八幡「タンクトップ、それが全て」 (53)

シリアスゼロのただのおふざけにします。
短編にします。

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タンクトップとは虎らしさである。
ソースはタンクトップタイガー。
タンクトップとは全てを吸い込む力を持っている。
ソースはタンクトップブラックホール。
タンクトップとは強さである。
ソースはタンクトップマスター。

以上のことからタンクトップの素晴らしさを全校生徒に伝えたいと思う。

×××

【奉仕部部室】

平塚「失礼する」


雪乃「先生ノックを…………え?そちらの人は?」


平塚「見ての通り、彼はブレザーの袖を全て破いてタンクトップにしてしまうほどの、タンクトップ好きだ。彼のタンクトップ好きの更生。これが私からの依頼だ」


雪乃「依頼内容が無茶苦茶すぎる気がしますが…………。先生からの依頼を断るわけにはいきませんし。承りました」


八幡(俺はこの女を知っている。雪ノ下雪乃、タンクトップが似合うんじゃないかと目をつけている生徒の一人だ)

八幡(いつかはタンクトップを着せてみたいものだ)


平塚「では、後は任せた」ガラッ

八幡(おいおいなんだよこのシチュエーション。ふと甘酸っぱい思い出が蘇る)


〜〜〜
回想

『キャミソールじゃダメかな?』

〜〜〜


八幡(それ依頼、タンクトップどころかキャミソールまで着なくなっていた)

八幡「そもそもここって何部なんだ?」


雪乃「当ててみたら?」


八幡「…………タンクトッ部だろ」


雪乃「…………は?」


八幡「ここにいる生徒の半分はタンクトップを着ている。そしてお前はタンクトップに興味があるかのように、俺のタンクトップをチラチラと見ている」


雪乃「いろいろと突っ込みたいところがあるのだけれど……。無視しても構わないかしら?」

八幡「タンクトップを着てみないか?」スッ


雪乃「あなたいきなり何を言っているのかしら。それになぜ鞄の中にタンクトップをもう一枚いれているの?」


八幡「馬鹿め、三枚は常に入れているぞ。布教用、観賞用、着替え用。今着ているのも合わせれば四枚だな」バサッ


雪乃「上着を脱いでアピールしなくていいわ。大体上着も破いているのだから、そこまで変わらないでしょう」

雪乃「それにタンクトップにこだわる意味が分からないのだけれど。どこがいいのか理解に苦しむわ」


八幡「は?お前今タンクトップ馬鹿にしただろ?ふざけんな!お前もタンクトップにしてやろうか」

平塚「まぁまぁ二人とも落ち着きたまえ」ガラッ


雪乃「先生ノックを」


静「互いの正義がぶつかりあったら勝負で決着をつけるものだ。どちらが人に多く奉仕できるか勝負だ」

静「ちなみに勝った人はなんでも命令できる」

雪乃「お断りします。彼の目を見ていると身の危険を感じます」


八幡「おい、それは偏見だ。高二男子はタンクトップの事しか考えてない。後は…………特にないな」

八幡(帰りに新しいタンクトップでも買っていくか)


平塚「雪ノ下とはいえ恐れるものがあるか」


八幡(小町の分も買っておいてやろう)


雪乃「……わかりました。その安い挑発に乗りましょう」


平塚「それでは今日は解散だ」

×××

【奉仕部部室】

八幡「タンクトッーープ」ガラッ


雪乃「……まずは挨拶が先でしょう」


八幡「は?だから挨拶したじゃねーか。タンクトッーープ」


雪乃「……え、その、それは挨拶なのかしら?」


八幡「当たり前だろ。最近の高校生はこの挨拶が流行ってんだ。知らねーのか?」


雪乃「……知っているわよそれくらい」


八幡「ならほれ、タンクトッーープ」


雪乃「タ、タンクトッーープ…………」

コンコン


雪乃「どうぞ」


由比ヶ浜「し、失礼します。奉仕部ってここでいいのかな?」


雪乃「合っているわよ。2年F組由比ヶ浜結衣さん」

八幡「おい雪ノ下、挨拶が先だろが」


雪乃「それもそうね。…………タンクトッーープ」


由比ヶ浜「え?ゆ、雪ノ下さんどうしたの?」


雪乃「挨拶をしただけなのだけれど」


由比ヶ浜「何その挨拶!?初めて聞いたんだけど!」


雪乃「……あなた」ギロッ


八幡「どうした?俺は普通にしてる挨拶だが」


雪乃「あなたの普通は一般的に異常だということは理解したわ」

×××

八幡「お前らなんで美味いクッキー作ろうとしてんの?」


雪乃「どういうことかしら?」


八幡「由比ヶ浜はお礼がしたいんだろ?だったらクッキーよりいいものがあるじゃないか」


由比ヶ浜「それって?」

八幡「タンクトップだ」


雪乃「言うと思ったわ」ハァ


由比ヶ浜「ええ!?タンクトップ?」


八幡「男なんてタンクトップ貰えば簡単に喜ぶぞ」


由比ヶ浜「…………ヒッキーも喜ぶの?」


八幡「俺?まぁ、喜ぶな」


由比ヶ浜「……そっか」


雪乃「由比ヶ浜さん、彼の言い分は聞かなくていいからクッキー作りを再開しましょう」


由比ヶ浜「……大丈夫、自分のやり方でやってみるよ。ありがとね雪ノ下さん。それじゃ」ガラッ

×××

【奉仕部部室】

雪乃「由比ヶ浜さんの依頼、あれでよかったのかしら?」


八幡「よかっただろ。完全に俺の説明で納得してから出て行ったしな」


雪乃「だから心配なのだけれど……」

ガラッ


由比ヶ浜「やっはろー!」


八幡「タンクトッーープ」


雪乃「タンクト……こほん。こんにちわ。どうかしたのかしら?」

由比ヶ浜「あれから自分なりにいろいろタンクトップ探してみたの。はい、ゆきのん。このタンクトップあげる」


雪乃「由比ヶ浜さん。なぜクッキーよりタンクトップをとってしまったのかしら?」


八幡「見る目があるな由比ヶ浜。そのタンクトップなら俺も持っているぞ」


由比ヶ浜「え、そうだったの……。ヒッキーにもお礼で買ってきたんだけど」


八幡「よし貰っておこう。タンクトップはあるだけで幸せになるしな」

由比ヶ浜「ヒ、ヒッキー。あたし実は中に着てるのキャミソールじゃなくてタンクトップにしたんだ」


八幡「な、なんだと!?…………由比ヶ浜」グスッ


由比ヶ浜「えぇっ!?なんで泣いてるの?」


八幡「キャミソールより、タンクトップの方がいいって分かってもらえたと考えると……」グスッグスッ


由比ヶ浜「あたしも最初は、ヒッキーがタンクトップばかり着ててキモいって思ってたけど、今じゃタンクトップのよさが分かったよ」


八幡「ゆ、由比ヶ浜」バサッ


由比ヶ浜「ヒッキー」バサッ


雪乃「二人とも、タンクトップ姿にならないで制服を着てくれないかしら?」

見てる人いなさそうなので一気に終わらせます!

×××

【卒業式】

雪乃(今日は私たちの卒業式だというのに、なぜこんな事になってしまったのかしら……)


先生A「卒業生代表挨拶…………比企谷八幡」


八幡「はい!」


雪乃(比企谷くんが卒業生代表なんておかしいわ。でもそれ以上におかしいのわ…………)

後輩女A「比企谷先輩タンクトップ似合ってまーす」タンクトップ


後輩男A「やべぇ!比企谷先輩のタンクトップめちゃくちゃいいやつじゃん」タンクトップ


戸部「ヒキタニくんぱないわー!マジリスペクトだわー!」タンクトップ


雪乃(なぜ生徒全員タンクトップを着ているの!?)

八幡「僕はこの高校に入った瞬間に絶望しました。理由はタンクトップを着ている人がいなかったからです」

八幡「誰もタンクトップの良さを分かってくれないまま一年が過ぎ、二年生になると旧奉仕部、現タンクトッ部に入部しました」

八幡「そこで、初めて一人のタンクトップの理解者を得る事ができました。その生徒は由比ヶ浜結衣さんです」

由比ヶ浜「ヒッキー…………」タンクトップ


後輩女B「結衣先輩流石です!」タンクトップ


後輩男B「由比ヶ浜先輩、比企谷先輩の事を理解してくれてありがとうございます!」タンクトップ


三浦「よかったね結衣」タンクトップ


由比ヶ浜「…………うん」

八幡「それからは順調に、タンクトップ好きを増やす事が出来ました。全てのきっかけは現タンクトッ部に入部をさせてくれて、平塚先生のおかげだと思っています」


平塚「比企谷……」タンクトップ


雪乃(平塚先生!?先生までタンクトップに)

八幡「今になってはほぼ全生徒、全職員がタンクトップを着てくれています。この壇上から見るとまるでタンクトップ畑みたいですね」ニコ


ワハハハハハハ


後輩女C「私たちもタンクトップ畑の一つになれて光栄です」タンクトップ


後輩男C「比企谷先輩うまいっ!」タンクトップ


葉山「まったく、比企谷には敵わないな」タンクトップ


雪乃(は、葉山くん!?あなたもタンクトップに!?)


八幡「それでは名残惜しいですが、僕たちは本日をもって総武高校を卒業します。卒業生代表兼、タンクトップ代表比企谷八幡」


パチパチパチパチ

×××

【卒業式終了後 正門前】

ワイワイガヤガヤ


八幡「卒業式終わったな」


材木座「うむ。いろいろあったな。お主に『主人公がタンクトップなら売れるぞ』と言われて我の原稿も物凄い勢いでペンが走ったからの。主は我の主君だな」


戸塚「僕も八幡のおかげでタンクトップの良さに気づけたよ」


八幡「俺の大好きなタンクトップと、大好きな戸塚のコラボは最高だな」


戸塚「は、八幡。大好きとか……ちょっと照れる」

川崎「ま、最初はあたしも戸惑ったけどね。あんたいきなりタンクトップになりだすし」


八幡「あー、あん時か」

〜〜〜
回想

【エンジェルラダー】

八幡「」プルプル


雪乃「比企谷くん、なぜ震えているのかしら?緊張しているの?」


由比ヶ浜「たぶん違うと思うよ」


雪乃「だったら何かしら?」


沙希「あんたたちあたしにバイトやめさせるために来たの?ご苦労様」


八幡「…………なるか」プルプル

沙希「は?何言ってんの?」


八幡「我慢なるかぁぁーーーー!」ビリビリッ


沙希「ちょ、あなたいきなり何袖破いてんの!?」


雪乃「不味いわね。正装していてタンクトップを着れないから、我慢の限界のようね」


沙希「は?何の話してんの?」


由比ヶ浜「ヒッキー落ち着いて!このタンクトップが目に入らぬか」バッ


八幡「そ、それは、先週発売されたばかりの新型タンクトップ」


由比ヶ浜「これが欲しかったら大人しくしててね」


八幡「よし、なら今日はもう帰ろう」


沙希「あんたら何しに来たの?」


〜〜〜

沙希「でも今思えば、あの時からタンクトップのよさに惹かれてたのかもしれないね」


八幡「ま、いい思い出になったろ」


相模「うちも学園祭のとき、屋上でタンクトップ勧められてよかったよ」


八幡「お前委員会の会議のときからずっとタンクトップ気になってたろ?だから二人のときチャンスだと思ってな」


海老名「私も修学旅行のときはびっくりしたかな。『ずっと前からタンクトップが好きでした。着てみてください』って、いきなり言われたんだもん」

海老名「タンクトップ好きなのは見てればわかるのに」


八幡「かなりインパクトあっただろ?戸部の告白できる雰囲気ぶち壊すには、もっと好きなので上回ればいいのさ」

一色「わたしも生徒会選挙のとき、依頼に行ったときはヤバイ先輩だなーって思ってました。けどクリスマスイベントでは輝いて見えましたよ」


八幡「『責任とってくださいね(タンクトップ好きになった)』て言われてからお前に何枚タンクトップやったことやら……」ハァ


一色「む、これでも一応反省してるんですよ。だから今までのお返しします」スッ


八幡「それはいいんだけどよ」


一色「そ、こ、でー。代わりにその…………」

八幡「あん?」


一色「……今日着てる先輩のタンクトップ下さい!」


後輩女D「あ、いろはちゃんだけズルい!うちもほしいです」


後輩男D「馬鹿野郎!女子供に、比企谷先輩のタンクトップが着こなせるわけないだろ!比企谷先輩俺に下さい」

葉山「比企谷の人気は相変わらずだな」


後輩女E「あの、私、葉山先輩のタンクトップほしい…です」


葉山「え?比企谷のじゃなくていいのか?」


後輩E「はい。私はその、葉山先輩がいいです」

八幡「葉山やるなぁ」


葉山「君に言われても皮肉にしか聞こえないよ。そんなことよりほら、タンクトップあげたらどうだ?」


センパイクダサーイ
オレニクダサイ
オレッスヨネ
ワタシガモラウノ


八幡「うおっ!いつの間にこんなに。……けど悪りぃな。もう俺のタンクトップあげる相手は決まってるんだ」


エエー
ウラヤマシイ


八幡「俺はそいつに渡してくるから。それじゃな」

葉山「比企谷、最後なんだ。挨拶してあげたらどうなんだ?」


八幡「それもそうだな。いくぞお前ら…………タンクトッーープ!」


「「タンクトッーープ!!」


八幡「じゃあな」タタッ

×××

【タンクトッ部部室】

雪乃(奉仕部がこんな部活になるなんて……)


ガラッ


八幡「よ」


雪乃「比企谷くん。どうかしたのかしら?」


八幡「ああ。お前に用があってな」ヌギヌギ


雪乃「そう。それでなぜタンクトップを脱いでいるのかしら?」

八幡「後はお前だけだ雪ノ下。このタンクトップ受け取ってくれるな」スッ


雪ノ下「これを……私に?」


八幡「ああ」


雪乃「他の人たちはよかったの?欲しがる人はたくさんいたでしょう?」


八幡「いいんだ。お前だけまだタンクトップのよさに気づいてないようだからな。貰ってくれるか?」

雪乃「…………比企谷くん」


八幡「ほら」


雪乃「……………………」


八幡「」スッ


雪乃「絶対に嫌よ」ニコッ


八幡「タンクトッーープ」


完結

コメントの返し方がわからない……

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年05月09日 (月) 09:56:54   ID: hpp462d7

タンクトップがゲシュタルト崩壊した

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