『短編集』コミュ障クリスタ(外伝) (69)

以前書いた、『コミュ障クリスタ』の外伝

訓練兵時代の短編を書いていきます。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434118303

①姿勢制御 適性検査


キース「全員揃ったか!!名前を呼ぶから1人1人返事しろ!!」


キース「エレン・イェーガー!!」

エレン「はっ!!」

キース「ミカサ・アッカーマン!!」

ミカサ「はっ!」

キース「アルミン・アルレルト!!」

アルミン「はっ!」

キース「クリスタ・レンズ!!」

クリスタ「ひゃっ!?ひ…ハイッ…」

キース「ああ!?」

クリスタ「ハイッ!」

キース「声が小さいぞレンズ!!」

クリスタ「はひっ!!」ガクガクブルブル

キース「怖がるな!!私も泣きそうだ!!」

クリスタ「スミマセン…」

ユミル「大丈夫かよこいつ」

キース「まあいい。では適性検査を始める!これが出来ん奴は即行開拓地送りだ!!」

クリスタ(いきなり開拓地かも…)プルプル



ミカサ「…」プラーン

教官「見ろ。彼女の完璧な姿勢制御を…美しい」


ジャン「…」プラーン

コニー「…」プラーン

サシャ「…」プラーン


キース「うむ…今期は出来る者が多い…ん?」

ギュウウウ…

クリスタ「…」プルプル

キース「こら!!レンズ訓練兵!!ロープを掴むな!!」

クリスタ「!?」ビクウッ

キース「ロープ掴んでちゃ意味ないだろうが!!手を離せ!!」

クリスタ「…で……でも……」プルプル

キース「でもじゃない!!離せ!!」

クリスタ「…ウウウ…」プルプル

キース「怖くないから離しなさい!!」

クリスタ「ハイッ…!」

パッ!

クリスタ「…」

クリスタ「で…できマシタ…」

キース「だろ!?よくやったぞレンズ!!」

クリスタ「ハイッ」


ゴチイイイイインッ!!

クリスタ「!?」ビクウッ

エレン「いてえええ!!」

キース「何をしているイェーガー!!」

クリスタ「うわあっ!!」ゴチーンッ

キース「お前まで驚いた拍子に姿勢崩すな!!」

②座学

サシャ「グゴーッ」

ミカサ「サシャ、起きなさい」

コニー「なあ、アルミン…あの教官いい眼鏡してるよな」

アルミン「眼鏡じゃなくて黒板を見なよコニー」

教官「では…復習だ。巨人の生態を説明してもらう。クリスタ・レンズ訓練兵」

クリスタ「は、ひゃひ!」ガタ

ユミル「ビビりすぎだ」

クリスタ「な…ナナナ……何でショーカ…」

教官「…巨人の生態を説明してくれ」

クリスタ「生態……えっと……エト……」オドオド


クリスタ「きょっ、巨人は………お、オーキくて……ご飯とかお水はイラナクテ……太陽の光が好きデ……人間を、クチにイレマス。……あ、あと!外に、いっぱい……暮らしテマス」

教官「…」

エレン「…」

ユミル「…はあ…」

ライナー(いや、かわいい!)

コニー「すげー、よく言えたな!」

サシャ「むにゃ…ん?神様?」

クリスタ「…」

教官「いや…間違っては無いんだが…その、それじゃダメだ」

クリスタ「だ…ダメデスカ…」オドオド

教官「なんていうかな、うん。そんな愉快な動物紹介みたいな解説の仕方じゃダメだ」

クリスタ「ウウウ…ガンバリマス」

教官「じゃあ、気を取り直して。他にも何か特徴があったよな。頑張ってもう少し言ってみなさい」

クリスタ「は、ハイッ」

ミカサ「頑張って」

ユミル「また変な言い方すんなよ」

クリスタ「え、エット……巨人は…エット…」

ユミル「うなじ、うなじ」ボソッ

クリスタ「あ、ソウダ。エット…うなじ………に」



クリスタ「人が入ってマス」

ユミル「なっ!?」

ライナー「!?」

アルミン「はい!?」

ベルトルト「」ゴチイイイイインッ!!

アニ「動揺し過ぎだ馬鹿!!」

教官「………ん?もう一度、なんて言った?」

クリスタ「エット…だから……ソノ……うなじに、人がイマス……デ…ソノ…巨人を、ロボットみたいに、ウゴかせタリ…デキマス」

教官「………ふあっ!?」

ベルトルト「」ゴチイイイイインッ!!

アニ「落ち着けベルトルト!!」

ユミル「………」

教官「レンズ訓練兵……何を言ってるのかさっぱりわからないんだが……」

クリスタ「え、デ…デモ……お姉チャンからソウ聞いタシ……」

教官「そのお姉ちゃんがそんなデタラメを教えたのか?」

クリスタ「エッ……ソノ…たまにお姉チャンが、巨人にナッテ……ソノ…わ、私も乗って遊んでタカラ……デタラメじゃ…ナイデス」

ユミル(そういやレイス家のガキだったなこいつ…いや、しかし巨人になって遊ぶとはその姉さんもやっぱ色々な意味でスゲー奴だな)

クリスタ「…ア…」


フリーダ(ヒストリア!このことはみんなには内緒だよ!)テヘッ


クリスタ「…ア…ごめんなさい…そう言えば……他の人ニハ内緒デシタ……」

教官「……うんうん、わかった。なかなか楽しい話だったよ。クリスタなりに場を楽しませようと思って頑張って考えたんだな、うん」

クリスタ「エッ…そ…そういう訳じゃ……ナイケド……」

アルミン「あの教官、考える事を放棄している」


ユミル「…ったく、姉さんから内緒にしてって言われてる話ならしちゃダメだろ」

クリスタ「ウウウ…ゴメンナシャイ…」

ユミル「もう言うなよそれ。マジで言うなよ」

クリスタ「うん。ワカッタ」



エレン「もう、お姉ちゃんビックリしたじゃないヒストリア!!」

ミカサ「!?」

アルミン「!?」

クリスタ「ひゃひ!?」ビクッ


エレン「…ん?え?なんだいまの…」

アルミン「急にどうしたのエレン…」

エレン「いや、なんか、勝手に口から出たんだが…」

ミカサ「エレン…医務室に行こう」

③フリーダ姉ちゃん


ヒストリア「いたっ!」

フリーダ「どうしたのヒストリア?あちゃ…トゲ刺さっちゃったの?」

ヒストリア「私も柵を越えようとして…」

フリーダ「え?柵を超えようとしたの?」

ヒストリア「うん」

フリーダ「ダメでしょ?柵を超えようとしちゃ」


フリーダ「柵から出るなって言ったでしょ!!?」クワアッ

ヒストリア「!?!?」ビクウッ

フリーダ「私達は罪人なの!外に出ちゃダメなの!!」

ヒストリア「お…オネエチャン…?」ガクガクブルブル


フリーダ「…うっ!」ピクッ!

ヒストリア「!」

フリーダ「う…お…」

―フリーダ脳内―

フリーダ「うおおおおおおお!!負けて、たまるかあああああああああ!!!」

初代レイス「な…こいつ!なんて意志の力だ!!」

フリーダ「お姉ちゃんキイイイイイイイック!!!」

初代レイス「ぎええええええ!!」

――――――


フリーダ「…ぶはあっ!!」

ヒストリア「お姉ちゃん!!」

フリーダ「ごめんね、ヒストリア…いつものお姉ちゃんが戻って来たよ」ビッ

ヒストリア「うん!」ニコニコ

フリーダ「じゃあ、もう少し時間あるからお絵描きして遊ぼうか?」

ヒストリア「やりたい!」

フリーダ「ふんふふ~ん♪」カリカリ

ヒストリア「誰その人?」

フリーダ「この絵の人はね、初代レイスの王様なの。この人の顔に落書きしていいよヒストリア」ニコニコ

ヒストリア「うん!」ニコニコ

カリカリカリカリカリカリ…

フリーダ「あははは!センスあるよヒストリア!」ニコニコ

ヒストリア「えへへ」ニコニコ カリカリカリカリカリカリ


初代レイス王(こいつ…私をバカにしやがって…絶対にいつか完璧に支配してやる)

―――

クリスタ「…ん…」パチッ

サシャ「あ、おはようございます!」

クリスタ「ウン…おはよう」ゴシゴシ

ユミル「今日のお前の寝顔は怯えたりニコニコしたり大変だったな」

サシャ「どんな夢を見ていたんですか!?」

クリスタ「オネエチャンの夢を見てタ…」

④雪山訓練

ズリズリ…ズリズリ…

クリスタ「ウンショッ…ンッショ…」

ズリズリ…

ダズ「…」

ユミル「クリスタ。もうそいつはダメだ、ここに置いてくしかねぇよ。このままじゃ3人仲良く凍死しちまうぞ」

クリスタ「…ウウウ……やだ…」

ユミル「だろ?じゃあ置いてくしかねぇだろ」

クリスタ「しょ……ショレ…それもやだ…」

ユミル「じゃあどうするんだよ?」

クリスタ「え……エット…が、頑張ッテ…引っ張ル」

ユミル「…なあ…」

ユミル「どう考えても体の小さいお前より私の方が体力あるだろ?なんで私に助けを求めないんだ?」

クリスタ「ん?」

ユミル「なあ…お前、ダズ助ける気ねぇだろ?」

クリスタ「あ、え?エット…あ…アウ…ショ…ションナコトナイ……」オドオド

ユミル「どうだかな。本当はいいことして死んでしまおうとでも思ってたんじゃないのか?」

クリスタ「あ…アウ…ソノ…」オドオド

ユミル「…」

クリスタ「エット…ゆ…ユミるに助けて…モラウノガ…その、お……思い浮かびマセンデシタ……」

ユミル「うん、どうせそんなことだろうと思ったよ」

クリスタ「エ?」

ユミル「あのなクリスタ…ちゃんと周りと話したり助けてもらうって事も覚えろ。そんなことじゃいつまで経ってもコミュ障だぞ」

クリスタ「メンボクナイ…」

ユミル「…お前だろ?追い出されたレイス家の妾の娘って…」

クリスタ「え、な…ななななな」

ユミル「動揺し過ぎだ」

クリスタ「はい」

ユミル「安心しろ…この事は誰にも話してないし情報を売ったりもしない」

クリスタ「じゃ、じゃあ…ジャア…エット…え?わ、私を探すために……訓練ヘーまでキタノ?」

クリスタ「そうだとシタラ………ナンデ…」

ユミル「さあ?似てたからかな…」

クリスタ「…え?私と…ユミルの性格が?」

ユミル「まあ、昔はそれも似てたが…生い立ちがな」

クリスタ「それだけで……ソノ…兵士ニ…」

ユミル「さあな…よくわからん」

クリスタ「わ、わわ……わ、わ、私と……エット…と、とと…友達、に……なりたかっタノ?」

ユミル「…!……は…違うね。それはない」

ユミル「まずな!お前と私は対等じゃないんだよ!偶然にも私は生まれ変わることが出来た、だがその際に元の名前も偽ってないしコミュ障だって直した!ユミルとして生まれたことを否定したら負けなんだよ!」

クリスタ「…」

ユミル「それに比べてお前はなんだ!?邪魔者扱いしてきた奴らに逆らおうともせずオドオドしてばっかりで!自分の運命を変えたいと思わねえのか!?」

クリスタ「……うん……思う…けど…」

ユミル「まあ、いい……まずはダズだ。こいつは私が助ける。この崖からダズを下ろす」

クリスタ「え…エッ……それじゃ…アレダヨ…下に落ちて………ヤバイヨ!!」

ユミル「うるせえ、先行ってろ」ヒョイッ

クリスタ「わわわワワワ!?」ゴロゴロゴロゴロ

―――――ダズは無事助かり翌日






クリスタ「………あ、アレ…アノ……あの崖から……ダズを助かけたの?どうやって……ロープトカハ…無かった、はず……タシカ…ナカッタ…のに…どうやって…」

ユミル「…いいよ。お前になら教えてやっても」

クリスタ「エ?」

ユミル「ただし…その時は…」

クリスタ「…」

ユミル「少しだけでもいいから、大きな声ではっきり話してみろ」

⑤馬術訓練


サシャ「わーいわーい!馬だー!」

コニー「よーし!誰が一番早いか競争しようぜ!」

クリスタ「ウン」

ユミル「なんだお前ら、そんなに馬術好きなのかよ」

サシャ「そりゃ馬と戯れる事が可能なんですよ!」

コニー「堅苦しくなくていいよな!」

ユミル「私にゃ変わらず面倒くさいだけだよ」

サシャ「そういえばクリスタって馬に乗ったる時は普通に喋りますよね」

クリスタ「エッ?そ…ソンナコトナイヨ…」

ユミル「いやいや、何故か馬に乗ってる間は元気だぞお前」

コニー「普段も同じようにハキハキ喋れよ。そっちの方がいいぞ」ポンッ

クリスタ「っ!!が…ガンバリマス…//」

ユミル「なに顔赤くしてんだよ」


キース「よし、訓練を始めるぞ!ではさっそく馬に乗れ!」

サシャ「よし来ました!!」バッ

コニー「行くぜ!!」バッ


クリスタ「よーし!行くよお馬さーん!!」バッ

ユミル「やっぱり馬に乗ってたら普通に喋れるじゃねぇか」

パカラッ!パカラッ!パカラッ!

サシャ「うひゃああ、気持ちいい!」

パカラッパカラッパカラッパカラッパカラッパカラッパカラッ!!

コニー「お?」

クリスタ「よーし、行け行けーっ!!」パカラパカラパカラッ!!!

ユミル「速いなオイ!!」

コニー「すげー…」
サシャ「あ、コニー危ないです!」

コニー「え?わ!危な!!」キキッ

ザザザザザッ!!

クリスタ「あ、コニー!!」

ユミル「おいおい、何してんだよ!」

コニー「すまん…余所見してたら馬から落ちちまった…」

サシャ「もう、コニーはおっちょこちょいなんですから」

クリスタ「あっちまで行っちゃったよ…」

コニー「そうだクリスタ、お前の馬に乗せてくれ。俺の馬追いかけてくれるか?」

クリスタ「え!?」

ユミル「そうだな。一緒に乗れよ」

クリスタ「い、いいけど…」

サシャ「コニーを頼みましたよ!!」

クリスタ「うん」

コニー「じゃあ、お前の馬にお邪魔するぜ」バッ

クリスタ「う…ウウウ…ウン…」

コニー「なんだよ、馬の上にいるのにいつもみたいな声になってるぞ」

クリスタ「な、ナナナナナナ……ナンデモナイ…」

サシャ「あれ、クリスタどうしたんですかね」

ユミル「面白い奴だな」

⑥クリスタ怒る


クリスタ「…え……あれ……」キョロキョロ

サシャ「どうしたんですか?」

クリスタ「わ、私の……レ…クンレン用の靴が……ナイ…」キョロキョロ

ミカサ「どこかで無くしたの?」

クリスタ「わ…ワカンナイ…デモ…ここに、置いてたハズナノニ…」キョロキョロオドオド


クスクス…

ミカサ「!」

女訓練兵「見て見て…必死に探してるよ…」ヒソヒソ

女訓練兵「なにあの仕草…マジ受けるんだけど」ヒソヒソ

ミカサ「あなたたち。何をボソボソ喋っているの?」

女訓練兵「な、なんでもないわよ」

サシャ「私にはちょっと聞こえましたよ。クリスタは困ってるのに失礼じゃないですか?」

クリスタ「?」

女訓練兵「うるさいわねぇ……あ、そうそう、さっきこんな靴見つけたんだけど~」

クリスタ「あ…ワタシノ…」

女訓練兵「クリスタだったんだ~、はい、どうぞ~」

女訓練兵「優しい~」

クリスタ「あ、ありがとゴザイマス」

サシャ「…」

ミカサ「…」

ユミル「あ?靴無くしてた?」

クリスタ「うん…デモ…モブのお姉さんに、見つけてモラッタ」

サシャ「でも何か怪しい感じでしたけど…」

クリスタ「エ?」

ミカサ「まさかとは思うけど…あの人達が隠したんじゃないの?」

クリスタ「エッ…な、ナンデ…」

ユミル「それはあり得るな」

クリスタ「エッ…」オドオド

ユミル「お前みたいな性格の奴をな、からかいたい奴ってのもいるんだよ。ここはいい奴らの方が多いけどな」

ミカサ「つまりいじめでしょ?」

クリスタ「エッ…」

アニ「いじめ!?クリスタを!?誰がやったの!?大丈夫よクリスタ!お姉ちゃんがそんな不届き者は蹴り飛ばしてやるから!!」ガシッ

クリスタ「ひゃひっ!?」ビクッ

ミカサ「落ち着いてアニ…まだそうと決まった訳じゃない」

ユミル「まあ、しばらく様子見だな」

クリスタ「ウン…」

サシャ「何かあれば言ってくださいね!」

ミカサ「私の助けが欲しい時は『エレン』と口にすればいい。その3文字が聞こえた場所に二秒で辿り着く」

クリスタ「す、スゴイ…」

―翌日―


クリスタ「アレ…なにこれ…」

ユミル「どうしたんだよ」

クリスタ「私の、立体キドーソウチが…なんか変にナッテル」オドオド

サシャ「うわ、ワイヤーがめちゃくちゃに絡まって訳わからないですね…」

コニー「おいおい、どうしたんだよ」

クリスタ「あ…エット……」

ジャン「なんだそりゃ、お前がやったのかその立体機動装置」

クリスタ「ち、チガウ…」

アルミン「これは明らかに人為的にやってあるよ…」

エレン「クリスタじゃねぇなら誰がやったんだよ」

ミカサ「…やっぱりあいつら?」

ユミル「かもな」

クリスタ「ウウウ…」

女訓練兵「あらあら、どうしたのクリスタちゃん?」

女訓練兵「わあ、何それ。いくら立体機動が下手くそでもそんなめちゃくちゃにならないよー」

サシャ「ぬぬぬっ」

ユミル「おい、てめえらじゃねぇのか?」

クリスタ「エット…アノ…」

女訓練兵「私たち?なんで?証拠は?」

ミカサ「面倒くさい雌豚」

女訓練兵「あ?今あんた何か言った」

ミカサ「さあ」

クリスタ「あ…アノ…ケンカは、ダメダヨ…」オドオド

女訓練兵「そうだねーケンカはダメだよねー」

女訓練兵「いこいこー」

タッタッタ…

アルミン「…絶対に怪しいよあの人達」

ジャン「ああ」

ユミル「…おい、てめえもいい加減にしろクリスタ」

クリスタ「エ…」

ユミル「もっと何か言い返せよ。そんなんだからいつまでもバカにされるんだよ」

サシャ「ユミル…ちょっと、可哀想ですよ」

コニー「そうだよ、そういうことは…」
ユミル「いや、甘やかしたらダメだ。ったく…訓練さっさと行くぞ」

クリスタ「…ウン…」

―――――食堂

アニ「…あれ、クリスタはどこ?」

ユミル「あいつは教官室にいるよ。そろそろ戻ってくるんじゃねぇの」

ライナー「そうか…早くクリスタの顔を拝みながら飯を食いたいんだが」

ベルトルト「僕もだよ」

アニ「は?私の妹なんですけど?」

エレン「お前ら本当に気持ち悪いよ」


サシャ「…あれ、あのモブ女訓練兵もいませんよ」

ユミル「…なんか嫌な予感がするな」

ミカサ「行ってみる?」



―――

タッタッタ…

クリスタ(まさかご飯の前に呼び出されるなんて…やっと食べれる)トテトテ

女訓練兵「あー、クリスタちゃんだー!」

クリスタ「!」ビクッ

女訓練兵「ねぇねぇ何してるの?」

クリスタ「エッ…アノ…ソノ……教官シツニ…ヨバレテ…」

女訓練兵「え?なに?聞こえなーい」

女訓練兵「声小さいよー」

クリスタ「だ…だからっ!」

女訓練兵「ちょっと耳元で大きな声出さないでよ」ガンッ

クリスタ「アウ!!」ベタン

女訓練兵「あのさぁ…今ここに誰もいないからはっきり言うけどさ。あんたのこと大嫌いなんだよね」

女訓練兵「ほんとほんと。声小さいし発音悪いし動ききもいくせに、 ちょっと可愛いからってちやほやされてさ」

女訓練兵「ねえ。もしかしてあんたそれわざとやってんじゃないの?」

クリスタ「エッ…そ…そんな…ソンナコト……」

女訓練兵「なに?聞こえなーい」

クリスタ「ウウウ…」

クリスタ「や…やめて…クダサイ…」

女訓練兵「は?」

クリスタ「もうヤメテクダサイ…」

女訓練兵「ははっ、何か言ってるキモー!」

クリスタ「…ウウウ……」

女訓練兵「だいたいさぁ。こいつの周りの奴らもキモいよね」

クリスタ「!」

女訓練兵「サシャとかいつも食べてばかりだしアホだし調子こいてるよね。なにあいつ頭おかしいよね」

クリスタ「な…」

女訓練兵「コニーもチビだしハゲだしバカだし何であんなのが兵士になってんの?マジ受けるんだけど」

クリスタ「…ウウウ…」プルプル

「ジャンは自己中だし口悪いし馬面でキモいし」

「ミカサなんか目つきヤバいしエレンエレンばっかで何あれ、絶対あいつおかしいよね」
「あとエレンも巨人大好きバカだし目つきヤバいし絶対あいつも頭おかしいよ」
「アルミンなんか弱っちいくせに頭いいからって調子乗りすぎだしなにあいつ。真面目なふりして絶対むっつりスケベだよ」
「マルコは顔すらよくわからないし」
「ライナーは何あれ、筋肉つきすぎで汗臭そうでキモイし近づきたくないよね」
「ベルトルトって誰だっけ?」
「アニは無口で目つきヤバいし友達もいないし可哀想だよね、きゃはは」

クリスタ「グググ…」プルプル

女訓練兵「あとユミルとか性格も男みたいだし顔ブサイクだしソバカスだらけだし本当にキモイよね」

クリスタ「ウウウ…!!」




クリスタ「ウキキキキキイイイーーーッ!!!」ペチペチペチペチ!

女訓練兵「うわ、触らないでよ!」

女訓練兵「クリスタ菌が移るー」

クリスタ「黙れぇっ!!!」ガシッ

女訓練兵「え?」

ビタアアアアアアンッ!!!

女訓練兵「ふげっ!?」ドサアッ

クリスタ「私の友達を…バカにするなああああああああ!!!」

女訓練兵「な…こいつ…」

女訓練兵「ぐっ!痛いだろこのブス!!」

クリスタ「黙れえええ!!」ブンブンブンブン!


女訓練兵「ああもう面倒くさい!逃げよう!」

女訓練兵「うん!」


ユミル「…よくやったクリスタ」

クリスタ「!…ユミる!」

ユミル「ああやってやり返したらいいんだよ。まあ、あとは大丈夫だ」ポンッ

クリスタ「エッ?」


タッタッタ…

女訓練兵「はあ…はあ…ん?」

「待ちなさい」

女訓練兵「え!?」
ミカサ「さっきのあなたたちの言ったこと全て聞こえていた…」ザッ

女訓練兵「ひいっ!?」ビクッ

サシャ「…食べ過ぎでアホで悪かったですね…」

コニー「てめえ…俺は確かにバカだが…お前らよりは天才だこの野郎…」

ジャン「馬面だとおいこら…」

エレン「お前ら…頭おかしくて悪かったなオラ…」

ミカサ「…エレンを侮辱したのは許さない」

アルミン「むっつりスケベじゃないよ!」

マルコ「顔忘れるって酷くない?」

ライナー「俺は断じて臭くねぇ…」

アニ「気にしてることダラダラ述べたらしやがって…」

ベルトルト「…僕がベルトルトだよ…」

女訓練兵「ひいっ!?!?」

ユミル「みんな聞いてたぞ。良かったな」

クリスタ「ちゃんと、アヤマッテ」

女訓練兵「ご、ごめんなさーい!!」



サシャ「これで一軒落着ですね!」

クリスタ「ソウダね!」

番外編 フリーダ姉ちゃんⅡ


フリーダ「むうう…うおおおぉぉ……っ」プルプルプルプル


フリーダ「ふおおおおおおおおっ!!」プルプルプルプルプルプル


フロリアン「お姉ちゃん何してるの?」

エーベル「さあ…」

ロッド「そんなに力んでどうしたフリーダ、トイレならそこにあるぞ」

フリーダ「違うわよ、失礼なパパさんね!」

ウルクリン「また初代王の亡霊と戦ってたの?」

フリーダ「そう!それ!」

フリーダ「でもダメなのよ…初代王の意志に支配されず力を使う練習してるんだけど、どうしても神の力を使おうとすると初代王の亡霊が出て来るのよ…」

ディルク「大変だね…」

ロッド「いや、大丈夫…きっといつか使いこなせるはずだ。頑張れフリーダ、お前がナンバー1だ」

フリーダ「よっしゃ、ワクワクしてきたぞ!!みんな勇気をわけてくれ!!」

フロリアン「お姉ちゃん頑張れ~」

エーベル「亡霊なんかに負けないで~」

フリーダ「ふおおおおおおおおっ!!」シュインシュイン

フリーダ「きょ…っ、きょじ……巨人ををを……一匹、残らず……く、ちく……」プルプル

フリーダ「きょじ………じ…」シュインシュイン


フリーダ(初代王)「巨人大好きいいいいいいい!!」

フロリアン「ひっ!?」ビクッ


フリーダ「ああもう!面倒くさいよこいつ、何でまた出てくるの!!」

ロッド「やはりダメだったか…」

フリーダ「全く、なんて精神不健康な亡霊なのかしら………この無駄な時間と労力をもっと別の事に向けるべきだと思うわ」


母「みんなー、ご飯よー」

フロリアン「あ、ご飯だって」

ロッド「行くか」



フリーダ「うんうん、やっぱりご飯食べてるときが一番幸せだね!!」

⑦罪と罰


ガンッ!ガンッ!


…それはある日の真夜中の事でした。
その音は満月の夜の静寂の中から聞こえてきました。

ガンッ!

クリスタ「…?」パチッ

クリスタ「な…ナナ、何の音ダロウ…」キョロキョロ

ガンッ!ガンッ!


その音の正体が気になった私は外へと向かいました。
いったい何の音だろう…ケンカ?食料を盗もうとしているサシャ?それとも強盗?強盗だったらどうしよう…私にはとても対処できない。
そんな恐怖がありましたが、私はそれよりも音の正体に対する好奇心と呼ばれる心の方が勝ったのであります。

そして私は風の涼しい外へ出ました。あまりに心地よい涼しい風に眠気が襲って来ましたが、私は必死に頭の中で馬を数え眠気を誤魔化しました。

クリスタ「あ…アソコ?カナ…」

私は音がしていたと思われる場所へ向かいました。すると…


アルミン「…エレン…その辺にしておこう」

エレン「ああ…後は裁判にかけてもらう」


ミカサ「…あ、クリスタ」


クリスタ「!」


ライナー「」チーン

ベルトルト「」チーン

アニ「」チーン


クリスタ「!?」ビクウッ!!

クリスタ「な…ナナナナナナ、ナニヲ、してルノー!?」オドオド

アルミン「丈夫だクリスタ、この三人は自ら罰を受けることを受け入れたんだ」

エレン「こいつら昼間に自ら正体明かしやがったからな」

―――

アニ「もうクリスタ可愛くて戦士とかどうでも良くなったね」

ベルトルト「うん、クリスタの可愛さは世界を救うよ」

ライナー「クリスタは意外とかっこいいのが好きらしいから俺の鎧の巨人を見て惚れるかも!」

ベルトルト「は?僕の超大型巨人の方がかっこいいし」

アニ「私の巨人の方がお姉ちゃんらしくてきっとクリスタも気に入るよ!」

ミカサ「エレン…あれ…」

エレン「…」

―――


エレン「…そして問い詰めたら白状したからこうやって人のいない時間帯にボコボコにしてやったんだ」

クリスタ「で…デモ…」オドオド

エレン「心配すんな。これでも軽いくらいだよ」

ライナー「そ…そうだ…これは当然の罰だ…」

クリスタ「!」

ベルトルト「だから心配しなくていい…」

クリスタ「で…デモ…オーキュー処置クライは…」

アニ「やっぱり可愛いよクリスタ…」


アルミン「…僕も手伝うよ」

ミカサ「もう気はすんだ?エレン」

エレン「ああ…後は裁判で裁いてもらうさ」


その後、彼等は裁判により調査兵団への所属が決まった。



⑧サシャ


サシャ「クーリスタ~、水くみ行きましょう~!」

クリスタ「うん、行クー」タッタッ

ユミル「よし、私の分も頼んだぞ芋女」

サシャ「またまたそうやってユミルは本心にもないことを」アッハッハ

ユミル「ああ?」

クリスタ「ゆ…ユミル…自分のー…分は、自分でやりゃ…やらなキャー」

ユミル「はいはい、行きゃいいんだろ」

サシャ「ユミルったら恥ずかしがり屋さんですね」

ユミル「なにがだ」


―井戸―

ギッコ ギッコ

クリスタ「ん…んんっ!グググ…」プルプル

サシャ「頑張ってください、クリスタ!」

ユミル「本当いつまでも弱っちい奴だなおい…」

サシャ「いやいや、これでもクリスタは力強くなってますよ~」

ユミル「…ところでよ、いい加減ウザいんだが」

サシャ「え?」

ユミル「お前のその喋り方。なんで同期にまで敬語なんだよ」

サシャ「……えーと…それは、あの…」

ユミル「まあ待て、当ててやろう。お前、故郷の言葉が恥ずかしいんだろ?どうせ訓練兵になったのだって大方親にでも…」

クリスタ「チョッ…ちょっと、ユミる……」

ユミル「静かにしてろ」ゴチンッ

クリスタ「イテッ」

ユミル「お前そうやって作った自分で生きてくつもりかよ、そんなのはくだらないね。自分の言葉で喋れよ!」

サシャ「…!」

サシャ「あ……ありがとう………ございます…」

ユミル「あ?」

サシャ「ご、ごめん………なさい、まだ、ちょっと…」


クリスタ「ま、待っテヨー、ユミル!」ゴチンッ

クリスタ「いたいっ!」ヒリヒリ

ユミル「自分で頭突きしといて何やってんだよお前」

クリスタ「ひ、ヒトーに言われて、しゃべりかたを…変えること…ナイヨ!」

ユミル「…」

クリスタ「えっと…アレダヨ……サシャにはサシャの世界がアルンダシ、えっと…私ミタイナ世界のヒトもいるんだから」

クリスタ「その…今も、アレ……ありのままのサシャの言葉デショ?わたしはそれが…えーと……スキダヨ!」

サシャ「…」

ユミル「…はっ、物は言いようだな…」

クリスタ「それにユミるもコミュ障ダッタ…」

ユミル「お前それは言うなコラ」ゴチンッ

クリスタ「イテッ」

サシャ「あははは…」

ユミル「おい、何笑ってんだお前…」

サシャ「はい…すみません…」

クリスタ「ユミルはクチガ悪いヨー」

番外編 フリーダ姉ちゃん Ⅲ


フリーダ「…はあ…」

ケニー「どうした、フリーダ…元気がねぇな」

フリーダ「あら、ケニー。おはよう、どうしたの?」

ケニー「なに、様子見だよ」

フリーダ「申し訳ないけどウーリおじさんは出て来ないよ。初代王なら出て来るけど」

ケニー「そうか」

ケニー「しかしどうした、今日はいつもみたいな元気がねぇな」

フリーダ「いやあ…やっぱりたまに疲れちゃうんだよね、もう……最初は私が力を使いこなしてやるー!なんて意気がってたけどさ…はあ…」

ケニー「そうか。ウーリも何かに悩んでいた様子だったからな…」

フリーダ「今日もかわいい妹弟を構いたかったけどこんな姿を見せるわけにはいかないからねぇ…心配させたくないし」

ケニー「そうだな、顔見るたびにお前妹弟構ってばっかりだもんな」

――

フリーダ「フロリアアアン!かわいいよー!!」ムギュウウウ

フリーダ「エーベルウウウ!一緒におやつ食べよー!!」ムギュウウウ

フリーダ「ディルクウウウ!今日もイケメン爽やかイケメンだよおおお!!」ムギュウウウ

フリーダ「ウルクリン!ちょっとデカいからしゃがみなさい!!」ピョンピョン

ウルクリン「恥ずかしからいいよ姉さん…」


フリーダ「ヒストリアアアアン!!かわいよおおお!」ムギュウウウ

―――

フリーダ「あああ、妹弟成分が足りない…」

ケニー「とんでもねぇシスコンブラコンだな」

フリーダ「失敬な!シスコンでもブラコンでもなく、ファミリーコンプレックス略してファミコンよ!」

ケニー「お前の勢いには勝てねぇぜ」

フリーダ「あああ…だいたいなに考えてんのよこの初代王の亡霊は……いつもいつも私の邪魔して…」

ケニー「…俺なら使いこなしたり出来たりしてなっ!」

フリーダ「むりむり」

ケニー「んな、即答するんじゃねぇよ」

フリーダ「は、もしかして風呂入ってる時とかこの亡霊に頭の中から見られてんの!?」

ケニー「さあ…かもな」

フリーダ「うわあ、なんて破廉恥な亡霊!もうお風呂入らない!」

ケニー「入れよ、汚ねぇよ」

フリーダ「うーん………耳雄さんでもいればこの初代王の亡霊殴って退治できたかもしれないのに…」

ケニー「耳……は?誰だそれ」

フリーダ「気にしちゃダメよ」

ケニー「訳のわからねえ野郎だぜ」

フリーダ「野郎じゃなくて乙女よ!」

ケニー「自分で乙女とか言うなよ」

フリーダ「あああ!もうすぐ夕方になっちゃう!いつまでもネガティブじゃダメだね!」バッ

ケニー「ああ。俺もネガティブな気分になるときもあるが、人間気楽に生きるのが一番だぜ」

フリーダ「え、ケニーもネガティブになるんだ…意外」

ケニー「当たり前だろ、俺だって色々あるんだよ」

フリーダ「そうだね、たぶん私の三倍は生きてるもんね」

ケニー「帰るか」

フリーダ「うん、またね」

ケニー「へいへい」

ザッザッ…


フリーダ「………」

フリーダ(まあ、焦らずゆっくりでも考えていけばいいか…)

フリーダ(とりあえず今日は家に帰って食べて…とその前に…)

―――

フリーダ「ああもう可愛い癒されるううう!」ムギュウウウ

ヒストリア「ううう、熱いよ熱い!」

⑨アニとライナーとベルトルト


―――それはある雨の日
私ヒストリアと、ライナー、アニの三人グループで立体機動訓練をしていた時のことでした


ザアアアアアア!

クリスタ「ウウウ…!」ギイイイイイッ

アニ「雨がどんどん強くなってるよ」

ライナー「視界が悪いな…二人ともスピード抑えて無茶するなよ」

アニ「ああ」

クリスタ「ウン」

ライナー「だが、時間をかけるのもマズいな…更に天候が悪くなるかもしれんし雨水で服も重たくなる」

アニ「じゃあ、どうすんのさ」

ライナー「まあ、慎重にできるだけゆっくり早めにだな」

クリスタ「難しイョ…」





ジャン「…あっちのライナー達の班も苦戦してるな」

アルミン「こんな雨じゃね…風まで吹いてくる前に終わらせよう」

ジャン「そうだな。…しかし、ライナーやアニはもっとクリスタを心配してベタベタするかと思ったがそうでもないな」

ベルトルト「訓練とクリスタの可愛さは別だからね。あの二人もちゃんとそこはわきまえてるよ」


ハリボテ巨人

ライナー「よし、目標を見つけたぞ!」

クリスタ「わ…ワタシが…ヤルッ」

アニ「うん、今なら他の班もいない…頑張って」

クリスタ「ヤーッ!」キュンッ

ズバッ

クリスタ(あ!)

アニ「あちゃ、浅かったねクリスタ」

ライナー「ふん!」ズバッ!!

ライナー「これぐらいはやらなきゃダメだぞ?」

クリスタ「す…スゴイ…」

ライナー「だろ!?」

アニ「…ん?」

ビュオオオオ…


ビュオオオオオオオオオ!!

アニ「わっ!?」

ライナー「ぐあ!急になんつー風だ!?」

クリスタ(わ!うわ!やばっ!!)

ビュンッ!!

クリスタ「ワアアアアアア」ピュウウウウウ


アニ「きゃああ!大変!!」

ライナー「クリスタが飛ばされたあああ!!」

バシュッ!!

クリスタ(どうしよう!やば!ガスを吹かして…)

ギャルンギャルンギャルン!

クリスタ(風強くて余計変なことなっちゃったあああ!)

クリスタ「ワワワワワワワ!」ギャルンギャルン

アニ「まずい!グルングルン回転しながら木にぶつかってしまう!」

ライナー「間に合え!」ギュンッ!


アニ「ぐっ…!!」バシュウウウ

ライナー「!」


クリスタ(まずい…木にぶつかる…!)


ドガアアア!!


ライナー「…なっ!!!」

クリスタ「…う…」

アニ「はあ…はあ…」

クリスタ「あ、アニ!?あ…」

アニ「いたっ…」

クリスタ「も、もしかして…木にブツカル前に……私をかばッテ…」

アニ「はは、大丈夫だよ…ちょっと痛いけど…」

クリスタ「…ウウウ…ご、ごめんなざい!!」ギュウウ

アニ「気にするなって、あんな風が急に吹いちゃ誰でも混乱するよ」

ライナー「おい、無事か!?」

アニ「ライナー…クリスタは私が盾になったから大丈夫だよ」

クリスタ「…ごめんなサイ…」

ライナー「アニ…お前の事を言ってるんだよ」

アニ「大丈夫だよ。ちょっと痛いだけ」

ライナー「…運が良かったからいいが…もし悪かったらお前…」

アルミン「大丈夫か!?」ザッザッ

ジャン「見てたぞおい!」

ベルトルト「アニ…クリスタ…」



ライナー「いいか。もうこんな無茶はするな」

アニ「わかったよ…」

ライナー「クリスタ…お前もだ。混乱するのはわかるがな、もう少し冷静に対処しろ。むやみやたらにめちゃくちゃやれば言い訳じゃないだろ」

クリスタ「うん…ごめんなさい…」


ジャン「ライナーもクリスタに説教するんだな…」

ベルトルト「そうだよ。いつも結婚しよしてる訳じゃないよライナーは」

ベルトルト「…でも…ライナーもなんだかんだでアニと同じように庇っただろうけどね。今回はたまたまアニの方が早かっただけで」

ジャン「ああ…確かにライナーならやるだろうだな」

アルミン「いつも誰かが危険な目にあったりしたら一番に助けに行くからね」



ライナー「とりあえず二人はもう休んでおけ。教官には俺から伝えておく」

クリスタ「ありがとうゴザイマス」

アニ「悪いね」

クリスタ「……アノ…怪我はナイ?」

アニ「大丈夫だよ、痛むだけ。すぐ治るさ」

クリスタ「ウン…メンボクナイ」

アニ「…暇だし、少し昔話でもしようかな」

クリスタ「?」

ベルトルト「僕も参加しよう」ザッ

クリスタ「ワッ!」ビックリ

―――数年前の故郷―――


子供「おめーいつも無口でキモいんだよ!」

子供「このコミュ障が!」

アニ「…」ギロッ

子供「うわ!睨んでるぜ!」

子供「こええ!悪者は退治してやる!」ブンッ

ビシッ!

アニ「!!」ガクッ

子供「オラオラ!」ゲシゲシ

アニ「…」プルプル ギロッ

子供「まだ睨んでやがる!!」

―――


アニ「…私も、あんたとは性格も方向性も違うけど無口で人と話すの苦手でさ、よくいじめられてたんだ」

クリスタ「…」

―――

子供「いい加減くたばれやブス!」

アニ「…」ウルウル

子供「お、睨みながら涙目だ!ギャハハハハハ!!」



ブンッ!!


子供「ゲハアアア!?」ズゴゴゴー

アニ「!」

ライナー「何やってんだテメェ!!」

子供「やべ!ライナーだ!」

ベルトルト「…逃がさないよ」

子供「ぬあ!ベルトルト…」

ベルトルト「アニをよくもやってくれたね…」ゴゴゴゴゴ

ライナー「テメェら無事に帰れると思うなよ」ゴゴゴゴゴ

子供「ひいいいいい!!」

子供「すみませんでしたあああ!!」


ライナー「…アニ…大丈夫か」

アニ「…」

ライナー「全く、何か言えよ」

ベルトルト「怪我してるよ…ちょっと見せて」

アニ「…」プイッ

ベルトルト「ああ、ちゃんと見せてよ」

ライナー「恥ずかしがるな、ちゃんと見せろ」

アニ「!」

ベルトルト「いじめられてたら、嫌なら嫌って言った方がいいよ」

ライナー「助けて欲しかったら頼れよ。助けてやるからな」

アニ「…」

ベルトルト「よし、これでOK」

ライナー「家近いし一緒に帰るぞ」

アニ「………ライナー…ベルトルト……」

ベルトルト「!」

アニ「…ありがとう」

…僕もライナーもアニが好きだったんだ。
前に2人で怪我をして歩けなくなった時、彼女は僕とライナーを見つけ、自宅に連れて行って手当てしてくれた…
その時から、本当は優しい人なのを知っていたから



数年後


ライナー「…いよいよか…」

ベルトルト「うん…」

ライナー「壁内への侵入作戦…アニも参加するんだな」

ベルトルト「そうみたいだよ」

ライナー「………」

ライナー「ベルトルト…早いうちにアニに気持ちを伝えておけよ」

ベルトルト「え?…え!?何を急に!?」

ライナー「お前アニが好きなんだろ」

ベルトルト「それを言うならライナーだって…」

ライナー「俺はいいんだ……お前の方が幸せにしてやれそうな気がする」

ベルトルト「…ライナー…」



―――訓練兵団入団式後―――

ライナー「…」

アニ「…」

ベルトルト「…」

ライナー「俺達がやったことは……本当に正しかったのか?」

アニ「…分からないよ…」

ベルトルト「…辛いけど、もう受け入れるしかないんだよ、ライナー…」

ライナー「…少し1人で歩いてくる」

アニ「…私も今は1人になりたい」

ベルトルト「…うん」

ライナー「…」ザッザッ…

テコテコテコ…


ライナー「!」

ドカッ!

クリスタ「アウウッ!」

ライナー「うわあ!?」

クリスタ「アテテ……ァ……」

ライナー「お、おい、大丈夫か…えっと、クリスタだったか?」

クリスタ「ア、ぇ…ぇと……ソ…ソノ……ハイ……アノ…クリスタデス…」ボソボソ

ライナー「!」


―――

ライナー「手当てしてくれてありがとうな」

アニ「ぇ…ベ……ベツニ…」ボソボソ

ライナー「名前はなんて言うんだ?」

アニ「…ア……アニ…」

―――

ライナー「…」

クリスタ「あ、アノ…エット………ケガは…ナイデスカ?」オドオド

ライナー「ん、ああ…平気だ……」

クリスタ「よ、ヨカッタ…デス…」

ライナー「…俺はライナーだ。よろしくな」

クリスタ「え?ア…ハイ。ヨロシクオネガイシマス…」ボソボソ

⑩コニー


――座学――


教官「…で、人類は百年の間……」


クリスタ「…」

コニー「…んん…話長くて覚えられねぇ」

サシャ「ぐごー」


クリスタ「さ…サシャ…起きヨーヨー……」チョンチョン

ユミル「また寝てるのかよ芋女は」

コニー「なあ、クリスタ。今の教官の話どういう事だ?」

クリスタ「え?エット……………………ッテ…いうことダヨ」

コニー「おう、なるほど。ありがとな」

クリスタ「ウン!」

コニー「…」

クリスタ「…」

ユミル「もっと会話すればいいのによお前」

クリスタ「え!で…デモ…訓練中ダシ…」

ユミル「訓練中じゃなくても会話すぐ終わるじゃねぇか。コニーが気になってんだろ?」ボソボソ

クリスタ「べ!ベベベベツニ…気になっテナイデススス……」

ユミル「わかりやすいくらい動揺すんなよ」

コニー「どうしたクリスタ、顔赤いぞ?風邪か」

クリスタ「え!ちっ…チャウ…」

―――馬小屋―――
クリスタ「こんにちは」

馬「ブルルヒヒイイイ!」

クリスタ(今日は私は馬小屋の掃除当番です…ここは、コミュ障の私にはとても素敵な空間であります)

コニー「よう、クリスタ」ザッザッ

クリスタ「!!コココ…コニー」

コニー「驚きすぎだろ」

クリスタ「な……ナンデコニィが……」

コニィ「なんでって今日は俺も掃除当番だったじゃねぇか」

クリスタ「ァ……ソウダッケ…」

コニー「おいおい、俺もバカだがお前もおっちょこちょいだな!ははは」ポンポン

クリスタ「ァ…エト………ハイ…//」

コニー「じゃあ、俺はそっち掃除するから」

クリスタ「ウン」

コニー「…お前も前に比べたら成長したよな」

クリスタ「エ?」

コニー「まあ、相変わらず声小さいし滑舌悪いけど、それでも前よりは話せるようになってるし人見知りもマシになってきたじゃねぇか」

クリスタ「そ…ソウカナ…」

コニー「おう。だからもっと自信持って喋れよ」

クリスタ「ウ…うん」

コニー「熱くなってきたな~。ちょっと水持って来るから休んでろよ」

クリスタ「ウン、ありがトウ」

ザッザッ…

クリスタ「ふう…」


ユミル(もっと会話すりゃいいのによ)


クリスタ(…あんなこと言われてもなぁ……恥ずかしいし)

ガチャ

モブ訓練兵「へへへ…見つけたぜ」

クリスタ「!?」ビクッ

クリスタ「な…ナナナ……ナンデスカ……」オドオド

モブ訓練兵「忘れたか?二年前この馬小屋でお前を襲おうとしたのにユミル達に邪魔された可哀想な俺だ!」

クリスタ「…あ!」

クリスタ「アノトキノ……トランプのヒト…」オドオド

トランプのヒト(モブ訓練兵)「だからトランプじゃねぇっつうのに!」

クリスタ「あ……アウ……エット…」オドオド

トランプのヒト「へへ…ずっと我慢してたんだ。今日こそは最後までやってやるぜ!」バッ

ガシッ!

クリスタ「ヒッ!?は、ハナシテクダサイ!」ビクッ

トランプのヒト「俺も訓練して強くなったからな…へへへ…抵抗すんなよ」

クリスタ「ウ…ウウウ…!」

クリスタ「エイッ!」ペチンッ

トランプのヒト「うお!この野郎!」ドンっ!

クリスタ「アイテ!」ズテンッ

馬「ブルルヒヒイイイ!!!」

トランプのヒト「うわあ!!?」ビクッ

クリスタ「ウウウ…」ザッ

トランプのヒト「ええい、近くの森まで誘拐してやる!」

クリスタ「ウウウ!」

クリスタ「ヤダヤダヤダヤダ!」ペチンペチンペチン!

トランプのヒト「はたくなこのチビ!」

クリスタ「アウウッ!」ベタン

トランプのヒト「どうせお前みたいなコミュ障には彼氏なんかできねえんだから一発やらせろ!」

クリスタ「何をナノサ!」ペチン

トランプのヒト「まだわかんねえのかオラ!!」

コニー「何してんだオラーッ!!」ドゴォッ

トランプのヒト「いでええ!?」ドザザザ

クリスタ「コニー!」

コニー「女に手ぇ挙げるなんか恥ずかしいと思わねえのか!」

トランプのヒト「うるせーハゲ!!」ドフッ

コニー「ぐあっ!!」ガクッ

トランプのヒト「この野郎!邪魔すんじゃねぇよ!」ドガッ ドガッ

クリスタ「ああ!」

コニー「く…クリスタ、逃げろ…!」

クリスタ「ウウウ…!」

クリスタ「逃げナイ!」バッ

コニー「!」

トランプのヒト「な!?」

クリスタ「コニーから離れろ!!」ガシッ

トランプのヒト「ぐあ!」

バシイイイイイインッ!!

トランプのヒト「ぎゃあああ!!」ゴロゴロ

コニー「あれは…アニから教わった技か!」

クリスタ「ソーダヨ!」ザッ!!

トランプのヒト「いでえええ…」

クリスタ「…あ……だ、ダイジョーブデスカ…」オドオド

コニー「心配しなくていいよこんな奴」

クリスタ「…コニー…ダイジョーブ?」

コニー「これくらいなんともねぇよ。しかしクリスタに助けられるとはな」


コニー「強くなったな。ありがとうよ」

クリスタ「…うん!」

―――

コニー「よーし、来いクリスタ!」

クリスタ「エイッ!」ブンッ

コニー「よっと!」サッ

クリスタ「アワワ!」ズルッ

コニー「おいおい、なに滑りそうになってんだ!」ガシッ

クリスタ「アウッ」

コニー「相変わらずどじだなぁ、ははは」

クリスタ「エヘヘ…」


サシャ「最近、クリスタとコニーよく一緒に格闘訓練してますね」

ユミル「知らない内に少し仲良くなってるな。まあ、いいことだ」



アニ「ぐすっ……最近は私とじゃなくてコニーとが増えたなんて……クリスタもついにお姉ちゃん離れする時期か…」

エレン「なに言ってんだよ、お前…」

⑪いつか外の世界へ


…訓練兵団解散式まであと2ヶ月…雪が降る中の訓練での事でした

私はエレン、ミカサ、アルミンと同じ班になり
雪が強くなってきたので近くの小屋で休憩しようという話になりました。


ビュウウウウウウ…

クリスタ「…」プルプルプルプル

アルミン「…大丈夫?ものすごく震えてるけど」

クリスタ「ダイジョーブ」プルプルプルプルプルプル

エレン「本当かよ…めちゃくちゃ寒そうだぞ」

ミカサ「エレン…私も寒い。ぜひ温めて欲しい」

エレン「ああ?お前、俺のやったマフラーしてるじゃねぇか。この中じゃミカサが一番暖かいだろ」

ミカサ「私は寒がり…なので、マフラーだけでは足りない」

アルミン「そんなキリッとした表情で言われても」

クリスタ「わ…ワタシの上着アゲルヨミカサ…」プルプルプルプル



ミカサ「いえ、いい。というかやめた方がいい。クリスタは震えすぎて心配だから自分で着ていなさい」

エレン「本当にな」

クリスタ「ヒャイ」プルプル

アルミン「…訓練兵団もあと2ヶ月か…」

エレン「そうだな…意外と早かったな…」

ミカサ「…所属兵科はどうするの?」

エレン「調査兵団に決まってるだろ」

アルミン「…僕も調査兵団にしようと思ってる」

ミカサ「なんと」

エレン「おいおい、マジかよアルミン…」

ミカサ「私はとても心配」

アルミン「…足手まといにはならないようにするさ」

クリスタ「デ…デモ…巨人がイッパイいて……アレダヨ…危ないヨー」

アルミン「ありがとう…でも覚悟は決めてるから」

クリスタ(すごいなぁ…)

ミカサ「アルミン…あなたはやはりエレン程では無いけどイケメン」

エレン「…まあ…どうしでもってなら止めねえよ」

ミカサ「…クリスタは?」

クリスタ「エ?…ア…エト……」

クリスタ「…考えてナカッタ…ナー…」

ミカサ「そう…でも調査兵団はやめた方がいい。本当にやめた方がいい」

エレン「ああ、やめとけ」

アルミン「もう壁外に出たときのクリスタの反応がわかりやすいくらい想像できるよ」

クリスタ「ァ…はい…私もそうオモウ…」

エレン「じゃあ、お前は訓練兵終わったらどういう事やりたいと思ってるんだ?」

クリスタ「……エット……牧場で、ハタラキタイナー」

ミカサ「牧場、素晴らしいと思う。本当は私もエレンと野菜作りながら暮らしたかった」

エレン「なに?じゃあ、畑して暮らせばいいじゃねぇか」

ミカサ「いえ、私はエレンが調査兵団へ行くなら調査兵団へ行く。ので、よろしく」

アルミン「てかさ、クリスタ…訓練兵卒業するならやっぱり牧場じゃなくてどこかの兵団に入った方がいいと思うんだ」

クリスタ「じ……ジャア……チゥとん兵団かなぁ……」

ミカサ「駐屯兵団」

クリスタ「ケーペーダン……憲ペーダンは無理そうだシ…」


アルミン「確かにクリスタは憲兵団は厳しそうだね」

エレン「まあ、入れたらラッキーだな」

クリスタ「ウン」

エレン「あと2ヶ月で…調査兵団に入れば、やっと外の世界への第一歩だぞ!」

アルミン「うん。まあ、それからが長いだろうけどね…」

エレン「わかってるさ。だが、いつか巨人どもを全て駆逐して…外の世界を探検するんだ」

ミカサ「大丈夫。私がついていれば百人力…」

クリスタ「外のセカイ…?」

アルミン「外の世界には僕達の知らないものがたくさんあるんだよ!」

エレン「ああ。海に行ってみてぇなぁ…」

ミカサ「海は大きな水溜まりだと聞いている……水着を用意しなければ」

クリスタ「ウミ…あ、ソレ…アレ…聞いたことアルヨ!」

アルミン「え、そうなの!?」

クリスタ「エット…アレ……オネーチャンから昔、見せてモラッタ本に……ソノ…書いてアッタ」

エレン「へえ、お前も聞いたことあったのか」

クリスタ「ワタシも…気になってルンダヨナー…」

ミカサ「なら一緒にいつか行こう」

エレン「だな。そん時は他の友達も連れてこいよ」

クリスタ「!ウン!エヘヘ…」

ミカサ「…吹雪も収まってきた」

アルミン「よし、今のうちに行こうか」

エレン「おう。出発するぞ」

クリスタ「ウン……アレ?」クラクラ

ドサッ

アルミン「!クリスタ!?」

エレン「どうした!?」

クリスタ「ウウウン…」クラクラ

ミカサ「あらいけない。凄い熱」

アルミン「本当だ…体調崩しちゃったのかな」

クリスタ「ウウウ…メンボクナイ…」

エレン「仕方ないな。俺が背負っててやるよ。早く行こう」

アルミン「うん。そうだね」

ミカサ「ボディガードは私に任せて」


―――――

フリーダ「ヒストリア~!」

ヒストリア「あ、お姉ちゃん!」

フリーダ「久しぶりだね~。という訳で久しぶりにおんぶさせて」

ヒストリア「ええ、恥ずかしいよぉ…」

フリーダ「いいからいいから、よいしょっ」

ヒストリア「わっ!」

フリーダ「わ、重たっ!大きくなったねぇヒストリア…もう15歳だもんね」

ヒストリア「えへへ…」

フリーダ「………真面目な話…私いま嬉しいよ。ヒストリアがたくさんの友達に囲まれて楽しそうにしてて」

ヒストリア「うん!楽しいよ!」

フリーダ「あはは……。ねぇ、ヒストリア…」

フリーダ「ごめんね…小さい頃にした約束。いつか自由になれたら、一緒に色々見て回ろうって言ったの守れなくてさ…」

ヒストリア「…え?」

フリーダ「でも、大丈夫だよね…今のヒストリアなら」

フリーダ「元気でね」

ヒストリア「お…お姉…」



―――――

クリスタ「…お姉ちゃん…」パチッ

エレン「お、目ぇ覚めたか」

ミカサ「おはよう。今クリスタはエレンにおんぶされている」

クリスタ「!」

クリスタ「あ…エット…1人でアルケル…」

アルミン「ダメだよ無理したら、凄い熱だったんだから」

クリスタ「ハイ」

エレン「よし、目的地まで見えてきた」



ザッザッザッ…

⑫ユミル


ユミル「…」


クリスタ「…ユミル~」


ユミル「…」


クリスタ「ユミル~」


ユミル「…」


クリスタ「…」

トテトテトテ…

クリスタ「ユミル…」チョンチョン

ユミル「おう。どうした?」

クリスタ「へ、返事シテヨー…」

ユミル「してるじゃねぇか」

クリスタ「エッ……す、すこち……少し前からヨンデタヨー…」

ユミル「マジで?すまん、本当に気づかんかった」

クリスタ「ウウウ…」

ユミル「遠くから呼ぶときはもう少し大きく喋ろうな」

クリスタ「ハイ」

ユミル「…で、何のようだ?」

クリスタ「エッ………エット……アレ……わすれた…」

ユミル「はあ?忘れたぁ?」

クリスタ「ウン」

ユミル「まあ、いいや。どうせ暇だろ、そこ座れよ」

クリスタ「シツレイシマス」

クリスタ「…エット……ねえ、ユミル…」

ユミル「ん?」

クリスタ「ゆ…ユミルは…所属へーか、ドウスルノ?」

ユミル「さあ…調査兵団かも知れんし駐屯兵団かも知れんし何もしないかも知れんし…決めてない」

クリスタ「ワタシは……ちーとん…駐屯兵団に…しようカナァ…ッテ…」

ユミル「いや、憲兵団入れよ」

クリスタ「エッ…エット…でも……たぶん…私……ケーペーダン無理、だと…思うシ……」

ユミル「いや、入れるんじゃね?」

クリスタ「ソウカナ…」

ユミル「入れる入れる。憲兵団なら安全だからそうしろ」

クリスタ「まあ……ハイレタラ…」

ユミル「それにしてもお前…三年たつのに相変わらず喋るの苦手なままだったな」

クリスタ「うん…そうナンダヨ……残念なコトニ…」

ユミル「まあ、いいんじゃねぇの?中身は成長してるから」

クリスタ「エッ?」

ユミル「前はいつもオドオドしてばっかりだったからな。入団したばっかりの頃は私の後ろに隠れてキョロキョロしてたし」

クリスタ「…恥ずカシイデス…」

ユミル「今はもう前ほど臆病じゃないだろ。今は今でいいと思うよ」

クリスタ「ソウカナ…ありがと」

クリスタ「…そういえば…アレ…」

ユミル「なんだ?」

クリスタ「あの…ユキヤマの時……ダ…ダ………」

ユミル「ダズか?」

クリスタ「うん、そう。ダズを助けたトキ…アレ…」

クリスタ「どぅやって…助けたンダロウなぁ……って…思っテルんダケド」

ユミル「まあ、そのうち話すよ…」

クリスタ「気になるヨー」

ユミル「そん時ははっきりでかい声で話せって言っただろ。まだ駄目」

クリスタ「…努力シマス」

ユミル「…兵団卒業したら、たぶん一緒に居られないかも知れないから……私がいなくてもちゃんとシャキッとしてろよ」

クリスタ「ウン…大丈夫。………タブン…」

ユミル「多分かよ」

ユミル「…これからも色々あるだろうし、どう生きようが自由だけどな…」

クリスタ「…」

ユミル「まあ…胸張って生きろよ」

クリスタ「うん、ガンバる」

ユミル「頑張れや」


―――解散式―――

「…では、上位10名を発表する」


「首席 ミカサ・アッカーマン」


クリスタ(やっぱりミカサはすごいなぁ…)


「………8番 コニー・スプリンガー。9番 サシャ・ブラウス」

クリスタ(サシャとコニーも入れたんだ。さすがだなぁ…)

「10番 クリスタ・レンズ」

クリスタ(へえ…クリスタさんが10番か…)

クリスタ「………」


クリスタ「…!!?」ビクウッ


「返事をしろ!クリスタ・レンズ!」

クリスタ「ひ、ひゃい!ヒストリアです!!」

クリスタ「…ジャナクテ…クリスタです…」


ユミル「テンパりすぎだろオイ」

サシャ「良かったですね、クリスタ!」

コニー「すげぇな、お前も入れたのか」

クリスタ「あ…エト……アウアウ……」オロオロ


ユミル「落ち着け落ち着け」ポンポン

エレン「へえ、クリスタが入れたのか」

アルミン「意外だね」

ジャン「まあ、良かったじゃねぇか」


クリスタ「な…何でハイレタンダロウ…」

ミカサ「それはきっとクリスタが可愛いから」

アニ「私もそう思うよ。今日はミカサに同意だ」

ベルトルト「僕も同感だ」

ライナー「俺のよめ…みんなの女神だからな」

クリスタ「よ…よくワカラナイけど……ナンカアリガトウ……」


クリスタ「ゆ…ユミル…」

ユミル「ん?」

クリスタ「な…なんでワタシガ…」

ユミル「さあ、知らね」

クリスタ(たぶん知ってる…)

ユミル「まあ、いいじゃねぇか、入れたんだからよ。卒業してからも頑張れよ」

クリスタ「う…ウン。ユミルも頑張ってネ」

ユミル「へいへい」




………その後、クリスタ、サシャ、コニー、ジャン、マルコは憲兵団

エレン、ミカサ、アルミン、ライナー、ベルトルト、アニは調査兵団

ユミルは駐屯兵団への所属となった。






おしまい

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