女「夏がずっと続けばいいのに」 (9)

ザーザー… ザーザー…

男「雨とか聞いてねえよ…」

幼馴染「とか言いつつ折り畳み傘あるじゃん」

男「こんなこともあろうかと用意してたんだよ」

幼馴染「持って帰るのめんどくさくて机の中に置きっぱなしだっただけでしょ?」

男「……さりげなく入ってくるのな」

幼馴染「女の子をビジョ濡れにするつもり?」

男「別にいいけど」

幼馴染「うん…」

男「…」

幼馴染「……あ」

男「ん?」

幼馴染「あの子、外国人かな…?」

男「…!」


女「…。」


間違いなく、
一目惚れだった。


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幼馴染「すごい美人…」

男「…」

幼馴染「雨宿りしてるのかな?」

男「……この傘、貸してもいい?」

幼馴染「え? う、うん…男の傘だし…」

男「ちょっと待ってて!」

幼馴染「……うん」



男「あ、あの…!」

女「…?」

男「これ、使ってください」

女「…! ~~!?」

男(何言ってるか分かんねえ…)

女「…」

男「あ、えっと…」

女「…ありがとう」

男「…!! あー…OKOK!じゃ、じゃあ!」

女「あっ…!」



男「ごめん。ビジョ濡れになっちゃうな」

幼馴染「もうなってます~…」

男「あ…」

幼馴染「凝視すな!」



女「…。」ギュッ

幼馴染「で、どこの国の人だったの?」

男「んー…英語じゃなかった、多分」

幼馴染「へー、じゃあフランスとかかな?」

男「…」

幼馴染「良い事すると良い気分になるね!」

男「…」

幼馴染「おーい…男く~ん?」

男「あ、ああ、うん。そうだな」

幼馴染「話聞いてなかったでしょ」

男「うん。ごめん」

幼馴染「…」

男「…」

幼馴染「あはは…。おかけでビショビショだよ! も~…」

男「…」

幼馴染「…」


私は、
バックの中にある折り畳み傘を
出すことが出来なかった。

男「…」

妹「あ、おかえり~」

男「ただいま…」

妹「いきなり雨とか困るよね~。お風呂あるから入っていいよ~」

男「わかった…」

妹「え、どしたの?」

男「別に…」

妹「好きな人でもできた~?」

男「…!」ピクッ

妹「え、まじ」

男「…」スタスタ

妹「うーん。あの雰囲気から察するに、奇跡でもない限り叶わない恋…とか?」

妹「……考えすぎかな」

翌朝

男「くしょん!」

幼馴染「あ、風邪…?大丈夫?」

男「ん、ちょっとな」

幼馴染「バカは風邪引かないって言うのにね!」

男「つまり幼はバカと」

幼馴染「あ……。く、くしょん!」

男「遅いって」

幼馴染「えへへ…」


男「…」チラッ

男(いない…)



男「はぁ…」

幼馴染「…」

一週間後


男「…」チラッ

男「…」

男「はぁ…」


幼馴染「も、もうすぐ夏休みだね!」

男「ああ…そうだな」

幼馴染「海とか行きたい!」

男「そうだな…」

幼馴染「あと、夏祭り…とか…」

男「ああ、最近行ってないな」

幼馴染「あ、あのさ、良かったら…一緒に行かない?」

男「…えっ…?」

幼馴染「べ、別に、深い意味とかはないんだけど! 良かったら…みたいな?」

男「ああ…いいけど」

幼馴染「…! 約束だよ!」

男「オッケー。約束な」

幼馴染「うん♪」

ザーザー…ザーザー…

男「雨とか聞いてねえよ…」

幼馴染「あ、あのさ」

男「ん?」

幼馴染「私、折り畳み傘持ってるんだよね…」

男「え、すげえ!なんで持ってんの」

幼馴染「んー、なんとなく持ってた」

男「天才か」

幼馴染「この前のお返し。入っていーよ」

男「さんきゅー」

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