海未「腕を上げましたね、亜里沙」 (25)

海未「……」

亜里沙「……こっち」

海未「あっ」

亜里沙「やったー! あがり!」

海未「ま、また負けてしまいました……ババ抜き」

亜里沙「もう1回やりますか?」

海未「ええ、もちろんです」

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海未「なぜ負けるのでしょう……」

海未「あ、今度は取られる前にカードの位置を変えれば」

亜里沙(声に出てる……)

海未「すみませんね、亜里沙。こんなことに付き合わせてしまって」

亜里沙「私は楽しいですよ!」

海未「そうですか。それならよかったです」

海未「……なぜ今日ババ抜きを初めて知った相手に負けるんでしょう」

亜里沙(また声に出てる……)

海未「では配りますね」

亜里沙「はーい」

海未「亜里沙」

亜里沙「なんですか?」

海未「私のことで気づいた点があれば、遠慮なく言ってくださいね」

亜里沙「わかりました!」

亜里沙「カードを配る海未さんかっこいいです!」

海未「えっ」

海未「あ、ああ……そういうのは大丈夫です」

亜里沙「照れてる海未さんもステキです」

海未「……ありがとうございます」

亜里沙「海未さんは、なんでババ抜きの特訓をしているんですか?」

海未「穂乃果やことりに勝てないからです」

亜里沙「なるほど」

海未「何故かいつも負けてしまうんですよね……」

亜里沙(顔に出てるからかも……)

亜里沙(でも戸惑う海未さんもかっこいいなぁ)

海未「ん? どうしました?」

亜里沙「海未さんがかっこいいと思ってました」

海未「だ、だからそういうことは」

亜里沙「気づいたので……ダメでしたか?」

海未「ダ、ダメというわけでは……」

亜里沙「じゃあ続けますね」

海未「お願いします。では17回目、行きますよ!」

亜里沙「はい!」

亜里沙「そろったカードは抜くんですよね」

海未「はい」

亜里沙「……あんまりそろってない」

海未「そうみたいですね。では亜里沙からどうぞ」

亜里沙「じゃあ……これにします」

海未「はい」

亜里沙(私のカードにジョーカーはないから、また海未さんの方にあるのかな)

海未「では私も……これで」

海未「よし、そろいました」

亜里沙(あれ? でも海未さん、ジョーカーがあるのにあんまりガッカリしてないみたい)

亜里沙「海未さん」

海未「何ですか?」

亜里沙「もしかしてジョーカー、持ってないんですか?」

海未「えっ? 亜里沙が持っているのでは……」

亜里沙(やっぱり!)

亜里沙(じゃあジョーカーはどこに……あ、海未さんのひざの上にある!)

亜里沙「海未さん、ひざのところに……」

海未「え?」

海未「あっ」

海未「すみません、落としていたみたいです」

亜里沙「大丈夫ですよ! もう1回やりましょう」

海未「それにしても、どうして私がジョーカーを持っていないとわかったんですか?」

亜里沙「それは……」

海未「それは?」

亜里沙「海未さんの表情を見ていればわかります」

海未「表情……」

海未「そ、そういう仲ではないとは思っていましたが……そうですか」

亜里沙(あれ? なんか予想してた反応と違うような)

海未「で、では亜里沙っ」

海未「今からカードを2枚持ちます。どちらがジョーカーか当ててみてください」

亜里沙「あ、はい。えっと……」

亜里沙(こっちかな)

海未「……」

亜里沙(じゃあこっち)

海未「!」

亜里沙「こっちです」

海未「あ、当たった……!」

亜里沙(やっぱり)

海未「やはり気持ちが通じ合って……」

亜里沙「海未さん、すぐ顔に出るんですよ」

海未「顔……あ、そ、そういうことでしたか!」

亜里沙「?」

海未「……すみません、以後気を付けてみます」

亜里沙「じゃあ続き、しましょうか」

海未「ええ!」

~10分後~

海未「顔に出さない顔に出さない……」

亜里沙「こっちですか?」

海未「見えない聞こえない見えない聞こえない」

亜里沙「もしかすると、こっちですか?」

海未「無心を心がけるのです園田海未」

亜里沙(心がけてたら無心じゃないんじゃ……)

亜里沙「じゃあこっちにします」

海未「……」

亜里沙(あ、ジョーカーひいちゃった)

亜里沙「海未さんの番ですよ」

海未「え? 私の番……ということは!」

亜里沙「はい、わかりませんでした」

海未「……やりました」

海未「やりましたよ亜里沙!」

亜里沙「これで完璧ですね」

海未「はい、ありがとうございました!」

海未「これでお昼休みのババ抜きで……勝てます!」

海未「以前も七ならべの時に手伝ってもらって……亜里沙には感謝してもしきれません」

亜里沙「いえ、いいんですよ。楽しかったです」

亜里沙「じゃあ、私は帰りますね」

海未「え? もうですか? まだ時間はあるので、別のことをしませんか?」

亜里沙「今日はお姉ちゃんの買い物に付き合う約束があるので……」

海未「そうですか……あ、また来てくださいね」

亜里沙「はい。お邪魔しました」




亜里沙(……これでまた、海未さんの家に来る理由がなくなっちゃったなぁ)

亜里沙(普通に遊びに行っても、きっと2人きりにはなれないだろうし)

亜里沙「まあ、理由くらい作ればいいんだけどね」









  「もしもし、雪穂」

  「ああ、うんうん。そうだよ」

  「穂乃果さんに、今度は大富豪を勧めてみてもらえる?」

  「うん、ありがとう。またね」

~翌日~

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん。トランプしよー!」

ことり「うんっ」

海未「フッ、今日は勝たせてもらいますよ……」

穂乃果「あ、今日から大富豪ね。雪穂が学校で流行ってるって言ってたんだ」

穂乃果「私もやってみたかったし、それでもいい?」

ことり「うん。いいよ」

海未「だ、い、ふごう……?」




海未「ま、また負けてしまった……」

海未「やはり顔に出てしまうんでしょうか……完全に油断していました」

海未「こうなればまた特訓を!」

海未「メンバーに頼むのは……バレると恥ずかしいですし……」

海未「雪穂……は、穂乃果が乱入してくるかもしれませんし……」





  「やっぱり亜里沙に頼むしか……」


  「ああ、海未さんですか? どうしました?」

  「え? 遊びが変わった? またですか?」

  「じゃあまた特訓するんですよね」

  「はい! もちろん大丈夫ですよ! じゃあ今週の土曜日に……はい」

  「はい、ではまた」





  「えへへ、海未さんが頼んでくれるなら仕方ないですね」




おわる

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