【艦殺(艦これ)】ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング (906)

【ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング】#1

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434927358

…いつからだろう?

こんな夢を見るようになったのは、震えが止まらなくなったのは?何度も同じ夢を見る、それはニューロンに刻みつけられた『恐怖』…いや、オバケなのか?あの時以来私の時間は止まってしまった。あの時から…

「……海域に出撃を」「任務成功!…あれ?」「ドーモ」「新手か!?」「な、なんて強さ…グワーッ!!」「カコ=サン!?」「こんな敵が出るなんて作戦要項に出ないよお…」「半数が大破!!もう持ちません!」「ヒュウガです、これ以上はやらせん…!」

『ヲッ…?ドーモ、空母ヲ級デス。アナタモ沈メテアゲル、クライクライ…海ノ底へ…』

「アッ…アイエエエエエエ!!!」唐突にフブキの意識は覚醒した。ここはどこだ?ここは駆逐艦娘の居住スペース、いつもと変わらない場所だ。でもまた同じ夢を見た、今夜もだ。

フブキはなんとか悲鳴を噛み潰し、他の寝ている艦娘達を起こすことは幸いにも無かった。「むにゃむにゃ…1番…はっやーい…」「ほとんど違法行為…」「センパイ….アタシはセンパイ…エライの…」緊張感の無い寝言が聞こえる中、フブキ寝具は汗でじっとりと濡れている。「ハァ…ハァ…」身体の震えもなんとか押し留める。

(もう…私はダメなのかな?)フブキは膝を抱えて独りごちる。やはりあれが原因だ、あの日にフブキは大破し、増援に救出された。そしてこの夢を見るようになったのだ。しばらくして…フブキは戦えなくなった。彼女の問いには誰も答えなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

それから数時間後、ここはネオサイタマ・チンジフの会議室、早朝にも関わらず各部門の長である艦娘たちが集まり議論を交わしている。その内容は今ここにはいない提督についての事のようである。「提督=サンの例のビョウキについてだが…」「このままでは艦娘が艦娘を生むという稀に見るジアンが発生してしまいます、何とかしましょう」

「鹵獲した深海凄艦娘を研修して提督専属のオイランにするのはどうかな?」「それはいい、私達の貞操観念的にもセーフだ」「まとめると私とタカオ=サンが直接慰安任務に就くという事でよろしいですね?」「今の発言はやや邪悪ですね」「アタゴ=サン、ちょっとやめないか」議論も佳境になってきたその時、当事者である提督が秘書艦のヒュウガを連れて会議室にエントリーした。

「ン…?お前ら随分集まるのが早いな、まだ開始10分前だぞ」「ウフフ、ヤルキの表れですよ〜提督=サン、早めに会議を始めましょう」それまで行われていた議論をピタリと止め、遠征部隊の長であるテンリュウはにこやかに返した。(流石テンリュウ=サンだ)(実際奥ゆかしいフォロー)(笑顔がコワイ!)それまでの議論を聞かれたかと思った艦娘たちは静かに安堵した。

「ああ、とっとと終わらせるぞ」水面下で恐ろしい議論が交わされているのも知らず提督は椅子にドカリと座り、会議を開始した。「まずクローン妖精部門からだ」「ハイ、労働条件の改善によりカロウシの確率を30%まで下げる事に成功しました。これは実際僥倖です」長であるオオヨドは優しい目で答える。

「クローン妖精の蘇生ドックの拡張も忘れるなよ…次、装備開発部門」「ハイ!装備開発部門のアカシです!近日、提携企業である如ぎから新装備が提供されました。これは直接両腕にインプラントするカラテビームブレードという画期的なものでして!!」「長い、宣伝は後にしろ。次は…」会議は粛々と進んでいく。

「私は週に5回、タカオ=サンが2回が適切だと思うのですがどう思いますか提督=サン?」「何を言ってるんだアタゴ=サン…?まあいい、最後は空母部門だ」 全員が空母部門の長である艦娘に目を向ける、しかし当の本人は心ここに在らずとばかりに俯いている。

「カガ=サン、君の番だぞ」沈黙を破るように俯くカガと同期であるヒュウガが促した。「…私?シツレイしました、報告する事は特に無いわ」静かに顔を上げカガは短く告げた。「本当に何も無いのか?」ヒュウガが念を押して聞くがカガの反応は薄い。「…言うなればまたアカギ=サンが食糧ドックに忍び込んだわ、それくらいね」

「またか…アイツは二日間ケジメ(注釈:メシ抜きのこと)だ、カガ=サンからもよく注意をしておけ」「…ええ」返答こそするがカガは決して提督の方を見ようとしなかった。「ふわぁ〜…会議終わったクマ?はやく朝ごはん食べようクマ」重くなってしまった会議室内のアトモスフィアを破るようにレクリエーション部門の長であるクマがあくび混じりに呟いた!なんたる怠惰か!

普段なら提督からチョップされる所であるが今回ばかりは提督は咎めなかった。「…まあ、いいだろう。ヒュウガ=サン、お前からも何かあるか?」「ああ、一つある」その言葉に艦娘達がかすかにざわめく、ヒュウガが発言するということはそれ即ち重要な案件ということだからである。

「内容は例の案件について…ついに『陥落』したらしい、確かな情報だ」艦娘達のざわめきはにわかに大きくなる!「ヒュウガ=サン!確かな情報なのですか!?」戦艦長であるキリシマは思わず立ち上がった。「ああ、『キョート・チンジフ』は制圧された…セイカンヤにな」その一言は会議室を凍りつかせるには十分すぎる重さであった。

【KANMUSLAYER】

(お知らせ : 二作目にあたりヘッズや提督にわかりやすいようにタグめいたものをつけました。めじるしとかにご利用下さい、以上です)

◆そういえばタツタ=サンでした、作者は速やかにケジメしました◆

◆艦◆カンムス名鑑#6【軽巡洋艦テンリュウ】ネオサイタマ・チンジフの古強者であり戦闘任務も遠征任務を難なくこなす確かなワザマエの持ち主。口調は荒いが面倒見のいい性格で駆逐艦娘達から親しまれている。親しまれてすぎていて尊敬されていないのが欠点。そして豊満である◆艦◆

◆エルフのせんしが来る前にみな様にげてください、始まりな◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

「提督が今から来るんだって!」「もう2週間経ったんだねー」「フフン!アタシのエラさを決断的にアッピルしてやるわ!」「はらしょー…スルー重点だろうけど」ここは駆逐艦娘達の居住スペース、2週間に一度の監査の日である。チンジフの長たる提督が直接出向いてくるというのは艦娘たちにとってはちょっとしたイベント事であった。

この賑わいにも関わらず、部屋の隅に膝を抱えて座っている艦娘がいる。ムラハチか?彼女の名前はフブキ、駆逐艦娘である。「あの…フブキ=サン、提督=サンに一度相談してはどうでしょうか?」「提督ならなんとかしてくれるっぽいー?」しかしフブキはムラハチされている訳ではなかった、気遣うように話しかけてくれたのは同じ部隊のムツキとユウダチだ。

「うん…でも大丈夫だから、提督=サンに時間を取らしてしまうのも申し訳ないし…」フブキは奥ゆかしくその提案を辞退した。しかしこれは本心などではない。この膝を抱える手を放してしまったら…すぐにでも震えが止まらなくなり失禁しそうだ。フブキはニュービーを卒業する直前だった、しかしそれを目前に大破した。それ以来フブキは戦えなくなってしまった。

突如作戦成功を目の前にしてインターラプトした深海凄艦娘、彼女の力はあまりにも強かった。フブキが所属した部隊の半数は大破、良くても中破の状態であり実際壊滅寸前に追い込まれ、まとめてサンズ・リバーに送られる直前…チンジフ最強位階の艦娘、ヒュウガ率いる増援部隊がフブキ達を救出した。アブナイだった。

その深海凄艦娘とヒュウガのワザマエはドングリ・コンペティションの如く拮抗、らちが明かないと判断したのか深海凄艦娘は離脱する。フブキたちも入渠ドックで治療され九死に一生を得たが…それからだ、イクサになると手が震えるようになったのは。敵がクローン駆逐艦であろうとカラテ連装砲を持つ手は汗ばみ、もつれてしまう。何度も失禁もした。

しかし任務に出ていない訳ではない、遠征任務にはきちんと参加している。だが戦闘になるような任務には決して志願しなかった。作戦本部もフブキの心を知ってか知らずか任務の強要はしなかった、それはさらにフブキに己を責めさせる事になる。(もう私はここに必要ないのかな…でも居場所なんて他にはない!いやだ…フートンでずっとうずくまっていたい!!)その時、自暴自棄になりかけていたフブキに話しかける者がいた。「よお、フブキ=サン」

「!」思わずフブキは目を上げた、視線の先には群がる駆逐艦娘達を鬱陶しそうに押しのけこちらに近づいてくる男がいた。「ねーねーねーねー!私今月も速さいっちばーん!ほめてほめてー!!」「今月は何度もお掃除当番したわよ!エライでしょ!?ほめてほめてー!」「へいへい…エライデスネー、だからどいてろ」アカツキとシマカゼの首根っこを掴んで横へどける男は提督、チンジフの司令官だ。

「てっ、提督=サン!?」フブキは慌てて立ち上がろうとするが提督はそれを制した。「そのままでいい、今日はひとつ質問をしに来た」「質問…ですか?」緊張するフブキに提督は静かに問うた。「…怖いのか?イクサが」「!!」その質問はシンプルであった、しかしシンプルゆえにフブキは心をハンマーで撃たれたように言葉に詰まってしまう。

「わた…し…わたし…は」言葉が出てこない、提督は何も言わずフブキの頭に手を置いた。「エ…?」「これから大きなイクサが起こる、俺は司令官としてそんな危険な状況に部下は出せねえ。だから次の任務…これでも恐怖が無くならなかったらお前はイクサに向いていない」フブキ俯いたまま顔を上げられなかった。

ガコンプシュー!強化カーボンフスマが開く、近くの壁にもたれていたヒュウガは目を上げた「どうだった?フブキ=サンの様子は」今だ部屋の中から服の裾を引っ張っているアカツキとシマカゼにチョップしてから提督は答えた。「あとはアイツ次第だ、心の問題は俺にはどうにもできん」「…まあ、そうなるな」ヒュウガはそれ以上聞こうとしなかった。

「とにかく監査を終わらせる、面倒でしょうがねえ…」「監査と言ってもただのふれあいタイムだがな」「分かってんなら廃止しろ、この制度」軽口を叩きながら軽巡洋艦娘の居住スペースに向かう二人の背後…曲がり角の壁に8つの光る目が唐突に現れた!オバケか!?

「私たちの入渠する時間が短すぎます、Почему?(ナンデ?)」「提督がゲイだからなの」「正解でち」ナ…ナムアミダブツ!?このスカム禅問答をする艦娘たちはかの潜水艦娘たちに他ならない!四人の名前はゴーヤ、イク、ハッチャン、シオイである。彼女たちの目は虚ろどころか血走り、提督の背中を刺すように見つめている!コワイ!

(理由は不めいですが作者のスシが切れました。朝に再開するのでもう寝てください、以上です)

◆なお新規の方々のために前作のリンクを貼っておきます、これは決して宣伝行為などではありませんのでごあんしんください。ウェルカムトゥ・ネオサイタマ・チンジフ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433088222/#footer)、重ねて以上です◆

◆艦◆カンムス名鑑#7【駆逐艦アカツキ、ヒビキ、イカズチ、イナヅマ】ネオサイタマ・チンジフ所属、同型の四姉妹。恐らく組織内でもっとも小柄な四人であるが戦闘では息の合った連携攻撃を見せる。姉妹全員で運用する超弩級アンタイ戦艦砲おいがみの威力は凄まじい。性格は順番に自信家、冷静、世話焼き、気弱である。◆艦◆

◆もう再開◆

しかし彼女たちは過酷なオリョールクルージングからは解放されたはずであった。しかし次の日、任務から解放されたにも関わらず四人全員が無意識のうちにオリョクルに出発しようと夢遊病者めいて出撃ドックに集合してしまったのだ!彼女たちの精神は完全に崩壊した。

「はうう…こんなことしちゃうシオイは悪い子ですぅ!でもやります!わたし今体温何度あるのかなーッ!?」「アーッ!今すぐイクの胸で提督の大っきなカラテ魚雷を挟んであげるのねー!アーッ!」「アッハーアッハー!アハトアハト!!ハッチャンのパンキドーでやってやるです!!」「まず提督を拉致し縛って囲んで棒で叩く!その後は強制前後して四人全員とケッコンカッコカリでち!」ナムサン…なんと綿密かつ狡猾な作戦であろうか!?

おお、このまま提督はスマキにされた挙句ジュウコンカッコカリさせられてしまうのか!?潜水艦娘たちはヒュウガが提督から離れた瞬間を見計らい、一斉に飛び出した!そして…センダイが現れた。

「「「「アイエッ!?」」」」潜水艦娘たちは急ブレーキ!彼女たちの前に立ちはだかったセンダイの顔のメンポには『憲 兵』の文字が威圧的に刻まれている!殺戮者のエントリーだ!「ドーモ潜水艦娘の皆さん、どうやら正気を失っているようだな」

困惑しつつも代表してゴーヤがアイサツを返した。「ど、ドーモ…いくらセンダイ=サンといえどゴーヤたちを止めることはできないッ!だからそこをどくでち!」「断る」そしてセンダイは静かにカラテを構える!「悪いがこれ以上進むつもりならカラテ治療あるのみ。ムーホン者罰すべし、慈悲はない」「ヌウウウーッ!者どもかかるでち!」ゴーヤは引こうとしない!すわ、イクサだ!!

「先方!シオイ行きます!イヤーッ!」シオイがセンダイに飛びかかる!「イヤーッ!」「ンアッ!?」センダイは流麗な動きで横スライド!飛びかかったシオイの腰をガッチリと掴んだ!「イヤーッ!」「ンアーッ!」尻を打擲!シオイは苦悶!

「次峰!ハッチャン行きます!パンキ!」ハッチャンが奇怪なパンキ・ムーブメントでセンダイに飛びかかる!「イヤーッ!」「ンアッ!?」センダイは流麗な動きで横スライド!飛びかかったハッチャンの腰をガッチリと掴んだ!「イヤーッ!」「ンアーッ!」尻を打擲!ハッチャンは苦悶!

「大将!ゴーヤ行くでち!イヤーッ!」ゴーヤがセンダイに飛びかかる!「イヤーッ!」「ンアッ!?」センダイは流麗な動きで横スライド!飛びかかったゴーヤの腰をガッチリと掴んだ!「イヤーッ!」「ンアーッ!」尻を打擲!ゴーヤは苦悶!

「副将!イクが行くの!イヤーッ!」イクがセンダイに飛びかかる!「イヤーッ!」「ンアッ!?」センダイは流麗な動きで横スライド!飛びかかったイクの腰をガッチリと掴んだ!「イヤーッ!」「ンアーッ!」尻を打擲!イクは苦悶!「イヤーッ!!」「ンアーッ!」なぜか怒りのこもった手でイクの豊満な胸を掴む!イクはさらに苦悶!

数秒後…床には尻を桃めいて腫らした潜水艦娘たちが倒れている。「…うーん、あれ?ここはどこでち?」「グーテンモルゲン…かな?なんで私たちここで寝てるんでしょうか?」「いたた…なんかお尻がいたい!」「イクのおっぱいになんか赤い跡がついてるの…」四人が目を覚ました時、狂気はどこかに消えていた。

「もー!疲れてるからってこんなとこで寝ちゃダメだよ四人とも!」 へたり込む四人を立たせてあげるセンダイの顔にはメンポは無く、元の人懐こい笑みを浮かべている。彼女は艦娘であり憲兵でありニンジャである、このようなムーホン者を取り締まるのも仕事のひとつなのだ。

チンジフの闇は深い…このような出来事はチャメシ・インシデントなのだ。そのためにセンダイがいる、抑止力となるために。そしてセンダイと立ち話をしていたイスズは目の前の友人が唐突にニンジャになった事に驚愕し失禁していた。

【ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング】#1終わり #2に続く

(お知らせ : 作者は実際ウカツでケジメ案件が絶える事はたぶんありません。なお今回はゴーヤが順番を間違えてしまっただけなのでケジメには当たりませんでした。 おしらせ的存在はこれからも作者に決断的にケジメを行なっていくのでごあんしんください。質問はありますか?ありませんね。以上です)


大爆発四散が出る度にクスっときてたんだけど今後は積極的に略されるのだろうか

◆艦◆カンムス名鑑#8【軽巡洋艦タツタ】ネオサイタマ・チンジフ所属、遠征部隊の長でありテンリュウとは同型。カラテのワザマエだけでなく拷問術にも優れている。見目麗しい女性だがなぜか目がコワイ◆艦◆

010101010101…

010110ー)<ドーモ…

( ー)<いきなりだが>>76=サンの質問に答えさせてもらうぜ!大爆発四散っていうのは「爆発する」っていう動詞であって大破は「爆発」っていう名詞だな。ともかくニュアンスの違いってことでいいんじゃないかな。それじゃあアディオス!

◆ピンクのあの人にはニセモノだとかなりすましだとかそういう概念はないかと思います。多分必ず明日は朝からになります、備えよう◆

◆作者はアニメイシヨンのイヤグワにしめやかに失禁しました。始まります◆

「オールクリア」「敵はいないみたいね」「ここまで静かだと実際退屈だわ!」3人のセンパイの後ろについて排エビフライ工場を進むフブキの足取りは鉛めいて重い。なぜか?今回の任務には自分の今後がかかっているからだ。

(ダイジョブだ…今回の任務は廃工場から残された物資を回収、潜んでいるであろう敵の残党をやっつけるだけなんだから!)フブキは必死に己を奮い立たせる。しかしその握りしめる手にはじっとりと汗をかいている。

「どうしたフブキ=サン?顔色が悪いぞ」「エッ!?だ、ダイジョブです!後ろも問題ありません!」旗艦であるヤハギにいきなり話しかけられ、フブキは慌てて返答した。全然ダイジョブじゃない…フブキは自分に呆れてしまう。

「くれぐれも無理はしないで下さいね、大爆発四散したら大変ですし」「フフン!下がっていてもいいのよ?アタシのカラテを見てなさいな!」センパイであるチトセとイスズが奥ゆかしくフブキを思いやる。「ハイ…アリガドウゴザイマス」そう言いつつもフブキは思っていた。私もやらなくてはダメなのだと。

「そういえばイスズ=サン、出撃前に洗濯場で立ち尽くしてたけど…何かあったの?」「エッ!?な、ななななななな何もないわ!!失禁なんてしてない!絶対に決して!!」「二人とも静かに。何か来るぞ」ヤハギが正面を指差した。そこには接近する10機の影!敵だ!

「「「「ザッケンナコラー艦娘!!」」」」唐突に現れたクローン駆逐艦は威圧的な電子ヤクザ音声で突進してくる!(き…来たっ!!)フブキの手から汗が噴き出した。「戦闘を開始する!ゴリラの陣形で行くぞ!フブキ=サンは後方支援を!!」「「ヨロコンデー!」」「ヨ、ヨロコンデー!」フブキは遅ればせながらも勇気を振り絞りカラテ連装砲を構えた!

「ハン!クローン駆逐艦程度?ベイビーサブミッションよ!イヤーッ!」イスズは高速スライド移動をしながらカラテ単装砲を連続発射!「「グワーッ!!」」クローン駆逐艦は被弾し爆発!「もいっぱつ!イヤーッ!」「「アバーッ!」」SPLAAAASH!!間髪入れずカラテ魚雷迎撃!ワザマエ!

だがアブナイ!イスズの後ろに2機のクローン駆逐艦が回り込む!「「チェラッコラー艦娘!」」しかし次の瞬間、二機のゼロセンがクローン駆逐艦を貫いた!「「アバーッ!?」」「ナイスアシストよチトセ=サン!」「どんとこいです!イヤーッ!」ゼロセンを放ったのはチトセだ!両手に持ったカタパルト・ガンからゼロセンを連続発射しクローン駆逐艦に付け入る隙を与えぬ!

攻めあぐねるクローン駆逐艦の群れにヤハギが飛び込む!「イヤーッ!」「「「グワーッ!!」」」回転カラテ砲撃でクローン駆逐艦をなぎ倒す!「イヤーッ!」その勢いのままヤハギは姿勢を変更、メイアルーアジコンパッソを放った!「「「アババババーッ!!」」」なんたるカラテ!これが軽巡洋艦長のワザマエか!

「イ、イヤーッ!!」「グワーッ!」「アバーッ!」その一方!フブキも何とか迫る敵に対応していた。「チェラッコラー艦娘!」「ンアーッ!!」しかしクローン駆逐艦の体当たりに姿勢を崩す!恐怖が拭えていないのか!?身体が思うように動かぬ!

そのままクローン駆逐艦はフブキにアンタイ艦娘砲を…「イヤーッ!!」「グワーッ!!」そこに低空ジャンプパンチを放ったのはイスズである!彼女のインターラプトのおかげでフブキはカイシャクされずに済んだのだ。「ちょっと!ぼさっとしてんじゃないわよ!!」「す、スイマセン…!」イスズはフブキに檄を飛ばした。

「仕方ないわね〜助けたのに感謝しなさ」イスズがフブキに手を差し伸べ…「イヤーッ!」その時だ!一瞬の出来事であった!頭上の闇から落下してきた何かがイスズの体を掴み上げた。「い…?ンアーッ!?」イスズの悲鳴!「エッ!?」「何!?」「イスズ=サンが!!」戦闘を終えたとみていた2人とフブキは驚愕!何が起こったのだ!?

読者諸氏の中にカンムス動体視力をお持ちの方がおればかろうじて見えただろう…何者かが背中にくくりつけたロープでバンジージャンプめいて飛び降りてきた事を!「サイゴン!」その張本人は速やかにロープをはずしイスズを抱えたままフブキたち三人の前に回転ジャンプで降り立った。

突如インターラプトした者はクローン駆逐艦でもなく深海凄艦娘でもない…『艦娘』である!本来味方であるはずの艦娘がアンブッシュを仕掛けたのだ…!編笠を被りマリーン迷彩色の装束の艦娘は目を野生動物めいてぎらつかせながらアイサツした。「ドーモ…私はナチです。サイゴンを知っているか?お前らにナムの地獄の一端を見せてやろう…」

【KANMUSLAYER】

◆ヘッズと提督、どちらのニュービーにもやさしく対応するのがベストだ。古事記にもそう書いてある、以上です◆

◆艦◆カンムス名鑑#8【潜水艦ゴーヤ、シオイ、ハッチャン、イク】ネオサイタマ・チンジフ所属、名前はそれぞれの艦番号に由来する。最も特殊なタイプの艦娘であり海中から放つカラテ魚雷は強力無比。ある任務において非常に酷使されているため常にカロウシのリスクを抱える組織内でも特に闇に包まれた部門となっている。運用コストが実際安い◆艦◆

◆ナチなのにベトコンなのはダブルミーニングと言ってもかごんではないだろう。明日は更新します。◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

突如インターラプトした者はクローン駆逐艦でもなく深海凄艦娘でもない…『艦娘』である!本来味方であるはずの艦娘がアンブッシュを仕掛けたのだ…!編笠を被りマリーン迷彩色の装束の艦娘は目を野生動物めいてぎらつかせながらアイサツした。「ドーモ…私はナチです。サイゴンを知っているか?お前らにナムの地獄の一端を見せてやろう…」

傍らに置かれたイスズはわずかな時間で金属ロープによってきつく縛られていた!「ンンーッ!」イスズはもがいた。彼女は身ぐるみをはがされ下着姿にされている。豊満な胸を緊縛が強調し、猿轡も噛まされている念の入れようである。

「ドーモ…!私たちはネオサイタマ・チンジフ第三部隊です。お前はナチ=サン!?キョート・チンジフのお前がなぜ!!」驚愕を押し殺しながらもナチが代表してアイサツした。「そう…貴様はヤハギ=サンか。生憎だが私はキョート・チンジフを退職した!」「何!?」この二人は見知った仲である。二つのチンジフの合同演習で何度も手合せした事がある。

しかし今のナチの姿はどうだ?装束は以前のように瀟洒な見た目ではない、装束の胸元は大きくはだけ物々しいマリーン迷彩色である。その腰には一対のマチェットとククリナイフをつる下げている。狂っている、とても艦娘がするような恰好だとは思えない。「ここに残された物資はすべて私たちが頂く…無論貴様らのカラテ艤装もだ」ナチは不敵かつ獰猛に笑った。「…イスズ=サンを離せ」ヤハギはあれこれと問い詰める前に警告する。彼女に何が起こったのだ?朝の会議で聞いたキョート・チンジフが陥落したことに何か関係があるのか?それらの感情は一旦タンスに押し込んだ。

「断る、どうやらコイツは育てればエピックな装備を生みそうだ。その後私のヨメにする」「ンンーッ!?」彼女は己の性別さえ判然としていない!完全に狂人のそれに相違なかった!「そうか…ならば貴様を捕縛し尋問する!事情を聞くのはそれからだ!」ヤハギはカラテを構えた!チトセも油断なくカタパルト・ガンをナチに向けた。フブキは未だ状況が飲み込めずおろおろしている!理解が追い付かないからだ!

(ナ…ナンデ!同じ艦娘が攻撃ナンデ!?何が…起こって…!)フブキは情報を飲み込もうと必死だ。「フゥーム…3対1か。チト分が悪いな。者ども!デアエ!デアエーッ!!」ナチは唐突に大声を発した!「「「ガッチャ!イヤーッ!!」」」その声に答える声が3つ!二つは天井から飛び降り、もう一人は足元の半ば浸水したプラント内の水中から現れる!彼女たちも艦娘である!

「すでに囲まれている!?」「ウカツ!待ち伏せされたという訳か!」ネオサイタマ・チンジフの面々を囲む三人は順番にアイサツした。「その通りや!アタシはリュウジョウ!」「イムヤです!」「オレはマヤだ!」ヤハギの記憶が正しければこの三人もキョート・チンジフ所属のはずである。ムーホンを起こし、チンジフを陥落させたとでも?あり得ぬ!たった四人でそこまでのことはできるはずも無し!

「ドーモ皆さん、第三部隊です。貴様たちも裏切り者か!?」「違う!私たちは独立したのだ!」ナチは決断的に言い放つ!「そうだ!もうあんな激務はコリゴリ!こっちから辞めてやったのよ!」「オレはイクサができるのならどこでもいいぜ?オレのダブル・イアイドは無敵だ!」イムヤもマヤもそれに続く!「冥土のミヤゲに教えといたる!アタシたちはサヴァイヴァー・チンジフやでッ!!」リュウジョウは小脇に抱えたマキモノを広げて見せた。威圧的なオスモウ書体で『生き残り達が鎮守府(サヴァイヴァー・チンジフ)』と毛筆されている!

「なんだと…!?」「サヴァイヴァー・チンジフ?」ナチはマチェットとククリナイフを振りぬいた!「私たちはもうキョート・チンジフには従わない!だから退職した!自由!」「「「自由!!」」」三人が復唱する。「そしてお前たちはサヴァイヴァー・チンジフの糧となってもらう。まずはカラテ艤装を頂く!次は裸に剥いて楽しませてもらうとしよう!GO!サヴァイヴァー・チンジフ!GO-ッ!!」ナチがネオサイタマ・チンジフの三人に向かって…特攻した!!

【KANMUSLAYER】

>>1=サンはシベリア研修に参加すべきでは?

>>127すでに作者はシベリアから更新しているのでごあんしんください。今日は多分午後から更新メントか?◆

◆艦◆カンムス名鑑#9【正規空母アカギ】ネオサイタマ・チンジフ所属。落ち着いた佇まいとやさしみを持つ、ヒュウガ、カガ達に並ぶ組織内トップクラスの実力者。コウクウキ・ジツはもちろんのことジュー・ジツのタツジンでもある。しかしその一方深刻なハラペコ欲求を抱えている。◆艦◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

(これまでのあらすじ : 廃エビフライ工場を探索するネオサイタマ・チンジフ第三部隊の前にサヴァイヴァー・チンジフと名乗る狂人集団が現れた。未だ恐怖心の拭えないフブキはこのイクサをサヴァイヴすることができるのだろうか…)

「そしてお前たちはサヴァイヴァー・チンジフの糧となってもらう。まずはカラテ艤装を頂く!次は裸に剥いて楽しませてもらうとしよう!GO!サヴァイヴァー・チンジフ!GO-ッ!!」ナチがネオサイタマ・チンジフの三人に向かって…特攻した!!

「させません!イヤーッ!」チトセが迎撃ゼロセンを連続発射!「マメデッポー!イヤーッ!!」ナチはタツマキめいて高速回転!ゼロセンを弾き飛ばしながらそのまま3人に襲いかかった!「「「イヤーッ!」」」3人は側転でナチのタツマキ・キリを回避!

「おおっ!大将が突っ込んだぜ!イクサの開始だァー!」マヤも腰に差した一対の強化・セラミックカタナを構える。「ガッテン!サポート重点!」イムヤは水中に潜行!「いくでいくでいくでー!!チトセ=サン、アタシと勝負や!イヤーッ!」リュウジョウはマキモノからコウクウキを出現!突撃させる!

「あれはコウクウキ!?まずい!イヤーッ!」チトセはゼロセンで迎撃するが連続で放たれたコウクウキ・イクサによって相殺、ホンメイであるコウクウキ・コウがチトセの左の装備に衝突!「グワーッ!」左カタパルト・ガンが破壊された!

「当たりィーッ!ゼロセンなんて効かへんのや…さっさと本気だしたらんかい!?チトセ=サンよォー!」「くっ…!」チトセは右のカタパルト・ガンも放り投げ、背負っていた巨大なコウブカンパンを構える!「そうや!そうでなくっちゃな?イヤーッ!」「イヤーッ!」お互いの射出したコウクウキが相殺爆発!実はチトセもコウクウキ・ジツの使い手である。ゼロセンでの応戦は不利と判断し戦術を変更したのだ!

一方、ヤハギはナチと激しいイクサを繰り広げていた。「イヤーッ!」ナチのマチェットが襲いかかる!「イヤーッ!」ヤハギは右ブレーサーでガード!「イヤーッ!」すかさずククリナイフの追撃!「イヤーッ!」ヤハギは左ブレーサーでガード!なんたる一撃の重さか!ヤハギの反撃を許さない!

(ヌウッ…!なんだこのカラテは!?ナチ=サンはこんなに荒々しい戦い方ではなかったはず…しかし!)止まらぬ左右の斬撃を軽快なムーブメントで躱し、ヤハギは回し蹴りを放つ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ナチは瞬時に連撃を止めブリッジ回避!そこに1人の艦娘が馬跳びめいてインターラプトした!「なっ!?」「オレのこと忘れンなよ!?ダブル・イアイド!!」爆発的な速度でマヤの二本のカタナが振り抜かれる!アブナイ!ナマス切りにされてしまうぞ!?

「イヤーッ!」しかしヤハギも瞬時にブリッジ回避!刃は数センチ上を通過した。しかしその衝撃波はヤハギの装束の胸部を切り裂く!「イヤーッ!」「グワーッ!」ダメ押しとばかりに姿勢を元に戻していたナチの前蹴りがヤハギが吹き飛ばされた!このままではジリー・プアー(徐々に不利)だ!

「ヤ、ヤハギ=サン!イヤーッ!」フブキはこれ以上追い討ちされないように援護射撃を行うがナチの前にマヤが立ちはだかる!「そんなちっこい砲弾じゃあオレのダブル・イアイドの前では無意味だぜ!イヤーッ!」砲弾が全てカタナで弾かれる!「ぐっ…このままでは…!」「そうだ!貴様らの敗北よ…」ナチは曲芸めいてマチェットとククリナイフを威圧的に振り回す。「この水上のジャングルでは我々はムテキ…大人しく降伏しろ!さすればネンゴロにしてやろう!」

【KANMUSLAYER】

◆艦◆カンムス名鑑#10【正規空母カガ】ネオサイタマ・チンジフ所属。美しい艦娘であるがその表情は常に虚ろで目元には隈をたたえている。誰とも関わり合いを持とうとせず特に提督とは目も合わせようとしない。ヒュウガとは同期。クウボ・カンムスクランの中でも圧倒的な搭載数を誇り、怒涛の連続攻撃を行うことでいとも容易く制空権を確保するただ1人の艦娘。しかしその一方深刻なボーキサイト中毒を抱えている。◆艦◆

◆続きは明日なのだなあ◆

◆艦◆カンムス名鑑#11【重巡リ級】シンカイセイカンヤ所属、非艦娘。その性格は極めて攻撃的であり、その性格を主張するかのように両腕には巨大なブレーサー型カラテ砲を装備している。攻撃力だけでもなく防御力にも長ける油断ならぬ深海凄艦娘である。◆艦◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

「ヤ、ヤハギ=サン!イヤーッ!」フブキはこれ以上追い討ちされないように援護射撃を行うがナチの前にマヤが立ちはだかる!「そんなちっこい砲弾じゃあオレのダブル・イアイドの前では無意味だぜ!イヤーッ!」砲弾が全てカタナで弾かれる!「ぐっ…このままでは…!」「そうだ!貴様らの敗北よ…」ナチは曲芸めいてマチェットとククリナイフを威圧的に振り回す。「この水上のジャングルでは我々はムテキ…大人しく降伏しろ!さすればネンゴロにしてやろう!」

4人の艦娘が対峙する一方、同じ軽空母娘であるチトセとリュウジョウは熾烈極まるドッグファイトを繰り広げていた!「イヤーッイヤーッ!!」リュウジョウは2機のコウクウキ・バクを射出!「イヤーッイヤーッ!!」チトセは2機のコウクウキ・イクサで相殺破壊!お互い一歩も譲らず、さながらドングリ・コンペティションの如くである!

「それならコレはどうや!?イヤーッ!」その均整を破るようにリュウジョウが回転螺旋飛行するコウクウキ・コウを連続射出!破壊の螺旋めいた攻撃がチトセに迫る!「イヤーッ!」しかしチトセは瞬時に状況判断、ジョルリ型コントローラーを巧みに操作しすべてのコウクウキ・コウを撃ち落した!タツジン!「なっ!なんやて!?」そしてカウンターとばかりに射出されたコウクウキがリュウジョウの平坦な身体を掠めた!「グワーッ!」肩の装束が裂ける!リュウジョウはたたらを踏む!

「イヤーッ!」好機と見たかチトセは怯むリュウジョウに向かってホバー突撃!(悪いけど…コウブカンパン・ボディチェックで気絶してもらいますよ!)リュウジョウはまだ体勢を立て直せていない!このイクサはチトセがイポンを取ることになるのか?だが…KABOOOM!「グワーッ!?」突如チトセの足元で小爆発が発生!思わず突進を急停止する。「隙ありィーッ!イヤーッ!」そこに姿勢を立て直したリュウジョウのコウクウキ・バクが射出される!「グワーッ!」チトセは切磋に防御するがコウブカンパンが小爆発四散!一体何が起こったのだ!?

「おしいなァ〜…チトセ=サン!まだまだイポンとはいかへんで!」リュウジョウはコウクウキを装填する。(ッ…!今の攻撃は一体!?このままじゃ2人の援護ができない!)チトセもなんとか体勢を立て直しコウクウキを装填する。おそらく潜行したイムヤの攻撃であろうが今は思考している暇はない!「「イヤーッ!」」2人のシャウトがかち合う!再び熾烈なドッグファイトが開始された!

イクサの視点を元に戻そう。未だ恐怖のぬぐい切れぬフブキは果敢にもマヤにカラテを打ち込んでいた!「イヤーッ!」踏み込んでのカラテチョップ!「イヤーッ!ぬるいぜ!」しかしそのチョップは精彩を欠きマヤのカタナにいなされる!「イヤーッ!」「ンアーッ!」逆にカタナの柄頭で打突されフブキは吹き飛ばされた!

「駆逐艦娘のくせにノロイヤツ!オレのダブルイアイドには無意」「イヤーッ!」「グワーッ!?」ALAS!次の瞬間、マヤは水面に叩きつけられ顔面を強かに痛打!イタイ!今の一撃を放ったのはナチと戦闘していたはずのヤハギである!

ヤハギはナチとのカラテの応酬を素早いバク転で即座に離脱、フブキに追撃せんとするマヤの隙を見てバク転の勢いを利用したケリ・キックを放ったのだ!なんたる戦闘中にも関わらず多角的に戦場を見据える軽巡洋艦長のワザマエか!「マヤ=サン!イヤーッ!」「イヤーッ!」追いすがるナチの攻撃をヤハギは側転回避!ふらつくフブキを守るように立ちはだかる。

「大丈夫かフブキ=サン!?無理をするな!」「ス、スイマセン…!」このままでは足手まといになってしまう、焦る思いがフブキを追い立てる。「痛ェーッ畜生!よくもやりやがったなコラ!」「油断するなマヤ!私がフォローしなけれ捕縛されそのまま敵の提督の慰みものにされていたところだぞ!」悪態をつきながら立ち上がるマヤをナチが叱責する。提督の名誉のために付け加えておくがそのような事案は存在しない。(ただし狂乱状態はその限りでない)

「私達の提督を侮辱することは許さん!イヤーッ!」ヤハギがナチに向かってホバー突撃!一気に勝負を決める腹づもりである!「下がっていろマヤ!イヤーッ!」ナチはククリナイフを投擲!「イヤーッ!」ヤハギはブレーサーで受ける!ブレーサーが破壊されたがナチのワン・インチ距離に踏み込んだ!「イヤーッ!」「グワーッ!」ヤハギの右ショートフックがナチの腹部に叩き込まれる!

間髪入れずにヤハギはナチに裏拳を叩き込む!「イヤーッ!」「グワーッ!」ナチは苦悶!「大将!」マヤが再びインターラプトを試みるがそれはフブキによって阻まれる!「イヤーッ!」「うおっ!?イヤーッ!」マヤはカタナによる防御を強いられる。(今ですヤハギ=サン!)それに答えるようにヤハギはタタミ一枚分後退、フィニッシュムーブの構えをとる!

この構えはヤハギのヒサツ・ワザ、ジェット・ツキの構えである!この狂気に苛まれた艦娘は遂に敗北を…「イ…グワーッ!?」ナ、ナムアミダブツ!攻撃を食らったのはナチではない、他ならぬヤハギであった!突如彼女の足元で小爆発が発生、爆発の威力はそれほどでもないが不意を突かれたことによりヤハギは大きくよろめいた!「ヤハギ=サン!?」フブキは驚愕!

「スキありだぞヤハギ=サン!イヤーッ!」恐るべきカンムス耐久力を誇るナチはダメージから復帰、ヤハギの右のカラテ艤装にマチェットを突き立てた!「グワーッ!」カラテ艤装が中爆発四散!「イヤーッ!」ナチは腰につるさげていたバイオタケ・ボーを瞬時に展開!ヤハギをしたたかに打突する!「イヤーッ!」「グワーッ!」ヤハギはワイヤーアクションめいて吹き飛ばされる!「ンアーッ!?」マヤを阻止していたフブキを巻き込んで壁に打ち付けられた!

ヤハギのヒサツ・ワザを阻止したのは他ならぬサヴァイヴァー・チンジフのイムヤだ!彼女は潜水艦娘の特性により水中に潜行、ヤハギやチトセの不意を突いてステルス・カラテ魚雷を打ち込んだのである。読者諸氏のご存知の通りシャウト無しのカラテやカラテ砲やカラテ魚雷はその威力を大きく減じてしまう、しかしイムヤは攻撃力よりもステルス性を重視しサポートに徹しているのだ!

「う…ぐぐ!すまないフブキ=サン…がはっ!」ヤハギは吐血する!今のナチのカラテは一発で中爆発四散寸前に追い込むほどの衝撃である、体勢が立て直せない!「そ、そんな…ンアッ!?」「グワーッ!」壁にもたれかかる二人の隣に転がってきたのはチトセだ!再びイムヤのステルス・カラテ魚雷を受けリュウジョウのコウクウキを食らってしまったのだ…!「う…ううう…」「チトセ=サンも…!」フブキは小さく失禁した。この状況から私が二人を助けられるのか?己の中で不可能を決めつける寸前、フブキの中で何かが弾けた。

(…私は今まで何を怖がっていたんだろう?)「ハァーッハァーッ…!な、中々やるやんけチトセ=サン…!」「無事だったかリュウジョウ!今からコイツらのカラテ艤装を没収し服を脱がすところだ…特別にお前の好きなヤツを自分で脱がしていいぞ!」(ここでやられたらみんなと帰れない、それでいいの?いいわけがない)「アタシは大将みたいな趣味ないねん!」「イムヤもないよ!」(だから動かさなきゃダメだ)「めんどくせェー!オレがはぎ取ってやるぜ!まずはこの絶望しちまったチビスケからだ!」(そうだ、怖がることなんてないんだ…何も)

「ヘヘヘッ!お前のカラテ砲はオレたちが有効に…え?」フブキが思考の渦から這い出した時、こちらに手を伸ばしてきたマヤに驚くほど冷静にカラテ砲を突き付けていた。それを見てマヤを含めた四人も、ヤハギとチトセも言葉を失っていた。その止まった一瞬ではあるが、永遠にも感じるような時間は…

「…イヤーッ!!」フブキの渾身のカラテシャウトによって再び動き始めた!!「グ、グワーッ!?!?」ゼロ距離のカラテ砲撃を受けマヤはワイヤーアクションめいて吹き飛ばされた!「バカなー!?」ナチは驚愕する!この小娘の戦意は完全に喪失したはずである、先ほどまでがたがたと震えていた小娘はどこに行った!?あり得ぬ、何がフブキを駆り立てているのだ!?「なッ…なにさらしとんじゃー!イヤーッ!!」リュウジョウはコウクウキを射出!「Wasshoi!!」しかしフブキは勇ましいシャウトと共に爆発的な速度で跳躍!空中で姿勢を入れ替え、天井に両足をついた。「イイ…!」フブキの全身にカラテが漲る!

「えっ!?い、イヤーッ!」その燃え上がるようなフブキの視線が己に向いていることに気付いたイムヤは慌てて潜航する!「イヤーッ!」フブキが天井を蹴って爆発的な速度で降下する!そのまま水面にカラテ連装砲をねじ込み連続砲撃!「イヤァアアアアアアアーッ!!」「グ!?グワグワグワーッ!サヨナラ!!」全弾を叩きこまれたイムヤは為す術もなく大爆発四散した!!「バカなー!?」ナチは再び驚愕!たった数秒のうちに部下が二人倒された、この駆逐艦娘に!!

フブキは静かにザンシンしヤハギとチトセを護るように立ちはだかった。(今までの弱い私…サヨナラ!今から私は!みんなを護るんだッ!!)そして…改めて、しかし!決断的にアイサツした!「ドーモナチ=サン、リュウジョウ=サン…私はネオサイタマ・チンジフ第三部隊のフブキです!今から!あなた達を倒します!」彼女の恐怖は吹き飛び、そこには誇りを取り戻した一人の艦娘が立っていた!おお、ゴウランガ…ゴウランガ!!

【ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング】#2終わり #3に続く

(お知らせ : この数日間アイーッフォンの時差嵐によりこうしんがふあんていになってしまいました。リンゴ社の幹部はセプクしましたのでごあんしんください。以上です)

( 一)<ドーモ!ザ・ヴァーティゴです。某エンジニアじゃないぜ!どうやらイヤンアの違いは潜水艦娘や駆逐艦娘など見た目が幼い艦娘は「ンアーッ!」でそれ以外の艦娘は「グワーッ!」らしいな。例外もあるみたいだけど驚いた時や恥ずかしい時の「ンアーッ!」はどの艦娘も共通なんだってさ!作者のコダワリだね!

◆艦◆カンムス名鑑#12【軽巡洋艦ナカ=チャン】ネオサイタマ・チンジフ所属。艦娘でありながらチンジフのイメージアイドルを務める艦娘。新曲「ほとんど解体行為」は駆逐艦娘たちの中で小ブームとなっているらしい。自分を真のアイドルだと信じて疑わない、なぜかセンダイの姉妹艦である。古代ローマカラテの使い手で常人の3倍の脚力の持ち主◆艦◆

◆明日やれたらいいなと思っている◆

◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

【ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング】#3

(これまでのあらすじ : サヴァイヴァー・チンジフとの交戦により追い詰められてしまう第三部隊。命運尽きたかと思われたが恐怖を乗り越えたフブキは改めてアイサツし、仲間を守るかのごとく立ちはだかったのであった!)

アイサツを終えてからコンマ5秒、フブキはナチに向かって跳躍していた!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ナチはフブキの低空ジャンプパンチをブレーサーで受ける!「イヤーッ!」フブキは間髪入れずに近距離カラテ砲撃!「イヤーッ!」ナチは瞬時の判断で回避!

しかしこの攻撃はナチの回避を誘うブラフだ!回避した方向にはフブキのムチのようにしなる蹴りが放たれていた!「イヤーッ!」「グワーッ!」なんたる先読み連続攻撃か!「ヌウウウーッ!これ以上はさせへんで!イヤーッ!」リュウジョウは次なる攻撃を行おうとするフブキにコウクウキ・コウを射出!アブナイ!

しかし!「イヤーッ!」KABOM!「な、なんやて!?」リュウジョウのコウクウキは空中で爆発四散!「あなたの相手は私です!」リュウジョウの攻撃を阻止したのはチトセである!彼女の装束はすでにボロボロであったがその眼には闘志の炎が再び燃え上がっていた!「フブキ=サンの邪魔はさせない!イヤーッ!」「グワーッ!」チトセのコウクウキがリュウジョウの平坦な身体を掠める!リュウジョウはナチのフォローができぬ!

フブキはチトセに心の中で短く礼をした後、再びナチに向かってカラテパンチを放つ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」しかしその拳はガッチリと掴まれた。「イヤーッ!」「イヤーッ!」フブキは逆の拳でカラテパンチを放つがこれも掴まれる!フブキはナチと押しスモウめいてガッチリと掴み合った。「中々やるようだが所詮は駆逐艦娘!ジャングルで鍛えられた私のパワーに勝てると思うなよ!」「ンアーッ!」徐々に後退させられるフブキ!

駆逐艦娘と重巡洋艦娘のパワーの差は残酷なまでに余りある。掴まれた状態ではスピードにアドバンテージがあるフブキには圧倒的に不利な状況だ!「イヤーッ!」「ンアーッ!」さらにフブキは押し返される!「小娘一人立ち上がったところで!貴様らの圧倒的不利は変わらな…グワーッ!?」次の瞬間!ナチの顎には鋭いケリ・キックが突き刺さっていた!それはフブキの足ではない、瞬時に間合いに踏み込んだヤハギの足である!

「一人ではない!」ヤハギは傷口を押さえながらもフブキに隣り合った。「ヤハギ=サン!」「足手まといかもしれないが私も力を貸そう…カラテはまだ尽きていない!イヤーッ!」吹き飛ぶナチに向かってゼロセンを投擲!「イ、イヤーッ!」しかしナチは空中でマチェットを振るいゼロセンを叩き落とした!なんたるカンムス耐久力か!

「イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!」一方チトセとリュウジョウの熾烈なドッグファイトは三たび行われていた!しかし二人の血中ボーキ成分は尽きかけである、突如ドッグファイトは止まる!二人は同時にアウトオブ・アモーした。「イヤーッ!」「イヤーッ!」コウクウキが尽きたと見るや二人はお互いに向かって跳躍する!近距離のカラテで勝負をつけるつもりか!?

「これで決着つけたる!イヤァアアアーッ!」「これで終わりよ!イヤァアアアーッ!」しかしここで不可思議なことが起こった。なぜか同時に、全く同じタイミングで両者は空中でバランスを崩してしまったのである!((…エッ?))今までのイクサによる疲労の蓄積か?それともただの偶然か?二人は知る由もなくそのままま…空中で激突!「「グワーッ!?」」ナムアミダブツ!

このまま二人が反エネルギー作用でお互いが吹き飛ばされるのは疑いのない事実のはずである。しかし!「グワーッ!!」大きく吹き飛ばさてしまったのはリュウジョウだ!一方のチトセは尻餅をついたのみ!何が起こったのか?

その答えは明白であった…バランスを崩したままリュウジョウは破れた装束からこぼれるチトセの豊満な胸に追突し、その並外れた弾力によりトランポリンめいて弾き飛ばされたのである!ナムサン…イクサの勝敗を決したのは胸部装甲の絶望的な差だ!「グワーッ!」リュウジョウは壁に激突!たまたま壁に掛けられていた「平坦加工」と書かれたショドーパネルがリュウジョウの頭に落下し激突!「グワーッ!」ナムアミダブツ!

(リュウジョウまでもが!?コイツら…!)自分以外がダウンしてしまった状況でもナチの闘志は消えぬ!狂信的なまで生への欲求に突き動かされる彼女は逆転された戦況をむしろ楽しんでいるかのようでもある。「大したものだ第三部隊=サン…」ナチの二刀を持つ手に力がこもる。

「あの構えは!気をつけろ、ヤツのヒサツ・ワザがくるぞ!」「ハイ!」大技の予感にフブキとヤハギは油断なくカラテ警戒する!「無駄だ!このイクサをサヴァイヴするのは…私たちだ!イヤァアアアーッ!」ナチは身体を超高速回転させ水面を抉りながら二人に向かってサイクロントルネードめいて突撃した!

(何というプレッシャー!でも、私はもう逃げない!)フブキは決断的にカラテ迎撃の構えを…KABOOOOOOOOOM!!「グワーッ!?」ナ、ナムアミダブツ!突進するナチの足元で唐突に大爆発が発生、ナチは一撃で中爆発四散した!「えっ!?」「何!?」カラテ迎撃の構えをとっていた二人は驚愕した。こんな攻撃は行っていない、ナチだけでなく二人にとっても全く予想外の大爆発である!

このアンブッシュ的な攻撃はイムヤのステルス・カラテ魚雷に酷似している。しかしイムヤはナチの部下であり、そもそも大爆発四散しそこの水面に全裸の水死体めいて漂っているではないか!その答えはつまり…「ドーモ…ネオサイタマの・チンジフ第三部隊のみなさん!」新手の者のエントリーを表していた!

「貴様はセイカンヤか!!」「その通り!私は雷巡チ級です」下半身にオニめいた巨大なカラテ艤装を装備し、無機質なメンポを装着した深海凄艦娘がアイサツした。「ドーモ私たちは第三部隊です、今のカラテ魚雷は…」「私がやったのよ?あそこに倒れてる狂人はあなたたち二人に気を取られてたみたいだから当てるのはたやすかったわぁ」メンポに隠れてその眼は窺い知れぬが口元には邪悪な笑みを浮かべている。

「この廃エビフライ工場でカラテエネルギーが観測されたから来てみれば、あなた達が艦娘同士で仲間割れしてるじゃないの?それでタイミングを見計らって片方の隊長を始末したってわけだわぁ」チ級は挑発的に第三部隊の面々を見回した「だから…あとはアナタ達を始末するだけ!手負いのね!」「「「「「ザッケンナコラー艦娘!!」」」」」

チ級が指を鳴らすと海中から四体のクローン軽巡洋艦が出現する!顔自体はクローン駆逐艦に似てはいるがその首から下はヤクザスーツに包まれたクローン技術によって製造された人間のボディそのものである。なんたるクローン技術の発展により生まれた冒涜的な兵器であろうか!クローン軽巡洋艦はチトセも含める三人にチャカ・ガンを向けた!「「「「ナマッコラー艦娘!」」」」

「…あだだ!なんだってんだ畜生!」廃工場内に電子ヤクザスラングが響き渡り気絶していたマヤが眼を覚ました。そして眼に飛び込んできたのは倒れ伏せるナチと全裸の水死体めいて漂うイムヤの無残な姿であった!「アイエッ!?どうなってんだこりゃ!?」マヤは慌てて立ち上がる!

「うう…見ての通りや!大将とイムヤがやられてもうた…!イムヤの修理費用は実際安いが大将はヤバイ!」先ほどまでベソをかきながら痛みのあまり転げ回っていたリュウジョウも頭を押さえながら立ち上がる。「…ってーことは?」「アタシ達がするべきことはやな…」二人はナチとイムヤを担ぎ上げ…猛然たるスピードで逆方向に逃走した!

「それじゃあお前らオタッシャデー!」「覚えてろよチトセ=サンッ!少しくらい豊満だからって調子のるんやないで!?オタッシャデー!」四人はあっという間に闇の中に消えていった…ヤハギはその様子を横目で見ながらも新手であるセイカンヤをまっすぐと睨み据える。チ級はもはやサヴァイヴァー・チンジフの面々には興味を示さない、絶対なる仇敵であるネオサイタマ・チンジフの艦娘が目の前にいるからだ。

「ウフフ…どうしたの?あなた達も逃げた方がいいんじゃないかしら?」チ級が口元に挑発的な笑みを浮かべながらクローン軽巡洋艦によって三人を静かに囲んだ。「それとも諦めたの?ヤバレカバレは通用しないわよぉ?」ヤハギもチトセも何も答えない、ただ満身創痍の身体でカラテを構えるだけだ。

(…それにしても)チ級はかすかに苛立った。この正面に立つ駆逐艦娘の眼はなんだ?こんな絶望的な状況にも関わらず「絶対に勝つ」というより…「絶対に負けぬ」という意志を持つ眼がこちらを見据えている。気に入らない、今すぐ絶望的の淵に叩き込んでくれる!「せいぜい足掻くがいいわぁ?クローン軽巡洋艦!コイツらを囲んで棒で叩きなさい!」チ級がシンプルかつ残忍な指示を飛ばす!

「アバーッ!!」その指示に答えるようにクローン軽巡洋艦の一体が断末魔を上げた。「…え?」断末魔?フブキたちの断末魔ではない。そんな指示もしていない。この三人にいかようにしてカラテ魚雷を撃ち込むか思考していたチ級のニューロンは一時停止した。その断末魔を上げたクローン軽巡洋艦の胸には大穴が空いており、その後ろに立っていたのは…

「このイスズを…第三部隊を!ナメんじゃないわよ!イヤーッ!」「アバババーッ!!」おお、ゴウランガ!クローン軽巡洋艦を2度のゼロ距離砲撃によって破壊したのは縛られていたはずのイスズである!「え?え?」何だコイツは?今までどこにいた?チ級の理解が追いつかぬ!

完全に拘束され転がされていたイスズに何が起こったのか!?答えは簡単である、イスズは持ち前のカンムス柔軟性をフル活用し何らかの手段をもって拘束を脱していたのだ!なんたるフーディーニめいた脱出マジックか!「イヤーッ!」「グワーッ!」イスズはそのままもう一体のクローン軽巡洋艦に激烈なカラテチョップを見舞う。胴体を押さえる左手から勢いあまって豊満な胸がこぼれ落ちるがイスズは意に返さぬ!その眼にはフブキと同様に凄まじい闘志を灯している!

「「イヤーッ!」」イスズの復帰を反撃のノロシと見たかヤハギとチトセがクローン軽巡洋艦に突進!「イヤーッ!」「グワーッ!」ヤハギのトビゲリが命中!「イヤーッ!」「グワーッ!」チトセのコウブカンパン・ボディチェックでクローン軽巡洋艦が吹き飛ばされる!「え?え?ナンデ?」チ級の理解は未だ追いつかぬ。優位に立っていたのはこちらではなかったのか?おかしい、こんなことはあり得ない。

しかし唖然とするチ級に決断的な足取りで迫る者あり!他ならぬフブキだ!「イヤーッ!」「イ、イヤーッ!」フブキの彼女砲撃をチ級は横ブースト回避!一時停止していたチ級のニューロンは突如として加速する!(何が…どうなっているんだ!?とにかくコイツをどうにかせねば!!)混乱を振り切りチ級はカラテ魚雷を放つ!「イヤーッ!」

だがフブキは避けようしない!「イヤーッ!」自身もカラテ魚雷を発射し相殺破壊!「バカなー!?」「イヤーッ!」爆風を利用しチ級に向かって跳躍する!「く、来るな!イヤーッ!」BRATATATA!チ級はカラテ機銃により迎撃を試みる!フブキの頬を、装束を、カラテ艤装を弾丸が掠める!しかしカラテ艤装が小爆発四散してもフブキは怯まない!

「イヤァアアアーッ!」チ級の元へ到達したフブキは研ぎ澄まされたカラテパンチを放った!「グワーッ!!」チ級は思わず仰け反る!「イヤーッ!」フブキは間髪入れず逆の拳によるカラテパンチを放つ!「イヤーッ!」しかしチ級は後ブースト回避!致命打をなんとかやり過ごした。(ナンデ!?ナンデ!?ナンデ!?何が一体どうなってるの!?こんなの偵察機の情報に出てないわぁ!)チ級の混乱がぶり返す、まともに戦えぬ!

ぶれるチ級の視界に移ったのは残る三体のクローン軽巡洋艦がイスズに首を跳ね飛ばされ、ヤハギに首を560度回転され、チトセのコウブカンパンに叩き潰され全滅させられる有様であった!「ア…アイエーエエエエ!全滅!全滅ナンデ!?」最初の余裕はどこかへ吹き飛びチ級は思わず絶叫した!

「あとは…アナタだけです!投降してください」フブキはチ級に迫る。しかしここでチ級が取った手はヤバレカバレの攻撃ではなかった!「う…う…イヤーッ!」またカラテ魚雷か!?フブキはカラテ迎撃の構えを取る。だが次の瞬間、水中から飛び出した正体不明のカプセルから煙が噴き出した!「ンアーッ煙幕!」フブキは思わず目をつぶってしまう。

フブキが再び目を開けた時、チ級はすでにそこには居なかった、つまり逃走したということだ。「お、追わな…ンアッ!」チ級を追跡しようとしたフブキは足をもつれさせてしまう、だがその身体を横から支えた者がいた、イスズだ。「もうほっときなさい…アンタはこれっぽっちも燃料が残ってないわ」「え…?」イクサを終えたフブキは初めて自分のカラテが尽きかけていたことに気づいた。駆逐艦娘の範疇を通り越した戦い方では無理もないことである。

そしてフブキの身体は自覚した瞬間、唐突に力が抜けてしまいイスズに寄りかかってしまう。「ンアッ!?ち、ちょっと下着ひっぱらないでよもう!」「ス、スイマセ…ン」フブキは何とか立ち上がろうとしたがそれはできなかった。そのまま意識が遠のいていく…

閉じてゆくフブキの視界に映ったのはイスズと自分にふらつきながら駆け寄ってくるヤハギとチトセだった。(よかった…みんな助かったんだ)フブキは小さく微笑み、そのまま意識を失った。

「フブキ=サンは大丈夫なのですか?」「問題ないわ、気を失ってるだけよ」チトセがフブキを心配したがイスズの言葉に安堵する。「はぁー…良かった、久々に大爆発四散するかと思いましたよ…」フブキを横たえ、三人は壁に身体を預けた。「手酷くやられちゃったけどね、救援隊は手配してあるからそれまで待ちましょう」ヤハギの口調は思わず普段のものに戻ってしまう。彼女にも軽くないダメージがあり、力が抜けてしまったのだろう。

「手酷くやられたってのにこの子は笑って気を失ってるし!たいした根性だわ」イスズはフブキの頬をつついた。「んっ…」フブキはかすかに身をもたげる。「それにしても提督=サンの期待には応えられませんでしたねえ、そこはちょっと残念です」「そうね…『フブキ=サンを頼む』って言われたけれど、センパイの私たちが逆に助けられちゃったし。軽巡洋艦長失格かな…あはは」

「あらそう?私が代わりにやってあげてもいいわよ〜?」「でもやめるつもりわないわ!」「イスズ=サンは人の上に立つのは向いてませんよ?」「ちょっとシツレイじゃない!?」三人は他愛のない話で笑い合う、このイクサの後にはある種のゼンがあった。1人も欠けることなくやり遂げることができたからであろう。

三人の頼れる仲間に囲まれるフブキは小さく寝息を立てている、微笑みを浮かべながら。それはカワイイだった。彼女たちはフブキに静かに語りかける。「これからもよろしくお願いしますフブキ=サン」「私から副駆逐艦長に推薦しておこうかしら?ふふふ」「ところでさ…何か着るもの持ってない?」4人の近くの壁にかけられた「やすらぎ」のショドーが小さく傾いた。

--------------

「ハァーッ!ハァーッ!ここまで逃げれば大丈夫だわッ!!」廃エビフライ工場付近の岩場、チ級は逃走の末ここに身を隠した。精神を落ち着かせるために首筋にBKTアドレナリンを注射する。「フゥー…遥かにいい」チ級のニューロンが冴えわたる。撤退さえしたがあの四人を逃すつもりはない、三倍量のクローン軽巡洋艦に増援させ大人数で囲んで棒で叩けばいいだけだ!「せいぜい身体を休めるがいいわぁ…」「ズルッ!ズルズルッ!」「今度こそ海に沈めてあげる!フフフ、フフフフフッ!!」「ズルズルズルッ!ズルズルズルズルー!!」

チ級の笑いが止まった。(…あれ?何この音?ソバのすすり音?)わざとらしいほどにうるさい音である。ここは海上、スシ・ソバの屋台などあるはずがない。しかしこの音はチ級が身をもたげる岩の上から聞こえてきているのだ。

チ級はゆっくりと岩の上を見上げた、スシ・ソバのドンブリと箸を手に持ったまま、その音の主はチ級の前に姿をさらした。それを目にしたチ級は絶句した。ニンジャだったからだ。それも艦娘のニンジャだったからである。艦娘の。

既にスシ・ソバを完食したと思わしきそのニンジャの顔にはいつの間にか特徴的なメンポが装着されている。禍々しい書体で「憲」「兵」のレリーフを施された恐ろしいメンポが。赤黒のニンジャはドンブリを持ったままオジギした。「ドーモ、はじめまして雷巡チ級=サン。センダイです。おちおち食事もできんな、この海は」

【KANMUSLAYER】

◆艦◆カンムス名鑑#13【重巡洋艦アタゴ】ネオサイタマ・チンジフ所属。生活安全課の長を務める明るく元気な重巡洋艦娘。しかしこれは過去の話であり狂乱状態の提督に襲われ、純潔を散らした時に少々精神が崩壊してしまったようだ。なお提督と彼女の名誉のため付け加えておくが(なんか)で出すことは回避された。豊満重点◆艦◆

処女に強制前後は提督のカラテ魚雷ケジメ案件では?

◆愛の形は人それぞれなのだなあ。続きはあさってです、備えよう◆

◆艦◆カンムス名鑑#14【工作艦アカシ】ネオサイタマ・チンジフ唯一の工作艦娘。兵器開発部門長でありその技術力は常軌を逸している。カラテ艤装へ注ぐ熱烈な情熱が他人に理解されることは少ない。得体の知れない試作型を無理矢理装備され戦闘中に正体不明の大爆発四散をした艦娘が多数報告されているらしい◆艦◆

◆気が変わったので今日も更新する、いいね?◆

【KANMUSLAYER】

既にスシ・ソバを完食したと思わしきそのニンジャの顔にはいつの間にか特徴的なメンポが装着されている。禍々しい書体で「憲」「兵」のレリーフを施された恐ろしいメンポが。赤黒のニンジャはドンブリを持ったままオジギした。「ドーモ、はじめまして雷巡チ級=サン。センダイです。おちおち食事もできんな、この海は」

そのニンジャはゆっくりと、しかし冷徹な声で続けた「ここまでだチ級=サン。オヌシに逃げ場はない、観念せよ」「ド…ドーモ、貴様はセンダイ=サン!?なぜ私の名前を!」

チ級が驚きとともに声を発した瞬間、気勢とともにセンダイの右腕がムチのようにしなり、目にも止まらぬ速度で二機のゼロセンが射出された。 「イヤーッ!」 「グワーッ!」 ゼロセンがチ級のメンポに突き刺さる!メンポが粉々に粉砕された!

それでもチ級は後ろにブーストし、カラテ魚雷で応戦しようとする。機先を制するように、センダイの右腕がムチのようにしなり、目にも止まらぬ速度で2枚のゼロセンが射出された。「イヤーッ!」 「グワーッ!」 ゼロセンがチ級の魚雷発射口に突き刺さる!もはや発射が不可能となった!

センダイはチ級に向かって跳躍。チ級のオニめいた下半身のカラテ艤装に着地し、凄まじい速度でチ級の顎を蹴り上げた!「イヤーッ!」「グワーッ!」一撃でチ級の身体はカラテ艤装からクロヒゲ・アブナイトイめいて飛び出す!センダイはそれを追うように再び跳躍!「イヤーッ!」

そしてセンダイは空中でチ級の下半身が下着一枚となった身体を掴み天地逆転、凄まじい勢いで空中回転を開始した!「イヤーッ!」「グワーッ!」これはもしやアラバマオトシか!?敵を羽交い締めにして共に落下、脳天から水面に叩きつける暗殺カラテ技である!

この技の成立は闇に秘されているが、一説には決断的なアップデートを行った運営が編み出した暗殺技とされる。アラバマの大地に不正を行った提督の脳天を次々に打ち付け皆殺しにしたのだ。何たるアバンダント・ダークサイド・オブ・ヒストリーの片鱗を漂わせる技であろうか!

「グワーッ!ま、待てセンダイ=サン!私を倒しても組織が貴様を…」チ級の意外な童顔が恐怖に歪む。「慈悲はない、敵艦殺すべし」センダイは取り合わぬ!そして今この時代において、広大なる海に突き立てられんとするのは…チ級の頭部だ!「イヤーッ!」「アバーッ!?」

おお、ナムアミダブツ!チ級が叩きつけられたのは海ではなく、自分が下半身に装備していたオニめいたカラテ艤装であった。しかし今は天地逆転、チ級の上半身がカラテ艤装に突き刺さったのである!「イヤーッ!」回転ジャンプで飛び離れるセンダイ!「サヨナラ!」チ級はイヌガミ・ファミリーめいた姿勢のままカラテ艤装もろとも大爆発四散した。

「オヌシを倒したのは私の手柄ではない、第三部隊=サン達の力…私たちのチンジフを侮ったインガオホーだ」センダイは大爆発四散したチ級にジゴクめいて言い放った。そもそもなぜ彼女はセイカンヤの増援を呼ばれる前に間に合ったのか?それは昼食を食べようとしていたセンダイの小型IRC端末にアラートが鳴り響き、センダイは大好物のスシ・ソバを抱えたまま敵が潜伏するであろう場所へと先回りしたからである。しかもセンダイは常時どんな状況にも対応できるようにカンムス第六感を研ぎ澄ませているのだ!

小型IRCに通信し、顔をあげたセンダイの顔にすでにメンポは無かった。「…よしっと!救援隊も着いたみたいだし私も合流しよっと!チンジフに戻ってもまだ昼食のデザートが残っていればいいけどなぁ」頬についていた米粒をぺろりとなめとった後、センダイは岩の上に置いておいたドンブリと海に漂うチ級を米俵めいて拾い上げると廃エビフライ工場へ向かっていった。「ほとんど解体行為」を口ずさみながら。

【KANMUSLAYER】

( 一)<ドーモ!ザ・ヴァーティゴです。スワンソングの先が気になってしょうがないが質問には答えていくぜ!

>>しかしよく考えたらセイカンヤはカンムスではないのでは?
となればカンムスレイヤーというタイトルには見会わぬ……これはミラーシェード=サンのケジメ案件では?
( 一)<どうやらカンムスレイヤーは「艦娘の(敵艦)を殺す者」というような意味がこめられているようだ。というかぶっちゃけ語呂がいいからだそうだよ!だってほら、アイキャッチにも便利でしょ?だからミラーシェード=サンも今回ばかりはノーケジメだ。

>>歌詞が気になる
( 一)<チンジフのとある駆逐艦娘に聞いてみたら一番の歌詞を教えてくれたぞ。
『「ほとんど解体行為」
5 5 5 5 5 5 5
5万燃料ー もっと私をカワイイにしてみせる
5万鋼材ー 提督もそれで嬉しい気持ちでしょう

今夜アップデートが終わった後に
私の事建造する権利 あげるから
今すぐ体験してください やや危険なギャンブル
艦隊のアイドルですよ ジャンプ ダンス ジャンプ

激しく資材を消費する ほとんど違法行為で解体行為 激しく高速建造材を消費する 提督は重課金者』

ほんとに流行ってるのこの歌?

◆艦◆カンムス名鑑#14【重巡洋艦タカオ】ネオサイタマ・チンジフ所属、アタゴの姉妹艦。生真面目な性格をしており迫力満点の身体つきから繰り出されるカラテは重巡洋艦娘とは思えぬ速さを誇る。提督を密かにリスペクトしているが妹のせいで他の艦娘からは「豊満前後姉妹」などという不名誉な呼ばれ方をしている。豊満重点◆艦◆

◆明日はやると思われる◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

「アーッ!アーッ!マイクテスト!マイクテスト!皆さん私の声が聞こえていますか!?聞こえていますかと聞いていますが!?」ここはネオサイタマ・チンジフ中央ホール、週に一度の定例報告会である。チンジフに所属する艦娘はすべてこのホールに集合しており戦艦長キリシマの声がスピーカーを通して鳴り響く。凄まじい爆音に艦娘達は一斉に耳を塞いだ。

「ちょっと皆さん!耳を塞いでいては提督=サンのお話が聞こえないでしょう!?今すぐこちらに耳を向けてください!即急に!迅速に!速やか…」「あー…もういいキリシマ=サン、あっち行ってろ」「はわっ!?」なぜかマイクの前から離れないキリシマの首根っこを掴み壇上からどかした男は提督、チンジフの長である。

週間MVPの発表、現在の戦況報告などが済むまで半ば居眠りをしていた提督は頭をかきながらマイクの前に立つ。「えー…そうだな、俺の話でシメか」気怠げな彼の様子にも関わらずチンジフの艦娘達は真剣な目で提督を見つめる。中には薬物中毒者めいた目や限りなく淫らな目で提督を見つめるものもいるがとにかく全員が彼の方を向いている。

しかし多くの目線に囲まれながらも臆することなく提督は続けた。「そうだな、知っての通り…アレだ、警戒レベルは無事引き下げられた。ご苦労だったな」1-1海域での正体不明の敵との交戦は無事勝利に終わりチンジフの警戒レベルは下げられた、提督の言葉に小さくガッツポーズをとる駆逐艦娘がひとり。

「そして第三部隊=サン、よく戻ってきた。誰も大破してなくて何よりだったぜ」その言葉に反応した艦娘は四人。チトセは微笑みイスズは胸を張った、なぜかヤハギは微かに頬を赤らめる。そしてフブキだ、彼女は壇上の提督に見を向けられ思わず固まった。「特に…フブキ=サン、よくやったな。お前がこの部隊のMVPだ」フブキには提督が微かに笑ったように見えた。

「すごいですフブキ=サン!」「完全復活っぽいー!」フブキの横に立つムツキとユウダチが囃し立てる。提督が名指しで艦娘を褒める事などそうそうない事である、彼は基本的に不器用なのだ。他の艦娘たちからも惜しみない賞賛と拍手がフブキと第三部隊に送られる。(やっぱり…私の居場所はここしかないや!)嬉し涙を拭いながらフブキは敬礼し、オジギした。

「しかしバッドニュースがひとつある」浮き足立つ艦娘たちはその言葉に不穏な空気を感じ取り静かになる。そして提督の次の一言はあまりにも重く、艦娘たちを困惑させた。「…キョート・チンジフが陥落した」一瞬の沈黙の後、大きなどよめきがホール内に響き渡る。「キョート・チンジフが!?」「あそこには私の妹が!」ナムサン…キョート・チンジフに籍を置いている艦娘たちにはネオサイタマ・チンジフの艦娘の姉妹艦たちもいるのだ。彼女達の焦燥は無理もない事であった。

「本土からも調査隊が出ている、俺もキョート・チンジフのコドモ提督に連絡してみてはいるが…通信が繋がらん」しかし提督の言葉さえ耳を通らないとばかりに固く拳を握り締める艦娘がひとり、その艦娘はひどく不安そうに身をもたげる軽巡洋艦ナカの横に立つセンダイだ。「…ジンツウ」センダイは静かに自分とナカの姉妹艦の名前を呟いた。無事を願うように。

ーーーーーーーーー

同時刻、キョート・チンジフ。このチンジフはネオサイタマ・チンジフと対になるかの如く本土を挟んで真反対の海に存在している。

その外観はネオサイタマ・チンジフの前線基地めいた外観とは対照的に雅なアトモスフィアを醸し出す城めいた外観である。伝統が重んじられるキョートでは奥ゆかしさを重点しているのだ。

そして城内、水上庭園を抜けホンマルの中へと視点を写そう。入り組む廊下に近衛兵めいて揃った足並みで巡回する艦娘たちあり、その姿と装束は四人全員に共通する部分が多い、つまりは姉妹艦であるということだ。

その艦娘たち、駆逐艦陽炎型の四人は一糸乱れぬ動きで止まる。それから全く同じ動きで左右を見回し、まったく同じ動きで乱れた髪を直し、まったく同じタイミングであくびをした!ナムアミダブツ!なんたる統率力か!

◆一旦休む、もう寝てください◆

◆再び再開する◆

その駆逐艦娘たちフスマ一枚を隔て、そこにはキョート・チンジフの大広間がある。この大広間には今、ネオサイタマ・チンジフの艦娘たちの人数に勝るとも劣らない数の艦娘が広大なタタミの上に正座している。その並び方はショーギ板めいて等間隔である。

そしてタタミから一段高くなった場所に敷かれるザブトンの上にアグラする七つの影、全員の顔は半透明のノレンで窺い知れぬがその圧倒的なまでのカラテはその場にいるだけでも押しつぶされんばかりのアトモスフィアを感じさせる!もしニュービー艦娘が最前列に正座していたならば即座に失禁していただろう。

「今日はロードからのお言葉があると聞いていますが?」「どうやら『例』の件についてのようですな」「ネオサイタマのことかな」「………かな」「ハッ!つまりイクサの時は近いということ、楽しみでならんわ!」「その通りだ!このビッグ7のカラテの礎となる者がおればだがな!」「ほっほっほ…ムサシ=サンとナガト=サンは相変わらずじゃのお」

底知れぬ思惑を交わす会話をするこの7人はキョート・チンジフ最高位階、グランドマスターの7人に他ならない。その言葉の端々には互いの奥底を見据えようとする政治上のイクサが繰り広げられている。

しかしその不穏な空間とタタミの一枚離れた場所のザブトンに正座する艦娘有り、彼女の表情は目の部分を覆うメンポで判然としない、額には「キリステ」の文字が刻まれた鉢金を巻いている。傍には一本のカタナが置かれており、彼女自身のアトモスフィアもカタナめいた鋭さを帯びている。

「おう懲罰騎士殿!…いや、ダークカンムス=サン!お主もイクサが楽しみでならんだろう!?」そのオブシディアン色の装束に身を包む艦娘に身を乗り出して話しかけるのはグランドマスターのひとり、ムサシである。「そのカタナを振るいたくてたまらんのだろ?もう少しで存分に振るうことができるぞ!」彼女は獰猛な蛇めいて笑った。

その艦娘…ダークカンムスは前を向いたまま静かに答えた。「私はロードのご意思に従う、それだけです」「ほう!相変わらず見上げた忠誠心なものよの!」破顔するムサシとは対象的に彼女の表情には微かな変化すらない。余計な感情はキリステしたとも言わんばかりに。

これほどの艦娘たちが従うロードとはいったい何者なのだろう?その答えは壇上の金の刺繍が施されたフスマが開くことで明らかになった。その瞬間、広間でざわついていた艦娘たちは深くドゲザし、グランドマスターたちの面々でさえも、破顔していたムサシでさえも、そのようすを口元を扇子でパタパタと扇ぎながら小馬鹿にした目で見ていたトネでさえも深々と頭を下げたのである!

フスマの中にいたのは一人の極めて氷めいた表情を浮かべる極めて平坦な艦娘であった。しかし彼女はロードではない。ロードは…その隣の豪華な装飾を施された座椅子に座っている「幼い娘」なのだ。

そう、確かにその姿は「幼い娘」である。艦娘達の中でもっとも小柄だといわれる暁型の容姿よりも幼く、肌は雪のように白い、しかしその丸々とした瞳は尋常ならざる赤みを帯びている。その瞳でロードの言葉を待つ艦娘たちをきょろきょろと見回したあと、彼女は一言だけ声を発したのだ…


「ホッポチャン」

つかの間の静寂が訪れる、ロードの次なる言葉を待つように。だが次に声を発したのはロードではなかった。隣に立つ極めて平坦な艦娘、タイホウだった。「ロードは皆さまの日々の研鑽を称えておられます」「「「「「オオオオオオーッ!!!」」」」」「ありがたき幸せですマイロード!」「ロード!バンザーイ!バンザーイ!!」突如としてロードを称える声が大広間を満たしたのだ!感動のあまり涙を流し、失禁する艦娘さえいる!

「エヘーエヘー!クルシュナイ!クルシュナーイ!」ロードは手をぱちぱちと鳴らして喜んだ!なんという底知れぬ無邪気さか!?ロードの言葉を解することができるのは側近のタイホウだけであり彼女がロードの声そのものなのである。「そしてまだ皆様には大きな仕事が待っております」タイホウは軍師めいて言葉をつないだ。

「諸悪の根源、ネオサイタマ・チンジフを陥落させるということが!」おお、ナムアミダブツ!彼女は確かに宣言したのだ、同じ艦娘たちを、同じチンジフを陥落させるとのたまわったのである!その言葉に応じる艦娘たちの目には誰一人として疑いの色を持つ者がおらぬ、グランドマスターの面々でさえも!

当の本人であるタイホウでさえもその目には疑惑の色は一筋もない。そして平坦な胸をそらし、興奮のあまり顔を真赤にしたまま高らかに叫んだ!「それでは我らがチンジフの更なる栄光を称えチャント斉唱ッ!ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」 おお、聴くがいい!大広間にに響き渡る禍々しきチャントを!おお……ナムアミダブツ……ナムアミダブツ! 「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」…………

【ラスト・クチクカン・ガール・スタンディング】終わり

(お知らせ:キョート・チンジフの場面から原作に近くなるように一文を短くしました。つまり貴方達に見易くしてやった格好だ、意見や感想や質問はどんどんコメンートしてもらえばなんかパワが高まる。なお容量が勿体無いので続きはこのまま書きます、エコロジカル重点な。以上です)

◆艦◆カンムス名鑑#15【戦艦フソウ】ネオサイタマ・チンジフ所属。モーター理念を提唱するオムラ・インダストリのカラテ艤装にソウルがディセンションしたせいか果てなき愛社精神を持つ。火力、装甲ともに組織内ではトップクラスだがその他は最低クラス。よく鼻血を出しすぎて倒れる◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#16【戦艦ヤマシロ】ネオサイタマ・チンジフ所属。その出生、性能に瀟洒な容姿まで殆ど姉のフソウと愛社精神までもが同じだが姉へのリスペクトを惜しまない。よく鼻血を出しすぎて倒れる◆艦◆

クローン駆逐艦のコピー元が気になる
レジェンド駆逐艦とかいるのかな?

◆艦◆カンムス名鑑#17【戦艦キリシマ】ネオサイタマ・チンジフ所属。金剛型姉妹の末妹ながらも類まれなる戦線指揮能力を買われ戦艦長に抜擢された秀才。しかしその性格は融通の効かないほど真面目で少々堅物である。カラテ艤装に搭載された拡声器で相手と味方を威圧しながら戦う、恐るべきカクセイキ・ジツの使い手◆艦◆

◆続の話は金曜か土曜のどっちかにはやるのでは?それまでは名鑑を更新だ。以上です◆

◆艦◆カンムス名鑑#17【駆逐艦フブキ】ネオサイタマ・チンジフ所属。やや気弱な性格。ニュービー卒業直前に大破してしまったことで戦いへの恐怖を持つようになってしまったが、部隊の危機に対し恐怖を克服した凄まじいカラテを見せた。なお艦娘は窮地に陥ると自分の力を超えたカラテを発現することが報告されている◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#18【軽巡洋艦ヤハギ】ネオサイタマ・チンジフ所属、軽巡洋艦長を務める艦娘。イクサの場においては軍人めいた口調で味方を鼓舞するが普段は穏やかな口調と性格である。特殊なユニーク・ジツこそもたないが様々な分野に精通する研ぎ澄まされたカラテ技を扱う。実は提督に惹かれている節がある艦娘のひとり◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#18【軽空母チトセ】ネオサイタマ・チンジフ所属、ゼロセン用のカタパルト・ガンとコウクウキ用のコウブカンパンを扱う多彩で礼儀正しく快活な艦娘。なお組織内の軽空母たちにコウブカンパン・ドーを指導したのはその発案者であるヒュウガである。隠れ豊満◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#20【軽巡洋艦イスズ】ネオサイタマ・チンジフ所属、非常に勝気な性格に少々問題があるがカラテのワザマエ自体は軽巡洋艦長であるヤハギにも引けを取らない。しかしややウカツが目立つので昇進は見送られている。センダイとは昔からの友人だが未だニンジャ真実には適応できておらずよく失禁する。その胸は豊満である。◆艦◆

◆チトセ=サンの番号が間違っていたのでケジメしました◆

◆艦◆カンムス名鑑#21【重巡洋艦ナチ】元キョート・チンジフ所属、組織内で起こったとある事件に巻き込まれ精神を患ってしまった艦娘。極めて不安定な精神状態にあり、戦争歴史マニアだったことから自身を元ベトコンと錯覚している。退職後にサヴァイヴァー・チンジフを創設した。カラテ艤装よりもナイフ類や竹槍の扱いに長ける。ある四姉妹の次女◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#22【軽空母リュウジョウ】サヴァイヴァー・チンジフ所属、ナチの副官めいたポジションの艦娘。ナチについてきた理由は「元組織での仕事が面倒くさかった」から。軽空母娘らしくコウクウキを使用するカラテを得意としている。それに加え壁めいた平坦な身体のおかげか素早い。身体のある一部分に非常にコンプレックスを抱いているらしい◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#23【重巡洋艦マヤ】サヴァイヴァー・チンジフ所属、直情的で好戦的な艦娘。ナチについてきた理由は「たくさん戦えそうだと思った」から。腰に下げた一対の強化カーボン・カタナによるダブル・イアイドに絶対の自信を持つ。たぶんあたまがわるいと思われる◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#24【潜水艦イムヤ】サヴァイヴァー・チンジフ所属、潜水艦娘にしては珍しく精神を患っていない。ナチについていた理由は「これ以上の激務でカロウシしたくなかった」から。ステルス・カラテ魚雷によりメンバーのサポートを行う支援役を担う。大破しても修理費用が実際安くて早いのであまり仲間に心配してもらえない◆艦◆

◆【戦略】メディア的作品においてバストのなんかに触れていくのはマーケティング的にも成功する事例が多数報告されて余りある、現にアニメイシヨンがそうだ。それに次の話はもっとひどい描写があると思うのでごあんしんください。なおこのSSには猥雑が一切ない、以上です【重点】◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【キックアウト・ザ・ニンジャ・テイトクファッカー】#1

「アーッ!」ハツカゼは自分の悲鳴で目覚めた。無事だ!ここは自室であり仕事場だ。正面の壁に貼られた「!すでのな」のショドーが彼女に確かな実在感を取り戻させる。

「現実よね!?」そして棚の上のフクスケを指差す。「フクスケ良し!」さらに小さなベッドで寝息を立てている二匹のクローン医療妖精を指差す。「助手良し!」さらに寝巻きのズボンを下ろす。「下着良し!(漏らしてない!)」

ハツカゼは慌ただしく装束を着込み、洗面所に飛び込むと、激しい勢いで歯磨きを始めた。「ふがふが、バカバカバカッ!!」鏡の向こうから血走った目で自分が睨んでくる。「なんだってのよ!spit!」シリコン歯磨き粉を洗面台に吐き捨て、蛇口から出る水で荒っぽく顔を洗う。

だが……「アーッ!?」飛沫の中で目を閉じるや、ハツカゼはまた悲鳴を上げて後ろへ飛び退いた。そして自室に駆け戻る。「フクスケ良し!助手良し!下着………良くなし、勘弁してよちくしょう…!」

しかし「!すでのな」のショドーをじっと見る内にハツカゼの心は再び落ち着いた。「……フーッ。慣れろ。慣れるのよ私。もう、見えちゃうものはしょうがないのよ、大丈夫。フーッ」とりあえず彼女は下着を変える事にした。

彼女を苛むのは正体不明のイメージ。目を閉じるたびに彼女は深海の闇の中に放り込まれる。つい昨日の夜からだ。こんなことはチンジフに着任してからただの一度もない。

1年ほど前のあの日、ハツカゼはニュービー時代の任務中にとある味方の艦娘に激突し、そのまま大破した。なぜか激突された方の艦娘も大破した、極めてダイナミックな姿勢で。それ以来自分はカラテがからきしであるということを理解したのだ。

それ以来怠惰で任務や遠征を過ごすうち、ハツカゼはあることに興味を持ち始める。それが今の仕事である鍼灸治療だった。最初こそ何気なく手に取った本に従っておそるおそる友人たちに試す程度だったがこれが実際良く効くとたちまち評判になり、その腕を磨くうちに医療ケア長の肩書を授かったのだ。

ハツカゼは艦娘たちの治療を行う際、何らかの「イメージ」が頭に入り込んでくるのを感じる。その内容は砂漠であったり、テンプルであったりするが。いずれもその世界にわだかまる淀みをハツカゼが意識の中で振り払うようにしながら治療すると患者たちは皆、癒された。

(これってサイキックみたいなものなのかな?んなわけないか、アニメじゃあるまいし…所詮イメージよね)業務開始にはまだまだ早い時間だ。チンジフの艦娘たちも全員が寝ている時間である。ハツカゼは思い立って床の間の畳に正座し、目を閉じた。たちまち彼女は深海の闇に放り込まれる。望むところだ。

深海の闇はどこにまでも続いているようにも思える。こんなイメージは仲間たちの中でも見たことがない。彼女は深く考えないことにした。この闇そのものには慣れてきた。そのまま底を覗き込む。

よく見ると底には人影が映っている、女性か?ハツカゼは少し不安を覚え、慎重に意識を飛ばした。(((……ホシイ)))「え?」(((ホシイ、カレガ…ホシイ)))「え?」ハツカゼは微かに聞こえてくる声に集中した。(((アノヒトガ、ホシイノ)))「え?欲しい?」

(((ホシイ!アノヒトガ!ホシイ!アノヒトヲ、アタシノモノニ!)))

「アイエエエエ!?」ハツカゼは目を見開いて飛び上がった。「アイエエエエ!」寝室へ転がり込みフクスケを指差す。「フクスケ良し!」未だ寝ているクローン医療妖精たちを指差す。「助手良し!」そして「!すでのな」のショドー。「下着は…そういえば履いてなかった!セーフで現実!よしちくしょうッ!!」さらに彼女は違和感に気づく。もう業務開始時間だ!なんたる時間経過!

「だめよ…もうダメだわ…」ハツカゼは虚脱して、敷いたままのフートンに突っ伏した。「もう今日は仕事休もう…何よアレ?オオイ=サンなの?また提督がマッサージに来ないかな…あのごつごつした身体が…エヘヘ…でもアレ何なのよ?コワイ…」彼女はうつ伏せのまま沈黙した。チンジフに、また朝が来た。

【KANMUSLAYER】

◆どこかで見たような登場人物だがげんさくとげんさくが合わさりオリジナルになる。これがSS計算式なのだなあ◆

◆◆朝だ、もう始まる◆◆

【KANMUSLAYER】

ネオサイタマ・チンジフとキョート・チンジフ、この二つのチンジフからほぼ等距離に広がる海域がある。それがトコロザワ海。広さとしてはそれほどでもないがその深さは約8020mにも達する、この国において最も深い海域なのだ。

無論これほどの深さを誇るということは人間の踏み込める領域ではない、人の力を超える艦娘さえも。しかし暗黒メガチンジフ・シンカイセイカンヤの本拠地はここにある、それがトコロザワ・ピラー。この634m超のビルはトコロザワ海の底にそびえ立っているのだ。

その最上階の会議室、そこには整列するヤクザスーツ姿のクローン軽巡洋艦、謎めいた表情を浮かべる一人の深海凄艦娘、長テーブルに座るものが6人。彼女達はシンカイ・シックスゲイツ、セイカンヤの最高戦力であり支配者である。

「ファハハハハ…あのコは上手くやったみたいネ?」口火を切ったのはシックスゲイツの一人の港湾セイキ、「姫」級のひとりであり豊満である。「でもまだあの子は赤子同然です、自分の使命さえはっきりしていないでしょう」それに返答したのは離島セイキ、「鬼」級のひとり。「ファハハハ!アカチャン!」港湾セイキはコロコロと笑った。

「いいのよあの子は、いずれ完全に目覚める時がくる…それにその時は遠くないわ」蠱惑的な声でそうつぶやくのはツインテールの「鬼」、南方セイキだ。彼女は5人を見渡すように視線を巡らせる。「キャハハハ!なんせアタシの妹なのね?そりゃあスゴイに決まってる!」胸をそらして自慢気に語るのは飛行場キ、その目には人外の如き赤い光が灯っている。他の5人にもだ。

「まああのチビッコはいいとしてよぉ〜囚われの「あの方」はどうすんだよ?」「姫様…わたしたちの…心配…アア、どこかへ飛んでいきたい」残りの2人、装甲空母キと泊地セイキは誰かを案ずるような口調である。「それも大丈夫、こちらにもあの方に相当する「人質」はいる。ネオサイタマのやつらもウカツに手出しはできないわ」南方セイキの語る言葉は謎めいた響きを帯びている。その真実は揚々として窺い知れない。

「キョートのことはあの子に任せておけばいい…私たちはできることを、やるだけよ」おお、ナムアミダブツ!彼女の話す「あの方」とは!?「人質」とは!?そして「あの子」とは一体なんなのであろうか!?しかしこの暗い海の底で邪悪なる意識が蠢いていることは確かである!その意識がもたらす災いはマッポーの世にほかならぬであろう。

「そうですわね…そのためにも、ヲ級=サン?あなたの活躍に期待させてもらきますわ」離島セイキがテーブルの近くに立つ深海凄艦娘に目配せする。その声を聞いた彼女はゆっくりと顔を向ける、その薄く開いた眼の青い光の底には深海の闇めいた黒目が輝いている。シックスゲイツたちの表情が僅かに強張るほどのアトモスフィアである!そして彼女は…静かに口を開いた。


「…ヲッ?ゴメン、チョット…ネテタ。ナンテイッタノ?」

【KANMUSLAYER】

◆艦◆カンムス名鑑#25【雷巡チ級】非艦娘、セイカンヤ所属。強力なカラテ魚雷を使用する深海凄艦娘。しかしその実力を発揮する前に大爆発四散してしまった。無機質なメンポをつけている理由は童顔が恥ずかしいから◆艦◆

◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

草木も眠るウシミツ・アワー、ここは南西諸島海域、バシー島沖駐屯基地。セイカンヤとのイクサに勝利制圧したこの海域は夜も相まってか静寂に包まれている。

そしてこの駐屯基地に到着した5人の艦娘たちはネオサイタマ・チンジフの艦娘たち、小柄な五人の艦娘はイナヅマ、イカズチ、アカツキ、ヒビキの暁型姉妹である。この部隊を束ねるのは赤黒の装束の艦娘、センダイだ。彼女は何かを思案するような顔つきである。

「あ〜っ!やっと着いた。けっこう遠いなぁ」「ふわぁあ…ふだんはもう寝るじかんなのです…」「あんた達キアイ入れなさいよ!こんどこそ任務をちゃんとやって提督にほめられ…ふわぁあ」「とにかく一度仮眠をとりましょうセンダイ=サン」この四人の姉妹は一斉に喋る癖があり実際聞き分け辛い、しかし付き合いの長いセンダイにとっては聞き分けることなどベイビー・サブミッションに過ぎない。

「…………」しかしセンダイは無言である。無視しているという訳ではなさそうだ。「センダイ=サン…?」「…あっ!うんうんオツカレサマ!休む前に順番を決めて入り口の警備をしてね」ヒビキに改めて話しかけられ、センダイは慌てて返答した。

「分かりました、センダイ=サンはどうするんですか?」「わたしは…そうだな、ちょっとこのあたりを見回してくるかな一時間以内には帰ってくるよ」そう言うとセンダイは踵を返した。

「えっ!でも長距離航海をしたばっかりですよ?」「ヘーキヘーキ!ダイジョブダッテ!あたしって夜は得意なんだ、何かあったらIRCに連絡するからね!」そう言うとセンダイは夜の闇に消えていった、ヒビキは一瞬心配したがその心配はいらぬ事だと気付いた。なぜか?センダイは憲兵でありニンジャだからだ。

「センダイ=サンどうしたんでしょう…?」「何だか落ち着かないみたいね、やっぱりキョートにいる妹さんが心配なのかしら」「でもセンダイ=サンなら大丈夫だよ、ニンジャだし」「そりゃあそうだけど…」四姉妹は駐屯基地内にエントリーした。今回の彼女たちの任務はこの海域の警備だ、この基地でしばらくの間は過ごすことになる。

そして公正なるジャンケンの結果、最初の基地周囲の警備はイナズマが担当することになった。ウシミツ・アワーの海はそこはかとなく不気味だが四姉妹にとっては慣れたものである。「それじゃあ最初は私が行ってくるね。あんまりお菓子とか食べ過ぎちゃダメだよ!」「「「ハーイ!」」」

20分後、四姉妹のうちイナヅマを除いた3人は仮眠もとらずに自らの趣味に没頭していた。アカツキは子供向けのアニメ・カトゥーンに夢中、ヒビキは基地に備え付けのコミックを読みあさっている。根は真面目なイカズチでさえも持ってきた携帯ゲーム機をいじっている。いくら艦娘といえど彼女たちは見た目相応の精神年齢でありまだ子供なのだ。

「バケツボーイ、バケツボーイ!空を飛ぶ!!」「ワーッ!バケツボーイガンバレー!」はしゃぐアカツキを横目で見るヒビキは静かにしてよとでも言いたげな目をしている。「30分になったら交代だっけ?そろそろイナヅマに連絡しようかな」イカズチが携帯ゲーム機の時計機能を見て呟いた。

「そうだね、そろそろ連絡しようかな…」ヒビキが基地のIRC電話に向かおうとした時、来客を知らせるマイコ音声が鳴り響いた。「イヨォーッ!来客ドスエ。でも知らない人は中に入れちゃ駄目ドスエ!」来客?こんな時間に?ヒビキは訝しんだが受話器をとった。

「えーっと…ドーモ、ここはネオサイタマ・チンジフの駐屯基地です。何かご用ですか?」ヒビキが通話しながら監視カメラの映像を表示させるとそこに立っていたのは1人の艦娘であった。緑色の和服めいた装束を着る、ツインテールの艦娘である。

そして監視カメラに気づいたように顔を向けるその艦娘の表情は…にこやかであるが何かがおかしい、細かく痙攣しているようにも見え、その笑顔は愉悦に歪んでいるようにも見える。ヒビキは身体を強張らせた。

そして彼女は受話器に向かってアイサツした。「ドーモ、ハジメマシテ、アアー…近くを通りましたので…ご挨拶をと…キョート・チンジフの者です」キョト・チンジフ!?陥落したと伝えられたはずのキョート・チンジフの所属だとこの艦娘は言ったのである!

「えっ!?キョートから!?わ、私はヒビキです!あなたの名前は…!」慌てるヒビキをよそにその艦娘はカメラに向かってゆっくりとオジギした。「アー…ソウリュウです、ドーモ…イイ…」そのカメラ越しからでも分かる禍々しいアトモスフィアにヒビキは小さく失禁した。

【KANMUSLAYER】

(お知らせ : >>417においてキョト・チンジフというなぞの組織をうみだしてしまったので作者はケジメしました。それと先に言っておきますがげんさくの蒼龍=サン、ゴメンナサイメント重点)

◆艦◆カンムス名鑑#26【軽巡洋艦ダークカンムス】キョート・チンジフ所属、本名不明。妖刀「ベッピン」を操る恐怖の艦娘。組織に所属していながら素性、出生すべてが不明。ロードに忠誠を誓っているがその思惑さえも不明である。何故か装束の形状はセンダイやナカに似ている。バストはやや有情である◆艦◆

◆ちょっと間が空いてしまったが明日は更新すると思われる、備えよう◆

◆更新メント開始、今ならアニメイシヨンも全部観れるので同時再生、しよう!◆

【KANMUSLAYER】

「こちらです」「あ…ありがとうございます。アアー…」ヒビキは自称、キョート・チンジフ所属の艦娘のソウリュウを基地内に案内する。アカツキとイカズチとミニIRCで話し合い、とりあえずは中に招き入れる事にしたのだ。

シツレイと思いつつもヒビキは横目でソウリュウを見る。その佇まいは空母娘らしく、和風の装束に包まれている。しかし彼女の表情はどうだ?あからさまにおかしい。口の端からは微かに涎を垂らし、歩き方もふらついている。だがその速度は不自然に速いのだ。

ソウリュウはヒビキの後を自らの豊満なを揉みながらついてくる。「アー…この胸は気にしないでください。生まれつきですので…」「はあ」センダイが聞いたら血の涙を流しながら即座にゼロセンを投擲しそうな言葉である。キョートには色んな趣味の人がいるのかな?ヒビキはそう考える事にした。

……………………

「ドーゾ、チャです」「いえ…そんな」「ご遠慮なさらずに」「でも…アア…」「ぜひ飲んでください」「なら…イタダキマス」イカズチが差し出したチャをソウリュウは二回断ってから受け取り、飲み始めた。完璧な礼儀作法である。

(さすがキョート・チンジフ…見た目で判断しちゃダメだな)ヒビキはキョートについてあまり知っている方では無い。しかしキョートの艦娘たちは様々な礼儀作法にも通じていると聞く。ソウリュウのような特殊な性癖を持つ艦娘でもそのプロトコルはわきまえているのだろう。

応接室にいる艦娘は3人ヒビキとイカズチ、そしてソウリュウ。アカツキは中々戻ってこないイナヅマを呼びに行った。「それでソウリュウ=サン、お聞きしたい事があるのですが…」「何ですか…?アア…私に答えられる事なら何でも言いますよ?」

「私たちはキョート・チンジフは陥落したと聞いたんです」「陥落?キョートが?」イカズチの言葉にソウリュウは頭を45度傾けた。「陥落などしていませんよ?チンジフは変わらず動いています。ロードのご意思で…」「えっ!?じゃああの情報は誤報だってこと?」「なあ~んだ!…え?ロード?」ヒビキは安心しかけたがソウリュウの言葉に引っかかった。ロード?誰のことだろう。キョートのコドモ提督=サンのことかな?

キョート・チンジフにはネオサイタマと同じく「提督」がその指揮権を握っている。こちらの提督も二十代前半とかなり若いがキョートのコドモ提督は
さらに若い、ヒビキたち暁型姉妹と見た目の年齢がほとんど変わらないくらいに。しかし若いといえどもその指揮能力は非凡、ネオサイタマの提督にも勝るとも劣らないと聞く。気が弱いのが玉にキズらしいが組織の団結は深くムーホンもあり得ないとヒビキは思っていた。

「アアー…実はですね。通りがかったと言いましたが…本当は目的がありまして」「目的…?なんですか?」当然こちらが質問した後は相手の言葉を聞く順番である、ヒビキとイカズチはソウリュウの言葉に耳を傾けた。「その…この基地をですね…」ソウリュウが何かを呟こうとしたその時!ドタドタと廊下を走る音が聞こえたかと思うとアカツキがノックもせずに応接室にエントリーした!これは若干シツレイにあたる行為である。

「アイエッ!?どうしたのアカツキ!」「接客中だよ!」二人は一応は姉であるアカツキを叱責するが当の本人の息は荒く、その顔に浮かぶ僅かな恐怖の色に二人はただならぬアトモスフィアを感じとった。「ハァーッ…ハァーッ…!イナヅマが…イナヅマが…!」「イ…イナヅマがどうしたの?」警備中のイナヅマに何かあったのだろうか。

「とにかくヤバイ!ヤバイのよ!ほら見て!」アカツキが真横の暗がりから何かを引き寄せた。その「何か」は思っていたよりも大きい、その背丈は…自分たちと同じくらいの大きさで、その顔は何か恐ろしいものを見たかの様に恐怖に包まれそのまま固まっていた。

そう、そのオブジェか何かだったと思っていたそれは…立ったまま気絶しているイナヅマであった!「アイエエエエ!?イナヅマ!?」「ちょ、ちょっと!これって一体何が!?」アカツキは息も絶え絶えに語り始めた。「ヤバイのよ!何か海に立ってるって気づいて近づいたらイナヅマで!気絶してるし!白目むいてるし!しかも失禁…アイエエエエエエエエエエエエエエ!!」

「…え?」「え?」アカツキの言葉は最後まで続かなかった。アカツキはドカリとそのままオブジェと化したイナヅマの横に白目をむいて倒れた。その額には何かがくっついている、それはセンタクバサミであった。

「センタクバサミ?センタクバサミナンデ?」それはセンタクバサミ以外の何物でもない。チンジフで起こる日常的な失禁において装束や下着を干すために使うなじみの深い生活用品である。それがなぜ?なぜセンタクバサミがアカツキに?よく見るとそれはイナヅマにもくっついている。

センタクバサミが飛んできた方向はヒビキの対面、つまりソウリュウ側から飛んできたものだ、二人はゆっくりとソウリュウの方を振り向いた。「仕方ないですね…ひとりづつ…ひとりづつオブジェを作るつもりだったんですが…オ、オブジェ!!」いつの間にか立ち上がっていたソウリュウはビクビクと身体を震わせると装束の胸元をはだけ、ハカマ・スカートをたくしあげたのである!

おお、ナムアミダブツ!心臓の弱い読者はこのレスをご覧にならないで頂きたい!ソウリュウのさらけだしたあられもない身体には下着らしい下着は着けておらず、代わりにおびただしい量のセンタクバサミが身体のいたるところに挟まっているのだ!常人が見れば発狂死の可能性すらある恐ろしく冒涜的な姿である!コワイ!

「「アイエエエエエエエエエエ!?狂人!?」」イカズチは座ったままの姿勢で10㎝飛び上がり、ソウリュウの正面に座っていたヒビキは完全に失禁した!!ソウリュウはセンタクバサミの痛みに身を震わせながら表情を愉悦に歪ませた。「そうです…目的は、この基地をキョート・チンジフの所有するためなのです。だからあなたたちが次のオブジェですね?」

【KANMUSLAYER】

◆げんさく通りのタタミ針だと実際痛そうなので洗濯バサミにしました。これで青少年のなんかにも安心だ。以上です◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

「「アイエエエエエエエエエエ!?狂人!?」」イカズチは座ったままの姿勢で10㎝飛び上がり、ソウリュウの正面に座っていたヒビキは完全に失禁した!!ソウリュウはセンタクバサミの痛みに身を震わせながら表情を愉悦に歪ませた。「そうです…目的は、この基地をキョート・チンジフの所有するためなのです。だからあなたたちが次のオブジェですね?」

(アイエエエ!何がどうなってるの!?とにかくセンダイ=サンに連絡を…!)失禁しながらもヒビキは小型IRCを取り出しセンダイに連絡しようとした。だが!「イヤーッ!イイーッ!」「ンアーッ!?」ソウリュウが射出したセンタクバサミがヒビキの手に挟まりヒビキは小型IRCを取り落とした!

射出した、そう、射出したのである。腕を使う事なくセンタクバサミを!ソウリュウは全身の筋肉を高速振動させることにより身体に挟まっているセンタクバサミを射出したのだ!

「ヒ、ヒビキ!待ってて!今私がやっつけ」イカズチがヒビキの前に躍り出る。「アア…何でですか?」「エ?あれ?」バカ!何をしているのだイカズチ!?ここは基地内である、そもそもイカズチたちはカラテ艤装を着けていないのだ!

「あ、そういえば装備つけてなかった…」「イヤーッ!イイーッ!」「アイエエエ!?」イカズチの脳天にセンタクバサミが命中!そのままヒビキの横にドカリと倒れた。無残!

(み、みんなヤラレチャッタ!?逃げなきゃ!)ヒビキはこの凄惨な状況に混乱し、逃げ出そうとする!だが!「アッ!アッアッアッ!!」ソウリュウがセンタクバサミを4連続射出!すべてがヒビキの足首に挟まった!「ンアーッ!」もんどりうって倒れるヒビキ!

「アイエ…アイエエエ…」ヒビキは失禁の跡を描きながらなんとか這いずり、逃げようとする。とにかくセンダイ=サンを呼ばなくては!さもないと姉妹全員で大爆発四散マッタナシである。「イヤーッ!」しかしソウリュウは無情にも回転ジャンプで這いずるヒビキの頭側に降り立った!

「残念ですが逃げられませんね?あなたたちにはこの基地のオブジェになってもらいますので…アア…」「アイエエエ!モウダメダー!」自分の目前にしゃがみ込んだソウリュウのハカマ・スカートの中の狂気の空間を見たヒビキは絶叫する!絶望感が彼女を包み込んだ。

「でも…折角ですから。みんな一緒にしましょうか」「アイエエエ…エッ?」そう言うとソウリュウはヒビキの額にセンタクバサミを挟みつけた!「イヤーッ!」「アッ!」ヒビキの意識はそのままブラックアウトした。

今やこの応接室は白眼をむいて倒れる姉妹たちや失禁の跡によりマッポー空間と化していた。しかしその中心にいるソウリュウは喜びに身を震わせている。「とてもイイ事なんです…アッ!だから楽しみにしていてください!アヘ…アヘ…」

【KANMUSLAYER】

◆艦◆カンムス名鑑#26【正規空母ソウリュウ】キョート・チンジフ所属、グランドマスター・トネ派閥の艦娘。少なめの搭載数を補うために生み出したセンタクバサミ・ジツを操る。小柄だが正規空母娘の例に漏れず豊満。なお異常な性癖は生まれつきである◆艦◆

◆ソウリュウ=サンにはセンタクバサミを挟めるところがリュウジョウ=サンやタイホウ=サンなどと違って面積がひろいのであることだなあ、更新は明日なのです◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

(これまでのあらすじ : ここはネオサイタマ・チンジフの駐屯基地。そこにひとりの艦娘が来訪した、彼女の名前はソウリュウ。キョート・チンジフに所属する変態である)

(このあからさまに様子のおかしい来訪者をウカツにも招き入れてしまった暁型四姉妹は彼女のセンタクバサミ・ジツによるアンブッシュで全滅、気絶昏倒してしまったのだ…)

(この危機を救うことができるのは旗艦であるセンダイただひとり!しかし今彼女はここにはいないのだ。このままでは四姉妹が辱めを受けた上に大爆発四散するのは確実!急げ!センダイ、急げ!)

「ン…アッ?」イナヅマは身体の端々のチクチクとした痛みに目を覚ました。私は基地の周りを警備巡洋していたはず…いつの間にか寝ちゃったの?

イナヅマは身体を起こそうとする、だが動かない。「あれ…?」そもそも身体は寝ていない、立っているのだ。十字形の板に括り付けられて。

(あれ…?あれ…?)イナヅマはぎしぎしと身体を動かすが拘束はビクともしない。徐々にイナヅマは理解してきていた、この非常事態を。

(ナンデ…拘束ナンデ?確か…私は…)イナヅマが記憶を辿ろうと顔を上げたとき、ワン・インチ距離に顔があった。その狂気の笑みを見た瞬間にイナヅマはすべてを思い出したのであった。

「ドーモ…アア…オハヨウゴザイマス」「ア……」思い出した。この人だ。なぜか海に立っていたこの人に近づいたらいきなり服をはだけて、そこにあったのはセンタクバサミだった。センタクバサミが飛んできて…私に…

「アッ…アイエエエエエエエエエエエエエエエエエ狂人!!」ナムアミダブツ!すべてを思い出した瞬間イナヅマは号泣し失禁した!その無残なさまを見てソウリュウはさらにその顔を愉悦に歪ませる!「アーッ!イイ!タマラナイ…!その顔です。その顔をもっと見せてください!」(まず彼女はここで達した)

「「「アイエエエエエエエエエエエエエエ!?」」」イナヅマが意識を取り戻したのと同時に残りの三人も目を覚ます。当然3人とも拘束されたまま号泣し失禁した!一瞬にして応接室は阿鼻叫喚のジゴクと化したのである。おお、運営よ寝ているのですか!?

◆読者の皆さんのずのうへの重篤なダメージをけねんして一旦休憩します。夜食とか食べなさい◆

◆よく寝た?再開する◆

「「「アイエエエエエエエエエエエエエエ!?」」」イナヅマが意識を取り戻したのと同時に残りの三人も目を覚ます。当然3人とも拘束されたまま号泣し失禁した!一瞬にして応接室は阿鼻叫喚のジゴクと化したのである。おお、運営よ寝ているのですか!?

「おや?皆さん全員起きたようですね」一度達したおかげかソウリュウはやや冷静に呟いた。「アイエエエ…私たちをどうするつもりなの!?」アカツキが拘束から脱しようと試みるが叶わぬ、完全に板に固定されている!

「先ほど申し上げたとおりです…あなたたちはオブジェなのですよ?」そう言うとソウリュウは部屋の中を歩き始めた。「ゴリラ、タコ、ドラゴン、そしてイーグル…この四つの方角にオブジェを配置しマヨケするのです…あなたたちの痴態で…アアッ!アアイイーッ!!」」

((((アイエッ…!))))喜びに身を震わせるソウリュウを見た四姉妹から悲鳴は出なかった。もはや声は出ず、失禁も止まった。狂っている、そう分かった瞬間四姉妹はシンクロめいて絶句した。

しかし部屋の中を奇妙なムーンウォークで歩き回っていたソウリュウは絶句するアカツキの前でピタリと止まった。「でも…オブジェにしてはちょっとさみしいかもしれません」「エッ…」そう言うとソウリュウはアカツキの学生服めいた装束に手をかけ…一気に引き剥がした!

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」アカツキは瞬時に下着一枚に靴下の格好にされてしまった。ヨイデワ・ナイカ重点!上の下着はつけていない、子供ゆえのウカツである!「アイエエエエ!!」「イイーッ!次です!」そう言うとソウリュウはバク転でイナヅマの前に移動し、学生服めいた装束に手をかけ…一気に引き剥がした!

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」イナヅマは瞬時に下着一枚に靴下の格好にされてしまった。ヨイデワ・ナイカ2重点!上の下着はつけていない、子供ゆえのウカツである!「アイエエエエ!!」「イイーッ!次です!」そう言うとソウリュウはバク転でイカズチの前に移動し、学生服めいた装束に手をかけ…一気に引き剥がした!

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」イカズチは瞬時に下着一枚に靴下の格好にされてしまった。ヨイデワ・ナイカ3重点!上の下着はつけていない、子供ゆえのウカツである!「アイエエエエ!!」「イイーッ!次です!」そう言うとソウリュウはバク転でヒビキの前に移動し、学生服めいた装束に手をかけ…一気に引き剥がした!

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」ヒビキは瞬時に下着一枚に靴下の格好にされてしまった。ヨイデワ・ナイカ4重点!上の下着はつけていない、子供ゆえのウカツである!「アイエエエエ!!」「イイーッ!タマラナーイ!!」そう言うとソウリュウはなぜか自分の装束に手をかけ…一気に引き裂いた!キャバァーン!ヨイデワ・ナイカ5重点!もはや測定不可能だ!

そしてソウリュウはいつの間にか手にしていた小型ビデオカメラで四姉妹を嘗め回すように撮影し始める。「今から…アアッ!皆さんの身体に余すところなくセンタクバサミをつけて、私とおそろいになりましょう!そしてこのビデオはあなた方の提督にお送りします!だからごあんしんください」ナ、ナムアミダブツ!なんたる狡猾な精神の蹂躙か!もはや四姉妹はあまりにもの恥辱と屈辱に声もなくべそをかくことしかできぬ!


「Wasshoi!」

しかしソウリュウがセンタクバサミをアカツキの平坦な胸にセンタクバサミを挟もうとした時、応接室に決断的なカラテシャウトが響き渡った。どこから?それは応接室の中央からだ!おお、見よ!そこには応接室中央のタタミがパカリと開き、中から赤黒の艦娘が飛び出してきたのであった!敵艦を殺すニンジャが!

「イヤーッ!」「な…グワーッ!?」その赤黒の投擲したゼロセンはソウリュウの小型ビデオカメラを粉々に爆砕!「イヤーッ!」「グワーッ!イイーッ!」さらに追撃のカラテキックでソウリュウは壁際まで吹き飛ばされる!

彼女はキックの反動でクルクルと回転しタタミに降り立ち、壁に打ち付けられたソウリュウに向きなおる。「ドーモ、ソウリュウ=サン。センダイです。悪趣味なオブジェが余程好きと見える、ならばオヌシがなってみればよい」死神がジゴクめいた声でアイサツした。

【KANMUSLAYER】

◆ひどいエピソードンが始まると予告しておいたので作者にケジメの責任はありませんがとりあえずケジメしておきました。なおまだ続く。備えよう◆

◆明日な〜◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

彼女はキックの反動でクルクルと回転しタタミに降り立ち、壁に打ち付けられたソウリュウに向きなおる。「ドーモ、ソウリュウ=サン。センダイです。悪趣味なオブジェが余程好きと見える、ならばオヌシがなってみればよい」死神がジゴクめいた声でアイサツした。

センダイがエントリーした応接室は仮にここに狂乱状態の提督がいれば、即座に四姉妹を同じ回数前後するであろうほどの凄惨たる状況である。しかしセンダイは眉ひとつも動かさず、その瞳に静かに怒りの炎を湛えている。

「「「「アイエエエエ!ニンジャ!ニンジャナンデ!?」」」」極度の混乱状態にあった四姉妹は唐突なニンジャの登場に驚愕し四方向同時失禁!さながら観光地のマーライオンの如しである!

ナムアミダブツ…!いかな味方とはいえカンムスソウルの奥底に刻み込まれたニンジャ存在への恐怖はそう簡単に拭えぬものではない。しかしセンダイは立っている、四姉妹を救うために!

「落ち着け、今助け出す。敵を倒してからだが」センダイは倒れ伏せるソウリュウを凝視したまま答える。「………アーッ!!」しかし突然ソウリュウは身体をびくんと震わせたかと思うと腕を使わずに足の力だけで勢いよく立ち上がった!コワイ!

「アハー…ドーモセンダイ=サン、ソウリュウです。この痛み!イイッ!こんな痛みはダークカンムス=サンとクミテしてから久しぶりです…アア」ナムサン!あれほど見事なアンブッシュでもソウリュウにはダメージを殆ど与えられておらぬ!逆に彼女の目は快感にとろけんばかりである。

(ヌウッ…今の一撃は中爆発四散してもおかしくなかった筈。もしや此奴はイタミ・カンムスクランの?)センダイはじりじりと距離を詰めてゆく。「しかし喜ばしいことです…またひとつオブジェが増えるのですから。しかもその平坦なお身体…この四人と良く合」

「イヤーッ!」ソウリュウが何か憚られることを言う前にセンダイの右手がムチのようにしなりゼロセンが投擲される!「グワーッ!イイーッ!」ゼロセンはソウリュウの顔面に吸い込まれるように着弾!しかしのけぞるソウリュウの顔にはさらなる愉悦が溢れた!鼻血を垂らしてもなおである!

「イヤーッ!」センダイは間髪入れずにゼロセンを四連続投擲!「アッ!アッアッアッアッ!!」しかしソウリュウの射出したセンタクバサミよってすべて相殺破壊!なお撃ち出されるセンタクバサミがセンダイに襲いかかった!「イヤーッ!」センダイは側転で回避!

しかしこの応接室はさほど広くはない。一度側転をしただけでも壁がすぐ近くにある。回避行動を取るのは困難だ!「アアー…あなたは室内でカラテ砲は使えない。無論私もコウクウキは使えません…」ソウリュウはカクカクと動きセンダイに向き直る。

この変態の言うことは実際図星である。センダイがカラテ砲を1発撃つ間にソウリュウはセンタクバサミを3発を射出することができるであろう、カラテ砲発射のスキをわざわざ晒すことになる。なによりもまずこの狭い室内には拘束された四姉妹がいる!フレンドリーファイアの危険性があるからだ。

「なのでここでは私にフーリンカザンがあるのです…だからあなたは勝てません。早くオブジェになりましょう!」「断る」いセンダイは油断なくジュー・ジツの構えを取る。カラテ砲が使えないのならばゼロセンと素手のカラテあるのみ。ただそれだけだ!

◆一度寝る◆

センダイ=サンがニンジャだと知っていても失禁してしまうのか
まあ失禁すれば何でもいいや

◆四姉妹はこんらんしていたので急性NRSに陥っても仕方のないことですね?なお失禁は本物の戦艦でいえばただのオイル漏れとかなのでごあんしんください、再開な◆

「アー…残念です………イヤーッ!!」ソウリュウはセンタクバサミを連続発射!センダイのとった行動は…「イヤーッ!」おもむろに足下のタタミを殴りつけた!

ニンジャ筋力による衝撃を受けたタタミは跳ね上がり、盾めいてセンダイの前に立ちはだかった!センタクバサミはタタミにすべて防がれる。おお、ゴウランガ!センダイは不利な状況下であろうとフーリンカザンを己のものとしたのである!

「あ…あれはカラテ奥義、タタミ・ケン!!」「知っているのヒビキ!?」半裸のまま拘束され失禁したままヒビキは文献でしか読んだことのないカラテ技の名を語った。

カラテ奥義タタミ・ケン、この技の出自は明確ではないが一説には己のチンジフの執務室にタタミを敷いたカラテマニアの提督がトレーニング中に偶然生み出したといわれている。そしてこの技を使うことができる艦娘は限りなく少ないのだ。

己のカラテセンスにより、即興で編み出したカラテ技が偶然にも失われつつある奥義と重なったのである!何たるセンダイのフーリンカザンにおけるカラテ化学反応の偶然の産物か!

「アッ!アッアッアッアッ!!」ソウリュウは間髪入れずセンタクバサミを連続発射!「イヤーッ!」センダイはタタミを跳ね上げる!センタクバサミがタタミにすべて防がれる!

「アッ!アッアッアッアッ!!」ソウリュウは間髪入れずセンタクバサミを連続発射!「イヤーッ!」センダイはタタミを跳ね上げる!センタクバサミがタタミにすべて防がれる!

「アッ!アッアッアッアッ!!」ソウリュウは間髪入れずセンタクバサミを連続発射!「イヤーッ!」センダイはタタミを跳ね上げる!センタクバサミがタタミにすべて防がれる!

「アッ!アッアッアッアッ!!」ソウリュウは間髪入れずセンタクバサミを連続発射!「イヤーッ!」センダイはタタミを跳ね上げる!センタクバサミがタタミにすべて防がれる!

「アッ!アッアッアッアッ!!」ソウリュウは間髪入れずセンタクバサミを連続発射!「イヤーッ!」センダイはタタミを跳ね上げる!センタクバサミがタタミにすべて防がれる!

「アッ!アッアッアッアッ!!」ソウリュウは間髪入れずセンタクバサミを連続発射!「イ……ヌウッ!?」センダイはタタミを跳ね上げ…られない!?その答えは残酷なまでにシンプルだ。跳ね上げられるタタミがアウト・オブ・アモーしたのだ!

センタクバサミが眼前にまで迫る!「イヤーッ!」センダイは何とかバク転で回避しようとする。しかしすべては躱しきれず、はためいたスカートの中にひとつのセンタクバサミが着弾した!「ンアーッ!」センダイのたわわな尻にセンタクバサミが挟まった!センダイは苦悶!

仮にセンダイのニューロンに同居者がおれば彼女のことを「バカ!ウカツ!」と罵ったことであろう。しかしセンダイの判断が遅れてしまうのには理由があったのだ。

センダイはキョートにいる妹を心配するあまり、制圧したばかりの海域に無意識に立ち入ってしまった。そこに現れた3ダースのクローン駆逐艦をスレイしてからこの基地まで戻ってきたのだ。クローン駆逐艦などセンダイの敵ではないが連戦により彼女はほんの僅かだが憔悴している、そのツケがこのイクサで回ってきたということなのだ!

ひるむセンダイに向けソウリュウはすかさず攻撃せんとす…だが!「イイ…アッ!?」こちらもセンタクバサミがアウト・オブ・アモーした!センタクバサミの無い彼女はただの実際全裸の変態である。この機を逃すセンダイではない!「イヤーッ!」瞬時にソウリュウのワン・インチ距離までダッシュした!

そして床ギリギリまで姿勢を低くしたまま…斜め45度ポムポム・パンチ!「イヤーッ!」「グワーッ!イイーッ!」ソウリュウはキリモミ回転しながら壁に叩きつけられた!「アバッ…こ…この痛みッ!イイッ!イイすぎるッ!!」しかし当の本人にはそれほどダメージがあると思えない!なんたるイタミ・カンムスクランの艦娘のカンムス耐久力とカンムス被被虐性か!

センダイはバックフリップで距離をとると臀部に挟まったセンタクバサミを取ろうと試みた。しかしセンタクバサミはガッチリと挟まりセンダイの尻を離そうとしない!そのチクチクとした痛みはセンダイであろうと薄っすらと涙目になる程である。

「アイエエ…駄目です。取れないんですぅ…」イナヅマが弱々しく呟いた。「センダイ=サン!このセンタクバサミは何らかのジツによりエンハンスメントされています!だから…取れ…イタイ!」イカズチも身体をばたつかせるが取れる気配無し!

「スイマセン…センダイ=サン。アタシが…姉なのにしっかりしてないから」アカツキが無念とばかりに涙をぽろぽろとこぼす。しかしセンダイがアカツキに向けた目はジゴクめいた目ではなく、普段どおりの優しげで人懐こいセンダイの目であった。「ううん、アカツキ=サンは悪くない。」「エ…?」

姉妹を心配するあまり近しい仲間たちを疎かにしてしまった己のウカツを律しながらセンダイは改めてソウリュウに向き直った。その目にはセンコめいた光が灯っている!「だから…私が、絶対に助けてみせる」今は目の前の敵艦を倒すべし!後悔は死んでからすればよい!

【KANMUSLAYER】

◆艦◆カンムス名鑑#27【駆逐艦ハツカゼ】ネオサイタマ・チンジフ所属、医療ケア長を務める駆逐艦娘。カラテはからきしでありやや臆病な性格。他人の精神に干渉する何らかのジツを使うが本人も理解していない正体不明の能力を持つ。実は10人姉妹でユキカゼは妹のひとり。二匹の助手クローン妖精の名前はネコチャンとカワイイコというらしい◆艦◆

◆明日な◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

「イ…イイ…こんなに痛いのはあまりありません…アッ!ンアッ!!」いつの間にかソウリュウは胸の谷間に挟んでいたバイオ巾着袋からセンタクバサミを取り出し『再装填』を終えていた。

「イイんですが…あなたの痛みが足りません、だから…お願いします」そう言うとソウリュウの体は突如不可解な痙攣を開始!センダイはニンジャ第六感により相手艦娘のカラテの高まりを感じ取った!

その一瞬の後、四姉妹全員も「何か」が来ることを感じ取った。「あれって….まさか!!」「センダイ=サン!相手のヒサツ・ワザがきます!!」ヒビキが言う終わる前にすでにセンダイは四姉妹を守るように立ちはだかり、決断的なジュー・ジツの構えを取っていた!

ソウリュウの痙攣が一際大きくなり…「アッアッ………アァアアアアアアアーッ!!!」ナ、ナムアミダブツ!体に装填したセンタクバサミをセンダイに向かって全弾発射!そして彼女は発射と同時に達した。センダイに野鳥の群れめいた大量のセンタクバサミが凄まじい勢いで襲いかかる!

「あ、あんな数のセンタクバサミがっ!!」「避けて!センダイ=サン!!」しかしセンダイは動かぬ!このコンマ数秒の時間の中でセンダイのニューロンは泥のように鈍化し、この恐るべき攻撃に対する最善手を導き出そうとしていたのだ!

ゼロセンでセンタクバサミを相殺破壊するか?不可能だ、全ては破壊しきれぬ。防御するべきか?否!そのままジツによって拘束されてしまうだけだ!数々のカラテ・イマジネーションからセンダイのとった手は…



「…イヤーッ!!」

「アアッ!これであなたもオブジェに…え?」センダイを確実に変態オブジェに改造したと確信したソウリュウは愉悦に歪む表情を向けるがその表情は固まった。なぜか?センダイが立っているからだ、両手を正面に突き出した姿勢で。

ソウリュウが呆気にとられる中、センダイは静かに握った両の拳を開いた。そこにあったのは全弾のセンタクバサミであった。最も近くにいたイカズチでさえ「見え」なかった。センダイの腕が爆発的な速度で動き、全てのセンタクバサミをつまみ取ったことを!

「な…何ィイイイイイーーッ!?」ソウリュウは驚愕!センダイはあのわずか数コンマの時間の間に反撃の最適解を導き出し攻略して見せたのだ!おお、ゴウランガ!何たるニンジャ器用さとカンムス器用さの相乗作用か!!

「イヤーッ!センダイはつまみ取ったセンタクバサミを投げ返した。センタクバサミはソウリュウの左足首を壁に縫い付けた!「イイーッ!」

「イヤーッ!」センダイはつまみ取ったセンタクバサミを投げ返した。センタクバサミはソウリュウの左手首を壁に縫い付けた!「イイーッ!」

「イヤーッ!」センダイはつまみ取ったセンタクバサミを投げ返した。センタクバサミはソウリュウの右足首を壁に縫い付けた!「イイーッ!」

「イヤーッ!」センダイはつまみ取ったセンタクバサミを投げ返した。センタクバサミはソウリュウの右手首を壁に縫い付けた!「イイーッ!」ナムアミダブツ!瞬く間に、全裸の艦娘が壁面に大の字になってハリツケにされていた!

「ンアーッ!動けません」ソウリュウがはぁはぁと息を吐いた。逃れようともがくが、己のジツによって強化されてしまったセンタクバサミはガッチリと応接室の壁に縫い付けていた!何たるインガオホーか!

ソウリュウが苦難して顔をもたげるとワン・インチ距離にセンダイの顔があった。殺艦衝動に満ちたセンコめいた光を放つ瞳を見た瞬間、ソウリュウはしめやかに失禁した。「アイエエエ…!あなたは…何なんですか?」「苦痛がオヌシのカラテの源、ならばこの一撃はどうだ?」

そう言うとセンダイは右手を掲げ、「イヤーッ!」研ぎ澄まされたチョップをソウリュウの首筋に放った!「…アバッ」その恐るべきチョップを食らった瞬間ソウリュウの意識は遥か向こうに消し飛び、白眼をむいて失神した。

いかなイタミ・カンムスクランの艦娘であろうと急所への研ぎ澄まされた一撃は並大抵のダメージではない。仮に同じ軽空母の艦娘であれば首が250度回転していてもおかしくないほどのダメージである。そしてソウリュウが失神した途端、四姉妹に挟まっていたセンタクバサミが力を失いパラパラとタタミに落ちていった。

「セ、センタクバサミがとれたっ!」「アイエエ…助かった…」センダイに拘束をといて貰った四姉妹はへなへなと床に座り込んだ。応接室内はカラテによる破壊の跡と跳ねあげられたタタミと引き裂かれた服と失禁の跡で惨憺たる有様である。

一方ソウリュウは失神さえしてはいるが大爆発四散してはいない、恐るべき耐久力だ。「とりあえず此奴はチンジフへ持ち帰りインタビューする」そしてセンダイはメンポを外して大きく息を吐く。「まあ、とりあえずみんな服を着ようか」センダイは挟まれた尻をさすりながら呟いた。


……………………………

ネオサイタマ・チンジフの地下深く、ここは牢獄と拷問室のある階層。その階層にある部屋のひとつの特別室に天井から下がる鎖と足元の鎖に全裸のまま拘束された艦娘がいる。センダイが持ち帰ったソウリュウだ。

ソウリュウの前にはひとりのにこやかな表情を浮かべた艦娘が立っている。その艦娘はおもむろに拘束されたソウリュウに近づき、無言で平手打ちした。「グワーッ!?」今まで気を失っていたソウリュウは頬に走る鋭い痛みに思わず目を覚ます。

ソウリュウが目を覚ました事を確認するとその艦娘はにこやかにアイサツした。「ウフフ、おはようございます。タツタです。ごきげんはいかがですか?」「イ…イイです…起き抜けにイイ…私はソウリュウです」ソウリュウもアイサツを返すがその身体に力が入る様子はない、センダイの一撃がまだ響いているのだ。

タツタはニッコリと笑うと無言で拘束されたソウリュウを平手打ちした。「グワーッ!イイーッ!」「あらら、確かにこれはイタミ・ジツですね。」タツタはチンジフにおいてもっとも拷問術に精通した艦娘であり、電信を用いた100種の拷問方法を提案した時は重要な役職に着く艦娘や提督を戦慄させたことがある程のワザマエである。

「アア…タツタ=サンは拷問のプロと聞いたことがありますがそんなことをしても私を喜ばすだけです。だから私から情報を聞き出そうとしても無駄なのです…」ソウリュウは息こそ荒いがその目は快楽に爛々と輝いている。部屋内の火が灯ったロウソクや壁にかけられた鞭や鼻フック、三角木馬に何かを期待する視線を巡らせている。

「そうねえ、でも貴方には聞かなければならないことが多いのよ?だからなんとかするわ〜」そういうとタツタは無言で拘束されたソウリュウを平手打ちした。「グワーッ!イイーッ!」

そしてタツタは一旦ソウリュウから離れると、手元の小型IRCを操作し始めた。「だからこんな方法を考えてみたのよ〜。たくさん喜んでねぇ?」タツタはあくまでにこやかだ。「む、無駄です…そんなことをしても新たに私の性癖が増えるだけで」

ソウリュウが言葉を続けようとすると目の前の天井がパカリと開き、「何か」がドサリと落ちてきた。「すよ…え?」ソウリュウはその落ちてきた「何か」に怪訝な表情を向けた。何が落ちてきたのだ?タツタのいう考えとはこれの事なのか?

「ア…アノ…これは一体…?」困惑するソウリュウの元にタツタは再び近づくと無言で平手打ちした。「グワーッ!?」「あららあ?質問していいって言ったかしら?ほら、起きてください。目の前にイイものがありますよ〜」タツタがその「何か」を優しくさすると「何か」はビクリと震えたのち、ゆっくりと起き上がった。

そう、立ち上がったのだ。その立ち上がった「何か」の大きさは6フィートはある。読者諸氏の中にその乱れた服装の衣装に見覚えはある方はおられるだろうか?胸につけられた勲章、床に転がっている軍帽、その白い軍服に。

その「何か」はまず、自分を起こしたタツタの身体に指を這わせ始める。「あん!私が相手してあげてもいいのですけど…ほらぁ〜もっとイイのがありますよ?あなたの目の前に…」タツタが「何か」の耳元で囁く。するとその「何か」は絶句するソウリュウの方を向くと、壊れたジョルリ人形めいてオジギめいた動作をした後に何か言葉らしきものを発した。



「…ド0101011ーモモモモ0110101私は提01100101011001督で01す』

【KANMUSLAYER】

◆おそらくソウリュウ=サンは01されます。更新な◆

【KANMUSLAYER】

その「何か」…いや、ネオサイタマ・チンジフの「提督」と目があった瞬間にソウリュウの目からは痛みへの愉悦はどこか向こうへ消し飛び、彼女をただの「恐怖」が支配した。

「ねえねえソウリュウ=サン?貴方は身体や精神の痛みは好きなのでしょう?でも…これを体験したことはあるかしらぁ?」獣めいた吐息を漏らす提督を優しく愛撫しながらタツタはうっとりと呟いた。「アッ…アイエッ…!まさか…わ、私を…?」「そう、この人が貴方を本当のオンナノコにしてくれるわ〜」

自分の貞操の絶体絶命の危機を察知したソウリュウのニューロンは電撃的に加速した!「まっ…待ってくださいッ!言う言う!すべて喋ります!だからヤメテ!」しかしタツタは再びソウリュウに近づくと無言で平手打ちした。「ンアーッ!?」

「グ…グワ…ま、待って下さい…そのお方はヒュウガ=サンという仲睦まじいお方がいたはずです!それを訳の分からぬ変態とさせるなどいけません!」彼女は思わず道徳を解いてしまうほど追い詰められていた!しかしタツタは拘束されたままのソウリュウを無言で平手打ちした。「ンアーッ!?」

「最近貴方達の組織のせいで提督=サンは大忙し…三日間寝なかったせいでこうなっちゃったのよぉ」タツタは提案の首元に息を吹きかける。「GRRRRRR…!」肝心のストッパーとなる秘書艦のヒュウガも任務に出てしまい数日は戻ってこない。だからセンダイが止めぬ限り提督はこの状態のままである。

「それに…」タツタがソウリュウの方を向いた、ソウリュウはその「目」に確かな見覚えがあった。同じなのだ。痛みに愉悦する自分の「目」と。「私が見たいからなのよぉ?貴方の恐怖に…望まぬ快楽に歪む顔がね〜」タツタは愉悦に顔を歪ませてにっこりと笑った。

察しの良い読者諸氏にはもう検討がついておられるであろう。タツタもイタミ・カンムスクランの艦娘なのだ。彼女は他人のイタミから快楽を得、己のカラテにする特殊なイタミ・ジツの使い手である!「だ・か・ら、提督=サン?可愛がってあげてね〜?」タツタが耳元で優しく囁くと提督はゆっくりと歩き始めた、「ヨメ…ヨメ…」ソウリュウへ向かって。

「アッ…アッ…!」ソウリュウは絶望の叫び声をあげかける。しかし目の前の提督の姿が陽炎のように揺らいだかと思うと彼女の目の前から提督が消え去った。「え…ンアッ!?」ソウリュウが訝しむ間も無く一瞬で拘束されたソウリュウの後ろに回り込んだ提督が掴んだのだ、ソウリュウの尻をがっちりと。「ヨメ…下半身の…ヨメ…」ソウリュウの尻に「何か」が触れた。



「では、ファックします」「ヤ…ヤメテ!ヤメテくだ…アッ…アイエーエエエ!アイエエーエエ!!ンアッ!?ンアァアアアーッ!!!」




………………………………………


◆どんどん描きたい。今日は多分まだやります◆

◆再開な◆

「…う」彼は目を覚ました。寝てしまったのか?確か本部の会議に召集され、チンジフに戻ってきた筈。しかしそこからの記憶が無い。それに何やら身体が重いのだ。

自分に誰かがのしかかっている。そう分かると彼はその主を見ようと試みた。「あっ!提督起きたよー!」その駆逐艦娘は大きな目をぱちくりと動かし提督を覗き込んでいる。この顔は暁型四姉妹のひとり、イカズチである。

その男、提督は首だけを動かし室内を見回した。寝そべった自分の周りにはセンダイ、タツタ、四姉妹の残りの3人が座っている。「…どけ、重い」「ンアーッ!」未だのしかかっているイカズチを横に転がすと彼は身を起こした。

どうやら自分は疲労のあまり寝てしまったようだ、三日間寝ていないとはいえ記憶もあやふやだとは情けないと心の中で自重した。「おはよう提督!目が覚めたんだね」そう言って人懐こい笑みを浮かべるのはセンダイだ。「アー…ここはどこだ?」提督は一度あくびをしてから誰ともなく質問した。

「ここは駆逐艦=サンたちの居住スペースですよ〜提督=サンったらチンジフに帰ってくるなり倒れるように寝ちゃったんだからびっくりしたわぁ」タツタがにこやかに答えた。「そうか、まぁ…面倒かけたな」提督は大きく伸びをした。不思議と身体が軽く気分が良い、まるで抑制していたものがすべて発散されたかのようである。

「重点!入渠重点!」廊下から声が聞こえると提督の目線はそちら注がれた。クローン医療妖精が誰かを担架で運んでいる。担架で運ばれるツインテールの艦娘の瞳に光はなく、なぜか静かに涙を流している。見覚えの無い艦娘だ。「おい…アイツは誰だ?ウチのじゃないだろう」

「そう、あの人はキョート・チンジフの人なの」「何…!?」センダイの返した答えに提督は軍帽をかぶり直す。「何があったか詳しく聞かせろ、インタビューは済んだか?」「ええ、もちろんですよ。しっ〜かりと…入念に…執拗に聞き出せましたからねぇ?」タツタはにっこりと笑った。


……………………………

同時刻、時刻は再びウシミツ・アワー。ここはキョート・チンジフの領海の端、その海上を巡行する艦娘がひとり。「ハァーッ…ハァーッ…」その艦娘の息は荒く、装束はところどこが綻びている。彼女は手負いだった。

もう少しだ、もう少しでキョート・チンジフの領海を脱することができる。その先はネオサイタマ・チンジフの領海だ、入ってしまえさえすれば治外法権となりキョート・チンジフには手出しができない。「伝え…なければならないわ。今起こっている異常事態を…!」

彼女の名はムツ、キョート・チンジフのグランドマスター位階、ナガトの妹にしてマスター位階の艦娘である。彼女はチンジフからの追っ手を振り切り、ネオサイタマ・チンジフの領海数百メートル手前までたどり着いていた。

傷ついた身体をもたげながらもムツはこの数ヶ月間に起こった事態を思い返した。あの日…私たちの司令官は提督ではなくなった。得体の知れぬ子供が自分たちの主となったのだ、ロードと呼ばれる娘が。

不可思議な事だがその異常事態に異議を唱える者は誰ひとり居なかった。グランドマスターの面々も、自分の姉も、そして自分自身も。「でも気づいたのよ。フト思った、何かがおかしいってね…」彼女は思わず独りごちる。なぜ今まで疑問を持たなかったのか?それは彼女自身にも分からない。だが伝えなければならないのだ、ネオサイタマの提督に。

【KANMUSLAYER】

(親愛なる読者の皆さんへ : >>416で一旦#1を区切り、>>644では#2で区切ろうと思いましたが忘れたので作者はケジメの後、正しく研修されました。なお提督に襲われた艦娘の多くは記憶のうりょくへのダメージで覚えていないのが多いので数はしりません、以上です。)

◆艦◆カンムス名鑑#28【戦艦ムツ】キョート・チンジフ所属、グランドマスターナガト派閥のマスター艦娘にしてナガトの妹。カラテのみに特化した姉とは違い、特大剣ツーハンデット・カタナブレードツルギを操る組織内トップクラスの剣士のひとり。常人の3倍の脚力を生かした戦闘は得物の重さを感じさせないほど。なお姉と同じく豊満である◆艦◆

◆なお今日もやる◆

◆なおこれは#3に当たるということでよろしいですね?始まります◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

ムツは小型IRCのマップ機能を確認する、ネオサイタマの領海まではおよそ1km。彼女にとっては些細な距離だ。「もう少しか…待っていてみんな。必ず目を覚まさせて」ムツが巡航速度を速めようとした瞬間、彼女は不穏なアトモスフィアを突如として感じ取った。

「…ッ!?」ムツはその場に急ブレーキ!立っているのだ、20メートルも離れていない場所にオブシディアン色の装束を身につけた艦娘が!ムツの優れたカンムス知覚力を持ってしてもこの距離に近づくまでソウルの存在に気づく事はできなかった。それほどまでにその艦娘はよ静かに、ひとつの波風も立てず夜の海上に立っていたのである。

ムツはもはや目の前に佇んでいる艦娘を思い出そうとした。知っている、しかし全く違う。自分が知っている「彼女」とは何もかもが違うのだ!その艦娘は目元を覆うメンポごしにムツを見ている、ぞっとするような冷たさで。「…ドーモ、ムツ=サン」彼女は静かに口を開いた。

「あなた…は」ムツは彼女に見つめられただけで首筋にカタナを当てられたような感触を味わった。グランドマスターナガトの妹にしてマスター位階のムツでさえも威圧する彼女は両の拳を打ち付け、オジギした。「…ダークカンムスです」

彼女、ダークカンムスが声を発しただけで気温が5℃下がったと感じさせるほどそのアトモスフィアは冷え切っている。「…ドーモ、貴方が最後の追っ手というわけね」ニュービー艦娘なら失禁して許しを請うほどのアトモスフィアであるがムツは怯まない。落ち着いてアイサツを返した。

◆アイッフォンーがばくはつしたので一度休みます。明日の朝な◆

◆朝がずれた、再開します◆

「ムツ=サン、貴方のしようとしていることはチンジフへの重大な背信行為です」ダークカンムスは無感情に警告した。「私は懲罰騎士の役職ゆえに貴方を罰さねばなりません。抵抗しなければ一週間のケジメ(飯抜きのこと)、2ヶ月の減給で済みます。投降して下さい」

ムツはしめやかに冷や汗を流す、下手に動けば即座にキリステされんばかりだ。ダークカンムス自身のアトモスフィアも相当だが何よりは禍々しいのは腰に下げているカタナ、ロードがもたらした妖刀ベッピンを手にしてから彼女は何もかもが変わってしまったのだ。

「悪いわね、投降するつもりはないわ」ムツは背負っている得物に手をかけた。いくら彼女が元味方であろうとダークカンムスを打ち破り、ネオサイタマの提督や艦娘達に伝えなければならない!姉を、キョートの仲間たちを、コドモ提督を救うために!

「…そうですか、残念です」ダークカンムスもカタナに手をかける。一触即発のアトモスフィアが場を支配した!しかし両者は動かない、剣士同士のイクサは下手な初撃が命取りになるからだ。

その時、そのアトモスフィアを打ち破るかのように静かな海面に一匹のバイオイワシが跳ねた。それを合図とばかりに両者は同タイミングでそれぞれの得物を振り抜き、同時に仕掛けた!「「イヤーッ!!」」

SMAAAAAAASH!!お互いのカタナが凄まじい火花を発して交差した!ムツの持つ6フィートを超える特大剣にはルーンカタカナで「ツーハンデット・カタナブレードツルギ」と刻印されている。その質量、破壊力において振るうことができる艦娘は数少ない大業物だ!

対するダークカンムスの持つカタナ、ベッピンは短くも長くもない至って普通のカタナのように見える。しかし月の光を不気味に反射するこのカタナは質量で圧倒的に勝るムツのツーハンデット・カタナブレードツルギを受け止めたのだ!微かな刃こぼれもなく!

「イヤーッ!」ムツは再び長大なカタナを打ち振るう!一斬りでクローン駆逐艦10体を斬り飛ばす程の破壊力だ!「イヤーッ!」しかしダークカンムスはこれを巧みにベッピンでいなす。カタナの重さゆえに出来た隙をつきダークカンムスはムツを斜めに斬りつけた!「イヤーッ!」

「イヤーッ!」しかしムツは巧みな体重移動を行いこれをガード!「イヤーッ!」反撃とばかりに横薙ぎの斬撃を繰り出す…しかし!「イヤーッ!」「グワーッ!」刃が達する前にムツの腹部にダークカンムスのコンパクトな掌底が叩き込まれた!ムツは数メートル後ろに吹き飛ばされる。

「ぐうう…!」ムツは体勢を立て直し、己のカラテがやや精彩を欠いていることを自覚する。「手負いの身ということは分かっています」ダークカンムスはカタナを構えたままムツに歩を進める。「しかし安心して下さい。あなたは大爆発四散した後、目覚めた時には再びロードに忠誠を誓っているでしょう」彼女の歩みは処刑人めいて厳かであった。

【KANMUSLAYER】

◆今日も朝がずれて今起きた。なお今日は更新する、備えよう◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

「おあいにく様だけど、忠誠を誓ったのはコドモ提督=サンだけよ…!」ムツは手負いの身体に鞭打ち、カラテを構えなおした。もはやダークカンムスは何も答えない、ただ確定的殺意を持ってムツに迫るだけである。

「それに思い出して!ネオサイタマには貴方の姉妹がいる!チンジフどうしでイクサを起こすなんてどうかしてると思わないの!?」その言葉を聞いた途端ダークカンムスは歩みを止めた。とくに「姉妹」という部分で。「私たちのチンジフでは何かが起こっている!何かとんでもないことが…だから思い出して!ジンツ…」

「イヤーッ!」しかしダークカンムスの投じたものは返答ではなく三機のゼロセンであった!「イヤーッ!」ムツはツーハンデット・カタナブレードツルギで防ぐ!ムツは奥歯を噛んだ、イクサにおいては舌戦でも優位に立つことが必要である。しかしダークカンムスは揺さぶられたような様子はない!ただ確定的殺意がムツに迫っているのだ!

ムツはもはや元仲間へのセンチメントを拭い去る。やらなければやられてしまう、ならばやるしかないのだ!「イヤーッ!」ムツは三門の砲塔から大口径のカラテ弾を発射!残り一門の砲塔は先の追っ手の陽炎姉妹との戦いでひしゃげ、使い物にならぬ。しかし3発ならば軽巡洋艦娘であるダークカンムスに直撃さえすれば大爆発四散するには十分な威力である!

「イヤーッ!」対するダークカンムスはその場から動かずベッピンを3回振り抜き全ての大口径カラテ砲弾を切り裂いた。なんたる反射神経か!「イヤーッ!」そして間髪いれず左手に装備された小型カラテ砲を連続発射!「イヤーッ!」ムツはツーハンデット・カタナブレードツルギでカラテ砲弾を防ぎながら前ブースト加速!ダークカンムスに肉薄する!

「イヤーッ!」ワン・インチ距離まで迫ったムツにダークカンムスは素早く斬りつける!「イヤーッ!」ムツはダークカンムスの攻撃を得物の重さを感じさせない軽やかなステップでかわし縦斬りを放つ!対するダークカンムスもこの攻撃を横ステップ回避しカウンター斬撃を繰り出す!「イヤーッ!」

「イヤーッ!」ムツはこれを左ブレーサーでガード!彼女の重厚なブレーサーにベッピンが深々と食い込んだ。しかしこれは作戦だ!「イヤーッ!れ刃を引き抜こうとするダークカンムスめがけ、ムツは足元を薙ぎはらう斬撃を繰り出した!ワザマエ!

しかしダークカンムスは瞬時の判断で小ジャンプ回避!そして空中で電撃的速度の横薙ぎの斬撃を繰り出した!「イヤーッ!」「グワーッ!」これぞイアイド奥義ムーン・シャドウ!ムツはとっさに後ろに引いたが腹部を浅く切り裂かれた。「ぐっ!ううう…!」少なくないダメージである!

ムツは傷口を押さえながら自分の残存するカラテが残り少ないことを自覚せざるを得ない!「…イヤーッ!」しかしムツは再びダークカンムスに踏み込むと得物の重さを感じさせない速度の連撃を繰り出した!

「イヤーッ!」ダークカンムスもこれに応じるように連続の斬撃を繰り出す!耳をつんざくような金属どうしのぶつかる音が静かな海に響き渡った。「イヤーッイヤーッ!」「イヤーッイヤーッ!」ハヤイ!二者の斬撃は霞むように見えるほどまで速度が上昇する。ゴウランガ!なんたるタツジン同士の剣によるイクサか!

◆寝休憩◆

◆朝はマンゴーを食べました、始まります◆

ダークカンムスはムツの連打をベッピンでいなしながら戦況を冷静に分析する。スピードではこちらが勝るがパワーにはあちらに分がある。そしてムツには決断的な意思が見て取れるのだ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ダークカンムスは後方へ押され始めた!

このままではジリー・プアー(徐々に不利)だ!ダークカンムスは数あるイマジナリー・カラテの選択肢の中からバックフリップで一度離れ、体制を立て直すことを選択した。だが…「!」ダークカンムスは動けぬ!なぜか?その答えは彼女の左足にあった!

「ハアーッ…!かかったわね!」おお、見よ!ダークカンムスの左足には鎖に繋がれた小ぶりの錨が巻きついている。ムツは壮絶な打ち合いをする中、細かなダメージを食らいながらも密かに錨でダークカンムスを拘束していたのだ!

「イヤーッ!」ダークカンムスはベッピンで鎖を断ち切る。しかしムツはこの隙を見逃さぬ!「イヤァアアアーッ!!」「グワーッ!!」ムツはダークカンムスをツーハンデット・カタナブレードツルギの側面で強かに殴打した!ダークカンムスは即座に左手でガードするが装備していた小型カラテ砲が根こそぎ破壊された!「グワーッ!」そしてそのままワイヤーアクションめいて吹き飛ばされる!

ナムサン!この剣士同士のイクサはムツが制するのか!?だが!「イヤーッ!」ダークカンムスは吹き飛ばされながらも巧みに空中姿勢制御!SPLAAAAAASH!水飛沫を上げながらも海面にウケミをとり着地!海面叩きつけられるのを回避した。

しかも彼女は攻撃を食らう瞬間、みずから真横に跳ぶことでダメージを軽減していたのだ!なんたる沈着冷静なカンムス判断力か!ダークカンムスは姿勢を立て直すと破壊された小型カラテ砲が搭載された左ブレーサーを投棄した。これ以上は役に立たない、余計な手枷となるだけだからだ。

しかし一方のムツもこれでトドメが刺せるとは思っていない。「スゥーッ…ハァーッ…!」ダークカンムスから10メートル離れたムツの身体にカラテが漲る!残されたカラテをすべてこの一撃に込めるのだ!(これで…終わりよ!)三機のカラテ砲のうち一つを取り外し左手に装備する。砲身部分が赤熱し始める!

「テッコー・ダン・ジツ!イヤーッ!!」その砲塔から超高密圧縮されたカラテ砲弾が爆発的な速度で撃ちだされる!ゴウランガ…!これは戦艦娘たちのヒサツ・ワザのひとつ、テッコー・ダン・ジツである!鋼の4倍の硬度を誇るバイオバンブーでさえもやすやすと貫通する致命的な攻撃がダークカンムスに迫る!

この攻撃に対しダークカンムスは…おお、ナムアミダブツ!彼女はベッピンを鞘に、戻し姿勢を低く構えムツのテッコー・ダン・ジツに真っ向から向き合っているのだ!避ける素振りすら見せない、ただ静かに、冷酷にベッピンに手をかけた。

「…イヤーッ!」そしてカラテ砲弾がダークカンムスの目前まで迫った瞬間、ダークカンムスの腕が閃いた。カタナを振り抜いた動作は優れたカンムス視力を持つムツでさえも見ることができない程の速度であった。ただ彼女が見ることができたのは真二つに分断され遥か後方へ飛んでいく己のカラテ砲弾だった。

「そん…な…アバーッ!」ムツは突如として吐血した!この一撃は残りの力をほぼ全て注ぎ込んだ一撃であった。ムツの身体から急速にカラテが失われていく!蓄積していたダメージがムツの身体を支配した。しかしダークカンムスはカタナを構えたまま無慈悲にムツに歩を進める。

(姉さん…みんな!私に…もう少し力を!!)ムツは血を流しながらもツーハンデット・カタナブレードツルギを構え、ダークカンムスに向かってブースト突撃した!「イヤァアアアアアアーッ!!」最後のヒサツ・ワザ、ダトツ・ヅキである!「キリステ・ゴーメン」ダークカンムスがベッピンを水平に構えた。刃が小刻みに揺れる…



消えた。ダークカンムスが。

直後、ムツの胸は装束ごと斜めに切り裂かれていた。数秒遅れて、ツーハンデット・カタナブレードツルギが半ばからへし折れ、彼女の傷口からは血が迸り出た!「グワーッ!」「これがデス・キリです」ダークカンムスは振り返り、カタナを納めた。

ムツはよろめいた。なんとか倒れずに堪えようとした。だが、無理だ。流れる血とともに力が抜けてゆく。彼女は海面にガクリと膝をつき、ツーハンデット・カタナブレードツルギを取り落とした。それは折れた刃と共に海に沈んでゆく。

「これで終わりです、ハイクを詠んで下さい」ダークカンムスはムツの背後でベッピンを構えた。彼女はムツからのダメージにより息こそ荒いがただ無感情に冷たい眼は寸分も変わっていなかった。「ハァーッ…ハァーッ…」ムツはもはや抵抗できない。彼女のカラテは完全に尽きた。

「イクサで沈む/何でだろう/あまり悔しく…悔し…く」ムツはハイクを詠もうとした、しかし姉や親友たち…コドモ提督たちの顔がソーマト・リコールめいて浮かぶとハイクは最後まで詠めなかった。「…ハイクは要らないわ」ダークカンムスは無言でベッピンを振り上げた。

(ごめんね…みんな、許して。私は…)ムツの眼から一筋の涙がこぼれた。ダークカンムスはベッピンを振り下ろした。「イヤーッ!」カイシャク!「サヨナラ!」ムツは大爆発四散した。

ダークカンムスはしばしザンシンした後、ムツが確かに大爆発四散した事を確認する。「任務が完了しました。至急回収チームを送って下さい」懐から小型IRC端末を取り出し短い通信を終える。そして大破したムツの身体を担ぎ上げ近くの岩場に寝かせると自分の傷を応急修理キットで治療し始める。

彼女は応急治療を続けながらムツと対峙した時の事を思い返す。仲間へのセンチメントなどダークカンムスは元々持っていない、ムーホン者を罰する懲罰騎士には必要ないからだ。しかしなぜ自分は歩みを止めてしまったのだろう?「姉妹」という言葉を聞いた瞬間に。

姉妹、それは自分と同じネームシップの事、ただそれだけだ。しかしなぜ自分はあの時止まってしまったのか?姉と妹がいるのは覚えている。しかしどんな艦娘だったかは霞がかかったように思い出せない。

いや、思い出す必要もないのだろう。ただ自分はロードのためにある。自分はロードのカタナなのだ。カタナは持ち主の意思により振るわれ、血を流す、それが使命なのだから。「…全てはロードのご意思のままに」ダークカンムスは静かに呟いた。

そして治療を終えるとダークカンムスはダメージの回復のためにアグラ・メディテーションを行う。「…激しく資材を消費する。ほとんど違法行為で解体行為…」しばらくすると彼女は完全に無意識のうちに名前も知らぬ歌を口ずさんでいた。まるで記憶のノイズめいて。

【キックアウト・ザ・ニンジャ・テイトクファッカー】終わり

◆提督がソウリュウをなんかしたのでタイトル通りということですね?続きをやるまでは備えよう。質問とかすればいいと思う◆

◆艦◆カンムス名鑑#29【軽巡洋艦クマ】ネオサイタマ・チンジフ所属、レクリエーション長を務める艦娘。組織内におけるイベントや温泉旅行の企画には非常に熱心だが他の日常業務には熱意が感じられない。よく提督にチョップされる。なお妙な口調はソウル由来のものでこのような妙な口調の艦娘は割と多い。なおカラテは意外と優秀であり、ベア・カラテの油断ならぬ使い手◆艦◆

( 一)<ドーモ、ザ・ヴァーティゴです!俺もコミックマーケットっていうのに行ってみたんだが凄かったぜ!特にスキャッター=サンのコスプレ、あれは実際本人だね。

>>340
クローン駆逐艦のコピー元が気になる
レジェンド駆逐艦とかいるのかな?

( 一)<クローン駆逐艦やクローン軽巡洋艦ってのは機械化されたバイオ生物らしいぞ。その生物の遺伝子を利用して生産しているらしいしオリジナルとかはいないんじゃないかな?このクローン技術はヨロシサンが関係してるらしいけど…

>>536
センダイ=サンがニンジャだと知っていても失禁してしまうのか

( 一)<どうやらカンムスソウルには潜在的なニンジャへという概念への恐怖心が刻まれているらしい。ヒュウガ=サンなどの凄腕ならともかくニュービーや混乱している子達がNRSを起こしてもしょうがないんじゃないかな?ちなみに失禁は作者=サンの趣味ではないぞ。たぶん。

>>260
処女に強制前後は提督のカラテ魚雷ケジメ案件では?

( 一)<うーん…彼自身も襲われた子も覚えていない事が殆どだし、むしろ逆に考えるんだ、一夜の過ちなんてロマンチックだ…と。それにアタゴ=サンだってある意味幸せそうな…ん?待てよ!?あれはまさかミーミーじゃないか!?俺は本物じゃないのに!とにかく次の話は来週中にはやるみたいだ。それじゃあこれにてアディオス!

◆艦◆カンムス名鑑#30【重巡洋艦ミョウコウ】ネオサイタマ・チンジフ所属、四人姉妹の長女。礼儀正しく丁寧な物腰でありボーを用いたカラテにも長ける。優れた任務成功数を誇るが、なぜか帰還するといつも中爆発四散している。その姿は極めて躍動的。激突事故においてハツカゼのトラウマ◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#31【重巡洋艦アシガラ】ネオサイタマ・チンジフ所属、通常任務だけでなくニュービー艦娘の座学指導のメンターを務める事も多い。聡明な艦娘だが自分の若さを主張して惜しまない。その姿は極めてキャリアウーマンめいている。◆艦◆

◆お久しぶりドスエ。今日の午後から更新するドスエ。備えるドスエ。◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

【システム・オブ・チンジフ・ストラグル】#1

(親愛なる読者の皆さんへ : 更新しようと思いましたがSS速報のサーバーがばくはつしてしまったのか知りませんがレスが読み込まれなくなってしまいましたのでやめました。とりあえず作者をケジメしておいたのでごあんしんください。再開は今日やると思われる。)

◆再開するが明日の朝をまたぐとおもわれるのでごりょう承ください。再開する◆

午前6時、未だ空は薄暗いが、ここキョート・チンジフのグランドマスター、ビスマルク派閥の艦娘たちにとっては違う。朝の兆しだ。

ドージョーに備え付けられた青銅の鐘が百八度打ち鳴らされると、彼女たちはタタミのしかれたこのドージョーに大声を上げて、全力疾走でエントリーする。

「ワーアアアアー!」「ワーアアアアー!」「キーエエエエー!」「アーアアアアーアー!アッ!アイエッ!」ドージョーの四方を囲む朱塗りのフスマを勢いよくはね開け、一斉に艦娘たちが飛び出してきた。勢い余って転ぶ者もいる。

そしてそのまま彼女たちはチェス駒めいて等間隔に整列する。そしてドージョーの上座にアグラしていた艦娘…軍服めいた装束に身を包んだグランドマスター、ビスマルクがゆっくりと立ち上がった。

ビスマルクは無言で整列する部下の艦娘たちの前を歩き始める。やがて一人の艦娘の前で止まった。グランドマスターを目の前にした艦娘、レーベは思わず身を竦めた。

ビスマルクはしばしレーベを見つめた後、静かに口を開いた。「今回の夏イベント…一部の提督は第五海域を解放できなかった」部下の艦娘たちがさらに叫んだ。「その心は!」…禅問答だ!ビスマルクは未だレーベを見つめている。

「ハ…ハイッ!」レーベ(なお彼女はくれぐれも女性である)は背をぴんと張って返事した。「演習で4回B勝利以上がとれないからです!」「バカ!」ビスマルクはレーベの頬を平手で打った。「ンアーッ!」なお、これは禅問答であるため、答えの内容に関係なく、罵りと張り手は飛んでくる。

「なかなか良い返答です。成果がでていますよ」ビスマルクは満足げに微笑む。「は、ハイ!アリガトウゴザイマス!」レーベも涙目になりながら答えた。(なお彼女はくれぐれも女性である)

「禅問答…茶道、日本の文化は素晴らしい!これを極めれば私たちはさらにブッダに近づけるはずよ!」ビスマルクは十字を切ってブッダに祈りを捧げた。彼女はドイツ生まれにして日本のブディズムに傾倒していのだ。

だが部下の艦娘たちは口をつぐんだまま整列している。少しでも動いてしまったら列の周りを歩き回っている艦娘、プリンツに木製の打撃武器であるケイサク・メイスを肩に叩き込まれるからだ。即ちこれはザゼンの一種である。

「もうすぐネオサイタマ・チンジフへの宣戦布告と共に攻撃が行われるわ…あなたたち!その命をロードに捧げなさい!」「「「「ハイ!!」」」」その声には一切のズレもない!異常ともいえる忠誠心を感じさせる。

「prima !(すばらしい)それでは毎朝の日課の108回チャントを捧げるわよ!ガンバルゾー!」「「「「「ガンバルゾー!」」」」「声が小さい!私一人より声が小さいわ!ガンバルゾー!!」「「「「「ガンバルゾー!!」」」」」「ガンバルゾー!!」「「「「「ガンバルゾー!!」」」」」城内に禍々しいチャントが響き渡る。キョート・チンジフに、朝が来た。

【KANMUSLAYER】

◆午後な〜◆

◆明日にまたぐと思われる。ごりょうしょうください◆

【KANMUSLAYER】

ビスマルクたちのバンザイチャントから数時間後、所変わってここはキョート・チンジフの大浴場。この奥ゆかしく荘厳なフジサンが描かれた風呂は修理のために使われる入渠ブロとは違う。

この浴室は修理のための入渠ブロとは違いキョート・チンジフの威光を示すための施設の一つである。そしてこの浴槽を朝一番で使うことのできる神聖な儀式、アサブロ・リチュアルを行うことができることが許されているのはグランドマスター位階の艦娘だけである。

「ふぅ…ククク…」そして今浴槽に浸かりながら防水加工のされた扇子をパタパタと動かし、不敵な笑みを浮かべる艦娘はグランドマスターのひとり、トネである。

彼女は7人のグランドマスターの中でも特に多人数の部下たちを抱える派閥のトップである。トネは貴族めいた立ち振る舞いで自身の威厳を示してきた、その末にグランドマスターの地位を得たのである。(クク…おっと!奥ゆかしくない立ち振る舞いじゃ!だが致し方もなし…ロードがワシに任せてくれたのだからなあ!クックック!)トネの扇子を振るう速度がさらに速まる!

>>785の文で「ことが」が被ってしまったことがあったのでケジメすることができました。再開することができました◆

(そうじゃ!ロードの期待に応えることができるのはこのワシだけ!ワシだけなのじゃッ!!いずれはタイホウ=サンの役職はこのワシに…!)トネの防水扇子を振る速度が霞み始めたその時、唐突に浴室の防水フスマがガラガラと勢いよく開けられた!「アイエッ!?」トネは驚きのあまり浴槽内で身体を滑らせ後頭部を強打した!「グワーッ!?」

浴室に唐突なエントリーをした者は…浅黒く焼けた肌、まとめられた白髪、鍛え上げられたしなやかな身体と豊満な胸!そしてその蛇めいた鋭い眼を持つ艦娘はグランドマスターのひとり、ムサシである!「おう?なんじゃトネ=サン!おったのか!」そしてトネの胸は平坦だった。

「グ…グワ…ドーモ…ムサシ=サン」後頭部をさすりながらトネは防水扇子の後ろで表情を歪ませた。まったく奥ゆかしくない振る舞いである、そもそもこの女と自分は住む世界が違うのだ!トネはムサシのことを蛇蝎のごとく嫌っていた。「ハッハッハ!足でも滑らせたか?シツレイするぞ」ムサシはザブザブと湯船に入ってきた。その身体には手ぬぐい一枚も身にまとっておらぬ!なんたる全裸か!?

「ハァーッ…やはりフロは気持ちがよい。ほれ!トネ=サンも飲むか?」そしてムサシは湯船に浸かりながら持ち込んだホット・サケを飲み始めた。ちなみに現在の時刻は午前8時である。「いえ…謹んでご遠慮させて頂くのじゃ、この後大切な任務があるのでな」トネはひきつる笑顔のまま丁重に断った。

「ほう?まさかロード直々の任務というヤツか」「耳が早いですなムサシ=サン、その通りじゃ!このワシが承ったのだ!ロード直々の任務をな!」トネはなるべく自分が大きく見えるように胸をそらした。「チョージョー!同期の身としても鼻の高いことじゃ!ハッハッハ!」ムサシはさらにホット・サケをあおった。アナヤ!二杯目である!

豪快に笑うムサシを見ながらトネは防水扇子の後ろで優越感に顔を歪ませた。この女の性格!立ち振る舞い!湯に浮かぶ豊満な胸!すべてが気に入らぬ!なにより口調も被っているのだ!「ではワシはシツレイする…任務準備をしなければならないのでな」いつかこの女を見下せる程の役職についてやる!トネの野心はグランドマスターの中でも底なしであった。

(フン!イクサオニと呼ばれる程のワザマエを持っているとしても所詮イクサ狂いの狂人よ!政略は知力を持つものが勝つのじゃ!いずれワシの元に部下としてこき使…)トネが立ち上がり湯船を出ようとしたその時…トネの足が湯船の中に何かにぶつかった!「グワーッ!?」ナムアミダブツ!トネは転倒し額を浴槽の縁に強打した!

「あ、ゴメン」トネが足を取られたのは人知れず湯船に浸かっていたグランドマスターのひとり、ウンリュウの足であった」「なんじゃお前もおったのか」「ウン、トネ=さんより先に入ってた」ムサシと平然と会話をするウンリュウの胸は豊満であった。(ぐぐぐ…!こやついつの間に!?相変わらず存在感の薄いヤツじゃ!)トネは額をさすりながら涙目で悪態をついた。しかしトネの胸は平坦であった。

「おう、大丈夫かトネ=サン?痛み止めにサケ飲むか?」「ごめんね」二人の言葉を背に受けながらトネはずかずかと歩きながら湯船を出た。「問題ない!シツレイするのじゃ!」トネは憤りと恥ずかしさのあまり防水扇子がへし折れるほど手を握りしめた。それが悟られぬようになるべく堂々と歩きながら。

「おうおう!任務中にこけるなよ平坦将軍殿!」「チクマ=サンに迷惑かけちゃダメだよ」トネは二人の声を遮るように防水フスマをピシャリと閉めると脱衣所で予備の扇子で激しく自分をあおぎはじめた。(ぐぬぬ…!見ておれイクサ狂いに浮雲娘め!ロードの寵愛を受けるのはこのトネひとりのみなのじゃッ!)

【KANMUSLAYER】

◆艦◆カンムス名鑑#32【駆逐艦レーベレヒト・マース】キョート・チンジフ所属、グランドマスタービスマルク派閥のアデプト位階の艦娘。通称レーベ。最近アプレンティス位階を脱したばかりであり自分の派閥の風習への戸惑いをぬぐい切れていない。光化学迷彩フロシキを用いた偵察任務は得意だがカラテは苦手。(なお彼女はくれぐれも女性である)◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#33【重巡洋艦プリンツ・オイゲン】キョート・チンジフ所属、グランドマスタービスマルク派閥のマスター位階の艦娘。ビスマルクの副官めいた立場にあり、その行動をサポートする。噂では夜の生活もサポートしているらしい。主武装である黄金マニ装飾ガトリングガンは殺戮をしながら功徳を積む事が出来るアブハチトラズな兵器である◆艦◆

◆多分夜な〜◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

「…でだ」沈黙が支配したこの会議室で最初の声を発したのは提督だった。ヒュウガとカガを除く全ての部門長の艦娘、そしてハツカゼがこの部屋にいる。一人の和服めいた装束を着るツインテールの艦娘を囲んで。

「コイツが言っている事にウソ偽りは無いか?ハツカゼ=サン」言葉をかけられたハツカゼは閉じていた目を開く。「…感じない。そういう感情はこの人からは感じられないわ」そう言ってハツカゼはソウリュウの肩に乗せていた手を離した。「つまりソウリュウ=サンの話の通りだとキョート・チンジフは今、わけのわからん小娘がトップにいる…という訳か」「ハ、ハイ…」ソウリュウはおずおずと答える。そしてなぜか提督の視線を避けるように目をそらした。

提督は片眉を上げてソウリュウにグイと顔を近づけて睨み付けた。「おい、何故目をそらす?真実を言っているのになにかやましいことでもあるのか?「そっ!そんなこと…ないです。アア…」提督に顔を近づけられたソウリュウはなぜか顔を赤面させて涙目になる。「まあまあ提督=サン、そこまでにしておきましょう」タツタが奥ゆかしくたしなめた。「ヒッ!」しかしソウリュウはなぜかタツタの笑顔を見たとたんさらに目を潤ませた。

「まって下さい提督=サン!」耳をつんざくような大声が艦娘たちの中から発せられた。「そんなに大声で言わなくても分かる…室内でマイクをつかうのはよせ」「しかしこんなことは信じられません!なぜ新しい司令官に従っていたかを覚えていないなどと!」マイクを通さなくても十分に大きい声で異議を唱えるのは戦艦長のキリシマである。

「それにウソ偽りがないなど何故分かるのです!?それこそ信憑性に乏しいかと!」眼鏡を神経質そうに整えるキリシマに睨み付けられたハツカゼは肩身を狭そうに身を縮ませた。「ハツカゼ=サンには分かるんだよ、そういうジツだ。お前も治療を受けたことがあるなら分かるだろう」「ッ…しかし!」

提督はなおも食い下がろうとするキリシマの肩に手をおくと静かに諭した。「落ち着け。コンゴウ=サンが消息不明、しかも残りの姉たちがキョートにいるのを不安がる気持ちは分かる。だが今の状況で俺たちの情報は限られているんだ」提督に見つめられたキリシマは静かに目を伏せ押し黙った。

「あ…あの、アタシのジツって一体何のことなのか…」ハツカゼはおずおずと質問する。「そのことについてはまた今度だ、ご苦労だったな」そう言って提督は部門長たちに向きなおった。「何かお前たちも意見はあるか?」

「しかしソウリュウ=サンの言うことが正しいとしてもあり得るのでしょうか?キョートの司令官が突然成り代わってしまったなどと…」思慮深げに疑問を投じたのは教育部門長のアシガラだ。彼女はこのチンジフでも古参の知識人である。「確かにそうですね、キョートにいらっしゃる方たちも疑問を感じなかったとしたら大変に不自然です」クローン妖精部門長のオオヨドもそれに続いた。

「う~ん…普通に考えたらおかしいわね」「キョートのみんなが突然おバカさんになっちゃったんじゃないクマ?」他の部門長の艦娘も互い互いで意見を交わし始める。「…もし」にわかにざわめき始める室内に言葉を投じたのはまたしても提督であった。「それもすべて正体不明の司令官の…ジツだったらどうする?」

【KANMUSLAYER】

◆記憶ないということは罪もないという解釈もできるのではないだろうかなあ。夜な◆

◆明日の朝をまたぐとおもう。◆

【KANMUSLAYER】

「アバーッ!サヨナラ!」カガのレップウが直撃した軽巡ツ級は爆発四散した!「フゥーッ…」しかし当のカガには少しの疲労も見られない。ただ静かに息を吐いてザンシンした。

カガは自分の数メートル付近で行われているもう一つのイクサに目をチラリと向けた。「イヤーッイヤーッ!」「グワーッグワーッ!」カガは加勢しない。終わりが近いと判断しているからだ。

「イヤーッ!」カコが放ったカラテストレートを受けた軽母ヌ級はワイヤーアクションめいて吹き飛ばされた!「グワーッ!」そしてその吹き飛ばされた先には…「もらいましたわッ!インダストリ!」フソウの大口径カラテ砲が爆煙を放ち軽母ヌ級に命中する!「サヨナラ!」爆発四散!

「敵のバイタルサインが消失!完全制圧ね」後方支援をしていたアガノが小型IRCを操作しながら戦闘を終えた3人に合流した。「フー…あんま手ごたえなかったぜ!数だけであたし達を押しきろうなんてあめーんだよ!」カコは得意げに鼻をかいた。

「これもオムラのインダストリが導いた勝利ですわ…モーターヤッター!」フソウはオムラ本社の方向に向かってバンザイ・チャントを行っている「アガノ=サン、通信は回復した?」旗艦であるカガはフソウの様子を気にも留めず自分の小型IRCを操作しながら問うた。

「うーん、やっぱりダメだわ。チンジフとの通信ができない」アガノは小型IRCの電波を調整するが画面の『通信エラードスエ』の文字が消えることはない。「普段は電波の行き届きにくい海域でもないのに…磁気嵐でも起こってるのかしら?」「…そうね」

カガは沈思黙考する。しかしすぐに結論を出しいち早く帰投する事が先決であると判断した。彼女は沈着冷静な性格であり旗艦としての能力も非常に優れている、ボーキ成分さえ切れていなければ。

「敵の反応が消失ってことはあの数のクローン駆逐艦もクローン軽巡洋艦も片付いたのか?流石アネ…」「ち、ちょっと待って!!」小型IRCを操作していたアガノは帰投に向けて準備しようとする3人を引き止めた。「どうしたのですの?まだ敵の残党が!?」フソウは大口径カラテ砲とミニガンを再度展開する!

「これは…6つのカンムスソウル反応!?こっちに高速で接近してくるわ!」「へ?なら味方じゃねーか。その6人も任務の帰りだろ!帰路がたまたま偶然…」「違うわ」カガは短く答えた。「へ?だが艦娘ならあたし達の味方だろ?」カコは訝しんだ。

「何かがおかしい、この識別信号はネオササイタマのものじゃないわ」「ということは…まさか!」フソウが何かを言おうとした瞬間、アガノの操作していた小型IRCに巨大な熱源反応が現れた。「!」アガノが驚いてその方向に目を向けると…凄まじい勢いで巨大な火球が迫ってきているのである!

「み、みんな!避けてーッ!!」アガノが叫んだ瞬間、3人は返答のかわりに後退バックフリップする!「「「イヤーッ!」」」ゴウ!3人が先ほどまで立っていた場所を巨大な火球が通過する!海面が一瞬蒸発する程の温度だ!アブナイだった。

「うおーっ!?何だ!?何だこりゃいきなり!!」体制を立て直したカコは後方で爆発する火球を見やった。「この攻撃の方向は…ソウル反応の方向と同じ方向から!」フソウは火球が飛んできた方向に向き直る。しかし…すでに3人の手の届く距離に何者かが踏み込み、チョップを振り下ろした。旗艦であるカガに向かって!「イヤーッ!」

「イヤーッ!」しかしカガは危なげなくこれをガード!バックフリップを終えた瞬間彼女はすでにいかなるアンブッシュにも対応できるように神経を張り巡らせていたのである。なんたるカンムス状況判断か!「イヤーッ!」襲撃者は追撃の回し蹴りを放つ!「イヤーッ!」カガは左手ブレーサーで受け止める!ブレーサー越しでも骨が軋むほどの威力の蹴りだ!しかしカガの表情は変わらない。

アンブッシュを終えた襲撃者は後方ジャンプで飛び離れ、その着地点にいたもう1人の艦娘と共にアイサツした!「ドーモはじめまして!私はヒエイです!」巫女服めいた装束にショートカットの黒髪の艦娘は礼儀正しくオジギした。

「ヘル・オー!ネオサイタマチンジフの皆さん!キソです」もう一方の眼帯をつけた艦娘は挑発的なキツネ・サインを掲げて凶暴な表情でこちらを睨んでいる。その首に巻かれたマフラーには『地獄お』のプリント。

「ドーモ、カコです!何だテメエらいきなり!?」カコはナックルダスターを取り出し、ボックス・カラテの構えをとる!「フソウです、なんのつもりですか!組織は違うといえど味方である私たちに攻撃するとは何事!」フソウも全砲門を二人に向けた。

「私はアガノです。この識別信号は…キョート・チンジフの!?」「そうさ!アタシたちはキョートのモンだ!」キソは今にも噛みつきそうな表情で答えた。「…カガです。この事はコドモ提督=サンは知っているの?それともあなた達の馬鹿げたムーホン?」カガは正面からキソの視線を受け止める。

「クックック…ムーホン?コドモ提督?それこそ馬鹿げた考えじゃ」ヒエイとキソが道を開けるとそこに歩いてきた艦娘が侮蔑的に4人に視線を巡らせる。「あなたは…」「ドーモ…下賎なネオサイタマ・チンジフの皆さん、トネです。ロードの命によりこの海域は我らキョート・チンジフが頂くのじゃ!」トネは扇子を突きつけた、まるで宣戦布告めいて。

【KANMUSLAYER】

(親愛なる読者の皆さんへ : ヒエイの髪は黒髪ではなく茶髪ということとネオササイタマというキョト・チンジフに続くなぞの組織を生み出してしまったので作者は二回ケジメしました)

◆艦◆カンムス名鑑#34【戦艦ヒエイ】キョート・チンジフ所属、マスター位階。チンジフにおけるどの派閥にも属さない「シテンノ」のうちの1人。カラテの腕だけなら組織内でもトップクラスのワザマエを持つがその反面カラテ砲の扱いは不得意で真面目だがやや抜けている性格。金剛型姉妹の二女◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#35【軽巡洋艦キソ】キョート・チンジフ所属、アデプト位階の艦娘。直情的で血気盛んな性格をしており、やや素行不良娘である。両手に装備したカトン・ナックルによる火炎カラテを武器とする。片目には眼帯、首には「地獄お」とプリントされたマフラーを巻いている。平坦である。◆艦◆

◆今日の午後な?◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【KANMUSLAYER】

(これまでのあらすじ : カガを中心とした第二部隊は任務中終了の矢先、突然のアンブッシュを受けた!その正体キョート・チンジフのグランドマスタートネの部隊であった。なぜ同じ艦娘が!?これまでもサヴァイヴァー・チンジフなる独立部隊は存在したが今回はキョートからの刺客ということがあからさまなのである!)

カガは敵の大将であるトネのことを思い出そうとした。合同会議の場で顔を合わせた事があるがその時と変わった様子は見られない、前も今も変わらず口元を扇子で扇いでいるのだ。しかしネオサイタマの領海を奪うと堂々と宣言したのである!

「どうやら冗談を言っているわけではなさそうね」カガは静かにコウクウキ・ボウを構え、トネに突きつけた。「無礼者が!このグランドマスターであるワシの言葉を冗談とな?その言葉を宣戦布告とみなすのじゃ!」トネが片手を真横に突き出すと彼女を守るように新たに2人の艦娘の一艇の鬼瓦クルーザーに立つ艦娘がエントリーする!

「ズイホウです」「キヌです!」ショートボウを持った平坦な艦娘と両腕にカラテキャノン・ブレーサーを装備した艦娘がアイサツした後、鬼瓦クルーザーに立つ艦娘も続いてアイサツした。「クマノですわ!話に聞いた通りですわね、すぐに武器を構えるとはなんと無礼千万な方々でしょう!」

彼女は古代ローマカラテの使い手である!「野蛮なネオサイタマの皆様!わきまえなさって下さいまし!?キョート・チンジフの中でも最も高貴なあたくしたちの派閥の前に道は無し!道とはあたくしたちが通りし後にできるものなのですわ!ゆえに…」「全く意味が分からないわ。黙っていて頂戴」カガはクマノの方を見ずに吐き捨てた。クマノは出鼻をくじかれ、悔しげに言葉を呑んだ。

「まあそうかっかするものではないぞ?クマノ=サン」トネは嫌味たらしくカガたちに視線を巡らした。「貴様らは6対5というただでさえ不利な状況から…さらに苦境に対することになるのじゃからなあ~!」トネが鬼瓦クルーザーに合図を送るとクルーザー内から大量のクローン妖精が溢れ出した!「ざっけんなこらー!」「ざっけんなこらー!」「すっぞこらー!」

しかもこのクローン妖精たちは通常のクローン妖精ではない。サイズは一回りも二回りも大きく手にはヤクザガンやヤクザアサルトライフルを持ち、おそろいのヤクザサングラスを身に着けたクローンヤクザ妖精なのだ!「「「「「「ざっけんなこらー!!」」」」」」カガ達第二部隊はあっという間にクローンヤクザ妖精たちに包囲されてしまった!

「そんな…クローン妖精を戦闘利用することは禁じられているはずなのに!?」アガノは口元に手を当ててこの非道な行いに戦慄した。「使えるモノは全て使うのがあたくしたちのやり方ですわ!これで多対5というわけですわね!おおほほほ!!」この状況に気を取り戻したクマノが高らかに笑った!「チクショウ!調子乗りやがって…でもこれは実際ヤバイぜ!」「オムラのインダストリを持ってしてもこの量は多すぎますわ!」カコとフソウは背中合わせにカラテ警戒するがさらにクローン妖精はクルーザー内から続々と出てくる。

ナムアミダブツ!なんたる数の暴力か!第二部隊は一瞬にして背水の陣めいた苦境に立たされてしまったのだ!押し黙ってしまったカガに対しクマノは勝ち誇ったように彼女を見下した。「あらあらあら!戦意喪失ですの!?今ならドゲザし、ロードに忠誠を誓えばあたくしたちの派閥での下働きに」「…言ったわよね、あなた」しかしカガはクマノの口上を遮るように静かに呟いた。「エ…?」「多対5って、それは間違いよ。実際…」

「え?アバッ」カガの言葉に怪訝な表情を浮かべたクマノは次の瞬間鬼瓦クルーザーごと中に残っていたクローンヤクザ妖精ごと叩き潰されていた。空から落ちてきた、巨大な鉄塊に!「イヤーッ!」「サヨナラ!」クマノは鬼瓦クルーザーごと大爆発四散した!

(親愛なる読者の皆さんへ : 更新するにあたり途中のレスで人数のカウントミスがありました。訂正部分から改めてレスをしますのでご了しょう下さい。)

「まあそうかっかするものではないぞ?クマノ=サン」トネは嫌味たらしくカガたちに視線を巡らした。「貴様らは6対4というただでさえ不利な状況から…さらに苦境に対することになるのじゃからなあ~!」トネが鬼瓦クルーザーに合図を送るとクルーザー内から大量のクローン妖精が溢れ出した!「ざっけんなこらー!」「ざっけんなこらー!」「すっぞこらー!」「ちぇらっこらー!」

しかもこのクローン妖精たちは通常のクローン妖精ではない。サイズは一回りも二回りも大きく手にはヤクザガンやヤクザアサルトライフルを持ち、おそろいのヤクザサングラスを身に着けたクローンヤクザ妖精なのだ!「「「「「「「「「ざっけんなこらー!!」」」」」」」」」カガ達第二部隊はあっという間にクローンヤクザ妖精たちに包囲されてしまった!

「そんな…クローン妖精を戦闘利用することは禁じられているはずなのに!?」アガノは口元に手を当ててこの非道な行いに戦慄する。「使えるモノは全て使うのがあたくしたちのやり方ですわ。これで多対4というわけですわね!おほほほほほほほほほほ!!」この状況に気を取り直したクマノが高らかに笑った!

「チクショウ!調子乗りやがって…でもこれは実際ヤバイぜ!」「オムラのインダストリを持ってしてもこの量は多すぎますわ!」カコとフソウは背中合わせにカラテ警戒するがさらにクローン妖精はクルーザー内から続々と出てくる。

ナムアミダブツ!なんたる数の暴力か!第二部隊は一瞬にして背水の陣めいた苦境に立たされてしまったのだ!押し黙ってしまったカガに対しクマノは勝ち誇ったように彼女を見下した。「あらあらあらあらあらあらあら!戦意喪失ですの!?今ならドゲザし、ロードに忠誠を誓えばあたくしたちの派閥での下働きに」「…言ったわよね、あなた」しかしカガはクマノの口上を遮るように静かに呟いた。「多対4って、それは間違いよ。実際…」

「え?アバッ」カガの言葉に怪訝な表情を浮かべたクマノは次の瞬間鬼瓦クルーザーごと中に残っていたクローンヤクザ妖精ごと叩き潰されていた。空から落ちてきた、巨大な鉄塊に!「イヤーッ!」「サヨナラ!」クマノは鬼瓦クルーザーごと大爆発四散した!

「ファック!?何だありゃ!」「ひえーっ!クマノ=サン!?」驚愕するキョートの艦娘達たちの視線の先には巨大な鉄塊…いや!それは10フィートに匹敵する大きさの錨である!そしてそのオバケじみた錨には鎖が繋がっており、それを空中から投擲した小さな影がクルーザーの上に着地する。

そして粉塵の中露わになったその姿は「タタキブツシテタオス」ルーンカタカナで刻印された巨大な錨と、おお…ゴウランガ!そこにいたのは口元に豹の牙を模した白銀のメンポをつけた駆逐艦娘である。その小さな体躯でこの巨大な錨を担いだまま20mは跳躍し、空中で投擲したというのであろうか!?「ドーモ、ヤヨイです」彼女は無感情な目でオジギした。

「ヤヨイ=サン!」「潜伏していたのですね!」「流石姉貴だぜ!これで百人力だァー!」ヤヨイは味方たちの言葉に小さく頷くとタタキブツシテタオスを担いだまま跳躍し、カガの横に着地した。トネは爆発炎上する鬼瓦クルーザーを見て眉をひそめる。(ヌウッ…あれはネオサイタマの英雄ヤヨイ=サンか!ちと想定外じゃ…だが)

「どう?これで多対5になったでしょう。それとも雑兵を除けば5対5かしら」「ぬかせ下郎め!圧倒的な戦力差は変わりないのじゃ!者ども…」トネが閉じた扇子を掲げると部下たちは戦闘態勢をとる!もちろん第二部隊もだ!「…かかれぃ!」「「「「「「「「「イヤーッ!」」」」」」」」多数のシャウトが一斉にかち合う!ここにネオサイタマ、とキョートのイクサの火蓋が切って落とされたのである!!

【KANMUSLAYER】

◆艦◆カンムス名鑑#35【軽巡洋艦アガノ】ネオサイタマ・チンジフ所属。阿賀野型姉妹の長女だがチンジフに着任してそれほど経っておらず戦闘は不慣れ。自分よりも先に着任し、軽巡洋艦長に抜擢された妹のヤハギを誇りに思っている。イクサにおいては搭載数の多さを生かした後方支援を行う。◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#36【重巡洋艦カコ】ネオサイタマ・チンジフ所属。直情的でボーイッシュな艦娘。頬には絆創膏を貼っている。ナックルダスターを武器としたボクシング由来のボックス・カラテにより自在なフットワークで1対1の状況にアドバンテージを持つ。ネオサイタマの英雄と呼ばれるヤヨイを姉貴と呼びリスペクトを惜しまない。◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#37【軽空母ズイホウ】キョート・チンジフ所属、グランドマスタートネ派閥のマスター艦娘。スピードを生かした戦闘を得意とする。高速移動しながら容赦なくコウクウキを撃ち込む。他人にクールな印象を与えがちだが本人が極度の人見知りなだけである。◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#38【軽巡洋艦キヌ】キョート・チンジフ所属、アデプト位階。シテンノのひとりであるジュンヨウがメンターであったせいで物事を深く考えずにとりあえず暴力で解決しようとする単純な思考の持ち主。カラテの出来自体は荒いがダブル・キャノンブレーサーは実際強力◆艦◆

◆艦◆カンムス名鑑#39【重巡洋艦クマノ】キョート・チンジフ所属、グランドマスタートネ派閥のアデプト艦娘。古代ローマカラテの使い手であるが、作中そのワザマエを披露する機会が訪れることなどなかった。高慢で平坦である。艦◆

◆登場人物がおおいので名鑑がおおい。このスレに最後まで収まるかとふあんになりましたが次のスレに続けばいいと思ったので問題はございませんでした。今週中に続きはやると思う◆

◆お知らせ◆ 残りに収まるじしんが無かったのでたてました。

【艦殺(艦これ)】アトロオーシャン・イン・ネオサイタマオーシャン - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442646537/)
なおこのタイトルの元ネタが分かるヘッズの皆さんは…備えよう

◆残りはメモ帳とか質問とかに使えばいいと思う。html依頼も出しておくのでごあんしんください。以上です◆

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom