうは言いましても、実物を目の当たりにする機会なんてまずありませんし、伝説のような存在ですから仕方ないと思いますよ」

サイファー「俺の愛機はエメリアで落とされてるんだがな」

妙高「それでも本人がここにいて、ちょっと型が違いますけど使っていた機体もここにあるとなればなにか感じるものがあるんじゃないでしょうか」

サイファー「そんなもんか?俺にはよくわからんが。ところでピクシー、もう1機ストライクイーグルが降ろされてるがありゃなんだ?」

ピクシー「ありゃ予備機だ。対艦戦も想定した戦闘機はバイパーゼロで実績があるとはいえ、ストライクイーグル自体は運用実績が無いから何か不具合が起きた時用に寄越してもらってんだ」

サイファー「カラーはノーマルのままか」

ピクシー「予備機にカラーリングまで要求すんなよ」

サイファー「まぁいい。出航は明日だったな。震電Ⅱは今日で、鹵獲した艦載機は明日積み込むんだったな」

ピクシー「本当は一度に積み込んでしまいたいところだけど、最悪の事態を想定してもう1日面倒見てもらうつもりだ」

サイファー「それがいいだろう。あきつ丸には手土産にこの基地で保管されている烈風を渡しておこう」

ピクシー「助かるぜ。流石に海上で再起動とかされちゃ、俺じゃどうしようもねぇからな」

夕立「ねぇねぇサイファー提督さん。予備機ってことはあの機体は余るってことだよね?」

サイファー「まぁそういうことになるな」

夕立「じゃあ夕立が乗ってもいいっぽい?」

サイファー「ライセンスが無いだろ。1から航空力学勉強してライセンス取得する気か?」

夕立「う~、飛行機の勉強は苦手っぽい~」

雷「じゃあ私が勉強してライセンス取るわ!そしたらサイファー司令官の役に立てるんでしょ?」

サイファー「兵装と一体化する妖精が他にいないだろ」

雷「そこは他の烈風さんたちと相談して上手くやれば…」

サイファー「艦娘辞めて司令官になるんなら可能だろうな」

雷「あ、そっか。そうなっちゃうのよねぇ」

朧「今あるスーパーホーネットはどうするんですか?」

サイファー「あのストライクイーグルになんら問題が無ければ予備機になるだろうな」

瑞鳳「ねぇサイファー提督、妖精さんに機体を艦娘用に小型化出来たりする子っていない?」

サイファー「そんなのは聞いたことないな。仮に出来たとしてどうする気だ?」

瑞鳳「そりゃあもちろん私が運用するのよ」

サイファー「飛行甲板燃えるぞ。それに蒸気カタパルトもスキージャンプも無い、滑走距離も足りんのにどうやって飛ばす気だ?」

瑞鳳「…妖精さんの力で…かな?」

サイファー「無茶と無理は違うぞ」

烈風妖精「サイファー、ストライクイーグルはハンガーに運んでもよくて?」

サイファー「ああ、頼む。予備機のストライクイーグルも入れておいてくれ」

烈風妖精「わかったわ。運び終えたらインストールの作業に入るから他の作業は手伝えないから覚えておいて」

サイファー「わかってる。予備機のストライクイーグルはすぐに作業は行わなくていい。それとAARGMが搭載されるから彗星にはよく言っておいてくれ」

烈風妖精「わかったわ。震電Ⅱは一応私達が使えないようにアンインストールしてるからそのまま引き渡して大丈夫よ」

サイファー「わかった」


ピクシー「さて、あとは震電Ⅱの積み込みだな」

サイファー「そうだな。妖精達(あいつら)のシステムはアンインストール済みだからもう積んでもらってもいいぞ」

ピクシー「消しちまったのか。ちと勿体ねぇな」

サイファー「どっちにしろ俺にしか使えねぇ代物だ。問題ねぇだろ」

ピクシー「まぁな。それもそうだな」

サイファー「この後、この基地の艦娘主催でピクシーとあきつ丸とまるゆの送別会が開かれるそうだ」

ピクシー「お!嬉しいねぇ」

サイファー「お前は主役の1人だから身嗜みは整えとけよ」

ピクシー「パイロットスーツでいいのか?」

サイファー「もうボケが始まったのか?」

ピクシー「冗談だよ、相棒。ちゃんと整えるっつうの」

サイファー「ったく、変な恥かかせんなよ?」

ピクシー「わかってるっつうの。せいぜいガルム隊の時の暴露話ぐらいでいいか?」

サイファー「お前、何を知っている!?」

ピクシー「さぁな」

サイファー「勘弁してくれよ。ったくよぉ」


―――――
―――

―ヒトキュウマルマル時・食堂―


大和「それではこれより送別会を始めます。まずあきつ丸さんから挨拶を」

あきつ丸「短い間でしたが色々勉強になったであります!特に艦載機の運用を教授してくれた空母の方々には感謝の言葉しかないであります。ありがとうございました」

大和「まるゆちゃんどうぞ」

まるゆ「あまり戦闘能力が高くないまるゆに色々教えてくれた皆さんには感謝しています。ここで教えてもらったことを活かせるように本土に戻っても頑張ります!」

大和「最後にピクシーさん、どうぞ」

ピクシー「短い間だったけどこの基地での生活は楽しませてもらった。サイファーはああいう奴だがこれからもあいつに付いていってやってほしい」

ピクシー「ガルム隊に所属してたときも戦闘になりゃああだったが、基地に戻って任務が無い時なんかだとあいつはよk」



ザワザワ



<ピクシーさんレーザーサイトで狙われてるー!

<スナイパーがいるの!?

<誰が狙ってるの!?



ピクシー「あん?レーザーサイト?」クル

サイファー「………」ゴゴゴゴゴ

ピクシー「…銃を向けるなよ、相棒。冗談だっての。とにかくこの基地の全員のおかげで震電Ⅱのデータが取れたと言ってもいい。このデータは震電Ⅱの完成に必ず役にたつ」

ピクシー「所属は違うが目指すところは同じと思っている。また機会があれば会おう。それまで生きのびろよ」


大和「あ、ありがとうございました!では乾杯の音頭をサイファー提督、お願いします」

サイファー「皆のおかげで震電Ⅱの実戦データと新型艦載機の鹵獲に成功した。またその間に基地を防衛してくれたことで任務に集中することが出来た。この任務は全員の功績があってこそ成功したものだ」

サイファー「陸軍、海軍と所属こそ違えど平和を共に目指す者同士として共に頑張っていこう。互いのこれからの健闘を祈って乾杯!」



『かんぱーい!』



ワイワイ



摩耶「うんめぇー!最高だなおい!」

高雄「大和さんと武蔵さんのフルコースメニューも入ってるわね」

羽黒「凄い豪勢な料理ですね。大和さん達に教えてもらおうかな」

鈴谷「料理まで完璧にしてハグハグどこまで高みに登る気なの?」


伊58「まるゆちゃん、陸軍に戻っても頑張ってくだち」

まるゆ「はい。皆さんに教えてもらったことを忘れないように頑張りますね」

伊168「兵装のスペックが全てじゃないってのはサイファー提督が一番証明してくれてるからね。海のスナイパー魂があればやっていけるわ」

大鯨「困った時はまたいつでもこのブイン基地に戻ってらっしゃい。私達はいつでも歓迎するわ」

まるゆ「ありがとうございます!」

熊野「パーティでの立ち振る舞いがレディとしての品格を問われますのよ」

暁「レディとしての品格…。よ、よし!熊野さん、暁にレディとしての嗜みを教えてください!」

響「そんなに力んでたらダメだと思うよ。もっとリラックスしないとさ」

陽炎「それにせっかくのパーティなんだから難しいこと考えないで楽しんだほうがいいんじゃないの?」

吹雪「変に背伸びするより身なりに合った楽しみ方をしたほうがいいと思うよ」

暁「そ、そんなことないし!一人前のレディとしてパーティを楽しむだけだし!」

熊野「あらあら、そんなに肩の力が入っていたらダメですわよ。まだ暁ちゃんには早かったかしら」

暁「く、熊野さんまでぇ…」


加賀「サイファー提督から烈風を渡されるそうよ。無いとは思うけど海上で艦載機が再起動したらあなたが鍵になることを頭に入れておいて」

あきつ丸「はい!全力を持って護衛するであります!加賀殿や赤城殿から教わった艦載機の運用方法、無駄にはしないであります!」

翔鳳「本来は無駄になるほうがいいんだけど」

赤城「爆撃機や雷撃機の運用はともかく、戦闘機の運用は問題ないですから、自信を持ってくださいね」モグモグ

龍驤「せめてしゃべる時ぐらい食べるの止めぇや。せっかく良えこと言っとるのに台無しやで」

あきつ丸「ここで教わったことを踏まえてにピクシー殿から戦術を教わるであります。次に会った時は驚かせてやるであります!」

翔鶴「その意気ですよ。これからもお互い頑張りましょうね」

瑞鶴「ま、こっちもサイファー提督さんがいるから次会った時はこっちも同じじゃないわよ」

あきつ丸「負けない!のであります!」

ピクシー「よう相棒、あいつらの為にわざわざ送別会開いてくれてありがとうな」

サイファー「俺から提案したわけじゃない。感謝するなら艦娘達(あいつら)に言ってくれ」

ピクシー「許可出したのはお前だろ?にしたってこの雰囲気は良いな。作戦成功の時もそうだったが、全員が活き活きとしてる」

サイファー「兵器だとか色々言われてはいるが、意思を持っているならばそれは人と変わりはないからな」

ピクシー「それだけお前が司令官として優秀だってことだろ。ただの兵器として見てたならこんなに全員活きた顔してねぇよ」

サイファー「さぁな。少なくとも俺だけの力じゃねぇよ。ところでピクシー、少し気になることがあるんだが」

ピクシー「なんだ?ようやく気になる艦娘(子)でも見つけたか?」

サイファー「違ぇよ。作戦成功の報酬としてストライクイーグルが来たのはいいんだが、やけに準備が良すぎると思ってな。お前一体どんなやりとりしたんだ?」

ピクシー「別に何か特別なやりとりをしたわけじゃねぇよ。確かに前もって交渉はしていたが、それに関しては俺も引っかかってたところだ」

サイファー「普通、戦闘機の準備となれば時間はかなり要するはずだからな」

ピクシー「それもハープーンを使えるように近代化改修されたモデルとなればなおさらな」

サイファー「おまけに予備機としてもう1機寄越してきた。普通では考えにくいことだ」

ピクシー「何か裏がありそうだってことだろ?」

サイファー「ああ。流石に手放しで喜べるほど俺も間抜けじゃない。使えるものは使うが、これが何かの餌か、はたまた別の目的の為の目くらましか」

ピクシー「サイファーの戦績は確かに凄まじいが、あまりにも大盤振る舞いすぎるからな。本土に戻ったら俺も少し調査してみよう」

サイファー「頼む。こっちでも情報を掴んだら知らせる」

隼鷹「なぁにしかめっ面で話し込んでんだよ、サイファー提督ぅ!」

サイファー「来やがったな、アル中軽空母1号!」

隼鷹「な、なんだそりゃ?ま、いいや。ピクシーさんもいるなら丁度いいぜぇ!眉間にしわ寄せて話し込んでちゃパーティが台無しだぜ!」

ピクシー「まぁ確かにそうだな」

サイファー「まともなことは言っているな」

千歳「というわけで、ささ、飲みましょう飲みましょう!」

サイファー「2号まで来やがったな。だが、今回は抜かりは無い!」

ピクシー「こんなこともあろうかと事前に打ち合わせはしておいたからな」

隼鷹「お?なになに?飲み比べ勝負でもしちゃう系?」



サイファー「対隼鷹迎撃システム飛鷹!Fire!」


ピクシー「対千歳迎撃システム千代田!Fire!」



飛鷹「ちょっと!私達はミサイルじゃないわよ」

千代田「ASM-3発射みたいに呼ばないでください」


隼鷹「ゲッ!飛鷹!」

千歳「千代田まで!なんでそっちにいるの!?」

飛鷹「隼鷹の絡み酒対策ですって。あんまり大騒ぎしてると、部屋に隠してる大吟醸没収するわよ!」

隼鷹「そりゃないぜぇ!それだけは勘弁してくれよぉ!な?な!?」

千代田「千歳お姉も。あんまりバカ酔いしてると、この前沖縄から取り寄せたって言ってた泡盛没収しますよ」

千歳「あ、あれけっこう高かったのよぉ!それだけは許してぇ!」

サイファー「飛鷹、千代田、あとは頼めるな?」

飛鷹「任せておいて。さ、今日は飲んでもいいとは言われてるけど、ちゃんと節度ある飲み方を叩き込むからね!」ガシッ

千代田「千歳お姉も。あんまり無茶飲み続けるようならいつぞやの川内みたいになっちゃうからね!」ガシッ

隼鷹・千歳「そんなぁ~」ズルズル


サイファー「やれやれだ」

ピクシー「生きてるか?っていつも聞いてる俺が撃墜されて生きてるか?って聞かれる立場にされちゃたまんねぇからな」

サイファー「Yo buddy. You still alive?」

ピクシー「まだ大丈夫だっつうの」

―それぞれが別れを惜しみ、またそれぞれが健闘を称え合い、パーティは盛り上がっていた―


漣「ところでピクシーさん、挨拶の時はご主人様に銃で狙われて止めましたけど、あれ何を言おうとしてたんですか?」

ピクシー「ああ、あれか。ありゃベルカ戦争の時に俺達がウスティオに所属してたのは知ってるな?そんときにサイファーが任務が無い時にこっそりやってたことをな」

青葉「ちなみにどんなことをしてたんですか?」

愛宕「気になる引き方をしたから聞きたいわぁ」

ピクシー「嬢ちゃんたちには少し刺激的かもしんねぇなぁ」

漣「それって…もしかして…?」

青葉「スクープの予感ですねぇ。明日の一面は決まりですかねぇ」

陸奥「みんなお酒入っちゃってるし暴露しちゃってもいいんじゃない?」

酒匂「ぴゃん!サイファー司令の秘密知りたい!」

ピクシー「ありゃあ1度目のB7Rの攻防が終わった後の話なんだけどな、ウスティオ国内も被害が少ないところは当然あってな、当然そこには色んなもんがあるわけよ」

漣「ほうほう、それでそれで?」

ピクシー「ただのオフを過ごすんなら基地周辺でもそんな困らねぇんだが、サイファーはよく基地から外出して…」肩ガシッ

ピクシー「あん?」クル~


サイファー「ドーモ、片羽の妖精=サン。サイファーです」


『アイエエエ!?鬼神!?鬼神ナンデ!?』

サイファー「ハイクを読め。カイシャクしてやる」銃カマエ

ピクシー「ちょっと待てって相棒!まだ何も言ってねぇって!」

サイファー「やはりあの時(ベルカ戦争末期)に殺しておくべきだったようだな」

ピクシー「だからって今殺そうとすんなよ!冗談じゃねぇ!」ダッシュ!

サイファー「あ!待てコラー!」ダッシュ!


酒匂「サイファー司令、口調がちょっとおかしくなってたね」

陸奥「あらあら、酔ってるのかしら。でもどこで覚えたのかしら、あれ」

漣「あ~、多分漣のせいかもしれませんねぇ」

愛宕「何やったの?」

漣「いえ、ほらよく外国人の人たちって漫画とかアニメから日本語に入る人って結構いらっしゃるじゃないですか。だから鳥海さんや大和さん達みたいなTHE日本語って本よりもと思いまして」

青葉「どんな本を渡したんですか?」

漣「元々オーシアで小説になってたやつを翻訳して漫画にしたやつなんですけどね」

漣「外国の小説でしたし、もしかしたら原作読んで知ってるかなぁって思いまして」

酒匂「ぴゃん。それってかなり間違った日本の認識をしてる本じゃないの?」

漣「あながち間違ってないとは思ったんですがねぇ」

愛宕「でも結果、ああなっちゃてるわよ」



<やめろ相棒!実弾じゃないっつっても痛ぇって!

<ザッケンナコラー!スッゾコラー!

<いいぞー!やれやれー!

<あー!惜しいですサイファー提督!もっと狙って!

<ピクシーさんもっと動かないとやられますよー!

<サイファー、Fox2!Fox2!

<痛ててててて!俺が悪かったから止めてくれー!



漣「う~ん、なんというワザマエ」

愛宕「とりあえず漣ちゃんはあとでちょ~っとだけお説教かしら?」

漣「\(^o^)/」


―こうしてパーティは終始盛り上がり幕を閉じた。そして翌日、別れの時がやってきた―


―――――
―――

今回はここまでです
今回はなんか凄く楽しく書けた気がします
元々F-15Cに無理矢理ハープーン運用化改造したやつを受理させようかとしましたが「あれ?対艦ミサイル搭載したイーグルってあったよな?」と思って調べなおしてストライクイーグルに落ち着きました
ストライクイーグル自体は2014年に近代化改修されているのでハープーンは運用出来るはずと踏みました
スレタイが海戦記ですし、C型イーグルよりストライクのほうが合ってる気もしますし

ではまた
ありがとうございました

再開します

―翌日―


―ピクシー、あきつ丸、まるゆを見送るため、サイファーと艦娘達は輸送船の前まで来ていた―


ピクシー「今日でこの基地ともお別れか。長かったようで案外短かったな」

サイファー「お前と再会したのが一番の驚きだったぜ。試作機で戦うなんて滅多に無い機会だったし、色々充実した毎日だったな」

ピクシー「一番恐ろしいのはその試作機ですらお前の空戦能力が変わらねぇことだったけどな」

サイファー「ストライクモデルが作られりゃもう少し違った戦い方が出来るんだろうがな。量産機F-3の完成、楽しみにしてるぜ」

ピクシー「まだデータをまとめてからだからこれからだがな。俺達が現役で空を飛んでる間に完成することはないだろうな」

サイファー「だろうな」

大和「ピクシーさんはこれからまた教官として各地を回るんですか?」

ピクシー「たぶんな。詳しい事はまだ聞いてないが、しばらくは鹵獲した艦載機と震電Ⅱのデータの為に報告書だのなんだのをまとめなくちゃなんねぇからな」

大和「そうですか。教官の任務の大変ですね」

ピクシー「俺以外にも教官はいるんだが、今回に関しては艦載機の鹵獲っちゅうおまけまでついてるからな」

摩耶「いっそ憲兵隊にでも転属してここに勤務すりゃいいんじゃねぇのか?」

ピクシー「そりゃいいな。色々サイファーに仕返しが出来るかもな」

サイファー「何をするつもりだ、何を」

ピクシー「冗談だよ、相棒。他にも教官はいるっつってもまだまだ教えなくちゃなんねぇことがあるからな」

漣「片羽の妖精の講習、想像するだけでもgkbrものですねぇ。ご主人様だから普通に問題なくこなしたようなものでしょうし」

吹雪「ライセンス発行して即実戦とか、普通じゃ中々考えられませんよ」

電「それについていったサイファー司令官さんも凄すぎる気がするのです」

サイファー「伊達に傭兵家業をやってたわけじゃねぇからな」

ピクシー「相手がサイファーだから急ピッチで進められただけだからな。普通じゃこんな教習カリキュラムは組まねぇって」

足柄「けどピクシーさんの教え方は参考になったわ。新人教習には是非参考にさせてもらうわ」

金剛「ピクシー式レッスンをやったら新人が即日エスケープするネー」


ザッザッザッザッザッ


あきつ丸「ピクシー殿、艦載機の搬入、および固定作業が終了したであります」

ピクシー「お、そうか」

まるゆ「それとまもなく出航するとのことです。ピクシーさんも乗船してください」

ピクシー「わかった。短い間だったけど楽しかったぜ。ありがとうな」

サイファー「こっちこそ、いい経験になった。それとストライクイーグル、ありがたく使わせてもらうぜ」

ピクシー「次会うときまで生き延びろよ、相棒」スッ

サイファー「そっちこそな。何か困ったことがあったらいつでもここに来い」スッ



パァン!



―互いに手を挙げ気持ちの良い炸裂音を鳴らすハイタッチするサイファーとピクシー。そしてピクシーは輸送船へ向かって行く―


大和「これでお別れですね」

阿賀野「凄い人だったね」

瑞鶴「結局ピクシーさんから艦載機の運用技術を盗めなかったなぁ」

加賀「あなたはムラがあるからまだ無理よ。覚えたければまずはどんな状況でも揺るがない集中力を身に付けることね」

瑞鶴「なっ!私だってやれるわよ!ね?サイファー提督さん!」

サイファー「妖精を殺しかねない動きを覚えるのはやめておけ。お前達にはお前達の戦い方がある」

加賀「基本こそが大事なのよ。この後みっちり叩き込んであげるわ。あとで練習場にいらっしゃい」

サイファー「日々の基本の繰り返しは重要だ。よかったな、瑞鶴」

瑞鶴「うへぇ…。サイファー提督さ~ん」





ボォォォォォォォォ……





サイファー「総員、敬礼!」バッ


バッ


―輸送船が汽笛を上げ、離岸していく。完全に離岸し出航を確認したところで敬礼解除を伝令した―


サイファー「よし、総員解散だ。今日はもう自由にしていいぞ」

妙高「あら、サイファー提督?どちらに行かれるおつもりですか?」

サイファー「俺はストライクイーグルの飛行テストも兼ねた防衛ラインまで輸送船の護衛だ」

青葉「さっそくイーグルが飛び立つんですね!?飛び立つ姿を写真に収めてもいいですか?」

サイファー「構わんが、外部に出回るようなことはするんじゃないぞ」

青葉「勿論ですよ。さっそくカメラと望遠レンズを用意しなくっちゃ!」

サイファー「大淀、直ぐに出るから管制を頼むぞ」

大淀「了解しました」


―――――
―――

―滑走路―


サイファー「インストール作業は終わってるな?」

烈風妖精「ええ、問題なく使用出来るわ」

彩雲妖精「今回は輸送船の護衛なのよね?」

サイファー「そうだ。ストライクイーグルの飛行テストも兼ねているから、何か不具合が出たら報告してくれ」

彩雲妖精「わかったわ」

彗星妖精「サイファー、やっぱり元相棒とのお別れは寂しい?」

サイファー「別に今生の別れじゃないからな。お互い生きていればまた会える」

流星妖精「震電Ⅱが来た時のように…ですか?」

サイファー「そうだ。生きていれば何処かで機会はあるもんだ」

彗星妖精「ひとまずのお別れだね。次に会ったときに司令官になってたら面白いかもね~」

サイファー「…あいつにゃ似合わねぇな」ククッ

サイファー「大淀!周辺の状況はどうだ?」

大淀『基地周辺を飛行する航空機はありません。いつでも発進どうぞ!』

彩雲妖精「それにしてもギャラリーが多いわね」

流星妖精「型こそ違えど円卓の鬼神の完全復活の証であるイーグルが飛ぶとなれば多いでしょう」

彗星妖精「サイファー、緊張してF-15E(この子)のおしり擦っちゃダメだよ~」ケラケラ

サイファー「そんな凡ミスするわけないだろ」

サイファー「離陸開始地点到達!ストライクイーグル、出るぞ!」ヒュィィゴォォォォォ


大淀『周辺に異常無し!サイファー機、高度制限を解除します。お気をつけて』


彩雲妖精「それじゃ私達もテストしましょうか」シュゥン

烈風妖精「実戦テストにならなければいいけど」シュゥン

流星妖精「まぁ実戦テストの方がデータは取れるんですが…」シュゥン

彗星妖精「何事も無いのが一番だよね~」シュゥン




<System Pixy Standby>ピピッ!




サイファー「ちなみに聞くが、火気管制の類はどうなるんだ?」

烈風妖精「ほぼ従来通りよ。副座のシステムがこちらで動かせる分、ミサイルの切り替えはやりやすくなったけど」

サイファー「意思の疎通のみで完全に切り替えれるということか」

烈風妖精「そういうことよ。状況次第で最適だと思ったものに私達だけで切り替えることも可能よ」

サイファー「AMRAAMからサイドワイダーみたいにスイッチで切り替える必要が無くなったのは大きいな。空戦がより有利になる」

彗星妖精「やっぱり相変わらずの空戦バカだね~」クスクス

サイファー「やはり俺は空を飛んでいる方が性に合ってるってことだ。彩雲、輸送船付近に敵影は無いな?」

彩雲妖精「大丈夫よ。周囲に敵影無し。本土からの護衛艦隊も既に合流地点にいるわ」

サイファー「そろそろ防衛ラインだ。輸送船の近くを飛行して帰るぞ」


―機体を加速させ、輸送船に近づく―


サイファー(お前と飲む酒、楽しかったぜ。また飲み交わそうぜピクシー。それまで生き延びろよ)


―輸送船の方を向き、敬礼をしながら真横を通過していく。甲板には見送るようにストライクイーグルに向かって敬礼をしているピクシーがいた―


ピクシー(お前と過ごした毎日、楽しかったぜ。生き延びてまた飲み交わそうぜ、相棒)



キィィィィィィィン………



―――――
―――

―ブイン基地・ハンガー前―



扶桑「お帰りなさいサイファー提督」

妙高「無事に送り届けれたようですね」

サイファー「ああ。本土からの護衛艦隊との合流ポイントまでの護衛任務、終了だ」

青葉「久しぶりのイーグルでの飛行はどうでしたか?やっぱり震電Ⅱやスーパーホーネットとは違いますか?」

サイファー「C型よりは速度や旋回性能は若干劣るが、やはりイーグルはいいな。体によく馴染む」

青葉「C型は単座式ですけどストライクは副座ですよね。やりにくくなったとか無いんですか?」

サイファー「そのための妖精だ。むしろ単座式でやっていたミサイルの切り替えが楽になった分、タイムロスが短くなってやりやすくなったな」

青葉「つまり円卓の鬼神のパワーアップになったということですか?」

サイファー「そう捉えてもらっていい」

青葉「ふむふむ。ありがとうございました!よ~し!これで明日の一面は決まりですよー!」

サイファー「新聞を作るのはいいが、誇張表現をしすぎるなよ。そのせいで俺の所にちょくちょくクレームが来るんだからな」

青葉「?嘘は書いてませんよ?」

サイファー「時々表現が過激だと言ってるんだ。この前は矢矧が怒ってお前に対艦ミサイルを撃ちこめって言ってきたぞ」

青葉「……あ~!あれですかぁ」

サイファー「面白おかしくするのもほどほどにしとけ。でないとその内、俺のいないところでハープーンでも撃ちこまれるぞ」

青葉「あはは…。まぁ気をつけますね」

夕立「サイファー提督さん、副座ってことはこのイーグルに夕立も乗れるっぽい?」

サイファー「まぁ兵装システムは妖精達(あいつら)が管理するからただ乗るだけなら問題は無いが」

夕立「ぽい~!だったら夕立も乗ってみたいっぽい!サイファー提督さんと一緒に飛びたいっぽい!」

時雨「サイファー提督、僕も乗ってみたいな」

雷「私も乗ってみたいわ!むしろ兵装システムを任せてくれてもいいのよ?」

サイファー「ストライクイーグルはおもちゃじゃねぇんだぞ」

榛名「榛名、全力でサイファー提督をサポートいたします!」

金剛「サイファーテートクの後ろに座るのはワタシデース!」

翔鶴「円卓の鬼神の飛行を後ろから見られるなんて滅多にありませんから。よろしかったら是非私も乗せていただけませんか?」

愛宕「フレアを使ってぱんぱかぱ~ん!ってちょっとやってみたかったのよねぇ」

サイファー「お前らなぁ…」

妙高「はいはい。サイファー提督が困ってますからその辺にしておいてくださいね」

サイファー「助かるぜ、妙高」

妙高「サイファー提督との同乗を希望する方は要望書に書いて提出してくださいね。私も書きますので」

サイファー「妙高、お前もか!」

扶桑「ふふっ、それだけ円卓の鬼神の伝説が凄まじい証拠ですよ」

サイファー「だからってストライクイーグルをおもちゃにされちゃたまんねぇよ」

烈風妖精「サイファー、ストライクイーグルはハンガーに入れて整備するけど、この状況どうにかしときなさいよ。使うなら予備機でやってね」

サイファー「やらねぇっつうの。ほらお前ら、ストライクイーグルはこの基地に配備されていつでも見られるんだから散れ散れ!」シッシッ

金剛「Boo!サイファー提督はケチデース!」

サイファー「燃料代、お前の給料から差っ引くぞ」

金剛「Oh!それは困るネー」

雷「次にストライクイーグルでの出撃の時は私に声かけてね!」

青葉「記者特権で青葉も乗せてくださいね!」

サイファー「んなもんねぇよ!ほら帰った帰った!烈風達がこれから整備するんだから邪魔だろ」


―烈風妖精達がハンガーに運び入れる機材を出したのを目にした艦娘達は冗談交じりな文句を言いながらも解散していった―

サイファー「ったく、あいつら本当に…」

彩雲妖精「慕われてる証拠よ。艦娘がジェット戦闘機に興味を示すなんてまず他の基地じゃ無いことよ」

サイファー「それでおもちゃ扱いされちゃ堪んねぇんだけどな」

烈風妖精「それだけサイファーが興味を持たれてるってことよ。慕われてよかったんじゃなくて?」

彗星妖精「F-15E(この子)もまるで人気者になったみたいって内心喜んでるみたいだよ~」

流星妖精「悪い気はしないって感じですね」

サイファー「…やれやれ。とにかく初飛行だったから整備はいつもより念入りに頼むぜ」

烈風妖精「わかったわ」


―――――
―――

今回はここまでです
艦これは秋刀魚イベントで盛り上がってますが、自分はリアルフィッシングで太刀魚とアオリイカイベント真っ最中です
太刀魚もようやく指4本級が上がって刺身も視野に入る大きさが釣れだしたし

ではまた
ありがとうございました

再開します

―2ヵ月後―


―震電Ⅱのテスト任務を終えて2ヶ月を過ぎたある日、ある噂がサイファーの元に伝わった―


サイファー「バーサーカー…なぁ。なんなんだいったい」

鳥海「ある海域で最近たまに出現すると言われている正体不明の敵ですね」

サイファー「鹵獲任務の時に出た北方棲姫みたいな強力な深海棲艦なのか?」

鳥海「いえ、それが相手は敵味方問わず攻撃をしてくるそうです」

サイファー「正に狂戦士(バーサーカー)そのものということか。正体は判明してないのか?」

鳥海「戦闘機ということは判明してはいるんですが、バーサーカーが出現したら最後、艦娘も深海棲艦も全て撃沈されてしまって正体が不明なんです」

サイファー「その情報はどこから得た情報だ?」

鳥海「先日演習した他の基地の艦娘から得た情報です」

サイファー「しかしそれだけ被害が出ているなら大本営からなんらかの通達があってもいいはずなんだがな」

鳥海「大本営も調査中とのことみたいです。出くわしたら最後、撤退の余地も無く撃沈されてしまうらしく情報があまり入手できないようです」

サイファー「出現位置は特定出来ているのか?」

鳥海「大体は特定は出来ているのですが、完全な特定は出来ていませんね。出現位置が移動しているみたいでして」

サイファー「出現の予見が難しく、かつ逃げられない…か。ステルス機かもしれんな」

鳥海「しかし、艦娘はともかくとしましても、深海棲艦まで撃沈するのは通常の戦闘機では難しくありませんか?」

サイファー「確かにな。俺も妖精達(あいつら)のサポートが無ければまともに戦うのも困難だからな」

鳥海「サイファー司令官さんはあのシステムのおかげで深海棲艦とまともに戦っていますが、サイファー司令官さんのような事例が他にあるとは思えませんし」

サイファー「謎が謎を呼ぶ事件だな。第3勢力が出てきたと考えるべきか…」

鳥海「アークバードやストーンヘンジでもあればそうなのかもしれませんが、相手は戦闘機であったという情報がありますのでなんとも…」

サイファー「核ミサイルか。いや、核なら真っ先に判明するな。それに核を使用したとなればどの国も黙っていないはずだ」

鳥海「あくまで噂ですが、出現位置が徐々にこのブイン基地に近づいているみたいです」

サイファー「ここが目的地なのか、それとも通過点なのか。どちらにせよ防衛ラインに来るならば迎撃行動に移らんといかんな」

鳥海「基地周辺の防御を固めますか?」

サイファー「そうだな。念には念を入れておいたほうがいい。俺のストライクイーグルもいつでも発進できるようにしておこう」

鳥海「それこそ危険ではありませんか?相手は敵味方問わず攻撃してくる得体の知れない敵ですよ」

サイファー「だからこそだ。戦闘機を相手にするなら戦闘機だ。艦娘も深海棲艦も撤退の余地も無く沈められる相手ならば俺が相手をしたほうがいい」

鳥海「確かに今回の事件は戦闘機が相手ですし、サイファー司令官さんが一番適任ですね」

サイファー「それになにやら嫌な予感がするんでな。もしかすると俺の機体と同じ、もしくは似たシステムを使っているのかもしれんからな」

鳥海「本当はサイファー司令官さんには出撃してほしくないんですよ」

サイファー「本当にどいつもこいつも俺が出撃することには反対するんだな」

鳥海「それは当たり前ですよ。基地司令官なんですから」

サイファー「一応自覚はしているさ。けど今回ばかりは俺以外に適任者がいないな」

鳥海「…落とされないでくださいね」

サイファー「当たり前だ。傭兵は生き延びてなんぼだ。基地司令官のポジションにいてもそれだけは忘れるこたぁねぇよ」




knock knock



サイファー「入れ」



ガチャ



大淀「失礼します!サイファー提督、出撃していた艦隊が戻りました!損害は全員大破。相手は謎の戦闘機だったとの報告です!」

サイファー「バーサーカーか」

大淀「既にサイファー提督のお耳にも届いていましたか。十中八九バーサーカーで間違いないかと」

サイファー「しかし無事に帰投出来たのは不幸中の幸いだ。高速修復剤の使用を認める。全員をここに呼び出せ。事情を聞きたい」

大淀「了解しました。直ぐに使用し、召集します」




バタン




鳥海「恐れていたことが現実になってしまいましたね」

サイファー「そうだな。しばらくは出撃は控えさせ、防衛ラインの守備を固める。それより外の範囲の索敵は俺が行う」

鳥海「了解しました。各員に伝達します」

サイファー「頼んだ」


―――――
―――

サイファー「…つまり相手はステルス機だったということだな?」

翔鶴「はい。たまたま彩雲から目視で発見したとのことでしたので」

サイファー「よく逃げ切れたな」

青葉「もう必死でしたよ。たまたま近くに無人島がありまして、そこの森に全員身を隠してなんとか逃れました」

サイファー「艦娘でないと出来ないことだな。よく機転を利かせたな」

瑞鶴「もう少しで轟沈するところだったわ。ダメコン積んでなかったら確実に今頃海の藻屑ね」

古鷹「全員ミサイルの直撃を受けてしまいましたから。噂を聞いて念のためにと大和さんが用意してくれなかったら危なかったです」

夕立「すっごく痛かったっぽい」

サイファー「ちなみに発見した彩雲はどうなった?」

翔鶴「残念ながら全機撃墜されてしまいました」

サイファー「そうか。有力な情報は得られず…か」

翔鶴「申し訳ありません。しかし敵機の正体が判明しました」

サイファー「相手は何だ?ワイバーンか?それともファルケンか?」

翔鶴「それが…」

能代「相手は震電Ⅱとのことでした」

サイファー「なんだと!?震電Ⅱの量産型であるF-3はまだロールアウト以前の段階のはずだ!それがなぜ…」

能代「恐らくサイファー提督も搭乗した試作型ではないかと」

サイファー「だろうな。どれだけ試作機を用意したのか問い合わせる必要があるな。いつ作られたのが使用されているのかが判明すれば大きな手がかりになる。よくやってくれた」

翔鶴「いえ、彩雲達が必死に情報を送ってくれたおかげですから」

サイファー「ちなみにその時、付近に深海棲艦はいたか?」

瑞鶴「いたわ。彩雲はそれを発見して翔鶴姉の所に戻ってる最中に震電Ⅱに出くわしたのよ」

サイファー「深海棲艦は…どうなったか聞くまでもなさそうだな」

古鷹「相手も全員轟沈していました。レーダーに反応が完全に無くなってましたから」

サイファー「正に敵も味方も区別無しの狂戦士(バーサーカー)…か。しばらくはこの基地からの出撃は控え、基地の防衛に専念する。詳しい事は鳥海から聞いてくれ」

翔鶴「了解しました。後ほど今回のことをまとめた報告書を提出します」

サイファー「頼む」

瑞鶴「まさかとは思うんだけど、サイファー提督さん出撃する気?」

サイファー「今すぐにスクランブル発進というわけではないがな。相手が震電Ⅱとなればなお俺が相手をしないとダメだろうな」

青葉「流石に今回は誰も止められませんね。震電Ⅱを知り尽くしたサイファー司令官じゃないと相手にするのはちょっと難しいですね」

夕立「こればっかりは仕方ないっぽい~。でもサイファー提督さん、絶対に撃墜されたらダメっぽい!」

能代「せめて全力でサポートいたします。だから必ず無事に帰ってきてくださいね」

サイファー「ありがとうな。俺だって落とされるつもりなんてこれっぽっちもねぇからな」

サイファー「とりあえず有力な情報は得られたんだ。間宮の所にいってアイスでも食って少しでも気分をリフレッシュしてこい」

瑞鶴「サーンキュ!ありがたく頂くわね」

翔鶴「すみませんサイファー提督。お気を使わせたみたいで」

サイファー「なに、気にするな。たまたまとはいえ他の基地では撃沈された者も出ているんだ。無事に帰ってきた祝いとでも思って受け取れ」

夕立「ぽい~!サイファー提督さん、ありがと~!」




バタン




サイファー「バーサーカーの正体が震電Ⅱとはな。まさか…いやそんなはずはないと思うが…」


―――――
―――

―艦隊がバーサーカと遭遇、大破させられた事件から1週間が過ぎたー


サイファー「そうか。…ふむ……了解した。また何かわかったら連絡をくれ」ガチャン

長門「何かわかったのか?」

サイファー「ああ。嫌な予感の一つが当たっちまったよ」

長門「嫌な予感の一つ?なんだそれは?」

サイファー「バーサーカーが乗っている震電Ⅱだ。そいつが俺が実戦テストで使っていた震電Ⅱで間違いないんだとよ」

長門「なっ!?しかしあれはテストで得たデータを取るために製造元に送り返されたのではなかったのか!?」

サイファー「妖精達を搭載して深海棲艦に対抗した唯一の震電Ⅱだからな。飛行データ以外のデータを取得するために研究機関に送られたんだとよ」

大淀「しかし、システム自体はアンインストールしたとおっしゃっていませんでしたか?」

サイファー「ああ。どうやって復旧したのか、それとも別の似たようなシステムを構築したのかはわからんが、送られた先が鹵獲した艦載機を解析している機関だとな」

長門「だとするともしかすると…」

サイファー「当たってほしくはないんだがな。俺が使えるのはあいつらと意思の疎通が出来るからだからな」

大淀「大本営は研究機関に問い合わせているんでしょうか」

サイファー「それが報告を受けて調査してから問い合わせているらしいが、のらりくらりとかわされているんだとよ」

長門「だったら直接監査に行けばいいのではないのか?」

サイファー「管轄が違って一筋縄ではいかんようだ。国家機関ともなると『はいそうですか』とすんなりいかんもんだからな」

長門「っええい!なんともどかしい!」

サイファー「落ち着け。情報が内閣にまで正確に伝われば政府から直々に監査命令が下るだろう。それまでは俺達に出来ることをやるだけだ」

長門「くそっ!我々は何も出来んというのか…」





knock knock




サイファー「入れ」




ガチャ




鳥海「防衛部隊から入電です!基地の沖合いで空戦が行われている模様!編隊は味方識別信号を出しているのとことです!」

サイファー「編隊が相手しているのは特定出来ているのか?」

鳥海「詳しくはわかりませんが、1機を追撃しているようです。恐らくは…」

サイファー「大淀、この付近で演習が行われる予定はあったか?」

大淀「いえ、そのような予定があることはこちらには情報として入ってきていません」

サイファー「バーサーカーが出てきたか。防衛に回っている艦隊を下げろ!ストライクイーグルで出る!」

大淀「了解しました!」

サイファー「対空特化の艦娘は艤装を完全対空仕様に換装後、最終防衛ラインで待機!他の者は港で待機だ!」

長門「了解した!全員に通達する!サイファー提督、気をつけてくれ」

サイファー「ああ。出撃するぞ!」


―――――
―――

サイファー「ちっ!編隊の数が減っている。落とされたか」

烈風妖精「急いだほうがいいわね。高度制限解除と同時にシステム起動するわよ」

サイファー「ああ、頼む。もう1つ嫌な予感がするからな。ただの戦闘機を相手するなら俺だけでいいが…」

大淀『サイファー提督、防衛ラインにいた部隊は全て帰投しました!』

サイファー「疲れているところ悪いが、艤装を換装後に即待機させてくれ」

大淀『了解しました!』


サイファー「離陸開始地点到達。大淀!」

大淀『進路クリア!サイファー提督、発進どうぞ!』

サイファー「ストライクイーグル、出るぞ!」ヒュィィゴォォォォォ

大淀『サイファー機、高度制限を解除します!くれぐれも無理はなさらないでくださいね』

サイファー「わかっている…が、ここは無理をするタイミングだな」




<System Pixy Standby>ピピッ!





彩雲妖精「さっきから気になることがあるわ」

サイファー「なんだ?」

彩雲妖精「同化前だからよくわからなかったけど、敵機の反応が増えたり減ったりしてるのよ」

サイファー「敵は1機じゃないということか?」

彩雲妖精「わからないわ。けど私達に感知出来るものだから普通とは違うなにかでしょうね」

サイファー「何かを隠し持っている可能性があるということか。急ぐぞ!」


―――――
―――

今回はここまでです
ドタバタ劇(?)を書いた後だとシリアスがよく書ける気がします
下書きにメモ帳を使っていてチャプター毎にファイル分けしてますが、このチャプター長ぇ…
もう少しチャプタイ違ったのにすればよかったかもと若干後悔。反省はしてませんが

ではまた
ありがとうございました

再開します

サイファー「レーダーから味方機の反応が…!?くそっ!間に合わなかったか!」

流星妖精「まだパイロットは存命かもしれません。基地のみんなに救護を要請しましょう!」

サイファー「そうしたいのはやまやまだが、今あいつの近くに来させる訳にはいかん。犠牲が増えるだけだ」

流星妖精「しかし…!」

烈風妖精「サイファーの言うとおりよ。ここで艦娘を前に出せば今度こそ撃沈されかねないわ」

流星妖精「見捨てるしかない…んですね」

サイファー「上手くベイルアウト出来ていれば戦闘終了までは持ちこたえられる。問題はベイルアウトするだけの余裕があったかだがな」

彩雲妖精「サイファー!ミサイルの射程内よ!」

サイファー「ここでみすみす逃がしはしない!AMRAAM Fire!」バシュゥゥン


―サイファーの発射したAMRAAMはバーサーカーの震電Ⅱを目標に捉えるも回避された―


烈風妖精「ダメね。避けられたわ」

サイファー「震電Ⅱの機動性を考えればこの距離からなら避けられるだろうな」

烈風妖精「有視界戦闘は避けたかったわね」

サイファー「あの機動性はあまり相手したくないがな。…なんだ?通信!?」ザザッ


バーサーカー『わざワざ出向いテくれたノかい?サイファー、いヤ円卓の鬼神さんヨ』

サイファー「俺の使ってた震電Ⅱで何故味方を殺す!?何が目的だ!?」

バーサーカー『理由?ハッ!んナもん気持チ悪ぃからに決マってんだロウが!』

サイファー「そんな個人的な理由で戦場を引っ掻き回してるって言うのか!?」

バーサーカー『あアそうダ!海の上ニ人が立ってんダぜ?人間じャねぇだろぅガよ、深海棲艦モ艦娘も!だカら化物退治しテンだよ!』

サイファー「どうやって深海棲艦まで撃沈した!?あれは通常では不可能なはずだ!」

バーサーカー「お前ハ妖精を味方に付ケテ戦ってルんだったな。だったラ判るんジャねぇのか?」


―その時、1機の戦闘機が本土方面からバーサーカーに向かって飛来してきた―


ピクシー『ようやく見つけたぜ!てめぇが敵味方お構いなしに殺しまわってるバーサーカーだな!?』

サイファー「ピクシー!?」

ピクシー『よぅ相棒、まだ生きてるか?生きてるならこいつをさっさと落としちまおうぜ!』

サイファー「お前、その機体を何処で!?」


―レーダーに映るピクシー機はADFX-02と表示されていた―


ピクシー『ちょっくらツテでな。こいつは悪さをしすぎだ。こいつにゃこれぐらい必要と判断したから持ってきたんだ』

バーサーカー『まサか片羽の妖精まデ出てくるトはな!丁度いイ、何故俺ガ深海棲艦マで沈めらレるか見せテヤるよ!』

ピクシー『周囲に味方の反応は無いな。MPEMを使う!巻き込まれるなよ、相棒!?』カチッ


―モルガンから散弾ミサイルが発射されバーサーカーの震電Ⅱを襲う。しかしバーサーカーは高度を上げようともせず、避けようともしない―


バーサーカー『お前ラのおかげで俺はこノ力を手ニ入れた!感謝すルゼぇ!』

彩雲妖精「!?サイファー、ダメ!急速旋回して!」

彗星妖精「ちょっとこれはシャレにしては笑えないよ!?」




<Warning! System Elf Sensed>ピピッ




サイファー「システム…エルフ!?」

バーサーカー『サあ、俺を守レ艦載機ドも!』


―震電Ⅱの通常爆弾の投下口から投下された爆弾がクラスター弾のように炸裂。中からは小型の爆弾ではなく深海棲艦の艦載機が多数現れ、震電Ⅱを守るように位置を取った―


ピクシー『なんだと!?深海棲艦の艦載機を持ってやがるのか!?』


―空中で炸裂したMPEMはそのまま震電Ⅱから発射された艦載機に命中。深海棲艦の艦載機に守られ震電Ⅱは無傷に終わる―


サイファー「離脱しろピクシー!やつの機体からシステムエルフを感知した!恐らくだがそれが深海棲艦まで沈めたシステムだ!」

バーサーカー『もウ遅い!落ちロっ!』


―続けざまに艦載機を発射する震電Ⅱ。発射された艦載機がピクシーを目掛けて飛行する―


ピクシー『下から!?この俺とモルガンを舐めんなっ!TLS Fire!』カチッ


―モルガンから照射されたTLSが向かってくる艦載機を落としていくが、それでもなおピクシーに向かって飛来する―


ピクシー『こいつら、避けようとしねぇ!まさかカミカゼアタックする気か!?』

サイファー「くそったれ!烈風!」

烈風妖精「全ては落としきれないわ!」

サイファー「それでもあいつのダメージを最小限に食い止めるんだ!サイドワインダー、Fire!」バシュバシュゥゥン

彩雲妖精「サイファー!ロックされてるわ!」

バーサーカー『余所見してタらお前が落チるぜ、円卓の鬼神さんヨォ!』バシュゥゥン

サイファー「ちぃっ!」グィィ


―震電Ⅱから発射されたミサイルを寸でのところで回避に成功。一方、発射されたサイドワインダーが艦載機を捉え撃墜するも残りがモルガンに向かう―


ピクシー『ざっけんじゃねぇぞぉ!』ドガガガガ


―TLSの連続照射時間が終わり、機銃で対抗するも艦載機はモルガンに体当たり。そのダメージは右翼を破壊するまでに至りモルガンはバランスを崩し高度を下げていく―


ピクシー『くそっ!翼ふっ飛ばしやがった!流石にこいつはやべぇな』

サイファー「ピクシー!そのままブイン基地の方角へ飛べ!最終防衛ラインには艦隊が居るから拾ってもらえ!」

バーサーカー『行かセるかよ!』

サイファー「お前の相手は俺だ!」ドガガガガ

バーサーカー『…当てテきやガったな!流石だゼ。それでコそ倒し甲斐がアるってもンだ!』

サイファー「摩耶!聞こえてるな!?ピクシーが被弾してそっちに向かっている!ベイルアウトしたピクシーを救出してブイン基地に運ばせろ!」

摩耶『ピクシーさんだって!?わ、わかった!基地にも連絡しとくぜ!』

ピクシー『悪ぃな、嬢ちゃんたち。戻ってきて早々また世話になるぜ。出来ればこのモルガンも運んでくれると助かるんだがな』

摩耶『やってみっけど、あんまし期待すんじゃねぇぞ』


―ピクシー撃墜により戦線離脱。サイファーとバーサーカーの一騎打ちとなった―


バーサーカー『お前にハこういう使い方は出来ネぇだろ!?行け、艦載機どモ!』

サイファー「あんまり俺を舐めるなよ!?サイドワインダー、Fire!」バシュゥゥン


―――――
―――

―ブイン基地―


大和「ピクシーさん、大丈夫ですか!?」

ピクシー「ああ、なんとかな。しかしあいつはやっかいだぞ!まさかモルガンで落とされるとは思ってなかったぜ」

大鯨「すぐに手当てをします!こちらに!」

ピクシー「いや、大丈夫だ!この程度なら問題ねぇ!それよりハンガーに行かせてくれ!」

鳳翔「なにをなさるつもりですか!?」

ピクシー「あいつのストライクイーグルと同時に配備された予備機を使わせてもらう!」

大鯨「ダメですよ!その怪我で戦闘をするのは無茶です!」

ピクシー「やつは爆弾の投下口から艦載機を発射させやがった!サイファー機には無ぇシステムだ!このままじゃあいつが不利だ!」

鳳翔「ではせめて正規空母の皆さんに応援を要請します。ですからピクシーさんは治療を受けてください」

ピクシー「艦娘は出すのはダメだ!やつのミサイルの餌食になるだけだ!」

鳳翔「しかし…!」

大和「…わかりました。ストライクイーグルの使用を許可します」

ピクシー「サンキュー。悪ぃな、面倒かけちまってよ」

大和「しかしそのままでは許可出来ません。せめて応急処置だけは受けてください。それが条件です」

ピクシー「…わぁったよ。急いでくれ」

大和「鳳翔さん、大鯨さん、手が空いている艦娘(ひと)達も呼んで至急ピクシーさんの応急処置をお願いします」

鳳翔「わかりました」

大鯨「すぐに治療しますので待っていてくださいね」

ピクシー(無事でいろよ、相棒。俺もすぐに行くからよ)


ザッザッザッザッザッ


ピクシー「ん?」


―ピクシーが足音のする方向に目を向けると、そこには4人の妖精がいた―


ピクシー「なんだ?監視か?ちゃんと応急処置は受けるから心配すんなって」

紫電妖精「…このまま再出撃なさる気ですか?」

ピクシー「どういう意味だ?」

天山妖精「相手はサイファーと正反対ながら同じようなシステムを搭載してるんだよね?」

瑞雲妖精「このまま向かってもまた餌食になるだけよ。もうあのモルガンみたいにレーザーは撃てないんだから」

ピクシー「艦載機は相手できねぇかもしれねぇけど、本体なら相手は出来るはずだ。深海棲艦の艦載機でもなんでもねぇ、まぎれもねぇ震電Ⅱだからな」

景雲妖精「到達出来れば落とせるでしょう。けどそれには艦載機の壁が立ちふさがるわ」

ピクシー「なにもしねぇよりはマシだ。このままバーサーカーをほっとくわけにはいかねぇからな」

紫電妖精「陸軍としての意地…ですか?」

ピクシー「いや、そんなんじゃねぇ。あいつは危険すぎるんだ。艦娘と深海棲艦にだけに牙を剥いている存在に終わるとは到底思えねぇ」

瑞雲妖精「今度こそ死んじゃうかもしれないわよ!それでもいいの!?」

ピクシー「俺の命と引き換えにあんな危なっかしいやつを倒せるんなら安いもんだろ?それにここにはサイファーもいる」

景雲妖精「覚悟は…あるのね?」

ピクシー「ああ」

紫電妖精「なら私達が力をお貸します」

天山妖精「サイファーを司令官として認識してるから成功するかわかんないけどね」

景雲妖精「このまま見殺しにしたら夢見が悪いもの」

ピクシー「俺に…使えるのか?相棒と同じ力が…?」

瑞雲妖精「やってみないとわからないけどね。どうするの?」

ピクシー「…乗ったぜ、その賭け。頼む!」

紫電妖精「わかりました。手を出してください」

ピクシー「ああ。これでいいか?」スッ

天山妖精「ちょっとフワッとするかもだけど集中してね」

景雲妖精「行くわよ」





カッ!





武蔵「な、なんだ!?なんの光だ!?」

陸奥「ピクシーさんのいる方角からよ!?」

羽黒「あの光ってもしかして…」

伊168「嘘っ!?だってここはサイファー司令官が提督やってるのよ!?」


―覚悟を決めたピクシーの平和への信念が奇跡を起こした。ピクシーもまたサイファー同様、妖精に認められ提督としての資質を完全に開花させた―


瑞雲妖精「なんとかなったわね。成功よピクシー、いやフォルク提督、おめでとう!」

天山妖精「案外なんとかなるもんだねぇ!正直ビックリだよ」

ピクシー「フォルク提督…か。むず痒いな。相棒の気持ちがよくわかったぜ。俺のことはピクシーでいいぜ」


タッタッタッタッタッ


大鯨「な、なんの光ですか、さっきのは!?」

明石「ピクシーさん、何か異常事態でも!?」

ピクシー「いや、大丈夫だ。俺も妖精達(こいつら)に認められたってことだ。それより早いこと応急処置を頼むぜ」

夕張「わかったわ!すぐに取り掛かるからじっとしててね!」

鳳翔「ピクシーさんもサイファー提督と同じ力を得たんですね」

ピクシー「そうなるんだろうな」

景雲妖精「ピクシー、ストライクイーグルは烈風達もほとんど手を付けてなかったからシステムが構築されてないわ」

紫電妖精「ですからスーパーホーネットを使います。あれならすぐに使えますので」

ピクシー「わかった、用意しておいてくれ。すぐに発進するからな」

紫電妖精「了解しました!」

ピクシー「鳳翔、すまねぇけど大和に伝えておいてくれねぇか。イーグルじゃなくてホーネットを使うってな」

鳳翔「わかりました。お伝えしておきますね」

ピクシー「わりぃな。ってててて!もうちっと優しくやってくれてもいいんじゃねぇか?」

夕張「ごちゃごちゃ言わないの!提督になったんだったらこれぐらい我慢して!」

ピクシー「扱い悪くねぇか?」

明石「我慢してください。っと、出来ました!あくまで応急処置ですので無理はなさらないでくださいね。それと帰投したらきちんと治療を受けてくださいね」

ピクシー「わぁったよ。ありがとな!少しはマシに動けるぜ!」

大鯨「それとこちらの痛み止めを飲んでおいてください。眠くならないタイプですから」

ピクシー「何から何までありがとうな。ラリー・フォルク、出撃する(出る)ぞ!」


――――――

サイファー「戦闘機が艦載機を発進させるとか卑怯だろこいつはよ」

烈風妖精「流石にこれは私達も想定外ね。けど現実は現実ね。なんとかしないとジリ貧よ」

サイファー「ミサイルは節約しないと…な!」ドガガガガ


―震電Ⅱから発射された艦載機を機銃で撃墜していくサイファー。しかしその間にもバーサーカーから狙われ続ける故に全てを落とすわけにはいかなかった―


彩雲妖精「照準を受けてるわ!」

サイファー「ちっ!」クィ

バーサーカー『いツマで逃げ回れるカ?そンなに振り回しテタら燃料がもタネぇぞ?』

彩雲妖精「!?サイファー、方位210に反応が!」

流星妖精「これは…深海棲艦です!」

サイファー「やっかいなタイミングで現れてくれるな。艦種はわかるか!?」

彩雲妖精「空母がヲ級1、ヌ級1、重巡リ級1、軽巡ト級2、それと…空母棲鬼よ!」

サイファー「空母棲鬼だと!?何故こんなことろに!」

彩雲妖精「深海棲艦から発艦が確認されたわ!こっちに来るわよ!」

サイファー「バーサーカー!今は俺達がやりあってる場合じゃない!深海棲艦が来やがったぞ!」

バーサーカー『ハンッ!あいツラが到達すル前にお前を落トスまでだ』

サイファー「聞く耳持たずかよ!」


―深海棲艦側から発艦された艦載機が戦闘距離に近づいた―


サイファー「本体から沈める!彗星!」

彗星妖精「対艦ミサイルは節約するんだよね?SLAMで行くよ~」

サイファー「1発で決めろ!SLAM Fire!」バシュゥゥン


―発射された対地ミサイルSLAMは艦載機群を抜け空母ヲ級に向かい、命中。空母ヲ級を撃沈する―


彩雲妖精「艦載機、来るわ!」

サイファー「邪魔だ!落ちろ!」ドガガガガ

彗星妖精「ちょっとまずいね。フレア、使うよ~!」


―深海棲艦側の艦載機がサイファーに立ちはだかる。しかし一部はバーサーカーにも向かっていった―


バーサーカー『邪魔すンな!艦載機どモ、こいつラヲ相手しテやれ!』

流星妖精「同士討ち!?艦載機同士が闘りあってますよ!」

サイファー「露払いしているだけだろう。烈風!」

烈風妖精「今狙っていいのかしら?」

サイファー「深海棲艦なら艦娘でも相手は出来る!なら奴から落とすまでだ!」

烈風妖精「わかったわ。照準をお願い」

サイファー「…ロックした!AMRAAM Fire!」カチッ

烈風妖精「行きなさい、AMRAAM」バシュゥゥン

バーサーカー『こノ状況でよクやるっ!雷撃機発射ダ!』


―爆弾投下口から投下された爆弾から雷撃機タイプが出現。チャフの代わりとなりAMRAAMの直撃を受け全機爆散―


バーサーカー『あ~ア、もっタイねぇなァ。お前ラのせイデ変なタイミングで使っチマっただろうがよ!化物は化物らシク沈んでロヨなぁ!』バシュバシュゥゥン


烈風妖精「深海棲艦に向かって発射した!?本当に深海棲艦の味方じゃないのね」

サイファー「こっちの味方でもないのが辛いところだが…な!」ドガガガガ


―震電Ⅱから発射されたASM-3とALFIREが深海棲艦に向かって発射され、軽空母ヌ級が撃沈。空母棲鬼が大破した―


空母棲鬼『返セッ!オ前達ガ奪ッタ我々ノ、ソシテホッポカラモ奪ッタ艦載機ヲ返セッ!』

バーサーカー『しブテぇな!そんナに北方棲姫が恋しイナら同じ所に送っテヤるよ!』

サイファー「お前が余所見をしている場合ではないぞ!」ドガガガガ

バーサーカー『チッ!左翼に被弾しタか。流石ハ円卓の鬼神だな。よく見エてやガる』

サイファー「引けっ!深海棲艦ども!今俺とバーサーカーを相手したところで無駄死にするだけだ!」


――――――

ピクシー「スーパーホーネットなんて久しぶりだな。ライセンス取っといてよかったぜ」

紫電妖精「高度制限を解除と同時に機体にアクセスします。上手くいけば即座にシステムが起動出来るはずです」

ピクシー「相棒の機体だからな。案外頑固かもしれねぇぜ」

天山妖精「けどその本来の持ち主がピンチだから力は貸してくれると思うよ」

ピクシー「頼りにしてるぜ。離陸開始地点到達、大淀!」

大淀『滑走路クリア!離陸開始よし!ピクシーさん発進どうぞ!』

瑞雲妖精「初陣よ!かっこよく決めちゃって!」

ピクシー「初陣…か。そういやそうなるんだな。今行くぜ、相棒!ピクシー、スーパーホーネット、出るぞ!」ヒュィィゴォォォォォ



大淀『ピクシー機、高度制限を解除します!ピクシーさん、サイファー提督をお願いします!』

ピクシー「あぁ、任しときな!」

紫電妖精「…アクセス完了!いけます!」

天山妖精「この子も戦況をよく見えてるみたいだねぇ」シュゥン

瑞雲妖精「流石サイファーの機体だけあって、期待を裏切らないわね」シュゥン

景雲妖精「持ち主に似るものよ。サイファーは恐ろしいまでに戦況を見極めるもの」シュゥン

紫電妖精「全面協力してくれるみたいです。ピクシーさん、間違ってもこの子を落とさないでくださいね」シュゥン




<System Pixy Standby>ピピッ!




ピクシー「こんな表示がされるんだな。なんか名前を呼ばれてるみたいな気分だぜ」

景雲妖精「あなたは片羽の妖精でしょ?システムとTACネームが一緒だからって本当に片羽を落とさないでちょうだいね」

ピクシー「んなつもりはねぇっつうの。急ぐぞ!」


―――――
―――

今回はここまでです
どこかでハロウィンネタを突っ込んだほうがいいんでしょうか
少なくともこのチャプターが終わるまでは突っ込めませんが。突っ込んだら空気台無しだし
小ネタ1つも同時進行で書き上げているので、このチャプター終わりで突っ込む予定です
ハロウィンネタ、書けるかなぁ

ではまた
ありがとうございました

再開します

サイファー「ちっ!母艦は無力化したとはいえ艦載機どもが邪魔だ!」

烈風妖精「無力化しただけでは弱体化は始まらないわ!機銃で応戦するしかないわ!」

サイファー「しかしやつは恐らく司令塔になっているはずだ!引かせるためにも沈めるわけには…」

バーサーカー『うっとオシいハエ共が!そんナに落ちタきゃ母艦を沈メてやるヨ!』

彗星妖精「ダメ!サイファー、バーサーカーが空母棲鬼を狙ってる!」

サイファー「やらせるかよ!サイドワインダー、Fire!」バシュゥゥン

彩雲妖精「サイファー!直上!」

サイファー「ちっ!」クィ


―直上にいた艦載機からの機銃攻撃。これを回避するが、機体にわずかな損傷を受ける―


サイファー「右翼に掠ったか!?だがこの程度なら!」

流星妖精「サイファー、大丈夫ですか!?サイファーが被弾するなんて」

サイファー「俺だって人間だ。回避しきれないものぐらいはある。だがこのままではまずいな」


バーサーカー『鬼神まデとことん邪魔をすルか。だったら…』


―震電Ⅱに爆弾投下口が開き、艦載機の発射準備に入る―


バーサーカー『まとメテ片付ケろ!行け、爆撃機どモ!』

サイファー「やつめ!艦載機を発射しやがったか!」


―艦載機が入ったクラスター爆弾が投下された。艦載機が発射のために破裂しようとしたその時…―




フォォォォォン



ドォォォォン




サイファー「対空ミサイル!?誰だ!?」

ピクシー『いい狙いだったぜ。完璧なタイミングだ』

サイファー「ピクシー!?お前、そのスーパーホーネットは…」

ピクシー『よぅ相棒、まだ生きてるか?ちょっと機体借りてるぜ』

バーサーカー『死に損ナいの片羽が!やツを落トせ!』

サイファー「お前じゃ艦載機の相手をするのは無理だ!離脱しろ!」

ピクシー『まぁ見てなって。紫電!よぉく狙えよ!?AMRAAM Fire!』バシュバシュゥゥン


―AMRAAMを2発発射し艦載機を撃墜。続けざまに機銃を発射し戦闘機タイプの艦載機を撃墜していく―


サイファー「紫電だと!?お前、まさか…!?」

ピクシー『俺もお前みたいに認められたってこった。艦載機と深海棲艦の相手は俺がする!サイファーはバーサーカーを!』

サイファー「ああ。頼んだぞ!」

バーサーカー『忌々シイ連中メ!私達ヲ落トシタダケデハ物足リント言ウノカ!?』

サイファー「!?奴の口調が…?」

ピクシー『大方完全に意識が乗っ取られたってところだろうよ。深海棲艦の力なんか無暗に使うからこうなるんだ』

サイファー「使い方を間違った武力などただの暴力に過ぎんというのに!」

ピクシー『ギャラリーにはご退場いただこうぜ!天山!狙いはわかってるよな?ハープーン、Fire!』バシュゥゥン


―ピクシーの放ったハープーンミサイルが重巡リ級に命中し撃沈。軽巡2隻に撃沈寸前の空母棲鬼はもはや勝ち目が無いと理解したのか、戦意は喪失していた―


サイファー「!っここだ!烈風!」

烈風妖精「確実に当てるわ!」

サイファー「サイドワインダー Fire!」バシュゥゥン


―サイファーの放ったAMRAAMがバーサーカーの尾翼に命中。震電Ⅱはバランスを崩し高度を落としていく―


バーサーカー『オノレッ!オノレェェェェ!!』

ピクシー『艦載機共は粗方片付いたぜ!あとはそいつだけだ!』

バーサーカー『こウなったら一時離脱しテ体制を…ネ、燃料切れダと!?』

ピクシー『バーサーカーの動きがさらに鈍くなってやがる!?』

サイファー「俺達と闘りあう前にも戦ってたんだ。恐らく燃料切れだ。力に溺れ自分自身が見えなくなったツケが回ってきただけだ!」

ピクシー『だからってこのまま見逃すわけにもいかねぇよな』

サイファー「当然だ。償いは受けされる!烈風!」

烈風妖精「意図は理解してるわ」

サイファー「なら良し!AMRAAM Fire!」バシュゥゥン


―サイファーの放ったAMRAAMは震電Ⅱのエンジン部を直撃。機体は制御を完全に失い墜落していく―


ピクシー『バーサーカーは片付いたな。けどあいつらはどうする?』

サイファー「聞こえているなら今は引け!もはや勝ち目はないことは見えているだろう!?」

空母棲鬼『コレデ勝ッタト思ウナ!私達ハオ前達ノシタ事ヲ忘レハシナイ!覚エテイロ、人間ドモ!』


―空母棲鬼はそう言い残すと軽巡ト級2隻を引き連れて戦線を離脱していった―


ピクシー『やれやれ。これで一段落だな』

サイファー「いや、まだだ。最終防衛ラインの艦隊全員に告ぐ。震電Ⅱが墜落した場所の周辺を捜索だ!パイロットを見つけ次第拘束し、基地に連行しろ!」

摩耶『りょ、了解!戦闘は終わったのか!?』

サイファー「ああ。一先ずはミッション終了だ。だがまだやることが残っている。奴から情報を引き出す必要がある」

時雨「サイファー提督は無事なのかい?」

サイファー「少し被弾したが問題無い。周辺の警戒は俺とピクシーで行う。艦隊は全員前進だ!」


『了解!』


―――――
―――

―ブイン基地―


大和「お疲れ様でしたサイファー提督。お怪我はありませんか?」

サイファー「ああ。俺は問題無い」

雷「機体に少し傷があるわ。まさか被弾したの!?」

サイファー「避け切れなくて少しな。掠った程度だ」

扶桑「そんな…!サイファー提督に当てる相手だったなんて」

サイファー「あの状況じゃ完全に避けようとすればGで意識が飛びかねんかったからな。最低限のダメージに抑えるしかなかったんだ」

阿賀野「どんな修羅場潜り抜けたのよ、サイファー提督さん」

サイファー「機体は壊れても直るんだ。肉を切らせて骨を絶つと言うだろ?」

那智「切らせた肉が物凄く浅い気がするがな」

矢矧「サイファー提督が敵だったら本当に洒落にならないわね」

大和「ところでピクシーさんはどちらに?」

サイファー「まだ周辺の警戒に当たっている。俺は燃料の関係で先に帰投せざるえなかったからな」




タッタッタッタッタッ




大淀「サイファー提督!艦隊が無人島の浜で震電Ⅱを発見したとのことです!」

サイファー「そうか。震電Ⅱを引っ張ってこれるなら持って帰ってこさせてくれ。残りは引き続きパイロットの捜索を続けされるんだ」

大淀「そ、それが…パイロットが…」

サイファー「パイロットがどうした?」

大淀「パイロットはベイルアウトせずに震電Ⅱのコックピットに残っているそうです」

サイファー「ベイルアウトは出来るように落としたはずだ。狙いがわずかにずれたか?」

烈風妖精「それはないわ。あの位置に命中したらベイルアウトは可能のはずよ。寸分の狂いも無く命中させたもの」

大淀「パイロットの意識は不明。どうされますか?」

サイファー「…現場の人数を増員して基地まで運べ。空母の連中とピクシーで空から、残りは周辺から警戒しつつ運ばせろ」

大淀「了解です!」




タッタッタッタッタッ…




扶桑「どう思われますか?サイファー提督」

サイファー「奴は深海棲艦の艦載機に意識を乗っ取られた。これ以上無様な姿を晒すならいっそ死を選んだのかもしれん」

電「ベイルアウトしないまま墜落したらどうなるのです?」

サイファー「普通なら海面に叩きつけられて即死だ」

潮「そんな…。どうにかならなかったのですか?」

サイファー「普通ならエンジンが止まって高度が落ちて墜落すると判明した時点でオートで作動するはずなんだがな。奴のシステムがそれを許さなかったのかもしれんな」

高雄「…悲しいですね」

サイファー「力に溺れ暴走した者の末路といったところだろう。自分の正義を信じることと、自分の正義を振りかざして巻き込むことは一見すると似ているが意味が違う」

大和「私達もこの力に溺れないようにしないといけませんね」

サイファー「当然だ。武器は相手を殺すための道具だが、使い方さえ間違えなければいくらでも助ける道具に変わる。それを今一度よく頭に叩き込んでおけ。そして絶対に忘れるな」


『はい!』


―――――
―――

―1時間後―


―震電Ⅱを引き連れた艦隊が帰投し、港に震電Ⅱが引き上げられた―


サイファー「確かに中にパイロットがいるな」

ピクシー「引っ張ってる最中も全く動く気配は無かったぜ。流石にベイルアウトせずに墜落したんだ。生きちゃいねぇだろうな」

サイファー「……」

ピクシー「お、おいサイファー!」

大淀「き、危険です!近寄っては…!」



カチャッ…ピッ プシュー



サイファー「電気系統はまだ生きていたな」

大和「サイファー提督!離れてください!何が起きるかわからないんですよ!?」

流星妖精「大丈夫です。サイファーは直感で感じ取ったのだと思います」

彗星妖精「もうこの震電Ⅱ(子)に何かを仕掛ける力は残ってないってね」

サイファー(やはり死んだか?海面に叩きつけられてしまえば仕方なし…か)

バーサーカー「…ゴホッ!…ゲホッ!」

サイファー「!?」

ピクシー「おいおい、嘘だろ!?」

武蔵「なんという生命力だ」

妙高「普通じゃありえませんよ」

霧島「なんてことなの!?これだけの損傷を受けるほどの衝撃を受けてまだ生きているなんて!」

サイファー「お前がバーサーカーで間違いないな?」

バーサーカー「ああ…。間違いなく…お前と闘ったパイロット…だ…」

サイファー「とりあえず医療機関で治療を受けてもらう。尋問はそれから始めさせてもらう」

バーサーカー「へへっ…。残念だが…ゴホッ!…そうもいかねぇみてぇだ。流石に…限界だ。なんで生きてんのかすらわかんねぇんだ」

サイファー「…どうして艦娘を沈めた?」

バーサーカー「だってよ…。悔しいじゃねぇか。ゲホッゲホッ!俺達大の大人の男が年端もいかねぇような女に守られてんだぜ?」

サイファー「だから沈めたというのか!?」

バーサーカー「沈める気なんて無かったさ。けどよ、頭ん中にずっと聞こえ続けんだぜ?あれは敵だ。沈めるべき敵だってよ」

サイファー「艦載機の声…か」

バーサーカー「けどよ、俺だって軍人だ。ゴホッ!…深海棲艦を…敵を沈めるのが任務だ。だから俺は声に逆らい続けた。けど完全には逆らえなかった」

サイファー「何故深海棲艦の技術を転用しているとわかっていて、なおこの震電Ⅱに乗り続けた?」

バーサーカー「俺は力が欲しかった…。艦娘に…ゲホッ!艦娘に頼らねぇで国を守れる力を…」

サイファー「制御しきれない力とわかってもか?」

バーサーカー「深海棲艦を沈めることに成功して浮かれちまったんだ。その結果が…これだ」

サイファー「お前の業が招いた結果か」

バーサーカー「そう…だな。俺がやっちまったことだな。サイファー、上層部に気をつけろ。あいつらは俺達も艦娘も…ゴホッ!ゴホッ!ゲホッ!」

サイファー「お、おい!しっかりしろ!」

バーサーカー「研究所の奴らはまだなにかをやるつもりだ。頼む…。やつらを止めてくれ。円卓の鬼神のあんたなら出来るだろ?」

サイファー「…わかった。約束しよう。俺がそいつらの陰謀を止めてみせる」

バーサーカー「頼んだぜ…。俺が出来なかったことを…あんたに…」ガクッ

バーサーカー「」

サイファー「………」

ピクシー「サイファー…」

サイファー「」フルフル

ピクシー「そうか…」

サイファー「大淀、このパイロットを運ぶ。せめて肉親の下へ返してやろう」

大淀「了解しました。身元の調べ、手続きしておきます」

サイファー「明石、夕張、この機体は証拠になる。厳重に保管の上、暴走しないよう封印しておけ」

明石「了解です!」

夕張「武装の類は全部外しておくわ。妖精さん達の手も借りるわね」

サイファー「頼んだ」

大和「結局、彼も犠牲者だったのでしょうか…」

サイファー「そうとも言えるし、そうでないとも言える。結局は己自身を見失って暴走した結果だ。自分を見極めていればどちらにもならなかったかもしれん」

扶桑「彼も国民を守りたいと想っていた戦士だったのでしょう」

サイファー「しかしそれは道を踏み外さない限りだ。踏み外してしまえばただの殺戮者だ」

愛宕「報われないわね」

サイファー「だからこそ自分自身を見極めることが大切だ。何が正しくて、何が間違っているのか、それをしっかりと見据えるだけの視野が必要不可欠だ」

阿賀野「…もし私達が暴走したら、サイファー提督さんはどうするの?」

サイファー「全力で止めるまでだ。それが本当に正しいのか、その答えが間違っていないかを見極めさせる」

響「それでも止まらなければ?」

サイファー「その時は俺が力を持って相手をする。それが司令官の役目であり、俺自身がやるべきことだと思っているからな」

サイファー「さぁ、今日はもう全員休め。負傷した者が居れば順次修復に入れ。それ以外の者は補給を受けてこい」


『了解!』


―その場からサイファーとピクシーを残し、全員立ち去っていった―

ピクシー「あいつ自身も自分の正義を信じた結果だったんだろうな。力に飲まれちまったがよ」

サイファー「その根本たる原因を作った奴らを叩き潰す必要があるな。幸い証拠になる震電Ⅱがこちらにある」

ピクシー「ここからはカードを切るタイミングが重要だな」

サイファー「ああ。ところでお前、ベイルアウトは成功してるとはいえ大丈夫なのか?」

ピクシー「実はさっきから色々と痛みがな…」

サイファー「お前が一番負傷してんだろうが。さっさと治療を受けて来い!」

ピクシー「わぁってんよ。それとよ、一つ頼みがあるんだが」

サイファー「なんだ?」

ピクシー「この基地にある予備機のストライクイーグル、あれ俺が使ってもいいか?」

サイファー「予備機だしな、構わんぞ。スーパーホーネットもあるし。モルガンはどうする気だ?」

ピクシー「ありゃあ特殊な機体だからな。修理はするが、簡単にはパーツは届かねぇだろうな。ま、気長に直すさ」

サイファー「上げられた機体を見たが、よくあれだけの損傷で済ませたな」

ピクシー「ま、それも腕の内ってこった。んじゃ俺も治療を受けてくるとすっか。機体は俺のパーソナルカラーに塗らせてもらうぜ!」

サイファー「ああ、好きにしろ」


サイファー「あいつも妖精に認められた存在…か」

サイファー(しかし上層部に注意しろと言っていたな。イーグルで俺を飼いならしたつもりだろうが、噛み付かれることもあるってことを教えてやる必要があるな)

サイファー(ガルム隊の部隊章が神話の番犬に由来するものだってことをわからせてやるか。鎖を持っているのはお前達ではないということを…)


―――――
―――

―そしてさらに1週間が経過した―


TV<政府は開発メーカー側と調査を進め事故原因を調べて…


摩耶「あの事件、事故扱いになってんのかよ。クソが」

鳥海「そりゃそうよ。パイロットの暴走なんて正直に報道したら混乱を招くわ」

摩耶「けどよ、他の基地では沈められた艦娘もいるし、それにサイファー提督だってあれだけ戦ったんだぜ?」

サイファー「政府としては妥当な判断だろう。バカ正直に発表していたら国民が不安に陥るだけだからな」

雷「サイファー司令官はそれでいいの?あれだけ戦ったのに」

サイファー「逆に聞くぞ。深海棲艦の艦載機に意識を乗っ取られて、開発中の最新鋭機が暴走したなんて聞いたらどう思う?」

漣「う~ん、間違いなく政府フルボッコの大パニック不可避ですねぇ」

矢矧「下手に真実を発表すれば国民の不安を煽るだけね」

サイファー「水面下では調査が進められているだろう。震電Ⅱの開発はともかく、研究機関には調査の手が入っているはずだ」

高雄「ところでピクシーさんはどうなるんですか?」

サイファー「さあな。あいつの所属は陸軍だ。怪我の治療はここで行ったが、完治すれば戻るんじゃねぇか?」


ピクシー「いや、ところがそうでもねぇぜ」

サイファー「ピクシー!?どういうことだ?」

羽黒「ピクシーさん、怪我はもうよろしいのですか?」

ピクシー「ああ。心配かけたな。ま、着水時の打撲程度だったからな」

伊勢「そうでもないってどういうこと?」

ピクシー「またしばらくはこの基地でやっかいになるってこった。表向きは憲兵隊への配置変更といったところだけどな」

サイファー「真実を知っている者を本土に戻して無駄な混乱を避けるためといったところか」

ピクシー「そういうこった。今回の事件のレポートは提出したが、相手は深海棲艦の研究機関だ。何処かで政治的な息がかかった連中がそうしたんだろうな」

曙「それって実質の左遷ってことじゃない!それでいいの!?」

ピクシー「結果としてまたサイファーと飛べるんだ。俺としては別にかまわねぇよ」

酒匂「ぴゃん!ピクシーさんはこの基地の配属なんですね」

潮「てっきり妖精さんに認めれたから他の基地の司令官さんになるかと思いました」

ピクシー「一応陸軍の所属だからな」

愛宕「傭兵から基地司令官のトップにいきなり座らされた人もいるわよ」

サイファー「俺のときはそもそも日本の軍自体に所属してなかったからな」

大和「指揮系統はどうなるんですか?」

ピクシー「従来通りサイファーが行うんだろ?俺は提督の資質があるっつっても陸軍だしな」

サイファー「てっきり少し長期休暇でも取れると思ったんだがな」

ピクシー「ま、相棒がなんらかの要因で基地を離れている時は代理で指揮することもあるかもしれねぇがな」

サイファー「変な指揮して沈められることはないだろうが、燃料と弾薬がぶっ飛びそうだからやめてくれ」

榛名「サイファー提督はお休みが欲しいのですか?」

サイファー「碌に観光らしいこともしてないからな。少しぐらい日本を楽しんでもバチは当たらねぇだろ」

ピクシー「なんだ、てっきり俺はまたウスティオにいたときみたいに…」

サイファー「…おい」ギロッ

ピクシー「冗談だっての」

利根「本当にサイファー提督が何をしておったのか気になるのじゃ。のぅ筑摩?」

筑摩「突っ込んで良いことと悪いことがありますよ。この場合は後者の方だと思います」

利根「ぬぅ、いつか聞き出してみせるのじゃ!」


サイファー「ところで、お前に力を分け与えた妖精は誰なんだ?」

ピクシー「ああ。紫電、瑞雲、天山、景雲だ」

日向「瑞雲が付いたのか。さぞ特別な瑞雲なんだろうな」

ピクシー「特別かどうかはわかんねぇけどな。サイファーの彗星の役割に当たる爆撃を担当してるぞ」


明石「あ、こちらにいらしたんですね。ピクシーさん、ストライクイーグルの塗装が終わりましたよ」

ピクシー「お!やっとか。どれどれ、見に行くとするか」

サイファー「本当に塗ったのか?」

ピクシー「まぁな。せっかくのイーグルだしな」

朧「ガルム隊の揃い組みですね」

阿賀野「私達も見に行こうよ!」

比叡「レアな光景ですよ!本物のガルム隊が見られるなんて!金剛お姉様、私達も行きましょう!」

サイファー「またいらん騒ぎが…」

ピクシー「いいじゃねぇか、別によ。行こうぜ」


―――――
―――

―ハンガー―


金剛「ワ~オ!凄い迫力ネー!」

扶桑「これが…、本物のガルム隊なんですね」

雪風「ピクシーさんの機体は右の翼だけが赤いんですね」

時津風「モルガンもそうだったけど、こう揃ってると強そうだね~」


明石「どうですか?一応要望どおりに塗装はしましたけどこれでよろしかったですか?」

ピクシー「ああ、バッチリだ!」

夕張「私達は一足先に揃った状態を見たけど、実物を見ると震えが止まらなかったわ」

明石「伝説のガルム隊が目の前に揃ってるんですからね。そうそうお目にかかれない奇跡ですよ」

サイファー「…おい、あの部隊章はいいのか?」

ピクシー「ん?ああ、あれか。ウスティオに問い合わせたが使うのには問題無いってよ」

サイファー「よくウスティオも許可を出したな」

ピクシー「俺とサイファーの名前を出したら一発だったぜ」

サイファー「…って、おい!いつの間に俺の機体にも部隊章入れやがった!?」

ピクシー「使用許可が出たんだ。かまわねぇだろと思ってな」



<部隊章まで再現されてるよ!

<凄~い!本物のガルム隊だ!

<伝説の部隊ここにありね!

<ある意味最強の基地になったんじゃない?ここ



サイファー「着任早々なんつぅことやってくれてんだよ」

ピクシー「期待に応えたと言ってほしいね。ベルカ戦争を書面とかでしか知らねぇ連中には大ウケすると思ったんだがな」

サイファー「またいらん騒ぎになるだろうが」

ピクシー「そう言うなって、相棒。塗装変更も終わったことだし、ちょっくらデモンストレーションと行くか!」



<なになに?ガルム隊のデモ飛行!?

<いきなりビッグイベントじゃない!

<私サイファー提督の後ろに座りたーい!

<私はピクシー機に乗ってみたーい!



サイファー「ほら見ろ、いわんこっちゃない」

ピクシー「ハッハッハッ!まぁちょっとぐらい付き合えよ」

サイファー「ったく。これからが不安になるぜ。ほらお前ら、離れろ!ハンガーから出すぞ!」


―震電Ⅱと深海棲艦の艦載機の暴走事件はサイファーとピクシーの手によって収拾した。だが、この事件はまだ終わってはいなかった―


―――――
―――

本日の本編はここまでです
続けてハロウィンネタいきます

   ―ブイン基地のハロウィン―


knock knock


サイファー「入れ」



ガチャ



間宮「失礼します」

サイファー「間宮が執務室にくるなんて珍しいな。どうした?」

間宮「はい。ちょっとご相談がありまして」

サイファー「なんだ?」

間宮「甘味関連の予算の方を増額していただきたいんです」

サイファー「甘味の予算をか?何かあるのか?」

大和「ああ。もうそんな時期なんですね」

間宮「ええ。そうなんですよ」

サイファー「ん?どういうことだ?」

大和「ハロウィンですよ。この時期は子供にお菓子を配るからその手の予算を割いているんですよ」

サイファー「ハロウィン?ああ。あれか」

間宮「サイファー提督はハロウィンはどうされるんですか?」

サイファー「俺には馴染みのないイベントだからな。普通に仕事してんじゃねぇか?」

大和「サイファー提督はそうかもしれませんが、駆逐艦の子たちからすればサイファー提督にお菓子をもらうことを楽しみにしてる子もいると思いますよ」

サイファー「そんなもんか?」

大和「備えておかないとサイファー提督自身が痛い目を見させられるかと」

サイファー「まぁ確かに駆逐艦の人数は多いからな。いいだろう。予算を割くように手配しておく」

間宮「ありがとうございます。サイファー提督はどうされますか?」

サイファー「なにがだ?」

間宮「お菓子ですよ。サイファー提督が配られる分の物は用意しておきますか?」

サイファー「う~ん、そうだな。まだ期間はあるな。少し考えさせてもらおうか」

間宮「わかりました。けどなるべく早くご決断していただくようお願いしますね」

大和「サイファー提督だけじゃなくて戦艦や空母、重巡、軽巡、潜水艦組も用意するでしょうから、この時期は間宮さんも伊良湖さんも忙しくなってしまいますので」

間宮「それにサイファー提督の元にやってくるのは駆逐艦の皆さんだけとは思えませんので」

サイファー「おいおい!まさか戦艦の連中まで菓子をねだりにやってくるとか言わねぇだろうな?」

大和「…多分、大丈夫…とは思いますが…」

サイファー「なんだその間は?…やれやれ。ちょっくらピクシーと相談するか」

間宮「では私は用意がありますので失礼します」

サイファー「ああ。予算のほうは必ずどうにかしておく」

間宮「ありがとうございます。では失礼します」




バタン




サイファー「大和はどうするんだ?」

大和「私ですか?私はアイスがありますので」

サイファー「ああ、そうだったな。大和と武蔵にはそういう武器があるんだった」

大和「武器じゃないんですけど…」

サイファー「やれやれだ…」


―――――
―――

ピクシー「で、俺の所に相談に来たってわけか」

サイファー「ああ。俺には馴染みのないイベントだからな。お前がどうするのか参考にさせてもらおうと思ってな」

ピクシー「まぁ来た連中には配れるだけの数は確保しておくつもりだったぜ。今や日本でも凄ぇ騒ぎになるイベント事だしな」

サイファー「どうなるのか全く見当が付かんのだが」

ピクシー「ざっくり言や仮装パーティだな。特にここは人数も多いからそれなりに用意しておかねぇとやべぇことになるんじゃねぇの?」

サイファー「軍ってなんなんだろうって思えるぜ、ここにいるとよ」

ピクシー「締まりっぱなしじゃ息苦しくなっちまうからいいんじゃねぇか?」

サイファー「それはそうなんだが…。まさか財布がミサイル攻撃喰らうハメになるとは想定してなかったぜ」

ピクシー「いっそ盛大にばら撒いてやりゃいいんじゃねぇか?」

サイファー「お前なぁ…。ばら撒く…か。あっ!」

ピクシー「なんだ?いい案でも浮かんだのか?」

サイファー「まぁな。戦闘機のパイロットらしくやれる方法をな」

ピクシー「なんだそりゃ?」

サイファー「ああ。ちょっと思いついたんだがな…」


―・―・―・―


ピクシー「そりゃ面白ぇな!乗ったぜ、その案!」

サイファー「決まりだな!俺達も用意するか」

ピクシー「ああ!」


―――――
―――

―ハロウィン当日―


暁「司令官!トリックオアトリートよ!」

電「トリックオアトリートなのです!」

サイファー「ふむ、第6駆逐隊全員だな」メモメモ

雷「なにメモ書きしてるの?」

サイファー「ああ、ちょっと必要なもんだ。菓子はあとで配るから少し待っていろ」

響「ダメだよサイファー司令官。言われたらすぐに渡さないとイタズラされるんだよ」

サイファー「そう言うな。ちょっと思考を凝らしたやり方で配ってやるからよ」

電「どんな配り方なのです?」

サイファー「それは後のお楽しみだ。まぁ待ってろ」


――――――


漣「トリックオアトリートですよ!さぁお菓子を寄越しやがれください!」

ピクシー「なんだそりゃ?まぁ待ちな。ちょっと面白ぇ配り方してやっからよ」

曙「またろくでもないこと考えてるんじゃないでしょうね」

ピクシー「心配すんなって。ちゃーんと配ってやっからよ」

朧「何をなさる気なんですか?」

ピクシー「それは後のお楽しみってな」

潮「サイファー提督にも言われたんですが、お二人でなにかなさるつもりなんですか?」

ピクシー「ま、そんなところだ」

漣「ま、いいですけど。すぐに貰えないならいたずらですね!覚悟を決めてください!」

ピクシー「まぁ待てって」


――――――




トリックオアトリート!トリックオアトリート!トリート、トリート、トリトリートォ!



ピクシー「お!いたいた!相棒、そろそろいいんじゃねぇか?」

サイファー「どれぐらい来た?」

ピクシー「ざっとこれぐらいだ」


―ピクシーは自身の元にやってきた艦娘のリストを書いた用紙をサイファーに見せ、またサイファーもピクシーに同様の用紙を見せた―


サイファー「いいだろう。そろそろ実行に移すか!」

ピクシー「ああ。そうだな!でないとこのままじゃ俺達がやべぇぜ!」

サイファー「歳が離れているからといって駆逐艦だけじゃなく他の連中まで押し寄せてきやがったからな」

ピクシー「そろそろ誤魔化すのも限界だからな」

サイファー「頃合だ。ハンガーに急ごう」

ピクシー「ああ。って、来やがったぜ、相棒!」



サイファーテートクゥ!トリックオアトリート!

ピクシーサントリックオアトリートデスヨー!

トリックオアトリート!トリックオアトリート!トトトットッ、トットトリート ボン!



サイファー「機体は既にスタンバイ出来ているはずだ!行くぞ!」ナンダイマノバクハツ?

ピクシー「おう!」ムツカタイホウジャネ?


―――――
―――

―滑走路―


彗星妖精「まさかこんなことに駆り出されるとはね~」

サイファー「思い浮かんだのがこれだったからな。この任務にはお前の的確な爆撃が頼りだ」

彗星妖精「まぁいいけどね~。私の分はあるんだよね?」

サイファー「ちゃんと用意してあるから心配するな。烈風達の分も用意してある」

彗星妖精「それならいいけどね」


――――――


ピクシー「悪ぃな、こんなこと頼んじまってよ」

瑞雲妖精「しっかしよくこんなこと思いついたわねぇ。普通は思いついても実行しないわよ」

ピクシー「幸い俺とサイファーには妖精が付いてくれてっからな。レーダーやカメラだけじゃない補正が付つから出来る離れ業が可能だって踏んだんだよ」

瑞雲妖精「そう言われると悪い気はしないけど。だからってストライクイーグル引っ張り出すのはどうかと思うわよ」

ピクシー「モルガンならもっと手っ取り早く出来るんだが、あいにく修理中なんでな」

瑞雲妖精「そういうこと言ってるんじゃないんだけど…」

――――――


サイファー「離陸開始地点到達!ガルム1、出るぞ!」ヒュィィィゴォォォォォォ


――――――


ピクシー「相棒が離陸したな。続けてガルム2、出るぜ!」ヒュィィィゴォォォォォォ



――――――



彗星・瑞雲「それじゃお仕事しますか!」シュゥン




<System Pixy Standby>ピピッ!




サイファー「…よし、手はずどおり全員グラウンドに集まっているようだ」

ピクシー『んじゃ、いっちょ爆撃と行こうぜ!』



キィィィィィィィィン…



―――――
―――

―グラウンド―


―サイファーとピクシーが離陸する少し前、ハロウィンを楽しんでいた艦娘達はグラウンドに全員集められていた―


加賀「こんなところに全員集めてなにをする気なのかしら」

翔鶴「なんでもサイファー提督とピクシーさんの指示だそうですよ」

高雄「あの二人で何を企んだんでしょうか」

鬼怒「ガルム隊の2人でやることだからパナイことになりそう」

金剛「それよりこの足元に敷かれたシートが気になりマース」

羽黒「これ、なんのためのシートなんでしょうか」

飛鷹「かなり広範囲に敷かれてるわねぇ」

時雨「あ!サイファー提督が離陸したよ!」

夕立「続けてピクシーさんも離陸したっぽい!」

酒匂「ぴゃん!!旋回してこっちくるよ!」

榛名「何をなさるつもりなんでしょうか?」

霧島「まったく見当つかないわね」



――――――

サイファー「狙いはどうだ?」

彗星妖精「バッチリだよ~!高度もピッタリ!」

サイファー「よし!ピクシー!」

ピクシー『こっちもOKだ!やろうぜ!』


サイファー・ピクシー『クラスターキャンディー、投下!』ヒュゥゥゥン


―2機のストライクイーグルからM31が投下された。炸裂した中身は小型の爆弾ではなく、ぎっしりと詰まった子包装されたキャンディが上空からばら撒かれた―


――――――


陸奥「ちょっと、あれって!」

瑞鶴「クラスター爆弾じゃなくてクラスターキャンディってこと!?」

吹雪「これが本当の飴霰ってことですか?」

初春「それはいいんじゃが、あの高度からキャンディが降ってくるとちと危なくないかの?」


『…あっ!』


―そう。クラスター爆弾同様、クラスター弾を使用する場合、上空で炸裂される必要があるため当然ながら高度を取る必要がある。グラウンドに全員集め、範囲を狭めたとはいえ、ある程度高度を取っているので当然降ってくるキャンディは重力加速に従って速度を上げながら降ってくる―


<皆逃げてー!

<屋根のある場所に大至急避難よー!

<あの空戦バカ2人覚えてなさーい!

<痛たたたたた!なんで基地で味方機から爆撃されなきゃいけないのよー!


――――――

ピクシー『おい、相棒!なんか散り散りなっていってんぞ!』

サイファー「高度を取りすぎたか?目標エリアに着弾させるにはピッタリのはずなんだが」

彗星妖精「いくらキャンディーでもこの高度から降ってくれば痛いんじゃないかなぁ?」

サイファー「高度をもっと下げたほうがよかったってことか?」

彗星妖精「それだとM31の親の破片が降ってもっと危ないよ」

ピクシー『よぅ、今更思うんだが、これ作戦自体に無理があったんじゃねぇか?』

サイファー「と、トリックオアトリートで通じるか…?」

彗星妖精「お菓子がもらえなかったからイタズラしたじゃ流石にダメだと思うな~」

サイファー「説教か?」

ピクシー『何時間コースだろうな…』


サイファー・ピクシー(お、降りたくねぇ…)


――――――


<コラー!降りてこーい!

<なんて危ないことするんですかー!サプライズで恐怖とか無しですよー!

<あ!着陸姿勢に入った!

<滑走路に急げー!


―もちろんこのあとサイファーとピクシーはきっちりお説教されたそうな―


―――――
―――

サイファー「なぁ、今日1日この格好してなきゃダメなのか?」

妙高「ダメです!これは全員で決めた罰ですから」

ピクシー「いくらなんでもこの歳でこれはねぇんじゃねぇの?」

長門「2人はやりすぎだ!いくら腕の良い伝説級のエースパイロットと言えど限度がある!」

サイファー「だからって…」

ピクシー「なぁ…」

サイファー・ピクシー「このコスプレは無しだろ!」ガルムワンコ衣装



<かわいいですよ2人とも!

<写真1枚いいですか?

<私も私も!

<くっくっくっ!こ、これはなかなか…。あっはっはっはっ!

<わ、笑っちゃダメですよ!くくくっ!

<そっちも笑ってるじゃないですか!あははははは!



サイファー・ピクシー(やるんじゃなかった…)


―ちなみにわざわざ取り寄せたM31クラスター弾分の予算も割いたことで二重でお説教を喰らったそうな―


―――――
―――

今回はここまでです
ハロウィンだからコスプレ系のネタかなぁとは考えましたが、その辺りのことは他の作者さんにお任せして空戦バカらしく仕上げてみました
一応コスプレ(?)なネタはあったんですが、繋げ方が思いつかなかったので没にしました
釣りに行ったときにたまたま海自の基地に停泊していた[DD-116 あきづき型2番艦てるづき]を撮影していたので、ネタに使えるかなぁとは考えてはいたんですが…
どうやっても繋げられませんでした

赤ずきんちゃん的なノリで


雪風「どうして5インチ単装砲に積み替えたんですか?

照月「やだなぁ。元からですよ」

秋月「どうして駆逐艦なのにカ号観測機積めるの?」

照月「これはカ号観測機じゃなくてSH-60っていう対潜哨戒機ですよ」

吹雪「どうしてそんなにデカくなっちゃったんですかー!?」

照月「頑張ってみました!えへへ」


って感じを画像付きでやろうとしたんですがねぇ…


ではまた
ありがとうございました

変な時間に起きたので小ネタを完成させました
投下します

   ―正しい躾の方法は?Chapter2―


隼鷹「今日も任務終わりで酒が美味い!ヒャッハー!」

千歳「隼鷹、今日は西宮から取り寄せたいい日本酒が手に入ったわよ!」

隼鷹「お!マジの宮水仕立てじゃん!んじゃあたしはこいつを出すかぁ!」

千歳「あ!それ広島の地酒じゃない!そんなの隠し持ってたの?」

隼鷹「呉に寄った時にちょ~っとね!」

千歳「いい酒にいいおつまみ!仕事のあとはやっぱりこれよね~!」

隼鷹「だよなぁ!たまんねぇよなぁ!」


カンパ~イ!


ヒャッハー!



飛鷹「またあの二人は…。まったくもぅ、隼鷹!ほどほどにしときなさいよ!」

千代田「千歳お姉も!介抱するのも大変なんだから!」

隼鷹「わかってるって!飛鷹も飲むか?超美味ぇぜ、この酒!」

千歳「千代田も飲む?疲れが飛ぶわよ」

飛鷹「潰れたら誰が面倒見てると思ってるのよ」

千代田「ほどほどにしてくれるなら付き合うけど、いっつもほどほどじゃ済まないんだから」

千歳「ねぇ、せっかくだから武蔵さんでも呼んでくる?」

隼鷹「いいねぇ!んじゃ、あたしは那智でも呼んでくるかな」

飛鷹「ダメよ!他の人まで巻き込もうとしないの!」

隼鷹「いいじゃねぇかよぉ!せっかくいい酒があるんだぜ?」

千代田「それでしっちゃかめっちゃかにされたらサイファー提督に怒られるわよ」

隼鷹「う~ん…。そうだ!サイファー提督も巻き込めばいいんじゃん!」

飛鷹「もっとダメに決まってるでしょ!」

千歳「多分サイファー提督はピクシーさんと飲んでらっしゃると思うし、せっかくのいいお酒なんだからおすそ分けしないとね」

千代田「そうかこつけてどんちゃん騒ぎしようって魂胆でしょ!?あの二人はきちんと大人の飲み方をしてるんだから!」

隼鷹「う~ん…そうだ!飛鷹、これ新作のつまみなんだけどさ、ちょっと味見してくんね?」

飛鷹「変なもの入ってないでしょうね?」

隼鷹「入ってない入ってない!なんならあたし達も食べてんだしさ、変なもの入ってたらあたしらもダメージ喰らってるって!」

飛鷹「…確かにそれもそうね。じゃあちょっとだけ」

千歳「千代田も食べてみたら?」

千代田「千歳お姉が言うなら…」


飛鷹「…うん…美味しいわね。ホントつまみを作ることに関しては天才的ね」

千代田「確かに美味しい!」

隼鷹「だろ!?んでちょ~っとだけこの酒飲んでみな?」

飛鷹「そんなこと言って……うん、この風味と日本酒の組み合わせは良いわね」

千代田「少し油っこい感じを日本酒独特のスッキリ感と辛さで流す感じね。洋酒ではちょっと合わない感じかな」

隼鷹「だろ!?いけてんだろ!?」

飛鷹「ちょっと今度レシピ教えてくれる?これ普通に使えるわよ」

千歳「それじゃあ今度は私のやつを試食してみない?」

千代田「そういえばなにか仕込んでたわよね」

千歳「新鮮なアオリイカが手に入ったから一夜漬けを作ってみたの」

飛鷹「アオリイカ?甘さ重視で仕上げたの?それとも辛さ?」

千歳「そりゃあもちろんお酒に合わすために辛さ重視よ」

千代田「普通に食べるとアオリイカは凄く甘いから……うん、これも美味しい!」

飛鷹「甘いのも美味しいんだけど、これはこれでありよね」

千歳「お酒無しでも辛さ重視で漬ける人もいるぐらいだし、新鮮なのを使うと美味しいのよねぇ」

隼鷹「モイカとかコウイカでも美味しく出来るんだけど、アオリイカは甘味が強いからどっちもありだよなぁ」

飛鷹「確かにアオリイカは他のイカより甘味が強いから調理も色々出来るわね」ニホンシュチビッ

千代田「漁師さん達になにか頼んでたと思ったらこれだったのね」ニホンシュチビッ

隼鷹(ふっふっふっ、飲みだしたな)

千歳(このおつまみスパイラルからは逃れられないわよ)


―――――
―――

―1時間後―


飛鷹「んぁ…もう飲めない…ん~」

千代田「ちょっとこのお酒強すぎじゃなぁい?…ん~」

隼鷹「へへへ。これで邪魔者は潰れたな」

千歳「それじゃ私達も出撃しますか」

飛鷹「ん~?隼鷹、どこ行くの~?」

隼鷹「ちょ~っとおつまみの仕込みだよ。これ置いてくから飲んでなって!」

飛鷹「ん、ありがと…」

千代田「千歳お姉もどこいくの~?」

千歳「ちょっとお酒を追加しにいくだけよ」

千代田「そう…。なるべく早く戻ってきてね~」


隼鷹・千歳「それじゃ行ってきま~す!」



バタン



隼鷹「さ~て、狙いは?」

千歳「それはもちろん…」


隼鷹・千歳「サイファー提督でしょ!」


隼鷹「けど普通に行ってもピクシーさんと大人の対応されるだけだよなぁ」

千歳「なら逃げられないように囲えばいいのよ」

隼鷹「なら援軍が必要だよなぁ。よし!んじゃこの酒で釣ってくるかぁ!」

千歳「手分けして援軍になりそうな艦娘(人)達を呼んできましょうか!」

隼鷹「んじゃ30分後にバーで合流な!」

千歳「了解!」


―――――
―――

―バー―


―仕事を終えたサイファーとピクシーはバーで静かに、しかし楽しそうに酒を飲み交わしていた―


ピクシー「しかしあれだな」

サイファー「なんだ?」

ピクシー「俺達は戦闘機に乗ってるから対艦戦と対空戦はいけるんだけど、対潜戦はどうにもならねぇよなぁ」

サイファー「確かにな。アスロックでも撃てりゃ話は変わるんだが、流石に対潜哨戒機のライセンスは持ってねぇからな」

ピクシー「ライセンス取らねぇのか?」

サイファー「どこで使うんだよ、どこでよ」

ピクシー「違ぇねぇ」


ハハハハハ…


千歳「目標発見!」

隼鷹「いくぜぇ!突撃する!」


隼鷹「いよぉ~う、サイファー提督ぅ!」

千歳「ピクシーさんもこんばんは。2人で飲んでらっしゃるんですか?」

サイファー「なんだお前ら。ここはバカ騒ぎする場じゃねぇぞ」

ピクシー「流石にこの空気をぶち壊すのは無しじゃねぇか?静かに飲むってのも悪くねぇぜ」

隼鷹「いや~、良い日本酒が手に入ったからさぁ。サイファー提督とピクシーさんにもおすそ分けしに来たんだよぉ」

サイファー「そう言ってバカ騒ぎするのが目的だろう?あっち行ってろ」

千歳「まぁまぁ、そう言わずに。本当に美味しいんですから」

ピクシー「悪ぃが、お前ら2人には痛い目を見させられてるんでな。退場しねぇとハープーンだぜ?」

???「まぁそう固いこと言うな。隼鷹も千歳も中々の物を持ってきているぞ」

サイファー「武蔵か。お前、隼鷹達に釣られたのか」

武蔵「釣られたとはずいぶんな言い方だな」

那智「ワインやウィスキーにも種類があるように、日本酒にも種類がある。飲んでみるのも一興ではないか?」

足柄「珍しいお酒ってわけじゃないけど、ちょっと高い日本酒よこれ」

ピクシー「那智に足柄まで釣られやがったのかよ」

サイファー「飛鷹と千代田はどうした?ストッパー役がいないのは何故だ?」

隼鷹「あの2人なら潰れてんじゃねぇの?強めのやつを飲ませたから案外早かったぜぇ」

ピクシー「なんてこったよ。壁ぶっ潰してきやがったってのか」

サイファー「…長居は危険だな。撤収するか」

武蔵「そう言うな。せっかくの酒だ。味わってから帰るのも悪くあるまい」

サイファー「それで明日がしんどくなるんだよ」

足柄「2人の戦術勘をつまみに飲みましょうよ。せっかくガルム隊の2人が揃い組みなんですから」

那智「我々艦娘にも勉強になることも多々あるだろうからな」

ピクシー「戦場での勘なんてのは場数踏むしかねぇんだけどな」

千歳「せっかくですから色々教えてくださいよ。ささ、どうぞどうぞ!宮水仕立てのいい日本酒ですよ」

サイファー「勝手に注ぐんじゃねぇよ」

隼鷹「いいじゃねぇか。特にあたしらは空母なんだしさぁ。航空機の運用は参考になるんだし」

ピクシー「…うん、悪くねぇなこれ」

サイファー「なにしれっと飲んでんだよ、ピクシー」

ピクシー「いや、確かに悪くねぇぜこれ。この3人を釣っただけはあるな」

サイファー「自分で逃げ道塞いでどうする…」

武蔵「中々わかってるじゃないか。さぁもう1杯どうだ?」

サイファー「…ったく」


―――――
―――

―翌日―


妙高「おはようございます、サイファー提と…ってどうなされたんですか!?顔色悪いですよ?」

サイファー「ああ。軽空母2、重巡2、戦艦1にやられてな」

妙高「はぁ…。つまり飲まされたということですか?」

サイファー「ああ。ストッパーの飛鷹と千代田がやられたらしく、俺とピクシーの所に仲間引き連れて直行してきやがった」

妙高「お薬と水をご用意しますね」

サイファー「頼む。頭痛ぇ…最悪だ」

妙高「しかし、サイファー提督ともあろうお方が回避出来なかったんですか?」

サイファー「あの2人だけならなんとかなるんだがな。妙高の妹2人と武蔵に囲まれてな」

妙高「那智と足柄ですか。あの2人には言ってきかせておきます」

サイファー「ああ、頼む。しかしあの2人、あの手この手で絡んできやがるな」

妙高「一度明確な罰を与えてはどうでしょうか」

サイファー「罰なぁ。禁酒…というわけにはいかんだろうしなぁ」

妙高「ある意味モチベーションの高さを維持するために必要な物でしょうし。過度な摂取は考え物ですが」

サイファー「…一度本当に痛い目を見てもらうか」

妙高「何かお考えが?」

サイファー「ああ、ちょっとな。“あれ”はまだ余裕があったな?」

妙高「“あれ”と申されますと?」

サイファー「ああ、ちょっとこの作戦には必要なものだ」


―――――
―――

―食堂―


―数日後、サイファーとピクシーは隼鷹と千代田を食堂に呼び出していた―


隼鷹「なんだよぅサイファー提督。今日はもう仕事は終わりだろ?」

サイファー「お前らは俺達に酒を薦めてばかりだからな。たまには俺達からいい酒を飲ませてやろうと思ってな」

千歳「え?サイファー提督とピクシーさんからですか?」

隼鷹「マジか!?ヒャッハー!今日は公認で飲めるのかぁ!いいねぇ!」

ピクシー「たまには日本酒や焼酎ばかりではなく、洋酒を飲むのも悪くねぇぜ。俺からはこいつだ」

隼鷹「こいつは…ドンペリじゃねぇか!こんな良い酒隠し持ってやがったのかよ!」

サイファー「お前、案外良い酒持ってたんだな。俺からはこいつだ」

千歳「ロマネ・コンティじゃないですか!?なんでこんな凄い高いワインを!?」

サイファー「俺達は元傭兵だからな。金はそれなりに稼いできている」

ピクシー「戦闘機1機に比べりゃ安いもんだ」

隼鷹「こんな良い酒が…目の前に…!」

千歳「いいんですか!?流石にこれはちょっと身が引けるんですが…」

サイファー「遠慮するな。いつもお前達は俺達に持ってきてばかりだっただろ?だからそのお返しだ」

ピクシー「つまみも大和と鳳翔に頼んで作ってもらった1級品だ。よく合うぜ」

千歳「じゃあ…遠慮なく」

隼鷹「いっただっきま~す!…ん~良い香りだぜぇ!」

サイファー「まだ他にもあるからな。遠慮なく飲め」

ピクシー「つまみだってあるぜ。なんなら俺達がウスティオで重宝してたのだって作ってやるぜ」

千歳「サイファー提督とピクシーさんは飲まれないんですか?」

サイファー「俺達も飲んでるぞ」

ピクシー「今日はお前達2人が主役だ。俺達に気を使うこたぁねぇよ」

隼鷹「ん~!さっすが大和さんに鳳翔さん!超美味ぇ!」

千歳「お酒ともよく合いますね!ありがとうございます、サイファー提督、ピクシーさん!」

サイファー・ピクシー「なぁに、いいってことよ」ニヤリ


―――――
―――

隼鷹「zzz…」スピー

千歳「zzz…」クー

サイファー「ようやく潰れたな」

ピクシー「しっかし強ぇなこいつら。薬混ぜてなかったらまだ落ちてなかっただろうぜ」

サイファー「大和と鳳翔には感謝だな。薬の違和感を出すことなく料理を作り上げてくれたしな」

ピクシー「それと明石だな。この薬凄ぇな。ちっともアルコールを摂取した感がねぇぜ」

サイファー「アルコールを即時分解する薬みたいだからな。ちょっと怪しいが作戦実効には不可欠だったからな」

ピクシー「何処でもそうなんだが、明石って本当に何者なんだ?いろんなことに精通しすぎだろ」

サイファー「なんでも妖精のフォローが入ってるらしい」

ピクシー「あ~なんか納得できる理由だぜ。科学者の妖精とかいてもおかしくねぇもんな」

サイファー「さて、それじゃあ実行に移るか。飛鷹!千代田!」

飛鷹「本当に大丈夫なの?」

千代田「かなり無茶な作戦ですけど大丈夫なんですか?」

サイファー「そのための“こいつ”だ」

飛鷹「…あ~。正直無茶なんですね」

千代田「まぁ一度痛い目を見てもらうためには致仕方無しですね。あまり賛成は出来ませんけどこれも千歳お姉のためですし」

飛鷹「一度本気で痛い目を見ないとこの手のバカは直らないわよね」

サイファー「そういうことだ。ここで1回キッチリと締めとかねぇといざって時に困るからな」

ピクシー「んじゃ運び出すか。飛鷹、千代田、用意は出来てるよな?」

千代田「はい。こちらに」

サイファー「よし、作戦開始だ」


―――――
―――

―早朝・滑走路―


ピクシー『よぅ相棒、機体のバランスは大丈夫か?』

サイファー「ああ、問題ない。この程度ならバランスを崩すことなく飛べるだろう」

飛鷹『妖精を連れて行かなくて大丈夫なの?』

サイファー「別に深海棲艦と闘りあうわけじゃないからな。この程度なら補正は必要ない」

千代田『目標の設置は完了しています。サイファー提督、離陸時に擦って千歳お姉を傷つけないでくださいね』

サイファー「心配すんな。そんなヘマはしねぇよ」


サイファー「離陸開始地点到達」


隼鷹「んぁ?うるせぇなぁ。何時だと思ってぇぇぇぇぇぇぇ!」

千歳「なんなのこの轟おぉぉぉぉぉぉぉ!」

ピクシー『おい相棒、隼鷹と千歳が起きたみたいだぞ』

サイファー「問題ない。このまま離陸する。スーパーホーネット、出るぞ!」ヒュィィゴォォォォォ


隼鷹「なになになに!?くぅぅぅ!離陸してる!?」

千歳「体が…後ろに…!」


ピクシー『サイファー機、高度制限を解除だ。いっちょやってこい相棒!』


隼鷹「なんなんだよこれ!?体がしばられてんじゃん!?って千歳!?」

千歳「なんで私戦闘機の翼にぶら下がって…!?って隼鷹!?」

隼鷹「なんで千歳ミサイルなんかに縛られてんのさ!?」

千歳「そっちこそなんでミサイルにぐるぐる巻きにされてんの!?」

隼鷹「そりゃあたしが聞きたいっての!」

隼鷹・千歳(ジェット機のエンジン音で全然聞こえないけど多分こう言ってるよね?)


サイファー「起きたか2人とも。気分はどうだ?」

千歳『サイファー提督!?これはいったいどういうことなんですか!?』

隼鷹『なんであたしらミサイルに縛り付けられてんのさ!?』

サイファー「お前らは日頃から酒癖が悪すぎるからな。皆に協力してもらってお前ら2人にお仕置きを実行することになった」

隼鷹『飛鷹は!?飛鷹は止めなかったのかよ!?』

千歳『ていうか、寒いぃ!高度と速度で風が冷たい!』

サイファー「せっかくの空の旅だ。もう少し楽しんでもいいんだぞ」

隼鷹『ミサイルに縛り付けられて楽しめるわけねぇじゃんよぉ!』

千歳『まさかと思うけどこのまま撃ち出すなんてことしませんよね!?』

ピクシー『そろそろいい距離だ。レーダー照射するぜ』

サイファー「ああ。こっちはいつでも発射可能だ」

隼鷹『発射って…マジ!?』

千歳『ごめんなさいサイファー提督!もうお酒は止めるから撃沈処分は許してください!』

隼鷹『話せばわかるって!な、サイファー提督!?だから発射するなんて止めようぜ、な!?』

サイファー「レーダー照射確認。目標を確認した」

隼鷹『悪かったって!もう絡みに行かねぇから許してくれよぉ!』

千歳『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!』


サイファー「マグナム、Fire!」カチッカチッ

隼鷹『うわぁぁぁぁぁぁぁ!』バシュゥゥン

千歳『いやぁぁぁぁぁぁぁ!』バシュゥゥン


―隼鷹と千歳を縛り付けたAGM-88 HARMが発射。レーダーを発信している目標物に向かって飛来していく―


隼鷹「ぶ、ぶつかるぅぅぅぅ!」

千歳「死ぬのはイヤぁぁぁぁぁ!」

―シースキミングの軌道で進んでいくHARMは速度を上げながらレーダーの発信元へ一直線。隼鷹と千歳が目視で目標が見えたその時…―



ブチッブチッ…ブチンッ!!



隼鷹「へ?」

千歳「え?」



ドポォォォン…ザンッ…ダァン…ドッポォォン…



ドォォォォン…



―・―・―・―


明石「このロープは特殊な繊維で出来てまして、強度はワイヤー並みなんですが、水を被ると極度に強度が落ちる特性になってます」

サイファー「つまりシースキミングの軌道でミサイルを撃ち出せば目標に到達する前にロープが切れて落とせるんだな?」

明石「そうなりますね。ただし、高度が高すぎれば水を被ることがありませんので高度の計算だけはしっかりとお願いします。流石にダメコンごと木っ端微塵になってしまってはどうしようもありませんので」

サイファー「わかっている。流石にミサイルの直撃で塵にするつもりはないからな。それにそれでは躾にならん」


―・―・―・―

サイファー「目標への着弾を確認。千歳と隼鷹の途中着水も確認した」

千代田『千歳お姉はちゃんと生きてますよね!?』

サイファー「ダメコンの作動を確認した。2人とも無事だ」

飛鷹『よかったぁ!木っ端微塵に吹き飛んだらどうしようもないものね』

サイファー「2人とも、これに懲りたら無駄絡みは控えて正しく酒を飲むように勤めることだ。いいな?」


隼鷹「」チーン

千歳「」チーン


サイファー「…気絶してやがる。千代田、飛鷹、回収に行ってやれ」

飛鷹・千代田『了解!』


―――――
―――

―後日―


飛鷹「ちょっと隼鷹!明日も出撃があるんだからそれぐらいにしときなさいよ!?」

隼鷹「いいじゃねぇかよ、もうちょっとだけだからさぁ」

飛鷹「それで失敗したら今度はダメコン無しで飛ばされるわよ?」

隼鷹「うぎっ!わ、わかったよ。これでおしまいにするからなぁ」

飛鷹「まったく。ちゃんと片付けておきなさいよ」

隼鷹「はいよっと」


――――――


千代田「千歳お姉、明日は遠征に出るんだからそれぐらいにしないと…」

千歳「大丈夫よ、これぐらい」

千代田「それで成功しなかったら今度は直撃させられるかもしれないよ?」

千歳「うっ!わ、わかったわよ。これ飲み干したら終わりにするから」

千代田「ならいいけど。明日も頑張ろうね、千歳お姉!」

千歳「は、は~い」


――――――

―バー―


ピクシー「だいぶ効果あったみたいだぜ、相棒」

サイファー「そりゃ対レーダーミサイルに縛り付けられて音速の1歩手前まで加速して目標を視認して落水したんだからな」

ピクシー「生きた心地はしねぇよな」

サイファー「おかげで無駄絡みが無くなった分、快適に飲めるようになったんだ。それに千代田も飛鷹も楽になったって喜んでたしな」

ピクシー「音速を突破して酸欠で死ぬことは想定してたのか?」

サイファー「一応それも想定してダメコンは3つ装備させていたぞ。何があるかわからんからな」

ピクシー「お仕置きにしちゃあ大奮発だな。ところで相棒、お前ロマネ・コンティなんて隠し持ってたんだな」

サイファー「お前だってドンペリ持ってたじゃねぇか。しかもありゃロゼだろ?」

ピクシー「今度俺にも飲ませてくれよ」

サイファー「また大規模な作戦が成功した時でもな」

ピクシー「お前の部屋を漁ったら何か出てきそうだな」

サイファー「やめてくれ。それに俺は酒の収集癖はねぇよ」


那智「お、サイファーにピクシーじゃないか。また2人で飲んでいるのか」

足柄「なんでも隼鷹と千歳にかなり良いお酒出したそうじゃない!私達にも飲ませなさいよ!」

サイファー(しまった。こいつらを忘れてた)

ピクシー(また財布がぶっ飛ぶとか勘弁してくれよ)

サイファー・ピクシー「はぁ…」

足柄「なにため息ついちゃってるのよ」

那智「ため息を吐いていると幸運が逃げるというぞ。すまんが、ニッカを頼む」


―――――
―――

ここまでです
小ネタの割にえらく長くなりがちな気がするのは気のせいかな
クロス作品だからこそ出来ることをやりたいので、まぁこうなるんでしょうけど
ちなみに自分は酒はほとんど飲みません。
車が趣味だった時の癖で酒を飲む習慣が全然無いので、たまに気まぐれで飲むぐらいです
ドンペリ?ロマネ・コンティ?飲んだことねぇよ、んな高ぇもん

ではまた
ありがとうございました

本編はあと2チャプターぐらいで終了なのですが、ラストチャプターはともかく次のチャプターの中核部分が浮かばないので小ネタで繋ぎをします

   ―サイファーと飛ぼう:Chapter 1―


大和「サイファー提督、この要望書の山なんとかなりませんか?もう毎回毎回凄く多いんですよ」

サイファー「そんなに多い要望があるのか?」

大和「はい。最初は遊び感覚で出してるのかと思ってこちらの独断で却下してたんですが、どうも一向に勢いが収まらないので…」

サイファー「そんなに不満をかかえている事があるのか。一体なんだ?事次第では早急に対処するが」

大和「それが…サイファー提督にしか出来ないことなんです」

サイファー「俺に?見当もつかんが…」

大和「前にストライクイーグルが納入されましたよね。ストライクイーグルは副座ですから是非後ろに乗りたいと希望する者が多くて…」

サイファー「おいおい、戦闘機はおもちゃじゃないんだぞ。何考えてやがんだよ」

大和「バーサーカー事件の時は一時的に収束を見せたんですが、サイファー提督がバーサーカーを撃墜してからまた増えだしたんです」

サイファー「おおかた駆逐艦か、もしくは取材と称して乗りたがる青葉辺りか?」

大和「それが…ほぼ全艦種なんです」

サイファー「は?ほぼ全艦種?」

大和「はい。駆逐艦はもちろんのこと、巡洋艦、戦艦、空母、潜水艦もなんです」

サイファー「本当にほぼ全艦種だな。いないのは明石か間宮、伊良湖ぐらいか」

大和「付け足すなら鳳翔さんに大鯨さん、それに大淀さんですね」

サイファー「ちょっと待て。ということは武蔵や長門は勿論、妙高や鳥海、扶桑も該当してるのか?」

大和「そうなりますね」

サイファー「なんであいつらまで出してやがんだよ。戦闘機が1回出撃したらどれだけ費用がかかるか知ってるだろうによ」

大和「あの…ちなみになんですが…」

サイファー「なんだ?」

大和「私も…出してるんです」

サイファー「大和、お前もか!」

大和「あはは…。いや、円卓の鬼神の操縦する戦闘機に乗れるなんてまず無いことですから」

サイファー「あ~、頭痛くなってきやがったぜ」

大和「やっぱり…ダメ…ですよね?」

サイファー「ピクシーの手を借りたいところだが、こいつは流石に無理か。仕方ねぇな。大和、その要望書全部寄越せ」

大和「あ、はい。シュレッダーも用意しますか?」

サイファー「必要ない。…にして本当に多いな。何考えてんだ」

大和「あの、サイファー提督?」

サイファー「順次時間が空き次第要望に応える。このままじゃ埒があかん」

大和「え?じゃあ…!」パァァ

サイファー「時間との相談になるが、順次呼び出して対応していく。ただし1回限りだ。それを徹底した上で再度まとめて要望を出させろ」

大和「はい!了解しました!」

サイファー(燃料足りっかな…。戦闘まで希望してるやつもいやがるし、弾薬もか。あいつら相談しとくか)


―――――
―――

烈風妖精「サイファー、何考えてその結論に至ったのよ」

サイファー「仕方ねぇだろ。バーサーカー事件の時は一時的に収まったとはいえ、毎度毎度乗せろ乗せろって要望が多いんだ」

彩雲妖精「まぁ円卓の鬼神の操縦する戦闘機に同乗出来るってなれば歴史を知ってる子からすれば願っても無いチャンスよね」

流星妖精「燃料も弾薬もタダではないんですが。サイファーも少しお人好しすぎませんか?」

サイファー「自分でもそう思ってるっての。だが、このまま放っておくのは得策じゃないと考えてな」

彗星妖精「なんで?放っといても問題なさそうな気がするけどね~?」

サイファー「これを見ろ」スッ

烈風妖精「なにかしら?」


―サイファーが出したプリントにはそれぞれ要望を出した艦娘の名前とその回数をまとめ記載したものだった―


彗星妖精「ありゃ~1回とかそういう次元じゃない子もいるね~」

流星妖精「これ、計算するとほぼ毎週出してる子もいますね」

彩雲妖精「戦闘を希望してる子も1人2人じゃないわね」

サイファー「今までは秘書艦の独断で却下してたらしいんだが、いい加減うんざりしてるみたいでな」

烈風妖精「その秘書艦自身が出してちゃ身も蓋も無い気がするけど」

サイファー「そこはつっこんでやるな。俺だって盛大にツッコミ入れたいぐらいなんだ」

彩雲妖精「で?サイファーが私達に相談ってのは整備の回数が増えるから頼むって言いに来たの?」

サイファー「それもあるのはあるが…」

烈風妖精「おおかた副座から兵装システムをいじられないように私達も乗ってシステムをロックしろってところかしら?」

サイファー「察しが良くて助かるぜ。下手したら深海棲艦見つけたら勝手にミサイルをいじりそうでな」

流星妖精「発射管制はサイファーが握っているとはいえ、意図しないミサイルを発射されても困りますからね」

彗星妖精「ていうか、私達が乗らないと戦えないけどね~」

サイファー「そういうことだ」

烈風妖精「…わかったわ。けど燃料と弾薬はどうする気?出撃回数が増えればそれだけ消費も比例して大きくなるわよ」

サイファー「無策と言われればそれまでだが、なんとかやりくりするしかないだろう。その辺は追々大淀辺りと相談しながらだな」


ザッザッザッザッザッ


ピクシー「お困りのようだな、相棒」

サイファー「ピクシー。聞いてたのか?」

ピクシー「ああ、一部始終だがな。要はイーグルでの出撃が増えるから燃料と弾薬がいるってこったろ?」

サイファー「ああ。なにかいい当てがあるのか?」

ピクシー「まぁ無いことはないな」

サイファー「聞かせてくれ」

ピクシー「サイファーも知ってるとは思うが、日本にはストライクイーグルの運用実績は無い。つまり実戦運用でのテストと称して飛ぶんだ」

サイファー「それがどうして燃料と弾薬の問題解決に繋がるんだ?」

ピクシー「テストならどうしても燃料と弾薬は必要になるだろ?運用テストなら軍部からの支援が受けられるってわけだ」

サイファー「そんなにすんなり事が運ぶのか?」

ピクシー「震電Ⅱの実戦テストでそれなりのデータは得られたとはいえ、データってのはあって困らねぇもんだからな。海戦データならなおさらだ」

サイファー「しかしストライクイーグル自体は他国で運用実績がある。そんなに簡単にテストするからと言って支援が受けられるとは思えんが」

ピクシー「俺を誰だと思ってんだよ、相棒」

サイファー「…つまり深海棲艦との空対艦戦データを渡す代わりに燃料と弾薬を寄越す交渉をするってわけか」

ピクシー「そういうこった」

サイファー「出来るか?」

ピクシー「任しときなって、相棒」

サイファー「とりあえず当面の問題は解決しそうだな」

烈風妖精「で、誰から乗せる気?」

サイファー「そうだな…」


―――――
―――

―Case 1:第6駆逐隊―



暁「やっと乗せる気になったのね!まったく、れでぃを待たせるなんてじぇんとるまん失格よ」

電「サイファー司令官さんも忙しいから仕方ないのです。それでも乗せてくれてありがとうなのです」

サイファー「中々時間が空かなくてな。それに燃料と弾薬の問題も解決する必要があったからな」

響「ということは、燃料と弾薬の問題は解決したってことかい?」

サイファー「当面はな。あとでお前達には同乗して気づいたことをレポートして提出してもらうぞ」

雷「任せて!少しでもなにかあったら報告するわ!」

サイファー「いや、報告じゃなくて書面に起こして提出してくれ」

電「報告じゃなくて書類なのはなにか理由があるのですか?」

サイファー「一応このストライクイーグルを飛ばすのは実戦運用でのテストが名目だ。故にレポートが必要になる」

暁「それって震電Ⅱで十分だったんじゃないの?」

サイファー「日本ではストライクイーグルの運用実績がないからな。苦肉の策だがピクシーがなんとかしてくれてな」

響「かなり無理のある理由を通したんだね。了解、レポートは必ず提出するよ」

サイファー「頼んだ。で、誰から乗るんだ?」

雷「そりゃもちろん私よ!私が色々観察していいレポート出してサイファー司令官の負担を軽くしてあげるわ!」

暁「なに言ってんのよ!ここは長女の私よ!レディで長女の私が一番よ!」

雷「なんでよ!?」

暁「なによ!?」

電「はわわわわっ!ケンカはダメなのです!」

サイファー「…響、お前からだ」

暁・雷「なんでそうなるのよ!?」

響「いいのかい?」

サイファー「暁と雷は少々浮かれすぎだ。戦闘にも入る可能性もある。電は逆におじけづいている。先に冷静な者を乗せて一呼吸置いてやるのばベストだと考えたまでだ」

暁・雷「浮かれてなんかないわよ!」

響「Спасибо(スパスィーヴァ)。期待には応えるよ」

サイファー「じゃあ乗ってくれ。あとで妖精も乗り込む。ベルトを締めたのを確認したらキャノピーを閉じる。それから離陸だ」

響「了解」

暁・雷「むぅぅぅ~!」

サイファー「暁、レディなら他者に譲ることも必要だ。雷も世話を焼きたがるのもいいが1歩引いた目線から見るのも重要だ。戻るまでにどちらが先か相談して決めろ」

サイファー「電、もう少し自信を持て。お前にはお前にしか見えない世界があるんだ。乗るまでにそれをよく考えておけ」

電「…はいっ!了解なのです!」

サイファー「出撃する!」


―――――
―――

=響の場合=


響「ほぅ、中はこうなってるのか」

サイファー「高度制限解除と同時にシステムを起動する。それまでは少し狭いが我慢してくれ」

響「震電Ⅱやスーパーホーネットではサイファー司令官は離陸までこうやって妖精を抱え込んでたんだね」

サイファー「まぁな。システムが起動すれば兵装と一体化するから気にならなくなるんだがな」

響「常時起動していてはダメなのかい?」

サイファー「こいつらが疲れるんだとさ」

烈風妖精「システム起動時はどうしても気が強制的に張り詰めるから疲れるの」

彗星妖精「要は戦闘準備状態に入るわけだからね~」

響「なるほど」


サイファー「離陸開始地点到達。大淀!」

大淀『進路クリア!発進どうぞ!』

サイファー「ストライクイーグル、出るぞ!」ヒュィィィゴォォォォォォ

響「くっ!これは…なかなか凄いGだね」

大淀『サイファー機、高度制限を解除します』

サイファー「よし、頼んだぞ!」

烈風妖精「了解」シュゥン



<System Pixy Standby>ピピッ!



―――――
―――



プシュー


カンッカンッ


スタッ


電「響ちゃん、おかえりなのです!」

響「ただいま」

暁「どうだった?円卓の鬼神と飛んだ感じは?」

響「Хорошо(ハラショー)!中々貴重な体験だったよ」

雷「深海棲艦とは戦ったの?」

響「いや、戦ってない。そこまで距離を伸ばしたわけではないから」

電「響ちゃんは楽しかったですか?」

響「ああ。それに流石はサイファー司令官だ。安心して命を預けられる」

サイファー「さて、次は誰が乗るんだ?」

暁「次は私よ!」

サイファー「暁か。わかった」

雷「その次が私で、最後に電よ」

サイファー「きっちり順番が決まったようだな。じゃあ行くか」


―――――
―――

=暁の場合=


サイファー「大丈夫か?飛行機酔いしてないか?」

暁「だ、大丈夫よ!ちょっと離陸の時の加速Gにビックリしただけなんだから!」

サイファー「ならいいが。速度を上げるぞ」ゴォォ

暁「んっ!っと、これがミサイルの管制システムね。えっと空対艦はこれかしら」カチッ

暁「?あれ?あれ??なんで反応しないの?」カチッカチッ

暁「ちょっと!サイファー司令官、これ壊れてるんじゃないの?」

サイファー「むやみやたらに兵装システムをいじりまわされんように妖精側からロックしてるんだ。押してもなにも反応しないぞ」

暁「どういうこと!?私は一人前のれでぃなんだから戦況判断ぐらいできるわよ!」

流星妖精「ちなみに今押してたのは対艦ミサイルじゃなくて対空ミサイルです。軽空母や駆逐艦程度ならともかく、戦艦や空母を相手にするにはちょっと距離と威力が」

暁「し、知ってたし!邪魔な随伴艦から倒そうと思っただけだし!」

サイファー「空対艦ってハッキリ言ってただろうが。兵装システムを触ろうとするんじゃない。あと少し飛んだら帰るぞ」

暁「むぅぅ!って、きゃあああああ!海面にぶつかっちゃうぅぅ!」

サイファー(うるせぇ…)クイッ

暁「あ~ビックリした…。もう!海面スレスレを飛ぶならもっと相撲とに飛んでよね!」

サイファー「スマートに、だろ?実戦ならこんなもんじゃないぞ」

暁「わ、わざと間違えただけよ!」

サイファー「やれやれ…」


―――――
―――

雷「おかえり!どうだった?」

暁「い、一人前のれでぃならこれぐらい余裕だし」フラフラ

響「フラフラになってるじゃないか。サイファー司令官、なにやったんだい?」

サイファー「別に響を乗せた時と変わらんぞ。敵影も無かったからほとんど同じ飛び方をして帰ってきただけだ」

電「暁ちゃん、大丈夫?」

暁「さ、流石は円卓の鬼神ってところね。けど一人前のレディになるためならこれぐらい…」

サイファー「無理すんな。響、電、暁を明石の所に連れて行ってやってくれ」

響「了解」

電「了解なのです」

サイファー「雷、次はお前だったな」

雷「任せて!う~んっと役に立ってみせるわ!」

サイファー「あんまり気を入れすぎられても困るんだがな」


―――――
―――

今回はここまでです
先週は盛大に熱を出しながら仕事してたのでSSを書くどころか構成を考える余裕すらなく、実質の放置をしてしまい申し訳ありませんでした
ユンケル2本と改元を飲んで回復したので、とりあえず繋ぎの小ネタをやって本編を練っていきますので、今後ともよろしくお願いします

ではまた
ありがとうございました

小ネタを再開します

=雷の場合=


雷「なるほどなるほど。本物はこうなってるのね」

サイファー「どうしたんだ?本物はってどういうことだ?」

雷「サイファー司令官の役に立つために勉強してきたのよ!この機体って副座で兵装システムを触るんでしょ?」

サイファー「確かにその通りだが、システムは妖精側からロックしてるぞ」

雷「どうして!?もっと私を頼っていいのに」

サイファー「意図したミサイルと違うのを発射するほうが問題だからな」

雷「!?サイファー司令官!レーダーに反応が!」

サイファー「…彩雲!」

彩雲妖精「大方偵察に来た駆逐艦ってところね。どうするの?」

サイファー「ただで帰すわけにはいかんな。沈めるぞ!」

雷「了解!てことは対艦ミサイルね!」

サイファー「いや、彗星!」

彗星妖精「はいよ~!」

雷「え?対艦ミサイルじゃないの!?」

サイファー「狙えるな?」

彗星妖精「任せて。1回で全部沈めるよ~」

サイファー「雷、よく覚えておけ。なにも対艦ミサイルだけが敵舟艇を沈める手段ではないということをな。GBU-31、GBU-39発射!」カチッカチッ

彗星妖精「あらほいさっさ~っとね!」ヒュゥゥバシュゥゥゥン

雷「え?滑空爆弾を海上で使うの!?」

彩雲妖精「敵駆逐艦に命中!撃沈確認よ!」

彗星妖精「ま、ざっとこんなもんっしょ」

サイファー「よし、他に敵影は無いな。帰るぞ」


―――――
―――

響「おかえり。サイファー司令官、ミサイルを使ったんだね」

サイファー「ミサイルというよりは滑空爆弾だがな」

雷「う~ん、航空戦術も奥が深いわ。サイファー司令官の役に立つならもっと勉強しないとダメね」

響「戦闘したのかい?」

雷「戦闘もなにもこっちが敵影を捉えて、私は対艦ミサイルを用意しようとしたんだけど、爆弾だけであっという間に終わったわ」

サイファー「戦闘機での戦いの基本は相手に見つかる前に相手のレンジ外から撃破することだからな」

電「だとすると余計に対艦ミサイルじゃないのですか?」

サイファー「確かにハープーンの射程距離を考えればそうだが、相手の装甲と射程距離を把握していたから過剰と判断したまでだ」

雷「流石は円卓の鬼神ね。けどなんでも1人でこなされると少し寂しいわ」

サイファー「単独飛行ってのはそういうもんだ。己の判断が全てになる。それにこの基地を運営できてるのはお前達が遠征で支えてくれているからだ。いつも当てにさせてもらってるさ」

雷「他のことでももっと頼ってもいいのよ!」

サイファー「そん時はそうさせてもらうさ。さて、最後は電だな」

電「お願いします!ちょっと緊張してるのです」

サイファー「なに、ただちょっと空を飛ぶだけだ。行くぞ」

電「はいなのです!」


―――――
―――

=電の場合=


サイファー「さっきは偵察部隊がいたが、流石にもういないだろう」

電「この辺りだったのですか?」

サイファー「きっちり撃破したから大丈夫だとは思うが…」

電「サイファー司令官さん!あれ!」

サイファー「レーダーに反応!?まだいやがったのか。彩雲!」

彩雲妖精「敵は駆逐艦1隻だけど、その前方に小型艇か何かの反応があるわ」

電「人が深海棲艦に襲われているのです!サイファー司令官さん!」

サイファー「精度と威力を考えると滑空爆弾と対艦ミサイルは使えんな。烈風!流星!」

烈風妖精「わかったわ。流星、アシストをお願い」

流星妖精「了解です!AMRAAMスタンバイ!」

烈風妖精「ロックしたわ」

サイファー「外すなよ、AMRAAM、Fire!」バシュゥゥン

電「小型艇の前にも敵がいるのです!」

サイファー「よく気づいたな。A/B点火!距離を詰めてこちらに引き付ける!」ゴォォ

彩雲妖精「さっきの駆逐艦は撃沈を確認したわ!」

電「小型艇のみなさん、今助けるのです!」

サイファー「烈風!民間の小型船には当てるなよ!」

烈風妖精「そんなミスはしないわ」

電「サイファー司令官さん!」

サイファー「心配するな、きちんと助ける。お前の相手はこっちだ!」ドガガガガ


―――――
―――

暁「おかえりなさい。どうだった?」

響「ハードポイントからミサイルが発射されてる。また戦闘があったんだね」

電「ただいまなのです!暁ちゃん、もう大丈夫なのですか?」

暁「あ、あれぐらい平気よ!ちょっとだけ疲れただけよ」

雷「あの位置に付いてたのは…空対空ミサイルね!空戦でもあったの?」

サイファー「いや、深海棲艦の駆逐艦がいやがったが、民間の小型船がいたからな。精度と威力を考えてAMRAAMを使用しただけだ」

響「雷も電も戦闘を経験したのか。少し羨ましいな」

サイファー「戦闘なんて無いに越したことはないんだがな。電もよく民間船を見つけてくれたな」

電「出来れば敵も助けたいのですけど、人を助けるのが一番の役目なのです」

響「サイファー司令官、出来ればもう一度乗せてほしいな。戦闘を経験してみたい」

サイファー「馬鹿を言うな。1回限りの約束だ。それにA/Bを使用したから燃料ももう無いしな」

響「そうか。残念だけど仕方ないね」

サイファー「さて、今日はもう終わりだ。戻ってよく休め。機体を振り回したから変なところが筋肉痛になるから風呂入ったら念入りにマッサージしておけよ」

暁「どうして筋肉痛なの?」

サイファー「普段なら絶対に使うことの無い部分が旋回Gで強制的に使わされているからな。明日は下手したら全身筋肉痛になるぞ」

雷「サイファー司令官は大丈夫なの?」

サイファー「伊達に傭兵をやってきたわけじゃないからな。俺は問題ない」

電「お風呂でよく揉んでおくのです!」

サイファー「そうしておけ。じゃあ俺は機体をハンガーに入れるから、お前達は戻ってゆっくり休め」


『はい!(なのです!)』


―――――
―――

―Case 2:第7駆逐隊―


漣「漣の番ktkr!やっと飛べるんですね、ご主人さま」

曙「ずいぶん待たせてくれたじゃないの、このクソ提督!」

潮「曙ちゃん、サイファー提督は忙しい中で時間を作ってくれたんだから感謝しなきゃ。サイファー提督、今日はよろしくお願いします」

朧「サイファー提督、お忙しい中ありがとうございます」

サイファー「まぁ軽く飛ぶ程度しか出来んがな。少し空の旅を味わってもらおう」

漣「漣は一応戦闘も希望してるんですがねぇ」

サイファー「敵がいれば嫌でも戦闘になるが、わざわざ最前線に出向くほどのことでもないだろ」

曙「名目は機体のテストらしいし、ヘマしたらこっちまで被害を受けるから当然ね」

朧「しかしただ飛ぶだけではないのでしょう?」

サイファー「ああ。一応実戦に近い空戦軌道を取るつもりだ。要はお前達は俺がどう戦っているのかを見たいということだったからな」

潮「空の上からはどう見えてるのか、私達にはわかりませんから」

サイファー「で、誰から乗るんだ?もう順番は決まってるのか?」

朧「あ、まだ決めてませんでした」

曙「潮、あんた行ってきなさいよ。楽しみにしてたんでしょ?」

潮「え?私からでいいのかな?」

漣「(ピコーン)じゃあ漣から行きます!」ノシ

朧「(これは…!)じゃあ朧から行かせてもらいます!」ノシ

潮「(あれだよね?)じゃあ潮から…」ノシ


漣・朧・潮「………」ジー

曙「な、なによ!?」

サイファー(なんだこれ?)


漣・朧・潮「………」ジーー

曙「じ、じゃああたしから…」ノシ

漣・朧・潮「どうぞどうぞ!」

曙「なんなのよ、あんたたち!潮までどういうことよ!?」

漣「おりょ?行かないの?ぼのピーあんなに楽しみにしてたのに。じゃあ漣から!」ノシ

朧「朧から!」ノシ

潮「う、潮から!」ノシ

曙「もういいわよ、そのくだり!」

サイファー「お前らはなにをやってんだ?」


漣・朧・潮「………」ジーーー

曙「うっ…!じゃああたしから」ノシ

漣・朧・潮「どうぞどうぞ!」

曙「うがー!なんっなのよ、あんたたちはー!」ギャース

サイファー「…とにかく曙からでいいのか?」

漣「はい!ぼのピーから乗せてあげてください、ご主人さま」

曙「ま、まあいいわ!燃料と弾薬に余裕がある内に乗せてもらうわ。少なくなってヘマされても困るからね」

朧「漣、翻訳」

漣「『やった!最初に乗れるってことは色んなことが経験出来る!燃料にも余裕があるからちょっとぐらい我侭言えるかも!』ですかねぇ」

曙「誰もそんなこと言ってないわよ!いい加減にしなさい!」

サイファー「なんでもいいから曙、乗るなら乗ってくれ」

曙「わ、わかったわよ!けどヘマだけはしないでよね!」

サイファー「わかったわかった。ところでさっきのはなんだったんだ?ジャパニーズギャグか何かか?」

漣「いわゆる『お約束』ってやつですよ、ご主人さま」

サイファー「よくわからんな。まぁいい、出るぞ」


―――――
―――

今回はここまでです
若干朧のキャラが崩壊気味な気もしますが、許容範囲に収まってる…かな?多分
本編もゆっくり練りながら小ネタの投下を続けさせてもらいます

ではまた
ありがとうございました

自己保守がてらにちょっと投下します

=曙の場合=


曙「せ、戦闘機ってこんな速度で戦ってるの!?」

サイファー「まだそんなに速度を出してないんだがな」

曙「凄い軌道で飛びまわってるのは見るけど、実際に乗ると目が…追いつかない!」

サイファー「一昔前のレシプロ機全盛期の時代ならともかく、現代のジェット機での戦闘はレーダーを見るもんだ。肉眼で確認して戦闘するもんじゃない」

曙「敵に見つかる前に敵のレンジ外からミサイルで攻撃する…だったわよね」

サイファー「そうだ」

曙「じゃあ接近戦になったらどうするのよ?」

サイファー「有視界戦闘のために機銃と短距離空対空ミサイルってのがあるんだ。そいつを使う」

曙「零戦虎徹みたいな動きもするの?」

サイファー「確か背面飛行からの急降下アタックだったか?こういう感じの」クイッ

曙「うぅわぁぁぁ!ちょっと!急に背面にならないd」

サイファー「で、こうだな」グイッ

曙「へ?きゃぁぁぁ!」

サイファー「このぐらいで騒ぐなよ。暁かお前は」

曙「せ、せめてやるならやるって言いなさいよ!ビックリしたじゃないの!」

サイファー「なら戦闘速度でやるぞ。舌噛んだり吐いたりするなよ」ゴォォ

曙「ちょっ!音速超えてるって!」

サイファー「まずはバレルロールだな」グイッ

曙「なんで…この速度で機体振り回して平気な感じでしゃべってるのよ!嘘でしょ!?」

烈風妖精「サイファー、あんまりいじめたらダメよ」

サイファー「そんなつもりはないんだがな…」


―――――
―――

漣「ぼのピー、おかえり!どうだった?ご主人様との空の旅は楽しかったですかな?」

曙「あんたも乗ればわかるわ。エースパイロットって呼ばれる人間がどんなに狂ってるかがね」

朧「サイファー提督、なにやったんですか?」

サイファー「別に大したことはしてないぞ」

曙「よく言うわよ!なによあれ!なんで岩山と岩山の間の機体幅ギリギリのところをマッハで通過出来るのよ!」

サイファー「空戦体験したいと言ったのはそっちだろうが。敵を振り切るなら使える環境は使うもんだ」

漣「あ~、そりゃあ生きた心地しないでしょうねぇ」

潮「少し怖くなってきちゃいました」

サイファー「空戦は兵装だけでなく3次元的に使える環境を駆使して行うもんだ。別に珍しいことじゃないぞ」

朧「次は朧ですがサイファー提督、お手柔らかにお願いします」

サイファー「次は朧か。まぁ状況次第ってところだろうな」

漣「円卓の鬼神であるご主人様ですから墜落はしないでしょうけど…」

潮「あまりの状況にこっちが意識飛んじゃいそうです」

曙「あたしもなんで意識保ってられたのか不思議なぐらいよ」

漣「もしかしてぼのピー、ちょっとちびっちゃいました?」

曙「そんなわけないでしょ!…ちびりそうになったけど」ボソッ

潮「曙ちゃん、最後なんて言ったの?」

曙「な、なんでもないわよ!」

サイファー「何を言い合ってるんだ?まあいい、朧出るぞ!乗り込め」

朧「了解です」


―――――
―――

=朧の場合=


朧「あ、曙はこんな体験したんですね」

サイファー「まぁ実戦でやってる空戦軌道の基礎的なことを速度を上げてやったぐらいだがな」

朧「応用になるとどうなるんですか?」

サイファー「まぁロールを入れたり急旋回を入れたり様々だな」

朧「凄いですね。サイファー提督はいつもこんな強烈な環境で戦ってらしたんですね」

サイファー「まあ実際に会敵したら頭で考えるよりも体で動いてることが多いがな」

彩雲妖精「サイファー!敵を発見よ!相手は…潜水艦が4隻よ!」

朧「せ、潜水艦…!?」

サイファー「よく見つけたな。しかしなぜこんなところに潜水艦が?輸送船でも狙いに来たか」

朧「どうなさるんですか?」

サイファー「どちらにしても見つけたからには放ってはおけん。彗星!」

彗星妖精「潜られる前に叩けってことだよね?もう少し高度を落としてくれる?」

サイファー「わかった」クィッ

朧「さ、サイファー提督、これでは速度が速すぎませんか!?」

サイファー「潜られてしまっては対潜兵器では無い以上、威力が半減してしまうからな。浮上している間に仕留める!」

彩雲妖精「敵がこっちに気づいたみたいよ!」

サイファー「もう遅い!彗星!」カチッカチッ

彗星妖精「は~いよ~っと!」ヒュゥゥゥン


―爆撃で潜水カ級2隻撃沈。すぐさま上昇、ループし下降と同時に残りをロック。そして…―


サイファー「流星!やつらの頭からぶち抜け!サイドワインダーFire!」カチッカチッ

流星妖精「了解です!サイドワインダー発射!」バシュバシュゥゥン


―さらにサイドワインダーで残りを撃沈。この間1分と満たない戦闘であった―


朧「は、早い!もう終わったんですか!?」

サイファー「彩雲、他に敵影はあるか?」

彩雲妖精「ないわ。どうやら小隊で通商破壊が目的だったみたいね」

サイファー「そうか、ならいい。補給が必要になったな。朧、基地に戻るが構わんな?」

朧「は、はい!大丈夫です」

サイファー「帰投するぞ」


―――――
―――

潮「朧ちゃんおかえりなさい!どうだった?」

朧「凄い光景を見せられた。戦闘機ってあんな早い戦闘が出来るんだってビックリした」

曙「だから言ったでしょ?エースパイロットはみんな変態なのよ」

漣「おりょ?ミサイルが減ってますね。戦ってきたんですか?」

サイファー「たまたま潜水艦を見つけてな」

曙「あの位置に付いてたのは空対空ミサイルよね。まさか空対空ミサイルで撃沈したってこと!?」

朧「通常爆弾と空対空ミサイルだったよ。一瞬の出来事で何が何だかわからない内に戦闘が終わっちゃった」

漣「接近して爆撃からの上昇して下降モーションからミサイル撃ちこんだってところですかねぇ」

サイファー「よくわかったな」

潮「浮上していたんですか?」

サイファー「そうだ。潜られる前に片をつけなければならなかったからな」

曙「まさに電撃戦ね。まさか円卓の鬼神に見つかるなんて、あたしは潜水艦は苦手だけど少し同情するわ」

漣「ユーク軍のシンファクシ級みたいに散弾ミサイルとか艦載機なんて装備できませんから、浮上してる時に見つけられたら撃沈不可避ですねぇ」

サイファー「まぁ見つけたのはたまたまだったが被害が出る前でなによりだ。次は誰が乗るんだ?」

漣「はいはいは~い!漣行きますよ~!」

サイファー「次は漣か。少し補給をするから補給が済み次第出撃だ。いいな?」

漣「アッハイ。じゃなくて、燃料が足りなくなったんですか?」

サイファー「そんなところだ。思った以上に燃料を使ってしまってるからな」

漣「ほ~ぅ、ぼのピーにおぼろんはご主人様にどんな要求したんですかねぇ」

曙「別に変わったことは要求してないわよ」

朧「朧は頼む前に戦闘に入ったから特には」

サイファー「とにかく補給が先だ。ついでに使用した弾薬も補給する。今のうちに自分の装備を再チェックしておけ」

漣「了解ですよ~」


―――――
―――

ここまでです
比較的楽なイベントだったとはいえ、初の甲種勲章ゲットしました
しかしE-4の掘りが全然進まねぇ。プリンツもローマもグラ子もいねぇ
嵐?そこまで手回りません。ただでさえ忙しいのに
早く落ち着いてようやく構想が出来た本編の書き貯めとWoWsやりたいです

ではまた
ありがとうございました

続きを投下します

=漣の場合=


漣「いや~ありがとうございますご主人様。漣の希望を聞いてくれて」

サイファー「まぁ1回限りだがな。それより何故この方角なんだ?」

漣「それはですねぇ…」

彩雲妖精「サイファー、敵艦隊発見!正規空母1、軽空母2、重巡1、輸送艦2よ!」

サイファー「輸送艦隊と出くわしたか。ん?まさか…漣、これが狙いか!?」

漣「やっぱりガチ空戦を体験したいんですよねぇ。まさか本当にガチ艦隊に出くわすとは思ってなかったんですけど」

サイファー「お前、あとで戻ったら始末書だからな。流星!」

流星妖精「ハープーン発射準備OKです!」

サイファー「狙いはわかってるな!?ハープーン、Fire!」バシュバシュゥゥン

漣「この距離からもう狙えるんですか!?」

サイファー「むしろこの距離だからこそ狙うんだ。やっかいなやつから叩くのは戦闘の鉄則だ」

彩雲妖精「空母ヲ級、重巡リ級に命中!撃沈確認よ!」

漣「長距離空対艦ミサイルが簡単に命中しちゃってますね。ご主人様ってホントに人間ですか?」

サイファー「ずいぶんと失礼な事を言ってくれるな」

漣「いやいや、おかしいでしょ。妖精さん達の補正があるって言っても深海棲艦にハープーンをこの距離でぶち当てるとか、意味不な状況すぎて草生えそうですよ」

彩雲妖精「敵軽空母から艦載機発艦を確認!サイファー、来るわよ!」

サイファー「頭を押さえる!烈風!」

烈風妖精「この距離ならAMRAAMね。いけるわ」

サイファー「編隊が整う前に落とす!AMRAAM、Fire!」バシュバシュゥゥン

彗星妖精「サイファー、こっちも捉えたよ~」

サイファー「なら確実に当てろよ!マーヴェリック、Fire」バシュバシュゥゥン

彩雲妖精「AMRAAM命中!爆発の余波で敵機は残りわずかに減ったわ!」

漣「はにゃあ!まだ有視界で会敵もしてないのにもうこれだけの戦果ですか、そうですか」

彩雲妖精「続いてマーベリック命中!軽母ヌ級2隻撃沈よ!」

サイファー「残りの艦載機と輸送艦を叩く!接近するぞ!」ゴォォ

漣「なんでしょう、この…なんだろ…?」


―――――
―――

曙「おかえり。どう?この変態提督との空の旅は?」

サイファー「クソはともかく変態はやめてくれ。あらぬ誤解を生みそうだ」

漣「いや~、おぼろんが言った意味がよくわかりましたねぇ」

朧「ミサイルが減ってる。戦闘があったの?」

サイファー「漣がどうしてもと言うからお前達とは別の方角に飛んだんだがな、そうしたら輸送艦隊と鉢合わせてやり合うハメになってな」

曙「あんた、それ狙ってやったでしょ?」

漣「せめて軽巡ぐらいと鉢合わせるかなぁって思ってた程度なんですが、まさかヲ級を含んだ艦隊と鉢合わせるとは想定外でしたねぇ」

潮「それで、どうなったんですか?」

サイファー「鉢合わせた以上は見過ごすわけにはいかんからな。きちんと撃破してきたぞ」

漣「しかも無傷の完全勝利。有視界に入る前に輸送ワ級と発艦してた艦載機以外全滅。円卓の鬼神になるには人類を卒業しないとダメなことがよ~くわかりました」

サイファー「おかげで補給が必要になった。潮、すまんが補給が済み次第の出撃になる」

潮「は、はい。大丈夫です」

漣「しかも残ってた艦載機も機銃と空対空ミサイルであっという間に殲滅、落としてる間に爆弾で輸送ワ級も撃沈しちゃって、状況に頭がついていきませんでしたよ」

曙「ホント化物染みてるわね。本当に人間かどうか怪しくなってくるわよ」

朧「朧の時もそうだったけど、艦隊を相手にしても早かったんだね」

漣「体感で5分ぐらいしかかってなかったんじゃないですかねぇ」

曙「早すぎるわよ、それ」

潮「あの…潮は普通でいいですから。漣ちゃんの時みたいに前線に出向かなくても大丈夫ですので」

サイファー「当たり前だ。いくら燃料と弾薬の目処が立っているとはいえ、そう何度も戦闘を行っていいわけじゃないからな」

漣「漣はラッキーだったのかアンラッキーだったのか。てっきり3Dシューみたいに飛びまわってドンパチやるもんだと思ってたんですがねぇ」

サイファー「空戦ってのは本来そんなもんだ。お前達が船舶そのものだった時代のレシプロ機での戦闘ならともかくだがな」

朧「相手が鬼級でも容赦なく速攻で終わりそうな気がする…」

曙「やっぱり変態よ、この変態提督!」

サイファー「だから変態は止せ。潮、補給の間に装備をチェックしておけ。終わり次第出るぞ」

潮「りょ、了解です!」


―――――
―――

=潮の場合=


潮「あの、サイファー提督」

サイファー「どうした?」

潮「確か皆のときは高度制限が解除されたらシステムを起動させてたんですよね?」

サイファー「ああ。やっぱり少し狭いか?」

潮「いえ、それは大丈夫なんですけど、どうしてシステムを起動させないのかと思いまして」

サイファー「だいたい漣のせいだ。このイーグルもスーパーホーネットも補給作業は主にこいつらが主体で行っているからな」

潮「それに漣ちゃんとどういった関係が?」

サイファー「朧の時は仕方ない状況だったが、漣の時は艦隊と真正面からやり合うハメになったからな。それだけ補給作業で疲労がたまってるようでな」

烈風妖精「ごめんなさいね。システムを起動させると気が張り詰めてしまうから少しだけ休憩がほしいの」

潮「いえ、大丈夫です。気にしないでください」

サイファー「どうしても我慢できなくなったら言ってくれ。烈風達も理解してくれるはずだ」

潮「いえ、平気です。それに妖精さんたち可愛いですから」

彗星妖精「おんや?褒められちゃったね~」

流星妖精「そう言っていただけるとは思ってませんでした」

彩雲妖精「あら、烈風照れてるの?」

烈風妖精「そんなことないわ。けど、悪い気はしないわね」



ザザッ


ピクシー『よう相棒!まだ生きてるか?』

サイファー「ん?ピクシーか。本土から戻りか?」

ピクシー『ああ。用事を済ませて今戻ってきたところだ。ところで今副座に座ってるのは誰だ?』

潮「潮です。妖精さんたちも一緒です」

ピクシー『そうか。で、どうだい?サイファーとの空の旅をしてる気分は』

潮「凄いですね。なんていうか…安心して命を預けられるというか」

ピクシー『ということはまだ無茶をやらかしてないってことか』

サイファー「別に変わったことはやってねぇよ。どいつもこいつも人をなんだと思ってやがる」

ピクシー『ハッハッハッ!あんまりお前のガチの飛び方をやってやるなよ。んじゃ俺は一足先に戻ってるぜ』

サイファー「ああ、了解した」

潮「ピクシーさん、お気をつけて」


潮「やっぱりピクシーさんと仲がいいんですね」

サイファー「元々は傭兵仲間だったが、今じゃもはや腐れ縁だな」

潮「サイファー提督もピクシーさんと話されてる時は楽しそうですから」

サイファー「…そうだな。戦友ってのはそうなのかもしれねぇな。お前達も仲良くやれよ」

潮「はい!」


―――――
―――

朧「おかえり。どうだった?」

潮「楽しかったよ!色んな飛び方してもらったけどなんだか安心して命を預けられる感覚だったかな」

曙「よくこの変態パイロットの飛行を体験してそんな言葉が言えるわね」

サイファー「だから変態は止めろっつってんだろうが。俺としては朧と漣の時は戦闘があったが、別に変わったことは特にやってねぇぞ」

漣「うっしーは気が弱そうで案外肝が据わってますからねぇ」

サイファー「お前は肝が据わってるというより悪ふざけがすぎるだけだがな。始末書は明日までに提出だからな」

漣「あ、やっぱり逃げられませんか」

サイファー「当たり前だ!どれだけ弾薬を使用したと思ってやがる」

曙「バカね。変な注文しなけりゃレポートだけで済んだのに」

漣「うへぁ。うっしー手伝って~」

潮「流石に漣ちゃんが悪いと思うな。妖精さんも疲れてたし」

漣「助けておぼろも~ん」

朧「自業自得でしょあれは。レポートは明日までじゃないんだから頑張って始末書書かないと」

漣「ぼ~のぴー!」

曙「ちょっ!あたしに振らないで!ていうかぼのぴー言うな!」

サイファー「戦闘機はおもちゃじゃないんだ。少しは悪乗りを反省しろ」

漣「おぅふ!メシマズです。なんてこったい」

サイファー「さて、今日はもう終わりだ。朧、潮、曙、漣が始末書作成をサボらないように監視しておけ」

朧・潮・曙「了解!」


―――――
―――

―Case 3:小動物(駆逐艦)―


夕立「あなた~にポイを~して~みました~♪」

時雨「なにそれ?歌詞少し違うよね」

時津風「夕立嬉しそうだねぇ」

雪風「みんなサイファー司令と乗れるのを楽しみにしてるから夕立ちゃんなりの表現なんだろうね」

サイファー(こりゃまたなんというか、犬っぽいのが3人にハムスターっぽいのが1人。なんつう選定基準だこりゃ)

サイファー「今日はお前達か。事前に受けた説明は頭に入ってるな?」

時雨「大丈夫だよ。きちんと覚えてきたから」

雪風「ちゃんと装備の使い方も覚えてきました!」

サイファー「夕立はずいぶん浮かれてるな」

夕立「あぁそれは~あ~それはポイーッ!の魔法ね~♪」

時津風「夕立なりの喜びの表現じゃないかなぁ?ずいぶん楽しみにしてたみたいだしねぇ」

サイファー「それで大丈夫なのか?」

夕立「ちゃんと覚えてきたから大丈夫っぽい!」

サイファー「ならいいんだが。で、誰から乗るんだ?」

夕立「はーい!夕立から乗るっぽい!」

サイファー「…なんか不安を覚えるが、まあいい。装備のチェックは大丈夫だな?」

夕立「さっきちゃんと手順どおりにやったっぽい!だから問題ないっぽい!」

サイファー「ぽいじゃ困るんだがな。まあいい、乗ってくれ」

夕立「ぽ~い!」

サイファー「お前達も待機中に装備のチェックをしておけ。出るぞ!」


―――――
―――

今回はここまでです
前回投下したらその後にローマがドロップ。もしかしたら投下がキーになってるのか?
Case3が終わったら本編再開したいなぁ。まだ頭の中の構想のメイン部分まで書き下ろせてないけど…
サイファーと飛ぼうChapter2も考えてるし、やりたいことがたくさんありすぎる

ではまた
ありがとうございました

続きを投下します

=夕立の場合=


夕立「妖精さん達って実際に戦闘しながらこの難しそうな装置をいじってるっぽい?」

サイファー「まぁ各々分担で作業してるがな」

夕立「どんな風に役割分担してるの?」

サイファー「烈風が主に対空、流星が対艦、彗星が対地、および陸戦型への攻撃と防御全般、彩雲がアビオニクス全般だ」

夕立「こんなにミサイルの種類があったら一人で選ぶの大変っぽい」

サイファー「慣れだな。実際あいつらと出会うまでは一人でやっていたことだしな」

夕立「間違えて撃ったりとかしたことないっぽい?」

サイファー「無いと言えば嘘になるな」

烈風妖精「今は私達が副座のシステムと同化してるからスイッチをいちいちいじらずに直結で作業してるからまだ楽な方よ」

流星妖精「スーパーホーネットや震電Ⅱの時はサイファーが色々操作してましたけどね」

夕立「ふぅん。音声認識っぽく切り替えが出来るっぽい?」

サイファー「まぁ感覚的にはそんな感じだな」

夕立「じゃあ夕立もやってみていい?」

サイファー「おいおい、ミサイルはおもちゃじゃないんだぞ」

烈風妖精「発射管制はサイファーが握ってるんだし、切り替え程度なら大丈夫じゃなくて?」

サイファー「お前にしては珍しくサービス精神旺盛だな。まぁいいだろう」

夕立「よぉし!…今はAMRAAMだから…ハープーンスタンバイ!」


ピピッ


夕立「おぉ~!切り替わったっぽい!凄い凄~い!じゃあマーベリック!」


ピピッ


夕立「わぁぁ!サイファー提督さん!これ楽しいっぽい!」

サイファー「…そりゃなによりで。まさかお前達までノッて遊ぶとは想定してなかったんだがな」

彗星妖精「発射はしないんだからいいんじゃないの~?」

サイファー「そういう問題じゃないだろうに…」


―――――
―――

時雨「おかえり夕立。サイファー提督との飛行は楽しかったかい?」

夕立「もうすっごい楽しかった!妖精さん達も協力してくれて凄い面白かったっぽい!」

時津風「戦闘はしてないんだねぇ」

サイファー「会敵しなかったからな」

雪風「妖精さんたち、ちょっと疲れてませんか?」

サイファー「夕立に付き合ってあれこれやったからな。ほどほどにしときゃいいものをな」

時雨「夕立、なにやったんだい?」

夕立「ミサイルの切り替えとか色々やってもらったっぽい」

サイファー「流石にHUDの表示まで触られた時は少し焦ったがな」

夕立「でもすっごい楽しかったっぽい!ビューン!って飛びながらミサイル切り替えて戦術考えて飛ぶのって難しいけど面白いっぽい!」

時津風「ソロモンの悪夢モードかな?」

夕立「夕立もうちょっと大きくなったらライセンス取ろっかなぁ」

サイファー「ライセンスの取得は構わんが、基礎航空力学の時点でギブアップしてるようじゃまだまだ先の長い話だな」

夕立「う~!これからピクシーさんにゆっくり教えてもらうっぽい!」

雪風「ピクシーさんは香取さんや鹿島さんよりきびしいと思うけど…」

時津風「笑いながら凄く難しい問題を出した上に、採点基準もきびしいと思うなぁ」

時雨「この前、香取さんと鹿島さんがピクシーさんに何か相談してたね」

サイファー「ピクシー式レッスンは色々怪しいんだがなぁ。まあいい。で、次は誰だ?」

時津風「次は時津風だよ~」

サイファー「そうか。装備の最終チェックをしたら乗ってくれ。補給はせずにそのまま離陸する」

時津風「了解了解~」


―――――
―――

時津風「やっぱり戦闘機って速いねぇ。周りの景色が凄い速度ですっ飛んでいくね~」

サイファー「A/B使わなくてもマッハの1歩手前までは加速できるからな」

時津風「最高速度だとどれぐらいだっけ?」

サイファー「カタログスペック上はマッハ2.5だ。当然高度なり搭載兵装などで左右されるがな」

時津風「ちょっと体験してみたいなぁ」

サイファー「まぁ燃料の補給は必要になるがいいだろう。A/B点火」ゴォォ

時津風「わぁ!凄い加速G!引っ張られる引っ張られるぅ!」

彩雲妖精「ん?サイファー、敵艦を発見したわ!駆逐艦が2隻よ!距離53000!」

サイファー「周囲に他の敵影はどうだ?」

彩雲妖精「無いわ。偵察部隊かしらね」

サイファー「なら一撃離脱だ。流星!」

流星妖精「この距離ならAMRAAMで行きます!」

時津風「こんな速度出てて当てられるの?」

サイファー「問題ない。それに当てられる当てられないではない。当てるんだ」

時津風「こりゃ確かにサイファー司令に狙われたらアウトってみんな言うよねぇ。射程外の遠くから撃たれてこんな速度で逃げられるんじゃどうしようもないねぇ」

流星妖精「敵艦ロック完了!いつでもいけます!」

サイファー「発射と同時に離脱するぞ!AMRAAM Fire!」バシュバシュゥゥン


―――――
―――

雪風「時津風おかえり!どうだった?」

時津風「すっごい楽しかったよ~!音速の壁も超えてくれたし、ミサイル発射の瞬間も見れたしねぇ」

夕立「ミサイルを使ったっぽい!?あ!ホントだ!AMRAAMが2発無いっぽい!」

時雨「相手は軽巡か駆逐かな?戦艦だと対空ミサイルは耐えそうだし」

サイファー「駆逐が2隻だ。それと時雨、空対空ミサイルでも当て方次第では戦艦だろうが空母だろうが沈めることは可能だ」

雪風「確かにサイファー司令なら空対空ミサイルのみの搭載でも問題なく片付けそうですけど」

夕立「円卓の鬼神の2つ名は伊達じゃないっぽい」

時津風「今更だけどよく摩耶さん達はサイファー司令と演習して平気な顔してられたねぇって思ったかなぁ」

時雨「本気のサイファー提督を相手にしたら流石に生きた心地はしなかったと思うよ。僕も参加してたけど何も出来ずに撃沈判定にされたから」

夕立「そういえば時雨はサイファー提督さんとの演習に参加してたっぽい」

時雨「僕がまだ未熟なのかもしれないけど、それでも伝説のエースパイロットは『遠い』って思ったよ」

サイファー「あれは震電Ⅱの機体の性能チェックもあったからな」

雪風「それで完全勝利してるんですからやっぱり凄いですよ」

夕立「でもいいなぁ。時津風は戦闘を経験したんだし、夕立も経験してみたいっぽい」

時津風「経験したって言っても音速超えた状態からミサイルを2発撃って一撃離脱しただけだから経験したって言うのかなぁあれは」

雪風「それで撃沈はしたの?」

時津風「見事命中の撃沈だったよ~!本当にサイファー司令は凄いねぇ」

サイファー「相手が脆い相手だったからな。さて、次は誰だ?」

雪風「次は雪風です!装備の点検は完了してます!」

サイファー「そうか。だがA/Bを使用してしまったから燃料だけ補給をする。その後に出るぞ」

雪風「了解しました!」


―――――
―――

ここまでです
ワン子は従順、いいね?
エスコン7確定しましたね。YouTubeで動画も見ましたがラプター大好きの自分歓喜!
エスコン7買わねば

ではまた
ありがとうございました

続きを投下します

=雪風の場合=


雪風「わぁ!やっぱり戦闘機って速いですね!あっという間に基地が見えなくなりました!」

サイファー「雪風も駆逐艦だからそれなりの速度で海上を航行してるだろ」

雪風「それはそうですけど、やっぱり戦闘機とでは速度が違います。少し島風ちゃんの気持ちがわかった気がします」

サイファー「お前まで島風みたいに速さを求めるようにはならんでくれよ」

雪風「それは大丈夫です。流石にあの速度は雪風ではどう頑張っても出ませんし」

サイファー「しかし、お前達は戦闘機に乗るのを怖がらんな。少しはあれかと思ってたんだがな」

雪風「敵の戦闘機は怖いですけど、サイファー司令が操縦している戦闘機ですから怖くないです」

サイファー「そういうもんかねぇ」クイッ


―ぼやきながらスプリットSの軌道を取るサイファー―


雪風「お、おお?おおお!?」

雪風「今のも戦術機動なんですよね?なんていう飛び方なんですか?」

サイファー「スプリットSだ。インメルマンターンの逆向きのパターンだ」

雪風「シャンデルってどうやるんですか?」

サイファー「シャンデルか。こうやってな」クイッ

雪風「斜めに上がるとこんな感覚なんですね」

サイファー「で、ここで姿勢を戻すんだ」クイッ

雪風「これで敵の姿は見えるんですか?」

サイファー「死角は当然ある。だからレーダーと勘を頼るんだ」

雪風「なるほど!」

サイファー「えらく熱心に聞いてくるな。ライセンスでも取る気なのか?」

雪風「そこまでは考えてないですけど、こういった空戦機動を覚えておいたら今後役立つかなぁって」

サイファー「確かに空戦機動を覚えれば相手の動きが読みやすくなるからな」

雪風「次はバーティカルローリングシザースをやってみてもらえますか?」

サイファー「わかった」


―――――
―――

時津風「雪風おかえり~。どうだった?」

雪風「色々勉強になったよ!やっぱり実際に乗って体験するのと見るのとでは違ったし」

夕立「サイファー提督さんとなら安心して飛んでられるっぽい」

雪風「サイファー司令!ありがとうございました!勉強になりました!」

サイファー「ああ。だが元々被弾の少ない雪風がここまで勉強熱心に聞いてくるのは予想外だったな」

雪風「いつまでも幸運だけで避けているとは思われたくありませんから」

時雨「それはある意味で僕にも当てはまるんだけど…」

夕立「でも時雨はサイファー提督さんとの演習で1発でやられたっぽい」

時雨「相手が悪すぎるんだって。夕立だってサイファー提督と戦って無事で済むと思うかい?」

夕立「う~ん、たぶん速攻で勝負を決められるっぽい」

時津風「鬼神は怖い怖い」

サイファー「さて、最後は時雨だったな。装備のチェックはどうだ?」

時雨「大丈夫。チェックは終わってるからすぐにいけるよ」

サイファー「そうか。なら乗り込んでくれ。補給は無しでそのまま出るぞ」


―――――
―――

=時雨の場合=


時雨「なるほど、こんな感覚だったんだね」

サイファー「なにがだ?」

時雨「安心して命を預けられるってことさ。何も不安が伝わってこない」

サイファー「慣れ親しんだ機体ってのもあるが、そんなに無茶な飛び方をするつもりがないってのもあるな」

時雨「そうじゃくて、何か別の…そう、絶対的な安心感がサイファー提督から伝わってくるような」

サイファー「そうか?俺は特別何かをしてるわけじゃないんだがな」

時雨「だからかもしれないね。まるで日常のような、手足を扱うような感覚だから不安を感じないのかもしれないね」

サイファー「イーグルは俺にとって手足みたいなもんだからな。使い慣れた機体ってのはそれだけいいもんだ」

時雨「僕も、艤装を完全に手足のように扱えるようになるかな」

サイファー「それは訓練次第だ。確かにお前達艦娘は状況に応じて艤装を変えているが、結局のところ一番自信の持てる艤装を使い倒せば自ずと他の艤装でも出来るようになるんじゃねぇかと思うぜ」

時雨「そうだね。自分の長所、得意な部分を伸ばせばそれだけ応用が利くようになるね」

サイファー「そういうことだ。自分自身をよく見つめなおせば自ずと見えてくるはずだ」

時雨「そうだよね。…ところでサイファー提督、さっきから岩山の凄くギリギリを通過してるけど何か意図があるのかい?」

サイファー「一応実戦を考慮した飛び方を見せるのが名目だからな。地形を利用した飛び方をしてるんだ」

時雨「そっか。墜落しないとは思うけど、少しビックリするね」

サイファー「…お前は肝が据わってるな。曙なんかはギャーギャー騒いでたぞ」

時雨「激突はしないって思ってるけど、凄いスリルだねとは思ってるよ」

サイファー「最後にあの岩山のトンネルを潜り抜けたら帰投するぞ」

時雨「え?あのトンネル潜れるのかい?」

サイファー「機体幅的には問題ない」

時雨「墜落はしないとわかってても下手なジェットコースターよりはよっぽど怖いとは思うよ、やっぱり」

サイファー「突入するぞ」


―――――
―――

夕立「おかえり時雨!どうだった?楽しかったっぽい?」

時雨「うん。操縦技術って突き詰めるとここまで出来るんだって思ったよ」

時津風「曲芸飛行でもやったのかなぁ?」

時雨「ある意味曲芸の域なのかもしれなかったかな」

雪風「なにやってきたんですか?」

サイファー「地形を利用した飛び方をしてきただけだ。しかし時雨は肝が据わってるな。少しぐらいはビビるかと思ってたんだがな」

時雨「正直ビビりはしてたよ。けど安心の方が大きかったから」

時津風「わかるわかる」

夕立「サイファー提督さんとなら安心できるっぽい」

雪風「円卓の鬼神は伊達じゃないです!」

サイファー「暁と曙がなんだったのかと思えるな」

夕立「?…チキンハート?」

時津風「七面鳥七面鳥!」

時雨「それだと某正規空母さんが怒ると思うよ」

雪風「陸上で爆撃されたくありません」

サイファー「まぁいい。今日はこれで終わりだ。俺はこのストライクイーグルをハンガーに入れてくるからここで解散だ」

雪風「了解しました!」

時雨「サイファー提督、今日はありがとう。凄く楽しかったよ」

時津風「中々出来ない体験だったねぇ」

夕立「夕立、ちょっと本気で航空力学勉強してみるっぽい!」

サイファー「楽しかったなら良しだな。風呂に入ってしっかり全身マッサージしておけよ。じゃあな」


―――――
―――

これにてサイファーと飛ぼうChapter1は終了です
こんな艦娘と飛んでくれなんてリクエストがあれば書いてみます
即時ではなく書き貯め方式になるのですぐに投下とはなりませんが

続けて本編再開します

   ―探究心の果てに見る幻想と混沌―


―バーサーカー事件から数日経ち、事態を重く見た軍上層部は調査の末に研究機関の上層部の人間を逮捕。事実上の機関の解体を行っていた。そんなある日のこと…―


サイファー「う~ん…」

大和「煮詰まってらっしゃいますね。コーヒーをお入れしました。どうぞ」

サイファー「サンキュー。どうにもなぁ」

大和「震電Ⅱの件ですか。確かバーサーカーの遺体は本土に搬送されて司法解剖が行われたんですよね」

サイファー「ああ。だが機体そのものはこの基地に残っているからな。システムエルフなんてもんが積まれた機体なんて明石や夕張だけで解析させるのはあれだからな」

大和「明らかに解析するための人材と機材が足りてませんね」

サイファー「そうだ。だからと言って大本営にすんなり渡すわけにもいかん。曲がりなりにも軍部と繋がっている機関がやらかしたことだからな」

大和「大本営と製造元の人材をこちらに派遣してもらうわけにはいかないんですか?」

サイファー「一応その方向で考えてはいるんだが、そうなってくると今度は基地の運営に支障が出かねんからな」

大和「一応最前線の基地ですからね、ここは」

サイファー「研究、解析をしようもんなら大掛かりな機材と大人数であれこれやることになるのは目に見えてるからな」

大和「それにブラックボックスを開けることにもなりますから、私達の立ち入りも制限されてしまいますね」

サイファー「そういうことだ」

大和「難しい問題ですね」

サイファー「ああ。ここまでくるとピクシーの権限だけでどうにかなる問題でもないしな」

大和「サイファー提督とピクシーさんに付いている妖精さん達に頼むことは出来ないんですか?」

サイファー「それは明石や夕張に解析作業させるより危険な事になりかねん」

大和「というと、どういうことですか?」

サイファー「やつらは機体と『会話』が可能な存在だ。故に深海棲艦の技術が組み込まれた機体と『会話』を行ってしまうと、逆に精神汚染されかねん」

大和「機体そのものに近づける存在だからこその危険があるということですか」

サイファー「そうだ」

大和「八方塞ですね」

サイファー「頭痛ぇぜまったくよぉ」

大和「大本営は何て言ってきてるんですか?」

サイファー「可能なら機体を本土に送ってくれだとよ。んでNoを突きつけたらせめて人材と機材を派遣させてくれってよ」

大和「現状でサイファー提督のお考えと合致してますね」

サイファー「ああ。だがさっきも言った問題が発生しかねん。それも伝えてはいるんだがな」

大和「普通なら命令に従わない場合は反逆罪を問われてもおかしくないんですが」

サイファー「事件を解決した当事者が相手な上に、陸軍で元ISAFのピクシーまで噛んでいる。おまけに当事者は元傭兵。下手に動けば誤魔化しが利かなくなるのを危惧してるんだろうな」

大和「つまりサイファー提督とピクシーさんがイレギュラーな存在で、軍部も強硬手段に出れないということですか」

サイファー「そういうことだろうな。ただ単に理解が深いだけならありがたいんだがな」

大和「その線は…捨てたくありませんね」

サイファー「ああ。軍部とて一枚岩じゃないことは重々承知してはいるがな」



knock knock



サイファー「入れ」



ガチャ



大淀「第1艦隊より入電です。敵艦隊撃破なるも大破が3名。どうされますか?」

サイファー「帰投に問題は無いか?」

大淀「はい。撤退命令を出しますか?」

サイファー「ああ、頼む」

大淀「了解しました。艦隊に伝えます」



バタン


大和「サイファー提督も最初の頃に比べて艦隊運用に慣れたご様子ですね」

サイファー「そうでもねぇよ。いくら艦隊の運用、作戦の立案をやっても海上で砲雷撃戦ってのはイメージし辛ぇもんだ」

大和「サイファー提督の戦っていた戦場では砲よりもミサイルが主武装でしょうから、それは致し方ないかと」

サイファー「まぁな。それに俺はどうあってもやはりパイロットだからな。どうしても空からの目線になりがちだ」

大和「でもそれはそれで今までに無い戦略を組まれていらっしゃいますし、空からの目線で作戦を行うのは決して悪いことではないと思います」

サイファー「…ありがとうな。さて、艦隊が戻ってくる前にドックと補給の準備をするか」

大和「はい」


―――――
―――

翔鶴「サイファー提督、こちらが今回の出撃の報告書です」

サイファー「ああ、確かに。今回翔鶴は被弾しなかったのか?」

翔鶴「いえ、被弾はありましたが比較的軽微なダメージでしたので」

サイファー「こんなこと言ってはあれだが、正直珍しいな」

翔鶴「いえ、そう思われても仕方ありません。私自身も少し驚いているぐらいですから」

サイファー「逆に大破したのが時雨に雪風、それに瑞鶴か」

翔鶴「こうもいつもと立場が逆転していると少し困惑してしまいます」

大和「敵の主力は空母だったんですか?」

翔鶴「はい。ただ、あまり見ないタイプの空母だったような…」

サイファー「どういうことだ?」

翔鶴「見た目は空母ヲ級なんですが、どうも何か違和感を覚えるといいますか…」

サイファー「なんでもいい。気づいたことを言ってくれ」

翔鶴「はい。確かに見た目は空母ヲ級で、遠目から見ただけではなんら区別はつかないんです」

大和「遠目から?つまり接近戦を試みたんですか?」

翔鶴「いえ、ただ帰艦した艦載機の子たちが言うんです。あれは何か違うって」

大和「青目の改Flagshipと呼ばれるタイプではなくですか?」

翔鶴「はい。赤目のEliteと呼ばれるタイプに見えたんですが、私と瑞鶴なら制空権を最低限有利に持っていけるところを奪取されなかったものの不利に持ち込まれたんです」

サイファー「確か戦闘前の通信では空母は3隻と答えたな」

翔鶴「はい。他に軽巡ホ級に駆逐ロ級が2隻でした」

サイファー「確かに妙だな。装備している艦載機を考えると不利に持ち込まれる理由が見当たらん」

大和「何か新型の深海棲艦でしょうか」

翔鶴「哨戒任務だったとはいえ、万全の状態で出撃した上でこうですから、もしかしたらその可能性もあるかと」

サイファー「いや、それにしても妙だ。深海棲艦の勢力圏はある程度狭まっているはずだ。もし新型を投入してくるなら制海権を奪取したエリアよりも先に自身の制海権でテストしてからのはずだ」

大和「確かにそうですね。新型の空母ヲ級を目撃した報告は一切入ってませんから、そう言われると妙ですね」

サイファー「翔鶴、他に気づいた点はないか?なんでもいい」

翔鶴「そうですね。…こちらの動きを読まれているというか、そんな風に感じました」

サイファー「読まれている?制空権を奪取されたのは物量押しではなかったのか?」

翔鶴「はい。航空機の数で言えばこちらが上でした。普通に考えれば制空権は取れるのですが、こちらの艦載機の運用方法を熟知されているといいますか…」

大和「深海棲艦側もこちらを研究しているということでしょうか」

サイファー「そりゃ敵を知るのは重要なことだ。だがそれだけで片付くことにも限度はある」



knock knock



サイファー「入れ」



ガチャ



瑞鶴「サイファー提督さん!高速修復剤ありがとね!あれ?翔鶴姉ぇなにやってんの?」

翔鶴「瑞鶴ったら。今日は私が旗艦だったから報告に来てるのよ」

瑞鶴「あ、そっか。てことはサイファー提督さん、いつもとおかしかったことを聞いたんだよね?」

サイファー「ああ。それで今色々聞いていたところだ。瑞鶴も何か気づいた点は無いか?」

瑞鶴「う~ん、なんていうかなぁ、こっちの考えてることを読まれてるって感じがしたぐらいかなぁ」

サイファー「瑞鶴もそう感じたのか。どういった感じにそう思った?」

瑞鶴「なんていうか、サイファー提督さんみたいに先を読まれてるって感じじゃなくて、こっちの戦術をまんま返されてるって感じかな」

翔鶴「私達が普段やろうとしている戦術を、その対策方法で向かってこられた感覚ですね」

瑞鶴「しかも全弾撃ちこむチャンスをよく作る時雨と雪風から狙って、あからさまに夜戦で力を発揮するタイプから削りに来てたし」

サイファー「時雨や雪風、それに瑞鶴といえど被弾することはあるだろう。それが珍しいこととは思わんが」

瑞鶴「そりゃ私だって被弾するけど、そうじゃなくてあからさまに狙いを定めてたってことなのよ」

大和「随伴していた羽黒さんと矢矧は損傷が軽微でしたね」

瑞鶴「だから妙なんですよ。明らかにこっちの意図を知っているような、そんな感じ」

サイファー「それでよく撃破出来たな」

瑞鶴「まぁね。翔鶴姉と羽黒と矢矧が頑張ってくれたし」

サイファー「ふむ…。他のメンバーからも事情を聞いたほうが良さそうだな」

大和「そうですね。こちらの戦術を知られているとしたら、一度作戦を練り直さないといけませんし」




knock knock



サイファー「また来客か。入れ」



ガチャ



ピクシー「よう、相棒。それに嬢ちゃんたち」

サイファー「ピクシーか。どうした?」

ピクシー「ちょっと相棒に見てもらいたいもんがあってな」

サイファー「なんだ?」

ピクシー「あ~悪ぃんだけどよ、ちょっと嬢ちゃん達は退席してもらってもいいか?」

サイファー「艦娘がいると何か不都合なことか?」

ピクシー「不都合っつうわけじゃねぇんだけどよ、ちょっと機密レベルが高ぇことでな」

大和「わかりました。終わりましたらお呼びください」

翔鶴「では私達も失礼します」

瑞鶴「時雨たちにも私達から色々聞いておくね」




バタン




サイファー「で、なんだ?あいつらを退席させるほどのことだ、何か特別なことでも掴んだのか?」

ピクシー「ああ。お前も知ってると思うが、ケッコンカッコカリのことを少しな」

サイファー「そんなことだったらわざわざあいつらを退席させてまで言うことじゃないだろうが」

ピクシー「冗談だって、相棒。こいつを見てくれ」


―ピクシーは1枚の航空写真を取り出し、サイファーに見せた―


サイファー「これは…なんだ?この航空写真がなにかあるのか?」

ピクシー「この航空写真が取られたのはこのポイントだ」


―ピクシーそういって海図を指す―


サイファー「この場所は…!」

ピクシー「ああ。今日サイファーが翔鶴を旗艦として哨戒任務に出した海域にほど近い場所だ」

サイファー「それにここは、かつて深海棲艦に制海権を奪取されたときに無人島になったはずだ」

ピクシー「それがいつのまにか人が入り込んでいる。それもなんらかの強固な建物まで建ててな」

サイファー「まるで研究所のような…まさか!」

ピクシー「多分その考えで合ってると思うぜ」

サイファー「しかし深海棲艦がこの付近で出現して艦隊に大打撃を与えてきた報告が上がったばかりだ。どういうことだ?」

ピクシー「あいつらは深海棲艦の技術を転用して震電Ⅱにとんでもねぇ装備を付けやがった。もしかしたら艦載機を解析した情報を元にクローンでも作りやがったのかもしれねぇ」

サイファー「確かにあの研究機関の人間は全員が全員逮捕されたわけではないが。しかしどうやってこの航空写真を撮ったんだ?」

ピクシー「なぁに。オーシアのツテを頼んで軍事衛星からパシャリとな」

サイファー「…そうだったな。お前は色々とツテがあるんだったな」

ピクシー「まぁな。伊達に国境無き世界やISAFで戦ってきたわけじゃねぇからな。それにMPのネットワークを使って水面下では常にこいつらの動向は追っていたしな」

サイファー「助かる。だが翔鶴達からの証言とこの航空写真だけでは証拠が薄いな」

ピクシー「確かにな。撃破したヲ級でも駆逐ロ級でもサンプルが取れりゃよかったんだが、それどころじゃなかっただろうしな」

サイファー「直に見に行く必要があるというわけか」

ピクシー「そうなるな」

サイファー「しかし、元こちら側の人間が動かしているとしたら、こちらの戦術などは筒抜けになってしまっているな」

ピクシー「確かにな。艦娘に偵察に行ってもらうにしても、こちらの戦術が完全に把握されてるんじゃあゴリ押すのも一苦労だ」

サイファー「…俺が出る必要がある…か」

ピクシー「そうだな。やつらにとっての想定外はサイファーという存在だ。それも単機で出なきゃいけねぇだろうな」

サイファー「しかし、ストライクイーグルではステルス性に難があるな。かといってスーパーホーネットでも限度はある」

ピクシー「そうなるだろうと思って、1機良いのを借りる手配をしてるぜ」

サイファー「何処から何を借りるんだ?」

ピクシー「エメリアからラプターを1機な」

サイファー「エメリアから!?しかもラプターだと!?」

ピクシー「そん代わりこっちも情報をくれてやることになったがな」

サイファー「なんの情報を渡すんだ?」

ピクシー「ケッコンカッコカリシステムの情報だ」

サイファー「…確かにエメリアにはリットリオとか言った艦娘がいたな」

ピクシー「サイファーがエメリアに所属していて、しかもリットリオに助けられた過去があって助かったぜ。意外と話がトントンと進んでくれてな」

サイファー「まさか、そのラプターは…」

ピクシー「円卓の鬼神によろしくと言っといてくれってよ。あと『俺の大事なラプターに傷付けんじゃねぇぞ』ってな」

サイファー「あいつ…。そうか、あいつはエメリアで司令官やってんのか」

ピクシー「到着は10日後の予定だそうだ」

サイファー「そうか、わかった。ならラプターの使用を踏まえた作戦を練っておこう」

ピクシー「俺も協力すっからなんでも言ってくれ」

サイファー「頼りにさせてもらうぜ」

ピクシー「あぁ。任せときな」



バタン



サイファー「やはり一筋縄で解決とはいかなかったか。だが今度こそ叩き潰す」


―――――
―――

今回はここまでです
クリスマスネタは書いてない、というより完全に忘れてたので無理っぽいです
サイファーとピクシーにプレゼントにパラシュートでもつけて投下させるか?程度は考えてましたが…
それだとハロウィンネタとモロ被りだし
正月ネタはやろうかなと考えてます

ではまた
ありがとうございました

最近、音沙汰がない金剛型姉妹とか長門みたいな戦艦達が一緒にイーグルに乗った場合も見てみたいですかね

再開します

―ヒトハチマルマル時・食堂―


瑞鶴「あ!サイファー提督さん!今から夕飯?」

サイファー「ああ、そうだ。執務も粗方区切りのいい所までは片付いてたしな」

瑞鶴「じゃあ一緒に食べようよ!翔鶴姉も一緒よ」

サイファー「構わんか?」

翔鶴「ええ、是非」

サイファー「では俺は大鯨に頼んでくる。取ってきたら同席させてもらおう」


ザッザッザッ…


瑞鶴「にしてもサイファー提督さん、ピクシーさんと何話してたんだろうね?」

翔鶴「私達を退室させるほどのことだから重要なことでしょ」

瑞鶴「う~ん、サイファー提督さんから聞けないかなぁ」

翔鶴「瑞鶴ったら。ダメよ、そんなこと聞いちゃあ」

瑞鶴「ダメかなぁ。でも気にならない?」

大和「ダメに決まってますよ。私達が触れられないほどの機密だったらどうする気なんですか?」

翔鶴「あ、大和さん。お疲れさまです」

瑞鶴「お疲れさまです。大和さんも聞かされてないんですか?」

大和「ええ。一切聞かされてないですね。憲兵隊のピクシーさんが絡んでるとなるとぼんやりとは想像出来るんですが」

瑞鶴「憲兵隊のピクシーさんが絡む…。まさか、サイファー提督さん…!」

翔鶴「何か思い当たる節でもあるの?」

瑞鶴「いや、サイファー提督さんってこれだけ艦娘が揃ってるのに浮いた話一つも聞かないじゃない?まさかこっそり駆逐艦の子たちに…」

加賀「なにをバカなことを言ってるのよ。その手の話ならピクシーさんが出てくることはないわ」

赤城「確かに浮いた話一つも聞きませんが、サイファー提督がそんな目で私達艦娘を見てるとは到底思えませんしね」

瑞鶴「あはは…。やっぱ…違うか。加賀さんに赤城さんお疲れさま」

翔鶴「それにしても他の鎮守府だとケッコンカッコカリとかそういった話はあるけど、サイファー提督は本当にそういう話は無いわね」

大和「烈風妖精さんたち曰く『サイファーは空戦バカだから女っ気一つもないのよ』だそうですが」

加賀「確かにサイファー提督は他の提督とは違う目で私達を見てる気がするわ」

赤城「兵器としてでも女性としてでもなく、戦友としてって感じですね」

大和「ピクシーさんに対してのそれとは違う戦友としての目線でしょうけど」

瑞鶴「う~ん…。そうだ!加賀さんか翔鶴姉がサイファー提督さんにアプローチしてみるってのはどう?」

加賀「なんでそうなるのよ」

翔鶴「瑞鶴ったら。急に何を言い出すのよ」

瑞鶴「だって、翔鶴姉と加賀さんって他の鎮守府だとダントツの人気って言うじゃない?どっちかがサイファー提督にアプローチしてみたらサイファー提督がどういった趣向してるのかわかるし」

大和「う~ん、サイファー提督がそれでどうなるとは思えないですけど」

赤城「それに2人だけじゃわかりませんよ。そうですねぇ…金剛さんに榛名さん、羽黒さんに愛宕さんと高雄さん、それに阿賀野4姉妹に雷ちゃんも入れないと」

加賀「赤城さん、意外と乗り気で考えてない?」

赤城「戦闘以外の事も考えるのは楽しいことよ。いつも気を張り詰めてたら参ってしまいますしね」

瑞鶴「そっかぁ。確かに翔鶴姉と加賀さんだけじゃサンプルが足りないわねぇ」

翔鶴「だからどうしてそっちの方向で話を進めようとしてるのよ」


ザッザッザッ…


サイファー「待たせたな。いつの間にか人数が増えてるな」

瑞鶴「あ、サイファー提督さん。今日は何にしたの?」

サイファー「カレイの煮付けにカサゴのミソスープ、それに竜田揚げだ」

赤城「カサゴの味噌汁なんてありましたっけ?」

サイファー「ああ。なんでも比叡と村雨と曙が釣ってきたらしい。テトラポットに餌を付けて落とし込むだけで簡単に釣れたそうだ」

加賀「穴釣りね。カサゴは漁では捕り辛い魚種だから高級品よ」

大和「私もカサゴ汁頼んだらよかったかなぁ。美味しいんですよねぇ」

サイファー「まだあるみたいだぞ。取ってきたらどうだ?」

赤城「ちょっと行ってきます!」ガタッ

サイファー「早ぇな相変わらず。お前達はいいのか?」

大和「私もいただいてきますね」

瑞鶴「私はこれでいいかなぁ」

加賀「大和さん、よければ私のも取ってきていただけるかしら?」

大和「はい。いいですよ」

翔鶴「ところでサイファー提督、ピクシーさんとなにを話されていたんですか?」

サイファー「ああ、ちょっとな。近々借り物だが戦闘機が搬入されるんでな」

翔鶴「戦闘機ですか?いったいどんな機体なんですか?」

サイファー「F-22ラプターだ。急遽必要になってな」

加賀「借り物って言ったけど、どこからそんな最新鋭のハイテク機を借りれたのかしら?」

サイファー「エメリアだ。俺自身のツテもあってピクシーが手配してくれていてな」

瑞鶴「ラプターって、あの超高性能なステルス機でしょ!?何に使うの?」

サイファー「そいつはまだ公表するわけにはいかん。悪いがこればかりは機密事項でな。お前達を信用していないわけではないが、細心の注意は払っておきたいんでな」

瑞鶴「ラプターまで持ち出すなんて、どんなヤバイことをしようとしてるのよ」

加賀「そのラプターを見学することは可能なのかしら?」

サイファー「悪いがそいつも無理だ。俺の機体ならともかく他国の機体だからな。むしろよく借りれたもんだと思うぐらいだ」

加賀「そう。ならそのラプターを出す時までは厳重に管理する必要があるわね」

翔鶴「そうですね。流石に分別は付くでしょうけど、それでも見学したいと申し出る者はいるでしょうし」

赤城「戻りました!ん~カサゴのいい出汁!で、何を話してたんですか?」

サイファー「容器でけぇな。そんなに入れてこなくてもいいだろうに…」

大和「戻りました。はい、加賀さんの分です」

加賀「ありがとうございます」

サイファー「近々借り物の戦闘機が搬入されるって話をな」

瑞鶴「ラプターが来るんですって」

赤城「ラプター?あの凄いステルス性を持っているっていう機体ですか?」

大和「よくそんなもの借りれましたね。B-2スピリットほどではないにしても1機が物凄く高い機体ですし」

加賀「使用目的は機密事項でまだ公表できないそうよ」

大和「ピクシーさんと話されていたのはその件でしたか」

サイファー「まぁな。公表できるようになればラプターの使用目的も話す。それまでは悪いが教えることは出来ん」

大和「そうですか。まぁ仕方ありませんね」

瑞鶴「遠目から見るぐらいはいいのよね?」

サイファー「まぁそれはいいだろう。というより搬入の時点で見られる話だからな。ある程度の距離から見る分には仕方ないだろう」

翔鶴「いつまで借りるんですか?」

サイファー「その使用目的を達成するまでだ。まぁ数日だがな」

赤城「けっこう短いんですね」

サイファー「元々他国の軍事機密に触れてるようなもんだからな。そうそう長い間借りれる代物じゃない」

サイファー「さて、じゃあ俺は食い終わったから執務室に戻るぞ。大和も飯食い終わって一息ついてからで構わんからな」

大和「了解です」


―――――
―――

―10日後―


―サイファー達はエメリアからの輸送船が到着し、ラプターが降ろされるのを待っていた―


輸送船搭乗員「ではここにサインをお願いします」

サイファー「……よし、これでいいな?」

輸送船搭乗員「…はい、結構です。では作業を開始します」

サイファー「頼んだ」


ピクシー「着いたか。にしても、お前がラプターに乗るのを目にする日が来るとはなぁ」

サイファー「乗るっつっても俺のになるわけじゃねぇし、それに真正面から対艦戦やるために借りるわけじゃねぇがな」

ピクシー「確かにな。それにラプターじゃ対艦戦にはちーっとばかし不安を覚えるしな」

サイファー「対艦ミサイルの運用とかはOS上は出来るんだろうけどな」

ピクシー「マルチロール機っつっても、元々陸のある空で戦うことを前程とされて作られた機体だしな」

サイファー「今回はラプターの最大の武器であるステルス性を存分に使わせてもらうだけだ」

ピクシー「頼むから傷入れてくれるなよ。今回は陸軍が主体で色々回してるっつってもラプターの修理代なんてなったら凄ぇ額ぶっ飛ぶんだからよ」

サイファー「努力はする。だが保証は出来んな」

ピクシー「勘弁してくれよ。信用してるぜ、相棒」

サイファー「ああ」



ザッザッザッザッザッ


???「Chi non muore si rivede. Cypher」

サイファー「ん?お前は…」

イタリア「ヴィットリオ・ヴェネト級2番艦リットリオ、改めイタリアです。本当にお久しぶりですね」

サイファー「あの時俺達を助けてくれた艦娘か。あの時はろくに感謝も言えずにすまなかったな」

イタリア「気にしなくていいですよ。これを私達のAdmiralより預かってきました」

サイファー「手紙…か。後で読ませてもらおう」

ピクシー「へぇ、この嬢ちゃんがエメリアの艦娘か。護衛の艦娘は1人なのかい?」

イタリア「私の他にローマ、それにリベッチオが同伴してます」

ピクシー「艦種はなんだ?」

イタリア「ローマは私と同じヴィットリオ・ヴェネト級戦艦の4番艦、リベッチオはマエストラーレ級の駆逐艦です」

サイファー「戦艦が2、駆逐艦が1の護衛艦隊か」

イタリア「エメリアも人手不足ですから。本当は航空戦力も欲しかったところですけど、エメリアの防衛もありますので」

サイファー「いや、それでも護衛のためにここまで来てくれたことに感謝する。改めて歓迎をさせてもらおう」

イタリア「Grazie.あ!ローマ、リベッチオ!こっちこっち!」


ザッザッザッザッザッ


ローマ「なに、姉さん?」

リベッチオ「な~に?あれ?この人誰?」

イタリア「こちらの方がこの基地のAdmiralよ」

ローマ「あぁ、あの円卓の鬼神と呼ばれた伝説のエースパイロットの…」

リベッチオ「わぁお!この人が本物の鬼神さん!?」

イタリア「で、こっちが私の妹のローマとリベッチオです」

サイファー「わざわざ遠くから来てくれてありがとう。ブイン基地を代表して感謝する」

ローマ「よろしく」

リベッチオ「よろしくね!」

サイファー「今夜は歓迎の用意をさせてもらっている。滞在中は客室を使ってくれ」

ローマ「ありがとう。けど私はもう少し残るわ」

イタリア「なんで?」

ローマ「姉さん、私達の任務はあのラプターの輸送よ。いくら取引で貸し出しとはいえ、どこで軍事機密が漏れるかわからないのよ」

イタリア「大丈夫だと思うわよ。なんてったってあのラプターは特別なんだから」

サイファー「特別?どういうことだ?」

ローマ「それを教えるわけにはいかないわ」

イタリア「ローマ、あなたAdmiralから聞いてなかったの?あのシステムは元々サイファー提督が使っていたシステムなのよ」

ローマ「そうなの?私は聞いてないけど」

リベッチオ「リベでも聞いてたよ。Admiralはローマさんが任務を確認したらすぐ退室したから話せなかったとか言ってたけど」

ローマ「私としたことが…。ということはSystem Pixyを使いこなしているということ?」

サイファー「あいつも妖精と共に空を飛んでいるのか?」

ローマ「その言葉は使いこなしているということね。わかったわ」

イタリア「それにラプターの警備なら輸送船の乗組員さんに任せても大丈夫よ。それより私達の部屋はどこかしら?」

サイファー「客室に案内させよう。扶桑!」



ザッザッザッ


扶桑「お呼びになりましたか?」

サイファー「エメリアからの来客の案内を頼む」

扶桑「了解しました。さ、こちらです」

イタリア「Wao!何て芸術的な…」

ローマ「これが…噂に聞くパゴダマスト」

扶桑「どうかしました?」

リベッチオ「本物だぁ!そのマスト、触ってみてもいい