マミ「助けて」 (50)

(人はどんな時に後悔するのだろう)

(過去の過ちを認めた時か)

(それとも未来の可能性を感じた時か)

(それは誰にだってわからない)

(分からないけれど、少なくとも、私は)

(私だけは過去から未来にかけてずっと)

(きっとずっと後悔し続けるだろう)


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(後悔し続けてし続けてし続けて)

(そんな私はどうやって生きればいいの?)

(私にとって、理想の世界はあるの?)

(いいえ、もうとっくに分かってる)

(私に理想の世界なんて、ない)

(希望と絶望のバランス)

(あぁ、そう言う事か)

(世界は残酷なほどに、平等なんだね)

(不気味なほど、釣り合ってる)



杏子「どうだい?魔女狩りはなれたかい?」

さやか「んー、まぁぼちぼちってとこかな」

ほむら「私に言わせるとまだまだね」

さやか「なんだと!」

まどか「ふ、2人とも…喧嘩しないでよぉ…」

杏子「あー、無理だぞ、まどか」

杏子「こいつらは犬猿の仲だからな」



ほむら「それはむしろあなたとさやかでしょう」

さやか「あー、確かに杏子は犬だね」

杏子「お前は猿じゃねぇか!」

さやか「なんだと!」

杏子「何だコラァ!」

マミ「…もう」

マミ「2人とも、ふざけてないでさっさとかえるしふざけてないでさっさと帰る準備してね」

杏子「けっ」

さやか「ぬぅ」



マミ「暁美さんも茶々を入れてはダメよ」
マミ「美樹さん、最近とっても上手になってるわ」

ほむら「…そうかしら」

マミ「そうよ」

ほむら「私はまだ認めていないわ」

杏子「認めてないのにあの超ド級魔女を倒してぇえええって言ってたのか」

さやか「ぷくく…私一人じゃもうワルプルギスは倒せない…」

ほむら「や、やめてぇ!」



杏子「冗談だよ、ほむら」ニヤニヤ

さやか「意外といじりがいがあるから可愛いよね」ニヤニヤ

ほむら「…ふん」

マミ「…ふふ、じゃあ帰りましょうか」

杏子「おう、あたしあの甘いやつな」

まどか「私はこの前のあの酸っぱいのが飲みたいです!」

ほむら「…私もまどかと同じのが飲みたいわ」

杏子「えー、お前らマジかよ」

さやか「杏子の味覚はおこちゃまだからねー」

杏子「うるせぇ!」

マミ「…あはは」




杏子「…うまっ…」

さやか「マジ顔でいうのやめてくれる」

杏子「…何だこれ…ケーキとめっちゃ合う…」

まどか「杏子ちゃん…瞳孔開いてるよ…」
ほむら「…あぁ、でもとても美味しいわ」
マミ「ふふ、嬉しい」

マミ「沢山あるからもっと食べてね」

さやか「…年頃の乙女にこの時間のケーキはやばいと思うんですけど…」 

杏子「ん?さやか要らねーの?じゃああたしが貰うぞ」

さやか「あっちょ!食べないとはいってないでしょ!」

ほむら「はい、まどか、あーん」

まどか「えっ!?は、恥ずかしいよ…」

マミ「ふふ」




QB「やぁ、皆、今日もご苦労だったね」

ほむら「死ね」

QB「ひどいなぁ」

杏子「何しにきやがった」

QB「何しにも何も僕はここに住んでいるからね」

さやか「何を偉そうに言ってんのよ」

マミ「ま、まぁまぁ…」



ほむら「…マミもこいつを入れる必要なんてないのよ」

杏子「そーだぜ、こんな血も涙もないやつ」

杏子「魔女になるってことを知ってたら…」

QB「契約しなかったかい?」

杏子「…そ、れはぁ…」

QB「だろう?つまり、そう言う事だ」

さやか「開き直ってんじゃないっての」

QB「…やれやれ」




QB「佐倉杏子、確か君の信条は「魔法少女は、やむにやまれぬ事情を持つ者にだけふさわしい」だったね」 

QB「それは今でも変わっていないかい?」 

杏子「…まぁ、な」 

杏子「人間を捨ててでも叶えたい願い事があるならな」

QB「そしてそれは叶っただろう」

QB「つまり、そう言う事だよ」

さやか「どういう事だよ」

QB「双方にとって重要なのは、何を願い、そしてそれが叶ったか、それだけなのさ」



ほむら「と言って、「魔女になりたくない」とかいう願いなら叶えるつもりなんてないでしょう」

QB「…まぁ、まずそんな前例はないからね」

さやか「嘘がつけないから濁す、ほんとあんたって卑怯だよねぇ」

QB「卑怯かどうかは君が決めることじゃないよ」

ほむら「そうね、私が決めるわ」

QB「ダメだね、話が通じない」



杏子「…さて」

さやか「めちゃうまでしたよ!マミさん!」

まどか「ご馳走様でした!」

ほむら「…ご馳走様」

マミ「ふふふ、また来てね」

マミ「…また、たくさん用意しとくから」

「はい!」




マミ「…ふぅ」

QB「やれやれだね、マミ」

マミ「何が?」

QB「彼女達の僕に対する態度だよ」

QB「まどかは目すら合わせようとしない」

マミ「…それは、そうよ」

マミ「…だってあなたは、彼女たちに酷いことをしたんですもの」

QB「そうかな、やっぱり人間とは価値観が合わないね」

マミ「ふふ、そもそもあなたは価値観というものを持っているの?」

QB「持ってるさ」

マミ「そ、ならいいわ」



QB「…ねぇ、マミ」

マミ「え?」

QB「君はどうして僕をここに住まわせてくれるんだい?」

マミ「…」

QB「彼女たちにしたその酷いこと、とやらは君にも起こっているのに」

マミ「…そうね、確かに」

マミ「…私はあなたから魔女化の真実を教えてもらえなかった」

マミ「その時は、とても腹が立ったわ」

マミ「信じていた友達から裏切られたんだから」

QB「…友達、ね」

マミ「…けれどね」

マミ「例えそうだとしても、ノルマだろうが何だろうが」

マミ「…あの時私を救ってくれたのはあなただもの」

マミ「…ふふ、何て、単純かしら」

QB「…さぁ、どうだろうね」



マミ「一見複雑に見える物事、その本質は案外単純なものである」  

QB「はい?」

マミ「つまり、ね」

マミ「それでも、やっぱりあなたが好きなのよ」

マミ「たとえ裏切られても、嫌う理由になんてならない」

マミ「それが私なの」

QB「…それは愚かなことじゃないかな」

マミ「愚かでもいいのよ、悲惨でなければ」

QB「…そうかい」




マミ「…さぁて、そろそろ寝ましょうか」
マミ「…また、あしたも…早い…し…」コテッ

QB「…やれやれ、世話のかかる家主だね」

QB「毎回シーツをかける僕の身にもなってほしいな」

QB「…」

QB「…マミ、君は不思議だね」

QB「…僕らは嘘なんて付けないからね、正直に言うよ」

QB「…悪くない」




さやか「…さて、今日も今日とて頑張るか」

ほむら「…まどかは安全なところにいてね」

QB「まどか、いつも思うんだけれど結界の中に入ってくるのはどうなのかな」

QB「倒し終えるまで外で待っていた方がいいんじゃないのかい?」

まどか「…それじゃあ、皆が見れないじゃない」

QB「魔法少女の死体は残らない、か」

QB「大丈夫だよ、四人で戦えば勝てないことなんて…」

杏子「そんなことはほむらが許さねーだろうけどな、まどかは自分を保険にしてんだよ」

杏子「奇麗事だけどこれがお互いにとって一番の落としどころなのさ」

さやか「綺麗事上等!」

マミ「ふふ、そうね」

マミ「命を賭して綺麗事を!」ドヤ

ほむら(…マミ…)



魔女「…!」

マミ「…来るわ…!」

杏子「先手!!!」ダッ!!

さやか「必勝!!!」ダッ!!

ほむら「…全く、あの二人は…!」ドガガガ

マミ「サポートに回るわよ、暁美さん!」ダラララ!!

杏子「たぁぁぁっ!!!!」

さやか「てぁぁぁぁぁ!!」

QB「…」


QB「…はぁ」クルッ

QB「僕らとしては、早いところ絶望に落ちて欲しいところだけど」

QB「その心ぱ…兆候はないようだ」

QB「全く、今まで見てきたどんな宇宙生命体よりも脆いくせに」

QB「よくもまぁ、ここまで…」

QB「…まぁ、僕としてはもう少し君たちを観察しておきたいかな」

魔女「…ーーーーーー!!!」キィンッ!!

QB「…!?」  



QB「…なんっ、だいこれは…」

QB「…僕にまで作用する…これは…」

QB「…精神攻撃?」

QB「…感情のない僕らでさえこの疲労感…」

QB「…君たちはっ…」  

魔女「…ーーーーーー!!!」ゲラゲラゲラ

魔女「…ーーーーーー!!!」ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ

QB「…こんなものを生み出すのだから…人間は、本当に侮れない…!」

ズブズブズブ…




マミ「…あら」

マミ「…なに、これ…?」  

マミ「…うぅ、気持ち悪い…」

マミ「…上も下もない…変な感じ…」

マミ「…ん?何かしら…あれ?」

マミ「…光…?いえ、炎?」

マミ「…いけるかな…」スゥッ

マミ「…あ、動けた」




マミ「…子供の声…」

マミ「…これは…」

「…けて…助けて…」

マミ「…これは…」

マミ「…これ、は」

『そう、これは、あなたの罪』

『あなたの、過去』

マミ「…!?」

『こんにちわ、私』

マミ「…」



『助けて、助けて、ねぇ』

『ほら、見るといいわ、あれ』

『あなたの両親は即死、そして唯一生き残ったあなたも』

幼マミ「…っ…げほっ…けほっ」

『…死にかけてる』

マミ「…何が言いたいの?」

『何が言いたいかなんて、ここでは重要じゃないのよ』

『重要なのは、あなたが何を感じ取れるか、だけ』

『あらあら、小さい子の吐血は初めて見るわね?』

『内蔵が破裂して…胃袋より少し下あたりかしら?そしてその血液がそのまま逆流』

『小さい子にとってはとっても怖い経験よね?』

マミ「…だから、何?」



マミ「…そんなもの、もう乗り越えたわ」

マミ「絶望どころか、トラウマですらない」

『そうね、あ、ほら、契約するわ』

マミ「…」

幼マミ「助けてっ…!」

QB「いいよ、受け取るといい、それが君の祈りの形だ」

『…うっとりするくらいの黄色』

『綺麗ね?綺麗ね?うふふふふ』

マミ「…だからっ…!何を…!!!」





『言ったはずよ、私はあなたの罪だって』




『私はあなたの罪、私はあなたの過去、そして私は』

『あの日あなたが置いていったもう拾い上げることのできない、希望』

『どうして父親を助けなかったの?』

『どうして母親を助けなかったの?』

『どうして願えなかったの?』

『理由なんてない、それはただあなたが未熟だったから』

『私はあなたを映し出す鏡』

『あなたの過去は、あなたの罪は、少しずつあなたの心を蝕む』

『ほら、もうわかるでしょ?』

『私は』

『あなたよ』



マミ「…!!!」ガバッ!

マミ「…はぁっ…!はぁっ…!」

マミ「…ゆ、め…?」

QB「やぁ、マミ、起きたかい?」

マミ「…QB…私は…」

QB「暁美ほむらに運んでもらったんだよ」  

QB「彼女は何故か精神攻撃を受けることがなかったからね」

マミ「…精神、攻撃…」




QB「そろそろ杏子とさやかも目を覚ます頃じゃないかな」

マミ「…魔女は…?」  

QB「もちろん倒したよ、ほむらがね」

マミ「…そう」

私はあなたを映し出す鏡

マミ(…それは、つまり…)

私は

あなたよ

マミ(…私が後悔してると…言うこと…)




学校

(助けて)

(その願いは確かに叶った)

(だけど、考えたこともなかった)

(いえ、考えたくなかった)

(私が、自分の願いを後悔しているなんて)
(…そうか)

(あの時、私はあぁ願えば良かったのか)

(そうすれば…)

(…そうすれば…何かがどうにかなったんだろうか…)

『マミ』

マミ「…ひっ…!」

先生「ボーっとしてるんじゃないぞ、お前らしくない」

マミ「…あ…すいません…」



『クスクス…』

『…あいつだよ、あいつ』

『親を見殺しにした女』

マミ「…!」

『どんな思考してんだ?親を見殺しになんて…』

マミ(…や、めてよ…)

マミ(…だって…仕方が無いじゃない…)

マミ(…そんなの、思いつくわけないじゃない…!)

マミ(…誰だって…生きたいと…思うじゃない…!!!!)







『それは僕も同じだよ』

『私達も生きたかったわ』

『ねぇ、マミ』

マミ(…!!!!!!!)



『     』

『     』

マミ(…う、るさい…!)

『     』

マミ(…後悔してないわけ…ないでしょ…!)

マミ(…やめてよ…もう…やめてよ…!!!)




『この、親不孝者』

『お前の願いなんか、叶わなければよかったのに』





ガチャッ

QB「やぁ、マミ」

QB「…見たところ随分参っているようだけど」

マミ「…そう、かしら」

QB「…気を強く持った方がいいよ」

マミ「…そうね…」

マミ「…ごめんね、QB…今日は…もう、寝るわね」

QB「…やれやれだ」  

QB「一体何を見たのかはわからないけれど随分な反応だね」

QB「魔女は倒したというのに、君がまだ思い詰めてるってことは」

QB「それはつまり、君がまだ許していないって事なんだよ」




『あら、どうだったかしら?』

マミ「…魔女は…倒したと聞いたわ…何故…まだあなたはいるの?」

『魔女は単なるトリガーに過ぎなかったのよ』

『あなたが自分の罪を、自分の過去を、後悔を思い出すための引き金』

『まぁでもよかったじゃない』

『これでようやくひとつ知ることができたわね?』

『あなたに理想の未来は似合わない』

『未来永劫その業を背負ってしかるべきと言うことが』

マミ「…理想の未来…」



『そ、理想の未来』

『あなたが心の底から笑えて、心が安らいで、そして、最も幸せと考える世界』

『ふふ、後悔しっぱなしの子がそんな世界にたどり着けるわけ無いわよね?』

『いらっしゃい』

『そして、さよならを言うといいわ』

『あぁ、そうか』

『言う相手はとっくに死んでたんだっけ』ゲラゲラゲラ

マミ「いやぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!!!!」





『絶望に落ちろ、そして』 

『あなたも、死になさい』





杏子「…魔女の…呪いか…?」

さやか「…マミさん…」

QB「あまり彼女に触れないであげてくれよ」

杏子「魔法少女が呪われることなんてあんのか?」

QB「稀だけどね、前例がないわけではないよ」

QB「…というより君たちも同じ状況だったじゃないか」

ほむら「…マミ…」

QB「彼女が君たちよりも精神的に脆いのは知ってるよ」

QB「だからこそ、ドツボにハマってるんだろうね」




ほむら「…」シュァァァ…

QB「あまり汚れを取ることはおすすめしないよ」

QB「原因を取り除かないと堂々巡りもいいところだ」

QB「そこで、君たちを呼んだんだ」

QB「呪いを受け付けなかったほむら、そして自力で呪いを解いた二人」

QB「君たちにマミは救えるかい?」

杏子「…救う、とか、救わねぇ、とか、そんなんじゃねぇよ」

さやか「…私達はマミさんの友達だ」

ほむら「出来ることはそばにいることだけ」

QB「まぁ、何でもいいや、頼むよ」

QB「ソウルジェムに語り掛けるといい」

QB「テレパシーの応用さ、無防備な今のマミの精神の中ならたやすく潜り込める」



ドポッ

さやか「なんだ…こりゃ…」

杏子「…ひでぇにおいだ」

ほむら「…巴マミの精神世界…」

ズズズズズ…

さやか「…!」

杏子「…!」

ほむら「…成程」

ほむら「…私達の鏡ってわけ」



『ほんっとバカだよねぇ、親父も迷惑してただろうさ!』

『あんたみたいな出来の悪い娘を持っちゃってさぁ!!!』



『あはは、後悔なんてあるわけない?』

『馬鹿じゃないの!?こんなの私の理想じゃない!!!!』



『…何ですか?その喋り方…その目つき…その髪型』

『私を捨てて強くなったつもりなんですか?』






『『『死んでっ!!!』』』グオッ



杏子「…クッ…こいつ、ら…!!」

さやか「…気をつけて…!!2人とも…!」

ほむら「…ぐぅぅ…!!!」

『大体さぁ!分かってないよねぇ!』

『こんなのが私達の望んだ理想だっての!?』

『そんな世界なら、滅茶苦茶にするのも悪くないって思うんです』



『信じてたやつに裏切られた気分はどうだよ!?』

『他人のために祈った気分はどうなのよ!』

『進んで進んで繰り返して、それでも無に帰る気持ちはどうですか?』













杏子「…だから…何度も言ってんだろ…」

杏子「…後悔してる…って」



杏子「舐めんじゃねぇ、後悔してるよ」

杏子「あたしは…あたし達はガキん頃から今までずっとずっと後悔してるよ」

さやか「…答えなさいよ…!」

さやか「たった一つでも、過去に後悔したらもう理想の世界じゃないの?」

ほむら「過去に後悔したからといって、未来の可能性を諦める」

ほむら「私達の理想はその程度のものなの?」



杏子「ちげぇだろ!!さっさと起きやがれ!!マミィ!!!」

杏子「何が過去だ!何が未来だ!」

杏子「そんなしょうもねぇもんに頭使うくらいなら!今日の献立考えやがれぇ!!!」
さやか「誰だって考えればわかることだよ!!」

さやか「自分にとって、何が一番大切なことなのか!!」

ほむら「…過去に後悔したからといって、未来の可能性を諦めたからといって」

ほむら「今を否定する理由には」

ほむら「なり得ない」



『…うるさいわねぇ』

『部外者に何を言われても何も感じないわ』

『案外、思いを押し付けられるのが嫌いなのよね?』

『私は』

マミ「…」  

マミ「…」
 
マミ「…そうかもね…」










ウェヒヒヒヒヒヒ、テレパシーノオウヨウッテコトナラキュウベェニデキナイワケガナイヨネ!ウェヒヒヒヒヒヒ!!

チョットマッテクレカナメマドカ!ウワナニヲスルヤメ

『!?』

QB「…うわぁぁぁ…!!」

QB「…きゅっぷい…!」ドチャッ




『…』

『…何しにきたの?』

マミ「QB…?」

QB「やれやれ、最近のまどかからは黒い部分を感じるよ」

QB「やぁ、マミ」

マミ「…」

マミ「…QB、あなた…」

QB「うん、大したことないよ」

QB「ただ君にあることを教えてあげようかと思って」

マミ「…」



QB「君は愚かだね、マミ」

QB「僕からすればすごく無駄な事をしているようにしか思えないよ」

マミ「…」

『…何を言って…』

QB「ひとつ言っておくと、この契約は万能じゃない」

QB「魔法少女から魔女への変化が不可逆なように」

QB「死人と生者の関係性も同じなんだ」

QB「例えどんなに君が望んだとしても」

QB「あの時の君がどんなに望んだとしても、君の両親は生き返ることなんてできない」

マミ「…!」




『う、嘘よ!!』

QB「本当だよ」

QB「君も良く知っているだろう、僕は嘘はつかないよ」

マミ「…」

QB「だけれどね、マミ」

QB「ここで重要なのはそんなことじゃない」

QB「…この前も言った通り、重要なのは君の願いが叶ったかどうか、だよ」

マミ「…!」

QB「助けて、と君は言ったね」

QB「…」




QB「そうだね、僕から言わせると、まだ叶ってない」

QB「君はまだ、助けられてる途中であり、そして助けてる途中なんだから」

QB「今の君は、過去の後悔によって蝕まれて、未来の可能性を諦めるほど絶望しているかい?」

QB「君が、心から笑えて、心が安らいで、そして最も幸せと考える世界」

QB「それは過去でも未来でもない」

QB「安心してよ、マミ」

QB「後悔しても、君には、仲間がいるんだから」

QB「君が生きるべきは、今なんだ」



マミ「…」

マミ「…ふふ、変な…QB…」

マミ「…あなた、感情がなかったんじゃないの?」

QB「ないよ」

マミ「ふふ、そう」

マミ「…ごめんね、私」

マミ「…ずっとずっと後悔してきたんだよね」

マミ「…お母さんが死んじゃって、お父さんが死んじゃって」

マミ「…それでも、生きている自分が許せなかったんだよね」



『黙れ黙れ黙れ!!』

『黙れぇーーーーーー!!!』

『…あなたは…死ななきゃならないのよ!』

『だって許されるわけないじゃない!』

『あの人達だけが死んで…!私だけが生き残る…!』

『そんなの…不平等じゃない!!!!』

マミ「生きよう」

『…!!!』

マミ「もう一度、生きよう?」

マミ「あの日の契約は、単なる契約じゃない」

マミ「過去から今へ繋がって、そして未来に導くための道しるべ」

マミ「私を繋ぎ留める、たった一つの証」
マミ「…生きよう、今度は」

マミ「後悔しないように、今を生きようよ…」









マミ「許せなんて言わないわ」

マミ「ただ、あの子達が大好きなのよ」ニコッ




(一見複雑に見える物事、その本質は案外単純なものである)

(私は過去を後悔していたし)

(どんな未来が待っているかもわからない)

(だけれど、あの子達に出会うことができて)

(自分の境遇を忘れるくらい楽しくて)

(あの子達が嬉しい時、私も嬉しいと思えるなら)

(そう、それはもう、きっと)

(私にとっての理想の世界)





QB「君の理想は実現したかい?」

マミ「もちろんっ!」









(助けてと言える今こそが、私の理想!)

マミ「助けて…」ポロポロ…!
杏子「どうしたぁ!?」
マミ「太った…!」
杏子「じゃーな」スタスタ



ほむら「死んだ人間って生き返らないの?」
QB「いやあれは嘘だよ」
ほむら「嘘なの?」
QB「嘘をつかないはずの僕らが嘘をつく、つまりはそう言う事だ」

つまりはそう言う事だってすごく便利な言葉だと思う
用は上品な「察せ」
お疲れ様でした
マミさんってネタにされてるけど魔法少女の中で唯一さん付けだよね
つまりはそう言う事なんだろうね

あと後書きは場を和ませるためのジョークみたいなもんです
別に大した意味もありませんただのオナニーです
まどマギSSって凄くまどマギに詳しいアンチが多いよね
つまりはそう言う事なんだろうね

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