女「ふんっ!共存なのか!」(179)

関連スレ:男「ふん。共存か」
男「ふん。共存か」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1335270969/)

tv「最近の不可解な事件は専門家にも不明であり、オカルト的な何かの仕業ではないかと
  言われてます」

tv「さらに、研究家達も事件の捜査に入っているということで……」

女「へー。おかるとって何?」

男「全体的に怖い人達のことだよ」

女「ふーん」


男「しっかし、ゾンビも社会に溶け込んだ頃に、また物騒な……」

女「きゃとるみゅーてぃれーしょんって何?」

男「あーっとな、宇宙人が実験のために人間を誘拐することだ」

女「宇宙人って誰?」

男「地球の人じゃない人」

女「よくわかんない」

男「宇宙人ねぇ……現実味がなくて、あんま実感湧かないな。中二の頃の受験のような感じだ」

女「それって、怖い人?」

男「怖いかどうかはわからん」

女「わかんないんだ」

男「ていうか、殆どの人が知らないだろうが……」

女「へー」

男「宇宙人じゃなくて、別の何かって可能性もあるよな」

女「例えば?」

男「悪魔、みたいな奴とか」

女「あくまって何?」

男「人間じゃない」

女「なるほどー」

男「悪魔か……悪魔が神隠しだとかするかな……」

女「神隠しって何?髪隠すの?」

男「あれは隠してるっていうか出してるよね。隠してるけど髪は隠してないっていう……」

男「いや、ある意味髪隠しだけど神隠しだから。こう、人が突然いなくなっちゃうんだよ」

女「怖い」

男「そうだぞー。だからそういう奴と会ったら逃げろ」

女「そういう奴って?」

男「赤くて鼻が長くてうちわ持った奴とか、羽が生えて頭に輪っか乗った人とか」

女「そんな人いるの?」

男「ああ。居るらしいぞ」

女「怖いね……」

男「………あ、そういう奴は俺が守る!」

女「守るの?」

男「そうだ!ずーっと一緒に居ればそんなことにはならない!」

女「わーい!やった!」

男「よーし!この作戦いけるぞぉぉぉぉ!」

男「いやー夜も更けたしメシの用意は出来てねーし」

女「もうちょっとでお米穫れるねぇ」

男「ラーメン食べに行くか」

女「わーい!らーめん!」

男「そんなに嬉しいか」

男「どーもー」

親父「へいらっしゃい!よぉ!ゾンビのお嬢さん!」

女「やっほ!」ハ゜タハ゜タ

親父「で、どうする?ラーメン」

男「俺いつも通り。お前は?」

女「味噌!*」

男「お願いね」

親父「毎度!お嬢さんの分割引しとくよ!」

女「いつもありがと!」

親父「だっはっは!愛情ってやつよ!」

女「それはいらない!」

親父「じゃあ別の何かにしとくわ!あっはっは!」

親父「はいよ!男は豚骨ラーメンラードましまし」

男「ありがと」

親父「お嬢さんは味噌ラーメン!」

女「ありがと!」

男「食べようか」

女「うんうん!」

親父「………あ!そうだ!聞いたよ。お前ら結婚したんだって?」

男「ど、どこからその話を……」

親父「ニュース見てればわかるって!世界で初めてゾンビと結婚した男!」

男「ああ、とりあげられてたな」

女「そうだったの?」

親父「いやー、結婚するとは思ってたね。お前らが結婚しないわけがない」

男「ちょ、ちょっと恥ずかしいじゃないですか…」

女「う、うん///」

親父「またまたぁ。幸せもんに免じて、今日は無料にしといてやるよ!」

男「マジで?ありがと親父さん。ついでにチャーシュー丼も」

女「トッピングで卵いい?」

親父「おうおう!どんどん喰え!」

男「ありがとうございまーす!」

女「ありがと!」

男「ありがとうございましたー」

女「ごちそうさま!」

親父「また来いよー!」

男「また来るよ」

女「もちろん!」

親父「お得意さんってのは悪くないねぇ!あっはっは!」

男「やっぱあそこのラーメン美味いな。親父さんの汗入ってるけど」

女「逆にクセになるよね」

男「あるある」

女「わー!見て!おまんじゅう!」

男「美味しそうだなー」

店員「どうっすかー」

女「ねぇ!食べていい!?食べていい!?」

男「ああ。いいけど……眠くなってもう……」

女「じゃあ私が買ってるから先に帰っていいよ!」

男「そうするわ………」スタスタ

男「ただいまー……」

男「あーどうしよう。ホント眠い……」

男「もういいか……寝ていいか……パトラッシュ疲れてしまっt……zzz」

男「」zzz

女「ふぅ……おまんじゅう買いすぎた……」ヨイセ

女「よいしょ、よいしょ」

女「……あ、ネギで担げないかなぁ……無理かなぁ……」

女「………ん?」

?「………」フ゜ルフ゜ル

女「ひっ……な、なんかいる……」

女「……ネギ装備しておこう」

?「……」クルッ

女「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁこっち向いたぁぁぁぁぁぁぁ!」ヘ゜チン

?「…………」ト゛サッ

女「………あれ、倒れちゃった」

女「ピクピクしてるし………連れてってあげよう」ヨイショ

女「お、おもっ……」ヨイショヨイショ

女「た、ただいまー」

男「ぐぅ……ダメだよぉ……セクロスはまだ早い………」

女「ねぇ、何言ってんの?起きてよー」

女「…………」チラッ

?「…………」ヒ゜クヒ゜ク

女「死んじゃったのかな……」

女「はっ!捕まっちゃうかな!?」

『ネギで殺人!ゾンビ少女!』

女「はわわわわわ……どうしよう……」

女「そ、そうだ!隠さないと!」

女「も、毛布で……毛布で……」ハ゜サハ゜サ

男「うう……寒い……」フ゛ルッ

女「知らないっ!おやすみ!」zzz

また明日にでも!今日は落ち

再開しまーす

─朝─
男「ふぁぁ……寒い……毛布……」

男「ああ、あったあった……」ハ゜サッ

男「………誰?」

男「おーい、起きろー」ユサユサ

女「ふぇぇ、おはよ……」コ゛シコ゛シ

男「なぁ、こいつ誰?」

女「拾ったの」

男「そんなゴミ拾ってきた時みたいなトーンで言われても……」

女「だって拾ったんだもん」

男「どこで拾ってきたんだ」

女「谷のとこに落ちてたの」

男「迷ってたのかも」

女「うんうん。ネギで叩いたら倒れちゃった」

男「ちょっとデジャブ」

女「なにが?」

男「なんでもない」

男「で、こいつグデッっとしてるけど生きてるのか?」

女「わかんない」

男「もしかして、死体拾ってきたんじゃ……うわーやだよ見るの……」

女「もしもーし、もしもーし」ユサユサ

?「うーん……すいません二日酔いが……まだ寝かして……会社10時からでしょ……」

女「すいませーん、自宅じゃないんでー」

男「い、生きてた……よかった……」

男「つか、会社10時ってどんな会社だよ。普通に起床時間に困らないよ」

?「ふぁぁ~……ちょっと、ご飯は?」

男「あ、ごめんなさい今用意するから」

?「ちょっとぉ~あたしが起きてメシ出来てないってどういうことだぁ~」スリスリ

男「ちょ、ちょっと………」

?「あたしの旦那だろうがぁ!なーに妻のスキンシップシカトしてんだこらぁ!」

男「ね、寝ぼけてるのか?」

女「ちょっと!私の旦那なのー!」

?「あー?どこの女だこらぁ!浮気かぁ!」

男「浮気もなにも本命ですけど……」

女「このぉ……起きろ!」ハ゛シャーン

?「ふぉぉぉ!つめてぇぇぇ!」

?「……だ、誰?あんた達」

女「そんなの……ねぇ?」

男「うん……こっちが聞きたいっていうか……」

?「あ……そうだった……あたしは……」

男「なんだろうねこの人」

女「耳とか長いし」

男「宇宙人とか悪魔っぽいね」

女「ふーん、こんな感じなんだ……」

?「あ、あたしはどうなったの……」

女「なんか知らないですけど谷にひっかかってたんで叩きました」

?「なんで叩くの!?」

男「さぁ………」

女「なんかこっち見た気がしたから」

?「ひどい言い訳!」

男「………で、誰ですかあなた。ここ俺の山ですよ」

?「ああ、ごめんなさい。自己紹介が遅れてたわね……」

?「ていうか、あんた魔族でしょ?あたしの事わかるわよね?」

女「は?」

?「え?だってその肌の色……髪の色……クセ毛……」

?「どう見たってグールじゃない」

女「むっ……その事は言って欲しくないんですけど……」

男「人間だし」

?「え?グールじゃないの?ゾンビは随分前に滅んだし……」

男「いや、ゾンビ元気に生きてますけど」

?「はぁ?」

男「知らないんですか?もう社会に溶け込んでるんですよ。」

?「いや………でも………」

女「誰なのそれで」

男「そうそう」

?「魔族じゃないなんて……」

男「早く自己紹介してください」

エルフ「ああ、ごめんなさい。あたしエルフ。魔族でーす」

男「世の中には面白い冗談を言う人がいるねー」

女「えるふってなにー?」

男「なんか森によくいる魔物だよー」

女「怖いの?」

男「さぁ………」

エルフ「ちょっと、シカトしないでよ」

男「で、本当は?会社とか言ってましたよね?」

エルフ「ああ、株券会社に勤めてます」

男「堅気な仕事ですねー」

女「かぶけんってなに?」

エルフ「っていうか魔物じゃないし!精霊だし!」

女「どう違うの?」

エルフ「え?えーっと……」

男「もう朝ですよ。帰りますか?」

エルフ「ちよ、ちょっと!」

女「えー?もうバイバイなのー?」

男「そうだよー。ちゃんと仕事しないと」

エルフ「そもそもどうやって人間界に来たのかわかんないし、どうやって帰るのかもわかんないわよ!」

男「そんなこと言われてもなー……ねぇ?」

女「うん。知らない」

エルフ「ちょ……」

男「そんなん言われても知らんものは知りませんし」

女「テレビつけよー。朝ズバッ!」

男「おいおい、今日は目覚ましテレビにしようって昨日言っただろ」

女「そうだったね!」

エルフ「何まったりテレビ見てんの!?あんた達も仕事しなさいよ!」

男「今日は雨だから仕事しないんです」

エルフ「な、なにその言い訳!小学生でももうちょっとマシな言い訳するわよ!」

女「ちょっ、うるさい」

エルフ「あ、ああ……ごめんなさい……」

男「アナウンサー変わってからなんか目覚ましテレビって感じしなくなったよね」

女「うんうん。」

tv「昨夜未明、謎の発光が◯◯市の山中であったとのことです。
  近隣の住民に聞いたところ、山は男さんが所有していることがわかり、事情を聞く予定でございます」

男「謎の発光?見た?」

女「全然」

男「変なニュースだねぇ」

女「うんうん」

コンコン
男「はーい」

記者「すいませーん、男さんですか?」

男「はい。そうですが」

記者「昨夜の謎の発光がありましたよね?何か、ありましたか?」

男「いやぁ、実はずっと寝てまして。今朝知りました」

女「これテレビ?テレビ?わーい!見てるー?」

記者「あ!男さんといえば、世界で初めてゾンビと結婚したことが有名ですよね!」

男「いやいや、ただ人間として好きだっただけですから」

女「恥ずかしいねぇ」

男「まぁとりあえず、何も知りませんねぇ」

女「私もだよ」

記者「そうですか……」

男「なんか、すいませんね」

女「うんうん」

記者「何か、わかりましたらこちらにご連絡してくださいね。では」カ゛チャッ

女「テレビ映っちゃったねえ」

男「結婚式以来だね」

エルフ「い、行った?人間に見つかるのはまずいわ……」カ゛ラッ

男「なんで戸棚に隠れてんですか」

エルフ「だって他の人間に見つかったらヤバいじゃない」

男「もう見つかったじゃないですか」

エルフ「そ、それはそうだけど………」

女「私がゾンビだから油断するなんて、安直!」

エルフ「くっ……」

男「居座られたら気分悪いし、解決策をネットで調べるか」

男「最終手段としてvipで相談するか………いや、釣り扱いか……」

女「最後は川とかに捨てる?」

男「そうだな」

エルフ「なに怖いこと言ってんの」

今日はここまでにしときます。落ちノシ

エルフ「とにかく!正体を知ったからには匿ってもらいますから!」

女「どうする?」

男「どうしよう」

女「可哀相だね」

男「そうか?すげー偉そうだぞ」

女「でも助けてあげて」

男「女がそういうなら」

女「よかったね!」

エルフ「そ、そう?ありがとうね!」

男「あーあーメシ食いてぇなー……どうしよ」

女「ラーメン食べたい!」

男「あー行くかー」

エルフ「なに?なにを食べに行くの?」

男「ラーメンという代物だ」

エルフ「なにそれ!食べたい!いいでしょ!」

女「…………どうする?」

男「商店街だからなぁ……人目が……」

男「あ、これとかあるぞ」

エルフ「帽子に……眼鏡?なにこの白いの」

男「マスクだ。これで完璧だぞ」

女「変な人みたい」

男「こういう人に会ったら逃げろよ」

女「うん」

5分後
エルフ「…………」

男「うーん、どっからどう見ても不審者。見事なまでに」

女「怖いね」

男「さて、ラーメン食べにいくか」

エルフ「な、なんかあたし扱いがぞんざいじゃない!?」

男「気のせいだ。さぁ行くぞ」

女「うんうん」

エルフ「………気のせいじゃない」

カ゛ラララ
親父「へいらっしゃい!」

男「すいませーん、いつもの」

女「私もー!」

親父「へいへい!おっと、見かけない顔だねぇ!」

エルフ「あ、えっ………と……」

男「こいつは俺の従妹なんだよ」

親父「あーあー!そうなのかぁ!じゃ、なににする?三品しかねぇけど」

エルフ「えーっと……」

男「こいつには醤油頼む」

親父「へいへい」

親父「へいラーメン豚骨ラードましましに、味噌に醤油!」ホ゜ーン

男「へい」カ゛シッ

女「へい」カ゛ッ

エルフ「えええええええ!?」ハ゛ッシャーン

エルフ「あっづ!あづぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」ハ゛タハ゛タ

親父「あっはっは!慣れてない相手には悪かったか!」

男「追加で醤油お願いします」

親父「はっはっは!悪いなぁ!」

エルフ「な、なんですかこの劇物は……」

親父「はっはっは!すげぇ熱いよな!」ケ゛ラケ゛ラ

エルフ「…………」

男「ん?ああ、こうやって食べるんだよ」

女「うんうん。こうやって……すする……すする……」ス゛ルルルル

エルフ「……??」ハ゜クハ゜ク

男「外国人の食べ方だよ……箸でちゃんと持っていって食べるやり方……」

女「あははー、変なのー」

エルフ「へ、変なの!?」

男「変なわけじゃないけどな」

エルフ「でも………美味しいわこれ」

親父「だろぉ!?はっはっは!」

エルフ「なんか薬草でも使ってるの?」

親父「ああ1俺の汗だよ!はっはっは!」

エルフ「あなたの汗をかけると美味しくなるの?」

親父「そういうこった!はっはっは!」

エルフ「すごい賢者……」

男「嘘だからな全部」

女「そうだったの!?」

男「なんで今更お前が驚くんだ」

男「ありがとうございましたー」

親父「あ、お前は払えよ880円」

男「チッ……」チャリン

親父「あっはっは!また来いよな!」

女「お腹いっぱいでふ」

エルフ「すごいお腹にたまるのね………」

男「お前ちょっと膨らんでね?」

エルフ「そ、そんなことないわよ!」

女「あはははー!ぷくぷく!ぷくぷく!」フ゜ニフ゜ニ

エルフ「お腹触るな!」

男「あはははー」フ゜ニフ゜ニ

エルフ「ちょっと!」

男「山に帰るとラーメンの味が口に残ってるのが不思議になるな」

女「うん。野菜食べたくなる」

男「ダメだぞーそれ売り物だから」

女「そ、そうだったね!」

エルフ「野菜……自分で作ってるの?」

男「ああ、そうだぞ」

エルフ「へぇー……すごい……」

女「私も作ってるんだよ!」

エルフ「すごいわー……」

女「ねぇ!仕事手伝ってくれる!?」

エルフ「え?」

男「ああ。丁度人手が欲しかったんだ」

エルフ「仕事って、野菜作るの?」

女「そうだよ!」

エルフ「あ、あたしに出来るかな……」

男「大丈夫だって」

エルフ「そ、そう………」

男「はーい、じゃあまず雑草を抜きまーす。種類としてはこんなのとか、タンポポもペンペン草も抜けよ」

女「はーい」

エルフ「これと同じ種を抜けばいいの?よーし……」

男「違うってそれ。出来てないカボチャの根だから」

エルフ「こ、これ?」

男「それも違うから。大根だから」

エルフ「ああもう!手本でも見せてくれないと出来ないわよ!」

男「しょうがねぇなぁ……」

女「わーい!あの技がまた見れるんだね!」

エルフ「……?」

男「秘技!連続仕分け雑草カット!」スホ゜ホ゜ホ゜ホ゜

女「わー!すごーい!」ハ゜チハ゜チ

エルフ(すごい……)

男「どうだ!すげーだろ!」

エルフ「あ、ああ!それぐらいすぐ出来るわよ!」

男「ほう。やってみろ!」

エルフ「う、うんうん!やってやろうじゃない!」

女「頑張ってー」

エルフ「秘技!なんたらかんたら!」

男「ひどい!」

女「………」

男「………」

エルフ「……」フ゜チフ゜チ

男「ふぅ…………」

女「ふぁ~あ……」

エルフ「…………」フ゜チフ゜チ

エルフ「こんなの出来るわけないでしょー!?」

女「でた!アレがメンヘラ女子のよくやる逆ギレってやつだね!」

男「そうだぞー。よーく見ておけ」

エルフ「ちょっと!なんなのよ!」

本当の作者なの?

>>53
どうも本当の作者ですけど

前作めっちゃ感動した
頑張って

エルフ「やっぱやってられないわ!デスクワーク専門なのよあたしは!」

男「じゃー家に帰っていて。とりあえず」

女「うんうん。お饅頭でも食べてて」

エルフ「…………ちょ、ちょっと!やっぱ待ちなさいよ!やる!やるから!」

男「なんなんだろうね」

女「ねー」

エルフ「や、やめてよぉ!」

エルフ「ど、どうするの?」

男「葉っぱを見るとな、こうやって二股なのと別れてないのがあるから、基本的には
  別れてないのをとってくれ」

女「中腰ね!」

エルフ「え、えーっと………こうやって………」

男「………うん。おっけ。じゃ、頑張って」

エルフ「い、言われなくても仕事は頑張るわよ!」

女「意外と真面目だね」

男「それがキャリアウーマンっぽいんだよなぁ。なんで畑いるんだよ」

エルフ「わ、悪い!?」

男「べっつにー」

女「にー」

カ゛ァ……カ゛ァ……
女「鴉が鳴いたから帰ろー」

男「おー」

エルフ「なんで?」

男「夕方だからだ。鴉が鳴いたのは合図って感じで」

エルフ「へー………」

女「ふふ、昔の私みたい!」

エルフ「え?」

男「その話は後でしてやるって」

エルフ「わ、わかったわ……」

女「早く帰ろー帰ろー」

男「はいはい」

>>55
マジすか!ありがとうございます!頑張りますです!

今日はもう落ちようかと思いますーノシ

エルフ「ふー………ちょっとお腹空いたわ」

男「さっきラーメン食ったじゃん」

女「でも私もお腹空いたー!」

男「じやあちょっと夕食の準備しようか」

女「はーい」

エルフ「わかったわ!」

男「いただきまーす」

女「いただきます」

エルフ「いただきまーす!」

男「落ち着いて食えよ」

エルフ「だってこれ美味しいから!」

女「うんうん!そうだよねー!」

男「ちょっと嬉しいがな……」

エルフ「あっ……ぐっ……」

男「ほら詰まった」

女「水!水!」

エルフ「むぐぅ………」コ゛クコ゛ク

エルフ「ぷぁ……」

男「バカか。慌てて食べるから」

エルフ「だって美味しいんだもの……」

女「だって人間だもの」

エルフ「人間じゃないわよ!」

男「忘れてた」

男「そういえばさ、お前なんで人間界来たの?」

エルフ「何でってそりゃあ………」

エルフ「………あれ?何で?」

男「……忘れちゃったのか?」

エルフ「うん……なんでだっけ……」

男「おいおい、なんだそりゃ」

女「明日科学者さんの所でも行ってみる?」

男「ああ、生物の専門家だったっけ」

エルフ「私生物として見られてるのかしら?」

男「精霊だったっけ?」

エルフ「そうよ!それは忘れてないわよ!」

女「いいじゃん。見てもらおうよ」

男「明日見てもらうか」

エルフ「む……」

男「よーし、寝るか」

女「歯磨き終わったー!ねぇ!本読んで!本!」

男「あーはいはい」

エルフ「うふふ、子供みたいね?」

男「もうお前16なんだぞ?」

女「だから?」

男「……ま、いいか」

エルフ「甘いのねぇ……」

男「うるせーな………////」

女「なんで赤くなってるの?」

男「なんでもない」

エルフ「ふふふ………」

男「そこでおばあさんは言いました。『桃から生まれるって気色悪い!』と」

男「すると……ん、寝たか」

女「すぅ………すぅ……」zzz

エルフ「うまいのねぇ……話すの」

男「それほどでもねぇよ」

エルフ「楽しいもの」

男「そうか?」

エルフ「ええ。充分」

男「ふーん………そうだ、お前の話も聞かせてくれないか。実際、エルフってどういうものかよくわからんし」

エルフ「……いいわよ。別に面白くないけど」

男「それでもいいよ」

エルフ「エルフってだいたい、森に住んでるものだけど、結構快適なものよ」

男「そうなのか?」

エルフ「うん。洗濯機だっあるし」

男「うわーイメージ崩れるわー」

エルフ「あたしの仕事が株券会社の事務係なだけで相当イメージ崩れてると思うけど……」

男「それでも家はなんかマジックツリーハウスみたいな感じだと信じたかったの!」

エルフ「いいわよねアレ……いや実際アパートだけどさ」

男「さらにイメージが」

エルフ「森の中にあるアパートだからギリギリイメージ大丈夫よ」

男「果たしてそうだろうか」

エルフ「そんで会社とか大変なわけよー……上司がちゃらんぽらんだから尻拭いいっつもしてるし」

男「まぁそういうもんだよな」

エルフ「あなた、わかるの?」

男「ああ。一応昔は造幣局で働いてたからな」

エルフ「ふーん……それで、疲れてきちゃったのよね……その時にさ、なんか……
    なんだったっけ……なんかに任命されたのよ。それでわけがわからないうちにここに来ちゃったの」

男「何かに任命?観光大使?」

エルフ「なんで突然観光大使なのよ。なんで事務員がいきなり観光大使」

男「任命っていったら内閣総理大臣か知事か観光大使だろ」

エルフ「大変だわ常識というものが無いわ」

男「あるわ!」

エルフ「なんでその選択肢なの?アホなの?バカなの?死ぬの?」

男「なんでそこまで言われなきゃなんないんだよ!」

エルフ「まぁそんで何かに任命されて来たのよ……なんなのかしら。作業も全部終わらせてたはずなのに」

男「まぁまぁ、明日思い出せばいいって」

エルフ「大丈夫かしら……」

男「たぶん大丈夫……だって………」zzz

エルフ「……寝るのが早いわ……」

エルフ「おやすみなさい」

─朝─
女「おーきーろー!」ハ゛サッ

エルフ「すぅ……いや……あと6時間……」

女「どっちにしても寝過ぎ!早く起きろー!」

エルフ「なんでよ……会社開くの10時からでしょ……」

男「早く起きろよ」

エルフ「……ああ、そうだった。おはよう」

女「やっと起きたー!」

男「どっちにしてもおせぇ」

男「畑行くぞー」

女「おー!」

エルフ「なに?こんな早くから行くの?」

男「だいたいそうだぞ」

女「この前は雨だったから遅れただけ!」

エルフ「あー、なんかガッカリだわー」

男「ぐちぐち言ってないでさっさと着替える!パジャマのまま行かない!」

エルフ「ふぁい……」ユラユラ

男「わっせろーい」サ゛クッ

女「よっこいしょういちー」サ゛クサ゛ク

エルフ「おらこんな村いやだー」サクッ

男「ふぅ………そろそろ昼か……水まきも終わったし、そろそろ科学者の所行こう」

女「うん。記憶取り戻そう」

エルフ「出来るかどうか不安なんだけど……」

女「男君!無人販売所のお金50000円になった!」

男「よーし居酒屋のツケついでに払っておこう」

エルフ「あたしってその程度の用事なの?」

男「じゃあ行くか」

女「レッツラゴー」

エルフ「聞いちゃあいねぇ」

男「おひさー」

科学者「あ!いいところに!助かった!いや、助けて!」

男「どっかで聞いたよそのセリフ」

科学者「助けてください!トイレ詰まっちゃったんです!ラバーカップなくて!」

男「……ん、あるじゃん。カポカポ」キュッホ゜キュッホ゜

シ゛ャァァァァァァァァァ

科学者「良かった!助かった!いや、助かりました!ありがとうございます!」

女「ねぇ、用があって来たんだけど」

科学者「はいはい!何の用でしょうか!」

男「科学者さんって生物専門でしたよね?」

科学者「はい!そりゃもう!」

男「こいつなんですけど……」

エルフ「どうも」

科学者「はい。この方が何か?」

男「いやー……」

男「こいつ、記憶が無いらしいんですよ。なんとか出来ない?」

科学者「そう言われましても……あ」

男「なに?」

科学者「ほら、よくあるじゃないですか。何かしようと思って歩いてったけど何しようか忘れて、元の場所戻ったら何しようとしてたか思い出す現象」

男「ああ、確かにあるな」

科学者「直前までの行動をすれば、思い出すきっかけになるやも知れませんし、女さんのようにキーワードで思い出すこともあります」

男「その方法しかないのか?」

科学者「そうですね……一度、検査します?記憶を"失った"のか"忘れてしまった"のか」

男「出来るのか?」

科学者「はい。脳波で検知出来ます」

女「それお願いできる?」

科学者「はい。もちろん。ちょっと暇してたんですよー」

エルフ「え!?ちょっと!なにこれ!殺す気!?」

科学者「大丈夫ですよー、ただ脳波キャッチして数値化するだけです」

ヒ゜ーッ…………カ゛ーカ゛ーカ゛ー

科学者「………なんだこれ……今までの動物の例には無い脳波……」

科学者「おかしいな……壊れてるわけじゃない」

科学者「人外でも無い限り……」

男「ピンポーン、正解でーす」

女「はい10点さしあげまーす」

科学者「えっ!?は?」

エルフ「はぁ……」

男「こいつ、エルフってやつなんですよねー」

女「だから人外でーす。わー」

科学者「……はぁ!?いや、だって、そんな、バカな……」

エルフ「はぁ……耳とかとんがっててそのままかよ!ってよく言われるけど……ここまで気付かれなかったのは初めてだわ」

科学者「脳波がダメ……ていうか人外……是非血液サンプルを頂きたい……」

エルフ「そんなん困るわよ。あんた達を信用してここに来てんだから」

女「めっ!だよっ!」

科学者「そうですか……申し訳ありません、お役に立てず……」

男「いやいや、元々期待してないからいいって」

女「ごめんね」


エルフ「あーあー、時間の無駄遣いだったわ」

科学者「な、何か方法思いついたら連絡しますから!」

男「じゃねー」

女「ありがとうねー」

エルフ「ふぁ~あ……」

─男宅─

男「残念だったなー」

エルフ「元々期待してないわ」

女「頑張ってたんだよ!あの人も!」

男「そうそう」

エルフ「ふぁ~あ……もう寝たいわ……」


女「ねぇ!本読んで!読んで!」

男「ああ、わかった。昨日と同じ話でいいか?」

女「うん!」

男「よーし……『黒ギャル系お婆さん&ゆるふわモテ系お爺さんの桃太郎』

男「むかーしむかしとは言い難い2、3年前の話……」



女「すぅ……すぅ………」zzz

男「エルフも寝たし、俺も寝るか」

男「…………」zzz

男「ふぁ……おーい、起きろー」

女「ううーん……おはお……」

男「ああもう可愛いなぁ女は」

女「ほ、ホント!?可愛い!?」

男「うんうん」

女「わーい!私可愛いー!」

女「ねぇねぇ!私可愛い?」

エルフ「うう~ん………部長そのヅラいい加減とってください……」

女「ねーぇー!」ユサユサ

エルフ「え?ああ;……おはよう」

女「私可愛い?」

エルフ「えー……あー……うん」

女「やったー!」

男「よーし女が可愛いから仕事なし!」

女「そうなのー?」

男「嘘!ホントは雨だから仕事なし!」

女「可愛いのは?」

男「ホント」

女「わー!やった!」

エルフ「ほんっと甘いわね……」

エルフ「って、なにすんのよ。暇だわ」

男「だいたい雨の日はゲームしてるかネットの徘徊か知らないゲームの攻略本読むか」

女「ねー」

エルフ「友達の弟がニートだけど丁度そんな感じの暮らしらしいわ」

男「そんなことない!」

男「………あ、ツケ返すの忘れた」

エルフ「ニート以下だったわ」

男「だってよー、やることねーし」

女「皿洗いも終わったし洗濯物脱水中だし」

エルフ「アパートに帰りたいわー……」

男「なんか趣味とかない?」

エルフ「趣味ね……楽器とかやってたわね」

女「エルフだから、なんか琵琶とか笛とかやってそう」

エルフ「ベーシストだったわ」

女「すいませんでした」

男「へー。やってくれよ」

エルフ「ベースないじゃないここ」

男「じゃあ楽器屋行くか。ついでにツケ返そう」

エルフ「あんたツケ返すために外出してんじゃない?」

─楽器屋─
店主「……いらっしゃい……おや……男……さん……」

男「おーす、ツケ返しとくぜー」

店主「ああ……どうも………」

店主「起用は……どうしました……」

男「ああ、一番安いベースってどれ?」

店主「ベース……だったら………これが……いいです………」

男「2万かー……5000円にしろ」

店主「えっ……………」

店主「でも……赤字が………」

女「………ダメ?」

店主「大丈夫です、はい」

男「ナイス」

女「うふふ」

男「はい5000円」

店主「毎度どうもー………」

女「ありがとー!」

店主「いえ……ふふ」

エルフ「おかえり……なにそれ」

男「買ってきた。ベース」

女「なんかやってー!」

エルフ「ええー……」

男「大丈夫だって!近所とはすげー離れてるから!」

エルフ「そ、そうなの………?」

女「だってここ山頂から歩いて5分だよ?」

エルフ「じゃあ大丈夫ね……」

エルフ「よーし…………」

エルフ「……………」ホ゛ホ゛ホ゛ホ゛ーン

エルフ「へいっ!へいっ!」タ゛ンタ゛ン゛タン゛タ゛ン

男「おー!」

女「すごい!すごいー!」

エルフ「ありがとぉぉぉ!!」

男「いやーすげーなオイ。」

エルフ「……褒められたのって初めてだわ。みんなうるさいって……」

男「いや、そりゃ森で、しかもアパートでやってたら……」

女「苦情も来るよね」

エルフ「だ、だよね……」

エルフ「……嬉しいとか思ってないから!」

女「わー!つんでれさんだー!」

男「よーく見ておけ、リアルで見るの珍しいから」

女「うん!」

エルフ「あんま見んな!こっち見んな!」

男「でも、本当上手いよ」

エルフ「あっ……あ、ありがとう………///」

女「これがでれってやつなのー??」

男「そうだよー」

エルフ「なんだかノってきたわ……どんどんいくわよー!」

男「おおおおおおおおお!!」

女「頑張れー!」

エルフ「へいっへいっいへっ!」ホ゛ホ゛ホ゛ンホ゛ンホ゛ホ゛ン

男「いぇぇぇぇぇぇ!」

女「わー!」

今日はここまでにしときます!落ちノシ

男「あー……あれ、朝?」

女「くぅ……くぅ……」

エルフ「ぐぇぇぇ………」

男「おーい起きろー」ユサユサ

女「ふぇぇ………あれ、朝?」

エルフ「すいません……これからはトイレ流す……」zzz

男「お前も起きろー」

エルフ「なんなのよー……ちょっと楽しかったのに……」

男「お前なんでトイレ流さなかったんだ」

エルフ「えっ……なんで知って……」

エルフ「朝……はしゃいで寝ちゃったか」

男「あー………今日も雨だなー」

女「仕事ないね」

男「ネット徘徊でもするか」

エルフ「ちょっと見せてよ」

男「はいはい」

女「私にもー!」

男「はいはい」

エルフ「へー………」

女「ふーん………自転車って乗ってるとインポに……いんぽってなに?」

男「教えてあげない」

女「えーなんでー?」

男「なんでも!」

エルフ「何の会話なのかわかんないわ」

男「………ん、メール来てる。科学者から」

【記憶呼び覚まし薬を発見しました。至急お越し下さい】

男「げ……2時間前だこれ来てたの」

女「行く?」

エルフ「行くに決まってるでしょ!」

男「ごめん科学者」

女「れっつらごー」

エルフ「おー」

男「あーうー」

男「お邪魔しまーす」

科学者「お、遅いじゃないですか……」

男(な、涙の跡が……)

女「泣いてたー?」

科学者「そ、そんなわけないじゃないですか!」

エルフ「なんでもいいから早くよこしなさい」

科学者「は、はい………」ク゛スッ

男「……泣いてました?」

科学者「……………………はい…………」

エルフ「ふふ、やっと思い出せる………」

科学者「こ、こちらです………」スッ

エルフ「このカプセル?」

科学者「はい。効力は半年以内の記憶なら確実に思い出せる薬です」

男「へー」

科学者「ただ、またまた副作用がありまして……」

女「なーに?」

科学者「これ、情緒不安定になるんです。ちょっとしたことで怒ったり嘆いたり鬱になったり」

男「どうする?」

エルフ「迷う必要なんか無いわ」コ゛クッ

男「あ」

女「え」

科学者「あー」

エルフ「…………」

男「…………」

女「………」

科学者「………あ、効果が出るのは今日の夜頃かと」

エルフ「先に言いなさいよ!」

男「まぁゆっくりでいいよ」

女「うんうん!」

エルフ「なんでよ」

男「思い出して帰っちゃったら寂しいし。なー」

女「なー」

エルフ「……な、なんなのよそれ!////」

科学者「いいなぁ……」

科学者「あ、どうです?ゆっくりしていきます?」

男「いや、帰るわ」

女「うん。じゃねー」

科学者「あ……そうすか……」

エルフ「………………あ、ありがと」

科学者「はい!!!どういたしましてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

エルフ「げ、元気いいわね」

科学者「はい!!そりゃもう!!!エルフさんのおかげで!!」

エルフ「な、なによそれ…………////」

男「ふー」

女「夜って寝るときかなー」

エルフ「チッ、結構時間かかるわね……」

男「しゃーない」

女「いえーす」

エルフ「ちょっと腹立つわね」

男「家事とかやってようぜ」

女「お皿洗う?」

エルフ「お皿は川で洗うもんでしょ?」

男「………また『普通の事』か」

女「あのねっ!あのねっ!お皿はね!ここで洗うんだよ!こーやって!」キュッ シ゛ャー

エルフ「おおおおおおおおおお」

女「知ってる?これって『普通の事』なんだよっ!」フーン

エルフ「へー………!!」

男「……なんかどっかで見たよ」

女「それでね!それでねっ!」
エルフ「へー………」

女「掃除機はね!こーやってー」
エルフ「はーん」

女「こうしてこうするのー♪」
エルフ「ほーん」

女「それでそれでー!」
エルフ「ほうほう………」

男「どこか懐かしいな」

エルフ「こ、こうかしら?」

女「そうそう!上手いなぁー!」

エルフ「そ、そう?///」

男「これもどこか懐かしい」

女「そう?」ムフーン

男「ドヤ顔もやめとけ」

エルフ「アイロンってすごいわねー……」マシ゛マシ゛

男「ふぁぁ……おい、明日晴れっぽいぞ。早く寝ようぜ」

女「ねぇ!本読んで!本!」

男「はいはい。今日は何にする?」

女「えっとねー!これ!」

男「ああ、今日は『今日も自宅警備でござるwwwかぐや姫』か」

女「うん!」

男「はいじやあ始まり始まりー」ヘ゜ラッ

男「そこでお爺さんはいいました。『この前紹介したバイトもう辞めたんだってな』と」

男「………もう寝たか」

女「すぅ………」

男「俺も……眠いな……」

男「おや……すみ……」zzz

エルフ「ぐぅ………」

「おーい、起きろー。はよ」

エルフ「るっせぇな……もう事務仕事は課長がやれ……」

「いや課長はさぁ、色々頑張ってんだってアレで。奥さんに逃げられたし」

エルフ「あ、マジで?やばいなー……ん」

先輩「いやー、なにやってんのお前」

エルフ「せ、先輩!」

エルフ「どうしたんですかビックリしたな!」

先輩「正直お前がなんでここにいるかって話だよ」

エルフ「それは……なんでいるのか……」

先輩「調査だろ?」

エルフ「は?」

先輩「いや、人間界の観察と調査だろ?」

エルフ「……………………」ク゛ルク゛ル

エルフ「サーセン、思い出せないっす」

先輩「おいおい、失踪から平和ボケでもしたか?」

エルフ「だって………」

先輩「なんのためにお前が選ばれて戦場の視察来てると思ってんだよ……記憶喪失かぁ?」

エルフ「せ、戦場?」

先輩「そうだよ?マジで記憶喪失?」

エルフ「えっ……ちょっと……待って……あ」

エルフ「そうだ……私……」

【巻き戻し】←ヒ゜ッ キ゛ュルルルルルルルル

─やんごとなき株券会社─
エルフ「ふぁぁ………課長さっさと離婚しろ……ばーか……」

エルフ「さーテレビテレビっと」ヒ゜ッ

tv「さぁ!敵情視察の紙が!選ばれましたー!」

エルフ「ああ、抽選だっけ。国民から戦地の視察させに行く魔王も魔王だよなぁ……」ホ゛リホ゛リ

tv「選ばれましたー!抽選番号……1009394!」

エルフ「一応照合するか……;えーっと1009……!?」

tv「と、いうわけで!森の奥アパート105号室にお住まいのエルフさんが敵情視察に行くことになりました!」

エルフ「な、名前呼ばれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

エルフ「ふっざけんな課長がやれごらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

【再生】←ヒ゜ッ

エルフ「あー……思い出しました。課長にブチ切れてました」

先輩「課長可哀相だからやめたげて」

エルフ「つーか、なんであたしなんすかね?あたしなんかより人材いいの選べってのお……」

エルフ「ふっざけんなおいごらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

先輩「おおおおおおお前どうしたんだ!?いきなり!」

エルフ「るっせんだよおいぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

先輩「落ち着け!落ち着けこの野郎!」

エルフ「野郎じゃねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

男「あんだよ……うるっさいな……」コ゛シコ゛シ

先輩「あ、頼む!こいつ黙らせて!」

男「あ!あそこに今更日本語の勉強してるデーブ・スペクターが!」

エルフ「ど、どこ!?どこ!?」

男「ふー……」

先輩「いやー見事っすね」

男「どうもどうも」

男「で、誰?」

先輩「どうも、こいつの勤めてる会社の上司兼先輩です」

男「大変でしょうねー」

先輩「まぁそうですねー。ツンデレっぽいって言われて相当モテてちょっと悔しかったりしたし」

男「それはそれは」

先輩「苦しいっすよー」

男「だよねー。あれ?最近俺の影薄くね?みたいな」

先輩「あるあるー。最近ラーメン屋の親父さんとか影薄いよね」

男「そうそぅ。使い勝手悪いからあの親父。ギャグは出来るけど」

女「ふぇぇ……どうしたの?」

男「やーん寝起き可愛いー」

女「え、えへへぇ………////」

先輩「初めまして。俺、先輩」

女「私ね!女!」

男「こいつ16歳だぞもう」

先輩「えっ!マジで!」

男「だって可愛いもんな女はなー」

女「てへへへ………////」

男「やーんもう……」スリスリ

エルフ「ちょっと!よくよく考えたら深夜の山中に日本語勉強してるデーブ・スペクターなんているわけないじゃない!」

男「バレちゃった」

先輩「でも落ち着いたよね」

エルフ「え?あ、ああ……」

男「で、なんですか。何で来たんですか」

先輩「いやー、ちょっとこいつを探すためと、戦場になるのに邪魔なのが無いか……」

男「へー……………え?」

女「せんじょうってなにー?」

男「戦う場所だよー」

女「怖い?」

男「ああ。すげー怖いぞ」

女「やだー」

男「すいません、なんですって?」

先輩「ですから、戦場になるのに邪魔なのがないか……」

男「ふーん……」

エルフ「よくよく思い出したらあたし敵情視察に来たんだったわ」

女「へー……」

先輩「あれ……反応薄いね………」

男「はぁ。よくわかんないんで」

先輩「説明いる?」

男「オナシャス」

先輩「俺ら魔界に住んでんだけどさ、最近のバカな魔族がセクロスを異常にするもんで人口爆発的なものが
   起きちゃってさ。それで世界を広げようと人間界にお邪魔しようってなったんだけど、よくよく考えたら
   人間に良いイメージってぶっちゃけあんま無いからさ。敵情を視察しに来たわけだよ」

男「へー……ごめんもっかい言って」

先輩「聞いてねぇのかよ!」

エルフ「要は侵略ね。魔族の地上征服」

男「…………なんだと!?」

エルフ「だってそうでしょ?良いイメージは無い。だから侵略してお邪魔させてもらおうと」

男「なるほど……」

女「何を言ってるのかよくわかんないよ」

男「俺もあんまわかんね」

女「へー」

先輩「つーわけで視察と報告いっきまーすじゃねー」シュッ

エルフ「そうだ……あたし侵略に来たんだったわ……」

今日はここまでにしときまーす!落ちノシ

男「へー……」

女「じゃあすればいいじゃん?ちょっとお邪魔するだけなんでしょ?」

エルフ「ただ単に魔王政府の口実で乗っ取るつもりかもよ」

女「怖いね」

男「そうだなー……寝ていい?今午前3時なんだけど」

エルフ「そうね…夜に大声あげちゃったわー……」

男「おやすみ」

女「おやすもー!」

エルフ「……おやすもー」

─朝─
男「おはよー……」

女「おっはー」

エルフ「だから……課長のヅラ風で飛べ……」

男「起きろー」

女「ろー」

エルフ「うるっさい……」ヘ゛シッ

男「いてっ」

女「よーしよし」

男「いやぁ、あっはっは」

エルフ「うぜぇ!」カ゛ハ゛ッ

男「起きた」

エルフ「朝っぱらからうざったいのよ……あてつけ……?」

男「そんなこと無いよー。なー?」

女「うんうん。いつも通りだよねー?」

エルフ「もっかい殴られたいの?」

男「そんなわけない。ねー?」

女「ねー」

エルフ「おらっ!」ヘ゛シッ

男「痛い!」

男「つーかよう、仕事行こうぜ。もう5時だよ?」

女「おー」

エルフ「はぁ………」

男「いい加減観念しようぜー」

エルフ「そうね……」

女「仕事面白いでしょ!」

エルフ「それはそうだけど……」

エルフ「いつ侵略始まるかわかんないし連れ戻されるかもしれないし……」

男「それもそうだなー」

女「せっかく晴れたのにねー」

男「白菜とかな」

女「パーっとご飯行きたいのにね」

男「ねー」

エルフ「もう関係なくなってない?」

男「じゃあ畑いこうぜ」

女「おー」

エルフ「ちっ……まったく……」

女「気が乗らないはずがないよ!だって晴れだから!」

男「だから!」

エルフ「あんたらやっぱ殴っていい?」

─魔界─
手下「失礼します!魔王様!」カ゛チャッ

魔王「なぞ!なぞ!なぞ!うーいぇいぇい!」シ゛ャカシ゛ャーン

手下「あのー、魔王様?」

魔王「バカ野郎!二人でギター弾いてる時は『ギター・ma☆o』と呼べと言ってるだろうが!」

手下「はっ!申し訳ありません!ギター・ma☆o様!」

魔王「あ、もう弾いてないからいいよ」

手下「あ、はぁ……」イラッ

魔王「で、何?」

手下「はっ!視察で行かせたエルフですが、人間界に来た衝撃で記憶障害を起こしたと!」

魔王「えー、そんなん困るわー」

手下「どうしますか?代わりの者を……」

魔王「いや、ちょっとタンマ。後で考えていい?」

手下「は、はっ!結論は急ぐものではありませんね。失礼しました」

魔王「うん。また何かあったらメールしてくれ。五分で返すから」

手下「はっ!失礼します!」カ゛チャッ

魔王「どしよっかなー。人間共も結構気付いてるっぽいし」

魔王「記憶障害ってちょっと自分の任務見失ってもらったら困るわ」

魔王「…………」ヒ゜ッヒ゜ッ

フ゛ルルルルル

『手下re;3分で部屋に着きます。しばしお待ちください』

魔王「よし」ヒ゜ッ

手下「お呼びでしょうか!」サ゛ッ

魔王「……あのさ、我が輩達も行く?」

手下「はっ?」

魔王「視察」

手下「お、仰っている意味がわく理解出来ません……」

魔王「ならお前を解雇してるところだよ。わかるでしょ?」

手下「わかっていますが……行く意味が……」

魔王「こう思ったんだよね。イメージだけでなんとなく視察行かせちゃって失敗したじゃん?
   じゃあ我が輩達が行けば絶対確実な結果がわかるし、失敗すると思えないんだよね」

手下「な、なるほど……」

魔王「準備。10分で」

手下「はっ!」

魔王「wktk」

手下「準備出来ました!バッチリです!」

魔王「………9分58秒。ギリギリ」

手下「も、申し訳ありません!」

魔王「まぁ、いいじゃん」

手下「ま、魔王様一人で行くのですか?」

魔王「あ、一緒に行く?」

手下「ま、まぁ心配ですし……付いていきます……」

魔王「レッツゴー」

ヒュン

─山─
男「はい休憩!そこ!そのネギまだ出来てないから!」

エルフ「え?ああそうなの?」

女「ねぇ、いいともが始まるよ」

男「ああ、携帯テレビもってきたぞ」

エルフ「へー……テレビだー」

女「ニュースじゃなくていいともー!」

男「………ん、なんだあれ」


ヒュンッ

ト゛ォォォォォォォォォォォ

男「わーーーーーーっ!?」

女「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

エルフ「うわっ」

男「なんだ……これが噂の光……?」

エルフ「……あ!これ人間界に来るときの召還用のインスタント魔法陣だわ!」

男「インスタントって魔界にもあるのか………」

女「見て見てー!誰か出て来る!」

「あーいって。お前ちょっとこっち寄り過ぎなんだよ。我が輩の服が……」

「だだだだだって怖かったですもん………」

エルフ「………は?」

エルフ「きゃーっ!?魔王様!?やばーい!いつもテレビで見てますー!」

魔王「……え?あぁ、君が記憶障害起こしたエルフ……」

手下「……通常の仕事はどうなさったのです?障害起こして仕事ほっぽり出すなんて
   人間界で許されても魔界では許されないですよ」

エルフ「ええー……だって……」

手下「口を慎みなさい!同年代のように喋りかけないでください!」

エルフ「え、同年代じゃない?」

手下「私はもう24です」

エルフ「うぇぇ……年上……」

手下「なんですかそれは」

エルフ「なんで魔王様がここに?」

魔王「いやだって君が記憶障害起こしちゃうんだもん参っちゃうよ。
   てなわけで我が輩が直々に視察しに来たんだ。そろそろ頃合いかと思ってね」

エルフ「あ、あたしの役目は……」

手下「終わりました。魔界に帰っていいですよ。ていうか、帰れ」

エルフ「しょ、しょんな……」

手下「なぜめげるのです?」

エルフ「なんというか……もうちょっと、人間界に居たいなぁ、なんて」

手下「甘いこと小沼上なしですね」

エルフ「なっ……」

魔王「まぁまぁ、喧嘩よくないよ。人間共が喧嘩してんの見て視察に来たんだから、
   本末転倒て奴だよ」

手下「そ、そうでした……申し訳ありません……」

魔王「………ん?そこに居るの人間?殺していい?」

手下「危険な人物であったら構いませんと思いますが」

エルフ「ま、待って!違うんです!この人間は違います!」

男「さっきっから空気」

女「うんうん」

魔王「へー。ま、よろしくね。我が輩魔王っていうんだ」

女「私ねー!女なのー!」

魔王「へー。人間っていうかグールじゃね?顔色悪いし髪の色とか」

手下「それもそうですね。魔族がなにやってるんですか」

男「あーあー違うんですよー。こいつ人間なんです。人種はゾンビだけど」

魔王「へー………?」

手下「よくわからない顔ですね」

魔王「実際わからん」

・説明中・
魔王「あーはいはいなるほどー。差別でねー」

手下「確かグールも差別によって全滅させられましたね……」

魔王「なんだよー蓋を開けたら我が輩達と運命一緒になっててテンション落ちたわ」

手下「ポケモンの使い手のタイプが同じなくらいテンション下がりますね」

男「なんでポケモンは知ってるんですか」

女「ぽけもんってなーに?」

男「わけわからんモンスターが戦うんだよー」

女「へー!よくわかんない!」

男「だよね」

魔王「いやー、視察するったって何するかよく決めてこなかったよなー」

手下「どうしますか?」

男「とりあえず、手伝ってくれる?」

魔王「ふん。なぜ我が輩が君達を手伝うのだ?仮にも王だぞ?」

手下「その通りです!」

女「にーとって人達なの?」

魔王「違うわ!」

男「違うよー。最初から勝ち組なんだよあの魔族達は」

女「良かったね!勝って!」

魔王「う、うん」

男「そろそろ夜だな。もう帰ろ」

エルフ「あーはいはい」

女「うん!」

魔王「なに?もう帰るの?」

男「普通そうだけど?」

女「早くしないと、怖いことになるよ!」

魔王「そもそも我が輩達怖がられてるし……なぁ?」

手下「ええ。その通りでございます」

男「……うち、来ませんか?どうせ泊まる場所も無いでしょうし」

手下「どういたします?」

魔王「行く」

女「わーい!」

男「ただいまー」

女「ただいま!」

魔王「何言ってんのこいつら?」
手下「私には理解し難いです」

エルフ「魔王様、どうやら人間は家に帰るとただいまと言う習慣があるそうです」

魔王「へー。なんか意味あんの?」

男「休みのスイッチが入るんですよ」

魔王「ふーん。じゃあ寝るときにただいまって言おうかな」

男「それは別のがありますが」

魔王「へー。なんていうの?」

男「おやすみって言うんですよ」

魔王「それは何の意味が?」

男「え……おやすみって……なんだっけ……」

女「ggrks」

男「ごめんなさい」

手下「お、は「御」で丁寧表現の接頭語。やすみは、家住むで家でゆっくりするの意
   ちなみに「休」の字は 人が木の下でやすんでいる様子です。魔王様」

男「おおー」ハ゜チハ゜チ

魔王「へー」

エルフ「ふーん」

女「ご飯はー?」

男「ああゴメン飯の用意出来てねーわ」

女「えー?」

エルフ「ら、ラーメン食べたい!」

男「じゃあ食べいくか」

魔王「らーめんってなんだ」

手下「私の脳内辞書には該当する項目はありませんでした」

魔王「…….よし!おい人間!我が輩も食べに行くぞ!そのらーめんとやらに興味が沸いた!」

手下「ちょ、魔王様……」

男「……ああ、別にいいっすけど、その耳と角を隠すためにこれかぶってください」

魔王「おい、これは何だ」

手下「はい。人間界の帽子で、キャップと呼ばれるものです」

魔王「ふーん」

親父「へいらっしゃーい!」

女「いらっしゃったよー!」

男「ども」

エルフ「しょ、醤油!醤油!」

魔王「……ふん、何を食わせてくれるのだ?」

親父「おや?男の友達か?」

男「………まぁ、そんなとこです。」

親父「あんたらも負けず劣らずのカップルだねぇ」ヒューヒュー

手下「か、カップルだなんて/////」

魔王「かっぷるとは何だ」

魔王「とりあえず、何でもいい。食べさせてくれ」

親父「へい!わかりやした!」

魔王「……貴様の口調は躾のなってないオークと似ているな」

親父「あっはっは!躾がなってねぇってのはそうだけどよ!例えがよくわかんねぇなぁ!
   兄ちゃん、面白いこと言うなぁ!」

魔王「そうだろうか」

手下「大丈夫ですよ!魔王様が普通です!」

男「んなことあるか」

エルフ「普通よ!」

女「わけわかんない」

エルフ「あんたがわけわかんないの!」

女「なんだとー!」

男「こらこら、喧嘩すんな」

親父「へいお待ち!」

男「絶妙なタイミングで投げんな!!」

魔王「ほっと」カ゛シッ

親父「お!キャッチした奴は男以外にいなかったのになぁ!あっはっは!」

魔王「なんだこんなもの。ベルゼブブとキャッチボールしたときはもっとキツかったぞ。
   あいつ顔面ばっか狙ってきて……」

手下「なんか疲れてましたものねぇ」

親父「ホントあんたら面白い冗談言うなぁ!」

手下「な、なんていうことを言うんですか!」

男「気にしないでくれ」

親父「なんだかわからんがいいぜ!あっはっは!」

また明日溜まったら書きまーすですノシ

魔王「……これはいかにして食べるものなんだ?」

手下「……そうですね……脳内辞書には該当する項目がありません」

男「……これはですね、女「こうするんだよ!!」ス゛ーッ

女「すする!すする!」ス゛ルルルル

手下「………」シ゛ーッ

魔王「よ、よくわからないぞ」

手下「魔王様!これはですね、このようにして食べるものなんです!」チュルルル

魔王「…………ほー」

手下「えーっと……これは人間界でなんと言うのですか?」

女「あーん」

手下「魔王様!あーんを!」

魔王「………」クンクン

魔王「こ、こうかな………」ス゛ルッ

手下「こ、こう?」

女「うん」

手下「あ、合ってますよ!大丈夫です!」

魔王「あ、うん……ん」ス゛ルルル

魔王「うまい!これ超うまい!」

親父「はっはっは!だろう!?」

魔王「ああ!是非製法を教えてもらいたい!」

親父「はっはっは!秘密だ!」

手下「残念ですね……」

魔王「いつか教えてもらおう!」ス゛ルルル

親父「はっはっ!絶対教えねぇよ!」

男「だろうな」

男「さーて、会計……」

親父「はっはっは!そこのカップルとゾンビお嬢さんに免じて今日は無料だ!」

女「やった!」

親父「あ、お前は払えよ。880円」

男「なんか優しいけど優しくない」

魔王「ふむ。いい食事が出来た。人間界とか滅ぼすにはもったいないかもしれん」

手下「お気をつけください。だいたいこういう温和な人間は一部の者です。
   母から聞きましたが、人間のオスはみな狼らしいです」

魔王「マジかーこえー」

男「魔王が言うなよ」

魔王「いやーいい物を食べた」

手下「あれは中々良かったですね」

エルフ「どうするの?もう寝る?」

男「……そうだな。明日も早いし」

女「この人達どうするのー?」

男「どうします?どっかアテがあるんだったらそこに泊まって欲しいんすけど」

魔王「クックックッ………アテなど、ない」

手下「その通りです!」

エルフ「随分偉そうに……」

魔王「ぶっちゃけ、何の用意も考えも無しに来たんだから優遇しろ」

手下「そういうことです」

男「……まぁ何人だっていいですけど」

女「多い方が楽しいもんね!」

エルフ「大丈夫なの?もう5人になったけど」

男「あー……そうだな」

女「別にいいよっ!」

エルフ「……ああそう」

女「ねぇねぇ!今日も本読んで!」

男「今日は……どうする?」

女「これ!」

男「ああ、『らき☆すたっぽい青春送りたい三年寝太郎』か」

女「お願い!」

男「いいぞー」

エルフ「毎回思うけどなんなのその本。どこで売ってんの」

男「いつだっけ買ったの」

女「さぁ……」

男「寝太郎は言いました。『いつになったら留年から離脱できるだろう』と」

男「………寝たか」

女「くぅ………」zzz

男「俺も寝よ」

魔王「待て」

男「おおう?」

魔王「続きだ。続きを読め」

男「………はいはい………」

手下「ぐぅ………」zzz

男「zzz……」

女「起きてー!男起きてよぉ!」

手下「ふぁぁ……やかましいですよこんな時間から」

エルフ「何言ってるんですか。これが通常ですよ」

手下「に、人間達はこんな時間から活動を始めているのですか……」

魔王「………くすっ、ぷくくくく」ヘ゜ラヘ゜ラ

手下「……魔王様?何を?」

魔王「いやさ……この『らき☆すたっぽい青春送りたい三年寝太郎』がwwwww
   面白好すぎてwwwwwww」

手下「……はぁ。なんでしょうかその本は」

魔王「昨日そこの人間に音読してもらったのだ」

手下(読み聞かせですって!?なんという贅沢な……ハァハァ)

エルフ「息が荒いですよ」

手下「き、きの、気のせいです!」

男「ふぁぁ………やべっ!もう五時か!」

女「そうだよー!早く早くー!」

男「もしかして……ずっと読んでたんすか?」

魔王「ああ。面白いからな」

手下「ところで、こんな時間に起きてどうするんですか?」

男「ああ、仕事ですよ」

女「畑なのー!」

手下「畑……ですか」

魔王「すっげーなー我が輩は2時に起きてから仕事を始めるぞ」

男「ダメダメですね」

女「うんうん」

手下「そ、そんなことないですよ!全然!」

魔王「そうなのか」

男「どうです?仕事してみますか?」

魔王「面白そうだ。行ってやろう」

手下「ま、魔王様が行くなら!」

女「ホント?ありがとー!」

エルフ「そろそろ行こう?」

男「ああ、そうだな」

男「えーっさ、ほいさ」

女「茄子……うふふ、育ってるー……」

エルフ「わー!ネギが!これ抜いていい!?」

男「ああ、いいな」

エルフ「わっせろーい!」ス゛ホ゜ッ

魔王「なぜあんなに楽しそうなのだ?」

手下「さぁ………」

魔王「……体験すればわかるのか?」

手下「そういうものかも知れませんね」

魔王「……よし、やる」

手下「………は?」

魔王「おい人間!その振り上げているものは何だ!」

男「ああ、クワです」

魔王「なんだそれは?」

男「土を掘ったり柔らかくしたり……」

魔王「ほう……それは我が輩でも出来るか」

男「慣れれば……」

魔王「ふむ。やらせろ」

男「はぁ、どうぞ……」

魔王「おーっとと」オロオロ

手下「魔王様!しっかり!」

男「少し強めに握っていいですよ」

魔王「う、うむ。せおらぁぁぁぁぁ!!」サ゛スッ

手下「わぁぁぁ……すごいです魔王様!流石です!」

女「すごいねーこんな早く」

男「……そうだな……すげ……」

エルフ「やっぱ魔王様ハ゜ネェッす!」

魔王「ふ、ふん!まぁ魔王だからな!これぐらい出来ないとな!」

手下「まぁ普通魔王様が耕作などしないと思いますが」

魔王「……まぁそうだけど……」

男「いいじゃん別に」

また明日ノシ

魔王「はぁはぁ………辛い……やめたい……死ぬ……」

手下「お休みください魔王様!まだまだ若いんですから!まだ8万歳ですよ!?」

魔王「だってもう無理……いいよもう……律儀にケーキにロウソク8万本立てなくて……
   ぶっちゃけアレケーキ作ってる時間より長くロウソク立てる作業に時間使ってんじゃん……ケーキカピカピなんだよ……」

手下「そ、そんな…いつも渾身の出来でしたのに………」

エルフ「そうだったんだ……誕生日っていっつもデ○スニーランド行ってるんですよね?」

魔王「うん……ケーキはいっつも夜のレストランで出される……でもカリブの海賊のレストラン……」

男「ムード無い!」

手下「そんな!」

男「日も暮れてきましたし、そろそろ帰りましょうよ」

手下「ですって!帰ってラーメン食べましょうよ!」

魔王「あ、ああ……寝たい……一生寝たい……」

男「大丈夫ですかー!一回でダウンしないでください!」

女「大丈夫?」

魔王「大丈夫じゃない……もう……眠い……」

手下「そ、そうですね!帰って寝ましょう!」

エルフ「は、早く帰りましょう!」

男「そうだね………」

男「ただいまー……あれ」

女「ん」

魔王「わお」

手下「なんと」

エルフ「わー」

男「部屋ボロボロだー」

女「ひ、ひど……」

エルフ「だ、誰がこんなことを……」

魔王「そう?元からこんな感じじゃね」

手下「ですね」

男「あんた達の記憶倉庫どうなってんだ」

男「空き巣……?」

手下「こんな寂れた山にたかりに来る馬鹿はいないでしょう。いや、人間だったらありますか」

魔王「ばっかでー。そんなことしてねぇでさっさと地獄送りになればいいのに」

女「じごくおくりってなーに」

男「超こぇぇとこに送られるんだぞー」

女「怖い」

男「大丈夫だって。そこの人がなんとかしてくれるから」

魔王「人じゃねぇよ。あと地獄は一切閻魔に任せてるから関係ねーし」

男「なんとかしろよ」

魔王「無理言うな」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom