静「泥棒をしよう」 (232)

※初めに

・このSSは「静・ジョースタの奇妙な日常」の続き・第五話です。
この話から読むと非常にツマラナイです。ご注意を。

・静・ジョースターが成長したら、というIFストーリーですが、ほぼオリジナルです。苦手な方は閉じてください。

・投下スピードが前以上に遅くなりそうです。ごめんなさい。

・長くなりましたが、書かせていただいます。

一話
静・ジョースターの奇妙な日常
静・ジョースターの奇妙な日常 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363790589/)

二話
仗助「静のやばい物を拾ったっス」
仗助「静のやばい物を拾ったっス」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365094145/)

三話
静「ジャンケン教師がやって来た」
静「ジャンケン教師がやって来た」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367669400/)

四話
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368951927/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370177583

東方家——

康一『本当に『石仮面』があったんだよッ!本当の話なんだってばァッ!』

仗助「わかった!わかったよ康一……信じるっつってんだろ!」

東方仗助は携帯に向かって、なだめるように言った。

仗助「おめーが『骨董品屋』?——そこの写真で見たっつーんなら見たんっだろーよ……だがな康一……もしそうだとしても何も問題はねぇだろう?」

康一『えっ?』

仗助「要は、『石仮面』と『弓と矢』が同じ店にあったんだから、『ヤツ』が買って『同じ状況』にしたんじゃあねえか?ってことだろ?」

康一『い、いや……それはたぶん……そうだと思う……』

仗助「じゃあ〜〜一般人に『弓と矢』は使えねーってことだなァ!『アレ』の警備はおめーが思っている以上に厳重だぜえ?」

康一『厳重?』

仗助「手伝ってくれるやつが増えたんだよ。最近は間田の野郎も助けてくれてる。……昨日は賢と玉美が徹夜で見張ったし、その前はおれと億泰で警備したんだぜ?『アレ』をどーこーするなんて、タダの一般人には到底無理な話だろうよ〜〜」

康一『ゆっ!『弓と矢』が世間に出まわっているんだよッ!』

仗助「わかってるぜ……だから『弓と矢』が『同じ状況』だとしたら、その方が逆にありがたいってことを言ってんだよッ!」

康一『……』

仗助「今あせってもしょうがねーってことだなァ。『弓と矢』の行方については、あわてねーでじっくりと調べていこうぜ。一応すぐにでも、『アレ』の警備をもっと厳重なものにしておくぜ。裕也とかにも頼んでみよう」

康一『…………』

仗助「それで由花子の野郎は何つってんだ?」

康一『仗助くんと同じ事を言ってた……』

仗助「……オメーおれじゃあなくってよー、もっと由花子に電話してやれよッ?今回の出張かなり長いんで、アイツ心配してたぜーッ?」

康一『ウン……わかった、また電話してみる……』

仗助「まっ!……こっちはこっちで何とかやってっからよ〜、おめーも気負いすぎずに仕事頑張れよなっ。また帰ったら一緒に呑もうぜーッ。それじゃあなっ!」

プツッ!

仗助「……はァ〜ッ……」ボスッ!……

仗助は、ソファの上に勢い良く腰を下ろして、携帯電話を放り投げた。

仗助「康一にはああ言ったが……実際結構気になっちまうよな〜……今日の晩からさっそく警備体勢を改めるとすっか……」

チラリ……

仗助「……6月、か……一年のうちでイチバン気が滅入る時期だよなーッ……」

ゴロゴロ……ゴロ……

仗助「外は曇りで……なんだか一雨来そうだぜ。……静のやつ、傘ちゃんと持ってったのかァ……?」

…………

短いですが、本日はこのあたりで。

もんむすくえすと発売してるじゃんかやらなきゃ

おつ

待ってました!

乙!
きてたの気づかなかった
今回の話も期待

…………

ぶどうヶ丘高校、教室——

朋子「——今返却した『小テスト』だけど、さすがに簡単すぎたみたいで平均点は80点あったわ。大間君をはじめ、余裕で満点の子もいっぱいいました。……今回のテストで『30点以下』の子は、あたしプッツンしちゃうわよっ。もうすぐ『中間テスト』なんだから、しっかり勉強すること。いいわねッ?」

ハーイ!

ワイワイ、ガヤガヤ……

広瀬川「虻村君は何点だった?」

虻村「32点……ギリギリセーフッ!ってやつだな〜〜こりゃあ!」

委員長「いや、アウトじゃあないかな……?」

静「…………」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……『満点』だったあたしの成績がァ!!」ハァハァハァハァ〜

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

広瀬川「……」チラリ

委員長「……」チラリ

虻村「あ〜ん?」クルリッ

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


『しづカ・じょお☆…………12点』


静「12点ンあああ〜〜〜んああああああ〜〜〜〜ッ……」

広瀬川「……し、静さん……それは、あのォ〜〜……」

委員長「そっとしておこう。広瀬川君……」

静「考えがアマかった!!漢字書けないけど日本語しゃべれるからいいかなあ〜〜とか、英語ペラペラだから国語くらいなんとかなるかなあ〜〜なんて思ったりして、あたしの勉強に対する態度がマヒしちゃったのよッ!」ガバッ

朋子「……静ちゃん?」ポンッ

静「うぐッ!」ドキーン!

朋子「あんた……そんな『言い訳』通用すると思ってる?」ニコリ

静「……と、朋子さ…………先生……」ダラダラ……

朋子「あたしは、静ちゃんが国語苦手なのはよーくわかってるつもりだけど……今回の点数はヤバイと思うわ。……ホントにマジでいつまでたっても点数上がらないんだったら、あたしが『個人授業』するからね?」

静「朋子さん……その、『個人授業』って……?」

朋子「仗助ん家に押しかけて、寝る間もメシ食う時間も削って、死ぬ気で勉強させるって事」

静「……」ゴクリ……

朋子「大丈夫、死なせはしないわよ〜〜……その一歩手前までは行くかもしれないけどッ。あたしが付きっきりですっげー本気出させて、次のテスト満点にしてあげるわよッ」ニコッ

静「……」ゾゾゾーッ

朋子「じゃ!そういうワケだから……中間テスト、頑張りなさいよね〜」ヒラヒラッ

静「……ヤバイ。すっげェーヤバイわマジでッ。朋子さん絶対あたしの事殺す気だって……」ガクッ

委員長「まぁ、この点数はねェ……君日本語書けないのかい?」

静「こんなイラストみて〜な字を使ってる日本人がオカしいのよッ!そのくせ名前に『☆マーク』入れたら怒るしよ〜ッ!」

広瀬川「わっ、静さん『国語』のテストに『英語』で答え書いてるよォ〜〜……」

静「日本語はカタッ苦しいのよッ!『この時のAの気持ちを二十文字以内で書きなさい』イ〜〜ッ?『二十文字』なんて英単語2、3個書いたら埋まるじゃあないのよックソッ!クソッ!ナメやがってェ〜〜イラつくわ〜〜日本語ってェェ〜〜……」

虻村「オメー見た目日本人なのに何言ってんだァ?」アアン?

静「虻村はあたしと『メクソハナクソ』でしょうがッ!あたしにエラッソーにもの言うんじゃあないわよッ!アンタ生粋の日本人のくせにさあ〜〜ッ!」

虻村「う、ウギギ……康司と委員長だって『ウンコ』かもしんねーだろうがよ〜〜ッ!」

委員長「失礼だなあ、品がないし!……僕は、まあ、少し『鼻持ちならない』言い方かもしれないけれど、『余裕の満点』だったよ、ウン。……東方先生がさっきそう言ってただろう?」

静「こ、康司はッ!?」クルリッ

康司「ボク?84点だったよ……ギリギリ平均点。もう少し点数欲しかったけど、ボク漢字ニガテだからさ〜〜……」

静「……虻村、どういう事よこれは」

虻村「……おめーが『メクソ』で俺が『ハナクソ』って事だよッ!」

静「なるへそォ〜ッ!」ポムッ!

静・虻村「「ぎゃははははははは……」」

静「……いや、全然笑えないわよッ」ピタッ

虻村「お、おう……そうだよなあ、コレは……」ムスッ

委員長「……ともかくこれは勉強が必要だろうねえ……君たち二人共」

広瀬川「うん……中間テスト近いしね……」

虻村「……勉強だとォ〜〜?」

委員長「やらないと駄目だよ」

静「もしかして、おもいっきしハードなやつ?」

広瀬川「ま、まあ……時間がないし……」

静・虻村「「オー!ノーッ」」

静「あたしの嫌いな言葉は一番が『努力』で二番目が『ガンバル』なのよーッ!?」

委員長「君らの成績だろうがッこの野郎!」

委員長「さっそく今日の帰りにでも勉強会をするよッ」

静「ウヘエ〜……朋子さんよりもキビチーッんだったら本末転倒じゃあないのーッ……優しく教えてよ?あたしホメられて伸びるタイプよ?」

委員長「知らないよそんな事……で、どこで勉強する?」

広瀬川「うーん、ボクの家でもいいけど……虻村君すぐにボクのゲームを引っ張りだすからなァ」

虻村「面白ェーゲームを置いてる康司が悪いぜーッ!」

広瀬川「……集中出来る所がいいよ、うん」

なんやかやジョセフゆずりなのかね、一番近いんじゃあないか?ジョジョで

委員長「ううん、じゃあ、あそこがいいかな?ホラ……」

広瀬川「?……ああ!あそこの事?いいと思うよッすごく!」

静「何処よ?遠いの?」

委員長「すぐ近くだよ。商店街を抜けた所……行ったことないかい?静さんは」

静「あたしそっちの方あまり行かないのよねーッ。帰る道全くの真逆だしィ〜〜」

虻村「……俺は行ったことあるけどよ〜〜……あそこは行くと頭痛がすんだよなーッ」

静「で、結局何処なの?」

広瀬川「『図書館』だよ。……『杜王町立図書館』」

静「『図書館』ン〜〜?あーっジンマシンがするわーッ!古い本のニオイとかあんまし好きじゃあないのよッ。マンガは別だけど〜〜」

委員長「そりゃあいい。その分集中出来るだろう?」

静「うげげ……やる気が起きないってのーッ……」ハァ……

虻村「俺もだぜ〜〜静ァ〜」ハァ……

広瀬川「もう、君たち二人は本当に……」

委員長「ともかく決まりだ。やる気があろうが無かろうが、今日の放課後『茨の館』に……『杜王町立図書館』に集合ッ」

…………

本日はこのあたりで。

絵師様、pixivにイラスト上げてくださりありがとうございました。
ワイルド・ハニーのデザインの細かさに驚きました。頭が☆とか……素直に感動。
もうこのデザインしかワイルド・ハニーは・静は無いな、と思うレベルで素晴らしいです。
あとディオごっこに笑いました。「BODY…」っていうつぶやきがw
このイラストを励みに、これからも頑張ります。

次回投下は早ければ金曜か土曜、遅ければ来週の土曜になります。
時間がなくてエ○ゲが出来ない……



これからも期待してますよー


TheBookの図書館か
静、マンガ好きとか言ってるけどアメコミに慣れてて
逆開きの日本の漫画は読むの苦手だったりするのかな?

ドーナツんときといいthebookネタくんのがうれしい
あれ、中学ん時に頑張って小遣いで買ったのに学校の図書館にあって、「畜生おお!!」ってなったけど何度も読み返すくらい好きになった。結局単行本が出た時も手軽に持ち歩けるのいいなってまた買った

>>26
ジャンプコミックとかなら漢字にひらがなで全部ルビ入ってるし、日本の漫画も読んでないとは言い難い

表記じゃなくて開き方のことだろ
向こうで出版してるジャパンコミックは右開きだから左上から右下に読むし台詞も横書き
日本でも漫画サイエンスとかごく少数そういうのあるけど
どっちにしても普通に読んでてもよさそう

そういや教科書ってほとんど右開きだけど国語の教科書は右綴じだよな

ssの事について話そうぜ・・・

TheBook読みたくなった

ニコニコでコミカライズしてる人いるからお勧めしとく
下手すりゃ小説よりいいかもしれない

ttp://www.nicovideo.jp/mylist/27778746

>>31
一話みてきたけどすげぇ期待できる内容だった

>>31
これもすっげえよな
サムネ見た時は「バカだろこいつ」ってなったけど唖然としたね。クオリティがファンアートのレベルじゃない。
康一君の現場発見やゲームやってた仗助が朋子さんに気付くシーンなんかは描かれる表現や順番が単純化して読みやすくなってたし(乙一も物書きだから入り組んだ書き方も小説らしくて実にいいけどね)何より荒木さんらしい作風が高いレベルで護られてた。
2次創作でも読んでしまえばそういう文句も黙らせてしまう、このSSと一緒で

一日一保守

一ヶ月は保守しなくても大丈夫

申し訳ありません、間に合いませんでした……。
月曜か火曜、もしくは土曜に投下します。
遅くなります。ごめんなさい。
保守ありがとうございます。保守がてら雑談して下さってもOKです。仕事休憩中にケータイでここ見るくらいしか楽しみないので……

DIOの息子は誰か当てようぜゲーム

おれペーパーマン

と思わせておいて虻村に一票

>>36
自分のペースで問題ないぜ。
いつまでも待つ「覚悟」はできてる。

>>37
一番怪しそうなのはチェスタかなあ・・・

これ多分ミスリードさせてるんだろうなー
書き方うまいし

>>メイ「……今日はずいぶんと良いわ。……普段は、太陽の光程度の刺激でさえ、苦痛に感じるのだから……」

メイが吸血鬼に一票

ペーパーマンのスタンド使いが委員長な気がしてならない…

>>37
大穴で広瀬川

実はまだ出てきていない

>>41
>>カーテンの隙間から漏れる光の中、その少女はいた。
ベッドに身体を預け、開け放した窓の外をカーテン越しに眺めている。

光浴びてるみたいだから、吸血鬼じゃないっぽい

ハイハイ展開予想はそこまでだ

>>46
なんか、ごめんなさい。
私は見ていて楽しいんですけどね……

>>47
お前が謝る必要なんてないんだ!
おい>>46!謝れ!

雑談OK言ってるし問題ないんじゃ?

メイに関しては吸血鬼=息子とゆうわけじゃないしな
ラスボか音石クラスの中ボスなのは間違いなさそうなんだが

虻村とか大穴過ぎるwwwwwwww

ミステリアスさなら委員長
なぜか一人だけ名前がないのはもしや……

DIOの息子が静の実の父親だとしたら…

>>51
なん…だと!?!

いやいやいやそりゃやばすぎるぜ…
そういや静ってスタンド能力は生まれつきなのか?
まさか赤んぼの頃に矢に刺さって生きてたとかそんなことあるわけ‥

>>52 静は『無意識』のスタンド使い。母親と離れたとき同時に発現してる……とジョセフが言っていたが。ソースは「やばいものを拾ったっス その�」

どうでもいいけど委員長の名前って大間君?
さりげなく公開されてる?

53
へえ、漫画持ってたけど忘れてた
無意識か…そうゆうのもあんだっけか。
無意識でスタンド使えたキャラほかに居るっけ?
ジョセフがそう判断しただけだからあとあと荒木さんも変えるかもしれん

>>55
>>1は荒木先生じゃあないからなあ……

無意識のスタンド使いって言っても色々あるな
無意識に自分や周囲に影響を及ぼすホリィ、静、乙雅三、マックイイーン君、康穂
恐らく自覚はないけど理解して使いこなしてる大柳、ウエストウッド看守、緑色の赤ん坊
自覚があっても自分で制御できない鋼田一、スコリッピ、過去やヘビーウェザー時のウェザーなど

>>57自分で制御できないに初期の承太郎さんも追加で

…………

放課後、杜王町立図書館(通称『茨の館』)——

静「ん、妙な形をしている建物だけど、なかなかきれいじゃないの……ベリィキュートなあたしは、建物のきたないのだけはガマンならないタチだからね」

委員長「明治時代からある建物を改装して、図書館にしたんだそうだ。そこら中に茨が絡まっているから『茨の館』って言われてる。蔵書数はなかなかのものでね、興味深い書物も多いから僕はよく利用するんだ」

広瀬川「……」

虻村「ショーキかよ〜〜委員長ッ。俺はマンガの置いてねー本棚なんか見たくねーぜッ。ここの図書館『ピンクダークの少年』あるのか?」

委員長「……確かに『ピンクダークの少年』は芸術作品のように素晴らしいし、僕も大好きだけど、置いてないよ。……君、僕がこの前マンガを貸してハマッたからって、ウワついた事言うなよなァー。熱心なファンって『ニワカ』に厳しいよ?」

虻村「面白えもんホメて何が悪いんだあ〜ッ?」

静「虻村、この前委員長のマンガ馬鹿にしてなかった?手の平クルリと裏返しちゃってるわねー……」

虻村「おお、確かに前までマンガはあんまし好きじゃあなかったけどよー、『ピンクダークの少年』は段違いで面白かったんだよなーッ!偏見でモノ言っちゃあいけねーッて事に気付いてハッ!っとしたぜ〜。お返しに、委員長には今度『チャンプ』のDVD貸してやるよォー」

委員長「いや……それは遠慮しておこうかな……」

虻村「何でだよッコラッ!」

広瀬川「……」

静「?……康司、なんかさっきから静かじゃあないの……どうかしたの?」

広瀬川「えッ?あ、何でもないよ……ウン」

虻村「あーン?康司ィ〜〜おめーもしかしてよォォ〜、勉強する気が起きてねーんじゃあねえのかァ〜ッ?」

委員長「それは君だろう……」ボソッ

虻村「ああん?何か言ったかよーッ委員長ッ?」

委員長「いや、何も?独り言だよ……ただのねェー」

広瀬川「……」

静「……本当にどうかしたの?康司……具合悪いんだったら、早めに言いなさいよねッ?」

広瀬川「いやッ!そういうのじゃあないんだよ。ただ、そのォ〜……静さんは覚えてる?『杜王町の七不思議』の話……」

静「?……覚えてるけど、それが?」

広瀬川「話したことがあると思うんだけど、七不思議の一つ……『ペーパーマン』……『紙で出来た大男に連れ去られる』っていう話……」

委員長「……聞いたことがあるね。有名な話だ」

広瀬川「そのお話に出てくる『図書館』って……ここの事なんだよねーェ……」

静「……フーン……」

チラッ……

静「……」

虻村「おい、もしかしてよォ〜康司ッ、おめーコワがってんのかよーッ?ウププッ!」

広瀬川「そッ!そんなんじゃあないよッ!ただ、その……もしも本当に、ペーパーマンに出会ったらどうしようッ!って思って……」

虻村「やっぱり怖がってんじゃあねーかッ!高校生にもなってよ〜〜ッ!」

広瀬川「違うって!だからその、幽霊話が好きだからこそ、本当に幽霊に出会ったらどう対処すればいいのかなっていう……家にある聖水とか持ってくれば良かったかなって、今スゴク思い悩んでいたんだよッ!」

静「康司、アンタ家に『聖水』あるのォ〜ォ?……」

委員長「心配しなくてもそう簡単に、都市伝説にバッタリ出くわすことなんて、恐らくきっとないと思うよ。……『ペーパーマン』なんて下らないウワサ、誰かが作ったホラ話に尾ヒレが付いて広まっただけだよ」

広瀬川「ううん、そうかなあ……?確かにボクも、その可能性が高いかなってちょっぴり思っていたけれど……」

虻村「カッカッカーッ!んなモンあるワケねェーだろうがッ!なァ〜〜ッ?」

静「……ええ、そうね……」チラリッ

紙人間『……』ペラッ

静「……」

『茨の館』の入口にある、黒い鉄製の門に『ペーパー・バック・ライター』はもたれ掛かっていた。
手には一枚のペラペラの紙を持ち、それを見つめた後、静の方を見やり、
顔の部分にあたる紙を歪ませて、愉快そうに『ニヤリ』と笑った。

紙人間『……ペラリ』

静「…………」

虻村「?どうしたんだァ〜静ッ?猫でもいたのかァァ〜?」

静「……いえ、なんでもないわ。カッピョイイーッ門だと思っただけ……」

委員長「ボーッとするのは勝手だけどさァ〜、僕達はここに勉強をしに来たって事、忘れないでくれよな?静さん、そこでずっと門眺めてたら置いてくよ?」スタスタ……

静「あーっと、委員長、ちょっと待って……勉強の前にさァ〜〜、ちょっぴり『お花摘みに』行ってきてもいいかしらーッ?」

委員長「……『花』?……ああ、はいはい……」

虻村「『お花』だァ〜〜ッ?テメーとうとう頭ン中まで『お花畑』になったのかよおォーッ?」ウププッ

広瀬川「もうッ!虻村君は本当に『デリカシー』ってものが無いなあッ!」

虻村「?」

委員長「虻村君の事はほっといて、さっさと『摘みに』行ってくればいいよ。……一階の奥で席取って待っておくよ」

虻村「?……??」

静「悪いわねーッ、すぐ戻るわよ〜〜」ヒラヒラッ

…………

…………

図書館内、女子トイレ——

バタンッ……

静「……なんかさァァ〜〜、あたしスタンド絡みでトイレにこもる事多くないかしら?……可憐な乙女であるあたしが、トイレが似合うキャラだと思われたりしたら嫌だわねーッ……」

クルリッ

静「……そう思わない?『ペーパー・バック・ライター』……」

紙人間『……ペラペラ……』

静「……やっぱりそうよね、『あたし』よね……『他の三人』でも『赤の他人』でもなく、『あたし』……『あたし』に用があったのね?トイレに付いてきたって事は、そうよねえ?」

紙人間『……ここ2、3日の、君の行動を読んだ』

紙人間は、手に持った一枚の紙切れを振った。
薄い紙の表面は、よく見ると『静の教室の黒板の色』に似ていた。
どうやら2、3日ほどの最近の記録ならば、『本』ではなく『紙』にして読むことも出来るらしい……。

紙人間『君のテストの成績と会話内容から、ここに来ると思って先回りさせてもらったよ。君と少しだけ、話がしたいと思ってね……前は突っぱねるような事を言ってしまったけれど』

静「……その前に、アンタにさ……聞きたい事があるんだけど」

紙人間『……何だ?』

静「……アンタの『本体』って、『女』なの?」

紙人間『?……何だって?……?』

静「やけに堂々と『女子トイレ』に入るもんだからさ〜〜違ったかしら?『女』じゃあないの?……あたしの方から女子トイレに誘っておいて何だけどォォ〜〜、アンタ『男』だったら『犯罪』だわよッ!確実に『死刑』ねッ『死刑』ィィーッ!キャーッ!」

紙人間『……下らないな。……だが、僕に興味があるって事はよくわかった……ペラペラ』

静「……それで?この前あたしの申し出を突っぱねた『性犯罪者』が何の用?……今さらあたしに協力してほしいとでも言うのッ?笑っちまうわね〜〜〜ッ、フンッ!」

紙人間『まあそうなるな』

静「…………何ィ?何て言った?今ッ!?」

紙人間『君が言った通りだよ。……まぁもう少し正確に言うなら、『駒として使ってやるから、ありがたく思え』……だ』

静「……何なのよ、その上から目線は……」

紙人間『君の能力は『物を透明にする』という、非常に単純なものだが、奥が深い。……君自身の柔軟な思考と相まって、強力な武器となっている。……それを見込んで、駒として使ってやると言っている』

静「……その口調についてはとりあえず置いといて……ともかく、『アンタに認められた』……と、考えてもいいのかしらね?これは……」

紙人間『そうだな。少しくらいならば、頭を下げてやってもいい。……僕の駒として、キリキリ働いてくれないか?』

静「……内容によるわよ。何をさせる気なの?……前は突っぱねたくせに、今度は頼みに来るなんて……絶対『面倒事』よねェ〜〜?」

紙人間『ああ……僕の能力で色々調べたんだが、どうやら僕一人では難しいみたいでね。君に頼みたいんだよ……』

静「……何を?」

紙人間『……この図書館にある、一冊の『本』……それを『盗みだして』ほしい……!!』

静「——なッ!?」

紙人間『どうしても、という訳ではないが……必要なんだ、その『本』が。……僕が『幸せ』になるためにはね。君の『透明にする能力』は、盗みをするのに丁度いい……!』

静「バ〜〜カッ!ここは『図書館』よッ!?『本』が読みたけりゃあ『貸出カウンター』に『本』を持って行けッ!どうして盗む必要があるのよーッ!?」

紙人間『厳重に警備されてるからだ……ただの『本』のように見えて、な。……そこらの金庫なんかよりもよっぽど厳重に警備されてる。借りる事など不可能なんだよ』

静「だからって盗むってェーのはあたしは無理よッ!そんな『悪い子』に育ったあたしを見たら、天国のおじいちゃんが悲しむじゃあないのよ〜〜ッ!絶ェェ〜〜ッ対ッ!あたしはやんないかんなーッ!」

紙人間『ふむ、そうか……人を使うには、それなりの『報酬』が必要なんだったな?』

静「言っとくけどな〜〜あたしはたとえ100億つまれよーが絶対動かないからなッ!アンタが盗みなんか考える最低ヤローだとは思わなかったわよッチクショウッ!」

紙人間『カネ?……そんなものは無い。……だから、『情報』でどうだろう?』

静「『情報』ウ〜ッ?」

紙人間『僕本体の『正体』を教える。……実際に会ってやってもいい』

静「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……悪いんだけど、釣り合わないわ。盗みの『リスク』と、おじいちゃんを悲しませるっていう『心の痛み』を考えたらね。アンタの正体それだけだったら、全く全然釣り合わない……」

紙人間『そうか?もっと詳しく教えてやろうか?身長・体重・好きな食べ物・好きな本……好みの異性のタイプだって、特別に教えてやってもいいぜ?』

静「……話は以上かしら?興味無いわ。……友達を待たしているから、行くわよ」

紙人間『興味無い?本当かい?僕と君の家族との関係が気にならない?……僕の肩にあるアザを見たらきっと、君の兄さんなんかは驚くと思うんだけどなァ』

静「だから興味無いって——……何?」

紙人間『……』

静「……今……何て言った?……『アザ』……?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

紙人間『……ペラリ……気になったのかい?……ペラペラ……』

静「……どういう事よ?……アンタ、『アザ』があるの……?」

紙人間『……父から受け継いだ、ね。……ここにあるよ。アザが……』

ペーパー・バック・ライターはトントンと、左手で右肩の辺りを叩いた。

静「う、嘘ばっかり——!」

紙人間『嘘はついていないさ。全くね……ペラペラ……それを君がどう思うかは、君の自由なんだけど』

静「……」

紙人間『君が望むなら、僕の父親が、どうやって『殺されたのか』まで教えてやってもいい。……さあ、どうする?この『情報』という報酬……今、君が最も欲しがっているものなんじゃあないのかい?』

静「……」

静「……ムカッ腹が立つけれど、仕方ないかしらね。……『本体の情報』……それさえわかったら、アンタの本体を直接グーで、ブン殴ることが出来るものね……」

紙人間『カサカサ……物騒な事を言う……』

静「……本当に、仕方ないわ。……手を出しなさい、『バック・ライター』」

紙人間『……?』

スッ……

うおおおやっぱペーパーマンっぽいじゃねえか!
(もしかしてミスリードだったり?;)

静「これは、『取り引き』の上にある……一時的な『共同戦線』」

スッ……

静「仕方ないから、このあたしが……ちょこっとだけ『手を組んで』あげるわよッ!」

ガシッ!

紙人間『……ペラペラ……!』

静「……フンッ!」

煉瓦で囲まれた薄暗い女子トイレで、
紙で出来た人間と少女は、熱い握手を、ガッチリと交わした。

紙人間『……決行は?』

静「……今夜よ。さっさとやってやるわッ!」

…………

本日はこのあたりで。
……『スタンドは生命エネルギーがヴィジョンとして見えるものだから触れることは出来ない』とか、そういうツッコミは無しでオネガイシマス……。
演出優先しちゃいました。ワイルド・ハニーで握手したとかそんな感じでお願いします。

ちょっとThe book読みなおして勉強してから書きます。
超早くて明日(火曜)、普通で土曜、遅くて一週間後くらいに投下します。

チャリ乙!
予想が外れた……だと……
これは先が読めねえ……ッ!!

>>67全くだ、トイレでの災難はポルナレフの役だ

右肩にアザか……

本って何だろ
DIOの手記の復元(オーバーヘヴン)とかだったら笑うなw

>>86それは俺も予想していた。仗助なら復元できるしね

楽しみ

>>87
『残骸』が残ってなきゃ無理じゃなかったっけ?

さすがのクオリティ。続き期待してます

ああ、書いてる時間がないです……。
もう少々お待ちください……。

連続ものだと大変だよね
気長に待ってるんで大丈夫

がんばって

待ってる

明日の昼〜夕方あたりに投下します。たぶん。
遅くなって申し訳ないです。

ワクワク

>>96
もしかして、メール欄のsageにカッコつけてない?
いらないし、目立って匿名性無くなるから抜いたほうがいいとオモ

…………

数時間後、図書館前——

テクテクテク……

広瀬川「すっかり暗くなっちゃったね——ちょっぴり熱中しすぎたかな?」

委員長「ああ、そうだね……しかし、静さんがただのバカじゃあないってわかってホッとしたよ。やっぱり君は、思ってた通り頭が良い……丁寧に小学生の漢字から教えたら、すぐに高校レベルに追いついたね」

静「何かさ〜〜その『やさしいかんじドリル』ってヤツ!あたしをナメてんのか?ってくらいバカ丁寧でムカッ腹が立つわ。もう二度と見たくないって感じィィィ〜〜ッ。何処で手に入れたのよ?それェーッ」

委員長「僕が小学生のころ買ったものさ。押入れに入ってたのを、君のために引っ張り出してきたんだよ。その苦労分は役に立ったかな?」

静「まあまあね。帰ったらもう一回押入れに入れときなさいよ。……今度は奥深く、永遠にねーッ」

広瀬川「そういえば、虻村君は勉強どうだった?」

虻村「お、おう!?俺かあ〜〜っ?」ドキッ!

広瀬川「ボクは自分の復習で忙しかったし、委員長は静さんにつきっきりだったけど……虻村君はしっかり勉強出来たのかな〜〜って思ってさー」

虻村「ま、まあまあボチボチだなァ〜〜ッ!結構シッカリキッチリと!勉強出来たんじゃあねえかーっ?アハ、アハアハアハハ……」

委員長「……君はずっと寝てたじゃあないか……冬のナマズのようにおとなしかったよ」

虻村「い、言うんじゃあねーよッ委員長ッ!あと気付いてたんなら起こせよこのスッタコがーッ!」

委員長「——っとと、話していたらもうこんな所か……僕の家はもうすぐそこなんだけど……」

広瀬川「ボクの家も、その角を曲がってまっすぐ行ったところだねーッ。静さんは?」

静「あたしの家はもっと遠くよ。……ここで、バスに乗って帰ろうと思ってたんだけど……」

虻村「おめーの家、俺らの家と真逆なんだってなァ〜〜」

委員長「バスか……それじゃあ、ここでお別れみたいだね……」

虻村「おう!それじゃあな〜〜静ァ〜ッ」ヒラヒラ

広瀬川「またねーッみんなっ。静さんさようならーッ」フリフリ

委員長「また明日。静さん、遅刻するんじゃあないよ?」ペコッ

静「ええ、さよなら……また明日ねェ〜」フリフリ

ソレジャアネ バイバイ……

マタアシタ ジャアナー……

静「…………」

……シーン……

静「……さて……」

……ペラリ……

紙人間『……ペラペラ……』

ザッ!!

静「さっそく行くわよッ『バック・ライター』」

紙人間『気が早いな……僕は別に構わないが』

静「勉強中、トイレって言って抜けだした時、しっかり見て回って図書館内の構造はだいたい把握したわ。変な所に無いかぎり楽勝よッラクショーッ」

紙人間『まあ待て静、少し落ち着け。…・…あと5分21秒で閉館時間なんだよ。図書館の……その後約15分で、図書館内に人は居なくなる。それまで作戦会議といこうじゃあないか』

静「作戦だあ〜〜ッ?いらねーわよッそんなの。パッと入ってサッと盗んでお終いよ、それでェェ〜〜」

紙人間『……『本』は『三階』にあるのだが……君、上の階までしっかりと見て回ったのか?』

静「……」

紙人間『君……あれだろう?好きな食べ物はとっておいて、嫌いな食べ物を急いで水で流しこむタイプ。……ん?違うかい?そうじゃあない?……泥棒という行為に吐き気がして、さっさと水で流し込みたいと思っていないか?……ペラペラ』

静「……まったくもって違うわね。……あたしは嫌いな食べ物は絶対口に入れないタイプよ」

紙人間『……ふむ、そうか。まあ今回は、たとえ嫌いでも無理矢理口に入れさすがな……ペラペラ……』

静「……」

紙人間『今回僕は、君のサポートにまわってやる。君はこれを——』ガサッ!!

『ペーパー・バック・ライター』は、自分の顔を構成している紙くずの中に手を突っ込んだ。
しばらく自分の顔の中を、ガサガサといじくり回していたかと思うと、
ガサリと大きな音を立てて、顔から二枚の紙を引っ張り出した。

紙人間『——大切に持っているといい。僕の『耳』と『口』にあたる部分だ。……ポケットの中にでも入れておけ』

静「……」

『ペーパー・バック・ライター』の声は、その手に持つ紙の片方から聞こえた。
くしゃくしゃぐにぐにと形を変えて、人の唇のように蠢き、音を出していた。

静「……一応、手伝ってはくれるワケね。……危ない事の大半はあたしがやるわけだけど」パシッ

紙人間『成功率を少しでも上げるためにな。あまりリスクは負いたくないんだが……二枚くらいなら貸してやる。ああ、君もたぶん解っていると思うが、もし君が捕まりでもしたら、僕は君を見捨てて逃げるからな?』

静「予想はしてた。そんなヤツよねぇ〜〜アンタって」

紙人間『二枚だけでも運命を共にするんだ。一応は君を認めて信頼していると考えてくれ』

静「フン!……アンタはその、ターゲットの『本』が何処にあるのかわかってるのよね?」

紙人間『その紙を通じてナビゲーションしてやる。君のほうも、状況を僕に細かく伝えてくれよ。『目』は大切なんで貸せないからな』

紙人間『それと、頭の片隅に覚えておいて欲しいのだが……』

静「何?」

紙人間『『本』を手に入れた後でもしも、抜き差しならない状況になったら……外に出てすぐに、『包んで』くれ』

静「……『つつむ』?……何を?何で?」

紙人間『……いや、やっぱりいい。そうならない事が一番だからな……僕のリスクをさらに高める『最終手段』なんて、知らないほうがいいよな……』

静「……そうよ。知らなくってもいいわ。あたしの華麗なヌステク(盗みのテクニック)にかかれば、『本』はすぐにでもアンタのもんよッ」

紙人間『……少しヤケになってないか?』

静「うっさいわね〜〜〜ほっときなさいよッこのボゲッ!」

紙人間『ペラペラ……』

静「……そろそろ行くわよ」

紙人間『……健闘を祈る』

パラパラ……

……ペラペラ……

静「……消えた……けど、『口』と『耳』はここにあるのね」スタスタ……

紙人間『破くんじゃあないぞ?そう簡単には破れないが……さて、静。あと20メートルで『茨の館』だが、もう『スタンド能力』を使っておいたほうがいい』

静「……『ワイルド・ハニー』」カチャッ

スウゥーッ……

紙人間『監視カメラが結構な数動いているからな。……姿は消したか?足音とかは消えるのか?』

静「『透明』にする以外は出来ないわ。あとは空気を透明(クリア)にするくらいね。まあ〜〜あたしという存在がいれば、いつでもクリアなんだけどォ〜〜……足音を消すことは不可能よ。スタンドヴィジョンを透明にするのも出来ない」

紙人間『……出来ないのか?』

静「生命エネルギーの塊だからね……もともと目に見えないものを見ることが出来るっていうのが『スタンド使い』なんだし」

紙人間『なるほど……ならば、これから先君はあまり『スタンド』を出さないほうが良いかもな』

静「……監視カメラに『スタンド』が映るの?」

紙人間『可能性の話だ』

静「……監視カメラの映像を『スタンド使い』が見るわけェ?」

紙人間『だから可能性の……おっと、そこで止まれ』

静「?……」ピタッ

紙人間『……』

静「……何?」

紙人間『……三歩先、入口の門の上に『監視カメラ』だ』

静「……あたしは今『透明』だってのーッ……さっさと入るわよッ」

紙人間『誰もいないのにひとりでに門が開いたり、扉がこじ開けられたりしたらどう思う?』

静「……なるほどね。門をよじ登って越えろッ!って事?」

紙人間『それと、入口の扉から入るのはやめたほうがいいな。鍵が閉まっているから面倒だし』

静「……どうすればいいのよおぉ〜〜っ?」

紙人間『……プライバシーの観点から、監視カメラを仕掛けることが出来ない所が一箇所だけある』

静「……何処?」

紙人間『……お手洗いだ。窓の格子は出来るだけ静かに外せ。君が力を込めたら外れるはずだ』

静「……了解。この位置に監視カメラはないわね?門から左に五歩行ったところ」

紙人間『大丈夫だ。スタンドを使ってもいいぞ』

静「よっと……」グォン

ガシャン……

…………

今回はここまでです。
調子良ければまた夕方〜夜に投下します。

おつ

…………

『茨の館』三階——

紙人間『——よし、そこで止まって右に一歩、ジャンプして飛び越えろ。センサーが足元にある』

静「ホイッ」ピョン

紙人間『その先前を向いて大股一歩だ……左手に扉があるな?立入禁止と書いてある?』

静「ええ……」スッ……

紙人間『その中にお目当てのものがある。……一先ずは、お疲れ様と言うべきか?』

静「まだまだ帰りもあるからね……しっかりナビゲーションしなさいよっ」

ガチャ……

ギイイィ……バタンッ

静「……」

紙人間『一応、鍵を閉めておけ。人が来たときに少しは時間を稼げる』

静「……」ガチャリッ

静の入った所は、まるで物置のような部屋であった。
蜘蛛の巣のはった鷲の剥製、木で出来た人形、色あせたうす茶色の地球儀など……
骨董品が雑多に放置されており、その上にはうすくほこりが積もっていた。
いくつかの古い本棚があり、中には洋書がたくさんつまっている。
ちらりと背表紙を眺めて見たが、静にはどれが目的の『本』なのか、全くもって解らなかった。

静「……で、何処にあるの?」キョロキョロ

紙人間『本棚にはない』

静「……じゃあ、あのガラクタの山の中?」

紙人間『……そこでも無い』

静「じゃあ…………何処?」

紙人間『何処だと思う?ペララ……』

静「……あのさあ〜、アンタはわかんないでしょうけど、あたし今結構ビクついてる。……見つかったらどうしようとか思ってね。さっさとトンズラこきたいのよ。遊んでる場合じゃあないってのッ」

紙人間『仕方ないな……本棚の下だ』

静「……何処って?」

紙人間『本棚の下のスペースだよ。その奥深くに落ちている。……まるで中学生のエロ本の隠し方みたいだと思わないかい?だけどこれがかなり効果的でね。物理的にも心理的にも、普通の人には取れないようになっている』

静「……」スッ……

紙人間『『スタンド』の手を伸ばせば届くだろう。……あったかい?』

静「……あったわ!けど、チクショウッ結構奥に落ちてるわね〜〜……あとホコリがひどいわよ。掃除してんのかっ掃除ィィ〜〜」

紙人間『届きそうか?』

静「ぎりぎり……よっと、届くわ、ね……」グイイッ……

紙人間『手に入れたのなら、脱出だ。もうこんな所に用はない』

静「よいしょ、っと……よし、手が届いた……」グググ……

紙人間『……』

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……よしッ!手に入れたわよッ!キタネーッ『本』ね〜〜こんなのが欲しいの?」

パラリッ……

静「?…………何?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

紙人間『……どうかしたか?』

静「いえ……今……『本』の間から……何か……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……『糸』……みたいなものが……?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

紙人間『……『糸』?』

静「……『糸』じゃあない……これは……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……『髪の毛』?」

ドスウッ!!!

静「!?——痛……!……!?」

静の右腕に激痛が走った!
暗闇でよくわからないが……静の右腕あたりに何か、うねうねと動くものがあったッ!

静「これはッ!!何ィィ——!?もしかしてこれってェェェ〜〜〜」バッ!!

静は、あまりの痛みにサングラスを取った!
『透明』が解除された右腕に、絡みついていたものは……

静「『髪の毛』ェェェ——!?うぐああああぁぁぁ痛ェェェ——!!」

ドギャ——z__ン!!

細く、長く、美しい『髪の毛』であった!
それは、自ら意志を持つかのように、タコの触手のように、静の右腕に食い込んでいくッ!!

紙人間『どうした?何があった……罠かッ?』

静「『髪の毛』が『本』に挟まっていたッ!それが動いてあたしの腕に絡みついてるッ!!すっげェェー痛いわッマジでッ!!」

紙人間『『髪』だと?……その『能力』は、まさか……』

静「うぐああッ!に、肉がッ!『裂ける』ッッ!チクショーッ!!」ブシュウッ!!グジュルグジュルッ!!

紙人間『静、無理は承知で言うぞ。さっさと逃げろ……『スタンド使い』にばれたッ!』

静「それが出来たらとっくにやってるってのーッ!こ、この髪の毛……」グイ!グイッ!

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「あたしを引っ張ってやがるのよッ!ううッ、耐えられないッッ……!」グイイイッ……

紙人間『『スタンド』を使って引っ張り返せッ!』

静「『ワイルド・ハ——』……痛ッ!ああッ——」グオッ……

ガッシャアアア——z__ンッッ!!!

静「痛た……クソッ、『ガラクタの山』……頭から突っ込むとはね……」

ガチャガチャ……

紙人間『すごい音だが……平気か?』

静「怪我したわ。鷲の剥製のクチバシで頬を切った。それと、この……」

ガタッ……

静「木で出来た『人形』……下敷きにしちゃって、手をスリムイたわ……」

紙人間『『人形』……?』

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「画材屋で売ってるスタイルクロッキー用の人形みたいねー。ここで絵でもかくのかよ」

紙人間『……そんなものがあったのか?ふむ……?』

紙人間『まあとにかく、怪我が大したことないのなら、さっさと逃げるぞ……』

静「わかったわよ〜〜……しかし怪しい人形……」

ニョキ!

静「……!」

……

静「…………」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

紙人間『おい、さっさと……どうした?静』

静「……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

偽静「……ニヤリ」

静「……」ゾクッ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

紙人間『静?おいっ、なにがあったッ!?』

静「人形が……さわったらあたしになりやがった……よりによってね〜〜」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

本日はここまでです。
晩御飯作らないと……

本人達がいるのか…?それともこの本が引き起こしているとか

うわぁ…めちゃくちゃ面白い展開じゃあねーか
次の投下が楽しみだ
がんば!


まさか他のスタンド攻撃もあるのか?

ラブ・デラックスにサーフィスか…!?

あいつらも出てくんのか、ほんとワクワクがとまらん…!



本の能力……でなければ、守りは万全ということかな。

チャリ乙
続きが楽しみすぎてwktkが止まらない
……ハッ、もしや新手のスタンド使いか!?

続きがきになる

最近絵師こないなー……
あの素晴らしい絵がまた見たい

133
前さ、一回だけ載っけた時女々しい絵でキモいって批評あったし、出しゃばるみたいだから控えてたんだけど…
お呼びはあのもう一人の奴って分かってる。



http://or2.mobi/index.php?mode=image&file=57265.jpg
でもほんと楽しみだ。一体これからあの4部メンバーがどう絡んでくるのやら…!


いや、支援絵を描く意志があるのならッ! ボクは敬意を表するッ!

くっ、俺のSSに支援絵が来るのは何時の日かァーッ!

ていうかss速報で支援絵来るの珍しくない?
他にあんま見たことないんだけど

支援ありがとうございます。
本当、絵師が降臨なさるとか私にはもったいないですはい。
マンガ的一シーンは見てみたかったので、メチャ嬉しいです。しかも投下したばっかのシーンを……。
ありがとうございました。これからも応援よろしくお願いします。誰が何と言おうが私は貴方の支援絵好きですよー。

テンション上がったので明日投下します。たぶん。
あと2、3回の投下で今回の話は終わりだと思います。

下げ忘れてましたごめんなさい……。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

偽静「……」

静「グレートね……いい度胸じゃあないの!あたしになるとはさ〜〜おもしれェ」

紙人間『静……そいつと戦うんじゃあない。『捕まる』と逃げられなくなるぞッ』

静「ねぇバック・ライター……自分自身を見るっつーのはさあ——けっこう精神に来るもんあるわよねぇ〜〜気持ち悪いっていうか……さ」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

偽静「……」

静「……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

偽静「『TIGER&BUNNY』さ〜〜……知ってるでしょ?」

静「…………」

紙人間『……』

スッカァーーーーーーーーーイ、ハァァーーーーーーーーーーーーイ!

偽静「『TIGER&BUNNY』に出てくるさー、折紙サイクロンの能力って、ありゃ便利よねえ〜〜……出来たらいいよなあーって思うわよねー」

静「……ねえバック・ライター……こいつ何言ってんの?『TIGER&BUNNY』って何?」

紙人間『……』

偽静「アンタ……」

静「……」

偽静「……アンタ『TIGER&BUNNY』知らないの?『TIGER&BUNNY』知らないやつがさー、この日本にいたのかよォー。グレート!本当に信じられねーやつだわ……こんなやつと会話したくねーって感じね!深夜に何見て生きてきたの?育った文化がちがうっていうか……ドクターペッパー飲んだことある?放課後ティータイム知ってんの?おめーっ」

紙人間『……だまって聞いてる場合か。さっさと攻撃するか逃げるかしろっ!』

静「ええ……わかって……」スッ……

偽静香「ククク……」バッ!!

静「!!え!?」ビンンーン

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

まさかのタイバニネタwwww

意外ッ!それはタイバニッ!

紙人間『静?』

静「う……腕が……!?身体が動かないッ……?……!?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

偽静「あたしの方は、いなきゃいいなって思う能力よ……コピーされた者は、必ずこの人形と同じポーズを取ってしまう……つまり!『あやつる人形』ってことよっ!」

静「なにィ〜〜っ……」

偽静「応援が来るまであと10分!って、ところかしら……」ガギッ

静「……!」ゴギギ……

偽静「そんだけあれば充分ね〜〜……アンタはここで『再起不能』のボロゾーキンになってもらうわ……とりあえず、目玉の一個でも……」グググ……

静「!……」ブルブルブル……

偽静「いただこうかしらね——ッ!!!」グジュルウッッ!!!

静「うおおおおおおおおおおお」ブシュブシュブシュ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

紙人間『静ッ!『スタンド』だッ!潰してしまえッ!!』

静「おおおおお!『ワイルド・ハニィィィ』ッッ!!!」

ドン!

偽静「グレート。いひっ!」

ワイルド・ハニー『ドラアッ!』

ブンン!

偽静「……」スッ……

ブン

静「!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

偽静「とどかないわねーっ『スタンドの射程距離外』よ〜〜。本体がそれ以上動けなければ……『スタンド』もそこまでしか来れないんでしょ——っ」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

偽静「つまり……この距離を保っていれば、静……アンタはあたしに絶対かなわないということよ——っ」

紙人間『静っ……』

静「わかってるわよッ!『ワイルド・ハニー』!!」

ズギャンッ!!

ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァァァァァアア!!!!』

バゴ!バギ!バガアアッッ!!

偽静「ちょっと、おいおい……何してんのよーッ?やたらめったら攻撃しても当たらないってのッこのボケーッ。『本棚』に攻撃してんじゃあないわよッ……」スッ!!

静「!?……手がっ……」グググッ……

偽静「おりゃあっ!」ブォン!

バギィッ!!

静「うぐっ!!」ミシッ!

偽静「自分の右手が操られてさ〜〜自分の頬を殴る痛みはどう?このままハチに刺されたみてーにボコボコにしてやってもいいのよ〜〜……こんなふうにッ!!」バギィッ!!

静「ふぐぅっ!!」メシャアッ!

偽静「さ〜〜て、あと何発いっとく?ン?100発くらい?……自分で自分を殴るなんて、貴重な体験だと思わない?」

静「……い〜や!アンタはもう殴れないわ。操ることも不可能よ……」

偽静「!……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「あたしの攻撃はさ〜〜……もう終わってるのよ」

偽静「……違うわ、1000発よッ!1000発自分をブン殴って『再起不能』になんのよッアンタは——ッッッ!!」ブォンッ!!……

静「……注意しなさい、右斜め前よ」チラリッ

グラッ……

偽静「!?何ッ……『本棚』がッ!倒れて……」

静「このために『本棚』を攻撃したのよッ!下敷きになっちまいなさいッ!!」

グオオオオッッ……

おおおお

偽静「——しかし、バカかてめーはァァ〜ッ!!こんなにゆっくり倒れてくる『本棚』なんざ、避けるのなんて楽勝でしょうがーッ!目をつぶってでも避けれるわーッ!!」スッ……

静「いーや!アンタはかなり『目』に頼ってる……『本当にあたしのコピーなの?』って問いただしたいくらいにねーッ!」

偽静「……はあ〜ッ?頼っていようがいまいがさ〜〜……倒れてくる『本棚』一つ、避けられないとでも思ってんのかっマヌケーッ!!」

静「ええ思ってるわ……『二つ』だからね……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

偽静「……何ッ?」

静「あたしは言ったわよ……『注意しなさい、右斜め前よ』……あたしから見てねッ!!」

メシャッ!!

偽静「うがッッ!?」

グワッシャアアアーンンン!!!

偽静「うぐわバァ——ッッ!!?」

ガタガタァァ——ンンン……

静「……フーッ……」

静のコピーは突然、『透明ななにか』に押しつぶされて、倒れた。
相当な重量のある『なにか』によって、コピーの手足はおかしな方向に曲がって、折れた。

偽静「こ……これは……うぐぐ……何ィ〜〜ッ……」プルプル……

静「『ワイルド・ハニー』……『本棚』を一つ、透明にして倒してたのよ。時間差で先に倒れるようにねーッ」

ド——z__ン!!

静「どう?圧迫されてる気分は。今のアンタはまさに圧迫祭りってヤツね。……『ペーパー・バック・ライター』の言う通り、『潰して』やったわよッ」

偽静「静……ジョースター……クソッ、『透明』にする能力……か……『完敗』……だわっ」ガクッ

ボシュウウ……

サーフィス『…………』

静「……『木の人形』に……戻ったわ……」

紙人間『……ペラペラ』

紙人間『怪我はないか?静……右手の髪の毛はどうだ?』

静「ずっとあたしを引っ張ってるけど……今のさわぎで少し千切れたみたいで、力が弱くなってるわ。痛みはあるけど大丈夫……けど……」

紙人間『『けど』……何だ?』

静「これって……このスタンドって……!」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

紙人間『髪の毛のほうは山岸……いや!広瀬由花子の『スタンド』だな。そしてさっきの人形は間田敏和の『サーフィス(うわっ面)』だ……』

静「……『広瀬由花子』……『間田敏和』……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

紙人間『見張りがたった二人とは考えづらいな。それに、応援が来ると『サーフィス』は言っていた。怪我がないならそろそろ行こう……』

静「……どういう事よ……これって……!どうして、あたしがッ……!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

紙人間『?……何がだ?』

静「どうしてあたしが兄さんの『友達』に『攻撃』されてんのよ——ッッッ!!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

紙人間『……フン、なにかと思えば……』

静「ふざけるんじゃあないわよ、バック・ライターッ!あたしはこんな事聞いてないッ!!兄さんの友達が守ってるなんてッッ……」

紙人間『……言えば、君は尻込みするだろう?無駄に士気を下げたくなかったという、僕の『優しさ』なんだがなあ……』

静「『優しさ』だあ〜〜ッ!?あたしを利用するためにウソついてただけじゃあないのよッこのドグサレがッ!!アンタ今の状況わかってるの?あたし達は今ッ!『杜王町全て』を敵に回してるッッ!!」

紙人間『……それがどうした?ペラペラペラ……』

静「何ッ……!?」

紙人間『メイプルシロップで薄めたような、甘ヌルい考えやめろよなァ……リスクを負わないで何かを手に入れるなんて、不可能なんだよ。絶対ね……』

静「……テメーっ……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

紙人間『それに!もうどっちにしろ……君はやるしかないんだよ、ペラペラ……逃げ切るという選択肢しか、君が幸せになる未来はない』

静「……チクしょお〜〜……」

紙人間『わかったなら、逃亡再開だ……その部屋の窓は、頑丈に作りなおされてるから外に出れない。一度廊下に出るぞ……わかったか?』

静「……ええ、ええ!わかったわよ。クソッ!……」スタスタ……

静「しかし……今の騒ぎで本棚がしっちゃかめっちゃかになって、通りにくいったらありゃしないわ……」

テクテク……

紙人間『入口のドアは開けれるだろう?』

静「ええ、たぶん大丈夫——」

ガチャッ!

静「……!」

紙人間『……どうした?』

静「……『ドアノブ』が……」

ガチャ、ガチャガチャッ……

静「……『動いてる』……!」

紙人間『……!』

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ガチャガチャガチャガチャ!!

静「思っていたより早いわね〜〜『応援』が来るのッ!」

ドンドンドンドン!

ガチャガチャガチャガチャ!!!

静「……どうする?バックライター……どこから逃げればいいの?あたしはッ!」

紙人間『窓から逃げるしかないが……格子はかなり頑丈だぞッ』

静「この程度の格子なら3分あれば破壊できる!それまでドアが壊されなければ——」

「ウオオオオオウダラァ——ッ!!!」

静「!?」

紙人間『……!』

ドアノブの周りは削られたのか

由花子と康一君結婚してたんだな

>>163
分かれてたら逆に怖い

まあ由花子さんだしな

「もう考えるの面倒くせぇぇッ!チクショォォォ——ッ!!!」

静「や……『ヤバイ』ッ!この声はっ……『まさか』ッ!」

紙人間『静……覚悟を決めるしかない……窓を壊すのは諦めろッ!』

静「けどそれじゃあ——」

「『ザ・ハンド』ッッ!!」

静「——はッ!」

紙人間『来るぞッ!逃げるのか?戦うのかッ!?さっさと決めて行動しなければならないッ!』

億泰が敵とかマジかよぉ!

ガオン!

ガオン!!

ガオオ——z__ン!!!

「ドアを『けずり取って』やったぜェ〜〜ッ!あとで弁償すっから勘弁しろよなァァ〜〜ッ!!」

ガラガラ……ガダン!

紙人間『……来たか……』

静「……戦って……勝てるわけがないッ……『虹村億泰』なんてッ!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

億泰「カギかかってたけどよォ〜〜……犯人はまだこの部屋に閉じこもってんのかァァーッ!?」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

本日はこのあたりです。
ありがとうございました。

間田先輩って結構オタクだと思うの。
まあSSなんで、このくらいのネタは許してほしいです。……気に食わないって方いたら、ごめんなさい。今後は控えます。

次回は早けりゃ月曜投下でー。


未登場キャラがじゃんじゃん出てきますな…
いいよいいよ〜

乙、そして乙ッ!
億泰たちが敵とかマジか、うおお続きが気になる・・・!


由花子もいるから索敵と攻撃が揃ってるんだよな…

>>168
裏をかけば何とか…いや、勝てないな

うおおお!!スゲー楽しみな展開になつてきたぜ!
月曜日まで待ちきれない!!
これからも頑張って書いてくれ…いや、くださいッ!

ここまでする本の正体がマジで気になる。
なんだろ、The Bookを修復したとかエニグマか?

何で間田がコピー対象を見てないのに静を操れたんだ?

実は間田が近くにいて見てたってことなのか、
単にサーフィスの能力を1が勘違いしてたのか、
それ以外に何か理由があるのか。気になる。

the bookかと思ってたがマジに主人公勢が相手なのか!?

というか、この状況で一番役に立つのザ・ロックかもしれんな

>>176
間田が見てないと操れないっていう明確な説明あったっけ?
ていうかサーフィスの射程どのくらいだ?

破壊力:B スピード:B 射程距離:C 持続力:B 精密動作性:C 成長性:C


こんな感じらしい

能力射程:コピー対象が見える状況で数十m(相手の操作)って書いてる

>>176
きっと間田がビビって出てこれなかったんだね!

>>176
きっと間田がビビって出てこれなかったんだね!

都合のいい解釈をすれば、
原作から十数年経ってるし、サーフィスもなんらかの成長をしたのかもしれない。

間田「康一くんや仗助に鍛えられて、ちょっとは成長したってことかな」

……正直に言うとサーフィスの射程勘違いしてましたすみません。
今後はこういうミスは無くそうと思います。
今回は間田先輩成長して射程伸びたって事でお願いします。

億泰「どこにいやがるんだ〜〜ッ?出てきやがれッコラアッ!」ザッ!!

静(『本棚』の影に隠れたけどっ……こんな場所すぐに見つかるわッ!)

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「……ううう……勝てるわけがないッ……」ジリッ……

紙人間『勝てるわけがない……うん、確かにな。彼は歴戦の強者だ……しかし静、ならばどうする?』

静「……決まってるでしょッ!逃げるんだよォォォ——ッ!」

億泰「あン?声が聞こえるぜっ!やっぱりよォ〜〜ここにいるんだなッ!?泥棒がよ〜〜ッ!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「『本棚』をブン投げろッ!!『ワイルド・ハニー』ッッ!!!」

ワイルド・ハニー『どっ——』グッ……

ズッ……ゴゴゴゴッ!!

億泰「おッ!そこにいたのかよ——ッ!……って、おめーそれはッ……」

ワイルド・ハニー『——ッラアアアア!!!』

ブォウンッ!!

億泰「う!?うおおッ『ザ・ハンド』ッ!!」

ガオオーンッ!!

バラバラッ!バシバシィン!!

億泰「イデデッ!くそっ、けずりきれなかった本棚の破片が……」バシバシッ!

静「『目眩まし』にはなったかしらね……『ワイルド・ハニー』(姿を消すッ)!!」カチャ……スゥーッ

億泰「——クソがッ、味な事しやがるぜ〜〜ッ……けどよォ、こうして『入口』におれがいる限り、テメーが逃げる事は出来ねーぜッ!わかってんのかコソドロ野郎がよ〜〜ッ!キッチンのすみっこに追い詰めたゴキブリに殺虫剤まくみてェ〜〜に、今からテメーを……」

……シーン……

億泰「……なッ!?ど、どッ、どこに行きやがった——ッ!?チラリとシルエットは見たのによ〜〜ッ!?」

ダダダッ!!

億泰「本棚のウラにいんのかぁ〜〜ッ!?」

バッ!

億泰「それとも倒れた本棚の下かっ!?」

バッ!!

億泰「いッ……いねぇ!消えやがったぞッチクショオーッ!?」

グルグルグル……

さすが億泰、馬鹿だ

静(よし……少しだけ姿を見せたことで、億泰は犯人が『ここにいる』と思いこんでいるッ!そのうちに……)

ズリッ……ズリッ……

静(逃げるわよッ!チクショーッ!ドアまでもう少しッ……)

億泰「クソがぁーッッ!!『ザ・ハンド』ッッ!!」

ズギョン!

静「!?うッ……」

ザ・ハンド『ウシャアアアアアアアアアアアアア!!!』

ガオン!

ガオオン!!

ガオォォォォンン!!!

億泰「隠れてんのはわかってんだぜ〜〜ッ……おれ頭ワリイからよ〜〜当たるまでそこら中けずり取ってやるッ!!」

パッ!パッ!!パッ!!!

静「うぉ……ッ!」(『瞬間移動』に巻き込まれたッ!!ドアが遠くにッ……)

億泰「どこ隠れやがったあ——スッタコがぁ〜〜ッ出て来いッ!」

ドゴ!バゴ!ドガッ!

静「……!……ひっ……!」(あッ!あッ!!『当たる』ッ!!手がスカーフをかすったわッ!あぶねェェーッ!!)

億泰「もういっぺん行くぜ〜〜〜『ザ・ハンド』ッ!!」メギャンッ!!

静(付き合ってられないわよ〜〜ッ!急いで、だけど、ゆっくり進むわよッ!中国人のする太極拳の動きのように!)ジリッ……ジリッ……

億泰「うおおおおおおお——」

静(……よしッ!ドアの外にッ……)

バタンッ!!

ウオシャアアア! ガオンガオーン……

静「……で、『出られた』……わ……ハァハァハァ……」カチャリッ……

紙人間『『ザ・ハンド』……なかなか怖いスタンドだな。虹村億泰……やはり正面から戦うのは得策ではないか』

静「戦うつもりなんてみじんも無いっての!さっさと道案内しなさいッ!!」

紙人間『うむ、それなんだが……正面から堂々と外に出るのは、かなりやばいと僕は思うんだ。追手が来ているかもしれないからな……あまりやりたくはないが、窓から逃げるというのはどうだろう?』

静「『窓から』ですってェ〜?この階から?アンタひとごとだと思って怪我しそーなメチャ危険な事言ってないッ?」

紙人間『この館はそこら中に茨が絡みついているだろう?それをつたって降りれば何とかなるはずだ。……三階の部屋の一つに、窓のすぐ傍まで茨が伸びている所がある。そこからなら……』

静「わかったわよ。じゃあその部屋をさっさと探さないとね〜〜。この部屋かしらッ?」

ガチャッ……

バタンッ……

静「?……何?この『部屋』は……?……?」

紙人間『おい、静……君は今何をした?勝手な行動取るんじゃあない。どこの部屋に入ったんだ?』

静「大丈夫よ〜〜センサーとかは一応注意してる。まあ今の状況じゃあ無意味かもしんないけどッ。それよりもバックライター……この『部屋』は何?」

紙人間『……どの部屋だ?場所を教えてくれ』

静「すぐ向かいにある部屋よ。『本』があった所の。……この『部屋』何だか『奇妙』だわ。……『図書館』なのに『本棚』が一つもない」

紙人間『……何?』

静「机とタンスがあるだけよ……あと机の上にロウソク立てがあるくらい。まるで図書館らしくない部屋だわ……」

紙人間『……『奇妙』なのは君のほうだ。一体何を言っている?』

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……何、って……部屋の状況よ。もう少し細かく実況したほうがいいっていうの〜?」

紙人間『違う、そういう事じゃあない。君は……君、今どこにいるっていうんだ?』

静「……すぐ向かいにある部屋……って、言わなかったかしら?」

紙人間『そんな場所に『部屋』なんてない』

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……何言ってるのよ、アンタ……あたしは今、自分の足で……しっかり部屋の中にいる……」

紙人間『もう一度言うぞ、静……そんな場所に『部屋』なんてない。……やばいぞ。そこにそのままいるのはやばい……』

静「……」

ズリ……

静「…………!!」ガバッ

……

静「…………」

クルッ

バ!ダダッ

静「まずいッ!タンスの中に何かいるッ!」

紙人間『その部屋はワナだッ!そこにいるのはまずいッ!』

ズリッ……ズリッズリッズリッ……

静「来るッ!何かがいる!姿が見えないけど何かが向かってくる……」

時速70kmで逃げないと

ズダダダダッ!!

紙人間『静!『廊下の奥』には行くなッ!窓があるだけで行き止まりだ!こうなっては仕方ない、元来た道を引き返して逃げるぞッ!』

静「ええ、わかっ——」

ガシッ

ガシガシ!

ガシッ!ガシ!

静「えっ」

ガシガシガシ

ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!

静「何!?追ってくるわよッ!あたしのように『透明』になったみたいに……み……見えない何かが追ってくる……!」

ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!

紙人間『……いや!見えてるぞ……よく見ろ静……地面に張り付いてるッ!!』

ガシッガシッガシッガシッ

ガシッガシッガシッガシッ!!!

静「何だあ〜〜っこれが……この足跡みたいなのがッ!『スタンド』だっていうのッ!?」

紙人間『無駄かもしれないが……走れ静ッ!こいつは、この『スタンド』はっ……』

ズダダダダーッッッ!!!

ギャン!ギャンギャンッ!!

静「うおおおおおおおおッッ!!」

紙人間『噴上裕也……『ハイウェイ・スター』だッ!!』

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

本日はこのあたりで。
次回で終わると思います。水曜か木曜投下予定です。

しかしハイウェイ・スターって強いよね。生身だとまず勝てないと思う。
さあどうしよう……


弱点はないからな
ってこの状況で次で終わりなのか…


本体も遠くにいるから狙えないな


何だか4部ラストみたいに街全体で本を守ってるみたいだ
これは静ちゃん、仗助に叱られるフラグですわ

ニオイで判断するから基本的にワイルドハニーでも無理だよな…

申し訳ありません、投下かなり遅れそうです。仕事が、仕事が……。
雑談やツッコミ等、ご自由にどうぞ……。出来る限り早く投下出来るよう頑張ります。

>>208
大丈夫だ、問題ない

ゆっくり待ってる

次が来るまで気高く飢えなくては

(億泰は静が現れるまでどこにいたんだろ)

(トイレとか…)

(うっかり、腹下してトイレに籠る億泰想像して吹いたじゃあないか……)

(トイレで隠れて見張ってたんだろ…多分)

(見張りのために毎日毎日トイレに居座る億泰も大変だな…)

由花子や間田が泥棒に気づいて、他のスタンド使いに連絡した……という感じですね。
億泰は便所で腹痛かかえてたわけではありません。たぶん。

火曜日投下予定……なのですが、パソコンから速報繋がらないのは何なんですかね?
火曜も繋がらないなら投下は控えます。ご了承をば。

のんびり待ってます
家から茨の館まで一番近いのが億泰っぽかったしな、The Bookで

由花子の髪の射程距離って何mくらいだっけ?

正確な射程は知らないけど単行本32巻「山岸由花子は恋をする その�」の康一くんの考察だと100〜200mくらいで1kmはなさそうって言ってた

まぁでも間田と同じで原作4部から16年も経ってると考えると成長して射程伸びててもおかしくないと思う
wiki見たら成長性Bで割りと高めだったし

ラブデラックスは射程距離数10mぽい。コミックスやネットで見たら数10mって書いてる。
間田同様、成長したと考えればいいか。

破壊力Cのゴールドエクスペリエンスが車破壊しまくる世界ですし……

Cってたしか「人間並」だよな
あの世界の鍛えた軍人ならありえるぐらいか

屍生人でも破壊できない鋼鉄の首輪を自力で引きちぎった人間もいるしな

あれはツェペリさんの命の力使ったから…

今日は更新あるかな?

wktk

mktk

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ギャワアアーッ!!

静「おッ!追って来ているッ!かなりの速度よーッ!?クソッ『ワイルド——」カチャッ……

紙人間『無駄だ静。そいつは臭いを追跡しているッ!姿は消せても臭いは消せないッ!』

静「だッ……だったら……!!」

ダダダダダーッ!!

ガシ!ガシ!ガシ!

静「一体どおすればいいのよォォ——ッッ!?」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

紙人間『静、君は走るのは得意か?』

静「はあ〜ッ?何だってェッ!?」

紙人間『あまり意味はないかもしれないが、それでも重要なことだ。君は犬っころみたいに走り回るのは得意か?と聞いているッ』

静「普通よッ!ただの女の子よりかは早いつもりなんだけどねーッ!」

ダタダダダ゙ダッッ!!

ギャン!ギャン!

紙人間『そうか……少し無茶な事を言うぞ?ヤツから逃れる方法だが……』

静「何ィ〜〜ッ?」

紙人間『時速60キロ以上で走れ』

ド ン

静「…………!?」ピタッ……

紙人間『ちなみに100メートルを10秒で走って時速36キロだ。長距離マラソンを2時間で走って時速21キロ……時速60キロというのは100メートルを6秒の動きだ……その速度で動かないと、君は追いつかれてしまうッ!』

静「『できるわけがない』ッ!!」ドオーンッ!!

ギャン!!ギャン!!ギャン!!!

静「『ワイルド・ハニィィィィィ』ッッッ!」

ドギュアァァ——z__ンッッッ!!

ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラッ!!』ドバ!ドバ!ドバッ!

ビシ!ビシッ!

静「うッ!『腕』に!?攻撃した『拳』にくっついたッッ!!」

ドギョッボキョッズルリッ

静「うげっ!!こ……こいつ、か……体の中に……」

ズキュンズキュン

静「や……やばい、『力』が吸いとられるッ!」

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