目玉おやじ「これ鬼太郎! どうしてお前はいつも引き篭もっているんじゃ!」 (18)

鬼太郎「」ガタガタ

目玉おやじ「お前が怠けている間、人間界では事件が相次いでいるんじゃぞ!」

鬼太郎「そ、それどころじゃないんですよ、父さん・・・!」

目玉おやじ「んん?」

鬼太郎「ぼ、僕は家から出たくないんです・・・!」

目玉おやじ「なんじゃと?」

目玉おやじ「それはまたどうしてじゃ?」

鬼太郎「そ、それは・・・」

目玉おやじ「ええい! 長く引き篭もっている所為で!」

目玉「とうとうマトモに会話もできなくなったのか!」

鬼太郎「と、父さん・・・!」

目玉おやじ「ワシは悲しいぞ・・・とほほ・・・」ポロポロ



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鬼太郎「これには深い訳があるんです!」

目玉おやじ「ええい! もうお前の話なんか聞きたくないわい!」

目玉おやじ「少し外に出て気分でも変えてくるんじゃ!」ドン

鬼太郎「うわっ!?」ドテ

目玉おやじ「ワシはこんな息子に育てた覚えはないぞ・・・うぅ・・・!」ポロポロ

鬼太郎「父さん・・・」





鬼太郎「・・・・・・」

鬼太郎「(仕方がない・・・妖怪横丁にでも行くか・・・)」


『妖怪横丁』


鬼太郎「あのー・・・」

砂かけ婆「これ子泣き! どうしてお前はいつもいつも飲んだくれているんじゃ!」

子泣き爺「うひぃ~! やっぱり酒は美味いのぉ~!///」

一旦もめん「あぁいやぁ~、うまかぁ! 胃に沁みるばーい!///」

砂かけ婆「何をバカなことを言っているんだい! まだウチの家賃が300年分も残っているんだよ!」

子泣き爺「300年!? ワシはそんなこと知らん!///」

砂かけ婆「この糞爺! いい加減に働いたらどうだい!」

一旦もめん「働いたら負けばーい! やっぱり酒を飲んでいるのが一番体によか!///」

砂かけ婆「ドラム型洗濯機の中に詰め込むよ!」

一旦もめん「それは勘弁してつかぁさーい!?」

子泣き爺「どうしてそんな酷いことを言うんじゃ!///」

砂かけ婆「何が酷いことだい! こっちは格安でお前達に宿を貸しているというのに!」

砂かけ婆「いい加減にしないと、骨董品店に売り飛ばすからね!」

子泣き爺「あぁーっ! 嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃぁ~!!」オギャーオギャー

一旦もめん「さつま揚げが食べたいでごわすぅ~!」シュルシュル

砂かけ婆「ええい! うるさいよ!」





子泣き爺「う・・・!?」ピク

一旦もめん「ぐぼっ・・・!?」ピク





砂かけ婆「・・・?」

子泣き爺「」ドドドドド

一旦もめん「」ジュルジュル

子泣き爺「おえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」ドボドボドボドボ

一旦もめん「おろろろろろろろろでごわすぅ~・・・」ビタビタビタ

砂かけ婆「あぁぁぁぁぁぁっ!? 大切な高級コニャック砂がぁぁぁぁっ!?」

砂かけ婆「この人でなしどもがぁぁぁっ!!」バシバシ

子泣き爺「んあぁぁぁぁぁっ!?///」オギャーオギャー

一旦もめん「あいやぁ~!? こりゃもうたまらんばーい!///」クネクネ





鬼太郎「・・・・・・」

鬼太郎「ここに僕の居場所はないな・・・」

鬼太郎「はぁ・・・」

鬼太郎「」カランコロン

鬼太郎「」カランコロン

鬼太郎「・・・・・・」





ねずみ男「ぎひひひひひwwwwwwこりゃたまらねぇぜwwwwww」プカー

火車「ぬぅわっはっはっはwwwwwww餅なんかよりもタバコ(意味深)だぜwwwwww」モワ

鬼太郎「よ、止すんだ! そんなもの、体に悪いんだぞ!」

ねずみ男「んおぉ? ありゃ、こりゃまた鬼太郎ちゃんでないのwwwwwwwww」

火車「鬼太郎じゅわぁねぇーかwwwwwwwwお前も1本吸えよぉwwwww」スッ

鬼太郎「い、いや僕は・・・」





火車「あぁん!?」ギロ





鬼太郎「ひっ!?」ビクッ

火車「まったく、お前はやっぱりノリの悪いイケすかねぇ野郎だずぇwwwwww」

ねずみ男「まぁまぁwwwwwwwこんな奴放っておいて、続きを楽しもうぜwwwwwww」スパー

火車「ぬぅわっはっはっはwwwwwwww」モクモク





鬼太郎「・・・・・・」

鬼太郎「(僕は一体どうすれば・・・)」

鬼太郎「」カランコロン

お歯黒べったり「おや? 鬼太郎じゃないか」

鬼太郎「あ・・・」

お歯黒べったり「そんな暗い顔して、一体どうしたんだい?」

お歯黒べったり「最近見ないと思って、心配していたんだよ?」

鬼太郎「お歯黒べったり・・・」

お歯黒べったり「どれ、少し話をするだけでも気分が晴れるかもしれないよ?」

鬼太郎「・・・・・・」

鬼太郎「・・・ゴメン」

鬼太郎「やっぱり話せないよ・・・」

お歯黒べったり「・・・そうかい」

お歯黒べったり「まぁ、話したくないときもあるさ」

お歯黒べったり「でもね、あたいはあんたの味方だからね?」

お歯黒べったり「何があったかは聞かないけど、辛くなったらいつでも相談してちょうだい」

鬼太郎「・・・!」

鬼太郎「ありがとう・・・」

お歯黒べったり「なに、こういうのはお互い様さ」

お歯黒べったり「気をつけて行くんだよ?」

鬼太郎「あぁ・・・」


『河原』


鬼太郎「・・・・・・」

鬼太郎「(どうしてこんなことになってしまったんだろう・・・)」

鬼太郎「(今人間界で起きている事件の数々は、妖怪が関わるものではない)」

鬼太郎「(全て人間が問題を起こしているんだ・・・)」

鬼太郎「(人間界では、妙なものが流行っているらしい)」

鬼太郎「(この妖怪横丁も例外ではない)」

鬼太郎「(人間界から横流れしてきた妙なものが、次々と出回っている)」

鬼太郎「(ねずみ男も変なものを吸っていたし、子泣き爺も飲んだくれている・・・)」

鬼太郎「(みんな、一体どうしてしまったんだ・・・)」

鬼太郎「(・・・・・・)」

鬼太郎「(・・・ここもすっかり変わってしまった)」

鬼太郎「(以前は多くの緑と水に囲まれていたけど)」

鬼太郎「(今は最新の建造物ばかり建ち並んでいる)」

鬼太郎「(ぬりかべが独立して、血反吐を吐くぐらいの努力をして)」

鬼太郎「(今は大手建設会社の社長だ)」

鬼太郎「(それからどんどん建物が増えていって・・・)」

鬼太郎「(もちろん、生活は楽になった)」

鬼太郎「(今までの古めかしい妖怪横丁ではなく、現代に相応しいものとなった)」

鬼太郎「(そう・・・もう、以前とは全く違ったもの・・・)」

鬼太郎「(変わってしまったんだ・・・)」

鬼太郎「(・・・・・・)」

鬼太郎「(僕は以前のここが好きだった)」

鬼太郎「(みんなが笑顔で過ごして・・・そんなここが・・・)」

鬼太郎「(もう・・・戻れないのかな・・・?)」

鬼太郎「(時代の流れと言うのは、こんなにも残酷なことだったのか・・・)」

鬼太郎「(・・・・・・)」

鬼太郎「(・・・父さん)」

鬼太郎「(僕は今、何の意味があって生きているのでしょうか?)」

鬼太郎「(毎日が楽しくないです・・・)」





鬼太郎「(あぁ・・・癒しが欲しい・・・・・・)」


『夜』


目玉おやじ「・・・・・・」

目玉おやじ「・・・鬼太郎はまだ帰ってこないのかのぅ」

目玉おやじ「ふーむー・・・・・・」

目玉おやじ「・・・・・・」

目玉おやじ「・・・ちょいとキツく言い過ぎたのかのぅ」






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





葵「おはよう、鬼太郎」

葵「今日は良い天気だね」

葵「もうあたしの家は慣れた?」

葵「そう・・・嬉しい!」

葵「もう鬼太郎がここに来てから1年になるね」

葵「何か不自由はない?」

葵「え? 外に出たい? みんなの顔が見たい?」

葵「あはは! それはダメだよ!」

葵「あんなに家の中が好きだった鬼太郎が、どうして今になってそんなことを言い出すのさ?」

葵「え? あたしが無理やり連れてきたんじゃないかって?」

葵「・・・・・・」

葵「・・・鬼太郎はさ」

葵「嬉しくないの?」

葵「あたしと一緒にいるの」

葵「ねぇ」

葵「どうなの?」

葵「ねぇ」

葵「ねぇってば!」

葵「・・・・・・」





葵「・・・どうして?」

葵「どうしてそんなこと言うの?」

葵「酷い・・・酷いよ・・・」





葵「鬼太郎はそんなこと言わない」

葵「誰かに騙されているんだ」ギリギリ

葵「鬼太郎はあたしだけを見て、感じていれば良いんだよ」ミシミシ

葵「あたしは絶対に鬼太郎を裏切ったりしない」ドン

葵「ずっと一緒にいよう?」スッ

葵「いつまでもさ、2人で一緒に・・・」

葵「他の奴らなんてどうでも良いじゃん」

葵「それにさ、他の奴らのこと考えていて落ち込んでいたんでしょう?」

葵「それならさ、あたしだけのこと考えてよ」

葵「楽になりたいんでしょ?」

葵「元気になった姿、おやじさんにも見せてあげようよ」

葵「・・・・・・」





葵「ふふ・・・」





葵「ようやく素直になったね」

葵「そうそう・・・それで良いのさ」

葵「ほら、あたしの胸貸してあげるよ」ギュ

葵「どう? 結構大きい方だと思うんだけど」

葵「・・・ふふ、鬼太郎、可愛い」ナデナデ

葵「ここにいれば、ずっとあたしに甘えられるんだよ?」

葵「そう・・・余計なことは何も考えずに済むしさ」

葵「・・・・・・」

葵「・・・だからさ」

葵「もう」

葵「一生」





葵「 離 さ な い か ら 」ニコ









―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





ザンビア「・・・・・・」





妖怪モニター『』





ザンビア「・・・いつの時代にも、怖いものはあるのね」

ザンビア「妖怪なんかよりも、人間の作ったものの方がよっぽど怖いわ」

ザンビア「それも、時が経てば経つほど酷くなっていく」

ザンビア「私達に未来なんてないのかもね・・・」

ザンビア「・・・え? 悲観的?」

ザンビア「そうねぇ・・・じゃあ、今を楽しむしかないわね!」

ザンビア「そうと決まれば・・・」スッ





注射器『』





ザンビア「」プス

ザンビア「ふぅー・・・」

ザンビア「・・・・・・」






バックベアード『ザァーンビッアちゃぁぁぁぁぁぁんwwwwwwwwww』





ザンビア「あぁ・・・あぁ・・・! ベアード様! ベアード様ぁ!!」

ザンビア「もっと! もっと私を見て下さい! 好きって! 愛しているって言って下さい!」

ザンビア「あぁ・・・! 素敵! 素敵です! もっと私を感じて下さい!」





ザンビア「あは! あはははははははははははははは!!」

ザンビア「ひひひひひひ! いひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」





終わり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月14日 (土) 00:06:01   ID: JiIq4E0r

幽霊族自体引きこもりみたいなものだったから多少はね?

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