真尋「お帰りなさいませ、ご主人様」(67)

注意
這いよれ! ニャル子さん以外の逢空万太作品のキャラもメインで登場します

真尋(ニャル子と付き合いはじめてかなりの月日が経とうとしている)

真尋(そういう関係になった以上デートを何回かしている訳だがある事に気付いてしまった)

真尋(僕がヒモ状態になっている事だ)

真尋(デートの際ほとんどニャル子が支払っており、勉強も教えてもらい結果、依存しきっている)

真尋(出来れば男らしく僕が奢りたいところだがそんなお金はない)

真尋(アルバイトしようにも毎度事件に巻き込まれているようではそんな暇はない)

真尋(もっとも今回は貴重な暇を手にした)

真尋(今まではデートもニャル子が計画しているという情けない状況だった)

真尋(今回は自分でデートの計画を立てるため手始めにメイド喫茶の前で下見しにきた)

真尋(出来れば自分のお金で奢りたい、値段調べるついでに中に入ってみるか)カランコロンカラン

ハス太「お帰りなさいませ、ご主人様っ」

真尋「……」カランコロンカラン

ハス太「ちょっとまってちょっとまってまひろくん、無言で帰らないで」ガシッ

真尋「何も見てない何も見てないぞ」

ハス太「そういうのじゃないから、帰ろうとしないでっ」

真尋「なんでメイドやってる、女装は苦手じゃなかったのか?」

ハス太「そ……それが……」

ルーヒー「私が話すわ」

ナッ子「のじゃ」

真尋「お前等もメイドかよ……」

ルーヒー「このお店は私の元同僚が経営していて、急に前のアルバイト達がやめたので臨時で頼まれたのよ」

ルーヒーの元同僚「ルーヒー先輩、知り合いですか?」

真尋「元同僚って事は邪神だろ、何当たり前のように経営してんだ」

ハス太「グレーゾーンってものがそんざいするから」

真尋「完全に黒だろ、仕事しろ、惑星保護機構臨時職員」

ハス太「ところで普段からこういうお店に来るの?」

真尋「デートの下見だ」

ハス太「そっか、じゃあおおかみさん、ご主人様のご案内おねがいっ」

理樹「はぁい、大神理樹香でぇ~す、妊娠三ヶ月目でぇ~す♪」キラッ☆

真尋(妊娠っておい……)

理樹「ご主人様、こちらへどうぞ☆」ニコッ

真尋(こういう店は無駄に高い場合が多いがここは普通で助かる)

真尋(幸い、他の客もいない、級友に見られたらたまったもんじゃない)

真尋(『本日のオススメ、やきそば、オムそば、広島焼き、たこ焼き』)

真尋(屋台か何か? オムそばはケチャップで何かしら描いてサービス出来るからギリギリありだとして他は……)

真尋(ショートケーキ頼むか)


ルーヒー「あら、大変」

ハス太「悪いけどいますぐお願い出来る?」

ルーヒー「任せなさい」


真尋「?」

ルーヒーの元同僚「ですがルーヒー先輩の穴埋めは誰がするんですか」

ナッ子「休日だからたくさんおきゃくさまがくるのじゃ!」

ルーヒー「そうね……」

ハス太「……ここはぼくがなんとかする、ルーヒーさんは宇宙ネットワークウイルスの退治をお願い!」

理樹「しかし他にあてはあるんですか? 宇宙という事はすぐに戻ってこれませんよね、ただでさえ人数が少ないというのに」

ハス太「それは……そうだ! まひろくん!」

真尋「どうした?」

ハス太「メイドさんにな――」

真尋「断る」

ハス太「お願い!」

真尋「メイドってお前、女装の一種だろ! 男が何で女の格好しなきゃならねえんだ!、命かけても女装だけは絶対にしない!」

ハス太「おねがいっ、まひろくんだけがたよりなんだよっ」

真尋「そういってもな……」

理樹「慣れると気持ち良いですよ」

真尋「何言ってんだこいつ」

ルーヒー「八坂真尋、デートの下見のためここに来たのよね」

真尋「ああ」

ルーヒー「日々事件に巻き込まれてアルバイトすら出来ていない、違うかしら」

真尋「それがどうした」

ルーヒー「貴方とニャルラトホテプがデートするのを見かけるわ、その時の軍資金はいったいどこから出るのかしら」

ルーヒー「相当デートしているわよね、親からのおこづかいでも足りないでしょう、となると公務員で貯金で貯めこんでいるニャルラトホテプに奢ってもらっている、違うかしら」

真尋「……その通りだ」

ルーヒー「男としてそれはどうなのかしら」

真尋「だが現状アルバイトしている暇はない……」

ルーヒー「あるじゃない、目の前に」

真尋「んな、女装なんか出来るか、女々しい」

ルーヒー「このままヒモで良いのかしら、女装とはいえ自分のお金でデート代を稼ぐのはヒモなんかよりずっと男らしいわよ」

真尋「……」

真尋(着てしまった)

真尋(メイクとカツラがあるから知人が来てもおそらくバレないはず)

真尋(鏡を見ると女のような自分がいる)

真尋(昔から女々しい自分の顔が苦手だった、『女みたい』と言われるのが嫌で出来る限り男らしい衣服を選んだ)

真尋(スポーツ刈りにした事も、甘党である事を隠し続けてきた事もあった)

真尋(そんな僕が、自らの意思で女装を……)

真尋「……」

理樹「という事は店長以外メイド役は全員男ですね」

ナッ子「我はついてない方なのじゃ!」

理樹「そうだったね」

真尋「なんだ妊娠してるんじゃないのか」

理樹「だって妊娠とか言われたら興奮しません?」

真尋「お前は何を言っているんだ」

カランコロンカラン

ハス太「丁度よかった、今からお手本見せるからちゃんとみててねっ」

真尋「頼んだ」


ハス太「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様」

ユー子「わぁ、かわいいメイドさん!」

閑也(こういうのこっぱずかしい)

ハス太「こちらの席にどうぞっ」


真尋「……ハス太はともかく、お前とナッ子ってバイトして大丈夫な年齢なのか? というかナッ子は見た目がアウトだろ」

ナッ子「そ……それは……」

理樹「そういうかたいことなしですよ」

理樹「それに僕、これでも高1です」

真尋「え、そうなんだ」

理樹「つぎは僕がお手本を見せますね」

ハス太「おねがいねっ」

真尋(そういえばあいつ、どこかで見たような)


理樹「お帰りなさいませ、ご主人様♪」

古田(うぉ! めっちゃ可愛い、中学生!?)

理樹「もぅ、理樹香まちくたびれちゃいましたよぉ、早くこちらにきてくださぁい」腕ダキッムギュ

古田(胸が当たってるだと!?)


真尋「胸押し付けても意味ないだろ」

ハス太「胸パットがあるから大丈夫じゃない?」

真尋「つけてるのかよ」

ルーヒーの元同僚「そういえば八坂くんに胸パット渡すの忘れてたわ、つけてきてね」

真尋「」

真尋「アルバイトってこんなに大変なんだ」ブワッ

ハス太「目が死んでるよ」

真尋「正社員の仕事となるともっと辛いことがあるんだろうな、僕、社会に適応できるかなぁ」メソメソ

ハス太「おちつこうっ」


理樹「ご注文はうさぎですか? もとい決まりました?」ピョンピョン

古田「おすすめは何かな?」ドキドキ

理樹「わ・た・し♪」キャピ☆

古田「はひ?」

理樹「ふふ、冗談ですよ、まだここでは……あっいや、なんでもありませんっ」アセアセ

古田「」ポカーン

理樹「おすすめは愛情大盛りスペシャルオムそばです☆」テヘペロ

古田「え……じゃあ……その……それで」


ルーヒーの元同僚「うわぁ、この店一番のぼったくりメニュー頼ませたよ、とりあえず大盛りにしとけば値段高くても違和感ないだろうと思って賞味期限切れのやきそば麺大量に仕入れて作ったメニューなのよ」

真尋「訴えられても知らねえぞ」

理樹「お待たせしました、愛情大盛りスペシャルオムそばです」

古田「おお」ドキドキ

理樹「でもこの愛情大盛りスペシャルオムそば、まだ完成していないんですぅ」ショボーン

古田「え?」

理樹「私達の愛情たっぷりケチャップをかけて完成です」ニコッ

古田「私……達?」

理樹「一緒にケチャップかけましょう、私達の初めての共同作業……」

古田「……」ゴクリッ

理樹「2人で最高のオムそばを完成させましょう!」

古田「おう!」


ハス太「あのお客さん、おおかみくんが男だとしったらショック死しちゃうかも」

真尋「最近は道を踏み外すだけで済む人も多いらしいし大丈夫だろ」

ルーヒーの元同僚「大丈夫じゃないよね、それ」

理樹「メールアドレスゲットだぜ」

真尋「なんで」

理樹「リピーターが増えるように、プライベートでもメールを送るんですよ」

真尋「やってる事がキャバ嬢だな」

理樹「実際にキャバ嬢が客に使うテンプレコピペしてますし」

真尋「ここキャバクラだっけ?」

ハス太「メイド喫茶だよっ」

ナッ子「次は我がお手本を見せるのじゃ!」

真尋「十分わかったから、今度は僕がやるよ」

ナッ子「しょぼーんなのじゃ」


真尋「お帰りなさいませ、ご主人様」

健彦「ここが最近出来た喫茶店か」

田中「てかメイド喫茶だったのか」

真尋「」

真尋「」

健彦「?」

田中「どうした、目が死んでるぞ」

真尋「」タタタッ

田中「まさかの逃走!?」

健彦「……」


真尋「後は頼んだ」

ナッ子「なんでなのじゃ!」

真尋「級友なんだ、バレたら社会的に死ぬ!」

理樹「ですが逃げた時点で何かしら察しられる可能性が出てきますよ」

真尋「あ」

ハス太「アルバイトとはいえしごとなんだからそこらへんもしっかりやらなきゃ」

ルーヒーの元同僚「雇ってんだから仕事して」

真尋「はい」トボトボ


真尋「お帰れくださいましゅっ……ませ、ご主人様」

田中「!?」

健彦「何で?」

真尋「……うぐっうっぐずっ」ウルッ

田中「あ、泣いた」

健彦「どうしたんだい、急に逃げて」

真尋「す……すみま……すいま……」

田中「何があったし」

真尋(やばどうしようテンパってどうしようどうしよう……)

真尋「あの、急に発作がおきまして……その……」

田中(急に発作が出るような人接客業で雇うのか、この店)

健彦「どんな発作だい?」

真尋(聞くなよこの状況で持病聞いてどうなんだよ嘘だけどえーとえー……よし)

真尋「フランク・ゴッチのモノマネをしないと左肘が左膝になる持病で……」

真尋(パニクってるけど意味わからない事を口にしているのは自分でも理解してる後で発狂しそう黒歴史化するフランク・ゴッチって誰だよ何が『よし』だ僕)

健彦「ああ、昔のプロレスラーね」

真尋(実在したのかフランク・ゴッチ)

真尋「ごちゅ……注文がお決まり次第インターホンでお呼びくだひゃい、さい」

健彦「その前に席に案内してくれないか」

真尋「……すみません」

>>16ミス
インターホン×
このボタン○

何故間違えた俺

真尋「……うっうぐっ、ぼくってほんとバカ……」メソメソ

ハス太「泣かないでよ」

ルーヒーの元同僚「フランク・ゴッチの物真似ドジッ子というキャラでそれなりに需要はあるだろうし大丈夫!」

理樹「日本狼の頭数並にかぎりなく狭い需要ですね」

真尋「小さい頃から女装というものに反吐が出るほど抵抗があった、女顔である事を気にして女っぽい事に対して反発を覚えるようになっていた」

理樹「中性的な人ってそれなりに需要がありますし、気にしなくとも」

真尋「そう言ってもよ、頼まれたとはいえ自分の意思で女装している自分が何なのかわからなくなって、台詞噛んで、噛まなかったとしても間違っていて、いろいろ嫌になって人前で泣いて……」

真尋「……ってかフランク・ゴッチって何だよフランク・ゴッチ、何でフランク・ゴッチなんだ、どうしてフランク・ゴッチが出てきたフランク・ゴッチってフランク・ゴッチ……」

真尋「ハハハ……ハハハ」

ハス太「おちついて、ほら、ねんねんころりよ おころりよ~」背中サスサス

ルーヒーの元同僚「子守唄歌ってどうするの」

ナッ子「……くー……すー……」スヤスヤ

理樹「ナッ子ちゃんが巻き添えくらってますよ」

田中「なぁ、さっきのフランク・ゴッチの子さぁ」コーヒーズズー

健彦「八坂くんに似てたね」

田中「だよな」

健彦「というか八坂くんなんじゃない?」

田中「まさか、あいつ女顔を指摘するとキレぎみになるだろ、それはないんじゃないか?」

健彦「でもあれ」


ハス太「いってらっしゃいませ、ご主人様、お嬢様」

ユー子「また来よう!」

閑也「そんなに気にいったのか?」


健彦「ハス太くんもいるよ」

田中「本当に隠す気すらさらさらないほどのハス太だな」

田中「おーい、ハス太」

ハス太「どうしたの? 追加注文?」

田中「隠し努める気すらないほどのハス太だった」

健彦「だろ?」

ハス太「何か用?」

田中「何かじゃなくてこんなところで何してんだ」

ハス太「メイドさんだよっ」

健彦「とっても似合ってるよ」

ハス太「えへへ、ありがとっ」

田中「えへへって、お前見た目通りそういう趣味だったのか?」

ハス太「そんな訳ないよっ、『見た目通り』って酷いなもう、そんなへんたいさんじゃないもん」プンスカ

ハス太「ここの店長さんがルーヒーさんの知り合いで、人手不足だから手伝ってるだけだもんっ」

田中「趣味だと思った」

ハス太「男がメイドさんなんておかしなこと好んでやらないよっ」プンプンッ

健彦「いや、三つ編みの時点でいろいろおかしいよ」

ハス太「これはぼくの星……じゃなくて国の文化だもんっ」

田中「そういや以前お前に兄弟の学校祭を手伝ってもらった事あっただろ」

ハス太「どうしたの急に」

田中「あの時、お前を気にいった女子が何人もいたらしくて、ひそかに人気なんだ」

ハス太「……もしかして以前田中くんの家にお邪魔したとき、ぼくのこと琥太郎くん2Pカラーって呼んでた人達?」

田中「そうそう、妹のクラスにもう1人コスプレさせる対象の眼差しが送られている三つ編み男子が奴がいるらしいんだが、お前そいつより幼く見えるせいで」

田中「セットでコスプレさせたい女子が多いんだ、今度妹の前でそのメイドコス頼むぜ」

ハス太「絶対やらないよ」

健彦「三つ編み男子高校生がこの世に2人もいると考えるといろいろ嫌だね」

ハス太「そろそろ仕事に戻らないと」

田中「わるいわるい、本題入るから」

ハス太「まだあるの?」

田中「フランク・ゴッチなメイド、八坂だろ」

ハス太「……」目逸らし

健彦「どうした?」

ハス太「ははは、そんな、ははは、まひろくんが、ははは、ははは、ははは」

田中「隠すの下手すぎるだろお前」

ハス太「そんなオカルトありえないよっ、うん」

健彦「なんとなくだけどハス太くんの存在そのものがオカルトの気がするのは気のせいかな」

田中「今度から八坂のあだ名はフランク・ゴッチだな」

ハス太「死体蹴りはやめてよ、まひろくんのライフポイントは0だよっ」

真尋「次の客が来るまで暇だな……はは」

理樹「また涙出てますよ、店内でフランク・ゴッチの話題で盛り上がっているからって泣かないでください」つハンカチ

真尋「うう、ありがとう……」フキフキ

不良「何でメイド喫茶で昔のプロレスラーの話で盛り上がるんだ、厨房で働いてたから状況がつかめねぇ」

理樹「聞きます?」

真尋「や め ろ」

理樹「それでは八坂さんのフランク・ゴッチのモノマネ、もしくは左肘が左膝になるマジックを」

真尋「……」ブワッ

理樹「冗談ですから泣かないでください、そんなにトラウマになってるんですか」

不良「まぁいろいろあるよな、いろいろ」

真尋「そういえばお前達ってどっち?」

不良「は?」

理樹「何の話ですか」

真尋「人間なのか、邪神なのか、僕は人間だ」

不良「は? 何言って――」

理樹「僕もこの人も人間ですよ」

真尋「え、じゃあどういう繋がりでここでアルバイトしてんだ?」

理樹「僕はたまたま暇が出来てアルバイトの募集を見て昨日と今日の短期のみで仕事してるんですよ」

不良「学校祭の時ハス太とルーヒー知り合ってその繋がりで、ってかまず邪神って――」

理樹「それに僕のところは邪神じゃなくて戦乙女(ヴァルキリー)です」

真尋「戦乙女(ヴァルキリー)? 何だそれ」

不良「邪神って何だよ」

理樹「貴方の言う邪神というのは一般的に言う宇宙人で、その中でもクトゥルー神話のモデルになった存在ですよね」

真尋「ああ」

不良「そんなオカルトありえねぇよ」

理樹「戦乙女(ヴァルキリー)というのはそれよりかなり規模が収縮しますが地球上の、天空の存在、といっても空にあるとは限りませんし詳しいことは僕もよくわかりません」

理樹「天空の神々の配下が戦乙女(ヴァルキリー)なんです」

真尋「へぇ」

不良(何でいきなりファンタジーな話が通じてるの、この2人、怖い)

理樹「確か邪神にも地球の神として仕事されている方々が居られるんですよね、もしかしたらこちらの神々もそちらに近い存在かもしれません」

真尋「そうかもな、今度あいつ(ニャル子)に確認取ってみるか」

不良(もしかしてジェネレーションギャップ? この三人の中じゃ俺が一番年上だし、え、時代に取り残されてんの、俺)


大神理樹、高校1年生
八坂真尋、高校2年生
不良、高校3年生

ハス太「まひろくんまひろくん、こっちきて」

真尋「そんな大きな声出したら余市達にバレるだろ、どうした」

ハス太(それに関しては手遅れなんだよなぁ)

ハス太「よく聞いてね」

真尋「おお」

ハス太「あの2人パンピー」

真尋「今の話はすべて忘れてください」

不良「お、おう」

理樹「メイド姿、フランク・ゴッチ、そして邪神、今日だけでえげつない勢いであなたの黒歴史が増えてますね」

不良「ゴッチの後にゴッチ無しだから大丈夫だ、頑張れ」

真尋「」


真尋「って待て、何故大神は邪神の内情に詳しいんだ、ルーヒーが退場するとき普通に話しに参加してたじゃねえか!」

ハス太「なんかすんなりこっち側の話受け入れるもんでつい」

真尋「何その理由」

真尋「え? 大神? 大神理樹?」

理樹「そうですけど」

真尋「……ニャル子が一週間不在の時に会ったあの大神理樹か!」

理樹「はい、ジュースをおごり、泣きじゃくっていたあなたをフェル子さんと一緒に家まで送ったあの大神理樹です」

理樹「ついでに言うとそのさらに前にこことは別の喫茶店であなたに顔射された大神理樹です」

真尋「おい、あからさまに誤解を招く言い方するな」

ハス太「ホモとかないよぉ……」

真尋「それに関して前科持ちのお前が言うな」

不良「性別を越えてたまにそうしたい欲求あるよな、俺にも覚えがある」

真尋「え」

理樹「え」

ハス太「え」

不良「……え?」

不良「今のは違う、あのな……幻術だ! きっと幻術だ!」

理樹「さっきまで気付かなかったんですか」

真尋「メイクが上手だったからな、クッキー持って来たときもそのメイクか?」

理樹「はい、かーさんに頼んで手伝ってもらいました」

ハス太「なんで平然と母親がてつだってくれるのかな」

理樹「前々から僕用の女装服を用意してくれていたもので」

真尋「なにそれ怖い」

不良「あからさまに話しをかえるんじゃねぇ! 傷付くわ!」

ハス太「……」不良の肩ポンポン

不良「その優しい眼差しが俺を一層傷つける!」

真尋「そういえばお前昨日と今日の短期なんだろ? 客のメールアドレスどうするんだ?」

理樹「あー、ノリでゲットしましたからねぇ……」

ルーヒーの元同僚「次の客が来たぞ、何してる」

ハス太「ぼくがいってくるねっ」

理樹「そうだ、この客からもらったアドレスの処理お願いします」

ルーヒーの元同僚「え」

理樹「皆下心まるだしでおもしろいですよ」

真尋「うわぁ……」

理樹「もしよければこの中で何人か紹介しますよ、あ、僕はまだダメですからね」

不良「俺はホモじゃねえ! いいかげんにしねえと長州理樹って呼ぶぞコラ」

理樹「わーい、あだ名と外見がまるでかみ合わなーい」

ハス太「お帰りなさいませ、お嬢様――」

田中の妹「琥太郎くん2Pカラー、久しぶり」

瑠璃「琥太郎くん! 何故琥太郎くんがメイドに!? ハマッたのか? 自力でコスプレを? 琥太郎くん!」

和泉「彼は琥太郎くんではない」腹パン

瑠璃「ぐはっ」

常盤「古鐘先輩、おちついてデス」

田中の妹「髪型と性別以外一致するところがないよ」

ハス太「」

ハス太「お嬢様方、席はこちらに――」

常盤「やっぱりコスプレにハマッたのデスカ!?」

ハス太「これは……その……ルーヒーさんにこの仕事を頼まれて」

瑠璃「ルーヒー?」

田中の妹「学校祭の時たこ焼きを作ってた人」

和泉「あの緑髪の人ね」

瑠璃「そうだわ、久々にバビロニアの宝物庫を開きましょう」

和泉「あそこは学校祭の時以外用意されてないんじゃないの?」

瑠璃「私の力を持ってしていればその程度容易いわ」

常盤「衣装はいつもあの中に閉まってマス!」

田中の妹「それじゃあハス太くん、ついてきてね」

和泉「ライバル店の様子を見に来たら思わぬ報酬を手にしてしまったわ」

ハス太「アルバイトが……」

常盤「大丈夫、10円おいておくデス」

ハス太「ぼくは電話を借りるときのマナーか何か? え、ちょっとまっ、あ~れ~」

ルーヒーの元同僚「ハスターくんがコスプレマニア集団にコスプレ対象として拉致られた件」

真尋「なにがあった!?」

田中「……」

健彦「今の、君の妹とその友達だよね」

田中「うん」

健彦「無視してよかったのかい?」

田中「極力他人のふりしていたいだろ」

健彦「あー……そうだね」


古田「理樹香ちゃんの愛が……理樹香ちゃんの愛が……グオオオオ!」モグモグガツガツ


健彦「あの人怖いね」

田中「とりつかれたように大盛りのオムそば食ってるな」

真尋「何も注文せず帰った?」

不良「ひやかしかよ、クソ」

ルーヒーの元同僚「次のお客さんが来たようね」

理樹「僕がいきます」


理樹「お帰りなさいませ、お嬢様!」

科乃「」

ロスヴァイセ「」

シュヴェルトライテ「」

フェル子「ふぇ、皆さんどうしたんですか?」

理樹(わーい、わかりやすい大ピンチ)

理樹(フェル子さん以外SAN値がピンチな顔してるのは何故でしょう)

理樹「こちらが席です、お嬢様」

フェル子「どうもありがと、こういう扱いされるのは新鮮ですね、みんな」

科乃「そ……そうね」

シュヴェルトライテ「いや、そいつ理――」

ロスヴァイセ「やめるのだ、シュヴェルトライテ!」

シュヴェルトライテ「いや、でも」

ロスヴァイセ「見てみろ、仮免許の純粋な瞳!」

フェル子「……」ワクワクドキドキウキウキ

シュヴェルトライテ「ああ、うん」

フェル子「今のメイドさん、かわいかったですねっ」

ロスヴァイセ「え……うむ、実に同感だ」

フェル子「何選びましょう、たくさんあります」

シュヴェルトライテ「(あのメイドどう考えても理樹だよな)」

科乃「(フェル子ちゃんへ下心全開のやさしい眼差しを送ってるから間違いないわ)」

フェル子「でも今のメイドさん、ちょっとリキに似てませんでしたか?」

科乃「そ……そうね」

シュヴェルトライテ(お、気付いたか?)

フェル子「以前、理樹子とか言って女装していたのを思い出しました」

シュヴェルトライテ「何やってんの」

科乃「……」


理樹(そこまで思い出して気付かないフェル子さん、マジマイラブリーヴァルキリーサークルの姫ペチャパイ可愛い)

カランコロンカラン

理樹(次のお客さんだ)

理樹「お帰りなさいませ、ご主人様」

令「」

田中の弟「」

理樹「どうなされました、鳩が豆でっぽう食らった顔して」

理樹「ご主人様ここ初めてですか、力抜いてください、だって私がついてるじゃないですか」ニコッ


古田「俺の理樹香ちゃんが俺以外の男に笑顔向けてる落ち着け落ち着け理樹香ちゃんも仕事だそうだ理樹香ちゃんの心の中には常に俺がいるからだいじょぶだいじょぶラッサラウェイ」


健彦「あの人、変な戯言始めたね」

田中「サッカーうまそうな外見だのに根暗だな」

令「お前理樹だろ」

理樹「長州理樹でもフランク・ゴッチでもありませぇ~ん、大神理樹香でぇす♪ 興奮するのは良いけどさー、時間と場所を弁えなさいヨ!」

令「ちげぇだろ、大神理樹だろ、『香』つけたからって騙されねえぞ」


フェル子「え」

ロスヴァイセ「やっと気付いたか」


田中の弟「露口……大神をこうなるまでにいろいろやったんだな……」

令「何でだよ、俺の事なんだと思ってるんだよ、原作で台詞が1回しかないくせにやっかいな流れに持ってくんじゃねえよ」

理樹「責任取らない気ですか!?」

令「何も責任はねえよ」

敏美「ホモが湧いてるときいて!」

令「どこから湧いてきた!」

理樹「そんなぁ、責任取ってくれないなんて……」お腹サスサス

令「何の責任だ、何故お腹をさする」

理樹「生まれてくる赤ちゃんが居るんですよ!」


古田「」


健彦「そこの君大丈夫かい?」


敏美「露口くんは責任を取るべきです! そして薄い本を厚くしてください!」

令「ねえよ、こいつ男だろ、なんの責任だ、そしてその薄い本はすべて燃やせ!」


古田「え」

田中の弟「前に大神が出産費用気にしていたのはそれが原因か」

敏美「すべてが繋がった……!」

令「いや千切れ千切れだろ!」

理樹「つまり認知してくれるんですか!」

令「中に誰もいねえだろ!」

敏美「すべてが繋がったんですから下半身も繋がってください!」

令「土に帰れ」

フェル子「リキー」

理樹「あ、バレました?」

フェル子「ちょっと表出ましょうか」屠竜赫怒(グラム)シャキーン

田中の弟「何そのでかい包丁」

理樹「ははは、フェル子さん、一般人がいますから屠竜赫怒(グラム)を隠してください」

フェル子「散々わたし達女の子をたぶらかしておいて男に浮気するようなド変態さんは斬っちゃえば良いと思いません?」

シュヴェルトライテ「久々に神威(ケニング)の反応もなく平和だってえのに……何やってんだお前」

理樹「メイドのアルバイトを――」

科乃「母子家庭で大変だからアルバイトするのはよくわかるわ」

理樹「でしょー」

科乃「でも同性にまで色目使うのはいただけないなぁ」アームロック

ロスヴァイセ「同性愛は非生産的ですぞ」

理樹「それに関してはフェル子さんにも色目使うあなたが言うのも……」

フェル子「表に出なさい」

理樹「はい」

ルーヒーの元同僚「大神くんが戦乙女(ヴァルキリー)にお仕置きとしてゲッツされた件」

真尋「また!?」

令「また女増やしてたな、4股かよ」

田中の弟「いや、お前含めて5股だ」

令「俺を含めるな、いまのはいつも通りあいつの悪ふざけだ、というか俺にも彼女いるし」

田中の弟「彼氏はいないとは言ってない」

令「くたばれ」


古田「理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男」


令「あの人怖ぇ」

田中の弟「お、兄貴」

田中「お前もここに来たのか、さっき妹も来てたぞ、メイド拉致って帰ったな」

田中の弟「はい?」

真尋「あれ、ナッ子はさっきの子守唄でリタイアしてるし女の子のメイドはもう店長しかいないのか」

不良「今更だな」

ルーヒーの元同僚「そういう事になるね」

真尋「というかもう女の子って歳でも―――」

ルーヒーの元同僚「殺すぞ」

真尋「ごめんなさい」

不良「小さいの、起こしたほうがよくね?」

ルーヒーの元同僚「でもナッ子ちゃんは小さいし、疲れてるから……」

真尋「昼間に寝すぎて体内時計をずれるのも問題が」

ルーヒーの元同僚「……そうね、2人リタイアしちゃったし起こすしかないわね」

不良「あれ? ハス太と大神はどこいった」

真尋「拉致られた」

不良「どうしてメイド喫茶で拉致事件が起きるんだ」

真尋(という事でハス太と大神がゲッツされた今メイドの出迎えは僕がすべて行い)

真尋(お会計が店長(ルーヒーの元同僚)、その他の見回りメイドはナッ子ちゃんがすることになった)

真尋(通りすがるたびにコーヒーをちびちび飲んで居座っている田中が『フランク・ゴッチ……プッ』とあからさまにいじくってくるので)

真尋(さりげなくフライングフォークを人中に突き刺した、それにより意識不明になっている模様)

真尋(今のところ普通の客で問題は起きてないはず――)

田中「……あれ?」

健彦「20分くらい気絶してたよ」

田中の弟「兄貴どうした」

令「20分も気絶してんなら誰か救急車呼んでやれよ、俺も呼ばなかったけど」

古田「理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男理樹香ちゃんが男」

盾子(仮)「……」コーヒーゴクゴク

佐倉(……次の作品何にしようかしら、胃世界肺ファンタジーは前にやったし……腸能力者も……そうだ、胃脳バトルがあるじゃない)

シャンタッ君「み~」

ディアナ「わんっ」

ファーヴニル「ふぁ~」

~< `・ω・´>「ま~」ドーナッツモニュモニュ

ディアナ様のエサをもらいにくる雀「ちゅん」

動物園の交尾の記録映像に出演した雄パンダ「パンダッパンダッ」パンパンパンパンドブリュブリュッ ブリュルルルルルルルッ

動物園の交尾の記録映像に出演した雌パンダ「パンダッパンダッーーーー!!」ビクビクビクビクッ

真尋(問題しかなかった)

真尋(何でパンダがいるんだ、ここで交尾するな、赤いふぁーふぁー鳴いてる邪神いるのは気のせいか? 他の動物とかも邪神か?)

不良「おい、何で赤いふぁーふぁー鳴いてるドラゴンがいるぞ」

真尋(邪神じゃなかった、そうだったとしても結界が機能してねぇ)

不良「客の半分がアニマルじゃねえか、どういう事だ、アニマル浜口分身したのか」

真尋「よくわからないけど不満である事は僕も同じだ」

不良「お前が出迎えて店に入れたんだろ」

真尋「そうなんだけど……この姿の羞恥心を抑えるので必死で客をよく見てなかった……」

不良「見なくても獣臭で気づけ」

真尋「店長、どうしましょう」

ルーヒーの元同僚「知らん、そんな事は私の管轄外だ」

不良「おめぇの店だろ」

不良「そうだ、頼みがあるから来い」

真尋「?」


ナッ子「おや、シャンタッ君なのじゃ」

シャンタッ君「みー」

ナッ子「そうかい、お店を手伝ってくれるのかの」

シャンタッ君「みーみー」

ナッ子「じゃが今日は人間の姿ではないのじゃ、流石にその姿じゃ仕事ができないのじゃ」

シャンタッ君「みー……」ショボーン

ナッ子「大丈夫なのじゃ、今日のシャンタッ君は大事なお客様なのじゃ、しっかり御奉仕するのじゃ!」

シャンタッ君「みー!」

真尋「それで頼みって何だ?」

不良「この店のメインメニュー、バウムクーヘンのラムレーズンアイス添えがあるだろ、それを作ってくれ」

真尋「いいけど、お前できないのか?」

不良「今までの注文は俺の得意なやきそばか広島焼き、後のデザートはあらかじめ用意された奴っだったからなんともなかったが」

不良「このメニュー、写真のようにデコレーションするのはどうも苦手で、オムそばも少し雑だっただろ」

真尋「そうか? わかった」

不良「頼むぜ」

真尋「じゃあ僕の代わりにメイドお願い」

不良「……は?」

真尋「………確実に似合わないだろうけど、僕が作っている間お前がやるしかないだろ」

真尋「今ここでこうしてる間にも客が来るかもしれない、早くしてくれ、僕はそのバウムクーヘン作るから」

真尋「それが出来ないなら自分で作れ」

不良「いや、店長に止められてんだ、いろいろ雑って」

不良「小さいのじゃまずキッチンにとどかねえし……」

真尋「次の客が来るぞ、どうする」

不良「わかったよ、着りゃいいんだろ、くそっ!」


不良「……よし、鏡に映る自分、びっくりするほど似合わねぇ」

真尋「そうだな、あ、客が来たぞ」

不良「ちっ!」

不良「お帰りなさいませ! ご主人様、お嬢様!!」

琥太郎「先輩!?」

耕平「お前は確か」

理々「ころ太にちょっかいだしてる奴よね」

ベルテイン「何でそんな格好してるでありますか、ありますか?」

不良「……ふェ!?」

琥太郎「……もしかして、先輩はそういう趣味だったんですか?」

不良「ち違う! そんなんじゃねえ!」

ベルテイン「ならどうしてそんな似合わない姿してるでありますか、ありますか?」

理々「こんな公害でよく経営してるわね」

琥太郎「先輩……」

不良「そんなかわいそうな目で見るのはやめろー!」

カランコロンカラン

不良「お帰りくださいませーー!!!」

杉浦「兄貴!?」

苫篠「兄貴!?」

デシンセイ「Leader!?」

不良「」

不良「」

琥太郎「……あのー」

理々「次ちょっかいだしたら殺すわよ」

ベルテイン「コタロー殿の貞操はベルが守るであります、守るであります!」

耕平「二度とうちの琥太郎に関わらないでください、ほら、帰るぞ」

琥太郎「え、ちょっと!」

不良「」

デシンセイ「Leader……」

杉浦「……そんじゃ、俺達も帰るわ、来たばっかだけど」

苫篠「まぁ、人の趣味はそれぞれッスし……ねぇ、じゃあ……」

不良「」

不良「うえぇぇ~んうえぇぇ~ん」メソメソ

真尋(うわぁ……僕より年上の男が『うえぇぇ~ん』って泣いてる)

不良「もぅマヂ無理、首吊っしょ……」

真尋「何で首吊り用の縄あるんだ、おちつけ!」ガシッ

不良「止めんな! 今までさんざっぱらオカマやろうにちょっかい出したのにこんなの見られたら生きていけねぇ!」ジタバタ

真尋「おちつけ、客がいるんだ!」

不良「もう人生おしまいだ! 負けたんだよ! オカマやろうにすら可哀想な眼差し向けられて負けたんだよ! 以前からがっつり負けてた気がするけど!」ジタバタ

真尋「僕だっていつ知人にいつバレるかわからない恐怖があるんだ!」

不良「俺は元からメイドする予定ねぇんだ、契約違反だコラ! それに俺じゃなくてチビ(ナッ子)にやらせりゃよかっただろ! ロリコンに需要あんだろ! なんで俺なんだよ!」ジタバタ

不良「そうでなくても店長がいるだろ、会計ぐらい少し離れても問題ないだろが!」ジタバタ

真尋「言われてみれば」

不良「気づけや、エセフランク・ゴッチが!」

真尋「フランク・ゴッチ言うな!」バックドロップ

不良「ぐはっ!」ドカッ

不良「」

真尋「……あ」

不良「」

真尋(いつものように、ついカッとなって……)

不良「」

真尋「……」ツンツン

不良「」

真尋「……」ユサユサ

不良「」シーン

真尋「……」キョロキョロ

真尋(うん、事故だな、ニャル子も言ってた、バレなきゃ犯罪じゃないって)

カランコロンカラン

真尋(あ、次の客か)スタスタ

真尋「お帰りなさいませ、お嬢――」

ニャル子「真尋さん!? 何ですかそのけしからん格好は!?」パシャパシャパシャ

クー子「……やはり、わたしの愛人か」パシャパシャパシャ

アト子「あらあら」パシャパシャパシャ

珠緒「どうして!? うん、大丈夫すごく似合ってるよどうして!?」パシャパシャパシャ

真尋「」

真尋「バカ、静かにしろ! 余市達にバレる!」

ニャル子「はい?」


健彦「……プッ」目逸らし


ニャル子「余市さんと目が会った瞬間そらされましたよ」

クー子「……少し笑ってた、少年の女装、たぶんバレてる」

真尋「」

珠緒「というかバレてないと思ってたんだ」

真尋(どうしよう、目から汗が……)ウルッ

アト子「ふふっ」パシャパシャ

ニャル子「な、真尋さん泣かないでください!」パシャパシャ

クー子「……おちつこう」パシャパシャ

珠緒「すごく似合ってるよ、家宝にするから!」パシャパシャ

真尋「お前等写真撮るのやめろーーー!!」

カランコロンカラン

真尋「お……おかえりなひゃひゃ!?」

頼子「……ヒロ君?」

ぬーこ「あれ? よりより先輩の息子さんって娘さんでしたっけ?」

真尋「」

頼子「こんなところで何を?」

真尋「バ……バイト……」

頼子「バイトするのはいいけどもう少し仕事を選んでほしいなぁ」

真尋「……そうだね」

頼子「でもまぁ記念に」パシャ

真尋「いや撮らないで!」

頼子「でもニャル子ちゃん達だけずるいじゃない?」ピッ

真尋「その理屈はおかしい! 早く消して!」

頼子「いいけど、もうお父さんに送っちゃったわよ」

真尋「」

ぬーこ「じゃあ私も記念に撮っていいッスね」パシャ

頼子「どうぞ」

真尋「何の記念だよ! 母さんも止めろよ!」

ニャル子「まぁまぁおちついてください」パシャパシャ

真尋「だから撮るなよ!」

ぬーこ「幼馴染2人に送っちゃお」ピッ

真尋「そんな写真送らないで! その幼馴染2人もいきなり知らない人の女装画像送られても困るから!」

クー子「……女装少年、良い、すごく良い」

真尋「僕のスカートめくるな! 発情すんな! パンツの中弄るな! パンツ撮るな!」

アト子「あらあら」

珠緒「アへ顔ダブルピースでお願い!」パシャパシャ

真尋「誰がやるか!!」

次の日
公園

真尋「メイド姿の僕の写真を見た父さんに助走つけてひっぱたかれた、女装だけに」キリッ

不良「お、おう」

真尋「そして学校ではフランク・ゴッチメイドという奇妙なあだ名が生まれた、当分なじられるんだろうなぁ……」遠い目

不良「フランク・ゴッチ要素がある分だけマシだろ、仮にも昔の男性プロレスラーのトップだぜ」

真尋「マシなのか、それ」

不良「俺なんか舎弟から距離を置かれ、オカマやろうから女性用ファッション誌を渡され、腐った図書委員の女が薄い本を厚くしてんだよ!」

真尋「いろいろ大変だな」

不良「原因はお前だろ、人事みたいに受け流しやがって! 気付かなかった俺もたいがいだが」

真尋「だって気付かなかったし……」

不良「そうだとしてもバックドロップはねえだろ! 長田弘にバックドロップされる加山明の気持ちが死ぬほどわかったじゃねえかこんちくしょー! あれ厳密にはジャーマンスープレックスだけど!」

ハス太「まひろくんは何をやってるのかな」

理樹「ほほえましいですね」

ハス太「全然ほほえましくないよ」

真尋「大神、お前はどうなんだ?」

理樹「いつも通り平和ですよ」

不良「え、マジ?」

理樹「はい、いつも通り露口くんとの関係が女子から腐敗した眼差しで見つめられ、友佳さんから説教され、フェル子さん達がプンスカしてたのでそれを宥めるいつもどおりの光景でした」

真尋「はは、すげー」

理樹「ですが露口くんが巻き込まれる形になってしまいましたのでお詫びにまたお弁当作ってあげて、あーんしてあげたら腐った女子からの視線が熱くなり薄い本が厚くなりました、何故でしょう」

不良「わざとだろ」

理樹「バレましたか」

真尋「つーか『また』って事は以前からやってたんだ」

理樹「ついでにかーさんからメイドコスするよう頼まれました」

不良「お前の母親何なんだ」

真尋「そういえばハス太は拉致られてた間何があったんだ?」

ハス太「言いたくない」

真尋「そうか……」

真尋(バイトが終わった後の夜も大変だったな、ニャル子がバニーガールの服用意して女装プレイさせようとしてたし、バニーガールはお前だろ、フィギュア的意味で)

ハス太「そうだ、まだアルバイトが足りないらしいんだけど、よかったらまた来てくれ――」

真尋「二度とやらねぇ!」

不良「自殺を進めてんじゃねえや!」

ハス太「えぇ……」

理樹「んー、やってみようかなぁ……クラスの飼いたい男子ランキングでぶっちぎりの1位になった記念に、前々から1位でしたけど」

不良「何そのランキング」

フェル子「リキ、少しお話があります」

理樹「おや、何故ここに」

フェル子「リキはいいかげんリビドーをおさえてください、そんなんじゃ余計変態になるじゃないですか! こっちきてください」プンスカ

理樹「わーい、それじゃフェル子さんといちゃいちゃしてきますのでまた今度ー」

不良「おう」

真尋「生きて帰ってこいよ」

ハス太「ばいばーい」

フェル子「い……いちゃいちゃする訳じゃありません! だいたいリキはだいたいですね――」

耕平「そういえばこの前メイド喫茶に居たよね、すごい形相でうわ言呟いてたから話しかけられなかったけどどうしたんだ?」

古田「……もう男でもいいやって思ったわ」

耕平「二度と琥太郎に近づくな」

古田「何で!」

耕平「普通にわかろうよ」

古田「いいじゃないか、男の裸体ガン見して何がわるい!」

耕平「だから今日着替えの時いつも以上に琥太郎をガン見してたのか、琥太郎が怯えるはずだ」

古田「手始めに琥太郎ちゃんを俺にください、お義兄様!」

耕平「黙ろうかホモ」


以前俺が書いた『ニャル子「真尋さぁん…またするんですかぁ…?」』で露口令が大神理樹に対して「大神」と呼んでいるが、正しくは「理樹」呼びであるというミスに最近気付いた
もしそのSSを読む機会がある方々は脳内で修正しておいてください。
理樹きゅんごめんねお詫びにペロペロしたい、メイド理樹きゅんとメイドハス太きゅんにご奉仕されたいペロペロしたいハスハスしたいペロペロハスハス
琥太郎きゅんもメイド姿にしたかったがメイドにさせる話の展開が思いつかなかった非力な自分が悔しい、メイド真尋きゅんも可愛いよ特に泣き顔可愛い
古田のキャラ崩壊酷かった、許してください、メイド服を着た不良くんがなんでもしますから

なお、パンダは「パンダッ」って鳴かない

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