童話少女野崎くん (19)

『千代デレラ』

とある家に姉妹が住んでいました。

ユヅ「おら千代デレラ、ちゃんと掃除しろー」

千代デレラ「は、はい! ……いてっ!」ガンッ!

ユヅ「ドジだなーお前、あと皿も洗っといて」

千代デレラ「は、はい! ……あっ!」パリーン!

ホリィ「こらぁ!!」

千代デレラ「ご、ごめんなさい!」

長女ホリィはキレました。

ホリィ「なんで俺が女装しなきゃいけねーんだよ!!」

……脚本家に。

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ユヅ「姉ちゃん、舞踏会の招待状来てるよ、2枚」

ホリィ「興味ねぇよ、千代デレラと一緒に行ってこい」

ユヅ「じゃあ千代デレラ、一緒に行こうぜ」

千代デレラ「い、いいの!?」

ユヅ「うん、カシマ王子主催だから久しぶりに会えるかも」

ホリィ「!!!」

千代デレラ「わぁ! すごい楽しみ! 早く行こう!」

ホリィ「俺とユヅで行く」

ユヅ「えっ、でもさっき行かないって……」

ホリィ「イケメンのあいつに会うのは今日しかねぇ! 行くぞユヅ!!」ダッ

ユヅ「はいはーい」ダッ

千代デレラ「」

千代デレラは留守番を頼まれました。

千代デレラ「はぁ……寂しいなぁ」

千代デレラ「今頃お姉ちゃん達は……舞踏会で楽しく踊ってるんだろうなぁ」

千代デレラ「……」

その時、千代デレラは思いました。私も舞踏会に行きたいと……。

千代デレラ「……ベタしなきゃ」

……あれ?

千代デレラ「……」

千代デレラが黙々とベタをしてると……

コンコン……

千代デレラ「……お姉ちゃん達、帰って来たのかな?」

ドアを叩く音が聞こえてきました。

千代デレラ「……」ガチャッ

魔法使い「こんばんは! 俺はバスケ部一年のわか……違った、魔法使いです!」

千代デレラ「ま、魔法使い!?」

魔法使い「舞踏会行きたいんですよね!? 招待状あげますよ!」

千代デレラ「いいの!? でも今から行っても間に合わないし……」

魔法使い「任せてください! 魔法で馬と馬車を出してあげますよ、それっ!」

ボワンッ!










馬「……なんで馬が一匹かって? ……お前を独り占めする為に決まってんだろ、子羊ちゃん☆」

千代デレラ「すいません、馬チェンジで」

馬「のれよ!/// のってこいよ!///」

プルルルル……

魔法使い「すいません、ウマエノさんですか? 千代デレラさんが馬を交換してほしいって……」

馬「お前も間に受けてんじゃねえよ!」

魔法使い「お城に着きましたよ、千代デレラさん!」

千代デレラ「ありがとう、魔法使いさん! うまりん!」

馬「おいおい、お礼を言うやつを間違えてねーか? もっと感謝すべきやつがいるだろ……俺とお前を会わせてくれた運命ってやつによ……」

魔法使い「12時までには帰ってくださいね!」

千代デレラ「分かった!」ダッ

馬「最後まで聞けよぉ!///」

お城の中

千代デレラ「うわぁ……みんな綺麗な衣装の人ばかりだ……」

千代デレラ「で、でも……魔法使いさんから貰ったこのドレスだって負けてないよね!」

王子「さてと……誰と踊ろうかな」

千代デレラ「……あっ!」

王子「!」

タッタッタッ……

王子「自分から来るなんて随分と積極的だね……一緒に踊ろう、お姫様」

千代デレラ「……」タッタッタッ

王子「……あれ、スルー?」

千代デレラ「わ、私と踊ってください!///」ガシッ

男「ごめん、俺取材に来ただけだから」

千代デレラ「」

千代デレラは190センチの大男に断られました。

男「良かったら一緒に取材に協力してくれないか?」

千代デレラ「は、はい! 喜んで!」

男「あそこで踊ってるのは付き合って3年ぐらいだな……」

千代デレラ「わ、分かるの!?」

男「ああ……あそこは罰ゲームで一緒に踊ってるんだろうな……」

千代デレラ「……あっ、ノザキくん! あそこのシャンデリアは!?」

男「そうだな、今度漫画で描く時用にスケッチしておくか」

ホリィ「お前らは舞踏会にまで来て何をやってるんだよ」

ユヅ「うめーなこの肉」ムシャムシャ

ホリィ「お前も踊れよ」

ホリィ「……ったく」パシャッ

王子「先輩もさっきから私の写真撮ってばかりですよね?」

千代デレラ「……あっ! もうすぐ12時! 帰らないと!」

男「締切か?」

千代デレラ「う、うん! それに似たようなもの! じゃあね!」

男「……また会えるか?」

千代デレラ「!! ……いつかきっと!!!」ダッ

千代(も、もしかして……私の思いが伝わったのかな? そ、相思相愛? オーホホーホーゥ///)

男(優秀なアシスタントが増えると思ったんだが……)

魔法使い「千代デレラさん! 早く!!」

千代デレラ「う、うん!」

ポロッ

千代デレラはガラスの靴が脱げた事に気付きませんでした。









魔法使い「……なんとか12時までに帰れましたね」

千代デレラ「うん、送ってくれてありがとう……でもなんで12時までなの?」

千代デレラ(もしかして魔法が解けるからとかかな?)

魔法使い「……12時から約束があるんですよね」

千代デレラ「約束?」

ユヅ「ワカーーーー!」

魔法使い「き、来たあーーーー!」

千代デレラ「お姉ちゃん!?」

魔法使い「毎日夜中に先輩に馬車を走らされてるんですよ……」

千代(お姉ちゃんが夜中にいつもいない理由はそれだったんだ……)

ユヅ「ほら、早く走らせろ!」

魔法使い「ヒ、ヒヒーン!!」

千代デレラ「魔法使いさんが馬になるの!?」

馬(こいつ、色々と苦労してんだな……)

王子「みんな帰っちゃったか……あれ?」

王子の目の前にはガラスの靴がありました。

王子「誰かが落としたのかな……」

王子「……はっ! この靴のサイズ……もしやホリィ先輩の!?」

王子「待てよ……ということは!!」

王子「ガラスの靴の持ち主を探す……」

王子「王子の権限で靴がぴったり合った人は私と結婚させる……」

王子「ホリィ先輩と結婚かつガラスの靴でヒロイン力上昇……」

王子「……一石二鳥だね!」

次の日

『ガラスの靴がぴったりはまる人を探しています。 ぴったりはまった人は王子と結婚!! ……あっ、これ僕のアイディアですよね!?』

ユヅ「王子と結婚だってー」

ホリィ「まあうちはそんな高価ものねーからちげーな」

千代デレラ「そ、そうだね……」

千代デレラ(もしかして……昨日魔法使いさんがくれたやつかも……)

男「料理できましたよ」

ホリィ「なんでお前はしれっとうちに入ってきてるんだよ」

王子「こんにちはー! 王子でーす!」

ホリィ「悪いけどうちはそんなの買った覚えはねーよ、帰った帰った」

王子「持ち主とか関係ないんです! はまればいいんです!」

千代デレラ「いや、返してあげなよ!」

ホリィ「……千代デレラ、履いてみるか?」

千代デレラ「えっ……いいの?」

ホリィ「こんな経験滅多にねーしな」

千代デレラ(昨日したんだよね……)

千代デレラ「ええっと……じゃあ履いてみます」

王子(まあどうせ合わないしいいか)

ピタッ

王子「あっ!!!」

千代デレラ「はまった!!!」

千代デレラ・王子「……はっ!!」

千代デレラ(このままはまるということは私は王子と強制結婚! それだとノザキくんと結ばれない!!)

王子(はまったということは私は千代デレラと結婚! それだとホリィ先輩と結ばれない!!)

スポッ

千代デレラ「は、はまらなかったね!」

王子「そ、そうだね! あははは!」

ホリィ「いや、はまったっつたろ」

王子「あーー! 見てください! ホリィ先輩にぴったりはまりましたよ!」

ホリィ「いででででで! 無理矢理入れてるだけじゃねぇか!」

王子「入ったってことは私と先輩は強制結婚ですよねーー! しょうがないですねー!」

ホリィ「いい加減にしろてめえ!」ガンッ!

王子「グハッ!」

パリーン!

千代デレラ「蹴りで靴が割れた!?」

王子「あーー! これじゃ先輩とは結ばれない……」

ホリィ「結ばれてたまるか! 早く帰れ!」

王子「えーやですよー」

ホリィ「……お前ら、追い出すの手伝ってくれ」

ユヅ「……ワカ、馬車でどっか行こーぜ」

魔法使い「また俺が馬ですか……」

ホリィ「ちょっ……逃げるな!」

千代デレラ「ノザキくん、ずっと家にいていいからね!」

男「ああ、ありがとう」

ホリィ「勝手に決めるな!!」

王子「じゃあ私もここにいさせてくださいね!!」

ホリィ「いい加減にしろおおおおおおおお!」

めでたしめでたし。













野崎「堀先輩、次の演劇の台本……どうですか?」

堀「ぜってぇやんねえ」

〜終わり〜

一応キャスト紹介

野崎・男
千代・千代デレラ
みこりん・馬
鹿島・王子
堀・ホリィ
結月・ユヅ
若松・魔法使い
都・ナレーター兼継母(でてないけど)

読んでくださりありがとうございました

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