律子、P「かんぱぁーい」 (23)

律子「にっがぁ~。 えっ、よくこんなの美味しそうに飲んでますね、プロデューサーも小鳥さんも社長も」

P「ほら貸せ。 次飲みたいやつ決めとけよ」

律子「はーい。 ありがとうございます」

P「律子には、まだお酒は早かったかな?」

律子「そんなことないですよ。 今日で20歳になったんですからね、私」

P「だったなぁ。 で、注文どうするよ?」

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律子「えーっと、とりあえずコーラを貰います」

P「ビールお代わりとコーラ、あとしめ鯖と……律子は何か食べるか?」

律子「じゃ、じゃあ焼きそばとか」

P「焼きそばも追加で。 お願いします」

P「律子も意外と麺類好きだよな」

律子「嫌いじゃないですしね。 ラーメンとかもよく食べますよ」

P「ほ~。 おっ、きたきた。 はい、かんぱーい」

律子「さっきしたじゃないですか、乾杯」

P「こういうのは何回やってもいいんだよ。 んで誕生日、おめでとう律子」

律子「ありがとうございます」


律子「何だか照れますね、改めて言われると」

P「事務所の誕生日会では、みんなで一斉にだったから、どうしても一人で言いたくてな」

律子「そうですか。……ふふっ」

P「最初に出会ったときはまだ制服着てたなぁ、律子」

律子「高校生でしたしね」

P「そうは見えなかったよ」

律子「……私が老けてるって言いたいんですか」

P「違うよ。 しっかりし過ぎててなぁ。 自分が恥ずかしくなった」

律子「どういうことですか?」

P「俺の18歳の頃なんて、なーんも考えてなくてさ。 律子見てたら、なんだかなぁ」

律子「ふふっ、なんだかおじさんっぽい」

P「だな。 せっかくの律子の誕生日なんだし、愚痴はナシナシ。料理持ってきてもらったついでに飲み物頼んじゃえば? あっ、俺ビールで」

律子「んーそうですねぇ。じゃあ……コーラ、お代わりで」

P「じゃあそれでお願いします7

律子「プロデューサー、ちょっと聞いてもいいですか?」

P「うん、どうしたよ?」

律子「カクテルとサワーってどこがどう違うんですか?」

P「んーそうだなぁ。 大きく言えば全部カクテルみたいなもんなんだけど……」

律子「? どういうことですか?」

律子「最近大沢たかおさんがCMやってるやつくらいしか知らないです」

P「あの女の子が『余計なものなんか全部捨てちゃいなよ!』って言ってくるやつか?」

律子「そう! それです! あんな口の利き方をする子いたら、私だったらもうコテンパンに叱ってやりますけれどね」

P「お前ならやりそうで怖いわ。 でもあのCMの女の子良いようなぁ」

律子「どうしてですか?」

P「夏、ノースリーブのワンピースを着た女の子、これでテンションが上がらなかったら男じゃないよ」

律子「ふぅーん、そうですか」

P「……律子にそういう仕事取ってくるか」

律子「ちょっ! 私より、そういうのは、ほら雪歩とか真とか、そう春香とか、」

P「俺は律子のワンピース姿が見たいんだよ。 麦わら帽子も忘れずに」

律子「そのために仕事を取ってくるんですか?」

P「当たり前だろ?」

律子「こうしこんどうー」

P「そういうのも役得役得。 あれ、どこまで話したっけ?」

律子「私のチューハイってものに対する知識が、最近やってるCMくらいしか無いってとこぐらいです」

P「なんだ全然話してないじゃないか」

律子「プロデューサーが脱線するからですよ」

P「いや大沢たかおの話を出したのは、ってまた脱線しかけたな。 えーっとチューハイってのは、もともと焼酎をソーダで割ったのをそう呼び出したんだよ」

律子「チューは分かるんですけれど、ハイってのはどこから来たんですか?」

P「ウイスキーをソーダで割ったのをハイボールって言うんだよ。 だからまぁそれと引っ掛けてじゃないかなぁ?」

律子「へぇー、そうなんですか」

P「ほらあずささんにハイボールのCMの仕事あったろ?」

律子「ありましたね。 でもその時は『ハイボール』っていうお酒があるもんだって思ってました」

P「ほー律子にしては珍しい」

律子「まだ遠い存在だと思ってましたしねー、私にとってお酒は」

P「19歳だもんなぁ、……ってまたズレてる。 まぁチューハイにはさっきのCMみたいに果汁を入れたものとかもチューハイも含まれてるなぁ」

律子「ふむふむ」

P「次がサワーだな。 カシスオレンジとかって聞いたことないか?」

律子「あー聞きます、聞きます!」

P「そのカシスオレンジはサワーなんだよ。 で、だ。 チューハイとサワーの違いはほとんど無い」

律子「えっ?」

P「サワーってのが、さっきのチューハイでも出た焼酎とかまぁあとウォッカとかを、サワーの語源は、英語の『sour』から来てるんだ。 律子、意味分かるか?」

律子「えーっと、酸味のあるとか酸っぱいでしたっけ?」

P「正解。 よくすらっと出てくるよなぁ」

律子「英語はこれからの時代に必須ですからね。 っていうかプロデューサー発音良いですよねぇ」

P「昔駅前留学してたからなぁ。 でも春香には敵わないわ」

律子「あの子に英語の歌詞をあるのを歌わせると、ファンのみんな最初にそこに注目しますしね」

P「『待ち受けプリンス』とかの時は凄かったぞ」

律子「最初のガールの発音が良すぎですもんね。 アンケートとかお手紙とかでも、『春香ちゃんに英語教えてほしい』ってのが多かったですもんね」

P「それで一本NHKで番組決まったしなぁ。 あーまただわ。 で、その酸っぱいものと砂糖とかシロップとかを入れて、ソーダで割ったのがサワー」

律子「で、カクテルと言うと」

P「カクテルもまぁふわふわしてるんだけれど、ウォッカとかウィスキーとか、あとはジンとかって聞いたことないか?」

律子「コナンでお酒の名前ってことだけは」

P「月曜日7時半?」

律子「7時からの犬夜叉から見てましたよ」

P「俺は金田一少年の事件簿だったわ。 コナンってもう完結したの?」

律子「うーん、確信に行きそうになって、また足踏みみたいな感じです。 あっ、コナン、蘭ちゃんに告白しましたよ」

P「えっ、ウソ! 哀ちゃんは?」

律子「うーん、特に何も」

P「そうなのか。 絶対哀ちゃんとくっつくと思ってたわ」

律子「プロデューサーは、ああいうタイプのほうが好きなんですか?」

P「好きだねぇ。 ああいう可愛げないとこが、逆に可愛い」

律子「なる、ほど。 ……ふふっ、そうなんだ」


P「? 律子、結構漫画読んでるんだな」

律子「意外でした?」

P「まぁな」

律子「小鳥さんほどじゃないですけれどね。 好きですよ、漫画。 プロデューサーはどうなんですか?」

P「未だに大好きだよ、漫画。 ジャンプ、毎週買ってるしな」

律子「だから事務所に、毎週ちゃんと最新号があるんですね」

P「そっ。 アンケートも出さなきゃいけないから、買わないとね」

律子「今連載されてる漫画だと、何が好きなんですか?」

P「うーん、だいたい好きだけれど『背筋をピン!と。』かなぁ、ああいう系に弱い。 ……だから」

律子「今のは絶対にプロデューサーからですよ!」

P「いーや律子がコナンって単語を出したのが悪い」

律子「はいはい、私が悪かったです。 それでカクテルっていうのはなんなんですか?」

P「まぁさっき言ったお酒がベースってなってて、それに何か混ぜて作ったらカクテルって言う感じかな」

律子「あーだから、『大きく言えば全部カクテル』」

P「そっ。 まぁざっくり甘くないのはチューハイ、甘くないのはサワーで、カクテルは味はいっぱい種類あるから飲んで判断する感じかなぁ」

律子「ありがとうございます。 勉強になりました」

P「で、後覚えておいたほうが良いのは『レディーキラーカクテル』だな」

律子「何ですか、それ?」

P「いわゆる男が女の人を口説くときに使うお酒だよ。 有名なとこだと、スクリュードライバー、カルアミルク、モスコミュールかなぁ、 普通の打ち上げで使う居酒屋とかにあるのは」

律子「他のは無いんですか?」

P「ここみたいなバーとかで頼まないと出てこないよ」

律子「……」

P「んな目で見るな。 するか、そんなこと」

律子「ですよねぇ、プロデューサー殿にそんな度胸も無いでしょうし」

P「俺はジェントルマンなの。 まっ、気になるなら他のも教えてやるよ」

律子「心配、してくれるんですか?」

P「まぁな。 アイドルは帰すけれど、まだまだ続くみたいな宴会多いし、特にお酒を大っぴらに飲めるようになったんだから、そういう誘いも多くなるだろうしな」

律子「でも、大丈夫だと思います」

P「どうして?」

律子「プロデューサーがいないときは、烏龍茶かコーラ以外飲まないようにするんで。 次はそのカルアミルクとか頼んじゃおうかな~」

P「……そっか」

律子「ちょっと照れないでくださいよ! ……私も何だか恥ずかしくなってくるじゃないですか」

P「いやお前が先に言ったんだからね、これ」

律子「……そろそろ時間、ですかね」

P「もうそんな時間か。 あと一杯くらいぐらい飲めるだろう。 すいません、ヨーグリートストロベリーソーダを二つ」

律子「甘そうなお酒ですね、それ」

P「実際甘いよ。 誕生日酒ってのがあってな。 6月23日は、このお酒なんだよ」

律子「これを飲むのも、また1年後かぁ」

P「……」

律子「6月24日になったら、また19歳ですし」

P「……」

律子「プロデューサーは歳を取れるのに、私だけ不公平ですよ」

P「……」

律子「もしかしたら、プロデューサーのほうが先におじいちゃんになっちゃったりして」

P「かもな。 そのうちお前が見てた月曜日7時は、ブラックジャックになって、結界師になって、……そのあとは知らないや」

律子「ちょっとでも縮まったって思ったのに。 あなたとこういう場所でデートできるのにふさわしくなれたって、思えたのに!」

P「律子の成人式の振袖も見てみたいし、仕事帰りにさ、ここに寄って、ちょっとお酒でも飲んで、……ってのもなしてみたかったけれど」

律子「悔しいです。 ほんとに悔しい」

P「……」

律子「……」

P「……この日のことって覚えているのか?」

律子「なんて言うんですかね、『昨日誕生日を祝ってもらった』ってことだけは、覚えてるんです。 だからここで話したことかは忘れちゃいますね。 お仕事の話話覚えてるのに」

P「そっか。 で、6月23日が来たら思い出す感じか」

律子「はい。 たぶんこの話したの、10回目とかですかね」

P「だなぁ。 もう10歳も離れちまった。 最初は同い年だったのに。 ほんとにおじいさんに先になるかもな」

律子「……明日になったら、私だけれど私じゃない、秋月律子がいます。 プロデュース、お願いしてもいいですか?」

P「俺は『秋月律子』のプロデューサーだぞ? 当たり前だろ、そんなこと」

律子「良かったぁ。……お酒、来ましたね」

P「だな。 飲むか」

律子「来年も一緒に、これ飲んでくれますか?」

P「……もちろんだとも」

律子「乾杯、しましょう」

P「あぁ」

律子、P「乾杯」


おしまい

律子とダラダラお酒飲みたい。

お誕生日おめでとうございます!

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