【魔法科高校の劣等生】脳筋バカは爪を隠さない【オリ主】 (45)



2094年4月某日

「ああああああああああああ遅刻するううううううううううううっ!!」

俺は今、全力で走っている。

理由は簡単。残り10分で始まる、高校の入学式に間に合わせる為だ。

何故こうなったか、まあ単に目覚ましが壊れていただけだ。

まあそんな話は置いておこう、今はただひたすらに走り続けよう――


 


「間に合ったぜ……」

あれから約5分、何とか高校のデカイ会場みたいなとこに辿り着いた。つか流石魔法科高校とは言うがここデカ過ぎやしないか……?

まあデカイのは好きだし気にしないけどな!

「さあて、座る場所座る場所……」

そういやこの高校は格差があったんだったな。
ブルームとウィードで、ブルームが一応強いって事だっけか。

そんな事で強い弱いは決まらないと思うんだけどな、俺は。

そんな事言ってるけどそんな俺はブルームである。

まあ取り敢えず見やすい前列の席にでも座りますか。

「よっ! 隣、いいか?」

ちょうど近くに空いてる席があったから話しかけてみた、は良いんだが

「……」ガタガタブルブル

良く分からんが一人でなんかブツブツ言いながら顔面蒼白で体震えてるんだが、コイツ。

「おーい」

「ひゃいぃ!? ご、ごめんなさいごめんなさい!」

何故か凄い勢いで謝られた。

誠に遺憾である。

「……お前、なんでそんな緊張してる訳よ? たかが入学式だぜ?」

取り敢えず話題を変える。

流石に女に謝られるのは男として、なんか、な。

「えと、その、うぅ……じ、実は私、新入生代表として話す事になってて……」

新入生代表か……そりゃ緊張も……新入生代表!?
え、コイツ新入生代表!?

つまり、トップの成績で入学したのはコイツ!?

いやいや、どう見ても小柄だし貧弱にしか見えんぞ。

しかしここはあれだな、アドバイスでも言うべきだよな。

まともなアドバイスが言えるかどうかは知らんがな。

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「おい、お前」

「は、はいっ!」

「肩の力は抜け、ネガティブな事は考えるな、お前を見てる奴は全員ホットケーキだとでも思っとけ。そうすれば絶対成功する!」

根拠? そんなものない。

だが自信はある。

「よ、よく分かりませんが、ありがとうございます。緊張、も多少は解れてきたみたいです」

『次は新入生代表、中条あずささん――』

そういやコイツの名前初めて聞いたな。

中条あずさか……なんかそれっぽい名前だな。

「ちょうど次みたいだな。頑張れよ、中条」

「っ!は、はい!」


 


 


結局のところ、あの後中条のスピーチは時々詰まる事もあったがなんとかかんとかまともな感じにまとまった。

しかしスピーチが終わった後の中条の顔、良かったな。

これも俺のアドバイスあってと思うと、俺も誇らしい限りだ。


さてさて、今はというと自分が新しく過ごすクラスにて待機中だ。

因みにクラスは殆ど全員揃ってるが二つ空いてる席がある。

「す、すみません。遅れました」

あれ? あれ、中条じゃないか。そうか、中条は俺と同じクラスだったのか。

「ああ、七草に生徒会に誘われたとかだろ?」

「あ、はい」

「なら良し」

何故担任の男があっさり答えられたかは知らないがまあスルーしよう。

「中条、お前同じクラスで……しかもこっちでも隣だったのか」

「そうみたいですね。……さっきは本当にありがとうございました」

「どう致しまして。あ、そういや俺の名前、教えてなかったよな。柊城 冬也《ヒイラギ トウヤ》だ、宜しくな」

「改めて、中条あずさです。えと、柊城くん」

何となく、だが中条とはさっきといい今といい縁がありそうだな。

そう思いながら入学初日は終わる……はずだった。

あ、どうも
今回突発的に書きたくなったんで書いていきたいと思います。

取り敢えず2094年、つまりは原作一年前からスタートなんで原作開始時一年生のキャラは基本出ません
といいますか、多分原作のメインキャラはあまり出番が無いと思います

それと、のんびり書いてきますのでご了承ください

では、また

皆さんレスどうもです。
ハーメルンも候補ではありましたがこっちの方が色んな意見が聞けそうだったので、こちらで始めました。

「あ、すんませーん遅れました~」

最後の空席の奴か……ん?

「お前迅か!」

「おー、冬也か! 同じクラスだったんだな!」

小中と仲の良かった志田 迅《シダ ジン》。
コイツとも同じクラスとはとことんツキがありそうだ。

「お友達、ですか?」

「まあ幼馴染みってやつ?」

「冬也が疑問系になってどうする……で、こっちの女の子は?」

「中条あずさだ。まあ恥ずかしがり屋というか……恥ずかしがり屋か」

人と話すのが苦手って訳とはまた違った感じだしな。

「よ、よろしくお願いします……」

「おーよろしく。へぇ、冬也も隅に置けないねぇ、ええ?」

「燃やすぞ」

「サーセン」

「てかなんで遅れたんだ?」

色々逸れたが本題はこれだ。

遅刻なんて滅多にしない迅が遅れてきたんだから何か事件の臭いがするんだよなー。

「おうよ聞いてくれ。実は一科の上級生に絡まれてなー。時間無かったし加速魔法使って逃げてきた」

「と、いう事は」

「これが終わったら確実に呼び出されるな、その上級生に」

「久々に暴れられるんだな?」

「もちろんだぜ」

こりゃ久し振りに面白くなってきた。

いやあ、中学でも暴れてたけど校舎が壊れやすくてどうも暴れやすいとこじゃなかったんだよな。

「フフ」

「フフフ……」

「あわわっその、暴力はいけないと思います……」

「大丈夫大丈夫、冬也がいれば大丈夫」

「なあに、ちょいと燃やしてくるだけだから」

「えーっと……」

お、ちょうど解散になったみたいだし取り敢えずこの学校のレベルの確認がてら燃やしてきますか!

楽しくなってきたぜ!

「なあ、そういやジョジョ三部の時代っていつくらいだっけか」

「なんだよ、急にどうした冬也?」

「良いから答えてくれ」

「1980年中頃だったと思う」

「そうか……」

「自分で言ってあれだが、よくよく考えると100年以上も前なんだな……」

瞬間、ぐわしっと肩を掴まれる。

「お話はもう良いかしら?」

「ア、ハイ」

現実逃避のお時間は終了しました。

結局あの後あっさり副会長に捕まった俺等は、現在生徒会室にいる。

因みに生徒会は会長とこの副会長は続投が決定してて(それ以上の人材が居ないらしい)、他の役職は未定らしい。

「入学式で『許可無しの魔法使用は禁止』と言ったはずよね?」

「そうでしたっけ? なあ冬y」

「とぼけない」

「ア、ハイ」

やっべ超怖い。
今まで色んな強い魔法師やら近代格闘家と戦ってきたけど、これは絶対ヤバい。

「それで、どうしてあんな事したの?」

「力試しです!」

「冬也ー!?」

「力、試し?」

「強い奴と戦う、それだけじゃダメっすかね? しかも相手から勝負を申し込まれたら尚更」

ここは正直な気持ちを言った方が罪が軽くなるパターン、ズバッとかっこ良く正直に言えば問題ない! はず!

「そうね、一理あるわね」

「すげえ流石冬也! 略してさすとう!」

「ふっ、其れほどでm――」

「でもそれとこれとは話は別よ?」

「あ……(察し)」

「あ……(絶望)」

大丈夫じゃない、大問題だった。

その日、生徒会室に二つの断末魔が木霊したのだった。

 


「『断末魔が木霊したのだった』じゃねーよ、よくあの惨状の中語り口調出来たな」

「……」

「おい、聞いてんのか?」

「……あーでもしなきゃ死んでた」

「おお、もう……」

結論、十師族は怖い。
女とか関係なく怖い。

翌日

「昨日は、散々だったな……」

「だが俺達は悪くない! 悪くないんだ!」

「は、はあ……」

思い出すだけで身震いがする。

「なあ、中条さんは俺達の味方だよなっ!」

「え、えっと」

あー……本当は迅のその言葉に肯定してもらいたかったんだけどなあ。

だが無理強いも出来ない。

「迅、中条が困ってるし諦めろ」

「はあ……まあ、冬也が言うならしゃーない」

中条みたいなタイプは無理強いさせるのは良くないタイプだからな。

共通の友人同士の争いで片方に付けないタイプだろう。

俺達と中条が友人かは……俺達は友人と思ってるし多分大丈夫。
多分、うん多分。

「ふふっありがとうございます、柊城くん」

「お、初めて笑った」

昨日は意識しなかったが、中条って笑うとこのクラス、つか学年で見ても際立って可愛いよな。

笑ってなくても相当だが。

そう思うと俺達は運が良かった?

「え、俺見てないぞっ!」

「残念、お前は運が悪かったな」

「二人共仲、良いですね」

「お、また笑った」

「中々可愛い!」

そんな訳で、昨日今日だけ見ても分かるくらい小心者で臆病だけど笑顔の可愛い全く違う性格の友人が、出来た。

いや、既に出来てたのかも知れない。

昼休み、生徒会室にて

「――で、冬也」

「まーたこのパターンかよ(諦め)」

二日連続で生徒会室に呼び出される……というか何故か副会長に襲われて気付いたらここにいた。

二日連続で思うが十師族とは言え魔法も使わずどうやって捕まえてんだ、この人……

「七草、お前副会長なんだから荒事はすんなよ……」

「あら、いっちー」

「俺、一応会長なんだけど?」

「あ、ごめんなさい。つい癖で」

いやどうしたよこの空気!?
なにこの二人のワールド!?

入り込む余地の欠片もねえよ!

「いや、七草が勝手をしてスマンね」

「ほんとっすよー! あの人あれで女なのか疑いたk」

「うん?」

「サーセン」

「お前バカだろ……」

なんのくだりだよ

「おっとゴメンゴメン、申し遅れたね。俺は糸井 大地《イトイ ダイチ》、無名だけど一応百家のうちの一つ『糸井』だ」

「糸井!?」

それより気になったのが会長が百家だった事だ。

しかも俺が尊敬するあの糸井家の糸井だと言うじゃないか!

尊敬するからには勿論、糸井家が百家だと言う知識くらいはあったがまさかここでお目にかかるなんて!

「糸井家? 俺は聞いた事無いぞ?」

なのに迅と来たら失礼な……

「糸井家と言えば初代当主嘉男さんの話が有名だ。元々超人的な肉体美と運動神経、天然っぷりで大人気だったプロ野球選手で、引退後急に何故か嘉男さんが魔法を使える様になって気付いたら屈指の実力魔法師になったんだ。そしてそれは息子さんに引き継がれ(ry」

「なげーよホセ」

「アッハハ、糸井家の話を楽しそうにしてくれて、嬉しいよ」

俺的にはまだまだ話し足りないんだがな。

まあ今回はここまでにしておくか。

ちょっと余談っぽい補足

ここでの『糸井』は作中語られた通り例の超人糸井の事ですw
あの方なら突然魔法に目覚めてもおかしくないと思いました(小並感)

「ん……ここは……」

「よう、起きたか脳ミソ筋肉」

「あ、テメェよくmグホッ!?」

「お前『アレ』使ったんだからあと一時間は動けねーぞ」

だったら地面に寝かせとくんじゃなくて保健室にでも連れてけと言いたかったが、今はそれよりもあの後この一件がどう終わったかの方が気になった。

「……中条は?」

「奴等含め風紀委員、生徒会、生徒指導と中条と奴等の担任に取り調べみたいなの?受けてるぜ」

「またかなり大事になったな」

ま、そりゃ別にいいんだがそれより中条がまた奴等にあーだこーだと難癖付けられてないか心配だ。というか会って数日の奴にここまで心配になれるってのも俺としても初めてなんだよな。なんと言うか、守ってあげたいオーラってやつ?それが凄い出てるって感じなんだよな……待て、俺はロリコンじゃないからな!?

「それはいいんだが……大丈夫なのか?」
 
「なに、ちゃんと映像録っといたからそれ見せたし、問題ないっしょ」

「そ、そうか……」

一気に気が抜けた、と言うよりはホッとした感じか。どちらにしても中条が不利な状況に無い事が分かっただけ一安心かな、と。

「心配なら待ってるか?」

「元々そのつもりだ、てか動けないし」

「だったら計画性持ってそれ使えよなー」

「わーってるよ」

-そんなこんなで一時間経過-

「あ、柊城くん!」

「よっ、大丈夫だったか?」

中条がホッとした顔してるって事は、まあそれなりに纏まったんだろうな。
まあ、あの副会長が居れば問題ないか。

「はい、何とか……それより柊城くんも大丈夫ですか?」

「まあな。ずっと寝転んでたから腰痛いけど、それ以外は全然大丈夫だ」

「おーいお二方、誰か忘れてませんか?」

「あっ」

「す、すいません志田くんっ!」

いやー、つい忘れてた……別に二人の世界とか、そんなんじゃないぞ、偶々忘れてただけだからな?

「ったく……あ、そう言えば副会長から伝言預かってるのすっかり忘れてた」

「んだよ伝言って」

「『今回の活躍に免じて倉庫整理は免除するけど、次変な事やったらフルボッコよ(ハート)』だ、そうで」

「怖い(確信)」

てか倉庫整理とか今の今まで忘れてたぞ……いいや忘れよ。それより色々あったせいで俺の腹はラーメンを非常に欲している。早く食べに行かねば!

あ、そうだ。

「中条、今からラーメン食いに行くけどお前も来る?」

「お、いーね!どうよ中条さん」

「そ、そうですね……」

「…………じゃ、じゃあ両親に遅くなるって連絡しますね」

「マジかっ!」

「やったな!」

思ったよりあっさりOK貰えたぜ!
なになにやっぱりこの三人スッゲー気ぃ合うじゃねーか!
てか中条の笑顔眩しすぎだ!男の俺等にゃ眩しすぎっ!

ま、そんな訳で三人で食べたラーメンは格別だったって訳で

第1章『出逢い編』-完-

鳥付け忘れ

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