向日葵「初めてのキスは、クッキーの味でした。」 (93)

あかり「向日葵ちゃん、お願いがあるんだけど」

向日葵「?どうしましたの?」

あかり「あのね、あかりクッキー作ろうと思ったんだけどなんか上手く行かなくて」

あかり「向日葵ちゃん美味しいクッキーあかり達や櫻子ちゃんに作ってきてくれるでしょ?」

あかり「だからあかりにクッキーの作り方教えてほしいなって」

向日葵「ええっ?クッキーなんて簡単じゃありませんの」

あかり「ううん。作れることには作れたんだけど…向日葵ちゃんのみたいな美味しいものにならなくて…」

向日葵「別に…言うほどのものなんかじゃありませんわよ」

あかり「ううん。あかりは向日葵ちゃんのクッキー大好きだよ?向日葵ちゃんだから頼もうと思ったの」

向日葵「そんな…大げさな」

あかり「手伝ってくれる?」

向日葵「…まぁ、そこまで言われたら手伝わないわけにはいきませんわね」

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あかり「わぁい さっそくで悪いんだけど今日の放課後大丈夫?」

向日葵「えっと…大丈夫だと思いますわ」

あかり「じゃあ向日葵ちゃん家行っていい?」

向日葵「いいですわよ」

あかり「わぁい 向日葵ちゃんの家行ったことないから楽しみだよぉ」

向日葵「私も櫻子以外の友達を上げるのは初めてですわ」

あかり「えっそうなの?」

向日葵「私小学校の頃からあまり人と接するのが得意ではなくて」

向日葵「なんというか…こんな喋り方ですからなんとなく多分…その…普通じゃないというか…変というか…」

向日葵「変えようとは思ったことがあるのですが…その…普通の話し方というものが私にはどうも…」

あかり「かわいいのになぁ」

向日葵「えっ?」

あかり「な、なんでもないよぉ」

あかり「えっと向日葵ちゃんってどうしてお菓子作るようになったの」

向日葵「そうですわね…たしか小学校の頃櫻子がプリン食べたいと言い出して」

向日葵「でも家になくて出かけるのは嫌だと言い出したものですから」

向日葵「仕方なく私がレシピの本ひっぱり出してきてプリンを作ったのですけど」

向日葵「櫻子が美味しいって言ってくれたのがなんだか嬉しくていろいろ作るようになったんですわ」

あかり「へぇー そうだったんだぁ」

あかり「あかりもね…」

「」キーンコーンカーンコーン

向日葵「あら、なんだか今日はチャイムが早いですわね」

あかり「んもぉ!あかりが話そうとした途端にチャイムがなったよぉ」

向日葵「まぁまぁ、後でお話ししましょう?」

あかり「うん」


櫻子「よっしゃ!放課後だー!向日葵遊べ」

向日葵「ごめんなさい 今日はちょっと用事があって一緒に帰れませんわ」

櫻子「えー 帰ってからすごくひまになるんだけど」

向日葵「まぁまぁ 今度クッキー作ってきますから」

櫻子「んー…………まぁそれなら今回は我慢してやろう」

櫻子「じゃあちなつちゃんでいいや 今日暇?ちなつちゃん」

ちなつ「いいやって・・・まぁ暇だけど」

櫻子「よっしゃ遊ぼう ちなつちゃん家行っていい」

ちなつ「いいけど」

櫻子「じゃあ決定ね」

櫻子「後今日わたし家の鍵忘れたみたいだから直で行くからよろしく」

ちなつ「ちょっ」

「…」

向日葵「私達も帰りましょうか」

あかり「うんっ」

あかり「櫻子ちゃんと一緒に帰らなくてよかったの?」

向日葵「本人が大丈夫って言ってますもの 私は別に平気ですわ」

あかり「ふーん まぁいいならいいけど」

向日葵「鍵忘れるなんて櫻子にも困ったものですわ」

あかり「あれ?櫻子ちゃんって妹いるよね?」

向日葵「いますわね それがどうかしましたの?」

あかり「花子ちゃんだったっけ?お留守番してるなら開けてもらえるんじゃないかなぁって」

向日葵「そういえば…まぁ…櫻子がいいって言ってるんだからきっといいんだと思いますわ」

あかり「まぁ…」

向日葵「そういえば櫻子ってばこの前…」


――
あかり「…あかり飲めないんだよぉ」

あかり「そうそう、コーヒーといえば…」

あかり「さっき花子ちゃんの話したよね」

向日葵「しましたわね」

あかり「この前櫻子ちゃんの家行く前に花子ちゃんが自動販売機のね 高いところ押そうとしてたの」

あかり「助けてあげようと思ったんだけど逆にいろいろ助けてもらっちゃった」

向日葵「赤座さんって意外と抜けたところがありますものね」

あかり「そうかなぁ…あかり自分ではしっかりしてると思うんだけど」

向日葵「あっいえごめんなさい…そうじゃなくて…でも赤座さんがしっかりしてることは私よく知っていますわ」

向日葵「櫻子から色々聞いてますもの いろいろ迷惑かけてるそうで」

あかり「?うーんそんなことないと思うよぉ」

向日葵「その返事がしっかりしているあかりですわ」

向日葵「あっ、間違えました 証でしたわ」

あかり「んん!?変な間違いするねぇ!?」

向日葵「ついさっぱり」

あかり「それを言うならうっかりだよね!?」

向日葵「そうでしたわね」

あかり「まぁいっか…話戻るけどあの時の自販機で変な物押しちゃってて」

あかり「ドM向けドリンクなんてものあかり初めて見たよぉ」

向日葵「あぁ、あれ。美味しいですわよね」

あかり「えっ!?あれが好きなの!?」

向日葵「冗談ですわ」

あかり「なぁんだ…あれは流石にちょっと想像をはるかに絶する味だったよぉ」

向日葵「まぁ…あんなのが舌に合うはずありませんわね」

向日葵「逆に言えば赤座さん実はドSだったり…」

あかり「なるほど。そうなのかも」

向日葵「えっ…本気にしないで欲しいですわ」

あかり「ちょっとぉ!ていうかもしかしてさっきから向日葵ちゃんわざとボケてない?京子ちゃんみたいだよぉ」

向日葵「あっ…ごめんなさい、なんか楽しくなっちゃって…ご迷惑でした?」

あかり「別にそうじゃないけど…なんか意外だなって…」

向日葵「というと?」

あかり「向日葵ちゃんってこんなに冗談言う人じゃなかったような感じがするんだけど」

向日葵「そりゃ…今日話してて思ったんですけど」

向日葵「赤座さんは茶々入れると面白い反応するんですもの」

あかり「えっ?やっぱりわざと?」

向日葵「そうですわ 当たり前ですわ」

――

向日葵「ふぅ…ちょっと暑かったですわね」

あかり「暑かったねぇ…あっ、お邪魔しまーす」

向日葵「ふふふ、歓迎しますわ 洗面所こっちですわ」

あかり「その前にあかりトイレ行きたいんだけど」

向日葵「それならここですわ、じゃあ先に手洗って準備しておきますわね」

あかり「うん」

――
「」ジョバーー ゴゴゴゴゴ ガチャッ

あかり「あっ、この手洗う奴あかりの家にもあるやつだ」

あかり「向日葵ちゃんも同じの使ってるんだねぇ」

あかり「ま、どうでもいっか」

あかり「早く手洗って向日葵ちゃんのところ行かなくちゃね」ジャー

――

あかり「お待たせ向日葵ちゃん」

向日葵「あっ、今ちょうど準備終わったとこですわ」

あかり「クッキーって難しいよねぇ」

向日葵「どの道、赤座さんならきっとすぐに一人で出来るようになりますわ」

向日葵「作ったことはあるんですのよね?」

あかり「うん。えっと昨日の日曜日に作ったんだけど全然味が上手く行かなくて…」

向日葵「作り方は覚えてますの?」

あかり「うろ覚えだけど…」

向日葵「じゃあ基本のレシピをあげますから、まずは一人で作ってみてくださる?」

あかり「ええっ?手伝ってくれないの?」

向日葵「私も最初に作るとき親にこうやって教えられましたの」

あかり「…わかった。一人で頑張ってみるよぉ」

向日葵「私はちゃんとどこをどうすべきとちゃんと見てますから」

向日葵「あっ、まずレシピはこれですわ」

あかり「ふんふん…最初は…」

――


向日葵「…」ジーーーッ

あかり(向日葵ちゃんがずっと見てきてなんか恥ずかしいよぉ…)

向日葵「どうかしましたの?」

あかり「べっ、別に…」

向日葵「もしかして緊張させてしまってます?」

あかり「…うん」

向日葵「だってそうやってみないとどこをどうすればいいかきちんとアドバイスできませんもの」

向日葵「ご心配なく、一挙一動見逃さずきちんと観察しておきますから」

あかり「んん!?…ていうかそんなにあかりをずっと見てなくても…」

向日葵「あ!危ないですわ!」

あかり「!!! っ…ふぅ…ふぅっ…!危なかったよぉ」

向日葵「ほら言わんこっちゃない。赤座さんは私がちゃんと見てないと危なっかしいですもの」

あかり「いや、そもそもこんなにじっくり見てなかったらこうならなかったんじゃないかなぁ!?」

向日葵「やっぱり心配ですからじっくり見てますわ」

あかり「向日葵ちゃんってば…」
――


向日葵「できましたわね」

あかり「結局最後まで見つめられてたよぉ…」

向日葵「さて、取り出しましょうか」ガー

向日葵「うん、よく焼きあがってますわ」

あかり「向日葵ちゃん、味見していい?」

向日葵「いえ、取り出してからにしないと危ないですわ」

向日葵「とりあえず、それとってくださる?」

あかり「これ?はい」

あかり「これなんて名前なんだろう」

向日葵「これですの?えっと……?…キッチンミトンと言うらしいですわ」

あかり「へぇー あかり知らなかったよぉ」

向日葵「私も最近知りましたの」

向日葵「よいしょっと」ガー

向日葵「熱いですから気をつけてくださいな」

あかり「うん」

向日葵「私も」

あかり「」フーッフーッ

あかり「」パクッ

あかり「…普通かな」

向日葵「そうかしら?まぁ充分美味しいと思いますけど」

あかり「…向日葵ちゃんのはもっと美味しいもん」

あかり「あかりね、いつもくれるあの味が大好きなの 本当にそれくらい美味しい?」

向日葵「……………!」

向日葵「…まぁ…やっぱり…その…味は置いておいても固すぎますし…まぁ…美味しくないですけど…」

向日葵「こればかりは初心者なので仕方ないと思いますわ」

あかり「…」

向日葵「でも…」

向日葵「私がいますもの、次は赤座さんが納得するようなものを絶対作らせてさしあげますわ」

向日葵「今度は私がサポートしますわ!…ほら!第二弾作りますわよ!」

あかり「あっ、うん!」

向日葵「赤座さんいつも櫻子の家で遊ぶとき6時くらいに帰ってるでしょう?」

あかり「うん。そうだねぇ」

向日葵「つまり6時に帰るんですのね?じゃあ次このままじゃ少しギリギリですから急ぎますわよ」

あかり「うん!」

――
向日葵「ここは卵じゃなくて先に粉を…」
――
あかり「なんでこれこうするんだろう?」

向日葵「それはですね多分…」
――
向日葵「そうやってかき混ぜるより…」
――
向日葵「これじゃ少し薄すぎますわね もっと厚くしたほうが…」
――
あかり「えっ…そんなとこまで?すごいところ見てるねぇ」

向日葵「冗談のようで本気で…そう、見てましたから全部覚えてますわ」
――
向日葵「型はとりあえずこういうので…」
――
向日葵「後はとりあえず10分待つだけですわ」
――

「」ピー

向日葵「できましたわね」

あかり「なんか焼きあがるのも話してるとあっという間だねぇ」

向日葵「私もそう言おうとしてましたわ」

向日葵「赤座さん、キッチンミトンとって」

あかり「はい」

向日葵「ありがとうございます」

「」ガー

あかり「じゃあ食べよっか」

向日葵「はい」

あかり「」フーフーフー

あかり「おっ、美味しい…!あかりのクッキーが…美味しい!」

あかり「向日葵ちゃんやっぱりすごいねぇ…」

向日葵「ふふ、ありがとうございます。でも………まだまだ美味しくなりますわよ」

向日葵「作り方わかりました?」

あかり「向日葵ちゃんの説明がわかりやすかったからねぇ」

向日葵「あら、赤座さんだって教えるのは上手いですわ」

向日葵「たとえば…理科なんて私何度も赤座さんに助けられてますわ」


あかり「そうなの?」

向日葵「本当ですわ それ以外も…たとえば櫻子に教える時…赤座さんの説明を使ったりした覚えがありますわ」

あかり「櫻子ちゃん?あかりが教えたときにはわからなそうだったのに?」

向日葵「そんなことがありましたの?じゃあそれはきっと櫻子の頭じゃ理解できないだけかと 私には本当にわかりやすかったんですわ」

あかり「あかりはそんなにすごくないってば 」

向日葵「いいえ、前にも言ったかどうか覚えてませんが赤座さんはすごい人ですわ」

向日葵「当たり前のことを当たり前に出来ますし、人が見てなくても頑張ってますし、人の嫌がることも自分からしますし」

向日葵「私が思うのは……何より真剣なときの集中力がすごい…って事 今日思いましたわ」

向日葵「私帰り道は赤座さんの話を茶化してましたけど」

向日葵「人が真剣なときに私は茶化したりしませんわ 私赤座さんの思いが本気だってわかったから私も本当に本気で教えたんですわ」

あかり「向日葵ちゃん…!」

向日葵「赤座さんはもっと自分に自信を持っていいと思いますわ」

あかり「…うん…でも…」

向日葵「どうしましたの?」

あかり「やっぱりあかり自分に自信なんて持てないよ」

あかり「あかりより出来る人なんていっぱいいるもん…」

向日葵「私は、一番の人より特別になれるような人が好きですわ」

向日葵「特別っていうと…赤座さんにしかできないこと…それが特別ですわ」

あかり「じゃあ、あかり特別になれるかな?」

向日葵「特別になりたいんですの?」

向日葵「きっとなれますわよ 赤座さんの事は私も知ってますわ」

あかり「えへへ、ちょっとだけ悩みが晴れた気がするよぉ」

向日葵「ふふっ」

向日葵「なんかキリがいいですしそろそろ解散にしましょうか そろそろ六時ですし」

あかり「あっ、本当だ。あかり帰らなきゃ」

向日葵「行きましょうか」

あかり「じゃああかり帰るね」

向日葵「あっ、待って」

向日葵「あの、赤座さん」

あかり「なぁに?」

向日葵「その……今日は楽しかったですわ」

向日葵「また明日も来て下さる?」

あかり「いいの?」

向日葵「もちろんですわ」

向日葵「赤座さんにはまだまだお教えしたいことがありますし…」

向日葵「なにより…人と作るのは楽しいですわ」

向日葵「後、今まで話すことは少なかったですけど今日話してみて…とても…」

向日葵「……」

あかり「…?」

向日葵「とにかく…赤座さんと話すのは楽しいんですわ!」

あかり「そういえば学校からずっとしゃべってたねぇ」

あかり「帰り道の向日葵ちゃんみたいな感じ、あんまり見たことなかったから面白かったよぉ」

向日葵「だから…あれは…ついテンションが………あんな自分私も初めてみましたわ。きっとあれは赤座さんのせいですわ」

あかり「ええっ!?あかりのせいなのぉ」

向日葵「だって私も他の人にああいった形で話すことありませんもの」

向日葵「あっ、きっとやっぱり赤座さんが特別なんですわ」

あかり「特別?」

向日葵「はい 特別ですわ」

あかり「えへへ、もう特別になっちゃった…!」

向日葵「…!そうですわよ もう特別ですわ」

あかり「あかり明日も来ていい?」

向日葵「!待ってますわ!」

あかり「うん!じゃあね!お邪魔しました!」

向日葵「…」

向日葵「赤座さん…」

向日葵「ふふっ…」

向日葵「あっ、クッキー出しっぱなしでしたわ とりあえず片付けないと」


ちなつ「おはよー」

櫻子「ちなつちゃんおはよー」

向日葵「おはようございます吉川さん」

向日葵「櫻子は朝から元気ですわね…」

櫻子「お前は朝元気なさすぎだろ…」

あかり「おはよー」

向日葵「赤座さん!おはようございます」

櫻子「あかりちゃんおはよ」

櫻子「っていうかいやに元気だなお前」

向日葵「櫻子とはちがうんですわ」

櫻子「すごい手が裏返しだ」

ちなつ「手のひら返しでしょ」

櫻子「あ、そうだあかりちゃんちょっと来て?聞きたいことがあるの」

あかり「櫻子ちゃん?ここじゃだめなの?」

櫻子「だめなの ほらほら」

あかり「う、うん」

――
向日葵「…」

ちなつ「向日葵ちゃん?」

向日葵「はい?」

ちなつ「元気なさそうな顔に戻っちゃってるよ?」

向日葵「はぁ…そうですか」

ちなつ「櫻子ちゃんとなんかあったの?」

向日葵「…別にありませんわ」

ちなつ「ふーん…」

向日葵「本当ですわよ」

ちなつ「まぁ別にいいけど」

――
櫻子「6時間目もホームルームも終わってた!つまり来たりし放課後!向日葵行くぞ生徒会!!」

向日葵「張り切ってるところ悪いですが、今日生徒会はありませんわ」

櫻子「マジ?」

向日葵「マジですわ」

櫻子「マジで?」

向日葵「いや、マジって言ってるじゃありませんの」

櫻子「うーん…なんか見失った気分だな…とりあえず杉浦先輩に会いに行ってくるか…」

向日葵「行ってらっしゃい 私は帰りますけど」

櫻子「一人で帰るなんてサビしーなぁ なぁ向日葵?」

向日葵「別に一人じゃありませんけど?ね?赤座さん?」

あかり「えっ?ああ、うん。そうだねぇ」

櫻子「いつの間に仲良くなったんだお前ら」

ちなつ「櫻子ちゃんが見てないだけでしょ? 休み時間とかずっと二人で話してたよ?」

櫻子「マジで?」

ちなつ「マジだよ」

――
あかり「ふぅ…」

向日葵「今日も暑かったですわね」

あかり「そうだねぇ」

向日葵「麦茶要ります?」

あかり「くれるの?」

向日葵「ありますわよ キンキンですわ」トプトプ カカラン

向日葵「はいどうぞ、赤座さん」

あかり「いただきまーす」ゴクゴク

向日葵「暑い日にのむと美味しいねぇ」

向日葵「そうですわね やっぱりすごく暑い…こういう日に飲みたくなりますわね」

向日葵「で、クッキーのほうですけど」

向日葵「昨日は手が回らなかったところ、つまり今日は型の作り方のコツをお教えしようと思いますわ」

向日葵「よろしくて?」

あかり「うん いいよぉ よろしくお願いします」

――
向日葵「…」

向日葵「うさぎ、ねこ、くじら、ひつじにネッシー…」

向日葵「…器用ですわね」

あかり「ネッシーじゃなくてキリンさんだよ!?」

向日葵「あら、そうでしたか 惜しかったですわね」

あかり「惜しくないよぉ!」

向日葵「あ、ちなみに、丸く切る時にはそうじゃなくてこうやったほうが…」

あかり「こう?」

向日葵「違いますわ こうですわ」

あかり「こう?」

向日葵「違いますわ」

向日葵「後ろからで悪いですけど…私が赤座さんの手持ちますから ほら」

あかり「ひ、向日葵ちゃん…胸が…」

向日葵「だって…!こうしないとしっかり手が覆えないでしょう?」

向日葵(わざとですけど)

あかり(い…息も…耳にあたってくすぐったいよぉ…)

向日葵「ほら赤座さん しっかり動かして」

あかり(向日葵ちゃんの指…ヒンヤリしてる…)

あかり(心があったかい人っていうよね 言えないけど…)

向日葵「赤座さん、動きますわよ… こうですわ」

あかり「あっ、おおっ よく切れるねぇ」

向日葵「…丸はこうやって切るんですわ」

あかり「次は一人でやってみてくださる?」

向日葵「こうだね?」

あかり「そうそう 上手いですわ」

――
あかり「また明日ね向日葵ちゃん」

向日葵「赤座さんみるみる上達しますわね」

あかり「向日葵ちゃんが教えるの上手いんだってば」

向日葵「いえいえ、赤座さんが身につけるのが上手いから教えたくなるんですわ」

向日葵「えっと…歳納先輩いますわよね?」

あかり「京子ちゃんがどうしたの?」

向日葵「あの人ほど天才肌の人間を私見たことありませんが…」

あかり「赤座さんも多分それくらい吸収力あると思いますわ」

あかり「好きなことだからよく覚えられるだけだもん 京子ちゃんとは違うよぉ」

あかり「京子ちゃんのすごいところはね…」
――
向日葵「そんなこともありますわね」

あかり「さすがのあかりもこれはねぇ…」

向日葵「あっ」

あかり「どうしたの?」

向日葵「あの、今気づいたんですけど…帰ろうとしてからここで20分くらい立ち話してますわね」

あかり「ああっ、…本当だ」

向日葵「最近うっかりずっと話しちゃうよね…今度こそ、えっと、今度こそお邪魔しました!」

向日葵「…」

向日葵「…」

向日葵「…さて…明日はどんなこと教えましょうかしら…ワクワクしますわ…」

――
向日葵「おはよう櫻子」

櫻子「なんだ向日葵かよ」

向日葵「昨日杉浦先輩には会えましたの?」

櫻子「会えたよ プリンなかったから粘ったらスプーンくれた」

向日葵「それ何の意味がありますの…」

向日葵「ま、とにかく行きますわよ」

櫻子「向日葵」

向日葵「なんですの?」

櫻子「この前の約束忘れてないか?」

向日葵「約束?」

櫻子「特別上手いクッキー作ってくるって言ったじゃん」

向日葵「そんなこと言いましたっけ…」

櫻子「昨日の夜ふと思い出したんだけど、私と遊ばないお詫びに作ってくるって言ってた」

向日葵「あっ……忘れてましたわ…」

櫻子「ほらな?おっぱいでかいから記憶力悪いんだよ」

向日葵「おっぱいもないのに記憶力も悪い櫻子は大変ですわね」

櫻子「私は記憶力いいぞ」

向日葵「昨日まで忘れてたってさっき言ってましたけど もう忘れましたの?」

向日葵「明日きっと作ってきますから」

櫻子「明日土曜じゃん 急ぎじゃないから月曜でいいよ とりあえず代わりにとびっきり甘いのな そう特別甘いの」

向日葵「甘い?櫻子がリクエストとは珍しいですわね」

櫻子「…だって向日葵が悪いんだから当然じゃん?」

向日葵「?意味がわかりませんわ」

櫻子「私もよくわからん」

――

向日葵「…と…いうわけで手伝ってほしいのですが」

あかり「えっ?あかりじゃまだ美味しく作れないと思うよぉ…」

あかり「なんなら味見要因とか…」

向日葵「まぁそれでも…」

向日葵「…いや、そうじゃないですわね。どの道赤座さんがいてくれたほうが作るの楽しいんですわ」

あかり「えっ?そう?えへ…照れるよぉ///」

あかり「あっ、そうだ、クッキーといえば昨日ね、クッキーの番組やってたの、見た?」

向日葵「あら、そんな番組があったんですの?知りませんでしたわ」

あかり「なぁんだ見てないんだ… とっても面白かったよぉ」

あかり「あ、それでね、あかりその番組見てからいろいろ調べてみたんだけどね、今ね甘そうなクッキーなら近いところに今結構心当たりあるよぉ」

小明「今度のお休み二人で一緒に行かない?」

向日葵「そういえば私実は売っているクッキーとかあまり食べた覚えがありませんわ」

向日葵「確かに櫻子にとびっきり甘いの作ってこいと言われましたし…」

向日葵「研究もかねて行きましょうか」

あかり「やったぁ土曜日空いてる?」

向日葵「ええ、大丈夫ですわよ ていうか今日もう金曜日でしたわね」

向日葵「今日も来ますの?」

あかり「うん。」

向日葵「でも私もしかしすると生徒会ありますわよ?」

あかり「あかりもごらく部あるよぉ…じゃあ早く終わったほうがお迎えに行くってことにしよう?」

向日葵「そうしましょうか」

――
「」コンコン

向日葵「赤座さんおります?」

京子「お、ひまっちゃん。珍しいな」

京子「あかりなら地底人に連れていかれて数週間…あれから一度も会えてないんだ…」

結衣「そこにいるだろ」

あかり「あっ、向日葵ちゃん!」

向日葵「」チラッ

向日葵「…ほんとだ。いませんわね」

ちなつ(なんで向日葵ちゃん乗ってるの)

あかり「ちょっとぉ!?あかりと目があったよねぇ!」

暇w来「あ、いましたわね 帰りましょう?」

あかり「ねぇ反応をスルーってひどくない?」

あかり「ところでもう終わったの?」

向日葵「いえ、今日は長引きそうで…生徒会の解散まで待つと家に着いた時点で6時を過ぎてしまいますから」

あかり「生徒会業務やらなくていいの?」

向日葵「…ま…よくないですけど…まぁ…もしなんかあったら…赤座さん手伝ってくださいね?」

あかり「ええ?いいけどそれなら休まない方が…」

向日葵「いいったらいいんですわ、でも生徒会、来てくださってもいいですわよ?」

あかり「本当?じゃあ今度行くね?」

向日葵「ふふ、じゃあ帰りましょうか」

あかり「京子ちゃんごめんね あかりもう帰る」

京子「おう、また来週な」

――
京子「すげー楽しそうに会話してたな いつの間に仲良くなったんだあの二人」

ちなつ「私のクラスでも最近あの二人ずっと会話してる気がしますよ」

結衣「まぁ仲いいに越したことはないんじゃないの?」

京子「そりゃそうだけど…不思議でしょ あかりとひまっちゃん会話してるとこあんま見たことないもん」

結衣「そういえば…私もないな」

ちなつ「私もついこの間までクラスで会話してるところはあんまり見ませんでした」

京子「だろ?すげー気になるんだよ いろいろ そうでしょ?」

結衣「まぁそりゃ…」

ちなつ「気になりますけど…」

京子「だろ?じゃあ…ちょっと見てきてくれるよな?」

結衣「いや、知らねぇよ、お前が行け」

京子「いいよ。私忙しいし」

結衣「さっきまで暇だなーとか言ってたが」

ちなつ「行けばいいじゃないですか 私と結衣先輩は行きませんけど むしろ行ってきてください」

京子「あーあ もう一人の私が突然助けてくれないかなー」ダラー

結衣「行かないのか まぁいいけどな」

――
京子「」ソワソワ

ちなつ「結衣先輩、5分もしないうちにソワソワしだしましたよ」

結衣「気になるなら行ってこいよ」

京子「なんで私が行かなくちゃいけない必要があんだよ」

ちなつ「いっつも理由もなく突撃してく様な京子先輩のセリフですかそれ」

京子「あの二人が仲好くても関係ないもん」

結衣「意地張ってるなお前完全に」

――
向日葵「」パクッ

向日葵「ふむふむ…この味…」

向日葵「早くももう私が手伝わなくてもほとんど…作れるようになってきてますわね」

あかり「そう?」

向日葵「そうですわよ なんと私が2年くらいかけてたどり着いたくらいの味ですわ これ」

向日葵「でも赤座さんのクッキーにはまだまだ足りないものがありますわ」

向日葵「それは…」

向日葵「いえ、これはまたいつか話しますわ」

あかり「今じゃだめなの?」

向日葵「駄目ですわ 時がきたらお話しますから 約束ですわ」

あかり「えー」

向日葵「ところで明日って七森駅なもり像の前に…」

――
櫻子「あー…疲れたー」

綾乃「ご苦労さん、大室さん」

綾乃「はい、約束のプリンよ 古谷さんがいない分までよく頑張ってくれたわね」

櫻子「えっ!そうですか?ま、そりゃ、向日葵がいない分も頑張らなくちゃいけませんからね」

綾乃「あら、いつもなら向日葵のせいでー、とか言いそうなものなのに 珍しいわね」

櫻子「いっつも私が迷惑かけてますからね、お互い様ですよ」

綾乃「えっ、なんか大室さん変わったわね どうしたの?」

櫻子「決意したんですよ 変わるって 杉浦先輩の跡継ぎは私がなるんです 向日葵には譲らないですよ」

綾乃「そう、今日は本当にとっても助かったわ。やればできるじゃない。これからもこの調子で頑張ってね?」

櫻子「はい!」

綾乃「じゃあ解散にしましょうか」
――
櫻子「ちなつちゃん!私変わったって言われた!杉浦先輩に!」

ちなつ「おっ、やったね!」

櫻子「今日向日葵いなかったんだけどね、私がいるおかげで早く終わったってほめられた」

ちなつ「あ、向日葵ちゃんならごらく部来てあかりちゃんと帰ってったよ」

櫻子「今日大変だったのに長引くってわかったら帰りやがって」

ちなつ「なんか珍しいね 向日葵ちゃんがやらないなんて」

櫻子「出し抜くチャンスだね 戻ってきたら驚かしてやる」

ちなつ「あはは」

櫻子「あっ、くれたプリン食べるの忘れてた」

ちなつ「えっ?」

櫻子「机に置いたまんまだ まぁいっか」

ちなつ「向日葵ちゃんといい杉浦先輩といい、お菓子くれる人好きだね」

櫻子「そりゃあ…癪だけど向日葵のお菓子は七森一だと思うよ 認める」

櫻子「プリンは…うーん…あれも向日葵のおかげなのかな」

櫻子「とにかくさ、人からさ、物をもらうのってさ、本当にうれしいんだよね」

櫻子「今日杉浦先輩によく働いたご褒美としてプリンもらったけど、不法労働で食べたプリンとは違って格別の味がした」

櫻子「ま、食べてないけどさ もらった時プリンが輝いて見えたもん」

ちなつ「そんなもん? ていうか櫻子ちゃんのくせにすごい言葉知ってるね」

櫻子「へっ、まぁ労働の後の一杯は格別だね」

ちなつ「帰り道プリンでも買ってく?」

櫻子「是非」


ちなつ「え?わからないの?」

ちなつ「私は所属してるわけじゃないし生徒会で何やるかよくわかってないけどさ」

ちなつ「杉浦先輩みたいになりたいのなら…えっと…上手く言えないけど…まず…信頼というか…迷惑をかけないのが当然だよ」

ちなつ「この前向日葵ちゃん言ってたよ?櫻子が生徒会でしっかりしてくれると本当楽なのにって」

ちなつ「多分杉浦先輩も今のままじゃ櫻子ちゃんじゃなくて向日葵ちゃんのことを自分の次の生徒会副会長にしたいと思うよ」

櫻子「……む…改めて…はっきり向日葵以外から言われてみると……………うん。私迷惑ばっかりかけてるかもしれないな」

櫻子「向日葵はともかく杉浦先輩には楽させてあげたいと思ってるし」

ちなつ「なんで?」

櫻子「私と違って仕事できるし勉強できるし優しいし…あげればキリがないよ?」

櫻子「ま、杉浦先輩頼りになるもんね」

櫻子「うん!何度も言うけど私の憧れの先輩なんだ 人間として尊敬してる」

ちなつ「ベタ褒めだね 頑張って」

櫻子「頑張るね!私変わる!」

ちなつ「うん、応援するよ!頑張ってね!」

櫻子「ちなつちゃんって船見先輩が好きなんでしょ?」

ちなつ「うん、大好き!」

櫻子「私と同じだね」

ちなつ(ん…櫻子ちゃんのは恋なのかな…? まぁ私には関係ないか)

ちなつ「そうだね 私も結衣先輩が人間として大好きだしね」
――

>>31訂正

――
櫻子「ちなつちゃんの部屋前来た時から思ってたけど…」

櫻子「アレだよね、センスあるよね かわいさのセンス」

ちなつ「そう?ありがと」

ちなつ「…で、さっきの話に戻るね?」

ちなつ「…次期生徒会副会長になりたいのはわかったけど」

ちなつ「…私なら今だったら向日葵ちゃんに入れるかな」

櫻子「え?なんで?」

ちなつ「え?わからないの?」

ちなつ「私は所属してるわけじゃないし生徒会で何やるかよくわかってないけどさ」

ちなつ「杉浦先輩みたいになりたいのなら…えっと…上手く言えないけど…まず…信頼というか…迷惑をかけないのが当然だよ」

ちなつ「この前向日葵ちゃん言ってたよ?櫻子が生徒会でしっかりしてくれると本当楽なのにって」

ちなつ「多分杉浦先輩も今のままじゃ櫻子ちゃんじゃなくて向日葵ちゃんのことを自分の次の生徒会副会長にしたいと思うよ」

櫻子「……む…改めて…はっきり向日葵以外から言われてみると……………うん。私迷惑ばっかりかけてるかもしれないな」

櫻子「向日葵はともかく杉浦先輩には楽させてあげたいと思ってるし」

ちなつ「なんで?」

櫻子「私と違って仕事できるし勉強できるし優しいし…あげればキリがないよ?」

櫻子「ま、杉浦先輩頼りになるもんね」

櫻子「うん!何度も言うけど私の憧れの先輩なんだ 人間として尊敬してる」

ちなつ「ベタ褒めだね 頑張って」

櫻子「頑張るね!私変わる!」

ちなつ「うん、応援するよ!頑張ってね!」

櫻子「ちなつちゃんって船見先輩が好きなんでしょ?」

ちなつ「うん、大好き!」

櫻子「私と同じだね」

ちなつ(ん…櫻子ちゃんのは恋なのかな…? まぁ私には関係ないか)

ちなつ「そうだね 私も結衣先輩が人間として大好きだしね」
――

――
あかり「…」

あかり「…」

あかり「…」

あかり「うーん…」

あかり「…」

あかり「はぁー…」

あかり「明日に備えていつもより早く寝ようと思って入ったけど…」

あかり「なんかさすがに寝られないよぉ…」

あかり「…明日は向日葵ちゃんとお出かけかぁ…」

あかり「………向日葵ちゃん…」

あかり「暇ぁ……会いたいなぁ」

あかり「…」

あかり「寝れないからって暗闇で独り言も…寂しいよねぇ…」

あかり「…」

あかり「電話でもかけてみよっかな…さすがに起きてるよね…」

あかり「ケータイケータイ」

あかり「…」

あかり「あったあった」

あかり「」プルルルル

あかり「…」

あかり「出てくれるかな…」

あかり「…」

あかり「…おかけになった電話は…」

あかり「…」

あかり「……はぁ、そっかぁ…」

向日葵「…」

向日葵「…現在古谷向日葵が返答中ですわ どうしましたの?赤座さん」

あかり「んもぉ!びっくりさせないでよぉ」

向日葵「うふふふふ 電話かけてくるなんて何かありましたの?」

あかり「なんだか寝られなくて…」

向日葵「今まだ8時ですわよ?さすがに早すぎません?」

あかり「明日早いでしょ…?向日葵ちゃんいつ寝るの?」

向日葵「さすがに早すぎでしょう 私ですか?私も今日はもう寝るだけですわ 10時くらいまで時間潰して寝る予定ですわ」

向日葵「そうだ、赤座さんと2時間くらいお話ししようかしら」

あかり「それもいいかもねぇ」

向日葵「本気ですの?私は構いませんけど」

あかり「いいの?でも途中で寝ちゃうかも…」

向日葵「じゃあ、眠くなるまでお話してましょうか」

向日葵「私も布団入って電気消すことにしますわ 赤座さん今周り真っ暗ですの?」

あかり「真っ暗だよぉ 一面に暗闇が広がってるよぉ」

向日葵「暗闇の中にあかりがいるんですのね」

あかり「…」

あかり「…なんか…あかりって呼ばれるの恥ずかしいね…」

向日葵「そうなんですの?歳納先輩とか普通に呼んでるじゃありませんの」

あかり「そりゃ…向日葵ちゃんだもん…いっつも赤座さんって呼んでるからかな…?むず痒いよぉ」

あかり「あかりが向日葵ちゃんのこと櫻子ちゃんみたいに…

あかり「向日葵  …って言うようなものだとおもうよぉ」

向日葵「…oh……むず痒いというか…なんか恥ずかしいというか…そんな感じですわね…」

向日葵「ま、悪くないですわね でも…赤座さんはいつものが一番似合っててかわいいですわ」

あかり「あかりがかわいい?」

向日葵「かわいいですわよ?ここ最近よく…思うことが増えましたわ」

あかり「……」

向日葵「あっ、ごめんなさい、つい本音が…」

あかり「でっ、でっ、でもさ、そういうの言われると嬉しいね」

向日葵「そうですの?」

あかり「うん。」

向日葵「人に喜ばれることならもっとしようかしら」

向日葵「かーわーいーいっ」

あかり「ちょっとぉ」

向日葵「ふふふ …なんとなく あかりと可愛いって発音似てますわね」

あかり「…」

向日葵「…?」

あかり「向日葵ちゃん?」

向日葵「そう、それ、やっぱりそれが…それが一番赤座さんって感じで落ち着きますわね」

あかり「でもさ、名前呼び捨てって特別な感じがするよね」

向日葵「赤座さんは自分の事を特別だと思ってますの?」

向日葵「冗談ですけど」

あかり「んもぉ、すごい毒舌吐かれたかと思ったよぉ」

向日葵「えへ、ごめんなさーい」

あかり「えへ?…ご機嫌だねぇ…」
――

向日葵「赤座さん?…そろそろ声が寝そうになってますわよ」

あかり「眠く…ないもん…」

向日葵「あら、いつのまにか40分も話してたんですわね」

向日葵「無理せず寝た方がいいですわよ 意地張っていいことなんてありませんわ」

あかり「ぅ…ん…」

向日葵「ほら、切りますわよ、私も少々眠くなってきましたし、ちょうどいいころあいですわ」

あかり「ぅ………お…ふみ…向日葵…ひゃん」

向日葵「あ、おやすみなさい 赤座さん…あと…」

あかり「…?」

向日葵「明日を楽しみにしてますわ」

向日葵「そ、それだけですわ!切りますわね!」

向日葵「…」ツーツー

あかり「あかりも…たのひみ…」

あかり「…」

あかり「…」
―――



―――
あかり「…」

あかり「うーん…なんか…30分も早く来ちゃったよぉ」

向日葵「だーれだ♪」

あかり「ひぃっ!?」

向日葵「わ…た…く…し… でーすわっ♪」

あかり「わあっ、その服…かわいい…」

向日葵「ふふ、そうでしょう?気合入れてきましたのよ」

あかり「言われると嬉しいでしょ?」

向日葵「頑張ってきたことがほめられると…よく見てくれてるな…とか…まぁ、嬉しいっていうか…そんな感じですわね」

あかり「というかさ、なんで30分も早くきたあかりより早く来てるの…?」

向日葵「赤座さんのことですもの 経験的に30分くらい早く来ることは予測済みですわ」

向日葵「だから、それを踏まえたうえで赤座さん驚かそうと思いまして」

あかり「向日葵ちゃん朝苦手なんじゃなかったの?今日もご機嫌だね」

向日葵「あっ特に!今日はですねっ、なんでしょう、起きるのが楽しみだったというか そう…自然と結構速く起きれたんですの」

あかり「早寝の甲斐があったねぇ」

向日葵「そうかもしれませんわね」

あかり「あかりも実は今日ね、いつもより目覚まし早くかけたんだけどそれよりも早く起きれたの」

向日葵「あんな早く寝たら当然ですわね」

あかり「えへへ おんなじでしょ?」

向日葵「…ふふ じゃあ行きましょうか」

あかり「うん…と 最初はこっちの電車乗るよ?」

向日葵「わかりましたわ」

向日葵「ところで赤座さん 二人で出かけるならしなくてはいけないことがありますわ」

向日葵「腕組みと手繋ぐのならどっちがいいと思います?」

あかり「えっ…えっ?えっ!?」

あかり「ど…どうしても!?」

向日葵「はい、…どうしてもどっちか選ばなくては駄目ですわ」

あかり「う、じゃ…じゃあ…手で…っ…」

向日葵「仕方ありませんわね…私は別に繋ぎたくなどないのですけど…赤座さんが言うなら仕方ありませんわね…//」

あかり「ん?誘ってきたのは向日葵ちゃんだよ!?」
――

向日葵「来ましたわね」

あかり「こっから二つ目の駅で降りるよ?」

向日葵「日曜日にしては空いてますわね」

あかり「それは、ほら、あかり達がちょっと早いから」

向日葵「そうですわね」

向日葵「…でも椅子は空いてませんわね…」

あかり「ここって間隔ながいから一回で乗る人多いんだよねぇ…」

あかり「あ、そっち一つだけ空いてるよ?」

向日葵「一つですの…?じゃあ赤座さん、私の膝の上でよろしくて?」

あかり「えええっ!?こんなところでそんなの目立っちゃうよぉ」

向日葵「目立ちたいんじゃないですの?というか二人きりだったら座っちゃうんですの?」

あかり「それは悪目立ちだよぉ…」

あかり「そんなに座りたいの?」

向日葵「いえいえ…ま、二駅ですし別に立ってましょうか」

向日葵「そういえば…この電車…椅子が赤いですわね…赤い椅子だけに赤座…なんちゃって」

あかり「?」

向日葵「…な…なんでもありませんわ…フフッ」

あかり「?変なの」

向日葵「フッ…私もそう思いますけど…ッ…なんか軽く壺に…」

あかり「やっぱ変なの」

――
あかり「ついたよぉ」

向日葵「どこにありますの?」

あかり「この駅内に一つあるからまずそこ行くよぉ」

向日葵「あぁ、あそこですのね ま、行ったことありませんけど」

あかり「あかりも初めて行くよぉ」
――
向日葵「これとか美味しそうですわね」

あかり「あかりはこっちがいいと思うよぉ」

向日葵「なら私はこっちがいいと…」

あかり「お金足りるかな?」

向日葵「ちゃんとたくさん持ってきましたわよ」

向日葵「ふたりで半分こして食べればたくさんの種類食べれますわ」

あかり「じゃあ買いたいの全部買おっか」

――
あかり「美味しかったねぇ」

向日葵「まだ私もまだまだってことがわかりましたわ」

あかり「そんなことないよぉ?」

向日葵「ま、とりあえず次行きましょうか?」

あかり「あっ、うん。そうだね 次は…えっと…まずこっち行って…」
――
向日葵「ふむ…甘さひかえめでデリシャスですわね」

あかり「あぁ、これは美味しいねぇ」
――
あかり「次はこっち行って曲って…」

向日葵「あの看板かしら?」

あかり「多分…そうかな?」
――
向日葵「かわいいのですけど…これは味がイマイチですわね」

あかり「あかりもそう思うよぉ これは…えっと…多分バターが…」

向日葵「私もそう思いますわ… こういうのは焼く前のあの途中で…」
――

向日葵「これで5店目くらいまで終わりましたわね あと幾つありますの?」

あかり「まだ5,6個あるよぉ ていうか熱くない?」

あかり「あかりは暑いしクッキーばっかり食べてたから喉渇いてきたよぉ」

向日葵「私もですわ……あ、飲み物欲しいんですの?私が買ってきますわよ」

あかり「ううん。あかりが買ってくるよぉ」

向日葵「別にいいですわよ?私も飲みたいですし」

あかり「あかりが」

向日葵「いいったらいいんですわよ ここで待っていてくださいな」

あかり「…行っちゃったよぉ」

――
あかり「…」

あかり「…」

向日葵「お待たせ♪」

あかり「ヒィッ!冷たい!」

あかり「うっうっ、右も左も…あかりのほっぺが冷たいよぉ…」

向日葵「びっくりしました?そうでしょう?」

あかり「そりゃあ…ところで何買ってきたの?」

向日葵「缶コーヒーとブラックコーヒー買ってきましたわ」

あかり「ちょっと!?注文も聞かずに買ってきたと思ったらコーヒー!?あかりコーヒー飲めないんだけど!?」

向日葵「前そういってましたものね、知ってて買ってきましたわ」

あかり「意地悪」

向日葵「まぁまぁ…二人で挑戦すると思って…」

向日葵「さぁ、どっちにします?」

あかり「待って!2つあるように言ってたけどよく見たらどっちも同じだよ!?それならどっちでもいいよぉ」

向日葵「じゃあ、はいどうぞ 私はこっちにしますわ」

あかり「うう…喉も渇く真夏の照りつける空の下…奪われた口の中の水分…こんなところでコーヒーを飲むことになるなんて…」

向日葵「ま、喉渇いてるから意外とおいしいかもしれませんわよ?」

向日葵「あ、それならドM向けドリンク買って来ればよかったですわね」

あかり「……やっぱり向日葵ちゃんはドSかもしれないね」

向日葵「ふふふっ ではコーヒーいただきましょうか かんぱーいですわ」

あかり「ううっ…かんぱーい」

「…」カッ コッ

「…」

「…」ゴキュゴキュ

「…」ゴキュゴキュ

向日葵「う…」

向日葵「……ブラックコーヒー…って…苦いですわね」

あかり「…あれ、向日葵ちゃん飲んだこと無かったのに買ってきたの?」

向日葵「お恥ずかしながら…実は私もコーヒー飲めたらかっこいいなと思って…ちょっとだけ憧れてたんですわ」

向日葵「だけどチャンスがなくて…でも赤座さんもいますし…ちょっと…上手い事踏み切ってみようかなと思って…」

あかり「向日葵ちゃんもあかりと同じだったんだねぇ」

向日葵「…」

向日葵「いや…でも…意外と癖になる味ですわね…美味しいかも」

向日葵「…」ゴキュゴキュゴキュ

向日葵「…イケますわねこれ」

あかり「あれぇ!?あかり置いてかれてる!?あかりまだ少ししか飲めてないのに」

向日葵「ふぅ・・飲み終わってしまいましたわ。」

あかり「早い!」

向日葵「じゃあ、ってわけで、さぁ、頑張って赤座さん!ファイト!私が出来るんだからきっとできますわ」

あかり「…」

あかり「…」ゴキュッ

あかり「だめだぁ!苦い!無理だよぉ…」

向日葵「諦めてしまいますの?」

あかり「向日葵ちゃんは大人だから…」

向日葵「…仕方ないですわね…じゃあ赤座さんのコーヒーは私が残りを飲みますわ」

あかり「ええっ!?」

向日葵「ほら早く早く」

あかり「…でもっ…でもっ…」

あかり「か、か、か…」

向日葵「どうしましたの?」

あかり「あ…あの…向日葵ちゃん…か…間接…キ…」

向日葵「……!…」

向日葵「…わ、わ私は気にしませんから!ほら!二人で挑戦ですもの!」

あかり「そっか…二人でだもん…じゃあ仕方ないよね…はい…」

向日葵「」ゴキュゴキュッ

向日葵「ふぅ…」

向日葵「あの…赤座さん…さっきああ言いましたけど…もうこれ以上はおなか一杯で飲めませんわ…」

向日葵「半分くらい飲んだので…残りがんばってください…」

向日葵「私がここまでやったんですから…頑張って赤座さん」

あかり「えっ…?…わかったよぉ 向日葵ちゃんが頑張ってくれたんだもの!あかり残りは頑張る!」

向日葵「その意気ですわ…!」

――
向日葵「結局あれから5分くらいかかりましたわね」

あかり「だって…間接…だし…苦いし……ちょびっとずつじゃないと飲めないよぉ…」

向日葵「ちょびっとずつ飲んだ方が恥ずかしくありません?だって何度も触れるわけですし…」

あかり「…!」

あかり「……///」

あかり「だって…向日葵ちゃんが…!」

向日葵「私がどうかしましたの?」

あかり「とっ、とにかく向日葵ちゃんが悪いの!」

向日葵「私は手伝っただけですわ?」

あかり「そのせいであかりはドキドキしたんだからね?」

向日葵「えー?なんで手伝っただけでドキドキしますの?」

あかり「……えっと…その…それは…///」

あかり「ほ、ほら!次いくよ向日葵ちゃん!」

向日葵「あらあら 面白くありませんわね」

あかり(冷えたほっぺが熱いよぉ…)

――
向日葵「次はどこ行きますの?」

あかり「えっと…駅一つ先に行って…」
――
あかり「次は隣のデパートの中にあるみたい」
――
あかり「上の階にもあるから次は登って…」
――
あかり「こんどはここから出て東口から…」
――
あかり「あっ、これ美味しいよぉ」

向日葵「いただきますわ あっ、いいですわねこれ」

あかり「このクッキーは考えるに…」

向日葵「いや…多分その時間を短くして…」
――
向日葵「次はどこら辺ですの?」

あかり「ちょっと遠いけどここから歩いて20分くらいかな」

向日葵「腹ごなしにちょうどいいですわね」
――
向日葵「懐かしいような雰囲気のお店ですわね」

向日葵「…ん?」

向日葵「ていうかここ昔来た覚えありますわね」

あかり「そうなの?」

向日葵「昔ですけど…あの時…」

――
あかり「そうだったんだ」

向日葵「思えばあれはクッキーが好きになったきっかけの1つだったのかもしれませんわね」

向日葵「そうそう、そういえば櫻子の好きなクッキーもここにはありましたわ」

向日葵「確か…櫻子が好きなのはこれだったかしら」

向日葵「はい、赤座さん口開けて あ、目閉じてですわ」

あかり「えっ?うん」アーン パクッ

あかり「…?」レロ

あかり「?なにこれ…」

向日葵「あ、間違えましたわ…これクッキーじゃなくて私の指ですわね」

あかり「えっ!?あっ、本当だ!」

向日葵「ついうっかりクッキーを持つのを忘れてしまって」

あかり「意味がわからないよ!?」

向日葵「赤座さんに恥をかかせるわけにはいきませんわ」

向日葵「では、せっかくなので私も赤座さんの指をいただかなくてはいけませんわね」

向日葵「」パクッ

あかり「!?なにこれ…なんか…変な感じがするよぉ…」

あかり「きっとクッキーさんも食べられるとき…こんな感じなんだねぇ…」

「みてみて なにあの子たち」

「レベルたかーい」

向日葵「…!」

向日葵「…」カプッ

あかり「痛っ!痛いよ向日葵ちゃん!なんで噛むの!?あかり何もやってないよ!?」

向日葵「うふふ」
――

向日葵「これで予定のところは全部終わりましたわね」

あかり「思った以上に早く終わっちゃったねぇ」

向日葵「まだ三時ですわね…やることありませんしとりあえず七森に帰ります?」

あかり「そうしよっか」

あかり「今日はクッキー作れるの?」

向日葵「そういえば材料がもう少ないですわ」

向日葵「帰り買っていきましょうか」

あかり「そうだねぇ あとは気まぐれで寄り道でもしよっか」
――

――
あかね「いらっしゃいませ。あら?あかり?」

あかり「あっ、お姉ちゃん」

向日葵「えっ?赤座さんのお姉さんですの?」

あかね「そうよ 私は赤座あかね よろしくね」

あかね「ところであかり、その手をつないでる隣の娘は誰?」

向日葵「あ、私ですか?古谷向日葵と申します 赤座さんには常日頃から…」

あかね「向日葵ちゃんね?覚えておくわ あとそんな固くしなくていいのよ?」

あかね「とにかくこれからもあかりと仲よくしてあげてね」

向日葵「はっ、はい」

あかね「あら、あなたよく見ると…あかりと髪型似てるわね…」

向日葵「え?そうでしょうか?」

あかね「ふふ、本当に似てるわよ。特に髪の上がね」

あかね「ところでご注文は?」

あかり「あかりはこのチーズバーガー」

向日葵「私は……………」

あかり「どうしたの?」

向日葵「うーん…ちょっと量的に…カロリーが…」

向日葵「そうですわ 赤座さんのを頂き…」

あかね「チーズバーガー2個ですね? 260円になります」

向日葵「!?」

あかね「?」ニコニコ

あかね(ふぅ…しれっと二人で分け合って食べようとするなんて…この子侮れないわ…店員が私じゃなかったらどうなっていたことか…)

あかね(……ていうかチーズバーガーなんてわけて食べられるのかしら)

向日葵「…」

あかり「向日葵ちゃん?」

向日葵「あっ、今払いますわ」

あかり「いいよぉ あかりが払うよ」

向日葵「これくらいなら私が全部払いますわよ」

あかり「そんなことしなくていいよぉ あかりが…」

向日葵「私が…」

あかね「あの…二人とも?ごめんなさい、後ろにお客さんが並んでるので早くしてもらえないかしら?」

向日葵「ここは私が…」

あかね「普通に二人で別々に払えばいいんじゃないかしら?」

あかり「あっ、そうだ、コーヒー代だと思って」

向日葵「あぁ、そういうことなら仕方ないですわね」

――
向日葵「ひどいラップでしたわ」

あかり「そのワックじゃないよぉ」

向日葵「えっ……なんで知ってますの… 流石に驚きますわ…」

向日葵「で、ところで次どこ行きますの?」

あかり「材料でしょ?」

向日葵「あっ、そうですわね 忘れてましたわ」

あかり「何が足りないの?」

向日葵「えっと…まず切れかけてるバターとチョコチップは必要ですわね…それから試したい事がいくつかあるので他にも…」

向日葵「そうだ、市販のクッキーも買ってみましょうか」

――

向日葵「ふぅ…ちょっと重かったですわ…」

あかり「あかりも重かった…」

あかり「はー暑い…」

向日葵「私も…ていうか帰ってきたら疲れてしまいましたわ」

あかり「あかりも…」

向日葵「…今日はクッキー作るのやめてもうのんびり二人で遊びましょうか」

あかり「うん…」

向日葵「私の部屋でもいきましょうか、こっちですわ」

あかり「あかり向日葵ちゃんの部屋入ったことないかも」

向日葵「そうかもしれませんわね 今まではずっとリビングでしたし」

向日葵「ここですわ」

あかり「わぁ 二段ベッドだぁ 知ってたけどすごいや」

向日葵「とりあえず飲み物持ってきますのでゆっくりしててくださいな」

あかり「うん!なにがあるの?」

向日葵「えー…麦茶と緑茶と紅茶とほうじ茶と烏龍茶としいたけ茶とダージリンとジャスミンティーとレモンティーがありますわ」

あかり「んん??そんなにあって全部お茶なの!?」

向日葵「まぁ実のところ麦茶とレモンティーくらいしか出せるものありませんけど」

あかり「じゃあ、暑いし…冷たい麦茶でいいよぉ」

向日葵「私もそうしますわ」

あかり「向日葵ちゃんレモンティーすきでしょ?」

向日葵「好きですけど…よく知ってますわね」

あかり「前喫茶店行ったときに飲んでたもん」

向日葵「あら、てことは覚えててくれたんですのね」

向日葵「とりあえず入れてきますわね」
――

あかり「わぁ 二段ベッドだぁ 知ってたけどすごいや」

向日葵「とりあえず飲み物持ってきますのでゆっくりしててくださいな」

あかり「うん!なにがあるの?」

向日葵「えー…麦茶と緑茶と紅茶とほうじ茶と烏龍茶としいたけ茶とダージリンとジャスミンティーとレモンティーがありますわ」

あかり「んん??そんなにあって全部お茶なの!?」

向日葵「まぁ実のところ麦茶とレモンティーくらいしか出せるものありませんけど」

あかり「じゃあ、暑いし…冷たい麦茶でいいよぉ」

向日葵「私もそうしますわ」

あかり「向日葵ちゃんレモンティーすきでしょ?」

向日葵「好きですけど…よく知ってますわね」

あかり「前喫茶店行ったときに飲んでたもん」

向日葵「あら、てことは覚えててくれたんですのね」

向日葵「とりあえず入れてきますわね」
――

あかり「そういえば入学したての頃は髪もっとほら、たくさんあったよね?」

向日葵「あぁ?あの頃ですの?どうでもいい理由があったんですのよ」

あかり「どんなの?」

向日葵「大した理由じゃありませんわ 私朝弱いでしょう?」

あかり「そうだねぇ 今日はともかく」

向日葵「…で小学校は近かったからよかったものの中学校はちょっと遠くなったので…だから朝セットしやすくするように小さくしたんですわ」

あかり「ふーん そうだったんだぁ 昔はあんなに大きかったから昔のクラス写真とかみると逆に新鮮だよぉ」

向日葵「かもしれませんわね 割と入学してすぐ小さくしましたし」

あかり「あかりも中学校に入ってからお団子は取り外し出来る奴にしてるしねぇ」

向日葵「…?……?うーん…いや…、それは謎ですわね」

あかり「えへ、半分冗談だよぉ たまにしかつけてないよぉ」

向日葵「だから意味が解りませんってば」

あかり「ま…ね、つけるってのは嘘だけど あかりお団子なら誰より早く作る自信あるよぉ」

向日葵「ほお、じゃあ、私の髪でやってみてくださる?」

あかり「いいよぉ ほいっ」

向日葵「はやっ」

向日葵「ほんとにもう出来てますわ…」

あかり「すごいでしょ?」

向日葵「これは自慢できますわね これもこれこそ特別すぎる技ですわ」

向日葵「…ていうかお揃いですわね」

あかり「あ、そうだねぇ」

向日葵「じゃあ逆に赤座さんをおさげにしたら…」

あかり「……いやぁ…普通にないですわね…地味そう…」

あかり「ちょっとぉ!?」

向日葵「ごめんなさい。今のは半分冗談ですわ」

あかり「半分って何!?半分本音!?」

――

向日葵「なんか…」

向日葵「中学入って以来のとても濃密な土曜日を過ごせた気がしますわ」

あかり「そーお?嬉しいなぁ、じゃあね、向日葵ちゃん また明日」

向日葵「はい 明日なるべくはやく私の家に、ですわね また明日」

――
櫻子「遅いぞ向日葵 月曜だからってたるんでるぞ」

向日葵「ごめんなさい ちょっと… あっ、ほら、そうでしたわクッキー作ってきましたわ 甘いの」

向日葵「昨日の日曜日中ずっと研究してましたから結構甘みが強い…そんな感じの仕上がりかと思いますわ」

櫻子「おっ、よし。でかした」

向日葵「珍しいですわね」

櫻子「甘いクッキーが食べたいなんて」

櫻子「そうか?」

向日葵「そうですわ」

向日葵「適当でいいとかいつも言ってますのに」

向日葵「何かありましたの?」

櫻子「う、うるさいな!どうでもいいだろ!私の好みだよ!」

向日葵「櫻子は経験上別に甘党だったとは思わないんですけど」

櫻子「いやいや乙女は甘いものが好きなの!」

向日葵「杉浦先輩みたいなこと言いますわね」

――

櫻子「…ちなつちゃん」

ちなつ「何?」

櫻子「この前はありがとう」

ちなつ「え?」

櫻子「私が鍵忘れたとき家誘ってくれたじゃん?」

櫻子「そんでもってそれからそのときいろいろ相談に乗ってくれたお礼」

ちなつ「いや、そんなの今更…っていうか家は櫻子ちゃんが頼んできたんでしょ?」

櫻子「そうだっけ?まぁいいや」

櫻子「ほら、これお礼 向日葵のクッキーだけど…特別に食べていいよ」

ちなつ「は?え?なんで?どうしたの?」

櫻子「いいから受け取ってって」

ちなつ「いや、別にお礼なんか求めてやったわけじゃないし、そもそも櫻子ちゃんのでしょこれ」

櫻子「まぁいいから ほらあーん」

ちなつ「う、うん」

ちなつ「む、むぐっ 多い多い 一気に入れないでよ」

櫻子「ごめんごめん で、どう?」

ちなつ「どうって…美味しいよ?いつもよりすごい甘いねこれ…これ…結構好きだけど」

櫻子「本当?じゃあまた遊びに行っていい?」

ちなつ「ていうかクッキーなんかなくても遊びたいならいつ来てもいいよ?」

櫻子「あ、本当だ こりゃかなり甘いな 甘すぎる クソ甘い」

ちなつ「話聞いてる?」

ちなつ「そういえばカレーも櫻子ちゃんは甘口だったね 甘いもの好きなの?」

櫻子「んー…辛いのも好きなんだけど…単純にカレーとは合わないかなって思うかな」

櫻子「だってさ、絶妙にとろける甘みと旨み…あれがカレーの妙技なわけだけど 辛さと米じゃ辛えだけじゃん」

ちなつ「う、うーん…まぁ甘口もおいしいしね…」

櫻子「わかってくれるか!ちなつちゃん 向日葵に言っても馬鹿にされるだけだしね」

ちなつ「確かに。言ってる様子が思い浮かぶね」

――
ちなつ「てことが今日あったんですけど」

ちなつ「人からもらうのって本当嬉しいものですね」

あかり「なるほど…だから櫻子ちゃんあの時」                                                                                                     」

結衣「私もちなつちゃんからマフラーもらえたときは嬉しかったなぁ」

京子「私のアレは?」

結衣「いらん」

――

あかり「どうしたの櫻子ちゃん」

櫻子「あかりちゃん、ちなつちゃんに詳しいよね?」

あかり「変な質問だね? まぁ多分…」

櫻子「本当!?じゃあ聞きたいんだけどちなつちゃんって何が好き!!?」

あかり「ちょ、声大きいよぉ」

あかり「何が好きって言われても…うーん…」

あかり「ちなつちゃんはね、結衣ちゃんが大好きだよぉ」

櫻子「船見先輩?それじゃダメだな…却下。他には?」

あかり「ええっ!?そうだねぇ…」

櫻子「あっ、そうだ、好きな食べ物とか味とか聞きたいな」

あかり「そうだねぇ…多分…甘いものなら…何でも好きだったような…」

櫻子「そうなのか」

あかり「そうだよぉ けっこうな甘党だった気がするよ」

櫻子「で、具体的にどんな感じ?」

あかり「具体的って言われても…えっと…なんでそんな質問するの?」

櫻子「私ちなつちゃんがどんなの好きかよく知らないなと思ってさ せっかくきっかけあったんだから仲よくなりたいし」

あかり「なるほどねぇ そういうことならね…」
――

向日葵「…」

向日葵「今日は私別に誘ってませんわよね」

あかり「いいんでしょ?ていうか向日葵ちゃんと話してると必然的についてくことになっちゃうし」

向日葵「そりゃもちろんですわ 来ると思ってましたもの ていうか嬉しいですわ」

向日葵「あ、日曜のクッキー作りで確信したので、そろそろ前言おうと思ってたこと言おうと思いますわ」

向日葵「赤座さん、次は誰か自分の特別な人、大事な人にクッキーを渡してあげること」

向日葵「思いを込めて作る。まぁ…これが次の試練ですわ」

向日葵「そう。味も形も全部自分の手で作るんですわ」

向日葵「私は一切手伝いませんけど…もう赤座さんなら一人でクッキー本当に美味しく作れますもの 大丈夫ですわ」

あかり「うーん…最近なら向日葵ちゃんかな…?」

向日葵「…! …ありがたいのですけど…サプライズみたいな感じのほうが喜ばれますもの そう、わかってちゃ面白くないですわ。一応…誰か他の人でお願いしますわ」

あかり「うーん…」

向日葵「ま、明日はごらく部もありませんわよね? ゆっくり考えましょう」

向日葵「自分の好きな人をびっくりさせてあげるんですわ。そう、絶対ばれないように作るんですわよ」

あかり「うーん…お姉ちゃんに作ろうかな?」

向日葵「あかねさんでしたっけ?いいと思いますわよ」

向日葵「そうですわね…お姉さんの味の好みはどんな感じですの?」

向日葵「私は相手の好きな物に合わせる。というのも重要だと思いますわよ」

あかり「やっぱり…うーん…あかりと同じで甘いのが好きなんだと思うな」

向日葵「そうなんですのね じゃあ…」

――

向日葵「ですと…今6時ですし帰って作ると間に合いませんわね」

あかり「今日はダメってこと?」

向日葵「まぁ…そういうことですわね」

向日葵「また明日ってことですわね」
――

――
櫻子「こんな朝早くに誰だ?」

向日葵「あ、櫻子?」

櫻子「何でお前もう起きてんだ はえーな」

向日葵「何かあった?」

向日葵「私今日はちょっともう行かなくてはいけないのですけど、あなたあまり朝準備してないし」

櫻子「だから報告と確認ですわ」

向日葵「準備?もうやったよ」

向日葵「櫻子…!?あなた…熱でも…?」

櫻子「私が準備してるのがそんなに珍しいか?」

向日葵「珍しいですわよ」

櫻子「……ちなつちゃんにさ、言われたんだ いろいろ」

櫻子「それでちょっと頑張ってみようと思ったんだ」

向日葵「ふふ、いいことですわ」

向日葵「ていうか変わりましたわね?最近キチッとしてますわ」

櫻子「だろ?まーな」

向日葵「じゃ、櫻子 また学校で」

櫻子「おい、忘れ物」

向日葵「え?」

櫻子「おっぱい切り落としてここに置いてけ」

向日葵「そんなくだらないことで呼び止めないでくださる?」

櫻子「重要だろ」

向日葵「どこがよ」
――

――
向日葵「…」

向日葵「…」ドキドキ

向日葵「…」

「」ピンポーン

向日葵「…」

あかね「?いつもよりちょっと早いような…」

あかね「あら、……向日葵ちゃんね?どうしたの?」

向日葵「あ、えっと…おはようございます…あかりさんはおりますでしょうか?」

あかね「あかり?いるわよ 呼んでくるわね 玄関の中で待っててちょうだい」

――
あかり「向日葵ちゃん?」

向日葵「あ、赤座さん!…あの……一緒に学校行きましょう?」

あかり「えっ わざわざあかりの家まで来たの?遠いでしょ?」

向日葵「赤座さんも私の家来ますからお互い様ですわ」

あかり「まぁ…確かにそうだねぇ」

向日葵「ところで結局なんであかりの家に来たの?」

向日葵「………赤座さんと早くお話しがしたくて」

向日葵「…そっ、それだけですわ」

あかり「よし、一緒に行こっか 準備ならもう出来てるし」

向日葵「ふふ やった 嬉しいですわ」

あかり「じゃあお姉ちゃん行ってきまーす」

あかね「行ってらっしゃい」

あかね(…朝家にまで来るなんて…面白い娘ね…)
――

向日葵「今日は私櫻子と生徒会ありますしどの道一緒に帰れませんわね」

向日葵「赤座さんがんばってくださいね 陰ながら応援してますわ」

あかり「うん」

向日葵「ま、その分を朝一緒にいられる感じですわね」

向日葵「あ、そうだ、今の内に渡しておきますわね」

あかり「?どうしたの?」

向日葵「はい…これ…私秘伝のレシピですわ 赤座さんとクッキーを作ったこの1週間でいろいろ私も考えることがありましたの」

向日葵「それで…この前櫻子に作った甘いクッキーですけど…あれは…上手く行って…私の中でも最高傑作だと思ってるんですわ」

向日葵「私赤座さんとクッキー作れてとても楽しかったですわ だから…いろいろ…きっと…美味しくなったんだと思いますわ」

向日葵「えっと…つまり日曜日のクッキーのレシピを?あれを少しさらに改善して…さらに美味しくできそうなものにした奴ですわ」

向日葵「きっと…私の認めた赤座さんなら使いこなせますわ」

向日葵「…ねぇ赤座さん…本当に好きなこと…心から話せる友達…いや関係っていいですわね」

あかり「…?」

向日葵「あっ、ごめんなさい一方的に話してしまって」

あかり「あっ、うん?全部聞いてたよぉ」

向日葵「…本当はレシピなし全部自力…つまり渡す予定なかったのですけど…赤座さんには私の使ってほしくて…」

向日葵「きっとおいしく作れるはずですわ…報告楽しみにしてますわね」

あかり「うん、確かに受け取ったよぉ」
――


櫻子「あれ?私より先に言ったのに向日葵まだ来てねーのか おせーな」

櫻子「ちなつちゃんもいないか…あかりちゃんもいないな」

櫻子「じゃあ暇だし杉浦先輩にでも会いに行くか?」
――
あかね「あかりならもう行ったわよ?」

結衣「え?一人でですか?」

あかね「いいえ?向日葵ちゃんって娘と結構前に行ったわよ」

京子「…」

結衣「そうですか」

結衣「ありがとうございます」

ちなつ「不満そうな顔してますね」

結衣「うん…あかりに会いたいんだろうね」

ちなつ「だからあの時追いかけていけばよかったのに」

結衣「今日は部活動はないしね…」

京子「…」

――
向日葵「さて…」

向日葵「じゃあ生徒会行ってきますわ」

あかり「行ってらっしゃい 今度あかり行くね」

向日葵「そういえばそんな話もしましたわね それより今日のクッキー、頑張ってくださいね」

あかり「大丈夫、向日葵ちゃんのレシピだもん。絶対おいしく作ってみせるよぉ」

向日葵「ふふっ では」

あかり「うん。また明日ね」

向日葵「はい」
――
あかり「向日葵ちゃんのレシピによると…ふむふむ…ね」

あかり「まずバターはこの前作ったときのが余ってるからいいとして」

あかり「…あ?あれ?… 思ったよりないや 6個分くらいしか作れなさそうだよぉ」

あかり「他のは大丈夫かな…牛乳よし、卵よし、砂糖よし…」

あかり「それでも上手く作れそうだよね…多分」

あかり「生地の種類が少なくなりそうだよぉ…うーん」

あかり「まぁいっか 大丈夫大丈夫」

あかり「次は…チョコレートは…ある…」

あかり「次は…」

――
あかり「砂糖を入れる前に確か…」
――
あかり「こういう生地は…」

あかり「丸くきって…」
――
あかり「ふんふん…ワット数はこれであってるから…時間は7分30秒くらいだね…」

あかり「ポチッと えーい」
――
あかり「…うーん…7分半って長いよぉ…」
――
あかり「よし、焼き終わったよぉ」

あかり「えっと…これで次はラッピングかぁ…」

あかり「あっ、包むための奴あかりの部屋に置きっぱなしだ」

あかり「…上でやればいっか」
――

「…」はぁっ…はぁ…

「17時…」

「」ガチャ
――
あかり「!?玄関が開いたような音がするよぉ」

あかり「どうしよう…まだ完成してないのに…お姉ちゃんじゃなければいいけど…」

あかり「いや、お姉ちゃんじゃなかったらそれはそれで怖いよぉ…」

あかり「とりあえず降りよう・・」
―――
あかり「わぁッ!?」びくっ

あかり「お姉ちゃん」

あかり「あ…あれ…今日ははやいんだねお姉ちゃん…」

あかね「あ あかりこそ… 今日は部活なかったの?」

あかり「うん…」

あかり「…」

あかね「あのねあかり…」

あかり「お姉ちゃんだめっ!」

あかり「こ こっち来ないでっ!」

あかね「…」ガーン

あかね(こっち来ないで… こっち来ないで…)

あかね「…」よろっ…

あかり「…お お姉ちゃん?」

あかね「…」

あかね「ごめんなさい あかり お姉ちゃん最低よね」

あかり「ん!?」

あかね「いっそ死んだ方が… あかりに嫌われてお姉ちゃんもう…」

あかり「ええ!?な 何の話っ?」

あかね「だって見たのよね…?洗濯物…」

あかり「? お洗濯物?」

あかね「えっ」

あかね「も もしかして見てないの? ほんとに?」

あかり「?」

あかね「じゃあどうしてお姉ちゃんこと拒絶して…」

あかり「拒絶…?」

あかり「あっ」

あかり「 違うよぉ! こっち来ないでって言ったのはそういう意味じゃなくて…」

あかり「その これ…」おず…

あかね「これは…クッキー?」

あかり「お友達に美味しいクッキーの作り方を教わったからお姉ちゃんをびっくりさせたくて…」

あかり「なのにはやく帰ってきちゃうんだもん ラッピングまだなのにっ」

あかね「…」パァァァァ

あかり「一応あかりも味見はしたんだけど もし口に合わなかったらごめんね」

あかね「ふふ おいしくないわけないじゃない」

あかね「大切な妹が作ってくれたものなんだから」

あかり「…お姉ちゃん」

あかり「えへへ お姉ちゃんだーいすき」

あかり「ねえねえ はやく食べてみて」

あかね「そうね じゃあお茶にしましょうか」

――
あかね「…」

あかね「…おいしい!」

あかね「すごいわあかり まるでお店で売ってるクッキーみたい」

あかり「ほんとっ? えへへ…良かったぁ」

あかり「あ あれ」

あかり「ひとくちだけ?」

あかね「だってもったいないんだもの ちょっとずつ食べようと思ってね」

あかね「もぉ~お姉ちゃんったら」

――
向日葵「櫻子、帰る前に一つだけ…」

向日葵「今日の生徒会…櫻子は見てて爽快でしたわよ 明日の生徒会も頑張るんですのよ」

櫻子「うん!私変わっただろ?」

向日葵「まだ一日じゃないの」

櫻子「二日だよ この前向日葵が休んだ時から変わったのさ」

向日葵「一週間くらい変わってないと変わったとは言えないですわ」

向日葵「……そういうもんなんですのよ」

向日葵「では」

櫻子「?まぁ…また明日な」
――
向日葵「ただいま、楓」

楓「あっ、おかえりなの」

――
向日葵「帰ってきましたけど…」

向日葵「うーん…なんか暇ですわね」

向日葵「…」ダラダラ

向日葵「うーん… 6時15分過ぎ… いつもなら赤座さんが帰ったころですわね」

向日葵「うーん…」

向日葵「…寂しい…」

向日葵「」プルルルルン

向日葵「!? なんだケータイでしたか」

向日葵「誰から…赤座さんですわ!」

向日葵「はい!向日葵ですわ」

あかり「あ?向日葵ちゃん?…あのね、あのね、えっとね、ちょっと外に来てほしいな」

向日葵「?わかりましたわ」

――
向日葵「こんな夕方にどうしましたの?」

あかり「えへへ、会いたくって来ちゃった」

向日葵「…!私も…会いたかったですわ」

あかり「あのね!クッキーね!上手く行ったよぉ」

向日葵「そう、よかったですわ」

あかり「て、わけで」

あかり「はい 向日葵ちゃん」

向日葵「えっ?」

あかり「えへへ、あの時言ったけど…本当に作ってくるとは思わなかったでしょ?あかりからサプライズだよぉ」

あかり「向日葵ちゃんはもうあかりのとっても大事な人だもん」

「………」

あかり「……あのね、今日一人でクッキー作ったとき…隣に向日葵ちゃんがいないのが寂しくて仕方がなかったの」

向日葵「…私も…実は櫻子と生徒会やってる時も…私も…」

向日葵「この1週間くらい…ずっと当たり前のように隣で話してましたものね…」

向日葵「…赤座さんが私の幼馴染でしたらよかったのに…」

あかり「櫻子ちゃんと何かあったの?」

向日葵「いえ、ありませんわ むしろ…いや、というより …ただ…もう少し早く会えたら…もっと…」

あかり「本当に何もないの?」

向日葵「なんでもかんでも原因が櫻子かって…私には櫻子しかいないかって…そんなんじゃありませんわよ…」

向日葵「今は…ですけど」

あかり「?どういうこと」

向日葵「その…ね…私…最近変なんですの…櫻子じゃなくて…赤座さんのせいで」

向日葵「あーいや……えっと!そうじゃなくて…」

向日葵「やっぱり回りくどい言葉は無しですわ …突然ですけど…」

向日葵「私…赤座さんが好き いないと寂しい…だから…もっと一緒にいたいですわ」

向日葵「赤座さんに真剣な目で見つめられると…ドキドキするのがわかりますわ…」

向日葵「赤座さんに…もっと私の想い…感じてほしい 本当に好き…」

向日葵「赤座さんは…私の事どう思ってるんですの?」

あかり「そんなこと言われても…好きだけど…向日葵ちゃんと一緒にいる時間…好きだけど…」

あかり「向日葵ちゃんの好きって…どういう意味で…どんな感じなの?あかりと同じなの…?」

向日葵「吉川さんの船見先輩に対する感情と同じと言えば…わかりやすいでしょうか」

向日葵「船見先輩の事になると本当にイキイキとしてますし…今なら吉川さんの気持ちがわかる気がしますわ」

あかり「いままではさ…そんなに仲良くなかったかもしれないけどさ…クッキーがきっかけでさ…こんなに…仲良くなれたんだよね」

あかり「…あかりも…向日葵ちゃんとクッキー…じゃなくてさ…もっと、たくさん思い出作りたいよ!」

あかり「今までの分とか全然関係ないくらいたくさんの事を向日葵ちゃんと一緒にやりたい…って…そう思ってる…」

向日葵「それは…Yesということですの?」

あかり「うん…!」

向日葵「つまり…私の恋人に…なってくださるんですのね?」

あかり「いいんだけど…こんなの…ずるいよね…」

あかり「やっぱりあかりから改めて告白させて?」

向日葵「そんなことしなくても…」

あかり「ううん。させて?」

向日葵「…」

あかり「…」

あかり「えっと…」

あかり「私赤座あかりは… 古谷向日葵ちゃんのことが…きっと恋愛的な意味で好きです。だから あかりの恋人になってください。」

向日葵「…私も…その真剣な目が…私は…大好きですわ。だから私も…赤座さんが好きです。…喜んで」

あかり「…」

向日葵「…」

向日葵「ふふっ」

あかり「えへへ」

向日葵「…ていうかなんで告白のやり直しなんかしますの?」

あかり「だってさ、告白するのにさ、恋人って言わなきゃずるいでしょ?あかりずっと憧れてたんだもん」

向日葵「もう…赤座さんらしいというか…かわいいというか…」

あかり「えっ?」

向日葵「もう恋人なんですからもう遠慮なくかわいいって言ってやりますわ 何度だって」

向日葵「私だってかわいいって普通に人に言えるような…いろいろと…そう…まぁ…つまり 赤座さんに憧れてたんですもの」

あかり「…やっぱり向日葵ちゃんのほうがかわいい」

向日葵「いーえ 赤座さんの方がかわいいですわ」

あかり「いやいや 向日葵ちゃんの方がかわいいよーだ あかり向日葵ちゃんがかわいいところたくさん知ってるもん」

向日葵「それなら私は赤座さんの可愛いところもーっと知ってますわ」

あかり「えへへ、 恋人さんみたいな会話だね」

向日葵「ふふっ そうですわね 本当に恋人同士…ですけど…ね」

向日葵「あっ…そうだ じゃあ…折角ですし…恋人っぽいこと」

向日葵「…この赤座さんから頂いたクッキーを使って… ポッキーゲームならぬ…クッキーゲームでもしましょうか」

あかり「えっ!?ここで!?」

向日葵「当たり前ですわ ほらほら咥えて」

あかり「んっ…んっ!待って!向日葵ちゃん…っ!」

あかり「やっぱり…恋人同士だけど…恥ずかしいよぉ…っ!」

向日葵「ふふ…私だって本当に恥ずかしいんですから…もっとじっくりと…やりましょう?ほら、私の目をきちんと見て…」

向日葵「折っちゃ駄目ですわよ?一枚しかないんですから」


初めてのキスは、クッキーの味でした。

―――
あかり「おはよう向日葵ちゃん」

向日葵「あっ赤座さん! …あの…これ…お返しのクッキーですわ!」

向日葵「あの…ラッピングしてあるでしょう?」

あかり「本当だ」

向日葵「櫻子は幼馴染だから特別ですけど…赤座さんは幼馴染じゃなくても特別ですわ」

向日葵「作ったのは月曜日…ラッピングして渡そうか迷ってたのですけど…今日は恋人として…これは特別なクッキーですわ」

向日葵「はい、赤座さん。  あの…今週の土曜日も…デートしましょうね」

あかり「えっ、いいけど、も?も?って」

向日葵「今度は恋人として…もっと堂々と手繋いで…いろんな町を…いろんな場所を」

あかり「ちょっと?聞いてる?」

あかり「でもさ、それなら今度はただ二人で遊びに行こうね?えっと、図書館とかどう?」

向日葵「赤座さんも本好きですの?」

あかり「うん、大好きだよぉ」

向日葵「それなら私たちにピッタリかもしれませんわね!…あぁ…土曜日が待ち遠しいですわ」

向日葵「今日も私の家来てくれますわよね?」

向日葵「もう…クッキーとかじゃなくて…ただただ…一緒にいたいんですわ」

あかり「えっ?生徒会とかないの?」

向日葵「ありますけど…別に…ちょっとくらい」

あかり「ダメだよぉ ちゃんと行かなくちゃ あかりも生徒会行くから」

向日葵「なんか…私駄目になってますわね…でも…まぁ…最近櫻子がしっかりしてますし…」

あかり「…」

向日葵「…というわけにもいきませんわね 赤座さんが来るならなおさら頑張りますわ!」

向日葵「やっぱり…好きな人には自分のかっこいい姿を見せたいものですもの」

あかり「えへへ、あかりもかっこいい向日葵ちゃんが見たいな かわいい向日葵ちゃんのことならよく知ってるもん」

向日葵「最近櫻子は頑張ってるみたいですけど…やっぱり負けられませんものね」

向日葵「ところで赤座さん 普通にキスしてよろしいですか?」

あかり「んっ!?突然だね… ……してくれるの?」

「…」

「…」

向日葵「」チュッ

あかり「!?」

向日葵「ふぅっ…恋人相手ですから…赤座さんなら、いつだってキスしてあげますわよ。」

あかり「んもぉ!見つめられたと思ったらいきなりキスするなんて!あかりにも心の準備ってものが…」

向日葵「キスして欲しかったんでしょう?」

向日葵「私、赤座さんからもしてほしいですわ」

あかり「向日葵ちゃんの癖に素直じゃない?」

向日葵「なんででしょうね…赤座さんが素直だから私も素直になれるのかも…」

あかり「ちょ、ちょっと待ってね…今心の準備するから」

あかり「…………行くね?」

向日葵「はい…」

「…」ダキッ

「」チューッ

「!…」

あかり「…ふぅっ…どう?」

向日葵「その…」

向日葵「一生懸命背伸びしてキスしようとしてるところとか…可愛いですわ」

あかり「だって向日葵ちゃんおっきいんだもん 身長も………おっぱいも」

向日葵「ちょっと、それは気にしてるんですのよ」

あかり「そんなの…でも、あかりの憧れのボディだよ」

向日葵「それならもう…この体…コンプレックスでしたけど…もう…誇れますわね」

あかり「えへへ」

向日葵「ふふっ」

向日葵「そろそろチャイムなりますし 座りましょうか」

あかり「そうだねぇ」

向日葵「改めて、私の膝の上でいいですわよ?」

あかり「いやいや!それじゃ授業受けられないよ!」

向日葵「それもそうですわね 心臓がドキドキして授業どころじゃありませんわね」

あかり「そうじゃないよぉ!普通に書くのに邪魔だよぉ」

あかり「まったく…」

ああり「………この調子であかり土曜日まで心臓持つかなぁ…」

向日葵「大丈夫ですわ もし赤座さんの血液が足りなくなったりしても」

向日葵「私と赤座さんの血液型は同じA型ですもの 最悪輸血できますから安心ですわね」

あかり「いやいや!?安心できないよぉ!」





終わり

向日葵誕生日記念
初SSでした
これ書くためだけにクッキー何度も作りました クッキー作るの楽しかったです
デビューはひまあかってことは絶対決めてました これからもマイナーカプやりたいと思ってます

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