貴音「すたみならぁめん、ですか?」 (27)

P「あぁ、梅雨入りもしてこれから暑くなってくるから、夏バテしないようにしなくちゃな」

貴音「そのすたみならぁめん、というのはどういったものなのですか、あなた様?」

P「どんなもの、と言われてもなぁ。スタミナラーメンって名前のラーメンはあちこちにあるんだ」

貴音「なんと」

P「いわばローカルなご当地ラーメンの一つ、ってわけだ。地元民なら知る人ぞ知る、って感じだな」

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<おことわり>

このSSは、ステマ上等なスレとなっております
>>1の青春の味を食ってもらいたかった、反省はしていない

この時間帯になんてスレを立てるんだ!

P「俺が知る限りでは3種のスタミナラーメンというものが存在する」

P「共通点としては基本的に醤油ラーメンがベースなんだが、それぞれに細かい部分で個性的なラーメンだぞ」

貴音「そう言われるとますます気になってまいりました、どんなものなのか早く教えてください」

P「まずは奈良県は天理市だな。スープのベースは鶏ガラに豚骨、これに醤油ダレを組み合わせる」

貴音「いわば、醤油とんこつらぁめん、ということですね」

P「具材は炒めた白菜にニラ、豚肉だ。ピリ辛に味付けされていて、かなり濃厚でこってりとしたラーメンだ」

貴音「濃厚でこってり……それならば二十郎で慣れています故、心配はないかと」

貴音「それにしても、辛口の味付けとは流石すたみならぁめん、その名に恥じぬ味なのですね」

P「とりわけ、『彩華』という店が出すスタミナラーメンは『サイカラーメン』という独自の地位を誇るそうだ」

P「元は屋台の味としてスタートした天理のスタミナラーメンだが、今でも屋台での営業を行っているらしいぞ」

貴音「夏の夜空の下で食すすたみならぁめん……これもまた一興です」

P「2つ目は茨城県の水戸市を中心に広がるスタミナラーメンだ」

P「具材はキャベツにニンジン、そしてカボチャとレバーだな」

貴音「あまりらぁめんには使いそうもない具材が揃うのですね」

P「レバーは店によってホルモンとの入れ替えもあるそうだがな、いずれにしても一風変わった具が水戸のスタミナラーメンの特徴だ」

貴音「未知の具材だからこそ、どんな味を生み出すのかが楽しみというものです」

P「これらの具材を甘辛く味付けした餡かけにしていただくのが水戸のスタミナラーメンなんだが……」

貴音「なんだが……?」

P「水戸のスタミナラーメンはここからさらに細かく2つに分かれる。1つは醤油ラーメンの上にそのままかけるホットだ」

貴音「ほっと……ということはもしや」

P「さすがに察しがいいな。そう、もう1つは『冷やし』だ。冷水で締めた麺の上に餡かけをかけるというスタイルなんだ」

貴音「感覚としてはつけ麺や油そばなどに近くなるのでしょうか」

P「だろうな、店によってはやっていないらしいから注意は必要だがな」

P「ちなみに、これも店によるが追加料金さえ払えば麺の量を増やすことが出来る」

貴音「! それは……」

P「4玉以上を完食すれば、殿堂入りのような形で店に名前を残せるそうだが……」

貴音「そうと分かれば居てもたってもいられません! あなた様! さっそく水戸に……」 ウズウズ

P「貴音が行くと、全ての店に名前が残せそうだから怖い……問題は、芸能人が残すサインなんかと区別がつかなさそうなところだな」

P「それに、今から奈良に行くなら一日丸々潰れちまうぞ。水戸に行くのだってそれなりの覚悟が必要だ」

貴音「しかしあなた様! ここまで聞いておいてそのすたみならぁめんが食せぬのはなんという生殺しでしょうか!」

P「まぁ落ち着け。そこで3つ目のスタミナラーメンだ。こいつなら事務所から1時間弱もあれば行ってこられる」

P「実際に食う時間を考えても2時間ちょっとあれば往復は出来そうだからな」

貴音「ということは、そのすたみならぁめんをいただけるのですね!?」 ズイッ

P「近い近い。そう慌てなくてもちゃんと連れてってやるから」

P「ここでしっかり英気を養って、夏場の仕事を乗り切ってもらわなきゃいけないもんな」

---

貴音「……この路地裏にある店がですか?」

P「あぁ。さいたま市にある『娘々』(にゃんにゃん)という店だ」

貴音「にゃん……にゃん?」

P「そうだ、この店こそ埼玉各地に広がるスタミナラーメンを出す店の一つだ」

P「というわけで、早速入るとするぞ」 ガラガラ ヘイ、ラッシャイ!

貴音「中も随分小ぢんまりとしているのですね」

P「カウンター席中心で、小さなテーブル席がいくつか、だからな」

P「昼飯時はすぐにいっぱいになるが、それだけこの小さな店の出すスタミナラーメンの魅力があるってことだな」

貴音「あなた様、私はもう待ちきれません! 早くすたみならぁめんを!」

P「はいはい、分かってるよ。すいませーん、スタミナお願いします」 アイヨー

---

大将「はい、スタミナお待ち!」 ゴトッ

貴音「これが……すたみならぁめん」

P「さっき紹介した天理や水戸のスタミナラーメンに比べれば、具材は地味かもしれないな」

P「豚ひき肉とにらをピリ辛に炒めて作った餡かけを乗せた醤油ラーメンだ」

貴音「率直な印象を言わせていただければ、麻婆豆腐から豆腐を抜いたような……」

P「元々は『麻婆麺』というメニューに改良を重ねて出来たのが埼玉のスタミナラーメンだからな、その印象はあながち間違いじゃない」

貴音「それではさっそくいただきましょう」 ズルズル

P「どうだ?」

貴音「……とろみのついた餡が、麺と程よく絡んでおります」

貴音「激辛というわけではありませんが、確かに感じるこの辛さは癖になりますね」

P「紹介した3つのスタミナラーメンはどれも辛めの味付けだからな、この辛さこそが夏バテによく効く、ってわけだ」

貴音「それにしてもこの味は……どうにも白ご飯が欲しくな……あなた様?」

P「ん? なんだ?」  モグモグ

貴音「あなた様が今食べているそれは……」

P「俺が食べているメニューこそ、スタミナラーメンに並ぶこの店の二枚看板のもう一枚だ」

貴音「私のすたみならぁめんの餡をそのままご飯にかけたというシンプルな作りなのですね」

P「そう、その名も『スタカレー』ってやつだ。カレー、と言ってもカレールーの類を使ってるわけじゃないがな」

貴音「しかし、らぁめんで食べてもご飯が欲しくなるこの餡、それをご飯にかけるのだから合わないはずがありません」

P「よかったら一口食べるか?」

貴音「よろしいのですかっ!? それではさっそく!」 ガブリ

P「一口が大きい大きい」

貴音「……ふぅ、程よい辛さで身体も温まってまいりました……しかし」

P「どうした?」

貴音「二十郎のメンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシに慣れた私には少々量が物足りないかと……」

P「何度聞いても異世界の呪文に聞こえるな……そこ基準にされちゃ、満足できる店は格段に少なくなるぞ」

P「とはいえ、一杯の量も店によりけりではあるが、確かに気持ち少な目かもしれないな」

P「……だが、値段を聞けばそれも納得してもらえるかもしれない」

貴音「どういうことでしょう?」

P「このスタミナラーメン……」





P「350円だ」

貴音「なんとっ!?」

貴音「近頃はラーメン一杯に野口殿を要求する店も少なくない中で……!?」

P「お値段もまた店によりけりだが、一番安ければこのくらいで味わえるぞ」

P「そういったこともあって、大抵の人はサイドメニューもつけてオーダーするんだがな」

貴音「私なら、同じすたみならぁめんをもう一杯でも平らげられそうです」

P「一応辛みの効いてる料理だからな? あんまり食べ過ぎて喉がやられる、なんてことにはならないでくれよ?」

貴音「分かっております」

P「そんなわけで、地域限定ながら人気を呼んだ『娘々』のスタミナラーメン」

P「今じゃ、のれん分けにのれん分けを重ねて、埼玉県下十数店で味わえるぞ」

P「店ごとに大将の個性が少しずつ出ているから食べ比べてみるのも面白いかもしれないな」

貴音「私、このまま全店制覇して食べ比べてもよいのですが」

P「夕方から撮影が入っているから無理」

貴音「あなた様はいけずです……」

P「さてと、それじゃ混んできて騒ぎになる前に引き上げるとするかな」

貴音「はて? まだ夕餉には早いかと思いますが」

P「ここのスタミナラーメンが熱烈な支持を集めている一因がさっきも紹介した低価格なんだがな」

P「それ故に、特にこれを愛してやまない層が店の周辺にいるわけだ」

貴音「それはいったい?」

P「近所の高校に通ってる男子生徒だ」

P「決して金回りがいいわけじゃない男子高校生が、この味と価格に魅せられ、それが代々受け継がれてきたわけだな」

貴音「時刻は間もなく2時……」

P「あまり長居してると、下校時にぶつかりかねないからな。アイドルの貴音に気づかれて騒ぎになる前に退散するぞ」

貴音「私としてはファンとの触れ合いもしてみたいものではありますが……」

P「後に仕事さえつかえていなきゃそれも出来たんだろうがな。まぁ、今日は仕方ない、行くぞ」

---以下、蛇足でしかないおまけ---

【事務所】

ガチャ

P「ただいまー」

貴音「ただいま戻りました」

小鳥「あら、プロデューサーさんに貴音ちゃん、どこに行ってたんです?」

P「あぁ、実は二人で『娘々』に……」

小鳥「!?」

貴音「……どうしたのです小鳥嬢? 目を丸くして……」

小鳥(にゃ、にゃんにゃん、って……つまりチョメチョメしちゃったってこと!? 昼間っから!?)

P「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか、ちょっとスタミナをつけに行っただけですよ」

小鳥(す、スタミナをつける……つまり精をつける、ってことよね……? や、やっぱり二人は……)

貴音「あなた様、私また(食べに)行きたいのですが……」

小鳥(い、イきたいですって!? た、貴音ちゃんがそんな破廉恥なことになるだなんて……!?)

P「はは、またそのうちな」

貴音「しかしあなた様、私今でも(辛さで)身体が火照っておりまして……」

小鳥(か、身体が火照って……あばばばばば)

貴音「! そうですあなた様、是非今度は小鳥嬢も交えて、というのはどうでしょう」

小鳥(え、ちょっ、そ、それってまさかさ、3(ピー)ってこと……!?)

P「あぁ、それもいいな。どうです、音無さんも今度一緒に」

小鳥(ぷ、プロデューサーさんも乗り気だなんて……だけどこれはまたとないチャンスピヨ)

小鳥(音無小鳥2X歳……貴音ちゃんもいるとはいえ、奪い取ってプロデューサーさんを私のものにできる千載一遇の時……!)

P「あ、あの……どうします?」

小鳥「え、ええ……ぜひとも……その……やさしくしてください」

P「……はい?」



それから、音無さんの誤解を解くのに小一時間かかったのはまた別の話



 おわれ

以上、酔って書いた乱文でした
お目汚し失礼いたしました

以下、需要があれば貴音が各地のご当地ラーメンを食べるスレに
無ければ明日の夜にでもHTML化申請出しときます


深夜テロってこういう事か。実感した
続き楽しみにしてます


続き待ってる。さてカップ麺どこにやったかな…


グルメリポートとはまこと良き物、続きを期待しております

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