デク「かっちゃんが学校を休んだ……?」(24)

切島「なん……だと……?」

上鳴「嘘……だろ……?」

峰田「どういう……ことだよ……?」

梅雨「事故にでも遭ったのかしら」

葉隠「事件に巻き込まれたのかな……?」

飯田「まさか重病を患っているのか……!? 爆豪くん、そんなことは一言も……!」

相澤「風邪で寝込んでるそうだ」

切島「風邪……だと……?」

瀬呂「いやもういいって!」

ザワザワ…

切島「まさか爆豪が学校休むなんてな……」

上鳴「空から牛が降ってきてもおかしくねーな」

梅雨「せっかく梅雨入りしたのに残念だわ」

デク「いや、蛇口を捻ったら牛が出てくるレベルだよ」

お茶子(違いが分からへん……)

デク「どうしよう……全国8950万人のかっちゃんファンにどうお詫びすれば……」

上鳴「正直一番動かしやすい俺が爆豪の代わりを務めるしかねーみてーだな!」

デク「ダメだよ! そんなことしたら全世界895億人のかっちゃんファンが暴動を起こすよ」

峰田「人口ってそんな多かったか?」

デク「かっちゃんレベルになると人口爆発も手動で起こせるんだ」

上鳴「ちくしょう……爆豪がいなけりゃ誰をイジればいいんだよ」

轟「まず誰かをイジるという考えを捨てろ」

上鳴「そもそもバカと爆豪は風邪引かないんじゃなかったのかよ」

デク「かっちゃんはバカじゃないよ!!」

瀬呂「お、おう。落ち着け緑谷」

峰田「パイがないならヤオヨロッパイを食べればいいじゃない!」

八百万「ここで脈絡のない下ネタを……! 油断も隙もありませんわ」

デク「かっちゃんはそんなこと言わない!!」

デク(ダメだ……みんな混乱している……)

デク(落ち着け……落ち着くんだ……)

デク(かっちゃん……)

デク「……」スゥゥ

デク「かっちゃんは死んだ! もういない!」

一同「!!」

デク「だけど僕の背中に、この胸に、ひとつになって生き続ける!」

轟「緑谷には悪いが、爆豪にとっちゃ拷問だろそれ」

上鳴「いい台詞だ。感動的だな。だがパクリだ」

デク「かっちゃんがいなくても、僕たちは無事に今日一日を乗り切ってみせる!!」

お茶子「その意気だよデクくん!」

切島「爆豪……見てるか?」

飯田「君の思いは俺たちがしっかりと受け継いだぞ」

常闇「お前の残した意志が俺に力を与える……」

上鳴「よっしゃあ! なんだか今日イケそうな気がするー!!」

耳郎「……爆豪って風邪で寝てるだけだよね?」

相澤「一限目は抜き打ちテストだ」

上鳴「よっしゃあああああTHE ENDォォォ!!!」

耳郎「アホ」

デク(抜き打ち……! でも大丈夫、きっと出来るはず……!)

デク(今までの授業をちゃんと聞いて、家でも勉強してれば……)

葉隠「おーい! 緑谷くーん!」ヒラヒラ

デク「えっ? あ、ごめん葉隠さん」

デク(そうだ……かっちゃんはもういないんだ……)

カチカチ…

デク(静かだな……だけど)

カチカチ…

デク(さっきから何だろう? この音……まさか)

デク(かっちゃん、僕の席に時限爆弾を!?)

デク(大変だ! すぐに解除しなきゃ)

デク(……と、その前にテストだな)

デク(あ……ここも進研ゼミでやったことない……)

デク(落ち着け、落ち着くんだ……)

デク(かっちゃんが死の三日前に言ってたことを思い出せ!)


勝己『選択問題で同じ答えが連続してると不安になるだぁ?』

勝己『一生そのレベルでキーキー言ってろ』


デク(よし、解けた!)

デク(……)

デク(念のため見直しもしておこう)

キーンコーンカーンコーン

相澤「そこまでだ。悪あがきはやめてさっさと集めろ」

峰田「ひたすら鉛筆を転がすだけの簡単な作業」キリッ

耳郎「先生、上鳴が息してないんですけど放っといていいスか?」

デク(ふう……テストの方は心配なさそうだ)

デク(あとは爆弾だな)ゴソゴソ

デク(残り8分95秒で爆発する……! 急がなきゃ)

デク(ん? 95秒……? まあかっちゃん進法ならしょうがないか)

デク(神に捧げた青銅器色と、古代の翡翠の曲玉色のどちらを切るべきか……)

デク(何でどっちも緑系統なんだろう? あ、僕への嫌がらせか)ナットク

ブツブツ…

お茶子「デクくん、一人で何やってるの? 根暗だよ?」

デク「麗日さん! いや、これは何でもないんだ。ただのかっちゃんの形見だよ」

お茶子「そうなんや……大切にせんとね」

デク「ところで麗日さん、青銅器の中では何が好き?」

お茶子「うーん……やっぱり銅鐸かな? 形が面白いし!」

芦戸「でもあれって何に使うのかな?」

梅雨「鐘のようなものだったんじゃないかしら。祭りに使われたそうよ」

デク(よし、女子たちが銅鐸トークで盛り上がってる隙に……)

デク(どっちを切るべきか……どっちだ……?)

デク(落ち着け……落ち着くんだ……)

デク(かっちゃんが死の二日前に言っていた言葉を思い出せ!)


勝己『LINEを既読付けずに読む方法だぁ?』

勝己『知るか。他人に縋るな』

勝己『だいたい読んですぐ返信なんかしねーよ。俺のしたい時にする』

勝己『俺のを読んで二秒以内に返信しなかったら殺すけどな』

勝己『は? 何だよ?』

勝己『そもそも友達がいな……てめえ!! 殺すぞ!!!』

勝己『は……? カラオケ?』

勝己『こないだの……いや知らねえ』

勝己『……』

勝己『あっそ。別に構わねえよ』

勝己『は? 悲しくなんかねえし』

勝己『いやだから誘えとか言ってねえし全然』

勝己『んだよ』

勝己『おい、そんな目で見んじゃねえ……』

勝己『いつもみてーに笑えよ!』

勝己『何か言えよ!! コラ!!!』


デク(よし! こっちに決めた!!)ブチッ

ドカーン

デク(コレだよ!!!)

デク(……)

デク(あれ?)

デク(爆発……してない?)

デク(でも、さっきの音は……)

上鳴「スイスイスーダララwwwwwwwwwwギッチョンチョンノパーイパイwwwwww」

一同「!!??」

デク「あ」

上鳴「オッペケペッポーペッポッポーwwwwwwwwアジャラカモクレン!!!!wwwwww」

飯田「どういうことだ? 電気を使っていないのに……」

耳郎「テストの出来がそんなショックだったの……? なんかゴメン」

デク(時限バカ弾だったのか……)

上鳴「ナンジャラモンジャラホニャラカピーwwwwwwwwwww」

デク(懐かしいなあ……漫画まだうちにあるかな?)

オールマイト「本日の訓練は爆弾処理だ!!」

デク「また!!??」

オールマイト「地味だと思われるかもしれないが、これも立派なヒーローの仕事だぞ!」

瀬呂「いやめっちゃ派手じゃね? 爆発したらやべえだろ」

障子「爆発といえば……」

峰田「あいつも色々とやべー奴だったな……」

尾白「死んだ人のことを悪く言うのはよそう」

上鳴「なぁバーニングアイス、これ一気に凍結できねえの?」

轟「アイスだけでいいだろ」

切島「やたら使い勝手悪かったよなーあれ」

上鳴「スパークはカッターもニードルもかっこよかったよな!」

切島「あっ! お前ら二人で冷蔵庫じゃね?」

轟(バーニングがないとクリアできないステージ……嫌なことを思い出しちまった)

デク(本日二回目の爆弾処理か……さっきみたいに何事も起きなければいいけど)

デク(かっちゃんならこんな爆弾ひと口で……)

デク(いや! いつまでもかっちゃんに頼ってばかりじゃだめだ!)

デク(僕一人でやらなきゃ、かっちゃんが安心して帰れないんだ!!)

デク(どこに帰るのかって? それは……秘密さ!!)

青山「Oh……人気者の宿命☆」

デク(とりあえず爆弾の構造から把握しなくちゃ……)

八百万「チョロいですわ」

デク「えっ?」

八百万「構造さえ理解してしまえばあとは解体するだけです」ガチャガチャ

デク「た、頼もしい……」

峰田「よかったなー緑谷! チョロい八百万と同じチームで!」

八百万「何かが違いますわ……」

キーンコーンカーンコーン

相澤「小テストを返す」

一同「早っ!!」

相澤「番号順に取りに来い。解説もこの時間でやる」

デク(小テストか……)

デク(僕らがこの結果に一喜一憂してる間にもかっちゃんは風邪で苦しんでいるんだ……)

デク(ん?)

デク(そうだ! 風邪じゃないか……!)

デク(かっちゃんは死んだとかなんとか意味不明なこと言ってたけど……)

デク(今もかっちゃんは誰かの救けを求めているんだ! 見えないけどきっとそうだ)

デク(だったら僕がすべきことは……)

デク(落ち着け……落ち着くんだ……)

デク(かっちゃんが死の前日に言っていた言葉を思い出せ!)

勝己『はぁ? バーニングボムが一番強えに決まってんだろ。見た目も派手だし』

勝己『あとはカッターボムとニードルボムもそこそこ強えな』

勝己『アイスボムとスパークボムとボムボムも結構使えるんじゃねえの』

勝己『まあストーンボムの破壊力には敵わねえけどな』

勝己『それ以外はゴミだから使う必要はねえ』

勝己『つーかボム単体でも……おい誰だ今ボマーって言ったやつ! 殺すぞ!』


デク(そうだ……こんなことしてる場合じゃない!!)

デク「あの、先生!」ガタッ

相澤「どうした緑谷」

デク「ヒーローって人を助けるからヒーローなんですよね?」

相澤「営利目的の奴も多いが、まあ根底にあるものはそれだろうな」

デク「かっちゃんは今も風邪で寝込んでるんですよね?」

相澤「寝込んでるかどうかは知らんが、ほかの奴にうつしても困るから治るまでは来させねえぞ」

デク「それなら、今僕たちがするべきはかっちゃんを助けること! ですよね?」

相澤「……」

相澤「は?」

飯田「そうか……! 友達を思いやる精神! これこそがヒーローの本質というものだ!!」ガタッ

切島「緑谷ありがとな! 俺ら大事なこと忘れてたぜ!」ガタッ

芦戸「爆豪の家行くの!? すっごい楽しみ!」ガタッ

梅雨「遊びに行くわけじゃないのよ。おやつは三百円までだわ」ガタッ

上鳴「せんせー! バナナはおやつに入りますか?」ガタッ

相澤「……」

相澤「は?」

デク「先生、ちょっとトイレ行ってきます!」ガタッ

お茶子「私も、もう漏れそう……!」ガタッ

峰田「そいつはいろんな意味で大変だな!」ガタッ

八百万「不適切な表現があったことをお詫びいたしますわ!」ガタッ

相澤「おい」

耳郎「しょうがない……付き合ってやるか」ガタッ

シーン

相澤「……デジャヴか?」

常闇「イザナミだ……」

轟「勝手に風邪引いただけの奴を助けに行って何がしてえんだ……」

轟「そもそも体温調節ができりゃ風邪なんか引かねえだろ」

相澤「いやお前には言われたくねえ……」

飯田「お邪魔します!」

切島「爆発さん太郎ー!? 生きてるか!?」

お茶子「爆豪くん家来るの初めてや……」

瀬呂「まあ最初で最後だろうな!」

ドタドタ…

上鳴「おーい! 遊……見舞いに来てやったぞ!」

勝己「何人来てんだ!! 悪化するわ!!!」

峰田「なんだよ元気そうじゃねえか」

勝己「元気だったらぶっ殺してる……」

葉隠「ホントだ! すごい熱だね!」ペタッ

芦戸「爆豪、お粥あーんしてあげる!」

上鳴「ひゅーwwwさすがモテ豪wwww」

勝己「ああ……汗が溢れ出よるわ……」

勝己「……つーかよ」

勝己「いるんだろ? デク」

デク「あ、やっぱりばれちゃったか……」

峰田「緑谷! なにコソコソしてんだよ!」

デク「いや、僕が出て行ったらかっちゃんの具合悪化するかと思って」

勝己「もう悪化してんだよ! 体中が痒くてたまらねえ」

飯田「アレルギー反応か」

耳郎「つか、結構部屋片付いてんだね」

尾白「もっと散らかってるのかと思ってたよ」

デク「かっちゃんは結構キッチリしてるんだよ」

勝己「おい、居座るんじゃねえ……」

青山「だけど僕の部屋のほうがとってもエレガント☆ 今度お見せし

上鳴「あれ? あっこにあんの64じゃねえ?」

切島「クッソ懐かしいの来たな!」

上鳴「マリカにマリパ! スマブラ! みんなでやらね?」

飯田「待つんだ上鳴くん! 今日は遊ぶために集まったわけではないぞ!」

勝己「か……」

八百万「そうですわ。爆豪さんにはわかめ料理を食べて元気になっていただきましょう」

発目「いいえ! 足つぼマッサージ機で健康になるべきです!」

デク「いつの間に!? どこから現れたの!!?」

お茶子「神出鬼没や……!」

勝己「え……」

梅雨「る?」

勝己「れ!!!!!!!!!!!!!!」BOOOM

翌日

シーン

相澤「……」

勝己「あー風邪うつしまくってスッキリしたぜ」

相澤「お前しばらく来なくていいぞ」

勝己「なんでだよ!!!! 勝手に押しかけたやつらが悪いだろ!!」

轟「今回ばかりはお前は悪くない」

勝己「いつも悪くねえよ!!!!」

常闇「爆豪は犠牲になったのだ……」



おしまい
64って彼らが生まれたころにはもう……おお怖
暇つぶしに脳内メーカーやってみたんですが、お茶子ェ…
めっちゃ合ってる人が何人かいてたのしかったです。みんなもやってみよう

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