咲「胸が大きい人が好き」照「」 (17)

照「これ私のことだね」

菫「……」

照「私のことだよね?」

亦野「……」

渋谷「……」

照「私の」

淡「違うと思うよー」

照「……」

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菫「……ま、まぁ、その範疇にお前が入るかどうかはおいといて」

淡「えー。絶対入らないよ。だって照すっとんのぺったんこだし」

照「……」

菫「……置いといてだな。どうしてそういう話になったんだ?」

照「この間、好きな女の子のタイプを聞いた」

菫「お前の妹って、女だよな」

照「? 妹なんだから女に決まってる」

菫「だよな……いい。続けてくれ」

照「そうしたらちょっと考えてから笑顔でこう答えられた」

菫「……そうか。その、残念だったな」

照「え。それどういう意味?」

亦野「諦めましょう。今からじゃどうにもなりませんよ」

照「……いや、ちょっと意味がわからな」

渋谷「現実を見ることも大切」

照「……」

淡「すっとんすっとんぺったんこー♪ てるのおむねはまったいらー♪」

照「……」

菫「ま、まぁまぁ。でもさ、咲ちゃんも別に胸だけで決めているわけじゃないだろう?」

亦野「そ、そうですよ。胸の大きさだけで好き嫌いが別れる人なんてそういませんよ」

照「それは、咲も言ってた。胸が大きくなくてもすきなタイプはいるって」

菫「ほら、ほらな! 胸以外も考慮入れてるんだよ」

照「すきなタイプは、引っ張ってくれるお姉さんキャラの人だって」

菫「お、おおっ!」

亦野「よかったじゃないですか! ぴったりですよ!」

渋谷「もはや直球でそのまま」

照「例えば、清澄の部長とか。あと白糸台の……菫さんみたいな人だって」

菫「……」

亦野「……」

渋谷「……」

照「菫さん、みたいな人だって」

菫「聞こえてる。聞こえてるよ……」

照「おめでとう。菫」

菫「……あ、ありがとう?」

淡「てるのおむねはぺったんこー♪ おむねぺったんすっとんとん♪」

照「……」

照「あと、淡ちゃんみたいな人も好きだって言ってた」

淡「やったー! 私も咲ちゃんだいすきよー」イェーイ ブイブイ

菫「……あ、あとは?」

照「もうなし」

菫「……」

照「……ねぇ。何で?」

菫「何が?」

照「咲はお姉さんキャラ好きだって。胸は関係ないって。なのに、何で私は入ってないの? 菫は入ってるのに」

菫「……」

照「私、お姉さん。お姉さんキャラっていうか、本物のお姉さん。なのに何でハブラレてるの?」

亦野「……」

照「ねぇ、何で……なんで……」

渋谷「ほ、本人の前だと言いにくいとか」

菫「それだ! それだよ! 恥ずかしかったんだよ!」

菫(でかしたぞ!)

亦野「そ、そうですよ。きっと本人の前だと恥ずかしかったんですよ!」

照「そうかな。でも咲は落ち着いた感じで言ってたけど……」

亦野「恥ずかしいからこそ、それを隠しながら言う時もありますって! ね?」

淡「そうかなー。普通にてるのこと好きじゃないんじゃない?」

菫「す、少しは空気をよめ!」

照「……」

亦野「い、いや心の中では実は好きって言うか、そういうのあるじゃないですか。ほら」

渋谷「世の中にはツンデレっていうものが……」

淡「えー絶対好きじゃないんだって」

菫「おい、お前は少し黙ってろ!」

照「……うっ。うっ」

菫「て、照」

淡「あー。泣かせたー!」

菫「お前だろ! 黙ってろ、もう」

照「わ、私は咲のこと好きなのに……なんでこんな」

菫「な、何か理由があるんじゃないか? 最近喧嘩したとか」

照「そんなことしてない」

亦野「じゃ、じゃあ、妹さんが取っておいたデザートを勝手に食べちゃったとか」

照「食べてない」

渋谷「だ、大事な高級茶を勝手に飲んだとか」

照「それで怒るのはあなただけ」

渋谷「……」

淡「てるの胸がすっとんとんだからじゃない?」

照「姉キャラ好きなのは胸は関係ないって言ってた」

菫「何か怒られたりしたことは本当に無いのか?」

照「……そういえば一つだけあったかもしれない」

菫「あるのか。じゃあ、それじゃないのか?」

照「いや、でもそんなまさか、こんなことで嫌いになるわけが」

菫「感覚は人それぞれだからな。姉妹と言っても違うこともあるだろう。一体何をやったんだ」

照「私はただ、咲がお風呂入っているときにのぞきに行って、写真を撮っただけ。特にやましい事はなにも」

菫「どう考えてもそれだろ!」

淡「わー、全裸写真みせてみせてー」

照「こ、この写真は私だけの物」

淡「えーいいじゃんケチー。けちてるだ、けちてる。そんなんだからお胸もすっとんとんなんだよー」

照「写真を見せることと胸の大きさは関係ない」

菫「妹の入浴写真を撮ることと、姉に対する好感度は関係あるけどな」

照「え? 何が?」

菫「何がじゃないだろ! お前よくそんなセクハラ行為しておいて自分が好かれていると思えたな」

照「セクハラって大げさ。小さい頃はよく一緒にお風呂入っていたし、写真撮るくらいなんでもない」

菫「年齢を考えろよ。高校生にもなって全裸はいくら女同士でも恥ずかしいだろう」

渋谷「写真撮るというのが……」

亦野「姉妹でお風呂入るなら普通に仲のいい姉妹ですけど、写真を撮るというのは逆に下心が見えますよね」

淡「下心が丸々みえみえー」

照「で、でも姉妹だし。写真くらい撮る」

菫「それは普通服を着て撮るものだろう?」

亦野「妹の入浴に乱入して撮るものじゃありませんね」

照「いや、今まで普通に撮ってたけど、怒られなかったし」

渋谷「それは普通に盗撮成功していたからなのでは……?」

菫「今回は隠し撮りしようとしてばれたのか」

照「い、いや決してそんなことは……」

淡「てるはバカだなー。私なら一緒にお風呂入ろうって言って一緒にお湯につかりながら防水カメラで撮るのに」

照「!? そ、そんな手が……分かった。今度試してみる」

菫「試すな試すな。淡も変な知恵を与えるなよ」

淡「はーい。てるー盗撮成功したら今度みせてねー」

照「……まぁ、一枚くらいなら」

淡「やったー」

菫「……」

亦野「何か変な同盟が結ばれましたけど」

渋谷「これは、妹さんの貞操が危ない」

菫「……」

淡「てるー約束だからねー。写真撮ったら見せてね、咲ちゃんの全裸写真だからね。絶対だよ」

照「一枚だけならね」

菫「……」

菫「まぁまぁ。まぁまぁまぁ。この同盟をどうするかは保留にしておいてだな」

亦野「先輩。今逃げませんでした?」

菫「何からだ?」

渋谷「面倒から」

菫「……人生、逃げることも大切なんだよ。麻雀と同じ。降りられない奴は勝てないんだ」

亦野「で、でも、逃げちゃいけない場面もあるんじゃ」

菫「なるほど。そこまで言うならこの件はお前に一任しよう」

亦野「え?」

菫「お前を照淡盗撮同盟対策委員長に任命する」

亦野「ちょっとまっ」

渋谷「さすが。頑張ってね」ポン

亦野「う、裏切られた!」

菫「まぁ、頑張ってくれ。副委員長には尭深もつけるから」

渋谷「ほら、がんば……え?」

菫「面倒から、逃げちゃ駄目なんだろう?」

渋谷「え? え?」

亦野「さ、一緒に頑張ろうか」ポン

渋谷「……」

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