リヴァイ×ペトラ「比翼の羽根」 (84)


【進撃の巨人】リヴァイとペトラのお話です

またかよスレ

今回の舞台設定は、巨人絶滅と壁がなくなり数百年後くらいという設定です
原作の終了時にどうなっているかは現段階ではわからないので、世界線超えてるというかパラレル
少し時代の古い北欧あたりの風景をイメージしました

ただの恋愛ものです

※注意
・最新話までのネタバレあるかも?
・現在判明している情報の解釈がおかしい
・キャラは原作のままを意識はして書いてみましたが所詮二次創作というところと、時代設定が違うという点
それにおいて立ち位置が違うという点も加えて理解してもらえると
・エロやグロはあるかもしれない



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434691834


その国は荒廃した遺跡と、美しい街でできていた

遺跡は土地の半分を占めており、その周囲半分に広がったその街の中心となる王都は遺跡と隣接しており

取り囲むように広がり続ける街並み


まるで、それを隠すかのように



ハンジ「うーん、ここからはもう何も出なさそうだなぁ。今日の所は撤収かな」

モブリット「そうですね、日が傾く前に準備しないと」

ペトラ「了解です。でも、気になる物が見つかりましたね」

ハンジ「そうだね、事務所に戻って調べるとしようか」


ペトラ「はい。じゃあ車まわして来ますね」


今日も泥だらけになった服

砂埃を払い、私は車のキーを回した


私がこの遺跡の考古学チームに入れてもらって三ヶ月程経った


存在したかもしれないという、伝説の巨人と、謎の壁に囲まれた遺跡

研究ができるなら、どこでもいいというわけではなかった

気がついた時にはここでの研究が私の夢になっていて

実現して、いざ発掘作業や出土品を調べるうちに、開示されていない情報に触れ、ますます虜になり没頭していた

隣接したこの街に引っ越してきた私には、仲間はいても友達はいない、年頃なのに、恋人も

研究に没頭する日々には必要のないものだし、チームの皆が仲良くしてくれるので、それ以上求めるものはなかったのだけれど


この街には、とくに娯楽と呼べるものはない

観光地としてはマイナー過ぎるのだろうか

広大な遺跡はまだ公開されている部分は多くなく、それほどの面白味もない

昼間は賑わいがあるものの、夜は静かなものだった

そんな私にも、少しだけ知り合いができた


住んでいるアパート近くのバーに立ち寄るのが、時々の習慣になった

マスターがとても優しい人だったので、外から来た私にも気さくに接してくれた

この街の人達には、少しだけ排他的な雰囲気を感じていた


ただ、そこで出会った彼は違ってた


「いらっしゃいペトラ。今日もお疲れ様」


ペトラ「こんばんは!夜は冷え込む時期になってきましたね。温かいものが飲みたいな」

「じゃあ、ベイリーズミルクのホットを出すかの、どうじゃ?」

ペトラ「美味しそう!じゃあそれでお願いします」


マスターは注文をしなくても、その日の私に合ったものを出してくれる


ペトラ「はぁ、あったまる、、、」


リヴァイ「久しぶりだなお前」

ペトラ「あっ、リヴァイさん」


私の、この街での唯一の、知り合い


そう、彼だけは


特別だった


リヴァイ「何飲んでんだ?」

ペトラ「ベイリーズミルクです、ホットの。今日は少し冷えたので」

リヴァイ「今からそんなだと、これからここはもっと冷え込むぞ」

ペトラ「むー。でも女の子には冷えは天敵なんです。体の中から暖めないと」

リヴァイ「女の子、って歳じゃないだろお前」

ペトラ「そこは突っ込まないでください!それに私の名前はペトラです。お前じゃないです」

リヴァイ「知ってるぞ。俺がそんなに記憶力ないように見えるか?」

ペトラ「いつもお酒飲んでるから覚えてないのかと」

リヴァイ「失礼だな。お前と違って俺は酔っても冷静だぞ」

ペトラ「失礼なのはどっちですか!?またお前って、むー」


確かに、彼はいつも強めのお酒をのんびり飲んでいて、結構長い時間そうして話していても変わらなくて

私のほうが先に酔ってお喋りしてしまうのだけど


ぶっきらぼうなのはいつも変わらず、それでも私が帰るまで相手をしてくれて、本当は優しいことも、知ってる。


でも私が彼について知っていることは、それくらい


リヴァイ「ここ最近の成果はどうなんだ?」

ペトラ「順調、とは言い切れないかな。進展も少しずつあるものの、謎は増えるばかりです。

ただ、やっぱり確信はしてます。前にも話しましたが、この街に残ってる伝説は御伽話みたいですけど、実在したんだって」


伝説

それは、巨人の造った遺跡

それを造ったのは人間なのか

存在されたとされる、巨人といわれる何かなのか

何のためにあったのか

残された戦いの傷跡


人間が。巨人を滅ぼした

巨人は。悪だったのか


その是非においては、言い伝えが二分化されていて、真実はわからない

それについて、おいそれと語り合うことはこの街ではあまり良しとされない風潮がある


リヴァイ「今わかってる事だけだと、結局巨人なんてものがいたのかの確証はないんだったか」

ペトラ「そうですね、確証はないです」

リヴァイ「お前は何故、実在したと思えるんだ?」

ペトラ「戦いの痕跡、からですかね。人間同士の争いに必要ではなさそうな武器が出土されていて」

リヴァイ「だからって、相手がその巨人だってのもやはり俺にはわからないな。でかい動物やらを相手にしてたのかもしれんぞ?」

ペトラ「でも、残されてる抽象画や文献が、ただの作り話とは思えないんですよ。実際にあるものと一致していることが、、、」


そんなやり取りをしたり、この街の話をしたり、私の生まれた国の話をしたり

いつもそんな風に過ごして、でも気づいてみると、彼は自分のことは、話してくれない

ただの、飲みの場所で顔を合わせるだけの、暇つぶしの相手


ペトラ「明日、早いんだったぁ、そろそろ帰ります」

リヴァイ「じゃあ俺もだ、送る。マスター、会計を一緒に」

ペトラ「あ、もう!また、いいですって!自分の分は、」

リヴァイ「ガキは大人しく奢られてろ」

ペトラ「ガキじゃないですよ!女の子でもなく女です」

リヴァイ「じゃあ、女なら男を立てるもんだ。俺を残念な奴にしたくなかったら、ここは引け」

ペトラ「う、、はい。ごちそうさまです」



リヴァイ「別にお前が奢られ目当てじゃないことぐらいはわかっている」

ペトラ「当たり前ですよ!でも、いつも悪いなって。なにもお礼できないですし」

リヴァイ「そんな事はないぞ。お前が話し相手になってくれるのは、退屈しないからな」


話し相手。か

そう言う割に、なにも教えてはくれないけど

彼は一緒の時はいつも会計を済ませてくれていて

帰りは送ってくれて

でも、それだけの、仲なんだ



ペトラ「わぁ、やっぱり外は風が冷たいな」

リヴァイ「ちょっと薄着すぎるんじゃないか?少しの間だが、これしとけ」


そう言って彼はマフラーを巻いてくれた

暖かくて、彼の、匂いがした


ペトラ「ありがとう、リヴァイさんは寒くないんですか?」

リヴァイ「慣れてるからな、問題ない。お前は風邪でもひいたら、大好きな穴掘りが出来なくなるぞ?だから、気をつけろ」

ペトラ「はい、、、そうですね、穴掘りでなく発掘作業ですけど。確か雪が降って積もる前にやらなければいけないことが多くて」

リヴァイ「雪、か。もうしばらくしたら、積もり始めるな。そしたらお前らはどうするんだ?」

ペトラ「室内での研究作業に集中することになるんだそうです」

リヴァイ「そうか、、」


私の住むアパートまでの距離は10分くらいのものだ

彼はどうせ帰る方向が同じだからと、初めて会った日からこうして送ってくれる

あまり治安が悪いという街でもない

それに彼は、反対方向にいつも帰っていく

わざわざ、私の為にその時間を使ってくれているのか


恩を着せようともしない優しさ

ただの、気まぐれと自己満足なのかもしれないけれど


ペトラ「今日も、送ってくれてありがとうございました。マフラーも。暖かかったです」

リヴァイ「ああ。ついでのことだ。気にするな」

ペトラ「はい。あの、、、」

リヴァイ「なんだ?」

ペトラ「いえ、おやすみなさい」

リヴァイ「ああ。じゃあまたな」


思わず、寂しくなってしまうから、何かを言いかけようとしてしまう、でも何も言えなくて

少しだけ、彼の後ろ姿を見送って部屋に戻る

いつもは、彼は振り返りなんてしないのだけど、


リヴァイ「ペトラ」


ペトラ「えっ!は、はい」

リヴァイ「お前、、、怪我とかしねえように、気をつけろよ」

ペトラ「??はい。気をつけます、、、」

それだけ言うと彼はいつも通り去って行った

初めて、名前を呼んでくれた


それだけで、鼓動が高鳴った

少女のように


なにも、知らないのに


優しさと、ぬくもりと、


でもきっと、それだけで充分なのだろう


恋をするのは



ミカサ「あ、お兄様、今お帰りですか」

リヴァイ「ああ。テメェはこんな時間まで何してやがる?また、エレンと会ってたのか?」

ミカサ「そうですけど」

リヴァイ「やめとけって言ってんだろ?あっちの家系の奴は面倒な事になる。せめて普通の奴にしろ」

ミカサ「そういうお兄様も、婚約者がいながら違う女性といるのを先程見かけましたが」

リヴァイ「お前に言われたくねえ。それに、あいつは、、、ただの知り合いだ。

婚約の話は何度も断っているんだがな。歳も離れすぎているし、家のしきたりに従う気は無いというのは変わらない」


ミカサ「お相手の方はその気なのでしょう?時々は会ってるようですし、そんなんだから余計な気を持たせるんですよ?」

リヴァイ「説得する為に会ってるんだがな」

ミカサ「恋をしている女性は、会えるだけで嬉しく思うものなんですよ?」

リヴァイ「会えるだけで、か。それは女だけじゃねえんじゃないか?」

ミカサ「ふっ、やはりお兄様は、、いえ、今夜はもういいです。早く部屋に戻ったほうが懸命ですね。

ただ、お兄様がそういうおつもりなら、妹の私に押し付けられるのも困りものです。好きなように、させて頂きます」


リヴァイ「勝手にしろ」


あれから数日、昼間は毎日発掘作業に追われ、肉体的な疲れもあり帰ったら寝てしまい出かけるほどの余裕がなかった


その間も、時々彼のことを想う

意識もしてないのにうかんでしまう

きっと、知り合いがいなくて

少し優しくしてもらえて

それだけで

繋がりがあるわけでもなくて

ふと、ぼんやりしてしまうたびに打ち消した想い


モブリット「ちょっと、危なくないですか?機械を使った方が」

ハンジ「いや、もーちょっと、もーちょっとで届きそうだから平気だよ!よいしょっ、とぉ」

ペトラ「あ、ハンジさん、危ない!」

少し無理な体制で地下へ体を向けて作業していたハンジさんのいた場所が崩れそうになって

私は突発的に、、、


ドサッ

ガラガラ

ハンジ「わぁっ、とと、ペトラ!?」

モブリット「ペトラさん!気を失ってる、、」

ハンジ「ペトラ!私が無理したせいだ、、もう私の馬鹿!急いで病院に、、」



怪我とかしないように


彼の言葉を、夢の中で聞いた


ハンジ「ペトラ!良かったぁ目が覚めて!でも、、、ごめんなさい、綺麗な顔に傷が」

モブリット「お医者さんを呼んできますね!」

ペトラ「あれ、、、私、、、?」

ハンジ「うぅ、やっぱり、頭打ったせいで?私の事、わかる?」

ペトラ「わかりますよ、ハンジさん」

そうか、わたしはあのまま落ちて頭を、そういえば、鈍く痛む


モブリット「先生、呼んできましたよ」


リヴァイ「お前、怪我すんなって言っただろうが」


ペトラ「へ、、、?ええ!!リヴァイさん!?」


ハンジ「ん?知り合いなの?」

ペトラ「は、はい、まあ、知り合いですね、でも、え!?リヴァイさん、お医者さんだったんですか?」

リヴァイ「どう見てもそうだろ、話してなかったか、そういえば。具合はどうだ?」

ペトラ「えーと、鈍く頭痛がしますが、大丈夫そうです」

リヴァイ「そうか。検査結果も、軽い脳震盪だ。時期に良くなる、が」

ハンジ「あの、傷は、、、」

リヴァイ「安心しろ。跡が残らないように治す。ペトラ、このクソメガネはお前の上司か?」

ハンジ「クソメガネですと?」

ペトラ「はい。チームのリーダーですよ」

リヴァイ「そうか。おいクソメガネ、ペトラはお前を庇って怪我したらしいじゃねえか」

ハンジ「そ、その通り、だから申し訳ないと」

モブリット「すみません、この人熱中してしまうと、周りが見えず自己も顧みずに行動してしまうので」

リヴァイ「部下に、怪我させんなよ?お前も、辛い気持ちになるだろう?」

ハンジ「へ?はい。うん、その通りですが」

モブリット「本当に正論ですよ!気をつけましょうね?」

ハンジ「うん。ペトラごめんなさい」

ペトラ「あ、あのあの、私は大丈夫なので!勝手にこう、体が動いてしまって、こうなっただけで、逆に迷惑かけて申し訳ないというか」

モブリット「いえ、ペトラさんの、咄嗟の判断のお陰でリーダーは無傷で済んだんですよ?」

リヴァイ「ったく。無茶しやがって。おいクソメガネ、とりあえず今日明日はペトラは休ませろ、さっきも言ったとおりもう心配はねえからな」

ハンジ「もちろんだよ!ペトラ、良くなるまでしっかり休んで?」

ペトラ「ええ、むしろもう元気ですけど」

モブリット「いえいえ、今日のところは安静に、明日も休んで下さい」

リヴァイ「そういうことだ。お前らはもう帰っていいぞ。付き添いは、俺が知り合いだから問題ない」

ハンジ「はい、よろしくお願いします!ペトラ、ゆっくり休んでね。お医者さんが知り合いなら安心だね、じゃあお疲れさま」


ペトラ「ありがとうございます。お疲れ様です」


パタン


ペトラ「えっと、、、ちょっと頭が混乱して」

リヴァイ「ん?外傷も異常もなかったはずだがちょっと見せろ」

ペトラ「へ、ひゃあ」


頭を掴まれて見られて、というより凄く距離が近くて、、、これは、診察なのだけれど


リヴァイ「うーむ、どこか痛むか?脳震盪のせいでこの辺に鈍痛がするか?」

ペトラ「は、はい、でもだいじょぶ、です」

リヴァイ「そうか?」

なでなで

う、撫でられてるのは痛いからで、、、


リヴァイ「それより、顔に傷作りやがって。まぁしっかり治してやるから心配するな。全身にも軽い痣や擦り傷があるが、自然に治るくらいのもので済んで良かった」

ペトラ「へへ、ちょっと怪我するくらいは慣れてます、私昔から女らしくなくて、、、って、待って下さい、全身?見たんですか?」

リヴァイ「ある程度は。診察のために一応」

ペトラ「えっ、えええ!?」

リヴァイ「別に下着外したりとかはしてねえぞ?そんな目で見るな、俺は医者だぞ」

ペトラ「うぅ。そういえば、医者だなんて初めて知りましたよ」

リヴァイ「そうだったな、お前は外から来た奴だから教えても問題はなかっただろうけど」

ペトラ「あ、そっか、この街では、、、」


この街は特殊で、未だに科学的な医療を良しとしない風習があると

先進医療を良しとするか、拒否をする宗教のようなものとが混在している

都市部のほうでは受け入れられていることのほうが最近は多いと聞くが、、、


ペトラ「私の出身の国では普通に病院があって、お金を払えば先進医療を受けられるのは当たり前でしたから、気にしませんよ?」

リヴァイ「そうだろうな。この街の奴らが特殊なだけだ。助けられる命を、祈りやなんかで投げ打つのは俺は許せなかったからな」

ペトラ「そうだったんですか。リヴァイさんが、そうして自分のことを話してくれるの、初めてですね」

リヴァイ「なんだ?記憶が飛んだのか?お前とはいつも普通に喋ってるはずだが」

ペトラ「私の方ばっかり、色々聞いてもらってばっかりで」

リヴァイ「まあそんな気もするが、俺は普通に答えてるし、自分の言いたいことは言ってるぞ?」

ペトラ「そ、それなら、いいんですけど」


そっか、彼なりに普通に話してくれてたんだ

確かに気を使って話してる素振りはないし

ただ、必要のないことは話さないだけで


リヴァイ「それよりペトラ、顔が赤いな、少し熱いがどうした?熱か?」

ペトラ「ち、ちが、、」

そんなに触られてるから、なんですけど

ペトラ「う、あの、大丈夫ですので」

リヴァイ「ならいいが、、、少し横になって寝てろ。俺は仕事を片付けてくるが、終わったら迎えに来る。ちゃんと送ってやるから、安心しろ」

この人は、自覚はあるのだろうか

ただの診察だから、人の身体に触り慣れてるのだろうけれど

私は、そうじゃないわけで


相手が、あなただから、なのですけど


横になって彼を待つ間も眠れなかった


戻ってきた時には寝たふりをしておいた

寝たふり、バレるだろうか


彼の気配が近づいて


ベッドに腰掛ける音と


リヴァイ「はぁ、人の気も知らないで、、、可愛い寝顔だな」


え!?独り言、、、!?にしては、聞き捨てならないんですけど?


リヴァイ「今なら、何してもバレねえか?」

ギシッ


ちょっと!?ベッドの軋む音と、彼がすぐそばにいる気配

たぶん、顔が近い

見られてる?感じがする


リヴァイ「ふむ、寝てやがるな。キスして起こしてやるか」


ぱちっ

しまった!思わず目を開けてしまった


リヴァイ「ふふ、やっぱ起きてやがったな」

ペトラ「い、今ですよ!?起きたの!なんでこんな近くにいるんですか?」

リヴァイ「起こそうと思って、ちょっとからかってやっただけだ」


悪質です。からかってたのはどこからですか?


寝てたことになってるんだから、聞けるわけもなく




ただ気持ちだけが高鳴る帰り道だった

目を閉じたままだったら、ほんとにキスするつもり、だったのかな

時々心配そうな顔で彼がこちらを見ること以外は、いつも通り、だけれど私は、、、


ぼんやりしたまま、アパートの前へついてしまった

少しだけ、知ってることが増えただけで

それだけの私には、何も、言えない


リヴァイ「大丈夫そうか?あまり顔色は優れないようだが、飯はちゃんと食えそうか?」

ペトラ「はい」

リヴァイ「後はこれ、顔の傷はこの消毒液と薬を使ってこまめにガーゼを取り替えること。できるか?」

ペトラ「はい」

リヴァイ「?ほんとに、大丈夫か?」

ペトラ「大丈夫です。迷惑かけてすみません」

リヴァイ「仕事のうちだ、迷惑なんかじゃない、が、そんな顔されてちゃあな。さっきからかったのがそんなに嫌だったか?」

ペトラ「そうじゃないです。平気ですから」

リヴァイ「はぁ、そうか。じゃあ部屋に戻って安静にすること、傷の具合を診るからちゃんと治るまで診察に来い。治るまで酒は飲むなよ?」

ペトラ「はい。ありがとうございました」

リヴァイ「、、、あぁ、じゃあ、な」


恥ずかしくて、意識してて、酔ってもいないとうまく話せなくて、

部屋に戻ってベッドに横になって、ただぼんやりしていた

脳震盪で気を失って、ちょっと怪我したことぐらいなんでもなかった

もっと、重い病気にかかった気分だった

恋は病だとか、だれがそんな事を言ってたんだっけ?

そんなことを考えて、思い出そうと回らない頭を巡らしていたら、部屋のノックが鳴った

コンコン

誰だろう、心配してハンジさんあたりが来てくれたのかな?私を訪ねて来るなんて、それくらいしか

ガチャ

リヴァイ「すまん、起こしたか?」

ペトラ「へ?いえ。え?」

リヴァイ「その様子じゃ飯も食ってねえし、ガーゼも取り替えてないな?」

ペトラ「あう、はいすいません。ちょっと動けなくて」

リヴァイ「それならちゃんと言え、一応、主治医だ。飯作る材料を買ってきた。邪魔するがいいか?」

ペトラ「は、はい」


主治医のせいで不治の病を患った私はどうすればいいんですか?


リヴァイ「まずは傷のほうだ。一回剥がすぞ?」

ペトラ「はい、、いてて」

リヴァイ「鏡。見てみろ、今はこんな感じだが」

ペトラ「わぁ、痛いと思ってたら結構大きめに擦り剥いてたんですね」

リヴァイ「お前、女の癖にそんなに自分の顔に無頓着でいいのか?」

ペトラ「跡が残らないように治してくれるって聞いたので」

リヴァイ「それでも、自分で少しは努力しろ。全く。消毒するが、少し滲みるからな?」

ペトラ「はい、あぅ、いたたたた!少しじゃない!」

リヴァイ「辛抱しろ」

ペトラ「うぅ」

リヴァイ「こうなりたくなかったら、もう怪我はすんな」

ペトラ「でも、ただの擦り傷で。主治医だったらわざわざここまでしてるんですか?いつも」

リヴァイ「んな訳ねぇだろ。お前じゃなかったらしてねえ」

ペトラ「えっ、と。それは。知り合いだから?」

リヴァイ「そうだな。俺はお前の事を特別に思ってるけどな」

ペトラ「へっ!?あの、特別にって?」

リヴァイ「俺はどうでもいい奴とはそもそも関わらないし、いちいち送ったりもしない。

ただの患者には医者としてしか接しない。確かお前、この街には友人がいないって言ってたからな。だから、放っておけなくなる」


ペトラ「そう、ですか」

少しだけ期待してしまったけど、馬鹿だな私。可哀想に思って、こうしてくれてるだけ

どうでもいい奴、ではなかった事だけは救われた



リヴァイ「よし、こんなもんか。じゃあ飯作るから大人しくして待ってろ。キッチン借りるぞ」

ペトラ「はい。ありがとうございます」



心に比べたら、こんな擦り傷の痛みが心地良く思えた

幸せ者なのに

恋してる相手が優しくしてくれて、部屋にいてくれて、ご飯を作ってくれて。私のために


なのに、どうして、こんなに苦しいんだろう


伝えられない、そんな壁を感じていた



いつまでも、これは叶わない想いなんだと

むず痒い。一旦ここまでです。

みお

ヨスガりますか?

面白いんだけど
進撃って今こんなことになってたの…?

>>23
残念ながらヨスガりませんw
タイトルは決めあぐねていた俺に降ってきたBGMだった

>>24
ありがとうございます!
進撃は今こんな事になっておりません。別のセカイのお話です



ぼんやりしていてもしょうがない

それに、今は距離を縮められるチャンスなのだから


少しくらいは、頑張ってみても、いいですか?


ペトラ「あの、手伝い、、、」

リヴァイ「大人しくしてろ」

ペトラ「うぅ。リヴァイさん、料理の手際いいですね」

リヴァイ「医者やってんのに、手先が不器用なわけないってとこだろうな」

ペトラ「いつも、自分で作ってるんですか?」


この質問は答えが怖かった

結婚してたり、恋人がいたら


そういう答えが帰ってくるなら、それはそれで、諦めがつくのだろうか


リヴァイ「まぁ、そうだな。外食が多いかもしれんが」

ペトラ「そう、なんですか」


それだけだと、判断がつかない

でも、それ以上踏み込んだ質問ができなかった

はっきり聞いたら、ありのまま答えてくれるのだろうけれど


リヴァイ「お前はどうなんだ?一応自炊はしているようだが」

ペトラ「早く帰れれば、ですね。ほとんど研究所の食堂で済ませてますよ」

リヴァイ「そうか。俺も仕事中はそんなもんだな。今度、食事でも行くか?」

ペトラ「ふぇ?は、はい」

リヴァイ「お互い早く帰れる時にでも。お前この辺の美味い店とか知らないだろ?」

ペトラ「はい、あんまり詳しくないですが」

リヴァイ「じゃあ連れてってやる。よし、出来たぞ。悪いが今日は俺の作った飯で我慢しろ」

ペトラ「、、、はい!美味しそう!嬉しいですよ」


目の前の料理も本当に美味しそうで、彼の手料理で、ものすごく嬉しいのだけれど


食事にって、ふたりで、だよね


待って、私はまだこの街の文化にそこまで詳しくないのかもしれない

大体、看病がてらといって男の人とふたりで部屋にいるとか

私の中の常識では、距離感がとても近い、関係

ここでは普通のこと、なのかな


ペトラ「本当に美味しいです。料理、上手なんですね」

リヴァイ「そうか?あんまり重くならないように味付けは薄めにしてみたが」

ペトラ「はい、ちょうどいいですよ。あんまり食欲はなかったんですけど、全部食べられそう」

リヴァイ「なら良かった。作りおきあるから、明日温め直してちゃんと食えよ」

ペトラ「はい。リヴァイさんは、優しいですよね。いつも、、、気にかけてくれて」

リヴァイ「普通のことしかしてないぞ、俺は。お前の育ったとこはそんなに酷い環境だったのか?」

ペトラ「いえ、そんなことはないですけど。なんでかな、この街の人を私があまり知らないからかな。んー、でもウチの研究所にもこの街の人はたくさんいるしみんないい人だけれど、、、」

リヴァイ「ああ、この街の奴らは排他的だろ?家柄やら血統やら宗教やら身分だの。どいつもこいつも何かに囚われてて、外の文化もあまり受け入れない。だから上っ面だけは良い顔してやがるがな」

ペトラ「うーん、似たような事はどこの国にもありそうだけれど。リヴァイさんは?」

リヴァイ「俺は、そういうのに囚われたくないから医者をやってるし、お前にも普通に接している。お前にはどう思われているかはわからんが、この街じゃ俺は変人の類だな」

ペトラ「リヴァイさんはこの街じゃなくても変人かもしれませんけど」

リヴァイ「そうなのか?まぁ、そうかもな」

そう言って彼は少しだけ笑った

いつもあまり表情を変えない人だから、珍しい

やっぱりちょっと、変な人


何かに囚われている人達

彼は、どこかに属していて、それに囚われようとしない


肝心なところは、やっぱり聞けなかった


ペトラ「ごちそうさまでした。本当に今日は助かりました、ありがとうございます」

リヴァイ「ああ、普通のことだ。だが誰にでもはしないからな」


もう。どうして、そんな期待を持たせる事ばかり

したり言ったり、からかったり


それなら、私にもひとつくらい、許してくれますか?


ペトラ「じゃあ、、、帰り際に、別れるときには私の育った国では普通はこうするんです」

リヴァイ「ん?どうするんだ?」

ペトラ「はぐはぐ」

リヴァイ「は?」

ペトラ「ハグ、するんです」

リヴァイ「ああ、そうなのか。よくわからんが、こうか?」


ぎこちない仕草で、彼はそっと私の身体を抱きしめてくれた

控えめに、しがみつくのが精一杯で

このまま時間が止まって欲しいと、思えた


リヴァイ「、、、こんなに長く、するもんなのか?」

ペトラ「いえ。しませんよ?それに、普通はっていうのは嘘です。親しい間柄だけですよ」


からかわれた仕返し。そう言うつもりだったのに


リヴァイ「それなら、嘘じゃないんじゃないか?」

ペトラ「え?」

リヴァイ「親しい仲なら、普通ということだろう?」

ペトラ「ええ、まあ」


この人の親しいは、どこからなんだろうか


リヴァイ「特別に気にかけてると言っただろう?悪くないな、こうするのは」

ペトラ「はい、あの、、、私も、リヴァイさんの事は、特別に気にかけて、ます」

リヴァイ「そうか。こうしていると、名残惜しくなるな。じゃあ、帰るが、、、ゆっくり休めよ」


そっと、身体を離して、

名残惜しい、という言葉通りに彼は少しだけ寂しそうな顔をした


ペトラ「私も、誰にでもはしませんから」

リヴァイ「ああ」


そんな顔されたら、私はまた、心を揺さぶられてしまいます


それが嬉しくて、辛かった




彼のいなくなった部屋

さっきまでここにいてくれて

まだ、体温が残ってる


今日のことが全部、夢のように思えて

シャワーを浴びるのが勿体なく感じたけれど、しっかり浴びて

つけてもらったガーゼを取り替えるのが勿体無いけど、取り替えて


眠るのが勿体なく感じたけれど、緊張の解けた体が意識を奪うようにして、深い眠りについた


翌朝、いつもの時間に起きて

頭痛はもう残っていなかったから、研究所に出向こうかと思ったけれど

電話が鳴った

ペトラ「はい」

ハンジ「ペトラ!おはよう、調子はどう?」

ペトラ「もうすっかり元気ですよ、なので今から向かおうと」

ハンジ「駄目だめ!あなたのことだから、そうすると思ってたけど、ここ最近ずっと休みなく働いてたし、今日は大事を取ってゆっくりしてて!」

ペトラ「でも、やることがたくさん」

ハンジ「それは私達に任せといて!ウチらも無理なく休みながらやるからさ、仲間を信じて?それに、あなたの知り合いのお医者さんも言ってたでしょ?何かあってから、後悔するのもさせるのも、辛いからね」

ペトラ「う、確かに、そうですね、、、じゃあハンジさんも、無理をしないで下さいね。今日はお言葉に甘えて休ませてもらいます」


そういえばここに来てから、一日丸ごと休むなんてしていなかった

休日もそのときに出来ることを何か調べごとをしていたり。遊んだりするにも、相手がいないし


昨日彼が作り置いてくれた料理を食べながらも、結局資料に目を通していた

解読がまだ出来ていない言語の写し

ぼんやりと眺めてもまだわからず、その道のプロでさえ難儀しているのだから当然だ


この街のこと

私はまだ基本的なことを見落としているのではないだろうか?

ある程度の前知識は持ってここへ来たけれど

知らないことや謎が、現代にもまだたくさんある


私は昼間の街へ出てみることにした

賑わいのある通りへ出て、行き交う人々の会話を通り過ぎながら聞いて、さり気なく服装などを見ながら

この人は何に囚われているのか

そんな事を思案しながら


図書館へ行きこの街の歴史の本に目を通すが、どうも表向きな内容のものばかりで、新しいことはあまりわからずじまいだった

ここには、収穫はなさそうだった


そういえば、人々の服装を見ていて思ったが、この街はこれからもっと冷え込むのだったと思い出した

手頃そうな衣料品店で冬物の服を物色した

なんとなく、可愛いらしい服に目が行った

いつも、動きやすい服ばかりで、出かけることもないから夜出かける時もほんの少しお洒落してみるだけ、だったけれど


彼はどんなのが好みなのかな

意識する相手がいると自然とそうなってしまう自分が、少女の頃を思い返す懐かしさだった

服はあっても困るものではない、と、何着か購入して店を出た


あとは本屋で、雑誌や新聞でも買ってひと休みしながら情報収集をしようかな

確か本屋の場所は、こっちの方向だったか

きょろきょろと周りを見渡し、ああこの方向だ、と思い出すと同時に視線に映ったのは


ペトラ「そっか、そうだよね」


通りのカフェの窓際に座って向かい合って話し込んでいる男女

私の好きな人と、綺麗なブロンドの可愛らしい上品そうな女の子


そういう相手ぐらい、いて当たり前じゃないか

私は、納得しただけ

伝える前に、言われる前に、見てしまって、良かったんだ

知っていればもう、何があっても


平気なフリをして予定通り本屋で数冊、並んでいた雑誌や新聞をまとめて購入し、手一杯になった荷物を抱えて気がついたら部屋に戻ってきていた

買ってきたものはそのまま放り投げて、寝転んだ

少しだけ、頬の傷が疼いた

こまめに消毒と塗り薬を、、、


そんなの必要あるか



ガーゼを毟り取り、傷に触れた

こんな痛みなど、やっぱり、大したことないじゃないか


跡が残らないように治してくれるって


残っても、私は構わないけれど


馬鹿

そうなって嫌な思いをするのは私じゃないんだ



それに気づくと驚くほど頭は冷静で

言われた通り消毒をし直し、雑誌をめくり、新聞に目を通してみた


この街の暗黙の了解


何かを感じ取って、話せる相手を思い出し私はいつものバーに向かった


「いらっしゃい、開店早々なんて珍しいの。どうしたんだいその傷は」

ペトラ「ちょっと、擦りむいちゃいました。たいしたことないです」

「女の子なのに顔に傷作るのはいかんぞ、発掘作業は危険もあるからのぅ、、、その傷見たら、リヴァイさんに怒られるんじゃないかね」

ペトラ「偶然、ですけど、治療してくれたのはリヴァイさんなんです。私、彼が医者だってことも知らなくて。この街の、身分とか、そういうことも」

「そうか。ペトラさん、この街には伝説や神話が残っていて、それによる対立が今だにあることは、知ってたと思うが」

ペトラ「はい。実は、そのことを詳しく聞きたくて、今日はまだ誰もいない時間に来ました」

「詳しくか。まず先に、ワシはほぼ中立の立場にいるから、話せるということもある。先祖は壁を守る立場だった、と聞いているが特別な家柄ではないからじゃな」

ペトラ「壁を守る立場?」

「そう。まあいい、ペトラさんが知りたいのはリヴァイさんのことだろう?」

ペトラ「う、正直、それが一番気になってはいますが」

「私から話していいものかの。黙っておいてもらいたい、のと。君がどこまで知っているのかはわからないが」

ペトラ「多分、なにも知りません」

「まずこの街で医者になれるのは、外から来た人もいるが、この街出身の人間ではしっかりした家柄の人間がほとんどじゃ。学ぶ為には相応の大金が必要だからの」

ペトラ「家柄、、、?」

「彼は、真実を知っているとされる血筋を持っている家系のひとつ、この街では名家だから、直接知らなくてもその家系は有名なんだ」

ペトラ「真実を知っている?って、どういうことですか?」

「それについては聞かなかったことにして欲しいところじゃの。直接彼に聞くことも、しないというなら続きを話そう」

ペトラ「ぐっ、、わかりました。聞きません」

「そういう血筋を持った家系はいくつかあってのう、その中でも派閥のようなものがあって対立していたりする。それと、秘密を守るために同じ派閥の中で子孫を残していく風習があってね、予め婚約者が決められてしまうんじゃ」

ペトラ「え、婚約者、、、が」

「見ていたらわからなくもない。君は彼のことを、、、勿論、彼にも婚約者は勝手に決められている。何度も断ってきたとは聞いているが」

ペトラ「それは、どうしてでしょう。それに今は、、、私、今日彼が上品そうな女性と一緒にいるのを見たんです。つまり彼女が」

「表向きは婚約者ということになっているんだろうね。楽しそうにしていたかい?」

ペトラ「いえ、そうは見えませんでした。真剣に何か話し合ってるような感じでしたが」

「そうか、、、断るための説得でもしていたのかもしれんの。それと。医者と知れれば良家の人間で、婚約者も決められている。選んだ相手と自由に恋仲になったとしても結婚は許されない。それがこの街の常識だ。だから彼は医者だということを君に話していなかったんじゃないかな」

ペトラ「マスターまでそんな事を言わないで下さい。立場がどうあれ私なんて彼に見初めでもらえるような女じゃないですから」

「どうかな。彼は君のことを気に入ってると思うけどね?、そう感じたことはないかい?、」

ペトラ「勘違い、だと思います」

「君がそれで済ませるならそれでいい。ただ、私も彼と同じくこの街の風習にはウンザリしているところだ。変えてもいいものだと、思っているよ」

ペトラ「変える、か、、、。それより、真実というのは」

「君が探しているものと同じかもしれないし、真実というのも年月が経てば曖昧になる。それより私は、この街の未来が、もっと自由になればいいと思っている」


未来か

私達が探し出そうとしている過去は、それに繋がっていくのだろうか

それとも、もう掘り返してはいけないもの?

先のことは、わからなかった


そう、明日のことさえ誰にもわからないのと、同じように


次の日

ハンジ「あーペトラ!もう大丈夫!?傷は流石にまだ完治してないだろうけど」

ペトラ「大丈夫ですよ、ホントにもう気にしなくていいですから、ね?」

ハンジ「うん、ありがとう。その割に、なんだか元気なさそうだよ?何かあった?」

ペトラ「ちょっと、、、休んでいる間に考えたんです。私達は、正しい事をしているのだろうかと」

ハンジ「正しい事、か。私は、人間の探究心は尊いものだと思っているよ。この街にはそういうものを煙たがる人達がいるのも感じているけど、やめるつもりはないね。なにか、嫌なことでも言われた?」

ペトラ「いえ、私もやめるつもりはないです。ただ、過去を探ることがこの先に良い方向へ繋がるのか、不安になっただけです」

ハンジ「んー、もし。真実が残酷なものであったとしても。それを乗り越えなきゃ本当の未来なんてないと、正しい道には進めないと、私は思ってるよ」

ペトラ「そう、ですね。うん。大丈夫です、やっぱり私の気持ちは変わりませんから」

ハンジ「ついてきてくれる?」

ペトラ「もちろんです」


モブリット「今度は無茶したときは僕が止めるから、安心してね」

ペトラ「モブリットさん!というか、無茶するのはやっぱり前提なんですね」

ハンジ「あははー、ごめんごめん!もう、気をつけるからさ!」


ある日

出土品の中には、何かの印だったと思えるものがあり、破片だったり血液の付着したもの、様々な形で

時々見つかっていたそれが大量に出てきた

特定の箇所から多く出たり、遺跡の外で見つかったりと様々だったが、私はそれが何を意味するものなのかがずっと気になっていた

今のところは、どうやら衣服につけられていたものらしい、と。それしかわかっていなかった


作業に追われていて、診察に行く暇がなかった

時間を作れなかったわけではない、ただ少し、億劫だったのだ


彼に会うのが


ハンジ「そういえばペトラ、あれからちゃんと診察行った?」

ペトラ「いえ、もう調子もいいですし傷の方もほぼ治ったので」

ハンジ「駄目だめ!跡が残らないようにするんだったでしょ?今日はもうあがっていいから行ってきなよ、まだ間に合うだろうから」

ペトラ「う、、はい」


忘れていた。傷が残ったらそれを見る度に悲しむのは自分ではないのだからと、自覚してたくせに


重たい足取りで病院へ向かうと、

長身の黒髪の女の子がこちらに向かって歩いてくるのが見えた


すれ違うのではなく、明らかに私を見て近づいてきた


サラサラとした黒髪

この街の人達はブラウンかブロンドヘアの人が多いので少し目立って見えるのと、あの人の事を彷彿とさせた


「こんにちは。先日、あなたの事を見かけました」

ペトラ「え、はい。なにかご用でしょうか?」

ミカサ「私は、ミカサといいます。あなたは、この街の出身ですか?そうであるようにも、そうでないようにも見えますが」

ペトラ「違いますが」

ミカサ「両親や、先祖の方は?」

ペトラ「わかりません。私は片親で育ったので」

ミカサ「なるほど。それでは、無理もないことですね。あなたは何も、知らないままでいてください」

ペトラ「意味が、わかりません。私は考古学のグループに所属しているので、知らないままというわけにはいかないです」

ミカサ「そうですか。しかし、どんなに調べようともあなた達には本当のことはわからないまま。徒労に終わるだけですよ」


彼女は

どこに属している人なのだろうか

真実を知る家系の、そうなるとこの街でも有名な家柄の人?

使い込んでいるらしいマフラー以外は、高給そうなコートとブーツを身に着けていたところからそう察する


ペトラ「聞き出すことは無理だと、結局真実までは辿りつけないと」

ミカサ「推測だけの歴史を作り上げて、それで満足するぐらいしか、できないでしょう。なにもこの街の人達は隠し事をしているわけでもありません。

ただ、潜在的には平和に静かに暮らしたいとそれだけ願っているんです。その為には、もう必要のないしきたりを守り続けてる、それだけです」


ペトラ「必要のないものを守り続けてる?それは、誰が何のために」

ミカサ「一部の家系だけの話です。いい加減、それごと壊れてしまえばいい。あの壁のように」

ペトラ「遺跡のこと、あれは、人間が作為的に壊したものなの?」

ミカサ「少々、お話が過ぎました。ひとつだけ最後に。あなたは、自分の想いを貫いて下さい。そうしてくれると、私の、、、思いも貫けるから」

ペトラ「え、それは」

ミカサ「発掘作業のことではありませんよ?それだけです。では」


それだけ言い残して彼女は去っていった

真実を知っているのか?そう勘繰るだけの材料を彼女は残していった

あの人を彷彿とさせるところといい、何か関係があるのだろうか


私の思い、想いを?

まるで、見透かされているような口ぶり

ブラフなのか、それがどういう意味を持っているのか、これも結局のところ推測でしかわからなかった


けれど、

これから、会いに行く人への想いを

自分自身でさえ、どうしたらいいのかなんて、わからないまま、なのに


リヴァイ「来るのが遅い」


診察室に入るなり、彼はすこぶる機嫌の悪そうな顔をしてそう言った

ペトラ「すみません、その、忙しかったもので」

リヴァイ「もっと自分の事を案じろ。どうしてお前はそう危ういんだ、全く。はぁ、さっさと見せろ」

ペトラ「はぃ、いてて」

リヴァイ「ふむ、ちゃんと消毒と薬はサボらずしていたようだな」

ペトラ「はい、ちゃんとしてましたので、大丈夫かなーと」

リヴァイ「だろうな、お前じゃなけりゃただの擦り傷でここまでしない」

ペトラ「はぁ、医療費のぼったくりですか?私、余所者ですし」

リヴァイ「お前も言うようになったもんだな。一応、傷以外の経過もな。あれから頭痛や体調に異変はないか?」

ペトラ「元気です。ちょっと大袈裟に心配されてるのが申し訳ないくらいに」


ああ、良かった。普通に話せている

普通に話そう、そう意識しすぎてもいるけれど


リヴァイ「なら大丈夫だろう。ここまで良くなっていれば傷の方も栄養あるものちゃんと食ってればいずれ跡も残らず消えるだろ。お前はまだ若いからな」

ペトラ「はい。ありがとうございました。正直、来るまでもなかったですかね」

リヴァイ「いい加減に覚えろよ、自分の身を案じろ。それと、今日の診察代はいらん」

ペトラ「いや、そういうわけには」

リヴァイ「いいから。それより、何かあったか?」

ペトラ「え、」


どうしよう

そんなに顔に出ていただろうか


話すべきだろうか

聞くべきだろうか


何を?


話せば、まだ彼といられる時間が


長いほど苦しい?


それとも、想いを貫くのなら


そう言ったさっきの彼女の話をすることにした


ペトラ「あの、ミカサという娘を知っていますか?」

リヴァイ「、、、むしろ、何でお前が知っている?」

ペトラ「病院の前で話しかけられました」

リヴァイ「あいつ、、、。ミカサは、俺の妹だ」

ペトラ「そうだったんですね、どこか、似てるなと思いました」

リヴァイ「似てねぇ。あいつ、何かおかしな事言ってやがったか?」

ペトラ「真実は、知ることができないというような事と、知らないままでいい。必要のないしきたりがあるとか、そういう事を言われました。私には、よくわかりませんでしたが」


言葉を選んで、差支えのないように話した

私はなにも知らないフリをしていないと余計な事を言ってしまいそうだった


リヴァイ「それだけ、か?」

ペトラ「そうですね。あまり意味がわからなかったのでなんとも」

リヴァイ「そうか、、、。お前、この後の予定は?」

ペトラ「とくに、ありませんが」

リヴァイ「じゃあ夕飯につきあえ。ミカサの事がなくともこの時間なら誘うつもりだったが」

ペトラ「えっ」 

リヴァイ「約束しなかったか?」

ペトラ「はい。へへ、嬉しいです」


いいのだろうか、仮にも婚約者のいる人と

断る、とはいえそう決められていては避けられるものではないのだろうし


私は、やっぱり何も知らない


知らないが故に、それならば



連れられてきたレストランは、私一人では到底来ることのなかったであろう綺麗でかつ雰囲気のいいところではあったが、高級過ぎず落ち着かないということはなかった

リヴァイ「その服、似合ってるな」

ペトラ「えっ?は、はい」

一応持っていた着替えで来て良かった

少しは可愛らしい服を、といくつか買っておいたものは無駄にはならなかった、ひとまず今日だけは

彼はあの後から確信には触れず、無難な言葉しかかけてこない

社交辞令かもしれないけれど、褒めて貰えたのは嬉しくて、恥ずかしくて

思わず下を向いて食事をしながら


なにか言いかけようとして

何から話すべきか

お互いに迷っていた


食事が終わり、運ばれてきたお酒を呑み始めてから彼は話し始めた


リヴァイ「俺は、なにもかも知ってるというわけではない。元々ウチの家系は、迫害されてたらしいからな。それはずいぶん昔のことで今はむしろ逆だが、そうなったのには理由がある」

ペトラ「はい」

リヴァイ「だがな、正直それが曖昧すぎて俺は確信を持てずにいる。だから、話半分に聞いてくれ。流れを先に話すと、元々は王家の側近だったが、ある能力のせいで迫害されるようになったと」

ペトラ「ある能力?」

リヴァイ「ああ。今は俺もミカサもその血筋は受け継いでいるものの、、、それは何世代か前から封じられたままだということだけは聞かされた。だからそれがどんなものかはわからねえし、うまく言えないが」

ペトラ「それが王家にとって邪魔になったということ?だとしたら、何か都合が悪いことがあったのでしょうか」

リヴァイ「だろうな。それがいつからこうなったのかはわからんが、俺達の代になって逆にこの能力を今の王家、レイス家は求めているらしくてな。

俺もミカサも、この街では一部の家系じゃ当たり前のように婚約者が勝手に決められるんだが、レイス家からの縁談をどんなに断っても断りきれずにいる」


ペトラ「あ、ああそうだったんですね。それでミカサさんも自分の想いを、、、って、」

リヴァイ「ん?」

ペトラ「いえ!なんでもないです!ところで婚約者さん、いるんですね?」

リヴァイ「そうなってる。断ってはいるが」

ペトラ「どうしてですか?」

リヴァイ「こんなに不自由なら、俺はとっくにこの街を出てるはずだった。だがこの街に留まらなきゃ悪い事が起こるような、妙な予感がしてな。とりあえずミカサをひとりにするわけにもいかないからな」

ペトラ「他に、ご家族の方はいないんですね」

リヴァイ「そうだな。俺もだがミカサも変わった奴だったろ?落ち着くまで何するかわからんからな」

ペトラ「ふふ。心配なんですね」

リヴァイ「他にしてやる奴がいないからな。アイツも医者になるつもりらしいから、それならどこ行ってもやっていけるだろう。俺より堅実だからな」



妹思いで、本当はこの街のことを放っておけないんだろう

なんだか、私にとって肝心なところは聞けなかったけれど、やはり優しい人なんだと再確認して


まだ迷っている、けれど、



そんな気持ちのままの帰り道



伝えたい



タイムリミットが来るまでの間

それは一層強くなっていった

もうすぐ、アパートの前に着いてしまう



ペトラ「今日は、ごちそうさまでした。それに、送ってくれてありがとう」

リヴァイ「俺の方こそ、付き合わせたな。ペトラ」

突然、抱きしめられた

リヴァイ「どうした?こうするのは当たり前じゃなかったか」

ペトラ「はい」

リヴァイ「じゃあ、またな」


私は、自分の思いを


袖をきゅっと握った


帰らないで、離れないで


リヴァイ「ん?どうした?」


行かないで、ひとりにしないで


ペトラ「あの、食事のお礼にお茶でも。どうですか?」

リヴァイ「礼なら、、、必要ない」

ペトラ「一緒に、いたいです」

リヴァイ「ペトラ」

ペトラ「泊まっていってくれても、その、構いませんから」

リヴァイ「、、、お前、自分が何言ってるかわかってるか?」

ペトラ「わかって、ます」

リヴァイ「寂しいだけだったら、俺を惑わすな」


ペトラ「違います。私は、あなたのことが好きですから」


やっとの思いで口にした言葉


断られたら、酔ってただけですと誤魔化せるだろうか


リヴァイ「ペトラ、俺は、、、」

ペトラ「いいんです。答えてくれなくて。好き、ですけど、どうして欲しいっていうわけじゃないんです、だから今まで通りで」

リヴァイ「俺も、まだ帰りたくない。お前といたい。だから、茶を出してくれるか?」

ペトラ「はい」


目を逸らして、少しだけ恥ずかしそうにそう言う彼に、私は精一杯微笑んで返事をした

寸止めとりまここまで。むず痒い。みお

にょー。かゆい。だがそれがいい。

>>46
どうもー!


私が紅茶を淹れている間、彼はソファに腰掛けて私の研究資料の写しに目を通していた

読めない言語も、彼には読めるのだろうか?まさか、いえ、ありえない話じゃない


ペトラ「紅茶、できましたよ。リヴァイさん、それ、読めるのですか?」

リヴァイ「少しな。この言語の文献はウチに残っているからな」

ペトラ「ええ!?ちょっ、それって、、、そんなのが、たくさん存在するなら」

リヴァイ「はぁ、紅茶うまいな」

ペトラ「誤魔化さないで下さいよぉ」

リヴァイ「全部開示してしまえばいいと思ったこともある。家にある物だけじゃなく、過去の遺産を持ってる奴ら全部」

ペトラ「そうしてもらえないと、私達のしていることも徒労に終わると」

リヴァイ「それはまた、別の話だと俺は思っているがな」

ペトラ「うぅ。どうして、開示してしまえばいいと思って、していないんですか?」

リヴァイ「さっきも話したが、確信できないことが多すぎる。もっと若い頃は自由になりたいと自分の境遇に対して必死になりもしたが、、、ウチの家系は短命でな。過去を掘り返してる暇があれば出来る限り救いたいと思って医者になることにした」

ペトラ「そう、だったんですか、、、」

リヴァイ「俺らより、外から来た奴らが探ってくれた方がいい。純粋な目で見てもらったものが公にされる方がいいだろう。世界は、バカみてぇに広いんだからな」

ペトラ「はい、、、!ところで、それにはなんて書いてあるんですか?」


リヴァイ「これか?これは、ただの恋文みてえだな」

ペトラ「ら、ラブレターですか?」

リヴァイ「そのようだが、これ書いた奴は馬鹿だな。死んだ奴に向けて書いて、なにがしたかったんだかな」

ペトラ「え、死んだ、相手に??」

リヴァイ「残って出てくるってことは、よっぽど大事にしまってやがったんだろうな。まぁ、わからんこともないがな」

ペトラ「そうですね、なんだか凄くロマンチックなものだったんですね。出来れば自分で読めるようになりたいです」

リヴァイ「俺は恋心なんてわからなかったが、失くして何年たっても思い出す、他の奴が少しずつ消えていったとしても、お前だけが時折胸を突き刺すような痛みを俺に与えるんだ」

ペトラ「は、はい!?」

リヴァイ「っていうような、内容だ」

ペトラ「ああ、うん、はい」

リヴァイ「だが俺は、こうはなりたくないな」

ペトラ「そうですね、私も、なりたくないです。いつも、後悔のないように」


お喋りに夢中になってしまっていたけど

私、告白して、今ふたりでこうしているのは


ペトラ「あ、あの。好きですって、言ったのも後悔のないようにってだけで、その、少しだけでいいから、意識してもらいたくて、って、何を言ってるんだろ私、うぅ」

リヴァイ「落ち着け。あのな、俺は立場上好き勝手にそういうことは出来ない。もしそうして、困らせたりするのは相手の方だからだ。特別に思う奴にほど、近づきすぎると傷つけるし、覚悟させる必要があるからな」

ペトラ「覚悟、ですか。私はできてますよ、なにより辛いことが何なのかぐらい、自分の事は自分でわかっていますから。だから、」


見つめあった、でもすぐに逸しあった


すぐそばに、触れられる距離


言葉を紡ぐのには勇気が必要だった

壊さないように、壊れないように


ペトラ「今日が、最後だったらどうしますか?」

リヴァイ「なにも残せずに終わる、か、」

ペトラ「それは、嫌です、私は、、だから、許してください」


精一杯の勇気でした


彼の唇に、そっと自分の唇を重ねた

拒まれなかったから、何度か口付けて

彼もそれに答えてくれた

優しく、髪を撫でてくれた


リヴァイ「ペトラ、俺もお前の事が好きだ。だから、これ以上は、できない」


ペトラ「好き、なんですか?」

リヴァイ「ああ。だが俺もお前にどうして欲しいって訳じゃない。言っても言わなくても後悔するんだろうが、嘘はつきたくないと思った。それだけだ」

ペトラ「その気持ちだけで充分です。好きって言ってもらえて、嬉しいです」


抱きしめたら、彼も優しく抱きしめ返してくれた


リヴァイ「傷つけたくない、から、これ以上は」

ペトラ「でも、嘘はつきたくないって」


私はもう一度、彼にキスをした

今度はもっと、すこしづつ、深く、

そっと舌を絡ませると、しっかりと抱きしめてくれて、私を受け止め、求めるように答えてくれた

そう感じたとき、さっきまでの私はいなくなって


もう欲深いただの嫌な女だ、と少しだけ自嘲して枷が外れた


何度も唇を咬み合って絡ませて、いやらしい音を立てながら吐息を分けあって

少しずつ強く抱きしめてくれる彼の腕に甘えて


後悔?そんなものは、死ぬときにでもすればいい


いけないこと、それは、人の欲が押し通されるたびに更新されていく現実だ



リヴァイ「ペトラ、俺はお前に辛い覚悟をさせるために好きになったんじゃない」

ペトラ「もう、できていますって伝えたとおりです。だから、もっと、近づきたいって思ったらダメですか?」


リヴァイ「本当にいいのか?俺は、、お前を傷つけるようなことにならないか、、、」

ペトラ「今は、いいですから」

ベッドに入っても、彼は憂鬱そうに心配ばかりしていた

積極的に誘ったのは私

彼の抱えてる事情も、婚約者がいることも知りながら、なんて酷い女なんだろうか

自己中心的で、我儘で、
こんな独占欲があることを、私自身知らなかった

実際には、束縛などできない切なさが私を突き動かしたんだと思う

服を脱ぎ、私は自身の罪を認めてこうしている、という覚悟を決めて彼に身を寄せた

体で独占できるほどの魅力はない自覚はあるし、そんな事で縛れる彼じゃないこともわかっている

私の体を抱きとめてくれた彼は、もう一度私の目をしっかりと見つめ、キスをしてくれた


リヴァイ「無理するな、震えてるぞ?」

ペトラ「寒いから、です。暖めてもらえれば、収まります」

リヴァイ「ん、確かに冷えてんな」

そう言うと、肩口や腕にそっとキスをしてくれた

それだけのことでも、私の体は悦びのほうで震えてしまいそうだった

ペトラ「あ、んっ、、、」

彼はそっと抱きかかえた私を押し倒して、キスと愛撫で体を暖めてくれた

探るような指先で、その手で、もっと、触れて欲しくて

ただでさえ背徳的なその行為に、夢中になりそうで、瞳が潤んだ

後悔したくないなら、するべきではないのに、もう、戻れない、戻りたくないから、どうか

ペトラ「もっと、触って欲しいです」

リヴァイ「そうしたい、が、、そんなにしがみつかれてると、身動きがとりにくいんだが」

ペトラ「はぅ、ごめんなさ、」

ちゅう

リヴァイ「ちょっと、待ってろ。それともう少し力抜け」

ペトラ「うぅ」


彼は服を全部脱ぎ捨てると、私の下着もゆっくりと剥ぎ取った

リヴァイ「自分から誘った割には、随分と受け身なんだな」

ペトラ「そんなの、したことなくて、その」

リヴァイ「かまわないぞ。お前の今の顔、凄く可愛らしいな」

ペトラ「うっ、ベッドまで誘うだけで精一杯だったんです、それくらい、好きだって、分かって欲しくて」

リヴァイ「ああ、俺もお前の事が好きだ」

ペトラ「困ってますか?私を抱くの」

リヴァイ「そうだな。だがここまでされて抱かないほど、俺の気持ちは中途半端なものじゃない」

ペトラ「私は、あなたが欲しいです、今だけでも、全部」

リヴァイ「それだけで、いいのか?」

ペトラ「え、、、あっ、ああっ」

突然感じる所を唇で、舌で転がされて思わず見を捩り嬌声をあげてしまう

蕩けそうな吐息と愛撫で意識がとんでしまいそうだ

ペトラ「あっ、、ああん、やっ、やぁ、、、」

リヴァイ「嫌じゃないだろ?もっと触って欲しいと言ったのは、お前だぞ?」

ペトラ「はぅ、うう、やじゃ、ないですぅ」

リヴァイ「そんなに反応されると、もっと触りたくなるな」

ペトラ「あ、やっ、そこ、だめっ、だめぇ、」

リヴァイ「こんなに溢れさせて、だめなのか?」

ペトラ「うっ、恥ずかしい、よぉ」

リヴァイ「俺のも、こうなってるから、同じだぞ」

そこにあてがわれたそれは、とても固くなってて、
ぬるぬると擦り付けられると、欲しくてさらに溢れてしまうのが自分でもわかった

びくびくと、体が反応してしまう

ペトラ「ふぁ、や、やぁん、やっ、」

リヴァイ「うっ、気持ちいい、な。ペトラ、可愛いぞ。こうされるのが、好きなのか?」

ペトラ「や、わかんにゃ、い、です。こんな、感じちゃうの、、はじめて、、」

リヴァイ「俺も慣れてないんだが、初めて嬉しいと思って抱いてる」

ペトラ「うそ、、」

リヴァイ「本当だ。だから、あんまり上手くできなかったら、すまない」

ペトラ「え、、、あ、ああっ」

ずぷずぷ


リヴァイ「う、、はぁ、凄く暖かいんだな、それに、っつ、締め付けられて、気持ちいい」

ペトラ「うっ、くっ、、はぁ、はぁ、う、嬉しい、ひとつに、なれた、、、」

リヴァイ「ああ、俺も凄く嬉しいぞ、、、ペトラ、愛してる」

ペトラ「、、、!私も、あなたを、愛してます」


動けなくなるまで何度も愛し合った

一度してしまったら、二度も三度も同じこと

後悔するよりも先に幸せで、本気で、心から死にたいと願った一瞬

ふたりで毛布に包まり

まだ起きてるかと盗み見ると

彼はキスで返してくれる


眠れずにいるのは

どうしてなのかと

考えているうちに眠っていた私は明け方に目を覚まし、また彼を見上げる

彼はまたキスで返してくれる

ペトラ「眠れなかったですか?」

リヴァイ「いや。少し寝てたぞ、お前と一緒に」

ペトラ「そう、ですか」

いつもと違う表情、昨夜のことを思い出すと急に恥ずかしくなった

途中からお互いに、その行為にひどく夢中になりすぎて、こんなに見せあってしまって、もう、これが最後だと意識していたから

無意識に酷い顔をしていたんだろう、彼は優しく髪を撫でてキスをしてくれる

リヴァイ「お前、なに考えてる?」

ペトラ「今、幸せすぎて、、、怖いんです」

リヴァイ「そうだな、俺も幸せだ。だが不思議と怖くはない。俺は、お前を守ってみせる」

ペトラ「で、でも、、、」

リヴァイ「なんの考えもなしに言ってる訳じゃないからな、だから、俺を信じてみろ」

ペトラ「はい」


日が昇るのがこれほど疎ましいと思うなんて

コーヒーを淹れて、あと少しだけ一緒にゆっくりして、ドアを開けたらいつもの日常に戻らなきゃならない

信じてる、でも、私の気持ちのせいできっと誰かが困ったり迷惑を被ったり、傷ついたり、するんだ

リヴァイ「どうした?まだ憂鬱そうな顔をしてるな」

彼は私がコーヒーを淹れている間、熱心に資料の写しを読んでいた

ペトラ「へへ、ちょっと、離れるのが寂しいなって思っただけです。コーヒーできましたよ」

リヴァイ「ん、ありがとう」

ペトラ「朝食、用意したかったんですけど急で何もなくて。チョコレートぐらいしか」

リヴァイ「そりゃ飯じゃねえな」

ペトラ「でもコーヒーに合いますよ」

リヴァイ「そうか。じゃあ、ひとつもらう」

ペトラ「どうぞ」

リヴァイ「そっちじゃなくて、今お前が口に入れた方を」

ペトラ「ふぇ?あむぅ」

器用に舌で私の口内を弄ってチョコレートを奪っていった

リヴァイ「甘いな」

ペトラ「むぅー、びっくりしたぁ」

リヴァイ「離れるのが寂しいのは俺も同じだ、もっと側にいろ」

ペトラ「はい」

そんなことされて、そんなこといわれたら、もっと寂しくなるんですよ?

そう思いながらも、身を寄せて体温を分け合った

リヴァイ「さっき、信じろと言ったが、約束して欲しい事がある」

ペトラ「なんですか?」

リヴァイ「お前は、お前の進みたい道を進め。これから何があっても、迷わなくていい。どんな形であれ、俺がお前を守るから」

ペトラ「え、それは、、どういう意味、ですか?」

リヴァイ「言葉通りの意味だ。お前は勇気を持って、自分の選んだ道に正しく進んでいける、そういう力がある。俺は、それを肯定してやるから」

ペトラ「どうして、そこまで、、、」

リヴァイ「愛してるってのは、そういう事だと俺は思っている。お前はどうだ?」

ペトラ「、、、そうですね、では、同じ約束を、あなたもしてくれますか?」

リヴァイ「ああ」


去り際のハグは

挨拶代わりではなくて

不安な気持ちで抱きしめあったけれど

交わした約束はキスとチョコレートの味がして

甘くて、少しだけ苦かった

あまい。書き直そうと思いながらそのまま投下ですがこの先はちょっと直すかもしれないし、そのままなら割とすぐ終わりです
スマホ投下に慣れてきたのでペースは早めたい

削除したのにシーン追加して途中だけどこのまま一気にいきたいと書きながらでも考える


ペトラ「おはようございます」

ハンジ「おはようペトラ!あれ?あれあれ?」

ペトラ「な、なんですか??」

ハンジ「なんだか、潤ってる、、それに、ちょっとマフラー外してよく見せてみようか」

ペトラ「ちょっちょっ」

ハンジ「なんと、これはキスマー、」

モブリット「こらっ!何やってるんですか!」

ハンジ「はぅ~だってぇ、これはスキャンダルな匂いが」

ミケ「フン、ペトラが男の匂いをさせてる、、、」

ペトラ「あ、ミケさんお久しぶりです」

モブリット「全く、みなさんそういうところばかり敏感で。もっとペース上げて仕事しないと間に合いませんよ」

ペトラ「そうですよ、さぁ仕事仕事」

ハンジ「むぅ~、ペトラ、後で聞かせてよね!作業ばっかりだとそういう花のある話がさぁ」

ペトラ「ないですって」


ミカサ「お兄様、朝帰りですか?」

リヴァイ「テメェはどうなんだ?こんな時間から書庫でなにしてやがる?」

ミカサ「今帰ってきたことは正直に認めますよ、それと。ここにいる理由ですが、、、エレンの家の血筋には、今は特別なものはなにもありません。その証拠の書類を見つけて来ましたので」

リヴァイ「お前それ、、」

ミカサ「どうせ彼らには解読できない、アッカーマン家の人間にしか読めない言語ですから」

リヴァイ「ああ、、どうやらそのようだが。この言語の書類や文献の紛失は真っ先に俺達が疑われるんだぞ?」

ミカサ「いいじゃないですか、この程度の罪。以前お兄様が話していたこと、あれはどうして実行に移さなかったんですか?」

リヴァイ「この言語がわかる記憶だけ受け継がれてきた。それで特別扱いされるなら、全て燃やしてしまえばいい。って話のことか?」

ミカサ「そうです。逆に記憶を失くしているほうがおかしいとも言っていましたが、どちらにしても迫害されていたという過去がどんなに昔のことであろうとも、あったなら。

それに、何故歴代の先祖がこの言語の翻訳を一切行ってこなかったのか。わからないまま、両親も他界してアッカーマン家は私とお兄様が残されたのみ。もう過去への復讐の為に自由になるべきではありませんか?」


リヴァイ「昔の俺も、同じ様に思っていたがな。だが、もし復讐して、何も得られず全てを失ったら。当時の俺は医者にはなれなかっただろうし、お前も今、医者になろうと勉強してるのが無駄になるかもしれないぞ」

ミカサ「だとしても、このタイミングになってから街の領主であるレイス家がしつこく縁談を持ちかけてくるのはあまりにも不自然です。私も、お兄様も揃ってですよ?」

リヴァイ「それは確かにな。あそこは今兄弟が沢山いるからだと思ってたが、断り続けて最終的には末っ子のヒストリアを俺に押し付けてくるぐらいだからな」

ミカサ「そこまで拘るのにはきっと理由があります。話は戻りますが、もし全てを失った場合に私の心配をして頂けるのは有り難いです。でも、私の犠牲にお兄様がなる必要はありません」

リヴァイ「どうするつもりだ?」


ミカサ「この街に囚われる必要がないのなら。私はエレンと、一緒に街を出ます」

リヴァイ「そうか。やっぱり駆け落ちという方法になるのか」

ミカサ「この街では許されないというのなら。お兄様も、そうするおつもりでした?」

リヴァイ「最悪の場合。だがな」

ミカサ「あの方は、外から来たということですが、この街に全く繋がりのないように見えますか?」

リヴァイ「どうだかな。本人もわからないと言ってることは、わからないだろう」

ミカサ「そうですが、お兄様が惹かれるほどの何かがあるのかと思いまして」

リヴァイ「別の問題だろう。ミカサはエレンの事を特別な何かがあって惚れたのか?」

ミカサ「何もないですよ。と思っていたのですけれど。このエレンの家にあった文献の、ここを見て頂けますか?」

リヴァイ「、、、?先祖が家族として一緒に暮らしていた、、?その後は劣化してよく読めないが」

ミカサ「経緯はよくわかりませんが、戦火の中だったらそういうこともあったのでしょう。なので、もしかしたらお兄様とペトラさんにも何かしらの繋がりがあったのでは?と思ったのですが」

リヴァイ「元々アッカーマン家は分家となっていたものが纏まって、お前の血筋と俺は違う、つまり俺の先祖のほうが、、、だとしても、この家にもそんな証拠はないからな。俺には必要ない」

ミカサ「ないんですか?もしそういったものがあればレイス家の説得も可能かもしれないですよ。それより気になるのは、私達の能力について」

リヴァイ「俺達自身も知らない何かがあるってことか?この書庫に不自然な空白があるのは気になってはいたが」

ミカサ「ええ。私達も知らない事を、レイス家は知っている」

リヴァイ「俺達は真実なんか何も知らないのに等しいからな。知るすべを絶たれている、そう感じるが、、、そういえば」

ミカサ「?」

リヴァイ「ペトラの部屋でもこの言語の資料を見たな」

ミカサ「あの発掘されてる資料の中にあったということですか?」

リヴァイ「ああ。まだ解読されていないものの中に何かあるという可能性も、、、」

ミカサ「なるほど、歓迎してもらえるでしょうか?」

リヴァイ「行く気か?」

ミカサ「ええ。余計な事はしませんから」

リヴァイ「そうか。俺も仕事が終わったら向かうが、本当に余計な事は言うんじゃねえぞ」

ミカサ「ええ」


ハンジ「ふぅ、今日はもう無理せず切り上げよう。日が落ちるのが早くなってきたね」

モブリット「そうですね。しかし雪に埋もれては困る紙などの文献、資料はほぼ集まりましたね」

ペトラ「他の班の方々も、うまくいってるといいですね」

ハンジ「そうだね、冬の間は資料整理、雪が溶けたら遺跡の修復をどこまでやるかも考えて、、先は長いけど、作業の先は見えてきたね。謎はとけないばかりだけど」

ペトラ「ええ、ほんとに」


謎は、彼の知る言語によって、ある程度は解明されるのではないか?


彼自身にその気がなければ強要はできないけれど


それより、次はいつ逢えるんだろ、、、


ハンジ「ん?お客さん??」

ペトラ「!!ミカサさん」

モブリット「ペトラさんのお知り合いですか?」

ペトラ「ええ、まぁ」


このタイミングで?何を言われるのかわからないので、慌てて彼女に駆け寄って周りに聞こえないように話した


ペトラ「あの。どういったご用件で?」

ミカサ「ご心配なく。お兄様のことをどうこうという話ではありませんので」

ペトラ「はぁ、では、どうしたんですか?」

ミカサ「お兄様が読めたという言語の事ですが」

ペトラ「へ?あぁ、はい」

ミカサ「いいんですよ。私はあなたとお兄様がうまく行くことを願ってますから。で、その言語については同じ家系の私も解読できます」

ペトラ「え、、てことは、もしかして!?」

ミカサ「探し物ついでです。解読作業を手伝わせて下さい」

ペトラ「!?どうして、急にそんな気に?」

ミカサ「捜し物ですよ。後でお兄様も来ると言ってましたので」

ペトラ「そ、そうですか」


意外と早く会える、、、

いえ、それよりまずは!


ペトラ「ハンジさん!聞いてください!!」


ハンジ「へえ、つまりあなたの家系だけが読めるって事なのは分かったけど、不可思議すぎるね」


モブリット「ええ、他の人が全くわからないということと、いち家系特有の文字を使ってたとしても筆跡が幾つかあり、解読されてる文字と同じ筆跡のものもあります」

ペトラ「内容によって書き分けていたということ?」

ミカサ「おそらくそのようです。公に出すもの、つまり人に見せることを目的としたものと、そうでないものは独自の文字と書き分けていたようですね」

ハンジ「ねぇ、あなたの家では伝わってるってことだけど、今でもこの言語を使って何か遺したりしているの?」

ミカサ「いいえ、もうかなり前の代からそれはしていません。書き分けるような必要がなくなったから、らしいですが」

ハンジ「なるほどねぇ。今幾つか見てもらってるものは、書き分けが必要なものだってことかな?」

ミカサ「そうとも限らないですね、たいした内容でないものもあります。全て翻訳して開示するお約束、嘘は言いません。

とりあえず内容を見て選別していますが、幾つか確信に触れていそうな物があるので、分けてそこから見ていきましょう」


リヴァイ「邪魔するぞ」

ミカサ「遅いですよお兄様」

ペトラ「あ、リヴァイさん、、、」

ハンジ「ん?あの時のお医者さん!ふーん、へぇ。ってかあなたもアッカーマン家の人だったの?」

リヴァイ「そういうことだ」

ペトラ「リヴァイさん、あの、これって、、」

リヴァイ「勝手ですまないが、捜し物がある。それはミカサの為でも、俺とお前の為でもある」

ペトラ「私の部屋にあったものも読んでましたけど、この中には一体何が隠されているんでしょう?」

リヴァイ「どれだけ昔のものだとしても、紙に書いてあるだけの事にそこまで信憑性はないと俺は思っていたんだが。ウチの家系の人間しか読めない理由は必ずあって、

まだ見つかってないものに真実に近いものがあるとしたら。レイス家がうちに拘るのにも納得がいく。そんなものがあるなら、さっさと見つけ出して、、」


ミカサ「お兄様」

リヴァイ「ああ、見つけ出せれば、面倒ごとはなくなる。からな」

ペトラ「なるほど、、、。まだ外には出していない、解読されてる資料のまとめは必要ですか?一部の歴史と戦火の記録です」

リヴァイ「そうだな、一応見ておこう」


ハンジ「レイス家は元々、裏の王制だった?」

ミカサ「ということですよね?」

リヴァイ「ああ、特別な血筋を持っていたのがその理由で、、、巨人化する能力で記憶を継承してきた?」

ミカサ「記憶の改竄の記録もありますね」

ペトラ「それ、解読されてる文献とも一致しています。それがレイス家だというのと、裏の王制とまではありませんでしたが。これで、さらに信憑性が増しましたね」

ミカサ「、、、?これが、レイス家が隠そうとしていたこと?」

リヴァイ「いや、それもあるだろうが、これの、ここを見ろ」

ミカサ「アッカーマン家には記憶の改竄がきかない、、、!?」

リヴァイ「つまり、それを鵜呑みにすれば他の奴らが改竄されて忘れた言語を俺達だけは忘れず覚えていて、代々伝えられてきた。その割には中途半端ものだが。つまり今のレイス家は記憶の改竄が効かない力を欲しがってるか、消したがっているのか」

ペトラ「レイス家は今何かをしようとしているのでしょうか?信じがたいですが、記憶の改竄を?」

リヴァイ「消すだけでいいなら俺らはさっさと暗殺されてるはずだ、今すぐに何かを起こすつもりならな。それを考えれば力を欲しがってるのほうが有力か?」

ハンジ「記憶の改竄が効かない力を?でも彼らには継承できる力があるって、えっと」

ミカサ「それには、巨人化して食べる、その必要があるそうですが」

ハンジ「今も継承されているなら、レイス家には巨人化ができる能力があるってこと、だよね?でも、巨人って、、、」

モブリット「巨人は人を食べる、んですよね。それは記憶を取り込むという話ではなく、今まで解読されていた内容だと、無差別に人を食って、人類は命懸けで戦っていたという記録がありますが」

ペトラ「待ってください。前に見つかった資料の中に、人が巨人化するためには必要な薬があるって。そんなわけないって保留してましたけどそれが確かなら、、そんな、巨人化した人間と、人間が戦っていた、っていうこと?」

ハンジ「それが現在でも実現可能な事となったら、呑気に穴掘ってる場合じゃなくなったね。それが真実だとして、今も続いているものだったなんて」

モブリット「その薬が今でもあるなら大変なことです。一体何のために、そんな力が存在しているのでしょうか」

ハンジ「支配するため、っていうのが一番納得がいくけど。それにしても、、、」


ペトラ「、、、リヴァイさん?」

リヴァイ「ん、ああ何でもない、、、」

ペトラ「?」

ミカサ「レイス家が裏の王制として存在していたのは、巨人を創り出して国を支配しようとしていたから?今は表の王政として存在しているのにこれ以上何をしようとしているのでしょう」

リヴァイ「目的は、別のところにあるのかもしれないな」


どうしたんだろう、ちょっとだけ感じる違和感

彼の、捜し物、は見つかったんだろうか

それは、力のこと?

ミカサさんも、彼も、本当はどこまでの事を知っていたのだろうか

もしかしたら、彼らの記憶は




ハンジ「まとめると、、、巨人がたくさん存在した時代があって、そいつらは簡単に人を踏み潰したり食ったりする。

犠牲が出ないようにする為に、あの遺跡、壁で侵入を阻んでいたほどの脅威で。その間人類は壁の中でしか暮らせず外は巨人だらけ。

そこまでは本当の歴史としてあったとして、、、どういう経緯で壁は崩れて今は何故巨人の姿が見あたらないのかってところだけは謎のままだね」


ミカサ「それはきっと、レイス家の記憶の中にしかないのでしょうね。資料の中には見当たりませんでしたから」

モブリット「もうこんな時間です、今日はそろそろ解散しましょう」


帰り道

彼はいつものように、送ると言ってくれた

途中まではミカサさんも一緒に、少しだけ話ができた


ペトラ「そう、ミカサさんも好きな人と一緒になりたくて、行動を起こす気になったということだったんですね」

ミカサ「はい。彼も閉塞的なこの街に留まることを望んではいないので、どちらにしてもいずれここを離れるつもりですが。彼のほうにも婚約者がいます。その割当ても、結局裏で行ってるのはレイス家なんです」

ペトラ「それにも、なにか意味があるのでしょうか」

ミカサ「おそらく。でもそれを解き明かすまでは難しそうですね。今は何か起こされるのを阻むことを優先したほうが良いでしょう」

ペトラ「まだ、実感はわかないですが、、、私達の仕事の範囲を超えてしまってる。これからどうするんだろう」

リヴァイ「下手に動かないようにしたほうがいい。ミカサ、お前余計なことはするなよ?」

ミカサ「余計なこと?彼らに何かできるとしたら、それは、、、いえ、警戒だけはしておきましょう。という訳で私はここで失礼します」

ペトラ「え、あの気を使わなくても」

ミカサ「それもありますけど、私は行くところがありますので。ではまた明日にでも」

ペトラ「はぁ、はい、、、」


リヴァイ「アイツまた帰らねえつもりだな」

ペトラ「ああ、そういうことですね。恋人さんと仲良しなんですね」

リヴァイ「、、、寒そうだな」

ペトラ「えっ」


手を、繋いでくれた

彼なりの、照れ隠しだったんだと思う


ペトラ「嬉しい、、、あ、」


その夜が本当にここに来て初めてという寒さで、それを実感させる雪が夜空に舞っていた


リヴァイ「降ってきたな。まだ積もらないだろうが、今年は早いな」

ペトラ「そうなんですか、もっと、寒くなるんですね」

リヴァイ「そういうことだな、でも俺が。そばにいるから、少しはマシにしてやる」

ペトラ「はい!その、、、」


私達の関係って、

それはまだ、なんと呼んていいものなのか?と

リヴァイ「ん?どうした?」

ペトラ「そばに、いてくれるんですか?」

リヴァイ「俺も今日は帰りたくはないな」


次はいつ会えるのかと不安になる間もなくこうして、今夜も一緒にいられるのだけれど

それさえも余計に不安で私は、それを気取られないように振る舞うので精一杯だった


アパートに着き、雪を払って一緒に部屋に入る。それだけで嬉しくて、少し照れる彼に思いっきり微笑みを返して、ただ少しのことがとても尊い時間に思えた


ペトラ「なにか暖かいもの、淹れますね。コーヒーと紅茶が何種類かと、ココアもありますよ」

キッチンで、お湯を沸かしながら、嬉しくて仕方がないという素振りではしゃぐようにしていたけれど、本当は、切なくて泣きそうだった


自分から伝えたこと、なのにそれはこんなにも、後から重くのしかかってくるほど、

ただの、恋心なのに


リヴァイ「ペトラ」

ペトラ「はい」

リヴァイ「その前に」

ペトラ「んっ」

冷え切った体を抱きしめ、冷たい唇を撫でて

その温度が温まるよりも早く、ただの私、に心を溶かしてしまった


リヴァイ「ん、、ペトラ、どうして泣く?」

ペトラ「へへ、なんでかな、、、うれし、ぐすっ」

リヴァイ「飲み物は俺が淹れるから。座ってろ」


優しく抱きとめ頭を撫でてくれた



彼に恋をしたのも偶然で、

想いが通じたのも、

それ以上に、なにかがあるというのだろうか

重くのしかかってくる感覚


私なのに、わたしが、おもい


リヴァイ「できたぞ。落ち着いたか?」

ペトラ「ぐすっ。うん、、ごめんなさい」

リヴァイ「怖く、なったか?」

ペトラ「ん、ちょっと、違うかな、、、こんな当たり前のようなことが、凄く嬉しいのに、不安で」

リヴァイ「すまない。その原因は俺だから」

ペトラ「違うんです!私が、自分で望んだことだから、嬉しいんです。本当に」

リヴァイ「、、、一緒に、この街を出るか?」

ペトラ「え、、、」

リヴァイ「そうしたら、なにも邪魔するものはなくなる。俺はお前の為になら、他のものはすべて捨ててしまっても構わない」

ペトラ「どうして、、、あの、捜し物は見つかったんですか?」

リヴァイ「もう、それはお前でいい」

ペトラ「変です。なにか隠してますか?」

リヴァイ「お前は、どうしたい?」

ペトラ「私はあなたが本当にそう望むなら、ついていきます」


急なことで、処理しきれない頭で、自分の声じゃないような言葉を返した

これは、私の声?


本当にそれでいいのかという迷い


ペトラ「一緒にいられるなら、もうどうなっても構いませんから」


きっとそれは、正しくない選択で

だからせめて三日間だけ考えて

そのうえで準備をしながら答えを出そうと決めた

誰にもこの事は告げないと、それまでは今までどおり過ごすと



私達には、時間はなかった



止まっていた時計をいくつも動かしてしまったから




ペトラ「では、備品の買い出しに行ってきますね」

今まで通りに昨日も今日も、仕事をして過ごした

たくさんのことがわかったぶん、進展はなく纏める作業を進めながらも私はうわの空で


街へ出るための道を歩く


雪は少しづつ積もり始め

今日も舞い落ちるそれは少しずつ重くなり始めて


転んでしまわないように気をつけて歩く


明日には、心を決めないとならない



答えはもう、とっくに決まっているけれど




「あなたが邪魔をしているのね」


突然声をかけられた

足元にばかり気を取られて気づけなかった


ペトラ「え、あの、あなたは?」


話しかけてきたその美しい女性は、街にいる普通の女性とは雰囲気が明らかに違った


フリーダ「私はフリーダ・レイス。それでわかってもらえるかしら」

ペトラ「え、あの、そんな、あなたがどうして私に、っ」


わかっている

邪魔をしている


どんな理由があって待ち伏せされているのかも

彼女ほどの立場の女性が何故ひとりで出歩いてるのか、それが不自然で驚きより奇妙な感じがした


フリーダ「あなたは、悪くないのはわかっています。ただ、改めて歴史の書き換えをするのに、あの人の力が必要なの。失敗に終わった過去をやり直すために」

ペトラ「何を言ってるのですか?意味がわかりません」


歴史の書き換え?なんて事だろうか

とんでもない能力を持ってるうえに、そんな事ができるなんて


力の為だけに、彼を利用しようとするなんて


フリーダ「人類は、必ず滅ぶのだから、そう遠くない未来で会えるでしょう。その時に、どうなっているかはわかりませんが」

ペトラ「なんてこと言ってるんですか!?まともじゃない!」


ゆっくりと、彼女が私に近づいてきて


刺されでもするのかと身構えた


フリーダ「ごめんなさい」





コツン


額が触れ合った



その後は




冷たい


その感覚だけがあって



目を閉じれば暗闇


くらい


つめたい



暗い



------------------------------------------------------------------------------------









ここは


私は?



誰?






あかるい



見覚えのあるような、ないような天井




手が、あたたかい




この声



私は
















知らない













-------------------------------------------------------------------------------------------------


嫌な予感しかしなかった


この時期になると雪で転んで怪我する奴や寒さで病気を拗らせる奴は珍しくない

その中のひとりで、ただ転んで擦りむいただけ

違う


不自然すぎるほど、彼女には目立った外傷もなく、体調の異変もなにも、見つからなかった




リヴァイ「、、、!ペトラ!」

ペトラ「、、、」

リヴァイ「目が覚めたか、良かった」

ペトラ「、、、あの、手を。暖かくて、声が聞こえました」

リヴァイ「心配だったから、ずっとこうしていた。何があった?」

ペトラ「え、、、わかりません。私どうしてここに、、、うっ」

リヴァイ「どうした?」

ペトラ「頭痛が、、凄く、気分が悪いです」

リヴァイ「そうか、、、念を入れて調べたがなにも異常はなかったはずなんだが、確かに顔色が悪いな。ペトラ、他に痛むところはあるか?」

ペトラ「ペトラ、、、?それは、私の名前?」

リヴァイ「そうだぞ、おいお前、、、?」

ペトラ「あなたは、」

ペトラ「あなたは、私を知っている?」

リヴァイ「、、、」



ペトラ「私は、あなたを知らない」




リヴァイ「、、、!!あいつら、、、!!」





どうして無理矢理にでもすぐに連れださなかった?

片時も目を離さずにいなかった?

よりによって、ペトラにその力を使うなんて


いや、どうして予測できなかったんだ?





リヴァイ「記憶の改竄?ははっ、、、そんなもの、誰彼構わず使うとはな、、、まさか、な」

ペトラ「、、、どうして、泣いているんですか?」

リヴァイ「ん、、ああ。勝手に、涙が出てきた」

ペトラ「とても、辛そうです」

リヴァイ「辛い、か。そうだな、、、。ペトラ、なにか思い出せることは?」

ペトラ「ひとつだけ、鮮明な言葉が残っているんです」

リヴァイ「なんだ?」


ペトラ「あなたもこの街の呪縛から逃れられない存在、と。なんのことでしょうか?」


どういうことだ?ペトラにも、この街との関わりが?それとも、、、


いや、その言葉で確信した


復讐すべき相手が正しいと


今更になって


リヴァイ「そのことがわからないなら、考えなくていい。それより、自分の帰る場所や仲間のことも思い出せないか?」

ペトラ「うっ、、、なにも、、思い出そうとすると、頭が割れそう、、、っ」

リヴァイ「わかった。今は、無理することはない。横になって、眠るんだ」

ペトラ「はい。入院する?ということですか?」

リヴァイ「そうだ」

ペトラ「あの、、、」

リヴァイ「どうした?」

ペトラ「あなたは、私のことを知っているんですよね?」

リヴァイ「ん。そうだな」

ペトラ「どういう関係、だったんですか?」

リヴァイ「大切な、存在だ。俺にとっては」

ペトラ「それは、どういう、」





抱きしめた

もう彼女は憶えていないのに


この罰は、彼女にとってはもしかしたら幸せなものだったのかもしれない


俺にとっては、これ以上ない罰だ



では、どうするのが正しい選択だったのか

怒りの矛先を自分に向ける暇があればもう



全て、終わらせてしまえばいいと



ペトラ「知ってる、心が暖かくなる、そんな匂いがします」

リヴァイ「、、、」

ペトラ「そんな辛そうな顔しないでください。こうしてもらって、少し落ち着きましたから」

リヴァイ「不安だろうが、許してくれ」

ペトラ「?」


これが最後になるであろうキスをした


せめて、守れなかった償いをさせてくれ

お前が失ったものの為に戦える勇気をくれ


約束は、俺が選んだ正しくない道へ




俺にはもう、守るものはなにひとつなくなった




ミカサ「そんな、、、ペトラさんは部外者なのに酷すぎる、まさか、もしかしたらエレンも」

リヴァイ「可能性はある、が。アイツの無事を確認してからでもいい、ペトラの事を頼む。仲間の下に戻してやってくれ」

ミカサ「?お兄様はなにを」

リヴァイ「レイス家と話をしてくる。それだけだ」

ミカサ「それは、私も一緒に」

リヴァイ「いや、俺一人で充分だ。お前は、エレンにしっかり守られてろ」

ミカサ「どちらかというと私のほうが、、いえ、それよりお兄様。帰って来ますよね?」

リヴァイ「お前は、俺の知らない事も知っているなら、それは愚問だ」


ミカサ「、、、」




ミカサ「さよなら、また、どこかで、、、」



その声は届かなかったがさしたる問題ではない







ひとつ隠していたこと


見つけてから隠しておいた資料の中にあった


あの力は


この家系の人間にしか読めないというなら


そこに記されていた力が俺の血に通っていると、いうのなら



「ヒストリアに会いに来た」

そう言うだけで護衛は簡単に、馬鹿みてぇに歓迎して侵入させてくれた

なんの為の護衛だろうか。数だけは揃えておいて実際にはなんの役にも立たねえ連中だ


ヒストリア「リヴァイさん!私に会いに来てくれたって、本当ですか?あんなに断ってたのに」

リヴァイ「ああ本当だ、お前は可愛い女だ。いい加減心を決めた」

可哀想な女だ、、、の間違いだがな

恐らく手を下したのはコイツじゃないし、なにもわかっていないのだろう


リヴァイ「だから、家族全員と会わせてくれないか?挨拶しとかないとな」

ヒストリア「嬉しいです!今から丁度夕食なので、リビングルームに皆集まってるところですよ」


最後の晩餐、か

悪いが、そいつは許してやれない


ヒストリア「みんな、リヴァイさんが来てくれたの!そうだ、夕食も一緒にしていきましょう!」


確かに家族全員揃ってやがるな

見渡すと、怪訝に思いつつも歓迎してくれやがるといった顔の連中と、近づいてくるやつがひとり


フリーダ「リヴァイさん、やっとその気になって下さったんですね!」


コイツだという確信をその一瞬でさせる何かがあった


悪い奴ではないのは知っている、だが盲信して、その為ならとんでもない事でも平気でやらかす危うさがあることを気にしていたのを思い出した

この広いリビングには王家全員が集まっているだけあって、それぞれの護衛と屋敷の護衛、見える範囲で10人以上か


どこまでやれるか?


なんて無意味な問いだった


無防備に近づいてくるフリーダ



殺ると決めたその刹那


もう戻れないこと

知らない力の存在を身体の内側から感じた


これが、この血の力なのか?


まずはコイツから、と隠し持っていたナイフを取り出した瞬間、護衛のひとりがすぐに気づき声を上げた


「逃げて下さい!」「取り押さえろ!」


うるせえな


反射的に声を上げたやつの喉を立て続けに二人斬ってやった

一瞬で致死量の血液が吹き出した

次に斬りかかってきた奴も簡単に倒せた

そもそも職業柄、人の身体の弱点はよくわかっている

生かす為に覚えた術だ、なんて皮肉なんだろうか


さすがにこの先はナイフだけでは物足りない

倒した奴の持っていた剣を二本奪い取った


その時、俺に襲いかかってくる奴らが三人

ナイフ一本だけでは対処できなかったかもしれない


俺の邪魔をするな


剣を振るったら簡単に、ひとの身体の一部が吹っ飛んだ


あっという間にそこは血と肉片と臓物の海になっていた


おかしい


最初の奴を斬ったときから既に


人間の肉体はこんなに脆いものだったのか?

いや、違うということは経験上知っている



そうか、おかしいのは、俺と、その血の力だ



確かにこんなものは、ない方が平和で、利用するとしたら、その目的は到底平和的じゃあないな



早く奴らを追わないと

そう遠くには逃げてないはずだ

行く先に護衛が待ち伏せて襲ってくるが、その先にあいつらがいると教えてくれてるようなもんだ



何人斬ったか

何人殺ったか


数えるのを辞めた頃、たどり着いた地下


フリーダ「父さん、今すぐにでも発動させないと、勝てるすべがありません!」

王「いや、お前が巨人化すればあるいは…」

フリーダ「それは、まだ先の…」



なにを喋っているのかよく聞こえないが

それをさせる前に俺はお前らを全滅させ…



ヒストリア「リヴァイさん!」


今の俺に近づいてくるなんてとんだ命知らずだな


お前も




グサッ

リヴァイ「は、、、?」

目の前に吹き出ている血は俺の血

不覚だった、高級そうな短剣が腹に突き刺さってやがる



ヒストリア「ごめんなさい、でも最後に聞いて下さい。人類は、必ず滅びます。でも、また私達は繰り返し………」




きこえ、ねえよ




滅ぶ?繰り返す?



せめて、やり直させて欲しいもんだ


結局何も守れずに


真実がそんなクソみてえなもんだったら



何度でも俺がぶち壊してやる




-------------------------------------------------------------------------------------------------




ここは巨人から人類を守るための壁に覆われた世界








-------------------------------------------------------------------------------------------------



私はペトラ


『迷わず自分の選んだ道を進むこと』


不思議だけど、物心ついた頃からその約束は


誰に教わったわけでもなく、夢の中で誰かが語りかけてくるようにして


その言葉が私を突き動かして生きてきた



子供の頃から夢だった調査兵団に入り、

今は憧れの兵士長の班に入れてもらえるまでになった

ひとりでは決して強くないけど、生き残る術を身につけて、ここまで来れた

次の任務は、エレンっていう子の護衛だと聞いたけど、、、


-------------------------------------------------------------------------------------------------

あれから何度繰り返したことかわからねえが

中途半端な記憶だけ引きずって

物心がついた頃にそれに気づき

他の奴はそうじゃないらしいこともいずれ知る


毎回、俺の役割は違うらしい

今回はとんでもねぇクソな環境で生まれて

ああ、また巨人と戦うってやつか

戦い方も、立体起動装置の使い方も、感覚で覚えていたから初めからできた

できないフリをしても仕方がない


俺には、探さなきゃならない奴がいること

その、彼女のことを見つけるためには

できるだけ目立てばいい


空のある世界に出てから、一層想いが強くなったからだろう


彼女を見つけたのは、ある意味最悪の場所だった

まさか自分の部下として、調査兵団に入団するとは

そんな、好奇心や使命感を持った集まりに彼女が志願するのは、きっと、あの頃と変わってないからで

こんな、いつ死ぬかわからない場所にいて欲しくないとも思ったが、壁の中が安全とは言い切れない

だから彼女には、生き残る術を重点的に教えた

そして、自分の目の届く範囲に、できるだけ側にいられれば守れるだろう


ある日話している時に、ペトラはこんなことを言った

「兵長とお話していると、なんだか懐かしい気持ちになることがあるんです。不思議ですよね」


俺にはそんな記憶が残っているのか?ということのほうが不思議だった

「前世で会ったことがあるんだがな」


そんな冗談を返したら、笑ってくれた


その笑顔だけで、充分だった


戦いがすべて終わるまではそれでいい

俺が巨人を全滅させればいいのだから


愛していると約束したあの記憶を

あの時と変わらず、その気持ちは実際やっと会えて過ごしても変わらないものだったから



全てが終わったら、今度は俺から告げよう



だからどうか、その日まで



end




もし、戦いの中で彼女を失うようなことがあったら?



その時は、今の俺の役目を全うして、終わればいい


どうせまた、人類は滅び繰り返すのだろうけど






to be contended

-完-

終わりです。言い訳はあとだ

あとがき(言い訳)です

\どうしてこうなった/

はじめは雰囲気恋愛ものを書こうと思っていたッ

前に現パロで書いたけど、本当は考古学という視点で過去を探るような話を書きたかったけど難しくて無理ッてなってた設定をぶち込む

オサレな街並みで恋愛もの。舞台は整ったッ

研究といえばハンジさんだよね、モブリットさんはセット販売でついてくる優しい人

ミカサ(妹)ちょっとお嬢様な言葉遣いで饒舌な娘になってしまったけどまぁいいや
途中エレンをちゃんと出して話を広げようとしたけどやめた

ブワァーっと書き進めてみる

どうしよう着地点が見つからないし自分で書きながら設定がわからない…

だって原作が終わっているねーのに!わかるわけないジャン↑
設定捏造にも限度があるぞ、なんで人類滅びるの?壁は最後どうなんの?知らないよ!!

これはすっ飛ばす必要があるな…

飛ばして無難にHappy Endにできるか?話が動かなくなった

駆け落ちるのはつまんないし、あとはBadendしか浮かばないんですけどォ

それでもいいか、いや誰得だ駄目だ

よし!ループしよう!!!!

困ったときはループだループ!未来の話と思わせて実は過去でした!みたいな…

とりあえず不要な設定を削除削除ォ

先にオチを書いておいて…っと
それでなんとか終わりが見えた気がした

ほんとはレイス家やべーよ→速攻記憶飛ばされ→無双惨殺だったんだけど

それはあまりにもなので、死亡フラグ的な駆け落ちしよってシーンを挿入することにした
その後の展開に説得力を持たせることができたような気がする
一応恋愛ものっていう体裁も保てた気がする

カタカタカタカタ………ターン!!完結ゥ!


なんでだよ!!色々意味不明だよ設定飛んだよ!?
ループで誤魔化すとかまたか!またかよ!
まるで成長していないぞ俺!!!

実は途中行き詰まった時点で『これは、いつかリメイクしよ』って、思ってたんだ……

不完全燃焼でも、それでいいやって決めたらなんとか完結まで持ち込むことができた
本当にリメイクなんかするかは、わかりません…


っていう、こんな見切り発車でもなんとかなってないけど終わらせられたという記録でした

読んでしまったひとにごめんなさいとありがとうございました

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