幼馴染「それでも好きだから」(120)

男(中学生の頃に単身、別れを告げた我が故郷に約三年振りに帰ってきた)

男(高校二年生となった俺。友達百人作ろう。あと友は元気だろうか)

男(そして幼馴染・・・アイツはどんな顔して俺を迎えてくれるだろう・・・)


男(新生活に期待を抱きながら高校に向かう。しかしその先には―――)


幼馴染「―――」フフッ 

イケメン「―――」



男「」


男(幼馴染がイケメンと仲良く登校してた)

男「えーと、男でーす。よろしくー」

ザワザワ

男(何か全てがどうでもよくなってきた・・・友達百人とかもうどうでもいいや)


友「男!久し振り!」

男「おー友じゃん」

男(無駄にかっこ良くなってる友に嫉妬)

友「お前帰ってくるなら連絡くれよ!それにお前ひどい顔してるけど、どうした?」

男「いや、なんでもない・・・」

男(幼馴染がイケメンと付き合っててショックなんて死んでも言えない)

友「そうか・・・そういえば男、学校の中見て回ったりしたか?」

男「いや、してないけど・・・」

友「じゃあ俺が案内してやるよ!」

男「お、おう」

男(やだ、ときめいちゃう・・・)

~放課後~


妹「なにやってんのバカ兄」

男「えっ、何ってこれから友に学校の中を案内してもらうんだけど、友トイレいっちまって」

男「友ったらトイレ長いんだよな・・・もうすぐ30分経っちまうよ」ハハハ

妹「友さんならさっき女の人と一緒に帰るの見たけど」

男「えっ」

妹「『えっ』じゃないだろうが」

男「俺って見捨てられたの?」

妹「多分」

男(早くも幼馴染と友に裏切られるって・・・この先やっていけるのかよ・・・)

男「仕方ない・・・帰るか・・・」

妹「・・・」

妹「私が案内してやってもいい」ボソッ

男「ん、何か言ったか?」

妹「私が案内してやるって言ったんだ難聴バカアホ兄」

男「お、おう・・・じゃあ頼むわ・・・」

妹「・・・フン」

妹「だいたいこんな所」

男「うん・・・妹の割には懇切丁寧な解説付きで助かった」

妹「私、できる子だから」

男「自分で言っててどうなんだそれは」

妹「事実だから、仕方がない」

男「・・・んじゃあ、学校の中がどういう風になってるかは分かったしそろそろ帰ろうか」

妹「そうする」

男「ただいまー」

妹「・・・ただいま」

母「あら、転校初日から一緒に帰るなんて仲がいいわね~」

妹「別に。たまたまだし」

母「そうなの?残念ね~」

妹「こんなヤツ・・・一緒にいるなんて・・・」

男「・・・えっ?」

妹「・・・部屋戻ってるから夕飯になったら教えて」


男(・・・よくわからない)

男(とりあえず俺の転校初日が終わった。おわった)

男(本当にこの先やっていけるか心配になってきた)

男(幼馴染には男がいるし、友は女を優先するし、妹にはなんか嫌われてる)

男(俺の引っ越し前に築いてきたものがボロボロに崩れていく・・・)


男(・・・考えるのも嫌になってきた。もう寝よう)

チュンチュン

男(もう朝か・・・)

男(・・・目いっぱいに妹の顔が)

男「・・・なにやってんの妹」

妹「・・・」

男「いや、起こすならもっと普通な感じでいいんだけど」

妹「・・・別にそんなんじゃないし」スタスタ

バタン!

男(ほんとに何しにきたんだアイツ)

男「いってきまーす」

男(なんか昨日の感じだとあんま学校行く気起きないな・・・)

男(って幼馴染の家の前に何か男いるし)

ガチャ

男(!!)

幼馴染「あっ、先輩今日も来てたんですか」

イケメン「悪いかな?」

幼馴染「いえ、全然・・・」

イケメン「じゃあ、行こうか」ニコッ

バタン!

男(なんか気まずくて外にいれる雰囲気ではなかった)

男 (・・・これからは家を出る時間をずらそう)


幼馴染「・・・今のって」

男(はー。俺の席の周りに人が集まってるよ・・・つうか俺の隣が友だからか)

男(無駄に人気あるな友・・・おかげで俺が気まずいよ)

友「あっ、男。おはよう!」

男「ああ・・・おはよう」

友「昨日は悪かったな・・・急用ができたもんで」

男「いいよ、気にしてない」

「ねぇー友くーん」

友「悪い男、ちょっと呼ばれたから」

男「ああ」

男(・・・真面目に友達作らなきゃな)

男(結局ぼっちで食堂に来てしまった)

男(もはや友達の作り方まで忘れたのか俺・・・)

男(まぁいいや。一人さびしくかけうどんを食べようじゃないか)

妹「・・・一人ぼっちとか」

男「なんだよ・・・文句あるのか」

妹「寂しいヤツ・・・」

男「うるせーよ。お前こそぼっちじゃねぇか」

妹「私は友達を待っているの。兄と一緒にしないで」

「いもうとー!」

妹「ほら、呼ばれた」

男「おう。いってこいよ」

妹「・・・一人ぼっちとか可愛そうだし、友達誘って一緒に食べてあげる」

男「いや、そういうのいいから・・・」

妹「黙って食べて」

男「えぇ・・・」



幼馴染「・・・」

~放課後~


幼馴染「・・・久し振り妹ちゃん」

妹「・・・お久しぶりです、幼さん」

幼馴染「あの、この後って時間ある?」

妹「別に大丈夫ですが」

幼馴染「よかった・・・ちょっと聞きたい事があって・・・」

妹「はあ」

幼馴染「あの、男ってこっちに帰ってきてるよね?」

妹「そうですね。帰ってきてます」

幼馴染「そっか・・・ありがとうね妹ちゃん」

妹「話はそれだけですか」

幼馴染「あ、うん・・・これだけ」

妹「なら、私からも一つ言わせてもらっていいですか」

幼馴染「えっ、何・・・?」

妹「いつまでも中途半端な態度とってたらどうなるか知りませんよ」

幼馴染「あれはあの人が勝手に・・・」

妹「・・・もっとも兄は見てしまったのかもしれませんけどね」 

幼馴染「・・・」

妹「それでは」

男(今日も学校が終わった・・・今はこのベットだっけが恋しい・・・)

男(寝ておきたら、今までの出来事が夢だったらいいのに)

コンコン

男「いいよー」

妹「入るよ」ガチャ

男「げっ、妹」

妹「『げっ』じゃないだろうが。もしかしてエロい事でもしてた?最低、変態」

男「してねーよ。誤解すんな。んで何しにきたの?」

妹「幼馴染さんの話」

男「!! ・・・お、幼馴染がどうしたし」

妹「兄はもう幼馴染さんがイケメンの人と一緒に学校行ってるの見たりした?」

男「・・・まぁ、見たけど」

妹「・・・大事な事言ってあげる」



妹「幼馴染さんはその人と付き合ってるよ」

男(・・・やっぱりそうだったのか。幼馴染はあのイケメンと付き合ってるのか)

男(心のどこかではそうでないことを祈っていたが・・・やっぱりそうだったか・・・)

男(結婚の約束をしたあの頃の幼馴染はもういないのか・・・)

男(もうこの学校に向けての一歩一歩が重い・・・)

幼馴染「・・・」グッ

幼馴染「ひ、久し振り男・・・」

男「・・・えっ」

幼馴染「そんな驚くことないでしょ?私そんなに変わった?」

男「まぁ・・・変わったっていえば変わったけど・・・」

男(主に彼氏の有無とか)

幼馴染「へぇ・・・そっか・・・」

幼馴染「これでも私頑張ったんだよ・・・?」

男(そういう自慢もう聞きたくないから。俺が惨めになる)

「幼馴染ちゃん~!」

男「・・・俺行くわ」

幼馴染「えっ、ちょっと!」

男「じゃあな・・・」


幼馴染「・・・なんで」



男(朝から災難だった。好きだった女の子から好きな男の為に努力したとか、俺が一番聞きたく無い話をされるところだった)

男(これからも幼馴染は避け続けよう・・・)

~放課後~

男「げっ」

妹「また『げっ』って言ったなバカ兄」

男「いや、お前と遭遇する確率多いなって」

妹「単なる偶然。そしてさらなる偶然、私は今一人」

男「つまりどういうことだよ・・・」

妹「か弱い女子を一人で帰す気か。この物騒な世の中で」

男「あーはいはい。送ってくよ」

妹「・・・兄としてそれが当然」



幼馴染「・・・」

ジリリリリリ


男「んぁ・・・七時か・・・」

男「・・・? なんだこの変な温もりは」

妹「」zzZ

男(なんで妹が隣で寝てるんだ)

男「って、起きんかい」ビシッ

妹「・・・ん・・・あさ・・・?」

男「何でお前が俺の布団にいるんだ」

妹「・・・ぅるさい・・・もうちょっと寝かせろ・・・」

男(そういえばこいつ朝弱いんだっけ)

男「早く起きないと遅刻するぞ・・・ほら」

妹「んん・・・兄のケチ、鈍感」

男「はいはい、早くしろ」

妹「ったく・・・」

男(はぁ・・・今日も始まるのか・・・)テクテク

幼馴染「お、おはよう」

男「あ、うん」

幼馴染「・・・それだけ?」

男「それ以外に何が」

幼馴染「いや、別に・・・」

男「・・・」

幼馴染「・・・」

男「・・・それじゃあ、俺先に行くから」

幼馴染「ま、待ってよ!」



幼馴染「・・・なんでそんなに冷たいの」

男(あれから一週間。相変わらずまともな友達はできず、今日も一人で登校している)

男(ちょっと前までは幼馴染がつっかかってきた事もあったが、それも避け続ける事ができている)

男(終わった恋なんだ。それに、幼馴染と一緒にいると余計に心が辛くなるし・・・)

男(さて、今日も睡眠学習の時間が始まるのか)ガチャ

男(・・・ん?、手紙か?なになに・・・)

『放課後空き教室で待っています』

男(・・・! ラブレターか?)

男(遂に俺の高校生活にも春が・・・?)

~放課後~



男(さて、空き教室の近くまで来たが・・・相手はどんな人だろうって)

男(・・・何で幼馴染がいる)

幼馴染「・・・やっぱり来てくれた」

男「え?どういう事?」

幼馴染「男と話がしたくて・・・」

男「・・・別に俺は話したいことなんて」

幼馴染「またそうやって私の事避けるんだ・・・」

男「!! いやこれはそういうわけじゃ・・・」

幼馴染「違くないよ・・・男は私のこと明らかに避けてる」

幼馴染「私、男に嫌われるような事した?それとも男は私のこと元から嫌いだったの?」

男「そ、そうじゃなくてこれは・・・」

幼馴染「・・・もういいよ。男の何思ってるか分かってるから」

男「話を聞けって・・・!」

幼馴染「・・・それでも」


幼馴染「それでも好きだから」


男「・・・えっ」

幼馴染「・・・」カァァ

幼馴染「じゃ、じゃあ」タッタッタッ



男「・・・なにが起きているんだ」


男(・・・これって告白・・・?)


男(・・・あれって告白されたのかなぁ)

男(そうだよな。あの言葉は・・・)

男(じゃあ幼馴染が付き合ってると思っていたのは俺の勘違い・・・?)

男(でも妹は・・・)

コンコン

男「ああ」

妹「気の抜けた返事ね。元から間抜けな顔なのにもっと酷くなってる」

男「そうだな・・・」

妹「ホントにおかしい・・・何があったの?」

男「幼馴染から告白された」

妹「・・・は?」

男「いや、だから告白されたんだって」

妹「誰に?」グイッ

男「お、幼馴染に」

妹「・・・やられた」ボソッ

男「でも、お前は付き合ってるって」

妹「兄・・・私からも一つ言っておくことがある」

妹「・・・―――が好き」ボソッ

男「・・・え?」


妹「・・・あ、兄の事がす、好き。異性として」カァァ


男「」


妹「それだけ。お、おやすみ」


バタン


男「・・・もう何がなんだかわからない」

男「・・・何でついてきてるの」

幼馴染「いいじゃん。減るもんじゃないし」

男「だってお前イケメンが」

幼馴染「あの人はきっぱり引き離したから大丈夫」

男「・・・妹、お前は腕に抱きつくな」

妹「嫌。兄はこの人には渡さない」

幼馴染「・・・私もしよっと」

男「ちょっ!やめろって!」

妹「やめてください幼馴染さん」

幼馴染「そっちこそやめてよ妹ちゃん・・・!」


男(あぁ、友達百人すらできないと思ってたのに・・・)


男(この先どうなってしまうだろう・・・ )


終われ

気分転換に書いてみました。

結構投げやりに一気に投下したんでミスとかあるかも。

続いてしまった

男(転校してきた矢先、幼馴染がイケメンと付き合ってたり、妹に嫌われてたり)

男(しかし、それは俺の勘違いだったみたいで二人から告白されてしまった)

男(俺はこの先どうすればいいのだろう。あと友達がほしい)



チュンチュン

男「・・・」

妹「・・・」zzZ

男「・・・だからさぁ、当然の様に俺の布団に入るな」

妹「・・・んん・・・あと五時間・・・」

男「アホ。んなこと言ってる場合か」ビシッ

妹「いたっ。何すんだバカ兄」

男「早くしないとまたドタバタすることになるぞ」

妹「うるさい・・・クズ、鈍感、優柔不断」

男「うっ・・・」

男(それを言われるのは痛い・・・)

男(でもそれは俺が悪いんだけどさぁ・・・)

男「・・・」

妹「~♪」

幼馴染「・・・」

男(もう最近この二人と登校するのが当たり前になってきてる)

幼馴染「そういえば男って部活入ってたりするの?」

男「入ってないけど」

妹「それなら文芸部をオススメする。週三日だし、活動内容も楽」

男「いや、俺本読むの好きじゃないし・・・」

妹「これから好きになっていくといい。そ、そのっ、私のこともいっし「いやー男は運動するべきだよ!」

幼馴染「ほら、私もサッカー部のマネージャーやってるしちょうどいいよ!」

妹「」ギリギリ

男「・・・俺サッカー苦手なんだけど」

幼馴染「・・・そっか」

妹「」ニヤニヤ


男(しかし、部活か・・・)

よくよく読んでみたら「違わない」かもしれない・・・
~放課後~


男(考えてみたらこの高校にどんな部活があるか知らない)

男(探すのも面倒だ。興味が湧くような部活があったら入ってみよう)

男(それよりも・・・問題は幼馴染と妹だ・・・)

男(そもそも幼馴染のあの言葉は告白と捉えていいのか分からない)

男(もしそうだったら、俺はなんと答えればいいのか)

男(昔から幼馴染の事は好きだった筈・・・なのにこの引っかかる感じはなんだ?)

男(そして妹・・・普通は兄妹での恋愛なんてありえない・・・)

男(なのに、何故かはっきりと断れない。それはどうしてなんだ)

男(俺はあいつに対しての何かを忘れている・・・?)

男「・・・もう何がなんだか分からなくなってきた」


「そこのキミ、どうしたの?」

男「えっ、俺ですか?」

男(やばい、めちゃくちゃ綺麗な人に声をかけられた)

「そりゃあ、そうでしょ。制服着た男が一人でブランコに座ってるのっておかしいじゃない?」

男「いや、なんか・・・気づいたらこうなってました」

「そっか・・・悩んでるんでしょ」

男「えっ、まぁそうなんですけど・・・」

「仕方ない。私がその話聞いてあげようじゃない」

男「い、いえ大丈夫です・・・」

「聞いてあげるって言ってるのよ?」ニコッ

男「アッハイ」

「それで、キミの悩み事って何?」

男「えぇと・・・この間まで遠くにいて、最近こっちに引っ越してきて―――」

~~~~~

男「―――それで、俺はどうしたらいいのかと」


「そうねぇ・・・キミは考え過ぎなのよ」

男「考えすぎ・・・ですか」

「そう、考えすぎ。その二つの問題を一緒に考えようとしたら中途半端な答えしか出ない」

「一つの物事にしっかりと向き合って、それから次の問題を考えていけばいいのよ」

「キミの場合はなぜ幼馴染の子にはっきりと返事をすることができないのか」

「そして、妹を断れない理由・・・それぞれをしっかりと考えるの」

「そうすれば・・・キミの出したい答えは出てくる筈」

男(しっかり一つの事について考える・・・か)

男「そうですね・・・俺、一気に解決しようとして中途半端な答えを出す所でした」

男「でも、あなたのおかげで答えが見えてきそうな気がします」

「それはよかった」

男「でも・・・何で俺なんかの相談にのってくれたんですか?」

「私の知り合いにキミに雰囲気がそっくりな子がいて声をかけられずにはいられなかった、ってところかな」

「さすがにその子はブランコに・・・いや、乗るかもしれない」

「とにかく、これでもう悩みは解決した?」

男「はい、もう大丈夫です。それであなたは一体・・・?」

「んーと、どこかの高校で生徒会長をしてるって事だけは教えてあげる」

男「は、はぁ・・・」

「おねぇーちゃーん!」

「・・・迎えが来たから私は行くわね。じゃあ」

男「はい・・・ありがとうございました!」


オネーチャンコンニャクガニガテダカラッテイエヲデナクテモ… ソンナオネーチャンヲムカエニクルナンテ モーカワイイナーワタシノイモウトハ!


男(強烈な人に出会ってしまった・・・)

男(でもあの人の言った通り、一つ一つ考えていこう)

男(そうすれば俺の望む答えが出てくる・・・かな)

男(まずは妹について考えていこう)

男(妹の告白を断れない理由・・・)

男(・・・やはり分からない。そもそも妹は何で俺の事を好きになったんだ)

男(あいつの容姿になら、いくらでも言い寄られるはずなんだけどな・・・)

男(ってそういえば・・・あいつって人見知り激しいからあんまり他人と話さないんだっけ)

男(だからあいつ昔から友達少ないんだよな・・・)

男(・・・昔か。ヒントはそこにあるかもしれない)

男(アルバムでも見てみるか・・・)

~~~~


男(やべぇ妹、かわいい)

男(いやロリコンじゃないけどさ・・・だってあいつ小さいころ)

妹『あに、いっしょにいる』

妹『あにといると・・・こころがあったまる』


男(とか言ってたんだぜ。それが今では・・・)

妹『アホ、バカ、クズ兄』

男(とか罵倒されるようになってな・・・なんでこうなったんだっけ)

男(それもこっちに帰ってきてからだよな・・・まさか)

男(俺は引っ越す前に何かしたってことか・・・?)

「あにーごはんー」

男(それはいったい・・・)

妹「おい、ごはんだと言ってる」

男「あ、あぁごめん」

~~~~


『約束したのに・・・』


『ごめん・・・」


『なんで離れていくの・・・』


『・・・ごめん』


『ねぇ、兄なんで!なんでなの!』


『・・・』

~~~~


男「・・・」

男(目覚めの悪い夢だ・・・これは確か俺が引っ越す時の・・・)

妹「・・・」zzZ

男(こいつはまた俺の所に・・・)


男「・・・ごめん、先行ってるな」バッ

ガシッ

男「!?」

妹「・・・ぁに・・・ずっと・・・いっしょにいる・・・」ギュウウウ

男「」

妹「・・・」パッ

妹「・・・」zzZ

男(なんだ・・・寝言か・・・)

男(でもどこかで聞いたことがあるような)


男(・・・! そうか・・・)

男『いもうと・・・おれは、ぜったいにいっしょにいてやるから』

男『だから・・・もうなくな』

妹『あには・・・わたしからはなれないってやくそくしてくれる?』

男『うん、やくそくするよ』

妹『うれしい・・・あに、ずっといっしょ・・・』




男(俺が妹とした約束・・・)

男(思い出した・・・妹はその時性格上の問題でいじめみたいなの受けてて)

男(それで誰一人あいつに味方がいなくて毎日塞ぎこんでて・・・だから俺は妹に言ったんだよな)

男(一緒にいてやるって・・・なのに俺が忘れててどうするんだ・・・)

男(きっとここで突き放せば妹はまた塞ぎこんでしまうかもしれない・・・)

男(けれど、このまま何も言わないのもダメだ。俺は兄として妹に言ってやれる言葉は)


男(・・・兄として・・・か)

~~~~


コンコン

妹「・・・誰」

男「俺だ。入っていいか?」

妹「ん」

男「よっ、部屋は片付けてるか?」

妹「そんなの当たり前。それでなんの用」

男「・・・大事な話がしたいんだ」

妹「そ・・・」

男「この間、言ったよな。異性として俺が好きだって」

妹「・・・うん」カァァ

男「・・・それでなんだけど」


男「ごめん、妹とは付き合うことはできない」

男「俺達は兄妹だから・・・」


妹「・・・」

妹「そうなると思ってた・・・だってふつうおかしいよね、兄妹間の恋愛なんていいわけないのに・・・」

妹「好きだって言わないと兄がどこかいくような気がして」ウルウル

妹「ごめん、兄・・・」グスッ

男「・・・だから、もう一つ言っておくことがあるんだ」

妹「・・・え?」

男「この先さ、何があっても兄としてできる限りは一緒にいるから・・・」

男「約束、一度破ったから。だからもう二度と破らない為にもう一度約束する」

男「もう二度と妹を一人ぼっちにしないって」

妹「・・・あに・・・」

妹「あに・・・・」ウェェェェェン



男(それから妹は俺の胸で泣き続け、しばらくして疲れたのか寝るといって俺の傍を離れた)


男(正直、妹には罪悪感しかない。だから兄妹として妹の事はしっかりと見守っていこう)

男(・・・これで許してくれ妹)

妹「~♪」

男「・・・んでさ、なんでまたお前は俺の腕に絡みついてるんだ」

妹「約束したじゃん、一緒にいるって」

男「それは兄妹としてであって・・・」

妹「だから、これは兄妹間のスキンシップ。問題ない」

男「あのなぁ・・・」

幼馴染「・・・なんだか二人の仲が進展しているような気がする・・・」ボソッ

妹「」ニヤリ

幼馴染「・・・」

男「・・・まぁ、いいよ。その代わり学校付く前には離して」

幼馴染「許すの!?」

妹「わかってる」

男(しっかり整理をつけたはずなのに妹といったら・・・)

男(・・・これも兄の役目・・・か)



妹「♪」ニコッ


おわり

ません

~教室~


男(妹の問題は解決した・・・あとは幼馴染だ)

男(幼馴染のあの言葉はそもそも告白なのかも怪しいってところもあるが、やっぱり・・・)


幼馴染『―――』フフッ

男(あの時の顔が酷く頭に焼きつく)


ガララ

妹「兄ーご飯食べる」トテトテ

男(・・・解決したんだよな)

男「それで、教室ではまずいから食堂に来たと」

妹「・・・? 何がまずい」

男「いやなぁ、この歳にもなって一緒に昼飯を食べるか」

妹「セーフ。問題なし」

男「そうなのか・・・?」

男(そういえばこいつ、幼馴染に懐いてないっていうか、避けてるよな。嫌ってるようにすら見える)

男(俺と同じで小さい頃からの付き合いなのに・・・)

男「そういえば妹ってなんで幼馴染と仲良くないんだ?」

妹「・・・あの人は兄を奪おうとする人」

男「まぁまぁ・・・それは置いといて他に理由はないのか」

妹「兄、覚えてないの」

男「何が?」

妹「・・・だからか」ボソッ

男「ん?」

妹「あの人は・・・やっぱやめとく」

男「そう言われると気になるんだけど」

妹「あの人は信用できない。それだけは言っておく」

男「おいおい、そこまで言う必要あるか」

妹「ある。私はあの人が許せない」

男「・・・そうか」

男(俺の覚えていない何かがある・・・ってことか?)

妹『あの人は信用できない』


男(なんなんだ。幼馴染の何が悪いって言うんだ・・・)


男(でも、あの時の顔は・・・)

男(・・・別に幼馴染だからって、他人にいい顔したら駄目だとかそんなことはないだろ)

男(嫉妬なのか? 自分以外にあんな顔見せられてるのが嫌と思うのは)

男(・・・何だかややこしく思えてきた。もう今日は寝よう)

~~~~


『そいつが壊したんだ!』

『違う!俺じゃない・・・!』

『だって見た奴がいたんだぜ!放課後に一人で教室に入った所を』

『そんなの・・・!』

『証人がいるんだよなぁ・・・正直に言ったらどうだ?』

『そうだな』 『もう観念しろよ』

『だよなぁ~どう思う―――さん?』

『ひっ・・・』

『壊したのは―――だよなぁ?』

『ち、ちが・・・』

『そうだよなぁ?』グイッ

『・・・そ、そうなの・・・かも』

『・・・は?』

『壊したのは・・・―――なんだよね』

『お前、なに言ってるんだ? そんなのありえないだろ・・・』

『・・・』

『おい・・・ふざけるなよ! おい!』



『・・・』ニヤリ

~~~~



男「っ!」

男(なんだ・・・今の気味悪い夢は・・・)

男(まるで、過去に経験したような・・・)

男(いや、そんな筈はない・・・こんなこと過去にはなかった・・・)

男(けど、心の奥で何か引っかかるな・・・)

~教室~


男(早く目を覚ました俺はそのまま二人を置いて、早々と家を出てきてしまった)

男(まだ気味の悪さが残っている・・・なんなんだよ)

友「おっ。珍しいな、男が一人で来るなんて」

男「お前が一人でいることの方が珍しいぞ」

友「ハハッ。それ、自分が友達いないからって俺に嫉妬してんのか~?」

男「いや、友達いないとか言うな」

友「・・・やっぱりまだ、気にしてるのか?」コソコソ

男「・・・? なんの事だ」

友「いや、それは引っ越す前の・・・」

男「引っ越す前? 何もなかったような」

友「・・・覚えてないのか!?」

男「いや、覚えてるもなにも、引っ越す前に何かあったわけじゃないだろ」

友「嘘だろ・・・引っ越した理由は覚えてないのか?」

男「それは・・・えーと、おばあちゃんが田舎で独りで暮らすのが大変だからって俺がそれを助ける為に・・・」

友「お前・・・忘れたのか?」

男「だから!何もないだろ!」

友「・・・マジかよっ」ボソッ

友「・・・昼空けとけよ」

男「? わかった」

男「屋上まで連れてきて何するつもりだ?」

友「・・・お前、さっき引っ越した理由言ってたよな?」

男「ん、ああ。言ったけど」

友「それ、嘘なんだ」

男「・・・は?」



友「―――お前は幼馴染に裏切られたんだよ」

男「・・・どういうことなんだよ」


友「三年前の、お前と幼馴染はすごく仲良かったよな・・・周りが嫉妬するほどに」

男「まぁ、そうだったかもしれない」

友「それで実際にお前らの仲を引き裂こうとした奴らが現れたんだよ」

友「ちょうどその時学校で、展覧会みたいなのをやる予定でな。幼馴染の作品も展示される予定だったんだ」

友「それで―――」


~~~~


『なぁ、男。放課後教室きてくれよ」

男『別にいいけど。どうした?』

『それは行ってからのお楽しみだ』

~~~~


バキッ

『へへっ。こうしてしまえば後は・・・』



~~~~


男『あいつら、遅いな・・・』

男『・・・!! 幼馴染の作品が壊れてる・・・?」

男『一生懸命作ってたのに・・・誰がやったんだこんなの・・・!』


『・・・男君?なにやってるの?』

男『・・・! ち、違う。これは俺がやったんじゃなくて・・・』

『最低・・・!』

男『おい!待てって!』

~~~~


友「そっからは簡単だ。その噂は学校中に広まって、お前は学校中から非難される対象になった」

友「必死に俺と妹ちゃんは男は無実だって言ってたけど誰も信じなかった」

友「幼馴染に信じてもらえず、学校中で非難されてたお前は、塞ぎ込んじまって部屋から出てこなくなったんだよ」

友「それで不審に思った俺と妹ちゃんで色々と調べることにした」

友「そしたらさ、出てきたんだよ。幼馴染の作品を壊したところを見た人が」

友「それでお前の容疑は晴れたんだけどさ・・・それはお前があっちに引っ越してからのことだけどな」

友「・・・これが男が引っ越す前に起きた出来事だ」


男(心の中で渦巻いてた違和感が消えていった・・・)

男(俺は忘れていたんだ・・・いや、心の奥に思い出さないようにしまいこんでたんだ)

男「・・・思い出したよ。全部」


男「ずっと心の奥で何かが引っかかってた。でも友のおかげですっきりした」

男「その、色々としてくれたんだな・・・ありがとう」

友「・・・こんなの罪滅ぼしだ。俺こそごめん。男のことを守りきれなくて」

友「でも、妹ちゃんの事は大丈夫だったから」

男「・・・別にお前のせいじゃない。それと守ってくれたんだな。俺との約束」

友「『妹を守れ』だっけか・・・そんぐらいならやってやるって」


男「・・・本当に・・・ありがとう」

友「・・・あと最後に一つ」

友「幼馴染には気をつけたほうがいい」

男「・・・というと」

友「転校初日に学校を案内するって言っただろ?」

男「ああ」

友「実はトイレ行った後に幼馴染に連れ出されてな・・・」

~~~~


幼馴染「友君さ・・・男にはもう会った?」

友「なんだよ・・・会ったけどそれがどうした」

幼馴染「妹ちゃんから聞いたんだけど・・・男はまだあの出来事を引きずってるみたいなの・・・」

幼馴染「あんまり私たちが関わって思い出したら、男がかわいそうだから・・・私たち、男と接するの控えよう?」

友(確かに男、顔が酷かったな・・・)

友「けど、お前がそれを言うかよ・・・!」

幼馴染「お願い・・・!」

友「・・・分かったよ・・・」

~~~~

友「―――って言われてさ、でも最近は幼馴染と男が一緒にいることが多くなってきて不審に思ってたらこの様だ」

友「きっと、お前が過去の事を忘れてるのを知ってて、思い出してほしくないから俺を遠ざけたんだろうな」

友「何を企んでるのか分からないが、一応言っておく」

男「そうか・・・」

友「なぁ・・・もう辛くないか」

男「・・・大丈夫だよ」

友「なら、俺達これからも仲良くやっていけるよな・・・!」


男「・・・当たり前だ」

男(俺が幼馴染のあの顔に嫉妬してたんじゃない。嫌悪感を出してたんだ)

男(だから、俺は幼馴染に告白されても了解する気になんてならなかった)

男(だから幼馴染に言うことがある・・・だけど、それを言うには後一押しが足りない)

男(俺の中で欠けてるもの・・・それを手にするために)


コンコン

「ん」

男「入るぞ」

妹「こんな時間に妹の部屋に来るなんて普通の兄妹ではありえない。私は構わないけど」

男「聞きたいことがある」

妹「・・・なに」

男「思い出した。転校した理由。全部友から聞いたよ」

妹「・・・思い出しちゃったんだね」

妹「兄・・・辛くない・・・?大丈夫・・・?」

男「俺は大丈夫。それで・・・改めてごめん。あの時に妹を一人にして」

妹「私は大丈夫だから。友さんだって私の事を守ってくれたから」

男「・・・ほんとにごめん」

妹「あの時一番辛かったのは兄・・・それに比べたら私なんて」

妹「って言ったら嘘になる・・・やっぱり寂しかった」

妹「・・・ところで友さんはなんで今その事を・・・?」

男「それは・・・―――」

男(俺は昼休みに友から聞いた事を話した)


妹「まさか、そこまでやるなんて想定外・・・」

男「でさ・・・なんで幼馴染が俺の記憶が失われてるのを知ってるんだ」

妹「私が教えた。あの人が兄の過去に触れるのを防ぎたかった」

妹「兄は過去を思い出したらきっと辛い思いをすると思ったから」

妹「でもあの人はそれを利用してきて自分の有利な状況に持ってこうとした。嫌われる前の兄ならまだ好きだって言ってくれると考えたんだと思う」

妹「あと、下手に兄を嫉妬させようとしてサッカー部の先輩のアプローチを断らずにいた」

妹「それで兄の事を下手に刺激させないように一度忠告した。それであの人がとった行動は予想外だった」

妹「だけど、その結果兄の本心を思い出させるなんて皮肉だよね」

男(妹・・・俺の為に色んな事をしてくれたんだな)

男「ありがとう・・・妹」ギュウウ

妹「え・・・」カッァ

男「お前を守る立場なのに・・・俺は気づいたら守られたんだな」ナデナデ

妹「うぅ・・・」

男「本当にありがとう・・・」

男(・・・全て分かった。これで最後は・・・)


男(あいつに会うだけだ)

~幼馴染宅~


幼馴染「それで大切な話って・・・何?」ソワソワ

男「その前に聞きたい事あるんだけど」

幼馴染「えっ、な、何・・・?」

男「あの・・・イケメンの人とは付き合ってたの?」

幼馴染「あれは付き合ってないよ!あの人が勝手に言い寄ってきて・・・」

幼馴染「でもあの人はサッカー部の先輩だし、下手に酷いこと言ったらその部活でも居づらくなるし」

幼馴染「でも今は大丈夫だから・・・気にしないでね」

男「そうか・・・じゃあ、俺もはっきりと言えるな」

幼馴染「・・・う、うん」


男「俺、お前のそういうところが嫌い」



幼馴染「・・・え?」


男「そうやってさ、人に合わせて自分を守ろうとする姿勢とかまるで変わってないな」

男「あの時もそうだった。自分が怖い目に遭うのが嫌で俺を売ったんだな」

幼馴染「ち、ちがう・・・」

男「色々と俺と付き合うために手を回してたみたいだな。無駄だったけど」

幼馴染「・・・好きだから」

男「・・・は?」

幼馴染「男のことが好きで・・・どうしても付き合いたかったからなの」ウルウル

幼馴染「だから、許してよぉ・・・」

男(・・・もうなんでこの人好きだったんだろう俺)

男「・・・なおさら無理だ。じゃあな」

幼馴染「まって!まってよ・・・!」



男「・・・」

男(さようなら、俺の初恋)

~後日~


友「おはよう、男!今日も妹ちゃんと一緒か」

妹「兄はいくらでも友さんでも渡しません」

男「こんな様子なんで」

友「ベタ惚れじゃねぇか・・・」

男「まぁ、兄妹だからセーフ」

妹「そう、問題ない」

友「・・・程ほどにな」


男(結局、友達はできた(?)し、妹にも嫌われてなかったようだし一件落着だ)

男(最近、幼馴染の姿を見ないけど・・・それは俺の知った所ではない)

男(とりあえず、この先への不安はないよな・・・)


男(あっ、部活どうしようか・・・)


今度こそ終われ

おまけ

男(やべぇ・・・昨日妹が楽しみにとっておいたプリン食べたら怒って朝起こしてくれなかった)

男(おかげで遅刻しそうだよ・・・ん?)

男(あ、男子高校生がバナナで滑って転んだ・・・って)

男(おいおいJKのスカートの真下に目線いってるじゃん・・・)

男(・・・静止してるけどいいのか?)

男(あ、立ち上がった)

ヘンタイヤロッー!!

男(・・・ハイキックされて吹き飛んだ。どんだけだよ)

男(・・・それにしても)

男「しましま・・・か」


もうほんとに終われ

パンツの息抜きに短いの書く予定だったのに普通に長くなってしまった・・・
無理矢理感は許してください

おそらく、この人たちの続きがあるとすればパンツの中で出てくるかも
パンツの更新はそのうちします

とりあえず。こんなssでしたが読んでくださった方、ありがとうございました。
よかったらパンツの方もよろしくお願いします。くっそ長いですけど。

おまけ②

妹「・・・」ピラッ

男「・・・いや、だからどうしたの」

妹「夏祭り」

男「え?」

妹「夏祭りに行く」

男「そうか・・・楽しんでこいよ。あ、なんなら小遣いいる?」

妹「そうじゃない。兄といく」

男「・・・俺と?妹が、夏祭り?」

男(ということで夏祭りに妹と行くことになった)

男(ていうか、同じ家から出て行くのに待ち合わせするし、その場所が祭りの会場近くっておかしいよな)

男(それに祭りに行くのは夕方からなのに、昼から家を追い出されるし何が起きてるんだ一体)


妹「・・・」テクテク

男(どうやら妹が来たようだ・・・って)

男「―――」

男(浴衣着てるじゃん妹・・・かわいい・・・じゃなくて)

妹「・・・どう?」

男「・・・」

妹「もしかして似合ってなかった・・・?」

男「いやいや!全然そんなこと無いって!むしろ似合ってるってかいうかなんというか・・・」

妹「・・・」カァァ

男(やばい・・・俯いて照れる妹かわいい・・・じゃなくて!)

男「じゃあ、行くか」サッ

妹「・・・この手は?」

男「・・・ほら、こんだけ人が多ければはぐれたりするかもしれないから」

妹「・・・手つないでくれようとしたの久しぶり」ボソッ

男「へ?」

妹「・・・ううん、無いでもない。早くいこっ」ギュッ

~~~~

男「わたがし口につけすぎだ。ていうか食べすぎだ」

妹「夏祭りは屋台を回ってなんぼだよ」

男「それでも女の子が食べ歩きをするっていうのはだな・・・」

妹「・・・兄、そういうの嫌い?」ウワメ

男「・・・・べ、べつに嫌いじゃない」カァァ

妹「ならいいでしょ」

男「・・・こうなったら思う存分食え」

妹「♪」


~~~~

妹「金魚すくいむずかしい・・・」

男「・・・あれは前でやってた人が凄すぎただけだ」

妹「・・・私も金魚ほしかった」

男「なんなら、俺が取ってきてやろうか?」

妹「それはダメ・・・そろそろ花火始まる」

男「そういえばそんな時間か。じゃあ、見えやすい場所に移動するか」

妹「」コクリ

~~~~


男「ここらへんならよく見えそうだな」

妹「兄と花火見るの、久しぶり」

男「そうだな・・・そういやお婆ちゃんの方の祭りの花火もすごくきれいだったぞ」

妹「来年はそっちの祭り行く?」

男「それもいいな。考えておくよ」

妹「・・・来年も、その次もずっと・・・兄と一緒に来たい」

男「・・・あぁ。約束したからな」

妹「うん・・・約束したもんね」


妹「・・・もう私の事を一人にしないよね?」

男「しないよ」

妹「そっか・・・♪」


妹「あにのとなり・・・しあわせ」ニコッ


もうほんとにおわり

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