男「雨なんて無くなればいいのに」(23)

ざぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ

男「梅雨だよ……今年も梅雨の襲来だよ」

  「洗濯物は乾かないし」

  「じめじめして不快だし」

  「自転車で活動できないし」

ざぁぁ、ざぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁ

男「ホント雨なんて無くなればいいのに」

  ピンポーン


男「ん、誰かきた」

  「おっと、まったく部屋干しの洗濯物ってホント邪魔だな」

   ピンポーン

男「はいはい、今行きまーす」

ガチャ

?「ひどいじゃないですかっ!」

男「……へ?」

?「雨が無くなっちゃえだなんて」

男「あのー」

?「だいたい雨と言うのは全ての生き物への恵みであって」

男「あなた、誰?」

?「その恵みを喜ばないなんて……って、え?」

男「だからあなた誰ですか」


?「あぁ、すみませんでした」

  「私は雨娘と申します」

男「あめ?」

雨娘(以下雨)「はいっ! 私は雨の妖精みたいなものです」

男「ようせい……」

雨「うーん……化身、神様……やっぱり妖精ってのがしっくりきますね」


男「……」

雨「どうかしましたか?」

男「……」

バタン

雨「ちょ! まってください、開けてください!」

男「大丈夫ですっ! 電波は間に合ってますっ!」

雨「電波ってなんですか、電波って! 私は本物です!」

男「分かってます! あなたが本物の電波だってことはわかってます!」

雨「そっちじゃないです! 本物の妖精ですっ!」

男(もう無視しよう、しばらくしたらいなくなるだろ)

雨「開けてください! 誤解です!」

男「…………」

雨「無視しないでください!」

男「…………」

雨「無視しないでくださいってばぁ」

男「…………」

雨「…………」

男「…………?」

雨「…………ふ、ぁ」

  「ふぇぇぇえええぇぇん、ふぁぁぁぁあぁぁん」

男「ちょ!?」


ガチャ

男「まって、分かったから!」

  「頼むから泣かないで!」

雨「だ、だっでぇ、ふぇええぇぇぇん」

男「こんなとこ見られたらヤヴァいから!」

  「いったん中入って!」ガシッ

  「って、うわ服びちょびちょじゃないか!」


少し後

男「……で」

雨「……ぐすっ」

男「社会的死亡の可能性があったため家に入れてしまい」

  「雨でびちょびちょだったのでお風呂に入ってもらい」

 「現在に至る」


男「えっと……君は結局」

雨「ひっく、雨娘ともうします」

男「雨の妖精の?」

雨「うん」

男「えっと、中学生……かな? どこに住んでるのかな?」

雨「どこにも住んでません、それに私は500歳です」

男「バカじゃねえの?」

雨「っ! う、ぁぁ」ジワァ

男「あーあー! うそうそ分かってるって信じてるって」

本日は寝る

御閲覧有難うございます

期待しているぞ

期待して待つ。

曇娘は何となく文学少女な委員長のイメージ。

男「で、雨の妖精さん(笑)は何のご用でしょうか」

雨「今、笑ったぁ……うえぇぇ」

男「ごめんごめん、それで何のご用で?」

雨「ぐすっ……だってさっきあなたが雨なんて無くなれって」

  「私に死ねって言ったじゃないですか……ひっく」

男「いや、そういう意味では」

雨「だいたい、最近の人は雨に感謝しなさすぎです」

  「昔だったら私が出て行ったら泣いて喜んでたのに」

  「踊りまで見せてくれたんですよ? 確か『雨乞い』っていう」

男「はぁ」

雨「ということで、男さんには雨の素晴らしさ、ひいては私の素晴らしさをしっかり理解してもらいます」


男「ストップ、ちょっと待ってくれ」

雨「何ですか?」

男「うーん、本物……なんだよな」

雨「そう言ってるじゃないですか」

男「じゃぁ、なんか超能力とかないの?」

雨「あ、はいありますよ?」

雨「じゃぁ、まず雨を強くしてみます」パチン

どざぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁ! ごごごごごごごごごごごごご!

男「ちょまっ! ヤバいヤバい、家が揺れてる、崩れる!」

雨「じゃぁ今度は雨を止めてみますね」パンパン

ざぁぁ、さぁぁぁぁ……ぴちょん……ぽちょん

男「………………マジ?!」

雨「まじです」

支援 元気でドジッ娘な晴女が幼馴染だとすると俺得

雪娘ーウブ・無口
晴娘ーイタズラ好き・ボクッ子
曇娘ー文学少女・メガネ

だといいな。

僕っ子、男勝り需要なし



ちょ、まっ!!

雨娘以外出すつもり無かったがね
梅雨前線来てますがな

雨「信じてくれましたか?」

男「……おぅ」

雨「では、本題に入ります」

雨「おほん」

  「雨、というものは昔から自然の恵みとして考えられてきました」

  「その力から、成長の象徴として扱われ」

  「大切にされてきました」

  「過去の大飢饉のとき出て行った時の感謝と言ったら」

  「一周回って狂気でしたし」


雨「あの時はなんか大きなお城に連れてってもらってお祭りをしましたね」

  「信長君にもらった『わいん』っていう飲み物はおいしかったですね」

男「え?! 信長って織田信長?」

雨「あー、そうそうフルネームはそんな感じでしたねあの男の子」

男「……男の子て」


本日終了

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