臼田スミレ「世にもイミワカな物語~ハルの特別篇~」 (27)

※ナナシスと世にも奇妙な物語のクロスSSです。


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カツ...カツ...カツ...


タモリ「物事の本質」


タモリ「それを見抜くには、何が大切だと思いますか?」


タモリ「アイドルとは何なのか」


タモリ「人に元気を分け与える……それだけでしょうか」


タモリ「一種の変身願望、という事もあるかも知れません」


タモリ「それならば私も」


ボワン


ツノモリ「あ……あ、あの……その―――」


ツモノリ「こ、こんな風になりぇたりゃび……ふえぇぇ!噛んじゃいましたー!」


ツノモリ「き、今日はっ、そんな物事の本質に巻き込まれたアイドルの奇妙な物語をお送りしますっ……!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435361932

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スミレ「おーっす支配人、ウスタだよー!」


支配人「おはようスミレ、今日も早いな」


スミレ「別に、普通だし……モモカとかみんなが遅いだけだし」


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『理想のアイドル』
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支配人「そうだ、スミレ。配信まで時間あるよな?」


スミレ「あるけど……どうしたの?」


支配人「まぁまぁ、とりあえずそこに座ってくれよ」


スミレ「リハもあるんだから早くしてよね!」


支配人「はは、わかったわかった。今ナナスタの子にインタビューをしてるんだ」

スミレ「インタビュー?」


支配人「そうだ。理想のアイドルって何だと思う?ってな」


支配人「みんなの目指す姿を知っておきたくてな」


スミレ「なるほどね。みんなは何て?」


支配人「まだロナにしか聞いてないんだ」


スミレ「それ絶対にニコさま!って答えたでしょ」アハハ


支配人「わかってても聞かないといけないんだよ……あはは。で、スミレは?」

スミレ「そうだね……前にさ、支配人が輝いてるって言ってくれたじゃん、か」カァァ///


支配人「そんなこと……あったっけ?」


スミレ「憶えとけっつーの!ウスタだけ盛り上がってて超恥ずかしいし!!」


支配人「あはは……冗談だよ、今でも覚えてるし、今はもっと輝いてるよ」


スミレ「セリフくさいしってゆーか、イミワカだし……でさ、その時に笑顔が可愛いって言ってくれた、じゃんか……」


支配人「それは違うよスミレ」


スミレ「へっ……?」

支配人「笑顔が『とても』可愛いって言ったんだ」


スミレ「バ、バッカそんなことはどうでもいいってゆーか、まぁ……とっ、とても?可愛いって言ってくれたじゃんか?」


支配人「あはは顔真っ赤だぞ」


スミレ「うるさいっ!だからさ、やっぱ真剣なのも大事だとは思うんだけどさ、笑顔って重要なんじゃないかな」


支配人「なるほどな……笑顔、か。参考になったよ、時間取らせて悪かったな」


スミレ「別にいいし、支配人の頼みなら聞いてあげないこともないっつーか……って、もう行くね!」スタスタ


支配人「笑顔……ね」


ハル「支配人さん、おはようございます!」


支配人「お、ハルか。おはよう。実はな……」

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スミレ「おーっす、ウスタだよー!」


支配人「おはようスミレ、今日もインタビューいいか?」


スミレ「インタビューって昨日の?いいよ、ミーティングまで時間あるし」


支配人「んじゃさっそく質問。ナナスタのアイドルでこういうところ直したほうがいいって子はいるか?」


スミレ「直したほうが……かあ……」


\ボクチョットハシッテクルヨー/ \テヤンデイ!!/


スミレ「あー……あの2人の口調は直したほうがいいかも?せっかく可愛いんだし……」


支配人「あれは俺も口を酸っぱくして言ってるんだが……な……」ハァ

スミレ「あはは……まあ頑張んなよ。じゃあウスタもう行くね!」


支配人「おう」


ハル「おはようございまーす!」


支配人「お、今日も元気だな」


ハル「はい!今日も何だかめらめらって感じです!!」


支配人「今日もインタビューしたいから、めらめらって感じで答えてくれ。その後にミーティングだ」


ハル「わかりましたっ!」

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支配人「よし、揃ったな。じゃあ今日のミーティングを始めるぞ」


スミレ「ちょ、ちょっと待って!ムスビとシンジュは?」


支配人「あぁ、あの2人か。急遽ビジュアルレッスンの合宿に行ってもらってる」


スミレ「ビジュアルレッスン?」


支配人「要するに表情や表現力のレッスンだな。スミレの意見を参考にさせてもらった」


スミレ「意見って……昨日の?」


支配人「そうだ」

スミレ「何それイミワカだし!ウスタが2人が笑顔が足りないって言ったみたいじゃん!!」


支配人「それは違うぞスミレ。他のアイドルからも同様の意見が出たし、何よりあの2人たっての希望だ」


スミレ「そう……なんだ……」


ハル「あのっ!支配人さん!じゃあモモカちゃんとスースちゃんが居ないのも……」


支配人「そうだな。ハルの意見を取り入れてアイドル業にやる気を出せるようカウンセリングに向かってもらった。もちろんこれも2人たっての希望だ」


ハル「そう……なんですね……」


支配人「それじゃミーティングを始めるぞ。今日は……」


ハルスミレ「「……」」

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スミレ「……」


カツ...カツ...カツ...


スミレ「!……だれ?」


ハル「スミレちゃん……」


スミレ「ハル……今日の、ミーティングのこと、だよね……」


ハル「うん。私の、せい……なのかな……」


スミレ「違うし!それを言うならウスタにも責任あるし!」

ハル「モモカちゃんもスースちゃんも、自分からカウンセリングに行こうとするなんて……」


スミレ「でも、モモカはアニメ観た後の可能性もあるし……スースだって、支配人から言われたら断れないんじゃない?」


ハル「うん……ムスビちゃんもシンジュちゃんも、真面目だから支配人さんに上手く言いくるめられたのかもしれないよね……」


スミレ「うん……まぁレッスンとカウンセリングだし、そんなに気にするほどでも無いのかも知れないけどさ……」


ハル「なんだか……ね……」アハハ...


スミレ「!!」


ハル「?」

スミレ「ハル、今日の朝のインタビューは何て答えた?」


ハル「えーっと……ここを直して欲しいって思う子はって聞かれて……サワラさんとシズカちゃんが不思議で何を考えてるか分からないですよねーって……あっ!」


スミレ「もし明日もそうなら……ちょっとヤバイかもね……」


ハル「明日もインタビューがあったら、答えないようにしよう?」


スミレ「わかった」

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支配人「お、ハルおはよう」


ハル「……」


支配人「おーい、ハルー?」フリフリ


ハル「……おっ、お掃除してきますっ!」タタタッ


支配人「……」

スミレ「おーっす」


支配人「スミレ、おはよう。何だかハルの様子がおかしいんだが、何か知らないか?」


スミレ「……んた……いだっ……の……」


支配人「ん?何か言ったか?」


スミレ「アンタのせいだっつーの!インタビューしたからシンジュやスースがカウンセリング受ける羽目になったんでしょ!?」


支配人「あーあのことか。そんなにマイナス思考になるなよ。アイドルとして成長するためだろ?それに今日はインタビューないから安心しろ。な?」


スミレ「……わかった。今日のミーティングは?」


支配人「それもナシだ。今日は俺の挨拶回りに付き合ってもらうぞ。カジカも一緒だ」


スミレ「…………わかった。準備する」

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支配人「いやーあのお偉いさん、俺だけで挨拶に行くといつも不機嫌だから助かったよーこれお詫びのジュースな」アハハ


カジカ「そうなんですか?ニコニコしてていい人でしたッ!」


支配人「若くて可愛い女の子が2人もいればそりゃニコニコもするさ」


カジカ「確かにスミレちゃん可愛いですもんねッ!でもあと一人って……あっ、もしかして幽霊さんでも居たんですか?」


スミレ「違うっつーの……」


支配人「あはは……今度挨拶周りに行くときは、スミレにお菓子でも作って行ってもらうかな。スポンサー料はずんでくれるだろうから頼んだぞ」


スミレ「え?ウスタお菓子とか作れないし」


支配人「そうなのか?だって料理が得意だって……」

スミレ「料理とお菓子作りは別物だっつーの。作り方とか全然違うし」


支配人「どっちも作らないから知らなかったよ……」アハハ


スミレ「え?支配人料理しないの?一人暮らしでしょ?」


支配人「バカにするな。卵かけご飯とかはめっちゃ得意だぞ」


スミレ「はぁ……こんど何かお昼に作ってくるね」


カジカ「あっ!私もなにか作ってきますよ!お魚ばっかりになるとは思いますけど……えへへ」


支配人「いやそれは悪い……とは思うが正直めっちゃくちゃ有難いな。魚も大好物だ」

スミレ「そうなの?ウスタ魚料理得意だし!」


支配人「最近は海鮮丼に凝っててなー。今度食べに行くか?」


スミレ「なにそれ行くし!(支配人と一緒なら……)」


カジカ「あ、私は生のお魚はちょっとニガテで……あはは……」


スミレ「魚屋さんの娘なのにお魚ニガテとかイミワカだし」アハハ


支配人「……」

スミレ「なんだか話疲れて眠くなって……」スゥ


カジカ「私もー……」スゥ


支配人「……」


支配人「ようやく寝たか」


プルルルルルル


[着信 春日部ハル]


プルルルルルル


プルルルルルル…………

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スミレ「ん……」


支配人「ようやく起きたか」


スミレ「ここは……ってみんな!」


支配人「ムダだ。もうみんな寝てる」


スミレ「最近様子がおかしかったよね……何が目的だし」

支配人「最近?元々このためだけに支配人になったんだぞ?」


支配人「七咲ニコル。もはや理想のアイドルの代名詞だな」


支配人「しかしその理想は潰えた。世界が望んだ理想と、七咲ニコルの望んだ理想が違ったんだ」


支配人「そしてその理想を託すためにマネージャーとなった」


スミレ「アンタ、最初から気付いて……」


支配人「ファンなのに気付かないとかありえないだろ」ハハ

支配人「でも理想って何だと思う?アイドルという職業は必ず悲しむ人間が出てくる!」


支配人「アホらしいよな。笑顔を分け与えるのが本業なんだぞ?」


支配人「だから考えたんだよ。誰も悲しまない方法を、さ」


スミレ「……」


支配人「物事の本質を見抜くには、歴史から学べってね」


支配人「アイドルは元を辿れば偶像。信仰の対象なんだよ」


支配人「ある意味では七咲ニコルもそれに近い存在だった」

支配人「でも何が足りなかった?足りなかったんじゃない。『人間だから』だったんだよ!」


支配人「偶像にしてしまえばいいんだよ。簡単な事だったのさ!」


支配人「文献を見漁ってさ、処女の血も必要なんだと分かった」


支配人「丁度いいのがあるじゃん……ってな」


スミレ「狂ってる……」


支配人「狂ってない。七咲ニコルに笑顔を分けてもらったひとりさ」アハハ


支配人「と、いうことでここでお別れだ」


支配人「お前も理想に近いいいアイドルだったよ」




ドスッ

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女生徒A「昨日出た4Uの新曲聴いたー?」


女生徒B「聴いた聴いた!やっぱりウメちゃんさいこーだよねっ」


女生徒C「おはよー!ねぇねぇ、あのウワサ聞いた?」


女生徒B「え、なになに?」


女生徒C「なんかね、これが七咲ニコルだって言って汚い像を売ってる人が7thストリートにいるんだって!」


女生徒A「ぎゃはは!なにそれー!アイドルなんか今どき流行んないよねー」


女生徒BC「「ねー」」アハハハハハハハ


[世にもイミワカな物語 終]

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タモリ「いかがだったでしょうか?」


タモリ「人の執着心は時に素晴らしい才能を発揮し、時に牙を向き自分に降りかかってきます」


タモリ「これを読んでいるアナタ」


タモリ「もう14時ですよ?順位は大丈夫ですか?ドーナツは足りてますか?」


タモリ「その執着心がアナタへ牙を向きませんよう……おっと、確変通知が……」


おわり

タイトル言いたいだけのテンションで何とか完結させれました。
オリジナルじゃなくてパロディでも良かったんじゃ…?
世にも奇妙な物語では「懲役30日」が印象的でまた観たいなあと思ってます。
HTML化依頼出してきます。

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