カンタ「頼むよ! 俺も猫バスに乗りたいんだよ!」 (79)

サツキ「ダメだ。あれは貴様のような薄汚い餓鬼が乗っていいものじゃない。失せろ……」

カンタ「そんなこと言わずに、お前からトトロに頼んでくれよ!! 俺、トトロの居場所知らねえんだよ!!」

サツキ「あれは選ばれた者しか乗れんのだ……。残念だったな……」

カンタ「くっそう……」

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みっちゃん「あ、サツキちゃーん! この間は猫バスに乗せてくれてありがとう! 皆すごく楽しかったって!!」

サツキ「良かった!! またトトロに頼んどくね!」

みっちゃん「やった!!」


カンタ「何ッ!? お前、猫バスに乗ったのか!?」

みっちゃん「うん、乗ったよ~♪ すぅっごいフカフカしてて、とぉっても速いの!!」

サツキ「でしょ? アタシ、シートに座るときにお尻が沈み込む感覚が好き!!」

みっちゃん「あったかくて気持ちいーよね♪」

カンタ「ちょっと待てオイ!! 何で他の奴はよくて、俺だけダメなんだよ! おい、サツキ!!」

サツキ「同じことを何度も言わせるな……。貴様は選ばれなかった……。それだけだ」

カンタ「意味わかんねぇよ!! そして誰が選んでんだよ!?」

サツキ「私だが? さぁ、この話は終わりだ……。授業が始まるぞ……」



キーンコーンカーンコーン



***



カンタ「なぁ、俺何でサツキに滅茶苦茶嫌われてんだ……?」

みっちゃん「よく分かんないけど『やーい、お前ん家ー! おっばーけやーしきぃ!!』って言われたのがすごく癪に障ったらしいよ?」

カンタ「それまだ根にもってんのかよ!? どんだけ前の話だよ!?」

みっちゃん「新居を馬鹿にされたらそりゃ怒るって……」

カンタ「傘も貸してやったってのに……」

みっちゃん「あとあれだよ、ほら……。メイちゃんが迷子になったときに……」

―――――――
―――――
――――


サツキ「カンちゃん、ゴメン! 自転車を貸して!」

カンタ「悪いけど走って捜してくれ。俺、成長痛で足が痛いんだ」

サツキ「あの……えと……アタシ今日、あの日だから走れなくて……///」

カンタ「あの日? 何だそれ?」

サツキ「いや、だからほら……保健で先生が言ってた……///」

カンタ「はっきり言ってくれなきゃ分かんねぇだろ!! 何の日で、どういった理由で走れねぇんだよ!! どっか痛いのか!!」

サツキ「カンちゃんの馬鹿ッ!! もう知らないッ!! ///」タッタッタ

カンタ「? なんだアイツ……。走れるじゃねぇかよ……」ポカーン


――――
―――――
―――――――



カンタ「……あれか……」ズーン

みっちゃん「かなり怒ってたよー。わざとイヤラしい質問されたって……」

カンタ「本当に知らなかったんだよ……。保険の授業中、寝てたから……」

みっちゃん「あと多分あれもかな?」

カンタ「あれ?」

みっちゃん「神池のほとりで女の子の靴下が見つかったときにさ……」

―――――――
―――――
――――



神池



みっちゃん「おばあちゃん! サツキちゃんたちが来た!!」


サツキ「おばあちゃん!!」タッタッタ




おばあちゃん「こここ……これ……これだよ……」ブルブル つ靴下

サツキ「!」

カンタ「うっわ、クッセぇ!!」オエ

サツキ「……」ジーッ

おばあちゃん「……」ドキドキ






サツキ「……メイんじゃない」ホッ
 




おばあちゃん「へ……ふぁ~……」ホッ

みっちゃん「……」ホッ




おばあちゃん「良かったよぉ~……。わたしゃてっきりメイちゃんのかと……」

カンタ父「なんだ、ばあちゃんの早とちりか……」ホッ

カンタ「だいたいメイちゃんの靴下がこんなにくっせぇわけないよ、ばあちゃん。女の子もんだけど結構でかいし……。この臭い、きっと水虫もちだよ……」ウォエ

おばあちゃん「じゃ、じゃあこりゃあ一体だれの……」






サツキ「それ、アタシの。この間、この池で足を洗おうと思って脱いで失くしたやつなの」ニッコリ




カンタ「」




おばあちゃん「そうけぇそうけぇ! んだら持って帰って洗濯しとくげんねぇ?」ニッコリ

サツキ「ありがと、おばあちゃん!」ニッコリ

カンタ父「水虫の薬も、あとで持ってってやるからな」

みっちゃん「痒い時は言ってね? 力になるから……」

サツキ「皆もありがと!」






カンタ「」ガシャン 

カンタ「僕、メイちゃん捜してくる……」シャカシャカシャカシャカ



サツキ「アタシも捜してくる!」タッタッタ

おばあちゃん「気をつけるんだよぉ!」




***





カンタ「」シャカシャカシャカシャカ



サツキ「カンちゃーん! 待ってー!!」シュタタタタタタタタ



 ∧_∧
(・ω・`)カンタ      
O┬O )
◎┴し'-◎ ≡               └(・▽・*)┐=3=3=3=3=3=3 サツキ







カンタ「」シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ



サツキ「カンちゃんってばー!!」シュタタタタタタタタタタタタタタタタタタ



 ∧_∧
(;ω;`)カンタ      
O┬O )
◎┴し'-◎ ≡≡  └(゚ー^*)┐=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3=3 サツキ





カンタ「!」ビクッ


サツキ「」クルッ



             ∧_∧      ビクッ
            (;ω;`)カンタ      
            O┬O )

殺気 (・_・)))) ≡≡  ◎┴し'-◎ ≡≡  
 






   ./ ̄ ̄\  てめえこの野郎
  /ノ( _ノ  \ 
  |,'⌒ (( ●)(●)

  |     (__人__)   
 |     ` ⌒´ノ ,rっっ                  ,        おげぇッ!!!!!
/"⌒ヽ   ソ,ノ .i゙)' 'ィ´                `     ,._
      ゙ヾ ,,/ { ) 丿             ,  ゜;,/⌒    ⌒u:::\ 。
 ィ≒    `\ /'ニ7´     スパァァ────/(◯.;); カンタ;(;.◯));:'::::ヽ‐─────‐‐ ン
/^ヾ      \ ./              ゚ ;i`、 ⌒:(__人__) ⌒:::::;;,´:::|
   }      __\___ ___   ____´_;;{   ;` j|r┬-|:;〉::,,゚, 。;;:;;|
   )ンィ⌒ ̄" ̄ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ニ≡┴‐ー-,==ー--ァ人て゜ ゚;:,::|: ゜ .
   ノ/             ≡''        ;;;;(( 三iiii_iiiiiii)))))て,,;;/  。  ;
   ヾ         _____=≒=ー────;‐‐ ̄/      |Y‐-<` `




――――
―――――
―――――――

カンタ「……あれか……」

みっちゃん「ずっと隠してたのにみんなの前で水虫だってばらされて、相当ショックだったって……」

カンタ「いや、あれは悪気なかったし……。かなり重いキックも貰ってるし……」

みっちゃん「じゃあ何か他にやったんじゃないの?」

カンタ「他に? ……もしかしてあれか?」

みっちゃん「あれ?」

カンタ「ああ、先週の音楽の時間の前に……」

―――――――
―――――
――――


カンタ(……お! サツキのハーモニカだ……)


カンタ「」キョロキョロ



カンタ(へへへ……いたずらしてやれ……)つ和がらし ヌリヌリ




***




ガヤガヤ



先生「はい、それでは一緒に『こぎつねこんこん』を吹きますよー」

先生「せーの!!」




ポピプペ ポーポー


プピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



ドッ ゲラゲラゲラゲラ!!!!!!!!!!!



サツキ「!!!!! //////////////////////////」


先生「さ、サツキさん! どうしました!?」

サツキ「ひゃ、ひゃんでもありまひぇん……//////」ハヒイハヒイ



カンタ「ひぃひぃ! おもしれえ!!!」ゲラゲラゲラゲラ




サツキ「!」キッ




カンタ「」ポピプペ ポーポー♪



――――
―――――
―――――――




カンタ「まぁ俺が犯人だっていう証拠はないから違うかもしんないけど……」

みっちゃん「……あれ、カンちゃんの仕業だったの……? サツキちゃん、あの後泣きながら壁殴ってたよ……?」

カンタ「ただの可愛いイタズラじゃねえか……」

みっちゃん「度を越えてるよ……」

カンタ「うーん……他にあいつの気に障るようなことか……」

みっちゃん「……まだ思い当たる節があるわけ?」

カンタ「これも恨まれるほどじゃないと思うけど……確か5日前の給食の時間に……」

―――――――
―――――
――――


イタダキマース


ワイワイガヤガヤ




カンタ「脱脂粉乳、くっせぇな……」

サツキ「ふぅ……。カンちゃん、揚げパンいる?」

カンタ「マジかおい! いるいる!! っていうか何でくれんだ? 俺の事好きなのか?」

サツキ「いや、大嫌いだけど……。食欲無いの……」

カンタ「……どうした?」

サツキ「いや、ちょっと……」



カンタ「もしかしてあの日か!? あの日なのか!?」

サツキ「ちょ、やめて! ///」

カンタ「股から血が出るって言うあれか? あれなのか?」

サツキ「やめてってば!! ///」

カンタ「臭うって聞いたけど本当? 見せて嗅がせて!!」

サツキ「いい加減にして!! ///」



.           / ̄ ̄\
.         /  _ノ .,;;,. \   カンタ
         | .iil(○)illi(O)|

         |   (__人__) |
         |U   |ii!!ii!!|| ノ
         |  U |o0Oつ}

          /ヽ    |ェェェU }ヽ
        /  ヽ   U || ノ|           / ̄ ̄\
       /   ∩ _rヘ U|  / ズンッ!!   /ノ(       \
       |   /_ノ    |____ /  ⌒         \
      |  / / /::、::´ ̄  ̄  =― ー ̄ ゙゙̄―゙―-、|

      lヽ、__./   ヽ丶=―――__           \
      |        丶   ゙`゙ ̄ ̄   ̄ ̄ー         \
      \                     `\        |
                             (゙ ト、       |



――――
―――――
―――――――

みっちゃん「最低……」

カンタ「なまじっか知識を得たばっかりに……あの時は興味津々だったんだ……」

みっちゃん「あの時はって5日前じゃん……。いっぺん死になさいよアンタ……」

カンタ「……うん、実は今も興味津々……」

みっちゃん「他にもあんの……?」

カンタ「うーん……あとはブーブークッションとか浣腸とか膝かっくんとか、チャチないたずらぐらいしか……」

みっちゃん「ブーブークッションと膝かっくんはともかく、浣腸ってアンタ……。サツキちゃんのお尻触りたかっただけでしょうが……」

カンタ「エスパーかよ、お前」

みっちゃん「……まぁこんだけやってりゃ、死ぬほど嫌われたって仕方ないけどね」

カンタ「……果たしてそれだけだろうか?」

みっちゃん「十分でしょ!」

カンタ「ちょっとサツキに訊いてくる」

みっちゃん「やめなよ! 殺されるよカンちゃん!」



***


サツキ「えー! ウソー!!」キャッキャッ

友人「ホントホント! それでその子が告白してね……」キャッキャッ







カンタ「おーいサツキ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」





サツキ「何用だ貴様……。両耳を引きちぎられたいのか?」ギロリ

友人「ひッ!」






カンタ「いや、大したことじゃねえんだけどさ……。お前、俺のこと嫌いだろ?」







サツキ「……。ああ……嫌いだ」


カンタ「どれくらい嫌いだ?」


サツキ「……ちょっと待ってろ。表にしてやる」


カンタ「おう、頼むわ」


―――――――――――――――――――――――――――――――


♡草壁サツキの好きなものランキング♡


第1位    お父さん、お母さん

第2位    妹(たまに喧嘩するから)

第3位    おばあちゃん、みっちゃん達

第4位    大トトロ、猫バス(おっきくてフカフカでスキ!)

第5位    中トトロ、おばあちゃんのオハギ

第6位    小トトロ

第7位    キャラメル



(中略)



第998位  寝ぐせ

第999位  胃もたれ

第1000位 人糞(肥料になるから)

ぶっ殺した位 カンタ

死んで欲し位 カンタ


―――――――――――――――――――――――――――――――







サツキ「ほらよ……。用が済んだならとっとと失せろ。……殺すぞ」ペラリ


カンタ「お、おう……。ありがとよ……」


***


カンタ「相当キレてんな……」

みっちゃん「そりゃそうでしょうよ!」

カンタ「いーや、多分もっと別のことでキレてると思う」

みっちゃん「ま、まだあんの……?」

カンタ「あれは4日前の朝……」

―――――――
―――――
――――

オハヨー

オハヨー



サツキ「みっちゃん、おはよう!」

みっちゃん「おはよう! 今日、暑いね!! 尿検査の奴、もってきた?」

サツキ「いっけない! 忘れてた!! トイレ行ってくる!!」

みっちゃん「あー! いーけないんだー! ホントは朝一番のじゃないとダメなのにー!」アハハ

サツキ「まだしてませんよーだ!」アハハ タッタッタ




***


カンタ「うぅ……シコリすぎでフラフラする……。……おッ?」テクテク

サツキ「あッ……」バッタリ

カンタ「よぉサツキ、おはよー!」



サツキ「……フンッ!」プイッ タッタッタ




カンタ「……なんだよ、まだ昨日のこと怒ってんのかよ……」





カンタ「ん? 今あいつ、尿検査のカップ持ってたな……。そうか、今日は尿検査か……」



***


キーンコーンカーンコーン



サツキ「バイバーイ!」


みっちゃん「またねー!!」


先生「サツキさん、あとでちょっと職員室まで来てほしいの」

サツキ「え……? あ、はい……」


***



サツキ「」コンコン


先生「入って」


サツキ「失礼します」


カンタ「……」


サツキ「あ……」




カンタ「」プイッ


サツキ「」プイッ





先生「座って、サツキさん。……実は今日、悲しい事件が起きたの……」

サツキ「事件?」

先生「カンタッ!! サツキさんに謝りなさいッ!!!!!!!!!!!」






カンタ「いい色だったぞ」


サツキ「へ?」


先生「ふざけるんじゃないッ!! サツキさん、実はカンタがあなたの尿を盗んだの!!」

サツキ「え……は……? ……はぁ!? //////////」

カンタ「先生、語弊がありますッ! 僕はただ、サツキさんの尿に尿タンパクが含まれていないか心配で心配で!!」

先生「それを調べるための検査だろうがあああああああ!!!!!!!!」ゴチン

サツキ「最ッ低!! 大ッ嫌い!!! /////」



先生「返しなさい!! どこに隠したんですかッ!!!!!!!!!!」

カンタ「無理です、返すわけにはいきません!!」



先生「出しなさいッ!! 今すぐッ!!!!!」

カンタ「無理だって言ってる!! なんなら先生、僕の胃袋を裂いて回収なさいますか?」





先生「」

サツキ「」



カンタ「……意味が分かったようですね。これ以上の長居は無意味です。……さよなら」ガラガラ






先生「」

サツキ「」




――――
―――――
―――――――



みっちゃん「」

カンタ「まぁこのあとが修羅場だったな……。サツキはギャン泣き、先生は顔真っ赤にして怒鳴り散らし、うちの父ちゃん母ちゃん、ばあちゃん、そしてサツキのお父さんとお母さんまで総出動。結局家に帰り着いたのは夜の12時だぜ? ちなみにメイちゃんは本家のばあちゃんが預かってたらしい」

みっちゃん「……嘘でしょ? ねぇ……嘘って言ってよ、カンちゃん……」

カンタ「すごい味がした」ニヤリ

みっちゃん「信ッじらんないッ!!!! この変態ッ!!!」

カンタ「……そうか、これがサツキが俺を嫌う理由か……」

みっちゃん「死ね変態ッ!! 死ねっ!!!!」

カンタ「あの時はホントに殺されるかと思った。父ちゃんは俺をタコ殴りにするわ、ばあちゃんは持ってきた包丁で飛びかかってくるわ……。サツキのお父さんとお母さんが庇ってくれなきゃ確実に死んでたね」

みっちゃん「庇わなくていい!! 死ね!! 確実に死ね!!!!」

カンタ「もうその優しさで俺、思わず泣けてきちゃったもん……」

―――――――
―――――
――――


サツキ「うぅあああああああああああああ!!!!!!!! うぅわああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!」ギャピー



カンタ父「カンタああああああああああ!!!!!!!!! てめえええええええええええええ!!!!!!!」ボカッボカッ


おばあちゃん「っごろずッ!!!! サツキぢゃんを泣がせたこのクソガキをっごろずッ!!!!!」バタバタ


カンタ母「情けないいいいいいいいい!!!!!!!! あああああああああああああああああ!!!!!!!!」ポロポロ






お父さん「まぁまぁ、皆さん落ち着いて……。思春期の男の子にはよくあることです。カンタ君のは多少ぶっ飛んではいるが、それもまた個性」


お母さん「サツキ、もう泣かないの。入院したらもっと恥ずかしい検査なんかいくらでもあるもの」ヨシヨシ


サツキ「うぅあああああああああああああん!!!!!!!!」





カンタ「へへッ……。ご馳走様……///」


おばあちゃん「っごろずッ!!!!」バタバタ




――――
―――――
―――――――



みっちゃん「アタシ、校長先生に言って全校集会を開いてもらう!! そこでアンタを首つりにするの!!」

カンタ「まぁ落ち着けって……。下手に騒いだら傷つくのは誰だと思う? そう、サツキだ。そんな可哀想なマネはできん」

みっちゃん「アンタが言うなあああ!!!! 大体、そんなことしといて何で猫バスに乗せてもらえると思ってたの!?」

カンタ「いや、流石に4日前のことだし……」

みっちゃん「おかしいよ!! それに何でサツキちゃん、あんなに笑顔でいられるの!!? おかしいよ!!!!!」

カンタ「それがアイツの強さなんだろうな……。甘えたくても甘えられない、逆境を経験した者だけが得る強さだ……」

みっちゃん「サツキちゃん可哀想ッ!!!」ワッ 

カンタ「泣くなよお前……」


みっちゃん「じゃ、じゃあサツキちゃんがカンちゃんにだけ暴言を吐くのはその次の日からなのね?」

カンタ「いや、昨日の朝からだ。その事件の直後はまだ無視されるだけだった」

みっちゃん「サツキちゃん……優しすぎるよ……」ポロポロ

カンタ「サツキのやつ、何を言っても無視しやがって……」

―――――――
―――――
――――

3日前



カンタ「サツキ、一生のお願いだ。体育終わった後の体操着を貸してくれ。変なことには使わないから」

サツキ「」プイ



カンタ「サツキ、何も聞かずに俺の股間を揉んでくれ。揉めば俺の言いたいことが分かるから」

サツキ「」プイ



カンタ「裸婦描きたいからモデルやってくれねえか? 芸術のためだ」

サツキ「」プイ




――――
―――――
―――――――

みっちゃん「」

カンタ「俺はただ、構って欲しかっただけなのかもしれない。そりゃ勿論、汗まみれの体操着に埋もれてみたいとか、揉んでほしいとか、裸を見たいとかそういうやましい気持ちが一切なかったのかって訊かれたら答えはノーだけどな」

みっちゃん「むしろやましい気持ちしかないじゃない……」

カンタ「ああ。だけど相手にされない寂しさってのは簡単には言葉に出来ねえな。その寂しさを紛らわすために絵を描いてみたんだ」ガサガサ

みっちゃん「何の絵よ……」



カンタ「サツキ裸像(想像図)」ペラリ

みっちゃん「うっま!!!! そして何描いてんのよアンタ!!」ベチコン

カンタ「サツキに見せたら突っ伏して泣かれた。これが2日前の昼の話」

みっちゃん「こんだけ順調に嫌われロードを歩んできといて、何で嫌われたのか分かってなかったカンちゃんに感服するわ……」


カンタ「……そして2日前の夜……。……事件は起こった……」

みっちゃん「もう十分性犯罪事件でしょ!?」


―――――――
―――――
――――


お母さん「サツキー! お風呂に入っちゃいなさい」

サツキ「……」

お母さん「サツキ? おーい」

サツキ「……え? あ、ゴメン。今入る……」

お母さん「何か悩み事かしら?」

サツキ「んーん……。何でもない……」トボトボ


***


サツキ「カンちゃんの馬鹿……スケベ……。どういう神経してんのよホント……」ヌギヌギ フウ…


サツキ「今度なんかしてきたら許さない……。絶対に許さないんだから……!!!!」ガラガラッ つ戸




カンタ「散々な言いようだな」コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス









サツキ「」






カンタ「早く中に入って戸を閉めろ。寒いだろ」コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス









サツキ「ぎぃやあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!! お母さああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!!!!」バタバタ









カンタ「なんだよ、せっかく背中流してやろうと思ったのに……」コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス






――――
―――――
―――――――



カンタ「それ以来、サツキは俺に罵詈雑言を浴びせるようになった……。話しかけたら地獄に落ちろとか平気で言ってくる」

みっちゃん「」

カンタ「だけどこうして振り返ってみると、サツキが俺を嫌うのも一理あるよな。あいつだけの問題じゃなくて、俺にも非があったみたいだ」

みっちゃん「」

カンタ「今さらかもしれないけど、俺、謝ってくるよ……」ガタッ

みっちゃん「」


***


カンタ「サツキ!」


サツキ「……今度は何だ。また猫バスか……? いい加減に諦めろ……」





カンタ「違うッ!! お前に謝りに来たッ!!! 俺はお前を傷つけてしまった!! 悪かったッ!!!」ゴンッ


サツキ「!?」





カンタ「ハーモニカにからし塗ってゴメンな! エロいこと訊いてゴメンなッ!!」ゴンッ ゴンッ





サツキ「……」



カンタ「おしっこ飲んで悪かった!! 風呂場で待ち構えてて悪かった!!!」ゴンッ ゴンッ



サツキ「……カンちゃん……」


カンタ「それから水虫の事、影でクラス中に広めて悪かった!!」ゴンッ


サツキ「え?」



カンタ「あと、パンツ盗んでゴメンな! 間違ってメイちゃんの盗っちゃった! 俺、幼女は対象外だから返すわ!」ポイッ


サツキ「」


カンタ「それにトイレ中、いつも聞き耳立ててゴメン! いつも隣の個室に入ってたの、実は俺だったんだ! ゴメン!!」


サツキ「」


カンタ「到底許してもらえるとは思ってねぇ! だけどあわよくば猫バスに乗せてもらえるかもしれないという願いを込めて謝っとく!! ゴメンなッ!!!!」ゴンッ





サツキ「」





カンタ「」チラッ  サッ   チラッ








サツキ「いいわ……乗せたげる……」ユラリ


カンタ「マジか!!! うひょおおお!!!! 言ってみるもんだなオイ!!!!」フウウウウウウ


サツキ「放課後、塚森に来て……」


カンタ「行く行く!!」






***



放課後


サツキ「どーお!? カンちゃん、風がきもちーでしょー!!」ダカッダカッ




カンタ「ああああああああああ!!!!! 止まれええええええッ!!!!! 死ぬ死ぬッ!!!! ホントに死ぬよおおっ!!!!!!」ビュゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ








サツキ「良かったなカンタ……。猫バスのしっぽに結わえて貰ったのは……」





アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!






サツキ「貴様が初めてだ……」クワッ










おしまい 

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