【ラブライブ】海未「向日葵さんと」向日葵「海未さん」【ゆるゆり】 (52)

注 短いです


海未「どうしましょう...」


穂乃果「海未ちゃん、どうしたの?」


海未「それが...私の入学記念に、富山の方から親戚の方がお祝いに来ることになったんです」


穂乃果「富山?遠くからはるばるよく来てくれるね。良かったじゃん!」


海未「はい...もちろん感謝はしていますよ。しかし...」


海未「その、此処に来る家族に今年、中学に入学する娘さんがいるのですが」


海未「何を話したらいいか分からなくて...」


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海未「日舞や弓道に関する話題ならいくらでもできます」


穂乃果「でも、問題は興味を持ってくれるか、だよね〜」


海未「はい。和の心を持った礼儀正しい方だとは聞いているのですが、だからと言って興味を持ってくれるとは限りません」


穂乃果「もう一個くらい何か引き出しがあるといいんだけど...その子、いつ来るの?」


海未「今日の正午です」


穂乃果「えぇ!?もう当日!?」


穂乃果「海未ちゃんが穂乃果みたいなミスを!」


海未「それ、言ってて悲しくなりませんか?」


海未「...まあ、私も初めてのことなので少し取り乱してしまったのもありますが」


海未「だからこそ、穂乃果に性急に意見してほしいのです」


穂乃果「性急にって言われても...」

穂乃果「やっぱり中学生って言ったらテレビの話がいいんじゃない?」


海未「テレビ、ですか...」


穂乃果「その子はあまり見ないの?テレビ」


海未「そこまでは分かりませんが...私がその手の話題に疎いのです」


穂乃果「あぁ、そっかぁ海未ちゃん中学の時ひたすら聴き手に回ってたもんね」


海未「思い出させないでください!本当に全く知らなかったのですから...」


穂乃果「じゃあ...アニメ、とか...漫画とか...」


海未「穂乃果?いい加減怒りますよ?」


穂乃果「怒らないでよぉ!真剣に頭を回転させてるんだから」


海未「アニメもテレビですけどね」


穂乃果「穂乃果はバラエティ番組という意味で言いたかったの!...あ!」

穂乃果「ドラm


海未「破廉恥です!」


穂乃果「即答っ!?」


海未「察して下さい!...もう、確かに真剣なのは分かりますが私には時間が残されてないのです」


穂乃果「じゃあ海未ちゃんの考えも出してよ〜」


海未「いいでしょう。先ほどの日舞や弓道、それに剣道を加えた和の心体験コースに続き」


海未「音ノ木坂フルマラソンツアーなんてどうでしょう」


穂乃果「死んじゃうよ!」


海未「熱いハートがあれば何とか


穂乃果「ならないよ!...あれ、待てよ?」


海未「距離を減らせばいいんですね?」


穂乃果「いや走ることから離れよう、海未ちゃん」


海未「では一体何を...」


穂乃果「音ノ木坂観光ツアーだよ!音ノ木坂だけじゃなくて秋葉原も見てもらおう!」


海未「流石穂乃果っ!むしろ何故今までその案が出なかったんだと言いたいほどです!」


海未「そうと決まれば善は急げです!光陰矢の如しです!具体的なプランを...」


??「もし...あなたは園田海未さんですか?」


海未「はい、そうですけ、どぉぉぉ!?」


??「どうかなさいましたか?」


海未「い、いえ、何も...あなたは古谷向日葵さんですね」


向日葵「はい、お顔を合わせるのは初めてですわね。海未さん」


穂乃果「(あれ?正午じゃなかったっけ?まあいいや)じゃあ、穂乃果帰るねー」


海未「ああ!ちょっと待って!まだ何も!う、裏切り者ー!」

向日葵「えっと...」


海未「お気になさらないで下さい。ただの幼馴染です」


向日葵「はぁ...」


海未「ところで、私は正午にここに来る、と聞いていたのですが」


向日葵「正午...あ!」


向日葵「すみません、母が伝え間違えてしまいまして、本当は朝の9時に既にここに到着していたのですわ」


海未「では、もう家の方には...」


向日葵「はい。海未さんが帰ってくるまで自由に街中を見て回ってもいい、と海未さんのお母様がおっしゃりましたので、わたくし、少し散歩をしていたのです」


向日葵「しかし、わたくしは幸運ですね。まさか外で海未さんに出会えるとは」


海未「ふ、不甲斐ないところを見せてしまい申し訳ありません...」


向日葵「いえ。失礼に思われるかもしれませんがむしろ安心しましたわ」


海未「安心?」


向日葵「はい。わたくしの勝手なイメージでは海未さんは厳格で怖い方、だったので緊張がほぐれた感じです」


海未「うう...ならよかったです。しかし、待たせてしまっているのなら早く家に戻らなくては...」


向日葵「その必要はありませんわ?」


海未「はい?」


向日葵「わたくしが幸運だ、と言ったのにはもう一つ理由があります」


向日葵「海未さんに...この街を案内してほしいんです」

海未「私に?」


向日葵「はい。海未さんは生まれた時からこの街に住んでいるのでしょう」


向日葵「わたくし、前々から興味があったのです。東京の街並みについて」


向日葵「ですから...案内してもらえますか?」


海未「...しっかりエスコートできるかどうか分かりませんが...」


海未「そんな私でよければ、ぜひ案内させてもらえませんか?」


向日葵「はい...喜んで」

海未「(とは言ったもののどこを案内すればいいのやら)」


海未「(穂乃果ぁ、この恨み必ずはらしますよ)」


海未「(とりあえず道なりにいくしかないですね)」


海未「では、行きましょう。まずはここ、音ノ木坂です」

向日葵「...穏やかな雰囲気ですわ」


海未「東京だからと言ってどこも都会、というわけではありません」


海未「もちろん、都会のことを悪く言っているのではありません。都会にも利点はたくさんあります」


海未「音ノ木坂の良いところは...みんなが帰ってきたい、と思うようなアットホームな点、でしょうか」


向日葵「アットホーム...わたくしの住む七森みたいですわ」

向日葵「和菓子屋さんがあるのですね」


海未「はい、ここは穂むらと言ってさっきのあの幼馴染、穂乃果の実家です。伝統ある老舗なんですよ?」


向日葵「入ってもいいですか?」


海未「もちろんです」


【穂むら】


穂乃ママ「あら、海未ちゃんいらっしゃい。穂乃果はまだ帰ってないわよ」


海未「そうですか...穂乃果にあなたの親愛なる園田海未があなたに心からの御礼を言いたい、と伝えておいてください」


穂乃ママ「はぁ...分かったわ。そっちの子は?初めましてよね」


向日葵「園田海未さんの親戚の古谷向日葵と申します。よろしくお願いします。高坂さん」


穂乃ママ「あら、海未ちゃんに負けず礼儀正しいわねぇ」


向日葵「いえ、そんな謙遜ですわ」


穂乃ママ「素直に喜んでいいのよ?...ところで向日葵ちゃんはいくつ?」


向日葵「12です。間も無く中学に入学します」


穂乃ママ「ピッカピカの一年生ね。海未ちゃんと一緒。...そうだ!」


穂乃ママ「入学祝いの桜ほむまん!2人とも食べて行って?」


向日葵「そんな...お金を払わなくては...」


海未「...向日葵さん。ここはありがたくいただきましょう」


向日葵「では...」

向日葵「老舗はやはり違うものですわね」


向日葵「ひとつひとつが手作りで...心がホッとします」


向日葵「穂乃果さんもお饅頭を作れるのですか?」


海未「奥様やおじ様に比べたらおままごとのようなものですが」


海未「幼馴染というひいき目に見なくても美味しいとは思います」


向日葵「いいですね...わたくしの幼馴染と違って」


海未「向日葵さんにも幼馴染がいるのですか?」


向日葵「はい。ただのちゃらんぽらんですけどね」

海未「ちゃらんぽらん、ですか?」


向日葵「はい。名前は櫻子というのですが、物事を深く考えず、すぐに走り出して」


向日葵「少し振り切ったところでやっと自分のしたことの愚かさに気がつく」


向日葵「しかも反省は一瞬。次の瞬間にはころっと忘れている」


向日葵「将来が非常に心配で心配で...」


海未「ふふ、同じですね」


海未「少し察しているかもしれませんが私の穂乃果も似たような性格をしています」

海未「無鉄砲、というのですかね。いつも私たちを引っ張って、振り回して迷惑千万もいいところ」


海未「私と向日葵さんが最初に出会ったあの公園で穂乃果の無茶振りを示すいいエピソードがあります」


向日葵「聞いてみたいですわ」


海未「今でもあそこまで付き合った私たちの気が知れません」


海未「向日葵さんは雨上がりにできた水たまりを
飛ぼうとしたことはありませんか?」


向日葵「一度、だけなら」


海未「昔、穂乃果が大きな水たまりを見て、言ったのです」


海未「『跳べるよ!やるったらやる!』って」


海未「穂乃果の運動神経は良い方なので私たちは数回で終わるだろう、と考えながらもはらはらしながら見ていました」


海未「だって失敗したらお洋服が濡れて、お母さんに怒られてしまいますからね」


向日葵「それで...無事、跳べたのですか?」


海未「結果的には...ね。前途多難多難でしたけど」

海未「10回はおろか、20回、30回やっても成功しない。思いの外広い水たまりだったのです」


海未「服は濡れ、靴も濡れ、とうとう裸足になりよれよれ」


海未「私なら間違いなく諦めてましたね」


海未「でも穂乃果は跳ぶの一点張りで退くことを知りません。私たちは見守るよりほかなかった」


海未「何回目だったでしょうかね?数えるのも億劫になったその時」


海未「ついに、穂乃果は跳んだのです。跳び越えました」


海未「もう、小さな子どもは家に帰らなければならない時間をとうに過ぎていたのでもちろん、
怒られましたが」


海未「以上です」


向日葵「...」


向日葵「極めて...エネルギッシュな方なのですね」


海未「後日談ですが穂乃果は最後の1回の時、自分の耳に合唱が聞こえてきたそうです」


海未「幻聴が聞こえるまで続けるとは、幼かったとはいえ、馬鹿といか言いようがありませんね」


向日葵「...お互い大変ですわね」


向日葵「ところで、私達、とおっしゃいましたが幼馴染は他にもいるのですか?」


海未「はい、あと1人います。...おっと、次のポイントに着きました。続きはまた後で、ですね」


向日葵「音ノ木坂学院...国立の高校なのですね」


海未「はい。私達が入学する学校です」

【音ノ木坂学院】


海未「オープンスクールで何度か行ったことはあるのですが、こうしてゆっくりと回るのは初めてです」


向日葵「綺麗に整っていて過ごしやすそうな学校ですわね」


向日葵「伝統校、かつこの設備の充実度。入学希望者もさぞ多いのでしょう」


海未「...あまり多い方ではない、と聞きます」


向日葵「うそ...?」


海未「秋葉原の方に人気の学校があるのが大きな要因の一つ、と言われています。音ノ木坂は
いくつかの街に挟まれていてその立地上周囲の学校に生徒が流れているそうです」


向日葵「...世の中、甘くはないのですね...」


海未「私がこの学校を選んだのは家から近い、だけではありません。母の代からずっと思い入れのある学校だったからです」


海未「...外だけではつまらないでしょう。中も見てみましょうか」

向日葵「いいのですか?」


海未「入り口で警備員さんから入校証をもらったでしょう。これで校内にも入れるんです」


向日葵「なるほど...」


海未「外から見ても分かる通りこの学校は広いですからね。少し長くなりますよ?」

向日葵「部活の活動場所は校内にあるのですね...」


向日葵「わたくしの入学する七森とは少し違います」


海未「教室の数は多いですから、向日葵さんは何か気になる部活、ありますか?」


向日葵「...先ほど通ったアイドル研究部」


海未「アイドル研究部?」


向日葵「はい。一体どんな活動をするのだろう、と思いまして」


海未「確かに...アイドルの研究...踊りとか、歌でしょうか」


向日葵「櫻子が飛びつきそうな部活ですわね」


海未「穂乃果も惹かれそうですね...でもそんな部活があるなんて全く気付きませんでした。広告とかありましたか?」


向日葵「いえ、わたくしも偶然視界に入っただけで...珍しい名前だったので...」


海未「色んな部活があるんですね」


??「あなた達、こんな時期に校内を見学?」

??「春休みのこの時期、ほとんど活動している部活はないからあまり意味がないと思うけど...新入生?」


海未「はい」


??「そっちのあなたは?」


向日葵「いえ、私はまだ」


??「そう、あなたたち物好きね」


??「...見てもあまり意味がないのに」


海未「どういうことですか?」


??「何でもないわ。どうせ見に来るならもっと活発な時間帯に来た方が得よ」


??「じゃあね。校内見学、楽しんで」

向日葵「今の人は...」


海未「生徒会の腕章をつけていましたね」


海未「でも、意味がない、とはどういうことでしょう...」


向日葵「単に今日が休みだから、ではないでしょうか」


海未「それだけならいいのですが...」


向日葵「ここは、音楽室ですわね」


海未「立派なグランドピアノですね...向日葵さんはピアノは弾けますか?」


向日葵「いえ...ピアノはおろか、打ち込める趣味のようなものはまだ...」


海未「私と、同じですね。私も、まだ」


向日葵「...?海未さんには弓道に、日舞に...」


海未「それは、打ち込める趣味、とはまた違うんです」


向日葵「嫌い...なんですか?」


海未「いえ!...それらは私の身体の中に染み付いた日課、当然の習慣であって」


海未「...だから、違うんです」

海未「さて、見て回るところはほとんど制覇しましたが」


向日葵「いいえ、まだ残っていますわ」


海未「?理事長室は見るようなところではありませんよ」


向日葵「もう、海未さん。高校、といったらあれ抜きには語れませんわ」


向日葵「屋上、行きましょう?」

【屋上】


向日葵「見事な眺めです...わたくし、学校の屋上なんて都市伝説とばかり思っていました」


海未「最近は安全上封鎖している学校が多いですもんね...」


向日葵「思いの外自然豊かなんですね」


向日葵「思い出しますわ。...あまり良い思い出ではありませんが」


海未「次は、向日葵さんの番ですね」

向日葵「小さい頃、櫻子と丁度あそこみたいな、ちょっと遠い緑の多い公園を散歩したことがあるんです」


海未「2人で遠出をしてみようと思ったのですか?」


向日葵「いえ、どこに行くともないただの放浪ですわ。ブレーキの効かない車というか切り込んだまま帰ってこない先陣というか」


向日葵「案の定、迷子になりました」


向日葵「穂乃果さんと違うのはそこで櫻子、泣き出してしまったのですわ」


海未「あら...」


向日葵「言い出したのは櫻子なのに、ね。私も一緒になって抱き合って泣こうと何度思ったことか」


向日葵「でも、不思議なことにね、私は泣きませんでした。櫻子がぎゅっと手を繋いでくれてたのです」


向日葵「そこから先は...よく覚えていません、が」


向日葵「それからでしょうか櫻子と一緒なら大丈夫、そう思えてしまうのですわ」


向日葵「私も頭が良くないようで。その後櫻子が暇を持て余す度に当てのない旅路に出て、似たようなことを繰り返して...」


海未「ふふっ」


海未「向日葵さんも随分とやんちゃな方ですね」


向日葵「は、はいぃぃ?」

海未「だって普通なら一度きりで止めるでしょう。それなのに何度も付き合って」


向日葵「それは...っ!櫻子が無理やり...」


海未「そんなの、建て前ですよ」


向日葵「なっ...」


海未「街の案内は私も同じことを考えていたのですが、まさか向日葵さんから誘ってくるなんて」


海未「実は歩き回るのが好きなクチでしょう?」


向日葵「うぅ...櫻子の馬鹿が伝染ってしまったのでしょうか...」


向日葵「この話は終わりです!次のところに案内して下さい!」

【神田明神】


海未「次は神田明神です。初詣は毎年、ここと決まっています」


向日葵「音ノ木坂でもそうでしたが長い階段ですわ...」


海未「スタミナや瞬発力の練習には打ってつけですね。どうでしょう。走ってみますか?」


向日葵「いえ、私、走るのは...!」


海未「そんなの言いっこなしです。ほら、行きますよ〜!」


向日葵「あ!もう、待って下さい!」


向日葵「海未さんもしっかり無鉄砲ではありませんか」

海未「向日葵さん。少し遅かったですよ?」


向日葵「海未さんが、ハァ、速すぎ、フゥ、
なんですよ...」


海未「修行が足りませんね。部活は陸上部に入ってはいかがでしょう」


向日葵「そんな学校生活いやです!」


??「おろろ?部活の話ということは音ノ木坂の新入生か何かかな?」


海未「はい。ですがこちらの方は遠くから来た親戚の方です」


??「ふ〜ん。そうなんや。どう?この街やここ、神田明神は」


向日葵「落ち着いていて、過ごしやすいと思います。...海未さんみたいな人ばかりだと困りますが」


??「ははは。2人が走ってるの、上から見とったけど海未さん...だっけ?は中々スパルタやね〜」


海未「私なりのコミュニケーションです」


向日葵「そんなコミュニケーションいりません」


??「若いってえぇよな〜」


向日葵「あなたも若いではないですか」


??「ふふ。青春とはすぐ過ぎていくものだからね。2人とも部活選びはよーく考えるんよ?海未さんは走りっぷりから見るに陸上部かな?」


海未「いえ、全く決めてないんです」


??「向日葵さんは?」


向日葵「わたくしもまだ...」


??「夢中になれることがまだ見つかってないって感じかな?」


向日葵「はい...」


??「そっか〜」


??「2人とも、焦らなくていいんよ?」

??「青春はノンストップ、って言うけどな」


??「見つからないからって焦る必要はないんよ」


??「思いもしないところにころっと転がっているかもしれへんし」


??「だから...後悔しないよう、目を光らせて探してな?」


海未「...向日葵さん、もう一度登りましょう!」


向日葵「1人でやって下さい!」


海未「何故ですっ!」


??「仲がいいんやなぁ。じゃ、ウチはもうそろそろ行くね」 ポロポロポロッ


??「おっと」


向日葵「絵馬...ですわね」


??「ああ、去年までの絵馬を片付けてるところだったんよ」


『初ライブ、絶対成功!』


海未「...この絵馬を書いた人は、きっと青春をしていたのでしょう」


??「見たの...?そうやね。頑張っとる子やった」


向日葵「他にもたくさん落ちましたわ...そうだ」


向日葵「運ぶのが辛いなら私たちが手伝いますわ」


??「お...いいん?」


海未「当然です。実際重そうだったのです」


??「みんなの思いの分もこもっとるんやろね。...ありがと。じゃ、手伝ってもらおうか」

??「ありがとな。2人のおかげですぐ終わることができた」


海未「お力になれて何よりです」


??「特にお礼ができないから申し訳ないけど...海未さんは向日葵さんに街を案内してるんだっけ?」


海未「はい」


??「なら次、行くべきところはアキバやな。音ノ木坂、神田明神と来たらアキバに決まりやろ」


向日葵「秋葉原...」


海未「ありがとうございます」


??「ほな、おおきにー」


向日葵「あのっ!」


??「なーに?」


向日葵「あなたは...青春しているんですか?夢中になれることはあるんですか?」


??「そうやね...」


??「お恥ずかしいことながら、ウチもこれから、なんよ」


向日葵「そうですか...ありがとうございます」


??「うん!楽しんでいってなー」

海未「夢中になれること、ですか...」


向日葵「考えているのですか?」


海未「はい...でも、あるのでしょうか。そんなこと」


海未「そもそも、わたしに見つけられるのでしょうか?」


向日葵「海未さん...」


海未「何だかんだ言って、何かをする時はいつも穂乃果や、もう1人の幼馴染、ことりと一緒でしたから」


海未「秋葉原に向かいながらことりの話をしましょう」

【メイド喫茶】


海未「ごめんなさい、道中ほとんどお話しできなくて」


向日葵「近づくにつれ人が多くなるのですから仕方ありませんわ」


海未「ことりは...私の先を越した子です」


海未「仲の古さからすれば私の方が勝っています。しかし、ことりはそんな私よりも先に、穂乃果と打ち解け、仲良くなった」


海未「実際、明るく周りにも優しいので好かれるのは当然のことですが」

海未「まだまだ幼かった頃の私はちょっと嫉妬してしまいました」


海未「ですが今は良きライバル...最高の仲間です」


向日葵「仲間、ですか...」


向日葵「わたくしは櫻子としか深い付き合いがないので分かりません...やはり、青春するには仲間がもっと必要なのでしょうか」


海未「...向日葵さんならすぐに見つかりますよ。私でもできたんですから」


メイド『お待たせいたしました。パフェ2つです』


海未「さ、これを食べてまだまだ観光を楽しみましょう。...穂乃果には内緒ですよ?」


向日葵「甘いものは女の子の敵、ですわね」

向日葵「これは、癖になりそうですわ」


海未「もちろん、その分のカロリーは消費しますし、させます」


向日葵「遠慮したいところですわ...」


海未「冗談です。次はどこへ向かいましょう」


向日葵「あの、わたくし、スクールアイドルショップ、というお店に行ってみたいのですが」


海未「スクールアイドル?学生がアイドルをするのですか?」


向日葵「メイド喫茶でお客様が話しているのが聴こえてきて、気になったのです。音ノ木坂でアイドル研究部を見つけたでしょう?」


海未「なるほど、面白そうですね。私もスクールアイドルショップはまだ行ったことがありませんし、楽しみです」

海未「ここが...」


向日葵「スクールアイドルショップ...予想以上に小規模ですわね」


海未「まだ、そこまで浸透していませんし、学生のアイドルですものね...」


向日葵「ですが狭いながら様々な品物が売られているのですね。...これは...」


??「AーRISEよ。知らないの?」


向日葵「はい、初耳です...」


??「スクールアイドルショップに来ておきながらAーRISEを知らないとはね。もしかして初心者?」


海未「はい。そもそもスクールアイドルという言葉自体初耳です」


??「ふーん、よく来るわねー」


海未「観光なので」


??「観光、ね」


??「いい?スクールアイドルってのはちょっとついでに観光してみよう、ですむもんじゃないのよ」


向日葵「と、言いますと...」


??「今日は暇だからビギナーのあんた達に
色々教えてあげる。とりあえず今からAーRISEのライブが始まるからとっとと行くわよ」


海未「あの、スクールアイドルショップは...」


??「知識があるのと無いのとでは天と地ほどの差があるのよ!付いて来なさい!」

支援ありがとうございます。
大分下手な文章ですが...


【UTX学院前】


??「ライブ、と言ってもライブビューイングだけどね」


海未「生中継、ということですね」


??「そ。始まるまでここについて教えてあげるわ」


??「あんた達はスクールアイドルがまだ知名度が低い、みたいなことを言ってたけど」


??「それは間違いじゃない」


??「でも、UTXは、AーRISEは別物」


??「スクールアイドルの先駆者、というのかしら?圧倒的カリスマ性、プロにも匹敵すると言われている」


向日葵「プロに...?」


??「メディアの露出もプロに劣っていない」


??「AーRISEのライブ、しっかり目に焼き付けておきなさいよ」


向日葵「private wars...」


海未「やはり、専属のコーチをつけてトレーニングすると違うのですね...」


??「そうよ。トップにはトップなりの待遇が与えられ、さらに高みへと行く。でもね」


【スクールアイドルショップ】


向日葵「このpvは...AーRISEのものではないですね」

??「九州のスクールアイドルよ」


海未「やはり、AーRISEは別格でしたね...彼女達も素人目ですが素晴らしいダンスだと思うのに」


??「じゃ、こっからは素人には分からないかしら?見て、彼女達の表情」


向日葵「......!!」


??「敢えて、答えは聞かないわ。しかし」


??「目標を共にする、仲間がいる。スクールアイドルとは私はそういうことだと思ってる」


??「多分ないでしょうけど次に会ったらAーRISEの他にもオススメのアイドルをもっと教えてあげるわ。じゃあね」

向日葵「何だったのでしょう、さっきの方は...マスクにサングラス」


海未「身なりだけ見れば不審者。しかし」


海未「...スクールアイドル、ですか」


向日葵「興味を持ったのですか?」


海未「...分かりません。ですが分かりました」


向日葵「前後の言葉が噛み合っていませんわ」


海未「彼女達もまた、青春の答えの一つなのかもしれない、と」


海未「それは優劣を越えたもの、なのかもしれませんね」


向日葵「富山に帰ったら地元のスクールアイドルを探してみますわ」


海未「それがいいかもしれまs」 prprpr


海未「お母様からです...もしもし」


『こんにちわ、海未さん』


海未「申し訳ございません。勝手に長時間出歩いてしまって」


『怒っていませんよ。海未さん。向日葵さんは
楽しそうですか?』


海未「?はい、私は道なりに案内しただけですが...」


『よかった。実は、向日葵さん、ここに来る前に電話で話した時は大変不安そうな顔をしていたから』


海未「そうですか?最初から積極的な様子でしたが」


『あら?そうなの?...ふふ。向日葵さんと海未さんって似ているのね』


海未「親戚同士ですから」


『そういうことにしておいてあげます。では、もうすぐ夕食ですのでそろそろ家路について下さいね』


海未「はい、では」 ピッ


向日葵「ななっ何を話していたのですっ?」


海未「あら?どうして顔を赤くしているのでしょう」


向日葵「どうでもいいのですっわたくしはただ海未さんと海未さんのお母様が何を話していたかを...」


海未「夕食だからそろそろ帰ってこい、それだけですよ?」


向日葵「」

海未「可愛いですね。何を早とちりしていたのでしょう」


向日葵「うう、海未さんっ!あなたはそんな人ではないはずです!」


海未「ふふ。私とあなたが似ている、とは言われましたね」


向日葵「似ている?それはどういう点でです?」


海未「探してみてはどうですか?結構見つかると思いますよ」


向日葵「...」


海未「突っ立っていてはいけませんよ?夕ご飯が食べ尽くされてしまいますからね〜!」


向日葵「あぁもう!今回は走るのは無しですわよ!」


海未「では、スキップしましょう!」


海未「もっと嫌ですわ!」

【数日後】


向日葵ママ「園田さん。本当にお世話になりました。日舞に弓道に剣道に、お作法まで教えていただいて非常に充実した日々でした」


向日葵「(園田家は親子共々鬼でした。ウチの母も修羅でした)」


海未「向日葵さん...!」


向日葵「海未さん」


海未「どうでしたか?音ノ木坂は」


向日葵「わたくしの語彙力では母と同じ言葉しか使えませんが」


向日葵「海未さんは少し自重を覚えた方がいいと思いますわ」


海未「私も、あれは度が過ぎていたと反省しています」


向日葵「ですが海未さんのおかげで体育の授業を乗り切れそうです」


海未「私の修行は鋼の精神がつきますからね」



海未「...次にまた、会う時はお互い、全く違う自分になっていることでしょうね」


向日葵「そうですわね。お互いこの数日で多くのことを知った、と思います」


海未「ですから、約束しましょう」


海未「その時まで絶対、折れない、挫けない」


海未「あなたなら、私ならできるはずです。...向日葵」


向日葵「はい...海未」

海未&向日葵「また、会う日まで」

【あれから、時が経って】

向日葵は七森中学に入学し、すぐに生徒会に立候補、当選しました。
その後生徒会で、生徒会の外で多くの仲間に恵まれ、2年生に進級してからは生徒会副会長、そして仲間たちと
何やら新たなことを始めたそうです。


ですが、私は...


音ノ木坂の生徒の減少はとどまることを知らず結局何も新しいことは出来ないまま、2年生に進級。
...ついに音ノ木坂の廃校も濃厚になってしまったそうです。


向日葵に会わせる顔が、ありませんね。

街で会った、あの3人に会わせる顔が、ありませんね。


......


穂乃果「アイドル!やるったらやる!」


...

いいえ。
ありました。ここにありました。
私が夢中になれそうなこと、私の青春を捧げられそうなこと。
また穂乃果に引っ張ってもらうの?
はい、引っ張ってもらいましょう。引っ張らそうではありませんか。
しかし、ですが
私は、もう振り回されるだけでなく
私の意識で、穂乃果に着いて行くし、
穂乃果と共に歩んでいく。
穂乃果が道に迷いそうになったら導いてあげるような、人になりたい。


海未「はい!やりましょう!アイドル!」

以上になります。少しでも楽しんでくれた方がいたら何よりです。

ありがとうございます!
これからちょいちょい投稿していくのでよろしくお願いします

次の作品で2人の対話を書いてみたいものですね。

コメありがとうございます。次回作は別スレで。ゆるゆりコラボもまたやりますが違うアニメ×ラブライブを次回はやる予定です。
現時点では次回はラブライブ×プリパラを
予定しております。お楽しみに

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