兵士「国の誇りを取り戻せだぁ?」(38)

ウオオオオ!! バン!!

冗談じゃねえ...

「弾が切れた!!補給部隊はどうした!?」

「こっちも弾切れです!!」

「くっそ!!もうこの砦は守りきれません!!第二防衛線へ撤退の許可を!!どうぞ!!」

『駄目だ、まだ防衛陣地の構築が完全ではない。砦を守り抜け、どうぞ』

「補給部隊はまだこんのですか?!どうぞ!!」
ドーン! ドーン! ドーン!
『補給部隊を前線に派遣する程我が師団に余裕は無い。すまないが持ちこたえて
くr ビー!!ガガガガガガガガガ

「砲撃で通信線を切られました!!」

「工兵隊!!線直して来い!!工兵!!」

「工兵隊は全員第二防衛線に撤退させられました!!」

兵士「隊長!!どうしますか!!?」

隊長「...各員持ち場に戻れ、後ろにも前にも進めないなら、敵を一兵でも多く殺せ!!以上!!」

兵士(冗談じゃない...)

伍長「皇太子のバカが...ハナッからこの戦争は無茶だったんだ!!くそっ!」

曹長「隊長!!我が部隊には...もうまともに動ける兵はおりません...弾も物資も底を
尽きました...撤退しましょう...!」

隊長「それでも戦え!!弾が切れたら石でも投げろ!!」

「...くっそ!!」ダダッ

隊長「逃げるのか!!?敵前逃亡は銃殺だぞ!!」 ッパーン

「うぐぅ...」バタッ

隊長「見てないで持ち場に戻れ!!」

兵士「はい!!」タタッ

兵士「...」 チラッ

「...」 ガタガタガタ

兵士「...」チラッ

「かあちゃん...!!かあちゃん...!!」

兵士(地獄って所はココよりも辛い場所って聞いたが...)

兵士(ココが俺の死に場所か...覚悟が出来りゃ案外落ち着けるな...)

隊長「...もう駄目か」

兵士「は...?」

隊長「我が部隊はこれより最期の突撃を開始する!!総員着剣!!」

兵士「...」 カチャ

隊長「...全軍、突撃に...

兵士「...」ゴクッ

隊長「前ぇぇぇぇ!!!」

「突撃ィ!!!!!」

「ワアアああああああああ!!!!」

「バンザーーーイ!!」

兵士「...逃げるなら...今か...」

兵士(すまねぇみんな...!俺は覚悟が足りなかったみたいだ...)

結構面白い。
期待

ーーーー
ーーー
兵士「すまねぇ...!!すまねえ!!」ッタッタッタッタ

兵士「ほら穴...前に見た地図にここいらにほら穴があった気が...」キョロキョロ

兵士「あった!ここで数日篭れば逃げ切れるか...」ッタッタタ

ーー
ーーー


兵士「薄暗くてよく見えない...マッチも無いしなぁ...」

「貴様!!!何者だ!!!」

兵士「っひ...!」

?「その姿...貴様敵国の兵卒か?」

兵士「ああ...っだ誰だ...!」

?「ふんっ...そのなりじゃぁ大方脱走兵か?」

兵士「っし、質問に答えろ!!」

?「まぁ貴様の命も残り少ない事だ、私は公国騎士団の女騎士と申す...まぁ簡単に
言えば貴様の敵だ」

兵士「あっあんたは何でここに...」

女騎士「斥候の途中で貴様らの軍の銃撃にあってな、腹部にかすり傷だ」

兵士「あ、あんたは脱走じゃぁ無いのか?」

女騎士「貴様私を愚弄しているのか?あまり出すぎた口を叩くな、今は貴様を
殺す事は出来ないんだ。君はどうするんだ?脱走してきたんだその粗末な銃の中に弾薬が
詰まっているだろう?」

兵士「お、俺は突撃の前に逃げた...だから弾は残っていない...あっ安心しろ!」

女騎士「ふん...もうじき救援がくる、それまでに貴様を殺す、いいか?」

兵士「っよ、よくねえ!!おおお俺にも武器はあるんだ!お前こそ降参しろ!!」

女騎士「お前...っぐ!...傷口がちょっと開いたか...包帯は...ッチ、切らしてる...」

兵士「おい...っか、かすり傷でも結構切れてるぞ、ちょ、ちょっと待て、包帯あるから...」

女騎士「ほぉ...敵兵を助ける輩が貴様の国にも居たとは...結構驚きだぞ...」

兵士「お、女に死なれると後味悪いしな...巻いてやるから動くなよ...」

女騎士「ちょ、自分で巻ける!触るな!あと私を女扱いするな」

兵士「ッチ、チンコ付いてないならどう足掻いたってお前は女だ、ああ諦めろ」

女騎士「っせ、せめて包帯だけは自分で巻かせてくれ...」

兵士「っへ、平気か?」

女騎士「自分を治療できる程の元気はあるさ...あといつまでキョドっているんだ
いい加減慣れろ」

兵士「っし、仕方ないだろ...階級が上の人間にタメ口は慣れないんだ...」

女騎士「なら敬語で話せば良いじゃないか」

兵士「敵国の人間に敬語だぁ?っば、バカ言うな」

女騎士「おかしな奴だ...そろそろ来るな」

兵士「っく、来るって何が...」


「騎士団長様~!いずこへ~!」


女騎士「お前、この白布を持ってろ」

兵士「っへ?」ガッチリ

女騎士「私はここだ!!すぐそちらに行くぞ!」


「この声は!ご無事で何よりですぞ!」

兵士「ちょちょちょちょ、チョイ待ち!!」

女騎士「ん?どうした?」

兵士「俺降参するなんて一言も言ってねえぞ!?」

女騎士「はぁ?遅かれ早かれ君は捕まるか死ぬ事になるんだぞ?どうせ
捕まるなら早いうちがいいだろう?」

兵士「お、俺の事は黙っててお、お前一人で行ってくれ!」

女騎士「ええいやかましい!お~い!捕虜が暴れてるんだ!何人か着てくれ!」

「「「おーー!!」」」

兵士「ヒエエエエエエ」

ーー
ーーー

ーーー
ーー
「お前は運がいいなぁ、あんな態度を他の騎士様に取っていたら即切捨てだぞ?
身の程は弁えた方が良いぞ」

兵士「ご忠告どうも...」


「これが...俺の弟...」

「うっ...うぅ...」


兵士「...」

「先ほど大規模な戦闘があってな、大方敗残兵の悪あがきと行った所だな...最期は貴様らの国の王の名前を叫び
突貫してきたよ...それでこちらも多くの兵を失ってしまった」

兵士「...生きてる奴は...」

「居ない。突撃してきた敵兵はすべて騎士団が打ち払ってくれたんだ騎士団さまさまだな」

兵士「そうか...」

「...お前の来ている服についているエンブレムを同じ服の死体を見かけたが...誰も
生きては居なかったぞ」

兵士「...ッ」

「いまさら後悔しても遅い...そろそろ連隊司令部だ身なり整えとけ」

兵士「あぁ...」
ーー
ーーー

ーーー
ーー
「例の捕虜を連れてまいりました」

男騎士「おう、ご苦労さんっと...へぇ~こいつが騎士団長のお気に入りか?」

「はぁ...?自分は認知しておりません」

男騎士「っへ、そりゃそうか...下がって良いぞ、後は俺がやる敵の遺骸の処理
でもしとけや」

「っは、失礼しました」


男騎士「さぁてと?お前...どんな技使って団長様に気に入られたんだ?」

兵士「っし、知らん...気に入られていたとかそう言うのは...」

男騎士「っち...俺が目に掛けられたのもつい最近なのに何でこいつが...」ブツブツ

兵士(ただの嫉妬じゃねえか...)

兵士「そんなのただの気のせいじゃないか?」

男騎士「いんや、団長はお前の事をアホみたいに気に掛けてる」

兵士「お前らが捕虜を取るなんて珍しい事だろからな。好奇心だろ」

男騎士「ふん、捕虜を取らないのは互い様だぜ」

兵士「で?俺はこれからどうなるんだ?殺すのか?ならさっさと...


女騎士「おや?死にたくないから逃げたんじゃないのか?」

男騎士「団長!ご無事で何よりです!」

女騎士「あぁ、ちょっと怪我をしたがこいつはくれた包帯で何とかなったよ」

兵士「そりゃどうも」

女騎士「好意は素直に受け止められないと苦労するぞ?」

兵士「元気そうで何よりだ、で、俺はこれからどうしたら良いんだ?」

男騎士「っへ、関心するほどの減らず口だなおい?ちょっととは自分の立場を
理解しとけ?お前なんざいつでも殺せるんだぜ?」

兵士「じゃぁさっさと殺せ口だけ星人め」

男騎士「」ブチッ

男騎士「てんめぇ...いよいよ死にたいらしいなぁ...!!」チャキッ

女騎士「落ち着けバカモン...どうしたさっきまでと違い随分と達観するようになったじゃないか...
お前は生き残りたいから脱走したんじゃないのか?」

兵士「...さっき見たが俺の部隊は全滅してた...みんな立派な死に様じゃなくとも国の為に殉じた...
でも俺だけのうのうと逃げ延び生き残ったんだ...今更後悔しても死んだ仲間に何て詫びればいいか...」

女騎士「だから僕も死にますって?」

男騎士「もうこいつ殺しましょうや、重要な情報も持って無さそうですぜ団長」

女騎士「君はちょっと出ててくれないか?」

男騎士「っし、しかし」

女騎士「君も戦い疲れただろう?少し休んで来い、後は私が処理するよ」

男騎士「んじゃぁお言葉に甘えます...おい兵卒」

兵士「あぁ...?」

男騎士「あんま調子こいてんなよ?」ゲシッ

兵士「ッチ...白豚が」

男騎士「ッチ...」ツカツカ

女騎士「フウー...彼は私に好かれようと必死なようだ...」

兵士「分かってんなら思いに答えてやれよ」

女騎士「生憎あいつはタイプでは無いのでな、貴族の生まれで騎士団に入ったのも
コネで入ったような物だ...剣術も私生活もとても見られた物ではないから前線から
退けていたんだが...それが彼の自惚れの原因になってしまったか...」

兵士「自分を大将かと思ってんだろ、あの性格はうちのクソ皇太子と同じだ」

女騎士「ほぅ...君達はあの皇太子に忠誠を誓っているものだと思っていたが違うのか?」

兵士「冗談言うな...みんなは国に忠誠を誓っていた...あの皇太子には誓っていない」

女騎士「国に忠誠か...どこの国でも軍の根本は同じなんだな」

兵士「で?能書きはいいから俺の処分をさっさと決めろ」

お、なんか始まった
期待

女騎士「まぁそう急くな、今上層部が君達の処分を決めている所だ」

兵士(達...?他にも仲間が居るのか)

女騎士「処分が決まるまで私とあいつで君を監視する、まぁ何か要望があれば
言ってくれ」

兵士「っへ、それは光栄な事で...」

女騎士「先ほど飯を持ってこさせるように言っておいた、そろそろ飯が来るから
一緒に食べよう」

兵士「飯くらい一人で食わせろよ」

女騎士「君に拒否権はないよ、それに君の話も聞きたいのでね」

兵士「...勝手にしろよ」

女騎士「勝手にさせてもらうよ」

「団長、昼食を持ってまいりました」

女騎士「ありがとう」

「こちらは捕虜の分です」

兵士「どうも...」

「失礼しました」

女騎士「あぁ、ご苦労」

兵士「毒でも盛ってるんじゃなかろうな」

女騎士「我々が捕虜にそんな事はしないさ、さぁ食べたまえ」

兵士「頂きます」

女騎士「おい、飯を食べるのならまずは神に感謝をだな...」

兵士「俺が崇める神は親という神だけだ、親には毎日感謝してるから今更懺悔するような
事は無い」モグモグ

女騎士「屁理屈を言うな...」

兵士「...」モグモグ

女騎士「君の両親はどんな職に就いているんだ?」

兵士「百姓、俺はその跡取り息子」

女騎士「百姓か、私と同じじゃないか」

兵士「へぇ?お前も百姓の生まれなのか?何か以外だな」

女騎士「あぁ...元百姓、だがな」

兵士「元?」

女騎士「両親を亡くしてしまってな、その時に当時の騎士団長に拾ってもらったんだ」

兵士「亡くしたって...何かあったのか?」

女騎士「私が小さい頃に内戦で両親を亡くしてね...しかも私の村が激戦区に
なった物だから親類も、友人も、知人も...全部失ってしまった...」

兵士「そうか...すまん、嫌なこと話させちまったな...」

女騎士「いや、私が勝手に話した事だ」

兵士「お前も良いとこの生まれじゃあ無いんだな」

女騎士「百姓が悪いところとは思わないがな」

兵士「そうだな...」モグモグ

女騎士「君の両親は元気なのか?」

兵士「あぁ、俺の父ちゃんは昨年の上陸作戦の最中に戦死、母ちゃんは防空壕
掘ってる最中に飛来して来た戦闘機の爆撃で死んだよ、お前の所の戦闘機にやられた」

女騎士「...」

兵士「両親が居ないって所はお互いだな」モグモグ

女騎士「すまない...」

兵士「お前が謝ってどうすんだよ」

女騎士「それでも...すまない」

兵士「父ちゃんは戦って死んだ、軍人としては本望だったんじゃないか?
それにお前の国ならうちの国の市民も戦闘員っててめぇの国民に報道してるらしいな
いいのか?プロパガンダを流すならもっと軍にも徹底しないと...

女騎士「それでも...!!」バンッ!!

女騎士「申し訳ないことをした...」

兵士「...お前が謝ったって親は帰ってこねぇよ、それに俺の親を殺った敵の航空隊は全滅させた、
もう俺の復讐は済んでるよ、だから謝るな」

女騎士「...」

兵士「...」モグモグ

兵士「...この戦争は俺らの負けだぁ...」

女騎士「...生きているだけで儲け者だ」

兵士「その言葉もうちょっと早く聞きたかったなぁ...」

兵士「はぁ、今日はもう寝る、寝場所はどこだ?」

女騎士「ここだ」

兵士「ここって...土やんけ」

女騎士「毛布くらいくれてやる」

兵士「そりゃどうも...」

女騎士「...良い夢を」

兵士「見れるかねぇ...Zzz」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー
兵士(...体が動かない...どこだ)

『俺の母ちゃんの作ったオハギうめえぞ~?帰ったら食わしちゃる!』

『へっへっへお前が作るわけじゃあるめぇが』

兵士(八浜?...前樫?...)

『俺もそのオハギ食ってみたいなぁ』

兵士(隊長...?)

兵士(生きてたのか...?みんな...?)

兵士『隊長!!前樫!!八浜!!』

『『『...』』』

兵士『みんな...?どうした生きてたんだろ?』

日本だったのか

>>28 どこの国とか言うのは特に考えてないです

兵士『みんな...?』

『お前、逃げたな』

『なぜお前だけが生きてる?』

『お前以外みんな死んだ』

兵士『っで、でも生きて』

『『『お前だけが生き残ったんだ』』』

兵士『あぁ...俺だけが...』

ーーーー

兵士「おおおおおおおおおおおっ!!」

兵士「...夢か」

女騎士「締まりの無い怒号だな」

兵士「...今何時?」

女騎士「昼前だ、一度朝に起こしに来たのだが...うなされていたが何か嫌な
夢でも?」

兵士「...嫌な夢っつーか自業自得っつーか...」

女騎士「...まぁ詮索はせん、飯にしよう」

兵士「起きたばっかでコンビーフとかスパムはキツイぞ」

女騎士「ふふっ...温かいスープを作ってやった、これでも食え」

兵士「男騎士の野朗なら這いずってでも食いそうだな」

女騎士「男に飯を作るのは初めてでな、味の加減は保障の限りではないぞ?」

兵士「へへっありがたく頂戴いたします騎士団長」

女騎士「...今朝、君の処分が決まったよ」

兵士「意外と早いな、銃殺ですか?」

女騎士「突入隊だ」

兵士「地雷原でも歩かされるのか?」

女騎士「いや、我が国内で違法営業をしている店の一斉摘発およびテロリスト
の鎮圧を君達に任されるのだ」

兵士「はぁ?」

女騎士「これでも結構な議論を重ねたんだぞ?」

兵士「はぁ、さいですか」

女騎士「明日首都へ向かう、準備しておけ」

兵士(つっても持って行くもんなんて...愛用の銃くらいしか...)

女騎士「君の持っていた銃を調べさせて貰ったよ、一世代前の銃なのに整備が
よく出来ていたね」

兵士「ほぉ、俺の銃のよさが分かる奴が居たか」

女騎士「あくまで整備が行き届いていると言ったまでだ、銃自体は一世代前の中古品だ」

兵士「中古だぁ?あの銃は俺が入隊した頃から俺を守ってくれている相棒だ、あまり悪く
言わないで貰いたいね...それにお前ら騎士団だってもう何世代も前の代物じゃぁないか?」

女騎士「私達は代々国に仕えてきた言わば象徴だ!騎士団を存続させるのは建国して以来何百年も続いてきた
伝統なのだ!」

兵士「ならあんたも分かるだろ?自分の相棒が虐げられるってのがどれだけ辛いか」

女騎士「それは...!っはぁ...すまない」

兵士「隊長が言ってたなぁ兵器武器は時代で移り変わるモンだ、俺はこの時代に、あの銃を授かったから
あの銃が俺にとっては一番なんだ...で俺の銃は?」

女騎士「あぁ私が保存しているよ、団員の連中が戦利品に欲しがってたのでね」

兵士「それはありがたい」

女騎士「戦争が終われば君に返そう、それまでは生きながらえてくれ」

兵士「...分かってるさ」

ーーーー
そして...
女騎士「まずは収容所に入れられる、そこで他の捕虜と合流させる...質問は?」

兵士「あのキザな野朗は?」

女騎士「司令部が移動するので地図の整理をさせている...それ以外にあまり
役に立たないのでね」

兵士「おぉかわいそうに」

女騎士「はいはい戯言はここまでだ、迎えのトラックが来るからしばらく待っててくれ」

兵士「お前はまだ前線に?」

女騎士「あぁ、もう少しで代わりの司令官が来るの、一ヶ月位はまだ血の匂いが取れなさそうだ」

兵士「へいへい、武運を祈ってますよ...」

女騎士「ふふっ...君みたいな兵は敵にも味方にも居ない...貴重な体験をした気がするよ」

兵士「はぁ...収容所に入ったらお前の顔も見納めって事になるな、華が無くなるのは
ちっと痛いな」

女騎士「私に華か...仕官の連中は絶対に口には出さんのでちょっと気に掛けていたが
先に捕虜に言われたか」

兵士「何だあのキザ野朗なら毎日ほざいてると思ったが」

女騎士「あいつは数には入れてないよ、あいつの言い方には感情が篭ってない」

兵士「ふ~ん」

女騎士「おっ、トラックが来たようだ。荷物を持って」

兵士「はいはい...ヨッコラショッ」

「いや~遅れてすいません!途中で戦車隊の奴らが脱輪してる所に遭遇
しちまいやして!」

女騎士「あぁ大丈夫、時間通りだ」

「そいつは良かったぁ!連れて行く捕虜はそいつだけですか?」

女騎士「あぁ、こいつ一人だよろしく頼む」

「分かってますよ!さぁ乗りな!!」

兵士「おっおう」

女騎士「収容所に入ったらまずは仲間を作れよ、捕虜の生活は何かと面倒だからな」

兵士「了解しましたよっと...俺の銃よろしく頼みます」

女騎士「あぁ、任せてくれ。誰にも渡さないさ。トラックを出せ」

「はいよ!坊主!シートベルト締めなぁ!」

兵士「おっおう」カチャ

女騎士「いつか面会に行ってやる、それまでは生きろよ」

兵士「善処します」

「出発!」
ブウウウウウウウン
ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー
「♪~」

兵士「Zzzz...」

「おっ!おい坊主、起きな!」

兵士「ああん?どうした...ありゃぁ...」

「あの数の重巡と戦艦は見たことねえなぁ、上陸作戦でもあるのかね」

兵士「恐らく...本土に上陸するのを支援する艦隊だな...」

「ほぉもうそんなとこまで戦線は拡大してんのか...まぁアレだ、生きてりゃ何とかなるよ」

兵士「騎士団長様にも言われましたよ」

「ほぉ珍しい、団長は基本的に無口だからそんな言葉聞いたことねえなぁ」

兵士「他国の人間が珍かったたんじゃねえの?」

「そんな事でテンションあがる人だとは思わんがねぇ...おっそろそろ収容所につくぜ」

兵士「強制労働はいやだねぇ」

ーーーー
憲兵「よう、いつもの捕虜か?」

「おう、今日は一人だ、着いたぜ降りな」

兵士「フアア...腰痛てぇ...」

憲兵「よし、入場許可っと、入っていいぞ」

兵士「へい」

「達者でなぁ~」

兵士(嫌に人懐っこいな)

憲兵「お前の入る収容所は一番端の9番舎だ、道なりに歩けば着く」

兵士「どうも...」

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