真「しょうがないじゃん…勝手に口角が上がっちゃうんだよ」

伊織「よほど何か嬉しい事でもあったの？」

真「あ！そう、そうなんだよ」

伊織「…ふーん」

真「ねー聞きたい？聞きたいでしょ？」

伊織「この上なくウザいわ」

真「そっか～、そこまで言うなら、聞かせてもいいけど？」

伊織「誰も何も言ってないわよ！」

真「あのね、こんどのオフに雪歩達とショッピングするんだ～」

伊織「………それだけ？」

真「やよいもいるよ」

伊織「………………ふーん」

真「あ！今自分も行きたいって思ったよね！思ったでしょ！」

伊織「はあぁ！？別に、そん、そんな事、おおおお思ってないしー！！」

真「いーんだよ別に。まあ？その日は丁度伊織も休みだし？」

伊織「そ、それが何だっていうのよっ」

真「いや～、別に誘うとかじゃないけど、伊織が行きたいなら？どうしても行きたいなら？一緒に行ってもいいんじゃない？」

伊織「別に…い、行きたくないしっ！」

真「ちなみにその後やよいの家でもやし祭りするんだー」

伊織「……！」

真「あぁー！！今絶対に行きたいって思った！！」

伊織「だっ、だから、思ってないって、言ってんでしょーが！！」

真「いや今ぜっったいに思った！！」

伊織「しょ、証拠が無いじゃない！！」

真「いやそうだって！！もう「もやし」って単語が出た時点でピクッてしてたもん！！命懸けてもいい！！」

伊織「小学生か！！！！」

伊織「はぁ、はぁ…」

真「だってもうさ、反応するって事は一緒に行きたいって気があるからだよ！！」

伊織「げ、元気ね…ふぅ…もう、反論する気も失せたわ」

真「…えっ？」

伊織「ふん。もう、無視するからね」

真「……行かないの？」

伊織「えぇ。あんたが意地悪するから、行く気も失せちゃった」

真「…や、やよいに似合う服見つけて、ファッションショーする予定なんだけど」

伊織「……」

真「それに、それに…ア、アイスも食べるし」

伊織「……あっそ」

真「アイス、オレンジ味も…あるよ……」

伊織「……」

真「………うぅ」

伊織「何よ、しおらしくなっちゃって。別に私と行きたかったわけじゃないんでしょ？」

真「…………行きたかったよ」

伊織「……へっ？」

真「だって、最近忙しくて伊織と喧嘩も出来ないし、寂しかったんだよ……」

伊織「……」

真「…だから、やよいがいれば、一緒にお出掛けしてくれるって思ってたのに…」

伊織「…ば、馬鹿ね…別に、普通に誘ってくれれば、良かったのよ…」

真「…恥ずかしかったんだもん」

伊織「…確かに、その気持ちは分からなくは無いわね」

真「……///」

伊織「なっ、何自分で言っといて照れてんのよ！こっちまで恥ずかしくなってくるじゃない！！///」

真「な、何だよー！こっちが折角勇気出して言ったのに！伊織のばか！」

伊織「なんですって！？」

伊織「…ま、まあいいわ。やっ、やよいがいるからよ？私も一緒に出掛けてあげる」

真「…ごめん、それ嘘なんだ……」

伊織「はぁっ？」

真「だって、ホントは伊織と二人でお出掛けしたかったし…あの二人なら誤魔化してくれると思ったんだよ…」

伊織「もう、そんな所には気使っちゃって…」

真「ご、ごめん」

伊織「いいわよ。別に、二人だけでも
」

真「えっ…ほ、ほんと？」

伊織「その代わり、この伊織ちゃんを騙した罰として、あんたがエスコートする事ね！」

真「…へへっ、分かったよ。もう…しょうがないなぁ」

伊織「どっちがしょうがないんだか…」

真「まあまあ、いいじゃん。じゃ、今度の休みにね！」

伊織「えぇ。アイスも楽しみにしてるわ」

真「！…うん！」

雪歩「伊織ちゃん、お茶だよ」

伊織「…にひひっ、んふ…ふふふふ…」ﾆﾔﾆﾔ

雪歩「……」

伊織「ふふ、ふふふ……」

雪歩「伊織ちゃん」

伊織「……んぇっ！？ゆ、雪歩…何かしら」

雪歩「今結構酷い顔してたよ」

伊織「あ、あら、そう。はしたない所を見せちゃったわね、気をつけるわ」ﾋﾟｼｯ

伊織「……」

伊織「……んふふふふふ、にひっ…」ﾆﾔﾘ

雪歩「…正直そんな気はしてたけど……伊織ちゃん！」

伊織「ほぁっ！？」

雪歩「ほぁっ！？じゃなくてさ、また酷い顔してたよ」

伊織「う、嘘…また？ごめんなさいね、気をつけるわ」ﾋﾟｼｯ

伊織「……」ﾋﾟｼｼｯ

伊織「…………にひひひひひっ…」ﾆﾍﾗ

雪歩「無限ループってこの事だったんだ…」

伊織「しょうがないじゃないのよ、顔が勝手にニヤけちゃうのよ」

雪歩「伊織ちゃんがそんなにニヤけるなんて、そんなに嬉しい事があったの？」

伊織「……へっ！？…べ、別に」

雪歩「うっそだー。今思いあたる事あったでしょ」

伊織「な、ないわよ！」

雪歩「ふーん？」

伊織「……！」

伊織「…えぇ、あるわよ？」

雪歩「え、言うんだ」

伊織「今度のオフ、真とね…ふ･た･り･き･り、でデートするのよ」

雪歩「…えぇっ！？そ、そんな、で、でーと…」

伊織「ふふーん、しかもなんと、真から誘ってきたのよ？」

雪歩「な、何それ、何それっ！ずるいよ、伊織ちゃん！」

伊織「いいでしょー♪」

雪歩「わ、私も！私も行きたい！」

伊織「えー？それは…真と二人っきりって約束したしー？」

雪歩「そ、そんなっ…やくそく…」ｶﾞｰﾝ

真「おはようございまーす！」

雪歩「ま、真ちゃん！伊織ちゃんと二人きりでデートするって本当！？」

真「え…デート、って…い、伊織！言ったの！？」

伊織「えぇ、別にいいでしょ？」

雪歩「って事は本当なの！？」

真「でも、ボクはデートしようだなんて一言も言ってないよ！」

雪歩「真ちゃんの嘘つき！浮気者ー！」ﾎﾟｶｽｶ

真「雪歩、話を聞いてってば！伊織！笑ってないで助けて！」

伊織「にひひっ。私は事実を述べたまでよ？」

犬の散歩に行ってきます

ごめんなさい
再開します


真「あ、ほら！雪歩！時間！仕事！」

雪歩「…へっ？あ、本当！急がなきゃ！！」

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

真「…ふぅ」

伊織「……」

真「伊織ぃ！」

伊織「…何よ」

真「後で雪歩に謝ってよね！」

伊織「…ちょっとからかっただけじゃない」

真「そ、そうだけど、デ…デート、とか煽る様な事を言ってたじゃないか！」

伊織「いいじゃない、別に」

真「よっ、良くないよー！」

伊織「…ふんっ」

真「…っ」

真「何だよその態度！伊織が悪いんじゃないか！」

伊織「…だって」

真「だって何だよ！」

伊織「…だって、雪歩って、いっつも真の隣にいるから…何か、イライラしちゃって…」

真「………え？」

伊織「そ、それでっ、ちょっと嫉妬させてやろうかなって思っただけよ！悪い！？」

真「えっ…えっと、いや……」

伊織「………」

真「…ご、ごめん」

伊織「…私こそ、ごめんなさい。後で雪歩にも謝っておくわ……」

真「……」

伊織「……ｸﾞｽｯ」

真「…あぁもう。泣かないでよ」

伊織「…ｸﾞｽｯ…もう、怒ってない、の？」

真「うん、もう怒ってないよ？」

伊織「……ｸﾞｼｭｯ」

真「泣き止んだ？」

伊織「ん……」

伊織「……」

伊織「！…なっ、べ、別に泣いてなんかないわよ！///」

真「えー…ここに来てそれ？」

伊織「う、うるさい！とにかく、別に泣いてなんかいないんだからね！」

真「ここまで来たらデレようよ…」

伊織「にひひっ、そう期待するから駄目なのよ！…まあ、でも、あんたが私に尽くしてくれたら…ちょっとは期待してもいいわよ？」

真「…あははっ。じゃあ、ちょっと期待、してみようかな…？」

当日

真「あ！伊織、ごめん…待った？」

伊織「えぇ、待ったわ。すごく」

真「…そこは、今来たばっかりとか言おうよ？」

伊織「冗談よ。本当に今来た所よ」

伊織(本当は、楽しみで眠れなくて、一時間くらい他の場所で時間潰してたけど…)

真「それなら良かった。…伊織、その服可愛いね」

伊織「…ふぇっ！？か、かわっ…///あっ、と、ととと当然だわ！この伊織ちゃんの着る服は常に可愛いものなのよ！」

真(そんなにフリフリじゃないのに、可愛いのは何でだろう…)ｳｰﾝ

伊織「…ちょっと、聞いてるの？」

真「…え？あ、ごめん、聞いてなかった」

伊織「あのねぇ…」

伊織(そうだったわ…コイツはそういう奴だったのよ…そうよ、一々動揺する必要なんてないのよ！)

ごめんなさい眠いんです


伊織「…そ、そう言うあんただって…その…か、可愛い、わよ？」

真「えっ、ホント！？えへへ…そうかぁ、可愛いかぁ…んふっ」

伊織「だからやめなさいってその顔！まったく、もう…だらしないわね」

真「えへへー、いいじゃん。さ、行こうよ」

伊織「今日はあんたがエスコートしてくれるのよね？」

真「ま、まだそれ覚えてたんだ…」

伊織「覚えてるに決まってるじゃない。それで、まずはどこに行くのよ？服屋？」

真「いや、まずはちょっと早いけどお昼すませちゃおうよ。良いお店知ってるんだ」

伊織「へぇ、あんたが？…大丈夫かしら」

真「だ、大丈夫だよっ。さ、行こう」

伊織「……」

真「…どうしたの？」

伊織「連れていってくれるんでしょ？」

真「…？」

伊織「手！」

真「！あぁもう分かったよ…これでいいでしょ？」ｷﾞｭｯ

伊織「にひひっ、そうこなくっちゃ♪」ｷﾞｭｯ

真「ほら、ここだよ」

伊織「ふーん…良くありそうな店ね」

店員「ｲﾗｯｼｬｲﾏｾｪ」

伊織「あら、中は良い感じね」

真「でしょでしょ。ここの席に飾ってある絵が可愛くてお気に入りなんだ～」

伊織「…絵の良さは理解出来ないけど、まぁ、あんたにしては中々良いじゃない！」

真「褒めてるんだか褒めてないんだか…」

伊織「ちょっと！この伊織ちゃんが折角褒めてあげたんだから、何か言う事くらいあるでしょ！？」

真「はいはい、いいでしょ。ほらメニューあるよ」

伊織「無視すr…あら、このパフェ美味しそうね」

真「パンケーキも美味しいんだよ」

伊織「ん～…これも美味しそうだし、うーん…」

真「じゃあ、ボクはこっち頼むから、交換しようよ」

伊織「そうね…そうするわ」

伊織(……)

伊織(……交換………？)

伊織(…まあ、いっか)

真「あ、ほら来たよ。ん～…美味しそうだなぁ」

伊織(…あれ？これ……)

伊織(か、か…間接キスじゃない！)

伊織(いや、でも…真ってそういうの気にしない筈だし、相手が気にしなければ多少は大丈夫…)

真「～♪」

伊織(……やっぱ無理っ…///)

伊織「…いいからさっさと一口寄越しなさいよ」

真「え、待ってよ。まだ一口も食べてないんだけど」

伊織「い、いいじゃない。ほら…えっと、私、食べさしは余り好きじゃないのよね」

真「あー…そういうタイプか」

伊織「それに、ね？私もまだ一口も食べてないし、いいじゃない？」

真「うん、いいよ」

真(……)

真(っぶねぇえええええ！！)

真(間接キスするとこだったよ！よし気にしないぞって構えてたらこれだよ！！微妙に恥ずかしいよ！！声裏返ってたかな！？どうしよ！！)

真(…あっ、おいしい)ﾓｸﾞﾓｸﾞ