時雨「お薬の時間だよ」 (17)

夕立「夕立、どこも悪くないっぽい」

時雨「ううん、夕立は病気なんだよ」

時雨「さぁ、これを飲んで、すぐによくなるから」

夕立「時・・・雨・・・?」ゴックン


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電「気がついたのです?」

夕立「あなたは誰?ここはどこっぽい?」

電「私はあなたの治療を担当する電なのです」

電「ここは隔離病棟です、場所は教えられないのです」

夕立「白露型駆逐艦『夕立』よ、よろしくね!」

電「ゲームのキャラクターと自分の区別がつかなくなっている」

電「なるほど、カルテ通りの重症なのです」

夕立「ふ~ん・・・何それ?夕立、提督さんのところに帰るっぽい」

電「はわわ!?患者さんが脱走してしまうのです」

電「誰か、この患者さんを独房に連れて行くのです!」

夕立「真っ白な部屋に鉄格子にいっぱいのお薬」

夕立「こんなの頭がおかしくなるっぽい・・・」

電「少しは落ち着いたのです?」

夕立「夕立を早くここから出すっぽい!」

電「その前に、自己紹介をしてほしいのです」

夕立「だから白露型駆逐艦の」

電「・・・」

夕立「・・・ううん、私は夕立です」

電「よくできました、今日からは相部屋で過ごしてもらうのです」

夕立「今日からお世話になります、夕立です」

雷「雷よ!元気ないわねーそんなんじゃ駄目よぉ!」

響「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」

夕立「響さんは不死鳥っぽい?」

雷「そうそう、響は自分のことを優秀な軍人だと思い込んでいる英雄症候群の持ち主よ」

響「雷、私は病気ではないよ」

雷「そうだったわね、ごめんねっ!夕立はどうしてここに来たのかしら?」

夕立「夕立は時雨にお薬をもらって、気づいたらここにいたっぽい!」

響「その時雨さんって誰なんだい?」

夕立「時雨は夕立の大事な・・・時雨?時雨って誰っぽい?」

雷「なによもう、自分から言い出したんじゃない」

夕立「時雨・・・?時・・・あ、頭がぁぁぁあああぁぁぁあぁ」ズキズキ

響「くっ・・・雷!あまり行き過ぎた質問は控えないと」

雷「お、落ち着いて夕立!ほら、お薬飲ませてあげるから」

夕立「た、助かったっぽい」ゴックン

雷「そうそう、もーっと私に頼っていいのよ!」

響「雷の過干渉こそ相変わらずじゃないか」

雷「私は病気じゃないわ!」プンスカ

夕立「夕立、いっぱいお話してたらお腹がすいたっぽい」

雷「じゃあ売店でお菓子でも買ってくるといいわ」

夕立「んふっ♪お菓子いっぱいぽい」スタスタ

響「雷、夕立の話をどう思う?」

雷「典型的な虚言癖ね。自分が駆逐艦だなんてかわいそうだけど重症ね」

響「加えて、世界の海が深海棲艦とやらに侵略されているときた」

雷「情報統制で表ざたにはなってないみたいだけどね」

雷「って、響も昔は似たようなこと言ってたじゃない!」

響「そうだったかな」

雷「海軍提督の下で多くの秘密作戦がどうこうって」ニヤニヤ

響「 さすがにそれは恥ずかしいな ///」カァァ

夕立「雷ー!響ー!二人の分も買ってきたっぽい!最高にステキなパーティしましょ!」

響「まあ、ここにいる以上私たちは運命共同体さ。仲良くしようじゃないか」

雷「二人ともー!来月で私たち退院みたいよ!」

夕立「でも、夕立には帰る場所がないっぽい」シュン

響「それなら心配ないよ。私は酒の個人販売をしてるから二人さえよければ住み込みで働くといい」

夕立「やったぁ!雷と響とはずっと一緒っぽい!」ギュッ

響「こ、こら夕立、くすぐったいじゃないか」

雷「あははは!響、夕立、これからもよろしくね!」

雷「ありがとうございましたー!」

夕立「今日はもう閉店っぽい?」

響「そうだね、二人は先にあがっていいよ」

響「(退院からおよそ一年、雷と夕立は私の家で下宿しつつ店を手伝ってくれる)」

響「(私たちの社会復帰もそう遠くはないだろう)」

響「(でも時々考えてしまう)」

響「(夕立の言う通りこの世界は深海棲艦に侵略されていて、秘密裏にそれと戦う女の子がいてもおかしくないんじゃないかってね)」

響「(もっとも、雷に話してもからかわれるだけなんだけど)」

響「(しかし偶然とはいえ相部屋になった私たちの名前は旧時代の駆逐艦と一致している)」

響「(夕立の話は本当にただの妄想なんだろうか)」

???「あれ、もう店じまいなの?」

響「あ!お客様、申し訳ございませんが本日の営業は終了いたしました」

???「しょうがないな。他のお店を探そうか、時雨」

???「提督が言うなら僕はそれでいいよ」

響「(時雨・・・?提督・・・?)」

響「ぐっ・・・あ、頭が・・・」ズキズキ

・・・


響「明日で提督とケッコンか///いい響きだな。嫌いじゃない」

時雨「響、ケッコンおめでとう」

響「時雨、すまない。君の提督への想いを知っていながら私は・・・」

時雨「響・・・止まない雨はないさ。・・・そう、心配しなくていいんだ」

響「時雨?」

時雨「僕は、いつでも提督と一緒にいる・・・そばにいて・・・いいんだよね」グサッ

響「ッ!注射!?なんのつもりだい」ズキズキ

時雨「響は病気なんだよ」

時雨「さぁ、これを飲んで、すぐによくなるから」

時雨「お薬の時間だよ」

あなたの記憶は本当に自分自身のものでしょうか
ヤンデレ時雨派か忠犬時雨派かを決するためHTMLスレで国民投票してきます

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